IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 第一精工株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/79 20110101AFI20221101BHJP
   H01R 12/88 20110101ALI20221101BHJP
【FI】
H01R12/79
H01R12/88
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018124835
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004651
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 智彦
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195231(JP,A)
【文献】特開2017-045546(JP,A)
【文献】特開2000-123897(JP,A)
【文献】特開2011-187187(JP,A)
【文献】国際公開第2017/138575(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0171460(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に挿入された前記信号伝送媒体の前記端部に設けられた複数の信号端子の各々に接触可能に配置された信号接点部を各々が有する複数のコンタクトと、
操作部と、前記ハウジングに対して回転可能に設けられ、前記操作部が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカム部とを有するアクチュエータと、
前記ハウジングにおける前記複数のコンタクトの配列方向の端部に、前記コンタクトの延在方向に沿って配置される本体部と、前記本体部から前記配列方向に屈曲して形成され且つ前記カム部と対向し、前記信号伝送媒体の前記収容部への挿入方向に沿って前記カム部が移動することを規制する移動規制部とを有する金属部材と、を備え
前記カム部は、
前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカムと、
前記配列方向における前記カムの両端部に設けられ、前記ハウジングに当接して前記カムを回転可能に支持する円弧状の当接面を有する回転支持部と、を備え、
前記カムと前記回転支持部とは、
前記操作部と前記カム部との連結方向から見て前記操作部と重なる位置に形成される
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記本体部は、
前記複数のコンタクトが接続される配線基板に固定される基板接続部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
板状の信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に挿入された前記信号伝送媒体の前記端部に設けられた複数の信号端子の各々に接触可能に配置された信号接点部を各々が有する複数のコンタクトと、
操作部と、前記ハウジングに対して回転可能に設けられ、前記操作部が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカム部とを有するアクチュエータと、
前記ハウジングにおける前記複数のコンタクトの配列方向の端部に、前記コンタクトの延在方向に沿って配置される本体部と、前記本体部から前記配列方向に屈曲して形成され且つ前記カム部と対向し、前記信号伝送媒体の前記収容部への挿入方向に沿って前記カム部が移動することを規制する移動規制部とを有する金属部材と、を備え、
前記移動規制部は、
前記複数のコンタクトが接続される配線基板に固定される基板接続部を備える
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項4】
板状の信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に挿入された前記信号伝送媒体の前記端部に設けられた複数の信号端子の各々に接触可能に配置された信号接点部を各々が有する複数のコンタクトと、
操作部と、前記ハウジングに対して回転可能に設けられ、前記操作部が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカム部とを有するアクチュエータと、
前記ハウジングにおける前記複数のコンタクトの配列方向の端部に、前記コンタクトの延在方向に沿って配置される本体部と、前記本体部から前記配列方向に屈曲して形成され且つ前記カム部と対向し、前記信号伝送媒体の前記収容部への挿入方向に沿って前記カム部が移動することを規制する移動規制部とを有する金属部材と、を備え、
前記アクチュエータは、
前記操作部が前記第1位置から前記第2位置へ回転操作されて倒伏状態になった場合に、前記挿入方向と平行な方向で前記移動規制部と対向し前記ハウジングへの前記アクチュエータの押し込みを防止する押し込み防止部を有する
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項5】
板状の信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に挿入された前記信号伝送媒体の前記端部に設けられた複数の信号端子の各々に接触可能に配置された信号接点部を各々が有する複数のコンタクトと、
操作部と、前記ハウジングに対して回転可能に設けられ、前記操作部が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカム部とを有するアクチュエータと、
前記ハウジングにおける前記複数のコンタクトの配列方向の端部に、前記コンタクトの延在方向に沿って配置される本体部と、前記本体部から前記配列方向に屈曲して形成され且つ前記カム部と対向し、前記信号伝送媒体の前記収容部への挿入方向に沿って前記カム部が移動することを規制する移動規制部とを有する金属部材と、を備え、
前記アクチュエータは、
前記カム部の端部から前記配列方向に突出する突出部を有し、
前記本体部は、
前記挿入方向および前記配列方向に各々直交する方向で前記突出部と対向し前記直交する方向への前記突出部の移動を規制する規制部を備える
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項6】
前記移動規制部は、
前記突出部と間隔を空けて配置される
ことを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)およびフレキシブル・フラットケーブル(FFC)に代表される板状の信号伝送媒体を電気機器の配線基板に電気的に接続する電気コネクタが広く用いられている。かかる電気コネクタは、例えば、信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する絶縁性のハウジングと、かかるハウジングに配列される複数の導電性のコンタクトと、複数のコンタクトに作用するアクチュエータとを備える。
【0003】
各コンタクトは、信号伝送媒体の端部に設けられる複数の信号端子のうち対応する信号端子に接触可能に設けられた信号接点部を有している。また、アクチュエータは、操作部と、ハウジングに対して回転可能に設けられ、操作部によって回転操作されるカム部とを有している。そして、操作部が回転操作された場合にカム部が複数のコンタクトに作用してコンタクトの信号接点部を信号端子に押圧させることで、電気コネクタを介して配線基板と信号伝送媒体とが電気的に接続される。
【0004】
この種の電気コネクタとして、特許文献1には、ハウジングの端部に配置されたネイルに、アクチュエータの両端部に設けられた軸部を収容する軸受凹部が形成されたケーブル用コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-269984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の電気コネクタにおいて、アクチュエータの操作部に想定以上の力が加えられた場合、アクチュエータの軸部が軸受凹部に干渉してアクチュエータの軸部にせん断力が加わる場合がある。そして、アクチュエータの軸部にせん断力が加わることで、アクチュエータの軸部が破損し、アクチュエータがハウジングから離脱する場合がある。
【0007】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、ハウジングからのアクチュエータの離脱を抑制することができる電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る電気コネクタは、絶縁性のハウジングと、複数のコンタクトと、アクチュエータと、金属部材とを備える。前記ハウジングは、板状の信号伝送媒体の端部が挿入される収容部を有する。前記複数のコンタクトは、前記収容部に挿入された前記信号伝送媒体の前記端部に設けられた複数の信号端子の各々に接触可能に配置された信号接点部を各々が有する。前記アクチュエータは、操作部と、前記ハウジングに対して回転可能に設けられ、前記操作部が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカム部とを有する。前記金属部材は、前記ハウジングにおける前記複数のコンタクトの配列方向の端部に、前記コンタクトの延在方向に沿って配置される本体部と、前記本体部から前記配列方向に屈曲して形成され且つ前記カム部と対向し、前記信号伝送媒体の前記収容部への挿入方向に沿って前記カム部が移動することを規制する移動規制部とを有する。前記カム部は、前記複数のコンタクトに作用して前記信号接点部を前記信号端子に押圧させるカムと、前記配列方向における前記カムの両端部に設けられ、前記ハウジングに当接して前記カムを回転可能に支持する円弧状の当接面を有する回転支持部と、を備える。前記カムと前記回転支持部とは、前記操作部と前記カム部との連結方向から見て前記操作部と重なる位置に形成される。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、ハウジングからのアクチュエータの離脱を抑制することができる電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る電気コネクタと配線部材とを示す図である。
図2図2は、実施形態に係る電気コネクタに配線部材が接続された状態を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る配線部材が接続された電気コネクタの側面図である。
図4図4は、実施形態に係るアクチュエータの位置が待機位置である場合のアクチュエータとホールドダウンとの関係を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るアクチュエータの位置が作用位置である場合のアクチュエータとホールドダウンとの関係を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る電気コネクタの外観斜視図(その1)である。
図7図7は、実施形態に係る電気コネクタの外観斜視図(その2)である。
図8図8は、実施形態に係る電気コネクタの正面図である。
図9図9は、実施形態に係るアクチェエータの外観斜視図(その1)である。
図10図10は、実施形態に係るアクチェエータの外観斜視図(その2)である。
図11図11は、実施形態に係るホールドダウンの外観斜視図(その1)である。
図12図12は、実施形態に係るホールドダウンの外観斜視図(その2)である。
図13図13は、実施形態に係るアクチュエータの位置が作用位置である場合の信号伝送媒体の端部が挿入された状態の電気コネクタの平面図である。
図14図14は、実施形態に係るアクチュエータの位置が待機位置である場合の信号伝送媒体の端部が挿入された状態の電気コネクタの平面図である。
図15図15は、図13に示すXV-XV線に沿った断面図である。
図16図16は、図13に示すXVI-XVI線に沿った断面図である。
図17図17は、図14に示すXVII-XVII線に沿った断面図である。
図18図18は、図13に示すXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
図19図19は、実施形態に係るアクチェエータの移動規制を説明するための図である。
図20図20は、実施形態に係るアクチェエータの押し込み防止を説明するための図である。
図21図21は、実施形態に係るアクチェエータの他の構成例を示す図である。
図22図22は、実施形態に係るホールドダウンの他の構成例を示す図である。
図23図23は、図21に示すアクチュエータと図22に示すホールドダウンとの関係を示す図(その1)である。
図24図24は、図21に示すアクチュエータと図22に示すホールドダウンとの関係を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電気コネクタの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
<1.電気コネクタの概略>
実施形態に係る電気コネクタの概要について、図1図5を参照して説明する。実施形態に係る電気コネクタ1は、図1および図2に示すように、電気機器等に搭載される配線基板2に取り付けられ、配線基板2と信号伝送媒体50とを電気的に接続する。なお、信号伝送媒体50は、板状に形成された平型の信号伝送媒体であり、例えば、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)またはフレキシブル・フラットケーブル(FFC)などである。
【0013】
電気コネクタ1は、絶縁性のハウジング10と、ハウジング10に配列された複数の導電性のコンタクト20と、絶縁性のアクチュエータ30とを備える。かかるアクチュエータ30は、図3に示すように、二点鎖線で示す待機位置と実線で示す作用位置との間を回転自在にハウジング10に取り付けられる。なお、図1に示すアクチュエータ30の位置は待機位置にあり、図2に示すアクチュエータ30の位置は作用位置にある。
【0014】
以下において、説明の便宜上、信号伝送媒体50を電気コネクタ1に挿入する方向である挿入方向(Y軸負方向)を「後方向」とし、その逆方向である抜去方向(Y軸正方向)を「前方向」とする。また、ハウジング10における複数のコンタクト20の配列方向(X軸正負方向)を「左右方向」とし、「左右方向」と「前後方向」の双方に直交する方向(Z軸正負方向)を「上下方向」とする。
【0015】
ハウジング10は、信号伝送媒体50の端部51が挿入される収容部15を有する。アクチュエータ30は、ハウジング10に回転可能に取り付けられたカム部31と、カム部31を回転させてアクチュエータ30の位置を待機位置と作用位置との間で変更するための操作部32とを有する。
【0016】
図1に示すように、操作部32が起立状態である場合に、アクチュエータ30の位置が待機位置になり、図2に示すように、操作部32が倒伏状態である場合に、アクチュエータ30の位置が作用位置になる。以下、操作部32が起立状態である場合の操作部32の位置を第1の位置と記載し、操作部32が倒伏状態である場合の操作部32の位置を第2の位置と記載する場合がある。
【0017】
アクチュエータ30の位置が待機位置である場合、信号伝送媒体50の端部51を収容部15へ収容可能な状態であり、信号伝送媒体50の端部51が収容部15へ挿入される。信号伝送媒体50の端部51が収容部15へ挿入された後、操作部32への操作によってアクチュエータ30が回転され、アクチュエータ30の位置が待機位置から作用位置へ変位する。
【0018】
信号伝送媒体50の端部51における主面Mには、複数の信号端子52が形成されており、アクチュエータ30の位置が作用位置である場合、複数の信号端子52の各々が対応するコンタクト20に押圧接触されており、信号伝送媒体50とコンタクト20とが電気的に接続されている。このとき、信号伝送媒体50がコンタクト20を介して配線基板2に電気的に接続されている。
【0019】
電気コネクタ1は、ホールドダウン40(金属部材の一例)をさらに備える。かかるホールドダウン40は、ハウジング10に取り付けられる。ホールドダウン40は、図4に示すように、ハウジング10(図1参照)の左右方向(X軸方向)の端部に配置される本体部41と、本体部41から左右方向(X軸方向)に屈曲して形成され且つ前後方向(Y軸方向)でカム部31と対向する移動規制部42とを有している。
【0020】
図4および図5に示すように、移動規制部42は、アクチュエータ30の位置が待機位置および作用位置のいずれの位置であっても、カム部31と前後方向(Y軸方向)で対向する。アクチュエータ30に後方向(Y軸負方向)への強い力が働くと、後方向にカム部31がわずかに移動するが、カム部31が移動規制部42に接触するため、カム部31の移動が移動規制部42によって規制される。
【0021】
このように、ホールドダウン40は、本体部41から左右方向(X軸方向)に屈曲して形成され且つカム部31と前後方向(Y軸方向)で対向する移動規制部42を有しており、カム部31が移動規制部42に接触することでアクチュエータ30の移動が規制される。そのため、アクチュエータ30の離脱を防止する性能を向上させることができる。
【0022】
例えば、アクチュエータに別途軸部を設け、かつ、前後方向(Y軸方向)に延伸する金属部材に上方向(Z軸正方向)に向けて凹み軸部が挿入される軸受凹部を設けるとする。この場合、軸部の前後方向(Y軸方向)の移動が軸受凹部で規制され、アクチュエータの移動を防止することができる。しかし、電気コネクタを低背化すればするほど軸受凹部が小さくなる。そのため、アクチュエータに設ける軸部が細くなり、アクチュエータの軸部の強度が低下する。
【0023】
一方、実施形態にかかる電気コネクタ1は、カム部31と対向する移動規制部42によってカム部31の移動を規制する。そのため、軸部を設けることなく、信号伝送媒体50の収容部15への挿入方向(Y軸負方向)への移動を規制することができ、アクチュエータ30の離脱を防止する性能を向上させることができる。
【0024】
<2.電気コネクタ1の詳細>
次に、図6図20を参照して電気コネクタ1の構成を詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図6図7、および図17図20では、アクチュエータ30およびホールドダウン40の見えない部分を破線で示している場合がある。以下、ハウジング10、コンタクト20、アクチュエータ30、ホールドダウン40について説明する。
【0025】
ハウジング10は、例えば樹脂材料などの絶縁性の部材で構成される。かかるハウジング10は、図6図8に示すように、下側(Z軸負方向側)に位置する下壁部11aと、上側(Z軸正方向側)に位置する上壁部11bと、左側(X軸負方向側)に位置する左壁部11cと、右側(X軸正方向側)に位置する右壁部11dとを備える。
【0026】
図8に示すように、下壁部11aには、前後方向(Y軸方向)に沿ってそれぞれ形成された複数の溝部13aが左右方向(X軸方向)に一定間隔を空けて配列される。また、上壁部11bには、前後方向(Y軸方向)に沿ってそれぞれ形成された複数の溝部13bが左右方向(X軸方向)に一定間隔を空けて配列される。下壁部11aに形成された溝部13aと上壁部11bに形成された溝部13bとによって取付溝部13が構成される。かかる取付溝部13には、コンタクト20が取付けられる。
【0027】
図6に示すように、ハウジング10における左右の端部には、左隔壁部12aと右隔壁部12bとが形成されている。左隔壁部12aと左壁部11cとの間、および、右隔壁部12bと右壁部11dとの間にはそれぞれ、ホールドダウン40が圧入される。また、図8に示すように、下壁部11a、上壁部11b、左隔壁部12a、および右隔壁部12bに囲まれた空間に上述した収容部15が含まれる。
【0028】
図6に示すように、ハウジング10には、ハウジング10の内部の一部および後方にかけてアクチュエータ30が配置される空間である部材取付空間16が形成される。部材取付空間16は、左壁部11cと右壁部11dに左右を囲まれた空間に形成され、下壁部11aと上壁部11bとに囲まれる空間の一部を含む。
【0029】
複数のコンタクト20は、例えばベリリウム銅やリン青銅、チタン銅などの導電性部材によって構成される。各コンタクト20は、例えば、金属板に打抜き加工を施すことによって形成される。かかる複数のコンタクト20には、複数の第1のコンタクト20aおよび複数の第2のコンタクト20bが含まれ、ハウジング10に形成された取付溝部13(図8参照)に圧入により取付けられる。第1のコンタクト20aと第2のコンタクト20bとは、左右方向(X軸方向)に沿って交互にハウジング10に配置される。このとき、第1のコンタクト20aと第2のコンタクト20bとは、前後方向(Y軸方向)に沿って延在した状態である。
【0030】
図15に示すように、第1のコンタクト20aは、下壁部11a側に位置する第1のビーム21aと、上壁部11b側に位置する第2のビーム22aと、第1のビーム21aと第2のビーム22aとを連結する連結ビーム23aと、基板接続部27aとを備える。第1のビーム21aと第2のビーム22aは、前後方向(Y軸方向)に延在し上下方向(Z軸方向)に互いに対向しており、第1のビーム21aの前後方向(Y軸方向)の中央部と第2のビーム22aの前後方向(Y軸方向)の中央部とが連結ビーム23aによって連結される。
【0031】
第1のビーム21aの前端部81aには、信号伝送媒体50における主面Mと反対側の面に接触するための接触部24aが形成される。第2のビーム22aの前端部83aには、信号伝送媒体50の信号端子52に接触するための信号接点部25aが形成される。また、第2のビーム22aの後端部84aには、後述するアクチュエータ30におけるカム部31のカム31aが作用する受圧部86aが設けられる。
【0032】
第1のビーム21aと第2のビーム22aとの間の空隙は、前後方向(Y軸方向)において、連結ビーム23aによって第1の空隙71aと第2の空隙72aに区画されている。第1の空隙71aには、信号伝送媒体50の端部51が進入し、第2の空隙72aには、カム部31のカム31aが配置される。かかるカム31aは、第1のビーム21aの後端部82aに載置される。かかる後端部82aは、アクチュエータ30のカム31aの形状に沿った弧状に形成された湾曲部26aを有する。また、第1のビーム21aの前端部81aには、基板接続部27aが連続して形成されており、かかる基板接続部27aは、配線基板2に形成された不図示の接続端子部に半田付け等によって接続される。
【0033】
第2のコンタクト20bは、図16に示すように、第1のコンタクト20aと同様に、第1のビーム21bと、第2のビーム22bと、連結ビーム23bと、基板接続部27bとを有する。第2のコンタクト20bは、第1のビーム21bの後端部82bに基板接続部27bが連続するように形成される点で異なるが、それ以外の構成は、第1のコンタクト20aと同様である。
【0034】
なお、図16に示す第2のコンタクト20bにおいては、第1のコンタクト20aと同一機能の部位には、同一数字を含む符号を付し、第1のコンタクト20aと区別するために「a」に代えて「b」を符号の一部に用いている。また、以下においては、第1のコンタクト20aの構成と第2のコンタクト20bの構成とを互いに区別しない場合には、符号に含まれるアルファベットを省略して記す場合がある。
【0035】
アクチュエータ30は、例えば樹脂材料などの絶縁性の部材で構成される。かかるアクチュエータ30は、図9および図10に示すように、複数のコンタクト20に作用するカム部31と、カム部31に連結された操作部32とを備え、アクチュエータ30の左右方向(X軸方向)の両端部に位置するカム部31と操作部32との間には、ハウジング10へのアクチュエータ30の押し込みを防止する一対の押し込み防止部33を備える。
【0036】
カム部31は、操作部32が第1位置(図1参照)から第2位置(図2参照)へ回転操作された場合に複数のコンタクト20に作用して、図15および図16に示すように、各信号接点部25a,25bを対応する信号端子52に押圧させる。なお、図15および図16では、操作部32が第1位置である場合の第1のコンタクト20aおよび第2のコンタクト20bの状態を二点鎖線で示している。
【0037】
カム部31は、図9および図10に示すように、カム31aと、カム31aを操作部32と連結する複数の連結部31bと、カム31aを回転可能に支持する左右一対の回転支持部31cとを備える。カム31aは、左右方向(X軸方向)に延伸しており、図15および図16に示すように、第1のビーム21と第2のビーム22との間に形成された第2の空隙72a,72bに配置される。
【0038】
カム31aは、第1のビーム21a,21bに形成された湾曲部26a,26bに接触した状態で回転可能に回転支持部31cおよびコンタクト20を介してハウジング10に支持される。かかるカム31aは、ハウジング10に複数のコンタクト20が配置された状態でハウジング10の後方から第2の空隙72a,72bに挿入される。
【0039】
回転支持部31cは、図9および図10に示すように、ハウジング10に当接する当接部61と、当接部61を操作部32に連結する連結部62とを備える。当接部61は、図17および図18に示すように、左右方向(X軸方向)から見た場合に、円弧状に形成されている。
【0040】
操作部32は、アクチュエータ30が待機位置にあるとき、カム部31の上方に位置し、前後方向(Y軸方向)から見た場合に、左右方向(X軸方向)に延伸する長方形状に形成されている。
【0041】
押し込み防止部33は、回転支持部31cと間隔を空けて対向する。かかる押し込み防止部33は、アクチュエータ30が作用位置である場合に、前方向(Y軸正方向)への移動を規制することで、ハウジング10へのアクチュエータ30の押し込みを防止する。
【0042】
ホールドダウン40は、例えば、一つの金属板に打抜き折曲げ加工を施すことによって形成され、上方からハウジング10に圧入される。かかるホールドダウン40は、図11および図12に示すように、ハウジング10における左右方向(X軸方向)の端部に、第1のコンタクト20aおよび第2のコンタクト20bの延在方向(Y軸方向)に沿って配置される本体部41と、本体部41から左右方向(X軸方向)に屈曲して形成され、前後方向(Y軸方向)においてカム部31の回転支持部31cと対向する移動規制部42とを有する。
【0043】
ハウジング10の左端部に取り付けられるホールドダウン40の移動規制部42は、本体部41から右方向(X軸正方向)へ屈曲して形成される。また、ハウジング10の右端部に取り付けられるホールドダウン40の移動規制部42は、本体部41から左方向(X軸負方向)へ屈曲して形成される。
【0044】
本体部41は、前後方向(Y軸方向)に延伸している。ハウジング10の左端部に取り付けられるホールドダウン40の本体部41は、左隔壁部12a(図8参照)と左壁部11c(図8参照)との間に取り付けられる。ハウジング10の右端部に取り付けられるホールドダウン40の本体部41は、右隔壁部12b(図8参照)と右壁部11d(図8参照)との間に取り付けられる。
【0045】
本体部41は、前後方向(Y軸方向)に延伸する基部41aと、基部41aの前端部、中央部および後端部からそれぞれ下方向へ突出する凸部41b,41c,41dと、凸部41bの下端に連続し、半田付けなどによって配線基板2に固定される基板接続部41eとを備える。
【0046】
移動規制部42は、図12に示すように、左右方向(X軸方向)に延伸する基部42aと、基部42aの下端に連続する基板接続部42bとを備える。基部42aは、カム部31の回転支持部31cに前後方向(Y軸方向)において対向し、回転支持部31cの後方向(Y軸負方向)への移動を規制する。基板接続部42bは、配線基板2に半田付けなどによって固定されるため、移動規制部42に基板接続部42bがない場合に比べ、ホールドダウン40の配線基板2への固定を強化することができる。そのため、基部42aに力が加わった場合に基部42aの変形などを抑制することができる。
【0047】
<3.電気コネクタ1と信号伝送媒体50との接続>
次に、図15を参照して、電気コネクタ1と信号伝送媒体50との接続について説明する。図15においては、操作部32が第1位置である場合の操作部32および第1のコンタクト20aの状態を二点鎖線で示している。以下においては、第1のコンタクト20aと信号伝送媒体50との接続について説明するが、第2のコンタクト20bと信号伝送媒体50との接続の場合も同様である。
【0048】
アクチュエータ30の操作部32が起立した第1位置にあるとき、第2のビーム22aに対してカム部31は作用していない。信号伝送媒体50の端部51がハウジング10の収容部15に挿入された後、操作部32がカム部31を中心として第1位置から第2位置へ回転操作される。かかる回転操作に伴い、アクチュエータ30の操作部32がカム部31を中心として後方側へと約90度回転し、アクチュエータ30が待機位置から作用位置に変位する。
【0049】
それに伴い、カム31aは、第1のビーム21aの湾曲部26aと第2のビーム22aの受圧部86aとによって後方向(Y軸負方向)への移動が規制されつつ湾曲部26a上で約90度回転する。また、第2のビーム22aの受圧部86aは、カム31aから上方向(Z軸正方向)の圧力を受けて上方向(Z軸正方向)に変位する。受圧部86aの変位に伴って、第2のビーム22aの信号接点部25aと第1のビーム21aの接触部24aとが信号伝送媒体50を押圧しアクチュエータ30が待機位置にあるときよりも、強く挟持する。このとき、信号接点部25aは、信号伝送媒体50の主面Mに設けられたそれぞれの信号端子52に押圧され、信号端子52と電気的に接続された状態となる。なお、第1のコンタクト20aは、アクチュエータ30が待機位置である場合に、第2のビーム22aの信号接点部25aと第1のビーム21aの接触部24aとが信号伝送媒体50を挟持しない構成であってもよい。
【0050】
<4.ホールドダウン40によるアクチュエータ30の移動>
次に、図8図17図20を参照して、ホールドダウン40によるアクチュエータ30の移動規制について説明する。図8に示すように、ホールドダウン40は、ハウジング10の左右の端部に配置される。なお、以下においては、主にハウジング10の左端部に設けられたホールドダウン40とアクチュエータ30との関係について説明するが、ハウジング10の右端部に設けられたホールドダウン40とアクチュエータ30との関係の場合も同様である。
【0051】
図17に示すように、アクチュエータ30が待機位置にある場合、カム部31の回転支持部31cは、ホールドダウン40に設けられた移動規制部42と前後方向(X軸方向)において間隔を空けて対向する位置にある。そのため、アクチュエータ30の操作部32に後方向(Y軸負方向)へ強い力が加わった場合、アクチュエータ30が後方向へわずかに移動するが、図19に示すように、カム部31の回転支持部31cが移動規制部42と接触する。そのため、アクチュエータ30の後方向(Y軸負方向)への移動が規制される。
【0052】
これにより、ホールドダウン40がなければカム31aを第2の空隙72a,72b(図15および図16参照)から離脱させることができる力(以下、カム抜去力と記載する)が働いた場合であっても、アクチュエータ30のカム部31が第2の空隙72から外方へ離脱することを防止することができる。
【0053】
また、移動規制部42は、カム部31の回転支持部31cの後方向(Y軸負方向)に配置される。したがって、実施形態に係る電気コネクタ1では、アクチュエータ30の回転支持部31cに別途軸部を設けることなく、アクチュエータ30の後方向への移動を規制することができる。これにより、電気コネクタ1においてアクチュエータ30のカム部31を保持する力(以下、カム保持力と記載する場合がある)を高めることができ、アクチュエータ30がハウジング10から離脱することを抑制することができる。
【0054】
また、図19に示すように、移動規制部42の高さ位置P1は、回転支持部31cの回転中心Oよりも高い位置にある。そのため、アクチュエータ30の操作部32に後方向(Y軸負方向)へカム抜去力が働いた場合であっても、アクチュエータ30は、回転中心Oを中心に回転し、回転支持部31cに作用する力は、移動規制部42の高さ位置P1よりも下の位置になる。そのため、回転支持部31cが移動規制部42を乗り上げる方向への力が加わることを抑制でき、これにより、アクチュエータ30がハウジング10から離脱することをより抑制することが可能となる。なお、本明細書において、高さ位置とは、配線基板2からの上方向(Z軸正方向)における距離を意味する。
【0055】
さらに、図19に示すように、移動規制部42の高さ位置P1は、回転支持部31cの高さ位置P2よりも低くすることができる。これにより、ホールドダウン40の高さ位置を低くすることができ、電気コネクタ1の低背化を図ることが可能となる。
【0056】
また、アクチュエータ30には、図18に示すように、押し込み防止部33が形成されている。かかる押し込み防止部33は、回転支持部31cと対向する位置に設けられている。そして、アクチュエータ30の位置が作用位置になった場合に、移動規制部42は、回転支持部31cと押し込み防止部33との間の空間に配置される。そのため、押し込み防止部33は、アクチュエータ30の位置が作用位置である場合、前後方向(Y軸方向)において、移動規制部42と間隙を空けて対向する位置になる。
【0057】
アクチュエータ30の位置が作用位置である状態において、アクチュエータ30の操作部32へ前方向(Y軸正方向)への力が働いた場合、アクチュエータ30が前方向(Y軸正方向)へわずかに移動するが、図20に示すように、押し込み防止部33が移動規制部42と接触する。そのため、アクチュエータ30の前方向(Y軸正方向)への移動が規制される。
【0058】
押し込み防止部33は、アクチュエータ30の位置が作用位置である状態において、移動規制部42と対向する面が平坦面であり、移動規制部42は、押し込み防止部33と対向する面が平坦面である。そのため、押し込み防止部33と移動規制部42との接触を面接触させることができ、アクチュエータ30が前方向(Y軸正方向)へ移動した場合において、移動規制部42に押し込み防止部33が局所的に接触する場合に比べ、移動規制部42の変形などを抑制することができる。
【0059】
また、移動規制部42の上端の高さ位置P1は、図19に示すように、本体部41の上端の高さ位置P3よりも低い。そのため、回転支持部31cの連結部62の厚みD1(図20参照)が薄くなることを防止することができる。なお、回転支持部31cには、連結部62を設けない構成であってもよい。
【0060】
また、押し込み防止部33は、操作部32と連続しており、操作部32と一体的に形成される。そのため、押し込み防止部33の強度を高めることができる。なお、押し込み防止部33は、操作部32に形成されてもよい。
【0061】
このように、アクチュエータ30が作用位置である状態において、移動規制部42の前方向(Y軸正方向)に回転支持部31cが配置され、移動規制部42の後方向(Y軸負方向)に押し込み防止部33が配置される。そのため、一つの移動規制部42を用いて、アクチュエータ30の前後方向(Y軸方向)の移動を規制することができる。
【0062】
<5.変形例>
次に、図21図24を参照して実施形態に係る電気コネクタ1の変形例について説明する。なお、図24は、電気コネクタ1の変形例における図17に相当する断面図である。
【0063】
図21に示すアクチュエータ30は、左右の突出部35を有する点で、図9および図10に示すアクチュエータ30と異なる。図21に示すように、左側(X軸負方向側)の突出部35は、カム部31の回転支持部31cから左方向(X軸負方向)へ突出し、右側(X軸正方向側)の突出部35は、カム部31の回転支持部31cから右方向(X軸正方向)へ突出する。図21に示す突出部35は、円筒状に形成され、左右方向(X軸方向)に延伸しているが、突出部35の形状は円筒状に限定されない。
【0064】
図22に示すホールドダウン40は、本体部41に基部41aの後端部から下方向(Z軸負方向)へ突出する凸部41dに代えて挿入空間43が形成される点で、図11および図12に示すホールドダウン40と異なる。図23および図24に示すように、挿入空間43には、突出部35が挿入される。
【0065】
図24に示すように、移動規制部42は、前後方向(Y軸方向)で突出部35と間隔を空けて対向する。したがって、アクチュエータ30の操作部32に後方向(Y軸負方向)へカム抜去力が働いた場合であっても、突出部35が移動規制部42に接触することなく、回転支持部31cが移動規制部42に接触し、アクチュエータ30の後方向(Y軸負方向)への移動が規制される。そのため、例えば、カム抜去力が働くような操作部32の第1位置から第2位置へ回転操作がある場合であっても、突出部35の破損を防止することができる。
【0066】
なお、図24に示す例では、突出部35と基部41aとの間隔が回転支持部31cと移動規制部42との間隔より小さいが、突出部35と基部41aとの間隔を回転支持部31cと移動規制部42との間隔よりも大きくしてもよい。
【0067】
なお、上述した実施形態では、移動規制部42を配線基板2に固定されるホールドダウン40に設けたが、移動規制部42は、配線基板2に固定されるホールドダウンとは別体の金属部材に設けてもよい。
【0068】
以上のように、実施形態に係る電気コネクタ1は、絶縁性のハウジング10と、複数の導電性のコンタクト20と、絶縁性のアクチュエータ30と、ホールドダウン40(金属部材の一例)とを備える。ハウジング10は、板状の信号伝送媒体50の端部51が挿入される収容部15を有する。複数のコンタクト20は、収容部15に挿入された信号伝送媒体50の端部51に設けられた複数の信号端子52の各々に接触可能に配置された信号接点部25aまたは信号接点部25bを各々が有する。アクチュエータ30は、操作部32と、ハウジング10に対して回転可能に設けられ、操作部32が第1位置から第2位置へ回転操作された場合に複数のコンタクト20に作用して信号接点部25a,25bを対応する信号端子52に押圧させるカム部31とを有する。ホールドダウン40は、ハウジング10における左右方向(X軸方向)の端部に、第1のコンタクト20aおよび第2のコンタクト20bの前後方向(Y軸方向)に沿って配置される本体部41と、本体部41から左右方向(X軸方向)に屈曲して形成され且つカム部31と前後方向(Y軸方向)で対向し、後方向(Y軸負方向)に沿ってカム部31が移動することを規制する移動規制部42とを有する。これにより、電気コネクタ1においてカム保持力を高めることができ、ハウジング10からのアクチュエータ30の離脱を抑制することができる。
【0069】
また、本体部41は、複数のコンタクト20が接続される配線基板2に固定される基板接続部41eを備えている。これにより、移動規制部42を含む金属部材を配線基板2に固定することができ、移動規制部42を含む金属部材のハウジング10からの離脱を抑制することができる。
【0070】
また、移動規制部42は、配線基板2に固定される基板接続部42bを備える。このように、移動規制部42が配線基板2に固定されることで、例えば、基部42aに力が加わった場合に移動規制部42の変形などを抑制することができる。
【0071】
また、アクチュエータ30は、操作部32が第1位置から第2位置へ回転操作されて倒伏状態になった場合に、前後方向(Y軸方向)で移動規制部42と対向しハウジング10へのアクチュエータ30の押し込みを防止する押し込み防止部33を有する。これにより、アクチュエータ30の後方向(Y軸負方向)への移動規制とアクチュエータ30の前方向(Y軸正方向)への移動規制のいずれにも移動規制部42を用いることができる。
【0072】
また、アクチュエータ30は、カム部31の端部から左右方向(X軸方向)に突出する突出部35を有する。本体部41は、上下方向(Z軸方向)で突出部35と対向し上方向(Z軸正方向)への突出部35の移動を規制する基部41a(規制部の一例)を備える。これにより、ホールドダウン40を用いて、アクチュエータ30の後方向(Y軸負方向)への移動のみならず、上方向(Z軸正方向)へのアクチュエータ30の移動を規制することができる。
【0073】
また、移動規制部42は、突出部35と間隔を空けて配置される。これにより、アクチュエータ30の操作部32に後方向(Y軸負方向)へカム抜去力が働いた場合であっても、突出部35が移動規制部42に接触することなく、回転支持部31cが移動規制部42に接触し、アクチュエータ30の後方向(Y軸負方向)への移動が規制される。そのため、例えば、カム抜去力が働くような操作部32の第1位置から第2位置へ回転操作がある場合であっても、突出部35の破損を防止することができる。
【0074】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 電気コネクタ
2 配線基板
10 ハウジング
15 収容部
20,20a,20b コンタクト
25a,25b 信号接点部
30 アクチュエータ
31 カム部
31a カム
31c 回転支持部
32 操作部
33 押し込み防止部
35 突出部
40 ホールドダウン(金属部材の一例)
41 本体部
41a 基部(規制部の一例)
41e,42b 基板接続部
42 移動規制部
50 信号伝送媒体
51 端部
52 信号端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24