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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】自立指標測定装置および該方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20221101BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20221101BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20221101BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/00 ZDM
A61B5/11 120
G08B21/02
G08B25/04 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019546598
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 JP2018033591
(87)【国際公開番号】W WO2019069638
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2017196032
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】保理江 大作
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151676(JP,A)
【文献】特開2017-148504(JP,A)
【文献】特開2004-174168(JP,A)
【文献】特開2006-012057(JP,A)
【文献】特開2007-181517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0141233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/11 - 5/113
G08B 21/00 - 21/24
G08B 25/00 - 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象である被測定者の移動距離を測定する移動距離測定部と、
前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を記憶する規格化情報記憶部と、
前記移動距離測定部で測定された前記被測定者の移動距離、前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値で規格化することによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標処理部とを備える、
自立指標測定装置。
【請求項2】
前記移動距離測定部は、前記被測定者が前記室内における第1位置から前記第1位置と異なる第2位置まで移動した場合における前記第1および第2位置間の移動距離を前記被測定者の移動距離として測定し、
前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の物理的な空間の実距離であ
前記自立指標処理部は、前記被測定者の移動距離を、前記所定の規格化値で除算することによって、前記指標値を求める、
請求項1に記載の自立指標測定装置。
【請求項3】
前記移動距離測定部は、前記被測定者が前記室内における第1位置から前記第1位置と異なる第2位置まで移動した場合における前記第1および第2位置間の移動距離を前記被測定者の移動距離として測定し、
前記所定の規格化値は、前記室の広さであ
前記自立指標処理部は、前記被測定者の移動距離を、前記所定の規格化値で除算することによって、前記指標値を求める、
請求項1に記載の自立指標測定装置。
【請求項4】
前記移動距離測定部は、所定の時間間隔で前記被測定者の移動距離を測定し、
前記所定の規格化値は、前記被測定者の移動距離ごとに設けられた所定の重みであ
前記被測定者の移動距離ごとに設けられた所定の重みは、前記室内における、予め規定された特定の位置から、前記被測定者の移動距離を測定した際での前記被測定者の位置までの距離であり
前記自立指標処理部は、前記被測定者の移動距離に、前記所定の規格化値で乗算することによって、前記指標値を求める、
請求項1に記載の自立指標測定装置。
【請求項5】
前記自立指標処理部は、所定の期間ごとに前記指標値を求める、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自立指標測定装置。
【請求項6】
前記第1および第2位置を取得する取得部をさらに備える、
請求項2または請求項3に記載の自立指標測定装置。
【請求項7】
測定対象である被測定者の移動距離を測定する移動距離測定工程と、
前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を規格化情報記憶部に記憶する規格化情報記憶工程と、
前記移動距離測定工程で測定された前記被測定者の移動距離、前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値で規格化することによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標処理工程とを備える、
自立指標測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標測定装置および自立指標測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病気、怪我および高齢等によって看護や介護等のケアを必要とする被ケア者は、一般に、看護師や介護者等のケア者による所定のケアを受ける。被ケア者の自立性のレベルは、様々である。自立性のレベルが相対的に低い被ケア者の場合、例えば未然に事故を防止するために、ケアの必要なタイミングで前記ケアが実施されることが望ましい。一方、自立性のレベルが相対的に高い被ケア者の場合、必要以上に過度なレベルのケアは、そのレベルのケアに慣れることで元々の自立性(本来の自立性)を低下させてしまう虞があるだけでなく、ケア者における身体的および心理的な負担を元々の負担(本来の負担)よりも増大させてしまう虞もある。したがって、ケアは、被ケア者の自立性のレベルに応じた適切なレベルで実施されることが望ましく、その実現のために、被ケア者の自立性を測定し数値化することが望まれる。このような自立性の測定に関する技術は、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
この特許文献1に開示された状態検出装置は、監視領域の画像を結像する結像レンズと、前記結像レンズの結像面上に配置され複数のラインを形成するように配列された光センサアレイと、前記光センサアレイの出力する像信号から監視領域内に存在する検出対象物までの距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された距離データに基づいて被介護者の活動量を計算し、該被介護者の活動量が所定量以下に低下したら異常と判断する状態判定手段と、を具備する。そして、前記状態判定手段は、被介護者を検出した場合には、該被介護者の検出位置から単位時間当たりの移動量を算出し、算出した移動量の所定時間における平均値を前記被介護者の活動量として算出する。
【0004】
ところで、被ケア者(被測定者)の移動量または前記移動量に基づく活動量は、前記被ケア者の所在する室の広さやレイアウトに影響される。相対的に広い室に所在する被ケア者は、例えば、寝具を起点に、室の入退室、窓の開閉、洗面およびトイレ等の所用を実行する際に、その移動量(活動量)は、多くなる。一方、相対的に狭い室に所在する被ケア者は、前記所用を実行する際に、その移動量(活動量)は、少なくなる。また、相対的に広い室に所在する被ケア者であっても、寝具から比較的至近に、入退室扉、窓、洗面設備およびトイレ設備等がレイアウト(配設)されていれば、その移動量(活動量)は、少なくなる。したがって、特許文献1に開示された状態検出装置のように、単に、被介護者の検出位置から単位時間当たりの移動量を算出し、この算出した移動量の所定時間における平均値を前記被介護者の活動量として算出した場合では、被ケア者の自立性のレベルが同じであっても、例えば、相対的に広い室に所在する被ケア者は、移動量(活動量)が多くなる結果、自立性のレベルが高く評価され、相対的に狭い室等に所在する被ケア者は、移動量(活動量)が少なくなる結果、自立性のレベルが低く評価されてしまう。このため、被介護者の自立性を移動量(活動量)で適正に求めることができない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-181517号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より適正に被測定者(被ケア者)の自立性を求めることができる自立指標測定装置および自立指標測定方法を提供することである。
【0007】
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した自立指標測定装置および自立指標測定方法は、測定対象である被測定者の移動距離を測定し、前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を規格化情報記憶部に記憶し、前記測定された前記被測定者の移動距離と前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。
【0008】
発明の1または複数の実施形態により与えられる利点および特徴は、以下に与えられる詳細な説明および添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における自立指標測定装置を備える被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
図2】前記自立指標測定装置を組み込んだ管理サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】前記管理サーバ装置に記憶される規格化情報テーブルの構成を示す図である。
図4】前記管理サーバ装置に記憶される移動距離情報テーブルの構成を示す図である。
図5】前記管理サーバ装置における位置設定画面の一例を示す図である。
図6】前記管理サーバ装置における、自立の度合いを表す指標値の演算処理に関する動作を示すフローチャートである。
図7】前記管理サーバ装置における、被測定者の位置の演算方法を説明するための図である。
図8】前記被測定者の所在する室内での被測定者の位置の演算方法を説明するための図である。
図9】第3実施形態における自立指標測定装置の指標値の演算方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0011】
実施形態における自立指標測定装置は、測定対象である被測定者における自立の度合いを表す指標値(自立の指標値)を求める装置である。このような自立指標測定装置は、被測定者の移動距離を測定する移動距離測定部と、前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を記憶する規格化情報記憶部と、前記移動距離測定部で測定された前記被測定者の移動距離と前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標処理部とを備える。この自立指標測定装置は、単体の装置であって良いが、ここでは、複数の装置から成る被監視者監視支援システムに組み込まれている場合で説明する。
【0012】
この被監視者監視支援システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者)Obの監視を支援するシステムであり、被監視者Obに対応して設けられ、被監視者をセンシングするセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置から受信したセンシング結果を管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センシング結果を受信して表示する端末装置を備える。このような被監視者監視支援システムは、例えば、国際公開第WO2016/152424号パンフレット、国際公開第WO2016/152426号パンフレットおよび国際公開第WO2016/152427号パンフレット等に開示されている。前記被監視者Obは、自立指標測定装置の観点では、被測定者Obである。以下、このような被監視者監視支援システムに自立指標測定装置が備えられている場合を用いて、自立指標測定装置をより具体的に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、実施形態における自立指標測定装置を備える被監視者監視支援システムの構成を示す図である。図2は、前記自立指標測定装置を組み込んだ管理サーバ装置の構成を示すブロック図である。図3は、前記管理サーバ装置に記憶される規格化情報テーブルの構成を示す図である。図4は、前記管理サーバ装置に記憶される移動距離情報テーブルの構成を示す図である。
【0014】
第1実施形態における自立指標測定装置を備える被監視者監視支援システムMSaは、より具体的には、例えば、図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVaと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SVa、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SVa、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0015】
被監視者監視支援システムMSaは、被監視者(見守り対象者、被測定者)Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。このため、被監視者監視支援システムMSaは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。図1に示す例では、被監視者監視支援システムMSaは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の居室を備える介護施設の建物に配設されている。
【0016】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SVa、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を、管理サーバ装置SVへ通知する装置である。前記所定のイベント(事象)は、好適には対処が必要な所定のイベントであり、例えば、本実施形態では、被監視者Obにおける予め設定された所定の行動(例えば入床、離床および転倒等)およびナースコールである。このため、本実施形態では、センサ装置SUは、被監視者Obにおける所定の行動を検知して検知結果を前記所定のイベントの一例として管理サーバ装置SVaへ通知(送信)し、ナースコールを受け付けて前記ナースコールを前記所定のイベントの他の一例として管理サーバ装置SVaへ通知(送信)し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、端末装置SP、TAの要求に応じて動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。
【0017】
そして、本実施形態では、センサ装置SUは、被測定者(被監視者)Obの移動距離を管理サーバ装置SVaで測定するために、前記被測定者Obの形状を写した画像を生成する撮像部を備え、予め設定された所定の時間間隔で生成した画像を管理サーバ装置SVaへ送信する。例えば、センサ装置SUは、自機のセンサIDおよび前記画像を収容する通信信号(画像通知通信信号)を管理サーバ装置SVa宛に送信する。前記センサIDは、当該センサ装置SUを特定し識別するための識別子(ID)である。なお、画像通知通信信号には、前記画像を生成した撮像時刻、あるいは、当該画像通知通信信号を生成した生成時刻等を表す時刻情報がさらに収容されても良い。前記撮像部は、被測定者Obが所在を予定している空間(所在空間、図1に示す例では配設場所の室(居室、部屋))RMをモニタ可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像(対象画像)を管理サーバ装置SVaへ送信する。好ましくは、被測定者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、前記撮像部は、居室RMの天井における中央位置や、前記天井における、被測定者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)上の位置等に配設される。
【0018】
このような撮像部は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被測定者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。あるいは、前記撮像部は、撮像対象の熱分布画像を生成するサーモグラフィーカメラであっても良い。
【0019】
図1には、一例として、第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被測定者(被監視者)Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被測定者(被監視者)Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被測定者(被監視者)Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被測定者(被監視者)Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0020】
管理サーバ装置SVaは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する情報(監視情報(本実施形態では例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像(静止画および動画)、および、前記通知を受けた時刻等))を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMSa全体を管理する装置である。そして、本実施形態では、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから受信した対象画像に基づいて、被測定者(被監視者)Obにおける自立の度合いを表す指標値を求める。このような管理サーバ装置SVaは、例えば、図2に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22aと、サーバ側記憶部(SV記憶部)23aとを備える。
【0021】
SV通信IF部21は、SV制御処理部22aに接続され、SV制御処理部22aの制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、SV制御処理部22aから入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSaのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAへ送信する。SV通信IF部21は、ネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSV制御処理部22aが処理可能な形式のデータに変換してSV制御処理部22aへ出力する。SV通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。SV通信IF部21は、後述するように、センサ装置SUから、被測定者Obの移動距離を求めるための対象画像を取得する画像取得部として機能する。
【0022】
SV記憶部23aは、SV制御処理部22aに接続され、SV制御処理部22aの制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVaの各部21、23aを当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被測定者(被監視者)Obの移動距離を実測で測定する移動距離測定プログラムや、前記移動距離測定プログラムで実測で測定された前記被測定者Obの移動距離と後述の規格化情報記憶部231aに記憶された前記所定の規格化値に基づいて、前記被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値(自立の指標値)を求める自立指標処理プログラムや、後述のように固定端末装置SPからネットワークNWを介してSV通信IF部21で受信された第1および第2位置の間の距離を求め、前記求めた距離を所定の規格化値として規格化情報記憶部231aに記憶する記憶処理プログラムや、時分秒で計時する時計プログラムや、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受信すると被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知する監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、管理サーバ装置SVaを特定し管理サーバ装置SVaを識別するための識別子であるサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obの前記監視情報や、被監視者Obの所在する室RMに関わる所定の規格化値や、被測定者Obの移動距離等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SV記憶部23aは、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。SV記憶部23aは、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSV制御処理部22aのワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。そして、前記所定の規格化値を表す規格化情報、および、前記移動距離を表す移動距離情報それぞれを記憶するために、SV記憶部23aは、規格化情報記憶部231aおよび移動距離情報記憶部232aを機能的に備える。
【0023】
規格化情報記憶部231aは、被測定者(被監視者)Obの所在する室RMに関わる所定の規格化値を表す規格化情報を記憶するものである。第1実施形態では、前記所定の規格化値は、被測定者Obの所在する室RM内における第1位置と前記第1位置と異なる第2位置との間の距離(物理的な空間の実距離)であり、前記規格化情報は、前記第1および第2位置間の距離を表す情報である。1個の位置(地点)を起点に、複数の他の位置(他の地点)までの距離で各位置間(各地点間)の規格化値が設けられて良いが、本実施形態では、前記第1および第2位置は、それぞれ、複数であり、寝具BDの位置、前記室RMの開口部の位置および前記室RMの内部に配置される物品の位置のうちの少なくとも1つを含む。前記室RMの開口部は、様々であり、前記室RMの出入口として用いられる開口部EO、窓として用いられる開口部、クローゼットの出入口(出し入れ口)として用いられる開口部、および、押入れの出入口(出し入れ口)として用いられる開口部のうちの少なくとも1つを含む。前記室RMの内部に配置される物品は、様々であり、洗面設備WR、トイレ設備LA、家具(例えば椅子や本棚やタンス等)および家庭電化製品(家電、テレビジョンや扇風機やリモートコントローラ等)のうちの少なくとも1を含む。前記室RMの広さやレイアウトは、一定ではないので、本実施形態では、規格化情報記憶部231aは、被測定者Obまたは室RMと対応付けて前記所定の規格化値を記憶する。あるいは、センサ装置SUは、室RMに対応して設けられるので、規格化情報記憶部231aは、前記室RMに設けられたセンサ装置SUの持つセンサIDと対応付けて前記所定の規格化値を記憶して良い。
【0024】
より具体的には、例えば、図3に示すように、前記所定の規格化値は、被測定者ObおよびセンサIDと対応付けられてテーブル形式で規格化情報記憶部231aに記憶されている。この所定の規格化値を登録する規格化情報テーブルNTは、例えば、図3に示すように、複数の第1位置それぞれを登録する複数の縦列2311(2311-1~2311-k)と、複数の第2位置それぞれを登録する複数の横行2312(2312-1~2312-k)とを備え、縦列2311と横行2312との交差する欄に、縦列2311に登録されている第1位置と横行2312に登録されている第2位置との間の距離を登録する。そして、本実施形態では、このような規格化情報テーブルNT(NT-1、NT-2、NT-3、・・・)は、各被測定者Obごとに用意され、各被測定者Obの各名および各センサIDそれぞれに対応付けられている。図3には、一例として、被測定視者名;Aさん(センサID;SU-1)の規格化情報テーブルNT-1が図示されている。この被測定視者名;Aさん(センサID;SU-1)の規格化情報テーブルNT-1は、第1位置として、「出入口」、「洗面設備」、「トイレ設備」、「ベッド」、・・・、「タンス」の各縦列2311(2311-1~2311-k)と、第2位置として、「出入口」、「洗面設備」、「トイレ設備」、「ベッド」、・・・、「タンス」の各縦行2312(2312-1~2312-k)とを備え、例えば、第1位置の「出入口」と第2位置の「洗面設備」との間の距離として、これらの交差欄に「2.1m」を登録し、第1位置の「出入口」と第2位置の「トイレ設備」との間の距離として、これらの交差欄に「1.8m」を登録し、そして、第1位置の「洗面設備」と第2位置の「トイレ設備」との間の距離として、これらの交差欄に「0.8m」を登録している。
【0025】
移動距離情報記憶部232aは、被測定者Obの所在する室RM内における第1位置から第2位置までの実測された前記被測定者Obの移動距離を表す移動距離情報を記憶するものである。移動距離情報記憶部232aは、本実施形態では、被測定者Obまたは室RM(あるいはセンサID)と対応付けて前記被測定者Obの移動距離を記憶する。
【0026】
より具体的には、例えば、図4に示すように、前記被測定者Obの移動距離は、被測定者ObおよびセンサIDと対応付けられてテーブル形式で移動距離情報記憶部232aに記憶されている。この被測定者Obの移動距離を登録する移動距離情報テーブルMTは、例えば、図4に示すように、第1位置または第2位置として予め設定された所定の位置(第1位置または第2位置)を登録する位置フィールド2321と、位置フィールド2321に登録された前記所定の位置に入った時刻を登録するin時刻フィールド2322と、位置フィールド2321に登録された前記所定の位置から出た時刻を登録するout時刻フィールド2323と、位置フィールド2321に登録された前記所定の位置から出て位置フィールド2321に登録された前記所定の位置に入るまでの被測定者Obの移動距離を登録する移動距離フィールド2324とを備える。そして、移動距離情報テーブルMTには、被測定者Obが位置を変えるごとに位置フィールド2321、in時刻フィールド2322およびout時刻フィールド2323を持つレコードが新たに生成されて追加され、被測定者Obが位置を変えるごとに追加された各レコード間に移動距離フィールド2324を持つレコードが新たに生成されて追加される。このような移動距離情報テーブルMT(MT-1、MT-2、MT-3、・・・)は、各被測定者Obごとに用意され、各被測定者Obの各名および各センサIDそれぞれに対応付けられている。図4には、一例として、被測定視者名;Aさん(センサID;SU-1)の移動距離情報テーブルMT-1が図示されている。この被測定視者名;Aさん(センサID;SU-1)の移動距離情報テーブルMT-1では、例えば、1番目の第1レコードにおける位置フィールド2321、in時刻フィールド2322およびout時刻フィールド2323それぞれには、「ベッド」、「22:45:47」および「5:05:23」それぞれが登録され、3番目の第3レコードにおける位置フィールド2321、in時刻フィールド2322およびout時刻フィールド2323それぞれには、「トイレ設備」、「5:05:34」および「5:08:12」それぞれが登録され、これら第1および第3レコード間に設けられた、2番目の第2レコードにおける移動距離フィールド2324には、第1位置としての「ベッド」からout時刻;「5:05:23」に出てから、第2位置としての「トイレ設備」にin時刻;「5:05:34」に入るまでにおける被測定者Obの移動距離として、「4.0m」が登録されている。
【0027】
SV制御処理部22aは、管理サーバ装置SVaの各部21、23aを当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMSa全体を管理するための回路である。そして、本実施形態では、SV制御処理部22aは、センサ装置SUから受信した対象画像に基づいて、被測定者(被監視者)Obにおける自立の指標値を求める。SV制御処理部22aは、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22aは、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221、移動距離処理部222a、自立指標処理部223a、記憶処理部224および時計部225を機能的に備える。
【0028】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVaの各部21、23aを当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVaの全体制御を司るものである。
【0029】
移動距離処理部222aは、被測定者(被監視者)Obの移動距離を測定するものである。本実施形態では、移動距離処理部222aは、被測定者Obが前記室内における第1位置から前記第1位置と異なる第2位置まで移動した場合における前記第1および第2位置間の距離を前記被測定者の移動距離として実測する。より具体的には、移動距離処理部222aは、所定の時間間隔で被測定者Obの位置を測定し、前記被測定者Obの位置を測定するごとに前回で測定された前記被測定者Obの位置(前回位置)から今回で測定された前記被測定者Obの位置(今回位置)までの距離を区分移動距離として求め、前記被測定者Obの位置を測定するごとに求めた各区分移動距離を前記第1位置から前記第2位置まで累積することによって、前記第1位置から前記第2位置までの前記被測定者Obの移動距離を実測する。より詳しくは、本実施形態では、センサ装置SUで生成された対象画像から被測定者Obの位置を求めているので、所定の時間間隔でセンサ装置SUから送信された画像通知通信信号を受信するごとに、移動距離処理部222aは、前記画像通知通信信号に収容された対象画像に基づいて被測定者Obの位置を求め、この求めた被測定者Obの位置が予め設定された第1位置または第2位置か否かを判定し、前記被測定者Obの位置を求めるごとに前回で求められた前記被測定者Obの前回位置から今回で求められた前記被測定者Obの今回位置までの距離を区分移動距離として求め、前記判定結果に基づく前記被測定者Obにおける前記第1位置から前記第2位置までの移動の間において、前記被測定者Obの位置を測定するごとに求めた各区分移動距離を前記第1位置から前記第2位置まで累積(総和)することによって、前記第1位置から前記第2位置までの被測定者Obの移動距離を求める。
【0030】
自立指標処理部223aは、移動距離処理部222aで求められた被測定者Obの移動距離と規格化情報記憶部231aに記憶された前記所定の規格化値に基づいて、被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値(自立の指標値)を求めるものである。第1実施形態では、前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の距離(物理的な空間の実距離)である。このため、自立指標処理部223aは、移動距離処理部222aで実測で求められた被測定者Obの移動距離を、規格化情報記憶部231aに記憶された前記所定の規格化値としての第1および第2位置間の距離で除算することによって、被測定者Obにおける自立の指標値を求める。
【0031】
そして、本実施形態では、前記指標値は、予め設定された所定の期間ごとに集計されている。このため、移動距離処理部222aは、所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点(前記移動の始点)を前記第1位置とし、前記2地点の他方地点(前記移動の終点)を前記第2位置として被測定者Obの移動距離を測定し、自立指標処理部223aは、前記所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、被測定者Obにおける自立の指標値を求め、前記所定の期間の終了後に、前記求めた自立の指標値の総和を前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求める。前記所定の期間は、適宜に設定され、例えば、6時間や24時間や1週間等に設定される。
【0032】
記憶処理部224は、固定端末装置SPからネットワークNWを介してSV通信IF部21で受信された第1および第2位置の間の距離を求め、前記求めた距離を所定の規格化値として規格化情報記憶部231aに記憶するものである。ここで、SV通信IF部21は、前記第1および第2位置を取得する取得部の一例に相当する。本実施形態では、前記取得部の一例としてのSV通信IF部21は、後述のように固定端末装置SPから入力された前記第1および第2位置を、ネットワークNWを介して取得する。
【0033】
時計部225は、時分秒で計時するものである。
【0034】
なお、管理サーバ装置SVaは、図2に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22aに接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データ、および被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する監視情報や自立の指標値等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。また、SV入力部24から前記第1および第2位置が入力されて良く、この場合では、SV入力部24は、前記第1および第2位置を取得する取得部の他の一例に相当する。
【0035】
このような管理サーバ装置SVaは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0036】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SVa、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVaや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、センサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視支援システムMSaのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0037】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SVa、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVaやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVaからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータやスマートフォンや携帯電話機等の、持ち運び可能な通信端末装置によって構成可能である。
【0038】
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、前記管理サーバ装置における位置設定画面の一例を示す図である。図6は、前記管理サーバ装置における、自立の度合いを表す指標値の演算処理に関する動作を示すフローチャートである。図7は、前記管理サーバ装置における、被測定者の位置の演算方法を説明するための図である。図7Aは、対象画像の一例を示し、図7Bは、図7Aに示す対象画像から抽出された人物領域および前記人物領域として検知された被測定者Obの位置を示す。図8は、前記被測定者の所在する室内での被測定者の位置の演算方法を説明するための図である。図8Aは、対象画像の他の一例を示し、図8Aに示す対象画像から抽出された人物領域、前記人物領域として検知された被測定者Obの位置、および、第1位置または第2位置として予め設定された洗面設備の領域を示し、図8Cは、その一部拡大図である。
【0039】
上記構成の被監視者監視支援システムMSaでは、各装置SU、SVa、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。管理サーバ装置SVaでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部22aには、SV制御部211、移動距離処理部222a、自立指標処理部223a、記憶処理部224および時計部255が機能的に構成される。以下、第1および第2位置を設定する位置設定の動作について、まず、説明し、次に、自立の指標値を求める測定の動作について説明する。
【0040】
(位置設定)
位置設定では、例えば、被監視者Obをその名で指定し、第1および第2位置を設定する位置設定の入力操作を、端末装置SP、TA、例えば固定端末装置SPが受け付けると、固定端末装置SPは、前記指定された被測定者(被監視者)Obの名(あるいは被監視者Obを監視するセンサ装置SUのセンサID)および位置設定を要求する情報を収容する通信信号(位置設定要求通信信号)を管理サーバ装置SVaへ送信する。管理サーバ装置SVaは、位置設定要求通信信号を受信すると、これに収容された被測定者Obを監視するセンサ装置SUから、対象画像を取得し、この対象画像を用いた位置設定画面を収容した通信信号(位置設定画面通知通信信号)を固定端末装置SPへ返信する。なお、前記位置設定画面に用いられる対象画像は、管理サーバ装置SVaに予め記憶されていても良い。この位置設定画面通知通信信号を受信すると、固定端末装置SPは、これに収容された位置設定画面を表示する。
【0041】
前記位置設定画面は、第1および第2位置としての位置を固定端末装置SPから入力し、これら第1および第2位置、ならびに、前記第1および第2位置間の距離を前記所定の規格化値として、SV記憶部23aに予め記憶(登録)して管理サーバ装置SVaに設定するための画面である。この位置設定画面の一例が図5に示されている。図5に示す位置設定画面51は、第1および第2位置として位置を入力して設定するための「位置」ボタン511と、前記対象画像を表示する対象画像表示領域512とを備える。「位置」ボタン511は、第1および第2位置として複数の位置を設定可能とするために、図5に示す例では、複数備えて構成されている。より具体的には、「位置」ボタン511は、出入り口EO、洗面設備WR、トイレ設備LA、ベッドBD、椅子、窓、本棚およびタンスそれぞれを入力して設定するための「出入り口」ボタン511-1、「洗面」ボタン511-2、「室内トイレ」ボタン511-3、「ベッド」ボタン511-4、「椅子」ボタン511-5、「窓」ボタン511-6、「本棚」ボタン511-7および「タンス」ボタン511-8を備えて構成されている。「位置」ボタン511は、一例では、1度目の入力操作によって当該「位置」ボタン511の表す位置の入力が準備され、前記位置の入力を受け付けた後に、2度目の入力操作によって前記入力された位置が確定入力される。本実施形態では、第1および第2位置としての前記位置は、前記位置を含む領域で入力され、前記領域を表す座標データで入力される。より具体的には、1度目に「位置」ボタン511がユーザによって入力操作されると、対象画像表示領域512にカーソルが表示され、第1および第2位置として設定したい位置を含む領域の4頂点が前記カーソルを用いて前記ユーザによって入力され、2度目に「位置」ボタン511が前記ユーザによって入力操作されると、この4頂点に対する座標データが前記位置として固定端末装置SPに記憶され、「位置」ボタン511が入力済みとして未入力の場合と異なる表示態様で表示される。図5に示す例では、「出入り口」ボタン511-1、「洗面」ボタン511-2および「室内トイレ」ボタン511-3は、入力済みの表示態様で表示されており、固定端末装置SPには、出入り口EOの位置を含む出入り口領域EOAの4頂点の座標データ、洗面設備WRの位置を含む洗面設備領域WRAの4頂点の座標データ、および、トイレ設備LAの位置を含むトイレ設備領域LAAの4頂点の座標データが記憶され、1度目に「ベッド」ボタン511-4が入力操作され、ベッドBDの位置を含むベッド領域BDAの4頂点がカーソルを用いることによって指定され、「椅子」ボタン511-5、「窓」ボタン511-6、「本棚」ボタン511-7および「タンス」ボタン511-8は、未入力の表示態様で表示されている。そして、全ての「位置」ボタン511が入力済みになると、固定端末装置SPは、前記指定された被測定者(被監視者)Obの名(あるいは被監視者Obを監視するセンサ装置SUのセンサID)、および、前記各位置を各領域で表す4頂点の各座標データを前記各位置の位置名に対応付けて収容した通信信号(設定位置通知通信信号)を管理サーバ装置SVaへ送信する。
【0042】
管理サーバ装置SVaは、この設定位置通知通信信号をネットワークNWを介してSV通信IF部21で受信すると、SV制御処理部22aの記憶処理部224によって、まず、この受信した設定位置通知通信信号に収容された被測定者(被監視者)Obの名(あるいはセンサID)に対応付け、前記受信した設定位置通知通信信号に収容された前記各位置の各領域を表す4頂点の各座標データを、前記各位置の各位置名に対応付けてSV記憶部23aに記憶する。次に、管理サーバ装置SVaは、記憶処理部224によって、前記受信した設定位置通知通信信号に収容された被測定者(被監視者)Obの名に対応付け、前記受信した設定位置通知通信信号に収容された前記各位置の各位置名で各縦列2311および各横行2312を持つ規格化情報テーブルNTを生成する。そして、管理サーバ装置SVaは、記憶処理部224によって、前記受信した設定位置通知通信信号に収容された前記各位置の各座標データを用いて各第1および第2位置間の各距離を求め、この求めた各第1および第2位置間の各距離を規格化値として縦列2311と横行2312との交差する各欄に登録する。例えば、記憶処理部224は、4頂点の各座標データから対角線の交点を前記位置の座標値として求め、第1位置の座標値と第2位置の座標値とから、第1および第2位置間の距離を求める。例えば、第1位置としての出入り口EOと第2位置としてのベッドBDとの距離を求める場合、記憶処理部224は、出入り口EOの出入り口領域EOAを表す4頂点の各座標データから対角線の交点の座標値を出入り口EOの位置として求め、ベッドBDのベッド領域BDAを表す4頂点の各座標データから対角線の交点の座標値をベッドBDの位置として求め、これら出入り口EOの位置の座標値とベッドBDの位置の座標値とから、出入り口EOの位置とベッドBDの位置との間の距離を求める。
【0043】
このような動作によって、SV記憶部23aには、前記各位置の各領域を表す4頂点の各座標データが記憶され、規格化情報記憶部231aには、前記所定の規格化値としての第1および第2位置間の距離が記憶され、予め設定される。
【0044】
また、前記第1および第2位置として、出入り口、窓、洗面設備、トイレ設備等の複数の位置を設定することで、被測定者Obが外出、室RMの空気の入れ換え、洗面および排泄等の諸行動を、自立的に、積極的に実施しているか否かが、自立の指標値に反映できる。
【0045】
なお、このような位置設定の動作は、管理サーバ装置SVaがSV入力部24およびSV出力部25を備える場合には、固定端末装置SPの代わりに、これらSV入力部24およびSV出力部25を用いることによって実施されても良い。また、ケア者等のユーザが各室RMの各位置を実測し、この実測結果に基づいて規格化情報テーブルNTをマニュアル作成し、この作成した規格化情報テーブルNTを管理サーバ装置SVaの規格化情報記憶部231aに記憶させても良い。
【0046】
(測定動作)
測定動作では、センサ装置SUは、所定の時間間隔で(例えば、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに)、前記撮像部によって対象画像を生成し、この生成した対象画像をネットワークNWを介して管理サーバ装置SVaに送信し、管理サーバ装置SVaは、これに応じて、次のように動作することで、被測定者(被監視者)Obにおける自立の指標値を求める所定の動作を実行している。
【0047】
図6において、まず、管理サーバ装置SVaは、SV制御処理部22aの移動距離処理部222aによって、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信することで、対象画像を取得する(S11)。
【0048】
次に、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、前記受信した画像通知通信信号に収容された対象画像に基づいて人物の位置を検出し、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けてSV記憶部23aに記憶する(S12)。より具体的には、移動距離処理部222aは、対象画像から例えば背景差分法によって被測定者Obの人物の領域(人物領域)として背景と異なる領域を抽出し、この抽出した人物領域の外接矩形(あるいは外接円)を求め、その中心位置を人物の位置として求める。例えば、対象画像が図7Aに示す画像である場合、背景差分法によって、図7Bに示す人物領域HAが抽出され、その外接矩形CRが求められ、その中心位置HPが人物の位置HP(Mxf、Myf)として求められる。
【0049】
次に、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、処理S12で求められた人物の位置HPが、前記第1および第2位置として設定された位置であるか否かを判定する。本実施形態では、上述したように、前記第1および第2位置は、前記第1および第2位置を含む領域で設定される。このため、より具体的には、移動距離処理部222aは、SV記憶部23aから、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けられた、前記各位置の各領域を表す4頂点の各座標データを取り出し、処理S12で求められた人物の位置HPが、この取り出した、いずれかの前記各位置の各領域内であるか否かを判定する(S13)。この判定の結果、処理S12で求められた人物の位置HPが、いずれかの前記各位置の各領域内である場合(Yes)には、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、次に、処理S21を実行する。一方、前記判定の結果、処理S12で求められた人物の位置HPが、いずれかの前記各位置の各領域内ではない場合(No)には、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、次に、処理S31を実行する。
【0050】
例えば、処理S11で受信した対象画像が図8Aに示す画像である場合、処理S12において、背景差分法によって、図8Bに示す人物領域HAが抽出され、その外接矩形CRが求められ、その中心位置HPが人物の位置HPとして求められる。そして、処理S13において、図8Bに示す、前記第1および第2位置として洗面設備WRの領域WRAが、SV記憶部23aに予め記憶されて設定されている場合、図8Bおよび図8Cに示すように、処理S12で求められた人物の位置HPがこの洗面設備WRの領域WRA内であるので、前記判定の結果、処理S12で求められた人物の位置HPが、いずれかの前記各位置の各領域内であると判定され、移動距離処理部222aは、次に、処理S21を実行する。
【0051】
処理S21では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、SV記憶部23aに第1位置の記憶があるか否かを判定する。本実施形態では、SV記憶部23aの移動距離情報記憶部232aに、図4に示す移動距離情報テーブルMTが記憶されている。このため、より具体的には、移動距離処理部222aは、まず、移動距離情報記憶部232aから、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けられた移動距離情報テーブルMTを取り出す。次に、移動距離処理部222aは、この取り出した移動距離情報テーブルMTから、移動距離フィールド2324に移動距離のデータを登録したレコードを除き、位置フィールド2321に位置名のデータが登録されている直近に追加されたレコードが存在するか否かを判定する。この判定の結果、このようなレコードが存在する場合には、第1位置の記憶が有ると判定され(Yes)、移動距離処理部222aは、次に、処理S23を実行する。一方、前記判定の結果、このようなレコードが存在しない場合には、第1位置の記憶が無いと判定され(No)、移動距離処理部222aは、次に、処理S22を実行した後に、処理S23を実行する。
【0052】
この処理S22では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、SV記憶部23aに第1位置を記憶する。より具板的には、本実施形態では、移動距離処理部222aは、まず、処理S21で移動距離情報記憶部232aから取り出した移動距離情報テーブルMTに新たなレコードを追加する。そして、移動距離処理部222aは、この新たに追加したレコードにおける位置フィールド2321に、処理S13で判定した位置を第1位置として登録し、前記追加したレコードにおけるin時刻フィールド2322に現在時刻を登録する。
【0053】
前記処理S23では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、処理S13で判定された位置(判定位置)が第1位置と異なるか否か(一致するか否か)を判定する。より具板的には、本実施形態では、移動距離処理部222aは、まず、処理S21で移動距離情報記憶部232aから取り出した移動距離情報テーブルMTにおいて、位置フィールド2321に第1位置として位置名のデータを登録する直近に追加された前記レコードの当該位置フィールド2321に登録されている位置名のデータを取り出す。次に、移動距離処理部222aは、処理S13で判定された判定位置が、この取り出した位置名と異なるか否か(一致するか否か)を判定する。この判定の結果、前記判定位置が前記位置名と異なる場合(一致しない場合、Yes)には、移動距離処理部222aは、次に、処理S24ないし処理S27の各処理を順次に実行した後に、処理S14を実行する。一方、前記判定の結果、前記判定位置が前記位置名と異ならない場合(一致する場合、No)には、移動距離処理部222aは、次に、処理S14を実行する。
【0054】
前記処理S24では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、区分移動距離を求め、SV記憶部23aに記憶する。より具体的には、移動距離処理部222aは、まず、前回の処理S12で求められた被測定者Obの前回位置(前回の人物の位置HP)から今回の処理S12で求められた被測定者Obの今回位置(今回の人物の位置HP)までの距離を区分移動距離として求める。そして、移動距離処理部222aは、この求めた区分移動距離を、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けてSV記憶部23aに記憶する。
【0055】
前記処理S24の次に実行される処理S25では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、SV記憶部23aに第2位置を記憶する。より具板的には、本実施形態では、移動距離処理部222aは、まず、処理S21で移動距離情報記憶部232aから取り出した移動距離情報テーブルMTに新たなレコードを追加する。そして、移動距離処理部222aは、この新たに追加したレコードにおける位置フィールド2321に、処理S13で判定した判定位置を第2位置として登録し、前記追加したレコードにおけるin時刻フィールド2322に現在時刻を登録する。
【0056】
前記処理S25の次に実行される処理S26では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、第1位置から第2位置までの移動距離を求め、SV記憶部23aに記憶する。より具体的には、本実施形態では、移動距離処理部222aは、まず、SV記憶部23aから、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)に対応付し、処理S24の実行によって、または、後述の処理S34の実行によって求められた各区分移動距離を取り出し、これら取り出した各区分移動距離の総和を前記移動距離として求める。これによって、被測定者Obにおける第1位置から第2位置までの移動の間において、被測定者Obの位置(現在位置)を測定するごとに求めた各区分移動距離が第1位置から第2位置まで累積(総和)され、第1位置から第2位置までの被測定者Obの移動距離が実測で求められる。そして、移動距離処理部222aは、処理S21で移動距離情報記憶部232aから取り出した移動距離情報テーブルMTに対し、第1位置を位置フィールド2321に登録するレコードと、第2位置を位置フィールド2321に登録するレコードとの間に、新たなレコードを追加し、この新たに追加したレコードにおける移動距離フィールド2324に、前記求めた移動距離を登録する。
【0057】
前記処理S26の次に実行される処理S27では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、処理S13で判定した判定位置であって処理S25で移動距離情報テーブルMTに登録(記憶)された第2位置を、第1位置へ更新(変更)する。これによって、第2位置が、被測定者Obにおける次の移動の始点として第1位置とされ、被測定者Obにおける前記次の移動にかかる移動距離が算出可能となる。
【0058】
一方、前記処理S31では、管理サーバ装置SVaは、前記処理S21と同様に、移動距離処理部222aによって、SV記憶部23aに第1位置の記憶が有るか否かを判定する。より具体的には、移動距離処理部222aは、まず、移動距離情報記憶部232aから、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けられた移動距離情報テーブルMTを取り出す。次に、移動距離処理部222aは、この取り出した移動距離情報テーブルMTから、移動距離フィールド2324に移動距離のデータを登録したレコードを除き、位置フィールド2321に位置名のデータが登録されている直近に追加されたレコードが存在するか否かを判定する。この判定の結果、このようなレコードが存在する場合には、第1位置の記憶が有ると判定され(Yes)、移動距離処理部222aは、次に、処理S32を実行する。一方、前記判定の結果、このようなレコードが存在しない場合には、第1位置の記憶が無いと判定され(No)、移動距離処理部222aは、今回の本処理を終了する。
【0059】
前記処理S32では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、第1位置の記憶に、さらにそのout時刻の記憶が有るか否かを判定する。より具体的には、移動距離処理部222aは、処理S31で検索したレコードにおけるout時刻フィールド2323に時刻のデータが登録されているか否かを判定する。この判定の結果、out時刻フィールド2323に時刻のデータが登録されている場合には、第1位置の記憶にout時刻の記憶が有ると判定され(Yes)、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、次に、処理S34を実行する。一方、前記判定の結果、out時刻フィールド2323に時刻のデータが登録されていない場合には、第1位置の記憶にout時刻の記憶が無いと判定され(No)、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、次に、処理S33を実行した後に、処理S34を実行する。
【0060】
前記処理S33では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、第1位置の記憶に、さらにそのout時刻を記憶する。より具体的には、本実施形態では、移動距離処理部222aは、処理S31で移動距離情報記憶部232aから取り出した移動距離情報テーブルMTにおいて、位置フィールド2321に第1位置として位置名のデータを登録する直近に追加された前記レコードのout時刻フィールド2323に現在時刻を登録する。
【0061】
前記処理S34では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、区分移動距離を求め、SV記憶部23aに記憶する。より具体的には、移動距離処理部222aは、前記処理S24と同様に、まず、前回の処理S12で求められた被測定者Obの前回位置(前回の人物の位置HP)から今回の処理S12で求められた被測定者Obの今回位置(今回の人物の位置HP)までの距離を区分移動距離として求める。そして、移動距離処理部222aは、この求めた区分移動距離を、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応付けてSV記憶部23aに記憶する。
【0062】
そして、前記処理S14では、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、前記所定の期間が終了したか否かを判定する。この判定の結果、前記所定の期間が終了している場合(Yes)には、管理サーバ装置SVaは、移動距離処理部222aによって、次に、処理S15を実行した後に、今回の本処理を終了する。一方、前記判定の結果、前記所定の期間が終了していない場合(No)には、管理サーバ装置SVaは、今回の本処理を終了する。
【0063】
前記処理S15では、管理サーバ装置SVaは、自立指標処理部223aによって、被測定者Obにおける自立の指標値を求め、この求めた自立の指標値を外部へ出力する。より具体的には、自立指標処理部223aは、移動距離処理部222aで求められた被測定者Obの移動距離と規格化情報記憶部231aに記憶された前記所定の規格化値に基づいて、被測定者Obにおける自立の指標値を求める。本実施形態では、自立指標処理部223aは、所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点(前記移動の始点)を前記第1位置とし、前記2地点の他方地点(前記移動の終点)を前記第2位置として求めた被測定者Obの移動距離を、規格化情報記憶部231aに記憶された前記所定の規格化値としての第1および第2位置間の距離で除算することによって、被測定者Obにおける自立の指標値をそれぞれ求め、これら求めた各指標値の総和を前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求める。そして、自立指標処理部223aは、ネットワークNWを介して固定端末装置SPへ、この求めた最終的な自立の指標値を送信し、固定端末装置SPは、この最終的な自立の指標値を受信すると、これを表示する。なお、管理サーバ装置SVaがSV出力部25を備える場合には、自立指標処理部223aは、前記求めた最終的な自立の指標値をSV出力部25に出力しても良い。
【0064】
一具体例で測定動作をさらに説明する。被監視者監視支援システムMSaが起動した際に、被監視者(被測定者)Obは、室RM内における、位置設定で予め設定された位置を除く他の地点に所在しており、その後、ベッドBDへ移動した後に、トイレ設備LAへ移動するものとする。このような場合に、被監視者監視支援システムMSaが起動すると、センサ装置SUは、前記所定の時間ごとに、前記撮像部によって対象画像を生成し、この生成した対象画像をネットワークNWを介して管理サーバ装置SVaに送信し、管理サーバ装置SVaは、これに応じて、図6に示す上述の各処理を実行する。
【0065】
ここで、被監視者(被測定者)Obが、室RM内における、位置設定で予め設定された位置を除く前記他の地点からベッドBDへ移動するまで、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信するごとに、処理S11、処理S12、処理S13(No)および処理S31(No)の各処理を実行し、各回の測定動作を終了する。この動作によって、起動後、被測定者Obが位置設定で予め設定された位置に到達するまで、被測定者Obの移動距離は、算出されず、記憶されない。
【0066】
被測定者ObがベッドBDに移動し、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信すると、処理S11、処理S12、処理S13(Yes)、処理S21(No)、処理S22、処理S23および処理S14(No)の各処理を実行し、今回の測定動作を終了する。この動作によって、起動後、被測定者Obが位置設定で予め設定された位置に到達すると、その位置が第1位置として、記憶される。
【0067】
被測定者ObがベッドBDの位置を含むベッド領域BDA内で移動している間では、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信するごとに、処理S11、処理S12、処理S13(Yes)、処理S21(Yes)、処理S23(No)および処理S14(No)の各処理を実行し、各回の測定動作を終了する。この動作によって、被測定者Obが前記ベッド領域BDA内で移動している間では、被測定者Obの移動距離は、算出されず、記憶されない。
【0068】
被測定者Obが前記ベッド領域BDAから出て、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信すると、処理S11、処理S12、処理S13(No)、処理S31(Yes)、処理S32(No)、処理S33、処理S34および処理S14(No)の各処理を実行し、今回の測定動作を終了する。この動作によって、第1位置のout時刻が記憶され、最初の区分移動距離が求められ、記憶される。
【0069】
被測定者ObがベッドBDからトイレ設備LAまでの間では、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信するごとに、処理S11、処理S12、処理S13(No)、処理S31(No)、処理S32(No)、処理S34および処理S14(No)の各処理を実行し、各回の測定動作を終了する。この動作によって、各回の区分移動距離が求められ、記憶される。
【0070】
そして、被測定者Obがトイレ設備LAに到達し(トイレ設備LAの位置を含むトイレ設備領域LAA内に入り)、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信すると、処理S11、処理S12、処理S13(Yes)、処理S21(Yes)、処理S23(Yes)、処理S24、処理S25、処理S26、処理S27および処理S14(No)の各処理を実行し、今回の測定動作を終了する。この動作によって、被測定者ObがベッドBD(第1位置)からトイレ設備LA(第2位置)まで移動した際の移動距離が求められ、記憶される。そして、今回の移動の終点であるトイレ設備LAが第2位置から第1位置へ更新(変更)され、次の移動の始点となる。
【0071】
その後、被測定者Obが、トイレ設備LAから洗面設備WRへ移動し、さらに、洗面設備からベッドBDへ移動すると、管理サーバ装置SVaは、上述と同様に動作する。これによって、例えば、図4に示す、移動距離フィールド2324に各移動距離のデータが登録された移動距離情報テーブルMTが生成され、移動距離情報記憶部232aに記憶される。そして、前記所定の期間が経過し、管理サーバ装置SVaは、センサ装置SUから送信された画像通知通信信号をSV通信IF部21で受信すると、処理S11から処理S14までのうちの、その際の被測定者Obの状況に応じた各処理を実行し、処理S14で所定の期間の終了と判定され、処理S15を実行する。
【0072】
この処理S15において、図4に示す例では、ベッドBDからトイレ設備LAまでの移動距離が4.0mであり、トイレ設備LAから洗面設備WRまでの移動距離が1.0mであり、洗面設備WRからベッドBDまでの移動距離が4.8mであり、図3に示す例では、ベッドBDおよびトイレ設備LA間の規格化値が3.6mであり、トイレ設備LAおよび洗面設備WR間の規格化値が0.8mであり、洗面設備WRおよびベッドBD間の規格化値が2.4mであるので、ベッドBDおよびトイレ設備LA間における自立の指標値は、4.0/3.6であり、トイレ設備LAおよび洗面設備WR間における自立の指標値は、1.0/0.8であり、洗面設備WRおよびベッドBD間における自立の指標値は、4.8/2.4であり、したがって、前記所定の期間における自立の指標値(最終的な自立の指標値)は、(4.0/3.6)+(1.0/0.8)+(4.8/2.4)=4.36(小数点3位以下を四捨五入)と求められる。
【0073】
以上説明したように、第1実施形態における、一例として管理サーバ装置SVaに備えられた自立指標測定装置および自立指標測定方法は、実測された被測定者Obの移動距離と規格化情報記憶部231aに記憶された所定の規格化値に基づいて、被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値を求めるので、被測定者Obの移動距離を規格化値で規格化した前記指標値を求めることができる。したがって、上記自立指標測定装置および自立指標測定方法では、室RMの広狭やレイアウトにかかわらず統一的に表された前記指標値が求められるので、上記自立指標測定装置および自立指標測定方法は、前記指標値によって、より適正に被ケア者等の被測定者Obの自立性を求めることができる。このため、より適正な、被測定者Obにおける自立の指標値を参照することで、ケア者は、前記被測定者(被監視者)Obに対するケアプランを前記被測定者Obの自立性のレベルに応じてより適切に立案できる。これにより、前記被測定者Obにおける自立性のレベルの低下を抑制でき、ケア者における身体的および心理的な負担もより適正化される。
【0074】
第1実施形態によれば、前記第1および第2位置間の距離で規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置および自立指標測定方法が提供できる。前記第1および第2位置間の距離(物理的な空間の実距離)は、室RMの広狭に影響される。室RMが相対的に広ければ、例えば、出入り口およびベッド間の距離や、窓およびベッド間の距離は、それぞれ、相対的に長くなる。一方、室RMが相対的に狭ければ、出入り口およびベッド間の距離や、窓およびベッド間の距離は、それぞれ、相対的に短くなる。上記自立指標測定装置および自立指標測定方法は、前記所定の規格化値が前記第1および第2位置間の距離であるので、室RMの広狭を反映した前記指標値を求めることができる。
【0075】
上記自立指標測定装置および自立指標測定方法は、所定の期間における指標値を前記最終的な指標値で求めることができる。特に、前記所定の期間を複数設定し、各期間における各指標値(最終的な各指標値)を求めることで、上記自立指標測定装置および自立指標測定方法は、前記指標値の傾向(トレンド)を求めることができ、したがって、自立性の向上や低下等の、被測定者Obの自立性の傾向を求めることができる。
【0076】
上記自立指標測定装置および自立指標測定方法は、固定端末装置SPから、前記第1および第2位置として設定される位置を取得するので、被測定者Obの所在する室RMに応じて第1および第2位置をカスタマイズでき、また、レイアウトの変更にも対応できる。
【0077】
次に、別の実施形態について説明する。
【0078】
(第2実施形態)
第1実施形態では、前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の距離であるが、第2実施形態では、前記所定の規格化値は、前記室の広さである。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、被監視者監視支援システムに自立指標測定装置が備えられている場合を用いて、自立指標測定装置をより具体的に説明する。
【0079】
第2実施形態における自立指標測定装置を備える被監視者監視支援システムMSbは、例えば、図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVbと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機CXとを備える。これら第2実施形態におけるセンサ装置SU、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAは、それぞれ、第1実施形態におけるセンサ装置SU、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAと同様であるので、その説明を省略する。
【0080】
管理サーバ装置SVbは、例えば、図2に示すように、SV通信IF部21と、SV制御処理部22bと、SV記憶部23bとを備える。第2実施形態のSV通信IF部21は、第1実施形態のSV通信IF部21と同様であるので、その説明を省略する。
【0081】
SV記憶部23bは、前記所定の規格化値として第1および第2位置間の距離に代えて室RMの広さを記憶する点を除き、第1実施形態のSV記憶部23aと同様である。すなわち、SV記憶部23bは、SV制御処理部22bに接続され、SV制御処理部22bの制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。SV記憶部23bは、規格化情報記憶部231bおよび移動距離情報記憶部232bを機能的に備える。
【0082】
規格化情報記憶部231bは、前記所定の規格化値として室RMの広さを表す情報を記憶するものである。そして、本実施形態でも、規格化情報記憶部231bは、被測定者Obまたは室RMまたは室RMに設けられたセンサ装置SUの持つセンサIDと対応付けて前記所定の規格化値としての当該室RMの広さを表す情報を記憶する。
【0083】
移動距離情報記憶部232bは、第1実施形態の移動距離情報記憶部232aと同様に、被測定者Obの所在する室RM内における第1位置から第2位置までの前記被測定者Obの移動距離を表す移動距離情報を記憶するものである。
【0084】
SV制御処理部22bは、自立の指標値を求める際に前記所定の規格化値として第1および第2位置間の距離に代えて室RMの広さを用いる点を除き、第1実施形態のSV制御処理部22aと同様である。すなわち、SV制御処理部22bは、管理サーバ装置SVbの各部21、23bを当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMSb全体を管理するための回路である。そして、本実施形態では、SV制御処理部22bは、センサ装置SUから受信した対象画像に基づいて、被測定者(被監視者)Obにおける自立の指標値を求める。SV制御処理部22bは、前記制御処理プログラムが実行されることによって、SV制御部221、移動距離処理部222b、自立指標処理部223b、記憶処理部224および時計部225を機能的に備える。これら第2実施形態におけるSV制御部221、移動距離処理部222b、記憶処理部224および時計部225は、それぞれ、第1実施形態におけるSV制御部221、移動距離処理部222a、記憶処理部224および時計部225と同様であるので、その説明を省略する。すなわち、移動距離処理部222bは、被測定者(被監視者)Obの移動距離を求めるものである。
【0085】
自立指標処理部223bは、移動距離処理部222bで求められた被測定者Obの移動距離と規格化情報記憶部231bに記憶された前記所定の規格化値に基づいて、被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値を求めるものである。第2実施形態では、前記所定の規格化値は、上述したように、室RMの広さである。このため、自立指標処理部223bは、移動距離処理部222bで求められた被測定者Obの移動距離を、規格化情報記憶部231bに記憶された前記所定の規格化値としての前記室RMの広さ(面積)で除算することによって、被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値を求める。
【0086】
そして、本実施形態でも、前記指標値は、予め設定された所定の期間ごとに集計されている。このため、移動距離処理部222bは、所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点(前記移動の始点)を前記第1位置とし、前記2地点の他方地点(前記移動の終点)を前記第2位置として被測定者Obの移動距離を測定し、自立指標処理部223bは、前記所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、被測定者Obにおける自立の度合いを表す指標値を求め、前記所定の期間の終了後に、前記求めた指標値の総和を前記所定の期間における最終的な指標値として求める。
【0087】
このような被監視者監視支援システムMSbは、測定動作に関し、処理S15の処理を除き、図6を用いて説明した上述の動作と同様に動作し、管理サーバ装置SVbは、被測定者Obにおける自立の指標値(所定の期間における最終的な自立の指標値)を求めて出力する。
【0088】
第2実施形態の処理S15では、次のように、管理サーバ装置SVbは、動作する。すなわち、管理サーバ装置SVbは、自立指標処理部223bによって、被測定者Obにおける自立の指標値を求め、この求めた自立の指標値を外部へ出力する。より具体的には、自立指標処理部223bは、所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点(前記移動の始点)を前記第1位置とし、前記2地点の他方地点(前記移動の終点)を前記第2位置として求めた被測定者Obの移動距離を、規格化情報記憶部231bに記憶された前記所定の規格化値としての室RMの広さ(面積)で除算することによって、被測定者Obにおける自立の指標値をそれぞれ求め、これら求めた各指標値の総和を前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求める。ここで、前記前記所定の規格化値としての室RMの広さは、前記受信した前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)に対応付する室RMの広さである。
【0089】
一具体例では、上述の図4に示す例のように、ベッドBDからトイレ設備LAまでの移動距離が4.0mであり、トイレ設備LAから洗面設備WRまでの移動距離が1.0mであり、洗面設備WRからベッドBDまでの移動距離が4.8mであり、そして、前記所定の規格化値としての当該室RMの広さが16mである場合、ベッドBDおよびトイレ設備LA間における自立の指標値は、4.0/16であり、トイレ設備LAおよび洗面設備WR間における自立の指標値は、1.0/16であり、洗面設備WRおよびベッドBD間における自立の指標値は、4.8/16であり、したがって、前記所定の期間における自立の指標値(最終的な自立の指標値)は、(4.0/16)+(1.0/16)+(4.8/16)=0.6125と求められる。
【0090】
このような第2実施形態における、一例として管理サーバ装置SVbに備えられた自立指標測定装置および自立指標測定方法は、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0091】
そして、第2実施形態によれば、室RMの広さで規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置および自立指標測定方法が提供できる。
【0092】
次に、別の実施形態について説明する。
【0093】
(第3実施形態)
第1実施形態では、前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の距離であるが、第3実施形態では、前記所定の規格化値は、所定の重みである。第3実施形態でも、第1実施形態と同様に、被監視者監視支援システムに自立指標測定装置が備えられている場合を用いて、自立指標測定装置をより具体的に説明する。
【0094】
第3実施形態における自立指標測定装置を備える被監視者監視支援システムMScは、例えば、図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVcと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機CXとを備える。これら第3実施形態におけるセンサ装置SU、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAは、それぞれ、第1実施形態におけるセンサ装置SU、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAと同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
管理サーバ装置SVcは、例えば、図2に示すように、SV通信IF部21と、SV制御処理部22cと、SV記憶部23cとを備える。第3実施形態のSV通信IF部21は、第1実施形態のSV通信IF部21と同様であるので、その説明を省略する。
【0096】
SV記憶部23cは、前記所定の規格化値として第1および第2位置間の距離に代えて所定の重みを記憶する点を除き、第1実施形態のSV記憶部23aと同様である。すなわち、SV記憶部23cは、SV制御処理部22cに接続され、SV制御処理部22cの制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。SV記憶部23cは、規格化情報記憶部231cおよび移動距離情報記憶部232cを機能的に備える。
【0097】
規格化情報記憶部231cは、前記所定の規格化値として所定の重みを表す情報を記憶するものである。本実施形態では、被測定者Obの移動距離が所定の時間間隔で測定され、前記所定の規格化値は、前記被測定者Obの移動距離ごとに設けられた所定の重みである。前記被測定者Obの移動距離ごとに設けられた前記所定の重みは、前記室RM内における所定の位置(第1位置)から、前記被測定者Obの移動距離を測定した際(タイミング)での前記被測定者Obの位置までの距離である。そして、本実施形態でも、規格化情報記憶部231cは、被測定者Obまたは室RMまたは室RMに設けられたセンサ装置SUの持つセンサIDと対応付けて前記所定の規格化値としての所定の重みを表す情報を記憶する。
【0098】
より具体的には、例えば、図9に示すように、前記所定の重みで表される前記所定の規格化値は、被測定者ObおよびセンサIDと対応付けられてテーブル形式で規格化情報記憶部231cに記憶されている。この所定の規格化値を登録する規格化情報テーブルWTは、例えば、図9に示すように、被測定者Obの位置を求めた時刻を登録する時刻フィールド2316と、時刻フィールド2316に登録された時刻より1つ前の前回に求めた被測定者Obの位置(前回位置)から、時刻フィールド2316に登録された時刻で今回に求めた被測定者Obの位置(今回位置)までの移動距離(区分移動距離)を登録する区分移動距離フィールド2317と、前記所定の位置(第1位置)から被測定者Obの今回位置までの距離を前記所定の重み(距離重み)として登録する重みフィールド2318とを備え、区分移動距離を求めるごとにレコードを持つ。そして、本実施形態では、このような規格化情報テーブルWT(WT-1、WT-2、WT-3、・・・)は、各被測定者Obごとに用意され、各被測定者Obの各名および各センサIDそれぞれに対応付けられている。
【0099】
移動距離情報記憶部232cは、第1実施形態の移動距離情報記憶部232aと同様に、被測定者Obの所在する室RM内における第1位置から第2位置までの前記被測定者Obの移動距離を表す移動距離情報を記憶するものである。なお、第3実施形態では、上述のように、区分移動距離が規格化情報テーブルWTに登録されるので、移動距離情報テーブルMTから、移動距離フィールド2324は、省略されて良い。
【0100】
SV制御処理部22cは、自立の指標値を求める際に前記所定の規格化値として第1および第2位置間の距離に代えて前記所定の重みを用いる点を除き、第1実施形態のSV制御処理部22aと同様である。すなわち、SV制御処理部22cは、管理サーバ装置SVcの各部21、23cを当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者(被測定者)Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMSc全体を管理するための回路である。そして、本実施形態では、SV制御処理部22cは、センサ装置SUから受信した対象画像に基づいて、被測定者(被監視者)Obにおける自立の指標値を求める。SV制御処理部22cは、前記制御処理プログラムが実行されることによって、SV制御部221、移動距離処理部222c、自立指標処理部223c、記憶処理部224および時計部225を機能的に備える。これら第3実施形態におけるSV制御部221、記憶処理部224および時計部225は、それぞれ、第1実施形態におけるSV制御部221、記憶処理部224および時計部225と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】
移動距離処理部222cは、所定の時間間隔で被測定者Obの移動距離を求めるものである。
【0102】
自立指標処理部223cは、移動距離処理部222cで求められた被測定者Obの移動距離と規格化情報記憶部231cに記憶された前記所定の規格化値に基づいて、被測定者Obにおける自立の指標値を求めるものである。第3実施形態では、前記所定の規格化値は、上述したように、前記所定の重みである。このため、自立指標処理部223cは、移動距離処理部222cで測定された前記被測定者Obの移動距離に、前記被測定者Obの移動距離に応じて設けられた所定の重みを乗算し、前記被測定者Obの移動距離ごとの各乗算結果を総和することによって、前記被測定者における自立の指標値を求める。
【0103】
より具体的には、本実施形態では、移動距離処理部222cは、所定の時間間隔で被測定者Obの位置を求め、被測定者Obの位置を求めるごとに前回で求められた被測定者Obの前回位置から今回で求められた被測定者Obの今回位置までの区分移動距離を前記被測定者Obの移動距離として求める。そして、自立指標処理部223cは、移動距離処理部222cで被測定者Obの位置を求めるごとに、前記所定の位置(第1位置)から今回で測定された被測定者Obの今回位置までの距離を前記所定の重み(距離重み)として求め、移動距離処理部222cで求めた区分移動距離にこれに対応して求めた距離重みを乗算することによって重付け区分移動距離を求め、移動距離処理部222cで被測定者Obの位置を求めるごとに求めた各重付け区分移動距離の総和を求めることによって、前記被測定者Obにおける自立の指標値を求める。そして、本実施形態でも、前記指標値は、予め設定された所定の期間ごとに集計され最終的な指標値として求められている。
【0104】
このような被監視者監視支援システムMScは、測定動作に関し、処理S24、処理S34および処理S15の各処理を除き、図6を用いて説明した上述の動作と同様に動作し、管理サーバ装置SVbは、被測定者Obにおける自立の指標値(所定の期間における最終的な自立の指標値)を求めて出力する。
【0105】
第3実施形態における処理S24、処理S34および処理S15の各処理では、次のように、管理サーバ装置SVcは、動作する。
【0106】
第3実施形態における処理S24および処理S34の各処理では、管理サーバ装置SVcは、移動距離処理部222cによって、区分移動距離を求め、SV記憶部23cに記憶し、さらに、自立指標処理部223cによって、前記所定の重みを求め、SV記憶部23cに記憶する。より具体的には、移動距離処理部222cは、まず、前回の処理S12で求められた被測定者Obの前回位置(前回の人物の位置HP)から今回の処理S12で求められた被測定者Obの今回位置(今回の人物の位置HP)までの距離を区分移動距離として求める。次に、自立指標処理部223cは、第1位置を前記所定の位置として、前記第1位置から今回で測定された被測定者Obの今回位置までの距離を前記所定の重み(距離重み)として求める。次に、自立指標処理部223cは、SV記憶部23cの規格化情報記憶部231cから、前記受信した画像通知通信信号に収容された被測定者Obの名(あるいはセンサID)と対応する規格化情報テーブルWTを取り出す。そして、自立指標処理部223cは、この取り出した規格化情報テーブルWTに新たなレコードを追加し、この追加したレコードにおける時刻フィールド2316、区分移動距離フィールド2317および重みフィールド2318それぞれに、現在時刻、前記求めた区分移動距離、および、前記求めた距離重みをそれぞれ登録する。
【0107】
第3実施形態における処理S15では、管理サーバ装置SVcは、自立指標処理部223cによって、被測定者Obにおける自立の指標値を求め、この求めた自立の指標値を外部へ出力する。より具体的には、自立指標処理部223cは、所定の期間内において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点(前記移動の始点)を前記第1位置として移動距離処理部222cで求めた区分移動距離にこれに対応して求めた距離重みを乗算することによって重付け区分移動距離を求め、移動距離処理部222cで被測定者Obの位置を求めるごとに求めた各重付け区分移動距離の総和を求めることによって、前記被測定者Obにおける自立の指標値をそれぞれ求め、これら求めた各指標値の総和を前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求める。
【0108】
一具体例では、上述の図9に示す例のように、時刻6:01から時刻6:05までの間に被測定者Obが第1位置から第2位置まで移動した場合であって、時刻6:00から時刻6:01までの区分移動距離が0mであり、その重みが0であり、時刻6:01から時刻6:02までの区分移動距離が0.2mであり、その重みが0.2であり、時刻6:02から時刻6:03までの区分移動距離が0.1mであり、その重みが0.3であり、時刻6:03から時刻6:04までの区分移動距離が0.2mであり、その重みが0.8であり、そして、時刻6:04から時刻6:05までの区分移動距離が0.5mであり、その重みが1.5である場合、前記第1および第2位置間の自立の指標値は、0×0+0.2×0.2+0.1×0.3+0.2×0.8+0.5×1.5=0.98と求められる。そして、このような前記第1および第2位置間の自立の指標値が被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに求められ、これら求めた各指標値の総和が前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求められる。
【0109】
なお、移動距離情報テーブルMTから、移動距離フィールド2324が省略される場合には、処理S26が省略されて良い。
【0110】
このような第3実施形態における、一例として管理サーバ装置SVcに備えられた自立指標測定装置および自立指標測定方法は、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0111】
そして、第3実施形態によれば、前記所定の重みで規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置および自立指標測定方法が提供できる。
【0112】
なお、上述の第3実施形態では、被測定者Obの位置を求める所定の時間間隔ごとに区分移動距離およびこれに対応する距離重みが求められたが、前記所定の時間間隔より長い第2時間間隔ごとに、当該第2時間間隔の間に求められた複数の区分移動距離および複数の距離重みそれぞれを平均することによって平均区分移動距離および平均距離重みが求められても良い。この場合では、被測定者Obにおける自立の指標値は、前記第2時間間隔ごとにおいて、平均区分移動距離と平均距離重みとを乗算することによって平均重付け区分移動距離を求め、被測定者Obが第1位置から第2位置まで移動する間に前記第2時間間隔ごとに求めた各平均重付け区分移動距離の総和を求めることによって、求められる。例えば、1分ごとに区分移動距離およびこれに対応する距離重みが求められる場合に、例えば5分ごとに平均区分移動距離およびこれに対応する平均距離重みが求められる。そして、例えば15分で被測定者Obが第1位置から第2位置まで移動する場合では、5分ごとに求められた3個の平均重付け区分移動距離の総和を求めることによって、第1および第2位置間での被測定者Obにおける自立の指標値が求められる。
【0113】
また、上述の第3実施形態では、所定の期間において、被測定者Obが互いに異なる2地点を移動するごとに、前記被測定者Obにおける自立の指標値がそれぞれ求められ、これら求めた各指標値の総和が前記所定の期間における最終的な自立の指標値として求められたが、前記所定の期間における開始時点における被測定者Obの位置を第1位置とし、前記所定の期間における終了時点における被測定者Obの位置を第2位置とすることによって、前記所定の期間での被測定者Obにおける自立の指標値が求められても良い。この場合では、記憶処理部224、移動距離情報記憶部232cおよびこれに記憶される移動距離情報テーブルMTが省略できる。そして、管理サーバ装置SVcは、処理S11、これに続いて処理S12、これに続いて第3実施形態での処理S24、これに続いて処理S14を実行し、前記処理S14の実行結果に応じて第3実施形態での処理S15を実行する。
【0114】
また、上述の第3実施形態では、前記被測定者Obの移動距離ごとに設けられた前記所定の重みは、前記室RM内における所定の位置(第1位置)から、前記被測定者Obの移動距離を測定した際(タイミング)での前記被測定者Obの位置までの距離であるが、前記被測定者Obの移動距離ごとに設けられた所定の重みは、前記室RM内における、予め規定された特定の位置から、前記被測定者Obの移動距離を測定した際(タイミング)での前記被測定者Obの位置までの距離であっても良い。この場合では、前記移動距離測定部222cは、所定の時間間隔で前記被測定者Obの位置を測定し、前記被測定者Obの位置を測定するごとに前回で測定された前記被測定者Obの前回位置から今回で測定された前記被測定者Obの今回位置までの区分移動距離を求める。前記自立指標処理部223cは、前記移動距離測定部222cで前記被測定者Obの位置を測定するごとに、前記特定の位置から今回で測定された前記被測定者Obの今回位置までの距離を前記所定の重み(第2距離重み)として求め、前記移動距離測定部222cで求めた区分移動距離にこれに対応して求めた第2距離重みを乗算することによって第2重付け区分移動距離を求め、前記移動距離測定部222cで前記被測定者Obの位置を測定するごとに求めた各第2重付け区分移動距離の総和を求めることによって、前記被測定者Obにおける自立の指標値を求める。より具体的には、管理サーバ装置SVcは、例えば、処理S11、これに続いて処理S12、これに続いて第3実施形態の上記変形形態での処理S24、これに続いて処理S14を実行し、前記処理S14の実行結果に応じて第3実施形態の上記変形形態での処理S15を実行する。この第3実施形態の上記変形形態での処理S24では、前記区分移動距離および第2距離重みが求められる。第3実施形態の上記変形形態での処理S15では、前記被測定者Obの位置を測定するごとに求められた、各区分移動距離および各第2距離重みに基づく各第2重付け区分移動距離の総和が前記被測定者Obにおける自立の指標値として求められる。好ましくは、前記特定の位置は、前記室における前記被測定者の生活拠点の位置(例えば寝具等)である。
【0115】
また、これら上述の第1ないし第3実施形態において、前記所定の時間間隔を速度を求める単位時間とすることによって、前記区分移動距離は、移動速度と同義である。
【0116】
また、これら上述の第1ないし第3実施形態では、図3図4および図9からわかるように、メートル単位で区分移動距離や移動距離が表されたが、画像上での画素単位(画素数)で区分移動距離や移動距離が表されても良い。
【0117】
また、これら上述の第1ないし第3実施形態では、自立指標測定装置および自立指標測定方法は、管理サーバ装置SV(SVa、SVb、SVc)に備えられたが、他の機器、例えば、センサ装置SUに備えられても良い。あるいは、自立指標測定装置および自立指標測定方法は、複数の機器で構成されても良い。例えば、センサ装置SUが被測定者Obにおける移動距離を求めて管理サーバ装置SVに送信し、管理サーバ装置SVが被測定者Obにおける自立の指標を求めても良い。
【0118】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0119】
一態様にかかる自立指標測定装置は、測定対象である被測定者の移動距離を測定する移動距離測定部と、前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を記憶する規格化情報記憶部と、前記移動距離測定部で測定された前記被測定者の移動距離と前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標処理部とを備える。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記規格化情報記憶部は、前記被測定者または前記室と対応付けて前記所定の規格化値を記憶する。
【0120】
このような自立指標測定装置は、移動距離測定部で実測された被測定者の移動距離と規格化情報記憶部に記憶された所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求めるので、被測定者の移動距離を規格化値で規格化した前記指標値を求めることができる。したがって、上記自立指標測定装置では、室の広狭やレイアウトにかかわらず統一的に表された前記指標値が求められるので、上記自立指標測定装置は、前記指標値によって、より適正に被ケア者等の被測定者の自立性を求めることができる。
【0121】
他の一態様では、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、前記被測定者が前記室内における第1位置から前記第1位置と異なる第2位置まで移動した場合における前記第1および第2位置間の距離を前記被測定者の移動距離として測定し、前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の距離である。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記第1位置は、1または複数であり、前記第2位置は、複数である。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記第1および第2位置は、それぞれ、寝具の位置、前記室の開口部の位置および前記室の内部に配置される物品の位置のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記室の開口部は、前記室の出入口として用いられる開口部、窓として用いられる開口部、クローゼットの出入口(出し入れ口)として用いられる開口部、および、押入れの出入口(出し入れ口)として用いられる開口部のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記室の内部に配置される物品は、洗面設備、トイレ設備、家具および家庭電化製品(家電)のうちの少なくとも1を含む。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、所定の時間間隔で前記被測定者の位置を測定し、前記被測定者の位置を測定するごとに前回で測定された前記被測定者の前回位置から今回で測定された前記被測定者の今回位置までの距離を区分移動距離として求め、前記被測定者の位置を測定するごとに求めた各区分移動距離を前記第1位置から前記第2位置まで累積することによって、前記被測定者の移動距離を測定する。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記自立指標処理部は、前記移動距離測定部で実測された前記被測定者の移動距離を、前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値としての前記第1および第2位置間の距離で除算することによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。
【0122】
これによれば、前記第1および第2位置間の距離で規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置が提供できる。前記第1および第2位置間の距離(物理的な空間の実距離)は、室の広狭に影響される。室が相対的に広ければ、例えば、出入り口およびベッド間の距離や、窓およびベッド間の距離は、それぞれ、相対的に長くなる。一方、室が相対的に狭ければ、出入り口およびベッド間の距離や、窓およびベッド間の距離は、それぞれ、相対的に短くなる。上記自立指標測定装置は、前記所定の規格化値が前記第1および第2位置間の物理的な距離であるので、室の広狭を反映した前記指標値を求めることができる。
【0123】
他の一態様では、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、前記被測定者が前記室内における第1位置から前記第1位置と異なる第2位置まで移動した場合における前記第1および第2位置間の距離を前記被測定者の移動距離として測定し、前記所定の規格化値は、前記室の広さである。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記自立指標処理部は、前記移動距離測定部で測定された前記被測定者の移動距離を、前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値としての前記室の広さ(面積)で除算することによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。
【0124】
これによれば、前記室の広さで規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置が提供できる。
【0125】
他の一態様では、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、所定の時間間隔で前記被測定者の移動距離を測定し、前記所定の規格化値は、前記被測定者の移動距離ごとに設けられた所定の重みである。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記自立指標処理部は、前記移動距離測定部で測定された前記被測定者の移動距離に、前記被測定者の移動距離に応じて設けられた所定の重みを乗算し、前記被測定者の移動距離ごとの各乗算結果を総和することによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記被測定者の移動距離ごとに設けられた所定の重みは、前記室内における所定の位置(第1位置)から、前記被測定者の移動距離を測定した際(タイミング)での前記被測定者の位置までの距離である。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、所定の時間間隔で前記被測定者の位置を測定し、前記被測定者の位置を測定するごとに前回で測定された前記被測定者の前回位置から今回で測定された前記被測定者の今回位置までの区分移動距離を求め、前記自立指標処理部は、前記移動距離測定部で前記被測定者の位置を測定するごとに、前記所定の位置(第1位置)から今回で測定された前記被測定者の今回位置までの距離を前記所定の重み(距離重み)として求め、前記移動距離測定部で求めた区分移動距離にこれに対応して求めた距離重みを乗算することによって重付け区分移動距離を求め、前記移動距離測定部で前記被測定者の位置を測定するごとに求めた各重付け区分移動距離の総和を求めることによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。
【0126】
これによれば、前記所定の重みで規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置が提供できる。
【0127】
他の一態様では、上述の自立指標測定装置において、前記被測定者の移動距離ごとに設けられた所定の重みは、前記室内における、予め規定された特定の位置から、前記被測定者の移動距離を測定した際(タイミング)での前記被測定者の位置までの距離である。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、所定の時間間隔で前記被測定者の位置を測定し、前記被測定者の位置を測定するごとに前回で測定された前記被測定者の前回位置から今回で測定された前記被測定者の今回位置までの区分移動距離を求め、前記自立指標処理部は、前記移動距離測定部で前記被測定者の位置を測定するごとに、前記特定の位置から今回で測定された前記被測定者の今回位置までの距離を前記所定の重み(第2距離重み)として求め、前記移動距離測定部で求めた区分移動距離にこれに対応して求めた第2距離重みを乗算することによって第2重付け区分移動距離を求め、前記移動距離測定部で前記被測定者の位置を測定するごとに求めた各第2重付け区分移動距離の総和を求めることによって、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記特定の位置は、前記室における前記被測定者の生活拠点の位置(例えば寝具等)である。
【0128】
これによれば、特定の位置から求めた距離の重みを規格化した前記指標値を求める自立指標測定装置が提供できる。
【0129】
他の一態様では、これら上述の自立指標測定装置において、前記自立指標処理部は、所定の期間ごとに前記指標値を求める。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記移動距離測定部は、所定の期間内において、前記被測定者が互いに異なる2地点を移動するごとに、前記2地点の一方地点を前記第1位置とし、前記2地点の他方地点を前記第2位置として前記被測定者の移動距離を測定し、前記自立指標処理部は、前記所定の期間内において、前記被測定者が互いに異なる2地点を移動するごとに、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求め、前記所定の期間の終了後に、前記求めた指標値の総和を前記所定の期間における最終的な指標値として求める。
【0130】
これによれば、所定の期間ごとに前記指標値を求める自立指標測定装置が提供できる。特に、前記所定の期間を複数設定し、各期間における各指標値(最終的な各指標値)を求めることで、上記自立指標測定装置は、前記指標値の傾向(トレンド)を求めることができ、したがって、自立性の向上や低下等の、被測定者の自立性の傾向を求めることができる。
【0131】
他の一態様では、これら上述の自立指標測定装置において、前記第1および第2位置を取得する取得部をさらに備える。好ましくは、上述の自立指標測定装置において、前記所定の規格化値は、前記第1および第2位置間の距離であり、前記取得部で取得された第1および第2位置間の距離を求め、前記求めた距離を前記所定の規格化値として前記規格化情報記憶部に記憶する記憶処理部をさらに備える。
【0132】
このような自立指標測定装置は、取得部を備えるので、被測定者の所在する室に応じて第1および第2位置をカスタマイズでき、また、レイアウトの変更にも対応できる。
【0133】
他の一態様にかかる自立指標測定方法は、測定対象である被測定者の移動距離を測定する移動距離測定工程と、前記被測定者の所在する室に関わる所定の規格化値を規格化情報記憶部に記憶する規格化情報記憶工程と、前記移動距離測定工程で測定された前記被測定者の移動距離と前記規格化情報記憶部に記憶された前記所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標処理工程とを備える。
【0134】
このような自立指標測定方法は、移動距離測定工程で実測された被測定者の移動距離と規格化情報記憶部に記憶された所定の規格化値に基づいて、前記被測定者における自立の度合いを表す指標値を求めるので、被測定者の移動距離を規格化値で規格化した前記指標値を求めることができる。したがって、上記自立指標測定方法では、室の広狭やレイアウトにかかわらず統一的に表された前記指標値が求められるので、上記自立指標測定方法は、前記指標値によって、より適正に被ケア者等の被測定者の自立性を求めることができる。
【0135】
この出願は、2017年10月6日に出願された日本国特許出願特願2017-196032を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0136】
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
【0137】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明によれば、被測定者における自立の度合いを表す指標値を求める自立指標測定装置および自立指標測定方法が提供できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9