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特許7168020着脱式装置、着脱判定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】着脱式装置、着脱判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0245 20060101AFI20221101BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61B5/0245 B
A61B5/00 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021049794
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148206
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0069724(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360326(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0113172(US,A1)
【文献】特開2005-270544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、
前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、
前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する処理部と、
前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、
を備え
前記処理部は、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記スイッチ部で前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続して、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する、
着脱式装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記判定機能を実行する際に、
前記判定用回路部を介して、前記兼用回路部の前記端子に所定の着脱判定用電圧を印加し、
前記着脱判定用電圧が前記端子に印加されている状態における前記端子からの電圧と、前記着脱判定用電圧との関係に基づいて、前記対象への自装置の着脱を判定する、
請求項1に記載の着脱式装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記端子に印加されている電圧に基づいて、前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定する、
請求項2に記載の着脱式装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記端子に印加されている電圧が所定の基準電圧以上で、かつ、前記端子に印加されている電圧の変動量が所定の基準変動量以下である場合に、前記端子が前記他の装置に接続されていると判定する、
請求項3に記載の着脱式装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定し、
前記端子が前記他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって前記判定機能を実行する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の着脱式装置。
【請求項6】
前記対象に近接可能に設けられた端子は、データ転送用の端子を含み、
前記処理部は、前記データ転送用の端子と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の着脱式装置。
【請求項7】
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する処理部と、前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、を備える着脱式装置における着脱判定方法であって、
前記処理部が、前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記スイッチ部で前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続して、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する、
着脱判定方法。
【請求項8】
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する処理部と、前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、を備える着脱式装置のコンピュータに、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記スイッチ部で前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続させて、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱式装置、着脱判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートウォッチのような、人体に装着したり外したりすることができる着脱式装置においても、セキュリティを保証する必要がある機能、例えば電子決済機能が搭載された装置が増えてきている。このような装置では、セキュリティを高めるために、自装置が人体に装着されているか否かを判定し、自装置が人体から外されたことを検出(脱検出)したら、自装置が他人に勝手に使われないようにロックがかかる仕様になっていることが多い。このような、自装置の装着の有無を判定する機能を備えた装置の一例として、特許文献1には、ユーザに装着されていることを確認してから脈拍の測定を開始する腕時計型の脈拍測定器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-129526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている脈拍測定器では、本体部の底面から突出された4本の金属ピンを有する装着センサにより、脈拍測定器がユーザの腕に装着されているか否かを判定している。このように、従来の着脱式装置において着脱を判定するには、着脱判定のための専用部品(例えば上述の4本の金属ピン)を備える必要があり、コスト削減、小型化、実装面積等の面で障害になっていた。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、着脱判定以外の用途のための部品を着脱判定に兼用することができる着脱式装置、着脱判定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る着脱式装置の一態様は、
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、
前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、
前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する処理部と、
前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続するか否かを切り替えるスイッチ部と、
を備え
前記処理部は、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記スイッチ部で前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続して、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、着脱判定以外の用途のための部品を着脱判定に兼用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る着脱式システムの概要を説明する図である。
図2】実施の形態1に係る着脱式装置の断面図である。
図3】実施の形態1に係る着脱式装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る着脱式装置の処理部、兼用回路部、判定用回路部の接続関係を説明する図である。
図5】実施の形態1に係る着脱判定処理のフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る着脱式装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】実施の形態2に係る着脱式装置の処理部、兼用回路部、判定用回路部、スイッチ部の接続関係を説明する図である。
図8】実施の形態2に係る着脱判定処理のフローチャートである。
図9】着脱式装置が腕に斜めに接している場合を説明する図である。
図10】実施の形態3に係る着脱式装置の処理部、兼用回路部、判定用回路部、スイッチ部の接続関係を説明する図である。
図11】実施の形態3に係る着脱判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る着脱式装置について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態1)
理解を容易にするため、以下、実施の形態1に係る着脱式装置100を、図1に示す着脱式システム1000に適用した場合を例にして説明する。この例では、着脱式システム1000は、着脱式装置100と、USB(Universal Serial Bus)ケーブル230でPC(Personal Computer)250に接続された充電器200を備える。
【0011】
図1に示すように、実施の形態1に係る着脱式装置100は、本体190の背面にUSBの端子131,132,133,134を備えた腕時計型の装置である。着脱式装置100の本体190を充電器200の充電用枠201にセットすると、端子131,132,133,134が、それぞれ充電器200の端子211,212,213,214と接触することにより、着脱式装置100は充電される。充電器200はUSBケーブル230によりPC250に接続され、PC250から充電用の電力の供給を受ける。また、充電器200を介することにより、着脱式装置100とPC250との間でデータ通信が行えるようになっている。なお、充電器200は、必ずしもPC250に接続されなくてもよく、例えばUSBケーブル230により、電源タップのUSBポートに接続されて、充電用の電力の供給を受けてもよい。
【0012】
PCや電源タップのUSBポートとして使われているUSB Type-Aは、規格上4つの端子を持つが、着脱式装置100では、この4つの端子は、図1に示すように、本体190の背面に、データ転送用のプラス端子であるD+端子131、5Vの電圧が供給されるVBUS端子132、電圧の基準である0Vを定めるGND端子133、データ転送用のマイナス端子であるD-端子134、という順番で配置されている。
【0013】
なお、通常のUSB Type-A端子では、これらの端子の順番は、端からVBUS端子、D-端子、D+端子、GND端子である。着脱式装置100では、着脱判定のために兼用する端子をデータ転送用の端子とするために、データ転送用の端子(D+端子及びD-端子)を両端に配置するようにしている。充電器200の方も、着脱式装置100に合わせて、図1に示すように、D+端子211、VBUS端子212、GND端子213、D-端子214を、この順番で備える。なお、充電時にはVBUS端子には5Vの電圧がかかるため、安全のためには他の用途に兼用しない方が望ましい。また、GND端子は電圧の基準を決める端子であり、装置の安定動作のためにはGND以外には接続しない方が望ましい。そこで、本実施の形態では、データ転送用の端子を着脱判定のために兼用する端子としている。
【0014】
ユーザが、着脱式装置100を腕300に装着すると、端子131,132,133,134は、図2に示すように、腕300に接触する。なお、図2は、着脱式装置100が腕300に装着されている場合において、図1の一点鎖線A-A’で着脱式装置100を切断した時の断面図である。
【0015】
実施の形態1に係る着脱式装置100は、機能構成として、図3に示すように、処理部110、記憶部120、兼用回路部130、判定用回路部140、充電部150、表示部160、操作部170を備える。
【0016】
処理部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリ等を含むマイクロコントローラで構成される。処理部110は、記憶部120に記憶されているプログラムにより、後述する着脱判定処理や、その他着脱式装置100がその機能を発揮するための処理を実行する。なお、処理部110は、複数の処理を並行して実行するマルチスレッド機能に対応している。また、処理部110は、RTC(Real Time Clock)等を用いて時間をカウントする機能を備えている。
【0017】
また、処理部110は、図4に示すように、複数の入出力ポート111,112,113,114を備えている。入出力ポート111,112は、それぞれUSBのD+及びD-の入出力ポートに割り当てられている。また、入出力ポート113は、VBUS端子に電圧が印加されているか(着脱式装置100が充電器200にセットされているか)を判定するVC入力ポートに割り当てられている。
【0018】
また、入出力ポート114は、判定用回路部140を通して兼用回路部130に矩形波の電圧を印加するVO出力ポートに割り当てられている。入出力ポート114(VO出力ポート)は、矩形波の電圧等を印加していない場合には、ハイインピーダンスとなるように設定されている。なお、入出力ポート112(D-入出力ポート)は、VO出力ポートにより兼用回路部130の接続線135に印加された電圧の波形を検出するVI入力ポートとしても用いられる。
【0019】
記憶部120は、処理部110が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を含み得るが、これらに限られるものではない。なお、記憶部120は、処理部110の内部に設けられていてもよい。
【0020】
兼用回路部130は、図4に示すように、USBの4つの端子(D+端子131,VBUS端子132,GND端子133,D-端子134)と、USBのD-端子134と処理部110の入出力ポート112(USBのD-入出力ポート)とを接続する接続線135と、を備える。兼用回路部130のD+端子131及びD-端子134は、USBのデータ転送に用いられる端子であり、それぞれ処理部110の入出力ポート111(USBのD+入出力ポート)及び入出力ポート112(USBのD-入出力ポート)に接続されている。VBUS端子132はUSBの+5Vの電力が供給される端子であり、充電部150に接続されている。GND端子133はUSBの電圧の基準となるグランド端子であり、GNDに接続されている。このため、兼用回路部130は、USBのデータ転送機能及び充電機能を実行するために用いることができる。また本実施の形態において、兼用回路部130が備えるUSBのD-端子134は、着脱判定に兼用する端子(以下「判定用端子」という)であり、後述するように兼用回路部130は、判定用回路部140と協働することによって着脱判定機能を実行するためにも用いることができる。
【0021】
判定用回路部140は、図4に示すように、コンデンサと抵抗を備え、その両端は、それぞれ接続線135と処理部110の入出力ポート114(VO出力ポート)とに接続されている。このような回路になっているため、兼用回路部130の判定用端子(D-端子134)が人体に接触しているときと接触していないときとで、処理部110の入出力ポート114から兼用回路部130の接続線135に矩形波の電圧を印加している状態において入出力ポート112(VI入力ポート)で検出される電圧波形が変化する。したがって、処理部110において、兼用回路部130と判定用回路部140とを用いてこの電圧波形を確認することにより、着脱式装置100の着脱判定が可能になる。
【0022】
充電部150は、図4に示すように、兼用回路部130のVBUS端子132からの電力により、着脱式装置100の充電池を充電する。
【0023】
表示部160は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備え、現在時刻等を表示する。
【0024】
操作部170は、押しボタンスイッチ等のユーザインタフェースであり、ユーザからの操作入力を受け付ける。
【0025】
次に、処理部110が実行する着脱判定処理について、図5を参照して説明する。着脱式装置100は、電源が投入されると自動的に、又はユーザの操作(例えばユーザが着脱判定を行わせたくなったら開始させる)により、着脱判定処理を開始する。
【0026】
まず、処理部110は、着脱判定条件が成立したか判定する(ステップS101)。着脱判定条件をどのような条件とするかは任意に設定可能だが、例えば、「操作部170がユーザからの操作を所定期間(例えば1時間)受け付けていない(すなわち、所定期間ユーザの操作がない)」、「現在時刻が装着検知予定時間になった」、また、着脱式装置100が加速度センサ(図示せず)を備えている場合には「加速度センサによる検出値が所定期間(例えば1分間)一定である(すなわち、着脱式装置100が所定期間静止している)」等とすることができる。なお、装着検知予定時間とは、着脱式装置100が装着されているか否かを判定すべき時間として、設定された時間である。例えば、セキュリティを高めるために、頻繁に脱判定を行いたい場合は、装着検知予定時間を現在時刻+α時間(α時間は、例えば1分)に設定して、α時間毎に着脱判定が行われるようにすればよい。そして、着脱判定処理で「装着されている」と着脱判定されている間は、繰り返し着脱判定処理を実行し続けるようにしてもよい。また、セキュリティよりも省電力を優先させたい場合は、着脱判定の頻度を下げるために、装着検知予定時間を例えば「毎日正午」に設定してもよい。
【0027】
着脱判定条件が成立していないなら(ステップS101;No)、処理部110は、ステップS101に戻って、着脱判定条件が成立するまでステップS101を繰り返す。
【0028】
着脱判定条件が成立したなら(ステップS101;Yes)、処理部110は、兼用回路部130でUSBのデータ転送が行われているか否かを判定する(ステップS102)。USBのデータ転送が行われているなら(ステップS102;Yes)、処理部110は、「着脱式装置100はPCや充電器200等の他の装置に接続されており、腕300に装着されていない」と着脱判定し(ステップS103)、着脱判定処理を終了する。
【0029】
USBのデータ転送が行われていないなら(ステップS102;No)、処理部110は、VC入力ポート(入出力ポート113)を確認し、VC入力ポートにVBUSの+5Vの電圧が印加されているかを判定する(ステップS104)。VC入力ポートでVBUSの電圧が確認されたら(ステップS104;Yes)、処理部110は、ステップS103に処理を進める。ステップS102及びステップS104により、兼用回路部130であるUSBの端子(判定用端子を含む)がPCや充電器200等の他の装置に接続されているか否かの判定が行われる。すなわち、データ転送が行われていること又はVBUSの電圧が印加されていることが確認されたら、処理部110は、「兼用回路部130の判定用端子が、他の装置に接続されている」と判定する。
【0030】
なお、着脱式装置100が腕300に装着されているときには、腕300に帯電していた静電気によりVC入力ポートに電圧が印加される可能性がある。これによる誤判定を防ぐため、処理部110は、ステップS104でVC入力ポートに印加されている電圧を複数回確認するようにしてもよい。例えば、処理部110は、VC入力ポートに印加されている電圧を例えば1ミリ秒間隔で複数回(例えば2回)確認する。そして、確認した複数の電圧の互いの差の絶対値(電圧の変動量)が所定の基準変動量(例えば0.5V)以下で、かつ、確認された複数の電圧の各々が所定の基準電圧(VBUSの+5V電圧よりも若干、低い電圧、例えば+4.5V)以上であれば、静電気のような不安定な電圧ではなく、安定したVBUSの+5V電圧が印加されていると判断できるため、処理部110は、「兼用回路部130の判定用端子が、他の装置に接続されている」と判定する。
【0031】
VC入力ポートでVBUSの電圧が確認できなければ(ステップS104;No)、処理部110は、「兼用回路部130の判定用端子が、他の装置に接続されていない」と判定し、VO出力ポート(入出力ポート114)に振幅Vaの矩形波の電圧(最小電圧0と最大電圧Vaとを所定の時間毎に繰り返す矩形波の電圧)を印加し、VI入力ポート(入出力ポート112)で検出される電圧の波形を確認する(ステップS105)。この矩形波の電圧は着脱判定用電圧とも呼ばれる。ステップS105で、処理部110がVO出力ポート(入出力ポート114)に矩形波の電圧を印加すると、VO出力ポート及び接続線135を介してD-端子134に矩形波の電圧が印加されるが、これは、兼用回路部130の端子(判定用端子であるD-端子134)に所定の着脱判定用電圧を印加することに相当する。そして、処理部110がVO出力ポート(入出力ポート114)に矩形波の電圧を印加している状態(矩形波の電圧がD-端子134に印加されている状態)においてVI入力ポート(入出力ポート112)で検出される電圧は、着脱判定用電圧が端子(判定用端子であるD-端子134)に印加されている状態における、この判定用端子からの電圧に相当する。なお、VI入力ポート(入出力ポート112)で検出される電圧は、接続線135で検出される電圧にも、D-端子134で検出される電圧にも、それぞれ等しい。したがって、VI入力ポートで検出される電圧の代わりに、例えばD-端子134に直接接続した電圧計で検出される電圧を用いて着脱判定を行ってもよい。
【0032】
そして、処理部110は、VI入力ポートで検出された電圧の波形において、電圧が0から閾値Vtを超えるまでの時間が基準時間T未満か否かを判定する(ステップS106)。この閾値Vtの値は、ステップS105でVO出力ポートに出力する矩形波の振幅Vaより少しだけ小さい値(例えば、Vt=0.7×Va等)として定めておく。また、基準時間Tの値は、腕300に装着されていない場合に上記矩形波の電圧を印加したときにVI入力ポートで検出される電圧が0から閾値Vtを超えるまでの時間Ttよりも少しだけ長い時間(例えばT=1.1×Tt等)として定めておく。基準時間Tは、着脱式装置100の設計時に設計データに基づいて定めてもよいし、着脱式装置100の工場出荷時等に実際に矩形波の電圧を印加して実測値に基づいて定めてもよい。そして、閾値Vtの値及び基準時間Tの値は、それぞれ予め記憶部120に記憶させておく。
【0033】
兼用回路部130の判定用端子が腕300に接触していると、VO出力ポートに印加された電圧は腕300に伝わってしまうため、VI入力ポートで検出される電圧がVtを超えるまでの時間が長くなる。したがって、処理部110は、VI入力ポートで検出される電圧波形に基づいて、着脱判定を行うことができる。このステップS106での判定は、処理部110が、判定用回路部140を介して兼用回路部130の判定用端子に接続されている接続線135に矩形波の電圧を印加したときにVI入力ポートで検出される電圧の波形を確認することによって行われる着脱判定なので、兼用回路部130(判定用端子)と判定用回路部140との協働によって行われる着脱判定といえる。そして、ステップS106で処理部110は、VI入力ポートで検出された電圧を閾値Vtと比較して着脱判定を行っているが、閾値Vtは着脱判定用電圧Vaに基づいて定まる値(例えば、Vt=0.7×Va)なので、この着脱判定は、VI入力ポート(入出力ポート112)で検出される電圧(判定用端子からの電圧)と着脱判定用電圧との関係に基づいて行われる着脱判定といえる。なお、本実施の形態では、着脱判定用電圧として、VO出力ポートに矩形波の電圧を印加したが、印加する着脱判定用電圧は矩形波の電圧に限定されない。着脱判定用電圧として、例えば一定の電圧Vaを印加して着脱判定を行うことも可能である。
【0034】
VI入力ポートで検出された波形において、電圧が0から閾値Vtを超えるまでの時間が基準時間以上なら(ステップS106;No)、処理部110は、「着脱式装置100は腕300に装着されている」と着脱判定し(ステップS107)、着脱判定処理を終了する。
【0035】
VI入力ポートで検出された波形において、電圧が0から閾値Vtを超えるまでの時間が基準時間未満なら(ステップS106;Yes)、処理部110は、「着脱式装置100は腕300に装着されていない」と着脱判定し(ステップS108)、着脱判定処理を終了する。
【0036】
なお、着脱式装置100が腕300等の装着対象から外されたことを継続して判定するために、着脱判定処理終了後も、繰り返し、着脱判定処理を実行開始するようにしてもよい。そして、1度でも「着脱式装置100は腕300に装着されていない」と着脱判定された場合には、処理部110は、その後、着脱式装置100において、セキュリティを高めたい処理(例えば電子決済処理)を行う前に、ユーザにパスワードの入力を求めるようにしてもよい。
【0037】
以上、着脱判定処理について説明した。この着脱判定処理により、着脱式装置100は、着脱判定のための専用部品を備えなくても、USBの端子を着脱判定用に兼用することができる。
【0038】
なお、上述の着脱式装置100では、処理部110がVC入力ポートを用いてVBUS端子に電圧が印加されているか(着脱式装置100が充電器200にセットされているか)を判定したが、処理部110は、VBUS端子に電圧が印加されているか否かの情報を充電部150から取得してもよく、この場合処理部110は、VC入力ポートを備えなくてもよい。
【0039】
着脱式装置100は、兼用回路部130としてUSBの端子を用いることにより、兼用回路部130が他の装置に接続されているか否かの判定を、USBのVBUS端子132に印加されている電圧を確認することで確実に行うことができる。さらに、判定用回路部140を接続する接続線135の接続先の兼用回路部130の判定用端子(VI入力ポートに接続する端子)として、USBのデータ転送用の端子を使用することにより、電源端子等を使用する場合に比べてより安全に着脱判定を行うことができる。ただし、兼用回路部130の判定用端子は、データ転送用の端子に限定されるわけではなく、VBUS端子132やGND端子133を判定用端子として用いてもよい。
【0040】
(実施の形態2)
実施の形態1では、判定用回路部140が常に兼用回路部130の接続線135に接続されている。判定用回路部140のもう一端の接続先である入出力ポート114(VO出力ポート)は、矩形波の電圧を印加していない間はハイインピーダンスになり、USBのデータ転送の妨げにならないようになっているが、何らかの不具合が生じてハイインピーダンスにならなかった場合にはUSBのデータ転送の妨げになる可能性がある。そこで、USBのデータ転送の妨げとなる可能性をより確実に排除するために、判定用回路部140と兼用回路部130とを接続するか否かを切り替えるスイッチを設けた実施の形態2について説明する。
【0041】
実施の形態2に係る着脱式装置101は、図7に示すように、実施の形態1に係る着脱式装置100に、スイッチ部180が追加された機能構成になっている。
【0042】
スイッチ部180は、図7に示すように、兼用回路部130の接続線135と判定用回路部140とを接続するか否かを切り替えるスイッチを備える。また、着脱式装置101の処理部110は、図7に示すように、入出力ポート115として、スイッチ部180のスイッチを制御するSW出力ポートを備える。
【0043】
実施の形態2に係る着脱判定処理について、図8を参照して説明する。この処理は、図5を参照して説明した実施の形態1に係る着脱判定処理に、ステップS104とS105との間にステップS111が、ステップS106とS107との間にステップS112が、ステップS106とS108との間にステップS113が、それぞれ追加された処理であるので、主にこれらの追加された処理について説明する。
【0044】
ステップS111では、処理部110は、SW出力ポートを制御して、スイッチ部180のスイッチを接続する。これにより、判定用回路部140は兼用回路部130の接続線135に接続される。またステップS112及びステップS113では、処理部110は、SW出力ポートを制御して、スイッチ部180のスイッチを切断する。これにより、判定用回路部140は兼用回路部130の接続線135から切断される。
【0045】
以上説明した内容以外は、着脱式装置101は、着脱式装置100と同様であり、着脱式装置101は、着脱判定のための専用部品を備えなくても、USBの端子を着脱判定用に兼用することができる。また、スイッチ部180により、兼用回路部130の接続線135と判定用回路部140とを接続するか否かを切り替えることができるため、判定用回路部140がUSBのデータ転送の妨げになることを確実に防ぐことができる。
【0046】
(実施の形態3)
上述の実施の形態では、着脱式装置100,101の着脱判定を行うための判定用端子として、兼用回路部130のD-端子134のみを用いていた。通常はこれでも問題ないが、例えば、図9に示すように、着脱式装置100が傾いて装着されると、D-端子134は浮いてしまって腕300に接触しない。このため、図9のような状態では、着脱式装置100は、装着されていないと判定されてしまう。また、着脱式装置100が傾いて装着される場合、逆に、D+端子131が浮いてしまって腕300に接触しない状態もありうる。
【0047】
このように、着脱式装置100が傾いた状態で装着された場合でも、正しく着脱判定を行えるようにした実施の形態3について説明する。
【0048】
実施の形態3に係る着脱式装置102の機能構成は、実施の形態2に係る着脱式装置101と同様であり、図6に示される。
【0049】
ただし、実施の形態3に係る兼用回路部130は、図10に示すように、USBの4つの端子(D+端子131,VBUS端子132,GND端子133,D-端子134)及び接続線135に加え、USBのD+端子131と処理部110の入出力ポート111(USBのD+入出力ポート)とを接続する接続線136を備える。そして、D+端子131及びD-端子134が兼用回路部130の判定用端子として用いられる。
【0050】
また、実施の形態3に係るスイッチ部180は、図10に示すように、判定用回路部140を、どこにも接続しないか、兼用回路部130の接続線135に接続するか、兼用回路部130の接続線136に接続するか、を切り替えるスイッチを備える。そして、着脱式装置102の処理部110が備える入出力ポート115(SW出力ポート)は、図10に示すように、スイッチ部180のスイッチを制御する。
【0051】
また、実施の形態3に係る処理部110の入出力ポート111(D+入出力ポート)は、入出力ポート114(VO出力ポート)により兼用回路部130の接続線136に出力された信号の波形を検出する1番目のVI入力ポート(VI1入力ポート)としても用いられ、入出力ポート112(D-入出力ポート)は、入出力ポート114(VO出力ポート)により兼用回路部130の接続線135に出力された信号の波形を検出する2番目のVI入力ポート(VI2入力ポート)としても用いられる。
【0052】
なお、入出力ポート114(VO出力ポート)により兼用回路部130に出力された信号の波形を検出するVI入力ポートの数を2に限定する必要はない。例えば、兼用回路部130のVBUS端子132に接続されている入出力ポート113(VC入力ポート)を3番目のVI入力ポートとしてもよいし、処理部110が備える他の入出力ポートを、兼用回路部130のGND端子133と接続して4番目のVI入力ポートとしてもよい。また、兼用回路部130の判定用端子として、USBの端子以外で装着時に人体に触れる可能性のある端子も用いることにしてもよい。この場合、それらの端子を処理部110が備える他の入出力ポートと接続し、その入出力ポートを3番目以降のVI入力ポートとすればよい。
【0053】
実施の形態3に係る着脱判定処理について、図11を参照して説明する。この処理は、図8を参照して説明した実施の形態2に係る着脱判定処理のステップS111の代わりにステップS121及びステップS122が追加され、ステップS106とステップS113の間にステップS123が追加され、ステップS123での判定がNoの場合にはステップS124の後にステップS105に戻る処理が追加されているので、主にこれらの追加された処理を中心に説明する。
【0054】
ステップS121では、処理部110は、VI入力ポート数及びスイッチ切り替え情報を取得する。具体的には、処理部110は、実施の形態3に係る処理部110のVI入力ポート数である「2」を取得する。そして、処理部110は、スイッチ部180のスイッチをn番目のVI入力ポートに接続されている接続線に接続する場合及びいずれにも接続しない場合に、処理部110のSW出力ポートをどのように制御すればよいかの情報を取得する。なお、処理部110は、このように、ステップS121でVI入力ポート数及びスイッチ切り替え情報を取得できるので、この着脱判定処理は、VI入力ポート数が2より大きい場合でも、全てのVI入力ポートを用いて着脱判定を行うことができる。
【0055】
ステップS122では、処理部110は、ステップS121で取得した情報に基づき、スイッチ部180のスイッチを、1番目のVI入力ポートに接続されている接続線と判定用回路部140とが接続されるように切り替える。
【0056】
ステップS123では、処理部110は、ステップS121で取得した情報に基づき、スイッチ部180のスイッチを、全てのVI入力ポートに切り替え済みであるか否かを判定する。切り替え済みであれば(ステップS123;Yes)、ステップS113に進む。
【0057】
切り替え済みでなければ(ステップS123;No)、処理部110は、ステップS121で取得した情報に基づき、スイッチ部180のスイッチを、次のVI入力ポートに接続されている接続線と判定用回路部140とが接続されるように切り替えて(ステップS124)、ステップS105に進む。
【0058】
なお、ステップS112及びステップS113では、処理部110は、ステップS121で取得した情報に基づき、スイッチ部180のスイッチを、判定用回路部140がどのVI入力ポートとも接続しないように切り替える。これにより、判定用回路部140は、兼用回路部130の各接続線135,136から切断される。
【0059】
以上説明した内容以外は、着脱式装置102は、着脱式装置101と同様であり、着脱判定のための専用部品を備えなくても、USBの端子を着脱判定用に兼用することができ、また、スイッチ部180により、判定用回路部140がUSBのデータ転送の妨げになることを確実に防ぐことができる。さらに、着脱式装置102は、図9に示したように着脱式装置102が斜めに装着されている場合でも、腕300に装着されているか否かを確実に判定することができる。
【0060】
なお、上述の実施の形態では、兼用回路部130の判定用端子はUSBの端子(例えばD-端子134)であった。しかし、判定用端子はUSBの端子に限定されるわけではない。装着時に人体に接触する端子であれば、任意の端子を判定用端子として用いることが可能である。例えば、USB以外の通信用の端子又は充電用の端子が、着脱式装置を装着した時に人体に接触するならば、それらの端子を兼用回路部130の判定用端子とすることができる。
【0061】
この場合、判定用端子として用いるそれらの端子からの接続線が処理部110のVI入力ポートに接続される構成にしておく。そして、処理部110は、それらの端子が他の装置(PCや充電器200等)に接続されていないなら、スイッチ部180により、それらの端子と処理部110のVO出力ポートとを判定用回路部140を介して接続して矩形波の電圧を印加する。この状態で処理部110は、VI入力ポートで検出される信号の波形を確認することにより、着脱式装置が腕300に装着されているか否かを判定することができる。
【0062】
また、上述の実施の形態では、判定用回路部140は、コンデンサと抵抗を備えた回路としたが、判定用回路部140の構成はこれに限定されない。
【0063】
例えば、判定用回路部140は、タッチセンサを構成する際に用いられるタッチセンサ用IC(Integrated Circuit)を備えてもよい。タッチセンサ用IC(又はそれを備える回路基板)は、タッチを検出するための金属パッドを接続する端子を備えるが、この端子に、兼用回路部130の判定用端子(例えばD-端子134)を接続するように構成する。すると、処理部110は、タッチセンサ用ICにより、兼用回路部130の判定用端子に人体が接触しているか否かを判定できるようになる。
【0064】
この場合、処理部110は、タッチセンサ用ICにより、兼用回路部130の判定用端子に腕300が接触していると判定されたら、「着脱式装置100,101,102は腕300に装着されている」と着脱判定する。そして、タッチセンサ用ICにより、兼用回路部130の判定用端子に腕300が接触していないと判定されたら、「着脱式装置100,101,102は腕300に装着されていない」と着脱判定する。
【0065】
なお、上述の実施の形態では、着脱式装置100,101,102が装着される対象として、腕300(特に手首)が想定されていたが、装着対象は、腕300に限らない。着脱式装置100,101,102を装着した際に、兼用回路部130の判定用端子が近接可能な部位であれば任意の部位(例えば、腰、足、頭、顔、首、胸等)を装着対象とすることができる。また、装着対象は人体の部位に限らず、導電性を有する物体であれば任意の物体(例えば、金属パイプ、金網、鉄筋等)を装着対象とすることができる。
【0066】
また、上述の実施の形態では、兼用回路部130が有する着脱判定機能以外の所定機能として、USBのデータ転送機能及び充電機能を想定していたが、所定機能はこれらに限定されない。例えば、兼用回路部130が着脱判定機能以外の所定機能として、充電機能のみ、又は、データ転送機能のみ、を有してもよいし、これらの機能をUSB以外の端子で実現していてもよい。
【0067】
なお、着脱式装置100,101,102の各機能は、通常のPC等のコンピュータによっても実施することができる。具体的には、上記実施の形態では、着脱式装置100,101,102が実行する着脱判定処理等のプログラムが、処理部110のメモリ又は記憶部120のROMに予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)、メモリカード、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。
【0068】
さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0069】
また、上述の実施の形態では、処理部110は、プロセッサを含むマイクロコントローラで構成されるものとしたが、複数の入出力ポートを備えているなら、処理部110は、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、マルチコアプロセッサ等の任意のプロセッサ単体で構成されてもよい。また、処理部110は、これら任意のプロセッサと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられて構成されてもよい。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0071】
(付記1)
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、
前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、
前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する処理部と、
を備える着脱式装置。
【0072】
(付記2)
前記処理部は、前記判定機能を実行する際に、
前記判定用回路部を介して、前記兼用回路部の前記端子に所定の着脱判定用電圧を印加し、
前記着脱判定用電圧が前記端子に印加されている状態における前記端子からの電圧と、前記着脱判定用電圧との関係に基づいて、前記対象への自装置の着脱を判定する、
付記1に記載の着脱式装置。
【0073】
(付記3)
前記処理部は、
前記端子に印加されている電圧に基づいて、前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定する、
付記2に記載の着脱式装置。
【0074】
(付記4)
前記処理部は、
前記端子に印加されている電圧が所定の基準電圧以上で、かつ、前記端子に印加されている電圧の変動量が所定の基準変動量以下である場合に、前記端子が前記他の装置に接続されていると判定する、
付記3に記載の着脱式装置。
【0075】
(付記5)
前記処理部は、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定し、
前記端子が前記他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって前記判定機能を実行する、
付記1から4のいずれか1つに記載の着脱式装置。
【0076】
(付記6)
前記対象に近接可能に設けられた端子は、データ転送用の端子を含み、
前記処理部は、前記データ転送用の端子と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する、
付記1から5のいずれか1つに記載の着脱式装置。
【0077】
(付記7)
前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続するか否かを切り替えるスイッチ部をさらに備え、
前記処理部は、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記スイッチ部で前記判定用回路部を前記兼用回路部に接続して、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって、前記判定機能を実行する、
付記2から6のいずれか1つに記載の着脱式装置。
【0078】
(付記8)
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、処理部と、を備える着脱式装置における着脱判定方法であって、
前記処理部が、前記判定機能を実行する際に、
前記判定用回路部を介して、前記兼用回路部の前記端子に所定の着脱判定用電圧を印加し、
前記着脱判定用電圧が前記端子に印加されている状態における前記端子からの電圧と、前記着脱判定用電圧との関係に基づいて、前記対象への自装置の着脱を判定する、
着脱判定方法。
【0079】
(付記9)
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、処理部と、を備える着脱式装置における着脱判定方法であって、
前記処理部が、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定し、
前記端子が前記他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって前記判定機能を実行する、
着脱判定方法。
【0080】
(付記10)
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、処理部と、を備える着脱式装置のコンピュータに、
前記判定用回路部を介して、前記兼用回路部の前記端子に所定の着脱判定用電圧を印加させ、
前記着脱判定用電圧が前記端子に印加されている状態における前記端子からの電圧と、前記着脱判定用電圧との関係に基づいて、前記対象への自装置の着脱を判定させる、
プログラム。
【0081】
(付記11)
対象に近接可能に設けられた端子を含み、前記対象への自装置の着脱を判定する判定機能と、前記判定機能以外の所定機能と、に兼用可能な兼用回路部と、前記兼用回路部に接続され、前記判定機能を実行可能にするための判定用回路部と、処理部と、を備える着脱式装置のコンピュータに、
前記端子が前記対象及び前記自装置以外の他の装置に接続されているか否かを判定させ、
前記端子が前記他の装置に接続されていないと判定されている場合に、前記兼用回路部と前記判定用回路部との協働によって前記判定機能を実行させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0082】
100,101,102…着脱式装置、110…処理部、111,112,113,114,115…入出力ポート、120…記憶部、130…兼用回路部、131,132,133,134,211,212,213,214…端子、135,136…接続線、140…判定用回路部、150…充電部、160…表示部、170…操作部、180…スイッチ部、190…本体、200…充電器、201…充電用枠、230…USBケーブル、250…PC、300…腕、着脱式システム…1000
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11