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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】焼結機
(51)【国際特許分類】
   F27B 21/08 20060101AFI20221101BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20221101BHJP
   C22B 1/20 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
F27B21/08 Z
F27B21/08 H
F27D17/00 105G
C22B1/20 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018213390
(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公開番号】P2020079682
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
(72)【発明者】
【氏名】安彦 弘
(72)【発明者】
【氏名】大田 晃久
(72)【発明者】
【氏名】木村 義久
【審査官】岡田 眞理
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-059297(JP,U)
【文献】実開昭52-117541(JP,U)
【文献】特開昭61-089484(JP,A)
【文献】特開平03-193829(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101338364(CN,A)
【文献】特公昭50-020532(JP,B1)
【文献】実開昭59-155493(JP,U)
【文献】特開平10-288328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 21/00-21/14
F27D 17/00
C22B 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端軌道上を搬送される複数のパレット台車と、
焼結用の原料を積載して搬送される前記複数のパレット台車の下部に配置される風箱と、
前記風箱に挿入されて、前記風箱内に配置される部分において下向きの開口を有し、当該開口から前記風箱内のガスを吸引する吸引管であって、前記風箱内から前記風箱の壁を貫通して前記風箱の外に引き出される吸引管と、
前記風箱の外において前記吸引管に接続され、搬送方向に延びる主ダクトと、
前記風箱から下方に延びるダスト導入管と、
前記ダスト導入管に接続される二重弁と、を備える焼結機。
【請求項2】
前記吸引管は、前記風箱内において、水平に配置されているか又は前記開口から吸引されるガス流の下流側が上流側よりも高くなるように配置されている、請求項1に記載の焼結機。
【請求項3】
前記吸引管は、搬送方向から見て前記開口の縁の全体と重なる部分を含み、幅方向から見て前記開口の縁の全体と重なる部分を含む、請求項1又は2に記載の焼結機。
【請求項4】
前記主ダクトは、上から見て前記パレット台車と重ならない位置に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項5】
前記吸引管の前記主ダクトに接続される端は、前記吸引管の前記開口より高い位置にある、請求項1~4のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項6】
前記風箱は、前記搬送方向に並ぶ複数の風箱で構成され、
前記ダスト導入管は、
前記搬送方向に並び、前記複数の風箱のそれぞれに接続される複数の下降管と、
前記複数の下降管のうち2本以上の下降管と1つの前記二重弁との間を接続する接続管と、を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項7】
前記接続管は、前記搬送方向に並ぶ前記2本以上の下降管から出たダストを、前記搬送方向に移動させて、前記1つの二重弁へ導くケースコンベヤーを含む、請求項6に記載の焼結機。
【請求項8】
前記風箱は、前記搬送方向に並ぶ複数の風箱で構成され、
前記ダスト導入管は、
前記搬送方向に並び、前記複数の風箱のそれぞれに接続される複数の下降管を含み、
前記搬送方向に並ぶ前記複数の下降管のそれぞれに対して、前記二重弁が接続される、請求項1~5のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項9】
前記主ダクトに接続される前記吸引管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出され、
前記ダスト導入管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の他方端の外方に引き出される、請求項1~8のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項10】
前記ダスト導入管は、
前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出される第1下降管と、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の他方端の外方に引き出される第2下降管と、
前記第1下降管及び前記第2下降管と、1つの前記二重弁との間を接続する接続管と、を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の焼結機。
【請求項11】
前記ダスト導入管は、
前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出される第1下降管と、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の他方端の外方に引き出される第2下降管を含み、
前記第1下降管及び前記第2下降管のそれぞれに、前記二重弁が接続される、請求項1~8のいずれか1項に記載の焼結機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端軌道に互いに隣接して配置される複数のパレット台車を有する焼結機に関する。
【背景技術】
【0002】
焼結機は、無端軌道上に配置した複数のパレット台車を有する。複数のパレットは互いに隣接し、連続した搬送コンベヤーを形成する。連続する複数のパレットの上に焼結用の原料が積載され、搬送される。搬送中に、積載した原料中の粉コークス等の燃料に点火される。点火後、原料中の粉コークスが燃焼することで、鉄鉱石が加熱され、部分溶融して焼結鉱が生成される。原料が積載された複数のパレットの下には、負圧を生じさせる複数の連続した風箱群が配置される。風箱群は、主ダクトを介して誘引排風機に接続される。すなわち、風箱群の内部のガスは、誘引排風機によって吸引され、主ダクトを通って排出される。パレット台車に積載された原料の燃焼排ガスは、風箱に吸引される。そのため、原料には、上部から空気が常に供給される。
【0003】
従来の焼結機では、主ダクトは、風箱の下方に配置される。風箱から下方に突出する下降管の下端が、主ダクトに接続される。風箱群の内部のガスは、下降管から主ダクトを通じて排出される。例えば、特開2002-277172号公報(特許文献1)の図2には、2つの主ダクトが、パレットの搬送方向から見て左右に並んで配置される構成が開示されている。また、特開2012-255634号公報(特許文献2)に開示された焼結機では、風箱(ウインドボックス)の幅方向の一方の端のみから下降管が突出して主ダクトに接続される。この焼結機では、焼結鉱の十分な生産能力を確保しつつ、建屋を含めた焼結機の設備全体を小型化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-277172号公報
【文献】特開2012-255634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
風箱内には、吸引される燃焼排ガスと共に、パレット台車から焼結鉱のダストが落下する。従来の焼結機では、ダストは、風箱から下降管を通り、主ダクトに落下する。主ダクトの下面にはダストホッパが設けられる。主ダクトに落下したダストは、ダストホッパに入る。ダストホッパの下部には二重弁が設けられる。ダストホッパに溜まったダストは、二重弁から排出される。
【0006】
従来の焼結機は、主ダクトにダストが導入される構成である。そのため、従来の焼結機は、主ダクトに導入されたダストを排出するための大掛かりな機構(ダストホッパー等)が必要である。本発明は、主ダクトにダストが導入されにくい焼結機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態における焼結機は、無端軌道上を搬送される複数のパレット台車と、焼結用の原料を積載して搬送される前記複数のパレット台車の下部に配置される風箱と、前記風箱に挿入されて、前記風箱内に位置する下向きの開口を有し、当該開口から前記風箱内のガスを吸引する吸引管と、前記風箱の外において前記吸引管に接続され、前記焼結用の原料を積載した複数のパレット台車の搬送方向に延びる主ダクトと、前記風箱から下方に延びるダスト導入管と、前記ダスト導入管に接続される二重弁と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本願開示によれば、主ダクトにダストが導入されにくい焼結機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、焼結機の側面図である。
図2図2は、図1のA-A線における断面図である。
図3図3は、吸引管の開口付近の構成例を示す図である。
図4図4は、図3のB-B線における断面図である。
図5図5は、吸引管の開口付近の他の構成例を示す図である。
図6図6は、吸引管の開口付近の他の構成例を示す図である。
図7図7は、吸引管の開口付近の他の構成例を示す図である。
図8図8は、図7のC-C線の断面図である。
図9図9は、図7の吸引管をx方向から見た図である。
図10図10は、吸引管の遮蔽板の変形例を示す断面図である。
図11図11は、吸引管の遮蔽板の他の変形例を示す断面図である。
図12図12は、排ダスト系の変形例を示す図である。
図13図13は、図12のD-D線における断面図である。
図14図14は、排ダスト系の変形例を示す図である。
図15図15は、排ダスト系の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(構成1)
本発明の実施形態の構成1における焼結機は、無端軌道上を搬送される複数のパレット台車と、焼結用の原料を積載して搬送される前記複数のパレット台車の下部に配置される風箱と、前記風箱に挿入されて、前記風箱内に位置する下向きの開口を有し、当該開口から前記風箱内のガスを吸引する吸引管と、前記風箱の外において前記吸引管に接続され、前記焼結用の原料を積載した複数のパレット台車の搬送方向に延びる主ダクトと、前記風箱から下方に延びるダスト導入管と、前記ダスト導入管に接続される二重弁と、を備える。
【0011】
上記構成1によれば、風箱内に、ガスを吸引する吸引管が挿入される。風箱内にガスを吸引する吸引管の開口が配置される。吸引管の開口は、下向きである。吸引管は、風箱の外において主ダクトと接続される。風箱内のガスは、この下向きの開口から吸引管に入り、主ダクトへ吸引される。一方、開口が下向きであるため、ダストが開口から吸引管に入りにくい。ダストは、風箱から下方に延びるダスト導入管に入り、二重弁から排出される。ダスト導入管は、風箱から二重弁に至るまでの管又は管の組み合わせである。このように、風箱内において、主ダクトに吸引されるガスの経路と、ダストの経路が分かれる。そのため主ダクトにダストが導入されにくい。例えば、パレット台車から落下してくる塊条の異物が主ダクトに入りにくくなる。そのため、主ダクトからダストを排出する部品、例えば、ダストホッパ等が不要になる。またその結果、従来とは異なる主ダクトの配置が可能になる。
【0012】
(構成2)
上記構成1において、前記吸引管は、前記風箱内において、水平に配置されているか、又は、前記開口から吸引されるガス流の下流側が上流側よりも高くなるように配置されていてもよい。これにより、ダストは、より吸引管に入りにくくなる。
【0013】
(構成3)
上記構成1又は2において、前記吸引管は、搬送方向から見て前記開口の縁の全体と重なる部分を含み、幅方向から見て前記開口の縁の全体と重なる部分を含んでもよい。これにより、ダストは、開口から吸引管により入りにくい。
【0014】
(構成4)
上記構成1~3のいずれかにおいて、前記主ダクトは、上から見て前記パレット台車と重ならない位置に配置されてもよい。これにより、主ダクトとパレット台車の無端軌道とを、上下に重ならないように配置できる。そのため、焼結機の設備の高さを低くできる。その結果、例えば、焼結機を収納する建屋の高さを低くできる。
【0015】
(構成5)
上記構成1~4のいずれかにおいて、前記吸引管の前記主ダクトに接続される端は、前記吸引管の前記開口より高い位置にあってもよい。これにより、吸引管内のガスは、下方から上方に流れる。一方、ダストは、重力によって下方に落ちる。そのため、ダストが吸引管を通って主ダクトに入ることがより起こりにくくなる。例えば、主ダクトの下端が、前記吸引管の開口より高くなる位置に主ダクトを配置することができる。
【0016】
(構成6)
上記構成1~5のいずれかにおいて、前記風箱は、前記搬送方向に並ぶ複数の風箱(以下、並んだ複数の風箱を「風箱群」と表現することもある)で構成されてもよい。前記ダスト導入管は、前記搬送方向に並び、前記複数の風箱のそれぞれに接続される複数の下降管と、前記複数の下降管のうち2本以上の下降管と1つの前記二重弁との間を接続する接続管と、を有してもよい。これにより、複数の下降管を通るダストを、1つの二重弁に集められる。この場合、複数の下降管の各々に二重弁を設ける場合に比べて、二重弁の数を少なくすることができる。
【0017】
(構成7)
上記構成6において、前記接続管は、前記搬送方向に並ぶ前記2本以上の下降管から出たダストを、前記搬送方向に移動させて、前記1つの二重弁へ導くケースコンベヤーを含んでもよい。ケースコンベヤーにより、複数の下降管から出たダストを効率良く二重弁に集めることができる。なお、接続管は、例えば、ダストシュート、ケースコンベヤー又はこれらの組み合わせとすることができる。
【0018】
(構成8)
上記構成1~5のいずれかにおいて、前記風箱は、前記搬送方向に並ぶ複数の風箱で構成されてもよい。前記ダスト導入管は、前記搬送方向に並び、前記風箱に接続される複数の下降管を含んでもよい。前記搬送方向に並ぶ前記複数の下降管のそれぞれに対して、前記二重弁が接続されてもよい。これにより、複数の下降管の各々からダストを排出できる。その結果、ダストが溜まりにくくなる。なお、下降管と二重弁の間にダストシュートが配置されてもよい。
【0019】
(構成9)
上記構成1~8のいずれかにおいて、前記主ダクトに接続される前記吸引管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出され、前記ダスト導入管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の他方端の外方に引き出されてもよい。これにより、吸引管と、ダスト導入管が、幅方向において反対側に引き出される。そのため、より主ダクトにダストが入りにくくなる。
【0020】
(構成10)
上記構成1~7のいずれかにおいて、前記ダスト導入管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出される第1下降管と、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の他方端の外方に引き出される第2下降管を有してもよい。前記ダスト導入管は、さらに、前記第1下降管及び前記第2下降管と、1つの前記二重弁との間を接続する接続管を有してもよい。これにより、第1下降管を通るダストと第2下降管を通るダストを、1つの二重弁に集められる。この場合、第1下降管及び第2下降管の各々に二重弁を設ける場合に比べて、二重弁の数を少なくすることができる。
【0021】
(構成11)
上記構成1~5、8のいずれかにおいて、前記ダスト導入管は、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出される第1下降管と、前記風箱から前記パレット台車の幅方向の一方端の外方に引き出される第2下降管を含んでもよい。前記第1下降管及び前記第2下降管のそれぞれに、前記二重弁が接続されてもよい。これにより、第1下降管及び第2下降管の各々からダストを排出できる。その結果、ダストが溜まりにくくなる。
【0022】
本明細書において、搬送方向とは、原料を積んだ軌道上のパレット台車が進行する方向である。搬送方向は、上下方向と直交する。幅方向は、搬送方向及び上下方向に垂直な方向とする。すなわち、搬送方向及び幅方向は水平である。
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0024】
(実施形態1)
<焼結機の構成例>
図1は、本実施形態における焼結機100の構成例を示す側面図である。図2は、図1のA―A線における断面図である。焼結機100は、無端軌道に互いに隣接して配置される複数のパレット台車2を備える。無端軌道Kは、上段軌道Kuと下段軌道Kdを含む。無端軌道Kの上段軌道Kuでは、給鉱側KSから排鉱側HSに向かって、矢印Y1で示す方向に焼結用の原料を積載したパレット台車2が搬送される。図1及び以下の図面では、搬送方向をy軸とし、幅方向をx軸、上下方向をz軸とする直交座標系で表す。
【0025】
無端軌道Kの上段軌道Kuの上には、給鉱側KSから廃鉱側HSに向かって、床敷鉱ホッパ31、給鉱ホッパ32、及び点火炉33が配置される。床敷鉱ホッパ31は、比較的粗い鉄鉱石をパレット台車2に投入する。床敷鉱ホッパ31から投入された鉄鉱石は、パレット台車2の原料収容部の底となる火格子を覆う。給鉱ホッパ32は、比較的細かい粉鉱石をパレット台車2に投入する。投入される粉鉱石にはコークスが混ぜられている。点火炉33は、パレット台車2に収納された焼結用の原料の表面に点火する。点火により、パレット台車2の焼結用の原料の上層部から燃焼が開始する。パレット台車2が、上段軌道Kuの廃鉱側HSの端に達するまでに、燃焼は、パレット台車2の焼結用の原料の最下層まで達する。上段軌道Kuの廃鉱側HSの端において、パレット台車2は反転する。これにより、パレット台車2の焼結鉱が、排鉱される。
【0026】
無端軌道Kの上段軌道Kuのパレット台車2の下方には、複数の風箱3が配置される。複数の風箱3は、搬送方向に並んで配置される。すなわち、複数の風箱3は、焼結用の原料を積載したパレット台車2が搬送される領域に設けられる。複数の風箱3内の空間は、互いにつながっており、大気から遮断されている。複数の風箱3の各々には、吸引管6及び下降管41が接続される。
【0027】
吸引管6は、風箱3と主ダクト5とを接続する。すなわち、吸引管6は、風箱3内の空間と主ダクト5内の空間とを導通させる。主ダクト5は、無端軌道Kの上方において、搬送方向に延びて形成される。吸引管6の主ダクトに接続される端は、吸引管6の開口6aより高い位置にある。また、主ダクト5の下端は、吸引管6の開口6aより高い位置にある。主ダクト5は、無端軌道Kの上段軌道Kuより上方に配置される。主ダクト5は、誘引排風機9につながっている。主ダクト5内のガスは、誘引排風機9に吸引される。主ダクト5には、複数の風箱3のそれぞれから延びる複数の吸引管6が、接続される。複数の吸引管6は、搬送方向に並んで配置される。風箱3内のガスは、吸引管6を通って主ダクト5に吸引される。
【0028】
焼結機100は、風箱3から下方に延びるダスト導入管4と、ダスト導入管4に接続される二重弁とを備える。ダスト導入管4は、風箱3に取り付けられ、風箱3から下方に延びる下降管41と、下降管41と二重弁7との間に接続されるダストシュート43とを含む。ダストシュート43の上端は、下降管41に接続され、下端は、二重弁7に接続される。風箱3内のダストは、ダスト導入管4を通って二重弁7に達し、二重弁7から外に排出される。ダスト導入管4内は、主ダクトを介した吸引により負圧となる。
【0029】
下降管41は、風箱3から下方に延びる。複数の風箱3のそれぞれから延びる複数の下降管41が搬送方向に並んで配置される。複数の下降管41のそれぞれの下端には、ダストシュート43が接続される。ダストシュート43の下端には、二重弁7が接続される。図2に示す例では、搬送方向に並ぶ複数の下降管41のそれぞれに対して、二重弁7が接続される。
【0030】
二重弁7は、流路を開閉する2つの弁を含む。2つの弁は、流路に対して直列に配置される。2つの弁は、独立して流路を開閉可能である。例えば、二重弁7の下流側の弁を閉めた状態で、上流側の弁を開けると、ダストシュート43に溜まったダストが二重弁7の下流側の弁まで落ちる。その後、上流側の弁と閉じてから、下流側の弁を開けると、下流側の弁に溜まったダストが二重弁7から排出される。これにより、ダストシュート43内の空間を大気と遮断した状態を保ちながら、ダストを排出することができる。
【0031】
図2に示すように、吸引管6は、風箱3の幅方向の側壁を貫通して、風箱3内から風箱3の外に引き出される。風箱3の外において、吸引管6は、上方に延びて主ダクト5に到達する。風箱3内において、吸引管6は、下向きの開口6aを有する。吸引管6は、風箱3内において、水平に配置される。
【0032】
風箱3から主ダクト5までの間で、吸引管6は、上方に曲がる屈曲部を有する。吸引管6は、屈曲部から主ダクト5までは、斜め上方に向かって延びる。このように、吸引管6は、吸引されるガス流の上流より下流の方が高くなる部分を含む。図2の例のように、吸引管6の先端がが、吸引管6の中で最も低いことが好ましい。これにより、吸引管6の中にダストが溜まりにくくなる。
【0033】
吸引管6が主ダクト5と接続される部分は、吸引管6の開口6aよりも高い位置にある。また、主ダクト5の下端は、開口6aより高い位置にある。開口6aから吸引されたガスは、吸引管6を通って上昇し、主ダクト5に到達する。一方、固体であるダストは、仮に吸引管6の中に入ったとしても、吸引管6の中を上昇しにくい。また、パレット台車2から風箱内に落ちてくる可能性があるグレートバー、焼結鉱塊、機械部品等の塊状の異物は、吸引管6内を上昇することはほぼない。そのため、塊状の異物が主ダクト5に進入することはほぼない。また、図2に示す例では、主ダクト5は、上から見てパレット台車2と重ならない位置に配置される。パレット台車2の直下に主ダクト5は位置しない。
【0034】
以上説明したように、焼結機100は、パレット台車2からのダストや塊状の異物が主ダクト5に導入されない構成となっているため、主ダクト5に、ダストホッパを設けなくてもよい。主ダクトのダストホッパが不要となることで、負圧に晒されるダストホッパの腐食問題がなくなる。また、二重弁のダストつまりによるダストホッパへのダスト堆積がなくなる。除去できないダストの荷重によって主ダクトが破損することもなくなる。
【0035】
また、主ダクト5をパレット台車2の下に配置しなくてもよいため、主ダクト5の配置の自由度が高くなる。パレット台車2と主ダクト5を上下に重ねて配置しないことにより、焼結機100の地上からの高さを低くすることができる。これにより、焼結機を含む設備の建設コストを低減できる。図2に示す例では、主ダクト5を、パレット台車2が収納される建屋の外に配置している。なお、主ダクト5は、パレット台車2と同じ建屋に収納してもよい。
【0036】
<吸引管の構成例>
図3は、吸引管6の開口6a付近の構成例を示す図である。図4は、図3のB-B線における断面図である。図3及び図4に示す例では、吸引管6の風箱3内に配置される部分において、下向きの開口6aが2つ設けられる。風箱3内の吸引管6の吸引管6の端部の断面は、端部壁6bで塞がれている。吸引管6の端部壁6bを含む端部付近の部分の断面積は、他の部分の断面積より小さくなっている。吸引管6は、水平となっている。風箱3内において吸引管6は、水平方向に延びる。
【0037】
図4に示すように、開口6aは、吸引管6の断面において下半分の領域に設けられる。すなわち、開口6aは、吸引管6の下半分の領域に設けられ、吸引管6の上半分には開口は設けられない。吸引管6の開口6aの上方は、吸引管6の一部6cで覆われている。開口6aは、吸引管6の上方見えない位置に設けられる。すなわち、吸引管6は、風箱3内において、吸引管6内の流路の上方を全体的に覆うように構成される。
【0038】
図3及び図4に示すように、開口6aが下向きとなっているため、風箱3内のガスは、開口6aの下方から上昇して、開口部6aから吸引管6内へ吸い込まれる。一方、吸引管6の上方から落ちてきたダストは、重力で下に落ち、開口6aから吸引管6に入りにくい。
【0039】
図5は、吸引管6が傾いている場合の例を示す図である。図5において、開口6aの部分の吸引管6の断面形状は、図4と同じである。図5に示す例では、風箱3内において、吸引管6が、吸引方向の上流より下流の方が高くなるよう配置される。すなわち、吸引管6内の吸引方向が斜め上向きになるように吸引管6が配置される。このように風箱3内で吸引管6を傾けて配置した場合も、吸引管6の上方から落ちてきたダストは、開口6aから吸引管6に入らず、そのまま下に落ちる。一方、風箱3内のガスは、開口6aから吸引管6内へ吸い込まれる。また、吸引管6が傾いているため、仮にダストが吸引管6内に侵入しても、より奥の方までは到達しにくい。
【0040】
図6は、吸引管6の他の構成例を示す図である。この例では、吸引管6の開口6aは、1つである。図3及び図4に示す例では、吸引管6は、風箱4の幅方向中央を通るよう配置される。これにより、吸引管6の開口6aは、風箱3の幅方向中央付近に配置される。これに対して、図6に示す例では、吸引管6の開口6aは、風箱3の幅方向の端部付近に配置される。図2に示す例のように、開口6aが風箱3の幅方向中央部に配置されてもよい。
【0041】
図7は、吸引管6の他の構成例を示す図である。図7は、吸引管6を搬送方向(y方向)から見た図である。図8は、図7におけるC-C線における断面図である。図9は、図7に示す吸引管6を幅方向(x方向)から見た図である。
【0042】
図7及び図8に示すように、吸引管6は、搬送方向から見て開口6aの縁6aeの全体と重なる遮蔽板6dを含む。遮蔽板6dは、吸引管6の外周壁から延びて設けられている。遮蔽板6dの下端は、開口6aの縁6aeの下端と同じ高さに達している。搬送方向において、一対の遮蔽板6dの間に、1つの開口6aが配置される。開口6aの縁は、一対の遮蔽板6dの間に位置する。一対の遮蔽板6の下端は、開口6aの縁の下端と同じ高さか、又はより下方に位置することが好ましい。遮蔽板6により、水平方向又は斜め下向きに進むガスが開口6aに入るのが遮断される。
【0043】
また、図9に示すように、吸引管6は、吸引管6の端部を塞ぐ端部壁6bを有する。この端部壁6bは、幅方向から見て開口6aの縁6aeの全体と重なる。端部壁6bの下端は、開口6aの縁の下端と同じ高さか、又はより下方に位置することが好ましい。端部壁6bにより、水平方向又は斜め下向きに進むガスが開口6aに入るのが遮断される。
【0044】
このように、図7図9に示す例では、吸引管6は、搬送方向及び幅方向のどちらから見ても、開口6aの縁6aeの全体と重なる部分を含む。言い換えれば、開口62aの縁の周囲は、吸引管6の一部によって囲まれる。これにより、開口6aから吸引管6に吸い込まれるガスは、常に下から上に流れる。そのため、ダストが吸引管6により入りにくくなる。
【0045】
図7図9に示す例では、遮蔽板6は、吸引管6の流路の外周壁の一部が延びて形成される。遮蔽板6の構造はこれに限られない。例えば、遮蔽板6は、吸引管6の流路の外周壁に取り付けられてもよい。
【0046】
図10は、遮蔽板6dの変形例を示す断面図である。図10に示す例では、一対の遮蔽板6dが、吸引管6の流路の外周壁に取り付けられる。一対の遮蔽板6の間に開口6の縁6aeが位置する。
【0047】
図11は、遮蔽板6dの他の変形例を示す断面図である。図11に示す例では、遮蔽板6dは、吸引管6の流路の外周壁に上方から被せられる。遮蔽板6dの中央部は、吸引管6の流路の外周壁に沿って湾曲して外周壁に取り付けられる。遮蔽板6dの両端部は、中央部から下方に延びて、開口6aの縁6aeの下端に達する。遮蔽板6dの両端部の間に開口6aの縁6aeが位置する。図10及び図11において、遮蔽板6dは、例えば、溶接又は締結部材等によって吸引管6に取り付けられてもよい。
【0048】
<排ダスト系の構成例>
図2に示す例では、風箱3の下面は、幅方向に傾斜する斜面となっている。風箱3の下面は、幅方向の一方端が他方端よりも低くなるよう傾斜している。風箱の3の斜面の下端に下降管41が接続される。下降管41は、幅方向の一方端の外方に向かって斜め下方向に延びて形成される。この例では、幅方向において、下降管41が引き出される方向と、吸引管6が引き出される方向が、反対になっている。下降管41は、パレット台車2の幅方向の一方端より外側に突出して配置される。下降管41の下端は、ダストシュート43に接続される。図2に示すように、ダストシュート43は、下降管41の下端から下方に延び、二重弁7に達する。ダストシュート43の下端に二重弁7が接続される。
【0049】
二重弁7の下方には、フローコンベヤー8が配置される。二重弁7から排出されたダストは、フローコンベヤー8で運ばれる。フローコンベヤー8は、搬送方向に延びて形成される。
【0050】
図2に示す例では、無端軌道Kの下段軌道Kdの下方にも、ダストホッパ21と、ダストシュート22が設けられる。ダストホッパ21に溜まったダストは、ダストシュート22を通って、フローコンベヤー8へ導かれる。
【0051】
このように、図2に示す例では、排ダスト系は、風箱3の下方に配置される。風箱より下方の排ダスト系の管群は、排気系の管群とは切り離されている。排気系の管群は、吸引管6及び主ダクト5を含む。そのため、風箱より下方の管群は、排ダスト系に特化することができる。その結果、排ダスト系の設計自由度は高くなる。効率良く排ダストするための排ダスト系の構成が可能になる。
【0052】
一例として、排ダスト系の管群、すなわち下降管41、及びダストシュート43は、排気系の管群、すなわち吸引管6より細くすることができる。例えば、下降管41、ダストシュート43内の流路の断面積は、吸引管6の流路の断面積より小さくすることができる。例えば、ダストシュート43の直径は、吸引管の直径の4分の1以下、好ましくは、6分の1以下とすることができる。下降管41、及びダストシュート43を細くすることで、配管ルートの確保が容易になる。また、排気系のレイアウトの自由度が高くなる。
【0053】
また、排気系と排ダスト系を分けることにより、排ダスト系に関するトラブルが、排気系に与える影響、例えば、排気系の停止等を減らすことができる。
【0054】
<排ダスト系の変形例1>
図12は、排ダスト系の変形例を示す図である。図13は、図12におけるD-D線における断面図である。図12に示すように、ダスト導入管4は、搬送方向に並ぶ複数の下降管41と、複数の下降管41のうち2本以上の下降管41と、1つの二重弁7との間を接続する接続管44とを有する。接続管44は、ケースコンベヤー42とダストシュート43を含む。複数の下降管41の下端には、搬送方向に延びるケースコンベヤー42が接続される。ケースコンベヤー42の端部に、下方に延びるダストシュート43が接続される。ダストシュート43の下端には、二重弁7が接続される。ケースコンベヤー42及びダストシュート43は、複数の下降管41と1つの二重弁7との間を接続する。
【0055】
ケースコンベヤー42は、複数の下降管41から出たダストを搬送方向に沿って運ぶ。ケースコンベヤー42は、管状のケースと、ケース内に設けられたコンベヤーを有する。ケースコンベヤー42の内部の空間は、大気と遮断されている。ケースコンベヤー42内の空間は、風箱3内の空間と繋がっている。ケースコンベヤー42内では、負圧が維持される。ケースコンベヤー42に用いられるコンベヤーは、例えば、ベルトコンベヤー又はチェーンコンベヤーであってもよい。
【0056】
ケースコンベヤー42の終点に対応する部分には、ダストシュート43の上端が接続される。ダストシュート43は、ケースコンベヤー42から下方に延び、二重弁7に達する。ケースコンベヤー42の終点に到達したダストは、ケースコンベヤー42から排出されて、ダストシュート43に入る。
【0057】
一例として、排ダスト系の管群、すなわち下降管41、ケースコンベヤー42、及びダストシュート43は、排気系の管群、すなわち吸引管6より細くすることができる。例えば、下降管41、ケースコンベヤー42、及びダストシュート43内の流路の断面積は、吸引管6の流路の断面積より小さくすることができる。例えば、下降管41、ケースコンベヤー42及びダストシュート43の少なくとも1つの直径は、吸引管の直径の4分の1以下、好ましくは、6分の1以下とすることができる。下降管41、ケースコンベヤー42及びダストシュート43を細くすることで、配管ルートの確保が容易になる。また、排気系のレイアウトの自由度が高くなる。
【0058】
例えば、図12に示す例では、複数の風箱3からのダストを1つの二重弁に集約する構成が可能になる。これにより、二重弁の数を減らすことができる。そのため、二重弁における漏風を減らすことができる。
【0059】
<排ダスト系の変形例2>
図14は、排ダスト系の変形例を示す図である。図14に示す例では、風箱3の幅方向の一方端の外方に引き出される第1下降管41aと、風箱3の幅方向の他方端の外方に引き出される第2下降管41bが設けられる。また、第1下降管41aに第1二重弁7aが接続され、第2下降管41bに第2二重弁7bが接続される。
【0060】
図14に示す例では、風箱3の下面は、幅方向において中央C1から一方の端へ向かって下降する第1斜面3aと、幅方向において中央C1から他方の端へ向かって下降する第2斜面3bとを有する。風箱3の第1斜面3aの下端に第1下降管4aが接続される。風箱3の第2斜面の下端に、第2下降管4bが接続される。図14に示す例では、風箱3の幅方向の中央C1が、第1斜面3aと第2斜面の境すなわち分水嶺となっている。なお、第1斜面3aと第2斜面の境は、厳密に風箱3の幅方向の中央C1である必要はなく、中央付近で、中央C1から多少ずれた位置にあってもよい。
【0061】
このように、風箱3の下面に、幅方向において内側から外側へ向かって下降する2つの斜面(第1及び第2斜面3a、3b)を設け、それらの下端にそれぞれ下降管4a、4bを接続する構成とすることで、風箱3にダストが溜まりにくくすることができる。例えば、風箱3の上下方向の寸法が同じであれば、風箱3の幅方向両側に下降管を接続する構成の方が、幅方向の一方にのみ下降管を接続する構成(例えば、図2に例示する構成)に比べて、風箱の下面の傾斜をより急にできる。これにより、風箱3の下面にダストが溜まりにくくなる。
【0062】
図14に示す例では、第1下降管4a及び第2下降管4bは、いずれも、風箱3の下面から幅方向の外側に向かって延びてから折れ曲がって下方向に延びている。第1下降管4a及び第2下降管4bは、無端軌道Kの下段軌道Kdの幅方向外方において、それぞれ、第1二重弁7a及び第2二重弁7bに接続される。
【0063】
図14に示す例では、1つの第1下降管4aと1つの第2下降管4bが、幅方向に並んで配置される。例えば、幅方向から見て、1つの第1下降管4aの少なくとも一部と第2下降管4bの少なくとも一部が重なるよう、第1下降管4aと第2下降管4bを配置することができる。複数の第1下降管4a及び複数の第2下降管4bは、それぞれ搬送方向に並んで配置される。複数の第1下降管4aのそれぞれに、第1二重弁7aが接続されてもよいし、複数の第1下降管4aで1つの第1二重弁7aを共有してもよい。同様に、複数の第2下降管4bのそれぞれに、第2二重弁7bが接続されてもよいし、複数の第2下降管4bで1つの第2二重弁7bを共有してもよい。
【0064】
第1二重弁7aの排出口には、ダストシュート23aが接続される。ダストシュート23aは、第1二重弁7aから出たダストをフローコンベヤー8へ導く。第1二重弁7bの排出口には、ダストシュート23bが接続される。ダストシュート23bは、第2二重弁7bから出たダストをフローコンベヤー8へ導く。ダストシュート23aとダストシュート23bは、下段軌道Kdの下のダストホッパ21とフローコンベヤー8との間に設けられたダストシュート22と合流する。これにより、第1二重弁7a、第2二重弁7b及びダストホッパ21からのダストが合流し、フローコンベヤー8に載せられる。
【0065】
<排ダスト系の変形例3>
図15は、排ダスト系の変形例を示す図である。図15に示す例では、風箱3の幅方向の一方端に接続される第1下降管41aと、風箱3の幅方向の他方端に接続される第2下降管41bが設けられる。さらに、第1下降管41a及び第2下降管41bと、1つの二重弁7との間を接続する接続管であるダストシュート43a、43bが設けられる。ダストシュート43aは、第1下降管41aと二重弁7とを接続する。ダストシュート43bは、第2下降管41bと二重弁7とを接続する。これにより、第1下降管41a、及び第2下降管41bから出たダストが、ともに二重弁7に導かれる。第1下降管41a及び第2下降管41bで1つの二重弁7を共有することで、第1、第2下降管41a、41bそれぞれに二重弁を設ける場合に比べて、二重弁の数を減らすことができる。
【0066】
二重弁7は、フローコンベヤー8の上に配置される。二重弁7から出たダストは、フローコンベヤー8に載せられる。フローコンベヤー8には、下段軌道Kdの下のダストホッパ21に入ったダストも載せられる。
【0067】
なお、第1下降管41a及び第2下降管41bは、それぞれ搬送方向に複数並んで設けられる。搬送方向に並ぶ複数の第1下降管41aから出たダストを纏めて、1本のダストシュート43aに導く接続管が設けられてもよい。このダスト接続管は、例えば、図1に示すケースコンベヤー42と同様に、フローコンベヤー11を含んでもよい。同様に、搬送方向に並ぶ複数の第2下降管41bから出たダストを纏めて、1本のダストシュート43bに導く接続管が設けられてもよい。これにより、二重弁の数を減らすことができる。
【0068】
本発明は、上記実施形態に限られない。主ダクトの位置は、上記例に限られず、パレット台車より低い位置に配置してもよい。主ダクト、吸引管、下降管、及びダストシュートの断面の形状は、円形に限定されず、例えば、楕円、又は四角形としてもよい。
【0069】
上記実施形態では、搬送方向に並ぶ複数の風箱のそれぞれに下降管が接続される。複数の風箱の全てに下降管が接続されなくてもよい。複数の風箱の少なくとも1つに下降管が接続されてもよい。この場合、下降管を備えない風箱にダストが堆積しないように、その風箱の底面を傾斜させてもよい。
【0070】
上記実施形態では、搬送方向に並ぶ複数の風箱のそれぞれに吸引管が挿入される。複数の風箱の全てに吸引管が挿入されなくてもよい。複数の風箱の少なくとも1つに吸引管が挿入されてもよい。吸引管の本数、能力は、焼結反応がスムーズに進行する程度に、風箱の内が所定の負圧となればよい。また、1つの風箱に複数本の吸引管が挿入されてもよい。
【0071】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
2:パレット台車
3:風箱
4:ダスト導入管
41、41a、41b:下降管
42:ケースコンベヤー
43、43a、43b:ダストシュート
44:接続管
5:主ダクト
6:吸引管
6a:開口
7、7a、7b:二重弁
100:焼結機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15