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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】バンドされた摩擦動力伝達ベルト
(51)【国際特許分類】
   F16G 5/00 20060101AFI20221101BHJP
   F16G 5/06 20060101ALI20221101BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
F16G5/00 D
F16G5/06 D
D03D1/00 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020532766
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018058993
(87)【国際公開番号】W WO2019118081
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】15/841,162
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ビア,カーラ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】セドラチェク,ダグラス アール.
(72)【発明者】
【氏名】デッカー,シンシア
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュホールズ,ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】ビール,ダニエル
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-193446(JP,A)
【文献】特開2013-213576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 5/00
D03D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトの外側にラップされたバンド布を備えるバンドされた摩擦動力伝達ベルトであって、
前記バンド布は、クロウフット繻子織りを含み、縦糸および横糸を有し、前記バンド布が2以上の異なる繊維材料を含み、前記縦糸および前記横糸が、異なる糸構造のものであり、主に前記バンド布の外側にある糸が、高強度、耐摩耗性のアラミド繊維材料を含み、主に前記バンド布の内側にある糸が、高接着性のナイロンまたは綿繊維材料を含む、バンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項2】
前記縦糸および前記横糸の少なくとも1つが、2つ以上の繊維材料の混紡を含む、請求項に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項3】
前記混紡が、アラミド、綿、ナイロン、およびポリエステルからなる群から選択される2つ以上の繊維材料を含む、請求項に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項4】
前記縦糸および前記横糸が、同じ糸構造のものである、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項5】
主に前記バンド布の内側にある前記糸が、高接着性繊維材料として綿を含む、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項6】
主に前記バンド布の内側にある前記糸が、高接着性の繊維材料としてナイロンを含む、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項7】
アラミド繊維が、ステープル繊維である、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項8】
アラミド繊維が、フィラメント繊維である、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項9】
前記バンド布は、前記縦糸および前記横糸のうちの1つのフロートを更に含み、前記フロートは2つ以上の異なる長さのフロートを含む、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項10】
Vベルトの形態である、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項11】
前記バンド布は、ベルトの長手方向に対して所定のバイアス角で配向されている、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項12】
前記糸が、アラミド繊維を含む、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【請求項13】
前記縦糸が伸縮性を有し、その結果、バンド布が2kg/25mm幅の特定の負荷で5%から100%の範囲の伸縮性を有する、請求項1に記載のバンドされた摩擦動力伝達ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ベルトの周りに巻かれた1つ以上の帆布の外層を有するVベルトなどのバンドされた摩擦動力伝達ベルトに関し、具体的には、アラミド繊維と他の繊維とを含む繻子織りのバンド帆布を有するVベルトに関する。
【0002】
カバーされたまたはバンドされた摩擦動力伝達ベルトは、通常、ベルトコアを取り囲むゴム含浸または他のポリマー含浸帆布の外層で構築される。カバーや「バンドプライ」は、環境要素からベルトを保護する、ベルトの摩擦特性を制御する、摩擦ベルト駆動装置のシーブ(プーリー)と接触したときにベルトの摩耗に抵抗するなど、多くの機能を提供する。
【0003】
米国特許第4,238,530号(Hollaway他)は、平方織りの帆布を使用し、その帆布を約45度の角度で比較的広いストリップに切断することを教示している。そして、個々のストリップは、粘着剤として粘着性エラストマー化合物を用いて、一方のストリップの端部と他方のストリップの端部とが重ね合わされてラップスプライスされ、ロール状に巻き取られる。帆布は、必要に応じて、ベルトにラップするために、長手方向に細長く切断して所望の幅と長さの比較的狭いテープにすることができる。この方法では、横方向のスプライスラップだけでなく、ラッピングによる長手方向の継ぎ目も生じる。特に横方向のスプライスラップは、望ましくない周期的なベルトノイズと振動を引き起こす可能性がある。
【0004】
米国特許第3,784,427号(Griffin)は、代表的な技術であり、バイアスカット帆布でラップまたはカバーされ得るVベルト、およびバイアス材料の連続ストリップが1つの管状帆布から螺旋状に切断される、バイアス帆布を調製する方法を開示している。
【0005】
米国特許2,519,590号(L.W. Mitchell)もこの技術の代表であり、縦糸と横糸が90°の角度で交差するか、交差角度を90°未満または90°を超えてシフトさせたバイアスカット帆布でカバーされ得る、多数のベルト形状を開示している。
【0006】
米国特許第6,595,883号には、任意の天然または合成品種の、任意の望ましい角度での縦糸および横糸の織り方を含む、任意の適当なまたは従来のタイプの織物材料を採用した織物部材を用いた、クラッチ用途に適したVベルトが開示されている。好ましい実施形態では、帆布は、縦糸が横糸に対して100-130°の角度であり、両方ともベルトの進行方向または長手方向に対して約57°±7°の方向に配向された、ナイロン/綿混紡バイアス帆布である。
【0007】
上記は、通常、帆布の外層の一方の縁が他方の縁の上に重なるように製造される「フルカバー」Vベルトを開示している。米国特許第7,942,773号(Daugherty他)には、ラップされた縁を避けるカバー帆布や帆布の様々な配置が開示されている。いくつかのベルトにおいては、1つ以上の表面に複数の帆布の層を有する場合がある。バンドプライ帆布は、平方織りの帆布、綾織り、ニット、編組、またはフェルトやニードルパンチフリースなどの不織布であってもよい。
【0008】
米国特許第4,302,197号(Kimura他)には、縦糸と横糸に異なる種類の繊維を用いて織られた歯カバー生地を備えた、歯付ベルトが開示されており、縦糸と横糸の一方は生地の一方の面でより大きな露出面積を有し、縦糸と横糸の他方は生地の反対側の面でより大きな露出面積を有している。生地は4/1綾織りである。
【0009】
縦糸または横糸がアラミド、綿、およびナイロンのステープルまたはフィラメント糸を含み、織りが繻子織り、変形繻子織り、または朱子である、バンドされたVベルトカバー帆布用の斜め配向帆布を使用することは知られていないか、または提案されていない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、バンドされたVベルトなどの、バンドされた摩擦動力伝達ベルト用のバンド布を提供するシステムおよび方法に関する。
【0011】
本発明は、ベルトの外側に繻子織りのバンド布を巻き付けた、バンドされた摩擦動力伝達ベルトに関するものである。バンド布は、縦糸と横糸の繻子織りである。バンド布は、2つ以上の繊維材の混紡糸を含み得る。縦糸と横糸は、同じであってもよい、すなわち、バランスされた布構造であってもよい。あるいは、縦糸と横糸は異なっていてもよい、すなわち、アンバランスな構造であってもよい。バンド布は、帆布およびベルトの外側に主に存在する、アラミド繊維などの高強度または高弾性または耐摩耗性の繊維材料または糸を含んでいてもよい。バンド布は、ベルト本体に接着された生地の内側に主に存在する、ナイロンや綿などの高粘着性繊維材料や糸を含んでいてもよい。バンド布は、縦表布繻子織りまたは横表布繻子織りとして織られてもよい。バンド布は、ベルト軸に平行に配向されていてもよいし、バイアス角で配向されていてもよい。アラミドまたはナイロン繊維などの糸の繊維は、ステープルまたはフィラメント繊維であってよい。バンド布は、処理されていてもよい。バンド布は、4×1の繻子織りであってもよい。バンドされたベルトは、Vベルトであっても丸ベルトであってもよく、無端であってもよい。
【0012】
バンド布がベルト軸に対して平行に配向されている場合、バンド布は、有利には、縦糸となる平行な糸に所定のレベルの伸縮性を有していてもよい。伸縮量は、有利には、帆布幅25kg / 25mmの所定の負荷で、5%または10%から35%または80%までである。平行に配向されたラップストレッチ帆布を用いたベルトは、帆布にバイアスをかけたりシフトしたりする従来の様々な方法よりも製造が容易で安価であり、横方向のスプライスラップを有していない。
【0013】
結果として得られたバンドされたベルトは、ベルト表面への内側ゴム材料のストライクスルーがほとんどないか、または全くない場合がある。バンドされたベルトは、使用中の摩擦係数の安定性が向上している場合がある。
【0014】
上記では、以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点をかなり大まかに概説した。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する、本発明のさらなる特徴および利点を以下に記載する。開示された概念および特定の実施形態は、本発明の同じ目的を実行するための他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。また、当業者であれば、そのような等価な構成が、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しないことを理解されたい。本発明の特徴であると考えられる新規な特徴は、その構成および動作方法の両方に関して、さらなる目的および利点とともに、添付の図面との関連で考慮すると、以下の説明からより良く理解されるであろう。しかしながら、各図は、図示および説明のみを目的として提供されており、本発明の限界を定義することを意図していないことが明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、同様の数字が同様の部分を示すものであり、本発明の実施形態を図示しており、本明細書とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。図面において:
【0016】
図1】本発明のVベルトを利用した、簡略化されたVベルト駆動装置である。
【0017】
図2】2-2線に沿って切断された、図1の駆動装置のVベルトの断面図である。
【0018】
図3】従来技術の平織り帆布を示す。
【0019】
図4】本発明の代替のバンドまたはカバー構成の概略図である。
【0020】
図5】本発明の別の代替のバンドまたはカバー構成の概略図である。
【0021】
図6】本発明の一実施形態にかかるVベルトカバー帆布の4/1繻子織りを示す。
【0022】
図7図6の4/1繻子織りの反対側の面を示す。
【0023】
図8】本発明の一実施形態にかかるVベルトカバー帆布の6/1繻子織りを示す。
【0024】
図9】本発明の一実施形態にかかるVベルトカバー帆布の7/1繻子織りを示す。
【0025】
図10】本発明の一実施形態にかかる12ハーネス変形繻子織りを示す。
【0026】
図11】本発明の一実施形態にかかる別の12ハーネス変形繻子織りを示す。
【0027】
図12】本発明の一実施形態にかかる12ハーネス繻子織りを示す。
【0028】
図13】本発明の一実施形態にかかる別の12ハーネス変形繻子織りを示す。
【0029】
図14】本発明の一実施形態にかかる別の12ハーネス繻子織りを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の一実施形態にかかるバンドされたベルト18を利用するバンドされた摩擦動力伝達ベルト駆動装置10を示す。図1には、駆動シーブ12と、従動シーブ14と、そこに掛け回されて駆動関係でその中に嵌まり込むベルト18と、ベルト上の張力を維持し、シーブ間のたるみを除去するためにベルトの上面または幅方向に係合し得る平らな表面を有するアイドラプーリ16と、を備える典型的な動力伝達駆動システム10が示されている。
【0031】
2-2線における、バンドされたベルト18の典型的な断面が、図2に示されている。Vベルト18の構造は、2層のバンドプライ(またはカバー)帆布(内側バンド11および外側バンド13)で包まれた、概して台形状のベルト本体に埋め込まれた抗張部材19を含んでいる。外側バンド13の詳細は、本発明の対象である。本発明のベルトは、1層のバンドプライ帆布のみを有してもよく、または1層よりも多くの層を有してもよい。ベルト本体は、ゴムまたはゴムのような材料で形成されていてもよく、圧縮セクションゴム20、抗張セクションゴム層26、繊維装填ゴム層24、および、帆布、不織布、タイヤコード等の任意の種類の補強帆布又は支持帆布である補強帆布層22等の様々な補強層を含むことができる。ベルト本体には、所望の数のゴム層または補強層を使用することができる。本発明のバンドされたベルトは、相補的な形状のシーブまたはプーリー間の動力伝達のために自動車用および産業用を含む様々な用途に使用することができるが、本発明のバンドされたベルトは、特に産業用用途に適合している。本発明のベルトに適用可能な標準的なシングルストランド工業用Vベルトの断面には、業界標準サイズA、B、C、およびD、2L、3L、および4L、ならびに3V、5V、および8V、ならびにメートルサイズのSPZ、SPA、SPB、およびSPCが含まれる。任意の所望の摩擦ベルト断面は、本発明にかかる帆布ラップを利用することができる。例えば、V字形の側面は、多少凹んでいてもよく、および/または、図4および図5に示されるように、上面および下面が冠状になっていてもよく、または、ベルトは、円形または二重V字形のような他の従来の形状を想定してもよい。バンドされたベルトは、例えば複数のVベルト駆動装置において、単一のベルトとして機能させるために、複数のベルト用のタイバンドを横に並べて結束してもよい。
【0032】
図2は、ベルトの周りに巻き付けられ、ベルトの上面15でラップされたバンド11および13を示す。これらのラップは、厚みのばらつきを生じさせる場合がある。別の方法として、ベルトは、突き合わせ部を有するか、またはオーバーラップなしで構成されていてもよい。図4および5は、カバーのオーバーラップを排除する代替の構築方法を示している。図4において、ベルト本体20bの角度のついた側面と底面は、先ずはU字状の帆布45で覆われ、次いで逆U字状の帆布47で覆われる。図5において、ベルト本体20bの角度のついた側面と底面は、先ずはU字状の帆布49、51の2層で覆われ、次いで逆U字状の帆布53で覆われる。U字状や逆U字状のバンド布は、任意の順序で適用することができる。
【0033】
ベルト本体はゴムで形成されていてもよく、「ゴム」とは、架橋可能な天然または合成のエラストマーを意味しており、例えば、混合ミルで固体の形で加工することができる。このようなゴムは、典型的には、ゴム加工業界でよく知られている適切なバッチ式または連続式のミキサー内で、適切な添加剤、延長剤、補強剤、促進剤、充填剤、加硫剤、例えば硫黄または過酸化物などと共に、生または未加硫の形態で混合される。本発明で有用な代表的な合成ゴムには、ポリクロロプレン(CR)、エチレンとプロピレン(または他のa-オレフィン)のコポリマー、エチレン、プロピレン(または他のa-オレフィン)のターポリマー、およびジエンモノマーが含まれ、例えば、EPDM、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロスルホン化エチレン、エチレン-アクリル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、フッ素ゴム、前記の混合物などが挙げられる。
【0034】
ベルト本体の様々な層のいずれかは、上述のゴム材料のいずれかで形成することができ、ゴム材料は、典型的には、その中に繊維強化材を含むまたは含まない層またはカレンダー処理された台座のシートとして構築ドラム上に積み上げられる。ベルト本体の繊維装填層は、綿、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの従来の任意の繊維装填を含んでいてもよい。
【0035】
ここで、「バンドされた」とは、帆布でラップされた状態を意味する。バンドされたベルトは、完全にラップされていても、部分的にラップされていてもよい。特に、バンドされたベルトは、少なくともプーリー接触面が帆布で覆われるようにラップされている。Vベルトは、上面と両側面の上部にわたって、または背面と両側面の下部にわたってラップされ得る。ラップは、ベルトを完全にカバーするために重なり合う、2つの3/4ラップであってもよく、図4に示すように、2つの面に2つの層があり、他の2つの面に1つの層がある。ラップは、図2に開示されるように、ベルトを完全にラップする1つまたは複数の帆布層であってもよい。バンドされたベルトには、成形されたベルトスラブがV字形を形成するために切断され、その結果、ベルトの本体材料が角度のついたプーリー接触面で露出している、いわゆるローエッジまたはカットエッジのVベルトは含まれない。切断された縁には、例えば、オプションで、ゴムに埋め込まれた補強の、1つ以上の横断層を有する1つ以上のゴムの層が露出され得る。ベルトをラップする帆布は、バンド布ということがある。
【0036】
Vベルトとは、プーリー接触面が相反する角度のついた2つの側面となっている、断面台形ベルトを意味する。角度のついた側面には、ある程度の曲率が含まれる場合がある。Vベルトは無端ベルトであってもよい。ベルトの背面側および/またはベルトの内側には、柔軟性を高めるために波形または歯を有することができる。しかしながら、本明細書では、歯付きベルトまたは同期ベルト、ポジティブ駆動ベルトは含まれず、歯付きVベルトや他のタイプのバンドされた摩擦ベルトとは区別される。
【0037】
次に、本発明の実施形態に従ってバンド布の説明に戻ると、バンド布の少なくとも外層は、縦糸または横糸に、アラミド、ポリエステル、ナイロン、PBO(ポリベンゾビスオキサゾール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、フッ素樹脂、またはそれらの混合物のような高性能繊維のステープルまたはフィラメント糸を含む。アラミドは芳香族ポリアミドであり、ポリパラフェニレンテレフタルアミドなどのパラ系アラミド、メタ系アラミド、またはアラミド共重合体であってもよい。ナイロンは、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等を含む、任意の好適なポリアミドの種類であってもよい。アラミド糸(すなわち芳香族ポリアミド)は、好ましくはパラアラミドであり、例えば、DuPontからKevlar(登録商標)の商品名で販売されているもの、またはTeijinからTwaron(商標)またはTechnora(商標)の商品名で販売されているもの、またはKolon IndustriesからHeracron(商標)の商品名で販売されているもの、またはHyosung CorporationからAlkex(商標)の商品名で販売されているものがある。好適な市販の高性能糸はいずれも使用することができる。好ましいナイロン糸は、ナイロン66である。バンド布は、アラミド繊維100%またはナイロン繊維100%、またはその他の高性能繊維100%にすることができる。
【0038】
本発明の実施形態にかかるバンド布、少なくともバンド布の外層は、縦糸または横糸に、ナイロンまたはセルロース繊維などの高接着性繊維のステープルまたはフィラメント糸を含むことができる。ナイロンは、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等を含む、任意の好適なタイプのポリアミドであってもよい。セルロース系繊維は、綿、亜麻、麻、ラミー、ケナフ、レーヨンなどのうちの1つ以上であってもよい。接着糸は、綿またはナイロンまたはそれらの混紡であってもよく、またはそれらを含んでもよい。好ましい実施形態では、バンド布は、アラミド糸、綿糸、およびナイロンまたはポリエステル糸を含み、織りは、繻子織りまたは朱子織りである。織りは、縦糸と横糸が同じでバランスされている場合と、縦糸と横糸が異なりアンバランスである場合がある。バンド布の層が複数ある場合、内層は外層と同じ構造であってもよく、または内層は任意の従来の帆布であってもよい。
【0039】
バンド布の糸は、アラミドと綿の混紡、またはアラミドとナイロンの混紡、またはアラミドとポリエステルの混紡、またはアラミド、綿とナイロンの混紡、またはアラミド、綿とポリエステルの混紡を含むことができる。綿の繊維はステープル繊維である。合成繊維は、フィラメント繊維またはステープル繊維であってもよい。フィラメント糸とステープル糸を混紡して使用する場合は、糸は、コアラップされてもよいし、フィラメント糸とステープル糸の撚り合わせでもよい。バンド布の織りは、そのような混紡糸のバランスされた織りであってもよい。
【0040】
帆布織りは、図3のような単純な図で示すことができる。図3は、従来の平織りまたは平方織りを示す。暗い正方形は、縦糸が横糸の上を横切るときの垂直に走る縦糸を表しており、それゆえに目に見えるようになっている。明るい正方形は、横糸が縦糸の上を横切るときの水平に走る横糸を表しており、それゆえに目に見えるようになっている。平織りは縦糸と横糸の交点の数を最大化し、丈夫な帆布をもたらす。平織りの両側は一般に同じように見え、同じ量の縦糸と横糸が両側に露出している。図中の各交点は、2つの縦糸と2つの横糸の間に発生する空隙を表している。ラップされたベルトが成形されるとき、この空隙がベルト表面へのゴムの侵入を許す場合がある。ゴムの侵入(または「ストライクスルー」)は望ましくない場合がある。ベルト表面に露出している帆布繊維は、例えば、一定の摩擦係数やある程度の耐摩耗性を持たせるために、ベルト表面に露出していることが好ましい場合がある。ゴムの侵入により、摩擦係数が大幅に増加したり、ベルトの耐摩耗性が低下したりする可能性がある。
【0041】
図6は、好ましい繻子織りを示す。繻子織りは、縦糸と横糸の交点が比較的少なく、表面に見える横糸も比較的少ない。縦糸は4本の横糸の上に留まり、1本の横糸の下を通る。したがって、図6の繻子織りは、4×1繻子織りと呼ばれている。横糸が露出している交点は、帆布表面に均等に分布しており、可能な限り互いに離間した位置に配置されている。露出した縦糸の比較的長いランは、フロートと呼ばれる。フロートが長いと、表面が非常に滑らかになる。糸のフロートにより、糸を非常に接近させて並べることができるため、縦糸と横糸の交差するところでも、ボイドを少なくかつ小さくすることができる。その結果、繻子織りは、ベルト表面へのストライクスルー(すなわち、ゴムの侵入)をはるかに少なくする可能性がある。その結果、本発明のベルトは、はるかに一貫して制御可能な摩擦係数および摩耗係数を有することができる。
【0042】
図7は、図6の繻子織り帆布の裏側を示す。図7では、縦糸の露出が比較的少なく、横糸が長いフロートを示す。このような繻子織り帆布の表裏の違いから、縦糸と横糸に異なる糸を使用することで(つまり、「アンバランス」構造)、表裏を異なる機能に設計することができる。ラップされたVベルトの上では、糸がベルト本体の摩耗面、すなわち帆布の「外側」面により露出している場合には、縦糸に耐摩耗性の高い糸を使用し、糸がベルト本体のゴム、すなわち帆布の「内側」面により露出している場合には、横糸にゴムとの接着性が良好な糸を使用することが有利である。帆布は、図6に示された外側表面に縦糸が露出した状態(縦表布繻子織りと呼ばれる)、または横糸が露出した状態(横表布繻子織りと呼ばれる)で製織されることが理解されるであろう。このような帆布構造の詳細の選択は、それぞれの側で必要とされる材料、またはベルト上の糸の所望の向き、計画された帆布の切断やベルトのラップ方法との組み合わせによって決定することができる。
【0043】
帆布は、縦糸または横糸のいずれかがベルトの長手方向軸と平行になるように配向されていてもよい。帆布構造の選択は、ベルト設計者がベルトの長手方向または長さに基づいて走らせるのが好ましいと考える糸、およびベルトの断面に基づいて横方向に走らせるのが好ましいと考える糸に依存する。このように、横ベルト方向には補強性の高い糸または高弾性糸を、縦ベルト方向には柔軟性の高い糸を選択し、外側の露出面には両者のうち耐摩耗性の高いものを、内部または内側の露出面には両者のうち粘着性の高いものを選択することが好ましい場合がある。このような選択はすべて、本発明の範囲内であると考えられる。バンド布を平行に配置することの利点の1つは、バイアス角をシフトして帆布を斜めに切断する必要がなくなり、関連する処理手順が不要になることである。
【0044】
バンド布がベルト軸に対して平行に配向されている場合、帆布は、有利には、平行な糸に所定のレベルの伸縮性を含んでいてもよく、これは縦糸であってもよい。例えば、縦糸をクリンプしたり、テクスチャー処理したり、または伸縮性を高めるために弾性芯でコアラップしてもよい。伸縮性のある縦糸には、テクスチャー処理されたナイロンを使用できる。伸縮量は、帆布幅2kg/25mmの所定の荷重で、5%または10%から35%から80%までである。したがって、帆布は、帆布幅2kg/25mmの所定の荷重で、縦方向に5%から100%、または10%から35%の範囲の伸縮性を有することができる。このように、例えば、ベルト長手軸に対して横方向に延びる横糸は、アラミドや非織物のナイロンやポリエステルなどの高強度繊維であってもよく、縦糸または長手方向の糸は、より柔軟性が高いものであってもよい。これは、ベルトの横方向の剛性を最大化し、ベルトの縦方向の柔軟性を最小化するのに役立つかもしれないが、この両方は、摩擦式Vベルトにおいて非常に望ましいものである。帆布は、ここに記載された繻子織りのいずれであってもよく、したがって、帆布の各面が、ここに記載されているように、異なる方向性の特性と同様に、固有の好ましい特性を有することができる。代替的に、左右の違いが望まれない場合には、伸縮性のある縦糸を使用した帆布は、平織りまたは平方織りであってもよい。縦伸縮バンド布は、角度のついた切断、バイアス、またはシフト工程を必要とせず、良好な横方向の強度/剛性と縦方向の柔軟性を持っているため、複数のVベルトを接合するためのタイバンドとして、あるいはクロスコードの補強用としても非常に有用である。
【0045】
非限定的な例として、耐摩耗性露出糸は、アラミド、ナイロン、PBO、PEEK、PPS、フッ素樹脂、ポリエステル、またはそれらの混紡であるか、またはそれらを含むことができ、一方、より粘着性のある糸は、綿またはナイロン、またはそれらの混紡であるか、またはそれらを含むことができる。
【0046】
ラップされたVベルトは、斜めに配向されたラップ布で構築されてもよい。このような場合、バイアス角度は、ベルトの長手方向に所望の程度の伸張性または柔軟性を提供し、および/またはベルトの横方向に所望の増加した剛性を提供するために、自然な90°から所定の角度にシフトされてもよい。このような斜め配向の場合には、「バランスのとれた」構造を提供するために、横糸と縦糸の両方に同じ糸を使用することが好ましい場合がある。バイアスおよびバイアス角度は、任意の従来の製織または製織後の技術によって達成することができる。バイアス角度は、従来の機器で、またはテンターフレーム上でのシフトなどの従来の技術を使用してシフトできる。バイアス材料の連続したストリップは、ある長さの管状の繻子織り帆布から螺旋状に切断されてもよい。バイアス材料のストリップは、より長いストリップが必要な場合は、平織りの帆布から所望の角度で切り取り、つなぎ合わせることができる。互い違いにストレートカットされたストリップは、所望の螺旋またはバイアス角度でベルトに螺旋状にラップされてもよい。
【0047】
用語「朱子」は、ステープル繊維である綿で作られた繻子織りの帆布にしばしば使用される。朱子帆布の織りは、繻子織りであるので、本明細書では、帆布が綿を含むか、綿が他の糸と混紡しているか、または他のステープル糸を含むかに拘わらず、「繻子」または「繻子織り」という用語を使用する。繻子織りの帆布は、縦糸または横糸が織りの繰り返しの中で生成されたフロートからほぼ完全に構成されており、交点は可能な限り均等に広く分離されて分布している。フロートとは、縦糸または横糸が、隣接する2本以上の横糸または縦糸の上に延びることを意味する。
【0048】
他の実施形態では、図6の4×1織り以外の繻子織りを使用してもよい。図8は、別の好ましい繻子織り、すなわち6×1繻子織りを示す。この繻子織りは、縦糸と横糸の交点がさらに少なく、表面に見える横糸が比較的少ない。縦糸は、1本の横糸の下を通る前に、6本の横糸の上に留まる。同様に、図9は、別の好ましい繻子織り、すなわち7×1繻子織りを示す。図12は、11×1の繻子を示す。図14は、代替の11×1繻子を示す。
【0049】
繻子織りは、織りの間隔または規則性を変えることによって、図6~9に図示したものとは異なっていてもよい。例えば、縦糸フロートと横糸フロートの長さが異なる、6×1繻子などが考えられる。同様に、いわゆるクロウフット繻子織りは、図6~9に見られる単一の横糸の代わりに、2つの隣接する(または斜めに隣接する)露出した横糸がある一連の離間した交差部を有していてもよい。このような代替の織りパターンは、本明細書では、変形繻子織りと呼ぶ。3×1繻子は、最も一般的にはクロウフット繻子と呼ばれている。図10は、単純な3×1クロウフットよりも長いフロートを有する変形繻子の例であるが、同様の斜めに組まれた交差パターンを有している。図10、11、および13は、本発明を実施するために使用され得る変形繻子織りのいくつかのさらなる例を示す。
【0050】
図10~14に示される織りは、横表布であるが、それらが代わりに縦表布であり得ることを理解されたい。
【0051】
織りは、織機でそれらを作成するために使用されるハーネスの数、およびシフトパターンの観点から識別することができる。例えば、図6および7の4×1繻子は、各列に2または3本ずつシフトする5本のハーネスで織ることができる。図8は、各列に2または5本ずつシフトする7本のハーネスで織ることができる。図9の織りは、各列に3または5本ずつシフトする8本のハーネスで織ることができる。図10-14は、それぞれ12本のハーネスで織ることができる。図10は、各列に5本ずつシフトする12本のハーネスで織ることができ、その結果、3本と7本の交互フロートを生じている。図11は、各列に3本ずつ、4本ずつ交互にシフトする12本のハーネスで織ることができ、その結果、5本のフロートが生じている。図13は、各列に7本ずつシフトする12本のハーネスで織ることができ、その結果、8本と2本の交互フロートが生じている。図12および図14の11×1の繻子織りは、それぞれ、5本または7本ずつシフトする12本のハーネスで織ることができる。
【0052】
好ましくは、バンド布は、上述のように長いフロートを有する。長いフロートと短いフロートの組み合わせもあるかもしれない。好ましくは、長いフロートの長さは、3以上、または4以上、または5以上、または4から11である。
【0053】
バンド布は、摩擦係数の変更、ベルト本体への接着性の向上、何らかの電気的または静的導電性の提供、厚さまたは嵩高の追加、またはそのような追加の機能性を付与するための1つまたは複数の処理を含んでもよい。処理は、帆布の片面または両面をコートしたり、帆布の中にまたは帆布を通して浸透させるディッピング、ローリング、またはスプレーによるものであってもよい。例としては、レゾルシノール-ホルムアルデヒド-ラテックス(「RFL」)コーティング、エポキシ-ラテックスコーティング、ゴムセメントコーティング、または他のタイプのラテックス、液体、またはポリマーコーティングがある。処理は、ゴム摩擦コーティングやゴムスキムコーティングのように、ゴムやプラスチックなどの高分子フィルムをラミネート処理やカレンダー処理で塗布するものであってもよい。
【0054】
以下の実施例(「実施例」)は、従来のベルトの比較例(「比較例」)に対する本発明のベルトの利点を示している。ベルトは、すべて同じアラミド抗張部材、ポリクロロプレンベルト本体化合物、RFLディップ、およびCRラバーセメント上塗り帆布処理を使用して構成されている。バンド布のみ変更されている。ベルトは、それぞれ1層および2層のバンド布を用いてペアで構築され、試験された。比較例1と比較例2は、従来のナイロンと綿の混紡(25/75)、平織り、バンド布を使用した。比較例3と比較例4は、従来の平織りのアラミド/ナイロン/綿の混紡(20/20/60)、バンド布を使用した。比較例1-4の生地は、平織りで、図3に示されているようにバランスをとり、ラッピングのために斜めにカットした。実施例5、実施例6、および実施例7の本発明の帆布は、ナイロン、綿、およびアラミドのステープル糸の混紡であり、図6-7に示されているように、バランスのとれた4/1繻子織りであり、同様の処理でコートした。これらすべての例で、バンド布はテンターシフトされ、カットされ、斜めに適用されている。表1にこれらの例と、バンドされたVベルトに使用した材料を示す。実施例5のクローズドベルト成形品では、芯ゴムの量が少し多すぎると判断されたので、実施例7は、芯ゴムを少し下向きに調整した状態での実施例5の複製である。この調整により、ストライクスルーが大幅に改善された。
【0055】
繻子織りの最大の利点は、ベルトの内側からベルト表面へのゴムのストライクスルーを排除することである。表1のストライクスルー評価は、ベルト表面のうち、帆布の内側からゴムが流れ出ている部分の面積率を主観的に測定したものである。1の評価は、ストライクスルーが肉眼で見えないか、手で感じることができることを意味し、5の評価は、ストライクスルーによる表面の完全なゴム被覆を意味する。この場合、4人の人がそれぞれ各構造の2本のベルトを最も近い整数の評価にランク付けした結果、表1に示されている平均値が得られた。比較例の平織りでは、縦糸と横糸の交点の空隙を通ってかなりの量のゴムが流れるようになっている。これは2層の帆布でも発生することに留意されたい。一方、繻子織りの本発明のベルトは、ゴムのストライクスルーがほとんどないか、場合によっては目に見えるゴムのストライクスルーがないため、実施例6及び実施例7では1.0の評価を得ている。
【0056】
実施例8および実施例9は、ベルトの長手方向と平行な方向に伸縮性のある縦糸を配向させた平織り帆布を使用している縦糸伸縮帆布の縦糸は、全てナイロンで、ナイロン縦糸にテクスチャー処理することにより、2kg/25mm幅の荷重で、縦糸方向に10%から35%の範囲で伸縮性を持たせた帆布となっている。横糸は全てパラアラミド糸である。縦糸/横糸の角度をシフトすることなく、帆布を貼り付けた。意外なことに、平織りであっても、縦糸伸縮帆布は目に見えるストライクスルーがなく、COFもかなり安定していた。繻子織りにすることで、ストライクスルーがなく、さらに安定したCOFが得られることが期待される。
【0057】
次に、ベルトを張力比滑り試験にかけ、さまざまなレベルの張力比でベルトの滑り量を測定し、試験前後の両方で摩擦係数(「COF」)を測定した。全ての比較例のベルトでは、試験中にCOFが大幅に増加している。本発明のベルトの実施例では、試験中の変化が最小または全くない、非常に安定したCOF値を示した。したがって、本発明のベルトは、新たに作られたベルトのCOFレベルで、より長く、より予測可能な性能を提供することが望ましい。
【0058】
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変が本明細書においてなされ得ることを理解されたい。さらに、本願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者であれば、本発明の開示から容易に理解できるように、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、または後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、またはステップが、本発明に従って利用されてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップを含むことが意図される。本明細書に開示された発明は、本明細書に特に開示されていない要素が存在しない場合に適切に実施され得る。
【0059】
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14