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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/20 20090101AFI20221031BHJP
   H04W 84/22 20090101ALI20221031BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20221031BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20221031BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20221031BHJP
【FI】
H04W84/20
H04W84/22
H04W84/06
H04W8/24
H04W88/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021519257
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2020002459
(87)【国際公開番号】W WO2020230370
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2019089812
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新畑 香緒莉
(72)【発明者】
【氏名】鷹見 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝治
(72)【発明者】
【氏名】河上 寛
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 雄一朗
(72)【発明者】
【氏名】北村 康裕
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0048925(US,A1)
【文献】特開2019-051839(JP,A)
【文献】特開2018-195869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各空域の属性を取得する属性取得部と、
複数の飛行体の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定する設定部とを備え、
前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、
前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、
前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛行体に送信する動作モードである
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記空域の属性は、前記飛行体から前記処理装置に前記データを送信する処理の重要度に応じて決められた属性である
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記空域の属性は、通信に関する処理を複数の飛行体で分散処理するときの分散化の程度に応じて決められた属性である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【請求項4】
前記属性は、第1の属性及び第2の属性を含み、
前記第1の属性の空域においては、前記第2の属性の空域に比べて、前記データを前記処理装置に送信することが重要で且つ複数の飛行体で処理を分散化する程度が小さい場合に、
前記設定部は、
前記第1の属性の空域においては、前記第2の属性の空域に比べて前記データを早く前記処理装置に送信するための設定方法に基づいて、前記飛行体の動作モードの設定を行い、
前記第2の属性の空域においては、前記第1の属性の空域に比べて複数の飛行体で処理を分散化する程度を大きくするための設定方法に基づいて、前記飛行体の動作モードの設定を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記複数の設定方法は、
システム全体が安定的に動作することが最優先される空域において、前記第1の動作モードで動作している飛行体が当該第1の動作モードで動作することに適しているか否かに関わらず、当該飛行体の動作モードを変更しない第1の設定方法と、
システム全体が安定的に動作することに比べて、前記第1の動作モードで動作している飛行体から前記処理装置へのデータ送信が優先される空域において、前記第1の動作モードで動作している飛行体の動作モードを前記第2の動作モードに変更する前に、当該飛行体が所定期間内に当該第1の動作モードで動作することに適することになるか否かを推測し、当該推測の結果に応じて当該飛行体の動作モードを設定する第2の設定方法と、
前記第1の動作モードで動作している飛行体から前記処理装置へのデータ送信が最優先される空域において、前記複数の飛行体のうち前記第1の動作モードで動作している第1の飛行体が当該第1の動作モードで動作することに適さない場合であって、第2の飛行体が前記第1の動作モードで動作することに適さないときは、前記第1の飛行体の動作モードを変更しない第3の設定方法と
のうち少なくともいずれか2つを含む
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記空域は、空間的に異なる空域、又は、空間的に同一であって時間的に異なる空域を含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
コンピュータを、
各空域の属性を取得する属性取得部と、
複数の飛行体の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定する設定部と
して機能させ、
前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、
前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、
前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛行体に送信する動作モードであるプログラム。
【請求項8】
コンピュータが、各空域の属性を取得するステップと、
コンピュータが、複数の飛行体の各々の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定するステップと
を有し、
前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、
前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該 データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、
前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛行体に送信する動作モードである
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体における通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンと呼ばれる無人飛行体が普及しつつある。この飛行体が複数で集団飛行を行うような場合、複数の飛行体のいずれかが親機となって、他の飛行体からのデータを集約して地上に送信するというケースが想定される。この種の技術として、例えば特許文献1には、受信品質や電力残量等の情報に基づいて複数の端末装置から親機が選択され、親機となった端末装置が他の端末装置から収集したデータを集約して中継局へ送信する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-204194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された仕組みにおいて、端末装置は、空中を飛行する飛行体に搭載されたものではなく、地上において利用されるものに過ぎない。
【0005】
そこで、本発明は、複数の飛行体のうちいずれかの飛行体が他の飛行体からのデータを集約して送信する場合に、各飛行体の動作モードを適切に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、各空域の属性を取得する属性取得部と、複数の飛行体の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定する設定部とを備え、前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛行体に送信する動作モードであることを特徴とする制御装置を提供する。
【0007】
前記空域の属性は、前記飛行体から前記処理装置に前記データを送信する処理の重要度に応じて決められた属性であってもよい。
【0008】
前記空域の属性は、通信に関する処理を複数の飛行体で分散処理するときの分散化の程度に応じて決められた属性であってもよい。
【0009】
前記属性は、第1の属性及び第2の属性を含み、前記第1の属性の空域においては、前記第2の属性の空域に比べて、前記データを前記処理装置に送信することが重要で且つ複数の飛行体で処理を分散化する程度が小さい場合に、前記設定部は、前記第1の属性の空域においては、前記第2の属性の空域に比べて前記データを早く前記処理装置に送信するための設定方法に基づいて、前記飛行体の動作モードの設定を行い、前記第2の属性の空域においては、前記第1の属性の空域に比べて複数の飛行体で処理を分散化する程度を大きくするための設定方法に基づいて、前記飛行体の動作モードの設定を行うようにしてもよい。
【0010】
前記複数の設定方法は、システム全体が安定的に動作することが最優先される空域において、前記第1の動作モードで動作している飛行体が当該第1の動作モードで動作することに適しているか否かに関わらず、当該飛行体の動作モードを変更しない第1の設定方法と、システム全体が安定的に動作することに比べて、前記第1の動作モードで動作している飛行体から前記処理装置へのデータ送信が優先される空域において、前記第1の動作モードで動作している飛行体の動作モードを前記第2の動作モードに変更する前に、当該飛行体が所定期間内に当該第1の動作モードで動作することに適することになるか否かを推測し、当該推測の結果に応じて当該飛行体の動作モードを設定する第2の設定方法と、前記第1の動作モードで動作している飛行体から前記処理装置へのデータ送信が最優先される空域において、前記複数の飛行体のうち前記第1の動作モードで動作している第1の飛行体が当該第1の動作モードで動作することに適さない場合であって、第2の飛行体が前記第1の動作モードで動作することに適さないときは、前記第1の飛行体の動作モードを変更しない第3の設定方法とのうち少なくともいずれか2つを含むようにしてもよい。
【0011】
前記空域は、空間的に異なる空域、又は、空間的に同一であって時間的に異なる空域を含んでもよい。
【0012】
また、本発明は、コンピュータを、各空域の属性を取得する属性取得部と、複数の飛行体の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定する設定部として機能させ、前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛行体に送信する動作モードであるプログラムを提供する。
【0013】
また、本発明は、コンピュータが、各空域の属性を取得するステップと、コンピュータが、複数の飛行体の各々の動作モードを、前記複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかに設定するステップとを有し、前記複数の飛行体の各々は、通信網を介して無線通信を行う第1無線通信部と、前記通信網を介さずに無線通信を行う第2無線通信部とを備え、前記飛行体の前記第1の動作モードは、自飛行体において生成されたデータと前記第2無線通信部によって他の飛行体から受信したデータとを、当該 データを処理する処理装置に対して前記第1無線通信部によって送信する動作モードであり、前記飛行体の前記第2の動作モードは、自飛行体において生成されたデータを前記第2無線通信部によって、前記第1の動作モードで動作する他の飛 行体に送信する動作モードであることを特徴とする制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の飛行体のうちいずれかの飛行体が他の飛行体からのデータを集約して送信する場合に、各飛行体の動作モードを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】飛行制御システム1の構成の一例を示す図である。
図2】飛行体10のハードウェア構成を示す図である。
図3】サーバ装置20のハードウェア構成を示す図である。
図4】飛行制御システム1の機能構成の一例を示す図である。
図5】サーバ装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[構成]
図1は、飛行制御システム1の構成の一例を示す図である。飛行制御システム1は、例えばドローンと呼ばれる無人の飛行体10a,10b,10cと、飛行体10a,10b,10cから取得したデータを処理する処理装置としてのサーバ装置20と、これらを通信可能に接続する通信網2とを備える。通信網2は、例えばLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網である。飛行体10は複数機存在している。図1では、3機の飛行体10a,10b,10cを図示しているが、これ未満での数であってもよいし、これ以上の数であってもよい。飛行体10は、図示せぬ操縦者による操縦端末の操作に応じて飛行(いわゆる手動飛行)する飛行体であってもよいし、図示せぬ飛行管理装置による管理のもとで自律的に飛行(いわゆる自動飛行)する飛行体であってもよいし、これらの手動飛行及び自動飛行を併用する飛行体であってもよい。なお、以下の説明において、飛行体10というときには、各飛行体10のことを指す。
【0017】
これらの飛行体10a,10b,10cは、互いに閾値以内の距離を保ったまま、集団で飛行する。このとき、複数の飛行体10のうちいずれかの飛行体10が他の飛行体10からのデータを集約してサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、飛行体10から受け取ったデータを処理する。
【0018】
図2は、飛行体10のハードウェア構成を示す図である。飛行体10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、第1無線通信装置1004、第2無線通信装置1005、入力装置1006、出力装置1007、飛行装置1008、測位装置1009及びこれらを接続するバス、さらには図示せぬ電池などを含むコンピュータ装置として構成されている。これらの各装置は図示せぬ電池から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。飛行体10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0019】
飛行体10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0020】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0021】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。飛行体10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して通信網2から飛行体10に送信されてもよい。
【0022】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。ストレージ1003は、例えば飛行体10の識別情報、機種情報、飛行スケジュール識別情報等の飛行体10の属性に関する情報を記憶する。
【0024】
第1無線通信装置1004は、通信網2を介して遠隔地と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばLTEに準拠したアンテナや通信モジュールなどを含む。第1無線通信装置1004は主として、飛行体10がサーバ装置20と通信を行うために利用される。
【0025】
第2無線通信装置1005は、通信網2を介さずに比較的近距離の無線通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えば無線LAN(Local Area Network)やブルートゥース(登録商標)に準拠したアンテナや通信モジュールなどを含む。第2無線通信装置1005は主として、飛行体10が他の飛行体10と通信を行うために利用される。
【0026】
入力装置1006は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ、カメラなど)である。例えば入力装置1006がカメラである場合には、入力装置1006は撮像した画像を示す撮像データを生成する。また、例えば入力装置1006がセンサである場合には、入力装置1006はセンシングした結果を示すセンシングデータを生成する。出力装置1007は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。
【0027】
飛行装置1008は、飛行体10を空中で飛行させるための機構であり、例えばプロペラや、そのプロペラを駆動するためのモータ及び駆動機構を含む。さらに、飛行装置1008は、例えばモータの回転数を検知する回転数センサ、電流/電圧等の何らかの入力/出力に関する値を検出するセンサ(例えば電池の電力残量センサ)、ジャイロセンサ、加速度センサ、気圧(高度)センサ、磁気(方位)センサ、超音波センサ等のセンサ群を含む。これらセンサの検出結果により、飛行体10の飛行方向及び飛行速度が特定される。
【0028】
測位装置1009は、飛行体10の三次元の位置を測定する。測位装置1009は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機であり、複数の衛星から受信したGPS信号に基づいて飛行体10の位置を測定する。この測位装置の測位結果により、飛行体10の位置が特定される。
【0029】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0030】
飛行体10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0031】
図3は、サーバ装置20のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置20は、物理的には、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。サーバ装置20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、入力装置2005、出力装置2006及びこれらを接続するバスは、飛行体10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、入力装置1006、出力装置1007及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。通信装置1004は、通信網2を介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えば通信網デバイス、通信網コントローラ、通信網カード、通信モジュールなどともいう。
【0032】
図4は、飛行制御システム1の機能構成の一例を示す図である。飛行体10bにおいて、第1無線通信部11bは、図2の第1無線通信装置1004によって実現される機能であり、通信網2を介して無線通信を行う。第2無線通信部12bは、図2の第2無線通信装置1005によって実現される機能であり、通信網2を介さずに無線通信を行う。飛行体10a,10cにおいても同様に、第1無線通信部11a,11cは通信網2を介して無線通信を行い、第2無線通信部12a,12cは、通信網2を介さずに無線通信を行う。なお、以下の説明において、第1無線通信部11又は第2無線通信部12というときには、全ての飛行体10において共通の構成としての第1無線通信部又は第2無線通信部を指す。
【0033】
図4の例では、飛行体10bが他の飛行体10a,10cからのデータを集約してサーバ装置20に送信する場合を例示している。ここで、各飛行体10の動作モードには、2つの動作モードがある。第1の動作モード(以下、親機モードという)は、自飛行体10において生成されたデータ及び他の飛行体10(子機モードで動作する飛行体10)から第2無線通信部12によって受信したデータをサーバ装置20に対して第1無線通信部11によって送信する動作モードである。第2の動作モード(以下、子機モードという)は、自飛行体10において生成されたデータを第2無線通信部12によって他の飛行体10(親機モードで動作する飛行体10)に送信する動作モードである。つまり、図4では、飛行体10bが親機モードで動作し、飛行体10a,10cが子機モードで動作している例である。以降、親機モードで動作する飛行体を親機と言い、子機モードで動作する飛行体を子機と言う。1機の親機に対して複数機の子機が第2無線通信部12によって通信を行う。また、或る飛行体を親機モードから子機モードに設定すると同時に他の飛行体を子機モードから親機モードに設定することを、親機の切り替えという。
【0034】
親機モード/子機モードを設定するときの基準は以下のとおりである。
(A)通信品質を基準とした設定
複数の飛行体10のうち、通信網2を介した通信を行うときの通信品質が最良又は閾値以上の飛行体10が親機として設定される。この場合、通信品質に基づいて或る第1の飛行体10から別の第2の飛行体10に親機を切り替えると判断された場合、その切替の前に、第1の飛行体10は子機である飛行体10から受信してサーバ装置20に送信すべきデータをメモリ1002に所定期間だけ一時的にバッファリングし、その所定期間の経過前に第1の飛行体10において通信品質が回復すると、バッファリングしていたデータをサーバ装置20に送信するようにしてもよい。ただし、上記の所定期間が経過したとき、又は、バッファリングしたデータのデータ量がバッファリング可能な記憶容量に対する所定割合を超えたときには、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機を切り替える。
【0035】
また、通信品質に基づいて或る第1の飛行体10から別の第2の飛行体10に親機を切り替えると判断された場合に、その切替の前に、サーバ装置20に送信すべきデータのうち特定のデータのみを第1の飛行体10から送信するようにしてもよい。この場合、未送信の残りのデータは、第1の飛行体10において通信品質が回復した後に、第1の飛行体10からサーバ装置20に送信する。特定のデータとは、例えばMPEG等の動画符号化技術におけるフレーム情報(I/P/B フレーム)に基づいて、重要なフレーム情報に相当するデータとする例が考えられる。ただし、上記判断時点から所定期間が経過したときには、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機を切り替えるようにする。
【0036】
なお、親機の切り替え時には、切替前の親機(第1の飛行体)と切替後の親機(第2の飛行体)との間で次のようなデータの授受が行われる。具体的には、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられる前に第1の飛行体10が他の飛行体10(第2の飛行体10を含む)からサーバ装置20に送信すべきデータを収集しておいたデータを、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられたのちに、第1の飛行体10が第2の飛行体10に送信する。そして、第2の飛行体10は、第1の飛行体から受信したデータをサーバ装置20に送信する。また、第2の飛行体10は、親機の切り替え後に他の飛行体10(第1の飛行体10を含む)から収集したデータをサーバ装置20に送信する。このようにすることで、親機の切り替え前後で、サーバ装置20に送信すべきデータが欠損することがなくなる。
【0037】
(B)電力残量を基準とした設定
複数の飛行体10のうち、各々の飛行体10の電池の電力残量が最多又は閾値以上の飛行体10が親機として設定される。なお、親機が切り替えられた場合には、子機から送信されたデータが欠損することなくサーバ装置20に到達するように、子機は親機に対してデータを送信してからも、そのデータを一定期間保持しておき、新たに親機が設定されたときには、保持しておいたデータを新たな親機に再送する。
【0038】
サーバ装置20において、データ取得部21は、飛行体10bの第1無線通信部11bから送信されてくるデータを取得する。このデータは、例えば飛行体10bの識別情報や、飛行体10bの位置(緯度、経度及び高度を含む)、飛行方向、飛行速度といった飛行の状態を示す情報や、飛行体10bにおいて生成されたデータ(上述した撮像データやセンシングデータ)や、飛行体10bにおける第1無線通信部11bの通信品質や電池の電力残量を示す情報及び飛行体10bが他の飛行体10a、10cから取得した情報を含む。飛行体10bが他の飛行体10a、10cから取得した情報は、例えば飛行体10a,10cの識別情報や、飛行体10a,10cの位置(緯度、経度及び高度を含む)、飛行方向、飛行速度といった飛行の状態を示す情報や、飛行体10a,10cにおいて生成されたデータ(上述した撮像データやセンシングデータ)や、飛行体10a,10cにおける第1無線通信部11a,11cの通信品質や電池の電力残量を示す情報を含む。
【0039】
サーバ装置20において、属性取得部22は、各空域の属性を取得する。ここでいう空域とは、飛行体10の飛行対象となる全空間が予め決められた規則によって区分されたものである。空域は、空間的に異なる空域、又は、空間的には同一であって時間的に異なる空域を含む。空域の属性として、本実施形態では、「定常」「準監視」「監視」と呼ばれる3つの属性を用いる。以下、これらの「定常」「準監視」「監視」という属性について説明する。
【0040】
(a)定常空域
この空域では、システム全体が安定的に動作することが最優先される。このため、複数の飛行体10で通信に関する処理をできるかぎり分散化する、つまり処理の分散化の程度を大きくすることが求められる。具体的には、各飛行体10の電池の電力残量ができる限り均等になるように親機を切り替えていくことで、全ての飛行体10について電力残量が無くなる直前まで同時に稼働し得る状態にする。このため、定常空域では、各飛行体10の電力残量を基準として、親機モード/子機モードの設定が行われる。そして、仮に親機の通信品質が悪化して親機の切替を要する状況(つまり親機モードで動作することに適していない状況)になったとしても、親機は前述したような一時的なデータのバッファリングを行い、親機の切替は実施しないようにする。つまり、定常空域における親機モード/子機モードの設定方法は、親機モードで動作している飛行体10が親機モードで動作することに適しているか否かに関わらず、その飛行体10の動作モードを変更しないという第1の設定方法である。
【0041】
(b)準監視空域
この空域では、システム全体が安定的に動作することに比べて、親機からサーバ装置20へのデータ送信が優先される。このため、準監視空域では、仮に親機の通信品質が悪化して親機の切替を要する状況(つまり親機モードで動作することに適していない状況)になった場合、まず、通信品質が回復するか否かを判断し、その判断の結果、或る期間が経過する前に回復する見込みがあれば、前述したような一時的なデータのバッファリングを行う。一方、或る期間が経過する前に回復する見込みがなければ、通信品質の良い他の飛行体に親機を切り替える。通信品質の推定は、予め各空域の通信品質の予想値を網羅したマップを保持しておき、そのマップと、集団としての飛行体10の移動方向とを用いて、将来における各飛行体10の位置における通信品質を推測することによって実現する。このように、準監視空域における親機モード/子機モードの設定方法は、親機モードで動作している飛行体10の動作モードを子機モードに変更する前に、その飛行体10が所定期間内に親機モードで動作することに適することになるか否かを判断し、当該判断結果に応じて飛行体10の動作モードを設定するという第2の設定方法である。
【0042】
(c)監視空域
この空域では、親機からサーバ装置20へのデータ送信が最優先される。このため、監視空域では、仮に親機の通信品質が悪化して親機の切替を要する状況になった場合に、上述したようなバッファリングは行わずに、直ちに、通信品質の観点から親機モードで動作するのに適した飛行体が親機に設定される。仮に、親機になり得るような通信品質を満たす飛行体が存在しない場合には、親機はサーバ装置20に送信すべきデータのうち特定のデータのみ送信する処理を行う。つまり、監視空域における親機モード/子機モードの設定方法は、複数の飛行体10のうち親機モードで動作している第1の飛行体10が親機モードで動作することに適さない場合であって、第2の飛行体10が親機モードで動作することに適さないときは、第1の飛行体10の動作モードを変更しないという第3の設定方法である。
【0043】
このように、空域の属性は、飛行体10からサーバ装置20にデータを送信する処理に関する重要度に応じて決められた属性(第1の属性という)や、複数の飛行体10で通信に関する処理を分散処理するときの分散化の程度に応じて決められた属性(第2の属性という)を含む。設定部23は、飛行体の動作モードを、前述した親機モードと子機モードとのいずれかに設定する。ここで、設定部23は、飛行体の動作モードを設定する複数の設定方法のうち、複数の飛行体が飛行する空域の属性に応じた設定方法を用いて、当該複数の飛行体の各々の動作モードの設定を行う。
【0044】
処理部24は、飛行体10において生成されてデータ取得部21が取得したデータ(撮像データやセンシングデータ)を用いて何らかの処理を行う。この処理には、データの蓄積、加工、編集、解析、出力等が含まれる。
【0045】
[動作]
次に、サーバ装置20の動作について説明する。なお、以下の説明において、サーバ装置20を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信や、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。飛行体10についても同様である。
【0046】
図5において、当初に親機となる飛行体10は予め決められており、その親機は、子機の識別情報や、子機の位置(緯度、経度及び高度を含む)、飛行方向、飛行速度といった飛行の状態を示す情報や、子機において生成されたデータ(上述した撮像データやセンシングデータ)や、子機における第1無線通信部11の通信品質や電池の電力残量を示す情報を、子機から第2無線通信部12によって受信する。そして、親機は、自飛行体の識別情報や、自飛行体の位置(緯度、経度及び高度を含む)、飛行方向、飛行速度といった飛行の状態を示す情報や、自飛行体において生成されたデータ(上述した撮像データやセンシングデータ)や、自飛行体における第1無線通信部11の通信品質や電池の電力残量を示す情報に加えて、子機から取得した情報を第1無線通信部11からサーバ装置20に送信する。図5において、サーバ装置20のデータ取得部21は、親機である飛行体10の第1無線通信部11から送信されてくるデータを取得する(ステップS11)。
【0047】
サーバ装置20において、属性取得部22は、データ取得部21によって取得されたデータに含まれる複数の飛行体10の各位置に基づいて、空域の位置及び属性を対応付けたデータベース等から、これら飛行体10が飛行する空域の属性を取得する(ステップS12)。
【0048】
サーバ装置20において、設定部23は、飛行体の動作モードを設定する複数の設定方法のうち、取得した空域の属性に応じた設定方法を決定する(ステップS13)。このときの空域の属性と設定方法との関係は前述したとおりである。
【0049】
サーバ装置20において、設定部23は、決定した設定方法に基づいて、複数の飛行体10のそれぞれについて動作モードの設定を行う(ステップS14)。つまり、設定部23は、ステップS11にてデータを送信してきた飛行体10に対して、親機となる飛行体10の識別情報及び子機となる飛行体10の識別情報を通知する。この通知を受け取った飛行体10は、親機として指定された識別情報の飛行体10に対して親機モードとして動作することを通知し、子機として指定された識別情報の飛行体10に対して子機モードとして動作することを通知する。なお、親機の切り替えが無い場合には、上記通知を受け取った飛行体10はそのまま親機モードで動作する。
【0050】
以上のような処理が、定期的に、或いは、飛行体10からのリクエストがあったタイミング又はサーバ装置20からのリクエストがあったタイミングで実行される。この間、サーバ装置20の処理部24は、飛行体10において生成されてデータ取得部21が取得したデータ(撮像データやセンシングデータ)を用いた処理を行う。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、複数の飛行体10のうちいずれかの飛行体10が他の飛行体10からのデータを集約して送信する場合に、各飛行体10の動作モードを空域の属性に応じて適切に制御することが可能となる。
【0052】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0053】
[変形例1]
親機の切り替え制御を行う制御装置は、実施形態で例示したようにサーバ装置20に実装されていてもよいし、各飛行体10に実装されていてもよい。制御装置が各飛行体10に実装されている場合、親機モードで動作する飛行体10がその制御装置による切替制御を行う。また、本発明に係る制御装置の機能は複数の装置によって分散して備えられていてもよい。
【0054】
[変形例2]
第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられる前に、第2の飛行体10が他の飛行体10(第1の飛行体10を含む)から、サーバ装置20に送信すべきデータを収集しておいて、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられると、第2の飛行体10が他の飛行体10(第1の飛行体を含む)から収集しておいたデータをサーバ装置20に送信するようにしてもよい。この場合、第2の飛行体10は、他の飛行体10(第1の飛行体を含む)からデータを収集し始めるときから、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられるまでは、第3の動作モード(切替前データ受信モードという)で動作する。具体的には、設定部23は、各飛行体10に指示することにより、親機モードで動作している第1の飛行体10を子機モードに設定する時期よりも或る期間だけ前の時点で、子機モードで動作している第2の飛行体10のうち少なくともいずれか1の飛行体10を、他の飛行体10から第2無線通信部12によってデータを受信する切替前データ受信モードに設定する。そして、設定部23は、親機モードで動作している第1の飛行体10を子機モードに設定する時期が到来すると、親機モードで動作している第1の飛行体10を子機モードに設定するとともに、切替前データ受信モードで動作している第2の飛行体10を親機モードに設定する。
【0055】
[変形例3]
第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられる前に、全ての飛行体10群が、親機又はサーバ装置20に送信すべきデータを一時的に記憶しておいて、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられると、上記飛行体群が一時的に記憶しておいたデータを第2の飛行体10に送信するようにしてもよい。この場合、上記飛行体群は、親機又はサーバ装置20に送信すべきデータを一時的に記憶し始めるときから、第1の飛行体10から第2の飛行体10に親機が切り替えられるまでは、第4の動作モード(切替前データバッファモードという)で動作する。具体的には、設定部23は、各飛行体10に指示することにより、親機モードで動作している第1の飛行体10を子機モードに設定する時期よりも前に、各飛行体10を、自飛行体10において生成されたデータを一時的に記憶する切替前データバッファモードに設定し、その後に、親機モードで動作している第1の飛行体10を子機モードに設定するとともに、切替前データバッファモードで動作している1以上の第2の飛行体10のいずれかを親機モードに設定し、さらに、切替前データバッファモードで動作している他の第2の飛行体10を子機モードに設定する。
【0056】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0057】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0058】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ装置などは、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0059】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4thgeneration mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0060】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0061】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0062】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0063】
本開示において説明した実施形態/変形例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0064】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0065】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0066】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0067】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0068】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0069】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0070】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0071】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0072】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1:飛行制御システム、10,10a,10b,10c:飛行体、11,11a,11b,11c:第1無線通信部、12,12a,12b,12c:第2無線通信部、1001:プロセッサ、1002:メモリ、1003:ストレージ、1004:第1無線通信装置、1005:第2無線通信装置、1006:入力装置、1007:出力装置、1008:飛行装置、1009:測位装置、20:サーバ装置、21:データ取得部、22:属性取得部、23:設定部、24:処理部、2001:プロセッサ、2002:メモリ、2003:ストレージ、2004:通信装置、2005:入力装置、2006:出力装置。
図1
図2
図3
図4
図5