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特許7167989車両乗員位置に基づく車両機能のアクティブ化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】車両乗員位置に基づく車両機能のアクティブ化
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/037 20060101AFI20221101BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221101BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221101BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20221101BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221101BHJP
   G07C 9/29 20200101ALI20221101BHJP
   G07C 9/28 20200101ALI20221101BHJP
【FI】
B60R16/037
H04Q9/00 301B
H04W84/10 110
H04W64/00 130
H04W64/00 110
H04W64/00 140
B60R16/02 660B
G07C9/29
G07C9/28
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020540821
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2019012990
(87)【国際公開番号】W WO2019189253
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-07-24
(31)【優先権主張番号】62/648,981
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/359,066
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500164385
【氏名又は名称】デンソー インターナショナル アメリカ インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】ゴルシュ カイル
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-248045(JP,A)
【文献】特開2014-196055(JP,A)
【文献】特開2016-215817(JP,A)
【文献】特開2016-120865(JP,A)
【文献】特開2016-220401(JP,A)
【文献】特開2017-118474(JP,A)
【文献】特表2016-528082(JP,A)
【文献】特開2009-234465(JP,A)
【文献】特開2015-075951(JP,A)
【文献】特開2007-303167(JP,A)
【文献】国際公開第2014/006745(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/037
H04Q 9/00
H04W 84/10
H04W 64/00
B60R 16/02
G07C 9/29
G07C 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(30)の制御モジュール(20)の通信ゲートウェイ(29)と、
通信ゲートウェイは、複数のユーザデバイス(10)と無線通信接続を確立可能に構成され、
ーザデバイスが通信ゲートウェイに接続されることに応じて、制御モジュールへ無線通信接続に関する信号情報を通信するように構成される複数のセンサ(31)と、
信号情報は、無線通信接続の特性を示し、制御モジュールは、非一時的メモリに保存された命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、制御モジュールは、(i)信号情報に基づいてユーザデバイスの位置を決定し、さらに、ユーザデバイ スが車両に向かって移動する際の軌跡を決定し、(ii)信号情報に基づいて複数のエントリを生成可能に構成され、複数のエントリの各エントリは、複数のユーザデバイスの各々に対応し、複数のエントリの各エントリは、複数のドアセンサ(37)からの信号情報 をさらに含み、複数のドアセンサからの信号情報は、複数のユーザデバイスの各々の進入 のドアを示し、
制御モジュールは、ユーザデバイスが車両に向かって移動する際の軌跡とエントリに含 まれる複数のドアセンサからの信号情報に基づいて、ユーザが通過したドア及び着席した シート位置を判別し、
制御モジュールの少なくとも1つのプロセッサによって実現されるユーザ設定アクティブ化モジュール(34)と、を備え、
ユーザ設定アクティブ化モジュールは、(i)生成されたエントリに対応するユーザプロファイルを決定し、(ii)ユーザプロファイルに基づいて、ユーザが着席したシート 位置に応じて少なくとも1つの車両機能をアクティブ化するように構成されるシステム。
【請求項10】
ユーザ設定アクティブ化モジュールは、車両が移動を開始した後に、ユーザプロファイ ルに基づいて少なくとも1つの車両機能をアクティブ化する請求項1乃至9のいずれか1 項に記載のシステム。
【請求項11】
エントリは、開かれたドアが閉じられた後に生成され、同じドアが開かれた場合、その ドアが閉じられたことに応じて、再度、エントリが生成される、請求項1乃至10のいず れか1項に記載のシステム。
【請求項12】
エントリは、ドアが閉じられており、かつ、ユーザデバイスが車両内に位置している場 合に生成される請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
車両(30)の制御モジュール(20)の通信ゲートウェイ(29)を使用してユーザデバイス(10)と無線通信接続を確立すること、
制御モジュールは、非一時的なメモリに保存された命令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含み、
ーザデバイスが通信ゲートウェイに接続されることに応じて、複数のセンサ(31)を使用して、制御モジュールへ無線通信接続に関する信号情報を通信すること、
信号情報は、無線通信接続の特性を示し、
制御モジュールを使用して、信号情報に基づいてユーザデバイスのユーザの位置を決定し、さらに、ユーザデバイスが車両に向かって移動する際の軌跡を決定すること、
制御モジュールを使用して、信号情報に基づいてエントリを生成すること、
複数のエントリが生成された場合、各エントリは、複数のユーザデバイスの各々に対応し、複数のエントリの各エントリは、複数のドアセンサ(37)からの信号情報をさらに 含み、複数のドアセンサからの信号情報は、複数のユーザデバイスの各々の進入のドアを 示し、
制御モジュールを使用して、ユーザデバイスが車両に向かって移動する際の軌跡とエン トリに含まれる複数のドアセンサからの信号情報に基づいて、ユーザが通過したドア及び 着席したシート位置を判別すること、
制御モジュールの少なくとも1つのプロセッサによって実現されるユーザ設定アクティブ化モジュール(34)を使用して、生成されたエントリに対応するユーザプロファイルを決定すること、
ユーザ設定アクティブ化モジュールを使用して、ユーザプロファイルに基づいて、ユー ザが着席したシート位置に応じて少なくとも1つの車両機能をアクティブ化すること、を備える方法。
【請求項18】
無線通信接続は、ブルートゥースローエナジー(BLE)通信接続である、請求項13 乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
信号情報は、無線通信接続の各々の受信信号強度(RSSI)を含む、請求項13乃至 19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することは、車両が移動を開始した後に、実 行される、請求項13乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
エントリは、開かれたドアが閉じられた後に生成され、同じドアが開かれた場合、その ドアが閉じられたことに応じて、再度、エントリが生成される、請求項13乃至22のい ずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
エントリは、ドアが閉じられており、かつ、ユーザデバイスが車両内に位置している場 合に生成される請求項13乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年3月28日に出願された米国仮出願番号62/648981と、2019年3月20日に出願された米国特許出願番号16/359066に基づくものである。上記の出願の全ての内容は、参照によって本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、車両の乗員の数、および、車両内の乗員の位置に基づいて、車両機能をアクティブ化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この欄は、必ずしも公知技術に該当しない、本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
従来、キーレスエントリシステムを含む車両システムである、パッシブエントリ/パッシブスタート(PEPS)システムは、事前に車両の中央PEPS電子制御装置(ECU)とペアリングされたキーフォブの所有者が、単にドアハンドルを掴むことによって車両へアクセスすること、および、ボタンをプッシュすることで車両を始動することを可能にする。ボタンプッシュに応答して、中央PEPS ECUは、キーフォブが車両にアクセスする権限を与えられているかどうかを判定してキーフォブを認証し、複数の車両アンテナによって示される信号強度を使用して、キーフォブの位置を推定する。キーフォブが認証され、認可しているゾーン内に位置する場合、特定の車両の機能がユーザに利用可能にされる(例えば、ドアがアンロックされ、または、車両が始動される)。
【0005】
従来のPEPSシステムは、約125kHzの低周波(LF)信号を使う独自グレードの無線プロトコルを使用する。また、従来のPEPSシステムは、LFシステムの物理的性質によって拘束される。電波伝播が、2メートルの典型的な目標起動範囲内の信号強度を使用することによって、範囲および位置の比較的正確な推定を可能にするため、LFは、初期のPEPSシステムにおいて選択された。しかしながら、実用的な車両アンテナおよびキーフォブ受信機のサイズに比べて、LF信号の非常に長い波長のために、妥当な電力消費および安全な送信電力レベル内では、LFを使うキーフォブと、数メートルを超えて確実に通信することは困難である。したがって、キーフォブが車両から数メートル以上離れている場合、いずれの車両機能も、ユーザに利用できるようにすることは困難である。
【0006】
さらに、特定の車両機能をアクティブ化するために、ユーザがスマートフォンなどのスマートデバイスおよびウェアラブルデバイスなどの他のデバイスを使用できるようにすることが望ましい。一例として、ユーザデバイスのユーザに関連付けられたユーザプロファイルに基づいて、特定の車両機能をアクティブ化することが望ましく、車両機能は、例えば、ユーザが車両の運転者として特定されたときにミラー位置を設定すること、ユーザが車両の運転者として特定されたときにステアリングホイール位置を調整すること、ユーザのシート位置を調整すること、環境制御設定を変更すること、および、メディアおよび/またはオーディオ設定を調整することを含むことができる。各車両メーカおよびPEPSシステムのサプライヤは、スマートフォンなどのユビキタスデバイスによって使用されない無線周波数を使用する独自のクローズドシステムを伝統的に実装するので、このようなシステムおよび利点は、従来のPEPSシステムでは達成不可能である。
【発明の概要】
【0007】
この欄は、開示の概要を提供するが、その全範囲またはその全特徴の包括的な開示ではない。
【0008】
本開示は、車両の制御モジュールの通信ゲートウェイを含むシステムを提供し、通信ゲートウェイは、複数のユーザデバイスと無線通信接続を確立可能に構成される。システムは、ユーザデバイスが通信ゲートウェイに接続されることに応じて、制御モジュールへ無線通信接続に関する信号情報を通信するように構成された複数のセンサを含む。信号情報は、無線通信接続の特性を示す。制御モジュールは、非一時的メモリに保存された命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、制御モジュールは、(i)信号情報に基づいてユーザデバイスの位置を決定し、さらに、ユーザデバイスが車両に 向かって移動する際の軌跡を決定し、(ii)信号情報に基づいて複数のエントリを生成可能に構成される。複数のエントリの各エントリは、複数のユーザデバイスの各々に対応する。複数のエントリの各エントリは、複数のドアセンサからの信号情報をさらに含み、 複数のドアセンサからの信号情報は、複数のユーザデバイスの各々の進入のドアを示す。 制御モジュールは、ユーザデバイスが車両に向かって移動する際の軌跡とエントリに含ま れる複数のドアセンサからの信号情報に基づいて、ユーザが通過したドア及び着席したシ ート位置を判別する。システムは、制御モジュールの少なくとも1つのプロセッサによって実現されるユーザ設定アクティブ化モジュールを含む。ユーザ設定アクティブ化モジュールは、(i)生成されたエントリに対応するユーザプロファイルを決定し、(ii)ユーザプロファイルに基づいて、ユーザが着席したシート位置に応じて少なくとも1つの車両機能をアクティブ化するように構成される。
【0010】
いくつかの構成では、複数のエントリの各エントリは、複数のユーザデバイスの各々と関連付けられた識別情報をさらに含む。
【0011】
いくつかの構成では、各ユーザの位置は、車両の運転席側のフロントシート、車両の助手席側のフロントシート、および車両のリヤシート列の1つである。
【0012】
いくつかの構成では、リヤシート列は、運転席側リヤシート、助手席側リヤシート、および中央リヤシートの少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの構成では、車両の運転者に関連付けられる、ユーザプロファイル中の第1のユーザプロファイルに応じて、少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することは、車両のミラーを調整すること、車両のステアリングホイールを調整すること、車両に速度制限を適用すること、車両にゾーン制限を適用すること、および車両に加速制限を適用すること、の少なくとも1つを含む。
【0014】
いくつかの構成では、無線通信接続はブルートゥースローエナジー(BLE)通信接続である。
【0015】
いくつかの構成では、少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することには、(i)シート位置、(ii)シート高、(iii)車両の環境状態、(iv)メディア設定、および(v)オーディオ設定の調整の少なくとも1つが含まれる。
【0016】
いくつかの構成では、信号情報は、無線通信接続の各々の受信信号強度(RSSI)を含む。
【0017】
いくつかの構成では、信号情報は、無線通信接続の各々の到着時間差、無線通信接続の各々の到着時間、無線通信接続の各々の到着角度、および無線通信接続の各々の往復飛行時間の少なくとも1つを含む。
【0018】
さらに、本開示は、車両の制御モジュールの通信ゲートウェイを使用して、ユーザデバイスと無線通信接続を確立することを含む方法を提供し、制御モジュールは、非一時的なメモリに保存された命令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む。方法は、ユーザデバイスが通信ゲートウェイに接続されることに応じて、複数のセンサを使用して、制御モジュールへ無線通信接続に関する信号情報を通信することをさらに含む。信号情報は、無線通信接続の特性を示す。この方法は、制御モジュールを使用して、信号情報に基づいてユーザデバイスのユーザの位置を決定し、さらに、ユーザデバイスが 車両に向かって移動する際の軌跡を決定するすることをさらに含む。この方法は、制御モジュールを使用して、信号情報に基づいてエントリを生成することを含み、複数のエントリが生成された場合、各エントリは、複数のユーザデバイスの各々に対応する。複数のエ ントリの各エントリは、複数のドアセンサからの信号情報をさらに含み、複数のドアセン サからの信号情報は、複数のユーザデバイスの各々の進入のドアを示す。この方法は、制 御モジュールを使用して、ユーザデバイスが車両に向かって移動する際の軌跡とエントリ に含まれる複数のドアセンサからの信号情報に基づいて、ユーザが通過したドア及び着席 したシート位置を判別することを含む。この方法は、制御モジュールの少なくとも1つのプロセッサによって実現されるユーザ設定アクティブ化モジュールを使用して、生成され エントリに対応するユーザプロファイルを決定することを含む。この方法は、ユーザ設定アクティブ化モジュールを使用して、ユーザプロファイルに基づいて、ユーザが着席し たシート位置に応じて少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することをさらに含む。
【0020】
いくつかの構成では、複数のエントリの各エントリは、複数のユーザデバイスの各々に関連付けられた識別情報をさらに含む。
【0021】
いくつかの構成では、各ユーザの位置は、車両の運転席側のフロントシート、車両の助手席側のフロントシート、および車両のリヤシート列のうちの1つである。
【0022】
いくつかの構成では、リヤシート列は、運転席側リヤシート、助手席側リヤシート、および中央リヤシートの少なくとも1つを含む。
【0023】
いくつかの構成では、車両の運転者に関連付けられる、ユーザプロファイル中の第1のユーザプロファイルに応じて、方法は、車両のミラーを調整すること、車両のステアリングホイールを調整すること、車両に速度制限を適用すること、車両にゾーン制限を適用すること、および車両に加速制限を適用すること、の少なくとも1つを含む、少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することを含む。
【0024】
いくつかの構成では、少なくとも1つの車両機能をアクティブ化することには、(i)車両の速度制限、(ii)車両のゾーン制限、および(iii)車両の加速制限の適用の少なくとも1つが含まれる。
【0025】
いくつかの構成では、無線通信接続は、ブルートゥースローエナジー(BLE)通信接続である。
【0026】
いくつかの構成では、信号情報は、無線通信接続の各々の受信信号強度(RSSI)を含む。
【0027】
いくつかの構成では、信号情報は、無線通信接続の各々の到着時間差、無線通信接続の各々の到着時間、無線通信接続の各々の到着角度、および無線通信接続の各々の往復飛行時間の少なくとも1つを含む。
【0028】
さらなる適用可能範囲は、本明細書の説明から明らかとなろう。本概要の説明および具体例は例示の目的だけを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態を図示する目的のためだけのものであり、全ての可能な実施例ではなく、また、本開示の範囲を限定することを意図するものでもない。
図1図1は、本開示によるPEPSシステムを備えた対象車両を示す。
図2図2は、本開示によるPEPSシステムのブロック図を示す。
図3図3は、本開示によるPEPSシステムのセンサのブロック図を示す。
図4図4は、本開示によるPEPSシステムの通信ゲートウェイを示す。
図5図5は、本開示によるPEPSシステムを備えた対象車両を示す。
図6図6は、本開示による、車両の乗員に基づいて車両機能をアクティブ化するための例示的なアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0030】
複数の図面にわたって、対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
例示的な実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0032】
本開示は、例えば、ブルートゥースコンソーシアムの標準仕様に基づくコンシューマグレード無線プロトコルのような、コンシューマグレードのワイヤレスプロトコルを使用する、PEPSシステムのような、位置特定システムを実現するためのシステム、方法、およびアーキテクチャに関する。具体的には、本開示は、車両と、スマートフォンまたはウェアラブルデバイスなどのBLE対応ユーザデバイスとの間の通信のため、ブルートゥースローエナジー(BLE)通信プロトコルを使用するPEPSシステムに関する。具体的には、PEPSシステムは、ユーザデバイスと車両との間の現存する接続を見つけ出し、ユーザデバイスと車両との間の通信のタイミングおよび信号特性を測定するように構成されたセンサネットワークを含む。あるいは、本開示は、ブルートゥースまたはBLEを使用して無線通信接続を確立することを説明するが、本明細書で説明するシステムおよび方法は、Wi-Fi、Wi-Fiダイレクト、超広帯域(UWB)通信、および/またはインパルス無線(IR)UWB通信などの他の無線通信プロトコルで使用され得る。
【0033】
さらに、PEPSシステムは、センサネットワークによって測定された受信信号強度を収集する中央モジュールも含み、受信信号強度に基づいて、中央モジュールは、対応するユーザデバイスのユーザが車両に入ったかどうかを判定することができる。さらに、中央モジュールは、複数のドアセンサに基づいて、対応するユーザデバイスのユーザがいつどのドアを介して車両に入ったかを判定するように構成されている。その後、PEPSシステムは、車両内の対応するユーザデバイスのユーザに関連付けられたユーザプロファイル、対応するユーザの数、および/または対応するユーザに関連付けられた進入時間に基づいて、特定の車両機能をアクティブ化することができる。
【0034】
図1および図2を参照すると、位置特定システムとも言及され得るPEPSシステム1は、車両30内に設けられ、通信ゲートウェイ29、まとめてセンサ31と呼ばれる、複数のセンサ31A~31H、および、まとめてドアセンサ37と呼ばれる、複数のドアセンサ37A~37Dを含む。PEPSシステム1は、車両30全体に分散され、例えば、車両インターフェース45を介して互いに通信することができる1つ以上の制御モジュール20を含む。さらに、いくつかのモジュールは、単一の電子制御ユニット(ECU)に統合されてもよく、または車両インターフェース45を使用して互いに通信することができる。車両インターフェース45は、例えば、メインモジュール間の通信のためのコントローラエリアネットワーク(CAN)バス、および/または、センサ31および/またはドアセンサ37間の通信のためのローカル相互接続ネットワーク(LIN)などのより低いデータレート通信を含むことができる。車両インターフェース45はまた、クロック拡張周辺インターフェース(CXPI)バスを含むことができる。追加的または代替的に、車両インターフェース45は、CANバス、LIN、およびCXPIバス通信インターフェースの組み合わせを含むことができる。センサ31の構造は、図3を参照して以下でさらに詳細に論じられる。ドアセンサ37の運用性は、図5を参照して以下でさらに詳細に論じられる。
【0035】
制御モジュール20は、例えば、アンテナ19に接続されたBLEチップセット21を含む通信ゲートウェイ29を含むことができる。図2に示すように、アンテナ19は、車両30内に配置されてもよい。あるいは、アンテナ19は、車両30の外部、または制御モジュール20内に配置されてもよい。制御モジュール20は、通信リンク50を介した通信のためにユーザデバイス10を認証するリンク認証モジュール22も含むことができる。制御モジュール20は、プッシュデータのためのデータ管理層23も含むことができる。制御モジュール20は、接続情報配信モジュール24も含むことができる。制御モジュール20は、タイミング制御モジュール25も含むことができる。制御モジュール20は、全地球測位システム(GPS)モジュールおよび/または他のナビゲーションまたはロケーションモジュールなどのテレマティクスモジュール26も含むことができる。制御モジュール20は、PEPSモジュール27も含むことができる。制御モジュール20は、ボディ制御モジュール28も含むことができる。制御モジュール20は、センサ処理および位置特定モジュール32も含むことができる。制御モジュール20は、セキュリティフィルタリングモジュール33も含むこともできる。
【0036】
制御モジュール20は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34、ユーザプロファイルデータベース35、およびエントリデータベース36を含むことができ、これらのそれぞれは、図5図6を参照して以下でさらに詳細に説明される。制御モジュール20は、読み取り専用メモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)などの非一時的メモリに格納された命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサも含むことができる。さらに、ユーザプロファイルデータベース35およびエントリデータベース36は、非一時的メモリによって実現され得る。
【0037】
図1および図2に示すように、ユーザデバイス10は、通信リンク50を介して車両30の通信ゲートウェイ29と通信することができる。限定するものではないが、ユーザデバイス10は、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブル電子デバイス、キーフォブ、タブレットデバイス、または車両30の所有者、運転者、乗員、および/または車両30の整備士などの車両30のユーザと関連付けられた他のデバイスなど、任意のブルートゥース対応通信デバイスとすることができる。上記のように、Wi-Fi、Wi-Fiダイレクト、UWB、および/またはIRUWBなどの他のワイヤレス通信プロトコルを、ブルートゥースまたはBLEの代わりに使用できる。ユーザデバイス10は、アンテナ13に接続されたBLEチップセット11を含むことができる。ユーザデバイス10は、読み取り専用メモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ読み取り可能な記憶モジュールまたはデバイスに保存されたアプリケーションソフトウェア12も含むことができる。さらに、アプリケーションソフトウェア12は、ユーザデバイス10のプロセッサによって実行可能な命令を含む。ユーザデバイス10は、GPSモジュール14または他のデバイスロケーションサービスも含むことができる。
【0038】
ユーザデバイス10および通信ゲートウェイ29は、ブルートゥース仕様により提供され、かつ定義される、ブルートゥース通信リンクを使用して通信リンク50を確立することができる。例えば、ユーザデバイス10と通信ゲートウェイ29との間の通信リンク50は、BLE通信リンクであり得る。あるいは、上記のように、Wi-Fi、Wi-Fiダイレクト、UWB、および/またはIRUWB通信リンクがBLE通信リンクの代わりに使用されてもよい。
【0039】
PEPSシステム1は、ユーザデバイスとの通信リンク50の追加の認証を提供するように構成され得る。例えば、通信ゲートウェイ29は、リンク認証モジュール22と通信して、ユーザデバイス10を認証し、通信リンク50を確立することができる。例えば、リンク認証モジュール22は、チャレンジレスポンス認証を実行するように構成することができる。その場合、通信ゲートウェイ29とユーザデバイス10との間の通信に関するタイミング情報は、後述するように、車両インターフェース45を介してセンサ31と通信するタイミング制御モジュール25に送信される。さらに、通信ゲートウェイ29は、通信チャネルおよびチャネル切替パラメータに関する情報を接続情報配信モジュール24に通信することができる。接続情報配信モジュール24は、車両インターフェース45を使用してセンサ31の各々と通信し、センサ31がいったん通信ゲートウェイ29と同期されると、センサ31が通信リンク50を探し出して追跡するために必要な通信情報をセンサ31に提供するように構成される。
【0040】
図1および図2は、8個のセンサ31A~31Hを備えたPEPSシステム1を示しているが、任意の数のセンサを使用することができる。例えば、PEPSシステムは、6、7、9、10、11、またはそれ以上のセンサを含むことができる。このように、本開示は8個のセンサを利用する例を提供するが、本開示に従って追加のまたはより少ないセンサを使用することができる。
【0041】
図3を参照すると、センサ31の各々は、アンテナ43に接続されたBLEチップセット41を含む。図3に示すように、アンテナ43は、センサ31の内部に配置されてもよい。あるいは、アンテナ43は、センサ31の外部に配置されてもよい。センサ31は、アンテナ43を使用してBLE信号を受信し、具体的には、BLE物理層(Physical layer:PHY)コントローラ46を使用してBLE物理層メッセージを受信する。センサ31は、BLE物理層メッセージを観察し、チャネルマップ再構築モジュール42によって生成されるチャネルマップを使用して、例えば受信信号強度(received signal strength:RSSI)を含む、関連信号の物理的特性の測定を行うことができる。追加的にまたは代替的に、センサ31は、例えば到着角度に関連するデータを含む、関連信号の物理的特性の他の測定値を決定することができる。追加的にまたは代替的に、センサ31は、複数のセンサによって受信された信号の、到着時間差、到着時間、または到着角度データを決定するために、相互に通信することができ、および/または、車両インターフェース45を介して通信ゲートウェイ29と通信することができる。追加的にまたは代替的に、センサ31は、ユーザデバイス10と送受信される信号に関する往復飛行時間情報を測定し、決定することができる。センサ31は、車両インターフェース45を介して通信ゲートウェイ29からタイミング情報およびチャネルマップ情報を受信する。タイミング同期モジュール44は、車両インターフェース45でのメッセージの受信時間を正確に測定し、タイミング情報をBLEチップセット41に渡すように構成されている。BLEチップセット41は、チャネルマップ情報およびタイミング信号を取得し、特定の時間に特定のチャネルにPHYコントローラ46を同調させ、例えばブルートゥース仕様バージョン5.0において提案または採用される通常のデータレートを含む、ブルートゥース物理層仕様に準拠する、すべての物理層メッセージおよびデータを観察するように構成される。データ、タイムスタンプおよび測定された信号強度は、BLEチップセット41によって、車両インターフェース45を介して車両30の通信ゲートウェイ29または他の制御モジュール20に報告される。
【0042】
図4を参照すると、通信ゲートウェイ29は、BLE信号を受信するためにアンテナ19に接続されたBLEチップセット41を含む。BLEチップセット41は、例えば、BLE仕様のバージョン5を含むBLE仕様に適合するブルートゥースプロトコルスタック48を実装する。BLEチップセット41は、読み取り専用メモリ(ROM)またはランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ可読媒体に保存されたアプリケーションコードによって実現されるアプリケーション47も含む。さらにアプリケーション47は、BLEチップセット41のプロセッサによって実行可能な命令を含む。アプリケーション47は、データの有効性にかかわらず、BLEチップセット41によって送受信されるタイムスタンプデータを、BLEチップセット41が検査できるようにするために、ブルートゥース仕様外の修正を含んでもよい。例えば、アプリケーション47は、BLEチップセット41が送受信データを期待値と比較できるようにする。通信ゲートウェイ29は、実際の送受信データを、車両インターフェース45を介して車両30の車両システムに送信するように構成される。あるいは、通信ゲートウェイ29は、車両インターフェース45を介してセンサ31の各々からデータを受信するように構成することができる。アプリケーション47は、さらに、センサ31の各々が正しい時刻に正しいデータを受信したことを、BLEチップセット41が確認できるように構成することができる。
【0043】
引き続き図4を参照すると、通信ゲートウェイ29は、例えば、センサ31の各々が、通信ゲートウェイ29によって維持されているユーザデバイス10との接続を見つけ出し、引き続き、その接続を追跡するために必要となる継続中の接続およびタイミング信号に関する情報を提供するようにさらに構成される。ブルートゥースプロトコルスタック48は、チャネルマップ、アクセス識別子、次のチャネル、および次のチャネルへの時間をアプリケーション47へ提供するように構成される。ブルートゥースプロトコルスタック48は、送信イベントおよび受信イベントのタイムスタンプのためのタイミング信号を、アプリケーション47および/またはBLEチップセット41のデジタルPIN出力へ出力するように構成される。通信ゲートウェイ29は、タイミング同期モジュール44も含む。タイミング同期モジュール44は、タイミング信号を受け入れるように構成され、接続情報メッセージおよび他の通信の正確なタイムスタンプを生成するために、車両インターフェース45と連携して動作する。
【0044】
図5を参照すると、PEPSシステム1は、車両30内に設けられ、通信ゲートウェイ29およびセンサ31を含む。上述したように、センサ31は、ユーザデバイス10によって通信リンク50を介して通信ゲートウェイ29に送信されるBLE信号の物理的特性の測定を行うように構成される。センサ31は、例えば、BLE信号のRSSIおよび通信リンク50の到着角度に関連するデータを測定することができる。さらに、センサ31は、BLE信号の到着時間差、到着時間、到着角度、および/または往復飛行時間データを決定するように構成され得る。そして、BLE信号の物理的特性および/またはデータを使用して、通信ゲートウェイ29は、ユーザデバイス10と車両30との間の距離を決定することができる。
【0045】
一例として、通信ゲートウェイ29が通信リンク50を介してユーザデバイス10に接続されたことに応じて、通信ゲートウェイ29は、ユーザデバイス10によって送信されたBLE信号に対応するデータをセンサ31に提供することができる。通信ゲートウェイ29によって提供されるBLE信号に対応するデータが、センサ31によってユーザデバイス10から取得されたBLE信号に対応するデータに一致する(例えば、センサ31によって通信ゲートウェイ29から受信されたBLE通信パケットが、センサ31によってユーザデバイス10から受信されたBLE通信パケットに一致する)ことに応じて、センサ31は、BLE信号のRSSI測定値を生成するように構成される。
【0046】
特定の例として、ユーザデバイス10-1のユーザ60-1が、行路70-1に沿って歩く場合、センサ31Bは、第1の値を持つRSSI測定値を生成し、センサ31Aとセンサ31Cは、第2の値などを持つRSSI測定値を生成することができる。別の例として、ユーザデバイス10-2のユーザ60-2が行路70-2に沿って歩く場合、センサ31Gは第3の値を持つRSSI測定を生成し、センサ31Hとセンサ31Fは第4の値などを持つRSSI測定を生成することができる。さらに、ユーザデバイス10-3のユーザ60-3が行路70-3に沿って歩く場合、センサ31Cは第5の値を持つRSSI測定を生成し、センサ31Dとセンサ31Bは第6の値などを持つRSSI測定を生成することができる。さらに、ユーザデバイス10-4のユーザ60-4が行路70-4に沿って歩く場合、センサ31Fは第7の値を持つRSSI測定値を生成し、センサ31Eとセンサ31Gは第8の値などを持つRSSI測定値を生成することができる。さらに、ユーザデバイス10-5のユーザ60-5が行路70-5に沿って歩く場合、センサ31Fは第9の値を有するRSSI測定を生成し、センサ31Eとセンサ31Gは第10の値などを有するRSSI測定を生成することができる。
【0047】
センサ31は、RSSI測定値を制御モジュール20に提供することができる。制御モジュール20がセンサ31からRSSI測定値を受信することに応じて、制御モジュール20は、センサ31から受信したRSSI測定値に基づいて、ユーザデバイス10の位置、ユーザデバイス10と車両30との間の距離、および/またはユーザデバイスの軌跡を決定することができる。一例として、制御モジュール20は、ユーザが行路70-1に沿って移動したときの、センサ31によって得られた第1の値、第2の値、および任意の他の値に基づいて、ユーザデバイス10-1のユーザは行路70-1上を移動したことを決定することができる。さらに、制御モジュール20は、ユーザが行路70-1に沿って移動したときの、センサ31によって得られた第1の値、第2の値、および任意の他の値に基づき次々に決定されたユーザデバイス10-1の決定位置に基づいて、ユーザデバイス10-1のユーザ60-1が車両の運転席側のドアに向かって移動し、運転席側ドアを通って車両に入り、そして、運転席シートに位置していると判断することができる。同様に、制御モジュール20は、それぞれ、行路70-2、70-3、70-4、70-5上を移動中に制御モジュール20によって受信されたRSSI測定に基づいて、ユーザ60-2、60-3、60-4、60-5の位置および/または軌跡を決定することができる。
【0048】
他の実施形態では、通信ゲートウェイ29は、センサ31からRSSI測定値を受信し、そのセンサ31から受信したRSSI測定値に基づいて、ユーザデバイス10の位置、ユーザデバイス10と車両30との間の距離、および/またはユーザデバイス10の軌跡を決定することができる。
【0049】
制御モジュール20がセンサ31によって生成されたRSSI測定に基づいてユーザデバイス10の位置を決定することに加えて、制御モジュール20は、ドアセンサ37からのセンサデータも使用して、ユーザデバイス10の位置を決定してもよい。一実施形態では、ドアセンサ37は、対応するドアが開いているかどうかを検出するように構成され、ユーザデバイス10のユーザが対応するドアに入ったかどうかを検出または判定するために使用され得る。一例として、ドアセンサ37Aは、ユーザデバイス10のユーザが運転席側の前部ドアを通って入るかどうかを検出するように構成される。ドアセンサ37Bは、ユーザデバイス10のユーザが運転席側の後部ドアを通って入るかどうかを検出するように構成される。ドアセンサ37Cは、ユーザデバイス10のユーザが助手席側の前部ドアを通って入るかどうかを検出するように構成される。そして、ドアセンサ37Dは、ユーザデバイス10のユーザが助手席側の後部ドアを通って進入したかどうかを検出するように構成される。
【0050】
一実施形態では、ドアセンサ37は、様々な磁気センサによって実現され得る。一例として、各ドアセンサ37の磁気ストリップを車両30に配置することができ、ドアセンサ37の各々は、対応するドアに結合された対向する磁気ストリップを含んでもよい。さらに、対向する磁気ストリップは、制御モジュール20と通信するケーブルを含むことができる。このようにして、運転者側の前部ドアなどの車両30のドアの1つが開いているとき、対応するドアセンサ(ドアセンサ37A)は、ドアセンサ37Aの回路が開いているという信号を制御モジュール20に提供することができ、信号の受信に応答して、制御モジュール20は、対応するドアが開いていると決定することができる。この実施形態は、磁気センサによって実現されるドアセンサ37を説明しているが、ドアセンサ37は、当業者によって理解される他のタイプのセンサによって実現されてもよい。
【0051】
制御モジュール20がドアセンサ37によって提供されるセンサデータに基づいて対応するドアが開いているかどうかを決定することに加えて、制御モジュール20は、その後、対応するドアが閉じられ、ユーザデバイス10が車両30内に位置している場合に、ユーザデバイス10のユーザが車両30に入ったと判断するように構成されてもよい。一例として、ドアセンサ37Aが運転席側の前部ドアが開いていることを示す信号を制御モジュール20に提供する場合、制御モジュール20は、ドアセンサ37Aが運転席側の前部ドアが閉じられたことを示す第2の信号を提供するのを待つことができる(例えば、ドアセンサ37Aは、ドアセンサ37Aの回路が閉じられたことを示す信号を制御モジュール20に提供する)。
【0052】
制御モジュール20が、ユーザデバイス10のユーザが車両30にいると決定すると、制御モジュール20は、ユーザデバイス10に対応するエントリを生成することができ、エントリは、エントリデータベース36に保存されることができる。エントリは、例えば、ユーザデバイス10に関連付けられた識別情報、ユーザデバイス10のユーザに関連付けられたユーザプロファイル、ユーザデバイス10のユーザがいずれのドアに入ったか、ユーザデバイス10に関連付けられたRSSIに基づいて決定された位置、および、ユーザの車両30への進入に関連付けられたタイムスタンプを記述する情報を含むことができる。
【0053】
複数のエントリが生成される(すなわち、複数のユーザが車両30に入る)場合、エントリは、車両30内の対応するユーザデバイス10の位置データに関連付けられた情報も含むことができる。一例として、エントリは、ユーザデバイス10に関連付けられたRSSIに基づいて、ユーザデバイス10が運転席シート、助手席シート、またはリヤシートのいずれかの1つに位置するかに対応する情報を含むことができる。
【0054】
運転者によって車両30の電源がオンされる、および/または車両が稼働中であると、制御モジュール20は、エントリの総数およびエントリデータベース36のエントリの各々に含まれる情報を識別する。エントリデータベース36のエントリの数、および/または、エントリの各々に含まれる情報に基づいて、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、ユーザプロファイルデータベース35に保存される対応するユーザプロファイルを特定することができる。ユーザプロファイルデータベース35は、ミラー位置、ステアリングホイール位置、シート位置、シート高さ、ステアリングホイールのグリップ位置、および/またはユーザに関連付けられた他の設定などの複数のユーザ設定を含む、複数のユーザプロファイルを含むことができる。ユーザプロファイルは、速度制限(例えば、車両30のユーザが運転者である場合、車両30は、ユーザが時速60マイルを超えて走行することを禁止する設定を有することができる)、ゾーン制限(例えば、車両30のユーザが運転者である場合、ユーザは特定の高速道路および/または通りを運転できない場合がある)、加速制限(例えば、車両30のユーザが運転者である場合、ユーザは車両30が完全停止されたとき、素早く加速できない場合がある)、および/または、その他のチューニングおよび/またはカスタマイズ設定などの、チューニングおよび/またはカスタマイズ設定に対応する情報も含むことができる。ユーザプロファイルは、好ましい環境状態(例えば、ユーザは、車両30での足元が華氏68度であることを好む)、およびメディア/オーディオ設定(例えば、ユーザが運転者である場合、最も近い車両スピーカーが特定の音量レベルに設定される場合がある)に対応する情報も含んでもよい。
【0055】
追加的にあるいは代替的に、ユーザプロファイルデータベース35は、車両の許可された乗員として、車両の所有者/運転者によって指定された、複数のユーザプロファイルを含んでもよい。したがって、ユーザデバイス10のユーザが車両30に進入し、制御モジュール20が、ユーザデバイス10のユーザが車両内にいると判断したとき、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、最初に、ユーザプロファイルデータベース35内のユーザプロファイルを検索してもよい。ユーザ設定アクティブ化モジュール34が対応するユーザプロファイルを識別しない場合、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、グローバルリモートユーザプロファイルデータベース(図示せず)を検索して、対応するユーザプロファイルがそこに格納されているかどうかを判定してもよく、それにより、ユーザ設定アクティブ化モジュール34の処理リソースを保ち、対応するユーザプロファイルを識別する際の待ち時間を最小限に抑えることができる。対応するプロファイルがグローバルリモートユーザプロファイルデータベースに格納されている場合、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、対応するユーザプロファイル情報でユーザプロファイルデータベース35を更新してもよい。
【0056】
ユーザ設定アクティブ化モジュール34が対応するユーザプロファイルを特定すると、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、特定されたユーザプロファイルに基づいて様々な車両機能をアクティブ化することができる。一例として、車両30の電源がオンされ、および/または車両が移動したときに、制御モジュール20が1つのエントリを特定した場合、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、そのエントリが車両30の運転者に対応することを判定することができる。引き続き、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、運転者に関連付けられ、エントリに含まれる識別情報に基づく、ユーザプロファイルデータベース35内のユーザプロファイルを特定する。運転者に関連付けられるユーザプロファイルの特定に応じて、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、特定されたユーザプロファイルに基づいて、ミラー位置の設定、ステアリングホイール位置の調整、運転者のシート位置の調整、環境制御設定の変更、および/またはオーディオ/メディア設定の調整などの特定の車両機能をアクティブ化することができる。
【0057】
さらに、車両30の電源がオンされ、および/または車両が移動したときに、制御モジュール20が複数のエントリを特定した場合、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第2のエントリが車両30の乗員に対応することを判定することができる。引き続き、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第2のエントリを使用して、乗員に関連付けられ、第2のエントリに含まれる識別情報に基づく、ユーザプロファイルデータベース35内のユーザプロファイルを特定することができる。ユーザプロファイルの特定に応じて、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、ユーザプロファイルに基づいて、乗員のシート位置の調整、環境制御設定の調整、およびオーディオ/メディア設定の調整などの特定の車両機能をアクティブ化することができる。制御モジュール20は、エントリデータベース36に保存されている複数のエントリの各エントリに対してこの操作を実行することができる。
【0058】
さらに、車両30の運転者に関連付けられていない各エントリおよび対応するユーザプロファイルに基づいて、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、車両30内の各乗員の位置に基づいて車両機能をアクティブ化するように構成され得る。一例として、各エントリに関連付けられるRSSIを使用して、制御モジュール20は、第1の乗員が助手席側フロントシートに位置し、第2の乗員が車両30の運転席側リヤシートに位置すると判定することができる。したがって、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第1の乗員のユーザプロファイルに基づいて、助手席側フロントシートエリアの環境制御設定を調整することができ、第1の乗員のユーザプロファイルは、暖房システムを使用して、助手席側フロントシートの足元エリアにおいて第1の温度で発熱する命令を含むことができる。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第2の乗員のユーザプロファイルに基づいて運転席側リヤシートエリアの環境制御設定を調整することができ、第2の乗員のユーザプロファイルは、暖房システムを使用して、運転席側リヤ足元エリアにおいて第2の温度で発熱する命令を含むことができる。
【0059】
追加的にまたは代替的に、複数の乗員が車両30のリヤシートエリアにいる場合、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、車両30のリヤシートエリア内の各乗員の位置に基づいて車両機能をアクティブ化するように構成され得る。一例として、各エントリに関連付けられたRSSIを使用して、制御モジュール20は、第1の乗員が車両30の運転席側リヤシートに位置し、第2の乗員が車両30の助手席側リヤシートに置することを決定することができる。したがって、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第1の乗員のユーザプロファイルに基づいて、運転席側リヤシートエリアの環境制御設定を調整することができ、それは、暖房システムを使用して、運転席側リヤ足元エリアにおいて第1の温度で発熱する命令を含むことができる。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、第2の乗員のユーザプロファイルに基づいて、助手席側リヤシートエリアの環境制御設定を調整することができ、それは、暖房システムを使用して、助手席側リヤ足元エリアにおいて第2の温度で発熱する命令を含むことができる。
【0060】
リヤシートエリアが個別に調整可能な車両機能設定を含まない他の実施形態では(例えば、リヤシートエリアが、個々のリヤシートエリアごとに環境制御設定を変更するオプションを提供しない)、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、各ユーザプロファイルに関連付けられた優先度、各ユーザプロファイルのデータに対して実行される数学的演算、および車両機能設定のランダムな選択の少なくとも1つに基づいて、車両機能をアクティブ化してもよい。一例として、各エントリに関連付けられたRSSIを使用して、制御モジュール20は、第1の乗員が車両30の運転席側リヤシートに位置し、第2の乗員が車両30の中央のリヤシートに位置し、第3の乗員が車両30の助手席側リヤシートに位置していることを決定することができる。したがって、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、対応するユーザプロファイルが第1の乗員は第2および第3の乗員よりも優先されることを示す情報を含む場合、第1の乗員と関連付けられたユーザプロファイルに基づいて、暖房システムが第1の温度で発熱するように、リヤシートエリアの環境制御設定を調整することができる。あるいは、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、暖房システムが平均温度で発熱するように、リヤシートエリアの環境制御設定を調整してもよく、平均温度は、第1、第2、および第3の乗員の各々のユーザプロファイルに対応する温度設定の平均値である。別の例として、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、ユーザプロファイルがユーザ設定アクティブ化モジュール34によってランダムに選択された場合に、第3の乗員に関連付けられたユーザプロファイルに基づいて第3の温度で暖房システムが発熱するように、リヤシートエリアの環境制御設定を調整してもよい。
【0061】
車両30の電源がオンされ、ユーザ設定アクティブ化モジュール34が、特定されたユーザプロファイルで指定されたすべての車両機能をアクティブ化すると、ユーザ設定アクティブ化モジュール34または制御モジュール20は、エントリデータベース36の各エントリを削除することができる。それにより、上述したように、制御モジュール20およびユーザ設定アクティブ化モジュール34は、ユーザデバイス10を継続的に検出し、対応するユーザプロファイルを特定し、特定されたユーザプロファイルに基づいて車両機能をアクティブ化することができる。
【0062】
図6を参照すると、車両の乗員に基づいて車両機能をアクティブ化するためのアルゴリズム600の例示的なフローチャートが示されている。制御アルゴリズム600は、少なくとも1つのユーザデバイス10の電源がオンされる、604で始まる。608で、制御アルゴリズム600は、少なくとも1つのユーザデバイス10が通信ゲートウェイ29に接続されているかどうか判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は612に進む。そうでなければ、制御アルゴリズム600は、少なくとも1つのユーザデバイス10が通信ゲートウェイ29に接続されるまで608に留まる。
【0063】
612で、制御アルゴリズム600は、センサ31を使用して、BLE信号に基づいてRSSI測定値を生成する。616で、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、車両30のドアの1つが開いているかどうかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は620に進む。そうでなければ、制御アルゴリズム600は、車両30のドアの少なくとも1つが開くまで616に留まる。620で、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、開いているドアを識別する。一例として、制御モジュール25は、車両30の対応するドアが開いていることを示すドアセンサ37の1つから信号を受信することができる。624において、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、対応するドアが閉じられているかどうか、およびユーザデバイス10が車両30内に位置しているかどうかを判定する。一例として、制御モジュール20は、上述のように、開いたドアが、その後、閉じられていることを示す第2の信号を受信することに応じて、対応するドアが閉じられていると判定することができる。さらに、制御モジュール20は、上述のように、センサ31Cおよび31Gの出力に基づいて、ユーザデバイス10が車両30内にあることを判定することができる。対応するドアが閉じられており、ユーザデバイス10が車両30内に位置する場合、制御アルゴリズム600は628に進み、そうでなければ、制御アルゴリズム600は616に進む。
【0064】
628において、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、上述のように、エントリを生成し、それをエントリデータベース36に保存する。さらに、エントリは、上述のように、例えば、ユーザデバイス10と関連付けられた識別情報、ユーザデバイス10のユーザと関連付けられたユーザプロファイル、ユーザデバイス10のユーザがいずれのドアに入ったか、ユーザデバイスと関連付けられたRSSI、および、車両30へのユーザの進入に関連付けられたタイムスタンプを記述する情報を含むことができる。632で、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、対応するドアが再び開かれたか、および/または車両30の別のドアが開かれているかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は624に進む。そうでなければ、制御アルゴリズム600は636に進む。
【0065】
636で、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、車両30が動いているかどうかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は640に進む。そうでない場合、制御アルゴリズム600は632に進む。640で、制御アルゴリズム600は、制御モジュール20を使用して、複数のセンサ31を停止させる。644で、制御アルゴリズム600は、エントリデータベース36内のエントリの数をカウントする。
【0066】
648で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、ユーザプロファイルデータベース35から運転席シートの乗員に対応するユーザプロファイルを特定する。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、上述のように、特定されたユーザプロファイルに基づいて車両機能をアクティブ化する。652で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、エントリデータベース36内のエントリの数を判定する。複数のエントリがある場合、制御アルゴリズム600は656に進み、そうでない場合、制御アルゴリズム600は680に進んで、終了する。
【0067】
656で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、エントリのいずれかが、ユーザデバイスのユーザが助手席側の前部ドアに入ったことを示す情報を含むかどうかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は660に進む。そうでない場合、制御アルゴリズム600は664に進む。660で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、助手席の乗員に対応するユーザプロファイルをユーザプロファイルデータベース35から特定する。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、上述のように、特定されたユーザプロファイルに基づいて車両機能をアクティブ化する。次に、制御アルゴリズム600は664に進む。
【0068】
664で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、エントリのいずれかが、ユーザデバイス10のユーザが運転席側の後部ドアに入ったことを示す情報を含むかどうかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は668に進む。そうでない場合、制御アルゴリズム600は672に進む。668で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、ユーザプロファイルデータベース35から運転席側の後部ドアを通じて進入した乗員に対応するユーザプロファイルを特定する。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、上述のように、特定されたユーザプロファイルと、例えば対応するエントリの位置データによって示される対応するシート位置とに基づいて、車両機能をアクティブ化する。その後、制御アルゴリズムは672に進む。
【0069】
672で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、エントリのいずれかが、ユーザデバイス10のユーザが助手席側の後部ドアに入ったことを示す情報を含むかどうかを判定する。そうである場合、制御アルゴリズム600は676に進む。そうでない場合、制御アルゴリズム600は680に進む。676で、制御アルゴリズム600は、ユーザ設定アクティブ化モジュール34を使用して、ユーザプロファイルデータベース35から助手席側後部ドアを通って入った乗員に対応するユーザプロファイルを特定する。さらに、ユーザ設定アクティブ化モジュール34は、上述のように、特定されたユーザプロファイルと、例えば対応するエントリの位置データによって示される対応するシート位置とに基づいて、車両機能をアクティブ化する。その後、制御アルゴリズム600は680で終了する。
【0070】
前述の説明は、本質的に単なる例示にすぎず、本開示、その適用、または使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すれば他の変更態様が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つまたは複数のステップが異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、各々の実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたこれらの特徴のうちのいずれか1つまたは複数は、任意の他の実施形態で実施されること、および/または、組み合わせが明示的に説明されていなくとも、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることが可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の相互の入れ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0071】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続され」、「係合され」、「結合され」、「隣接して」、「の隣に」、「の上に」、「上」、「下」、および「配置され」を含む、様々な用語を用いて説明される。第1および第2要素間の関係が、上記開示において説明されているとき、「直接」であると明示的に記載されていない限り、その関係は第1および第2要素間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1および第2要素間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用されるように、A、B、およびCのうちの少なくとも1つとのフレーズは、非排他的論理和を使用する論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0072】
図面において、矢じりで示される矢印の方向は、概して、説明に重要な情報(データまたは命令など)の流れを示す。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が説明に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送信された情報について、要素Bは、要素Aに、情報の要求または情報の受信確認を送信するかもしれない。
【0073】
以下の定義を含む本出願では、用語「モジュール」または用語「コントローラ」は、用語「回路」と置き換えることができる。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル,アナログ,またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル,アナログ,またはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、またはグループ)、説明された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、あるいは、システムオンチップなどにおける上記のいくつかまたはすべての組み合わせ、を指すか、一部であるか、または含むことができる。
【0074】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を有することができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続される有線または無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続される複数のモジュール間で分散されてもよい。例えば、複数のモジュールが負荷分散を可能にし得る。さらなる例では、サーバ(リモート、またはクラウドとしても知られる)モジュールは、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成してもよい。
【0075】
上記で使用される、コードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことがある。共有プロセッサ回路との用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路との用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのコードの一部または全部を実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、またはこれらの組み合わせを包含する。共有メモリ回路との用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を格納する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路との用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのコードの一部または全部を格納するメモリ回路を包含する。
【0076】
メモリ回路との用語は、コンピュータ可読媒体との用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体との用語は、(搬送波上などの)媒体を通って伝播する一時的な電気信号または電磁信号を含まない。したがって、コンピュータ可読媒体との用語は、有形の非一時的なものと見なすことができる。非一時的で有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、またはマスク読み出し専用メモリ回路などの)不揮発性メモリ回路、(SRAM回路やDRAM回路などの)揮発性メモリ回路、(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなどの)磁気記憶媒体、および(CD、DVD、またはブルーレイディスクなどの)光記憶媒体である。
【0077】
本出願に記載されている装置および方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的または完全に実施され得る。上記の機能ブロックおよびフローチャート要素は、ソフトウェアの仕様として役立ち、熟練した技術者またはプログラマーの日常業務によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0078】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に格納されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含むかまたはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含んでも良い。
【0079】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)またはXML(拡張マークアップ言語)のような解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含むことができる。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5改訂版)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、VisualBasic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、およびPython(登録商標)を含む言語の構文法を使って書くことができる。
【0080】
上述した実施形態の説明は、例示および説明の目的のために提供されている。それは、網羅的であることも、開示を限定することも意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素や特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されることなく、具体的に図示または説明されなくとも、適用可能である場合、交換可能であり、選択された実施形態で使用することが可能である。同上のものはまた、多くのやり方で変更されてもよい。そのような変更は、本開示からの逸脱として見なすべきではなく、全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
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図5
図6