(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】車両走行支援方法及び車両走行支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/16 D
(21)【出願番号】P 2020504461
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(86)【国際出願番号】 IB2018000384
(87)【国際公開番号】W WO2019171100
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】方 芳
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔太郎
【審査官】久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/151192(WO,A1)
【文献】特開2004-178194(JP,A)
【文献】特開2012-018505(JP,A)
【文献】特開2009-193314(JP,A)
【文献】特開2009-031968(JP,A)
【文献】特開2009-157508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両走行支援装置が、交差点に向かって道路を走行する他車両と他車両とは異なる周囲物体の予測進路に基づいて自車両の走行を支援する車両走行支援方法であって、
前記車両走行支援装置が備えるセンサが、
前記道路を前記交差点に向かって走行する、前記周囲物体を検出し、
前記道路において前記周囲物体と同一の車線を前記交差点に向かって走行する、前記他車両を検出し、
前記車両走行支援装置が備えるコンピュータが、
前記周囲物体及び前記他車両の
速度、並びに前記周囲物体と前記他車両との距離に基づいて、前記他車両が前記周囲物体を追従しているか否かを判定し、
前記他車両が前記周囲物体を追従していない場合は、前記他車両の前記交差点における進行方向である予測進路を予測し、予測した前記他車両の予測進路に基づいて前記自車両の経路を生成し、生成した前記経路に従って前記自車両を制御する
ことを特徴とする車両走行支援方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記他車両が前記周囲物体を追従していない場合は、前記他車両が前記交差点を前記道路の幅方向の中央よりも前記周囲物体側の方向に曲がらないと予測する
ことを特徴とする請求項1記載の車両走行支援方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、
前記交差点までの距離が所定の閾値より長い区間で、前記他車両が一定の速度で前記周囲物体を追い越した場合は、前記他車両が前記交差点を前記道路の幅方向の中央よりも前記周囲物体側の方向に曲がらないと予測する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両走行支援方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記交差点までの距離が所定の閾値より長い区間で、前記他車両が加速しながら前記周囲物体を追い越した場合は、前記他車両が前記交差点を前記道路の幅方向の中央よりも前記周囲物体側の方向に曲がると予測する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両走行支援方法。
【請求項5】
交差点に向かって道路を走行する他車両と他車両とは異なる周囲物体の予測進路に基づいて自車両の走行を支援する車両走行支援装置であって、
前記道路を前記交差点に向かって走行する前記周囲物体と、前記道路において前記周囲物体と同一の車線を前記交差点に向かって走行する前記他車両とを検出するセンサと、
前記周囲物体及び前記他車両の
速度、並びに前記周囲物体と前記他車両との距離に基づいて、前記他車両が前記周囲物体を追従しているか否かを判定し、前記他車両が前記周囲物体を追従していない場合は、前記他車両の前記交差点における進行方向である予測進路を予測し、予測した前記他車両の予測進路に基づいて前記自車両の経路を生成し、生成した前記経路に従って前記自車両を制御する制御回路と
を備えることを特徴とする車両走行支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行支援方法及び車両走行支援装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、道路を横断する歩行者などに基づくリスクを道路の幅方向に横断して分布するリスク分布として設定し、リスク分布におけるリスク値が閾値に達した場合、ドライバに対して停止を促す警報を出力するという技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術は、歩行者などのリスクに基づいて車両の停止を促すものであるが、道路を他車両及び他車両とは異なる周囲物体(例えば、2輪車)が走行する状況を考慮したものではない。他車両と周囲物体が同じ道路を走行している場合、周囲物体の進路と他車両の進路をより早期に予測できれば、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、より早期に周囲物体と他車両の進路を予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる車両走行支援方法及び車両走行制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両走行支援方法は、道路を交差点に向かって走行する、他車両とは異なる周囲物体を検出する。他車両が周囲物体を追従していない場合は、他車両の予測進路に基づいて、自車両の走行を支援する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より早期に周囲物体と他車両の進路を予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係わる車両走行支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、マイクロコンピュータ100におけるメインの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、他車両の進路予測処理(S9)の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、他車両Aが2輪車Bに追従している場合における他車両A及び2輪車Bの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、他車両Aが2輪車Bに追従していない場合の他車両Aの進路を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しないで追い越した場合の他車両Aの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図4D】
図4Dは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しながら追い越し、2輪車Bと他車両Aが走行する道路に2輪車専用レーンrがある場合の他車両Aの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図4E】
図4Eは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しながら追い越し、2輪車Bと他車両Aが走行する道路に2輪車専用レーンがない場合における他車両Aと2輪車Bの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dth以下の場合の他車両Aの進路を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dth以下であり、自車両Sが右折の方向指示を行い、他車両Aが減速した場合の他車両Aの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dth以下であり、他車両Aが仮に左折した後に走行する道路R2を横切る横断歩道Pなどに歩行者Hがいて、他車両Aが減速した場合の他車両Aの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、対象交差点Kに信号機がなく、他車両Aが仮に左折した後に走行する道路R2を自車両Sが対象交差点Kに向かって走行し、他車両Aが2輪車Bに追従している場合における他車両Aと2輪車Bの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、自車両Sが他車両Aの後方を対象交差点Kに向かって走行し、他車両Aが2輪車Bに追従している場合における他車両Aと2輪車Bの進路及び自車両Sの走行経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。説明において、同一のものには同一符号を付して重複説明を省略する。
【0010】
図1を参照して、実施形態に係わる車両走行支援装置の構成を説明する。車両走行支援装置は、物体検出装置1と、自車位置推定装置3と、地図取得装置4と、マイクロコンピュータ100とを備える。この車両走行支援装置を搭載した車両を自車両という。
【0011】
物体検出装置1は、自車両に搭載された、レーザレーダやミリ波レーダ、カメラなど、自車両の周囲の物体を検出する、複数の異なる種類の物体検出センサを備える。物体検出装置1は、複数の物体検出センサを用いて、自車両の周囲における物体を検出する。物体検出装置1は、他車両、バイク、自転車、歩行者を含む移動物体、及び駐車車両を含む静止物体を検出する。例えば、移動物体及び静止物体の自車両に対する位置、姿勢、大きさ、速度、加速度、減速度、ヨーレートを検出する。なお、物体の位置、姿勢(ヨー角)、大きさ、速度、加速度、減速度、ヨーレートを纏めて、物体の「挙動」と呼ぶ。物体検出装置1は、検出結果として、例えば自車両の上方の空中から眺める天頂図における、2次元の物体の挙動を出力する。
【0012】
自車位置推定装置3は、自車両に搭載された、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)やオドメトリなど自車両の絶対位置を計測する位置検出センサを備える。自車位置推定装置3は、位置検出センサを用いて、自車両の絶対位置、すなわち、所定の基準点に対する自車両の位置、姿勢及び速度を計測する。
【0013】
地図取得装置4は、自車両が走行する道路の構造を示す地図情報を取得する。地図取得装置4は、地図情報を格納した地図データベースを所有してもよいし、クラウドコンピューティングにより地図情報を外部の地図データサーバから取得しても構わない。地図取得装置4が取得する地図情報には、車線の絶対位置や車線の接続関係、相対位置関係などの道路構造の情報が含まれる。つまり、地図情報には、交差点の位置、交差点に接続する道路の位置と方向と幅、各道路の車線構成と各車線の位置と幅が含まれる。また、地図情報には、交差点に進入する車線ごとの右左折及び直進の可否を示す情報が含まれる。つまり、地図情報には交差点での交通ルールが含まれる。
【0014】
マイクロコンピュータ100は、物体検出装置1及び自車位置推定装置3による検出結果及び地図取得装置4による取得情報に基づいて、他車両の進路を予測し、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援する制御回路である。他車両は、自車両にとってリスクの判断対象ということができる。ここでは自車両の走行を支援するにあたり、自車両の経路を生成し、生成した経路に従って自車両を制御する。さらに、場合によっては、他車両とは異なる周囲物体の進路を予測し、予測した周囲物体の進路に基づいて自車両の走行を支援する。周囲物体も自車両にとってリスクの判断対象ということができる。ここでは、他車両と同様に、自車両の経路を生成し、生成した経路に従って自車両を制御する。周囲物体は、例えば、2輪車、3輪車、人力車などである。実施形態では、周囲物体が2輪車(周囲物体の一例)であることとして説明を行う。
【0015】
マイクロコンピュータ100は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータ100には、車両走行支援装置として機能させるためのコンピュータプログラム(車両走行支援プログラム)がインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータ100は、車両走行支援装置が備える複数の情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって車両走行支援装置が備える複数の情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)を個別のハードウェアにより構成してもよい。更に、情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)は、車両にかかわる他の制御に用いる電子制御ユニット(ECU)と兼用してもよい。
【0016】
マイクロコンピュータ100は、複数の情報処理回路(2a、2b、5、10、21、22)として、検出統合部2aと、物体追跡部2bと、地図内位置演算部5と、動作予測部10と、自車経路生成部21と、車両制御部22とを備える。更に、動作予測部10は、交差点判定部12と、2輪車検出部13と、他車両検出部14と、進路予測部15とを備える。
【0017】
検出統合部2aは、物体検出装置1が備える複数の物体検出センサの各々から得られた複数の検出結果を統合して、各物体に対して一つの検出結果を出力する。具体的には、物体検出センサの各々から得られた物体の挙動から、各物体検出センサの誤差特性などを考慮した上で最も誤差が少なくなる最も合理的な物体の挙動を算出する。具体的には、既知のセンサ・フュージョン技術を用いることにより、複数種類のセンサで取得した検出結果を総合的に評価して、より正確な検出結果を得る。
【0018】
物体追跡部2bは、物体検出装置1によって検出された物体を追跡する。具体的に、検出統合部2aにより統合された検出結果から、異なる時刻に出力された物体の挙動から、異なる時刻間における物体の同一性の検証(対応付け)を行い、且つ、その対応付けを基に、物体の挙動を予測する。なお、異なる時刻に出力された物体の挙動は、マイクロコンピュータ100内のメモリに記憶され、後述する軌道予測の際に用いられる。
【0019】
地図内位置演算部5は、自車位置推定装置3により得られた自車両の絶対位置、及び地図取得装置4により取得された地図データから、地図上における自車両の位置及び姿勢を推定する。例えば、自車両が走行している道路、更に当該道路のうちで自車両が走行する車線を特定する。
【0020】
動作予測部10では、検出統合部2aと物体追跡部2bにより得られた検出結果と、地図内位置演算部5により特定された自車両の位置(以下、自車両位置という)と、地図取得装置4により得られる地図情報に基づいて、自車両の周囲における移動物体の動作を予測する。以下に、動作予測部10の具体的な構成を説明する。
【0021】
挙動判定部11は、検出統合部2aと物体追跡部2bによる検出結果、自車両位置及び地図情報に基づいて、地図上における物体の挙動を特定する。更に、挙動判定部11は、物体の地図上の位置が時間の経過と共に変化する場合、当該物体は「移動物体」であると判断し、移動物体の大きさ及び速度から、当該移動物体の属性(他車両、歩行者)を判断する。そして、移動物体が走行中の「他車両」であると判断した場合、挙動判定部11は、当該他車両が走行する道路及び車線と判定する。
【0022】
なお、物体の地図上の位置が時間の経過と共にしない場合、静止物体であると判断し、静止物体の地図上の位置、姿勢及び大きさから、静止物体の属性(駐車車両、歩行者など)を判定する。挙動判定部11により得られた判定結果を挙動判定結果という。
【0023】
交差点判定部12は、自車両位置と、地図情報に登録された交差点の位置とに基づいて、自車両が次に向かう交差点(以下、対象交差点という)から所定の距離以下の区間を自車両が走行しているか否かを判定する。
【0024】
2輪車検出部13は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果に基づいて、対象交差点に向かって走行する2輪車(以下、単に2輪車という)と2輪車が走行する道路を検出する。2輪車とは、自転車、原動機付自転車 普通自動二輪車、大型自動二輪車などを指す。
【0025】
他車両検出部14は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果に基づいて、2輪車が走行する道路を対象交差点に向かって走行する他車両(以下、単に他車両という)を検出する。
【0026】
進路予測部15は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果と地図情報に基づいて、他車両の対象交差点での進路を予測する。つまり、進路予測部15は、他車両が(1)直進するか、(2)2輪車と他車両が走行する道路の幅方向の中央よりも2輪車側の方向(以下、「2輪車の方向」という)に曲がる(対向車線があれば対向車線を跨がないで曲がる)か、(3)2輪車の方向とは反対の方向に曲がる(対向車線があれば対向車線を跨いで曲がる)かを予測する。具体的には、進路予測部15は、各進路について、この進路に進む可能性を示す尤度を計算し、他車両は最高の尤度に対応する進路に進むと予測する。
【0027】
以下、(1)直進の進路に対応する尤度を尤度v1、(2)2輪車の方向の進路(2輪車の方向に曲がる)に対応する尤度を尤度v2、(3)2輪車の方向とは反対の方向の進路(2輪車の方向とは反対の方向に曲がる)に対応する尤度を尤度v3という。また、各尤度は、他車両の進路予測(後述のステップS9)に先立ち、同じ値に初期化されることとする。
【0028】
また、進路予測部15は、場合によっては、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果と地図情報に基づいて、2輪車の進路を予測する。
【0029】
自車経路生成部21は、動作予測部10により予測された他車両又は2輪車の進路に基づいて、自車両の経路を生成する。また、経路上での走行、停止の計画を生成する。以下、走行、停止の計画を含め、経路という。
【0030】
車両制御部22では、自車経路生成部21により生成された経路に従って自車両が経路を走行すべく、自車両位置に基づいて、ステアリングアクチュエータ、アクセルペダルアクチュエータ、及びブレーキペダルアクチュエータから必要なものを選択して駆動する。
【0031】
図2は、マイクロコンピュータ100におけるメインの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0032】
自車両のイグニションをONさせると、まず、挙動判定部11が、地図上における物体の挙動を特定し、移動物体の属性を検出する(S1)。
次に、地図内位置演算部5が、地図上における自車両の位置(自車両位置)を検出する(S3)。
【0033】
次に、交差点判定部12が、地図情報を取得し(S5)、地図情報とステップS3で検出した自車両位置に基づいて、自車両が次に向かう交差点(対象交差点)から所定の距離以下の区間を自車両が走行しているか否かを判定する(S7)。走行していない場合、ステップS1に戻り、走行している場合は、他車両の進路予測処理(S9)を実行する。
【0034】
他車両の進路予測処理が終わると、進路予測部15は、最も高い尤度が尤度v2か否かを判定する(S10)。進路予測部15は、最も高い尤度が尤度v2の場合は(S10:YES)、2輪車の進路予測処理を行う(S11)。2輪車の進路予測処理(S11)では、進路予測部15が、他車両の進路予測処理(S9)の中で検出した2輪車の進路を予測する。具体的には、2輪車の挙動(例えば2輪車の加速や減速)及び2輪車が走行する車線の車幅方向に対する走行位置を検出し、検出した挙動及び走行位置に基づいて、2輪車の進路を予測する。すなわち、最も高い尤度が尤度v2の場合は(S10:YES)、2輪車が自車両にとってリスクの判断対象となる。
【0035】
自車経路生成部21は、最も高い尤度が尤度v2でなく、尤度v1又は尤度v3の場合(S10:NO)、予測した他車両の進路に基づいて、自車両の経路を生成する(S12)。一方、2輪車の進路予測処理(S11)を実行した場合、自車経路生成部21は、2輪車の進路に基づいて、自車両の経路を生成する(S12)。
【0036】
ここでは、例えば2輪車の走行を妨害しないような自車両の進路を決定する。又は、他車両が、最も高い尤度に対応する進路に進むこととし、その際に自車両の走行が適切になるように、他車両の進路に基づいて、自車両の進路を決定する。例えば、対象交差点での交通ルールを遵守するような経路を生成する。なお、予測した他車両の進路と2輪車の進路の両方に基づいて、自車両の経路を生成してもよい。すなわち、少なくとも2輪車の進路に基づいて、自車両の経路を生成してもよい。
【0037】
次に、車両制御部22が、経路に従って自車両が走行するように自車両を制御することで、自車両を走行支援する(S13)。自車両は走行中、必要な場合には減速、停止する。
【0038】
次に、自車両のイグニションがOFF(オフ)か否かを判定し(S15)、ON(オン)の場合はステップS1に戻り、一方OFFの場合は、メインの処理ルーチンを終了する。
【0039】
図3は、他車両の進路予測処理(S9)の詳細な流れを示すフローチャートである。
まず、2輪車検出部13は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果と地図情報に基づいて、対象交差点に向かって走行している2輪車と、2輪車が走行する道路を検出する(S21)。なお、2輪車検出部13は、物体検出装置1(センサ)の検出結果を基に2輪車を検出するのであり、物体検出装置1(センサ)が2輪車を検出すると言ってもよい。
【0040】
次に、他車両検出部14は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果と地図情報と、ステップS21で検出した道路の位置に基づいて、2輪車が走行する道路を対象交差点に向かって走行する、2輪車とは異なる車両(他車両)を検出する(S23)。なお、他車両検出部14は、物体検出装置1(センサ)の検出結果を基に他車両を検出するのであり、物体検出装置1(センサ)が他車両を検出すると言ってもよい。
【0041】
以下、車線、2輪車、他車両及び歩行者に関する判定は、検出統合部2aと物体追跡部2bと挙動判定部11による検出結果、自車画位置及び地図情報に基づいて実行される。
【0042】
まず、進路予測部15が、他車両が2輪車を追従しているか否かを判定する(S25)。つまり、他車両が2輪車の後方又は斜め後方を走行しているか否かを判定する(S25)。他車両が2輪車を追い越した場合は、他車両が2輪車の後方又は斜め後方を走行していないので、他車両が2輪車を追従していないと判定する(S25:NO)。
【0043】
例えば、2輪車の速度と他車両の速度が同程度であり、2輪車と他車両の距離がほぼ一定の場合は、他車両が2輪車を追従していると判定する。2輪車の速度より他車両の速度が速い場合は、判定のタイミングを遅くし、2輪車と他車両の距離がほぼ一定となった場合は、他車両が2輪車を追従していると判定するのが好ましい。
【0044】
他車両が2輪車を追従している場合は(S25:YES)、尤度v2を高め(S27)、処理を終了する。つまり、ステップS27では、他車両は対象交差点を2輪車の方向に曲がると予測する。車両が右側通行の場合、他車両は対象交差点を右折すると予測する(S27)。
【0045】
進路予測部15は、他車両が2輪車を追従していない場合は(S25:NO)、すなわち、他車両が2輪車を追い越した場合は、2輪車から対象交差点までの距離(以下、距離dという)を測定する(S29)。
【0046】
次に、進路予測部15は、距離dが所定の閾値dth(例えば、30m~50m程度に予め設定される)以下か否かを判定する(S31)。
進路予測部15は、距離dが閾値dthより長い場合は(S31:NO)、他車両が2輪車を加速しながら追い越したか否かを判定する(S33)。他車両が2輪車を加速しながら追い越した場合は(S33:YES)、ステップS27に進む。
【0047】
進路予測部15は、距離dが閾値dth以下の場合(S31:YES)、又は、他車両が2輪車を加速しながら追い越していない場合は(S33:NO)、尤度v2を低下させ(S35)、ステップS37に進む。ステップS35では、他車両は対象交差点を直進する又は2輪車の方向の反対方向に曲がる可能性が高いと予測する。
【0048】
例えば、他車両が2輪車を一定の速度で追い越した場合は(S33:NO)、尤度v2を低下させる(S35)。なお、一定の速度は、厳密でなくてよく、速度が所定の誤差の範囲内であれば、一定の速度と判断してよい。
【0049】
なお、他車両が2輪車を加速しながら追い越した場合は(S33:YES)、2輪車と他車両が走行する車線に2輪車専用レーンが有るか否かを判定し、2輪車専用レーンが無い場合はステップS27に進み、有る場合はステップS35に進んでもよい。
【0050】
ステップS37以降は、他車両が走行する車線(以下、走行車線という)に対向する車線(以下、対向車線という)を自車両が対象交差点に向かって走行していることを前提とする。
ステップS37では、進路予測部15は、自車両の方向指示器の状態を取得し、取得した状態に基づいて、自車両が、他車両の走行車線を跨がないで曲がる方向の方向指示を行っているか否かを判定する(S37)。
【0051】
進路予測部15は、自車両が、他車両の走行車線を跨いで曲がる方向の方向指示を行っている場合(S37:NO)、又は、自車両が方向指示を行っていない場合は(S37:NO)、他車両が対向車線を跨いで対象交差点を曲がった後に走行する車線を横切る横断歩道などに歩行者がいるか否かを判定する(S39)。歩行者がいない場合は(S39:NO)、処理を終える。
【0052】
進路予測部15は、自車両が走行車線を跨がないで曲がる方向の方向指示を行っている場合(S37:YES)、又は、歩行者がいる場合は(S39:YES)、他車両が減速したか否かを判定する(S41)。
【0053】
進路予測部15は、他車両が減速した場合(S41:YES)、尤度v3を高め(S43)、処理を終える。つまり、ステップS43では、他車両は対象交差点を2輪車の方向の反対方向に曲がると予測する。車両が右側通行の場合、他車両は対象交差点を左折すると予測する(S43)。
【0054】
一方、他車両が減速していない場合(S41:NO)、尤度v1を高め(S45)、処理を終える。つまり、ステップS45では、他車画は対象交差点を直進すると予測する。
【0055】
具体的に交差点と車両を図示しながら、実施形態の作用効果を説明する。
図4A以降の図において、車両が右側通行であり、Kが対象交差点、Sが自車両、Aが他車両、Bが2輪車とする。
【0056】
図4Aに示すように、2輪車Bは、片側1車線の道路のうち、対象交差点Kに向かう走行車線の路肩寄り(右寄り)を走行している。2輪車Bは、路肩を走行することもある。すなわち、2輪車Bは、この走行車線の中央よりも路肩寄りを走行している。仮にこの道路が一方通行の道路であっても、多くの場合、2輪車Bは路肩寄りを走行する。すなわち、2輪車は道路の中央よりも路肩寄り(右寄り)を走行する。
図4B以降でも2輪車Bは右寄りを走行する。
【0057】
このような2輪車Bを他車両Aが追従している場合、他車両Aは対象交差点Kを右折すると予測する。つまり、2輪車Bが対象交差点Kを直進し(又は右折し)、その後、他車両Aが対象交差点Kを右折すると予測する。
【0058】
仮にこの予測を行わない場合の車両の動作について説明する。例えば、自車両Sが右折を予定し、他車両Aがまだ方向指示を行っていない場合、他車両Aが左折する可能性があるので、自車両Sは対象交差点Kの手前で一旦停止しなければならない。
【0059】
そこで、実施形態では、他車両Aが2輪車Bに追従している場合は、他車両Aが右折すると予測する。
他車両Aが右折するので、右折後は、2輪車Bの進路に基づいて、自車両の走行を支援するのが好ましい。実施形態では、他車両Aが2輪車Bに追従し、他車両Aが右折すると予測した時点で、すなわち早期に2輪車Bの進路を予測する。そして、予測した2輪車Bの進路に基づいて自車両Sの走行を支援する。
【0060】
例えば、2輪車Bが直進すると予測し、自車両Sが左折を予定している場合は、2輪車Bを対象として、2輪車Bに注意しながら2輪車Bの前を通過し、対象交差点Kを左折するなどの安全措置を講じることができる。
【0061】
さらに、他車両Aが右折すると予測するので、例えば、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く他車両Aが右折すると予測できる。よって、右折を予定している自車両Sは対象交差点Kの手前で減速や一旦停止しなくてよく、スムーズな走行が可能となる。
【0062】
図4Aとは異なり、
図4Bに示すように他車両Aが2輪車Bに追従していない場合、つまり、2輪車Bを追い越した場合は、他車両Aが直進する可能性も、右折する可能性も、左折する可能性もある。
【0063】
図4Cに示すように、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを一定の速度で追い越した場合は、他車両Aは直進又は左折すると予測する。すなわち、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く、他車両Aが右折しないと予測できる。
【0064】
これにより、自車両Sが右折を予定している場合、自車両Sは、他車両Aが先に左折しそうな場合は、早めに減速したり、対象交差点Kの手前で一旦停止したり、他車両Aが左折してから対象交差点Kを右折するなどの安全措置を講じることができる。
【0065】
また、
図4Dに示すように、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しながら追い越した場合であっても、2輪車Bと他車両Aが走行する道路に2輪車専用レーンrがある場合は、他車両Aは直進又は左折すると予測する。すなわち、右折しないと予測する。なぜなら、他車両Aが右折すると、2輪車専用レーンrを横切り、2輪車Bの前を塞ぐことになるからである。すなわち、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く、他車両Aが右折しないと予測できる。これにより、自車両Sは、
図4Cの場合と同様に安全措置を講じることができる。
【0066】
一方、
図4Eに示すように、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しながら追い越し、2輪車Bと他車両Aが走行する道路に2輪車専用レーンがない場合は、他車両Aは右折すると予測する。なぜなら、例えば、対象交差点Kの信号機が変わるまでに、他車両Aが対象交差点Kを右折したいと考えられるからである。2輪車専用レーンの有無を考慮しない場合も同様である。すなわち、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く、他車両Aが右折すると予測できる。
【0067】
他車両Aが右折するので、
図4Aと同様に、右折後は、2輪車Bの進路に基づいて、自車両の走行を支援するのが好ましい。そこで、実施形態では、距離dが閾値dthより長く、他車両Aが2輪車Bを加速しながら追い越し、道路に2輪車専用レーンがなく、他車両Aが右折すると予測した時点で、すなわち早期に2輪車Bの進路を予測する。そして、予測した2輪車Bの進路に基づいて自車両Sの走行を支援する。
【0068】
例えば、2輪車Bが直進すると予測し、自車両Sが左折を予定している場合は、2輪車Bを対象として、2輪車Bに注意しながら対象交差点Kを左折するなどの安全措置を講じることができる。
さらに、他車両Aが右折すると予測するので、右折を予定している自車両Sは対象交差点Kの手前で一旦停止しなくてよく、スムーズな走行が可能となる。また、自車両Sが直進を予定している場合は、減速せずに対象交差点Kを通過できる。
【0069】
図5Aに示すように、2輪車Bから対象交差点Kまでの距離dが閾値dth以下の場合は、他車両Aが右折する可能性が極めて低く、実質的には直進する可能性と、左折する可能性とがある。
【0070】
図5Bに示すように、自車両Sが右折の方向指示を行い、他車両Aが減速した場合は、他車両Aが左折すると予測する。なぜなら、交差点では左折より右折が優先することや、自車両Sが右折の方向指示を行っていることなどが理由で他車両Aが減速したと考えられるからである。
【0071】
図5Cに示すように、他車両Aが仮に左折した後に走行する道路R2を横切る横断歩道Pなどに歩行者Hがいて、他車両Aが減速した場合は、他車両Aが左折すると予測する。
【0072】
また、上記のような他車両の進路予測は、自車両Sが他車両の対向車両でない場合に実行してもよい。
図6Aに示す対象交差点Kには信号機がないとする。自車両Sは、他車両Aが仮に左折した場合、左折後に走行する道路R2を対象交差点Kに向かって走行している。自車両Sの進路予測部15は、他車両Aが2輪車Bに追従しているので、他車両Aは対象交差点Kを右折すると予測する。
【0073】
他車両Aが右折するので、
図4Aと同様に、右折後は、2輪車Bの進路に基づいて、自車両の走行を支援するのが好ましい。そこで、実施形態では、他車両Aが2輪車Bに追従し、他車両Aが右折すると予測した時点で、すなわち早期に2輪車Bの進路を予測する。そして、予測した2輪車Bの進路に基づいて自車両Sの走行を支援する。
【0074】
例えば、2輪車Bが直進すると予測し、自車両Sが直進又は左折を予定している場合は、2輪車Bを対象として、2輪車Bに注意しながら対象交差点Kを直進又は左折するなどの安全措置を講じることができる。
【0075】
また、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く、他車両Aが右折すると予測できる。
これにより、左折を予定している自車両Sは対象交差点Kの手前で一旦停止しなくてよく、特に左折後は2輪車Bだけに注意すればよく、スムーズな走行が可能となる。
【0076】
図6Aにおいて、他車両Aの方向指示に基づいて他車両Aの進路を予測する場合、予測のタイミングが遅くなるので、自車両Sはそれまでに減速が必要となることがある。そして、他車両Aが例えば右折の方向指示を行ったタイミングで、減速を中止し、対象交差点Kを左折することができる。
【0077】
図6Bに示すように、自車両Sは他車両Aの後方を対象交差点Kに向かって走行している。自車両Sの進路予測部15は、他車両Aが2輪車Bに追従しているので、他車両Aは対象交差点Kを右折すると予測する。
【0078】
他車両Aが右折するので、
図4Aと同様に、右折後は、2輪車Bの進路に基づいて、自車両の走行を支援するのが好ましい。そこで、実施形態では、他車両Aが2輪車Bに追従し、他車両Aが右折すると予測した時点で、すなわち早期に2輪車Bの進路を予測する。そして、予測した2輪車Bの進路に基づいて自車両Sの走行を支援する。
【0079】
例えば、2輪車Bが直進すると予測し、自車両Sが直進又は右折を予定している場合は、2輪車Bを対象として、2輪車Bに注意しながら対象交差点Kを直進又は右折するなどの安全措置を講じることができる。
さらに、他車両Aが方向指示を行うタイミングより早く、他車両Aが右折すると予測できる。よって、例えば、他車両Aが右折する際に減速すると予測し、自車両Sと他車両Aの車間距離を広くすることができる。
【0080】
以上のように、実施形態では、交差点(対象交差点)に向かって道路を走行する他車両と他車両とは異なる周囲物体(2輪車など)について予測した進路(予測進路という)に基づいて自車両の走行を支援する(S13)。また、実施形態では、道路を交差点に向かって走行する周囲物体を検出する(S21)。そして、他車両が周囲物体を追従している場合は(S25:YES)、他車両の予測進路の代わりに、周囲物体について予測した進路(予測進路という)に基づいて、自車両の走行を支援する(S13)。
【0081】
よって、他車両については、方向指示が行われる前にすなわちより早期に進路を予測でき、周囲物体については、他車両が周囲物体を追従している時点ですなわちより早期に進路を予測できる。その結果、より早期に周囲物体と他車両の進路を予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【0082】
また、他車両が周囲物体を追従していない場合は(S25:NO)、他車両が交差点を周囲物体の方向(周囲物体側)に曲がらないと予測する(S35、S43、S45)。よって、他車両が交差点を周囲物体側に曲がらないことを早期に予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【0083】
また、周囲物体から対象交差点までの距離が所定の閾値より長く(S31:NO)、すなわち距離が閾値より長い区間で、他車両が一定の速度で周囲物体を追い越した場合は(S33:NO)、他車両が交差点を周囲物体の方向(周囲物体側)に曲がらないと予測する(S43、S45)。よって、他車両が交差点を周囲物体側に曲がらないことを早期に予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【0084】
また、周囲物体から対象交差点までの距離が所定の閾値より長く(S31:NO)、すなわち距離が閾値より長い区間で、他車両が加速しながら周囲物体を追い越した場合は(S33:YES)、他車両が交差点を周囲物体の方向(周囲物体側)に曲がると予測する(S27)。よって、他車両が交差点を周囲物体側に曲がることを早期に予測でき、予測した進路に基づいて自車両の走行を支援できる。
【0085】
なお、本実施の形態では、自車両(S)に車両走行支援装置を搭載した。しかし、自車両に通信可能なサーバ装置又は自車両でない車両に車両走行支援装置を搭載し、必要な情報と指示はサーバ装置又は車両走行支援装置を搭載した車両と自車両の間の通信により送受信することで、同様の車両走行支援方法を遠隔的に行ってもよい。サーバ装置と自車両の間の通信は無線通信又は路車間通信により実行可能である。車両走行支援装置を搭載した車両と自車両の間の通信は所謂車車間通信により実行可能である。
【0086】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0087】
上述の各実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路により実装され得る。処理回路は、電気回路を含む処理装置等のプログラムされた処理装置を含む。処理装置は、また、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。
【符号の説明】
【0088】
1 物体検出装置
2a 検出統合部
2b 物体追跡部
3 自車位置推定装置
4 地図取得装置
5 地図内位置演算部
10 動作予測部
11 挙動判定部
12 交差点判定部
13 2輪車検出部
14 他車両検出部
15 進路予測部
21 自車経路生成部
22 車両制御部
A 他車両
B 2輪車(周囲物体)
S 自車両
v1、v2、v3 尤度