(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】印刷装置、制御方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20221101BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20221101BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221101BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20221101BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20221101BHJP
G09F 3/10 20060101ALN20221101BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
B41J5/30 Z
H04N1/00 C
H04N1/387 110
G06T19/00 600
G09F3/10 A
(21)【出願番号】P 2019015004
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 英俊
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0313551(US,A1)
【文献】特開2002-132163(JP,A)
【文献】特開平10-244732(JP,A)
【文献】特開2013-065196(JP,A)
【文献】特開2016-010872(JP,A)
【文献】特開2016-034058(JP,A)
【文献】特開2004-303249(JP,A)
【文献】特開2018-056894(JP,A)
【文献】特開2014-019090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0319566(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
B41J 5/30
H04N 1/00
H04N 1/387
G06T 19/00
G09F 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置であって、
前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段と、
前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得するデザイン取得手段と、
前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成手段と、
前記外装画像をシート上に印刷する印刷手段と
を備え、
前記対象物は、前記印刷装置であり、
前記デザイン取得手段は、
撮影により写真画像を生成する撮影手段と、
前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影手段により
生成された写真画像から、
対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出手段とを含む
ことを特徴とす
る印刷装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記写真画像から一つの模様又は一つの色を、デザインとして、抽出し、
前記生成手段は、平面上に展開された前記形状の枠内に、抽出した前記模様又は前記色を描く
ことを特徴とする請求項
1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記写真画像において、最も広い面積を占める前記一つの模様又は前記一つの色を抽出する
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記写真画像には、デザインとして、複数の模様又は複数の色が表され、
前記抽出手段は、前記写真画像に表された複数の模様又は複数の色のうち、占める面積がより広い上位から、所定数の模様候補又は所定数の色候補を抽出し、
さらに、利用者の操作により、所定数の前記模様候補又は所定数の前記色候補から、一つの模様又は一つの色の指定を受け付ける入力手段を備え、
前記抽出手段は、前記入力手段により指定された前記一つの模様又は前記一つの色を抽出する
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、一つの模様を抽出し、
さらに、利用者の操作により、一つの色の指定を受け付ける入力手段を備え、
前記生成手段は、前記入力手段により、指定された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記抽出手段により、抽出された前記模様を描く
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項6】
さらに、複数の色をそれぞれ示す複数の色見本を記憶している記憶手段を備え、
前記入力手段は、利用者の操作により、複数の色見本の中から、一つの色の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項
5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記抽出手段は、一つの模様を抽出し、
さらに、読取対象面を読み取る画像読取手段を備え、
前記生成手段は、色が表された原稿が読取面に載置された場合、前記画像読取手段により読み取られた読取画像に表された色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記抽出手段により、抽出された前記模様を描く
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記抽出手段は、一つの色を抽出し、
さらに、利用者の操作により、一つの模様の指定を受け付ける入力手段を備え、
前記生成手段は、前記抽出手段により、抽出された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記入力手段により、指定された前記模様を描く
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項9】
さらに、複数の模様をそれぞれ示す複数の模様見本を記憶している記憶手段を備え、
前記入力手段は、利用者の操作により、複数の模様見本の中から、一つの模様の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項
8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記抽出手段は、一つの色を抽出し、
さらに、読取対象面を読み取る画像読取手段を備え、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、模様が表された原稿が読取面に載置された場合、前記画像読取手段により読み取られた読取画像に表された前記模様を描く
ことを特徴とする請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項11】
さらに、利用者の操作により、前記記憶手段に記憶された前記外縁形状の指定を受け付ける入力手段を備え、
前記生成手段は、指定を受け付けた前記外縁形状を平面上に展開する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記対象物
である印刷装置の外装表面のうち、前記外縁形状に相当する部分には、前記外装画像が印刷されたシートを貼り付けるための凹部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項13】
さらに、利用者の頭部に装着され、撮影及び表示を行う眼鏡型表示装置に対して、取得した前記外縁形状及び前記デザインを送信する第一通信手段を備え、
前記第一通信手段は、前記外縁形状及び前記デザインを受信する第二通信手段と、撮影により写真画像を生成する撮影手段と、前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影手段により生成された写真画像内で前記対象物が表された画像部分において、受信した前記外縁形状に相当する形状の枠内に、受信した前記デザインを上書きする描画手段と、前記デザインが上書きされた前記写真画像を表示する表示手段と、利用者から、前記表示手段により表示された前記写真画像に表されたデザインを承認するか否かの入力を受け付ける入力手段とを備え、前記入力手段により、デザインを承認する旨の入力を受け付けた場合、前記第二通信手段により、デザインの承認を示す承認信号を送信する
眼鏡型表示装置から、信号を受信し、
受信した信号が前記承認信号である場合、前記生成手段は、前記外装画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記入力手段により、デザインを承認しない旨の入力を受け付けた場合、前記描画手段は、前記デザインを他のデザインに変更し、変更された前記デザインを前記写真画像に上書きし、前記表示手段は、変更された前記デザインが上書きされた写真画像を表示し、前記入力手段は、さらに、利用者から、前記表示手段により表示された前記写真画像に表されたデザインを承認するか否かの入力を受け付け、前記入力手段により、デザインを承認する旨の入力を受け付けた場合、前記第二通信手段は、デザインの承認を示す承認信号及び変更されたデザインを識別する識別情報を送信
する前記眼鏡型表示装置から、前記第一通信手段は、信号を受信し、
受信した信号に前記承認信号と前記識別情報とが含まれる場合、前記生成手段は、前記デザイン取得手段により取得した前記デザインを、受信した識別情報により識別されるデザインに変更し、変更された前記デザインを、展開された形状の枠内に描く
ことを特徴とする請求項
13に記載の印刷装置。
【請求項15】
デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置を制御するための制御方法であって、
前記印刷装置は、前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段を備え、
前記制御方法は、
前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得するデザイン取得ステップと、
前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成ステップと、
前記外装画像をシート上に印刷する印刷ステップと
を含
み、
前記対象物は、前記印刷装置であり、
前記デザイン取得ステップは、
撮影により写真画像を生成する撮影ステップと、
前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影ステップにより生成された写真画像から、対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出ステップとを含む
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、
前記印刷装置は、前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段を備え、
コンピューターである前記印刷装置に、
前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得させるデザイン取得ステップと、
前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成ステップと、
前記外装画像をシート上に印刷させる印刷ステップと
を実行さ
せ、
前記対象物は、前記印刷装置であり、
前記デザイン取得ステップは、
撮影により写真画像を生成する撮影ステップと、
前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影ステップにより生成された写真画像から、対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出ステップとを含む
コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
デザインを施す対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、オフィスに設置されることを想定してデザインされており、多くのオフィスの内装に調和するように、白色、黒色、グレー等、単一色の落ち着いた色彩を基調として、外装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-132163号公報
【文献】特開平10-244732号公報
【文献】特開平9-211923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、白色、黒色、グレー等の落ち着いた色彩を用いて、外装された画像形成装置を、イベント会場やデザイン事務所等のように、画像形成装置の色彩とは異なる色彩等のデザイン、例えば、固有の模様や色彩が施された室内等に設置すると、画像形成装置の外装の色彩が、この室内に施された模様や色彩と調和しない。このため、外装に、固有の模様や色彩を取り入れた画像形成装置の製造要望がある。
【0005】
しかし、この要望に応えるため、それぞれの固有の模様や色彩を外装に取り入れて、画像形成装置を製造すると、それぞれの模様や色彩毎に、外装部材を製造しなければならず、部品点数が増え、製造コストが上昇するという問題がある。
【0006】
本発明は、この問題を解決するため、デザインを施す対象物の外装を、その対象物が配されるエリアの内装に描かれたデザインを取り込んだものとすることができる印刷装置、制御方法、コンピュータープログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置であって、前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段と、前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得するデザイン取得手段と、前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成手段と、前記外装画像をシート上に印刷する印刷手段とを備え、前記対象物は、前記印刷装置であり、前記デザイン取得手段は、撮影により写真画像を生成する撮影手段と、前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影手段により生成された写真画像から、対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記抽出手段は、前記写真画像から一つの模様又は一つの色を、デザインとして、抽出し、前記生成手段は、平面上に展開された前記形状の枠内に、抽出した前記模様又は前記色を描く、としてもよい。
【0010】
ここで、前記抽出手段は、前記写真画像において、最も広い面積を占める前記一つの模様又は前記一つの色を抽出してもよい。
【0011】
ここで、前記写真画像には、デザインとして、複数の模様又は複数の色が表され、前記抽出手段は、前記写真画像に表された複数の模様又は複数の色のうち、占める面積がより広い上位から、所定数の模様候補又は所定数の色候補を抽出し、さらに、利用者の操作により、所定数の前記模様候補又は所定数の前記色候補から、一つの模様又は一つの色の指定を受け付ける入力手段を備え、前記抽出手段は、前記入力手段により指定された前記一つの模様又は前記一つの色を抽出してもよい。
【0012】
ここで、前記抽出手段は、一つの模様を抽出し、さらに、利用者の操作により、一つの色の指定を受け付ける入力手段を備え、前記生成手段は、前記入力手段により、指定された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記抽出手段により、抽出された前記模様を描く、としてもよい。
【0013】
ここで、さらに、複数の色をそれぞれ示す複数の色見本を記憶している記憶手段を備え、前記入力手段は、利用者の操作により、複数の色見本の中から、一つの色の指定を受け付ける、としてもよい。
【0014】
ここで、前記抽出手段は、一つの模様を抽出し、さらに、読取対象面を読み取る画像読取手段を備え、前記生成手段は、色が表された原稿が読取面に載置された場合、前記画像読取手段により読み取られた読取画像に表された色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記抽出手段により、抽出された前記模様を描く、としてもよい。
【0015】
ここで、前記抽出手段は、一つの色を抽出し、さらに、利用者の操作により、一つの模様の指定を受け付ける入力手段を備え、前記生成手段は、前記抽出手段により、抽出された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、前記入力手段により、指定された前記模様を描く、としてもよい。
【0016】
ここで、さらに、複数の模様をそれぞれ示す複数の模様見本を記憶している記憶手段を備え、前記入力手段は、利用者の操作により、複数の模様見本の中から、一つの模様の指定を受け付ける、としてもよい。
【0017】
ここで、前記抽出手段は、一つの色を抽出し、さらに、読取対象面を読み取る画像読取手段を備え、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された前記色を、平面上に展開された前記形状の枠内に塗布し、塗布色の上に、模様が表された原稿が読取面に載置された場合、前記画像読取手段により読み取られた読取画像に表された前記模様を描く、としてもよい。
【0021】
ここで、さらに、利用者の操作により、前記記憶手段に記憶された前記外縁形状の指定を受け付ける入力手段を備え、前記生成手段は、指定を受け付けた前記外縁形状を平面上に展開してもよい。
【0022】
ここで、前記対象物である印刷装置の外装表面のうち、前記外縁形状に相当する部分には、前記外装画像が印刷されたシートを貼り付けるための凹部が設けられている、としてもよい。
【0024】
ここで、さらに、利用者の頭部に装着され、撮影及び表示を行う眼鏡型表示装置に対して、取得した前記外縁形状及び前記デザインを送信する第一通信手段を備え、前記第一通信手段は、前記外縁形状及び前記デザインを受信する第二通信手段と、周囲を撮影する撮影手段と、前記眼鏡型表示装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影手段により撮影された写真画像内で前記対象物が表された画像部分において、受信した前記外縁形状に相当する形状の枠内に、受信した前記デザインを上書きする描画手段と、前記デザインが上書きされた前記写真画像を表示する表示手段と、利用者から、前記表示手段により表示された前記写真画像に表されたデザインを承認するか否かの入力を受け付ける入力
手段とを備え、前記入力手段により、デザインを承認する旨の入力を受け付けた場合、前記第二通信手段は、デザインの承認を示す承認信号を送信する眼鏡型表示装置から、信号を受信し、受信した信号が前記承認信号である場合、前記生成手段は、前記外装画像を生成してもよい。
【0025】
ここで、前記入力手段により、デザインを承認しない旨の入力を受け付けた場合、前記描画手段は、前記デザインを他のデザインに変更し、変更された前記デザインを前記写真画像に上書きし、前記表示手段は、変更された前記デザインが上書きされた写真画像を表示し、前記入力手段は、さらに、利用者から、前記表示手段により表示された前記写真画像に表されたデザインを承認するか否かの入力を受け付け、前記入力手段により、デザインを承認する旨の入力を受け付けた場合、前記第二通信手段は、デザインの承認を示す承認信号及び変更されたデザインを識別する識別情報を送信する前記眼鏡型表示装置から、前記第一通信手段は、信号を受信し、受信した信号に前記承認信号と前記識別情報とが含まれる場合、前記生成手段は、前記デザイン取得手段により取得した前記デザインを、受信した識別情報により識別されるデザインに変更し、変更された前記デザインを、展開された形状の枠内に描く、としてもよい。
【0027】
また、本発明は、デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置を制御するための制御方法であって、前記印刷装置は、前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段を備え、前記制御方法は、前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得するデザイン取得ステップと、前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成ステップと、前記外装画像をシート上に印刷する印刷ステップとを含み、前記対象物は、前記印刷装置であり、前記デザイン取得ステップは、撮影により写真画像を生成する撮影ステップと、前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影ステップにより生成された写真画像から、対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出ステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する印刷装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、前記印刷装置は、前記対象物の外装表面のうち、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分の外縁形状を記憶している記憶手段を備え、コンピューターである前記印刷装置に、前記対象物が配されるべきエリアの内装に描かれたデザインを取得させるデザイン取得ステップと、前記記憶手段から前記外縁形状を読み出し、読み出した前記外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠内に、取得した前記デザインを描いて、外装画像を生成する生成ステップと、前記外装画像をシート上に印刷させる印刷ステップとを実行させ、前記対象物は、前記印刷装置であり、前記デザイン取得ステップは、撮影により写真画像を生成する撮影ステップと、前記印刷装置が前記エリアの内部に設置された場合、前記撮影ステップにより生成された写真画像から、対象物である印刷装置が設置されたエリアの内装に描かれた一のデザインを特定して、抽出する抽出ステップとを含むコンピュータープログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
上記の構成によると、デザインを施す対象物の外装を、その対象物が配されるエリアの内装に描かれたデザインを取り込んだものとすることができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】(a)実施の形態に係る画像形成システム1の構成を示すシステム構成図である。(b)画像形成装置10の概略構成を示す図である。
【
図2】(a)画像形成装置10の外装部材32の表面に凹設された凹部40に、シート41を貼り付ける状態を示す斜視図である。(b)
図2(a)のA-A線に沿って、外装部材32を切断した断面を矢印方向から見て示す矢視断面図である。
【
図3】主制御部100の構成を示すブロック図である。
【
図4】メニュー遷移テーブル211のデータ構造を示す。
【
図5】(a)装置リスト221のデータ構造を示す。(b)一例としての装置画像231を示す。(c)別の一例としての装置画像232を示す。
【
図6】(a)外装部材リスト241のデータ構造を示す。(b)一つの装置画像上における一つの外装部品の配置を示す。
【
図8】(a)~(d)一例としてのデザイン画像261~264を示す。
【
図9】一例としての外装スキャン画像271を示す。
【
図10】一例としてのデザインスキャン画像272を示す。
【
図11】(a)、(b)一例としての写真画像295、296を示す。(c)、(d)写真画像295、296内の同一色のブロック295a、296aを示す。
【
図12】(a)~(c)一例としての外装画像281~283を示す。
【
図13】操作パネル19に表示される初期のメニュー画面401、ステッカー作成のメニュー画面411及び装置メニューを表した画面421を示す。
【
図14】操作パネル19に表示される外装部材を選択するための画面431、スキャンを促す画面441及びスキャン結果を確認するための画面451を示す。
【
図15】操作パネル19に表示されるスキャンを促す画面461、スキャン結果を確認するための画面471及びデザインメニューを表した画面481を示す。
【
図16】携帯端末300の構成を示すブロック図である。
【
図17】携帯端末300に表示されるメニュー画面341及び写真を選択するための画面351を示す。
【
図18】メニュー画面を表示後、プリントを実行するまでの、処理概要を示すフローチャートである。
【
図19】外装選択の動作を示すフローチャートである。
【
図20】外装スキャンの動作を示すフローチャートである。
【
図21】デザインスキャンの動作を示すフローチャートである。
【
図22】デザイン選択の動作を示すフローチャートである。
【
図23】基調色の抽出の動作を示すフローチャートである。
【
図24】プリント実行の動作を示すフローチャートである。
【
図25】携帯端末300から画像形成装置10への写真の送信の動作を示すフローチャートである。
【
図26】(a)変形例(1)の画像形成システム1aの構成を示すシステム構成図である。(b)ヘッドマウントディスプレィ500に表示される画像の一例を示す。
【
図27】ヘッドマウントディスプレィ500の構成を示すブロック図である。
【
図28】画像形成システム1aにおける動作を示すフローチャートである。
図29へ続く。
【
図29】画像形成システム1aにおける動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1 実施の形態
本発明に係る一の実施の形態としての画像形成システム1について図面を参照しながら説明する。
【0032】
1.1 画像形成システム1
画像形成システム1は、
図1(a)に示すように、画像形成装置10(印刷装置)及び携帯端末300(撮影装置)から構成されている。
【0033】
画像形成装置10及び携帯端末300は、それぞれ、無線LAN機能を備えている。ここで、無線LANは、例えば、IEEE802.11a、b、n、ac等により規定された無線を用いる通信である。携帯端末300は、利用者の操作により、内蔵するカメラにより、画像形成装置10が設置されたエリアの内装を撮影して写真画像を生成する。ここで、エリアとは、イベント会場、デザイン事務所等の室内等である。このエリアの内装である内壁、天井、床、オフィス家具の表面等には、固有のデザインが描かれている。ここで、デザインは、模様、色、又は、模様及び色の組合せから構成される。携帯端末300は、生成した写真画像を無線LANにより、画像形成装置10に対して送信する。
【0034】
画像形成装置10は、無線LANにより、携帯端末300から写真画像を受信し、受信した写真画像から、基調デザイン(後述する)を抽出する。画像形成装置10は、利用者から当該画像形成装置10、他の装置、又は、物品等(対象物)の外装部材の指定を受け付ける。画像形成装置10は、指定された外装部材の外縁形状を取得し、取得した外縁形状を平面上に展開し、展開された形状内に、抽出した基調デザインを描いて外装画像を生成し、生成した外装画像をシート上に印刷する。利用者は、シート(ステッカー)から外装画像を切り取り、切り取った外装画像を当該画像形成装置10、他の装置、又は、物品等の外装部材に貼り付ける。
【0035】
このように、画像形成装置10は、デザインを施すべき対象物に貼り付けるため、シート上に当該デザインを印刷する。
【0036】
1.2 画像形成装置10
画像形成装置10は、スキャナー、プリンター及びコピー機の機能を有するタンデム型のカラー複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)である。
【0037】
画像形成装置10は、
図1(a)及び(b)に示すように、筐体下部に、シートを収容し、給送する給紙部13が設けられている。給紙部13の上方には、電子写真方式により画像を形成するプリンター部12(印刷手段)が設けられている。プリンター部12のさらに上方に、原稿面を読み取って画像データを生成するイメージリーダー部11(画像読取手段)及び操作画面を表示し、利用者から入力操作を受け付ける操作パネル19(入力手段)が設けられている。
【0038】
画像形成装置10の筐体の正面側は、
図1(a)に示すように、外装部材31、32、33、34、35、・・・により覆われており、外装部材31、32、33、34、35、・・・の表面には、それぞれ、デザインが施されたシートが貼り付けられている。これらのデザインが施されたシートは、後述するように、画像形成装置10により印刷がされたものである。
【0039】
イメージリーダー部11は、自動原稿搬送装置を備えている。自動原稿搬送装置は、原稿トレイにセットされた原稿を1枚ずつ原稿ガラス板(読取面)へ搬送する。イメージリーダー部11は、自動原稿搬送装置によって原稿ガラス板の所定位置に搬送された原稿の画像をスキャナーの移動によってスキャンし(読み取り)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値デジタル信号からなる画像データを得る。イメージリーダー部11は、得られた画像データを画像メモリ104に書き込む。
【0040】
イメージリーダー部11で得られた各色成分の画像データは、後述する主制御部100において各種のデータ処理を受け、更にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
【0041】
プリンター部12は、中間転写ベルト、中間転写ベルトを張架する駆動ローラー、従動ローラー、バックアップローラー、中間転写ベルトに対向して中間転写ベルトの走行方向Xに沿って所定間隔で配置された複数の作像部、定着部、主制御部100等からなる。
【0042】
各作像部は、像担持体である感光体ドラム、感光体ドラム表面を露光走査するためのLEDアレイ、帯電チャージャー、現像器、クリーナー及び1次転写ローラーなどからなる。
【0043】
給紙部13は、サイズの異なるシートを収容する複数の給紙カセット及び各給紙カセットからシートを搬送路に繰り出すためのピックアップローラー、並びに、シートを載置するための手差しトレイ及び手差しトレイからシートを搬送路に繰り出すためのピックアップローラーから構成されている。
【0044】
作像部のそれぞれにおいて、各感光体ドラムは、帯電チャージャーにより一様に帯電され、LEDアレイにより露光され、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。各静電潜像は、それぞれ各色の現像器により現像され、各感光体ドラムの表面にY~K色のトナー像が形成され、トナー像は、中間転写ベルトの裏面側に配設された各1次転写ローラーの静電作用により、中間転写ベルトの表面上に順次転写される。
【0045】
一方、給紙部13のいずれかの給紙カセット又は手差しトレイから、各作像部による作像動作に合わせて、シートが給送され、2次転写ローラーとバックアップローラーとが中間転写ベルトを挟んで対向する2次転写位置へと搬送路上を搬送され、2次転写位置で、2次転写ローラーの静電的作用により、中間転写ベルト上のY~K色のトナー像がシートへ2次転写される。Y~K色のトナー像が2次転写されたシートは、さらに定着部まで搬送される。
【0046】
シートの表面のトナー像は、定着部の加熱ローラーとこれに圧接された加圧ローラーとの間に形成される定着ニップを通過する際に、加熱及び加圧により、シートの表面に融着して定着され、シートは、定着部を通過した後、排出トレイへ送出される。
【0047】
このようにして、プリンター部12は、例えば、後述する外装画像をシート上に印刷する。
【0048】
操作パネル19には、液晶表示板などで構成される表示面20が設けられ、利用者によって設定された内容や各種のメッセージを表示する。操作パネル19は、利用者からの、コピー開始の指示、コピー枚数の設定、複写条件の設定、データの出力先の設定などを受け付け、受け付けた内容を主制御部100に通知する。
【0049】
1.3 外装部材
画像形成装置10の筐体の正面側を覆う外装部材32には、
図2(a)及び(b)に示すように、外装部材32のほぼ全面に、枡形に凹部40が凹設されており、凹部40の矩形状の底面40aには、底面40aの形状と同一であり、デザインが施されたシート41が接着剤により貼り付けられる。
図2(b)に示すように、凹部40の深さは、シート41の厚みと略同一である。
【0050】
このように、凹部40を凹設しておくことにより、外装部材32の表面にシートを貼り付けたときに、外装部材32の表面における段差を最小化することができる。
【0051】
画像形成装置10の筐体の正面側を覆うその他の外装部材31、33、34、35、・・・についても、外装部材32と同様に、凹部が凹設され、各凹部に、デザインを施したシートが貼り付けられる。
【0052】
1.4 主制御部100
主制御部100は、
図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、画像メモリ104、記憶部105(記憶手段)、画像処理部106、ネットワーク通信部107、プリンター制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110、表示制御部111、外装画像処理部112及び無線通信部116(デザイン取得手段、受信手段、第一通信手段、第二無線通信手段)等から構成されている。無線通信部116は、無線通信制御部113、無線通信回路114及びアンテナ115を含んでいる。
【0053】
主制御部100は、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等に従って、画像メモリ104、記憶部105、画像処理部106、ネットワーク通信部107、プリンター制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110、表示制御部111、外装画像処理部112、無線通信制御部113等を統一的に制御する。
【0054】
(1)CPU101、ROM102、RAM103及び画像メモリ104
RAM103は、半導体メモリから構成され、各種の制御変数などを一時記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0055】
ROM102は、半導体メモリから構成され、予め、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等の各種ジョブを実行させるための制御プログラムなどを記憶している。
【0056】
CPU101は、フェッチ部、解読部、実行部、レジスタファイル、命令カウンタなどから構成されている。フェッチ部は、ROM102に記憶されている制御プログラムから、制御プログラムに含まれる各命令コードを1個ずつ読み出す。解読部は、読み出した命令コードを解読する。実行部は、解読結果に従って動作する。
【0057】
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、画像処理部106、ネットワーク通信部107、プリンター制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110、表示制御部111、外装画像処理部112、無線通信制御部113等を制御する。
【0058】
例えば、CPU101は、制御プログラムに従って動作することにより、ネットワーク通信部107によりプリントジョブを受信すると、プリンター制御部108に指示して、そのプリントジョブに基づき、画像形成動作を実行させる。
【0059】
画像メモリ104は、半導体メモリから構成され、プリントジョブ等の画像データを一時的に記憶する。
【0060】
(2)画像処理部106
(色変換)
画像処理部106は、例えば、外部の端末装置から受信したプリントジョブに含まれ、又は、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した、R、G、Bの多値デジタル信号からなる画像データに対して、各種のデータ処理を実行して、Y、M、C、Kの各再現色の画像データに変換する。
【0061】
(プレビュー画像の生成)
画像処理部106は、表示制御部111の制御により、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した画像を縮小して、プレビュー用の低解像度のプレビュー画像を生成する。ここで、プレビュー画像の解像度は、例えば、縦方向50dpi、横方向50dpiである。画像処理部106は、生成したプレビュー画像を、表示制御部111に対して出力する。ここで生成されたプレビュー画像は、利用者によるスキャン結果の確認のために用いられる。
【0062】
(縮小デザイン画像又は部分デザイン画像の生成)
画像処理部106は、表示制御部111から、デザインIDを受け取る。デザインIDを受け取ると、画像処理部106は、記憶部105から、受け取ったデザインIDにより識別されるデザイン画像を読み出す。次に、画像処理部106は、読み出したデザイン画像を縮小して、縮小デザイン画像を生成し、又は、読み出したデザイン画像の一部分を切り出して、部分デザイン画像を生成する。次に、画像処理部106は、生成した縮小デザイン画像、又は、生成した部分デザイン画像を表示制御部111に対して、出力する。ここで生成された縮小デザイン画像、又は、部分デザイン画像は、利用者によるデザイン画像の選択のために用いられる。
【0063】
(外装画像の生成)
画像処理部106(生成手段)は、外装画像処理部112の後述する生成部112bから、外装部材の形状情報(外縁形状及び寸法)を受け取り、生成部112bの制御により、取得した寸法で、取得した外縁形状を平面上に展開し、展開された形状の枠(枠画像)内に、取得した基調色(後述する)、基調模様(後述する)、又は、基調色及び基調模様の組合せからなる基調デザインを描いて、外装画像を生成する。
【0064】
また、画像処理部106は、生成部112bの制御により、画像メモリ104に記憶されている外装スキャン画像(後述する)から、その枠(外装部材の形状)を抽出し、抽出した枠から構成される枠画像を、画像メモリ104上に生成する。また、画像処理部106は、枠画像内に、取得した基調色、基調模様、又は、基調色及び基調模様の組合せからなる基調デザインを描いて、外装画像を生成する。
【0065】
画像処理部106は、外装画像処理部112の制御により、生成した外装画像をプリンター制御部108に対して、出力する。ここで、外装画像は、印刷のために用いられる。
【0066】
(3)ネットワーク通信部107、プリンター制御部108及びスキャナー制御部109
ネットワーク通信部107は、LANなどのネットワークを介して、外部の端末装置からプリントジョブを受信する。また、ネットワーク通信部107は、必要に応じて、外部の端末装置に対して、メッセージ等を出力する。
【0067】
プリンター制御部108は、給紙部13からの給送動作やプリンター部12の再現色毎の作像部の作像動作などを統一的に制御し、画像形成動作を実行させる。
【0068】
スキャナー制御部109は、イメージリーダー部11による原稿面のスキャンを制御する。例えば、スキャナー制御部109は、イメージリーダー部11による原稿面のスキャンの際に、解像度を指定する。
【0069】
スキャナー制御部109は、イメージリーダー部11から受け取った画像データを、画像メモリ104に書き込む。
【0070】
(4)入出力部110
入出力部110は、表示制御部111又はその他の制御部等と操作パネル19との間で、データを中継する。
【0071】
例えば、入出力部110は、表示制御部111又はその他の制御部等から、メニュー画面、プレビュー画面、プレビュー画像、メッセージ等を受け取り、受け取ったメニュー画面、プレビュー画面、プレビュー画像、メッセージ等を操作パネル19に対して出力する。
【0072】
また、入出力部110は、操作パネル19から、画像形成装置10における実行条件を受け取り、受け取った実行条件を、ネットワーク通信部107、プリンター制御部108、スキャナー制御部109及び表示制御部111等に対して、出力する。
【0073】
(5)無線通信部116
無線通信制御部113及び無線通信回路114は、例えば、IEEE802.11a、b、n、ac等の無線LANの規格に基づいて、無線による通信を行う。
【0074】
無線通信回路114には、アンテナ115が接続されている。アンテナ115は、携帯端末300との間で、無線により、無線信号を送受信する。無線通信回路114は、アンテナ115により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。無線通信制御部113は、無線通信回路114から受け取った信号を復調し、外装画像処理部112等に対して出力する。また、無線通信制御部113は、外装画像処理部112等から受け取った信号を変調して、無線通信回路114に対して出力する。
【0075】
また、無線通信部116は、携帯端末300から、無線により、写真画像を受信することにより、対象物(例えば、画像形成装置10)が配されるべきエリア内に描かれたデザインを取得する。
【0076】
(6)記憶部105
記憶部105は、不揮発性の半導体メモリから構成されている。もちろん、記憶部105は、ハードディスクドライブから構成されていてもよい。
【0077】
記憶部105は、
図3に示すように、予め、メニュー遷移テーブル211、最初のメニュー画面ID219、メニュー画面401、411を表す画像、画面441、461を表す画像、画面テンプレート421a、431a、451a、471a、481a、装置リスト221、装置画像231、232、・・・、外装部材リスト241、デザインリスト251、デザイン画像261、262、263、264、・・・、外装フラグ291、デザインフラグ292及び写真フラグ293等を記憶している。また、記憶部105は、
図3に示すように、外装スキャン画像271、デザインスキャン画像272、外装画像281、282、283、・・・、写真画像295、296等を記憶するための領域を備えている。
【0078】
(メニュー遷移テーブル211)
メニュー遷移テーブル211は、操作パネル19に表示されるメニュー画面の遷移を制御するために用いられるデータテーブルである。
【0079】
メニュー遷移テーブル211は、
図4に示すように、複数のメニュー遷移情報212を、予め、記憶している。各メニュー遷移情報212は、一つのメニュー画面に対応している。
【0080】
各メニュー遷移情報212は、一つのメニュー画面ID213及び一つ又は複数の選択肢情報217を含む。
【0081】
メニュー画面ID213は、メニュー画面を一意に識別するための識別子である。
【0082】
一つの選択肢情報217は、メニュー画面に表示される一つの選択肢に対応している。
【0083】
従って、一つのメニュー遷移情報212内に複数の選択肢情報217が含まれる場合には、メニュー画面には、選択肢情報217と同じ数の選択肢が表示され、一つのメニュー遷移情報212内の複数の選択肢情報217は、それぞれ、メニュー画面に含まれる複数の選択肢に対応している。
【0084】
選択肢情報217は、選択肢ID214、遷移先ID215及び機能216を含む場合と、遷移先ID215を含まず、選択肢ID214及び機能216を含む場合とがある。
【0085】
選択肢ID214は、対応する選択肢を一意に識別する識別子である。
【0086】
遷移先ID215は、選択肢ID214により識別子される選択肢が利用者により選択された場合、次に、表示すべきメニュー画面を示すメニュー画面IDである。
【0087】
遷移先ID215が存在しない場合には、次に、表示すべきメニュー画面は、存在しない。
【0088】
機能216は、選択肢ID214により識別される選択肢が利用者により選択された場合、実行されるべき機能を示す。具体的には、「遷移」は、次に表示すべきメニュー画面への遷移を示す。また、「パラメーター設定」は、実行条件等のパラメーターの設定を利用者から受け付け、記憶することを示す。「外装選択」は、外装部材の選択を利用者から受け付けることを示す。「デザイン選択」は、デザインの選択を利用者から受け付けることを示す。「外装スキャン」は、スマートフォン等の対象物の外装をイメージリーダー部11によりスキャンすることを示す。「デザインスキャン」は、デザインが施された原稿面をイメージリーダー部11によりスキャンすることを示す。「基調色の抽出」は、携帯端末300から受信した写真画像から、後述する基調色を抽出することを示す。「プリント実行」は、デザインが施された外装画像を、プリンター部12により、シート上にプリントすることを示す。
【0089】
(最初のメニュー画面ID219)
最初のメニュー画面ID219は、画像形成装置10の電源がオンとされた直後に、操作パネル19に最初に表示すべきメニュー画面を識別するメニュー画面IDである。
【0090】
(メニュー画面401を表す画像)
メニュー画面401は、画像形成装置10の起動直後に、操作パネル19の表示面20に表示され、コピージョブを実行する場合に、利用者によりジョブの実行条件を設定するために用いられる。
【0091】
メニュー画面401を表す画像には、
図13に示すように、設定領域402、403、404、405及びボタン406が含まれる。
【0092】
設定領域402、403、404、405は、それぞれ、印刷の濃度、印刷に用いる用紙、印刷の際の画像データの拡大や縮小の倍率、印刷の際のページの集約の設定を行うための選択肢を含んでいる。また、ボタン406は、ステッカーの作成のために用いられるメニュー画面411(
図13)に遷移するために、利用者により接触による操作がされる領域である。
【0093】
(メニュー画面411を表す画像)
メニュー画面411は、対象物の外装部材の選択、対象物の外装のスキャン、デザインのスキャン、デザインの選択、基調色の抽出及びプリントを実行するために用いられる。
【0094】
メニュー画面411を表す画像には、
図13に示すように、ボタン412、413、414、415、416、417、418が含まれる。ボタン412、413、414、415、416は、それぞれ、対象物の外装部材の選択、対象物の外装のスキャン、デザインのスキャン、デザインの選択及び基調色の抽出を実行するために、利用者により接触による操作がされる領域である。また、ボタン417は、メニュー画面401に戻るために、利用者により接触による操作がされる領域である。さらに、ボタン418は、プリントを実行するために、利用者により接触による操作がされる領域を示す。
【0095】
(画面テンプレート421a)
画面テンプレート421aは、
図13に示す画面421の生成の基になるテンプレート画像である。
【0096】
画面テンプレート421aは、
図13に示す画面421に含まれる画面要素のうち、装置メニュー422を配置すべき装置メニュー領域、スクロールバー429、ボタン427及び428を含んでいる。
【0097】
装置メニュー領域には、タイトル「機種名」及びタイトル「型番」が配されている。しかし、画面テンプレート421aにおいては、チェックボックス423、データとしての機種名424及びデータとしての型番425は、含まれていない。
【0098】
スクロールバー429は、装置メニュー422内において、チェックボックス、機種名及び型番の組を、スクロールするために用いられる。しかし、画面テンプレート421aには、スクロール操作をするためのノブ426は、含まれていない。
【0099】
ボタン427は、画面421における装置の選択操作を取り消すために、操作される。
【0100】
ボタン428は、画面421における装置の選択操作を確定するために、操作される。
【0101】
(画面テンプレート431a)
画面テンプレート431aは、
図14に示す画面431の生成の基になるテンプレート画像である。画面431は、装置の外装部材を選択するために用いられる。
【0102】
画面テンプレート431aは、
図14に示す画面431に含まれる画面要素のうち、装置画像432を配置すべき装置画像領域、ボタン434及び435、並びに、メッセージ436を含んでいる。
【0103】
装置画像領域には、どのような画像も配置されていない。
【0104】
ボタン434は、画面431における装置の外装部材の選択操作を取り消すために、操作される。
【0105】
ボタン435は、画面431における装置の外装部材の選択操作を確定するために、操作される。
【0106】
メッセージ436は、利用者に対して、外装部材の選択操作を促すための記述を含む。
【0107】
(画面441及び画面461を表す画像)
図14に示す画面441は、対象物の外装のスキャンを実行する際に用いられる。
【0108】
画面441は、メッセージ442、ボタン443及び444を含んでいる。
【0109】
メッセージ442は、利用者に対して、スキャンの実行を促すための記述を含む。
【0110】
ボタン443は、画面441におけるスキャンの実行の操作を取り消すために、操作される。
【0111】
ボタン444は、スキャンの実行を開始するために、操作される。
【0112】
図15に示す画面461は、画面441と同様であり、メッセージ462、ボタン463及び464を含んでいる。
【0113】
(画面テンプレート451a)
画面テンプレート451aは、
図14に示す画面451の生成の基になるテンプレート画像である。画面451は、対象物の外装をスキャンして得られたプレビュー画像を表示するために用いられる。
【0114】
画面テンプレート451aは、
図14に示す画面451に含まれる画面要素のうち、対象物の外装をスキャンして得られるプレビュー画像を配置すべき外装プレビュー画像領域、ボタン454、455、456、及び、メッセージ453を含んでいる。
【0115】
外装プレビュー画像領域には、どのような画像も配置されていない。
【0116】
ボタン454は、画面451における対象物の外装のスキャン操作を取り消すために、操作される。
【0117】
ボタン455は、画面451における対象物の外装のスキャン操作を確定するために、操作される。
【0118】
ボタン456は、再度、対象物の外装をスキャンするために、操作される。
【0119】
メッセージ453は、利用者に対して、プレビュー画像の確認を求めるための記述を含む。
【0120】
(画面テンプレート471a)
画面テンプレート471aは、
図15に示す画面471の生成の基になるテンプレート画像である。画面471は、デザインをスキャンして得られたプレビュー画像を表示するために用いられる。
【0121】
画面テンプレート471aは、
図15に示す画面471に含まれる画面要素のうち、デザインをスキャンして得られるプレビュー画像を配置すべきデザインプレビュー画像領域、ボタン474、475、476、及び、メッセージ473を含んでいる。
【0122】
デザインプレビュー領域には、どのような画像も配置されていない。
【0123】
ボタン474は、画面471におけるデザインのスキャン操作を取り消すために、操作される。
【0124】
ボタン475は、画面471におけるデザインのスキャン操作を確定するために、操作される。
【0125】
ボタン476は、再度、デザインをスキャンするために、操作される。
【0126】
メッセージ473は、利用者に対して、プレビュー画像の確認を求めるための記述を含む。
【0127】
(画面テンプレート481a)
画面テンプレート481aは、
図15に示す画面481の生成の基になるテンプレート画像である。
【0128】
画面テンプレート481aは、
図15に示す画面481に含まれる画面要素のうち、デザインメニュー483を配置すべきデザインメニュー領域、スクロールバー486、ボタン488及び489を含んでいる。
【0129】
デザインメニュー領域には、チェックボックス484、データとしてのデザイン485は、含まれていない。
【0130】
スクロールバー486は、デザインメニュー483内において、チェックボックス及びデザインの組を、スクロールするために用いられる。しかし、画面テンプレート481aには、スクロール操作をするためのノブ487は、含まれていない。
【0131】
ボタン488は、画面481におけるデザインの選択操作を取り消すために、操作される。
【0132】
ボタン489は、画面481におけるデザインの選択操作を確定するために、操作される。
【0133】
(装置リスト221及び装置画像)
装置リスト221は、利用者が特定の装置を選択するために用いられるデータテーブルである。
【0134】
装置リスト221は、
図5(a)に示すように、複数の型番情報222を含んでいる。各型番情報222は、一台の装置に対応する。ここで、各装置は、画像形成装置である。しかし、これには限定されない。各装置は、画像形成装置以外の装置、例えば、携帯型の通信端末装置、パーソナルコンピューター、家電機器等であるとしてもよい。
【0135】
型番情報222は、機種名223及び型番224を含む。
【0136】
機種名223は、同一の機種である複数の装置に対して付与される名称である。
【0137】
型番224は、同一の機種に含まれるが、仕様の異なる複数の装置を識別する識別番号である。
【0138】
図5(b)に示す装置画像231は、装置リスト221に含まれる一台の装置の外観を示す縮小画像である。また、
図5(c)に示す装置画像232も、装置画像231と同様に、他の一台の装置の外観を示す縮小画像である。
【0139】
(外装部材リスト241)
外装部材リスト241は、装置リスト221により示される全ての装置について、各装置が備える外装部材の外縁形状や寸法等を保持しているデータテーブルである。
【0140】
外装部材リスト241は、
図6(a)に示すように、複数の装置情報242を含んでいる。各装置情報242は、一台の装置に対応している。
【0141】
装置情報242は、型番243及び複数の外装部材情報244を含んでいる。複数の外装部材情報244は、それぞれ、一台の装置が備える複数の外装部材に対応している。
【0142】
型番243は、
図5(a)に示す装置リスト221において説明したように、一つの仕様の装置を識別する識別番号である。
【0143】
外装部材情報244は、外装部材番号245、形状情報246及び配置情報247から構成され、形状情報246は、外縁形状248及び寸法249を含んでいる。
【0144】
外装部材番号245は、外装部材を識別する識別番号である。
【0145】
外縁形状248は、外装部材の表面のうち、平面部分、又は、展開することにより、平面となる部分の形状を示す。外縁形状248の一例は、矩形である。
【0146】
寸法249は、一例として、外縁形状248を平面に展開した場合の縦方向の寸法及び縦方向の寸法である。
【0147】
配置情報247は、装置の外観斜視図を表した画像上において、外装部品が占める領域を示す情報である。配置情報247は、後述する
図14の画面431に表示された一台の画像形成装置から利用者が一つの外装部材を選択する際に、利用者が指定した位置と、この外装部材の位置とを関係付けるために用いられる。
【0148】
装置の外観斜視図を表した画像におけるX-Y座標系を想定する。例えば、
図6(b)に示すX-Y座標系に、外装部材32を表した画像を示し、この画像の頂点をA11、A12、A13、A14により示す。このとき、配置情報247は、頂点A11、A12、A13、A14のそれぞれのX-Y座標値として示される。なお、
図6(b)においては、外装部材32を表した画像以外の外装部品の画像の記載を省略している。
【0149】
(デザインリスト251)
デザインリスト251は、
図7に示すように、記憶部105に記憶されている全てのデザイン画像を識別する識別情報であるデザインID252を保持しているデータテーブルである。
【0150】
(デザイン画像261~264)
デザイン画像261~264は、それぞれ、
図8(a)~(d)に示すように、デザインを表した画像である。
【0151】
(外装スキャン画像271)
外装スキャン画像271は、
図9に示すように、一例として、スマートフォンの片面(表示画面が配されていない面)を、イメージリーダー部11により読み取って生成した画像である。
【0152】
(デザインスキャン画像272)
デザインスキャン画像272は、
図10に示すように、一例として、デザインが表されたシートから、イメージリーダー部11により、そのデザインをスキャンして生成した画像である。
【0153】
(写真画像295、296)
写真画像295及び296は、
図11(a)及び(b)に示すように、携帯端末300から受信した写真画像である。写真画像295及び296は、画像形成装置10が配置されている位置の周辺において、撮影により生成されたものである。
【0154】
(外装画像281~283)
図12(a)及び(b)に示す外装画像281及び282は、それぞれ、一例として、
図1(a)に示す画像形成装置10の外装部材32及び31の外縁形状を、寸法に合致するように、平面上に展開して枠画像を生成し、生成した枠画像の内部に、一例として、
図10に示すデザインスキャン画像272を描画して、生成した画像である。
【0155】
また、
図11(c)に示す外装画像283は、一例として、
図9に示す外装スキャン画像271から、スマートフォンの枠部分を抽出して枠画像を生成し、生成した枠画像の内部に、一例として、
図10に示すデザインスキャン画像272を描画して、生成した画像である。
【0156】
(外装フラグ291)
外装フラグ291は、利用者により外装の選択がされたか、又は、外装のスキャンがされたかを示すフラグである。
【0157】
利用者により外装の選択がされず、外装のスキャンがされない場合、外装フラグ291は、「0」である。
【0158】
利用者により外装の選択がされた場合、外装フラグ291は、「1」である。
【0159】
利用者により外装のスキャンがされた場合、外装フラグ291は、「2」である。
【0160】
(デザインフラグ292)
デザインフラグ292は、利用者によりデザインの選択がされたか、又は、デザインのスキャンがされたかを示すフラグである。
【0161】
利用者によりデザインの選択がされず、デザインのスキャンがされない場合、デザインフラグ292は、「0」である。
【0162】
利用者によりデザインの選択がされた場合、デザインフラグ292は、「1」である。
【0163】
利用者によりデザインのスキャンがされた場合、デザインフラグ292は、「2」である。
【0164】
(写真フラグ293)
写真フラグ293は、携帯端末300から受信した写真画像から、基調色を抽出したか否かを示すフラグである。
【0165】
基調色が抽出されていない場合、写真フラグ293は、「0」である。
【0166】
基調色が抽出された場合、写真フラグ293は、「1」である。
【0167】
(7)表示制御部111
(画面の遷移の制御及び画面の生成)
表示制御部111は、以下に示すように、記憶部105に記憶されているメニュー遷移テーブル211に従って、操作パネル19の表示面20に表示されるべき画面の遷移を制御する。
【0168】
画像形成装置10の電源がオンとされたときには、表示制御部111は、記憶部105から最初のメニュー画面ID219を読み出す。最初のメニュー画面ID219により識別されるメニュー画面が表示された後においては、表示制御部111は、メニュー遷移テーブル211から、次に表示すべきメニュー画面を識別する遷移先ID(メニュー画面ID)を読み出す。
【0169】
表示制御部111は、読み出したメニュー画面IDにより識別されるメニュー画面を記憶部105から読み出し、読み出したメニュー画面を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、読み出したメニュー画面を操作パネル19に表示させる。
【0170】
表示制御部111は、メニュー遷移テーブル211から、読み出したメニュー画面IDを含むメニュー遷移情報を読み出す。
【0171】
表示中のメニュー画面に対する利用者の操作がなされたとき、表示制御部111は、読み出したメニュー遷移情報に含まれる選択肢情報内の機能の内容を判断する。具体的には、表示制御部111は、機能の内容が、「パラメーター設定」、「遷移」、「外装選択」、「外装スキャン」、「デザインスキャン」、「デザイン選択」、「基調色の抽出」、「プリント実行」及びその他のいずれであるか、を判断する。次に、表示制御部111は、選択肢情報内の機能に従って、動作する。
【0172】
選択肢情報内の機能が「遷移」であれば、表示制御部111は、選択肢情報から、対応する遷移先ID(メニュー画面ID)を抽出し、抽出した遷移先IDに対応するメニュー画面IDを含むメニュー遷移情報を、メニュー遷移テーブル211から読み出す。また、表示制御部111は、遷移先IDに対応するメニュー画面を記憶部105から読み出し、読み出したメニュー画面を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、読み出したメニュー画面を操作パネル19に表示させる。
【0173】
例えば、表示制御部111は、
図13に示すメニュー画面401、411を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0174】
また、表示制御部111は、メニュー画面411を表示させた後、外装選択、外装スキャン、デザインスキャン、デザイン選択又は基調色の抽出の処理が実行され、再び、メニュー画面411を表示するとき、各処理が実行されたことを利用者が明確に知ることができるように、実行された処理に対応するボタン412、413、414、415、416の表示を反転したメニュー画面411を生成し、生成したメニュー画面411を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、メニュー画面411を操作パネル19に表示させてもよい。
【0175】
(画面421の生成及び表示制御)
選択肢情報内の機能が「外装選択」であれば、表示制御部111は、記憶部105から、画面テンプレート421aを読み出す。次に、表示制御部111は、記憶部105に記憶されている装置リスト221から、全ての型番情報を読み出し、読み出した全ての型番情報について、チェックボックスの画像、型番情報に含まれる機種名及び型番からなる組を生成し、生成した複数の組を組み入れた装置メニューを生成する。なお、装置メニューに含まれる組の数が所定数を超える場合には、表示制御部111は、生成した複数の組のうち、所定数の組のみを装置メニューに組み入れる。次に、表示制御部111は、装置メニューを画面テンプレート421a内の装置メニュー領域に配する。また、表示制御部111は、スクロールバー429にノブ426を配置する。
【0176】
このようにして、表示制御部111は、装置の選択を行うための画面421(
図13)を生成し、生成した画面421を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面421を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0177】
なお、表示制御部111は、画面421が表示されている場合、利用者のノブ426に対する操作により、装置メニュー内に組み入れる組を入れ換える。
【0178】
利用者により、装置メニュー422から、機種名及び型番の組が選択され、その選択が、確定のボタン428が操作されることにより、確定した場合、表示制御部111は、利用者により選択された機種名及び型番の組を記憶部105に書き込む。
【0179】
(画面441の表示制御)
選択肢情報内の機能が「外装スキャン」であれば、表示制御部111は、イメージリーダー部11によるスキャンを促すための画面441(
図14)を記憶部105から読み出し、読み出した画面441を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面441を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0180】
(画面461の表示制御)
選択肢情報内の機能が「デザインスキャン」であれば、表示制御部111は、イメージリーダー部11によるスキャンを促すための画面461(
図15)を記憶部105から読み出し、読み出した画面461を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面461を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0181】
(画面481の生成及び表示制御)
選択肢情報内の機能が「デザイン選択」であれば、表示制御部111は、記憶部105から、画面テンプレート481aを読み出す。次に、表示制御部111は、記憶部105に記憶されているデザインリスト251から、全てのデザインIDを読み出す。次に、表示制御部111は、読み出した全てのデザインIDを画像処理部106に対して出力し、画像処理部106により、各デザインIDにより識別されるデザイン画像を縮小した縮小デザイン画像又は各デザインIDにより識別されるデザイン画像の一部分を切り出した部分デザイン画像を生成するように、画像処理部106を制御する。次に、表示制御部111は、読み出した全てのデザインIDについて、画像処理部106から、縮小デザイン画像又は部分デザイン画像を受け取る。
【0182】
次に、表示制御部111は、チェックボックスの画像及び縮小デザイン画像又は部分デザイン画像からなる組を生成し、生成した複数の組を組み入れたデザインメニューを生成する。なお、デザインメニューに含まれる組の数が所定数を超える場合には、表示制御部111は、生成した複数の組のうち、所定数の組のみをデザインメニューに組み入れる。次に、表示制御部111は、デザインメニューを画面テンプレート481a内のデザインメニュー領域に配する。また、表示制御部111は、スクロールバー486にノブ487を配置する。
【0183】
このようにして、表示制御部111は、デザインの選択を行うための画面481(
図15)を生成し、生成した画面481を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面481を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0184】
なお、表示制御部111は、画面481が表示されている場合、利用者のノブ487に対する操作により、デザインメニュー内に組み入れる組を入れ換える。
【0185】
利用者により、デザインが選択され、確定のボタン489が操作されることにより、確定した場合、表示制御部111は、利用者により選択されたデザインを識別するデザインIDを記憶部105に書き込み、デザインフラグ292を「1」に設定する。
【0186】
(画面431の生成及び表示制御)
装置の選択を行うための画面421(
図13)が表示された状態で、確定のボタン428が操作された場合、表示制御部111は、次に示すようにして、外装部材の選択を行うための画面431(
図14)を生成する。
【0187】
表示制御部111は、記憶部105から、画面テンプレート431aを読み出す。次に、表示制御部111は、画面421において、利用者により選択された装置の型番を記憶部105から読み出し、読み出した型番により識別される装置画像を記憶部105から読み出す。次に、表示制御部111は、読み出した装置画像を、画面テンプレート431aの装置画像領域に配置する。このようにして、表示制御部111は、画面431を生成する。次に、表示制御部111は、生成した画面431を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面431を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0188】
表示制御部111は、操作パネル19から、画面431に表示した装置画像内に表示された複数の外装部材のうちから、利用者により選択された、一つ又は複数の外装部材の表示位置を受け取る。受け取った外装部材の表示位置と、外装部材情報内の配置情報(
図6(a))に基づいて、利用者により選択された外装部材を特定し、その外装部材を識別する識別部材番号を、外装部材情報から抽出する。
【0189】
利用者により、装置の外装部材が選択され、その選択が、確定のボタン435が操作されることにより、確定した場合、表示制御部111は、利用者により選択された外装部材を識別する外装部材番号を記憶部105に書き込み、外装フラグ291を「1」に設定する。
【0190】
(画面451の生成及び表示制御)
スキャンを行うための画面441(
図14)が表示された状態で、スキャン実行のボタン444が操作された場合、表示制御部111は、イメージリーダー部11に対して、スキャンにより生成した画像データ(外装スキャン画像)を画像メモリ104に書き込むように、制御する。また、画像処理部106に対して、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した画像を縮小して、プレビュー画像を生成するように、制御する。次に、表示制御部111は、画像処理部106からプレビュー画像を受け取る。また、表示制御部111は、記憶部105から、画面テンプレート451aを読み出す。次に、表示制御部111は、画面テンプレート451aの外装プレビュー画像領域に、受け取ったプレビュー画像を配置して、画面451(
図14)を生成する。次に、表示制御部111は、生成した画面451を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面451を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0191】
利用者により、対象物の外装がスキャンされ、確定のボタン455が操作されることにより、確定した場合、外装フラグ291を「2」に設定する。
【0192】
(画面471の生成及び表示制御)
スキャンを促すための画面461(
図15)が表示された状態で、スキャン実行のボタン464が操作された場合、表示制御部111は、イメージリーダー部11に対して、スキャンにより生成した画像データ(デザインスキャン画像)を画像メモリ104に書き込むように、制御する。また、表示制御部111は、画像処理部106に対して、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した画像を縮小して、プレビュー画像を生成するように、制御する。次に、表示制御部111は、画像処理部106からプレビュー画像を受け取る。また、表示制御部111は、記憶部105から、画面テンプレート471aを読み出す。次に、表示制御部111は、画面テンプレート471aのデザインプレビュー画像領域に、受け取ったプレビュー画像を配置して、画面471(
図15)を生成する。次に、表示制御部111は、生成した画面471を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、生成した画面471を操作パネル19の表示面20に表示させる。
【0193】
利用者により、デザインがスキャンされ、確定のボタン475が操作されることにより、確定した場合、表示制御部111は、デザインフラグ292を「2」に設定する。
【0194】
(実行条件の受け付け)
選択肢情報内の機能が「パラメーター設定」であれば、表示制御部111は、操作パネル19から、利用者により設定された実行条件を受け付け、受け付けた実行条件を記憶部105に書き込む。
【0195】
例えば、表示制御部111は、
図13のメニュー画面401に示すように、用紙の選択を示す選択肢のうちの一つが選択されると、選択された選択肢に対応する用紙のサイズを(又は、そのサイズを識別する識別子)を、実行条件の一つの用紙のサイズとして、記憶部105に書き込む。
【0196】
このとき、その選択肢が選択されたことを利用者が明確に知ることができるように、必要に応じて、受け付けた設定項目を反転表示した画面を生成し、生成した画面を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して出力して、その画面を操作パネル19に表示させてもよい。
【0197】
(8)外装画像処理部112
外装画像処理部112は、
図3に示すように、抽出部112a(抽出手段)及び生成部112b(生成手段)を含む。
【0198】
(写真画像からの基調色の抽出処理)
メニュー画面411(
図13)が表示された状態で、基調色の抽出のボタン416が操作された場合、抽出部112aは、以下に示すようにして、写真画像からの基調色の抽出処理を実行する。
【0199】
抽出部112aは、記憶部105から、全ての写真画像を読み出す。次に、抽出部112aは、各写真画像について、写真画像内を色毎に、ブロックに分割する。ここで、例えば、
図11(c)に示すように、写真画像295から、一つのブロック295aが分割して切り出され、また、
図11(d)に示すように、写真画像296から、一つのブロック296aが分割して切り出される。ブロック295a及び295bは、写真画像295及び写真画像296における壁面であり、同一色で表現されている。
【0200】
次に、抽出部112aは、各ブロックの面積を算出し、算出した面積を記憶する。ここで、例えば、
図11(c)及び(d)に示すブロック295a及び296aの面積がそれぞれ算出される。
【0201】
次に、抽出部112aは、外装全ての写真画像について、色毎に、ブロックの面積を集計する。ここで、例えば、
図11(c)及び(d)に示すブロック295a及び296aの面積が集計される。
【0202】
次に、抽出部112aは、色毎の面積のうち、最大の面積を算出し、次に、最大の面積に対応する色を、一つの基調色として、選択し、選択した基調色を示す識別情報を記憶する。
【0203】
また、抽出部112aは、次のようにして、一つの基調模様を抽出してもよい。
【0204】
抽出部112aは、写真画像内において、一の模様を特定し、特定した模様と同一の模様が描かれた領域を特定する。写真画像内の全ての領域について、特定した模様と同一の模様が描かれた領域の特定を繰り返す。次に、抽出部112aは、特定した模様と同一の模様が描かれた全ての領域の面積の総和を算出する。外装画像処理部112は、写真画像内において、他の模様についても、同一の模様が描かれた全ての領域の面積の総和を算出する。次に、抽出部112aは、模様毎の面積のうち、最大の面積を算出し、次に、最大の面積に対応する模様を、基調模様として、選択し、選択した基調模様を示す識別情報を記憶する。
【0205】
また、抽出部112aは、基調色の上に基調模様が描かれている場合、基調色と基調模様とから構成される基調デザインを抽出してもよい。
【0206】
ここで、写真画像に含まれるデザインは、少なくとも一つの模様又は少なくとも一つの色を含む。また、写真画像に含まれるデザインは、複数の模様又は複数の色を含む、としてもよい。
【0207】
上記のように、抽出部112aは、写真画像から、基調色、基調模様、又は、基調色及び基調模様の組合せから構成される基調デザインを抽出する。
【0208】
(外装画像の生成)
メニュー画面411(
図13)が表示された状態で、プリント実行のボタン418が操作された場合、生成部112bは、以下に示すようにして、外装画像を生成する。
【0209】
生成部112bは、外装フラグ291が「0」、「1」、「2」のいずれであるかを判断し、デザインフラグ292が「0」、「1」、「2」のいずれであるかを判断し、写真フラグ293が「0」、「1」のいずれであるかを判断する。
【0210】
外装フラグ291が「0」である場合、又は、デザインフラグ292が「0」である場合、それぞれ、対象物の外装が特定されていない、又は、デザインが特定されていないので、生成部112bは、外装画像の生成を行わない、としてもよい。
【0211】
外装フラグ291が「1」である場合、生成部112bは、記憶部105から、利用者により選択された装置の型番及び利用者に選択された外装部材の外装部材番号を読み出す。次に、生成部112bは、外装部材リスト241から、読み出した型番及び外装部材に対応する形状情報(外縁形状及び寸法)を読み出す。次に、生成部112bは、読み出した形状情報を画像処理部106に対して出力し、画像処理部106を制御して、画像メモリ104上に、外縁形状を平面上に展開した枠画像を生成させる。
【0212】
このように、生成部112bは、記憶部105から外縁形状を読み出し、読み出した外縁形状を平面上に展開させ、展開された形状内に、取得したデザイン(色、模様、又は、色と模様との組合せ)を描かせ、外装画像を生成させる。
【0213】
外装フラグ291が「2」である場合、生成部112bは、画像処理部106に対して、画像メモリ104に記憶されている外装スキャン画像から、その枠部分を抽出させ、抽出した枠部分を描いた枠画像を、画像メモリ104上に生成させる。
【0214】
デザインフラグ292が「1」である場合、生成部112bは、記憶部105から、利用者により選択されたデザイン画像を識別するデザインIDを読み出す。次に、生成部112bは、画像処理部106に対して、記憶部105から、画像メモリ104上に、読み出したデザインIDにより識別されるデザイン画像を読み出させ、読み出したデザイン画像から、模様を抽出させる。次に、写真フラグが「1」である場合、生成部112bは、画像処理部106を制御して、画像メモリ104上に生成された枠画像内に、基調色を塗布させる。次に、生成部112bは、画像処理部106を制御して、枠画像上に、又は、基調色が塗布された枠画像上に、抽出した模様を描画させ、外装画像を生成させる。
【0215】
デザインフラグ292が「2」である場合、生成部112bは、画像処理部106を制御して、記憶部105から、画像メモリ104上に、デザインスキャン画像を読み出させ、読み出したデザインスキャン画像から、模様を抽出させる。次に、写真フラグが「1」である場合、生成部112bは、画像処理部106を制御して、枠画像内に、基調色を塗布させる。次に、生成部112bは、画像処理部106を制御して、枠画像上に、又は、基調色が塗布された枠画像上に、抽出した模様を描画させ、外装画像を生成させる。
【0216】
外装画像の生成が終了すると、生成部112bは、プリンター制御部108を制御して、外装画像を印刷させる。
【0217】
1.5 画面の遷移
操作パネル19の表示面20に表示される画面の遷移について、以下に説明する。
【0218】
画像形成装置10の起動直後に、操作パネル19の表示面20に、
図13に示すメニュー画面401が表示される。
【0219】
メニュー画面401において、利用者により、ステッカーの作成を示すボタン406が操作されると、次に、メニュー画面411が表示される。
【0220】
次に、メニュー画面411において、外装選択を示すボタン412が操作されると、画面421が表示される。画面421において、利用者により、一組の機種名と型番とが選択され、確定を示すボタン428が操作されると、次に、
図14に示す画面431が表示される。画面431において、利用者により、外装部材が選択され、確定を示すボタン435が操作されると、次に、メニュー画面411が表示される。
【0221】
また、メニュー画面411において、外装スキャンを示すボタン413が操作されると、次に、
図14に示す画面441が表示される。利用者が、例えば、スマートフォンの一面を下向きにして、イメージリーダー部11の原稿ガラス板上に置き、スキャン実行を示すボタン444が操作されると、次に、画面451が表示される。画面451において、利用者により、確定を示すボタン455が操作されると、次に、メニュー画面411が表示される。
【0222】
また、メニュー画面411において、デザインスキャンを示すボタン414が操作されると、次に、
図15に示す画面461が表示される。利用者が、例えば、デザインが表されたシートをイメージリーダー部11の原稿ガラス板上に置き、スキャン実行を示すボタン464が操作されると、次に、画面471が表示される。画面471において、利用者により、確定を示すボタン475が操作されると、次に、メニュー画面411が表示される。
【0223】
また、メニュー画面411において、デザイン選択を示すボタン415が操作されると、次に、
図15に示す画面481が表示される。利用者が、デザインを選択し、確定を示すボタン489が操作されると、次に、メニュー画面411が表示される。
【0224】
次に、メニュー画面411において、プリント実行を示すボタン418が操作されると、設定された外縁形状及びデザインにより、シート上に外装画像がプリントされる。
【0225】
1.6 携帯端末300
携帯端末300(撮影装置)は、一例として、
図16に示すように、主制御部301、記憶部302、音声処理部306、スピーカー307、マイクロホン308、入出力制御部309、タッチパネル310、入力部311、第二無線通信部315(出力手段、第一無線通信手段)、第一無線通信部316、カメラ入力部317及びカメラ318(撮影手段)から構成されている。第二無線通信部315は、アンテナ312、第二通信回路313及び第二通信制御部314を備えている。第一無線通信部316は、アンテナ304、第一通信回路303及び第一通信制御部305を備えている。
【0226】
携帯端末300は、具体的には、マイクロプロセッサー、信号処理プロセッサー、ROM、RAMなどから構成されるコンピューターシステムである。RAMには、コンピュータープログラムが記憶されている。マイクロプロセッサー及び信号処理プロセッサーは、コンピュータープログラムに従って動作する。これにより、主制御部301、音声処理部306、入出力制御部309、第二通信制御部314、第一通信制御部305及びカメラ入力部317は、その機能を達成する。
【0227】
携帯端末300は、一例として、スマートフォンである。なお、携帯端末300は、タッチパッド、携帯電話機、携帯型のパーソナルコンピューター等であるとしてもよい。
【0228】
(1)記憶部302
記憶部302は、一例として、不揮発性の半導体メモリから構成されている。
【0229】
記憶部302は、写真画像331、332、・・・を記憶するための領域を備えている。
【0230】
(2)アンテナ304、第一通信回路303及び第一通信制御部305
アンテナ304、第一通信回路303及び第一通信制御部305は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)2000、LTE(Long Term Evolution)等の規格に基づいて、移動体通信を実現する。
【0231】
アンテナ304は、無線基地局との間で無線回線を介して無線信号を送受信する。第一通信回路303は、アンテナ304により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。第一通信制御部305は、第一通信回路303から受け取った信号を復調し、主制御部301又は音声処理部306に対して出力する。また、第一通信制御部305は、主制御部301又は音声処理部306から受け取った信号を変調して、第一通信回路303に対して出力する。
【0232】
(3)アンテナ312、第二通信回路313及び第二通信制御部314
アンテナ312、第二通信回路313及び第二通信制御部314は、IEEE802.11a、b、n、ac等の無線LANの規格に基づいて、無線による通信を行う。
【0233】
アンテナ312は、画像形成装置10との間で、無線により、無線信号を送受信する。第二通信回路313は、アンテナ312により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。第二通信制御部314は、第二通信回路313から受け取った信号を復調し、主制御部301に対して出力する。また、第二通信制御部314は、主制御部301から受け取った信号を変調して、第二通信回路313に対して出力する。
【0234】
第二通信制御部314は、主制御部301から、記憶部302に記憶されている写真画像を、画像形成装置10に対して送信するように指示を受け取る。送信する指示を受け取ると、第二通信制御部314は、さらに、主制御部301から、写真画像を受け取り、受け取った写真画像を、第二通信回路313及びアンテナ312を介して、画像形成装置10に対して送信する。
【0235】
(4)音声処理部306、マイクロホン308及びスピーカー307
マイクロホン308は、音波を受けて振動する振動板に伴って、磁界内でコイルが振動することにより、アナログ電気信号としての音声信号を生成する。マイクロホン308が受け取る音波は、一例として、利用者の音声である。次に、生成した音声信号を音声処理部306に対して出力する。
【0236】
スピーカー307は、音声処理部306からアナログ電気信号としての音声信号を受け取り、受け取った音声信号に従って振動板を振動させて、音波を出力する。
【0237】
音声処理部306は、音声情報が符号化された符号化音声情報を復号し、さらにアナログ電気信号に変換して、音声信号を生成する。次に、音声処理部306は、生成した音声信号をスピーカー307に対して出力する。また、音声処理部306は、マイクロホン308から受け取った音声信号をデジタル電気信号に変換し、さらに、符号化して符号化音声情報を生成する。次に、音声処理部306は、生成した符号化音声情報を、第一通信制御部305に対して出力する。
【0238】
(5)カメラ入力部317及びカメラ318
カメラ318は、その光軸が、携帯端末300の操作面の裏面に対して垂直方向、前方に向くように、操作面の裏面上に設置されており、その撮影方向は、固定されている。
【0239】
カメラ318は、被写体からの光を集め、撮像素子に像を結ぶレンズと、レンズを通じて、照射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子と、生成された電気信号をデジタルの画像データに変換する画像処理エンジンとから構成されている。カメラ318は、画像処理エンジンにより生成した写真画像(画像データ)を、カメラ入力部317に対して出力する。
【0240】
カメラ318の水平画角は、例えば、略90度であり、垂直画角は、例えば、略45度である。
【0241】
カメラ入力部317は、カメラ318から、写真画像を受け取り、受け取った写真画像を記憶部302に、写真画像331、332等として、書き込む。
【0242】
(6)タッチパネル310、入力部311及び入出力制御部309
タッチパネル310は、矩形の表示面を有する表示パネル部及び表示面に取り付けられたタッチパッド部から構成されている。表示パネル部は、一例として、液晶ディスプレイである。タッチパッド部は、タッチパネル310の操作面に対する利用者の指等の操作体の接触を検出する。
【0243】
タッチパネル310は、
図17に示すように、一例として、メニュー画面341及び写真を選択するための画面351を表示する。
【0244】
メニュー画面341には、操作用の複数のアイコンが表示されている。複数のアイコンには、写真を選択して、送信するためのアイコン342が含まれている。アイコン342が利用者により操作されると、タッチパネル310は、画面351を表示する。
【0245】
画面351には、写真画像を選択するための選択リスト352及び写真の送信を指示するボタン353が含まれている。利用者により、選択リスト352から、一又は複数の写真画像が選択され、ボタン353が操作されると、選択された写真画像が、無線により、携帯端末300から、画像形成装置10に対して、送信される。
【0246】
入力部311は、複数のボタンを備える。各ボタンは、利用者により押下されることにより、操作される。
【0247】
入出力制御部309は、入力信号として、入力部311から操作信号を受け取る。操作信号の一つは、カメラ318に対する操作を示す。また、入力信号として、タッチパネル310から位置情報を受け取る。入出力制御部309は、受け取った入力信号を主制御部301に対して出力する。また、入出力制御部309は、主制御部301から、文字や画像を受け取り、受け取った文字や画像をタッチパネル310に出力して表示するように制御する。
【0248】
(7)主制御部301
主制御部301は、記憶部302、第一通信制御部305、音声処理部306、入出力制御部309、第二通信制御部314及びカメラ入力部317を制御する。
【0249】
主制御部301は、入出力制御部309から、カメラ318による撮影の操作を示す入力信号及び写真画像を画像形成装置10に対して送信する指示を示す入力信号を受け取る。
【0250】
入出力制御部309から、撮影の操作を示す入力信号を受け取ると、主制御部301は、カメラ入力部317に対して、カメラ318により撮影するよう、制御する。また、主制御部301は、カメラ入力部317から、写真画像を受け取る。写真画像を受け取ると、受け取った写真画像を記憶部302に書き込む。
【0251】
また、入出力制御部309から、写真画像を画像形成装置10に対して送信する指示を示す入力信号を受け取ると、主制御部301は、第二無線通信部315に対して、記憶部302に記憶されている写真画像を、画像形成装置10に対して送信するように指示し、送信すべき写真画像を記憶部302から読み出し、読み出した写真画像を、第二無線通信部315に対して、出力する。
【0252】
1.6 画像形成システム1の動作
画像形成システム1の動作について、説明する。
【0253】
(1)画像形成装置10の概要の動作
メニュー画面401を表示後、プリントを実行するまでの、画像形成装置10の概要の動作について、
図18に示すフローチャートを用いて説明する。
【0254】
表示制御部111は、初期のメニュー画面を生成し(ステップS101)、操作パネル19は、メニュー画面を表示する(ステップS102)。操作パネル19は、利用者の操作による選択肢の選択を受け付ける(ステップS103)。
【0255】
表示制御部111は、受け付けた選択肢の内容を判断する(ステップS104)。選択肢の内容が次のメニュー画面の表示である場合、又は、「戻る」である場合(ステップS104で「次のメニュー画面の表示又は戻る」)、表示制御部111は、次のメニュー画面を生成する(ステップS105)。次に、表示制御部111は、制御をステップS102に移す。
【0256】
選択肢の内容が外装選択である場合(ステップS104で「外装選択」)、外装選択の処理が行なわれ(ステップS106)、次に、表示制御部111は、制御をステップS105に移す。
【0257】
選択肢の内容が外装スキャンである場合(ステップS104で「外装スキャン」)、外装スキャンが行なわれ(ステップS107)、次に、表示制御部111は、制御をステップS105に移す。
【0258】
選択肢の内容がデザインスキャンである場合(ステップS104で「デザインスキャン」)、デザインスキャンが行なわれ(ステップS108)、次に、表示制御部111は、制御をステップS105に移す。
【0259】
選択肢の内容がデザイン選択である場合(ステップS104で「デザイン選択」)、デザイン選択が行なわれ(ステップS109)、次に、表示制御部111は、制御をステップS105に移す。
【0260】
選択肢の内容が基調色の抽出である場合(ステップS104で「基調色の抽出」)、写真から基調色の抽出が行なわれ(ステップS110)、次に、表示制御部111は、制御をステップS105に移す。
【0261】
選択肢の内容がプリント実行である場合(ステップS104で「プリント実行」)、プリントが実行され(ステップS111)、次に、表示制御部111は、制御をステップS101に移す。
【0262】
選択肢の内容がその他である場合(ステップS104で「その他」)、その他の処理が実行され(ステップS112)、次に、表示制御部111は、制御をステップS101に移す。
【0263】
以上により、画像形成装置10の概要の動作の説明を終了する。
【0264】
(2)外装選択の動作
画像形成装置10による外装選択の動作について、
図19に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS106の詳細である。
【0265】
表示制御部111は、記憶部105に記憶されている装置リスト221から、全ての型番情報を読み出す(ステップS201)。
【0266】
次に、表示制御部111は、読み出した全ての型番情報について、チェックボックスの画像、型番情報に含まれる機種名及び型番からなる組を生成し、生成した複数の組からなる装置メニューを生成する(ステップS202)。次に、表示制御部111は、生成した装置メニューを画面テンプレート421a内の装置メニュー領域に配して装置の選択を行うための画面421を生成し、操作パネル19は、画面421を表示する(ステップS203)。
【0267】
操作パネル19は、利用者により、画面421の装置メニュー422から、機種名及び型番の組の選択を受け付ける(ステップS204)。表示制御部111は、利用者の操作を判断し(ステップS205)、利用者の操作が「取消」である場合(ステップS205で「取消」)、表示制御部111は、外装選択の動作を終了する。
【0268】
利用者の操作が「確定」である場合(ステップS205で「確定」)、表示制御部111は、利用者により選択された装置の型番により識別される装置画像を記憶部105から読み出す(ステップS206)。次に、表示制御部111は、読み出した装置画像を含む画面431を生成する(ステップS207)。次に、操作パネル19は、画面431を表示する(ステップS208)。
【0269】
操作パネル19は、利用者から、装置の外装部材の選択を受け付ける(ステップS209)。ここで、操作パネル19は、利用者から複数の外装部材の選択を受け付けるとしてもよい。表示制御部111は、利用者の操作を判断し(ステップS210)、利用者の操作が「取消」である場合(ステップS210で「取消」)、表示制御部111は、外装選択の動作を終了する。
【0270】
利用者の操作が「確定」である場合(ステップS210で「確定」)、表示制御部111は、利用者により選択された外装部材を識別する外装部材番号を記憶部105に書き込む(ステップS211)。次に、表示制御部111は、外装表示の選択肢を反転させる(ステップS212)。次に、表示制御部111は、外装フラグ291を「1」に設定する(ステップS213)。
【0271】
以上により、画像形成装置10による外装選択の動作を終了する。
【0272】
(3)外装スキャンの動作
画像形成装置10による外装スキャンの動作について、
図20に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS107の詳細である。
【0273】
表示制御部111は、イメージリーダー部11によるスキャンを促すための画面441を記憶部105から読み出す(ステップS231)。次に、操作パネル19は、画面441を表示する(ステップS232)。ここで、利用者は、スマートフォンの一面を下向きにして、イメージリーダー部11の原稿ガラス板上に置く。
【0274】
画面441が表示された状態で、表示制御部111は、利用者の操作を判断する(ステップS233)。取消のボタン443が操作された場合(ステップS233で「取消」)、表示制御部111は、外装スキャンの動作を終了する。
【0275】
スキャン実行のボタン444が操作された場合(ステップS233で「スキャン実行」)、イメージリーダー部11は、スキャンを実行し、スキャンにより生成した外装スキャン画像を記憶部105に書き込む(ステップS234)。画像処理部106は、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した画像を縮小して、プレビュー画像を生成する(ステップS235)。次に、表示制御部111は、画面テンプレート451aの外装プレビュー画像領域に、プレビュー画像を配置して、画面451を生成する(ステップS236)。次に、操作パネル19は、画面451を表示する(ステップS237)。
【0276】
画面451が表示された状態で、表示制御部111は、利用者の操作を判断する(ステップS238)。取消のボタン454が操作された場合(ステップS238で「取消」)、表示制御部111は、外装スキャンの動作を終了する。
【0277】
確定のボタン455が操作された場合(ステップS238で「確定」)、表示制御部111は、外装スキャンの選択肢を反転させる(ステップS239)。次に、表示制御部111は、外装フラグ291を「2」に設定する(ステップS240)。
【0278】
以上により、画像形成装置10による外装スキャンの動作を終了する。
【0279】
(4)デザインスキャンの動作
画像形成装置10によるデザインスキャンの動作について、
図21に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS108の詳細である。
【0280】
表示制御部111は、イメージリーダー部11によるスキャンを促すための画面461を記憶部105から読み出す(ステップS251)。次に、操作パネル19は、画面461を表示する(ステップS252)。
【0281】
画面461が表示された状態で、表示制御部111は、利用者の操作を判断する(ステップS253)。取消のボタン463が操作された場合(ステップS253で「取消」)、表示制御部111は、デザインスキャンの動作を終了する。
【0282】
スキャン実行のボタン464が操作された場合(ステップS253で「スキャン実行」)、イメージリーダー部11は、スキャンを実行し、スキャンにより生成したデザインスキャン画像を記憶部105に書き込む(ステップS254)。画像処理部106は、イメージリーダー部11によるスキャンにより生成した画像を縮小して、プレビュー画像を生成する(ステップS255)。次に、表示制御部111は、画面テンプレート471aのデザインプレビュー画像領域に、プレビュー画像を配置して、画面471を生成する(ステップS256)。次に、操作パネル19は、画面471を表示する(ステップS257)。
【0283】
画面471が表示された状態で、表示制御部111は、利用者の操作を判断する(ステップS258)。取消のボタン474が操作された場合(ステップS258で「取消」)、表示制御部111は、デザインスキャンの動作を終了する。
【0284】
確定のボタン475が操作された場合(ステップS258で「確定」)、表示制御部111は、デザインスキャンの選択肢を反転させる(ステップS259)。次に、表示制御部111は、デザインフラグ292を「2」に設定する(ステップS260)。
【0285】
以上により、画像形成装置10によるデザインスキャンの動作を終了する。
【0286】
(5)デザイン選択の動作
画像形成装置10によるデザイン選択の動作について、
図22に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS109の詳細である。
【0287】
表示制御部111は、記憶部105に記憶されているデザインリスト251から、全てのデザインIDを読み出す(ステップS271)。次に、画像処理部106は、読み出した全てのデザインIDにより識別されるデザイン画像を読み出す(ステップS272)。次に、画像処理部106は、読み出したデザイン画像を縮小した縮小デザイン画像又は読み出したデザイン画像の一部分を切り出した部分デザイン画像を生成する(ステップS273)。次に、表示制御部111は、チェックボックスの画像及び縮小デザイン画像又は部分デザイン画像を含むデザインメニューを生成し、デザインメニューを画面テンプレート481a内のデザインメニュー領域に配することにより、画面481を生成する(ステップS274)。操作パネル19は、画面481を表示する(ステップS275)。
【0288】
操作パネル19は、利用者から部分デザイン画像又は縮小デザイン画像の選択を受け付ける(ステップS276)。
【0289】
画面481が表示された状態で、表示制御部111は、利用者の操作を判断する(ステップS277)。取消のボタン488が操作された場合(ステップS277で「取消」)、表示制御部111は、デザイン選択の動作を終了する。
【0290】
確定のボタン489が操作された場合(ステップS277で「確定」)、表示制御部111は、選択された部分デザイン画像又は縮小デザイン画像に対応するデザインIDを記憶部105に書き込む(ステップS278)。次に、表示制御部111は、デザイン選択の選択肢を反転させる(ステップS279)。次に、表示制御部111は、デザインフラグ292を「1」に設定する(ステップS280)。
【0291】
以上により、画像形成装置10によるデザイン選択の動作を終了する。
【0292】
(6)写真画像からの基調色の抽出の動作
画像形成装置10による写真画像からの基調色の抽出の動作について、
図23に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS110の詳細である。
【0293】
外装画像処理部112は、記憶部105から、一つの写真画像を読み出す(ステップS291)。次に、外装画像処理部112は、読み出した写真画像について、写真画像を色毎に、ブロックに分割する(ステップS292)。
【0294】
次に、外装画像処理部112は、各ブロックの面積を算出し(ステップS293)、算出した各ブロックの面積を記憶する(ステップS294)。
【0295】
外装画像処理部112は、記憶部105に記憶されている全ての写真画像について、読み出しが終了していない場合(ステップS295で「NO」)、ステップS291~ステップS294を繰り返す。
【0296】
記憶部105に記憶されている全ての写真画像について、読み出しが終了した場合(ステップS295で「YES」)、外装画像処理部112は、全ての写真画像について、色毎に、ブロックの面積を集計する(ステップS296)。
【0297】
次に、外装画像処理部112は、色毎の面積のうち、最大の面積を算出し、次に、最大の面積に対応する色を、基調色として、選択し、選択した基調色を示す識別情報を記憶する(ステップS297)。
【0298】
次に、表示制御部111は、基調色の抽出の選択肢を反転させる(ステップS298)。次に、表示制御部111は、写真フラグ293を「1」に設定する(ステップS299)。
【0299】
以上により、画像形成装置10による写真画像からの基調色の抽出の動作を終了する。
【0300】
(7)プリント実行の動作
プリント実行の動作について、
図24に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで説明する動作は、
図18のステップS111の詳細である。
【0301】
外装フラグ291が「0」である場合、又は、デザインフラグ292が「0」である場合(ステップS300で「YES」)、対象物の外装部材が特定されていない、又は、デザインが特定されていないので、外装画像処理部112は、プリント実行を行うことなく、終了する。
【0302】
外装画像処理部112は、外装フラグ291が「0」でなく、かつ、デザインフラグ292が「0」でない場合(ステップS300で「NO」)、外装フラグ291が「1」であるとき(ステップS301で「1」)、外装画像処理部112は、記憶部105から、利用者により選択された装置の型番及び利用者に選択された外装部材の外装部材番号を読み出す(ステップS302)。次に、外装画像処理部112は、外装部材リスト241から、読み出した型番及び外装部材に対応する形状情報を読み出す(ステップS303)。次に、画像処理部106は、読み出した形状情報により、画像メモリ104上に、外装部材の外縁形状を平面上に展開した枠画像を生成する(ステップS304)。
【0303】
外装フラグ291が「2」である場合(ステップS305で「2」)、外装画像処理部112は、記憶部105から、画像メモリ104上に、外装スキャン画像を読み出し、読み出した外装スキャン画像から、外装部材の外縁形状を平面上に展開した枠画像を生成する(ステップS306)。
【0304】
デザインフラグ292が「1」である場合(ステップS307で「1」)、外装画像処理部112は、記憶部105から、利用者により選択されたデザイン画像を識別するデザインIDを読み出す(ステップS308)。次に、外装画像処理部112は、記憶部105から、画像メモリ104上に、読み出したデザインIDにより識別されるデザイン画像を読み出す(ステップS309)。外装画像処理部112は、写真フラグ293が「0」であるか「1」であるかを判断する(ステップS310)。写真フラグ293が「1」である場合(ステップS310で「1」)、外装画像処理部112は、枠画像内に基調色を塗布する(ステップS311)。写真フラグ293が「0」である場合(ステップS310で「≠1」)、外装画像処理部112は、基調色を塗布しない。次に、画像処理部106は、枠画像内に、読み出したデザイン画像内の模様を描画する(ステップS312)。
【0305】
デザインフラグ292が「2」である場合(ステップS313で「2」)、外装画像処理部112は、記憶部105から、画像メモリ104上に、デザインスキャン画像を読み出す(ステップS314)。外装画像処理部112は、写真フラグ293が「0」であるか「1」であるかを判断する(ステップS315)。写真フラグ293が「1」である場合(ステップS315で「1」)、外装画像処理部112は、枠画像内に基調色を塗布する(ステップS316)。写真フラグ293が「0」である場合(ステップS315で「≠1」)、外装画像処理部112は、基調色を塗布しない。次に、画像処理部106は、枠画像内に、読み出したデザインスキャン画像内の模様を描画する(ステップS317)。
【0306】
外装画像の生成が終了すると、プリンター制御部108は、プリンター部12に、外装画像を印刷させる(ステップS318)。
【0307】
以上により、プリント実行の動作を終了する。
【0308】
(8)写真送信の動作
写真送信の動作について、
図25に示すフローチャートを用いて説明する。
【0309】
携帯端末300のタッチパネル310は、利用者から写真送信の指示を受け付ける(ステップS341)。次に、タッチパネル310は、利用者から写真画像の選択を受け付ける(ステップS342)。次に、タッチパネル310は、利用者から送信のボタンの操作を受け付ける(ステップS343)。
【0310】
携帯端末300の第二無線通信部315と画像形成装置10の無線通信部116とは、相手装置の認証を行う(ステップS344)。
【0311】
機器認証に成功すると、主制御部301は、記憶部302から一つの写真画像を読み出す(ステップS345)。次に、第二無線通信部315は、読み出した写真画像を無線により送信し、無線通信部116は、写真画像を受信する(ステップS346)。無線通信部116は、受信した写真画像を記憶部105に書き込む(ステップS348)。
【0312】
記憶部302からの写真画像の読み出しが終了していなければ(ステップS347で「NO」)、主制御部301は、ステップS345に制御を戻して、処理を繰り返す。
【0313】
記憶部302からの写真画像の読み出しが終了していれば(ステップS347で「YES」)、主制御部301は、第二無線通信部315を介して、終了通知を送信する。外装画像処理部112は、無線通信部116を介して、終了通知を受信する(ステップS349)。
【0314】
これにより、携帯端末300から画像形成装置10に対する写真画像の送信処理を終了する。
【0315】
1.7 まとめ
以上説明したように、実施の形態によると、携帯端末300のカメラ318により、画像形成装置10が配置された周辺を被写体として撮影により写真画像を生成する。生成した写真画像は、携帯端末300から画像形成装置10に対して送信され、記憶部105に記憶される。画像形成装置の外装画像処理部112は、記憶部105に記憶されている写真画像内の色毎の面積を算出し、最大の面積に対応する色を基調色とする。基調色が選択されると、外装部材の外縁形状内に、基調色を塗布し、さらに模様を描いて、外装画像を生成する。次に、プリンター部12は、外装画像をシート上に印刷する。
【0316】
利用者は、シート上に印刷された外装画像をその形状に沿って切り取り、得られた外装画像が印刷されたシートを、画像形成装置10の外装部材32に貼り付ける。
【0317】
外装画像が表す基調色は、画像形成装置10が配置された周辺を撮影して取得した色であるので、シートが貼り付けられた外装部材32の表面の色は、画像形成装置10が配置された周辺に施された色と調和している。
【0318】
この結果、周辺と調和した色の外装部材を製造する必要がなく、画像形成装置10の部品点数が増えることがない。このため、製造コストが上昇することもない。
【0319】
2 変形例(1)
実施の形態の画像形成システム1の変形例(1)としての、画像形成システム1aについて、説明する。
【0320】
画像形成システム1は、
図26(a)に示すように、画像形成システム1の構成要素である画像形成装置10及び携帯端末300に加えて、ヘッドマウントディスプレィ500(眼鏡型表示装置)を備えて構成されている。
【0321】
2.1 ヘッドマウントディスプレィ500
ヘッドマウントディスプレィ500は、利用者の頭部に装着して使用される。
【0322】
ヘッドマウントディスプレィ500は、
図27に示すように、CPU501、ROM502、RAM503、表示制御部504、表示部505(表示手段)、操作部506(入力手段)、画像処理部507(描画手段)、カメラ508(撮影手段)、カメラ入力部509、無線通信部513(第二通信手段)等から構成されている。無線通信部513は、アンテナ510、無線通信回路511、無線通信制御部512を含んでいる。
【0323】
(1)CPU501、ROM502及びRAM503
ROM502は、複数の制御プログラムを記憶している。各制御プログラムは、所定の機能を達成するために、CPU501に対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたコンピュータープログラムである。
【0324】
RAM503は、CPU501における作業領域等を提供する。
【0325】
CPU501は、ROM502に記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、ヘッドマウントディスプレィ500は、その一部の機能を達成する。CPU501、ROM502及びRAM503は、
図27に示すように、機能的に主制御部521及び情報記憶部522を構成する。
【0326】
(2)情報記憶部522
情報記憶部522は、装置情報、基調色等を記憶するための領域を備えている。
【0327】
(3)カメラ508、カメラ入力部509及び画像処理部507
カメラ508は、撮影により、写真画像を生成する。カメラ508は、生成した写真画像を、カメラ入力部509を介して、画像処理部507に対して出力する。
【0328】
利用者がヘッドマウントディスプレィ500を使用する際には、カメラ508の撮影範囲に、エリア内に配置された画像形成装置10が含まれるように、利用者により、ヘッドマウントディスプレィ500の向きが設定される。
【0329】
カメラ入力部509は、カメラ508と画像処理部507との間で、写真画像を中継する。
【0330】
画像処理部507(描画手段)は、カメラ508から、カメラ入力部509を介して、写真画像を受け取る。また、画像処理部507は、主制御部521から、装置情報及び基調色を示す識別情報を受け取る。ここで、画像処理部507は、基調色を示す識別情報に加えて、基調模様を示す識別情報を受け取るとしてもよい。つまり、画像処理部507は、デザインを示す識別情報を受け取るとしてもよい。
【0331】
また、画像処理部507は、写真画像内において、受け取った装置情報により識別される装置が表された画像部分を特定する。次に、画像処理部507は、特定した画像部分において、受け取った装置情報に含まれる前記外縁形状に相当する位置を特定する。次に、画像処理部507は、写真画像内で特定した位置において、前記外縁形状に相当する形状内に、受信した前記基調色を上書きする。ここで、画像処理部507は、基調色に加えて、基調模様を上書きしてもよい。つまり、画像処理部507は、基調色と基調模様からなるデザインを上書きしてもよい。
【0332】
次に、画像処理部507は、基調色が上書きされた写真画像を、表示制御部504を介して、表示部505に対して出力する。
【0333】
操作部506が基調色(又は、基調模様)を承認しない旨を受け取る場合(後述する)、画像処理部507は、基調色(又は、基調模様)を、他の基調色(又は、基調模様)に変更し、写真画像内の外縁形状に相当する形状内に、変更した基調色(又は、基調模様)を上書きする。
【0334】
(4)アンテナ510、無線通信回路511及び無線通信制御部512
アンテナ510、無線通信回路511及び無線通信制御部512は、IEEE802.11a、b、n、ac等の無線LANの規格に基づいて、無線による通信を行う。
【0335】
アンテナ510は、画像形成装置10との間で、無線により、無線信号を送受信する。
【0336】
無線通信回路511は、アンテナ510により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。
【0337】
無線通信制御部512は、無線通信回路511から受け取った信号を復調し、主制御部521に対して出力する。また、無線通信制御部512は、主制御部521から受け取った信号を変調して、無線通信回路511に対して出力する。
【0338】
(5)操作部506
操作部506は、複数のボタンから構成されている。利用者により、これらのボタンが押下されると、各ボタンに対応する操作信号を生成する。次に、生成した操作信号を主制御部521に対して出力する。
【0339】
複数のボタンのうちの、一つのボタンの押下は、ヘッドマウントディスプレィ500に対する操作の開始を示す。このボタンが押下されると、操作部506は、ヘッドマウントディスプレィ500に対する操作の開始を示す操作開始信号を生成し、生成した操作開始信号を主制御部521に対して出力する。
【0340】
別のボタンの押下は、表示部505により表示された写真画像に表されたデザイン(色、模様、又は色及び模様の組合せ)を承認する旨を示す。
【0341】
さらに別のボタンの押下は、表示部505により表示された写真画像に表されたデザインを承認しない旨を示す。
【0342】
(6)表示制御部504及び表示部505
表示制御部504は、画像処理部507から、写真画像を受け取り、受け取った写真画像を表示部505に対して出力する。
【0343】
表示部505は、一例として、液晶ディスプレイである。表示部505は、表示制御部504から受け取った写真画像を表示する。
【0344】
表示部505により表示される画面の一例を
図26(b)に示す。この図に示す画面531に表示される画像は、画像形成装置を表した部分画像を含んでいる。なお、本来であれば、
図26(b)に示す画面531には、画像形成装置の背景、つまり、壁、天井や、その周辺に配置されたオフィス家具等の画像が含まれるが、表示を簡略化するため、この図においては、画像形成装置の背景等の画像の記載を省略している。
【0345】
(7)主制御部521
主制御部521は、操作部506から、利用者の操作を示す操作信号を受け取る。操作信号を受け取ると、主制御部521は、操作信号に応じた処理を行う。
【0346】
操作信号として、操作部506から、利用者によるヘッドマウントディスプレィ500に対する操作の開始を示す操作開始信号を受け取った場合、主制御部521は、画像処理部507、カメラ入力部509及び表示制御部504を制御して、カメラ508により生成した写真画像を、加工し、又は、そのまま、表示部505に出力して表示するように、制御する。
【0347】
2.2 画像形成システム1aの動作
画像形成システム1aにおける動作について、
図28~
図29に示すフローチャートを用いて説明する。
【0348】
操作部506は、ヘッドマウントディスプレィ500に対する操作(表示)の開始を示すボタンの押下を受け付ける(ステップS401)。
【0349】
ヘッドマウントディスプレィ500の無線通信部513と画像形成装置10の無線通信部116とは、相手装置の認証を行う(ステップS402)。
【0350】
機器認証に成功すると、主制御部521は、表示要求を生成し(ステップS403)、生成した表示要求を、無線通信部513及び無線通信部116を介して、外装画像処理部112に対して、送信する。外装画像処理部112は、表示要求を受信する(ステップS404)。
【0351】
外装画像処理部112は、記憶部105から、自身(画像形成装置10)の装置情報(外縁形状を含む)を読み出し(ステップS405)、読み出した装置情報を、無線通信部116及び無線通信部513を介して、主制御部521に対して、送信する。主制御部521は、装置情報を受信する(ステップS406)。主制御部521は、受信した装置情報を情報記憶部522に書き込む(ステップS407)。
【0352】
また、外装画像処理部112は、記憶部105から、基調色(又は、基調模様)を示す識別情報を読み出し(ステップS408)、読み出した識別情報を、無線通信部116及び無線通信部513を介して、主制御部521に対して、送信する。主制御部521は、識別情報を受信する(ステップS409)。主制御部521は、受信した識別情報を情報記憶部522に書き込む(ステップS410)。
【0353】
カメラ508は、撮影により、写真画像を生成する。写真画像には、画像形成装置10を表した部分画像及び画像形成装置10が配されている背景の画像が含まれている(ステップS411)。
【0354】
次に、画像処理部507は、写真画像内において、受け取った装置情報により識別される装置が表された画像部分を特定し、特定した画像部分において、受け取った装置情報に含まれる前記外縁形状に相当する位置を特定する(ステップS412)。
【0355】
次に、画像処理部507は、写真画像内において、前記外縁形状に相当する形状内に、受信した前記基調色を上書き(塗布)する(ステップS413)。
【0356】
次に、画像処理部507は、基調色が上書きされた写真画像を、表示制御部504を介して、表示部505に対して出力し、表示部505は、写真画像を表示する(ステップS414)。
【0357】
操作部506は、利用者から、表示部505により表示された写真画像に表された色を承認するか否かの入力を受け付ける(ステップS415)。
【0358】
利用者から承認する旨の入力を受け付けた場合(ステップS416で「YES」)、主制御部521は、承認された旨(承認信号)、及び、承認された基調色(又は、基調模様)を識別する識別情報を、無線通信部513及び無線通信部116を介して、外装画像処理部112に対して、送信する。外装画像処理部112は、承認された旨、及び、承認された基調色(又は、基調模様)を識別する識別情報を受信する(ステップS419)。
【0359】
承認された旨を受信すると、外装画像処理部112は、承認された基調色(又は、基調模様)を識別する識別情報を記憶部105に書き込む(ステップS420)。次に、記憶部に書き込まれた基調色(又は、基調模様)を用いて、プリントが実行される(ステップS421)。ここで、ステップS421におけるプリント実行は、
図18のステップS111に示すプリント実行と同じである。
【0360】
利用者から承認しない旨の入力を受け付けた場合(ステップS416で「NO」)、主制御部521は、受け取った基調色(又は、基調模様)を他の基調色(又は、他の基調模様)に変更する(ステップS417)。次に、画像処理部507は、変更された基調色(又は、他の基調模様)を写真画像に塗布する(ステップS418)。次に、主制御部521は、ステップS414に制御を移して、処理を繰り返す。
【0361】
以上により、画像形成システム1aにおける動作の説明を終了する。
【0362】
2.3 まとめ
以上説明したように、変形例(1)によると、利用者は、画像形成装置による印刷前に、画像形成装置の外装部材に貼り付けるべきシートに印刷される画像を、ヘッドマウントディスプレィにより、視認することができる。
【0363】
また、ヘッドマウントディスプレィには、画像形成装置が配置されているエリア内の壁や天井も、表示されるので、利用者は、エリアの壁や天井等に施されたデザインと、画像形成装置に貼り付けられるシートに印刷されるべきデザインとが調和しているか、視認することができる。
【0364】
3 その他の変形例
本発明について、上記の実施の形態に基づいて説明しているが、上記の実施の形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
【0365】
(1)上記の実施の形態においては、携帯端末が備えるカメラにより、画像形成装置が配置されているエリア内の壁や天井に施されたデザインを撮影し、写真画像を生成している。しかし、これには、限定されない。
【0366】
携帯端末に代えて、カメラ(写真機、撮影装置)により、画像形成装置が配置されているエリア内の壁や天井に施されたデザインを撮影し、写真画像を生成してもよい。カメラには、利用者により、記録媒体が装着される。カメラは、被写体からの光を集め、撮像素子に像を結ぶレンズと、レンズを通じて、照射された光を電気信号に変換するCCDなどの撮像素子(撮影手段)と、生成された電気信号をデジタルの写真画像に変換する画像処理エンジンと、生成した写真画像を記録媒体に書き込む書込手段(出力手段)を備える。写真画像が書き込まれた記録媒体は、利用者により、カメラから取り外され、取り外された記録媒体は、画像形成装置10に装着される。画像形成装置10は、記録媒体から写真画像を読み出す読出手段(デザイン取得手段)を備える。読出手段は、記録媒体から写真画像を読み出す。これにより、対象物(例えば、画像形成装置10)が配されるべきエリア内に描かれたデザインを取得する。
【0367】
また、画像形成装置は、レンズと、撮像素子と、画像処理エンジンとから構成されるカメラ(撮影手段)を備え、このカメラにより、画像形成装置が配置されているエリア内の壁や天井に施されたデザインを撮影し、写真画像を生成してもよい。
【0368】
(2)上記の実施の形態においては、外装画像処理部112は、写真画像において、色又は模様が占める面積に応じて、一つの色又は一つの模様を選択している。例えば、画像形成装置の外装画像処理部112は、記憶部105に記憶されている写真画像内の色(又は、模様)毎の面積を算出し、最も広い面積を占める色(又は、模様)を基調色(又は、基調模様)として選択している。しかし、この方法には、限定されない。
【0369】
写真画像には、複数の色(又は、複数の模様)が含まれるとしてもよい。外装画像処理部112は、1枚又は複数枚の写真画像に表された複数の色(又は、複数の模様)のうち、占める面積がより広い上位から、所定数の、例えば、3個の色候補(又は、模様候補)を抽出してもよい。外装画像処理部112は、操作パネル19に、所定数の色候補(又は、模様候補)を表示させる。操作パネル19は、利用者の操作により、表示された所定数の色候補(又は、模様候補)から、一つの色候補(又は、模様候補)の指定を受け付ける。外装画像処理部112の抽出部112aは、利用者により指定された色候補(又は、模様候補)を、一つの基調色(又は、基調模様)として抽出する。
【0370】
上記の方法を、変形例(1)において適用してもよい。すなわち、画像形成装置10は、所定数の色候補(又は、模様候補)を、ヘッドマウントディスプレィ500に対して送信する。ヘッドマウントディスプレィ500の表示部505は、所定数の色候補(又は、模様候補)のうちの一つの色候補(又は、模様候補)を、外縁形状に相当する形状内に描いて、表示し、ヘッドマウントディスプレィ500は、利用者に承認を求める。利用者の承認が得られた場合、承認を示す旨及び承認された色候補(又は、模様候補)を識別する識別情報を画像形成装置10に対して送信する。利用者の承認が得られない場合、ヘッドマウントディスプレィ500は、次の色候補(又は、模様候補)を表示し、利用者に承認を求める。以下、全ての所定数の色候補(又は、模様候補)について、表示と承認の要請を繰り返す。全ての所定数の色候補(又は、模様候補)について、利用者の承認が得られない場合、その旨を画像形成装置10に対して送信する。この場合、画像形成装置10は、シートの印刷を中止する。
【0371】
ここで、ヘッドマウントディスプレィ500は、一つの色候補と一つの模様候補を組み合わせて(つまり、デザインとして)、表示してもよい。つまり、外縁形状に相当する形状内に描いて、一つの色候補の色を塗布し、その上に、模様候補の模様を描いてもよい。このように、色候補と模様候補の全ての組合せについて、順に、表示し、利用者の承認を求めるとしてもよい。
【0372】
(3)上記のように、外装画像処理部112は、写真画像に表された複数の模様のうち、一つの模様を抽出している。ここで、操作パネル19は、利用者の操作により、一つの色の指定を受け付ける、としてもよい。
【0373】
画像処理部106は、形状情報(外縁形状及び寸法)により、画像メモリ104上に、平面上に外装部材を表した枠画像(形状)を生成する。次に、画像処理部106は、指定された一つの色を、平面上に展開された枠画像の枠内に、塗布し、塗布された前記色の上に、抽出された前記模様を描く、としてもよい。
【0374】
ここで、記憶部105は、複数の色をそれぞれ示す複数の色見本を記憶している、としてもよい。操作パネル19は、複数の色見本を表示してもよい。また、操作パネル19は、利用者から一つの色見本の指定を受け付ける、としてもよい。
【0375】
また、原稿面には、利用者により指定された色が表されており、イメージリーダー部11は、原稿面を読み取って、利用者により指定された色を表す読取画像データを生成してもよい。画像処理部106は、形状情報(外縁形状及び寸法)により、画像メモリ104上に、平面上に外装部材を表した枠画像(形状)を生成する。次に、画像処理部106は、読取画像データに表された色を、平面上に展開された枠画像の枠内に、塗布し、塗布された前記色の上に、抽出された前記模様を描く、としてもよい。
【0376】
(4)上記のように、外装画像処理部112は、写真画像に表された複数の色のうち、一つの色を抽出している。ここで、操作パネル19は、利用者の操作により、一つの模様の指定を受け付ける、としてもよい。
【0377】
画像処理部106は、形状情報(外縁形状及び寸法)により、画像メモリ104上に、平面上に外装部材を表した枠画像(形状)を生成する。次に、画像処理部106は、抽出された一つの色を、平面上に展開された枠画像の枠内に、塗布し、塗布された前記色の上に、指定された前記模様を描く、としてもよい。
【0378】
ここで、記憶部105は、複数の模様をそれぞれ示す複数の模様見本を記憶している、としてもよい。操作パネル19は、複数の模様見本を表示してもよい。また、操作パネル19は、利用者から一つの模様見本の指定を受け付ける、としてもよい。
【0379】
また、原稿面には、利用者により指定された模様が表されており、イメージリーダー部11は、原稿面を読み取って、利用者により指定された模様を表す読取画像データを生成してもよい。画像処理部106は、形状情報(外縁形状及び寸法)により、画像メモリ104上に、平面上に外装部材を表した枠画像(形状)を生成する。次に、画像処理部106は、抽出された色を、平面上に展開された枠画像の枠内に、塗布し、塗布された前記色の上に、読取画像データに表された模様を描く、としてもよい。
【0380】
(5)上記の実施の形態においては、予め記憶しているデザイン画像から一つのデザイン画像を選択し、又は、デザインが施されたシートから、イメージリーダー部11により、デザインをスキャンし、選択した又はスキャンしたデザインを用いる、としている。しかし、これには、限定されない。
【0381】
画像形成装置10は、利用者の操作により、線画、文字、記号等を用いて、描画することにより、デザイン画像を生成する画像描画部を備える、としてもよい。
【0382】
(6)画像形成装置10の給紙部13には、外装画像の外縁に沿って、簡単に切り取ることができるように、連続した小穴(切り取り線、ミシン目)が打ち抜かれた専用のシートが収容される、としてもよい。この専用のシートに印刷することにより、印刷後、面倒な切り取り作業を無くすことができる。
【0383】
また、画像形成装置10の給紙部13には、熱、圧力等が加えられると、これらに反応して、発色するクロミック材料等の特殊シートが収容される、としてもよい。画像形成装置10に対して、利用者により、特殊シートの使用が通知されると、特殊シートが定着ニップを通過する際に、定着部は、特殊シートに適合した温度及び圧力により、加熱及び加圧する。この結果、よりデザイン性に富んだ外装とすることができる。
【0384】
(7)上記の実施の形態において、画像形成装置10は、電子写真方式により画像形成を行うとしているが、本発明は、これには、限定されない。インクジェット方式により、印刷を行う印刷装置である、としてもよい。
【0385】
(8)対象物の外装表面のうち、平面部分(展開することにより平面となる部分を含む。)の外縁形状のサイズが、画像形成装置10の給紙部13に収容されているシートのサイズより大きい場合、次のようにしてもよい。
【0386】
画像形成装置10は、例えば、LANを介して、大判のシート(例えば、A2版)に対して、印刷する大判の画像形成装置が接続されている、としてもよい。画像形成装置10は、外装画像を大判の画像形成装置に送信して、印刷させる、としてもよい。
【0387】
また、画像形成装置10は、給紙部13に収容されているシートのサイズに合わせて、外装画像を、上下に二分割、左右に二分割、又は、上下左右に四分割し、それぞれ分割して生成された分割画像データを、シート上に印刷してもよい。
【0388】
(9)デザインが施される対象物は、当該対象物の外装部材の表面に、平面部分、又は、展開することにより平面となる部分を備えていればよい。例えば、画像形成装置、スマートフォン、パーソナルコンピューター、固定電話機等でもよい。また、オフィス家具等でもよいし、コーヒーポット、マグカップ等でもよい。
【0389】
(10)上述したように、画像形成装置は、マイクロプロセッサーとメモリとを備えたコンピューターシステムである。メモリは、コンピュータープログラムを記憶しており、マイクロプロセッサーは、コンピュータープログラムに従って動作するとしてもよい。
【0390】
ここで、コンピュータープログラムは、所定の機能を達成するために、コンピューターに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0391】
また、コンピュータープログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリなどに記録されているとしてもよい。
【0392】
また、コンピュータープログラムを、有線又は無線の電気通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
【0393】
(11)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0394】
本発明にかかる印刷装置は、デザインを施す対象物の外装を、その対象物が配されるエリア内に描かれたデザインを取り込んだものとすることができる、という優れた効果を奏し、デザインを施す対象物に貼り付けるため、シート上にデザインを印刷する技術として有用である。
【符号の説明】
【0395】
1、1a 画像形成システム
10 画像形成装置
11 イメージリーダー部
12 プリンター部
13 給紙部
19 操作パネル
100 主制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 画像メモリ
105 記憶部
106 画像処理部
107 ネットワーク通信部
108 プリンター制御部
109 スキャナー制御部
110 入出力部
111 表示制御部
112 外装画像処理部
112a 抽出部
112b 生成部
113 無線通信制御部
114 無線通信回路
115 アンテナ
116 無線通信部
300 携帯端末
301 主制御部
302 記憶部
303 第一通信回路
304 アンテナ
305 第一通信制御部
306 音声処理部
307 スピーカー
308 マイクロホン
309 入出力制御部
310 タッチパネル
311 入力部
312 アンテナ
313 第二通信回路
314 第二通信制御部
315 第二無線通信部
316 第一無線通信部
317 カメラ入力部
318 カメラ
500 ヘッドマウントディスプレィ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 表示制御部
505 表示部
506 操作部
507 画像処理部
508 カメラ
509 カメラ入力部
510 アンテナ
511 無線通信回路
512 無線通信制御部
513 無線通信部
521 主制御部
522 情報記憶部