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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】ゾーンダイナミックレーシングシステム
(51)【国際特許分類】
   A43C 11/16 20060101AFI20221031BHJP
   A43B 11/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
A43C11/16
A43B11/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021515135
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019051693
(87)【国際公開番号】W WO2020061170
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/733,411
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/574,713
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チオウ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ロス
(72)【発明者】
【氏名】カービス,テート イー.
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,マックス
(72)【発明者】
【氏名】オーランド,オースティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スリスチョ,ヌリャニ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】サン,ハリー ワイ.
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/017907(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3222495(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0000116(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0359296(US,A1)
【文献】特表2019-509823(JP,A)
【文献】特表2001-511376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00-23/30
A43C 1/00-19/00
A43D 1/00-999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品であって:
内部空所及び前記内部空所へのアクセスを提供する踵領域の足首開口部を画定するアッパーと;
ソール構造であって、前記アッパーに取り付けられ、前記内部空所に面する上面及び前記上面とは前記ソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造と;
前記底面に隣接して前記ソール構造内に配置されたケーブルロックと;
前記ケーブルロックから前記アッパーの第1のアンカーポイントに延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから前記アッパーの第2のアンカーポイントに延びる第2のセクションを有する第1のケーブルと;
前記ケーブルロックからグリップに延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから前記グリップに延びる第2のセクションを有する第2のケーブルと;
前記グリップと前記足首開口部との間で前記アッパーの内側側部の第1の端部から前記アッパーの外側側部の第2の端部に延びる第1のストラップと;を有し、
前記ケーブルロックは、前記第2のケーブルの前記第1のセクション及び前記第2のセクションが延ばされるとき、前記第1のケーブルの前記第1のセクション及び前記第2のセクションを引き込むように動作可能であり、
前記第1のストラップの前記第1の端部は、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受け、前記第1のストラップの前記第2の端部は、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受ける、
履物製品。
【請求項2】
前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面に配置されたビューイングポートを通して見るために露出される、
請求項1に記載の履物製品。
【請求項3】
前記ビューイングポートは、前記ソール構造のアウトソール部分及びミッドソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部を有する、
請求項2に記載の履物製品。
【請求項4】
前記ビューイングポートは、前記開口部を横切って延びる透明バリアを有するウインドウを含む、
請求項3に記載の履物製品。
【請求項5】
前記外側側部の前記履物製品のバイトラインにおける第1の端部から前記アッパーの前記内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップをさらに有し、前記第2の端部は、ループを画定し、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受ける、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項6】
前記ケーブルロックはスプールを含み、前記第1のケーブルは前記スプールの周りに第1の方向に巻かれ、前記第2のケーブルは前記スプールの周りに第2の方向に巻かれ、前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項7】
前記第1のケーブルの前記第1のセクションは、前記アッパーの前記内側側部に沿って前記アッパーの前記内側側部の前記第1のアンカーポイントに延びる第1の複数のセグメントを含み、前記第1のケーブルの前記第2のセクションは、前記アッパーの前記外側側部と前記アッパーの前記内側側部との間で前記アッパーの前記内側側部の前記第2のアンカーポイントに延びる第2の複数のセグメントを含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項8】
前記第1のアンカーポイントは、前記アッパー及び前記ソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置され、前記第2のアンカーポイントは、前足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置されるフラップの遠位端部に配置される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項9】
前記フラップは、前記バイトラインに取り付けられた近位端部から前記アッパーの甲領域に隣接する前記遠位端部に延びる、
請求項に記載の履物製品。
【請求項10】
前記フラップは、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受けるためのループをさらに含み、前記ループは、前記第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、前記第2のアンカーポイントは、前記第2のセクションの第3のセグメントを受ける、
請求項又はに記載の履物製品。
【請求項11】
前記ケーブルロックの内部構成要素が前記ソール構造の前記底面を通して可視である、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項12】
履物製品であって:
内部空所及び前記内部空所へのアクセスを提供する踵領域の足首開口部を画定するアッパーと;
ソール構造であって、前記アッパーに取り付けられ、前記内部空所に面する上面及び前記上面とは前記ソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造と;
前記ソール構造内に配置されたケーブルロックと;
前記ケーブルロックから第1の方向に延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから第2の方向に延びる第2のセクションを有する第1のケーブルであって、前記第1のセクションは、少なくとも1つのストラップを通って前記アッパーの内側側部に沿ってルーティングされる第1の複数のセグメントを含み、前記第2のセクションは、前記少なくとも1つのストラップを通って前記アッパーの外側側部に沿ってルーティングされる第2の複数のセグメントを含む、第1のケーブルと;
第2のケーブルであって、前記ケーブルロックからグリップに延び、前記第2のケーブルに加えられる引張り力が、前記第2のケーブルを前記ケーブルロックから繰り出させるときに、前記第1のケーブルを引き込まれた状態に向かって移動させるように動作可能である、第2のケーブルと;を有し、
前記少なくとも1つのストラップは、前記グリップと前記足首開口部との間で前記アッパーの内側側部に配置された第1の端部から前記アッパーの外側側部に配置された第2の端部に延びる第1のストラップを含み、前記第1のストラップの前記第1の端部は、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受け、前記第1のストラップの前記第2の端部は、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受ける、
履物製品。
【請求項13】
前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面を通して見えるように露出される、
請求項12に記載の履物製品。
【請求項14】
前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面を通して、前記ソール構造のアウトソール部分及び中間ソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部において、見えるように露出される、
請求項13に記載の履物製品。
【請求項15】
前記開口部を横切って延びる透明バリアを含むウインドウをさらに有する、
請求項14に記載の履物製品。
【請求項16】
前記少なくとも1つのストラップは、前記外側側部で前記履物製品の前記外側側部に取り付けられた第1の端部から、前記アッパーの前記内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップを含み、前記第2の端部は、ループを画定し、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受ける、
請求項12乃至15のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項17】
前記ケーブルロックはスプールを含み、前記第1のケーブルは前記スプールの周りに第1の方向に巻かれ、前記第2のケーブルは前記スプールの周りに第2の方向に巻かれ、前記第2の方向は前記第1の方向とは反対である、
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項18】
前記第1のケーブルの前記第1のセクションは、前記アッパーの前記内側側部の第1のアンカーポイントに延び、前記第1のケーブルの前記第2のセクションは、前記アッパーの前記内側側部の第2のアンカーポイントに延びる、
請求項12乃至17のいずれか1項に記載の履物製品。
【請求項19】
前記第1のアンカーポイントは、前記アッパー及び前記ソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置され、前記第2のアンカーポイントは、前足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置されたフラップの遠位端部に配置される、
請求項18に記載の履物製品。
【請求項20】
前記フラップは、前記バイトラインにおいて取り付けられた近位端部から前記アッパーの甲領域に隣接する前記遠位端部に延びる、
請求項19に記載の履物製品。
【請求項21】
前記フラップは、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受けるためのループを含み、前記ループは、前記第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、前記第2のアンカーポイントは、前記第2のセクションの第3のセグメントを受ける、
請求項19又は20に記載の履物製品。
【請求項22】
前記ケーブルロックの内部構成要素は、前記ソール構造の前記底面を通して可視である、
請求項12乃至21のいずれか1項に記載の履物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月18日に出願された米国非仮特許出願第16/574,713号に対する優先権を主張し、この出願は、2018年9月19日に出願された米国仮特許出願第62/733,411号に対する米国特許法第119(e)条に基づく優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、締められた状態と緩んだ状態との間で履物を移動させるためのダイナミックレーシングシステム(dynamic lacing system)を有する履物製品に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、必ずしも従来技術ではない、本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
履物製品は、従来、アッパー及びソール構造を含む。アッパーは、ソール構造上の足を受け入れ、固定し、支持するために、任意の適切な材料(複数可)から形成することができる。足の底面に近接したアッパーの底部は、ソール構造に付着する。ソール構造は、一般に、地面とのトラクション及び耐摩耗性を提供するアウトソールと、足のためのクッションを提供するためにアウトソールとアッパーとの間に配置されるミッドソールとの間に延びる層状構成を含む。
【0005】
アッパーは、レース(laces)、ストラップ、又は他のファスナ(fasteners)と協働して、足のまわりのアッパーのフィット(fit)を調整することができる。例えば、レースを足の周りのアッパーを閉じるために締め、足の周りのアッパーの所望のフィットが得られたら、結ぶことができる。レースを結ぶたびに、足の周りのアッパーが緩すぎたりきつすぎたりしないことを確実にする注意が必要である。さらに、履物の着用中にレースが緩む又はほどけることがある。フック及びループファスナなどのファスナは、従来のレースよりも操作が容易であり、かつ、より迅速であるが、これらのファスナは、経時的に摩耗する傾向があり、アッパーを足に固定する際に所望の張力を得るためにより多くの注意を必要とする。
【0006】
既知の自動締め付けシステムは、典型的には、回転可能なノブなどの締め付け機構を含み、これは、足の周りのアッパーを閉じるためにアッパーと相互作用する1つ又は複数のケーブルに張力を加えるように操作することができる。これらの自動締め付けシステムは、足の周りのアッパーの所望のフィットを達成するために1つ又は複数のケーブルの張力の大きさを漸増させることができるが、足の周りにアッパーを固定するためにケーブルを適切に締め付けるために締め付け機構を操作する時間のかかる作業を必要とし、履物を足から外すことが所望される場合には、着用者は、ケーブルの張力を解放するために、解放機構を押すと同時に、足からアッパーを引き離す必要がある。さらに、これらの自動締め付けシステムは、1つ又は複数のケーブルの長さに沿って一定の張力を提供し、それにより、回転可能なノブを回転は、ケーブル全体を一様に締め付ける。アッパーの第1の領域をアッパーの第2の領域とは異なる割合(rate)で締め付けることが望ましい場合には、追加のケーブル及び締め付け機構を別々に組み込み、制御しなければならない。
【0007】
従って、既知の自動締め付けシステムは、足の周りにアッパーを閉じるためにケーブルの張力を迅速かつ可変的に調節し、また、足から履物を外すためにアッパーを迅速に緩めることができるように、ケーブルに加えられた張力を迅速に解放するための適切な設備を欠いている。さらに、これらの既知の自動締め付けシステムによって使用される締め付け機構は、締め付け機構が足の周りのアッパーのフィットを調整するために装着者にアクセス可能であり、それによって履物の一般的な外観及び美観を損なうように、アッパーの外側に組み込まれる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
明細書に記載される図面は、選択された構成のみを例示するためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0009】
図1】本開示の原理によるケーブルの移動を制限するロック状態とケーブルの移動を可能にするロック解除状態との間で移動可能なケーブルロックを有する履物製品の内側側部の立面図である。
図2図1の履物製品の外側側部の立面図である。
図3A図1の履物製品の断片的な上面斜視図であり、履物のシュラウドは、履物の内部構成要素を示すために隠されている。
図3B図1の履物製品の部分的な平面斜視図であり、シュラウドが示され、履物の内部構成要素が隠されている。
図4図1の履物製品の底面図であり、履物のソール構造を通ってさらされたケーブルロックを示す。
図5】本開示の原理によるケーブルロックの分解図である。
図6図5のケーブルロックの斜視図である。
図7図5のケーブルロックの上面図であり、ケーブルロックの内部構成要素は、ケーブルロックのハウジングの構造を示すために隠されている。
図8図6のケーブルロックの拡大部分図であり、ロック位置のケーブルロックを示す。
図9図6のケーブルロックの拡大部分図であり、ロック解除位置のケーブルロックを示す。
【0010】
対応する参照番号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、例示的な構成をより詳細に説明する。例示的な構成は、本開示が詳細であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝えるように提供される。本開示の構成の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、及び方法の例のような特定の詳細が記載されている。当業者には明らかであろうが、特定の詳細を使用する必要はなく、例示的な構成は多くの異なる形態で実施することができ、特定の詳細及び例示的な構成は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成のみを説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用されるとき、単数冠詞「1つの(“a”、“an”)及び「その(“the”)」は、文脈が他のことを明確に示していない限り、複数形も含むことが意図され得る。「有する」、「有する」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であり、特徴、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しない。本明細書に記載される方法ステップ、プロセス、及び動作は、特に実行の順序として具体的に識別されない限り、必ずしも、説明又は図示される特定の順序でのそれらの実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のステップ又は代替のステップが用いられ得る。
【0013】
ある要素又は層が、別の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、「に取り付けられる」、又は「に結合される」と称される場合、それは、他の要素又は層に直接上にあり得る、係合され得る、接続され得る、取り付けられ得る、若しくは結合され得る、又は介在する要素若しくは層が存在し得る。対照的に、ある要素が「直接上にある」、「直接係合される」、「直接接続される」、「直接取り付けられる」、又は「直接結合される」と称される場合、介在する要素又は層は存在していなくてもよい。要素間の関係を記載する他の用語は、同様の方法で(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接して」対「直接隣接して」など)で解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連するリストされたアイテムのうちの1つ又は複数のすべての組み合わせを含む。
【0014】
第1、第2、第3等という用語は、種々の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを記述するために本明細書中で使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又はセクションを別の領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、シーケンス又は順序を意味しない。従って、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層又はセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層又はセクションと呼ぶことができる。
【0015】
本開示の一態様は、履物製品を提供する。履物製品は、内部空所(interior void)を画定するアッパーと、ソール構造であって、アッパーに取り付けられ、内部空所に対向する上面及び上面からソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造とを含む。履物製品はまた、底面に隣接してソール構造内に配置されたケーブルロックを含む。履物製品は、さらに、ケーブルロックからアッパーの第1のアンカーポイントに延びる第1のセクション及びケーブルロックからアッパーの第2のアンカーポイントに延びる第2のセクションを有する第1のケーブルを含む。履物製品はまた、ケーブルロックからグリップに延びる第1のセクション及びケーブルロックからグリップに延びる第2のセクションを有する第2のケーブルを含み、ケーブルロックは、第2のケーブルの第1のセクション及び第2のセクションが延びるとき、第1のケーブルの第1のセクション及び第2のセクションを引き込む(retract)ように作動可能である。
【0016】
本開示の実装形態は、以下のオプションの特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態では、ケーブルロックは、ソール構造の底面に配置されたビューイングポート(viewing port)を通して見るために露出される(exposed)。ビューイングポートは、ソール構造のアウトソール部分及びミッドソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部を含む。ここで、ビューイングポートはまた、開口部を横切って延びる透明バリアを有するウインドウを含む。いくつかの例では、ケーブルロックの内部構成要素は、ソール構造の底面を通して可視である。
【0017】
幾つかの構成では、履物製品は、アッパーの内側側部(medial side)の第1の端部からアッパーの外側側部(lateral side)の第2の端部に延びる第1のストラップを含み、第1のストラップの第1の端部は、第1のケーブルの第1のセクションを受け、第1のストラップの第2の端部は、第1のケーブルの第2のセクションを受け得る。ここで、履物製品はまた、外側側部の履物のバイトライン(bite line)における第1の端部からアッパーの内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップを含み、第2の端部は、ループを画定し、第1のケーブルの第1のセクションを受ける。
【0018】
いくつかの例では、ケーブルロックはスプールを含み、第1のケーブルはスプールの周りに第1の方向に巻かれ、第2のケーブルはスプールの周りに第2の方向に巻かれ、第2の方向は第1の方向とは反対である。第1のケーブルの第1のセクションは、アッパーの内側側部に沿ってアッパーの内側側部の第1のアンカーポイントに延びる第1の複数のセグメントを含み得、第1のケーブルの第2のセクションは、アッパーの外側側部とアッパーの内側側部との間でアッパーの内側側部の第2のアンカーポイントに延びる第2の複数のセグメントを含み得る。
【0019】
いくつかの実装形態では、第1のアンカーポイントは、アッパー及びソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域(midfoot region)のアッパーの内側側部に配置され、第2のアンカーポイントは、前足部領域(forefoot region)のアッパーの内側側部に配置されたフラップの遠位端部に配置される。フラップは、バイトラインに取り付けられた近位端部から、アッパーの甲領域(instep region)に隣接する遠位端部に延び得る。フラップは、第1のケーブルの第2のセクションを受けるためのループを含み得、ループは、第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、第2のアンカーポイントは、第2のセクションの第3のセグメントを受ける。
【0020】
本開示の別の態様は、履物製品を提供する。履物製品は、内部空所を画定するアッパーと、ソール構造であって、アッパーに取り付けられ、内部空所に対向する上面及び上面とはソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造を含む。履物製品はまた、ソール構造内に配置されたケーブルロックと、ケーブルロックから第1の方向に延びる第1のセクションと、ケーブルロックから第2の方向に延びる第2のセクションとを有する第1のケーブルとを含み、第1のセクションは、少なくとも1つのストラップを通ってアッパーの内側側部に沿ってルーティングされた(routed)第1の複数のセグメントを含み、第2のセクションは、少なくとも1つのストラップを通ってアッパーの外側側部に沿ってルーティングされた第2の複数のセグメントを含む。履物製品は、さらに、ケーブルロックから延び、第2のケーブルに加えられる引張力が、第2のケーブルをケーブルロックから繰り出させるときに、第1のケーブルを引き込まれた状態に向かって移動させるように動作可能である、第2のケーブルを含む。
【0021】
本開示の実装形態は、以下のオプションの特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの構成では、ケーブルロックは、ソール構造の底面を通して見えるように露出される。ビューイングポートは、ソール構造のアウトソール部分とミッドソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部を含み得る。また、ビューイングポートは、開口部を横切って延びる透明バリアを含むウインドウを含み得る。ケーブルロックの内部構成要素は、ソール構造の底面を通して可視であり得る。
【0022】
いくつかの例では、少なくとも1つのストラップは、アッパーの内側側部に配置された第1の端部からアッパーの外側側部に配置された第2の端部に延びる第1のストラップを含み、第1のストラップの第1の端部は第1のケーブルの第1のセクションを受け、第1のストラップの第2の端部は第1のケーブルの第2のセクションを受ける。ここで、少なくとも1つのストラップは、外側側部で履物の外側側部に取り付けられた第1の端部から、アッパーの内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップを含み、第2の端部は、ループを画定し、第1のケーブルの第1のセクションを受ける。他の例では、ケーブルロックはスプールを含み、第1のケーブルはスプールの周りに第1の方向に巻かれ、第2のケーブルはスプールの周りに第2の方向に巻かれ、第2の方向は第1の方向とは反対である。
【0023】
幾つかの実装形態では、第1のケーブルの第1のセクションは、アッパーの内側側部の第1のアンカーポイントに延び、第1のケーブルの第2のセクションは、アッパーの内側側部の第2のアンカーポイントに延びる。第1のアンカーポイントは、アッパー及びソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域のアッパーの内側側部に配置され得、第2のアンカーポイントは、前足部領域内のアッパーの内側側部に配置されるフラップの遠位端部に配置され得る。フラップは、バイトラインにおいて取り付けられた近位端部から、アッパーの甲領域に隣接する遠位端部に延び得る。フラップは、第1のケーブルの第2のセクションを受けるためのループを含み得、ループは、第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、第2のアンカーポイントは、第2のセクションの第3のセグメントを受ける。
【0024】
添付の図面及び以下の説明において、本開示の1つ又は複数の実装形態の詳細を述べる。他の態様、特徴、及び利点は、明細書及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0025】
図1を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物製品10の一例が開示されている。いくつかの実装形態では、履物製品10は、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200とを含む。履物製品10は、さらに、アッパー100及びソール構造200の少なくとも1つに一体化されるテンションシステム(tensioning system)300を含む。テンションシステム300は、ケーブルロック302と、ケーブルロック302と協働して、履物製品10を、以下に詳述するように、締められた状態と緩んだ状態との間で移動させる一対のケーブル304、306とを含む。特に、ケーブル304、306は、履物製品10を締め付けられた状態に移動させるために締め付け方向Dに移動可能である。いくつかの実装形態では、アッパー100及びソール構造200は、ケーブルロック302を通ってケーブル304、306の一部をルーティングするための通路及びガイドを提供するように協働する。ケーブルロック302は、ケーブル304、306を締め付け状態に選択的に固定するように構成される。
【0026】
履物製品10は、1つ又は複数の領域に分割され得る。領域は、前足部領域12、中足部領域14、及び踵領域16を含み得る。前足部領域12は、中足骨を足の指骨と接続する関節及びつま先(toes)に対応し得る。前足部領域12は、指節骨に対応するつま先部分12と、足の中足骨に関連するボール(ball)部分12とに分割され得る。中足部領域14は、足のアーチ領域に対応し、踵領域16は、踵骨を含む足の後部領域に対応する。履物10は、さらに、前足部領域12の最前点(forward-most point)に関連する前端部(anterior end)18と、踵領域16の最後点(rearward-most point)に対応する後端部(posterior end)20とを含み得る。図4に示すように、履物10の長手方向軸Aは、履物10の長さに沿って前端部18から後端部20に延び、概して履物10を外側側部24と内側側部22とに分割する。従って、外側側部24及び内側側部22は、それぞれ履物10の両側面に対応し、領域12、14、16を通って延びる。
【0027】
アッパー100は、ソール構造200上での支持のために足を受け入れて固定するように構成される内部空所102を画定する内部表面を含む。踵領域16の足首開口部104は、内部空所102へのアクセスを提供し得る。例えば、足首開口部104は、足を空所102内に固定し、足の内部空所102への進入及び内部空所102から外すことを容易にするように足を受け入れ得る。アッパー100は、外側側部24と内側側部22との間に延び、内部空所102を覆う舌部106を含み得る。アッパー100は、履物10を足の上に引っ張ったり外したりするための足首開口部104に隣接して形成された1つ又は複数のグリップ特徴部(grip features)108を含む。アッパーはさらに、内側側部22から外側側部24にアッパー100の後端部20の周囲に延びるヒール(踵)カウンタ110を含む。
【0028】
アッパー100は、内部空所102を画定するために一緒に縫われた又は接着された1つ又は複数の材料から形成され得る。アッパー100の適切な材料には、織物、フォーム、皮革、及び合成皮革が含まれるが、これらに限定されない。例示的なアッパー100は、アッパー100の異なる領域に配置された1つ又は複数の実質的に非弾性又は非伸縮性の材料と1つ又は複数の実質的に弾性又は伸縮性の材料との組み合わせから形成して、締め付け状態と緩められた状態との間のアッパー100の移動を容易にし得る。1つ又は複数の弾性材料は、限定されるものではないが、スパンデックス、エラスタン、ゴム又はネオプレンなどの1つ又は複数の弾性織物の任意の組み合わせを含み得る。1つ又は複数の非弾性材料は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、皮革、ビニール、又は弾性特性を付与しない他の材料/布のうちの1つ又は複数の組み合わせを含み得る。図3A及び図3Bに最も良く示されているように、アッパーは、テンションシステム300の種々の構成要素を隠すための1つ又は複数のシュラウド112及び/又はカバー114を備え得る。例えば、図3Aでは、アッパー100は、シュラウド112およびカバー114なしで示され、それによってテンションシステム300のストラップの少なくとも1つが露出する。対照的に、図3Bは、アッパー100の前足部領域12を覆うメッシュシュラウド112を示し、一方、アッパー100の舌部106はカバー114を備え得る。いくつかの例では、カバー114は、テンションシステム300を露出させるためにユーザによって取り外し可能であり得る。
【0029】
上述のように、ソール構造200は、アッパー100に取り付けられ、履物10の地面係合面26を画定する。ソール構造200は、上面202と、ソール構造200の上面202とは反対側に形成された底面204とを含む。ソール構造200の底面204は、履物の地面係合面26を画定し得る。ソール構造200は、さらに、上面202と底面204との間に延びる周辺側面206をさらに含み、周辺側面206は、ソール構造200の外周を画定する。ソール構造200は、履物10の前端部18の第1の端部208から履物10の後端部20の第2の端部210に連続的に延びる。出願及び添付の特許請求の範囲全体を通して言及されるように、ソール構造200及びアッパー100は、履物10が組み立てられるときに、周辺側面206とアッパー100とが交差する「バイトライン」28を画定する。バイトライン28は、履物10に沿って、第1の端部208から第2の端部210に、外側側部及び内側側部の一方又は両方で全体的に延びることができ、また、第1の端部208、第2の端部210、又はその両方の周囲に延びることができる。
【0030】
以下にさらに詳細に説明するように、ソール構造200は、テンションシステム300の一部をその中に受け入れるように構成され、その中に形成された1つ又は複数のキャビティ又は導管を含み得る。図示の例では、ソール構造200は、底面204に形成された開口部又はキャビティ212を含む。キャビティ212は、ケーブルロック302をソール構造200内に受け入れるように構成される。いくつかの例では、ケーブルロック302は、ソール構造200内に封入され(encapsulated)得る。図4の例に示すように、キャビティ212は、ケーブルロック302の一部が、ソール構造200の底面204を通して露出又は可視化されるように、ケーブルロック302を受け入れるように構成され得る。例えば、ケーブルロック302は、ケーブルロック302と底面204との間に形成されたキャビティ212の一部が、それを通してケーブルロックが露出されるビューポートを画定するように、ソール構造200の底面204から埋め込まれ(recessed)得る。ここで、キャビティ212又はケーブルロック302は、ケーブルロック302の内部にウインドウ214を提供する透明バリア214を含み得る。従って、ケーブルロック302の動作をユーザが観察できるように、ケーブルロック302の内部構成要素は、バリア214を通して可視化され得る。
【0031】
上述したように、テンションシステム300は、概して、第1のケーブル304と第2のケーブル306を含み、これらは、ケーブルロック302を介して互いに協働し、アッパー100を、締められた状態と緩んだ状態との間で選択的に移行させる。図示のように、第1のケーブル304は、複数のガイド及びストラップを通ってアッパー100に沿ってルーティングされ、それによって、ユーザによって第2のケーブル306に加えられた締め付け力Fが、ケーブルロック302を通って第1のケーブル304に伝達され、第1のケーブル304によってアッパー100に沿って分配され、足に沿ってアッパー100を締め付ける。図示のように、第1のケーブル304は、ケーブルロック302を通して互いに接続された第1のセクション308及び第2のセクション310を含むものとして説明され得る。第1のセクション308は、ケーブルロック302から中足部領域14のアッパー100に固定された終端部312に延びる。同様に、第2のセクション310は、ケーブルロック302から、前足部領域12のアッパー100に固定された終端部314に延びる。以下に説明するように、第1のケーブル304の第1のセクション308は、ケーブルロック302と第1のセクション308の終端部312との間のアッパー100に沿ってルーティングされた第1の複数のセグメント316a~316eを含むものとして説明され得る。同様に、第2のセクション310は、ケーブルロック302と第2のセクション310の終端部314との間のアッパー100に沿ってルーティングされた第2の複数のセグメント318a~318fを含むものとして説明され得る。
【0032】
上述のように、テンションシステム300は、複数のガイド、ループ、及びストラップを含み、これらを通して、第1のケーブル304の第1のセクション308及び第2のセクション310が、第1のケーブル304の張力をアッパー100に沿った締め付け力に変換するようにルーティングされる。第1のストラップ320は、アッパー100の内側側部22の第1の端部322からアッパー100の外側側部24の第2の端部324に、足首開口部104に隣接して舌部106を横切って延びる。より詳細には、第1のストラップ320の第1の端部322は、舌部106に隣接してアッパー100の内側側部22上に、中足部領域14と踵領域16との間に位置する。同様に、第1のストラップ320の第2の端部324は、舌部106に隣接して、アッパー100の外側側部24上に、中足部領域14と踵領域16との間に位置する。第1のストラップ320の第1の端部322は、内側側部22上で第1のケーブル304の第1のセクション308の一部を受け入れる第1のループ326を画定し、第1のストラップ320の第2の端部324は、外側側部24上で第1のケーブル304の第2のセクション310の一部を受け入れる第2のループ328を画定する。以下に説明するように、第1のケーブル304が締め付けられると、第1のストラップ320のループ326、328は、舌部106を越えて第1のストラップ320を締め付けるように、ソール構造200に向かって引かれる。
【0033】
第1のケーブル304の第1及び第2のセクション308、310を、ループ326、328を通ってルーティングすることの他に、第1のストラップ320は、アッパー100から完全に分離される。このように、第1のストラップ320は、第1のケーブル304の第1及び第2のセクション308、310によってアッパー100の上にしっかりと引かれて、アッパー100を締めることができる。アッパー100は、アッパー100を横切る第1のストラップ320の向き及び位置を維持するための1つ又は複数のガイド330を含み得る。図示の例では、アッパー100は一対のガイド330を含み、ガイド330の一方は第1のストラップ320の第1の端部322に配置され、ガイド330の第2のものは第1のストラップの第2の端部324に配置される。従って、ガイド330は、第1のストラップ320の端部322、324を受け入れる。一例では、ガイド330は、各々、布ストラップの対向端部(opposing ends)をアッパー100に縫い付けることによって形成されて、ストラップとアッパー100との間に通路332を形成する。しかしながら、他の例では、ガイド330は、硬質材料で形成され得る、及び/又は通路332を完全に画定し得る。
【0034】
テンションシステム300は、少なくとも1つの近位端部336から遠位端部338に延びる第2のストラップ334をさらに含む。図3Aに最も良く示されているように、第2のストラップ334は、前足部領域12の外側側部24上のバイトライン28に取り付けられた第1の近位端部336aから、中足部領域14の内側側部22上の舌部106に隣接したフリーハンギング(自由に吊るす)(free-hanging)遠位端部338に延び、踵領域16の外側側部24上のバイトライン28に取り付けられた第2の近位端部336bに戻る。従って、第2のストラップ334は、遠位端部338でループ340を形成するように、第1の近位端部336aから第2の近位端部336bへ遠位端部338で向きを変えられる(turned)。以下にさらに詳細に説明するように、第1のケーブル304の第1のセクション308の一部は、第1のケーブル304の第1のセクション308が締め付け方向Dに引かれるとき、第2のストラップ334のループ340が引っ張られて内側側部22を下げてアッパー100の周囲を締め付けるように、第2のストラップ334のループ340を通ってルーティングされる。
【0035】
図1を参照すると、テンションシステム300は、バイトライン28に取り付けられた近位端部344と、内側側部22アッパー100の舌部106に隣接したフリーハンギング遠位端部346とを有する内側フラップ342を含む。図示のように、内側フラップ342の近位端部344は、バイトライン28に沿って、つま先部分12から中足部領域14に延びる。内側フラップ342の幅WMFは、近位端部344から遠位端部346にテーパ状になり、それによって、遠位端部346における内側フラップ342の幅WMFは、近位端部344における内側フラップ342の幅WMFよりも小さい。
【0036】
内側フラップ342の遠位端部346は、ギャップ356によって互いに分離された一対のタブ352、354を含み得る。具体的には、遠位端部346は、内側フラップ342の前面縁部(anterior-facing edge)に隣接して配置された前方タブ352と、内側フラップ342の後面縁部に隣接して配置された後方タブ354とを含む。タブ352、354は互いに対して独立して移動可能である。図示のように、後方タブ354は、第1のケーブル304の第1のセクション308の一部を受け入れるように構成されるケーブルガイド358を含み、一方、第1のケーブル304の第1のセクション308の終端部312は、第1のアンカー360において前方タブ352に固定される。
【0037】
図2を参照すると、履物10の外側側部24は、バイトライン28に取り付けられた近位端部364と、前足部領域12のボール部分12内の舌部106に隣接したフリーハンギング遠位端部366とを有する外側フラップ362を含む。内側フラップ342と同様に、外側フラップ362の幅WLFは、近位端部364から遠位端部366にテーパ状になっている。外側フラップ362は、遠位端部366に近接して配置されたケーブルガイド368を含む。後述するように、第1のケーブル304の第2のセクション310は、外側フラップ362のケーブルガイド368を通ってルーティングされる。従って、遠位端部366は、アッパー100から独立しているので、第1のケーブル304が締め付け方向Dに移動されるときに、遠位端部366は、アッパー100に沿って内側側部22に向かって引っ張られることができる。
【0038】
第1のケーブル304の第1及び第2のセクション308、310のルーティングに関して以下により詳しく述べるように、テンションシステム300は、前述のストラップ320、334とフラップ342、362との間で第1のケーブル304をルーティングするために、アッパー100に沿った位置に配置される複数のケーブルガイド370を含む。図示された例では、ケーブルガイド370は、それらを通って第1のケーブル304を摺動可能に受け入れるための通路を画定する織物又はメッシュループによって形成される。いくつかの例では、ケーブルガイド370の内面は、内部の第1のケーブル304の移動を容易にする潤滑性ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)などの低摩擦材料でライニング又はコーティングされる。
【0039】
さらに、テンションシステム300は、図4に最も良く示すように、ケーブルロック302とアッパー100との間の第1のケーブル304及び第2のケーブル306の端部をルーティングするために、ソール構造200を通って形成された1つ又は複数の導管372を含み得る。
【0040】
図1を参照すると、第1のケーブル304の第1のセクション308は、概して、アッパー100の内側側部22に沿ってルーティングされる。より詳細には、第1のケーブル304の第1のセクション308は、ソール構造200のケーブルロック302から、内側側部22のバイトライン28を通って延び、一連のケーブルガイド370を介して、第1のストラップ320の第1のループ326及び第2のストラップ334のループ340のそれぞれを通ってルーティングされる。第1のケーブル304の第1のセクション308は、中足部領域14のバイトライン28に隣接して、アッパー100の内側側部22に固定されている終端部312で終端する。
【0041】
上述のように、第1のケーブル304の第1のセクション308は、複数のセグメント316を含むものとして説明され得る。図1に最も良く示されているように、第1のセクション308の第1のセグメント316aは、中足部領域14のバイトライン28の第1の端部から、バイトライン28から離間した、踵領域16の第2の端までルーティングされる。図示のように、第1のセグメント316aの第2の端部は、第1のケーブル304の第1のセクション308がケーブルガイド370aの第1のものを通過するところに定められる。第1のケーブル304の第2のセグメント316bは、ケーブルガイドの第1のケーブルガイド370aから第1のストラップ320の第1のループ326に延び、第1のセクション308は第1のループ326を通って第3のセグメント316cにルーティングされる。次いで、第3のセグメント316cは、第1のストラップ320の第1のループ326から、第1のセグメント316aの上且つケーブルガイドの第1のケーブルガイド370aの前方でアッパー100に取り付けられるケーブルガイドの第2のケーブルガイド370bに延びる。次に、第1のセクション308は、ケーブルガイドの第2のケーブルガイド370bを通って第4のセグメント316dにルーティングされ、第4のセグメント316dは、アッパーを上に第2のケーブルガイド370bから、中足部領域14の舌部106に隣接する、第2のストラップ334のループ340に延びる。次いで、第1のセクション308は、第2のストラップ334のループ340を通って、ループ340からバイトライン28に隣接する第1のセクション308の終端部312に延びる第5のセグメント316eにルーティングされる。
【0042】
図示のように、第1のケーブルガイド370a、第2のケーブルガイド370b、及び終端部312のそれぞれは、ヒールカウンタ110のエッジに隣接してアッパー100に固定され得る。以下に詳細に記載されるように、ケーブルガイド370a、370b及び終端部312はアッパー100に固定されているので、第1のセクション308のセグメント316a~316eは、第1のケーブル304が締め付け方向Dに移動されるときに、第1のストラップ320の第1のループ326及び第2のストラップ334のループ340をヒールカウンタ110に向けて下方に引く。
【0043】
図2を参照すると、第1のケーブル304の第2のセクション310は、概して、外側側部24及びアッパー100の舌部106の下部領域に沿ってルーティングされる。より詳細には、第1のケーブル304の第2のセクション310は、ソール構造200のケーブルロック302から、外側側部のバイトライン28を通って上に延び、一連のケーブルガイド370を介して、第1のストラップ320の第2のループ328、中央フラップ342のケーブルガイド358、及び外側フラップ362のケーブルガイド368の各々を通ってルーティングされる。第1のケーブル304の第2のセクション310は、内側フラップ342の遠位端部346で前方タブ352に固定されている終端部314で終端する。
【0044】
上述のように、第1のケーブル304の第2のセクション310は、複数のセグメント318を有するものとして説明され得る。図2に最も良く示されているように、第2のセクション310の第1のセグメント318aは、中足部領域14のバイトライン28の第1の端部から、バイトライン28から離間した、踵領域16の第2の端部までルーティングされる。図示のように、第1のセグメント318aの第2の端部は、第1のケーブル304の第2のセクション310がケーブルガイドの第3のケーブルガイド370cを通過するところに定められる。第2のセクション310の第2のセグメント318bは、ケーブルガイドの第3のケーブルガイド370cから第1のストラップ320の第2のループ328に延び、第2のセクション310は第2のループ328を通って第3のセグメント318cまでルーティングされる。次いで、第3のセグメント318cは、第1のストラップ320の第2のループ328から、第1のセグメント318aの上且つケーブルガイドの第3のケーブルガイド370cの前方でアッパー100に取り付けられるケーブルガイドの第4のケーブルガイド370dに延びる。次いで、第2のセクション310は、ケーブルガイドの第4のケーブルガイド370dを通って、第4のセグメント318dにルーティングされ、第4のセグメント318dは、外側側部24の第4のケーブルガイド370dから、舌部106を横切って、内側フラップ342の後方タブ354のケーブルガイド358に延びる。次いで、第2のセクション310は、後方タブ354のケーブルガイド358を通って第5のセグメント318eにルーティングされ、第5のセグメント318eは、後方タブ354のケーブルガイド358から、舌部106を横切って外側フラップ362のケーブルガイド368に延びる。第2のセクション310は、外側フラップ362のケーブルガイド368を通って第6のセグメント318fまでルーティングされ、第6のセグメント318fは、ケーブルガイド368から、アッパー100のバンプを横切って終端部314に延びる。第4のセグメント318d、第5のセグメント318e、及び第6のセグメント318fのルーティングは、図3Aに明確に見ることができる。図示のように、第2のセクション310の終端部314は、アンカーポイント360によって前方タブ352に固定される。
【0045】
図示のように、第3のケーブルガイド370c及び第4のケーブルガイド370dの各々は、ヒールカウンタ110のエッジに隣接してアッパー100に固定され得る。ケーブルガイド370c、370dは、アッパー100に固定されるので、第2のセクション310の第2及び第3のセグメント318c、318dは、以下により詳細に説明するように、第1のケーブル304が締め付け方向Dに移動されるときに、第2のループ328をヒールカウンタ110に向かって下方に引く。同時に、第1のケーブルが締め付け方向に移動されると、第4のセグメント318d、第5のセグメント318e、及び第6のセグメント318fは、アッパー100の頂部を越えて締まり、フラップ342、362の遠位端部346、366を互いに引っ張り、足の周囲の内部空所102を締め付ける。
【0046】
第1のケーブル304と同様に、第2のケーブル306は、ケーブルロック302の第1の側部から履物10の内側側部22に延びる第1のセクション374と、ケーブルロック302の第2の側部から履物10の外側側部24に延びる第2のセクション376とを含むものとして説明され得る。図示された例では、第1のセクション374と第2のセクション376が協働して、アッパー100の周囲、より詳細には、アッパー100の舌部106を越えて延びる連続ループを画定する。実質的に連続しているが、第1のセクション374は、第1の端部378に延びるものとして説明され得、第2のセクション376は、第2の端部380に延びるものとして説明され得る。ここで、第1の端部378及び第2の端部380は、互いに一致して、連続する第2のケーブル306を形成する。しかし、他の例では、第1の端部378及び第2の端部380は、互いに分離されることができる、及び/又は中間部材によって互いに接続され得る。
【0047】
図3Aに最も良く示されているように、第2のケーブル306は、足首開口部104に近接して(すなわち、着用者の足の甲の上の領域に近接して)舌部106の周囲に延びている。図1に示すように、第2のケーブル306の第1のセクション374の一部は、アッパー100の内側側部22を通って形成された第1の通路382を通ってルーティングされ得る。同様に、第2のケーブルの第2のセクション376の一部は、アッパー100の外側側部24を通って形成された第2の通路384を通ってルーティングされ得る。
【0048】
舌部106の周囲に延びる第2のケーブル306の一部は、1つ又は複数のシース386内に囲まれ得る。各シース386は、さらに、第2のケーブル306が締め付け力Fによってアッパー100から離れる方向に動かされるとき(すなわち、第2のケーブル306が締め付け方向Dに動かされるとき)、シース386及び第2のケーブル306の各セクション374、376が緩んだ状態から伸張又は拡張状態に動くことを可能にする材料及び/又は織物から形成され得る。締め付け力Fが除去されると、シース386の材料及び/又は織物は、シース386を自動的に緩んだ状態に収縮させ、第2のケーブル306によるバンチング(bunching)を収容させる(accommodate)。
【0049】
図示の例では、別個の締め付けグリップ388が、舌部106に近接した取り付け位置でシース386に操作可能に接続し、ユーザが締め付け力Fを加えて、第2のケーブル306をアッパー100から離すように引き、それによって、第2のケーブル306及び第1のケーブル304の各々を締め付け方向Dに移動させることを可能にする。他の構成は、1つ又は複数の締め付けグリップ388を、第2のケーブル306の長さに沿ってシース386の他の部分に操作可能に接続することを含み得る。いくつかの実装形態では、締め付けグリップ388は省略され、シース386はユーザによって直接把持される。
【0050】
再び図1を参照すると、ケーブルロック302は、ケーブル304、306が両方向にD、Dに移動することを可能にするためにケーブルロック302をロック状態からロック解除状態に移行させるように動作可能な解放機構390をさらに含み得る。例えば、解放機構390は、解放コード390が引かれるときにケーブルロック302をロック状態からロック解除状態に移行するように動作可能な解放コード又はケーブル390を含み得る。解放コード390は、ケーブルロック302に取り付けられた第1の端部から、アッパー100から露出された遠位端部に、アッパー100によって形成された通路382、384のうちの1つを通って延び得、それによって、ユーザが、ロック状態からロック解除状態へロック装置350bを移動させるために、解放コード390を把持し、引っ張ることを可能にする。いくつかの例では、解放コード390の遠位端部は、ケーブルロック302をロック解除状態に移動させること及び/又はケーブルロック302をロック解除状態から解除することが望ましいときに、ユーザが解放コード390を把持及び引っ張ることを可能にするために、ケーブルロック302から離れて配置されたループ392及び/又は把持機能を含む。図1は、アッパー100の内側側部22の第1の通路382から延びる解放コード390のループ392を示す。
【0051】
上述のように、ロック装置又はケーブルロック302は、履物10のソール構造200内に配置され得、ロック状態に付勢され(biased)て、ケーブル304、306のそれぞれの緩み方向Dへの移動を制限し得る。ソール構造200は、いくつかの例ではケーブルロック302を支持する。第1のケーブル304及び第2のケーブル306は、それぞれ、逆方向からケーブルロック302のハウジング400に近づき、通過する。一構成では、ハウジング400は、長さ約3インチ(3in.(7.62cm))、幅約3インチ(3in.(7.62cm))の実質的に正方形の形状を含み、約1インチ(1in.(2.54cm))の厚さを含む。幾つかの構成では、ケーブルロック302は、ロック状態の間に、ケーブル304、306の締め付け方向Dの移動を可能にする。解放コード390は、ケーブルロック302をロック状態からロック解除状態に移行させ、それによってケーブル304、306が両方向D、Dに移動することを可能にする。
【0052】
図5は、スプール404、第1の爪406、及び第2の爪408を回転可能に受け入れるように構成されたキャビティ402を画定するハウジング400を示すケーブルロック302の分解図である。ケーブルロック302は、ハウジング400に取り外し可能に固定された蓋410を含み得、蓋410がハウジング400に留められる(fastened)ときにキャビティ402へのアクセスを防止し、蓋410がハウジング400から取り外されたときにキャビティ402へのアクセスを可能にする。1つ又は複数の留め具412が、蓋410を通って延び、ハウジング400内のねじ穴414に締り、蓋410をハウジング400に固定し得る。
【0053】
ハウジング400は、各々が、それを通ってケーブル304、306がハウジング400のキャビティ402内にルーティングされるそれぞれのケーブルリテーナ418を受け入れて支持するようにそれぞれ構成される複数のリテーナスロット416を画定する。ハウジング400は、ケーブル304、306の端部がケーブルリテーナ418のそれぞれの1つを通って延びるように、複数のケーブルリテーナ418を支持し得る。
【0054】
以下により詳細に説明するように、ハウジング400は、さらに、キャビティ402内に配置された保持壁420を含み得る。保持壁420は、第1の爪406と協働するように構成される。保持壁420は、さらに、1つ又は複数の触覚ドーム(tactile domes)424を受け入れるように構成された触覚スロット(tactile slot)422をさらに含み得る。図6図9を参照して以下により詳細に説明すると、第1の爪406は触覚ドーム(複数可)424と係合して、スプール404がハウジング400に対して位置を変化させたこと及び/又はケーブルロック302がロック状態からロック解除状態に移行したことを示すクリック音又は他の音を提供し得る。
【0055】
図7は、ハウジング400の両側に配置された一対の取り付けフランジ426、428を示す、ハウジング400の上面図である。取り付けフランジ426、428は、ケーブルロック302をソール構造200内に取り付けるために、ソール構造200のキャビティ212の内面に載置され得る。代替的には、フランジは、アッパー100のストロベル(strobel)に取り付けることができる。ストロベルは、ソール構造200と空所102との間に少なくとも配置された履物10の足下部分を形成する任意の支持構造であることができる。いくつかの例では、接着剤及び/又はエポキシなどの接着剤が、キャビティ212内にハウジング400を取り付けるために、フランジ426、428の接触面及び/又はソール構造200のキャビティ212の内面に塗布され得る。付加的又は代替的に、取り付けフランジ426、428は、それを通って形成され、ハウジング400をソール構造200に取り付けるための留め具(図示せず)を受け入れるように構成された1つ又は複数の取り付け孔430を画定し得る。
【0056】
図7は、ハウジング400を示し、爪406、408、ケーブル304、306、及びケーブルロック302の他の構成要素を除去して、ハウジング400を通って形成された細長いチャネル432を露出させる。以下により詳細に説明するように、細長いチャネル432は、第1の爪406の取り付けポイントと整列し、解放コード390が、ハウジング400の下を通過し、取り付けフランジ428によって画定されるフィードスロット(feed slot)434を通って上に通過することを可能にする。また、取り付けフランジ428は、解放コード390(及び/又は解放コード390を囲む導管372)がハウジング400から延びるためのより多くのクリアランスを提供するために、フィードスロット434に近接した切欠き領域435を画定する。取り付けフランジ426、428は、ハウジング400がキャビティ212又はストロベルの取り付け面から離間されるように、ハウジング400の周囲の周りにリップを画定し得、解放コード390がハウジング400とキャビティ212又はストロベルの取り付け面との間をルーティングされることを可能にする。したがって、解放コード390は、細長いチャネル432とフィードスロット434との間でハウジング400の下に自由に延び得る。いくつかの例では、フィードスロット434は、解放コード390がハウジング400によって捕捉されること又は拘束されることを防止するために湾曲したエッジを有する。
【0057】
次に、図6を参照すると、スプール404は、ハウジング400のキャビティ402内に支持され、ハウジング400に対して回転し得る。いくつかの例では、スプール404は、ケーブル304、306が締め付け方向Dに移動するときは第1の方向DS1に、ケーブル304、306が緩み方向Dに移動するときは反対の第2の方向DS2に、ハウジング400に対して回転する。スプール404は、第1のケーブル304の部分を集めるように構成される第1のチャネル又は環状溝436と、第2のケーブル306の部分を集めるように構成される第2のチャネル又は環状溝438とを含む。スプール404は、スプール404に対するケーブル304、306の各々の回転位置を固定するために、チャネル436、438を隔てる分割壁を通して形成される1つ又は複数のアンカースロット440を含み得る。
【0058】
ケーブルロック302はまた、スプール404に関連付けられ、ラチェット機構442の軸の周囲に円周方向に配置され、そこから半径方向内方に突出する複数の歯444を有するラチェット機構442を含む。いくつかの実装形態では、ラチェット機構442は、複数の歯444がチャネル436、438から半径方向内方に突出するように、スプール404の内周壁上に一体的に形成される。他の例では、ラチェット機構442は、スプール404との共通回転のために支持される。
【0059】
第1の爪406は、ハウジング400のキャビティ402内に配置され、ラチェット機構442と協働して、スプール404の回転、ひいてはケーブル304、306の移動を選択的に防ぐ及び可能にするように構成される。いくつかの例では、第1の爪406は、ラチェット機構442の複数の歯444と選択的かつ噛合い係合するように構成される1つ又は複数の歯445を含む。いくつかの実装形態では、第1の爪406は、第1の爪406がハウジング400に対して第1の爪回転軸AFP周りに回転することを可能にするように、ハウジング400内の第1の爪406を支持するように構成される第1の爪アクスル448を含む。
【0060】
第1の爪スプリング450が、ハウジング400のキャビティ402内に配置された第1の爪アクスル448と保持壁420とを動作可能に接続して、第1の爪406を爪回転軸AFPのまわりの第1の方向DFP1に付勢し得る。第1の爪回転軸AFPは、スプール404が第1の爪406及びハウジング400の保持壁420を囲むようにキャビティ402に受け入れられるとき、スプール404の回転軸に実質的に平行であり得る。従って、第1の爪スプリング450は、保持壁420及び第1の爪406と相互作用して、第1の爪406を第1の方向DFP1において爪回転軸AFPの周りに旋回させ、ラチェット機構442の複数の歯444と係合させる付勢力をかけ、それによってケーブルロック302をロック状態で動作させ、ケーブル304、306による緩み方向Dの移動を制限する。
【0061】
図8及び9は、それぞれ、ケーブルロック302の第1の爪406の上面図を示す。第1の爪406は、第1の爪スプリング450を支持するように構成された第1の受容面452を画定する。第1の爪アクスル448は、第1の受容面452に実質的に垂直な方向に第1の受容面452から突出する。第1の爪アクスル448は、第1の爪406と一体的に形成され得る。また、第1の爪406は、第2の爪スプリング464を支持するように構成される第2の受容面454を画定する。開口部456が、第2の受容面454を通って形成され、第2の爪アクスル462を受容するように構成される。アンカーポスト458が、第1の爪アクスル448に実質的に平行な方向に、受容面452、454から離れて突出し得る。アンカーポスト458は、解放コード390の第1の端部354dをアンカーポスト458に取り付けるための取り付け位置を提供するための開口部460を画定し得る。アンカーポスト458は、第1の爪406と一体的に形成され得る。
【0062】
図6を参照すると、第2の爪アクスル462は、第2の爪408を第1の爪406に回転可能に取り付け、第2の爪408が第1の爪406及びハウジング400の両方に対して第2の爪回転軸ASP周りに回転することを可能にする。第2の爪回転軸ASPは、第1の足部回転軸AFP及びスプール404の回転軸に実質的に平行に延び得る。いくつかの例では、第2の爪408は、第2の爪スプリング464に関連付けられ、第1の爪406がラチェット機構442の歯444から解放され、スプール404が第2の方向DS2に回転することを可能にするときに、第2の爪408を付勢してスプール404の内周に関連付けられた制御面466に係合させるように構成される。
【0063】
図6は、第1の爪406の第1の爪歯445がラチェット機構442の歯444に係合するロック状態にあり、スプール404が第2の方向DS2に回転するのを選択的に制限し、それによってケーブル304、306がそれぞれの緩み方向Dに移動するのを制限する間のケーブルロック302の斜視図を提供する。いくつかの例では、複数の歯444は、第1の爪406の歯445がラチェット機構442の歯444と係合するときスプール404が第1の方向DS1に回転することを可能にするように傾斜し、これにより、締め付けグリップ388に加えられた締め付け力Fに応答して、第1のケーブル304が締め付け方向Dに移動し、第2のケーブル306が締め付け方向Dに移動することを可能にする。
【0064】
スプール404が第1の方向DS1に回転するとき、第2のケーブル306はスプール404の第2のチャネル438から巻き戻され(unreeled)、一方、スプール404の第1のチャネル436が第1の方向DS1に回転するので、スプール404の第1のチャネル436が第1のケーブル304を同時に引き込む。従って、ケーブル304、306によるそれぞれの締め付け方向Dへの移動は、第2のケーブル306の有効長さを増加させ、同時に、第1のケーブル304の有効長さを減少させ、それによって、ユーザの足の周りの内部空所102を閉じるためにアッパー100を締め付け状態に移動させる。ここで、第2のケーブル306は、アッパー100が締め付け状態に入るにつれて足のまわりの内部空所102のフィットを締め付けるために、第1の爪406(例えば、第1の爪歯445)とラチェット機構442の歯444との間の各連続係合中に締め付け方向Dに漸増的に移動し、それにより、第1のケーブル304の第1のセクション308及び第2のセクション310に加えられる張力を漸増的に増加させる。より詳細には、第1のケーブル304の第1のセクション308及び第2のセクション310の各々は、スプール404の第1のチャネル436に接続され、その中に配置されるので、セクション308、310の各々は、同じ速度でスプール404によって巻き付けられ、巻き戻され、足の周りのアッパー100の実質的に均一なきつさ(tightness)を提供する。
【0065】
いくつかの例では、解放コード390は、Fの所定の解放力が解放コード390に加えられるとき、ラチェット機構442の歯444から第1の爪406を選択的に係合解除するために、第1の爪406のアンカーポスト458に動作可能に接続される。第2の爪408が制御面466に係合するとき、第2の爪408は、第2の方向DS2における回転中にスプール404の第1のチャネル436及び第2のチャネル438のそれぞれから集められた(例えば、巻き付けられる)又は解放された(例えば、巻き戻される)ときケーブル304、306が絡まらないように、スプール404の第2の方向DS2における回転速度を制御するように動作する。いくつかの構成では、第2の爪408は、第1の爪406が歯444から係合解除されたままであるとき(すなわち、ケーブルロック302がロック解除状態で動作可能であるとき)、2つの制御面466のそれぞれと係合したままである2つのカム面を含む。各制御面466は、歯444が制御面466の間に配置され、そこから半径方向内方に突出するように、ラチェット機構442の反対側に軸方向に配置され得る。
【0066】
図8を参照すると、ケーブルロック302がロック状態にあるとき、第1の爪406は、付勢されてラチェット機構442の複数の歯444と係合する。ここで、第1の爪406は、第1の爪406の歯445がラチェット機構442の歯444と係合するように、第1の方向の回転DFP1に第1の爪回転軸AFP周りに旋回し、回転する。いくつかの例では、第1の爪406は、第1の爪406と歯444との間の各連続係合中にスプール404内の位置の漸進的変化を示す「クリック」を提供するために、触覚ドーム424と係合するように構成される触覚突出部468を含む。
【0067】
図9を参照すると、解放コード390の端部394が、第1の爪406のアンカーポスト458に取り付けられ、所定の解放力Fが解放コード390に加えられたときに、解放コード390が、ラチェット機構442の歯444から第1の爪406を選択的に係合解除することを可能にする。例えば、ユーザは、解放コード390のループ392を把持し、ラチェット機構442の歯444から第1の爪406を係合解除するために所定の力Fを加え得る。ここで、所定の力Fは、第1の爪スプリング450の付勢力を克服し、第1の爪406が第2の方向DFP2に第1の爪回転軸AFP周りに回転することを可能にする。さらに、触覚突出部468は、所定の力Fが第1の爪406を歯444との係合から外れて動かし、ケーブルロック302をロック解除状態に移行させるときに、触覚ドーム424と係合して「クリック」を提供し得る。
【0068】
図9は、所定の力Fが解放コード390に加えられたときに、ラチェット機構442の歯444から第1の爪406を選択的に解放する解放コード390に応答した、ロック解除状態のケーブルロック302を示す。ケーブルロック302は、ラチェット機構442の歯444から第1の爪406が係合解除したロック解除状態にある一方、第1のケーブル304に緩み力Fが加えられるときに第1のケーブル304が緩み方向Dに移動することを可能にするように、スプール404が第2の方向DS2に回転することを可能にされる。いくつかの例では、スプール404の第1のチャネル436が第1のケーブル304を収集し、一方、スプール404の第2のチャネル438は、同時に、スプール404が第2の方向DS2に回転するので、第2のケーブル306を解放する。したがって、第2のケーブル306の緩み方向Dへの移動は、第1のケーブル304の有効長さが増大することを可能にし、セグメント316a~316e、318a~318fが緩み、それにより、足が内部空所102から外されることができるように、締め付け状態から緩み状態へのアッパー100の移行を容易にすることを可能にする。
【0069】
図5に戻って参照すると、ケーブルロック302の蓋410及びハウジング400はそれぞれ、第1の爪406の第1の爪アクスル448を支持するように構成されるハブ470を含み得る。また、蓋410はそれぞれ、ハウジング400の細長いチャネル432と協働して、第1の爪406が第1の爪回転軸AFP周りに第1の方向DFP1又は第2の方向DFP2のいずれかで旋回するときに、第1の爪406のアンカーポスト458がハウジング400及び蓋410に対して自由に回転することを可能にする細長いチャネル472を含み得る。
【0070】
使用時には、履物製品10は、テンションシステム300を使用して、締め付け状態と緩んだ状態との間で選択的に移動することができる。履物10が最初に緩んだ状態で提供されると、第1のケーブル304の有効長さは最大化されるので、第1のケーブルがアッパー100の周りで緩んだ状態にある一方、第2のケーブル306の有効長さは、ケーブルロック302のスプール404の周りに第2のケーブル306が巻かれるので、最小化される。従って、ユーザの足を履物10の内部空所102に挿入することができ、それによって、アッパー100の材料は、アッパー100がそこに足を収容するように伸張することを可能にする。
【0071】
ユーザの足がアッパー100の内部空所102内に挿入されると、テンションシステム300は、履物10を足部に固定するために、ユーザによって締め付けられた状態に移動することができる。上述のように、テンションシステム300は、締め付けグリップ388に締め付け力Fを加えることによって締め付けられた状態に移動し、それによって第2のケーブル306を締め付け方向Dに移動させる。第2のケーブル306が締め付け方向Dに移動すると、スプール404は第1の方向DS1に回転し、第2のケーブル306は第2のチャネル438から巻き戻される。同時に、第1のケーブル304は、第1のチャネル436内に巻き上げられ、それによって、第1のケーブル304は、ケーブルロック302内に引き込まれる。従って、第1のケーブル304の有効長さは、アッパー100の周囲で最小化され、アッパー100を足の周囲で締め付けられた状態に移動させる。
【0072】
上述のように、第1のケーブル304が締め付け方向Dに動かされると、第1のセクション308のセグメント316a~316eは、締め付け力Fを第1のストラップ320及び第2のストラップ334の端部322、338に分配し、第1のストラップ320及び第2のストラップ334を舌部106の上にしっかりと引っ張る。同時に、第2のセクション310のセグメント318a~318eは、締め付け力Fを第1のストラップ320の第2の端部324、内側及び外側のフラップ342、362のケーブルガイド358、368、及び内側フラップ342のアンカーポイント360に分配し、舌部106の下部領域を収縮させる。同時に、テンションシステム300が締め付け状態に移動されるとき、第2のケーブル306の有効長さは増大され得る。しかし、第2のケーブル306は、シース386の弾性によってアッパー100に対して締め付けられた位置に維持され得る。
【0073】
テンションシステム300を締め付け状態に移動させる前、その間、又はその後に、解放コード390に加えられる解放力Fが第1の爪スプリング450によって克服されたとき、第1の爪スプリング450の付勢力は、ロック位置に第1の爪406を移動させ得る。ケーブルロック302がロック状態にあるとき、スプール404の歯444は、スプール404が第2の方向DS2(すなわち、緩み方向D)に回転するのを防止するために、第1の爪406の歯445に係合される。従って、ケーブルロック302がロック位置に留まる限り、ケーブルロック302はテンションシステム300を締め付け状態に維持する。
【0074】
ユーザが履物製品10を足から外すことを望む場合、テンションシステム300を緩んだ状態に移動されて、アッパー100が足の周りで緩められることを可能にし得る。最初に、ケーブルロック302は、第1の爪スプリング450の付勢力を克服するのに十分な解放力Fを加えることによって、ロック解除状態に移動されなければならない。解放力Fが付勢力を克服すると、第1の爪406の歯445はスプール404の歯444から係合解除し、それによってスプール404が第2の方向DS2に回転することを可能にする。
【0075】
緩み力Fが、第1のケーブルを緩み方向Dに移動させるためにユーザは第1のケーブル304に加えられ得、これにより、第1のケーブル304の有効長さを最大にし、アッパー100が緩められることを可能にする。図示の例では、緩み力Fは、アッパー100の前端部18を下方に引くことによって第1のケーブル304に間接的に加えられ得、それによって内部空所102が足を外すために強制的に開放される。代替的に、第1のケーブル304は、ユーザが緩み力Fを第1のケーブル304に直接加えることを可能にするように、1つ又は複数の緩みグリップ(図示せず)を備え得る。
【0076】
第1のケーブル304が緩み方向Dに移動すると、スプール404が第2の方向DS2に回転し、それによって第1のケーブル304は第1のチャネル436から巻き戻される。第1のケーブル304が巻き戻されると、第1のケーブル304の有効長さは増大し、第1及び第2のセクション308、310のセグメント316a~316e、318a~318fが緩められ、第1のストラップ320、第2のストラップ334、内側フラップ342、及び外側フラップ362がアッパー100の周りで緩むことを可能にする。同時に、第2のケーブル306は、第2のチャネル438内に巻き上げられ、それによって、第2のケーブル306を、ケーブルロック302内に引き込ませる。従って、第2のケーブル306の有効長さは最小化される。
【0077】
以下の条項は、本開示の原理による履物製品及びケーブルロックのための例示的な構成を提供する。
【0078】
条項1:内部空所を画定するアッパーと;ソール構造であって、前記アッパーに取り付けられ、前記内部空所に対向する上面及び前記上面とは前記ソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造と;前記底面に隣接して前記ソール構造内に配置されたケーブルロックと;前記ケーブルロックから前記アッパーの第1のアンカーポイントに延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから前記アッパーの第2のアンカーポイントに延びる第2のセクションを有する第1のケーブルと;前記ケーブルロックからグリップに延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから前記グリップに延びる第2のセクションを有する第2のケーブルと;を有し、前記ケーブルロックは、前記第2のケーブルの前記第1のセクション及び前記第2のセクションが延ばされるとき、前記第1のケーブルの前記第1のセクション及び前記第2のセクションを引き込むように動作可能である、履物製品。
【0079】
条項2:条項1の履物製品であって、前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面に配置されたビューイングポートを通して見るために露出される。
【0080】
条項3:条項2の履物製品であって、前記ビューイングポートは、前記ソール構造のアウトソール部分及びミッドソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部を有する。
【0081】
条項4:条項3の履物製品であって、前記ビューイングポートは、前記開口部を横切って延びる透明バリアを有するウインドウを含む。
【0082】
条項5:前条項のいずれかの履物製品であって、前記アッパーの内側側部の第1の端部から前記アッパーの外側側部の第2の端部に延びる第1のストラップをさらに有し、前記第1のストラップの前記第1の端部は、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受け、前記第1のストラップの前記第2の端部は、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受ける。
【0083】
条項6:条項5の履物製品であって、前記外側側部の前記履物のバイトラインにおける第1の端部から前記アッパーの前記内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップをさらに有し、前記第2の端部は、ループを画定し、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受ける。
【0084】
条項7:前条項のいずれかの履物製品であって、前記ケーブルロックはスプールを含み、前記第1のケーブルは前記スプールの周りに第1の方向に巻かれ、前記第2のケーブルは前記スプールの周りに第2の方向に巻かれ、前記第2の方向は前記第1の方向と反対である。
【0085】
条項8:前条項のいずれかの履物製品であって、前記第1のケーブルの前記第1のセクションは、前記アッパーの内側側部に沿って前記アッパーの前記内側側部の前記第1のアンカーポイントに延びる第1の複数のセグメントを含み、前記第1のケーブルの前記第2のセクションは、前記アッパーの外側側部と前記アッパーの前記内側側部との間で前記アッパーの前記内側側部の前記第2のアンカーポイントに延びる第2の複数のセグメントを含む。
【0086】
条項9:前条項のいずれかの履物製品であって、前記第1のアンカーポイントは、前記アッパー及び前記ソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域の前記アッパーの内側側部に配置され、前記第2のアンカーポイントは、前足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置されるフラップの遠位端部に配置される。
【0087】
条項10:条項9の履物製品であって、前記フラップは、前記バイトラインに取り付けられた近位端部から前記アッパーの甲領域に隣接する前記遠位端部に延びる。
【0088】
条項11:条項9又は条項10の履物製品であって、前記フラップは、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受けるためのループをさらに含み、前記ループは、前記第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、前記第2のアンカーポイントは、前記第2のセクションの第3のセグメントを受ける。
【0089】
条項12:前条項のいずれかの履物製品であって、前記ケーブルロックの内部構成要素が前記ソール構造の前記底面を通して可視である。
【0090】
条項13:履物製品は:内部空所を画定するアッパーと;ソール構造であって、前記アッパーに取り付けられ、前記内部空所に面する上面及び前記上面とは前記ソール構造の反対側に形成された地面係合底面を有する、ソール構造と;前記ソール構造内に配置されたケーブルロックと;前記ケーブルロックから第1の方向に延びる第1のセクション及び前記ケーブルロックから第2の方向に延びる第2のセクションを有する第1のケーブルであって、前記第1のセクションは、少なくとも1つのストラップを通って前記アッパーの内側側部に沿ってルーティングされる第1の複数のセグメントを含み、前記第2のセクションは、前記少なくとも1つのストラップを通って前記アッパーの外側側部に沿ってルーティングされる第2の複数のセグメントを含む、第1のケーブルと;第2のケーブルであって、前記ケーブルロックから延び、前記第2のケーブルに加えられる引張り力が、前記第2のケーブルを前記ケーブルロックから繰り出させるときに、前記第1のケーブルを引き込まれた状態に向かって移動させるように動作可能である、第2のケーブルと;を有する。
【0091】
条項14:条項13の履物製品であって、前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面を通して見えるように露出される。
【0092】
条項15:条項14の履物製品であって、前記ケーブルロックは、前記ソール構造の前記底面を通して、前記ソール構造のアウトソール部分及び中間ソール部分のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に通って延びる開口部において、見えるように露出される。
【0093】
条項16:条項15の履物製品であって、前記開口部を横切って延びる透明バリアを含むウインドウをさらに有する。
【0094】
条項17:前条項のいずれかの履物製品であって、前記少なくとも1つのストラップは、前記アッパーの内側側部に配置された第1の端部から、前記アッパーの外側側部に配置された第2の端部に延びる第1のストラップを含み、前記第1のストラップの前記第1の端部は、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受け、前記第1のストラップの前記第2の端部は、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受ける。
【0095】
条項18:条項17の履物製品であって、前記少なくとも1つのストラップは、前記外側側部で前記履物の前記外側側部に取り付けられた第1の端部から、前記アッパーの前記内側側部の第2の端部に延びる第2のストラップを含み、前記第2の端部は、ループを画定し、前記第1のケーブルの前記第1のセクションを受ける。
【0096】
条項19:前条項のいずれかの履物製品であって、前記ケーブルロックはスプールを含み、前記第1のケーブルは前記スプールの周りに第1の方向に巻かれ、前記第2のケーブルは前記スプールの周りに第2の方向に巻かれ、前記第2の方向は前記第1の方向とは反対である。
【0097】
条項20条:前条項のいずれかの履物製品であって、前記第1のケーブルの前記第1のセクションは、前記アッパーの前記内側側部の第1のアンカーポイントに延び、前記第1のケーブルの前記第2のセクションは、前記アッパーの前記内側側部の第2のアンカーポイントに延びる。
【0098】
条項21:条項20の履物製品であって、前記第1のアンカーポイントは、前記アッパー及び前記ソール構造のバイトラインに隣接する中足部領域の前記アッパーの内側側部に配置され、前記第2のアンカーポイントは、前足部領域の前記アッパーの前記内側側部に配置されたフラップの遠位端部に配置される。
【0099】
条項22:条項21の履物製品であって、前記フラップは、前記バイトラインにおいて取り付けられた近位端部から前記アッパーの甲領域に隣接する前記遠位端部に延びる。
【0100】
条項23:条項21又は条項22の履物製品であって、前記フラップは、前記第1のケーブルの前記第2のセクションを受けるためのループを含み、前記ループは、前記第2のセクションの第1のセグメント及び第2のセグメントを受け、前記第2のアンカーポイントは、前記第2のセクションの第3のセグメントを受ける。
【0101】
条項24:前条項のいずれかの履物製品であって、前記ケーブルロックの内部構成要素は、前記ソール構造の前記底面を通して可視である。
【0102】
前述の説明は、図示及び説明の目的で提供された。これは、網羅的であること、又は本開示を限定することを意図したものではない。特定の構成の個々の要素又は特徴は、概して、その特定の構成に限定されないが、適用可能な場合には、互換性があり、具体的に図示又は説明されていなくても、選択された構成で使用することができる。同じことは、いろいろな方法で変えられ得る。このような変更は、本開示からの逸脱とはみなされず、すべてのこのような変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
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図9