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7168144電気泳動表示装置および電子機器、並びに共通電極を有する電子機器における共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】電気泳動表示装置および電子機器、並びに共通電極を有する電子機器における共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1685 20190101AFI20221101BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20221101BHJP
【FI】
G02F1/1685
G02F1/167
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020192519
(22)【出願日】2020-11-19
(62)【分割の表示】P 2015246046の分割
【原出願日】2015-12-17
(65)【公開番号】P2021036344
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭人
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-027809(JP,A)
【文献】特開2007-033742(JP,A)
【文献】特開平07-253586(JP,A)
【文献】特開2009-042899(JP,A)
【文献】特開2006-017750(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0286077(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102445808(CN,A)
【文献】特開平10-333169(JP,A)
【文献】特開2009-229911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/165-1/1685
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通電極を有する電子機器における前記共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法であって、
共通電極が設けられた第1基板と、画素電極及び複数の端子が設けられ2個の異なる導電部が前記複数の前記端子のうちの2個の前記端子を前記共通電極の異なる点に電気的に接続する第2基板と、を備える電気表示装置を提供し、
前記第1基板と前記第2基板との間に複数個のマイクロカプセルが配置され、前記マイクロカプセルの中に分散液が配置され、
電源と電流計とを提供し、
前記2個の前記端子の間の電流を計測し、
前記導電部のそれぞれは、前記第1基板と前記第2基板との間で延びる枠部の2個の開口部に配置されている、
方法。
【請求項2】
前記2個の前記端子と前記共通電極との間に、それぞれ同じ値の第1及び第2のコンタクト抵抗が電気的に接続されている、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置および電子機器、並びに共通電極を有する電子機器における共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動を利用した表示装置(電気泳動表示装置)が知られている。電気泳動表示装置は、互いに対向する2個の基板(本明細書では、画素基板および対向基板という。)の間に電気泳動層を有し、当該電気泳動層に存在する分散媒(溶媒)の中で泳動する帯電した粒子(泳動粒子)を電界によって移動させることで表示を行う。当該電界は、2個の基板の間に電位差が与えられることで、発生させられる。また、2個の基板のうちの一方の面(対向基板の面)が表示面となる。また、2個の基板の間に隔壁を設けることで、電気泳動層が複数の領域(セル)に区画される。各領域(セル)は、例えば、画素を構成する。電気泳動表示装置は、電子ペーパーなどの電子機器に適用され得る。電気泳動表示装置は、EPD(Electrophoretic Display)とも呼ばれる。
【0003】
電気泳動表示装置の表示パネルの生成過程では、例えば、制御回路を有する画素基板ユニットに、電気泳動層の分散液を保持するための隔壁ユニットを形成して、当該分散液を注入することが行われる。その後、透明電極(共通電極)が形成されたガラス基板(対向基板)により、当該分散液を封止することが行われる。電気泳動表示装置では、画素基板ユニットの制御回路によって、当該画素基板ユニットに形成された画素電極と、共通電極との間の電位を制御することで、表示の内容が制御される。
【0004】
図13は、背景技術に係る電気泳動表示装置のCOM電極部1023のコンタクト構造1011を示す図である。
図13には、画素基板(バックプレーンの基板)の画素領域部1021と、M(Mは複数の整数である。)個の端子1022-1~1022-Mと、配線1024と、COM電極部1023を示してある。
1個の端子1022-1とCOM電極部1023とが配線1024を介して接続されている。COM電極部1023は、対向基板の共通電極(図13では図示せず)と接続される。
このように、図13の例に係るコンタクト構造1011では、表示パネルの一部に、端子1022-1とCOM電極部1023とを接続する部分(コンタクト部分)が形成されている。
【0005】
なお、電気泳動表示装置では、対向基板が500[μm]程度の高さを有し、隔壁が30[μm]程度の高さを有することから、共通電極のコンタクトを形成する場合、従来の半導体プロセスのようにエッチングでスルーホールを形成してAL(アルミニウム)等の金属をスパッタリングする方法を用いると、製造コスト的に困難である。このため、Ag(銀)ペーストのような導電性のペーストを用いて共通電極のコンタクトを形成することが一般的に行われている。
【0006】
図14は、背景技術に係る電気泳動表示装置のCOM電極部1023のコンタクト構造1011の等価回路を示す図である。
概略的には、当該等価回路では、所定の電位(VCOM0)のCOM電極1101が配線1102を介してコンタクト抵抗(接触抵抗)1103と接続されている。また、コンタクト抵抗1103の一方の端子の側の点P1と他方の端子の側の点P2には、当該コンタクト抵抗1103を通過する配線部分と、回路素子を有しない他の配線部分との両方が、並列に接続されている。所定の電位(VCOM0)のCOM電極1101は、図13に示されるCOM電極部1023のCOM電極に相当する。
このようなコンタクト構造1011では、COM電極部1023のコンタクト抵抗1103の抵抗値を直接計測(測定)することができない。
【0007】
ここで、一例として、特許文献1には、表示装置が示されている。当該表示装置では、共通電極と共通電極導通部(COM)との間に導通部材が配置されている(特許文献1の図5を参照)。この構成では、表示パネルを駆動する際に、下側の基板に形成された共通電極導通部(COM)に電圧を印加し、これにより、当該電圧が導通部材を介して共通電極に印加される。この構成では、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2009-115686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、従来の電気泳動表示装置では、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することができなかった。しかしながら、電気泳動表示装置では、画素電極と共通電極との間の電界を制御して画像を制御するため、コンタクト抵抗の抵抗値は重要なパラメータとなる。このため、コンタクト抵抗の抵抗値を計測することが必要になる場合があった。
例えば、従来では、共通電極の一部の周囲を削り出して当該共通電極のコンタクト部分を露出させて配線し、当該配線の電流値に基づいてコンタクト抵抗の抵抗値を計測するような間接的な計測しかできないという問題があった。量産による生産の安定性を考慮すると、コンタクト抵抗の抵抗値を容易に計測することができる構造が非常に重要となる。
【0010】
本発明は、前記の点に鑑み為されたものであり、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる電気泳動表示装置および電子機器、並びに共通電極を有する電子機器における共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、共通電極が形成された第1基板と、画素電極が形成され、複数の端子が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、粒子および分散媒を含む分散液と、前記複数の前記端子のうちの2以上の前記端子のそれぞれと前記共通電極の異なる点とを電気的に接続する2以上の接続部と、を備える電気泳動表示装置である。
この構成により、電気泳動表示装置では、第2基板に設けられた2以上の端子のそれぞれと共通電極の異なる点とを接続部を介して電気的に接続した。これにより、電気泳動表示装置では、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
【0012】
また、本発明の一態様は、電気泳動表示装置において、前記2以上の前記端子のそれぞれと前記共通電極の異なる点のそれぞれとは、それぞれの導電部を介して電気的に接続されており、前記それぞれの前記導電部は、開口部を有する枠部の前記開口部に配置されている、構成が用いられてもよい。
この構成により、電気泳動表示装置では、枠部が有する開口部に配置された導電部を介して、第2基板に設けられた2以上の端子のそれぞれと共通電極の異なる点のそれぞれとを電気的に接続した。これにより、電気泳動表示装置では、枠部による強化を図ることができる。
【0013】
また、本発明の一態様は、電気泳動表示装置において、前記第1基板と前記第2基板との間に隔壁が配置され、前記隔壁で区画された領域に前記分散液が配置されている、構成が用いられてもよい。
この構成により、電気泳動表示装置では、隔壁により複数の領域を区画する。これにより、電気泳動表示装置では、隔壁を備える構造において、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
【0014】
また、本発明の一態様は、電気泳動表示装置において、前記第1基板と前記第2基板との間に複数個のマイクロカプセルが配置され、前記マイクロカプセルの中に前記分散液が配置されている、構成が用いられてもよい。
この構成により、電気泳動表示装置では、マイクロカプセルにより複数の領域を区画する。これにより、電気泳動表示装置では、マイクロカプセルを備える構造において、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
【0015】
また、本発明の一態様は、電気泳動表示装置において、前記2以上の前記端子は、少なくとも前記複数の前記端子のうちの両端の2個の前記端子を含む、構成が用いられてもよい。
この構成により、電気泳動表示装置では、少なくとも複数の端子のうちの両端の2個の端子を共通電極と電気的に接続した。これにより、電気泳動表示装置では、2以上の端子と共通電極との電気的な接続の構成を簡易化することが可能である。
【0016】
また、本発明の一態様は、電気泳動表示装置において、前記2以上の前記端子の電位は、駆動される際に同じ電位である、構成が用いられてもよい。
この構成により、電気泳動表示装置では、2以上の端子の電位は、駆動される際に同じ電位である。これにより、電気泳動表示装置では、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
【0017】
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、以上のような電気泳動表示装置を備える電子機器である。
この構成により、電子機器では、電気泳動表示装置において、第2基板に設けられた2以上の端子のそれぞれと共通電極の異なる点とを接続部を介して電気的に接続した。これにより、電子機器では、電気泳動表示装置において、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
また、上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、共通電極を有する電子機器における前記共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法であって、共通電極が設けられた第1基板と、画素電極及び複数の端子が設けられ2つの異なる導電部が前記複数の前記端子のうちの2つの前記端子を前記共通電極の異なる点に電気的に接続する第2基板と、を備える電気表示装置を提供し、電源と電流計とを提供し、前記2つの前記端子の間の電流を計測する、方法である。
【0018】
以上のように、本発明に係る電気泳動表示装置および電子機器によれば、電気泳動表示装置において、第2基板に設けられた2以上の端子のそれぞれと共通電極の異なる点とを接続部を介して電気的に接続した。これにより、本発明に係る電気泳動表示装置および電子機器では、電気泳動表示装置において、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
また、本発明に係る共通電極を有する電子機器における前記共通電極のコンタクト抵抗値を計測する方法によれば、共通電極のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置の構成例を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造に関する構成例を示す断面斜視図である。
図4】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造に関する構成例を示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る隔壁部の構成例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造の概略的な等価回路の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るコンタクト抵抗の抵抗値を計測する等価回路の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極の変形例(第1の変形例)を示す図である。
図9】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極の変形例(第2の変形例)を示す図である。
図10】本発明の一実施形態(第2実施形態の第1の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態(第2実施形態の第2の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態(第2実施形態の第3の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
図13】背景技術に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造を示す図である。
図14】背景技術に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造の等価回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
<COM電極のコンタクト構造の概要>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造1の一例を示す図である。
図1には、画素基板の画素領域部21と、N(Nは複数の整数である。Nは図13に示されるMと同じ値であってもよい。)個の端子22-1~22-Nと、配線24-1~24-2と、COM電極部23を示してある。本実施形態では、両端の端子(端子22-1と端子22-N)は、駆動される際に同じ電位になる。
1個の端子22-1とCOM電極部23とが配線24-1を介して接続されている。また、別の1個の端子22-NとCOM電極部23とが別の配線24-2を介して接続されている。
COM電極部23は、対向基板の共通電極(図1では図示せず)と接続される。
このように、本実施形態に係るコンタクト構造1では、表示パネルの一部に、2個の端子22-1、22-NとCOM電極部23とを接続する部分(コンタクト部分)が形成されている。
【0022】
ここで、本実施形態では、複数の画素が形成される領域部分である画素領域部21を挟んで、互いに対向するところに、複数の端子22-1~22-Nと、COM電極部23とが形成されている。複数の端子22-1~22-Nは、所定の領域(電極配置領域)に、直線状に並んでいる。そして、2個の端子(一方の端の端子22-1および他方の端の端子22-N)が、それぞれの配線24-1、24-2を介して、COM電極部23と接続されている。それぞれの配線24-1~24-2は画素領域部21の外側に形成されており、2個の配線24-1~24-2が画素領域部21の周囲を(略一周)囲うように配置されている。このように、本実施形態では、コンタクト部分のスペースを小さくしている。
【0023】
<電気泳動表示装置の概要>
図2は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置(図2の説明において、電気泳動表示装置11と示す)の構成例を示す断面図である。
電気泳動表示装置11は、画素基板31と、画素基板31に形成された複数の画素電極32と、画素電極32を覆うように画素基板31に形成された絶縁層33と、画素基板31と対向する対向基板34と、対向基板34に形成された共通電極(対向電極)35と、画素基板31と対向基板34との間の空間を複数の領域(セル)に区画する隔壁36と、当該領域(セル)に封入される分散媒41および粒子(泳動粒子)42、43を備える。当該領域(セル)は、例えば、画素ごとの領域である。図1に示される画素領域部21は、当該画素領域部21の周縁部を含む領域に設けられた封止材(図示せず)によって、画素基板31と対向基板34との間に封止されている。当該封止材は、例えば、エポキシ樹脂などを用いて構成される。
【0024】
ここで、分散媒41と粒子42、43から分散液が構成される。分散液の層により電気泳動層が構成される。本実施形態では、電気泳動表示装置11は、負に帯電した白に対応する粒子42と、正に帯電した黒に対応する粒子43を備えている。なお、粒子の数は1以上の他の数であってもよい。また、各粒子の色は、他の色であってもよい。
画素基板31と対向基板34は、互いに対向させられて配置されている。画素基板31と対向基板34は、互いに平行に配置されている。本実施形態では、画素基板31および対向基板34は、それぞれ、板状の形状を有する。
本実施形態では、共通電極35は、複数の画素電極32に対して共通である。
【0025】
<COM電極のコンタクト構造の具体例>
図3は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造1に関する構成例を示す断面斜視図である。
図4は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造1に関する構成例を示す分解斜視図である。
図4には、組み立て前の部品として、2個のCOM電極(接続部)51-1~51-2と、2個の導電部52-1~52-2と、隔壁部53と、共通電極54を示してある。図3には、これらの部品が組み立てられた状態を示してある。
【0026】
ここで、図3および図4に示される構成は、図1に示されるCOM電極部23を含む周囲の構成であり、図1に示される画素領域部21、複数の端子22-1~22-Nおよび配線24-1~24-2については、図示を省略してある。また、図2の構成は図1に示される画素領域部21の周囲以外の構成であり、その周囲に図3および図4に示される構成が備えられる。
【0027】
なお、図3および図4に示されるCOM電極51-1~51-2は、図1に示されるCOM電極部23を構成する板状の電極である。図3および図4に示される隔壁部53は、図2に示される隔壁36を構成する板状のパターンである。図3および図4に示される共通電極54は、図2に示される共通電極35を構成する板状の電極である。
【0028】
それぞれのCOM電極51-1~51-2は、略正方形状(または、略長方形状でもよい)の部分と、当該部分と端子(図3および図4では、図示せず)とを接続するための部分を有する。本実施形態では、一方のCOM電極51-1は図1に示される一方の端子22-1と接続され、他方のCOM電極51-2は図1に示される他方の端子22-Nと接続される。
隔壁部53は、略長方形状(または、略正方形状でもよい)の部分を有するとともに、当該部分を挟んで互いに対向するところに、それぞれ、略正方形状(または、略長方形状でもよい)の枠の部分(枠部分)を有する。2個の枠部分のそれぞれは、2個のCOM電極51-1~51-2のそれぞれの略正方形状(または、略長方形状でもよい)の部分と対向させられて配置される。
【0029】
ここで、本実施形態では、隔壁部53が枠部分を一体として有する構成例を示してある。例えば、枠部分を有する隔壁部53が、全体として同じ材料を用いて構成され、全体として同一の処理工程で形成されることが可能である。
図3および図4には、隔壁部53について、主に枠部分の近辺の部分が示されているが、当該隔壁部53は当該枠部分と一体となった隔壁36を構成する部分(図示せず)を有する。
【0030】
それぞれの導電部52-1~52-2は、2個の枠部分のそれぞれの開口部(枠の穴の部分)と略同じ形状を有する。また、それぞれの導電部52-1~52-2の形状と、それぞれのCOM電極51-1~51-2の形状とは、略同じ形状となっている。
共通電極54は、隔壁部53における少なくとも画素領域の部分(図1に示される画素領域部21)を覆う形状を有している。なお、共通電極54は、例えば、隔壁部53のすべてを覆う形状を有してもよい。
【0031】
組み立ての過程では、それぞれのCOM電極51-1~51-2の一方の面(対向基板の側の面)と、それぞれの導電部52-1~52-2の一方の面(画素基板の側の面)とが接触させられて、電気的に導通(導電)させられる。それぞれの導電部52-1~52-2は、隔壁部53が有する2個の枠部分のそれぞれの開口部に挿入される。それぞれの導電部52-1~52-2の他方の面(対向基板の側の面)と、共通電極54の一方の面(画素基板の側の面)とが接触させられて、電気的に導通(導電)させられる。
【0032】
ここで、導電部52-1、52-2としては、例えば、形状が固定された導電性の部材が用いられてもよく、または、液状の導電性の物質(本実施形態では、導電剤という)が用いられてもよい。
一例として、導電剤が用いられる場合、導電剤はディスペンサーにより隔壁部53の枠部分の内側に注入される。本実施形態では、位置の精度を確保するために、ディスペンサーの外形サイズより大きい領域で隔壁を形成する。例えば、ディスペンサーの外形サイズが直径L3(L3は正の値)である場合、隔壁の内径の寸法L1について、L1>L3(または、L1≧L3より大きい値)とする。また、導電剤と共通電極54との接続マージンを確保するために、長さL4(L4は正の値)程度のハミダシを考慮して、それぞれの枠部分と長方形状の部分との間の距離L2について、L2≧L4とする。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る隔壁部53の構成例を示す図である。なお、図5の例では、隔壁部53について、図3および図4の例と同様な部分を示してある。
図5の例では、隔壁部53は、長方形状の部分(図5の例では、中央の部分)を有するとともに、当該部分を挟んで互いに対向するところ(図5の例では、左右)に、それぞれ、正方形状の枠の部分(枠部分)を有する。2個の枠部分の形状は同じであり、それぞれの枠部分の開口部を形成する正方形の一辺の長さはL1(L1は正の任意の値)である。また、それぞれの枠部分と長方形状の部分との間の距離(長さ)は同じでありL2(L2は正の任意の値)である。図5の例では、長さL1と比べて、長さL2は小さく、例えば、1/3、または、1/3.5、または、1/4、または、1/4.5、または、1/5程度である。
【0034】
図6は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極のコンタクト構造1の概略的な等価回路の一例を示す図である。
当該等価回路では、所定の電位(VCOM0)のCOM電極101と所定の電位(VCOM1)のCOM電極102とが、コンタクト抵抗104を有する配線103を介して接続されている。一方の所定の電位(VCOM0)のCOM電極101は、図4に示される一方のCOM電極51-1に相当し、他方の所定の電位(VCOM1)のCOM電極102は、図4に示される他方のCOM電極51-2に相当する。
このようなコンタクト構造1では、COM電極部23のコンタクト抵抗104の抵抗値を直接計測(測定)することが可能である。
【0035】
図7は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るコンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを計測する等価回路の一例を示す図である。
当該等価回路では、電源172の一端(例えば、プラスの側)と、電流計171と、所定の電位(VCOM0)のCOM電極151と、コンタクト抵抗153-1と、共通電極54のシート抵抗(共通電極シート抵抗)154と、コンタクト抵抗153-2と、所定の電位(VCOM1)のCOM電極152が直列に接続されており、さらに、所定の電位(VCOM1)のCOM電極152と電源172の他端(例えば、マイナスの側)とが接続されている。一方の所定の電位(VCOM0)のCOM電極151は、図4に示される一方のCOM電極51-1に相当し、他方の所定の電位(VCOM1)のCOM電極152は、図4に示される他方のCOM電極51-2に相当する。
【0036】
ここで、図7では、図6に示される概略的な等価回路よりも、詳細な等価回路を示してある。
また、電源172および電流計171は、検査用の器具(本実施形態では、検査用テスターという。)である。本実施形態では、工場において、電気泳動表示装置の表示パネルを作成している途中で、検査用テスターを用いて、COM電極151、152と共通電極54とのコンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを計測する。これにより、コンタクト抵抗153-1、153-2の検査を行うことができる。
【0037】
ここで、コンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcの算出(計測)の方法の一例を示す。
2個のCOM電極151、152に、電流計171と電源172を接続する。電源172に電圧としてE(Eは任意の値)を印加したときに電流計171に流れる電流をI(Iは任意の値)とする。本実施形態では、2個のコンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcは同じである。共通電極シート抵抗154の抵抗値をrs(rsは0より大きい値)とする。共通電極シート抵抗154の抵抗値rsは、そのシートの厚みに基づいて既知であるとする。なお、共通電極54としては、一般に、ITO(Indium Thin Oxide)が用いられるが、他のものが用いられてもよい。
オームの法則により、式(1)が成立し、これにより、コンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを算出することが可能である。このように、2個のCOM電極151、152の間の電流Iを計測することで、コンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを算出することが可能である。
【0038】
[数1]
E=I×(rc+rs+rc)
rc=(E/I-rs)/2[Ω] ・・(1)
【0039】
このように、本実施形態に係るコンタクト構造1では、複数のCOM電極151~152(図4に示されるCOM電極51-1~51-2)を備え、これらを導通させない構成により、コンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを算出することが可能である。
【0040】
他の構成例として、電気泳動表示装置(完成品)に、コンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを計測するモード(例えば、テストモード)の機能を備えてもよい。この構成では、電気泳動表示装置は、テストモードが起動されていない場合にはCOM電極151~152に電流計171および電源172を接続しない状態に切り替える一方、テストモードが起動された場合にはCOM電極151~152に電流計171および電源172を接続する状態に切り替えてコンタクト抵抗153-1、153-2の抵抗値rc、rcを計測(例えば、算出)する。テストモードの切り替えは、例えば、ユーザーの操作により行われてもよく、または、装置により自動的に行われてもよい。
【0041】
図8は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極201-1~201-2の変形例(第1の変形例)を示す図である。
本変形例に係る2個のCOM電極201-1~201-2は、図4に示される2個のCOM電極51-1~51-2と比べて、主に、配置の仕方が異なっている。具体的には、図4に示される2個のCOM電極51-1~51-2の並びの向き(例えば、横並びの向き)に対して、本変形例に係る2個のCOM電極201-1~201-2の並びの向き(例えば、縦並びの向き)は、直交(または、略直交)している。なお、本変形例では、隔壁部の枠部分および導電剤の形状および配置は、本変形例に係る2個のCOM電極201-1~201-2の形状および配置に応じて決められる。
【0042】
図9は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電気泳動表示装置のCOM電極301-1~301-4の変形例(第2の変形例)を示す図である。
本変形例に係る4個のCOM電極301-1~301-4は、図4に示される2個のCOM電極51-1~51-2と比べて、主に、数が異なっている。具体的には、図4の例では2個のCOM電極51-1~51-2が並べられるが、本変形例では4個のCOM電極301-1~301-4が並べられる。なお、本変形例では、隔壁部の枠部分および導電剤の形状および配置は、本変形例に係る4個のCOM電極301-1~301-4の形状および配置に応じて決められる。また、本変形例では、例えば、4個のCOM電極301-1~301-4のそれぞれが、図1に示される端子22-1、端子22-2、端子22-(N-1)、端子22-Nと接続される。
本変形例のように、4個のCOM電極301-1~301-4が用いられる場合には、例えば、4端子法を用いて、コンタクト抵抗の抵抗値を計測することが可能である。
【0043】
ここで、COM電極の数、形状、配置などとしては、様々な態様が用いられてもよい。例えば、COM電極の数は、2以上の任意の値であってもよい。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る電気泳動表示装置のコンタクト構造1では、画素基板における複数(本実施形態では、2個)の端子22-1、22-Nを、導通部材(配線24-1、24-2、COM電極51-1、51-2、導電部52-1、52-2)を介して、共通電極54の異なる位置に接続した。なお、それぞれの端子22-1、22-Nと共通電極54のそれぞれの接続点との間の導通部材(配線24-1、24-2、COM電極51-1、51-2、導電部52-1、52-2)は、異なる端子22-1、22-Nの間で、互いに物理的な接触(電気的な接触)が無いように配置されている。
【0045】
また、本実施形態に係る電気泳動表示装置の隔壁部53では、当該隔壁部53の下層にCOM電極51-1~51-2のパターンが存在しない領域においても、隔壁(図4の例では、2個の枠部分の間に挟まれた部分の隔壁)を形成してあり、これにより、隔壁の強度を確保してある。例えば、導電部52-1~52-2の挿入精度を確保するためには、導電部52-1~52-2と隔壁との間のスペースが大きい方が有利であると考えられるが、隔壁が存在しないと表示パネルの強度に影響があるため、本実施形態では、図4に示される構成が用いられている。なお、隔壁部53の構成として、他の構成例が用いられてもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る電気泳動表示装置では、画素基板に形成された電極(端子22-1、22-N)と共通電極54との間のコンタクト抵抗の抵抗値を容易かつ簡易に計測することができる。これにより、画素基板に形成された電極(端子22-1、22-N)と共通電極54とを電気的に導通させる導通部材(配線24-1、24-2、COM電極51-1、51-2、導電部52-1、52-2)の導通の信頼性を容易かつ簡易に確認(検査)することができる。
このように、本実施形態に係る電気泳動表示装置では、共通電極54のコンタクト抵抗の抵抗値を直接計測することができる。
例えば、本実施形態に係る電気泳動表示装置では、計測専用の器具を追加しなくても、他の二次加工をしなくても、簡易な構成で、コンタクト抵抗を計測することが可能である。この結果、例えば、コンタクト抵抗の計測を工程検査に導入することができ、電気泳動表示装置の表示パネルの品質向上および歩留り向上を図ることができる。
【0047】
ここで、本実施形態に関し、他の構成例を示す。
本実施形態では、図3および図4に示されるように、枠部分(図3および図4の例では、2個の枠部分)を有する隔壁部53が構成され、つまり、すべての枠部分と隔壁36とが一体となった隔壁部53を形成した。
これに関し、他の構成例として、すべての枠部分を有する部材(枠部)と、隔壁36を構成する部材(当該枠部を含まない隔壁部)とが、別体で構成されてもよい。
また、他の構成例として、複数個の枠部分が存在する場合、これら複数個の枠部分は、すべてが一体として構成されてもよく、または、それぞれが別体として構成されてもよく、または、一部が一体として構成されてもよい。また、この場合、一部の枠部分と隔壁36とが一体として構成されてもよい。
【0048】
本実施形態では、隔壁36によって空間を複数の領域(セル)に区画する隔壁型の電気泳動表示装置を示した。
これに関し、他の構成例として、隔壁36の代わりに、マイクロカプセル(図示せず)が用いられてもよい。すなわち、マイクロカプセルによって空間を複数の領域(セル)に区画するカプセル型の電気泳動表示装置が実施されてもよい。カプセル型では、例えば、複数のマイクロカプセルが形成された透明フィルムが、粘着剤などを用いて、画素基板と対向基板との間に設けられる。
カプセル型では、例えば、複数のマイクロカプセルが形成された透明フィルムとは別体で、複数個の枠部分が構成される。複数個の枠部分が存在する場合、これら複数個の枠部分は、すべてが一体として構成されてもよく、または、それぞれが別体として構成されてもよく、または、一部が一体として構成されてもよい。
【0049】
(第2実施形態)
図10図12を参照して、本発明の実施形態に係る電子機器の概略的な構成例を示す。本実施形態では、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置(第1実施形態に係る電気泳動表示装置)を適用した電子機器の具体例を示す。
【0050】
図10は、本発明の一実施形態(第2実施形態の第1の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
具体的には、図10は、電子機器の一例である電子ブック501を示す斜視図である。
電子ブック501は、ブック形状のフレーム511と、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置が適用された表示部512と、操作部513を備える。
【0051】
図11は、本発明の一実施形態(第2実施形態の第2の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
具体的には、図11は、電子機器の一例である腕時計551を示す斜視図である。
腕時計551は、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置が適用された表示部561を備える。
【0052】
図12は、本発明の一実施形態(第2実施形態の第3の例)に係る電子機器の概略的な構成例を示す図である。
具体的には、図12は、電子機器の一例である電子ペーパー571を示す斜視図である。
電子ペーパー571は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部581と、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置が適用された表示部582を備える。
【0053】
なお、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置は、他の様々な電子機器に適用されてもよく、例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器等の電子機器の表示部、マニュアル等の業務用シート、教科書、問題集、情報シートなどに適用されてもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る電子機器では、以上の実施形態に係る電気泳動表示装置と同様な効果を得ることができる。
【0055】
(以上の実施形態のまとめ)
一構成例として、共通電極(図2の例では、共通電極35であり、図4の例では、共通電極54)が形成された第1基板(図2の例では、対向基板34)と、画素電極(図2の例では、画素電極32)が形成され、複数の端子(図1の例では、端子22-1~22-N)が設けられた第2基板(図2の例では、画素基板31)と、第1基板と第2基板との間に設けられ、粒子(図2の例では、粒子42、43)および分散媒(図2の例では、分散媒41)を含む分散液と、複数の端子のうちの2以上の端子(図1の例では、端子22-1、22-N)のそれぞれと共通電極の異なる点とを電気的に接続する2以上の接続部(図4の例では、COM電極51-1~51-2)と、を備える電気泳動表示装置(図2の例では、電気泳動表示装置11)である。
一構成例として、電気泳動表示装置において、2以上の端子のそれぞれと共通電極の異なる点のそれぞれとは、それぞれの導電部(図4の例では、導電部52-1~52-2)を介して電気的に接続されており、それぞれの導電部は、開口部(枠の開口している部分)を有する枠部(枠の部分を有する部材)の当該開口部に配置されている。
一構成例として、電気泳動表示装置において、第1基板と第2基板との間に隔壁が配置され、隔壁(図2の例では、隔壁36)で区画された領域(例えば、画素ごとのセル)に分散液が配置されている。
一構成例として、電気泳動表示装置において、第1基板と第2基板との間に複数個のマイクロカプセルが配置され、マイクロカプセルの中に分散液が配置されている。
一構成例として、電気泳動表示装置において、2以上の端子は、少なくとも複数の端子のうちの両端の2個の端子(図1の例では、端子22-1、22-N)を含む。
一構成例として、電気泳動表示装置において、2以上の端子の電位は、駆動される際に同じ電位である。
一構成例として、以上のような電気泳動表示装置を備える電子機器(例えば、図10図12に示される電子機器)である。
【0056】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0057】
なお、以上に説明した装置(例えば、電気泳動表示装置、電子機器)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1、1011…コンタクト構造、11…電気泳動表示装置、21、1021…画素領域部、22-1~22-N、1022-1~1022-M…端子、23、1023…COM電極部、24-1~24-2…配線、31…画素基板、32…画素電極、33…絶縁層、34…対向基板、35、54…共通電極、36…隔壁、41…分散媒、42、43…粒子、51-1~51-2、101~102、151~152、201-1~201-2、301-1~301-4、1101…COM電極、52-1~52-2…導電部、53…隔壁部、103、1102…配線、104、153-1~153-2、1103…コンタクト抵抗、154…共通電極シート抵抗、171…電流計、172…電源、501…電子ブック、511…フレーム、512、561、582…表示部、513…操作部、551…腕時計、571…電子ペーパー、581…本体部、P1~P2…点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14