(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/02 20060101AFI20221101BHJP
B05B 15/00 20180101ALI20221101BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B05D1/02 Z
B05B15/00
B05D3/00 D
(21)【出願番号】P 2022059392
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202110878427.1
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516265780
【氏名又は名称】北京科技大学
(73)【特許権者】
【識別番号】519226115
【氏名又は名称】南京鋼鉄股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522028065
【氏名又は名称】湖南華菱湘潭鋼鉄有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522130379
【氏名又は名称】江蘇博際噴霧系統股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu BojiSprayingsystems Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Sandang Industrial Park, Xiannv Town, Jiangdu District, Yangzhou City, Jiangsu Province, 225267, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】劉青
(72)【発明者】
【氏名】韓延申
(72)【発明者】
【氏名】張江山
(72)【発明者】
【氏名】陶▲ビァオ▼
(72)【発明者】
【氏名】湯偉
(72)【発明者】
【氏名】李権輝
(72)【発明者】
【氏名】陳波涛
(72)【発明者】
【氏名】管敏
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-544836(JP,A)
【文献】特開2007-260490(JP,A)
【文献】国際公開第2011/115277(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05B 1/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価システムにおける端末デバイスに適用する、コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法であって,
前記評価システムは、さらに集水格子プラットフォームとノズルを含み、ノズルが地面方向へ噴水するとき、前記集水格子プラットフォームは、前記ノズルの地面方向での左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水をそれぞれ収集し、前記左側スプレー領域は前記ノズルのスプレー中心面の左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面の右側領域であり、
前記評価方法は、
前記ノズルが第1の状態で地面方向へ噴水するとき、集水格子プラットフォームが収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量をそれぞれ取得し、
前記ノズルを90°で回転させて、前記ノズルの回転後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが收集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ取得し、
前記ノズルの第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて、前記ノズルの対応する対称性評価パラメータの評価値を確定し、
前記評価値は、スプレー領域噴水総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量との和が占める比重、または、スプレー領域噴水総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を表し、
前記スプレー領域噴水総量はノズルの第1の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第1の噴水量との和、またはノズルの第2の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量の和を表し、
前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定することを特徴とするコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項2】
前記集水格子プラットフォームは、前後方向に移動する列状集水管群を含み、前記列状集水管群は、複数のサイズが同じである集水管を含み、前記列状集水管群は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものであり、前記第1の定格間隔領域は、それぞれ集水管の前
後移動の軌迹に対応している、ことを特徴とする請求項1に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項3】
前記左側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は、左側スプレー領域における第1の定格間隔領域の噴水の水量総和であり、前記右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は、右側スプレー領域の第1の定格間隔領域における噴水の水量総和である、ことを特徴とする請求項2に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項4】
前記左側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量総和または前記右側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量総和は、前記集水格子プラットフォームがノズルのスプレー領域に数回往復して収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の水量総和である、ことを特徴とする請求項3に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項5】
集水格子プラットフォームがノズルスプレー領域の一方の外縁からノズルスプレー領域を介して、集水管の第1の定格間隔領域での各第2の定格間隔領域で收集する噴水の水量を取得するように制御され、
前記第2の定格間隔領域は、第1の定格間隔領域が前後方向に沿って予め定められた間隔で分けられた領域であり、
各第2の定格間隔領域で收集した噴水の水量に基づいて、ノズルスプレー領域の二次元水量分布状態図を生成する、ことを特徴とする請求項2に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項6】
前記集水管が第1の定格間隔領域での各第2の定格間隔領域で收集した噴水の水量を取得することは、
カメラにより集水管が収集した第2の定格間隔領域の噴水の図像を撮って、図像識別モデルにより、集水管が收集した当該第2の定格間隔領域の噴水の水量を取得することを含むこと、を特徴とする請求項5に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項7】
前記集水管にはスケールタブが設けられること、を特徴とする請求項6に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法。
【請求項8】
コーン型ノズル水量分布対称性の評価システムであって、
前記評価システムは、集水格子プラットフォーム、ノズルおよび端末デバイスを含み、
所述ノズルは、第1の状態で地面方向へ噴水するためのものであり、外力の作用で90°で回転して、回転した後の第2の状態で地面方向へ噴水するためのものであり、
前記集水格子プラットフォームは、ノズルが地面方向へ噴水するとき、前記ノズルの地面方向の左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水をそれぞれ収集し、前記左側スプレー領域は前記ノズルのスプレー中心面の左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面の右側領域であり、
前記端末デバイスは、
ノズルが第1の状態で地面方向へ噴水するとき、それぞれ、集水格子プラットフォームが收集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量を取得するためのものであり、
ノズルを90°で回転させて、前記ノズルの回転後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ取得するためのものであり、
前記ノズルの第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量にもとづいて、前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値を確定し、
前記評価値はスプレー領域噴水総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量の和が占める比重、または、スプレー領域噴水総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を示し、前記スプレー領域噴水総量は、ノズルの第1の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第1の噴水量との和、またはノズルの第2の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量との和を示し、前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定する、ことを特徴とするコーン型ノズル水量分布対称性の評価システム。
【請求項9】
前記集水格子プラットフォームは、前後方向に移動する列状集水管群を含み、前記列状集水管群は複数のサイズが同じである集水管を含み、前記列状集水管群は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものであり、前記第1の定格間隔領域は、それぞれ集水管の前後移動の軌迹に対応するものである、ことを特徴とする請求項8に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価システム。
【請求項10】
前記集水管にはスケールタブが設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載のコーン型ノズル水量分布対称性の評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料処理領域に関し、特に、コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造は、高級鋼鉄材料を生産する重要な工程技術である。低合金鋼と包晶鋼(cの含有量は0.08-0.14%である)などの連続鋳造ブランクのクラック敏感性は高いので、連続鋳造生産の過程でそのものの熱物性と冷却の不均一性によりクラックを生成させて、製品の品質およびそのレベルに影響する。したがって、新しい鋼鉄材料を開発するとき、連続鋳造工程に対して精確にテスト、デザインおよび最適化をすることによって、新型の鋼を順調に開発して大量生産することを保証する。
【0003】
連続鋳造二次冷却ゾーンでは、ノズル噴水は連続鋳造ブランクを冷却する主要の方式であり、鋳造ブランクの凝固や冷却を制御する唯一の手段であり、ノズルの噴射性能は、鋳造ブランクのエネルギーの伝達に重要な影響がある。ただし、ノズルの水量分布は、連続鋳造ブランクの二次冷却の均一性に影響する重要な要素である。ノズルの水量分布の対称性が悪い場合、連続鋳造ブランクの冷却の均一性を厳しく低下させて、クラックを生成させる。
【0004】
機械工業標準《JB/T 12492-2015 連続鋳造用水ノズル》では、ノズルの水量分布の不対称性のトレランスは10%にする必要がある。当該標準では、ノズル水量分布の測定方法は一次元水量分布である。コーン型ノズルに対して、実際の実装過程では、通用の実装標準がないが、通常、回転できなくなるまでねじる。ノズルのねじの加工精度および後の配置の影響を受けて、ノズルは回転できなくなるまでねじられるとき、異なる回転角度になる可能性がある。ノズルの水量が噴射被覆範囲が噴射中心から離れるある位置に集中すれば、特定の角度で測定すると、水量分布が良い対称性を有する仮相になる可能性がある。したがって、一つの角度しかコーン型ノズルの水量分布を測定してその対称性を分析しない場合、正確にその対称性を評価することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明は、従来の一次元統計方法によりコーン型ノズル水量分布対称性を客観的に表すことができないという問題を解決するとともに評価效率を向上させる、コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によるコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法は、評価システムにおける端末デバイスに適用する、コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法であって、
前記評価システムは、さらに集水格子プラットフォームとノズルを含み、ノズルが地面方向へ噴水するとき、前記集水格子プラットフォームは、それぞれ前記ノズルの地面方向での左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水を収集し、前記左側スプレー領域は前記ノズルのスプレー中心面の左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面の右側領域であり、
前記評価方法は、
ノズルが第1の状態で地面方向へ噴水するとき、それぞれ集水格子プラットフォームが収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量を取得し、
前記ノズルを90°で回転させて、前記ノズルの回転後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが收集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ取得し、
前記ノズルの第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて、前記ノズルの対応する対称性評価パラメータの評価値を確定し、
前記評価値は、スプレー領域噴水総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量との和が占める比重、または、スプレー領域噴水総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を表し、
前記スプレー領域噴水総量はノズルの第1の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第1の噴水量との和、またはノズルの第2の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量の和を表し、
前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定する。
【0007】
好ましくは、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法では、前記集水格子プラットフォームは、前後方向に移動する列状集水管群を含み、前記列状集水管群は、複数のサイズが同じである集水管を含み、前記列状集水管群は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものであり、前記第1の定格間隔領域は、それぞれ集水管の前后移動の軌迹に対応している。
【0008】
好ましくは、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法では、前記左側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は、左側スプレー領域における第1の定格間隔領域の噴水の水量総和であり、前記右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は、右側スプレー領域の第1の定格間隔領域における噴水の水量総和である。
【0009】
好ましくは、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法では、前記左側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量総和または前記右側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量総和は、前記集水格子プラットフォームがノズルのスプレー領域に数回往復して収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の水量総和である。
【0010】
好ましく、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法は、以下のことを含む。
集水格子プラットフォームがノズルスプレー領域の一方の外縁からノズルスプレー領域を介して、集水管の第1の定格間隔領域での各第2の定格間隔領域で收集する噴水の水量を取得するように制御され、
前記第2の定格間隔領域は、第1の定格間隔領域が前後方向に沿って予め定められた間隔で分けられた領域であり、
各第2の定格間隔領域で收集した噴水の水量に基づいて、ノズルスプレー領域の二次元水量分布状態図を生成する。
【0011】
好ましく、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法では、前記集水管が第1の定格間隔領域での各第2の定格間隔領域で收集した噴水の水量を取得することは、
カメラにより集水管が収集した第2の定格間隔領域の噴水の図像を撮って、図像識別モデルにより、集水管が收集した当該第2の定格間隔領域の噴水の水量を取得することを含む。
【0012】
好ましくは、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法では、前記集水管にスケールタブが設けられる。
【0013】
さらに、本発明のコーン型ノズル水量分布対称性の評価システムによれば、
前記評価システムは、集水格子プラットフォーム、ノズルおよび端末デバイスを含み、
所述ノズルは、第1の状態で地面方向へ噴水するためのものであり、外力の作用で90°で回転して、回転した後の第2の状態で地面方向へ噴水するためのものであり、
前記集水格子プラットフォームは、ノズルが地面方向へ噴水するとき、前記ノズルの地面方向の左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水をそれぞれ収集し、前記左側スプレー領域は前記ノズルのスプレー中心面の左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面の右側領域であり、
前記端末デバイスは、ノズルが第1の状態で地面方向へ噴水するとき、それぞれ、集水格子プラットフォームが收集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量を取得するためのものであり、
ノズルを90°で回転させて、前記ノズルの回転後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ取得し、前記ノズルの第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて、前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値を確定し、前記評価値は、スプレー領域噴水総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量との和が占める比重、またはスプレー領域噴水総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を示し、前記スプレー領域噴水総量は、ノズルの第1の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第1の噴水量の和、またはノズルの第2の状態での左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の第2の噴水量の和であり、前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定する。
【0014】
好ましくは、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価システムでは、前記集水格子プラットフォームは、前後方向に移動する列状集水管群を含み、前記列状集水管群は複数のサイズが同じである集水管を含み、前記列状集水管群は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものである。前記第1の定格間隔領域は、それぞれ集水管の前後移動の軌迹に対応するものである。好ましくは、本発明のコーン型ノズル水量分布対称性の評価システムでは、前記集水管にはスケールタブが設けられる。
【0015】
本発明におけるコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法は、ノズルを90°で回転させ、ノズルの二群の相互垂直状態での水量分布を取得し、この二群の水量分布間の差異化は、他の角度に対してより明らかである。二群の水量分布を組み合わせて一つの対称性評価パラメータを用いてノズル水量分布の対称性を表す。これにより、一次元測定の場合ある角度によるノズル水量分布の「完全対称」という仮想を有効に避ける。本発明は、さらに、スプレー領域噴水総量のうちで二群の水量分布における最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量の和または最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重に応じて二群の水量分布を組み合わせる。これにより、対称性評価パラメータは二群の水量分布における最も対称ではないときの水量分布の対称程度を表すものであり、より正確にノズル水量分布の対称性を評価する。
【0016】
本発明の実施例による技術案をより明瞭に説明するために、以下に本発明の実施例における図面を簡単に紹介する。以下の図面は、本発明の実施例を示すものに過ぎず、特許発明の範囲を限定するものではないということは、理解すべきである。当業者にとって、進歩性に値する労働を与えない限り、以下の図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の実施例による前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法のフローチャートを示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施例による前記評価システムの列状集水管群およびノズル位置関係の模式図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1によるノズルの第1の状態および第2の状態での一次元水量分布の対比図であり、左側図は前記ノズルの第1の状態での一次元水量分布図であり、右側図は前記ノズルの第2の状態での一次元水量分布図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1における二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例2による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例3による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例4による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例5による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例6による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例7による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例8による二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の目的、技術案および利点を明瞭化するために、本発明の実施例による図面を参照しながら、本発明の実施例による技術案を明瞭、完璧に記述する。本発明における図面は、発明を説明し記述するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。また、模式図は、実物の比例に基づいて書いたものではない。本発明におけるフローチャートは、本発明の実施例に基づいて実現する操作を示すものである。フローチャートの操作は、順次に実現しなくてもよく、論理的に上下文の関係がないステップは、反対の順序または同時に基づいて実施してもよい。また、当業者は、本発明の内容に基づいて、フローチャートに一つまたは複数の操作を添加してもよく、フローチャートから一つまたは複数の操作をなくしてもよい。
【0019】
また、記述している実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。通常、ここの図面に記述する本発明の実施例の素子は、異なる配置に基づいて配置設計してもよい。したがって、以下には、図面における本発明の実施例の詳細記述は、本発明の特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の所定の実施例を示すものに過ぎない。本発明の実施例は、当業者が進歩性に値する労働を与えない限りなされる他の実施例は、本発明の特許請求の範囲に属する。
【0020】
本発明の実施例による用語「含む」は、その前の技術特徴を示すものであり、他の技術特徴を含む可能性を排除しないということは説明する必要がある。
【0021】
伝統のコーン型ノズルに対する品質要求標準では、前記ノズル1が所定の状態で地面方向に噴水するときノズル1のスプレー領域における左側のスプレー領域および右側のスプレー領域の噴射水を収集して、ノズル1スプレー領域の一次元水量分布を取得して、左側のスプレー領域および右側のスプレー領域の噴水の水量の差の値を取得して、前記差の値を利用してノズル1の水量分布の不対称性を評価する。
【0022】
しかしながら、固定状態でノズル1スプレー領域の一次元水量分布を測定する場合、ノズル1のねじ加工精度および後の配置の影響を受けるので、ノズル水量分布は良い対称性という仮相を有する可能性がある。当該ノズル1が連続鋳造二次冷却領域に適用した後、ノズル1の実装状態は変化を発生する。ノズル1スプレー領域の水量分布は、機械工業標準が許容する誤差に符合しなく、連続鋳造ブランクの冷却の均一性を厳しく低下させて、クラックの発生を容易に招く。
【0023】
上記のノズル水量分布の不対称性測定によってノズル1の対称性を正確、全面に評価できないという問題に対して、本発明の実施例によるコーン型ノズル水量分布対称性の評価方法は、評価システムにおける端末デバイスに適用する。前記評価システムは、さらに、集水格子プラットフォームとノズル1を含み、ノズル1が地面方向に噴水するとき、前記集水格子プラットフォームは、それぞれ、前記ノズル1の地面方向での左側スプレー領域および右側スプレー領域の噴水を収集する。ただし、前記左側のスプレー領域は、前記ノズル1のスプレー中心面の左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面の右側領域である。
図1に示すように、前記評価方法は、
ノズル1が第1の状態で地面方向に噴水するとき、集水格子プラットフォームが収集する左側のスプレー領域および右側のスプレー領域の噴水の第1の噴水量をそれぞれ、取得するステップS101と、
前記ノズルを90°で回転させると、前記ノズルの回転した後の第2の状態で集水格子プラットフォームが收集した左側スプレー領域および右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ、取得するステップS102と、
前記ノズルの第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて、前記ノズル1に対応する対称性評価パラメータの評価値を確定する。前記評価値はスプレー領域の噴水の総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量との和が占める比重、またはスプレー領域の噴水の総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を示す。前記スプレー領域噴水総量は、ノズル1の第1の状態での左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の第1の噴水量の和、または、ノズル1の第2の状態での左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の第2の噴水量との和であるステップS103と、
前記ノズル1に対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズル1の左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の対称性評価結果を確定するステップS104とを含む。
【0024】
具体的には、前記スプレー中心面が前記ノズル1の回転軸が所在する平面に位置し、前記スプレー中心面と前記地面方向とは垂直し、前記スプレー中心面は前後方向に沿っている。
前記ステップS101では、ノズル1が実装されるとき、ノズル1の実際応用での実装状態と一致するように、回転できなくなる状態である前記ノズル1の第1の状態までねじられる。
前記ステップS102では、前記ノズル1を90°で回転させた後、ノズル1の実装状態が変化している。ノズル1の水量分布の仮相対称は、通常、ノズル1のねじの加工精度と後の配置の影響に関係しているので、ノズル1を90°で回転させた後、ノズル1のねじの実際の実装状態が変わって、ノズル水量分布の仮相対称という現像を避ける。
【0025】
通常の場合、ノズル1を第1の状態から第2の状態に回転させるとき、ノズル1が0°-90°で回転されると、第1の状態での左のスプレー領域と第2の状態での左のスプレー領域との重合面積、および第1の状態での右のスプレー領域と第2の状態での右のスプレー領域との重合面積は、だんだんに小さくなる。第2の状態でのノズル1の左側のスプレー領域と第1の状態でのノズル1の左側のスプレー領域、第2の状態での右側のスプレー領域と第1の状態での右側のスプレー領域の水量分布の差異は、ノズル1回転角度の増加に従って増大する。ノズル1が90°-180°で回転するとき、スプレー領域の水量分布は、それぞれノズル1が90°-0°で回転する場合のそれと一一対応している。したがって、ノズル1を90°で回転させる場合、最大程度にノズル1の実装状態を改変させることができる。ノズル1の第1の状態での左側のスプレー領域および第2の状態での左側のスプレー領域、第1の状態での右側のスプレー領域と第2の状態での右側のスプレー領域におけるノズル水量分布の差異は最大であり、当該二つの状態でのノズル1の水量分布を取得すれば、ノズルの対称性を最も正確に評価する。
【0026】
この実施例では、本発明に記載の評価システムは、さらに、図像識別装置を含み、前記図像識別装置は、集水格子プラットフォームが收集する左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の水量を識別するためのものであり、これによって左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水としての第1の噴水量以及左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水としての第2の噴水量を自動的に取得する。本実施例では、図像識別装置は、集水格子プラットフォームが収集する左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の水量を識別するためのものであり、図像識別装置によって集水格子プラットフォームが収集する噴水の図像を撮影することも含む。
【0027】
図像識別装置における図像識別モデルによって、格子プラットフォームが収集する噴水の高さを算出して取得する。
前記噴水の高さに応じて、左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または左側のスプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第2の噴水量を取得する。
実際の応用では、直接、算出して取得した格子プラットフォームが収集する噴水の高さを左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水の第1の噴水量または左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水の第2の噴水量として、算出量を減少させる。集水格子プラットフォームそのものの形状に応じて、算出して取得した噴水の高さを組み合わせて、さらに噴水の水量を算出して、対応的に左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水の第1の噴水量または左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水の第2の噴水量とする。
【0028】
前記評価システムが図像識別装置を含む場合、前記のステップS101とS102では、ノズル1が第1の状態で地面方向へ噴水するとき、図像識別装置によって集水格子プラットフォームが收集する左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量をそれぞれ取得する。前記ノズル1を90°で回転させて、図像識別装置によって、それぞれ、前記ノズル1の回転した後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが収集した左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の第2の噴水量を取得する。
【0029】
本実施例では、さらに、
図2に示すように、前記集水格子プラットフォームは、前後方向に沿って移動する列状集水管群3を含み、前記列状集水管群3はサイズが同じである複数の集水管を含む。前記列状集水管群3は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものであり、前記第1の定格間隔領域は、それぞれ、集水管前後に移動する軌跡に対応し、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集し、第1の定格間隔領域の噴水の水量は、一方の側の外からスプレー領域の集水管の水柱2を渡る高度であり、列状集水管群3における各集水管中の水柱2の高度を取得すれば、ノズル1の左側スプレー領域と右側スプレー領域の更なる詳細の一次元水量分布を取得する。
【0030】
前記第1の定格間隔領域の左右方向に沿う幅は、12mm以下である。したがって、前記列状集水管群3の集水管の外径は12mm以下であり、前記集水管の壁の厚みは2mm以内である。
この実施例では、前記集水管の外径は、12mmである。
本発明の実施例では、前記集水管には、スケールタブが設けられる。図像識別モデルは、前記集水管図像のスケールタブと水柱2の高度との対比に基づいて、集水管の水柱2の高度をより精確に確定する。即ち、第1の定格間隔領域の噴水の水量を識別する。
【0031】
同時に、集水格子プラットフォームは、それぞれ左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するとき、前記図像処理装置は、それぞれ、各集水管中の水柱2の高度を、各集水管中の噴水の水量として識別すれば、前記左側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は左側のスプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量の総和であり、前記右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量または第2の噴水量は右側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量の総和である。
【0032】
左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を取得することは、具体的には以下のステップ(a)とステップ(b)を含む。
ステップ(a):ノズル1の初期方向を確定して、ノズル1を開いてスプレーし,列状集水管群3がノズル1スプレー領域の一方の外縁から所定のスピードレートにてノズル1のスプレー範囲を通過するように制御されて、各集水管内の水量Hiθ、Hjθを取得し、ただし、前記Hiθはスプレー中心の左側の第i目の定格垂直間隔領域の噴水総量であり、前記Hjθはスプレー中心の右側の第j目の定格垂直間隔領域の噴水総量、
ステップ(b):集水格子プラットフォーム中の水がなくなるように排出されて,ノズル1を90°で回転し、ノズル1を開いてスプレーし、集水格子プラットフォームがノズル1スプレー領域の一方の外縁から定格のスピードレートにてノズル1のスプレー範囲を通過するように制御され、各集水管内の水量Hiθ+90°,Hjθ+90°を取得し、前記Hiθ+90°はスプレー中心面の左側の第i目の定格垂直間隔領域の噴水総量であり、前記Hjθ+90°はスプレー中心の右側の第j目の定格垂直間隔領域の噴水総量である。
前記ステップ(a)と前記ステップ(b)の前記スピードレートは、固定で同じであり、いずれも5-10mm/Sであり、これによって、各集水管が噴水を収集するときのスプレー時間長は同じになる。
【0033】
図像識別装置が識別することによって得られた各集水管中の噴水の高度には、少し大きくなるかまたは小さくなるというような誤差がある可能性がある。このような偏差は、図像識別装置が水柱2の高度を識別するとき四捨五入によって算出されたものであるためである。各集水管中の水量を取得することによって、左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の集水管中の噴水の水量の総和を求めて第1の噴水量および第2の噴水量として取得し、異なる集水管の少し大きくなるかまたは小さくなるというような誤差をある程度に相殺させて、より正確な第1の噴水量または第2の噴水量を取得し、より正確にノズル1の対称性を評価することができる。
【0034】
S103では、前記ノズル1の第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて、前記ノズル1に対応する対称性評価パラメーターの評価値を確定する。具体的には、以下のような式のいずれか一つ以上に基づいて、ノズル1に対応している対称性評価パラメータの評価値を算出する。
【0035】
【0036】
ただし、前記hi
θはスプレー領域の噴水の総量のうちでスプレー中心の左側の第i目の定格垂直間隔領域の噴水の水量が占める比重であり、前記hj
θはスプレー領域の噴水の総量のうちでスプレー中心の右側の第j目の定格垂直間隔領域の噴水の水量が占める比重であり、前記hi
θ+90はスプレー領域の噴水の総量のうちでスプレー中心面の左側の第i目の定格垂直間隔領域の噴水の水量が占める比重であり、前記hj
θ+90はスプレー領域の噴水の総量のうちでスプレー中心の右側の第j目の定格垂直間隔領域の噴水の水量が占める比重である。
【0037】
以下の式のいずれか一つ以上を用いてノズル1に対応する対称性評価パラメータの評価値を算出する。
【0038】
SIWFD は前記ノズル1に対応する対称性評価パラメータを示す。SIWFD(1)、SIWFD(2)、SIWFD(3)、SIWFD(4)、SIWFD(5)、SIWFD(6)、SIWFD(7)、SIWFD(8)は、それぞれ異なる式によって算出して得られた対称性評価パラメータを示す。
【0039】
【0040】
前記評価値を計算するとき、最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量、最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量を選択して、ノズル1の二つの状態でのノズル1水量分布の特徴を組み合わせて、単一のスプレー領域噴水量との差異が最大になるようにする。したがって、前記評価値は、より客観、全面、正確にノズル水量分布の対称性を評価する。
【0041】
ノズル1が固定状態で、スプレー領域における水量分布も時間の異なりに伴って異なる。このような相違は、給水通路によって招いたものである。さらにノズル1の非品質原因によるノズル1の二つの状態でのスプレー領域水量分布の誤差をさらに低減させるために、本発明の実施例は、数回に測定して平均値を求めるという考えに基づいて、前記左側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量の総和または前記右側スプレー領域の第1の定格間隔領域の噴水の水量の総和を前記集水格子プラットフォームがノズル1のスプレー領域を数回に往復して收集する左側のスプレー領域と右側のスプレー領域の噴水の水量の総和として確定する。
【0042】
前記ステップS104では、対称性評価パラメータの評価値が1に接近すればするほど、前記ノズル1の左側スプレー領域と右側スプレー領域の対称性評価結果は良くなり、前記ノズル1の左側スプレー領域と右側スプレー領域の対称性評価結果は良くなる。
【0043】
前記対称性評価パラメータの評価値が0.9以上で1.1以下であるとき、前記ノズル1の対称性評価結果は合格と判断される。反対に、前記対称性評価パラメータの評価値が0.9より小さいかまたは1.1より大きいであるとき、前記ノズル1の対称性評価結果が合格であると判断される。
【0044】
扁平型ノズル1と比べると、コーン型ノズルの噴水被覆領域はほぼ円状をなすので、一次元測定により水量分布対称性を評価することができない。本発明は、大量の実験研究の結果により、ノズル1が二群の相互垂直状態になるときの水量分布を取るとき、その二群の水量分布間の差異化は、他の角度に対して、最も明らかである。これにより、一次元測定によるある角度のノズル水量分布が完全に対称になるという仮相を有効に避ける。これに基づいて、本発明は、創造的に以下の技術案を提出する。即ち、相互垂直方向での水量分布を取得して、最小・最大水量値または最小・最大水量の比重の関係変換に基づいてコーン型ノズルの水量分布対称性を客観的に反映する。
【0045】
本発明は、実施例1-実施例8によって八つの異なるコーン型ノズルに対して水量分布対称性テストを行う。本発明の実施例1-実施例8が収集する各領域の水柱の高度と換算した水量の比例は、表1-表8に示す。
【0046】
表1-表8における領域は、いずれも第1の定格間隔領域を示す。水柱高度Hは第1の定格間隔領域に対応する集水管中の水柱の高度であり、第1の定格間隔領域の噴水の水量を示す。水量比例hは第1の定格間隔領域に対応する集水管中の水柱の高度とノズルの第1の状態での集水管の水柱高度の和との比例値、または第1の定格間隔領域に対応する集水管中の水柱の高度とノズルの第2の状態での集水管中の水柱高度の和との比例値を示す。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
上述の実施例1-8により算出したノズル水量分布対称性指数は、表9に示す。
【0056】
【0057】
図3 は本発明の実施例1によるθとθ+90°の二つの方向上の一次元水量分布を示す。
図3から直観的に得られるように、実施例1におけるノズル1の第1の状態での水量分布は、ノズルの対称性要求をより満足でき、ノズル1の第2の状態での水量分布の対称性が悪い。ノズル1の第1の状態での水量分布のみを測定すれば、ノズル1の水量分布の偽りの対称の結果を得る可能性がある。本発明における対称性評価パラメータは、ノズル1の二つの状態での水量分布結果を綜合的に考慮したものであるので、真に、正確にノズルの水量分布の対称性を反映することができる。
【0058】
本実施例では、前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価方法は、さらに以下に二次元定格距離測定によって得られた水量分布状態のステップを含む。
【0059】
集水格子プラットフォームがノズル1スプレー領域の一方の外縁からノズルスプレー領域を介して集水管の第1の定格間隔領域における各第2の定格間隔領域で收集する噴水の水量を取得するように制御される。前記第2の定格間隔領域は第1の定格間隔領域が前後方向に沿って予め設定した間隔で分けられた領域である。
【0060】
各第2の定格間隔領域で収集する噴水の水量に基づいて、ノズル1スプレー領域の二次元水量分布状態図を生成する。
【0061】
具体的に、本実施例では、第1の定格間隔領域は集水格子プラットフォームの動き方向、即ち前後方向に沿って12mmの間隔で若干の第2の定格間隔領域に分けられる。即ち、ノズル1のスプレー領域は12mm×12mmの第2の定格間隔領域に分けられる。
【0062】
集水管は第2の定格間隔領域の噴水を収集するように、集水格子プラットフォームが各列の第2の定格間隔領域において10Sで停止するように制御される。列状集水管群3における各集水管の噴水の水量を測定した後、集水格子プラットフォームの水を排出して、集水格子プラットフォームが次の列の第2の定格間隔領域に入って、ノズル1のスプレー領域全体での水量分布を全て取得したまで、順次に上記の操作を実行するように制御される。
【0063】
取得したノズルスプレー1領域の各第2の定格間隔領域の水量と対応する第2の定格間隔領域に基づいて二次元水量分布状態図を作成することにより、当該ノズル1の角度でのコーン型ノズル水量分布二次元図を得る。二次元定格距離測定によって得られる実施例1-8の水量分布状態図は、
図4から
図11までに示す。
【0064】
前記水量分布二次元図を利用して、ノズル1スプレー領域の水量分布が左右方向で対称するのかまたは前後方向に対称するのかを判断する。したがって、ノズル1角度でのコーン型ノズル水量分布二次元図は、ノズル1スプレー領域の水量分布をより直観、全面に反映することができる。
【0065】
本発明の実施例では、前記集水管の第1の定格間隔領域における各第2の定格間隔領域で収集する噴水の水量を取得することは、以下のことを含む。
【0066】
カメラにより集水管が收集した第2の定格間隔領域の噴水の図像を撮って、図像識別モデルによって集水管が收集した当該第2の定格間隔領域の噴水の水量を取得する。
【0067】
具体的に、集水格子プラットフォームにおいて各列の第2の定格間隔領域内で10Sで停止した終了時刻で、カメラにより集水管の図像を撮って集水管中の水量を識別することができる。
【0068】
集水管の噴水の水量を識別するたびに、その後集水格子プラットフォームの水が排出されるのであれば、識別した集水管中の水量は、即ち第2の定格間隔領域の水量である。集水管の噴水の水量を識別するたびに、集水格子プラットフォームの水が排出されないのであれば、識別された集水管中の水量、即ち第2の定格間隔領域の水量とその前に識別された当該集水管中の水量との差値は前記第2の定格間隔領域の水量である。
【0069】
実施例1と実施例2とを比べると、計算することにより分かるように、実施例1におけるコーン型ノズルの対称性評価パラメータの評価値は、実施例2よりも1に近接する。これにより得る評価結果は、実施例1におけるコーン型ノズル水量分布対称性がより良くなるということである。同時に、実施例1と実施例2の二次元水量分布状態図(
図5と
図6)に基づけば、実施例1のコーン型ノズル水量分布は明らかにより対称になることが分かる。
【0070】
実施例3と実施例4とを比べると、その中の実施例3と実施例4が、型番が同じであるノズル1を用い、実施例3のノズル1が正常で、実施例4のノズル1がある程度に塞がっていることが分かる。計算することにより分かるように、実施例3におけるコーン型ノズル水量分布対称性は、実施例4よりも1と近接する。これにより得る評価結果は、実施例3のコーン型ノズル水量分布対称性がより良くなるということである。同時に、二次元水量分布状態図(
図6および
図7)に基づけば、実施例3のコーン型ノズル水量分布はより対称になる。
【0071】
本発明による実施例は、コーン型ノズル水量分布対称性の評価システムをさらに提供する。前記評価システムは、集水格子プラットフォームと、ノズル1と、端末デバイスとを含み、前記ノズル1は、第1の状態で地面方向へ噴水するものであり、外力の作用で90°で回転し、回転した後の第2の状態で地面方向へ噴水する。
【0072】
前記集水格子プラットフォームは、ノズル1が地面方向へ噴水するとき、前記ノズル1の地面方向での左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水をそれぞれ収集するためのものである。前記左側スプレー領域は、前記ノズル1のスプレー中心面での左側領域であり、前記右側スプレー領域は前記スプレー中心面での右側領域である。
【0073】
前記端末デバイスは、ノズル1が第1の状態で地面方向へ噴水するとき、集水格子プラットフォームが収集する左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量をそれぞれ取得するためのものである。
【0074】
前記ノズル1を90°で回転させると、前記ノズル1が回転した後の第2の状態で、集水格子プラットフォームが収集した左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量をそれぞれ取得する。前記ノズル1の第1の状態での第1の噴水量と前記第2の状態での第2の噴水量に基づいて,前記ノズル1に対応する対称性評価パラメータの評価値を確定する。ただし、前記評価値は、スプレー領域噴水総量のうちで最小の第1の噴水量と最小の第2の噴水量との和が占める比重、またはスプレー領域噴水総量のうちで最大の第1の噴水量と最大の第2の噴水量との和が占める比重を示す。前記スプレー領域噴水総量はノズル1の第1の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第1の噴水量の和、またはノズル1の第2の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量との和である。前記ノズル1に対応する対称性評価パラメータの評価値に基づいて、前記ノズル1の左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定する。
【0075】
本発明の実施例による前記コーン型ノズル水量分布対称性の評価システムでは、前記集水格子プラットフォームは、前後方向に移動する列状集水管群3を含み、前記列状集水管群3は、複数のサイズが同じである集水管を含み、前記列状集水管群3は、左側スプレー領域と右側スプレー領域における各第1の定格間隔領域の噴水を収集するためのものであり、前記第1の定格間隔領域は、それぞれ集水管の前後移動する軌跡と対応している。前記集水管の上にスケールタブが設けられる。
【0076】
記述の便利且つ簡潔のために、上記に記載のシステムおよび装置の具体動作過程が、方法実施例における対応過程を参照することができ、本発明では説明を省略したものである、ということは、当業者が明確に理解できることである。本発明による複数の実施例では、前記に開示されたシステム、装置および方法は、他の形態で実現できるものである。以上に記載の装置の実施例は、例示するものに過ぎない。例えば、前記モジュールの区分は、論理的機能の区分に過ぎない。実際の実現は、他の区分形態であってもよい。また、例えば、複数のモジュールまたは素子を組み合わせても良いし、もう一つのシステムに組み込んでも良い。ある特徴は省略してもよいし、実行しなくてもよい。また、表示または検討している相互結合または直接結合或いは通信接続は、通信インターフェース、装置またはモジュールの間接結合あるいは通信による接続を介して実現してもよいし、電気、機械または他の形態であってもよい。
【0077】
分離部材として説明したモジュールは、物理的に分離するものであってもよいし、物理的に分離していないものであってもよい。モジュールとして表示している部材は、物理ユニットであってもよいし、物理ユニットではなくてよい。即ち、当該部材は、ある場所に位置するか、複数のネットユニットに分散してもよい。実際の必要に応じてその中の部分または全部のユニットを選択して当該実施例の技術案の目的を実現する。
【0078】
また、本発明における各実施例の各機能ユニットは、一つの処理ユニットに集成するものであってもよい。各ユニットは単独で物理的に存在するものであってもよいし、二つ以上のユニットを一つのユニットに集成するものであってもよい。
【0079】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立した製品として販売または使用される場合、プロセッサが実行できるコンピューターが読み取り可能な不揮発性記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術案における本質上または従来技術に対して貢献する部分または当該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形態で示されてもよい。コンピューターソフトウェア製品が記憶媒体に記憶される場合、一つのコンピューターデバイス(或いはパーソナルコンピューター、プラットフォームサーバーまたはネットワークデバイスなど)に本発明の各実施例に記載の方法の全部または部分のステップを実行させる若干の指令を含む。前記の記憶媒体は、Uディスク、移動ハードウェアディスク、ROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクなどの各記録プログラムコードの媒体を含む。
【0080】
以上は、本発明の具体的実施形態に過ぎないが、本発明の特許請求の範囲は、これに限っていない。当業者は、本発明に掲示された技術範囲内に、容易に想到し得る変化または代替が、本発明の特許請求の範囲に落とす。したがって、本発明の保護範囲は、特許発明の範囲である。
【符号の説明】
【0081】
1、ノズル
2、水柱
3、列状集水管群
【要約】 (修正有)
【課題】コーン型ノズル水量分布対称性評価システムにおける端末デバイスに適用する、評価方法を提供する。
【解決手段】評価システムは、集水格子プラットフォームとノズルを含み、集水格子プラットフォームは、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水を収集する。ノズルが第1の状態で地面方向へ噴水するとき、左側スプレー領域と右側スプレー領域の噴水の第1の噴水量を取得する。前記ノズルを90°で回転させ、前記ノズルの回転後の第2の状態での左側スプレー領域と右側スプレー領域の第2の噴水量を取得し、前記第1の噴水量と第2の噴水量に基づいて、前記ノズルに対応する対称性評価パラメータの評価値を確定し、前記ノズルの左側スプレー領域と右側スプレー領域での対称性評価結果を確定して、従来の一次元統計方法によりコーン型ノズル水量分布対称性を客観的に表すことができないという課題を解決するとともに評価效率を向上させる。
【選択図】
図1