(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】線状体保持構造及びアタッチメント
(51)【国際特許分類】
H02G 11/00 20060101AFI20221101BHJP
F16G 13/16 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H02G11/00 060
F16G13/16
(21)【出願番号】P 2017241431
(22)【出願日】2017-12-18
【審査請求日】2020-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000115245
【氏名又は名称】ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】井上 龍起
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-333738(JP,A)
【文献】特開平9-22621(JP,A)
【文献】特開平8-159220(JP,A)
【文献】特開2009-23030(JP,A)
【文献】特開2000-161447(JP,A)
【文献】特開2017-150580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
F16G 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に移動する部分の間に介装される可撓性の線状体を保持する線状体保持構造であって、前記線状体がベルトと一体化され、前記ベルトは、通電可能な心線を有し、相対的に移動する部分の間に介装される給電ケーブルと兼用され
、前記ベルトに、その長手方向に沿って複数のアタッチメントが装着され、該アタッチメントに、線状体をスライド自在に保持する保持穴が形成されたことを特徴とする線状体保持構造。
【請求項2】
前記ベルトが歯付ベルトとされ、
前記アタッチメントは、前記歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止して装着され、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの一方に位置する部位が、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定され、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの他方に位置する部位が、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと離間する大きさに設定されたことを特徴とする請求項
1に記載の線状体保持構造。
【請求項3】
前記他方に位置する部位は、前記歯付ベルトを厚さ方向に所定の最小径で湾曲させた湾曲状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定されたことを特徴とする請求項
2に記載の線状体保持構造。
【請求項4】
相対的に移動する部分の間に介装される可撓性の線状体を保持する線状体保持構造であって、
歯付ベルトに、その長手方向に沿って複数のアタッチメントが装着され、該アタッチメントに、線状体をスライド自在に保持して歯付ベルトと一体化する保持穴が形成され、
前記アタッチメントは、前記歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止して装着され、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの一方に位置する部位が、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定され、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの他方に位置する部位が、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと離間すると共に、前記歯付ベルトを厚さ方向に所定の最小径で湾曲させた湾曲状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定されたことを特徴とする線状体保持構造。
【請求項5】
前記線状体は、流体を収容する配管用チューブとされたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の線状体保持構造。
【請求項6】
相対的に移動する部分の間に介装される可撓性の線状体を保持する線状体保持構造であって、前記線状体がベルトと一緒に被覆チューブで覆われて前記ベルトと一体化され
、前記線状体は、流体を収容する配管用チューブとされたことを特徴とする線状体保持構造。
【請求項7】
前記ベルトは、通電可能な心線を有し、相対的に移動する部分の間に介装される給電ケーブルと兼用されたことを特徴とする請求項6に記載の線状体保持構造。
【請求項8】
前記線状体は、給電用や通信用のキャブタイヤケーブルとされたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の線状体保持構造。
【請求項9】
前記線状体は、ベルトの側方に配置されたことを特徴とする請求項1~
8のいずれかに記載の線状体保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に移動する部分の間に介装される可撓性の線状体を保持する線状体保持構造、及びこれに装着されるアタッチメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、アームなどの移動自在な部分にエアーチャック付きの作業装置を装備した機械設備では、コンプレッサーを配設した固定フレームと移動自在なスライダーとの間など、相対的に移動する部分の間に空気を送る配管用チューブを介装して、移動するエアーチャックに空気圧を伝えるようになっている。
【0003】
図10に示すように、このような機械設備について、例えば、特許文献1は、相対的に移動する部分101、102をフレキシブルチューブ103で接続し、その内部に配管用チューブ(エアー配管)やケーブルなどの可撓性の線状体を配設するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-201791号公報(請求項1、
図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の線状体は、十分な大きさのフレキシブルチューブに内装したものであり、そのフレキシブルチューブが装置のコンパクト化や省スペース化を阻害するおそれがある。
【0006】
特に、線状体のうちの配管用チューブは、管状であるため、過度に小さな曲率半径で曲げてコンパクト化及び省スペース化を図ろうとすると、その湾曲部の中央で、配管用チューブを押し潰して中央穴を塞ぐように折れ曲がり、空気などを送ることができなくなる。
【0007】
本発明は、湾曲部の折れ曲がりを防止しつつ、コンパクト化や省スペース化を図ることのできる線状体保持構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る線状体保持構造は、相対的に移動する部分の間に介装する可撓性の線状体を保持するものであり、線状体をベルトと一体化したものである。
【0009】
上記構成によれば、線状体をベルトと一体化して保持するので、可撓性の線状体を内装して保持するためのフレキシブルチューブを不要にして、線状体保持構造のコンパクト化や省スペース化を図ることができる。しかも、小さい曲率半径で曲げたとしても、ベルトが突然に折れ曲がるということがないので、このベルトと一体化することにより、線状体の折れ曲がりを防止することができる。
【0010】
また、ベルトを、通電可能な心線を有するものとし、相対的に移動する部分の間に介装される給電ケーブルと兼用するようにしてもよい。
【0011】
この構成によると、線状体と一体化するベルトを通電可能な心線を有するものとして、そのベルトを給電ケーブルとしても用いるので、専用の給電ケーブルを省略しつつ、線状体を介して、例えば流体や流体圧、電力、通信情報を送ると共に、ベルトを介して給電することができる。
【0012】
また、線状体をベルトの側方に配置するようにしてもよい。
【0013】
この構成によると、線状体とベルトとを厚さ方向に重ねることなく、幅方向に並設するので、線状体保持構造の全体の厚さを薄くして、線状体保持構造のコンパクト化や省スペース化を図ることができる。
【0014】
また、ベルトに、その長手方向に沿って複数のアタッチメントを装着し、このアタッチメントに、線状体をスライド自在に保持する保持穴を形成するようにしてもよい。
【0015】
この構成によると、ベルトにアタッチメントを装着して、その保持穴で線状体を保持するので、線状体をベルトと容易に一体化することができる。しかも、線状体をスライド自在に保持する分、線状体とベルトとの曲げ中心線のずれによって線状体保持構造の曲げが阻害されるのを防止することができる。
【0016】
また、ベルトを歯付ベルトとして、アタッチメントを、歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止して装着し、さらに、アタッチメントのうち、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの一方に位置する部位を、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定し、ベルト背面側及びベルト歯側のうちの他方に位置する部位を、歯付ベルトの直線状態で、隣接するアタッチメントと離間する大きさに設定するようにしてもよい。
【0017】
この構成によると、ベルトを歯付ベルトとした上で、この歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止してアタッチメントを装着するので、ベルトを損傷させることなく、かつ湾曲を阻害することなく、アタッチメントをそのずれを阻止可能に強固に装着することができる。
【0018】
さらに、歯付ベルトの直線状態で、アタッチメントが、ベルト背面側又はベルト歯側の一方で、隣接するアタッチメントと接触し、他方で、隣接するアタッチメントと離間するので、その他方の側を内側とする湾曲を許容しつつ、その反対向きの湾曲を阻止することができる。これにより、線状体保持構造を湾曲部位とその両側の直線部位とからなる二つ折り状態に構成し、その湾曲部位の位置を変化させながら、線状体保持構造の両端の相対的な移動に追随させることができ、線状体保持構造のコンパクト化及び省スペース化を図ることができる。
【0019】
また、アタッチメントのうち、ベルト背面側又はベルト歯側の前記他方に位置する部位を、歯付ベルトを厚さ方向に所定の最小径で湾曲させた湾曲状態で、隣接するアタッチメントと接触する大きさに設定するようにしてもよい。
【0020】
この構成によると、線状体保持構造を所定の最小径まで湾曲させると、前記他方に位置する部位が隣接するアタッチメントと接触するので、その湾曲部位の最小径を制限することができ、過度の湾曲による線状体の折れ曲がりを防止することができる。
【0021】
また、線状体とベルトとを被覆チューブで覆って一体化するようにしてもよい。
【0022】
この構成によると、線状体とベルトとを例えば熱収縮チューブで覆って一体化することができるので、その一体化を容易にすることができる。
【0023】
また、線状体として、流体を収容する配管用チューブを採用してもよい。
【0024】
この構成によると、線状体として、管状の配管用チューブを採用するので、その配管用チューブを過度に小さな曲率半径で曲げようとすると、突然に折れ曲がって中央穴を塞ぐように押し潰され、空気などの流体を送ることができなくなるが、上記の線状体保持構造の構成を採用することにより、湾曲部の突然の折れ曲がりを防止することができる。
【0025】
また、線状体として、給電用や通信用のキャブタイヤケーブルを採用してもよい。
【0026】
この構成によると、線状体として、可撓性のキャブタイヤケーブルを採用するので、その両端が移動することによってキャブタイヤケーブルが絡まるおそれがあるが、上記の線状体保持構造の構成を採用することにより、キャブタイヤケーブルの絡みつきを防止することができる。
【0027】
また、本発明は、ベルトに装着して、線状体とベルトとを一体化するためのアタッチメントを提供する。すなわち、本発明は、可撓性の線状体と一体化されるベルトの長手方向に沿って複数を装着され、相対的に移動する部分の間に介装される線状体保持構造を構成するアタッチメントであって、前記線状体をスライド自在に保持する保持穴が形成されたことを特徴とするアタッチメントを提供する。
【0028】
この構成によると、アタッチメントを装着した上記の線状体保持構造の構成を採用することによる効果と同様の効果を奏することができる。
【0029】
また、ベルトを歯付ベルトとし、この歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止してアタッチメント装着するようにしてもよい。
【0030】
この構成によると、ベルトを歯付ベルトとした上で、この歯付ベルトを厚さ方向に挟持しつつ、そのベルト歯に係止してアタッチメントを装着するので、ベルトを損傷させることなく、かつ湾曲を阻害することなく、アタッチメントをそのずれを阻止可能に強固に装着することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のとおり、本発明によると、流体を収容する配管用チューブやキャブタイヤケーブルなどの線状体をベルトと一体化して、相対的に移動する部分の間に介装する線状体保持構造を構成している。これにより、線状体をベルトで保持することができ、線状体を内装して保持するためのフレキシブルチューブを不要にすることができる。
【0032】
しかも、線状体として配管用チューブを採用した場合に、その配管用チューブを小さい曲率半径で曲げたとしても、ベルトが突然に折れ曲がるということがないので、このベルトと一体化した配管用チューブの折れ曲がりを防止することができ、線状体保持構造のコンパクト化や省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図10】従来のフレキシブルチューブを備えた機械設備の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る線状体保持構造及びアタッチメントを実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0035】
図1に示すように、線状体保持構造1は、相対的に移動する部分2、3の間に介装して、例えば、コンプレッサーからエアーチャックに空気を送るためのものであり、通電可能な心線4を有する歯付ベルト5の側方に、流体を収容する例えばウレタン製の配管用チューブ6を配置して、歯付ベルト5と配管用チューブ6とを一体化してなり、その歯付ベルト5を例えばエアーチャックの電磁弁に給電するための給電ケーブルと兼用すると共に、例えば二つ折りに構成して、その折り返し部としての湾曲部位7の位置を変化させながら、両端の相対的な移動に追随可能としたものである。
【0036】
歯付ベルト5には、その長手方向に沿って複数のアタッチメント8が装着され、このアタッチメント8で、ベルト歯9の側を内側とする湾曲を許容しつつ、ベルト背面10の側を内側とする湾曲を規制し、さらに、アタッチメント8に形成された保持穴11により、配管用チューブ6をスライド自在に保持している。
【0037】
図1~
図8に示すように、アタッチメント8は、コ形のアタッチメント本体12とその先端に取り付けられる蓋部13とからなり、アタッチメント本体12を歯付ベルト5の歯底部分を挟むように側方から挿入して、その先端に蓋部13を取り付けることにより、歯付ベルト5を厚さ方向に挟持しつつ、ベルト歯9に係止して装着される。
【0038】
アタッチメント8のうち、ベルト背面10の側に位置させる部位14は、隣接するアタッチメント8に対向する面15を外向きに凸の曲面に設定された板状とされ、その中央の長さを歯付ベルト5の歯ピッチに等しく設定されて、歯付ベルト5の直線状態で、隣接するアタッチメント8と接触するようになっている。
【0039】
アタッチメント8のうち、ベルト歯9の側に位置させる部位16は、歯付ベルト5のベルト歯9と噛み合う断面形状とされ、隣接するアタッチメント8に対向する面17を外向きに凸の曲面に設定されている。部位16の中央の長さは、歯付ベルト5の歯ピッチよりも短く設定されて、歯付ベルト5の直線状態で、隣接するアタッチメント8と離間し、ベルト歯9の側を内側とする湾曲を可能とすると共に、隣接するアタッチメント8と接触することにより、その湾曲の最小径を制限するようになっている。
【0040】
配管用チューブ6を保持する保持穴11は、アタッチメント8の基端側に形成され、この保持穴11に挿通させることにより、配管用チューブ6を歯付ベルト5の側方に保持するようになっている。保持穴11の内周面は、配管用チューブ6を挿通させる方向にR状に形成され、配管用チューブ6が保持穴11の内周縁の角で擦れるのを防止して、配管用チューブ6をスライド自在に保持すると共に、配管用チューブ6が摩耗するのを防止している。
【0041】
蓋部13は、アタッチメント本体12の先端を連結して歯付ベルト5からの抜け出しを阻止する板状とされ、その板面に形成された係止穴18に、アタッチメント本体12の先端の爪部19を係止するようになっている。
【0042】
上記構成によれば、アタッチメント8を介して、歯付ベルト5に配管用チューブ6を一体化して保持するので、配管用チューブ6を内装して保持するためのフレキシブルチューブを不要にして、線状体保持構造のコンパクト化や省スペース化を図ることができる。
【0043】
また、アタッチメント8により、ベルト歯9の側を内側とする線状体保持構造1の湾曲を許容しつつ、ベルト背面10の側を内側とする湾曲を規制して、線状体保持構造1を例えば二つ折りに構成することができ、その折り返し部としての湾曲部位7の位置を変化させながら、部分2、3の相対的な移動に追随させることができる。
【0044】
しかも、線状体保持構造1の湾曲部位7では、アタッチメント8により、心線4の位置における歯付ベルト5の曲率半径を制限することができ、これにより、配管用チューブ6の湾曲内側に沿う曲率円20の最小径を制限して、配管用チューブ6の折れ曲がりを防止することができる。
【0045】
また、アタッチメント8の部位14、16のうち、隣接するアタッチメント8に対向する面15、17を外向きに凸の曲面に設定するので、隣接するアタッチメント8同士を点接触させることができ、線状体保持構造1のベルト幅方向への湾曲を許容して、レイアウトの自由度を高めることができる。
【0046】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、線状体保持構造1において歯付ベルト5で保持する線状体は、配管用チューブ6に代えて、給電用や通信用のキャブタイヤケーブルを採用してもよく、配管用チューブ6と共にキャブタイヤケーブルを採用してもよい。
【0047】
また、チューブ本体6が保持穴11の内周縁の角で擦れるのを防止して、配管用チューブ6をスライド自在に保持すると共に、配管用チューブ6が摩耗するのを防止するのには、保持穴11の内周面をR状に形成するだけでなく、配管用チューブ6の周囲に布を巻いて摺動抵抗を下げたり、アタッチメント8をフッ素樹脂系などの摺動抵抗の低い素材から形成したりするようにしてもよい。
【0048】
また、歯付ベルト5のベルト歯9の側を内側とする湾曲を許容しつつ、ベルト背面10の側を内側とする湾曲を規制する代わりに、ベルト歯9の側を内側とする湾曲を規制しつつ、ベルト背面10の側を内側とする湾曲を許容するようにしてもよい。また、コ形のアタッチメント本体12の先端に蓋部12を取り付ける代わりに、歯付ベルト5を表裏から挟んで一体化してもよく、歯付ベルト5の全幅ではなく、一部に止着するようにしてもよい。
【0049】
また、給電ケーブルとしての歯付ベルト5に代えて、配管用チューブ6を保持するための専用のベルトを用いてもよい。また、配管用チューブ6は、コンプレッサーからエアーチャックに空気圧を送るだけでなく、水や油、空気を収容して、水、油、空気そのものを供給するものや、水圧や油圧などを伝えるものであってもよい。
【0050】
また、
図9に示すように、歯付ベルト5と配管用チューブ6とを厚さ方向に重ねて配置して、これらを被覆チューブ21で覆って一体化して線状体保持構造22を構成するようにしてもよい。被覆チューブ21は、例えば熱収縮チューブとして、歯付ベルト5及び配管用チューブ6を収容した後、熱収縮させて全体を一体化することができる。
【0051】
この場合、被覆チューブ21の内側に導電布を配置することにより、歯付ベルト5及び配管用チューブ6との摩擦抵抗を下げて摩耗しにくくすると共に、電磁波によるノイズを低減するシールド効果を得ることができる。また、歯付ベルト5を両面帆布のあるものにすることにより、配管用チューブ6との摩擦抵抗を下げて、耐摩耗性を向上させることができ、さらに、その両面帆布を導電布とすることにより、静電気や外部からの電磁波によるノイズを低減させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 線状体保持構造
2、3 相対的に移動する部分
4 心線
5 歯付ベルト
6 配管用チューブ
7 湾曲部位
8 アタッチメント
9 ベルト歯
10 ベルト背面
11 保持穴
12 アタッチメント本体
13 蓋部
14 部位(ベルト背面側)
15 面(凸曲面)
16 部位(ベルト歯側)
17 面(凸曲面)
18 係止穴
19 爪部
20 曲率円
21 被覆チューブ
22 線状体保持構造