(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】容器処理システム
(51)【国際特許分類】
B05B 3/02 20060101AFI20221101BHJP
B05B 13/04 20060101ALI20221101BHJP
B05B 13/06 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B05B3/02 E
B05B13/04
B05B13/06
(21)【出願番号】P 2018114141
(22)【出願日】2018-06-15
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】真能 武俊
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 航平
(72)【発明者】
【氏名】森 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 正明
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 知之
(72)【発明者】
【氏名】丹生 啓佑
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0035838(US,A1)
【文献】特開平07-251927(JP,A)
【文献】米国特許第05070992(US,A)
【文献】特開平06-092346(JP,A)
【文献】特開平03-014415(JP,A)
【文献】国際公開第2017/010247(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00- 3/18,
7/00- 9/08,
12/00-12/14,
13/00-13/06
B65G 47/14,47/53
B67C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に処理を施す容器処理システムであって、
容器を列状に並べて搬送する容器搬送路を有した容器搬送機構と、前記容器搬送路の一部区画に設定された容器移送エリアの側方に設定された
第1容器処理エリア
と、前記容器移送エリアとは反対側の前記第1容器処理エリアの側方に設定された第2容器処理エリアと、容器に処理を施す容器処理機構と
、気流制御室を内部に有したチャンバーとを備え、
前記容器搬送機構は、前記容器搬送路に沿って容器を列状に並べて搬送する容器搬送手段と、前記容器移送エリアにおいて列状に並んだ複数の容器から成る容器列を前記
第1容器処理エリアに向けて移動させる
第1容器移送手段と
、前記第1容器処理エリアにおいて列状に並んだ複数の容器から成る容器列を前記第2容器処理エリアに向けて移動させる第2容器移送手段とを有し、
前記容器処理機構は、前記第1容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べて設置され各容器に処理を施す複数の第1の容器処理部と、前記第2容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べて設置され各容器に処理を施す複数の第2の容器処理部とを有し、
前記チャンバーは、前記第1容器処理エリアおよび前記第2容器処理エリアに跨って配置され、
前記チャンバーの前記気流制御室は、前記第1容器処理エリアにおいて前記気流制御室および前記チャンバーの外部を連通させる第1容器処理用開口部を容器列方向に並べて複数有するとともに、前記第2容器処理エリアにおいて前記気流制御室および前記チャンバーの外部を連通させる第2容器処理用開口部を容器列方向に並べて複数有し、
前記容器処理機構は、前記第1容器処理エリアに配置された容器列の容器に対して、前記容器を前記第1容器処理用開口部から前記チャンバー内に挿入した状態、または、前記容器を前記チャンバーの外側から前記第1容器処理用開口部に対向させた状態で、前記気流制御室の内側から処理を施すとともに、前記第2容器処理エリアに配置された容器列の容器に対して、前記容器を前記第2容器処理用開口部から前記チャンバー内に挿入した状態、または、前記容器を前記チャンバーの外側から前記第2容器処理用開口部に対向させた状態で、前記気流制御室の内側から処理を施すように構成されていることを特徴とする容器処理システム。
【請求項2】
前記
第1容器移送手段は、前記容器移送エリアの容器列を前記
第1容器処理エリアに向けて纏めて押す押し出し面を有した送り出しプッシャーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の容器処理システム。
【請求項3】
前記容器搬送機構は、前記
第1容器処理エリアにおいて列状に並んだ各容器を、容器を並べた容器列方向に位置決めするガイド手段を有し、
前記ガイド手段は、容器列方向に沿って所定間隔を開けて並べた状態で前記
第1容器処理エリアに形成され、相互間に各容器を配置させて各容器を位置決めする複数のガイド片を有することを特徴とする請求項2に記載の容器処理システム。
【請求項4】
前記各ガイド片は、前記容器移送エリア側に位置する手前側ガイド端部を有し、
容器列方向の中央側に位置する前記ガイド片の前記手前側ガイド端部よりも、容器列方向の外側に位置する前記ガイド片の前記手前側ガイド端部の方が、前記容器移送エリアから遠い位置に位置するように、前記複数のガイド片が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の容器処理システム。
【請求項5】
前記容器搬送機構は、容器ホルダに保持された状態の容器を搬送するように構成され、
前記容器搬送機構は、前記容器搬送路を搬送される前記容器ホルダに、容器が保持されているか否かを検出する容器有無センサを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の容器処理システム。
【請求項6】
前記容器搬送機構は、容器ホルダに保持された状態の容器を搬送するように構成され、
前記容器搬送機構は、容器ホルダの数量をカウントする容器ホルダ数量センサと、前記容器移送エリアの入口に設置され、前記容器ホルダ数量センサによってカウントされた容器ホルダの数量を基に前記容器移送エリアへの容器の移動を阻止する容器ストッパーとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の容器処理システム。
【請求項7】
前記容器搬送機構は、前記容器移送エリアにおける容器列の整列位置を確認する整列確認センサを有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器処理システム。
【請求項8】
前記容器処理機構は、前記
第1容器処理エリアにおいて容器の内壁面に塗布剤を塗布する塗布装置と
、前記第2容器処理エリアにおいて容器内のミストを回収するミスト回収装置とを有
することを特徴とする請求項1乃至請求項
7のいずれかに記載の容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に処理を施す容器処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック等から成る容器に各種処理を施す容器処理システムとして、マヨネーズ様食品のような粘稠な内容物の滑落性を向上させる塗布剤を、容器内壁面に塗布する塗布装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の塗布装置は、容器内部に挿入されたスプレーノズルから塗布剤を噴出することで、容器内壁面に塗布剤を塗布するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されるような塗布装置は、容器に対して塗布処理を行う度に、容器内部に対するスプレーノズルの挿入・抜き出しを行う必要があるため、各容器に対する処理に時間が掛かるという性質を有しており、このような塗布装置を、ベルトコンベア等によって単列状に容器を搬送する容器製造ラインの途中に組み込もうとすると、容器の製造速度が遅くなってしまう、製造ラインが長大になってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、容器の処理速度を向上させ、コンパクトな製造ラインとすることが可能な容器処理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器に処理を施す容器処理システムであって、容器を列状に並べて搬送する容器搬送路を有した容器搬送機構と、前記容器搬送路の一部区画に設定された容器移送エリアの側方に設定された第1容器処理エリアと、前記容器移送エリアとは反対側の前記第1容器処理エリアの側方に設定された第2容器処理エリアと、容器に処理を施す容器処理機構と、気流制御室を内部に有したチャンバーとを備え、前記容器搬送機構は、前記容器搬送路に沿って容器を列状に並べて搬送する容器搬送手段と、前記容器移送エリアにおいて列状に並んだ複数の容器から成る容器列を前記第1容器処理エリアに向けて移動させる第1容器移送手段と、前記第1容器処理エリアにおいて列状に並んだ複数の容器から成る容器列を前記第2容器処理エリアに向けて移動させる第2容器移送手段とを有し、前記容器処理機構は、前記第1容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べて設置され各容器に処理を施す複数の第1の容器処理部と、前記第2容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べて設置され各容器に処理を施す複数の第2の容器処理部とを有し、前記チャンバーは、前記第1容器処理エリアおよび前記第2容器処理エリアに跨って配置され、前記チャンバーの前記気流制御室は、前記第1容器処理エリアにおいて前記気流制御室および前記チャンバーの外部を連通させる第1容器処理用開口部を容器列方向に並べて複数有するとともに、前記第2容器処理エリアにおいて前記気流制御室および前記チャンバーの外部を連通させる第2容器処理用開口部を容器列方向に並べて複数有し、前記容器処理機構は、前記第1容器処理エリアに配置された容器列の容器に対して、前記容器を前記第1容器処理用開口部から前記チャンバー内に挿入した状態、または、前記容器を前記チャンバーの外側から前記第1容器処理用開口部に対向させた状態で、前記気流制御室の内側から処理を施すとともに、前記第2容器処理エリアに配置された容器列の容器に対して、前記容器を前記第2容器処理用開口部から前記チャンバー内に挿入した状態、または、前記容器を前記チャンバーの外側から前記第2容器処理用開口部に対向させた状態で、前記気流制御室の内側から処理を施すように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本請求項1に係る発明によれば、容器を列状に並べて搬送する容器搬送路を有した容器搬送機構と、容器搬送路の一部区画に設定された容器移送エリアの側方に設定された容器処理エリアにおいて、容器に処理を施す容器処理機構とを備え、容器搬送機構が、容器搬送路に沿って容器を列状に並べて搬送する容器搬送手段と、容器移送エリアにおいて列状に並んだ複数の容器から成る容器列を容器処理エリアに向けて移動させる容器移送手段とを有している。これにより、容器移送エリアから容器処理エリアに複数の容器を列単位で纏めて送り出し、容器処理エリアにおいて複数の容器に対して一括して処理を施すことが可能であるため、装置構成を複雑にすることなく、容器の処理速度を向上させることができる。
【0009】
本請求項2に係る発明によれば、容器移送手段が、容器移送エリアの容器列を容器処理エリアに向けて纏めて押す押し出し面を有した送り出しプッシャーを備えていることにより、容器処理エリアにおいて、送り出しプッシャーによる押し出し方向に、容器の位置を揃えることが可能であるため、容器処理機構によって複数の容器に対して適切に処理を施すことができる。
本請求項3に係る発明によれば、容器搬送機構が、容器処理エリアにおいて列状に並んだ各容器を、容器を並べた容器列方向に位置決めするガイド手段を有し、ガイド手段が、容器列方向に沿って所定間隔を開けて並べた状態で容器処理エリアに形成され、相互間に各容器を配置させて各容器を位置決めする複数のガイド片を有していることにより、容器処理エリアにおいて、容器列方向にも各容器を位置決めすることが可能であるため、容器処理機構によって複数の容器に対して適切に処理を施すことができる。
本請求項4に係る発明によれば、各ガイド片が、容器移送エリア側に位置する手前側ガイド端部を有し、容器列方向の中央側に位置するガイド片の手前側ガイド端部よりも、容器列方向の外側に位置するガイド片の手前側ガイド端部の方が、容器移送エリアから遠い位置に位置するように、複数のガイド片が形成されていることにより、容器列方向の中央側から外側に向けて各容器を徐々に分散させつつ、各ガイド片間に各容器を円滑に押し込むことができる。
本請求項5に係る発明によれば、容器搬送機構が、容器搬送路を搬送される容器ホルダに、容器が保持されているか否かを検出する容器有無センサを有することにより、容器を保持していない容器ホルダが容器処理エリアに送られ、容器を保持していない容器ホルダに対して、塗布剤を噴出する等の処理が施されることを回避できるため、塗布剤等によって容器ホルダが汚されることを防止できる。
本請求項6に係る発明によれば、容器搬送機構が、容器ホルダの数量をカウントする容器ホルダ数量センサと、容器移送エリアの入口に設置され、容器ホルダ数量センサによってカウントされた容器ホルダの数量を基に容器移送エリアへの容器の移動を阻止する容器ストッパーとを有していることにより、所定数の容器を容器移送エリアに送り込み、容器移送エリアから容器処理エリアへの移送を適切に行うことができる。
本請求項7に係る発明によれば、容器搬送機構が、容器移送エリアにおける容器列の整列位置を確認する整列確認センサを有することにより、容器移送エリアから容器処理エリアへの移送を適切に行うことができる。
本請求項1に係る発明によれば、容器処理機構が、容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べて配置され各容器に処理を施す複数の容器処理部を有することにより、容器処理エリアにおいて容器列方向に沿って並べられた容器に対して一括して処理を施すことが可能であるため、容器の処理時間を短縮することができる。
本請求項8に係る発明によれば、容器処理機構が、容器処理エリアにおいて容器の内壁面に塗布剤を塗布する塗布装置と、容器移送エリアとは反対側の容器処理エリアの側方に設定された第2容器処理エリアにおいて容器内のミストを回収するミスト回収装置とを有し、容器搬送機構が、塗布装置用の容器処理エリアの容器列を、ミスト回収装置用の第2容器処理エリアに向けて移動させる第2容器移送手段を有している。これにより、複数の容器に対して一括して塗布処理を施した後に、複数の容器に対して一括してミスト回収処理を施すことが可能であるため、装置構成を複雑にすることなく、容器の処理速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る容器処理システムを示す斜視図。
【
図5】容器移送エリアに容器列を移動させた状態を示す説明図。
【
図6】第1容器処理エリアに容器列を移動させた状態を示す説明図。
【
図7】容器移送エリア、各容器処理エリアに容器列を配置した状態を示す説明図。
【
図8】チャンバーおよび容器処理機構を断面視して示す説明図。
【
図17】塗布剤の噴出量推定方法を説明するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態である容器処理システム10について、図面に基づいて説明する。
【0012】
まず、容器処理システム10は、容器Cに各種処理を施すものであり、本実施形態では、マヨネーズ様食品のような粘稠な内容物を入れる容器Cの内壁面に、内容物の滑落性を向上させる塗布剤を塗布する塗布処理と、容器C内のミスト(霧化した塗布剤等)を回収するミスト回収処理とを施すものである。
【0013】
容器処理システム10は、
図1等に示すように、容器Cを搬送する容器搬送機構20と、気流制御室35を内部に有したチャンバー30と、容器Cに対して塗布処理を施す塗布装置50および容器Cに対してミスト回収処理を施すミスト回収装置60を有した容器処理機構40と、チャンバー30に接続され、気流制御室35内の気体を吸引する吸引機構70と、CPU、ROM、RAM等を有したPLCやパーソナルコンピューター等から構成され各部を制御する制御部とを備えている。
【0014】
以下に、容器処理システム10の各構成要素について具体的に説明する。
【0015】
なお、以下の説明で用いる「容器搬送方向」は、後述する容器搬送手段21によって容器Cを搬送する方向であり、また、「容器移送方向」は、後述する容器移送手段22、23によって容器Cを移送する方向であり、また、「容器列方向」は、後述する各エリアA1~A3において複数の容器Cを並べた方向である。
【0016】
まず、容器搬送機構20は、上方に開口した容器ホルダH内で保持された状態の容器Cを搬送するものであり、
図4に示すように、容器搬送路21aに沿って容器Cを列状に並べて搬送する容器搬送手段21と、容器搬送路21aの一部区画(本実施形態では、容器搬送路21aの下流区間)に設定された容器移送エリアA1において列状に並んだ複数の容器Cから成る容器列を、容器Cに対して塗布処理を施す第1容器処理エリアA2に向けて移動させる第1容器移送手段22と、第1容器処理エリアA2の容器列を、容器Cに対してミスト回収処理を施す第2容器処理エリアA3に向けて移動させる第2容器移送手段23と、第2容器処理エリアA3の容器列を下流側に向けて押し出すレバー24とを備えている。
【0017】
容器搬送手段21は、
図1や
図4に示すように、容器Cを単列状に並べて搬送するベルトコンベアから構成され、このベルトコンベアの上面が、直線状に延びた容器搬送路21aを構成する。
第1容器移送手段22は、
図4に示すように、容器移送方向に沿って移動可能に設けられ、容器移送エリアA1の容器列を第1容器処理エリアA2に向けて纏めて押して移動させる第1送り出しプッシャー22aを有している。この第1送り出しプッシャー22aは、平坦面状の押し出し面22bを有している。押し出し面22bは容器ホルダHの外形形状に沿った形状としてもよい。この場合、押し出し面22bに、複数の容器ホルダHを容器列方向に振り分けて位置決めする機能を担わせることもできる。
第2容器移送手段23は、
図4に示すように、容器移送方向(および上下方向)に移動可能に設けられ、第1容器処理エリアA2の容器列を第2容器処理エリアA3に向けて押して移動させる複数の第2送り出しプッシャー23aを有している。これら第2送り出しプッシャー23aは、
図5、6から分かるように、容器列を容器移送エリアA1から第1容器処理エリアA2に移動させる際に、容器移送方向に容器列を位置決めする機能も担っている。
送り出しプッシャー22a、23aやレバー24は、電動式や油圧駆動式やエアー駆動式等の各種アクチュエータや各種モータ等から構成された駆動源によって駆動される。
【0018】
また、容器搬送機構20は、上述した以外の構成要素として、
図4に示すように、第1容器処理エリアA2において列状に並んだ各容器Cを容器列方向に位置決めするガイド手段25と、容器搬送路21aの周辺に設置された容器有無センサ26と、容器移送エリアA1の入口付近に設置された容器ホルダ数量センサ27と、容器移送エリアA1の周辺に設置された整列確認センサ28と、容器移送エリアA1の入口に設置された容器ストッパー29Aと、容器移送エリアA1の下流端に設置され、容器Cの下流側への移動を規制するストッパー29Bとを備えている。
【0019】
ガイド手段25は、
図4に示すように、複数のガイド片25aを有し、これら複数のガイド片25aは、容器列方向に沿って所定間隔を開けて並べた状態で第1容器処理エリアA2に配置されている。
各ガイド片25aは、容器移送エリアA1側に位置する手前側ガイド端部25bを有しており、容器列方向の中央側に位置するガイド片25aの手前側ガイド端部25bよりも、容器列方向の外側に位置するガイド片25aの手前側ガイド端部25bの方が、容器移送エリアA1から遠い位置に位置するように、複数のガイド片25aが形成されている。
【0020】
容器有無センサ26は、容器搬送路21aを搬送される容器ホルダHに容器Cが保持されているか否かを検出するものである。容器有無センサ26によって、容器ホルダHに容器Cが保持されていないことが検出された場合には、容器処理システム10の運転が停止されるように構成されている。
容器ホルダ数量センサ27は、容器移送エリアA1に送られる容器ホルダHの数量をカウントするものである。この容器ホルダ数量センサ27によってカウントされた容器ホルダHの数量を基に、容器ストッパー29Aが容器移送エリアA1への容器ホルダHの移動を阻止するように構成されている。
整列確認センサ28は、容器移送エリアA1における容器列の整列位置を確認するものである。整列確認センサ28によって、容器移送エリアA1における容器列の整列位置に乱れが生じていることが検出された場合には、容器処理システム10の運転が停止されるように構成されている。
【0021】
次に、チャンバー30について以下に説明する。
【0022】
チャンバー30は、第1容器処理エリアA2および第2容器処理エリアA3に跨って配置され、その内部において容器Cに対して各種処理(塗布処理、ミスト回収処理)を施すものであり、本実施形態では、
図1~3に示すように、複数(4つ)のチャンバー30が容器列方向に沿って並べて配置されている。
【0023】
各チャンバー30は、
図8に示すように、金属等から形成されたチャンバー本体31と、合成樹脂等から形成されたセンタリングガイド32および取付キャップ34とから構成されている。
【0024】
各チャンバー本体31は、
図8等に示すように、第1容器処理エリアA2において、容器列方向に並べて複数(2つ)形成された第1本体開口部31aと、第1容器処理エリアA2よりも容器移送方向の奥側の第2容器処理エリアA3において、容器列方向に並べて複数(2つ)形成された第2本体開口部31bとを、その下面に有している。
また、各チャンバー本体31は、
図8等に示すように、第1容器処理エリアA2において、容器列方向に並べて複数(2つ)形成された第3本体開口部31cと、第2容器処理エリアA3において、容器列方向に並べて複数(2つ)形成された第4本体開口部31dとを、その上面に有している。
第1本体開口部31aと第3本体開口部31cとは、
図8等に示すように、上下方向に対向する位置に形成され、また、第2本体開口部31bと第4本体開口部31dとは、上下方向に対向する位置に形成されている。
【0025】
センタリングガイド32は、略円筒状に形成され、
図8等に示すように、チャンバー本体31の第1本体開口部31aおよび第2本体開口部31b内に挿入されて固定され、容器処理時に、容器Cの一部を挿入させる筒状部として機能する部位である。
センタリングガイド32は、
図8等に示すように、チャンバー本体31の底壁よりもチャンバー本体31の内側(上側)に突出して配置された内側突出部32aと、チャンバー本体31の底壁よりもチャンバー本体31の外側(下側)に突出して配置された外側突出部32bとを有している。
内側突出部32aは、
図8等に示すように、後述する液体受け部38の周壁の一部を構成する。
外側突出部32bには、
図8等に示すように、センタリングガイド32内に容器Cを挿入させた状態で、センタリングガイド32の内周側と容器Cの外周側との間に外気を取り入れるための通気部32cが形成されている。
図8等に示す例では、通気部32cは、センタリングガイド32の内外に貫通する通気孔として形成され、この通気部32cとしての通気孔は、センタリングガイド32内とチャンバー30外とを連通させる位置に配置されている。なお、通気部32cの具体的態様については、上記の通気孔に限定されず、センタリングガイド32の内周側と容器Cの外周側との間に外気を取り入れることが可能なものであれば如何なるものでもよく、例えば、
図18に示すように、センタリングガイド32の内周面に形成された凹部であってもよい。
図18に示す例では、通気部32cとしての凹部は、センタリングガイド32の内周面の下端に達し、また、周方向に等間隔で複数形成されている。
【0026】
第1容器処理エリアA2に配置されたセンタリングガイド32は、
図8等に示すように、開口部を有し、当該開口部は、塗布装置50による容器処理時に容器Cを挿入させる第1容器処理用開口部36として機能する。
また、第2容器処理エリアA3に配置されたセンタリングガイド32は、
図8等に示すように、開口部を有し、当該開口部は、ミスト回収装置60による容器処理時に容器Cを挿入させる第2容器処理用開口部37として機能する。
各容器処理用開口部36、37は、チャンバー30の下方に開口して形成され、気流制御室35およびチャンバー30の外部を連通させるように形成されている。
各容器処理用開口部36、37は、
図8等に示すように、共通の気流制御室35に連通している。
各容器処理用開口部36、37の大きさは、
図10等に示すように、容器Cの挿入時に、容器Cの一部のみ(容器口部側の容器Cの上側部分のみ)を通過させることが可能な大きさで形成されている。
【0027】
取付キャップ34は、
図8等に示すように、第3本体開口部31cおよび第4本体開口部31dに嵌められた状態で取り付けられている。
各取付キャップ34は、気流制御室35に面する下面側に、容器処理用開口部36、37の上方位置において、上方から下方に向けてテーパ状に拡径するチャンバー内面34aを有している。
各取付キャップ34は、その中央部に、上下方向に貫通する貫通孔34bを有している。
貫通孔34bは、後述するスプレーノズル51または気体噴出ノズル61を上下方向に挿通させるものである。
【0028】
チャンバー30は、
図8等に示すように、気流制御室35の下方位置に形成された形成された液体受け部38と、液体受け部38に溜まった液体をチャンバー30外に排出するためのダクトとを有している。
液体受け部38は、チャンバー本体31の底壁や側壁およびセンタリングガイド32の内側突出部32a等から構成され、チャンバー本体31内の塗布剤を貯留可能な空間である。
ダクトは、チャンバー本体31と後述するミスト用ボックス72とを接続している。
【0029】
次に、容器処理機構40について以下に説明する。
【0030】
容器処理機構40は、
図1や
図8等に示すように、第1容器処理エリアA2において、容器Cの内壁面に塗布剤を塗布する塗布装置50と、容器移送エリアA1とは反対側の第1容器処理エリアA2の側方に設定された第2容器処理エリアA3において、容器C内のミストを回収するミスト回収装置60と、チャンバー30と容器Cとを相対的に接近させる接近手段としての上下動駆動部41とを備えている。
【0031】
塗布装置50は、
図8や
図16等に示すように、容器Cの内壁面に向けて塗布剤を噴出可能な容器処理部としてのスプレーノズル51と、スプレーノズル51に形成された塗布剤噴出路51aへの塗布剤の供給を制御する供給制御手段52と、スプレーノズル51を駆動するノズル駆動手段と、スプレーノズル51からの塗布剤の噴出量を推定する噴出量推定手段53とを有している。
【0032】
スプレーノズル51は、
図2や
図11等に示すように、第1容器処理エリアA2において容器列方向に沿って並べて複数配置され、第1本体開口部31aからチャンバー30内に挿入された容器Cに対して、気流制御室35の内側から処理を施すものである。
各スプレーノズル51は、ノズル駆動手段によって、上下方向に移動可能、かつ、スプレーノズル51の軸線を中心として回転可能に構成され、
図11等に示すように、塗布処理時に、取付キャップ34の貫通孔34bを通して容器C内に挿入され、容器C内において上下動かつ回転しながら、内容物の滑落性を向上させる塗布剤を容器Cの内壁面に塗布するように構成されている。
なお、塗布処理時には、吸引機構70によって気流制御室35内の気体が吸引されるため、容器Cから飛散した余分な塗布剤が吸引されて除去される。
【0033】
ノズル駆動手段は、スプレーノズル51を駆動するものであり、電動式や油圧駆動式やエアー駆動式等の各種アクチュエータや各種モータ等から構成されている。
【0034】
供給制御手段52は、
図16に示すように、塗布剤を循環させる循環路52aと、塗布剤タンク52eと、ポンプ52fと、開閉可能なバルブ52gとを有している。
【0035】
循環路52aは、
図16に示すように、複数のスプレーノズル51に共通して設けられたメイン管路52bと、各スプレーノズル51毎に形成され、メイン管路52bに接続された往路52cおよび復路52dとを有している。
塗布剤タンク52eおよびポンプ52fは、メイン管路52bに接続され、バルブ52gは、塗布剤噴出路51aと循環路52a(往路52cおよび復路52d)との間に設置されている。
【0036】
供給制御手段52は、通常時には閉じた状態のバルブ52gを、塗布処理時に開放することにより、循環路52a内における塗布剤の圧を利用して、循環路52aを循環する塗布剤を塗布剤噴出路51aに供給し、スプレーノズル51から塗布剤を噴出させるように構成されている。
【0037】
噴出量推定手段53は、循環路52aにおける塗布剤の圧力変化を計測する圧力センサ53aと、圧力センサ53aに接続された推定部53bと、塗布剤の流量を絞る絞り弁53cを有している。
【0038】
本実施形態では、
図16に示すように、圧力センサ53aが、各往路52cに取り付けられ、各往路52cにおける塗布剤の圧力変化を計測するように構成されている。
推定部53bは、CPU、ROM、RAM等を有したPLCやパーソナルコンピューター等から構成され、圧力センサ53aによって計測された塗布剤の圧力値の変化を基に得られた、スプレーノズル51からの塗布剤の噴出時(バルブ52gのON時)における、噴出前からの圧力低下の積算値(すなわち、
図17に示すS部分の面積値)から、塗布剤の噴出量を推定する。
そして、推定部53bは、圧力低下の積算値(塗布剤の噴出量の推定値)と予め設定した閾値とを比較することで、スプレーノズル51の詰まり等の不具合の発生を検知する。
絞り弁53cは、各往路52cの圧力センサ53aの上流側と、各復路52dに設けられている。絞り弁53cにより塗布剤の流量を絞ることで、ごく微量の塗布剤を塗布する場合であっても、塗布剤の噴出時の圧力低下が大きくなり、塗布剤の噴出量を推定がより容易になる。
【0039】
図17はスプレーノズル51からの塗布剤の噴出時における圧力センサ53aによって計測された塗布剤の圧力値の変化を表している。
塗布剤の噴出前の圧力値はある一定の値で推移しているが、噴出が開始すると瞬時に圧力値が大きく下がり、その後噴出中は徐々に低下し、そして、噴出が停止すると圧力値は噴出前の値に戻る。
この時、圧力低下の積算値(
図17のS部分の面積値)と塗布剤の噴出量には相関関係があるため、S部分の面積値から塗布剤の噴出量の推定が可能である。
スプレーノズル51の詰まり等で塗布剤の噴出量が低下した場合、噴出時の圧力低下は小さくなるため、S部分の面積値は小さくなる。
よって、S部分の面積値を監視することで、塗布剤の噴出量の異常を検知することができる。
従来の技術として、塗布剤の噴出中のあるタイミングでの圧力値を検出して、噴出量の異常を検知する方法があるが、従来の方法では、噴出中に噴出量の異常が起きた場合に圧力値の検出タイミングによっては、異常を検知できない可能性がある。
本実施形態の方法によれば、噴出中の圧力低下の積算値で塗布量を推定できるため、噴出中に塗布量の異常が発生した場合でも正確に異常を検知することができる。
【0040】
ミスト回収装置60は、
図8等に示すように、容器Cの内部に気体を噴出可能な容器処理部としての気体噴出ノズル61を有し、吸引機構70によって気流制御室35内の気体が吸引された状態で、塗布処理を施された後の容器Cの内部に気体噴出ノズル61を挿入して容器C内にエアー等の気体を噴出することで、容器C内から余分なミスト状の塗布剤を追い出して除去するように構成されている。
【0041】
気体噴出ノズル61は、第2容器処理エリアA3において容器列方向に沿って並べて複数配置され、第2容器処理用開口部37からチャンバー30内に挿入された容器Cに対して、気流制御室35の内側から処理を施すものである。
各気体噴出ノズル61は、
図8等に示すように、取付キャップ34の貫通孔34bを通してチャンバー30内に挿入されてチャンバー30に固定状態で取り付けられ、その先端部がチャンバー30内に配置されている。
【0042】
上下動駆動部41は、電動式や油圧駆動式やエアー駆動式等の各種アクチュエータや各種モータ等から構成され、チャンバー30を上下方向に沿って移動させるものであり、チャンバー30を下降させることにより、容器処理用開口部36、37からチャンバー30内に容器Cを挿入させるように構成されている。
なお、上下動駆動部41によって、チャンバー30に取り付けられた気体噴出ノズル61や吸引ホース71等についても、上下動するように構成されている。
【0043】
次に、吸引機構70について以下に説明する。
【0044】
吸引機構70は、チャンバー30の気流制御室35内の気体を吸引するものであり、
図8や
図15等に示すように、チャンバー30に接続される吸引ホース71と、吸引ホース71に接続されたミスト用ボックス72と、ミスト用ボックス72に接続されフィルタが設置されたミストコレクター73とを備えている。
【0045】
吸引ホース71は、容器列方向に沿って並べて配置された複数(4つ)のチャンバー30にそれぞれ接続され、これら全ての吸引ホース71は、ミスト用ボックス72に接続されている。
ミスト用ボックス72は、
図15に示すように、内部空間72aと、内部空間72a内に配置された邪魔板72bとを有している。
邪魔板72bは、内部空間72a内におけるミストの流れを規制するとともに、塗布剤を含んだミストを邪魔板72b自身に当てさせて、ミストを液体と気体とに分離するものである。
邪魔板72bによって分離された気体は、ミスト用ボックス72に接続されたダクトを通じて内部空間72a外に排出される。
邪魔板72bによって分離された液体は、ミスト用ボックス72に接続されたダクトを通じて排液回収ボックスに送られる。
また、ミストコレクター73についても、ダクトを通じて排液回収ボックスに接続されており、ミストコレクター73内のフィルタによって分離された液体は、排液回収ボックスに送られる。
【0046】
次に、本実施形態の容器処理システム10による容器処理方法について、以下に説明する。なお、以下においては、容器処理方法の理解を容易にするために、1つの容器列に対する処理を経時的に説明する。
【0047】
まず、容器ホルダH内で保持された状態の容器Cを、容器搬送手段21によって、容器移送エリアA1に向けて容器搬送路21aに沿って列状に並べて搬送する。
【0048】
次に、
図5に示すように、容器移送エリアA1に所定数(本実施形態では8つ)の容器Cを送り込んだ後、容器ストッパー29Aが閉じられ、
図6に示すように、容器移送エリアA1に送り込まれた複数の容器Cを、第1容器移送手段22の第1送り出しプッシャー22aによって押し出すことで、容器移送エリアA1から第1容器処理エリアA2に移動させる。
【0049】
この際、第1容器処理エリアA2には、容器列方向に沿って所定間隔を開けて並べた状態で複数のガイド片25aが設置されているため、第1送り出しプッシャー22aによって第1容器処理エリアA2に向けて押し出された容器C(容器ホルダH)を、ガイド片25a間に押し込み、各容器C(容器ホルダH)の位置を容器列方向に位置決めすることができる。
【0050】
次に、
図10に示すように、上下動駆動部41によって、チャンバー30を下降させ、チャンバー30の第1容器処理用開口部36内に、容器Cの上側部分を挿入させる。
【0051】
この際、第1容器処理用開口部36の大きさが、容器Cの一部のみ(容器口部側の容器Cの上側部分のみ)を通過させることが可能な大きさで形成されており、また、容器Cが水平方向において遊びを有した状態で容器ホルダHに保持されているため、第1容器処理用開口部36の中心と容器Cの中心との間に水平方向に多少にズレがある場合であっても、第1容器処理用開口部36の縁部によって容器Cを水平方向に誘導し、第1容器処理用開口部36に対して容器Cをセンタリングすることができる。
【0052】
次に、
図11に示すように、塗布装置50のスプレーノズル51を下降させて容器C内に挿入し、スプレーノズル51を容器C内において上下動かつ回転(所定角度で正逆回転)させながら、塗布剤を容器Cの内壁面に塗布する。
【0053】
この際、吸引機構70によって気流制御室35内の気体を吸引した状態であるため、余分な塗布剤は吸引されて除去される。
また、
図11に示すように、センタリングガイド32には、センタリングガイド32内とチャンバー30外とを連通させる位置に通気部32cが形成され、通気部32cを通じてセンタリングガイド32の内周側と容器Cの外周側との間に外気を取り入れることが可能であるため、吸引機構70によるチャンバー30内の気体の吸引によって、センタリングガイド32の内周部に対して容器Cが吸い付いてしまうことを回避するとともに、センタリングガイド32の内周側と容器Cの外周側との間に生じる気流によって容器Cの外面に塗布剤等の処理液が付着することを抑制できる。
【0054】
次に、
図12に示すように、上下動駆動部41によって、チャンバー30を上昇させて、チャンバー30の第1容器処理用開口部36から容器Cを相対的に抜き出す。
【0055】
次に、
図12、13から分かるように、容器移送エリアA1において容器列方向に並んだ複数の容器Cを、第2容器移送手段23の第2送り出しプッシャー23aによって押し出すことで、第1容器処理エリアA2から第2容器処理エリアA3に移動させる。
【0056】
次に、上下動駆動部41によって、チャンバー30を下降させることで、チャンバー30の第2容器処理用開口部37内に、容器Cの上側部分を挿入させるとともに、ミスト回収装置60の気体噴出ノズル61を容器Cに挿入させる。
【0057】
次に、吸引機構70によって気流制御室35内の気体が吸引した状態で、気体噴出ノズル61からエアー等の気体を噴出することで、容器C内から余分なミスト状の塗布剤を追い出して除去する。
【0058】
次に、上下動駆動部41によって、チャンバー30や気体噴出ノズル61を上昇させて、気体噴出ノズル61を容器C内から抜き出すとともに、チャンバー30の第2容器処理用開口部37から容器Cを相対的に抜き出す。
【0059】
最後に、レバー24によって、第2容器処理エリアA3に列状に並んだ複数の容器Cを下流側に向けて押し出す。
【0060】
なお、上記においては、容器処理方法の理解を容易にするために、1つの容器列に対する処理を経時的に説明したが、容器処理方法の具体的態様については、
図1、2、7に示すように、異なる容器列に対する塗布処理やミスト回収処理を同時に行ってもよい。
また、
図3、
図5~7においては、各部の構造の理解を容易にするために、容器Cの図示を省略した。
【0061】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0062】
例えば、上述した実施形態では、容器処理機構40が、塗布処理およびミスト回収処理を施すものであるものとして説明したが、容器処理機構40による容器Cに対する具体的な処理内容は、上記に限定されず、例えば容器Cに対する洗浄処理を行うように容器処理機構40を構成してもよく、この場合、容器Cに吹き付けられる処理液は水等の洗浄水になる。
【0063】
また、上述した実施形態では、容器Cがマヨネーズ様食品のような粘稠な内容物が充填されるプラスチック容器であるものとして説明したが、容器Cの具体的態様や用途は、如何なるものでもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、容器処理システム10が、容器処理用開口部36、37からチャンバー30内に挿入された容器Cに対して、チャンバー30内において各種処理を施すように構成されているものとして説明した。しかしながら、容器処理システム10が、チャンバー30内に容器Cを挿入させることなく、チャンバー30の外側から容器処理用開口部36、37に対向させた容器Cに対して、気流制御室35の内側から各種処理を施すように構成されていてもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、容器処理用開口部36、37は、チャンバー30の下方に開口するように形成されているものとして説明したが、容器処理用開口部36、37の開口方向は如何なるものでもよく、例えば、容器処理用開口部36、37をチャンバー30の側方に開口するように形成してもよく、また、容器処理用開口部36、37をチャンバー30の上方に開口するように形成してもよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、接近手段が、チャンバー30等を上下動させる上下動駆動部41から構成されているものとして説明したが、接近手段の具体的態様は、チャンバー30と容器Cとを相対的に接近させることが可能なものであれば如何なるものでもよく、例えば、接近手段が、容器Cを移動させて、チャンバー30と容器Cとを相対的に接近させるように構成されていてもよく、また、容器Cおよびチャンバー30の両方を移動させて、チャンバー30と容器Cとを相対的に接近させるように構成されていてもよい。
また、接近手段によるチャンバー30または容器Cの移動方向についても、上下方向に限定されない。
【0067】
また、上述した実施形態では、容器搬送手段21が、ベルトコンベアから構成されているものとして説明したが、容器搬送手段21の具体的態様は、容器Cを搬送可能なものであれば、如何なるものでよく、例えば、ターレットを用いたもの等であってもよい。
また、上述した実施形態では、容器移送手段22、23が、送り出しプッシャー22a、23aを用いて容器Cを移送するものとして説明したが、容器移送手段22、23の具体的態様は、容器Cを移送可能なものであれば、如何なるものでもよく、例えば、容器Cを把持して容器移送方向に移動させるもの等であってもよい。
また、上述した実施形態では、容器搬送路21aにおいて容器Cを単列状に並べて搬送されるものとして説明したが、容器搬送路21aにおいて容器Cを2列以上の複列状に並べて搬送してもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、容器搬送機構20が、容器ホルダHに保持された状態の容器Cを搬送するものとして説明したが、容器ホルダHに保持されていない状態の容器Cを直接ハンドリングするように、容器搬送機構20を構成してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、スプレーノズル51は、ノズル駆動手段によってチャンバー30に対して移動可能であるものとして説明したが、気体噴出ノズル61と同様に、スプレーノズル51をチャンバー30に対して固定状態で設置してもよい。
また、スプレーノズル51と同様に、気体噴出ノズル61をノズル駆動手段によってチャンバー30に対して移動可能に構成してもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、容器列方向と容器搬送方向とが互いに平行な方向であり、また、容器列方向および容器搬送方向と容器移送方向とが互いに直交する方向であるものとして説明した。しかしながら、容器列方向と容器搬送方向とを非平行に設定してもよく、また、容器列方向や容器搬送方向に対して容器移送方向を90°以外の角度で交差するように設定してもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 ・・・ 容器処理システム
20 ・・・ 容器搬送機構
21 ・・・ 容器搬送手段
21a ・・・ 容器搬送路
22 ・・・ 第1容器移送手段
22a ・・・ 第1送り出しプッシャー
22b ・・・ 押し出し面
23 ・・・ 第2容器移送手段
23a ・・・ 第2送り出しプッシャー
24 ・・・ レバー
25 ・・・ ガイド手段
25a ・・・ ガイド片
25b ・・・ 手前側ガイド端部
26 ・・・ 容器有無センサ
27 ・・・ 容器ホルダ数量センサ
28 ・・・ 整列確認センサ
29A ・・・ 容器ストッパー
29B ・・・ ストッパー
30 ・・・ チャンバー
31 ・・・ チャンバー本体
31a ・・・ 第1本体開口部
31b ・・・ 第2本体開口部
31c ・・・ 第3本体開口部
31d ・・・ 第4本体開口部
32 ・・・ センタリングガイド(筒状部)
32a ・・・ 内側突出部
32b ・・・ 外側突出部
32c ・・・ 通気部
34 ・・・ 取付キャップ
34a ・・・ チャンバー内面
34b ・・・ 貫通孔
35 ・・・ 気流制御室
36 ・・・ 第1容器処理用開口部
37 ・・・ 第2容器処理用開口部
38 ・・・ 液体受け部
40 ・・・ 容器処理機構
41 ・・・ 上下動駆動部(接近手段)
50 ・・・ 塗布装置
51 ・・・ スプレーノズル(容器処理部)
51a ・・・ 塗布剤噴出路
52 ・・・ 供給制御手段
52a ・・・ 循環路
52b ・・・ メイン管路
52c ・・・ 往路
52d ・・・ 復路
52e ・・・ 塗布剤タンク
52f ・・・ ポンプ
52g ・・・ バルブ
53 ・・・ 噴出量推定手段
53a ・・・ 圧力センサ
53b ・・・ 推定部
53c ・・・ 絞り弁
60 ・・・ ミスト回収装置
61 ・・・ 気体噴出ノズル(容器処理部)
70 ・・・ 吸引機構
71 ・・・ 吸引ホース
72 ・・・ ミスト用ボックス
72a ・・・ 内部空間
72b ・・・ 邪魔板
73 ・・・ ミストコレクター
A1 ・・・ 容器移送エリア
A2 ・・・ 第1容器処理エリア
A3 ・・・ 第2容器処理エリア
C ・・・ 容器
H ・・・ 容器ホルダ