(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】基地局、車両及び交通通信システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/087 20060101AFI20221031BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G08G1/087
G08G1/09 Q
G08G1/09 R
(21)【出願番号】P 2020539444
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2019033337
(87)【国際公開番号】W WO2020045354
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2018160436
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】星 李佳
【審査官】稲垣 彰彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-305084(JP,A)
【文献】特開2003-296881(JP,A)
【文献】特開2009-146137(JP,A)
【文献】特開2014-154128(JP,A)
【文献】特表2002-541536(JP,A)
【文献】特開2014-32545(JP,A)
【文献】特開2011-221854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124869(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0032670(US,A1)
【文献】米国特許第6958707(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両が通る第1道路及び第2車両が通る第2道路が交差する交差点に設けられる交通安全装置を制御する基地局であって、
前記第1車両から第1メッセージを受信し、前記第2車両から第2メッセージを受信する受信部と、
前記交通安全装置を制御する制御部と、を備え、
前記第1道路は、前記第2車両の進入が制限される前記第1車両の専用道であり、
前記制御部は、
前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の前記交差点への近接が検出され、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の前記交差点への近接が検出され、かつ、前記第2車両が緊急車両ではないと判定された場合に、前記第2車両よりも前記第1車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第1制御を実行し、
前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の前記交差点への近接が検出され、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の前記交差点への近接が検出され、かつ、前記第2車両が前記緊急車両であると判定された場合に、前記第1車両よりも前記第2車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第2制御を実行する、基地局。
【請求項2】
前記交通安全装置として、前記第1道路に設けられるゲートが設けられており、
前記制御部は、前記第2制御において前記ゲートを制御する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記交通安全装置として、前記第2道路に設けられる信号機が設けられており、
前記制御部は、前記第2制御において前記信号機を制御する、請求項1又は請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記第1メッセージは、前記第1車両が2以上の車両によって構成される連結車列を構成するか否かを示す情報要素を含み、
前記制御部は、前記情報要素に基づいて前記第2制御を実行する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2制御を実行する場合において、
前記情報要素が、前記第1車両が前記連結車列を構成することを示す場合、前記緊急車両である前記第2車両の後に前記第1車両が前記交差点を通過するように前記交通安全装置を制御する、請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記第1メッセージは、前記情報要素が、前記第1車両が前記連結車列を構成することを示す場合、前記連結車列の長さを示す情報要素をさらに含み、
前記制御部は、前記第2制御を実行する場合において、
前記連結車列の長さが閾値よりも長い場合、前記緊急車両である前記第2車両の後に前記第1車両が前記交差点を通過するように前記交通安全装置を制御する、請求項4に記載の基地局。
【請求項7】
前記第1メッセージは、前記第1車両の位置及び前記第1車両の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含み、
前記第2メッセージは、前記第2車両の位置及び前記第2車両の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含み、
前記制御部は、前記第1メッセージに含まれる前記情報要素によって特定される前記第1車両の速度及び前記第2メッセージに含まれる前記情報要素によって特定される前記第2車両の速度に基づいて前記第2制御を実行する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1車両の速度に基づいて、前記第1車両が前記交差点から離脱する離脱タイミングを推定し、
前記第2車両の速度に基づいて、前記第2車両が前記交差点に進入する進入タイミングを推定し、
前記制御部は、前記第2制御を実行する場合において、
前記離脱タイミングが前記進入タイミングよりも前である場合、前記緊急車両である前記第2車両よりも前に前記第1車両が前記交差点を通過するように前記交通安全装置を制御し、
前記離脱タイミングが前記進入タイミングよりも後である場合、前記緊急車両である前記第2車両よりも後に前記第1車両が前記交差点を通過するように前記交通安全装置を制御する、請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記第2メッセージは、前記第2車両が前記緊急車両であるか否かを示す情報要素を含み、
前記制御部は、前記情報要素に基づいて、前記第2車両が前記緊急車両であるか否かを特定する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項10】
第1車両が通る第1道路及び第2車両が通る第2道路が交差する交差点に設けられる交通安全装置と、
前記交通安全装置を制御する基地局と、を備え、
前記第1道路は、前記第2車両の進入が制限される前記第1車両の専用道であり、
前記基地局は、
前記第1車両から第1メッセージを受信し、前記第2車両から第2メッセージを受信し、
前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の前記交差点への近接が検出され、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の前記交差点への近接が検出され、かつ、前記第2車両が緊急車両ではないと判定された場合に、前記第2車両よりも前記第1車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第1制御を実行し、
前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の前記交差点への近接が検出され、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の前記交差点への近接が検出され、かつ、前記第2車両が前記緊急車両であると判定された場合に、前記第1車両よりも前記第2車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第2制御を実行する、交通通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、車両及び交通通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高度交通システム(例えば、ITS;Intelligent Transport System)において、道路に設けられる路側機(基地局)と車両との間で通信を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】一般社団法人電波産業会、”700MHz帯高度道路交通システム ARIB-STDT109 1.3版“,[online]、平成29年7月27日、[平成30年6月22日検索]、インターネット<URL:http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html>
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴に係る基地局は、第1車両が通る第1道路及び第2車両が通る第2道路が交差する交差点に設けられる交通安全装置を制御する。前記基地局は、前記第1車両から第1メッセージを受信し、前記第2車両から第2メッセージを受信する受信部と、前記交通安全装置を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の近接が検出された場合に、前記第2車両よりも前記第1車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第1制御を実行する。前記制御部は、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の近接が検出された場合であって、かつ、前記第2車両が緊急車両であると判定された場合に、前記第1車両よりも前記第2車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第2制御を実行する。
【0005】
第2の特徴に係る車両は、第1の特徴に係る基地局と通信を行う。
【0006】
第3の特徴に係る交通通信システムは、第1車両が通る第1道路及び第2車両が通る第2道路が交差する交差点に設けられる交通安全装置と、前記交通安全装置を制御する基地局と、を備える。前記基地局は、前記第1車両から第1メッセージを受信し、前記第2車両から第2メッセージを受信し、前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の近接が検出された場合に、前記第2車両よりも前記第1車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第1制御を実行し、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の近接が検出された場合であって、かつ、前記第2車両が緊急車両であると判定された場合に、前記第1車両よりも前記第2車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第2制御を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る交通通信システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る車両10の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る車両20の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る路側機40の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る路車間通信の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る交通通信方法の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る交通通信方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上述した高度交通システムにおいて、第1道路及び第2道路が交差する交差点が存在する場合に、第1道路を第1車両が通っており、第2道路を第2車両が通っているケースが想定される。
【0009】
このようなケースにおいて、交差点に設けられる交通安全装置(信号機又はゲートなど)を制御する必要がある。第1車両を第2車両よりも優先する利用シーンを想定した場合において、第2車両が緊急車両である場合には、緊急車両を第1車両よりも優先する必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、緊急車両を適切に通行させることを可能とする。
【0011】
実施形態に係る基地局は、第1車両が通る第1道路及び第2車両が通る第2道路が交差する交差点に設けられる交通安全装置を制御する。前記基地局は、前記第1車両から第1メッセージを受信し、前記第2車両から第2メッセージを受信する受信部と、前記交通安全装置を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記第1メッセージに基づいて前記第1車両の近接が検出された場合に、前記第2車両よりも前記第1車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第1制御を実行する。前記制御部は、前記第2メッセージに基づいて前記第2車両の近接が検出された場合であって、かつ、前記第2車両が緊急車両であると判定された場合に、前記第1車両よりも前記第2車両を優先するように前記交通安全装置を制御する第2制御を実行する。
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0013】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
【0014】
[実施形態]
(交通通信システム)
以下において、実施形態に係る交通通信システムの一例について説明する。実施形態では、
図1に示すように、道路110及び道路120が交差するケースについて例示する。ここでは、道路110が車両10の通り道であり、道路120が車両20の通り道であるケースを想定する。さらに、道路110に路側機40が設けられるケースを例示する。路側機40は、道路110の路側に設けられてもよく、道路110上に設けられてもよい。路側機40は、基地局の一例である。
【0015】
実施形態では、道路110及び道路120の交差点において、道路110上にゲート130(ゲート131及びゲート132)が設けられてもよく、道路120上に信号機140(信号機141及び信号機142)が設けられてもよい。
【0016】
車両10は、第1車両の一例である。車両10は、自動二輪車、自動三輪車、又は自動四輪車などの自動車であってもよい。車両10は、電車であってもよい。車両10は、路側機40と通信(路車間通信)を行う。ここでは、車両10がバスであるケースを例示する。
図1では、車両10として、車両10A、車両10B及び車両10Cが例示されている。車両10Aは、1以上の被牽引車両を牽引する牽引車両の一例である。車両10B及び車両10Cは、牽引車両によって牽引される1以上の被牽引車両の一例である。牽引方法は、車両10がケーブルなどによって連結される物理的な牽引方法であってもよく、車両10がレーダや通信などによって牽引される電子的な牽引方法であってもよい。このような牽引において、牽引を適切に維持するために車両10間の通信(車車間通信)が行われてもよい。以下においては、2以上の車両(例えば、牽引車両及び1以上の被牽引車両)によって構成される車列を連結車列と称することもある。車両10の詳細については後述する(
図2を参照)。
【0017】
車両20は、第2車両の一例である。車両20は、自動二輪車、自動三輪車、又は自動四輪車などの自動車であってもよい。ここでは、車両20が自動四輪車であるケースを例示する。車両20は、路側機40と通信(路車間通信)を行ってもよい。車両20は、他の車両と通信(車車間通信)を行う。車両20は、警察車両、消防車両、又は救急車両などの緊急車両であってもよい。
【0018】
路側機40は、車両10と通信(路車間通信)を行う。路側機40は、車両20と通信(路車間通信)を行ってもよい。路側機40は、ゲート130と通信を行う機能を有していてもよい。路側機40は、信号機140と通信を行う機能を有していてもよい。上述した車車間通信は、路車間通信が行われていないタイミングで行われてもよい。路側機40の詳細については後述する(
図3を参照)。
【0019】
道路110は、第1車両(車両10)が通る第1道路の一例である。道路110は、自動車道であってもよく、線路であってもよい。道路110は、車両20の進入が制限された車両10の専用道であってもよい。
【0020】
道路120は、第2車両(車両20)が通る第1道路の一例である。道路120は、自動車道であってもよい。道路120は、車両10の進入が許容された道路であってもよい。
【0021】
ゲート130は、道路に設けられる交通安全装置の一例であり、連結車列が通る進行道路(ここでは、道路110)に設けられる。ゲート130は、道路110への車両20の進入を制限するためのゲートである。ゲート130は、車両10が交差点を通過しないときに閉じ、車両10が交差点を通過するときに開くように構成される。例えば、ゲート130は、車両10の運行スケジュールに応じて開閉してもよい。ゲート130は、交差点への車両10の接近に応じて開き、交差点からの車両10の離脱に応じて閉じてもよい。車両10の接近及び離脱は、車両10からメッセージを受信できるか否かに基づいて路側機40によって検出された上で、路側機40からゲート130に通知されてもよい。
【0022】
信号機140は、道路に設けられる交通安全装置の一例であり、連結車列が通る進行道路と交差する交差道路(ここでは、道路120)に設けられる。信号機140は、車両20の交差点の通過を許可するか否かを示す信号(例えば、青信号、黄信号、赤信号)を表示するように構成される。信号機140は、車両20に注意喚起を促す点滅信号を表示するように構成されてもよい。例えば、信号機140は、予め定められたスケジュールに応じて信号を切り替えてもよい。ゲート130は、交差点への車両10の接近及び交差点からの車両10の離脱に応じて信号を切り替えてもよい。車両10の接近及び離脱は、車両10からメッセージを受信できるか否かに基づいて路側機40によって検出された上で、路側機40から信号機140に通知されてもよい。
【0023】
(第1車両)
以下において、実施形態に係る第1車両の一例について説明する。ここでは、第1車両として車両10を例示する。
図2に示すように、車両10は、通信部11及び制御部12を有する。
【0024】
通信部11は、無線通信モジュールによって構成される。通信部11は、キャリアセンスを行って電波の周波数(例えば、700MHz帯)の空き状態を判定する機能を有していてもよい。通信部11は、電波の周波数が空いているタイミングでパケットを送信する。1以上のパケットによって1つのメッセージが構成されてもよい。
【0025】
通信部11は、路車間通信、及び/又は車車間通信を行ってもよい。パケットは、送信元の識別に用いる識別情報、路側機40に対する同期方法を示す同期情報、パケットの送信時刻、及び/又は路車間通信の期間を示す期間情報(路車間通信の転送回数、路車間通信の期間長)などを含む。車車間通信は、路車間通信に伴って生じる通信(パケット転送)及び/又は、牽引を適切に維持するための通信(車間距離を維持するための通信など)を含んでもよい。
【0026】
以下において、上述したメッセージを踏まえて、車両10が送信する第1メッセージの詳細について説明する。
【0027】
通信部11は、車両10の位置及び車両10の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含む第1メッセージを所定周期で送信してもよい。車両10の位置は、車両10に設けられるGPS(Global Positioning System)によって測定される緯度及び経度であってもよい。車両10の速度は、車両10に設けられる速度計によって測定される速度(例えば、km/h)であってもよい。
【0028】
通信部11は、2以上の車両によって構成される連結車列において車両10が先頭に位置する車両(第1車両と称することもある)である場合に、車両10が先頭車両であることを特定するための第1情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。通信部11は、連結車列において車両10が後尾に位置する車両(第2車両と称することもある)である場合に、車両10が後尾車両であることを特定するための第2情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。
【0029】
第1に、第1情報要素は、自身の車両10が先頭車両であることを識別する情報要素を含んでもよい。第2情報要素は、自身の車両10が後尾車両であることを識別する情報要素を含んでもよい。これらの情報要素は、先頭車両、後尾車両及びこれら以外の車両を表す2ビットフラグを含んでもよい。
【0030】
第2に、第1情報要素は、先頭車両の位置を示す情報要素を含んでもよい。第2情報要素は、後尾車両の位置を示す情報要素を含んでもよい。位置を示す情報要素は、自身の車両10が何両目の車両であるかを示す情報要素を含んでもよい。このようなケースにおいて、第1情報要素及び第2情報要素は、連結車列を構成する車両の数を示す情報要素を含むことが好ましい。例えば、第1情報要素及び第2情報要素は、○○/××で表されてもよい。××は、自身の車両10が何両目の車両であるかを示す情報要素であり、○○は、連結車列を構成する車両の数を示す情報要素である。或いは、位置を示す情報要素は、自身の車両10の緯度及び経度を示す情報要素を含んでもよい。このようなケースであっても、路側機40は、車両10の緯度及び経度を示す情報要素に基づいて、連結車列を構成する車両10を特定することができ、車両10が先頭車両であるのか後尾車両であるのかを判定することができる。
【0031】
通信部11は、牽引車両によって1以上の被牽引車両が牽引されているか否かを示す情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。例えば、情報要素は牽引の有無を示す1ビットフラグであってもよい。
【0032】
通信部11は、車両10が牽引車両である場合に、1以上の被牽引車両を牽引しているか否かを示す情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。例えば、情報要素は、車両10が牽引車両であるか否かを示す1ビットフラグであってもよい。このような情報要素は、上述した第1情報要素として用いられてもよい。或いは、通信部11は、車両10が被牽引車両である場合に、牽引車両によって牽引されているか否かを示す情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。例えば、情報要素は、車両10が被牽引車両であるか否かを示す1ビットフラグであってもよい。或いは、情報要素は、車両10が牽引車両であるか被牽引車両であるかを示す1ビットフラグであってもよい。
【0033】
通信部11は、牽引車両によって1以上の被牽引車両が牽引されている場合において、牽引車両及び被牽引車両を含む車列の長さを表す情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。車列の長さは、車列を構成する車両10の数、車列の物理的な長さ、及び/又は車列の長さに応じて予め定められたインデックスで表されてもよい。
【0034】
通信部11は、牽引車両によって1以上の被牽引車両が牽引されている場合において、牽引方法を示す情報要素を含む第1メッセージを送信してもよい。上述したように、牽引方法としては、車両10が物理的に連結される牽引方法、及び/又は車両10が電子的に連結される牽引方法であってもよい。
【0035】
制御部12は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)などを有する制御回路によって構成される。制御部12は、少なくとも通信部11を制御する。例えば、制御部12は、牽引車両によって1以上の被牽引車両が牽引されている場合において、上述した情報要素を含む第1メッセージを送信するように通信部11を制御する。
【0036】
実施形態において、第1メッセージは、ブロードキャストで送信されてもよい。このようなケースにおいて、第1メッセージは、相手を特定する情報要素を含んでいてもよく、相手を特定する情報要素を含んでいなくてもよい。
【0037】
(第2車両)
以下において、実施形態に係る第2車両の一例について説明する。ここでは、第2車両として車両20を例示する。
図3に示すように、車両20は、通信部21及び制御部22を有する。
【0038】
通信部21は、無線通信モジュールによって構成される。通信部21は、キャリアセンスを行って電波の周波数(例えば、700MHz帯)の空き状態を判定する機能を有していてもよい。通信部21は、電波の周波数が空いているタイミングでパケットを送信する。1以上のパケットによって1つのメッセージが構成されてもよい。
【0039】
通信部21は、路車間通信を行ってもよく、車車間通信を行ってもよい。パケットは、送信元の識別に用いる識別情報、路側機40に対する同期方法を示す同期情報、パケットの送信時刻、及び/又は路車間通信の期間を示す期間情報(路車間通信の転送回数、路車間通信の期間長)などを含む。車車間通信は、路車間通信に伴って生じる通信(パケット転送)、及び/又は牽引を適切に維持するための通信(車間距離を維持するための通信など)を含んでもよい。
【0040】
以下において、上述したメッセージを踏まえて、車両20が送信する第2メッセージの詳細について説明する。
【0041】
通信部21は、車両20の位置及び車両20の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含む第2メッセージを所定周期で送信してもよい。車両20の位置は、車両20に設けられるGPS(Global Positioning System)によって測定される緯度及び経度であってもよい。車両20の速度は、車両20に設けられる速度計によって測定される速度(例えば、km/h)であってもよい。
【0042】
通信部21は、車両20が緊急車両であるか否かを示す情報要素を含む第2メッセージを送信してもよい。情報要素は、車両20が緊急車両であるか否かを示す1ビットフラグであってもよい。
【0043】
制御部22は、メモリ及びCPUなどを有する制御回路によって構成される。制御部22は、少なくとも通信部21を制御する。例えば、制御部22は、車両20が緊急車両である場合に、車両20が緊急車両であることを示す情報要素を含む第2メッセージを送信するように通信部21を制御する。
【0044】
実施形態において、第2メッセージは、ブロードキャストで送信されてもよい。このようなケースにおいて、第2メッセージは、相手を特定する情報要素を含んでいてもよく、相手を特定する情報要素を含んでいなくてもよい。
【0045】
(路側機)
以下において、実施形態に係る路側機の一例について説明する。
図4に示すように、路側機40は、通信部41及び制御部42を有する。
【0046】
路側機40の無線通信方式は、ARIB T109、3GPP(3rd GenerationPartnership Project)で定義されるV2X(Vehicle to Everything)、及び/又は無線LANなどの方式に準拠してもよい。路側機40は、これらの通信規格の全てに対応可能なオールインタイプであってもよい。
【0047】
通信部41は、無線通信モジュールによって構成される。通信部41は、キャリアセンスを行って電波の周波数(例えば、700MHz帯)の空き状態を判定する機能を有していなくてもよい。通信部41は、制御部42によって決定されたタイミングでパケットを送信する。1以上のパケットによって1つのメッセージが構成されてもよい。
【0048】
通信部41は、路車間通信を行ってもよい。パケットは、送信元の識別に用いる識別情報、路側機40に対する同期方法を示す同期情報、パケットの送信時刻、及び/又は路車間通信の期間を示す期間情報(路車間通信の転送回数、路車間通信の期間長)などを含む。
【0049】
通信部41は、車両10から第1メッセージを受信する。上述したように、第1メッセージは、車両10の位置及び車両10の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。第1メッセージは、車両10が連結車列を構成するか否かを示す情報要素を含んでもよい。このような情報要素は、牽引車両によって1以上の被牽引車両が牽引されているか否かを示す情報要素であってもよい。
【0050】
通信部41は、車両20から第2メッセージを受信する。上述したように、第2メッセージは、車両20の位置及び車両20の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。第2メッセージは、車両20が緊急車両であるか否かを示す情報要素を含んでもよい。
【0051】
制御部42は、メモリ及びCPUなどを有する制御回路によって構成される。制御部42は、少なくとも通信部41を制御する。制御部42は、道路に設けられる交通安全装置を制御するメッセージを交通安全装置に送信することによって交通安全装置を制御する。
【0052】
第1に、制御部42は、第1メッセージに基づいて車両10の近接が検出された場合に、車両20よりも車両10を優先するように交通安全装置を制御する第1制御を実行する。
【0053】
例えば、車両10から第1メッセージを受信できるということは、少なくとも車両10の通信範囲内に路側機40が存在することを意味するため、制御部42は、第1メッセージの受信に応じて車両10の近接を検出してもよい。
【0054】
制御部42は、第1メッセージに基づいて、車両10の速度を特定してもよい。第1メッセージが車両10の位置を示す情報要素を含む場合には、制御部42は、2回以上の第1メッセージの受信によって車両10の速度を特定することができる。車両10の速度は、第1メッセージの受信周期(所定周期)と車両10の位置の移動量とに基づいて特定可能である。第1メッセージが車両10の速度を示す情報要素を含む場合には、制御部42は、1回の第1メッセージの受信によって車両10の速度を特定することができる。
【0055】
制御部42は、少なくとも車両10の速度に基づいて、車両10が交差点に進入するタイミング(以下、進入タイミング)を推定してもよい。制御部42は、車両10の進入タイミングに基づいて、ゲート130を開くように指示するメッセージをゲート130に送信してもよく、車両20の停止信号を信号機140に表示するように要求するメッセージを信号機140に送信してもよい。
【0056】
制御部42は、少なくとも車両10の速度に基づいて、車両10が交差点から離脱するタイミング(以下、離脱タイミング)を推定してもよい。制御部42は、車両10の離脱タイミングに基づいて、ゲート130を閉じるように指示するメッセージをゲート130に送信してもよく、車両20の進行信号を信号機140に表示するように要求するメッセージを信号機140に送信してもよい。
【0057】
ここで、制御部42は、第1制御において車両20よりも車両10を優先するため、車両20が交差点に近接しているか否か、車両20の速度によらずに、交通安全装置を制御してもよい。
【0058】
第2に、制御部42は、第2メッセージに基づいて車両20の近接が検出された場合であって、かつ、車両20が緊急車両であると判定された場合に、車両10よりも車両20を優先するように交通安全装置を制御する第2制御を実行する。
【0059】
例えば、車両20から第2メッセージを受信できるということは、少なくとも車両20の通信範囲内に路側機40が存在することを意味するため、制御部42は、第2メッセージの受信に応じて車両20の近接を検出してもよい。
【0060】
制御部42は、車両20が緊急車両であるか否かを示す情報要素に基づいて、車両20が緊急車両であるか否かを特定してもよい。或いは、制御部42は、緊急車両から出力されるサイレン音に基づいて車両20が緊急車両であるか否かを特定してもよい。或いは、制御部42は、緊急車両を管理する交通管制センターから受信する情報(例えば、緊急車両の位置及び進路)に基づいて車両20が緊急車両であるか否かを特定してもよい。
【0061】
制御部42は、第2メッセージに基づいて、車両20の速度を特定してもよい。第2メッセージが車両20の位置を示す情報要素を含む場合には、制御部42は、2回以上の第2メッセージの受信によって車両20の速度を特定することができる。車両20の速度は、第2メッセージの受信周期(所定周期)と車両20の位置の移動量とに基づいて特定可能である。第2メッセージが車両20の速度を示す情報要素を含む場合には、制御部42は、1回の第2メッセージの受信によって車両20の速度を特定することができる。
【0062】
制御部42は、少なくとも車両20の速度に基づいて、車両20が交差点に進入するタイミング(以下、進入タイミング)を推定してもよい。制御部42は、車両20の進入タイミングに基づいて、ゲート130を閉じるように指示するメッセージをゲート130に送信してもよく、車両20の進行信号を信号機140に表示するように要求するメッセージを信号機140に送信してもよい。
【0063】
制御部42は、少なくとも車両20の速度に基づいて、車両20が交差点から離脱するタイミング(以下、離脱タイミング)を推定してもよい。制御部42は、車両20の離脱タイミングに基づいて、ゲート130を開くように指示するメッセージをゲート130に送信してもよく、車両20の停止信号を信号機140に表示するように要求するメッセージを信号機140に送信してもよい。
【0064】
ここで、制御部42は、車両10の速度に基づいて第2制御を実行してもよい。例えば、車両10及び車両20(緊急車両)の双方の近接が検出されているケースについて考える。このようなケースにおいて、制御部42は、車両10の速度が閾値よりも速く、車両10が車両20の通行を妨げる可能性が高い場合に、ゲート130を開けずに車両10よりも先に車両20を通過させてもよい。或いは、制御部42は、車両10の速度が閾値よりも遅く、車両10が車両20の通行を妨げる可能性が低い場合に、車両20が交差点を通過した後にゲート130を開けてもよい。
【0065】
さらに、制御部42は、車両10及び車両20の双方の速度に基づいて第2制御を実行してもよい。例えば、車両10及び車両20(緊急車両)の双方の近接が検出されているケースについて考える。このようなケースにおいて、制御部42は、車両10の離脱タイミングが車両20の進入タイミングよりも前である場合には、車両10が車両20よりも先に交差点を通過できるように交通安全装置を制御してもよい。例えば、制御部42は、ゲート130を開いて車両10を通した後に、ゲート130を閉じてもよい。制御部42は、車両20の停止信号を信号機140に表示して車両10を通した後に、車両20の進行信号を信号機140に表示してもよい。一方で、制御部42は、車両10の離脱タイミングが車両20の進入タイミングよりも後である場合には、車両20が車両10よりも先に交差点を通過できるように交通安全装置を制御してもよい。例えば、制御部42は、ゲート130を閉じて車両20を通した後に、ゲート130を開けてもよい。制御部42は、車両20の進行信号を信号機140に表示して車両20を通した後に、車両20の停止信号を信号機140に表示してもよい。
【0066】
(交通通信方法)
以下において、実施形態に係る交通通信方法の一例について説明する。
【0067】
第1に、上述した第1制御について説明する。ここでは、車両10及び車両20の双方の近接が検出される場合において、車両20が緊急車両ではないケースについて例示する。
【0068】
図6に示すように、ステップS11において、車両10は、第1メッセージを所定周期で送信する。第1メッセージは、車両10の位置及び車両10の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。
【0069】
ステップS12において、車両20は、第2メッセージを所定周期で送信する。第2メッセージは、車両20が緊急車両でない旨を示す情報要素を含む。第2メッセージは、車両20の位置及び車両20の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。
【0070】
ステップS13において、路側機40は、第1メッセージの受信に応じて車両10の近接を検出し、第2メッセージの受信に応じて車両20の近接を検出する。
【0071】
ステップS14において、路側機40は、車両20が緊急車両ではないため、車両20よりも車両10を優先するように交通安全装置を制御する第1制御を実行する。第1制御は車両20よりも車両10を優先する制御であり、車両20の速度によらずに交通安全装置が制御されてもよい。
【0072】
第2に、上述した第2制御について説明する。ここでは、車両10及び車両20の双方の近接が検出される場合において、車両20が緊急車両であるケースについて例示する。
【0073】
図7に示すように、ステップS21において、車両10は、第1メッセージを所定周期で送信する。第1メッセージは、車両10の位置及び車両10の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。
【0074】
ステップS22において、車両20は、第2メッセージを所定周期で送信する。第2メッセージは、車両20が緊急車両である旨を示す情報要素を含む。第2メッセージは、車両20の位置及び車両20の速度の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。
【0075】
ステップS23において、路側機40は、第1メッセージの受信に応じて車両10の近接を検出し、第2メッセージの受信に応じて車両20の近接を検出する。
【0076】
ステップS24において、路側機40は、車両20が緊急車両であるため、車両10よりも車両20を優先するように交通安全装置を制御する第2制御を実行する。上述したように、路側機40は、車両10の速度に基づいて第2制御を実行してもよい。
【0077】
(作用及び効果)
実施形態では、路側機40は、車両20よりも車両10を優先する第1制御を前提として、車両20が緊急車両である場合に、車両10よりも車両20を優先する第2制御を行う。このような構成によれば、車両10の通行が妨げられる可能性を低減しながら、緊急車両を適切に通行させることができる。
【0078】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0079】
変更例1において、路側機40は、車両10が連結車列を構成するか否かに基づいて第2制御を実行してもよい。上述したように、第1メッセージは、車両10が連結車列を構成するか否かを示す情報要素を含んでもよい。
【0080】
例えば、車両10及び車両20(緊急車両)の双方の近接が検出されているケースについて考える。このようなケースにおいて、路側機40は、車両10が連結車列を構成しており、車両10が車両20の通行を妨げる可能性が高い場合に、ゲート130を開けずに車両10よりも先に車両20を通過させてもよい。或いは、路側機40は、車両10が連結車列を構成しておらず、車両10が車両20の通行を妨げる可能性が低い場合に、車両20が交差点を通過した後にゲート130を開けてもよい。
【0081】
ここで、路側機40は、連結車列の長さに基づいて、車両10が車両20の通行を妨げる可能性を判定してもよい。路側機40は、連結車列の長さが閾値よりも長い場合に、このような可能性が高いと判定し、連結車列の長さが閾値よりも短い場合に、このような可能性が低いと判定してもよい。
【0082】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0083】
変更例2においては、車両10が連結車列を構成するケースについて考える。路側機40は、先頭車両から受信する第1メッセージに基づいて先頭車両の速度を特定し、特定された速度に基づいて連結車列が交差点に進入するタイミングを特定してもよい。路側機40は、後尾車両から受信する第1メッセージに基づいて後尾車両の速度を特定し、特定された速度に基づいて連結車列が交差点から離脱するタイミングを特定してもよい。
【0084】
路側機40は、連結車列の進入タイミング又は離脱タイミングに基づいて第2制御を実行してもよい。このようなケースにおいて、路側機40は、連結車列の離脱タイミングが車両20の進入タイミングよりも前である場合には、連結車列が車両20よりも先に交差点を通過できるように交通安全装置を制御してもよい。路側機40は、連結車列の離脱タイミングが車両20の進入タイミングよりも後である場合には、車両20が連結車列よりも先に交差点を通過できるように交通安全装置を制御してもよい。
【0085】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0086】
実施形態では、車両10が連結車列を構成するケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。車両10は、連結車列を構成していなくてもよい。
【0087】
実施形態では、路側機40が交通安全装置に隣接する位置に設けられるケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。路側機40は、交通安全装置から離れた位置に設けられてもよい。このようなケースにおいて、路側機40は、交通安全装置の地理的な位置を把握していることが好ましい。
【0088】
実施形態では、交通安全装置がゲート130又は信号機140であるケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。交通安全装置は、車両の通行の可否を指示する信号(言い換えると、車両の進行又は停止の指示信号)を車両に送信する装置であってもよい。信号の送信相手は、車両10であってもよく、車両20であってもよい。
【0089】
実施形態では、路側機40が交通安全装置と別体であるケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。路側機40は交通安全装置と一体であってもよい。このようなケースにおいて、路側機40は、車両の通行の可否を指示する信号を車両に送信してもよい。信号の送信相手は、車両10であってもよく、車両20であってもよい。
【0090】
実施形態では特に触れていないが、路側機40は、他の路側機と通信を行ってもよい(路路間通信)。
【0091】
実施形態では、車両10及び路側機40を中心に説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。車両10及び路側機40の少なくともいずれか1つに設けられる通信装置が提供されてもよい。通信装置は、通信部11の機能又は通信部41の機能を有する。
【0092】
ここで、本実施形態の車両は、各国の交通に係る法律上の車両(例えば、日本の道路交通法の「車両等」であれば自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバス及び路面電車)を含むがこれに限定されない。車両は、自走するものであればよく、例えば、産業機械のうち自走するもの(いわゆる、産業車両)、農業機械のうち自走するもの(いわゆる、農業車両)、建設機械のうち自走するもの(いわゆる、建設車両)等、も含む。さらに、上述の実施形態の説明に矛盾しなければ、車両の自走手段は車輪である必要はなく、いわゆるエアロモービルと呼ばれる空飛ぶ自動車も車両に含みうる。
【0093】
本実施形態の道路は、上述の説明に加え、交通に係る法律(例えば、日本でいう道路交通法)上の道路を含むがこれに限定されない。本実施形態の道路は、車両が通行するための道であればよい。
【0094】
本願は、日本国特許出願第2018-160436号(2018年8月29日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。