(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】測定機器の為のトリガ管理デバイス
(51)【国際特許分類】
G01D 5/244 20060101AFI20221101BHJP
G01D 21/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G01D5/244 B
G01D21/00 M
(21)【出願番号】P 2020545307
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 US2019020124
(87)【国際公開番号】W WO2019169182
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-10-07
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520284388
【氏名又は名称】ディーダブリュー・フリッツ・オートメーション・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】9600 SW Boeckman Road,Wilsonville OR 97070 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バッテン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ボリング, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ファウツ, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】モラ, オマール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーギーセン, クリント
(72)【発明者】
【氏名】グレコ, ジャレッド
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182514(JP,A)
【文献】特開2017-164488(JP,A)
【文献】特開2012-183606(JP,A)
【文献】特開2017-227629(JP,A)
【文献】特開2006-112861(JP,A)
【文献】特開2005-63176(JP,A)
【文献】特開2005-178962(JP,A)
【文献】特許第5800614(JP,B2)
【文献】特開2008-103426(JP,A)
【文献】特開平9-178670(JP,A)
【文献】特開2017-136367(JP,A)
【文献】特開2016-17959(JP,A)
【文献】特表2017-518487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/245、
21/00
G05B 19/18-19/416
G05D 3/00-3/20
G01B 11/00-11/30、
21/00-21/32
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定アセンブリに実装されるトリガ管理デバイスにおいて、
前記トリガ管理デバイスは、
前記測定アセンブリのセンサに結合されたトリガ回路であって、前記センサにセンサデータを第2時間に捕捉
開始させる為のトリガを前記センサに第1時間に送信する、トリガ回路であって、前記第2時間は、前記第1時間より後であり、前記トリガの送信と前記センサによる前記センサデータの捕捉
開始との間の時間量に対応する、前記トリガ回路と、
前記測定アセンブリの一つ又は複数のエンコーダに結合されたエンコーダ回路であって、前記一つ又は複数のエンコーダは、前記センサを並進させる前記測定アセンブリの一つ又は複数のモータの現在位置を表示し、前記エンコーダ回路は、前記第2時間に前記一つ又は複数のエンコーダからエンコーダデータを捕捉する、前記エンコーダ回路と、
を備え、
前記捕捉されたエンコーダデータは、前記センサデータが捕捉される時間に前記センサの現在位置を表示し、前記エンコーダデータは、前記センサが前記センサデータを捕捉した物体上の複数の場所の1つの場所に対応する、トリガ管理デバイス。
【請求項2】
前記エンコーダ回路は、さらに、
前記トリガに関連した仮想エンコーダ値を生成し、
前記一つ又は複数のエンコーダから捕捉された前記エンコーダデータと前記仮想エンコーダ値を関連付け、
前記トリガ回路は、さらに、前記仮想エンコーダ値を前記センサに送信し、前記センサは、前記仮想エンコーダ値を前記センサによって捕捉された前記センサデータと関連付ける、請求項1に記載のトリガ管理デバイス。
【請求項3】
前記エンコーダ回路は、さらに、
前記センサからの前記センサデータの捕捉完了表示を識別し、
前記表示の識別に応じて前記一つ又は複数のエンコーダから第2エンコーダデータを捕捉する、請求項1に記載のトリガ管理デバイス。
【請求項4】
前記トリガ回路は、前記測定アセンブリの監視デバイスに更に結合され、前記トリガ回路は、さらに、
前記監視デバイスから受信したトリガスキームを識別し、
前記トリガスキームに基づいて前記トリガの送信の為の送信時間を決定し、ここで、前記トリガが前記送信時間において送信される、請求項1に記載のトリガ管理デバイス。
【請求項5】
前記センサは、第1センサであり、前記トリガは、第1トリガであり、前記センサデータは、第1センサデータであり、前記エンコーダデータは、第1エンコーダデータであり、前記トリガ回路は、前記測定アセンブリの第2センサに更に結合され、前記トリガ回路は、さらに、
第2トリガを前記第2センサに送信し、前記第2トリガは、前記第2センサに第2センサデータを捕捉させ、
前記エンコーダ回路は、さらに、
第3時間に前記一つ又は複数のエンコーダから第2エンコーダデータを捕捉し、前記
第3時間は、前記
第2センサによる前記第2センサデータの捕捉
開始と前記第2トリガの送信との間の時間量に対応し、前記第2エンコーダデータは、前記
第3時間における前記一つ又は複数のモータの現在位置を表示する、請求項1に記載のトリガ管理デバイス。
【請求項6】
測定データ捕捉管理の方法において、
トリガ管理デバイスによって、測定アセンブリに固定されたセンサにトリガを第1時間に送信するステップであって、前記トリガは、前記センサにセンサデータを第2時間に捕捉
開始させる、前記ステップであって、前記第2時間は、前記第1時間より後であり、前記トリガの送信と前記センサによる前記センサデータの捕捉
開始との間の時間量に対応する、前記ステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記第2時間に複数のエンコーダからエンコーダデータを捕捉するステップであって、前記エンコーダデータは、前記第2時間における複数の次元において前記測定アセンブリの位置を表示する、前記ステップと、
前記エンコーダデータから、前記センサデータの捕捉の時間に前記センサによって測定されている物体上の位置を計算するステップであって、前記物体上の位置は、前記センサが前記センサデータを捕捉した前記物体上の複数の場所の1つの場所に対応する、前記ステップと、
を有する、方法。
【請求項7】
前記時間量を決定する為に初期化手順を実施するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガ管理デバイスによって、仮想エンコーダ値を生成するステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記仮想エンコーダ値を前記センサに送信するステップであって、前記仮想エンコーダ値は、前記センサによって前記センサデータに関連付けられる、前記ステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記仮想エンコーダ値を前記エンコーダデータに関連付けるステップと、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記エンコーダデータは第1エンコーダデータであり、前記方法は、
前記トリガ管理デバイスによって、前記センサから受信された前記センサデータの捕捉完了の表示を識別するステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記センサデータの捕捉完了の前記表示の識別に応じて、前記複数のエンコーダから第2エンコーダデータを捕捉するステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記仮想エンコーダ値を前記第2エンコーダデータに関連付けるステップと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トリガ管理デバイスによって、前記測定アセンブリの監視デバイスから受信されたトリガスキームを識別するステップと、
前記トリガ管理デバイスによって、前記トリガスキームに基づいて前記トリガを送信する時期を決定するステップと、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
物体を測定するための測定アセンブリにおいて、
前記測定アセンブリの一部分を並進する為のアクチュエータと、
前記アクチュエータの現在位置を表示する、前記アクチュエータに結合されたエンコーダと、
トリガに応じてセンサデータを捕捉する、前記測定アセンブリの前記一部分に結合されたセンサと、
前記エンコーダおよび前記センサに結合されたトリガ管理デバイスと、
を備え、
前記トリガ管理デバイスは、
前記センサにセンサデータを第2時間に捕捉
開始させる為のトリガを第1時間に前記センサに送信するように構成され、前記第2時間は、前記第1時間より後であり、前記センサによる前記センサデータの捕捉
開始と前記トリガの送信との間の時間量に対応し、前記トリガ管理デバイスは、前記第2時間に前記エンコーダからの
エンコーダデータを捕捉し、前記エンコーダデータは、前記第2時間における前記センサの位置を表示し、前記アクチュエータの前記位置は、前記センサにより感知された前記物体上の複数の位置からの1つの位置に対応する、測定アセンブリ。
【請求項12】
前記トリガ管理デバイスは、さらに、
前記センサによる前記センサデータの捕捉と前記トリガの送信との間の時間量に等しいタイマを設定し、
前記トリガの送信の際に前記タイマのカウントダウンを初期化し、前記タイマの満了時に前記エンコーダデータを捕捉する、請求項11に記載の測定アセンブリ。
【請求項13】
前記測定アセンブリは、前記トリガ管理デバイスに結合された監視デバイスを更に備え、前記監視デバイスは、前記トリガ管理デバイスにトリガスキームを送信し、前記トリガ管理デバイスは、前記トリガスキームに基づいて前記トリガの送信の為の前記第1時間を決定する、請求項11に記載の測定アセンブリ。
【請求項14】
前記トリガスキームは、前記センサが前記センサデータを捕捉する時間を表示し、前記第1時間の決定は、前記トリガスキームによって表示された前記センサデータを前記センサが捕捉する時間に対して前記第1時間を設定することを含む、請求項13に記載の測定アセンブリ。
【請求項15】
前記トリガスキームは前記センサが前記センサデータを捕捉するアクチュエータの位置と、前記アクチュエータが作動している速度とを表示し、前記トリガ管理デバイスは、前記アクチュエータが作動している速度に基づいて、前記アクチュエータが前記アクチュエータの位置にあると予測される予測時間を決定し、前記第1時間の決定は、前記センサが前記予測時間に前記センサデータを捕捉するように、前記第1時間を設定することを含む、請求項13に記載の測定アセンブリ。
【請求項16】
前記トリガ管理デバイスは、さらに、
仮想エンコーダ値を生成し、
仮想エンコーダ値を前記捕捉されたエンコーダデータに関連付け、
前記仮想エンコーダ値を前記センサに送信し、
前記センサは、前記仮想エンコーダ値を前記捕捉されたセンサデータに関連付ける、請求項11に記載の測定アセンブリ。
【請求項17】
前記トリガ管理デバイスおよび前記センサに結合された監視デバイスを更に備え、前記トリガ管理デバイスは、前記監視デバイスに、前記関連付けられた仮想エンコーダ値と共に前記捕捉されたエンコーダデータを送信し、前記センサは、前記監視デバイスに、前記関連付けられた仮想エンコーダ値と共に前記捕捉されたセンサデータを送信し、前記監視デバイスは、前記捕捉されたエンコーダデータおよび前記捕捉されたセンサデータが前記仮想エンコーダ値に基づき前記トリガに関連することを決定する、請求項16に記載の測定アセンブリ。
【請求項18】
前記エンコーダデータは、第1エンコーダデータであり、
前記センサは、前記センサデータの捕捉完了の際に前記トリガ管理デバイスに、前記センサデータの捕捉の完了の表示を更に送信し、
前記トリガ管理デバイスは、さらに、
前記センサデータの完了の表示を受信することに応じて第2エンコーダデータを捕捉し、
前記仮想エンコーダ値を前記第2エンコーダデータに関連付ける、請求項16に記載の測定アセンブリ。
【請求項19】
前記トリガ管理デバイスおよび前記アクチュエータに結合された監視デバイスを更に備える、請求項11に記載の測定アセンブリにおいて、
前記トリガ管理デバイスは、前記エンコーダデータを前記監視デバイスに更に送信し、
前記監視デバイスは、
予測されたエンコーダデータと受信された前記エンコーダデータとを比較し、
前記受信されたエンコーダデータおよび前記予測されたエンコーダデータの差に基づき前記アクチュエータの作動を更新する、
測定アセンブリ。
【請求項20】
前記アクチュエータはモータであり、前記センサは第1センサであり、前記トリガは第1トリガであり、前記センサデータは第1センサデータであり、前記測定アセンブリは、第2センサを含み、第2トリガに応じて第2センサデータを捕捉し、前記トリガ管理デバイスは、
第3時間において前記第2トリガを前記第2センサに送信するように構成され、前記第3時間は、前記第2センサによる第2センサデータの捕捉と前記トリガの送信との間の時間に対応し、前記第3時間において前記第2トリガを前記第2センサに送ることは、前記第2時間において、前記第2センサおよび前記第1センサに、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータを捕捉させる、請求項11に記載の測定アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は、2018年2月28日に出願された「METHOD AND APPARATUS FOR HIGH SPEED、NON-CONTACT COORDINATE MEASURING」と題する米国特許仮出願第62/636739号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は、測定システムの分野に関する。
【0003】
より詳細には、本開示は、測定システム内のセンサのトリガを管理するためのトリガ管理デバイスに関する。
【0004】
【背景】
【0005】
[0003]本書で提供される背景説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的とする。本書に別段の指示がない限り、このセクションに記載された材料は、本願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって先行技術であると認めるものではない。
【0006】
[0004]従来の測定機器は、正確な測定及び/又は測定が対応する部品上の位置決定を達成するために、センサ及び測定される部品の静的な位置決め、部品との接触を必要とすることが多い。この手法は、位置の正確な測定および/または決定を達成することが多いが、部品の測定を実施するのに必要な時間が長くなる場合があり、一部の実装形態では、1日に検査できる部品は、最大で10個になる。測定を実施するための長時間に対処するため、一部のレガシー機器は、センサや部品の移動中に測定を実施するように進化し、あるいは、センサと部品が静止している時間を最小限に抑えようとしてきた。しかしながら、センサおよび/または部品が移動している間に測定を実施、またはセンサが静止している時間量を最小化することは、しばしば、測定および/または位置の決定に不正確さをもたらす。不正確さは、正確な測定を必要とする部品の測定において深刻である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0005]実施形態は、添付図面に関連する以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。この説明を容易にするために、同様の参照番号は同様の構造的要素を示す。実施形態は、添付図面の図において、限定的にではなく例示として示されている。
【
図1】
図1は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイス配置のブロック図を図示する。
【
図2】
図2は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスを実装する例示的システムのブロック図を図示する。
【
図3】
図3は、様々な実施形態による、例示的管理アセンブリを図示する。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による、例示的データ配置の表を図示する。
【
図5】
図5は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスの初期化手順の例示的タイミングチャートを図示する。
【
図6】
図6は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスによる例示的なトリガの送信を図示する例示的タイミングチャートを図示する。
【
図7】
図7は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスにより実施されるべき例示的手順を図示する。
【0008】
【詳細な説明】
【0009】
[00013]測定機器内部のセンサのトリガを管理するためのトリガ管理デバイスに関連する装置、システム、方法が本書に開示される。実施形態では、トリガ管理デバイスは、センサに結合されたトリガ回路を含むことができ、トリガ送信からセンサのデータ捕捉までの遅延量を決定し、センサにトリガを送信し、トリガはセンサにセンサデータを捕捉させる。トリガ管理デバイスは、一つ又は複数のエンコーダに結合されたエンコーダ回路を更に含むことができ、一つ又は複数のエンコーダは、1つ又は複数のモータの位置を表示し、エンコーダ回路は、トリガの送信後の遅延量である時間に、一つ又は複数のエンコーダからエンコーダデータを捕捉し、エンコーダデータは、一つ又は複数のモータで現在位置を表示する。
【0010】
[00014]以下の詳細な説明では、本書の一部を形成する添付図面が参照され、全体を通して同様の数字は同様の部分を示し、実施可能な例示的実施形態が示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的または論理的変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される。
【0011】
[00015]本開示の態様は、添付の説明において開示される。本開示の代替実施形態およびそれらの均等物は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく考案される。以下に開示される同様の要素は、図面において同様の参照番号によって表示されることに留意されたい。
【0012】
[00016]様々な動作は、特許請求の範囲に記載される主題を理解するのに最も役立つ方法で、複数の別個の作用または動作として順に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示の順序で実施されなくてもよい。説明される動作は、説明される実施形態とは異なる順序で実施されてもよい。追加の実施形態では、様々な追加の動作が実施されてもよく、さらに/または説明された動作が省略されてもよい。
【0013】
[00017]本開示のために、語句「Aおよび/またはB」は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。本開示のために、語句「A、B、および/またはC」は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)を意味する。
【0014】
[00018]説明は、「実施形態において」または「複数の実施形態において」という語句を使用することがあり、これらはそれぞれ、同じまたは異なる実施形態のうちの1つまたは複数を指すことがある。さらに、本開示の実施形態に関して使用される「備える」、「含む」、「有する」などの用語は同義である。
【0015】
[00019]本書で使用する「回路」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、一つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するプロセッサ(共有、専用、またはグループ)および/またはメモリ(共有、専用、またはグループ)、組合せ論理回路、および/または説明した機能を提供する他の適切な構成要素を指すか、それらの一部であるか、またはそれらを含み得る。
【0016】
[00020]
図1は、様々な実施形態による、実施例に係るトリガ管理デバイス配置100のブロック図を示す。トリガ管理デバイス配置100は、一つ以上のエンコーダ102を含んでもよい。エンコーダ102は、モータに結合することができ、モータの状態を表示する出力を提供することができる。たとえば、エンコーダ102の出力は、モータの位置、モータの運動量、またはそれらの一部の組合せを表示してもよい。一部の実施形態において、エンコーダ102は、エンコーダ102に結合されたモータが所定の距離だけ作動されるたびにパルスを出力してもよく、またはエンコーダ102に結合されたモータの現在位置の表示を出力してもよい。また、エンコーダ102は、モータの位置を表す正弦方程式または余弦方程式を出力してもよい。本書で使用される場合、「モータ」および「アクチュエータ」という用語は、任意の種類のアクチュエータ、モータ、ソレノイド、または取り付けられたデバイス(センサ等)が物理的に移動されることを可能にする任意の他の好適なデバイスを指す。一部の実施例は、従来の回転モータ、リニアモータ、サーボ、歯車駆動モータ、ステッパモータ、空気圧モータ、油圧モータ、ソレノイド、および/または所定の実施形態に適するように、取り付けられたデバイスに運動を伝えるための任意の他のデバイスを含んでもよい。
【0017】
[00021]トリガ管理デバイス配置100は、一つ又は複数のセンサ104を更に含んでもよい。センサ104は、トリガの受信に応じてセンサデータを捕捉し、捕捉されたセンサデータを出力してもよい。センサ112は、白色干渉センサ、クロマティック共焦点センサ、ステレオラインスキャンセンサ、レーザ三角測量センサ、白色共焦点センサ、視覚センサ、赤外線センサ、X線センサ、ポイントレーザセンサ、(DWFritzレーザモジュール、高精度タッチレス計測用途に適合された専用レーザセンサを含む)ラインスキャンレーザセンサ、白色センサ、干渉計センサ(すなわち、距離センサ、フリンジマップセンサ、および/または表面粗さセンサ)、ビデオセンサ、カメラセンサ、共焦点センサ、色センサ、付着センサ、湿度センサ、温度センサ、表面仕上げセンサ、静電容量センサ、タッチプローブセンサ、全眼センサ、空気ゲージセンサ、超音波センサ、画像センサ、ディープラーニングセンサ、または、それらの一部の組合せを含んでもよい。
【0018】
[00022]トリガ管理デバイス配置100は、一つ又は複数の監視デバイス106を更に含んでもよい。監視デバイス106は、トリガ管理デバイス配置100の一つ又は複数の要素の動作を制御してもよく、さらに/または、トリガ管理デバイス配置100の一つ又は複数の要素からデータを収集してもよい。たとえば、監視デバイス106は、エンコーダ102および/またはセンサ104からデータを検索してコンパイルしてもよい。さらに、監視デバイス106は、センサ104をトリガしてセンサデータを捕捉するためのトリガスキームを定義してもよい。
【0019】
[00023]トリガ管理デバイス配置100は、トリガ管理デバイス108を更に含んでもよい。トリガ管理デバイス108は、エンコーダ102、センサ104、監視デバイス106に結合する電気デバイスを備えてもよい。たとえば、トリガ管理デバイス108は、回路基板に搭載された一つ又は複数の電気部品内に回路基板を備えてもよく、回路基板は、一部の実施形態では、筐体(箱等)の内部に置かれてもよい。
【0020】
[00024]実施形態において、(他の構成要素の中でも)監視デバイス106、トリガ管理デバイス108、トリガ回路110、エンコーダ回路112を含む、トリガ管理デバイス配置100の一つ又は複数の構成要素は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェアを使用して実装されてもよい。たとえば、ハードウェア実装は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ARM、Intel、AMD、もしくは他の好適なマイクロプロセッサ等の汎用プロセッサ、または、前述のいずれかの組み合わせを使用してもよい。他の実施例に係る実装は、汎用プロセッサ(ARMプロセッサなど)またはマイクロコントローラ(Atmelまたは同様のプロセッサなど)をソフトウェアと組み合わせて使用することができる。さらに他の実施形態は、前述のいずれかの組み合わせを使用してもよい。
【0021】
[00025]トリガ管理デバイス108は、トリガ回路110を含んでもよい。トリガ管理デバイス108および/またはトリガ回路110は、各センサ104の場所、いつトリガを送信するか、いつ各センサ104から読み取るか、各センサ104から測定値を取得することに関与する他のそのような機能を決定するために必要とされる任意の数学的計算を扱ってもよい。トリガ回路110は、センサ104及び監視デバイス106に結合されてもよい。トリガ回路110は、センサ104のための一つ又は複数のトリガを生成してもよく、トリガをセンサ104に送信して、センサ104にセンサデータを捕捉させてもよい。たとえば、トリガ回路110は、監視デバイス106からトリガスキームを受信してもよい。トリガ回路110は、トリガスキームを分析し、トリガスキームに基づいてセンサ104のためのトリガを生成してもよい。たとえば、トリガ回路110は、トリガスキームを分析し、センサ104のうちの一つ又は複数が、特定の時間に、特定の時間間隔で、特定のエンコーダ値で、エンコーダ値の特定の間隔で、特定のセンサ位置で、またはそれらの何らかの組合せでトリガされるべきであると決定してもよい。さらに、トリガ回路110は、トリガスキーム内の一つ又は複数の式を識別し、式が0などの特定値に等しくなるたびにセンサ104のうちの一つ又は複数をトリガすべきであると決定してもよい。式は、エンコーダ値、時間値、またはそれらの何らかの組合せに基づく変数を含んでもよい。
【0022】
[00026]既知の測定システム、特に接触型センサを採用するシステムは、物体の測定を行う前にセンサを減速または停止させてもよい。所定の物体を完全に測定するのに必要な時間は、センサ104の運動を続けることができる場合、特にタッチレス又はゼロ接触センサを使用することができる場合、短縮することができる(例えば、物体をより短い時間で測定することができる)。
【0023】
[00027]1つの可能な実施形態では、トリガ回路110は、トリガがセンサ104に送信される時間と、センサ104がセンサデータの取り込みを開始する時間との間の遅延時間の量を決定する。そのような手法は、測定値のデスキュー(de-skewing)を可能にすることができる。トリガがセンサ104に送信されるとき、所定センサ104の性質および所定実装形態の詳細に応じて、トリガの送信と測定値の捕捉との間に遅延があり得る。(例えば、全ての測定値を捕捉するためにセンサ104を停止させないことによって時間を節約するため)センサ104がトリガされたときに移動している場合、実際の測定値は、トリガが送信されたときのエンコーダ表示位置とは異なる位置で捕捉され得る。したがって、スキューとして知られる誤差は、測定精度を制限する。スキューは、トリガの送信と実際の測定との間の遅延を知ることによって補償されてもよい。一つ又は複数の所定の軸または(ここでの説明を容易にするために、単一次元運動を使用する)次元におけるセンサ104の速度を知ることと組み合わせて、トリガ回路110は、センサ104が意図された測定点のいくらか前に位置することを表示するとき、関連するエンコーダ102がトリガを送信することができる。この距離は、センサ104の速度に依存し、より速い速度および/または長い遅延は、ますます進んだ時間にトリガを送信することを必要とする。エンコーダまたは距離オフセットに関して遅延を決定する手法は、測定が物体の周りの特定の地点または場所において行われなければならない場合に有用である。そのような実施形態において、センサ104に関連付けられた一つ又は複数のエンコーダが特定の場所を表示するときに測定が行われなければならず、したがって、エンコーダの場所という点でオフセット又は遅延を使用すると、関連付けられたエンコーダが所望の場所を表示するときにセンサ104の値が測定される。そのような一部の実施形態において、エンコーダ値は、正しい配置を確認するために読み取られてもよい。
【0024】
[00028]他の実施形態において、トリガ回路110は、トリガの送信とエンコーダからのデータ読取りとの間の遅延時間を決定する。このような実施形態は、特定位置で各測定を行う必要なく、物体の一連のサンプルを採取する場合に有用である。そのような実施形態では、トリガが送信され、その後に所定の遅延が続く。所定の遅延が経過すると、センサ104および関連するエンコーダの両方が読み取られる。したがって、エンコーダ値は、センサ104の読取り値の実際の場所を表示する。たとえば、隆線、曲線、表面、エッジ、または他の二次元または三次元の特長などのオブジェクト特長が、所定のレートで、例えば、毎ミリ秒または別の適切な値でサンプリングして測定される場合、一連のトリガが、サンプリングレートで(例えば、毎ミリ秒)送信されてもよい。次いで、トリガ回路110は、所定の遅延に続いて、所定のレートで、センサ104および関連するエンコーダを読み取る。結果として得られる測定値は、各測定値に対して正確な場所を提供する。
【0025】
[00029]トリガ回路110は、遅延時間の量を決定するために初期化手順を実行してもよい。一部の実施形態において、初期化手順は、トリガをセンサ104に送信することと、センサ104によるセンサデータの捕捉開始を表示するセンサ104からの表示を検出することと、トリガの送信と表示との間の遅延時間を決定することとを含んでもよい。一部の実施形態において、初期化手順は、較正運動の特定セットと、既知の位置および/または既知の寸法におけるターゲットとを伴ってもよい。所定センサ104の速度は、センサ104の進行経路の知識と組み合わせて、特定間隔で、関連するエンコーダ102を読み取ることによって容易に決定することができる。センサを一定のペースで並進させることができる他の実施形態において、トリガ回路110は、一定のペースで並進しているセンサ104にトリガを送信し、(エンコーダ回路との通信を介して決定され得るように)トリガが送信されたときのセンサの位置を決定し、(センサ104の位置を表示する捕捉されたセンサデータなどによって)センサデータが捕捉されたときのセンサ104の位置を決定し、一定のペースでセンサ104が進行した距離に基づいて、トリガの送信と捕捉との間の遅延時間を決定することができる。実施形態において、ターゲットは、実施形態を実施する計測機器のベースまたは他の既知の基準データに取り付けられてもよい。
【0026】
[00030]センサ104が複数の次元で同時に移動しているとき、行列数学技法(例えば、複数のベクトル)を使用して、場合によっては各次元について少なくとも一つのエンコーダ102を介して、測定された運動を組み合わせて、空間を通るセンサ104の実際の経路を計算することができる。一部の実施形態において、所定軸に沿った位置を決定するために、各軸に対して一次方程式を使用することができ、様々な方程式の結果は、行列数学技法を使用して調整される。上述したように、正弦または余弦の数学も使用することができ、一部の実装形態において、そのような手法は、複雑なさらに/または多次元の表面または体積にわたる動きを扱うときに必要である。センサ位置を決定するための所定の数学的技法の選択は、所定の実施形態の特定要件および/または設計能力に依存する。
【0027】
[00031]さらに、測定される物体が移動する実施形態では、センサ104の運動に加えて、物体の運動によって課される誤差を緩和する必要がある。様々な重量を有する物体は、移動されたときに位置決めに測定可能な差を引き起こすことがある。物体が載置されるプラテンは、プラテン運動に対する異なる物体質量の影響を捕捉するので、プラテン位置の調整を可能にし、さらに/または、センサ104の位置計算に考慮されるように、ロードセルまたは他の測定デバイス(本質的に、エンコーダの形態)を装備されてもよい。
【0028】
[00032]所定の実施形態は、複数のセンサ104を使用することができる。実施形態の構成に応じて、複数のセンサ104を順次使用することができ、各センサ104は、測定される物体上を直列に移動する。そのような手法において、各センサ104は、測定される物体の態様に応じて、同一または異なる経路を辿ることができる。複数のセンサ104はまた、並列に使用されてもよく、各センサ104は、物体上の共通の一つ又は複数の地点が各センサ104によって測定されるように、同時に動作され、感知する。さらに他の実施形態において、センサ104のサブセットが順次使用され、別のサブセットが並列に使用される、直列および並列アプローチの組み合わせを使用してもよい。一部の実施形態において、物体上の測定値の点群(point cloud)を迅速に生成するために、同一または同様の形式の複数のセンサ104を並列に使用することができる。
【0029】
[00033]トリガ管理デバイス108は、エンコーダ回路112をさらに含んでもよい。エンコーダ回路112は、エンコーダ102及び監視デバイス106に結合されてもよい。エンコーダ回路112は、円弧0だ102からのエンコーダデータを捕捉してもよい。特に、エンコーダ回路112は、特定時間にエンコーダ102からエンコーダデータを取り込むことができ、エンコーダデータは、特定の時間にエンコーダ102に結合されたモータの状態を表示することができる。エンコーダ回路112は、捕捉されたエンコーダデータを記憶し、更に/又は捕捉されたエンコーダデータを監視デバイス106に送信することができる。エンコーダ回路112は、捕捉されたエンコーダデータを、記憶および/または監視デバイス106への送信のためにフォーマットすることができる。
【0030】
[00034]エンコーダ回路112は、エンコーダデータを捕捉するときに遅延時間を考慮に入れることができ、さらに/またはトリガ回路110は、トリガを送信するときに遅延時間を考慮に入れることができる。特に、センサデータがセンサ104によって捕捉されるときに、センサ104の位置を決定するためにエンコーダデータの値を決定することが好ましい場合がある。トリガが送信されるのと同時にエンコーダデータが捕捉されるレガシーシステムは、トリガの送信とセンサデータの捕捉との間の遅延時間が考慮されないので、センサ104の位置の不正確な決定をもたらす場合がある。したがって、レガシーシステムは、特にセンサ104が移動しているとき、捕捉されたエンコーダデータに基づいてセンサ104の不正確な位置を表示する場合がある。トリガ管理デバイス108は、エンコーダデータの捕捉およびセンサデータの捕捉がほぼ同時に(たとえば、実施形態では1マイクロ秒以内に)行われることを保証できる。
【0031】
[00035]特に、エンコーダ回路112およびトリガ回路110は、エンコーダデータが捕捉される前に、センサ104に対応する遅延時間にセンサ104の各々にトリガを送信するように協働して動作できる。たとえば、トリガ回路110は、第1時間にトリガをセンサ104に送信することができる。エンコーダ回路112は、次いで、第2時間にエンコーダデータを捕捉でき、第2時間は、センサ104に対応する遅延時間の量だけ第1時間の後である。したがって、センサ104は、エンコーダ回路112がエンコーダデータを取り込むのとほぼ同時に(例えば、1マイクロ秒以内に)センサデータを取り込むべきである。複数のセンサ104が存在する場合、トリガ回路110は、センサ104の各々に対応する遅延時間を決定することができ、センサ104の各々をトリガするときに遅延時間を考慮することができ、さらに/または、エンコーダ回路112は、エンコーダデータを捕捉するときに遅延時間を考慮することができる。
【0032】
[00036]一部の実施形態において、トリガスキームは、センサ104の並進運動の詳細の指示をさらに含むことができる。たとえば、トリガスキームは、センサ104が並進されるべき方向、センサ104が並進されるべき速度、センサ104を並進させるモータの作動速度、センサ104の各々が並進されるべき経路、またはそれらの何らかの組合せの表示を含むことができる。エンコーダ回路112は、エンコーダデータを捕捉するときに並進運動の詳細を考慮に入れてもよく、および/またはトリガ回路110は、トリガを送信するときに並進運動の詳細を考慮に入れてもよい。たとえば、トリガ回路110が、トリガスキームに基づいて、センサ104が一定のエンコーダ値及び/又は一定のセンサの場所でトリガされるべきであると決定する実施形態において、トリガ回路110は、エンコーダ値および/またはセンサの場所がそれぞれ特定のエンコーダ値及び/又は特定のセンサ位置に等しいと予測されるときを決定するために、エンコーダ回路112と協働して動作してもよい。特に、エンコーダ回路112は、一定の時間にエンコーダ値を捕捉し、エンコーダ値をトリガ回路110に提供してもよい。トリガ回路110は、エンコーダ回路112によって提供されるエンコーダ値および並進運動の詳細に基づいて、エンコーダ値および/またはセンサの場所が一定のエンコーダ値および/またはセンサの場所に等しいと予測されるときを決定してもよい。トリガ回路110は、エンコーダ値および/またはセンサの場所が一定のエンコーダ値および/またはセンサの場所に等しいと予測される時間より前の遅延時間に、トリガをセンサに送信してもよい。エンコーダ102は、トリガ送信後の遅延時間において、エンコーダデータを捕捉することができ、これは、エンコーダ値および/またはセンサの場所が一定のエンコーダ値および/またはセンサの場所に等しいと予測されるときである。
【0033】
[00037]
図2は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイス、具体的にはトリガシステム202を実装する実施例に係るシステム200のブロック図を図示する。一部の実施形態において、システム200は、測定アセンブリを備えてもよく、または測定アセンブリ内に実装されてもよく、測定アセンブリは、部品の測定を実施するために利用されてもよい。特に、システム200は、部品のサイズ、部品の形状、部品内に形成された凹部、部品内に形成された開口、またはそれらの何らかの組合せなど、部品の一つ又は複数の特長を測定することができる。
【0034】
[00038]システム200は、監視デバイス204を含むことができる。監視デバイス204は、監視デバイス106(
図1)の特長のうちの一つ以上を含んでもよい。監視デバイス204は、システム200の部分を制御することができ、さらに/または、システムの部分からデータを収集することができる。たとえば、監視デバイス204は、部品の運動、システム200のセンサの運動、システム200のセンサのトリガスキームの定義、またはそれらの何らかの組合せを含む、部品の測定を実施するための方法を定義することができる。監視デバイス204は、さらに、計測システムの他の構成要素および/または他の外部システム(例えば、データサーバ、リモートサーバ、ユーザ端末、他の製造/試験機器など)の両方との外部通信などの機能を扱うことができる。監視デバイス204は、追加または代替で、一定の間隔で測定されている物体上の特長をサンプリングするかどうか、物体上の特定の指定された地点を測定するかどうか、および/または、他の測定方針を確立するなど、いくつかの高レベル計算を扱うことができる。一部の実施形態において、監視デバイス204は、コンピュータデバイス(または中央処理装置(CPU)などの一部)、ラップトップ、デスクトップ、サーバなどのPCを含みるプログラム可能な論理回路(PLC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの何らかの組合せを備えてもよい。
【0035】
[00039]実施形態において、システム200の一つ又は複数の構成要素は、ソフトウェア、またはハードウェアもしくはソフトウェアの組合せを使用して、コンピュータデバイス、プログラム可能論理回路(PLC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの何らかの組合せで実装されてもよい。PLCまたはFPGAなどのソフトウェアおよび/またはフレキシブルデバイスの使用は、キュー、位置決定、遅延またはタイミングオフセット、サンプリングレート(所定のセンサ212によってサポートされる場合)、および所定の実施形態に関連する任意の他の要因など、様々なトリガパラメータの現場再構成を可能にすることができる。
【0036】
[00040]システム200は、一つ又は複数の運動制御デバイス206をさらに含むことができる。動作制御デバイス206は、監視デバイス204に結合されてもよい。運動制御デバイス206は、監視デバイス204からシステム200の一つ又は複数のモータのための運動コマンドを受信してもよい。運動コマンドは、モータの運動のための個別指示(モータの作動の方向、量、および/または速度等)、運動のための構成要素ベースの指示(一つ又は複数のモータによって移動される構成要素の作動の方向、量、および/または速度等)、運動のための試験ベースの指示(試験の実行がモータの作動を含む、システム200によって測定される部品に対して実施される試験を提供する等)、またはそれらの何らかの組み合わせを含んでもよい。運動制御デバイス206は、運動コマンドを受信し、運動コマンドをシステム200のモータの作動を引き起こす信号に変換することができる。
【0037】
[00041]運動制御デバイス206は、モータの作動に関する情報を監視デバイス204にさらに提供することができる。たとえば、運動制御デバイス206は、マッピングテーブル、モータの状態、ホーミングデータ、またはそれらの何らかの組み合わせを提供できる。
【0038】
[00042]システム200は、一つ又は複数のモータ208を含むことができる。モータ208は、運動制御デバイス206に結合されてもよく、モータ208を作動させる信号を運動制御デバイス206から受信してもよい。モータ208は、測定アセンブリの可動構成要素に結合されてもよい。モータ208は、運動制御デバイス206から受信した信号に基づいて、可動構成要素を並進させることができる。たとえば、一部の実施形態において、一つ又は複数のモータ208は、部品が位置付けられる測定アセンブリのプラットフォームに結合されてもよく、モータ208のうちの別のものは、センサ装置に結合されてもよい。モータ208は、プラットフォームおよびセンサを協調して又は同期して移動させて、部品の測定を行うことができる。
【0039】
[00043]システム200は、一つ又は複数のエンコーダ210を更に含みことができる。たとえば、システム200は、図示の実施形態において7つのエンコーダ210を含む。所定の実施形態におけるエンコーダ210の数は、所定の実装の必要性、およびシステム200の動作における所定のモータ208の特定機能に依存し得る。一部の実施形態において、各モータに少なくとも一つのエンコーダがあってもよい。他の実施形態において、一つ又は複数のモータが複数のエンコーダに装備されてもよい。エンコーダ102は、エンコーダ102(
図1)の一つ又は複数の特長を含み得る。エンコーダ210は、モータ208、測定アセンブリの可動構成要素、またはそれらの何らかの組合せに結合されてもよい。エンコーダ210は、モータ208の位置、モータ208の運動の量、可動構成要素の位置、可動構成要素の運動の量、またはそれらの何らかの組合せを検出することができる。エンコーダ210は、モータ208の位置を表示することができる。たとえば、エンコーダ210は、モータ208が所定の距離だけ作動されるたびにパルスを出力してもよく、モータ208の現在位置の表示を出力してもよく、またはそれらの何らかの組み合わせであってもよい。
【0040】
[00044]一部の実施形態において、エンコーダ210は、直交インターフェースを介してトリガシステム202に結合されるが、エンコーダ210からトリガシステム202に情報を確実に伝達することができる任意の他のインターフェース形式が採用されてもよい。エンコーダは、所定のサンプリング周波数で捕捉されるか、さもなければ監視されてもよい。実施形態において、所定のエンコーダ210は、その関連するセンサ212が移動するときに、ある程度のグリッチ(glitching)またはジッタ(jittering)を出力し得る。このグリッチまたはジッタは、エンコーダ210の各読み取りの間にブランキング間隔を導入して、新しいエンコーダ210の各々の測定値が整定することを可能にすることによって、最小化または除去することができる。
【0041】
[00045]システム200は、トリガシステム202を更に含んでもよい。トリガシステム202は、トリガ管理デバイス102(
図1)の一つ又は複数の特長を含み得る。トリガシステム202は、エンコーダ210、監視デバイス204、またはそれらの何らかの組合せに結合されてもよい。トリガシステム202は、エンコーダ210からモータ208の位置の表示を受信することができる。さらに、トリガシステム202は、モータ208の位置の表示を監視デバイス204に提供し、監視デバイス204からトリガスキームを受信することができる。トリガ管理デバイス204は、一つ又は複数のセンサをトリガするために、位置および/またはトリガスキームの表示を利用することができる。
【0042】
[00046]システム200は、一つ又は複数のセンサ212を更に含んでもよい。たとえば、センサ212は、図示の実施形態において、ストロボ制御部212a、ライト212b、カメラ212c、共焦点センサ212d、及びレーザモジュールセンサ212e(一部の実施形態では、DWFritzレーザモジュール(商標)などの「スマート」センサであってもよい)を含む。センサ212は、白色干渉センサ、クロマティック共焦点センサ、ステレオラインスキャンセンサ、レーザ三角測量センサ、白色共焦点センサ、視覚センサ、赤外線センサ、X線センサ、ポイントレーザセンサ、ラインスキャンレーザセンサ、レーザセンサ、白色光センサ、干渉計センサ(すなわち、距離センサ、フリンジマップセンサ、および/または表面粗さセンサ)、ビデオセンサ、カメラセンサ、共焦点センサ、カラーセンサ、接着センサ、湿気センサ、温度センサ、表面仕上げセンサ、静電容量センサ、タッチプローブセンサ、「全眼センサ」(例えば、DWFritz統合センサ、またはDISセンサ)、一次元センサ、二次元センサ、三次元センサ、超音波センサ、またはDISセンサ、または他の実施形態ではそれらの幾つかの組合せをさらに含むことができる。センサ212は、センサ104(
図1)の一つ又は複数の特長を含み得る。センサ212は、測定アセンブリに装着されてもよい。センサ212またはその一部分は、測定アセンブリによって測定される部品に向けられてもよい。
【0043】
[00047]センサ212は、トリガシステム202、監視デバイス204、またはそれらの何らかの組合せに結合さてもよい。センサ212は、トリガシステム202からトリガを受信してもよく、トリガは、センサ212にセンサデータを捕捉させる。たとえば、トリガシステム202は、信号の立ち上がりエッジ、信号の立ち下がりエッジ、またはそれらの何らかの組合せでセンサ212をトリガさせる信号をセンサ212のうちの一つに送信することができる。さらに、センサ212またはその一部は、監視デバイス204からプログラム変更表示を受信することができる。センサ212は、センサ212によって検出されたセンサデータを監視デバイス204に提供することができる。一部の実施形態において、センサ212は、センサがセンサデータ捕捉を完了および/または開始したという表示(パルスなど)を提供することができる。
【0044】
[00048]トリガシステム202は、一つ又は複数の特徴に基づいてセンサ212にセンサデータを捕捉させるトリガをセンサ212に提供することができる。たとえば、トリガシステム202は、センサ212にトリガを提供するために、時間ベースのトリガ(特定の間隔でのトリガ)、事象ベースのトリガ(特定の事象に応答したトリガ)、方程式ベースのトリガ(満たされている方程式の条件に基づくトリガ)、ベクトルベースのトリガ(モータ208の作動の特定距離またはセンサ212の位置に基づくトリガ)、入力ベースのトリガ(外部入力に基づくトリガ)、エンコーダベースのトリガ(エンコーダ210から受信されたエンコーダデータに基づくトリガ)、またはそれらの何らかの組み合わせを利用することができる。
【0045】
[00049]システム200の他の構成要素と同様に、トリガシステム202は、所定の実装形態の必要性に応じて様々な方法を使用して実装することができる。可能な実施形態は、FPGA、ASIC、コンピューティングシステムの様々な構成要素、ソフトウェア、または前述のいずれかの何らかの組合せを使用して、トリガシステム202を実装することができる。
【0046】
[00050]ベクトルベースのトリガは、通常、2つの地点からの所定方向または距離に基づく。たとえば、試験される物体の周りの空間における2つの地点、開始点「A」および終了点「B」が提供されてもよい。トリガシステム202がベクトルベースのトリガ方式を採用する実施形態において、トリガシステム202は、A地点に位置するセンサ212を検出する際、センサ212をトリガし、B地点に位置するセンサ212を検出する際にセンサ212をトリガする。センサ212がA地点とB地点との間を進行する総距離および経路は、ベクトルベースの手法では無関係であり、これは、第1地点aおよび第2地点bにおけるセンサ212の存在のみに関係する。一部の実施形態において、A地点におけるトリガは、センサ212にサンプリングを開始させるように存在し、B地点におけるトリガは、センサ212にサンプリングを停止させるように存在してもよい。そのような手法は、センサ212が、不規則であり(さらに、場合によってはA地点を過ぎて二重に戻り)、試験される物体の形状に沿って追従できる場合に有用である。他の実施形態において、A地点およびB地点におけるトリガは、A地点およびB地点が測定のための2つの臨界点を画定する場合など、各地点において単一の読み取り値を取るのみである。センサ212は、試験される物体の形状に応じて、A地点とB地点との間で遠回りの経路をとる必要がある。このような手法は、始点および終点によって定義することができる物体のエッジまたは特長を測定する場合に有用であり、センサ212は、A地点において反復サンプリングを開始し、B地点において中断し、エッジまたは特長全体の測定値を効果的に捕捉するようにトリガすることができる。
【0047】
[00051]代替的な手法である経路ベースのトリガは、実際の距離センサ212がA地点とB地点との間を進行することを考慮する。そのような実施形態では、開始点Aの位置が重要な側面であり、センサ212が横切る全直線距離が追跡される。したがって、B地点への曲線経路をとるセンサ212は、直線経路よりも長い距離を移動する。経路ベースのトリガは、事実上、距離ベースのトリガであり、トリガは、ある開始点Aで開始され、次いで、距離を横断した後に再びトリガされる。したがって、経路ベースのトリガを使用する実施形態では、B地点を定義する必要はなく、単にA地点の後に何らかの距離が続く。そのような手法は、例えば、ミリメートルごとに測定をトリガするなど、日常的な距離間隔で行われる測定によって定義されてもよい。
【0048】
[00052]トリガシステム202は、(例えば、センサ212が並列に配備される場合のように)センサ212に全てのセンサ212を同時にトリガさせるトリガを送信してもよく、あるいは、(例えば、センサ212のサブセットが並列であるか、又はサブセットが直列配備される場合のように)センサ212の一部をトリガする一つ又は複数のトリガを送信してもよい。さらに、トリガシステム202は、複数のセンサを協調的に動作させてデータを捕捉させるために、一定の時間に又は一定の順序で複数のトリガを送信することができる。たとえば、トリガシステム202は、部品を照明するために光センサにトリガを送信し、その後、照明された部品の画像を捕捉するためにカメラデバイスをトリガすることができる。
【0049】
[00053]一部の実施形態において、トリガシステム202は、複数のトリガをセンサ212に提供してもよく、トリガは、センサ212がデータの収集を開始する時間およびセンサ212がデータの収集を停止する時間を表示する。たとえば、トリガシステム202は、第1トリガをセンサ212に提供して、センサ212にデータの収集を開始させ、第2トリガをセンサ212に提供して、センサ212にデータの収集を停止させることができる。たとえば、センサ212は、ある期間にわたってデータを捕捉するように構成されてもよい。第1トリガの受信に応答して、センサ212は、センサデータの収集を開始することができる。センサ212は、第2トリガがトリガシステム202から受信されるまで、センサデータを収集し続けてもよい。
【0050】
[00054]さらに、トリガシステム202は、センサ212に送信される一つ又は複数のトリガを備えた出力チャネルのアドレスを含んでもよい。たとえば、トリガシステム202から一つ又は複数のセンサ212への各チャネルにアドレスを割り当てることができる。トリガを生成するとき、トリガシステム202は、トリガとともに、トリガが向けられるセンサ212に対応するチャネルのアドレスを含んでもよい。これらの実施形態の一部において、システム200は、一つ又は複数のセンサ212とトリガシステム202との間に位置するマルチプレクサを含んでもよく、マルチプレクサは、トリガと共に含まれたアドレスに基づいて、センサ212を補正するようにトリガに指示してもよい。
【0051】
[00055]一部の実施形態において、トリガシステム202は、イベントの発生に基づいてトリガを提供してもよい。たとえば、トリガシステム202は、(例えば、監視デバイス204又は外部装置からの)入力、(センサ212の位置を表示できる)エンコーダ210から受信された一定のエンコーダデータ、一つ又は複数のセンサ212によるセンサデータの収集の完了の表示、又はこれらの何らかの組み合わせを受信する際、トリガを提供することができる。さらに、トリガシステム202は、一部の実施形態において、イベントの発生からトリガの提供を遅延させることができる。たとえば、トリガリングシステム202は、イベントの発生後、ある時間量だけトリガの送信を遅延させてもよい。
【0052】
[00056]トリガシステム202は、さらに、センサ212のトリガにおいて生じ得る遅延を補償してもよい。たとえば、一つ又は複数のセンサ212は、トリガがトリガシステム202によって送信される時間と、センサ212がセンサデータを捕捉する時間との間に遅延を提示してもよい。トリガシステム202は、センサ212の各々について遅延を決定し、遅延を補償するためにトリガのタイミングをスケジュールしてもよい。たとえば、トリガシステム202は、トリガがトリガシステム202によって送信される時間とセンサデータがセンサ212の各々によって捕捉される時間との間の遅延量を決定する初期化手順を実施しすることができる。トリガシステム202は、次いで、センサ212の各々の意図された捕捉時間前の対応する遅延時間にセンサ212の各々のためのトリガを送信することによって、センサ212の各々の遅延を補償してもよい。さらに、センサ212が一定の位置でトリガされるように意図され、センサ212を移動させるモータ208がある速度で作動されるとき、トリガシステム202は、センサ212が一定の位置に置かれる時間を決定することができ、センサ212が一定の位置に置かれる時間の前の時間量でトリガをセンサ212に提供することができ、その時間量は取引の量に等しい。
【0053】
[00057]一部の実施形態において、トリガシステム202は、トリガのキューをさらに生成することができ、トリガのキューは、トリガシステム202によって提供される複数のトリガを含む。トリガのキュー内のトリガは、それぞれ、あるインデックス値に関連付けられてもよい。トリガの待ち行列内のトリガは、順次または並列に提供されてもよい。一部の実施形態において、トリガのキューは、キュー内のトリガが順次提供されるべきか、さらに、キュー内のトリガが並列に提供されるべきかを更に表示してもよい。さらに、トリガのキューは、トリガの各々が提供されるべきとき、またはデータがセンサ212によって捕捉されるべきときに、一つ又は複数のセンサ212が置かれるべき位置を表示してもよい。トリガシステム202は、一つ又は複数のセンサ212がトリガのキューによって表示される場所にあるべきときに従ってトリガを提供することができる。
【0054】
[00058]一部の実施形態において、トリガシステム202は、一つ又は複数のセンサ212の進行の距離に基づいて、または、一つ又は複数のセンサ212の所定の進行の経路に基づいて、トリガを更に提供してもよい。たとえば、トリガシステム202は、センサ212が一定の距離を進行するたびに一つ又は複数のトリガを送信してもよく、あるいは、センサ212の所定の進行経路に沿った一定の位置で一つ又は複数のトリガを送信してもよい。所定の進行経路は、Gコード、座標測定機械言語、座標セット、またはそれらの何らかの組合せによって定義されてもよい。
【0055】
[00059]一部の実施形態において、トリガシステム202は、他のトリガに基づいて、一つ又は複数のトリガを有効および/または無効にすることができる。たとえば、トリガシステム202は、別のトリガを提供するための条件が発生するまで、あるトリガを提供しなくてもよい。そのような実施形態の実施例は、トリガシステム202が、別のトリガに関連する時間が発生するまで、トリガのキュー内にトリガを提供しないことを含んでもよい。
【0056】
[00060]
図1に関して上述したように、トリガシステム202は、エンコーダ210からエンコーダデータを捕捉する際の遅延時間をさらに補償することができる。たとえば、トリガシステム202は、トリガがトリガシステム202のために送信されるときではなく、センサ212がセンサデータを捕捉するときに、エンコーダ210からエンコーダデータを捕捉してもよい。特に、トリガシステム202は、センサ212の一つにトリガを送信し、次いで、エンコーダ210からエンコーダデータを捕捉する前に、センサ212のための、対応する遅延時間を待ってもよい。したがって、トリガシステム202は、センサデータがセンサ212によって捕捉されたときに、センサ212の位置を検証または決定することができる。この手法は、捕捉時にセンサ212の位置を推定することに依拠、またはトリガの送信とセンサ212によるセンサデータの捕捉との間の遅延時間を補償することに失敗したレガシー手法よりも高い精度を提供できる。
【0057】
[00061]センサ212によるセンサデータの捕捉中に一つ又は複数のセンサ212の位置が変換され続ける一部の実施形態において、センサデータの捕捉が開始するときのセンサ212の位置は、センサデータの捕捉が完了するときのセンサ212の位置とは異なってもよい。トリガシステム202は、センサデータの捕捉が開始する位置およびセンサデータの捕捉が完了する位置を決定してもよい。たとえば、トリガシステム202は、初期化手順中に、デバイスのトリガからセンサデータの捕捉の開始までの遅延時間を決定してもよい。トリガシステム202は、トリガを送信し、次いで、トリガの送信後の遅延時間においてエンコーダ210からエンコーダデータを捕捉することができ、エンコーダ210からのエンコーダデータは、センサ212によるセンサデータの捕捉が開始するときのセンサ212の位置を表示する。トリガシステム202は、センサ212がセンサデータの捕捉を完了したときを表示する表示をセンサ212から受信できる。センサ212がセンサデータの捕捉を完了したという表示を受信することに応答して、トリガシステム202は、後続の時間にエンコーダ210からエンコーダデータを捕捉することができ、後続して捕捉されたエンコーダデータは、センサ212によるセンサデータの捕捉が完了したときのセンサ212の位置を表示する。トリガシステム202は、センサデータの捕捉開始時のセンサ212の位置と、センサデータの捕捉完了時のセンサ212の位置とから補間して、センサ212によって捕捉されたセンサデータによって表示されるセンサ212の実際の位置を決定することができる。
【0058】
[00062]一部の実施形態において、トリガシステム202および一つ又は複数のセンサ212は、センサ212によって捕捉、および/またはエンコーダ210から受信されたデータを保存してもよい。たとえば、図示の実施形態では、トリガシステム202は、エンコーダデータ214を保存することができ、センサ212eは、センサ212eによって捕捉されたセンサデータ216を保存することができる。トリガシステム202およびセンサ212eの両方は、エンコーダデータ214およびセンサデータ216をそれぞれ、分析のために監視デバイス204に提供することができる。エンコーダデータ214及びセンサデータ216は、監視デバイス204による適切な評価のために同期される必要があってもよい。
【0059】
[00063]トリガシステム202は、エンコーダデータ214とセンサデータ216とを同期させるための仮想エンコーダを生成してもよい。特に、トリガシステム202は、仮想エンコーダを生成し、仮想エンコーダを(レーザセンサまたは他の適切なセンサでもよい)センサ212eなどの様々なセンサに送信することができ、トリガシステム202およびセンサ212e(または他の適切なセンサ)は、それぞれ、対応するエンコーダデータ214およびセンサデータ216を同じ仮想エンコーダに関連付ける。たとえば、トリガシステム202は、センサ212eの複数のエンコーダ値を連続的または周期的に読み取り、エンコーダ値が読み取られる頻度に対応するなど、周期的に単一の値をセンサ212eに供給することができる。トリガがセンサ212eに送信されるとき、ンサ212eは、測定値と単一の対応する仮想エンコーダ値の両方を返すことができる。次いで、トリガシステム202は、返された仮想エンコーダ値を使用して、複数のエンコーダからの実際の値を参照することができる。
【0060】
[00064]そのような手法を使用することができる他の実施例は、センサ212eが、バッファリングまたは何らかの形態の自律的測定、たとえば、トリガされたときに単に測定する「ダム」センサとは対照的な「スマート」センサを採用する実施形態を含む。いわゆるスマートセンサは、複数の測定値の迅速な捕捉を可能にするためにバッファリングを採用することができ、(一部の実施例では、時間ベースまたは位置ベースのいずれかの)開始点および終了点ならびにサンプルレート等の高レベルコマンドをさらに受信することができる。これにより、スマートセンサ212eは、サンプリングを開始点において指定レートで自律的に開始し、終点において停止する。センサ212eは、トリガシステム202(または、実施形態に応じて、別のモジュールもしくはデバイス)によって読み出すことができるレートよりも速いレートでサンプリングすることが可能なので、測定値をバッファリングまたは別様に保存することが必要とされ得る。場所が正しく捕捉されることを保証するために、バッファリングされた測定値は、トリガリングシステム202によって供給される仮想エンコーダ値に関連付けられてもよい。したがって、トリガシステム202は、その後、仮想エンコーダ値を使用して、各測定の位置に対応する実際のエンコーダ値を取得することができる。
【0061】
[00065]仮想エンコーダは、エンコーダ210から受信されたデータ、時間、トリガキュー内のインデックス値、キャプチャキュー内のインデックス値、監視デバイス204もしくは外部ソースからの値、またはそれらの何らかの組合せに基づいてもよい。仮想エンコーダは、複数の物理エンコーダの管理を簡略化するために採用されてもよい。たとえば、仮想エンコーダは、単に、ルーチンまたは周期的な増分を提供することができ、それは、次いで、各関連するエンコーダ210からの捕捉されたエンコーダデータ214を保存するルックアップテーブルまたは他のデータ構造へのインデックスまたはキーとして作用することができる。したがって、単一の仮想エンコーダ値は、各々が特定の次元に関連付けられる複数のエンコーダ210からの値を参照/検索するために使用されてもよい。したがって、仮想エンコーダは、3D空間内の関連するセンサ212の位置を決定するために使用することができる単一の値として作用する。仮想エンコーダは、代替的に、トリガシステム202の一部である仮想トリガ生成器によって生成されてもよい。
【0062】
[00066]実施形態において、仮想エンコーダを使用して、複数のトリガ管理デバイス202のような複数の制御ユニット間で同期させることができる。たとえば、単一の仮想エンコーダは、各々が別個のセンサ212に関連付けられた複数のエンコーダ210からのエンコーダデータ214にキーを提供することができる。したがって、このデータは、仮想エンコーダによってカバーされる別個のセンサ212の各々のための同時トリガを生成するために使用されてもよい。仮想エンコーダは、(各別個のエンコーダ210からの値に加算するためにセンサごとのオフセットを使用することなどによって)各別個のセンサ212間のタイミング差を隠すために使用されてもよく、その結果、仮想エンコーダに協調された単一のトリガが、複数の実際のトリガが正しく協調され、各別個のセンサ212に送信されることになる。他の実施形態において、仮想エンコーダを使用して、単一のトリガシステム202によって制御される複数のセンサ212間で同期させることができる。たとえば、各センサ212が複数のエンコーダを有する場合、または一つ又は複数のエンコーダのセットが複数のセンサ212に関連付けられる場合、仮想エンコーダ値は、複数のセンサ212の各々に関連付けることができるので、複数のセンサ212の各々に関連付けられた実際のエンコーダ値を参照することを可能にする。
【0063】
[00067]たとえば、エンコーダデータ214及びセンサデータ216が仮想エンコーダによって同期される実施形態では、トリガシステム202は、トリガ及び仮想エンコーダ値をセンサ212eに送信することができる。トリガおよび仮想エンコーダ値は、トリガシステム202によって同時に送信されてもよく、仮想エンコーダ値は、トリガの前に送信されてもよく、または仮想エンコーダ値は、トリガのセンサ212eに対する遅延時間内に送信されてもよい。センサ212eは、トリガに応答してデータを捕捉し、データを仮想エンコーダ値に関連付けることができる。トリガを送信した後、トリガシステム202は、センサ212eのための遅延時間を待ち、エンコーダ210からエンコーダデータを捕捉することができ、エンコーダ210から捕捉されたエンコーダデータは、センサデータがセンサ212eによって捕捉されたときのセンサ212eの位置を表示する。トリガシステム202は、エンコーダ210から捕捉されたエンコーダデータを、センサ212eに以前に提供された仮想エンコーダ値と関連付けることができる。以下、
図4を参照して、仮想エンコーダがどのように使用できるかの実施例を検討する。
【0064】
[00068]
図3は、種々の実施形態による、実施例の測定アセンブリ300を図示する。 測定アセンブリ300は、トリガ管理デバイス構配置100(
図1)、システム200(
図2)、またはそれらの何らかの組合せを実装することができる。たとえば、測定アセンブリ300は、トリガ管理デバイス(トリガ管理デバイス108)(
図1)および/またはトリガシステム202(
図2)など)、監視デバイス(監視デバイス106(
図1)および/または監視デバイス204(
図2)など)、またはそれらの何らかの組合せを含むことができ、さらに/または、それらに結合することができる。
【0065】
[00069] 測定アセンブリ300は、モータ(モータ208(
図2)など)によって並進可能な一つ又は複数の部分を含むことができる。特に、測定アセンブリ300は、測定される部品が位置し得るプラットフォーム302を含むことができる。プラットフォーム302は、一つ又は複数のモータ(モータ208など)を介して、一つ又は複数の方向に並進させるか、一つ又は複数の方向に回転させるか、またはそれらの何らかの組合せを行うことができる。たとえば、プラットフォーム302は、図示の実施形態では、X、Y、Z方向に並進し、θ方向に回転することができる。測定アセンブリ300は、図示の実施形態では、プラットフォーム302を並進させる4つのモータを含むことができ、モータの各々は、X、Y、Z、θ方向のうちの一つにプラットフォーム302を並進させる。プラットフォーム302は、他の実施形態では、より多くの方向またはより少ない方向に並進および/または回転可能であることを理解されたい。
【0066】
[00070]測定アセンブリ300は、計測ブリッジ304をさらに含むことができる。計測ブリッジは、一つ又は複数のセンサ(センサ104(
図1)および/またはセンサ212(
図2)など)を含むことができる。たとえば、計測ブリッジ304は、図示の実施形態ではセンサ306を含む。計測ブリッジ304は、一つ又は複数のモータ(モータ208など)を介してφ方向に回転させることができる。たとえば、モータ308は、図示の実施形態では、計測ブリッジをφ方向に回転させることができる。
【0067】
[00071] 測定アセンブリ300内のモータの各々は、一つ又は複数の運動制御デバイス(運動制御デバイス206(
図2)など)を介して監視デバイスに結合できる。監視デバイスは、運動制御デバイスに一つ又は複数の運動コマンドを提供してもよい。運動制御デバイスは、運動コマンドに基づいて、一つ又は複数のモータを作動させてもよく、モータの作動は、プラットフォーム302および/または計測ブリッジを並進および/または回転させてもよい。
【0068】
[00072]さらに、モータの各々は、それぞれのエンコーダ(エンコーダ102(
図1)(および/またはエンコーダ110(
図1)など)に結合できる。たとえば、測定アセンブリ300は、図示の実施形態において5つのエンコーダを含むことができ、各エンコーダは、プラットフォーム302及び/又は計測ブリッジ304を並進させる、対応するモータの位置を表示する。
【0069】
[00073]トリガ管理デバイスは、エンコーダ、センサ、監視デバイス、またはそれらの何らかの組合せに結合できる。トリガ管理デバイスは、エンコーダ、センサ、および/または監視デバイスに関して、トリガ管理デバイス108および/またはトリガシステム202に関連して説明された一つ又は複数の動作を実施することができる。たとえば、トリガ管理デバイスは、センサ306へのトリガの送信とセンサ306によるセンサデータの捕捉との間の遅延量を決定してもよい。トリガ管理デバイスは、監視デバイスからトリガスキームをさらに受信し、センサ306への送信のための一つ又は複数のトリガを生成することができる。さらに、トリガ管理デバイスは、第1時間に、センサ306にトリガを送信し、第1時間の後の遅延量である第2時間に、モータ308に関連付けられたエンコーダにエンコーダデータを捕捉させることができる。トリガの送信およびエンコーダデータの捕捉タイミングに基づいて、センサ306は、エンコーダがエンコーダデータを捕捉するのとほぼ同時に(1マイクロ秒以内に)センサデータを捕捉できる。
【0070】
[00074]図示された実施形態は、単一のセンサ306、ならびにX、Y、Z、θ、およびφ方向におけるプラットフォーム302および計測ブリッジの並進および回転を用いて説明されるが、測定アセンブリは、より多くのセンサを含んでもよく、並進可能および/または回転可能であるより多くの、もしくはより少ない要素を有してもよく、さらに/あるいは、他の実施形態では、並進および/または回転のより多くの、若しくはより少ない方向を有してもよいことを理解されたい。たとえば、他の実施形態において、計測ブリッジ304は、Y方向及びZ方向に並進可能であってもよい。さらに、他の実施形態において、計測ブリッジ304は複数のセンサを含んでもよく、さらに/または追加のセンサが測定アセンブリの他の要素(プラットフォーム302など)に配置されてもよい。
【0071】
[00075]
図4は、様々な実施形態による、例示的なデータ配置400の表を図示する。特に、図示のデータ配置400は、トリガ管理デバイス(トリガ管理デバイス108
図1)および/またはトリガシステム202(
図2)など)が仮想エンコーダを実装する実施形態において生成されるデータ配置を表わす。
【0072】
[00076]データ配置400は、エンコーダデータ402,センサデータ404を含む。エンコーダデータ402は、一つ又は複数のエンコーダ(エンコーダ102(
図1)および/またはエンコーダ210(
図2)など)によって捕捉されていることがある。エンコーダデータ402は、トリガ管理デバイス上に保存され、さらに/または保存および分析のために監視デバイス(監視デバイス106(
図1)および/または監視デバイス204(
図2)など)に送信されてもよい。センサデータ404は、一つ又は複数のセンサ(センサ104(
図1)および/またはセンサ212(
図2)など)によって捕捉されていることがある。センサデータ404は、センサ上に保存され、さらに/または保存および分析のために監視デバイスに送信されてもよい。図示の実施形態において、データ配置は、第1エンコーダに対応する第1エンコーダデータ402aと、第2エンコーダに対応する第2エンコーダデータ402bと、第1センサに対応する第1センサデータ404aと、第2センサに対応する第2センサデータ404bとを含んでもよい。
【0073】
[00077]データ配置400は、複数の仮想エンコーダ値406をさらに含む。仮想エンコーダ値は、トリガ管理デバイスによって生成されていてもよい。仮想エンコーダ値の各々は、トリガ管理デバイスによって送信されたトリガに対応してもよい。たとえば、第1仮想エンコーダ値406aは、トリガ管理デバイスによってセンサに送信される第1トリガに対応し、第2仮想エンコーダ値406bは、トリガ管理デバイスによってセンサに送信される第2トリガに対応してもよい。
【0074】
[00078]仮想エンコーダ値406の各々は、エンコーダデータ402およびセンサデータ404に関連付けられてもよい。たとえば、第1仮想エンコーダ値406aは、第1エンコーダデータ402aの第1エンコーダ値408および第2エンコーダデータ402bの第2エンコーダ値410に関連付けられてもよい。さらに、第1仮想エンコーダ値406aは、第1センサデータ404aの第1センサ値412および第2センサデータ404bの第2センサ値414に関連付けられてもよい。
【0075】
[00079]第1仮想エンコーダ値406aは、第1センサによって第1センサ値412と関連付けられ、第2センサによって第2センサ値414と関連付けられていてもよい。特に、第1センサは、第1センサ値412が第1仮想エンコーダ値406aに対応するトリガに応答して捕捉されることに基づいて、第1センサ値412を第1仮想エンコーダ値406aに関連付けていてもよい。第2センサは、第1仮想エンコーダ値406aに対応するトリガに応答して捕捉されている第2センサ値414に基づいて、第2センサ値414を第1仮想エンコーダ値406aに関連付けていてもよい。トリガ管理デバイスは、第1センサ値412および第2センサ値414との関連付けのためのトリガとともに、第1仮想エンコーダ値406aを第1センサおよび第2センサに送信していてもよい。
【0076】
[00080]さらに、第1仮想エンコーダ値406aは、トリガ管理デバイスによって第1エンコーダ値408および第2エンコーダ値410に関連付けられていてもよい。特に、トリガ管理デバイスは、第1仮想エンコーダ値406aに対応するトリガに応答して捕捉されている第1エンコーダ値408および第2エンコーダ値410に基づいて、第1仮想エンコーダ値406aを第1エンコーダ値408および第2エンコーダ値410に関連付けていてもよい。
【0077】
[00081]
図5は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスの初期化手順のための実施例に係るタイミングチャート500を図示する。特に、トリガ管理デバイスは、一つ又は複数のセンサの遅延量を決定するために初期化手順を実施してもよい。トリガ管理デバイスは、トリガ管理デバイス108(
図1)および/またはトリガシステム202(
図2)の一つ又は複数の特徴を含んでもよい。タイミングチャート500によって図示される初期化手順は、トリガの送信からの遅延量と、第1センサおよび第2センサのための捕捉手順とを決定するために、トリガ管理デバイスによって利用されてもよい。
【0078】
[00082]タイミングチャート500は、トリガ信号502を図示する。特に、トリガ信号502は、トリガ504を図示する。トリガ管理デバイスは、トリガ504を第1センサおよび第2センサに送信していてもよい。トリガ管理デバイスは、トリガ504の正のエッジによって図示されるように、第1時間506にトリガ504を送信していてもよい。
【0079】
[00083]トリガチャート500は、第1センサ信号508を更に図示する。特に、第1センサ信号508は、第1センサによる捕捉手順の開始の表示510を図示する。特に、表示510は、第1センサによる捕捉手順の開始を表示することができ、捕捉手順は、第1センサによるトリガ504の受信によって促される。トリガ管理デバイスは、表示510の正のエッジによって図示されるように、第2時間512に表示510を受信していてもよい。
【0080】
[00084]トリガチャート500は、第2センサ信号514をさらに図示する。特に、第2センサ信号514は、第2センサによる捕捉手順の開始の表示516を図示する。特に、表示516は、第2センサによる捕捉手順の開始を表示することができ、捕捉手順は、第2センサによるトリガ504の受信によって促される。トリガ管理デバイスは、表示516の正のエッジによって図示されるように、第3時間518に表示516を受信していてもよい。
【0081】
[00085]トリガ管理デバイスは、トリガ信号502および第1センサ信号508に基づいて、トリガの送信から捕捉手順の開始までの第1センサの遅延量を決定してもよい。特に、トリガ管理デバイスは、トリガ504が送信された第1時間506と、第1センサによる捕捉手順の開始の表示510が受信された第2時間512との間の時間差520を決定してもよい。トリガ管理デバイスは、トリガの送信と第1センサのための捕捉手順の開始との間の遅延の量として時間差520を保存してもよい。トリガ管理デバイスは、第1センサに更なるトリガをいつ送信すべきかを決定するときに、遅延量を考慮に入れてもよい。
【0082】
[00086]トリガ管理デバイスは、トリガ信号502および第2センサ信号508に基づいて、トリガの送信から捕捉手順の開始までの第2センサの遅延量を更に決定してもよい。特に、トリガ管理デバイスは、トリガ504が送信された第1時間506と、第3センサによる捕捉手順の開始の表示516が受信された第2時間518との間の時間差522を決定してもよい。トリガ管理デバイスは、トリガの送信と第2センサのための捕捉手順の開始との間の遅延の量として時間差522を保存してもよい。トリガ管理デバイスは、第2センサに更なるトリガをいつ送信すべきかを決定するときに、遅延量を考慮に入れてもよい。
【0083】
[00087]
図6は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスによる実施例に係るトリガの送信を図示する実施例に係るタイミングチャート600を図示する。特に、タイミングチャート600は、遅延の量が考慮されるトリガ管理によるトリガの送信を図示してもよい。
【0084】
[00088]図示の実施形態において、トリガ管理デバイスは、点線で図示された第1時間602にセンサデータを捕捉すべきであると決定していてもよい。トリガ管理デバイスは、トリガを第1センサおよびセンサにいつ送信すべきかを決定するときに、第1センサおよび第2センサの遅延量を考慮に入れてもよい。
【0085】
[00089]特に、トリガ管理デバイスは、第1トリガ信号606によって表される第1トリガ604を第1センサに送信してもよい。トリガ管理デバイスは、第1時間602にセンサデータを第1センサに捕捉させるために、第1時間602の前の遅延量610において第1トリガ604が第1センサに送信されるべきであると決定してもよい。したがって、トリガ管理デバイスは、第1トリガ604が、第1時間602より前の遅延量610である第2時間608に送信されるべきであると決定してもよい。図示の実施形態において、遅延量610は、タイミングチャート500(
図5)に従って第1センサの遅延量であると決定された時間差520(
図5)に等しくてもよい。第1センサは、第1センサ信号614上の捕捉手順の開始の表示612によって表示されるように、第1時間602に捕捉手順を開始してもよい。
【0086】
[00090]トリガ管理デバイスは、第2トリガ信号618によって表される第2トリガ616を第2センサに更に送信してもよい。トリガ管理デバイスは、第2センサに第1時間602でセンサデータを捕捉させるために、第1時間602の前の遅延量620で第2トリガ616が第2センサに送信されるべきであると決定してもよい。したがって、トリガ管理デバイスは、第2トリガ616が、第1時間602より前の遅延量620である第3時間622に送信されるべきであると決定してもよい。図示の実施形態において、遅延量620は、タイミングチャート500(
図5)に従って第2センサの遅延量であると決定された時間差522(
図5)に等しくてもよい。第2センサは、第2センサ信号626上の捕捉手順の開始の表示624によって表示されるように、第1時間602に捕捉手順を開始することができる。
【0087】
[00091]トリガ管理デバイスは、エンコーダ信号630上の捕捉手順の開始の表示628によって表示されるように、第1時間602にエンコーダデータを更に捕捉することができる。特に、トリガ管理デバイスは、第1時間602に、一つ又は複数のエンコーダ(エンコーダ102(
図1)および/またはエンコーダ210(
図2)など)のエンコーダデータを捕捉してもよい。トリガ管理デバイスは、エンコーダデータを捕捉し、第1センサおよび第2センサがセンサデータを捕捉したときの第1センサおよび第2センサの位置を決定するためにエンコーダデータを利用してもよい。
【0088】
[00092]
図7は、様々な実施形態による、トリガ管理デバイスによって実施される実施例に係る手順700を図示する。特に、手順700は、トリガ管理デバイス108(
図1)および/またはトリガシステム202(
図2)によって実施されてもよい。
【0089】
[00093]段階702において、トリガ管理デバイスは、トリガ管理デバイスに結合された一つ又は複数のセンサの遅延量を決定してもよい。たとえば、トリガ管理デバイスは、センサの遅延量を決定するために初期化手順(
図5に関連して説明された初期化手順など)を実施してもよい。段階702は、一つ又は複数のセンサの相互交換に応答して、さらに/またはセンサの遅延量が破損しているか、または最早保存されていないとの決定に応答して、トリガ管理デバイスの起動または電源投入時に実施されてもよい。
【0090】
[00094]段階704において、トリガ管理デバイスは、一つ又は複数のトリガを(センサ104(
図1)、センサ212(
図2)、および/またはセンサ306(
図3)などの)一つ又は複数のセンサにいつ送信すべきかを決定してもよい。トリガ管理デバイスは、監視デバイス(監視デバイス106(
図1)および/または監視デバイス204(
図2)など)からトリガスキームを受信することができ、トリガスキームに基づいて一つ又は複数のトリガを生成することができる。さらに、トリガ管理デバイスは、トリガスキームに基づいて、センサがデータを捕捉すべき時間を決定することができる。トリガ管理デバイスは、トリガをいつ送信するかを決定するときに、センサの各々についての遅延の量を更に考慮に入れてもよい。
【0091】
[00095]段階706において、トリガ管理デバイスは、一つ又は複数の仮想エンコーダ値を生成することができる。たとえば、トリガ管理デバイスは、トリガ管理デバイスによって送信されるべきトリガの各々について仮想エンコーダ値を生成することができる。トリガ管理デバイスが仮想エンコーダを実装しない実施形態では、段階706は省略されてもよい。
【0092】
[00096]段階708において、トリガ管理デバイスは、トリガをセンサに送信することができる。特に、トリガ管理デバイスは、段階704で決定された時間にトリガを送信することができる。トリガ管理デバイスが仮想トリガを実装する実施形態において、トリガ管理デバイスは、捕捉されたセンサデータを、対応する仮想エンコーダ値に関連付けるために、センサのための対応するトリガを有する仮想エンコーダ値を更に含んでもよい。
【0093】
[00097]段階710において、トリガ管理デバイスは、エンコーダ(エンコーダ102(
図1)および/またはエンコーダ210(
図2)など)からエンコーダデータを捕捉することができる。特に、トリガ管理デバイスは、トリガ管理デバイスによって送信されたトリガの各々に対応する時間にエンコーダデータを捕捉することができる。たとえば、トリガ管理デバイスは、各トリガの後の一定時間に捕捉手順を実施することができ、ここで、一定時間は、トリガが送信されるセンサの遅延量に等しい。
【0094】
[00098]段階712において、トリガ管理デバイスは、仮想エンコーダ値を、捕捉されたエンコーダデータに関連付けることができる。特に、トリガ管理デバイスは、トリガに応答して捕捉されたエンコーダデータを、トリガに対応する仮想エンコーダ値に関連付けることができる。トリガ管理デバイスが仮想エンコーダを実装しない実施形態では、段階712は省略されてもよい。
【0095】
[00099]段階714において、トリガ管理デバイスは、捕捉されたエンコーダデータを監視デバイスに提供することができる。トリガ管理デバイスは、エンコーダデータの捕捉が完了する際、設定された時間間隔で、監視デバイスからの要求に応答して、またはそれらの何らかの組合せで、捕捉されたエンコーダデータを監視デバイスに提供することができる。トリガ管理デバイスが仮想エンコーダを実装する実施形態において、トリガ管理デバイスは、関連付けられた仮想エンコーダ値とともに、捕捉されたエンコーダデータを送信してもよい。さらに他の実施形態において、トリガ管理デバイスは、捕捉されたエンコーダデータを、場合によっては他のデータとともに、更なる処理のために複数の監視デバイスおよび/または他のモジュールなどの複数のデバイスに提供することができる。
【0096】
[000100]開示されたデバイスおよび関連する方法の開示された実施形態において、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、上記で開示された実施形態の修正および変形が任意の請求項およびそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、それらの修正および変形を包含することが意図される。