(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】給水加温ユニット
(51)【国際特許分類】
F22D 1/18 20060101AFI20221101BHJP
F22D 5/00 20060101ALI20221101BHJP
F22D 5/26 20060101ALI20221101BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20221101BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20221101BHJP
F24H 15/174 20220101ALI20221101BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20221101BHJP
F24H 15/248 20220101ALI20221101BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20221101BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20221101BHJP
【FI】
F22D1/18
F22D5/00 Z
F22D5/26 C
F24H1/18 G
F24H4/02 C
F24H15/174
F24H15/219
F24H15/248
F24H15/31
F24H15/32
(21)【出願番号】P 2018178813
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大沢 智也
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146033(JP,A)
【文献】特開2017-203574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22D 1/18
F22D 5/00
F22D 5/26
F24H 15/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水位検出手段を有する温水タンクに温水を供給する給水加温ユニットであって、
高温流体と給水との熱交換により給水を加温する熱交換器と、
前記熱交換器に対する高温流体の流通状態と非流通状態を切り換える第1流通切換手段と、
前記熱交換器に対する給水の流量を調節する流量調節手段と、
前記熱交換器で生成された温水の温度を検出する温度検出手段と、
前記第1流通切換手段及び前記流量調節手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1流通切換手段を流通状態に制御した運転中、前記温度検出手段の検出温度値が目標温度値になるように、前記流量調節手段を制御する流量制御部と、
前記温水タンクの水位と前記目標温度値との相関データを記憶する記憶部と、
前記水位検出手段の検出水位値及び前記記憶部の相関データに基づいて、前記目標温度値を決定する目標温度決定部と、を有し、
前記相関データは、前記温水タンクの水位が高くなるほど、前記目標温度値が高くなる相関関係であ
り、
前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が前記給水加温ユニットを停止させる上限水位値よりも低い第1水位範囲にある第1水位状態では、前記目標温度決定部が決定した前記目標温度値を用いて前記流量調節手段を制御し、前記水位検出手段の検出水位値が前記第1水位範囲よりも低い第2水位範囲にある第2水位状態では、前記検出温度値及び前記目標温度値とは無関係に前記流量調節手段を最大流量で制御する、
給水加温ユニット。
【請求項2】
前記温水タンクには、前記熱交換器を介さずに前記温水タンクに給水するバイパス流路が接続され、
前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が前記第2水位範囲よりも低い第3水位範囲にある第3水位状態では、前記流量調節手段を最大流量で制御したまま、前記バイパス流路に給水を流通させ、前記第1水位状態及び前記第2水位状態では、前記バイパス流路の流通を遮断する、
請求項
1に記載の給水加温ユニット。
【請求項3】
圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器が順次環状に接続されて冷媒が循環され、前記凝縮器で温熱を取り出す蒸気圧縮式ヒートポンプと、
前記蒸発器に対する熱源水の流通状態と非流通状態を切り換える第2流通切換手段と、を備え、
前記凝縮器及び前記圧縮機は、それぞれ前記熱交換器及び前記第1流通切換手段として設けられており、
前記制御手段は、運転時に前記第1流通切換手段及び前記第2流通切換手段を流通状態に制御する一方、停止時に前記第1流通切換手段及び前記第2流通切換手段を非流通状態に制御する、
請求項1
又は請求項
2に記載の給水加温ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水加温ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
熱源水の熱を用いて給水を加温し、生成された温水をボイラの温水タンクに供給する技術が提案されている。温水タンクの温水がボイラに供給されることにより、ボイラで蒸気を生成するために必要な燃料が削減される。特許文献1には、生成される温水の温度が目標温度に維持されるように給水の流量を調整する出湯温度一定制御に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生成される温水量が不足すると、温水タンクが渇水に近い低水位状態となり、ボイラの運転を継続できなくなる懸念がある。温水タンクの低水位状態を解消するために、温水タンクに冷水を補給すると、温水タンクの水温が低下し、ボイラでの燃料削減効果が小さくなってしまう。
【0005】
本発明の態様は、温水タンクの低水位状態及び水温低下を防止できる給水加温ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、水位検出手段を有する温水タンクに温水を供給する給水加温ユニットであって、高温流体と給水との熱交換により給水を加温する熱交換器と、前記熱交換器に対する高温流体の流通状態と非流通状態を切り換える第1流通切換手段と、前記熱交換器に対する給水の流量を調節する流量調節手段と、前記熱交換器で生成された温水の温度を検出する温度検出手段と、前記第1流通切換手段及び前記流量調節手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1流通切換手段を流通状態に制御した運転中、前記温度検出手段の検出温度値が目標温度値になるように、前記流量調節手段を制御する流量制御部と、前記温水タンクの水位と前記目標温度値との相関データを記憶させた記憶部と、前記水位検出手段の検出水位値、及び前記記憶部の相関データに基づいて、前記目標温度値を決定する目標温度決定部と、を有し、前記相関データは、前記温水タンクの水位が高くなるほど、前記目標温度値が高くなる相関関係であり、前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が前記給水加温ユニットを停止させる上限水位値よりも低い第1水位範囲にある第1水位状態では、前記目標温度決定部が決定した前記目標温度値を用いて前記流量調節手段を制御し、前記水位検出手段の検出水位値が前記第1水位範囲よりも低い第2水位範囲にある第2水位状態では、前記検出温度値及び前記目標温度値とは無関係に前記流量調節手段を最大流量で制御する、給水加温ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、温水タンクの低水位状態及び水温低下を防止できる給水加温ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る温水製造システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る給水加温ユニットの制御方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る熱交換器の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[1]第1実施形態
<温水製造システム>
図1は、本実施形態に係る温水製造システム100の一例を模式的に示す図である。温水製造システム100は、工場のような産業施設に設けられる。
【0011】
温水製造システム100は、給水加温ユニット1と、給水CWを貯留する給水タンク2と、熱源水SWを貯留する熱源水タンク3と、給水加温ユニット1で生成された温水HWを貯留する温水タンク51と、温水タンク51の水位を検出する水位センサ50とを備える。
【0012】
また、温水製造システム100は、給水タンク2と給水加温ユニット1を接続する給水流路10と、給水加温ユニット1と温水タンク51とを接続する温水流路11と、給水タンク2と温水タンク51とを接続するバイパス流路12と、熱源水タンク3と給水加温ユニット1を接続する熱源水流路13とを有する。
【0013】
給水タンク2は、給水加温ユニット1及び温水タンク51の少なくとも一方に供給される給水CWを貯留する。給水タンク2は、給水流路10を介して給水加温ユニット1に接続される。給水タンク2は、バイパス流路12を介して温水タンク51に接続される。給水タンク2に貯留される給水CWの温度は、例えば20℃である。給水タンク2に貯留される給水CWは、軟水である。硬水軟化装置(不図示)により硬度成分が除去された軟水が給水タンク2に貯留される。
【0014】
熱源水タンク3は、給水加温ユニット1に供給される熱源水SWを貯留する。熱源水タンク3は、熱源水流路13を介して給水加温ユニット1に接続される。熱源水SWは、産業施設から排出される廃温水を含む。熱源水SWは、産業施設から供給流路14を介して熱源水タンク3に供給される。熱源水タンク3は、熱源水SWをオーバーフローさせるオーバーフロー路15を有する。
【0015】
温水タンク51は、給水加温ユニット1で生成された温水HWを貯留する。温水タンク51は、温水流路11を介して給水加温ユニット1に接続される。また、温水タンク51は、温水流路53を介してボイラ52と接続される。温水流路53には、温水ポンプ54が設けられる。温水ポンプ54が駆動されることにより、温水タンク51の温水HWがボイラ52に供給される。
【0016】
ボイラ52は、蒸気ボイラである。ボイラ52は、温水タンク51から供給された温水HWを加熱して蒸気を生成する。ボイラ52で生成された蒸気は、蒸気使用機器(不図示)に供給される。温水タンク51の温水HWがボイラ52に供給されることにより、ボイラ52で蒸気を生成するために必要な燃料が削減される。
【0017】
バイパス流路12には、補給ポンプ7が設けられる。補給ポンプ7は、給水タンク2に貯留されている給水CWを温水タンク51に供給する。補給ポンプ7が駆動されることにより、給水タンク2の給水CWが、給水加温ユニット1を介さずに、バイパス流路12を介して温水タンク51に供給される。
【0018】
補給ポンプ7は、可変容量ポンプでもよいし、固定容量ポンプでもよい。補給ポンプ7は、温水タンク51に対して給水CWが供給される流通状態と、温水タンク51に対する給水CWの供給が停止される非流通状態とを切り換える。補給ポンプ7が駆動されることにより、給水タンク2から温水タンク51に対して給水CWが供給される流通状態になる。補給ポンプ7が停止されることにより、給水タンク2から温水タンク51に対する給水CWの供給が停止される非流通状態になる。
【0019】
水位センサ50は、温水タンク51の水位を検出する水位検出手段として機能する。温水タンク51の水位とは、温水タンク51に貯留される温水HWの表面の高さをいう。本実施形態において、水位センサ50は、電極式水位センサを含む。水位センサ50として、例えば複数の電極棒が温水タンク51に配置されてもよい。複数の電極棒は、電極棒の下端部の高さが異なるように温水タンク51に配置される。温水HWに接触した電極棒が特定されることにより、温水タンク51の水位が検出される。なお、水位センサ50は、温水タンク51の水位を検出できればよく、電極式水位センサ以外に静電容量式水位センサや圧力式センサを利用することもできる。
【0020】
<給水加温ユニット>
給水加温ユニット1は、熱源水タンク3から供給された熱源水SWの熱を用いて、給水タンク2から供給された給水CWを加温して、温水HWを生成する。給水加温ユニット1は、給水CWを加温して温水HWを生成するヒートポンプ4と、ヒートポンプ4に対する熱源水SWの流通状態と非流通状態とを切り換える熱源水ポンプ5と、ヒートポンプ4に対する給水CWの流量を調節する給水ポンプ6と、ヒートポンプ4で生成された温水HWの温度を検出する温度センサ8と、制御装置9とを備える。
【0021】
給水ポンプ6は、給水流路10に設けられる。給水ポンプ6は、給水タンク2に貯留されている給水CWをヒートポンプ4に供給する。給水ポンプ6が駆動されることにより、給水タンク2の給水CWが給水流路10を介してヒートポンプ4に供給される。給水ポンプ6は、可変容量ポンプである。給水ポンプ6は、ヒートポンプ4に対する給水CWの流量を調節可能である。
【0022】
本実施形態において、給水ポンプ6を駆動するモータの駆動周波数がインバータ制御される。給水ポンプ6の回転数は、モータの駆動周波数に連動する。給水ポンプ6の回転数が調整されることにより、給水タンク2からヒートポンプ4に対する給水CWの流量が調節される。
【0023】
また、給水ポンプ6は、ヒートポンプ4に対して給水CWが供給される流通状態とヒートポンプ4に対する給水CWの供給が停止される非流通状態とを切り換える。給水ポンプ6が駆動されることにより、給水タンク2からヒートポンプ4に対して給水CWが供給される流通状態になる。給水ポンプ6が停止されることにより、給水タンク2からヒートポンプ4に対する給水CWの供給が停止される非流通状態になる。
【0024】
熱源水ポンプ5は、熱源水流路13に設けられる。熱源水ポンプ5は、熱源水タンク3に貯留されている熱源水SWをヒートポンプ4に供給する。熱源水ポンプ5が駆動することにより、熱源水タンク3の熱源水SWが、熱源水流路13を介して、ヒートポンプ4に供給される。
【0025】
熱源水ポンプ5は、可変容量ポンプでもよいし、固定容量ポンプでもよい。熱源水ポンプ5は、ヒートポンプ4に対して熱源水SWが供給される流通状態とヒートポンプ4に対する熱源水SWの供給が停止される非流通状態とを切り換える。熱源水ポンプ5が駆動されることにより、熱源水タンク3からヒートポンプ4に対して熱源水SWが供給される流通状態になる。熱源水ポンプ5が停止されることにより、熱源水タンク3からヒートポンプ4に対する熱源水SWの供給が停止される非流通状態になる。
【0026】
本実施形態において、ヒートポンプ4は、蒸気圧縮式ヒートポンプである。ヒートポンプ4は、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁43と、蒸発器44とを有する。圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、及び蒸発器44は、順次環状に接続されて循環流路47を形成する。冷媒REは、圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、及び蒸発器44を含む循環流路47を循環する。循環流路47を流れる冷媒REは、気相の冷媒REであるガス冷媒REgと、液相の冷媒REである液冷媒RElとを含む。ヒートポンプ4は、凝縮器42で温熱を取り出す。
【0027】
また、ヒートポンプ4は、循環流路47において凝縮器42と膨張弁43との間に配置される過冷却器45と、廃熱回収熱交換器46とを有する。
【0028】
給水流路10は、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42のそれぞれに配置される。給水タンク2から給水流路10に送出された給水CWは、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42の順に流れる。
【0029】
熱源水流路13は、蒸発器44、及び廃熱回収熱交換器46のそれぞれに配置される。熱源水タンク3から熱源水流路13に送出された熱源水SWは、蒸発器44、及び廃熱回収熱交換器46の順に流れる。
【0030】
冷媒REは、循環流路47において、圧縮機41、凝縮器42、過冷却器45、膨張弁43、及び蒸発器44の順に流れる。
【0031】
圧縮機41は、冷媒REを圧縮する。圧縮機41には、ガス冷媒REgが供給される。圧縮機41は、ガス冷媒REgを圧縮して高温高圧のガス冷媒REgを生成する。圧縮機41で生成される高温高圧のガス冷媒REgは、給水CWとの熱交換に利用される高温流体である。
【0032】
圧縮機41は、モータ(不図示)により駆動される。圧縮機41が駆動されることにより、ガス冷媒REgが圧縮され、高温高圧のガス冷媒REgが凝縮器42に供給される。圧縮機41が停止されることにより、凝縮器42に対するガス冷媒REgの供給が停止される。
【0033】
凝縮器42は、圧縮機41からのガス冷媒REgを凝縮する。給水CWは、給水流路10を介して凝縮器42に供給される。ガス冷媒REgは、凝縮器42において凝縮されることにより放熱して、給水CWに熱を与える。また、ガス冷媒REgは、凝縮器42において放熱することにより液化して液冷媒RElに変換される。凝縮器42は、高温流体であるガス冷媒REgと給水CWとの熱交換により給水CWを加温する。凝縮器42は、給水CWを加温して温水HWを生成する。
【0034】
凝縮器42は、温水流路11を介して温水タンク51に接続される。凝縮器42で生成された温水HWは、温水流路11を介して温水タンク51に供給される。
【0035】
膨張弁43は、凝縮器42からの液冷媒RElを膨張させる。膨張弁43は、凝縮器42からの液冷媒RElの圧力及び温度を低下させる。
【0036】
蒸発器44は、膨張弁43からの液冷媒RElを蒸発させる。熱源水SWは、熱源水流路13を介して蒸発器44に供給される。液冷媒RElは、蒸発器44において蒸発することにより吸熱して、熱源水SWから熱を奪う。また、液冷媒RElは、蒸発器44において吸熱することにより気化してガス冷媒REgに変換される。
【0037】
過冷却器45は、凝縮器42に供給される前の給水CWと膨張弁43に供給される前の液冷媒RElとを熱交換する間接熱交換器である。給水CWは、給水流路10を介して過冷却器45に供給される。過冷却器45に供給された給水CWにより、膨張弁43に供給される前の液冷媒RElが過冷却される。過冷却器45に供給された液冷媒RElにより、凝縮器42に供給される前の給水CWが加温される。冷媒REは、凝縮器42において潜熱を放出し、過冷却器45において顕熱を放出する。
【0038】
廃熱回収熱交換器46は、過冷却器45に供給される前の給水CWと蒸発器44を通過した後の熱源水SWとを熱交換する間接熱交換器である。給水CWは、給水流路10を介して廃熱回収熱交換器46に供給される。熱源水SWは、熱源水流路13を介して廃熱回収熱交換器46に供給される。廃熱回収熱交換器46において、給水CWと熱源水SWとが熱交換することにより、過冷却器45に供給される前の給水CWが加温される。
【0039】
圧縮機41が駆動されることにより、ガス冷媒REgが圧縮され、高温流体である高温高圧のガス冷媒REgが凝縮器42に供給される。圧縮機41が停止されることにより、凝縮器42に対するガス冷媒REgの供給が停止される。圧縮機41は、凝縮器42に対する高温流体(ガス冷媒REg)の流通状態と非流通状態を切り換える第1流通切換手段として機能する。圧縮機41が駆動されることにより、圧縮機41から凝縮器42に対してガス冷媒REgが供給される流通状態になる。圧縮機41が停止されることにより、圧縮機41から凝縮器42に対するガス冷媒REgの供給が停止される非流通状態になる。
【0040】
凝縮器42は、高温流体(ガス冷媒REg)と給水CWとの熱交換により給水CWを加温する熱交換器として機能する。
【0041】
熱源水ポンプ5は、蒸発器44及び廃熱回収熱交換器46に対する熱源水SWの流通状態と非流通状態とを切り換える第2流通切換手段として機能する。熱源水ポンプ5が駆動されることにより、熱源水タンク3から蒸発器44及び廃熱回収熱交換器46に対して熱源水SWが供給される流通状態になる。熱源水ポンプ5が停止されることにより、熱源水タンク3から蒸発器44及び廃熱回収熱交換器46に対する熱源水SWの供給が停止される非流通状態になる。
【0042】
給水ポンプ6は、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対する給水CWの流通状態と非流通状態とを切り換える第3流通切換手段として機能する。給水ポンプ6が駆動されることにより、給水タンク2から廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対して給水CWが供給される流通状態になる。給水ポンプ6が停止されることにより、給水タンク2から廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対する給水CWの供給が停止される非流通状態になる。また、給水ポンプ6は、給水流路10を介して廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に供給される給水CWの流量を調節する。給水ポンプ6は、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対する給水CWの流量を調節する流量調節手段として機能する。
【0043】
温度センサ8は、凝縮器42で生成された温水CWの温度を検出する。温度センサ8は、温水流路11に配置される。温水流路11は、凝縮器42の出口に接続される。温度センサ8は、凝縮器42で生成された温水CWの温度を検出する温度検出手段として機能する。
【0044】
制御装置9は、圧縮機41(第1流通切換手段)、熱源水ポンプ5(第2流通切換手段)、及び給水ポンプ6(第3流通切替手段,流量調節手段)を制御する制御手段として機能する。制御装置9は、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6のそれぞれを制御する。制御装置9は、給水加温ユニット1の運転及び停止を切り換えることができる。
【0045】
給水加温ユニット1を運転させることは、少なくとも圧縮機41を駆動させることを含む。本実施形態において、給水加温ユニット1を運転させることは、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6のそれぞれを駆動させることを含む。制御装置9は、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6のそれぞれを駆動させて、給水加温ユニット1を運転させる。
【0046】
給水加温ユニット1を停止させることは、少なくとも圧縮機41を停止させることを含む。本実施形態において、給水加温ユニット1を停止させることは、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6のそれぞれを停止させることを含む。制御装置9は、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6のそれぞれを停止させて、給水加温ユニット1を停止させる。
【0047】
制御装置9は、圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6を連動させる。制御装置9は、圧縮機41を駆動させたとき、熱源水ポンプ5及び給水ポンプ6も駆動させる。制御装置9は、圧縮機41を停止させたとき、熱源水ポンプ5及び給水ポンプ6も停止させる。
【0048】
圧縮機41を駆動させることは、循環流路47に冷媒RE(REg,REl)が循環される流通状態にすることを含む。圧縮機41を停止させることは、循環流路47の冷媒REの循環が停止される非流通状態にすることを含む。
【0049】
熱源水ポンプ5を駆動させることは、蒸発器44及び廃熱回収熱交換器46に対して熱源水SWが供給される流通状態にすることを含む。熱源水ポンプ5を停止させることは、蒸発器44及び廃熱回収熱交換器46に対する熱源水SWの供給が停止される非流通状態にすることを含む。
【0050】
給水ポンプ6を駆動させることは、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対して給水CWが供給される流通状態にすることを含む。給水ポンプ6を停止させることは、廃熱回収熱交換器46、過冷却器45、及び凝縮器42に対する給水CWの供給が停止される非流通状態にすることを含む。
【0051】
本実施形態において、制御装置9は、給水加温ユニット1の運転時に圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6を流通状態に制御する一方、給水加温ユニット1の停止時に圧縮機41、熱源水ポンプ5、及び給水ポンプ6を非流通状態に制御する。
【0052】
本実施形態において、制御装置9は、給水加温ユニット1の運転中において、圧縮機41の出力(回転数)が一定になるように、圧縮機41を制御する。圧縮機41のモータの駆動周波数は一定に維持され、圧縮機41は一定の出力で駆動する。また、制御装置9は、圧縮機41の吸込冷媒の過熱度が一定になるように、膨張弁43の開度を調節する制御を行う。
【0053】
<制御装置>
図2は、本実施形態に係る制御装置9の一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、制御装置9は、第1流通切換制御部91と、第2流通切換制御部92と、検出温度取得部93と、検出水位取得部94と、記憶部95と、目標温度決定部96と、流量制御部97と、警報制御部98とを有する。
【0054】
第1流通切換制御部91は、圧縮機41を制御する切換指令を出力する。第1流通切換制御部91から出力される切換指令は、圧縮機41を駆動して圧縮機41を流通状態に制御する流通指令、及び圧縮機41を停止して圧縮機41を非流通状態に制御する非流通指令を含む。
【0055】
第2流通切換制御部92は、熱源水ポンプ5を制御する切換指令を出力する。第2流通切換制御部92から出力される切換指令は、熱源水ポンプ5を駆動して熱源水ポンプ5を流通状態に制御する流通指令、及び熱源水ポンプ5を停止して熱源水ポンプ5を非流通状態に制御する非流通指令を含む。
【0056】
熱源水ポンプ5は、圧縮機41と連動する。第1流通切換制御部91から流通指令が出力されて圧縮機41が流通状態に制御された運転時に、第2流通切換制御部92は、流通指令を出力して熱源水ポンプ5を流通状態に制御する。第1流通切換制御部91から非流通指令が出力されて圧縮機41が非流通状態に制御された停止時に、第2流通切換制御部92は、非流通指令を出力して熱源水ポンプ5を非流通状態に制御する。
【0057】
検出温度取得部93は、温度センサ8の検出温度値を取得する。温度センサ8の検出温度値は、凝縮器42からの出湯温度、すなわち温水タンク51への給湯温度である。
【0058】
検出水位取得部94は、水位センサ50の検出水位値を取得する。水位センサ50の検出水位値は、温水タンク51の温水HWの貯留量に対応する。
【0059】
記憶部95は、温水タンク51の水位と凝縮器42で生成される温水HWの目標温度値との相関データを記憶する。相関データは、相関テーブルでもよいし相関式でもよい。相関データは、温水タンク51の水位が高くなるほど、目標温度値が高くなる相関関係である。
【0060】
目標温度決定部96は、検出水位取得部94により取得された水位センサ50の検出水位値及び記憶部95の相関データに基づいて、凝縮器42から出湯される温水HWの目標温度値を決定する。
【0061】
流量制御部97は、圧縮機41を流通状態に制御した給水加温ユニット1の運転中、検出温度取得部93により取得された温度センサ8の検出温度値が目標温度決定部96により決定された目標温度値になるように、給水ポンプ6を制御する流量指令を出力する。
【0062】
本実施形態において、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が給水加温ユニット1を停止させる上限水位値よりも低い第1水位範囲にある第1水位状態では、目標温度決定部96が決定した目標温度値を用いて給水ポンプ6を制御する。
【0063】
また、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第1水位範囲よりも低い第2水位範囲にある第2水位状態では、温度センサ8の検出温度値及び目標温度値とは無関係に給水ポンプ6を最大流量で制御する。給水ポンプ6を最大流量で制御することは、給水ポンプ6のモータを最大駆動周波数で駆動させるインバータ制御を実施することを含む。
【0064】
また、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第2水位範囲よりも低い第3水位範囲にある第3水位状態では、給水ポンプ6を最大流量で制御したまま、補給ポンプ7を駆動してバイパス流路12に給水CWを流通させる。
【0065】
なお、流量制御部97は、第1水位状態及び第2水位状態では、補給ポンプ7を停止してバイパス流路12における給水CWの流通を遮断する。
【0066】
警報制御部98は、水位センサ50の検出水位値が上限水位値よりも高い高水位範囲にある高水位状態、及び水位センサ50の検出水位値が第3水位範囲にある第3水位状態において、警報装置16を作動させる。警報装置16は、警報音を出力する警報音出力装置でもよいし、警報表示データを表示する表示装置でもよい。
【0067】
<制御方法>
次に、本実施形態に係る制御装置9の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る給水加温ユニット1の制御方法を説明するための図である。
【0068】
図3は、記憶部95に記憶されている相関データを模式的に示す。
図3に示すように、相関データは、温水タンク51の水位と凝縮器42から出湯される温水HWの目標温度値との関係を示す相関テーブルを含む。
【0069】
相関データにおいて、上限水位値が設定される。上限水位値は、給水加温ユニット1を停止させる停止水位である。制御装置9は、水位センサ50の検出水位値が上限水位値よりも高い高水位範囲にある高水位状態であると判定した場合、給水加温ユニット1を停止させる。すなわち、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が上限水位値を上回る高水位状態であると判定した場合、給水ポンプ6を停止して温水タンク51への温水HWの供給を停止させる。また、第1流通切換制御部91は、圧縮機71を停止して冷媒REの流通を停止させ、第2流通切換制御部92は、熱源水ポンプ5を停止して熱源水SWの供給を停止させる。また、警報制御部98は、水位センサ50の検出水位値が上限水位値を上回る高水位状態であると判定した場合、検出水位値が高水位状態であることを示す高水位アラームを警報装置16に出力させる。
【0070】
また、相関データにおいて、上限水位値よりも低い第1水位範囲が設定される。また、第1水位範囲において、目標温度値が設定される。
図3に示すように、第1水位範囲において、目標温度値として、75℃,70℃,65℃,60℃,55℃が設定される。相関データは、温水タンク51の水位が高くなるほど目標温度値が高くなり、温水タンク51の水位が低くなるほど目標温度値が低くなる相関関係である。
【0071】
目標温度決定部96は、水位センサ50の検出水位値が第1水位範囲にある第1水位状態において、水位センサ50の検出水位値と、記憶部95に記憶されている相関データとに基づいて、目標温度値を決定する。
【0072】
本実施形態においては、目標温度値を決定するための水位が段階的に設定される。
図3に示すように、本実施形態においては、第1水位範囲において、停止水位よりも低い第1水位、第1水位よりも低い第2水位、第2水位よりも低い第3水位、第3水位よりも低い第4水位、及び第4水位よりも低い起動水位が設定される。
【0073】
例えば、水位センサ50の検出水位値が停止水位と第1水位との間にあると判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を75℃に決定する。
【0074】
水位センサ50の検出水位値が停止水位と第1水位との間にある状態から、第1水位を下回り、第1水位と第2水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を70℃に決定する。
【0075】
水位センサ50の検出水位値が第1水位と第2水位との間にある状態から、第2水位を下回り、第2水位と第3水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を65℃に決定する。
【0076】
水位センサ50の検出水位値が第2水位と第3水位との間にある状態から、第3水位を下回り、第3水位と第4水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を60℃に決定する。
【0077】
水位センサ50の検出水位値が第3水位と第4水位との間にある状態から、第4水位を下回り、第4水位と起動水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を55℃に決定する。
【0078】
また、水位センサ50の検出水位値が起動水位と第4水位との間にある状態から、第4水位を上回り、第4水位と第3水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を60℃に決定する。
【0079】
水位センサ50の検出水位値が第4水位と第3数位との間にある状態から、第3水位を上回り、第3水位と第2水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を65℃に決定する。
【0080】
水位センサ50の検出水位値が第3水位と第2水位との間にある状態から、第2水位を上回り、第2水位と第1水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を70℃に決定する。
【0081】
水位センサ50の検出水位値が第2水位と第1水位との間にある状態から、第1水位を上回り、第1水位と停止水位との間にある状態に遷移したと判定した場合、目標温度決定部96は、目標温度値を75℃に決定する。
【0082】
流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第1水位範囲にある第1水位状態では、目標温度決定部96が決定した目標温度値を用いて給水ポンプ6を制御する。すなわち、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第1水位範囲にある第1水位状態であると判定した場合、温度センサ8の検出温度値が目標温度決定部96により決定された目標温度値になるように給水ポンプ6を制御する出湯温度一定制御を実行する。出湯温度一定制御では、温度センサ8の検出温度値が目標温度値に収束するように、速度型PIDアルゴリズムにより給水ポンプ6の駆動周波数に対する操作量が演算され、インバータ回路からモータ部への出力周波数が調整される。
【0083】
水位センサ50の検出水位値が第1水位状態では、補給ポンプ7は停止され、バイパス流路12における給水CWの流通は遮断される。
【0084】
第1水位状態において、目標温度値が高いほど温水タンク5に供給される温水HWの流量が少なくなるように給水ポンプ6が制御される。また、目標温度値が低いほど温水タンク51に供給される温水HWの流量が多くなるように給水ポンプ6が制御される。
【0085】
温水タンク51の水位が高くなるほど目標温度値が高くなり、温水タンク51の水位が低くなるほど目標温度値が低くなる相関データに基づいて、目標温度値が決定されることにより、流量制御部97は、ボイラ52での温水HWの消費速度に応じて、温水HWの生成量を増減させる。これにより、温水タンク51を適正な水位範囲(第1水位状態)に維持することができる。
【0086】
また、相関データにおいて、第1水位範囲よりも低い第2水位範囲が設定される。第2水位範囲は、起動水位よりも低い水位範囲である。
【0087】
起動水位とは、停止している状態の給水加温ユニット1を起動させる水位をいう。給水加温ユニット1が停止している状態で、水位センサ50の検出水位値が起動水位を下回った場合、目標温度決定部96は、目標温度値を55℃に決定し、流量制御部97は、給水加温ユニット1を起動する。流量制御部97は、温度センサ8の検出温度値が目標温度値55℃になるように、給水ポンプ6を制御する。
【0088】
給水加温ユニット1の運転中において、水位センサ50の検出水位値が起動水位を下回り、第2水位範囲にある第2水位状態であると判定した場合、流量制御部97は、給水ポンプ6を最大流量で制御する。すなわち、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第2水位範囲にある第2水位状態では、温度センサ8の検出温度値及び目標温度値とは無関係に給水ポンプ6を最大流量で制御する。この制御では、インバータ回路からの出力周波数が最大駆動周波数に調整される。
【0089】
水位センサ50の検出水位値が第2水位状態では、補給ポンプ7は停止され、バイパス流路12における給水CWの流通は遮断される。
【0090】
給水ポンプ6が最大駆動周波数で駆動されることにより、温水タンク51には、給水ポンプ6の最大流量で温水HWが供給される。これにより、第2水位範囲にある水位は、第1水位範囲に短時間で復帰する。
【0091】
また、相関データにおいて、第2水位範囲よりも低い第3水位範囲が設定される。第3水位範囲は、バイパス開放水位よりも低い水位範囲である。
【0092】
給水加温ユニット1の運転中において、水位センサ50の検出水位値がバイパス開放水位を下回り、第3水位範囲にある第3水位状態であると判定した場合、流量制御部97は、給水ポンプ6を最大流量で制御したまま、補給ポンプ7を駆動して、バイパス流路12に給水CWを流通させる。
【0093】
また、警報制御部98は、水位センサ50の検出水位値がバイパス開放水位を下回る第3水位状態であると判定した場合、検出水位値が第3水位値状態であることを示す低水位アラームを警報装置16に出力させる。
【0094】
給水ポンプ6が最大駆動周波数で駆動され、補給ポンプ7が追加で駆動されることにより、温水タンク51には、温水HWと給水CW(冷水)が同時に供給される。これにより、第3水位範囲にある水位は、第1水位範囲に短時間で復帰する。
【0095】
温水タンク51の検出水位が第3水位範囲にある第3水位状態から第2水位範囲にある第2水位状態に遷移した場合、流量制御部97は、給水ポンプ6を最大流量で制御したまま、補給ポンプ7を停止して、バイパス流路12における給水CWの流通を遮断する。
【0096】
また、温水タンク51の検出水位が第2水位範囲にある第2水位状態から第1水位範囲にある第1水位状態に遷移した場合、流量制御部97は、目標温度値55℃に基づいて、給水ポンプ6を制御する。
【0097】
<コンピュータシステム>
図4は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の制御装置9は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の制御装置9の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0098】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、温水タンク51の水位と温水HWの目標温度値との相関データが記憶部95に記憶され、水位センサ50の検出水位値及び記憶部95に記憶されている相関データに基づいて、温水HWの目標温度値が決定される。流量制御部97は、圧縮機41及び熱源水ポンプ5を流通状態にした給水加温ユニット1の運転中、温度センサ8の検出温度値が目標温度値になるように給水ポンプ6を制御する。本実施形態においては、相関データは、温水タンク51の水位が高くなるほど目標温度値が高くなる相関関係である。これにより、温水タンク51は、ボイラ52の負荷に追従して適正な水位及び水温に維持され、温水タンク51の低水位状態及び水温低下が防止される。
【0099】
また、流量制御部97は、水位センサ50の検出水位値が第1水位範囲にある第1水位状態では、目標温度決定部96が決定した目標温度値に基づいて給水ポンプ6を制御する。これにより、温水タンク51には、ボイラ52での燃料削減効果が得られる温度の温水HWが一定量、継続して確保される。
【0100】
また、例えば熱源水SWの温度が低い場合、目標温度値の温水HWを生成するためには、給水加温ユニット1に供給する給水CWの流量を少なくする必要が生じる。給水CWの流量が少なくなると、給水加温ユニット1で生成される温水HWの量が不足する可能性がある。その結果、ボイラ52が低負荷で稼動していても、温水タンク51の水位が低下する可能性がある。また、ボイラ52が高負荷で稼動し、使用する温水HWの量が急激に増えた場合も、温水タンク51の水位が低下する可能性がある。
【0101】
本実施形態においては、水位センサ50の検出水位値が第2水位範囲にある第2水位状態においては、圧縮機41及び熱源水ポンプ5を流通状態に制御した給水加温ユニット1の運転中において、給水ポンプ6が最大流量に制御される。これにより、給水加温ユニット1で製造された多量の温水HWが温水タンク51に供給される。したがって、温水タンク51の低水位状態が確実に防止される。
【0102】
温水タンク51の低水位状態を解消するために、給水タンク2の給水CWをバイパス流路12から温水タンク51に直接供給した場合、給水タンク2の給水CWの温度は低いので、温水タンク51の水温が過度に低下してしまう可能性がある。
【0103】
本実施形態においては、温水タンク51の水位が第2水位範囲に下降した場合、給水ポンプ6が最大流量で制御され、給水加温ユニット1に多量の給水CWが供給される。給水加温ユニット1で生成される温水HWの温度は、目標温度値(55℃)よりも低い可能性があるものの、給水タンク2の給水CWの温度(例えば20℃)よりも十分に高い。給水加温ユニット1で生成された多量の温水HWが温水タンク51に供給されることにより、温水タンク51の低水位状態及び水温低下を防止しつつ、ボイラ52での燃料削減効果を得ることができる。
【0104】
また、本実施形態においては、水位センサ50の検出水位値が第3水位範囲にある第3水位状態においては、圧縮機41及び熱源水ポンプ5を流通状態に制御した運転中において、給水ポンプ6が最大流量に制御されたまま、給水タンク2の給水CWがバイパス流路12を介して温水タンク51に供給される。すなわち、第3水位状態においては、給水加温ユニット1から温水タンク51に多量の温水HWが供給されるともに、バイパス流路12を介して温水タンク51に給水CWが供給される。これにより、ある程度の水温低下を許容しつつ、低下した水位を短時間で回復させることができる。
【0105】
[2]第2実施形態
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0106】
図5は、本実施形態に係る熱交換器400の一例を示す模式図である。上述の実施形態においては、給水加温ユニット1が蒸気圧縮式ヒートポンプ4を備えており、凝縮器42が熱交換器として設けられ、圧縮機41が第1流通切換手段として設けられることとした。また、ガス冷媒REgと給水CWとの熱交換により給水CWが加温されることとした。
【0107】
図5に示すように、給水加温ユニット1には、給水CWと熱源水SWとの熱交換により給水CWを加温する熱交換器400が設けられてもよい。また、熱交換器400に対する高温流体(熱源水SW)の流通状態と非流通状態とを切り換える第1流通切換手段として、熱交換器400に対する熱源水SWの供給と停止とを切り換え可能な熱源水ポンプ500が設けられてもよい。また、第1流通切換手段として、熱交換器400に対する熱源水SWの供給と停止とを切り換え可能な開閉弁が設けられてもよい。
【0108】
[3]他の実施形態
なお、上述の実施形態においては、給水ポンプ6が可変容量ポンプであることとした。給水ポンプ6は、固定容量ポンプでもよい。固定容量ポンプである給水ポンプ6が給水流路10に配置される場合、流量調節手段として機能する比例制御弁が給水流路10に配置されてもよい。比例制御弁の開度が制御されることにより、凝縮器42(熱交換器400)に対する給水CWの流量が調節される。給水加温ユニット1の運転時において、比例制御弁が開き、凝縮器42に給水CWを供給する。給水加温ユニット1の停止時において、比例制御弁が閉じ、凝縮器42に対する給水CWを遮断する。第1水位状態においては、温度センサ8の検出温度値が目標温度値になるように、比例制御弁の開度が制御される。第2水位状態又は第3水位状態においては、最大開度になるように比例制御弁が制御される。これにより、給水CWは最大流量で凝縮器42に供給される。
【0109】
なお、例えば熱源水タンク3の熱源水SWが加圧状態であるとき、熱源水ポンプ5が省略されても、熱源水タンク3の熱源水SWは、熱源水流路13を介して蒸発器44に供給される。そのため、熱源水タンク3の熱源水SWが加圧状態であるとき、第2流通切換手段として、開閉弁が熱源水流路13に設けられてもよい。開閉弁の開閉動作により、蒸発器44(熱交換器400)に対する熱源水SWの流通状態と非流通状態とを切り換えることができる。給水加温ユニット1の運転時において、開閉弁が開き、蒸発器44に熱源水SWが供給される。給水加温ユニット1の停止時において、開閉弁が閉じ、蒸発器44に対する熱源水SWの供給が遮断される。
【符号の説明】
【0110】
1…給水加温ユニット、2…給水タンク、3…熱源水タンク、4…ヒートポンプ、5…熱源水ポンプ、6…給水ポンプ、7…補給ポンプ、8…温度センサ、9…制御装置、10…給水流路、11…温水流路、12…バイパス流路、13…熱源水流路、14…供給流路、15…オーバーフロー路、16…警報装置、41…圧縮機、42…凝縮器、43…膨張弁、44…蒸発器、45…過冷却器、46…廃熱回収熱交換器、47…循環流路、50…水位センサ(水位検出手段)、51…温水タンク、52…ボイラ、53…温水流路、54…温水ポンプ、91…第1流通切換制御部、92…第2流通切換制御部、93…検出温度取得部、94…検出水位取得部、95…記憶部、96…目標温度決定部、97…流量制御部、98…警報制御部、100…温水製造システム、CW…給水、HW…温水、RE…冷媒、REg…ガス冷媒、REl…液冷媒、SW…熱源水。