(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】シーラント材組成物およびそれを用いたタイヤ
(51)【国際特許分類】
C08L 21/00 20060101AFI20221101BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20221101BHJP
C08K 5/47 20060101ALI20221101BHJP
C08K 5/44 20060101ALI20221101BHJP
C08K 5/405 20060101ALI20221101BHJP
C08L 7/00 20060101ALI20221101BHJP
C08L 9/06 20060101ALI20221101BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20221101BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20221101BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20221101BHJP
B60C 19/12 20060101ALI20221101BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
C08L21/00
C08K3/06
C08K5/47
C08K5/44
C08K5/405
C08L7/00
C08L9/06
C08L9/00
C08L101/00
B60C1/00 Z
B60C19/12 Z
C09K3/10 A
C09K3/10 K
(21)【出願番号】P 2021008246
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 悠一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋木 丈章
(72)【発明者】
【氏名】岡松 隆裕
【審査官】岡部 佐知子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-529972(JP,A)
【文献】特開2018-053036(JP,A)
【文献】国際公開第2019/069904(WO,A1)
【文献】特表2008-518065(JP,A)
【文献】特表2019-515824(JP,A)
【文献】特表2020-507491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/16
B60C 1/00
B60C 19/12
C09K 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ内表面にシーラント層を備えた空気入りタイヤの前記シーラント層を構成するシーラント材組成物であって、
(A)ゴム成分100質量部に対し、
(B)粘着付与剤
として炭化水素樹脂を20~60質量部、
(C)可塑剤を60~100質量部、
(D)硫黄を0.1~10質量部、および
(E)加硫促進剤を0.1~10質量部(ただし、チウラム系加硫促進剤を除く)
配合してなり、
前記(A)ゴム成分が、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴムまたはこれらのブレンドであり、かつ
前記(C)可塑剤が、オイルまたは液状ゴムである
ことを特徴とするシーラント材組成物。
【請求項2】
前記(E)加硫促進剤が、チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチオウレア系加硫促進剤から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のシーラント材組成物。
【請求項3】
前記炭化水素樹脂が、0℃よりも高いガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項
1に記載のシーラント材組成物。
【請求項4】
前記炭化水素樹脂の数平均分子量が、400~2000であることを特徴とする請求項
1に記載のシーラント材組成物。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれかに記載のシーラント材組成物を使用したタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーラント材組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤにおいて、トレッド部におけるインナーライナー層のタイヤ径方向内側にシーラント層を設けた空気入りタイヤが知られている。このような空気入りタイヤでは、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラントが流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持することが可能になる。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、不飽和ジエンエラストマー、30phrと90phrの間の炭化水素樹脂、および0~30phr未満の充填剤を含むセルフシーリングエラストマー組成物が開示されている。
また下記特許文献2には、主要エラストマーとしての、30モル%よりも多い共役ジエンから得られる繰り返し単位含有量を有する不飽和ジエンエラストマー、30phrと90phrの間の質量含有量の炭化水素樹脂、Tg(ガラス転移温度)が-20℃よりも低く、5phr~60phr未満の質量含有量を有する液体可塑剤;および、0~30phr未満の充填剤、を少なくとも含むことを特徴とする、インフレータブル物品におけるパンク防止層として用いるためのセルフシーリングエラストマー組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5646474号公報
【文献】特許第5525522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に形成された貫通孔に対するシール性、シーラント材組成物の粘度温度依存性、タイヤ保管時のシーラント材組成物の流れ性に課題があり、その解決が求められている。
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ゴム成分に、粘着付与剤および可塑剤を特定量でもって配合したシーラント材組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
【0007】
本発明は、タイヤ内表面にシーラント層を備えた空気入りタイヤの前記シーラント層を構成するシーラント材組成物であって、
(A)ゴム成分100質量部に対し、
(B)粘着付与剤を5質量部以上、
(C)可塑剤を60質量部以上、
(D)硫黄を0.1~10質量部、および
(E)加硫促進剤を0.1~10質量部(ただし、チウラム系加硫促進剤を除く)
配合してなることを特徴とするシーラント材組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシーラント材組成物は、(A)ゴム成分100質量部に対し、(B)粘着付与剤を5質量部以上、(C)可塑剤を60質量部以上(D)硫黄を0.1~10質量部、および(E)加硫促進剤を0.1~10質量部(ただし、チウラム系加硫促進剤を除く)
配合してなることを特徴としている。上記構成によれば、(B)~(E)成分の配合量が最適化され、かつ、(E)成分からチウラム系加硫促進剤が排除されているので、トレッド部に形成された貫通孔にシーラント材組成物が流入し易くなってシール性が向上し、シーラント材組成物の粘度温度依存性が低くなることから、走行中に加わる熱や遠心力の影響による流動が防止され、かつタイヤ保管時のシーラント材組成物の流れも抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)ゴム成分
本発明で使用される(A)ゴム成分は、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等のジエン系ゴムや、ブチルゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、本発明の効果向上の観点から、(A)ゴム成分はNR、IR、SBR、BRまたはこれらのブレンドであることが好ましい。
【0010】
(B)粘着付与剤
本発明で使用される(B)粘着付与剤としては、例えば炭化水素樹脂が挙げられる。
炭化水素樹脂としては、原油を蒸留、分解、改質などの処理をして得られた成分を重合して製造される芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂等の石油系樹脂が挙げられる。石油系樹脂としては、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3-ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α-メチルスチレン、o-ビニルトルエン、m-ビニルトルエン、p-ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
【0011】
また、(B)粘着付与剤のガラス転移温度(Tg)は、0℃よりも高いことが好ましい。このようにTgを規定することにより、流れ性が向上する。本発明で言うガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度を指すものとする。
さらに好ましい前記Tgは、30℃以上90℃以下である。
また、(B)粘着付与剤の数平均分子量は、400~2000であることが好ましい。この範囲の数平均分子量を有することにより、粘着力が向上する。
【0012】
(C)可塑剤
本発明で使用される可塑剤としては、例えば、カルボン酸エステル可塑剤、リン酸エステル可塑剤、スルホン酸エステル可塑剤、オイル、液状ゴム等が挙げられる。
カルボン酸エステル可塑剤としては、公知のフタル酸エステル、イソフタル酸エステル、テトラヒドロフタル酸エステル、アジピン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、トリメリット酸エステル、リノール酸エステル、オレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、リシノール酸エステル等がある。
リン酸エステル可塑剤としては、公知のトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリトリルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ジフェニルモノ-o-キセニルホスフェート等がある。
スルホン酸エステル可塑剤としては、公知のベンゼンスルホンブチルアミド、トルエン
スルホンアミド、N-エチル-トルエンスルホンアミド、N-シクロヘキシル-p-トルエンスルホンアミド等がある。
オイルとしては、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の鉱物油系オイルが挙げられる。
液状ゴムとしては、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンおよび液状ポリスチレンブタジエン等が挙げられ、その平均分子量(Mn)は1000~100000が好ましく、1500~75000がさらに好ましい。なお、本発明で言う平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析されるポリスチレン換算の数または重量平均分子量を意味する。なお本発明で使用される液状ゴムは、23℃で液体である。したがって、この温度では固体である前記のゴム成分とは区別される。
上記の中でも、本発明の効果向上の観点から、可塑剤としてはオイルまたは液状ゴムが好ましい。
【0013】
(D)硫黄
本発明のシーラント材組成物は、架橋剤として硫黄を配合する。一般的に架橋剤としては、硫黄や有機過酸化物等が挙げられるが、本発明では、架橋剤としてとくに硫黄を用いることにより、シール性、粘度温度依存性を向上させることができ好ましい。
【0014】
(E)加硫促進剤
本発明で使用される加硫促進剤としては、チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチオウレア系加硫促進剤から選択された1種以上が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等が挙げられる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
チオウレア系加硫促進剤としては、例えばジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、ジフェニルチオウレア、ジ(o-トリル)チオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア等を例示することができる。
なお本発明では、チウラム系加硫促進剤を使用しない。チウラム系加硫促進剤を使用すると架橋密度が高くなりがちなため加硫により粘着力が低下する可能性があり、場合によってはシール性能が好ましくないことになる可能性がある。
【0015】
(シーラント材組成物の配合割合)
本発明のシーラント材組成物は、(A)ゴム成分100質量部に対し、(B)粘着付与剤を5質量部以上、(C)可塑剤を60質量部以上、(D)硫黄を0.1~10質量部、および(E)加硫促進剤を0.1~10質量部配合してなることを特徴とする。
(A)ゴム成分100質量部に対し、(B)粘着付与剤の前記配合量が5質量部未満では配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。(B)粘着付与剤の前記配合量は、5~100質量部が好ましく、20~60質量部がさらに好ましい。
(A)ゴム成分100質量部に対し、(C)可塑剤の前記配合量が60質量部未満ではシール性が悪化する。(C)可塑剤の前記配合量は、60~150質量部が好ましく、60~100質量部がさらに好ましい。
(A)ゴム成分100質量部に対し、(D)硫黄の前記配合量が0.1質量部未満では配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると粘着力が低減し、シール性が悪化する。(D)硫黄の前記配合量は、0.5~5.0質量部が好ましい。
(A)ゴム成分100質量部に対し、(E)加硫促進剤の前記配合量が0.1質量部未満では配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると粘着力が低減し、シール性が悪化する。(E)加硫促進剤の前記配合量は、0.5~3.0質量部が好ましい。
【0016】
(その他成分)
本発明におけるシーラント材組成物には、前記した成分以外の、酸化亜鉛;老化防止剤;カーボンブラック等の各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とすることができ、これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるシーラント材組成物は、加硫剤として硫黄を用い、動的架橋することも可能である。
【0017】
本発明のシーラント材組成物は、空気入りタイヤにおいて、トレッド部におけるインナーライナー層のタイヤ径方向内側にシーラント層として設けることができる。該シーラント層は、シート状に成型された本発明のシーラント材組成物からなるシーラント材をタイヤ内表面の全周に亘って貼付することで形成することができる。これとは別に、シーラント層は、本発明のシーラント材組成物からなり紐状または帯状に成型されたシーラント材をタイヤ内表面に螺旋状に貼付することでも形成できる。該シーラント層は、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラント層を構成するシーラント材が流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持することを可能にするものである。シーラント層は、例えば0.5mm~5.0mmの厚さを有する。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、下記例中、「部」とあるのは「質量部」を意味する。
【0019】
実施例1~9および比較例1
表1に示す配合(質量部)において、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで40分間混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で180℃、10分間プレス加硫して厚さ3mmのシーラント材を得た。
【0020】
タイヤサイズ215/55R17であり、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備え、トレッド部におけるインナーライナー層のタイヤ径方向内側にシーラントからなるシーラント層を有する空気入りタイヤにおいて、シーラント層として上記シーラント材を貼り付け、各種試験タイヤを製作した。得られた試験タイヤについて、下記物性を測定した。
【0021】
シール性:
試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けて、初期空気圧を250kPaとし、直径4mmの釘をトレッド部に打ち、抜いてから1時間放置した後、空気圧を測定した。評価結果は、放置後の空気圧が230kPa以上かつ250kPa以下である場合を「〇」で示し、放置後の空気圧が200kPa以上かつ230kPa未満である場合を「△」で示し、放置後の空気圧が200kPa未満である場合を「×」で示した。
【0022】
シーラント材の流動性:
試験タイヤをリムサイズ16×6.5Jのホイールに組み付けてドラム試験機に装着し、空気圧を160kPaとし、荷重を8.5kNとし、走行速度を80km/hとする高撓み試験を80時間実施した後、シーラントの流動状態を調べた。評価結果は3mmのシーラントの厚みがシーラント端からの各位置で試験後に1.5mm以下となっていたときを流れたとし、シーラントの端から1cmの位置で流れが認められなかった場合を「○」で示し、シーラントの端から1cmの位置で流れが認められ、かつ2cmの位置で流れが認められなかった場合を「△」で示し、シーラントの端から2cmの位置で流れが認められた場合を「×」で示した。
【0023】
保管性:試験タイヤを30℃のオーブンに1週間放置し、保管性を調べた。評価結果は、シーラント層のタイヤ幅方向の外端からの流れ性から判断し、シーラントの流動が全く認められない場合を「〇」で示し、シーラントの流動が端から1cm以内の領域で生じた場合を「△」で示し、シーラントの流動が端から1cm以上の領域で生じた場合を「×」で示した。
結果を表1に示す。
【0024】
【0025】
*1:NR(SIR20)
*2:BR(日本ゼオン株式会社製Nipol BR1220)
*3:SBR(日本ゼオン株式会社製Nipol 1502)
*4:可塑剤1(CRAY VALLEY社製Ricon 154、液状ブタジエンゴム)
*5:可塑剤2(出光興産株式会社社製ダイアナプロセスオイルNP250)
*6:粘着付与剤1(エクソンモービル社製Escorez 2101、C5/C9石油樹脂)
*7:粘着付与剤2(ENEOS株式会社製T-REZ RC115、C5石油樹脂)
*8:カーボンブラック(カーボンブラックN772)
*9:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
*10:チウラム系加硫促進剤(三新化学工業株式会社製サンセラーTBZTD)
*11:チアゾール系加硫促進剤(三新化学工業株式会社製サンセラーDM-PO)
【0026】
表1の結果から、各実施例のシーラント材組成物は、(A)ゴム成分100質量部に対し、(B)粘着付与剤を5質量部以上、(C)可塑剤を60質量部以上、(D)硫黄を0.1~10質量部、および(E)加硫促進剤を0.1~10質量部(ただし、チウラム系加硫促進剤を除く)配合してなるものであるので、シール性、流動性(粘度温度依存性)、保管性がいずれも良好な結果を示した。
これに対し、比較例1は(A)ゴム成分100質量部に対し(C)可塑剤の配合量が15質量部であり、(E)加硫促進剤としてチウラム系加硫促進剤を配合しているので、流動性および保管性が悪化した。