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  • 特許-真空冷却装置 図1
  • 特許-真空冷却装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】真空冷却装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 3/36 20060101AFI20221101BHJP
   F25D 7/00 20060101ALI20221101BHJP
   F25B 19/02 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A23L3/36 Z
F25D7/00 A
F25B19/02
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018171722
(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公開番号】P2020039327
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110685
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 方宜
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】蔵野 雅夫
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-181042(JP,A)
【文献】特開2013-146197(JP,A)
【文献】特開2004-069289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L、F25D、F25B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記品温センサの検出温度と前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧し、
前記処理槽内を減圧して食品を冷却中、前記品温センサの検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させる
ことを特徴とする真空冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理槽内を減圧して食品を冷却する真空冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、食品を収容し得る冷却庫(2)と、冷却庫に接続され冷却庫内の気体を排出し得る真空排気手段(3)と、冷却庫内の真空状態を解除する外気導入手段(21)とを備えた真空冷却装置が知られている。この装置では、冷却庫内に温度センサ(8)および圧力センサ(9)が設けられ、温度センサからの連続的検出信号に基づいて、冷却庫内の圧力を制御するように構成されている。具体的には、冷却庫内の食品の温度(品温)が、現在の品温(T1)より所定以上低い温度(T2)となるように、冷却庫内の圧力が調整される。また、冷却庫内の温度と、冷却庫内に配置された食品の温度との差が設定範囲内となるように、圧力調整されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-355020号公報(請求項1、段落0024、0027、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
真空冷却装置により食品を真空冷却する場合、処理槽(冷却庫)内の圧力を低下させるに従って、品温(処理槽内の食品温度)は、槽内圧力換算温度(処理槽内圧力における飽和温度)に追従する形で下がっていくことになる。ところが、ある程度冷却が進むと、特に液物食品の場合、品温が槽内圧力換算温度に追従できず、乖離し、突沸を生じさせるおそれがある。突沸が生じると、食品の飛散により、歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】
前記特許文献1に開示される装置では、品温を徐々に下げるように槽内圧力が調整されるが、その際、品温ないし槽内温度が現在の品温より設定温度低い温度となる圧力に調整される。ところが、前記設定温度は固定されており、冷却開始から終了まで一定とされる。この場合、冷却が進むほど、冷却されにくくなり、冷却が完了しなかったり、冷却時間が長くなり過ぎたりするおそれがある。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、突沸を防止しつつ、食品の冷却を迅速に図ることができる真空冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記品温センサの検出温度と前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧し、前記処理槽内を減圧して食品を冷却中、前記品温センサの検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させることを特徴とする真空冷却装置である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えることで、食品からの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品の冷却を図ることができる
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内を減圧して食品を冷却中、品温の低下具合を監視しつつ、それに応じて前記設定温度差を変化させるので、食品に応じた真空冷却を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の真空冷却装置によれば、突沸を防止しつつ、食品の冷却を迅速に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例の真空冷却装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
図2図1の真空冷却装置による冷却運転の一例を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の真空冷却装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
【0014】
本実施例の真空冷却装置1は、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出して処理槽2内を減圧する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入して処理槽2内を復圧する復圧手段4と、これら各手段3,4を制御して処理槽2内の食品Fを冷却する制御手段(図示省略)とを備える。
【0015】
処理槽2は、内部空間の減圧に耐える中空容器であり、ドアで開閉可能とされる。処理槽2は、典型的には略矩形の箱状に形成され、正面の開口部がドアで開閉可能とされる。ドアを開けることで、処理槽2に食品Fを出し入れすることができ、ドアを閉じることで、処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。ドアは、処理槽2の正面および背面の双方に設けられてもよい。なお、図示例では、食品Fは、ホテルパンや番重のような食品容器に入れられて、処理槽2内に収容されている。
【0016】
減圧手段3は、処理槽2内の気体(空気や蒸気)を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する手段である。本実施例では、減圧手段3は、処理槽2内からの排気路5に、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、逆止弁8、および水封式の真空ポンプ9を順に備える。
【0017】
蒸気エゼクタ6は、吸引口6aが処理槽2に接続されて設けられ、入口6bから出口6cへ向けて、エゼクタ給蒸路10からの蒸気がノズルで噴出可能とされる。入口6bから出口6cへ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽2内の気体も吸引口6aを介して出口6cへ吸引排出される。エゼクタ給蒸路10に設けたエゼクタ給蒸弁11の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ6の作動の有無を切り替えることができる。
【0018】
熱交換器7は、排気路5内の流体と冷却水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。熱交換器7により、排気路5内の蒸気を、冷却水により冷却し凝縮させることができる。熱交換器7には、熱交給水路12を介して冷却水が供給され、熱交排水路13を介して冷却水が排出される。熱交給水路12には、熱交給水弁14が設けられている。熱交排水路13は、図示しないが、冷水タンク(冷水供給源)への戻し路と外部への排水出口路とに分岐されており、冷水タンクへの戻し路にチラー水弁(図示省略)が設けられ、外部への排水出口路に熱交排水弁(図示省略)が設けられている。チラー水弁および熱交排水弁により、熱交換器7を通過後の水を、冷水タンクへ戻すか、排水出口路へ排出するか、あるいはいずれも行わずに熱交換器7の通水を阻止するか(つまり熱交換器7の冷却水出口側を閉じるか)を切り替えることができる。熱交換器7に冷水を供給する場合、熱交排水弁を閉じると共にチラー水弁を開けることで、熱交換器7を通過後の冷水は冷水タンクへ戻される。一方、熱交換器7に常温水を供給する場合、チラー水弁を閉じると共に熱交排水弁を開けることで、熱交換器7を通過後の常温水は排水出口路へ排出される。
【0019】
真空ポンプ9は、本実施例では水封式であり、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。そのために、真空ポンプ9の給水口9aには、封水給水路15を介して水が供給される。封水給水路15には封水給水弁16が設けられており、封水給水弁16を開けることで、真空ポンプ9に封水を供給することができる。封水給水弁16を開けた状態で真空ポンプ9を作動させると、真空ポンプ9は、吸気口9bから気体を吸入し、排気口9cへ排気および排水する。真空ポンプ9は、オンオフ制御されてもよいし、出力を調整可能とされてもよい。本実施例では、真空ポンプ9は、インバータを用いて、モータの駆動周波数ひいては回転数を変更可能とされる。
【0020】
ところで、図示例の場合、封水給水路15は、上流側において熱交給水路12と共通管路17とされており、その共通管路17に熱交給水弁14が設けられている。この場合、熱交給水弁14を開けると、熱交換器7に通水可能とされ、さらに封水給水弁16を開けると、真空ポンプ9に給水される。本実施例では、熱交換器7および真空ポンプ9への給水として、常温水と冷水(チラーで冷却された水)とを切替可能とされている。
【0021】
復圧手段4は、減圧された処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内を復圧する手段である。本実施例では、復圧手段4は、処理槽2内への給気路18に、エアフィルタ19および給気弁20を順に備える。処理槽2内が減圧された状態で、給気弁20を開けると、外気がエアフィルタ19を介して処理槽2内へ導入され、処理槽2内を復圧することができる。給気弁20は、好ましくは開度調整可能な弁から構成される。
【0022】
処理槽2には、さらに、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ21と、処理槽2内に収容される食品Fの温度(品温)を検出する品温センサ22とが設けられる。
【0023】
制御手段は、前記各センサ21,22の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段3,4を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、真空ポンプ9、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14、チラー水弁(図示省略)、熱交排水弁(図示省略)、封水給水弁16、給気弁20の他、圧力センサ21および品温センサ22などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の食品Fの真空冷却を図る。
【0024】
以下、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の具体例について説明する。
図2は、本実施例の真空冷却装置1による冷却運転の一例を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。
【0025】
運転開始前、給気弁20は開けられた状態にある一方、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内に食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。そして、スタートボタンが押されるなど運転開始が指示されると、制御器は、給気弁20を閉じると共に減圧手段3を作動させて、品温TFが予め設定された冷却目標温度になるまで、処理槽2内を減圧して食品の冷却を図る。この際、本実施例では、急冷制御S1の後、温度差一定制御S2を実施して、食品Fを冷却目標温度まで冷却する。
【0026】
急冷制御S1では、槽内圧力換算温度TS(処理槽2内圧力における飽和温度)が品温TF(処理槽2内の食品温度であり、処理槽2内への投入時においてたとえば70~80℃)を下回るまで、処理槽2内を減圧する。槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも高い状況下では、食品Fの沸騰や突沸は生じないので、急冷制御S1では、たとえば給気弁20を全閉とした状態で、減圧手段3により、処理槽2内の圧力を迅速に低下させるのがよい。
【0027】
制御器は、予め登録された所定の演算式(またはテーブル)に基づき、圧力センサ21の検出圧力から飽和温度としての槽内圧力換算温度TSを求めることができる。そして、槽内圧力換算温度TSが品温TFを下回るまで急冷制御S1を行った後、温度差一定制御S2に移行する。
【0028】
温度差一定制御S2では、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが設定温度差(たとえば2℃)になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する。つまり、品温センサ22の検出温度TFと圧力センサ21の検出圧力における飽和温度TSとの温度差ΔTが設定温度差になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する。処理槽2内の圧力の調整は、典型的には、減圧手段3を作動させた状態で、復圧手段4による給気量を調整すればよい。つまり、減圧手段3(少なくとも真空ポンプ9)を作動させた状態で、給気弁20の開度を調整すればよい。但し、これに代えてまたはこれに加えて、減圧手段3による減圧能力を調整してもよい。
【0029】
温度差一定制御S2において、槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも設定温度低くなるように、処理槽2内の圧力を調整すると、品温TFが低下してくるので、その品温TFの低下に合わせて、槽内圧力(槽内圧力換算温度TS)を低下させていけばよい。品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTを設定温度差に抑えることで、食品Fからの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品Fの冷却を図ることができる。つまり、仮に前記温度差ΔTを考慮せずに減圧した場合、品温TFが槽内圧力換算温度TSに追従できず、温度差ΔT(圧力差)が大きくなると、突然一気に蒸発が起こる突沸を生じさせるおそれがあるが、温度差ΔTを設定温度差に抑えることで、突沸の発生を抑制することができる。
【0030】
なお、急冷制御S1から温度差一定制御S2へ移行する際、真空ポンプ9の回転数を下げるのが好ましい。たとえば、急冷制御S1では、真空ポンプ9の電源周波数を第一周波数(たとえば60Hz)とするが、温度差一定制御S2への移行に伴い、第一周波数よりも低い第二周波数(たとえば50Hz)とする。
【0031】
また、急冷制御S1と温度差一定制御S2とを含む一連の冷却運転において、熱交換器7および真空ポンプ9への給水や、蒸気エゼクタ6の作動は、たとえば次のように制御される。すなわち、冷却運転の開始時には、熱交換器7の通水を停止した状態で、真空ポンプ9に常温水を供給しつつ、真空ポンプ9により処理槽2内を減圧する。この段階では、エゼクタ給蒸弁11は閉じられており、蒸気エゼクタ6は作動していない。その後、品温センサ22の検出温度が通水開始温度(たとえば60℃)以下になると、熱交換器7の通水を開始する。この際、熱交換器7および真空ポンプ9には、冷水が供給される。その後、品温センサ22の検出温度がエゼクタ作動温度(たとえば30℃)以下で且つ圧力センサ21の検出圧力がエゼクタ作動圧力(たとえば45hPa)以下になると、エゼクタ給蒸弁11を開けて、蒸気エゼクタ6を作動させる。そして、品温センサ22の検出温度が冷却目標温度(たとえば10℃)になると、処理槽2内の減圧を停止する。具体的には、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16を閉じて、蒸気エゼクタ6および真空ポンプ9を停止すると共に、熱交換器7の通水を停止する。その後、給気弁20を開けて、処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。
【0032】
温度差一定制御S2中、品温センサ22の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間Δt内の品温の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を所定温度(たとえば0.5~1℃)増加させるのがよい。
【0033】
たとえば、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが第一温度差ΔT1(たとえば2℃)となるように圧力制御中、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt(たとえば1分)内の品温TFの温度下降幅が設定値(たとえば1℃)未満になると、前記温度差ΔTを第一温度差ΔT1よりも大きな第二温度差ΔT2(たとえば3℃)となるように圧力制御することで、品温TFの低下を促すことができる。その後、再び、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が設定値未満になると、前記温度差ΔTを第二温度差ΔT2よりも大きな第三温度差ΔT3(たとえば4℃)となるように圧力制御して、品温TFの低下を促すということを繰り返せばよい。
【0034】
このようにして、冷えにくい食品でも、設定温度差を増加させつつ食品Fの冷却を図ることができる。そのため、冷えにくい食品でも、冷却が完了しなかったり、冷却時間が長くなり過ぎたりするおそれがない。
【0035】
本発明の真空冷却装置1は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入する復圧手段4と、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ21と、処理槽2内に収容された食品Fの温度を検出する品温センサ22と、前記各手段3,4を制御する制御手段とを備え、制御手段は、品温センサ22の検出温度TFと圧力センサ21の検出圧力における飽和温度TSとの温度差ΔTが設定温度差になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧し、処理槽2内の減圧が進むに伴い、前記設定温度差ΔTを増加させるのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
【0036】
たとえば、前記実施例において、減圧手段3の構成は、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、減圧手段3として蒸気エゼクタ6を備えたが、場合により蒸気エゼクタ6の設置を省略してもよい。
【0037】
さらに、前記実施例では、真空冷却装置1は、冷却専用機として説明したが、真空冷却機能を有するのであれば、適宜に変更可能である。たとえば、蒸気による加熱手段を備えることで、蒸煮冷却装置や飽和蒸気調理装置のように構成されてもよい。あるいは、冷凍機やファンを用いた冷風冷却手段を備えることで、冷風真空複合冷却装置のように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 真空冷却装置
2 処理槽
3 減圧手段
4 復圧手段
5 排気路
6 蒸気エゼクタ(6a:吸引口、6b:入口、6c:出口)
7 熱交換器
8 逆止弁
9 真空ポンプ(9a:給水口、9b:吸気口、9c:排気口)
10 エゼクタ給蒸路
11 エゼクタ給蒸弁
12 熱交給水路
13 熱交排水路
14 熱交給水弁
15 封水給水路
16 封水給水弁
17 共通管路
18 給気路
19 エアフィルタ
20 給気弁
21 圧力センサ
22 品温センサ
F 食品
S1 急冷制御
S2 温度差一定制御
図1
図2