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特許7167303モジュール、モジュールの製造方法及び樹脂シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】モジュール、モジュールの製造方法及び樹脂シート
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20221031BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20221031BHJP
   B32B 7/02 20190101ALI20221031BHJP
【FI】
H01L23/30 R
B32B7/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021505074
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010228
(87)【国際公開番号】W WO2020184549
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2019043970
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019046961
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正和
(72)【発明者】
【氏名】久米 亮
(72)【発明者】
【氏名】風間 真一
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-054363(JP,A)
【文献】特開2008-177432(JP,A)
【文献】特開2015-034300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/28-23/31
B32B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた部品と、
前記基板及び部品を被覆する封止材とを備え、
前記基板と前記封止材との間及び前記部品と前記封止材との間に空隙がなく、
前記部品のうち、最も高さの高い部品上の封止材の厚みをT、前記部品角部における封止材の厚みをT、前記封止材が前記基板に当接する端部から前記封止材の端部の厚みが一定になるまでの距離をd、前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みをdとしたとき、下記式(1)~(4)を満たす、モジュール。
100μm≦T≦1300μm (1)
1≦d/d≦11.43 (2)
50μm≦T≦500μm (3)
=T (4)
【請求項2】
前記部品が2個以上であり、前記部品の高さが3.0mm以下であり、前記基板は表面にソルダレジストを有し、前記基板の平面方向における前記封止材の封止面積が2.5×10mm以下である、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記封止材が樹脂シートの硬化物からなる、請求項1又は2に記載のモジュール。
【請求項4】
樹脂シートに設けられた一方の離型フィルムを剥がし、前記樹脂シートの離型フィルムを剥がした面を部品が設けられた基板上に配置し、前記樹脂シートの基板に配置した面とは反対側の面に設けられた離型フィルムを剥がす第一工程と、
前記第一工程で基板上に配置した樹脂シート上から治具により押圧し、前記樹脂シートと前記基板及び部品とを仮固定する第二程と、
前記第二工程で前記基板及び部品と仮固定した樹脂シートを加熱、硬化して前記基板及び部品を封止する第三工程とを有する、請求項1~3のいずれかに記載のモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記第二工程において、治具がローラーである、請求項4に記載のモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記第三工程において、硬化条件が、無加圧、硬化温度80~150℃、硬化時間10分~2.0時間である、請求項4又は5に記載のモジュールの製造方法。
【請求項7】
100℃における溶融粘度が1.2~28Pa・sであり、下記式(I)により算出される100℃におけるチクソ指数が4以下であり、下記条件により測定した浸透距離が1~5mmである、樹脂シート。
チクソ指数(-)=1.0(rad/s)での溶融粘度/10.0(rad/s)での溶融粘度 (I)
(浸透距離の測定)
50μmのクリアランスを設けたガラス板の間に、100℃で溶融した樹脂組成物が浸透する距離を測定する。
【請求項8】
樹脂シートの硬化物の、ガラス転移温度が120℃以上であり、鉛筆硬度が4H以上であり、25℃における曲げ弾性率が10~30GPaであり、150℃のギアオイル中に240時間浸漬した後の曲げ強度が、初期の曲げ強度に対して90%以上である、請求項7に記載の樹脂シート。
【請求項9】
(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、(A-2)軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機フィラーを含み、前記(A-1)成分と(A-2)成分との質量比[(A-1)/(A-2)]が10/90~30/70であり、前記(D)成分の含有量が30~80質量%である熱硬化性樹脂組成物からなる、請求項7又は8に記載の樹脂シート。
【請求項10】
樹脂シートの厚みが30~2000μmであり、前記樹脂シートが、厚み方向に、貫通する複数の貫通部を有する、請求項7~9のいずれかに記載の樹脂シート。
【請求項11】
樹脂シートの厚みが30~2000μmであり、前記樹脂シートが、予め封止部品の形状に追随した形状を有している、請求項7~9のいずれかに記載の樹脂シート。
【請求項12】
樹脂シートの一方の面に離型フィルムが設けられており、
前記樹脂シートは、前記離型フィルムと接する面の下記測定条件による接着強度が、前記樹脂シートの前記離型フィルムと接する面とは反対側の面の下記測定条件による接着強度よりも50%以上大きい、請求項7~9のいずれかに記載の樹脂シート。
(接着強度の測定条件)
樹脂シート上に離型フィルムを貼り付けて、200mm×25mmの大きさに切り出して試験片とし、該試験片の接着強度をJIS K6854-3:1999に準拠して、引張試験機により測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュール、該モジュールの製造方法並びに該モジュールの基板及び部品の封止に用いられる樹脂シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載回路装置等は、水、油、ほこりなどの侵入で電子回路がダメージを受けないように、設置場所を選定している。また回路基板を金属でシールしたり、樹脂で封止する構造がとられている。樹脂で封止する場合は、固形エポキシ樹脂組成物を用いたトランスファー成形法、液状エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂等を用いたポッティング法、ディスペンス法、印刷法等が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-61372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金型を用いない成形法では、必要な部分のみ封止することができるが、樹脂組成物に流動性を持たせると耐熱性が低下する。更に流動性を持たせると該樹脂組成物が流れ出すことで、基板からのはみ出し、封止したくない部材まで封止されてしまう可能性があった。一方、金型を用いた成形法では、成形品の耐熱性及び耐湿性を高めることができる。しかし、封止しなくてもよい箇所まで封止されてしまい、成形品の軽量化を図ることができない可能性があった。
【0005】
本開示の一態様は、信頼性に優れるとともに軽量化を図ることができるモジュール、該モジュールの製造方法並びに該モジュールの基板及び部品の封止に用いられる樹脂シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、下記の開示により解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本願開示は、以下に関する。
[1]基板と、前記基板上に設けられた部品と、前記基板及び部品を被覆する封止材とを備え、前記基板と前記封止材との間及び前記部品と前記封止材との間に空隙がなく、前記部品のうち、最も高さの高い部品上の封止材の厚みをT、前記部品角部における封止材の厚みをT、前記封止材が前記基板に当接する端部から前記封止材の端部の厚みが一定になるまでの距離をd、前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みをdとしたとき、下記式(1)~(4)を満たす、モジュール。
100μm≦T≦1300μm (1)
1≦d/d≦11.43 (2)
50μm≦T≦500μm (3)
=T (4)
[2]樹脂シートに設けられた一方の離型フィルムを剥がし、前記樹脂シートの離型フィルムを剥がした面を部品が設けられた基板上に配置し、前記樹脂シートの基板に配置した面とは反対側の面に設けられた離型フィルムを剥がす第一工程と、前記第一工程で基板上に配置した樹脂シート上から治具により押圧し、前記樹脂シートと前記基板及び部品とを仮固定する第二程と、前記第二工程で前記基板及び部品と仮固定した樹脂シートを加熱、硬化して前記基板及び部品を封止する第三工程とを有する、上記[1]に記載のモジュールの製造方法。
[3]100℃における溶融粘度が1.2~28Pa・sであり、下記式(I)により算、出される100℃におけるチクソ指数が4以下であり、下記条件により測定した浸透距離が1~5mmである、樹脂シート。
チクソ指数(-)=1.0(rad/s)での溶融粘度/10.0(rad/s)での溶融粘度 (I)
(浸透距離の測定)
50μmのクリアランスを設けたガラス板の間に、100℃で溶融した樹脂組成物が浸透する距離を測定する。
[4]樹脂シートの厚みが30~2000μmであり、前記樹脂シートが、厚み方向に、貫通する複数の貫通部を有する、上記[3]に記載の樹脂シート。
[5]樹脂シートの厚みが30~2000μmであり、前記樹脂シートが、予め封止部品の形状に追随した形状を有している、上記[3]に記載の樹脂シート。
[6]樹脂シートの一方の面に離型フィルムが設けられており、前記樹脂シートは、前記離型フィルムと接する面の下記測定条件による接着強度が、前記樹脂シートの前記離型フィルムと接する面とは反対側の面の下記測定条件による接着強度よりも50%以上大きい、上記[3]に記載の樹脂シート。
(接着強度の測定条件)
樹脂シート上に離型フィルムを貼り付けて、200mm×25mmの大きさに切り出して試験片とし、該試験片の接着強度をJIS K6854-3:1999に準拠して、引張試験機により測定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、信頼性に優れるとともに軽量化を図ることができるモジュール、該モジュールの製造方法並びに該モジュールの基板及び部品の封止に用いられる樹脂シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のモジュールの一実施形態の概略構成を示す断面図である。
図2】積層した樹脂シートから離型フィルムを剥がして使用する流れ図である。
図3】積層した樹脂シートから離型フィルムを剥がして使用する流れ図である。
図4】本開示の樹脂シートの一実施形態の概略構成を示す断面図である。
図5】本開示の樹脂シートの一実施形態の概略構成を示す断面図である。
図6】本開示の樹脂シートの一実施形態の概略構成を示す断面図である。
図7】本開示の樹脂シートの製造装置及び製造方法を示す概略構成図である。
図8図6に示す樹脂シートの作製方法の一例を示す概略断面図である。
図9図6に示す樹脂シートの作製方法の別の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<モジュール>
本開示のモジュールは、基板と、前記基板上に設けられた部品と、前記基板及び部品を被覆する封止材とを備える。前記基板と前記封止材との間及び前記部品と前記封止材との間に空隙がなく、前記部品のうち、最も高さの高い部品上の封止材の厚みをT、前記部品角部における封止材の厚みをT、前記封止材が前記基板に当接する端部から前記封止材の端部の厚みが一定になるまでの距離をd、前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みをdとしたとき、下記式(1)~(4)を満たす。
100μm≦T≦1300μm (1)
1≦d/d≦11.4 (2)
50μm≦T≦500μm (3)
=T (4)
【0011】
図1は、本開示のモジュールの一実施形態の概略構成を示す断面図である。図1のモジュール10は、基板1と、該基板1上に設けられた部品2,3と、該基板1及び部品2を被覆する封止材4とを備える。図1に示すように、モジュール10は、基板1と封止材4との間及び部品2と封止材4との間に空隙がないことから信頼性に優れる。
【0012】
前記部品のうち、最も高さの高い部品上の封止材の厚みTは100μm以上1300μm以下である。Tが100μm未満では部品2の角部が露出し、信頼性が低下するおそれがあり、1300μmを超えるとモジュールの軽量化を図ることができないおそれがある。このような観点から、Tは1000μm以下であってもよく、800μm以下であってもよい。
前記Tは、封止材の溶融粘度及びチクソを調整することにより前記範囲内とすることができる。
なお、前記Tは、SEMを用いて撮影したモジュール断面の画像において、等間隔で10点測定し、その平均値として求めることができる。
【0013】
前記封止材4が前記基板1に当接する端部から前記封止材の端部の厚みが一定になるまでの距離をd、前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みをdとしたとき、d/dは1以上11.4以下である。d/dが1未満であると封止材が基板からはみ出したり、封止したくない部材まで封止されてしまうおそれがある。また、封止したくない部分へのマスキングやダム形成が不要となる。一方、d/dが11.4を超えると樹脂の溶融具合が足りず空隙ができたり、部品及び基板と密着しないおそれがある。このような観点から、d/dは1.3以上5.7以下であってもよく、1.7以上4.7以下であってもよい。
前記d/dは、封止材の溶融粘度及びチクソを調整することにより前記範囲内とすることができる。
なお、前記d及びdは、SEMを用いて撮影したモジュール断面の画像から測定することができる。
【0014】
前記最も高さの高い部品上の封止材の厚みTと前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みdとは同一である。前記Tと前記dとが同一であることにより、基板及び部品上の封止材の厚みが均一になり、軽量化を図ることができる。
【0015】
前記部品2の角部における封止材4の厚みTは、50μm以上500μm以下である。Tが50μm未満では部品2の角部が露出し、信頼性が低下するおそれがあり、500μmを超えるとモジュールの軽量化を図ることができないおそれがある。このような観点から、Tは400μm以下であってもよく、300μm以下であってもよい。
前記Tは、封止材の溶融粘度及びチクソを調整することにより前記範囲内とすることができる。
なお、前記Tは、SEMを用いて撮影したモジュール断面の画像から測定することができる。
【0016】
前記Tは、前記Tより小さく、前記Tの5~85%であってもよく、5~50%であってもよく、8~35%であってもよい。また、封止材上に後述する熱可塑性フィルムが設けられている場合には、前記Tは、前記Tの50~85%であってもよく、60~85%であってもよい。
【0017】
図1に示すように部品2は2個以上あってもよく、複数ある部品2の高さは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。部品2の高さは、角部の露出をなくす観点から3.0mm以下であってもよく、2.5mm以下であってもよい。また、部品2の高さの下限値は、特に制限がなく、50μmであってもよく、100μmであってもよい。
【0018】
(基板)
基板としては、例えば、アルミニウム、鉄板などの金属基板、セラミック基板、ガラス繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸硬化させてなる有機樹脂基板などが挙げられる。中でも、加工性、低コスト、封止材との親和性の観点から、ガラス繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸硬化させてなる有機樹脂基板であってもよい。また、基板は表面にソルダレジストを有していてもよい。
前記基板は、該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板であってもよい。回路基板の製造方法は、従来から行われている方法により回路形成されたものであればいずれも使用可能である。
【0019】
(部品)
封止材により被覆される部品としては、例えば、半導体素子、抵抗器、ダイオード、コンデンサー、高周波デバイス、加速度センサーなどのデバイス等が挙げられる。また、封止材により被覆されない部品としては、例えば、放熱部材、貫通孔、スルーホール等が挙げられる。
【0020】
(封止材)
封止材は、樹脂シートの硬化物であってもよい。
前記基板の平面方向における封止材の封止面積は、樹脂シートの製造・運搬の観点から、1枚の樹脂シートで封止する場合、2.5×10mm以下であってもよく、2.25×10mm以下であってもよく、2.025×10mm以下であってもよい。1枚の樹脂シートより広い面積を封止する場合は、複数枚の樹脂シートを用いてもよい。
【0021】
<モジュールの製造方法>
本開示のモジュールの製造方法は特に限定されないが、例えば、樹脂シートを用いたシート封止法が挙げられる。シート封止法は、公知の方法であれば特に限定されない。例えば、樹脂シートに設けられた一方の離型フィルムを剥がし、該樹脂シートの離型フィルムを剥がした面を部品が設けられた基板上に配置し、前記樹脂シートの基板に配置した面とは反対側の面に設けられた離型フィルムを剥がす第一工程と、前記第一工程で基板上に配置した樹脂シート上から治具により押圧し、前記樹脂シートと前記基板及び部品とを仮固定する第二程と、前記第二工程で前記基板及び部品と仮固定した樹脂シートを加熱、硬化して前記基板及び部品を封止する第三工程とを有する方法が挙げられる。
【0022】
(第一工程)
第一工程では、先ず樹脂シートに設けられた一方の離型フィルムを剥がす。
図2及び図3は、積層した樹脂シートから離型フィルムを剥がして使用する流れ図である。
離型フィルムの表裏で樹脂シートとの剥離強度が違う場合、離型フィルムの樹脂シートとは反対側の面の剥離強度を低くすることにより、例えば、片面に離型フィルムを有する樹脂シートを積み重ね又はロール状で保管する場合、該樹脂シートを基板に移動開始すると同時に該樹脂シートが他の樹脂シートが有する離型フィルムからはがれる。そのため、前記離型フィルムを剥がす工程を省略することが可能である(図2参照)。
次に、前記樹脂シートの離型フィルムを剥がした面を部品が設けられた基板上に配置する。
樹脂シートの一方の面に熱可塑性フィルムが設けられている場合、該樹脂シートの熱可塑性フィルムとは反対側の面を部品が設けられた基板上に重ねる。また、樹脂シートの厚み方向に、貫通する複数の貫通部(テーパー形状の断面を有する)が設けられている場合、該樹脂シートの貫通部のより狭い方の開口部を有する面を、部品が設けられた基板上に重ねる。基板上に樹脂シートを重ねる時、基板は常温であってもよく、80~95℃に加熱してもよい。
最後に、前記樹脂シートの基板に配置した面とは反対側の面に設けられた離型フィルムを剥がす。樹脂シートの一方の面に熱可塑性フィルムが設けられている場合、該熱可塑性フィルムに離型フィルムを設ける必要がないため、該離型フィルムを剥がす工程を省略することができる(図3参照)。
【0023】
(第二工程)
第二工程では、前記第一工程で基板上に配置した樹脂シート上から治具により押圧し、前記樹脂シートと前記基板及び部品とを仮固定する。これにより、樹脂シート中にボイドを残りにくくすることができる。
前記治具としては、例えば、ローラーなどが挙げられる。また、樹脂シートに予め封止する部品の形状が形成されていてもよい。
【0024】
(第三工程)
第三工程では、前記第二工程で前記基板及び部品と仮固定した樹脂シートを加熱、硬化して前記基板及び部品を封止する。
前記加熱、硬化は、通常、常圧(無加圧)で行うが、真空加熱炉で行なってもよい。前記加熱温度は、80~150℃であってもよく、90~120℃であってもよい。加熱時間は、10分~2.0時間であってもよく、30分~1.0時間であってもよい。
【0025】
前記部品の樹脂シートによる封止は、例えば、0.5MPa以下の低い圧力で加熱硬化、或いはプレス成形又は熱ラミネート成形して部品に樹脂シートを仮接着させた後に加熱硬化させることもできる。このときのラミネート条件としては、例えば、温度範囲30~180℃、加熱加圧ロール0.1~5m/分の速度で通過させることにより良好な仮接着体が得られる。
【0026】
このようにして得られる本開示のモジュールは、民生用、車載用、産業用等に用いることができる。具体的には、自動車用のエンジンルーム、トランスミッションなどに装備される制御回路装置、バイク用の制御回路装置に好適に用いられる。
【0027】
<樹脂シート>
本開示の樹脂シートは、基板及び部品の封止に用いられる。
本開示の樹脂シートの厚さは、30~2000μmであってもよく、100~1000μmであってもよい。樹脂シートの厚さが30μm以上であると、例えば樹脂シートを形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物の単体でのハンドリング性が良好になる。また、部品素体に樹脂シートを接着して部品を製造する場合、部品の加工時、搬送及び移動時に、特に、樹脂シートにしわ及び亀裂が発生しにくくなる。一方、樹脂シートの厚さが2000μm以下であると、取り扱い性が向上し、硬化後の樹脂シートにクラックが発生しにくくなり、また、部品の薄型化がしやすくなる。
【0028】
図4図6は、本開示の樹脂シートの一実施形態の概略構成を示す断面図である。ここで、本開示において、図4図6に示すように、樹脂シートに離型フィルムや熱可塑性フィルム等の他のフィルムが設けられたシートを封止シートと称する。
図4に示すように、本開示の樹脂シート11は、一方の面に離型フィルム12が設けられていてもよい。また、前記樹脂シート11の離型フィルム12とは反対側の面にも離型フィルム13が設けられていてもよい。なお、封止シート20は積み重ねて保管してもよいが、ロールに巻き取ってロール状で使用してもよい。離型フィルムの表裏で、剥離強度が異なる場合、離型フィルム12を省くことが可能である。
図5に示すように、樹脂シート21は、該樹脂シート21の離型フィルム22とは反対側の面に熱可塑性フィルム23が設けられていてもよい。ここで、本開示の樹脂シート21は前記熱可塑性フィルム23と一体化していてもよい。また、樹脂シート21は、離型フィルム22に密着形成されていてもよい。この場合、熱可塑性フィルム側に離型フィルムはなくてもよい。
【0029】
樹脂シート21の一方の面に熱可塑性フィルム23が一体化されていると、基板面などの部品を該樹脂シート21により封止することで耐熱性、耐摩耗性、耐水性、耐油性等の表面保護性が向上し、部品の長期信頼性が向上する。また、樹脂シートから離型フィルムを剥がす回数を1回にすることができる。
【0030】
図6に示す本開示の樹脂シート31は、離型フィルム32上に設けられており、前記樹脂シート31は、厚み方向に貫通する複数の貫通部33を有する。該貫通部33は、前記樹脂シート31の厚み方向にテーパー形状の断面を有してもよい。また、前記樹脂シート31は、該樹脂シート31の離型フィルム32とは反対側の面に離型フィルム34が設けられていてもよい。
前記樹脂シート31と前記離型フィルム32とは密着形成されていてもよい。
前記樹脂シート31は、厚み方向に、貫通する複数の貫通部を有する場合、該樹脂シートを基板上に密着させ加熱硬化させたときに、貫通部からボイドが抜けることができ、該樹脂シートの硬化物中にボイドを残りにくくすることができる。
【0031】
前記貫通部33の形状は特に限定されず、貫通孔であってもよく、貫通溝であってもよい。なお、図6では、貫通部33が貫通孔の場合を示す。
前記樹脂シート31に設けられる貫通孔の個数及び位置は、使用する基板の大きさ、搭載される部品の形状及び個数により異なるため特に限定されないが、貫通孔の合計面積の割合は、ボイドを低減する観点から、樹脂シート31の表面積の1~20%であってもよい。
また、前記樹脂シート31に設けられる貫通溝の溝長さ及び個数は、使用する基板の大きさ、搭載される部品の形状及び個数により異なるため特に限定されないが、溝の合計面積の割合は、ボイドを低減する観点から、樹脂シート31の表面積の1~20%であってもよい。また、前記樹脂シート31に設けられる貫通溝の位置は特に限定されないが、樹脂シート31の一辺に対し平行に設けられてもよい。
【0032】
本開示の樹脂シートには、予め封止する部品の形状に追随した形状が形成されていてもよい。
【0033】
本開示の樹脂シートは熱硬化性樹脂組成物からなる。熱硬化性樹脂組成物は特に限定されないが、該熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であってもよく、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物であってもよい。
【0034】
(A)成分のエポキシ樹脂としては、特に制限されないが、(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(A-2)軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂を含んでもよい。
(A-1)成分の液状ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状のビスフェノール型化合物であればよく、特に制限はないが、例えばビスフェノールA型及びビスフェノールF型が挙げられる。液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の具体例としては、三井化学社製の「エポミック(登録商標)R140P」(エポキシ当量188)、ダウケミカル社製の「DER383」(エポキシ当量190)、三菱ケミカル社製の「jER(登録商標)807」(エポキシ当量170)、「jER(登録商標)828」(エポキシ当量190)などが挙げられる。
これらの液状ビスフェノール型エポキシ樹脂は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本開示において、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、25℃において液状を呈するビスフェノール型エポキシ樹脂を指す。
【0035】
(A-2)成分の固形状多官能エポキシ樹脂は、軟化点が95℃以下である。(A-2)成分の固形状多官能エポキシ樹脂の軟化点が95℃を超えると樹脂シートに割れ及び欠けが発生しやすくなる。このような観点から、(A-2)成分の軟化点は、80℃以下であってもよく、70℃以下であってもよい。また、(A-2)成分の軟化点の下限は、通常40℃程度である。
なお、本開示における軟化点は、JIS K2207で規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて、測定することができる。具体的には、規定の環に試料を充填し、水浴またはグリセリン浴中で水平に支え、試料の中央に規定の球を置いて浴温を毎分5℃の速さで上昇させ、球を包み込んだ試料が環台の底板に接触した時に読み取った温度を軟化点とする。
【0036】
(A-2)成分の軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂の混合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の混合物などが挙げられる。該軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬社製の「NC3000(軟化点57℃)」、「NC3000H(軟化点70℃)」、東都化成社製の「YDCN704(軟化点90℃)」などが挙げられる。
【0037】
(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と(A-2)軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂とを併用することで、すなわち融点の異なる2種類のエポキシ樹脂を配合することで、室温(25℃)で固形状、高温で液状の挙動を示す熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0038】
(A-1)成分と(A-2)成分との質量比[(A-1)/(A-2)]は、10/90~30/70の範囲にあってもよい。質量比[(A-1)/(A-2)]が10/90以上であると、樹脂シートに割れ及び欠けが発生しにくくなり、質量比[(A-1)/(A-2)]が30/70以下であると容易に樹脂シートを形成することができる。
【0039】
(A)成分のエポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量中、50~90質量%であってもよく、60~80質量%であってもよい。また、本開示のモジュールを車載用回路装置として用いる場合には、(A)成分のエポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量中、10~30質量%であってもよく、10~20質量%であってもよい。
【0040】
(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤としては、特に制限はなく、従来エポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものの中から任意のものを適宜選択して用いることができ、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン等が挙げられる。フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。また、酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物、無水フタル酸等の芳香族酸無水物、脂肪族二塩基酸無水物(PAPA)等の脂肪族酸無水物、クロレンド酸無水物等のハロゲン系酸無水物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の含有量は、硬化性及び硬化樹脂物性のバランスなどの観点から、(A)成分のエポキシ樹脂に対する当量比で、通常0.5~1.5当量比程度であってもよく、0.7~1.3当量比の範囲で選定されてもよい。
【0042】
(C)成分の硬化促進剤としては、特に制限はなく、従来エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチルウレア、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン等のウレア類、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィンなどを例示することができる。これらの硬化促進剤は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
(C)成分の硬化促進剤の含有量は、硬化促進性及び硬化樹脂物性のバランスなどの観点から、前記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対し、通常0.1~10質量部程度であってもよく、0.4~5質量部の範囲で選定されてもよい。
【0044】
(D)成分の無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば溶融シリカ、球状シリカ、結晶シリカなどのシリカ類;アルミナ;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物など、通常用いられているものを使用することができる。
(D)成分の無機フィラーの質量平均粒子径は、製造時の作業性及び隙間への熱硬化性樹脂組成物の充填効率の観点から、1~30μmの範囲であってもよく、1.5~20μmの範囲であってもよい。なお、本開示において、質量平均粒子径とは、レーザ回折散乱方式(例えば、島津製作所製、装置名:SALD-3100)により測定された、中央値(D50)を指す。
【0045】
(D)成分の無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、球状シリカ、結晶シリカであってもよい。水酸化アルミニウムとして、昭和電工社製の「H42M(質量平均粒子径:1.5μm)」、球状シリカとして、龍森社製の「MRS-15(質量平均粒子径:15μm)」、電気化学工業社製の「FB-959(質量平均粒子径:25μm)」、結晶シリカとして、龍森社製の「ヒューズレックスRD-8(質量平均粒子径:18μm)」が挙げられる。なお、金属水和物は、難燃剤としても兼用できるが、本開示では、金属水和物は(D)成分の無機フィラーとして取り扱うものとする。
【0046】
(D)成分の無機フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量中、10~80質量%であってもよく、10~60質量%であってもよく、10~50質量%であってもよく、20~40質量%であってもよい。(D)成分の無機フィラーの含有量が10質量%以上であると、溶融時の流動性が高くなり過ぎず、熱硬化性樹脂組成物が封止領域からはみ出すことを防ぐことができ、熱硬化性樹脂組成物の硬化時に反り及びねじれを発生しにくくすることができる。一方、(D)成分の無機フィラーの含有量が50質量%以下であると、溶融時の流動性が向上し、封止領域に未充填箇所が発生しにくくなる。
【0047】
また、本開示のモジュールを車載用回路装置として用いる場合には、(D)成分の無機フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量中30~80質量%であってもよく、50~80質量%であってもよい。(D)成分の無機フィラーの含有量が30質量%以上であると、樹脂シートを用いて基板及び部品を封止する際、溶融した樹脂の流動性が高くなり過ぎず、封止すべき範囲からはみ出しにくくすることができ、また、硬化物表面の耐摩耗性を向上させることができる。一方、(D)成分の無機フィラーの含有量が80質量%以下であると、樹脂シートに割れ及び欠けが発生しにくくなり、溶融時の流動性が向上し、隙間に未充填箇所が発生しにくくすることができる。
【0048】
熱硬化性樹脂組成物は更に(E)難燃剤を含有してもよい。(E)成分の難燃剤としては、特に制限はなく、例えばリン化合物などを用いることができる。
リン化合物としては、例えば、ホスファゼン化合物;9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド及びその誘導体;リン酸エステル化合物;リン酸エステルアミドなどが挙げられる。ホスファゼン化合物としては、例えば、大塚化学社製の「SPB-100」が挙げられる。
これらの難燃剤は、一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
(E)成分の難燃剤の含有量は、難燃剤の種類にもよるが、難燃性及び他の物性のバランスの観点から、熱硬化性樹脂組成物全量中、1~30質量%であってもよく、2~10質量%であってもよい。
【0050】
熱硬化性樹脂組成物中、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の含有量は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。
【0051】
熱硬化性樹脂組成物には、充填性の観点から、必要に応じてカップリング剤を含有させることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系等が挙げられるが、これらの中でシラン系カップリング剤であってもよい。
シラン系カップリング剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に基づき、0.03~5.0質量%程度であってもよく、0.1~2.5質量%であってもよい。
【0052】
熱硬化性樹脂組成物には、本開示の効果を阻害しない範囲で、シリコーンゴム、シリコーンゲル等の有機系粉末、シリコーン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体のような熱可塑性樹脂等の低応力化剤;n-ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、フェノール、クレゾール、t-ブチルフェノール等の粘度降下用希釈剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイル等の濡れ向上剤、消泡剤等を適宜含有させることができる。
【0053】
なお、樹脂シートを構成する熱硬化性樹脂組成物の常温(25℃)での可塑度は60~98であってもよい。可塑度が60以上であると、熱硬化性樹脂組成物の流れ出しを抑制することができ、封止領域外への滲みを少なくすることができ、外観不良及び封止領域周辺の汚染を防止することができる。また、可塑度が90以下であると、封止領域におけるボイドの増加を抑制することができ、接着不良及び充填不良の発生を抑制することができる。
なお、本開示における可塑度は、JIS K6249:2003に準拠した方法に基づき、平行板可塑度計により測定される。
【0054】
樹脂シートは組成の異なる2層以上の樹脂シートを重ね一体化したものでもよく、例えば可塑度の異なる樹脂シート、無機フィラー量の異なる樹脂シートなどを組み合わせてもよい。
【0055】
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
熱硬化性樹脂組成物の調製方法は、特に制限はないが、例えば下記のように調製することができる。まず、前記した(A)成分としての(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂及び(A-2)軟化点が95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機フィラー、並びにその他に必要に応じて添加される各種任意成分を高速混合機などにより、均一に混合したのち、ニーダー、二本ロール、連続混練装置などで十分混練する。混練温度としては50~110℃程度であってもよい。
【0056】
このようにして得られた混練物は冷却後、粉砕を行い塊状樹脂とする。なお、樹脂シートの形成にシート状の熱硬化性樹脂組成物を用いる場合、成形機にて50~100℃程度の温度、圧力0.5~1.5MPaの条件でプレスして混練物をシート状に成形する。
【0057】
(樹脂シートの物性)
本開示の樹脂シートは、100℃における溶融粘度が1.2~28Pa・sである。100℃における溶融粘度が1.2Pa・s未満であると流動性が高くなり、基板からのはみ出しや、封止したくない部材まで封止されるおそれがあり、28Pa・sを超えると流動性が低くなり、封止したい部材が封止されないおそれがある。このような観点から、100℃における溶融粘度は、4~18Pa・sであってもよく、7~12Pa・sであってもよい。
なお、前記100℃における溶融粘度は、レオメーターを用いて測定することができ、具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0058】
本開示の樹脂シートは、下記式(I)により算出される100℃におけるチクソ指数が4以下である。
チクソ指数(-)=1.0(rad/s)での溶融粘度/10.0(rad/s)での溶融粘度 (I)
前記100℃におけるチクソ指数が4を超えると樹脂シートの流動性が低下し、ボイドが発生しやすくなるおそれがある。このような観点から、100℃におけるチクソ指数は、3.5以下であってもよく、3以下であってもよい。また、100℃におけるチクソ指数の下限値としては、1未満である。
なお、前記100℃におけるチクソ指数は、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
【0059】
本開示の樹脂シートは、下記条件により測定した浸透距離が1~5mmである。
(浸透距離の測定)
50μmのクリアランスを設けたガラス板の間に、100℃で溶融した樹脂組成物が浸透する距離を測定する。
前記浸透距離が1mm未満であると樹脂シートとしたときの流動性が低下し、ボイドが発生しやすくなるおそれがあり、5mmを超えると樹脂シートとしたときの流動性が高くなり過ぎて封止すべき範囲からはみ出しやすくなるおそれがある。このような観点から、前記浸透距離は、1~3mmであってもよく、1~2mmであってもよい。
なお、前記浸透距離は、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
【0060】
本開示の樹脂シートのゲルタイムは、40~60分であってもよく、40~50分であってもよい。
なお、前記樹脂シートのゲルタイムは、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0061】
本開示の樹脂シートは、25℃におけるショアA硬度が60~95であってもよく、70~95であってもよく、80~95であってもよい。25℃におけるショアA硬度が60以上であると、樹脂シートに貫通部を形成するときに適度な硬さを有し、冶具への付着及び形成された貫通部が塞がるのを防止することができる。一方、25℃におけるショアA硬度が95以下であると、取り扱い時に樹脂シートに割れ及びクラックが発生するのを抑制することができる。
なお、前記25℃におけるショアA硬度は実施例に記載の方法により測定することができる。
【0062】
本開示の樹脂シートの硬化物のガラス転移温度は120℃以上であってもよく、130℃以上であってもよく、150℃以上であってもよい。前記硬化物のガラス転移温度が120℃以上であると、外気温度の上昇及び放熱部材から発生する熱による部品の劣化を抑制することができる。
前記硬化物のガラス転移温度は、(A)成分のエポキシ樹脂の含有量を適宜調整することにより前記値以上とすることができる。
なお、前記ガラス転移温度は、JIS K7121:2012に準拠して測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
【0063】
本開示の樹脂シートの硬化物の鉛筆硬度は、4H以上であってもよく、5H以上であってもよい。
なお、ここでいう鉛筆硬度とは、JIS K5600-5-4:1999で規定される鉛筆硬度試験により測定した鉛筆硬度のことを意味する。前記鉛筆硬度は実施例に記載の方法により測定することができる。
【0064】
本開示の樹脂シートの硬化物の25℃における曲げ弾性率は10~30GPaであってもよく、12~28GPaであってもよく、15~25GPaであってもよい。前記硬化物の25℃における曲げ弾性率が10GPa以上であると樹脂シートの硬化物の耐摩耗性が向上し、30GPa以下であると基板の反りが抑制され、また、振動などによる応力によるクラックの発生を抑制することができる。
前記25℃における曲げ弾性率は、(A)成分のエポキシ樹脂及び(D)成分の無機フィラーの含有量を適宜調整することにより前記範囲内とすることができる。
なお、前記25℃における曲げ弾性率は、JIS K6911:2006に準拠して測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
【0065】
本開示の樹脂シートの硬化物の、150℃のギアオイル中に240時間浸漬した後の曲げ強度(F)は、初期の曲げ強度(F)に対して90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。前記Fに対するFの割合が90%以上であると樹脂シートの硬化物の耐オイル性が優れたものとなる。
前記F及びFは、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0066】
本開示の樹脂シートの一方の面に離型フィルムが設けられている場合、前記樹脂シートは、前記離型フィルムと接する面の下記測定条件による接着強度(T)が、前記樹脂シートの前記離型フィルムと接する面とは反対側の面の下記測定条件による接着強度(T)よりも50%以上大きくてもよい。
(接着強度の測定条件)
樹脂シート上に離型フィルムを貼り付けて、200mm×25mmの大きさに切り出して試験片とし、該試験片の接着強度をJIS K6854-3:1999に準拠して、引張試験機により測定する。
【0067】
前記TがTに対し50%以上であると、樹脂シートの離型フィルムと反対側の面に離型フィルムを設けない場合、片面に離型フィルムを有する樹脂シートを積み重ね又はロール状での保管時に該樹脂シートが他の樹脂シートが有する離型フィルムに張付いても容易に剥離することができる。したがって、樹脂シートの一方の面に離型フィルムを設ければよく、モジュールの製造方法の第一工程において、樹脂シートから離型フィルムを剥がす回数を1回とすることができる。また、部品素体に接着して部品の製造に用いた場合、良好な硬化膜を形成して、部品への封止に優れ、封止後の表面保護によって部品の信頼性向上が期待できる。
【0068】
樹脂シートは、離型フィルムと接する面の接着強度(T)が0.15~1.0N/100mmであってもよく、0.2~0.95N/100mmであってもよい。また、樹脂シートの離型フィルムと接する面とは反対側の面の接着強度(T)が0.1~0.5N/100mmであってもよく、0.15~0.45N/100mmであってもよい。前記T及びTがいずれも前記範囲内であれば、片面に離型フィルムを有する樹脂シートをロール状で保管後に該樹脂シートが他の樹脂シートが有する離型フィルムに張付いても容易に剥離することができる。なお、片面に離型フィルムを有する樹脂シートの場合、離型フィルムの剥離強度の高い面と樹脂シートが接するように配置する。また、樹脂シートを切断し、積み重ねて保管後に自動機などで1枚ずつ取り出す際にも容易に剥離して、部品を搭載した基板に重ね封止することができる。
【0069】
離型フィルムは、樹脂シートと接する面の下記測定条件による剥離強度(T)が0.2~0.8N/100mmであってもよく、0.25~0.75N/100mmであってもよい。また、離型フィルムの樹脂シートと接する面とは反対側の面の下記測定条件による剥離強度(T)が0.1~0.4N/100mmであってもよく、0.12~0.32N/100mmであってもよい。前記T及びTがいずれも前記範囲内であれば、前記TをTよりも50%以上大きくすることができる。
(剥離強度の測定条件)
離型フィルム上にポリエステル粘着テープのアクリル系粘着剤層を貼り付けて、200mm×100mmの大きさに切り出して試験片とし、当該試験片の剥離強度をJIS K6854-2:1999に準拠して、剥離速度300mm/分、剥離距離50mmの180°剥離試験により測定する。
【0070】
離型フィルムの樹脂シートと接する面の残留接着率は80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。残留接着率が80%以上であると、十分な離型性が得られ、作業性を向上させることができる。
なお、残留接着率とは、剥離剤の移行を確認するための指標である。通常、粘着テープを剥離剤塗工面などに貼って剥がした後の粘着力を、初期の粘着力で除した比率である。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0071】
(熱可塑性フィルム)
熱可塑性フィルムは、樹脂シートの一方の主面に設けられ、モジュール成形後は、モジュールの基板及び部品を被覆する封止材の表面に設けられる。熱可塑性フィルムとしては、モジュールを成形する際に溶融及び変形が規定内のものであれば特に限定されない。例えば、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルムなどの耐熱フィルムが挙げられる。中でも、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルムであってもよい。
ポリイミドフィルムの市販品としては、カプトン(登録商標)(東レ・デュポン社製、製品名)、ポリエーテルエーテルケトンフィルムの市販品としては、EXPPEK(クラボウ社製、製品名)等が挙げられる。
【0072】
熱可塑性フィルムの厚さは、3~15μmであってもよい。熱可塑性フィルムの厚さが3μm以上であると、基板表面の保護を十分に行うことができる。また、熱可塑性フィルムの厚さが15μm以下であると、部品を搭載した基板表面に樹脂シートを接着し加熱して封止したときに、基板上の部品の凹凸への追従性が良好になる。
【0073】
熱可塑性フィルムは、250℃、30分間加熱後の熱収縮率が1%以下であってもよく、0.1%以下であってもよい。熱収縮率が1%以下であれば、樹脂シートの作業性が良好になる。
なお、前記熱収縮率はJIS C2151:2006に準拠して測定した値である。
【0074】
(離型フィルム)
離型フィルムは、樹脂シートの一方の主面に設けられ、該樹脂シートに密着形成されていてもよい。離型フィルムを構成するフィルム基材としては、該離型フィルム上に樹脂シートを形成する際に溶融及び変形が生じないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、メタクリル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などを用いることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂であってもよい。
【0075】
離型フィルムの厚さは、10~100μmであってもよい。離型フィルムの厚さが10μm以上であると、樹脂シートとの密着時にしわなどが発生しにくくなりハンドリング性が向上する。一方、離型フィルムの厚さが100μm以下であると、使用時の剥離性が良好になる。
【0076】
(樹脂シートの製造方法)
樹脂シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物の構成成分を50~110℃の温度で混練して混練物を得る工程と、前記混練物を離型フィルム上に供給し、該離型フィルム及び混練物を押圧することによりシート状に一体に成形する工程とを経て製造することができる。
なお、樹脂シートの離型フィルムとは反対側の面に熱可塑性フィルムを設ける場合、前記製造方法において、混練物を離型フィルムと熱可塑性フィルムとの間に供給し、離型フィルム、混練物、熱可塑性フィルムを押圧することによりシート状に一体に成形すればよい。
【0077】
混練物の供給形態は、特に制限されず、塊状、シート状、溶融状とすることができる。また、混練物と離型フィルムとの成形は、バッチ方式により行ってもよいし、熱プレス及び加圧ロール等を用いて連続的に行ってもよい。
樹脂シートの製造は、混練物を離型フィルム上に供給し、該離型フィルム及び混練物を加圧ロールによりシート状に一体に成形する方法であってもよい。1対の加圧ロールは、その間隙寸法を調整できるものであってもよく、例えば、直径が20~60mm、間隙寸法が5~500μm程度のものであってもよい。また、一体化のための成形条件としては、温度範囲30~180℃で、加圧ロールの回転速度を0.1~5m/分としてもよい。このような温度範囲及び加圧ロールの回転速度とすることにより、良好な樹脂シートが得られる。
【0078】
図7は、本開示の樹脂シートの製造装置及び製造方法を示す概略構成図である。製造装置50は、例えば、熱硬化性樹脂組成物41を塊状のものから溶融状にして供給する供給装置42と、離型フィルム43が巻回されるとともに該離型フィルム43を供給する離型フィルム用ロール44とを有する。
図7に示すように、離型フィルム用ロール44から1対の案内ロール45a、45bに搬送された離型フィルム43上に供給装置42から塊状のものを溶融状にした熱硬化性樹脂組成物41が連続して供給される。さらに、これらの供給物を1対の加圧ロール46a、46b間に通過させる。
このようにして、片面に離型フィルム12が設けられた樹脂シート11を製造することができる。樹脂シート11と離型フィルム12とが一体化されたシートは切断後、積み重ねて保存してもよいが、ロールに巻き取って、ロール状態で使用されてもよい。
【0079】
以上、加圧ロールを用いて連続的に樹脂シート11を製造する方法について説明したが、該樹脂シート11は、例えば、プレス機などの支持体上に、離型フィルム及び混練物をこの順に積層し、50~100℃程度の温度、圧力0.5~1.5MPaの条件でプレスすることにより製造してもよい。
【0080】
(貫通部の形成)
(1)樹脂シートにテーパー形状を有する貫通孔の形成は次のように行う。
図8は、図6に示す樹脂シートの作製方法の一例を示す概略断面図であり、図9は、図6に示す樹脂シートの作製方法の別の一例を示す概略断面図である。
前記のようにして製造した樹脂シート31を作業台35に固定し、孔開け機36を用いてテーパー形状の孔を形成する。貫通孔33は、図8に示すように離型フィルム32まで貫通させてもよく、該離型フィルム32を貫通させてもよい。孔開け機36としては、例えばポンチ、ドリル等が挙げられる。
なお、本開示において、テーパー形状の孔において、より狭い方の開口部を下孔とし、より広い方の開口部を上孔とする。テーパー形状の孔を有する樹脂シートでは、該樹脂シートの下孔を有する面を部品が設けられた基板上に重ねる。
【0081】
貫通孔33は、下孔の面積が上孔の面積の50%以上小さくなるように形成してもよい。下孔の面積を上孔の面積の50%以上小さく形成することで樹脂シート31が加熱溶融する際に上孔からボイドが抜けることができ、樹脂シート31の硬化物中にボイドを残りにくくすることができる。
また、形成する貫通孔33の下孔径は樹脂シート31の厚さの10~50%であってもよい。下孔径が樹脂シート31の厚さの10%以上であると気泡が十分に抜けきり、50%以下であると樹脂が十分に孔内を埋めることができる。
形成する貫通孔33の個数は、使用する基板の大きさ、搭載された部品の形状、個数により異なるため特に限定されないが、貫通孔33の合計面積の割合は、ボイドを低減する観点から、樹脂シート31の表面積の1~20%であってもよい。
【0082】
孔あけ方法は、小径のドリルで樹脂シート31に貫通孔33を開けた後に、太径のドリルで樹脂シート31の途中まで孔あけを行う。また、図9に示すように小径と太径の刃を有するドリル36を用いてもよい。さらには、小径のポンチで樹脂シート31を打ち抜いたのちに太径のドリルで樹脂シート31の途中まで孔あけを行うこともできる。この時、テーパー形状は階段状であってもよい。
また、ルーターでテーパー形状の貫通孔を形成してもよい。
【0083】
(2)樹脂シートにテーパー形状を有する貫通溝の形成は次のように行う。
前記のようにして製造した樹脂シートを作業台に固定し、樹脂シートを孔開け機を用いてテーパー形状の溝を形成する。
溝の形成方法は、ルーターなどで樹脂シートを貫通する細溝を形成し、樹脂シートの途中まで太溝を形成する。また、連続してテーパー形状の溝を形成することもでき、該溝は離型フィルムまで貫通させてもよい。
形成するテーパー形状の溝において、該テーパー形状の幅広側の溝幅は、樹脂シートの厚さの10~50%であってもよい。前記溝幅が樹脂シートの厚さの10%以上であると貫通溝が塞がるまでに気泡が十分に抜け、樹脂シートの硬化物中にボイドを残りにくくすることができ、50%以下であると樹脂が十分に溝内を埋めることができる。
形成する貫通溝の長さ及び個数は、使用する基板の大きさ、搭載された部品の形状、個数により異なるため特に限定されないが、貫通溝の合計面積の割合は、ボイドを低減する観点から、樹脂シートの表面積の1~20%であってもよい。
【実施例
【0084】
次に実施例により、本開示の一態様を具体的に説明するが、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0085】
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
表1に記載の種類及び配合量の各成分をニーダーに仕込み、75℃で1時間撹拌混合して、実施例1~4及び比較例1、2の熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1中、空欄は配合なしを表す。
実施例1~4の熱硬化性樹脂組成物の常温(25℃)での可塑度は96であった。
なお、前記可塑度はJIS K6249:2003に準拠した方法に基づき、平行板可塑度計((株)上島製作所製、型番:VR-6155)により測定した。
【0086】
実施例1~4及び比較例1、2で使用した各成分は以下の通りである。
〔(A)成分〕
(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂:jER(登録商標)828(商品名)、三菱ケミカル社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190)
(A-2)軟化点95℃以下の固形状多官能エポキシ樹脂:NC3000(商品名)、日本化薬社製のビフェニル骨格含有多官能型エポキシ樹脂(エポキシ当量:285、軟化点:57℃)
〔(B)エポキシ樹脂硬化剤〕
DICY:日本カーバイド社製のジシアンジアミド
〔(C)硬化促進剤〕
U-CAT3512T:サンアプロ社製の芳香族ジメチルウレア
〔(D)無機フィラー〕
H42M:昭和電工社製の水酸化アルミニウム(質量平均粒子径:1.5μm)
FB-959:電気化学工業社製の球状シリカ(質量平均粒子径:25μm)
【0087】
実施例1~4及び比較例1、2で得られた熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート及びモジュール(回路装置)について、下記の測定を行った。なお、結果を表1に示す。
【0088】
(1)最も高さの高い部品上の封止材の厚みTの測定
最も高さの高い部品上の封止材の厚みTは、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM-7600F;SEM)を用いて撮影したモジュール断面の画像において、等間隔で10点測定し、その平均値から求めた。
【0089】
(2)部品角部における封止材の厚みTの測定
部品角部における封止材の厚みTは、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM-7600F;SEM)を用いて撮影したモジュール断面の画像から測定した。
【0090】
(3)d/dの測定
封止材が回路基板に当接する端部から前記封止材の端部の厚みが一定になるまでの距離をd、前記封止材の端部の厚みが一定となる端部厚みをdとし、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JSM-7600F;SEM)を用いて撮影したモジュール断面の画像から前記d及びdを測定し、d/dを算出した。
【0091】
(4)溶融粘度
得られた熱硬化性樹脂組成物をレオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、型番:ARES-G2)を用いて、25℃から100℃まで毎分20℃昇温させ、100℃で5分間保持させ、溶融粘度を測定した。
【0092】
(5)チクソ指数
レオメーター(TA Instruments社製)を用いて温度100℃において1.0(rad/s)での溶融粘度、及び10.0(rad/s)での溶融粘度を測定し、下記式(I)より算出した。
チクソ指数(-)=1.0(rad/s)での溶融粘度/10.0(rad/s)での溶融粘度 (I)
【0093】
(6)浸透距離
50μmのクリアランスを設けたガラス板上に得られた熱硬化性樹脂組成物0.5gを配置し、50μmのクリアランスを設けたガラス板の間に、100℃で溶融した該熱硬化性樹脂組成物が浸透する距離を測定した。
【0094】
(7)ショアA硬度
樹脂シートの25℃におけるショアA硬度をショア硬度計(上島製作所社製、型番:HD-N1110)を用いて測定した。
【0095】
(実施例1)
前記熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、塊状樹脂を得た。得られた塊状樹脂を溶融状態にして、離型フィルム(藤森工業社製、商品名:NSD、厚さ38μm、剥離強度:表面(T)0.62N/100mm、裏面(T)0.30N/100mm、TはTよりも52%大きい、残留接着率:表面95%)の剥離強度が0.62N/100mmの面に供給しながら、1対の加圧ロール間を通過させて一体に成形した。なお、加圧ロールの直径は60mm、ロールギャップ(間隙寸法)は400~600μmとした。また、成形は、温度70℃で、加圧ロールの回転速度を2m/分の条件で行った。これにより、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シートの片面に離型フィルムを有する封止シートを得た。なお、樹脂シートは、厚さ500μm、樹脂分88体積%であった。
【0096】
得られた封止シートを用いて、樹脂シートの離型フィルムと接する面の接着強度(T)及び前記樹脂シートの前記離型フィルムと接する面とは反対側の面の接着強度(T)を下記測定条件により求めたところ、前記Tは0.4N/100mmであり、前記Tは0.2N/100mmであった。
(接着強度の測定条件)
樹脂シート上に離型フィルムを貼り付けて、200mm×25mmの大きさに切り出して試験片とし、該試験片の接着強度をJIS K6854-3:1999に準拠して、引張試験機により測定した。
また、得られた封止シートを100枚積み重ね25℃で48時間保管後に自動供給機で連続使用したところ、供給及び離型性に優れることが分かった。
【0097】
前記離型フィルムの剥離強度は、下記測定条件により求めた値である。
離型フィルムを水平台の上に載置し、該離型フィルム上にアクリル系粘着剤層を有するポリエステル粘着テープ[日東電工(株)製、品番No.31B]のアクリル系粘着剤層を貼り付けて200mm×100mmの大きさにカットし試験片とし、さらにそのポリエステル粘着テープの上から20g/cmとなるように荷重を載せ、70℃で20時間エージングした。エージング後、前記試験片を用いて、JIS K6854-2:1999に準拠して、引張試験機にて剥離速度300mm/分、剥離距離50mmで、180°剥離試験を行い、剥離が安定した領域における平均剥離荷重をポリエステル粘着テープ幅100mmで除した値を剥離力として求めた。
【0098】
また、前記離型フィルムの残留接着率は、下記測定条件により求めた値である。
離型フィルムを水平台の上に載置し、該離型フィルム上にアクリル系粘着剤層を有するポリエステル粘着テープ[日東電工(株)製、品番No.31B]のアクリル系粘着剤層を貼り付けて200mm×100mmにカットし試験片とし、さらにそのポリエステル粘着テープの上から20g/cmとなるように荷重を載せ、70℃で20時間エージングした。エージング後、前記試験片の離型フィルムを剥がし、ポリエステル粘着テープをステンレス板に2kgゴムローラーにて3往復圧着し、70℃で2時間加熱処理した。次いで、JIS-C-2107:2011(ステンレス板に対する粘着力、180°引き剥がし法)の方法に準じて接着力Fを測定した。ポリエステル粘着テープを直接ステンレス板に粘着・剥離した際の接着力Fに対するFの百分率(F/F×100)を残留接着率(%)として求めた。
【0099】
シート幅を1.95mmとした前記封止シートから離型フィルムを剥がし、得られた樹脂シートを部品付き回路基板の表面に向けて、前記部品を覆うように前記樹脂シートを被せた後、120℃で20分間の加熱を行って樹脂シートを流動化させた後、硬化させた。これにより、前記部品が樹脂シートの硬化物(封止材)によって被覆された回路装置を得た。
前記樹脂シートは、概してハンドリング性が良好であり、また、封止材の断面形状、切断時の耐クラック性及び耐剥離性も良好であった。
【0100】
(実施例2)
前記熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、塊状樹脂を得た。得られた塊状樹脂を溶融状態にして、熱可塑性フィルム(東レ・デュポン社製、製品名:カプトン(登録商標)50EN:、厚さ12.5μm、250℃、30分加熱後の熱収縮率0.01%)を巻いた一方のロールと、離型フィルム(藤森工業社製、商品名:NSD、厚さ38μm)を巻いた他方のロールにより供給されたそれぞれのフィルム間に供給し、加圧ロール間を通過させて一体に成形した。なお、加圧ロールの直径は60mm、ロールギャップ(間隙寸法)は100~300μmとした。また、成形は、温度70℃で、加圧ロールの回転速度を2m/分の条件で行った。これにより、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シートの片面に熱可塑性フィルムを有し、該樹脂シートの熱可塑性フィルムの反対側に離型フィルムを有する封止シートを得た。なお、樹脂シートと熱可塑性フィルムを合わせた厚みは、厚さ200μm、樹脂シートの樹脂分88体積%であった。
【0101】
また、得られた封止シートを100枚積み重ね25℃で48時間保管後に自動供給機で連続使用したところ、供給及び離型性に優れることが分かった。
【0102】
前記熱可塑性フィルムの250℃、30分間加熱後の熱収縮率は、JIS C2151:2006に準拠して測定した。
【0103】
シート幅を1.95mmとした前記封止シートから離型フィルムを剥がし、該封止シートの樹脂シート側の面を、部品付き回路基板の表面の封止領域(部品を含む)に向けて、該封止領域を覆うように前記封止シートを被せた後、120℃で20分間の加熱を行って樹脂シートを流動化させた後、硬化させた。これにより、前記封止領域が樹脂シートの硬化物(封止材)によって被覆された回路装置を得た。
また、前記回路装置について目視で観察したところ、封止領域において未充填部分は見られず、また、封止材の剥離も見られず、表面保護性に優れることが分かった。
【0104】
(実施例3)
前記熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、塊状樹脂を得た。得られた塊状樹脂を溶融状態にして、離型フィルム(藤森工業社製、商品名:NSD、厚さ38μm、)に供給しながら、1対の加圧ロール間を通過させて一体に成形した。なお、加圧ロールの直径は60mm、ロールギャップ(間隙寸法)は400~600μmとした。また、成形は、温度70℃で、加圧ロールの回転速度を2m/分の条件で行った。これにより、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シート(厚さ962μm、表面積211600mm)の片面に離型フィルムを有する封止シートを得た。なお、得られた封止シートは、縦460mm、横460mm、厚さ500μm、樹脂分88体積%であった。
【0105】
得られた封止シートを作業台に固定し、ドリルにて上穴径1.0mm、下穴径0.2mmのテーパー形状の貫通孔(下孔の合計面積4230mm)を樹脂シートに形成した。
【0106】
前記封止シートから離型フィルムを剥がし、得られた樹脂シートの貫通孔のより狭い方の開口部(下孔)を有する面を、部品付き回路基板の表面に向けて、前記部品を覆うように前記樹脂シートを被せた後、120℃で40分間の加熱を行って樹脂シートを流動化させた後、硬化させた。これにより、前記部品が樹脂シートの硬化物(封止材)によって被覆された回路装置を得た。
前記樹脂シートは、概してハンドリング性が良好であり、また、得られた回路装置について目視で観察したところ、封止材中にボイドの発生は見られなかった。
【0107】
(実施例4)
実施例3と同様にして得られた貫通孔形成前の封止シートの離型フィルム側の面を作業台に固定し、ルーターにて上溝幅1.5mm、下溝幅0.3mmのテーパー形状の貫通溝(下溝の合計面積6300mm)を樹脂シートに形成した。
前記封止シートから離型フィルムを剥がし、得られた樹脂シートの貫通溝のより狭い方の開口部(下溝)を有する面を、部品付き回路基板の表面に向けて、前記部品を覆うように前記樹脂シートを被せた後、120℃で40分間の加熱を行って樹脂シートを流動化させた後、硬化させた。これにより、前記部品が樹脂シートの硬化物(封止材)によって被覆された回路装置を得た。
前記樹脂シートは、概してハンドリング性が良好であり、また、得られた回路装置について目視で観察したところ、封止材中にボイドの発生は見られなかった。
【0108】
(比較例1)
前記熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、塊状樹脂を得た。得られた塊状樹脂を溶融状態にして、離型フィルム(藤森工業社製、商品名:NSD、厚さ38μm、)に供給しながら、1対の加圧ロール間を通過させて一体に成形した。なお、加圧ロールの直径は60mm、ロールギャップ(間隙寸法)は850~1150μmとした。また、成形は、温度70℃で、加圧ロールの回転速度を2m/分の条件で行った。これにより、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シート(厚さ962μm、表面積211600mm)の片面に離型フィルムを有する封止シートを得た。なお、得られた封止シートは、縦460mm、横460mm、厚さ1.0mm、樹脂分27.8体積%であった。
【0109】
(比較例2)
前記熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、塊状樹脂を得た。得られた塊状樹脂を溶融状態にして、離型フィルム(藤森工業社製、商品名:NSD、厚さ38μm、)に供給しながら、1対の加圧ロール間を通過させて一体に成形した。なお、加圧ロールの直径は60mm、ロールギャップ(間隙寸法)は100~300μmとした。また、成形は、温度70℃で、加圧ロールの回転速度を2m/分の条件で行った。これにより、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シート(厚さ962μm、表面積211600mm)の片面に離型フィルムを有する封止シートを得た。なお、得られた封止シートは、縦460mm、横460mm、厚さ200μm、樹脂分90.4体積%であった。
【0110】
【表1】
【0111】
(実施例5~8、比較例3~5)
表2に記載の種類及び配合量の各成分をニーダーに仕込み、75℃で1時間撹拌混合して、各熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表2中、空欄は配合なしを表す。
次いで、各熱硬化性樹脂組成物を30℃に冷却後、成形機により、70℃、1.0MPaの条件でプレス成形して厚さ0.5mmのシートとし、熱硬化性樹脂組成物からなる各樹脂シートを作製した。
ガラスエポキシ回路基板(FR-4)上に実装された部品を前記樹脂シートで被覆した後、常圧下で、100℃の温度で2時間加熱して、前記樹脂シートを流動化させた後、さらに150℃の温度にて、1時間程度加熱して流動化させた前記樹脂シートを硬化させるという条件により部品と基板との間に形成された隙間を保持しながら部品を前記樹脂シートにより封止した。
【0112】
実施例5~8及び比較例3~5で使用した各成分は以下の通りである。
〔(A)成分〕
・(A-1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂:DER383J(商品名)、ダウケミカル社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190)
・(A-2)軟化点95℃以下の固形状エポキシ樹脂:NC3000(商品名)、日本化薬社製のビフェニル骨格含有多官能型エポキシ樹脂(エポキシ当量:285、軟化点:57℃)
〔(A)成分以外の熱硬化性樹脂〕
・ポリマール9516:武田薬品工業社製の不飽和ポリエステル樹脂
【0113】
〔(B)エポキシ樹脂硬化剤〕
・DICY:日本カーバイド社製のジシアンジアミド
〔(B)成分以外の架橋剤〕
・CJ3947:松下電工社製の架橋剤
【0114】
〔(C)硬化促進剤〕
・U-CAT3502T:サンアプロ社製の芳香族ジメチルウレア
【0115】
〔(D)無機フィラー〕
・MRS-15:龍森社製の球状シリカ(質量平均粒子径:15μm)
・ヒューズレックスRD-8:龍森社製の破砕シリカ(質量平均粒子径:18μm)
【0116】
〔(E)難燃剤〕
・SPB-100:大塚化学社製のホスファゼン
【0117】
実施例5~8及び比較例3~5における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。その評価結果を表2に示す。
【0118】
<熱硬化性樹脂組成物>
(1)溶融粘度
熱硬化性樹脂組成物をレオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、型番:ARES-G2)を用いて、25℃から100℃まで毎分20℃昇温させ、100℃で5分間保持させ、溶融粘度を測定した。
【0119】
(2)浸透距離
50μmのクリアランスを設けたガラス板上に熱硬化性樹脂組成物0.5gを配置し、50μmのクリアランスを設けたガラス板の間に、100℃で溶融した該熱硬化性樹脂組成物が浸透する距離を測定した。
【0120】
<樹脂シート>
(3)ゲルタイム
JIS C 2105:2006の試験管法に準拠して、100℃のオイルバス中で、樹脂シートがゲル状になるまでの時間を測定した。
【0121】
(4)チクソ指数
レオメーター(TA Instruments社製)を用いて温度100℃において1.0(rad/s)での溶融粘度、及び10.0(rad/s)での溶融粘度を測定し、下記式(I)より算出した。
チクソ指数(-)=1.0(rad/s)での溶融粘度/10.0(rad/s)での溶融粘度 (I)
【0122】
<硬化物>
(5)ガラス転移温度
樹脂シートを重ね合わせ、熱プレスで、150℃で2時間成形して厚さ1.6mmの評価板を作成した。これをTMA/SS150〔セイコーインスツルメンツ社製〕において、室温(25℃)から200℃まで昇温(昇温スピード10℃/分)して、ガラス転移温度を測定した。
【0123】
(6)表面硬度(鉛筆硬度)
前記(5)で作製した評価板を縦50mm×横10mmに切り出し試験片とした。JIS K5600-5-4:1999に準拠し、前記試験片の表面に傷跡が生じるまで鉛筆硬度を下げていき傷跡が生じなかった最も硬い鉛筆硬度を測定した。
【0124】
(7)曲げ弾性率
前記(5)で作製した評価板を試験片サイズ縦50mm×横10mmに切り出し、25℃における曲げ弾性率を測定した。測定は精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフAG-IS、支点・ポンチ半径0.3mm、試験速度1mm/分)で荷重を加え、JIS K6911:2006に準拠して算出した。
【0125】
(8)耐オイル性
前記(7)の曲げ弾性率測定の試験片と同様にして作製した試験片の曲げ強度を前記(7)と同様の方法にて測定し、これを初期の曲げ強度(F)とした。その後、前記試験片をギアオイルに浸漬し、150℃で240時間放置した。次いで、該試験片を室温(25℃)まで冷却した後、曲げ強度を測定し、これを150℃のギアオイル中に240時間浸漬した後の曲げ強度(F)とし、Fに対するFの割合を算出した。
【0126】
<電子回路装置>
(9)反り量
片面にチップを搭載した縦100mm、横60mm、厚さ1.6mmのガラスエポキシ回路基板(FR-4)のチップ搭載面を、樹脂シートで被覆し、加熱硬化させて封止した。このサンプルを平板に静置したときの浮き上がり高さの最大値を測定した。
【0127】
(10)耐摩耗試験
前記(9)で作製した回路基板サンプルをアルミニウムトレイに入れ、砂を被せたのち、振動装置にて前記トレイを振動させて、砂による表面変化を目視により観察した。
A:微細な傷はあるが大きな傷はない。
B:大きな傷が部分的につく。
C:大きな傷が多数つく。
【0128】
【表2】
【符号の説明】
【0129】
1 基板
2,3 部品
4 封止材
10 モジュール
20,30,40 封止シート
6,11,21,31 樹脂シート
5,12,13,22,32,34 離型フィルム
8,23 熱可塑性フィルム
7 吸着装置
33 貫通部(テーパー形状の貫通孔)
35 作業台
36 孔開け機(ドリル)
50 製造装置
41 熱硬化性樹脂組成物
42 供給装置
43 離型フィルム
44 離型フィルム用ロール
45a、45b 案内ロール
46a、46b 加圧ロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9