(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ストラップ及びそのストラップが取り付けられたバッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A45C13/30 G
A45C13/30 N
(21)【出願番号】P 2017215142
(22)【出願日】2017-11-07
【審査請求日】2020-10-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年6月13日に株式会社アドのウェブサイトにて掲載 平成29年6月22日に株式会社学研プラスに納品 平成29年6月頃に複数の雑誌に別冊付録として発行されたホン・モノ・ケイカク BEST SELECTION 2017 SUMMER PRODUCTS CATALOGUEにて掲載
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】312007065
【氏名又は名称】株式会社アド
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】平垣 亨
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-538678(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2013-0000849(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-15/08
A45F 3/00-3/04
A45F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さを調節できるストラップであって、
前記ストラップが、ひもと、枠体とその枠体の内側に配設された中軸とを備えた長さ調節用器具と、環体とからなり、
前記ひもの一端または両端が、前記長さ調節用器具の枠体の中軸または前記環体に取り外し可能に取り付けられてい
て、
前記長さ調節用器具の枠体の中軸に取り外し可能に取り付けられているひもの一端が、長さ調節用器具と環体の間で二重になるひもの外側に向いていることを特徴とするストラップ。
【請求項2】
前記ひもが、その一端または両端の端部に一対の羽状部を有し、
前記羽状部に面ファスナーを備えていることを特徴とする請求項1に記載のストラップ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のストラップが取り付けられていることを特徴とするバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長さを調節できるストラップに関し、標準的なストラップよりも長さを調節できる範囲が大きなストラップと、そのストラップが取り付けられたバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
長さを調節できるストラップとしては、標準的に、長さ調節用器具(以下、コキという。)の中軸に通した肩ひもを、環(かん)体(以下、コキカンという。)に通したものが使われている。この標準的なストラップでは、コキカンに通した肩ひもの端部が、コキの中軸に巻き付いた状態で肩ひもと一緒にミシン掛けされて、コキの中軸に取り付られている。そして、この標準的なストラップでは、コキとコキカンの距離、言い換えると肩ひもが二重になる長さを変えて、ストラップの長さを調節できるようになっている。
【0003】
別の長さを調節できるストラップとしては、肩ひもをコキから引き出す操作片を肩ひもの一端側に面ファスナーで固定することで、ストラップの長さを調節できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストラップでは、操作片を引っ張って肩ひもをコキから引き出し、操作片の裏側の面ファスナーを、肩ひもの一端側の面ファスナーに係合させてストラップを縮めた状態、より正しくはストラップを折り畳んだ状態にできるようになっている。また、このストラップでは、操作片を引っ張って面ファスナーの係合を解き、肩ひもをコキに引き入れるとストラップを伸ばした状態、より正しくはストラップを広げた状態にできるようになっている。
【0004】
発明者による以前に発明したストラップとしては、コキカンに取り付けられた肩ひもを、コキの枠体のうち中軸と平行な一辺に通してからコキカンに通し、コキカンに通した肩ひもを、コキの中軸に通したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このストラップでは、肩ひもをコキとコキカンの間で3重にすることで、標準的なストラップに比べて、長さ調節機能を約2倍に向上させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-165773号公報(段落0007,0018,0019、
図3)
【文献】特開2015-77252号公報(段落0023、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記標準的な長さを調節できるストラップでは、肩ひもが二重になる長さを変えてストラップの長さを調節できるようになっているために、長さを調節できる範囲は、肩ひもの全長の長さから、全長の半分弱の長さまでである。
【0007】
前記特許文献1に係るストラップでは、肩ひもを折り畳んだり広げりたりしているために、長さを調節できる範囲は標準的なストラップよりも大きいところ、肩ひもを広げた状態と折り畳んだ状態の2段階にしか長さを調節できない。また、前記特許文献1に係るストラップでは、肩ひもを折り畳んでいるために、肩ひもの長さを調節して使うこと、言い換えると肩ひもの短い状態で使うことを想定したものではない。
【0008】
発明者による以前に発明したストラップでは、肩ひもが3重になる長さを変えてストラップの長さを調節できるようにしたので、長さを調節できる範囲を肩ひもの全長の長さから全長の3分の1弱の長さまでと、標準的なストラップよりも大幅に大きくすることに成功した。ところが、発明者による以前に発明したストラップでは、肩ひもの通し方が標準的なストラップと異なるために、職人が手間取ることがあった。また、発明者による以前に発明したストラップでは、肩ひもの通し方が標準的なストラップよりも複雑で、肩ひもを縫う箇所も増えるために、手作業が煩雑になり、職人により高度な手作業を求めることになった。その結果として、発明者による以前に発明したストラップでは、長さを調節できる範囲が標準的なストラップよりも大幅に大きいものの、商品をお求めになりやすい価格で提供することは困難であった。
【0009】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、特に標準的なストラップよりも長さを調節できる範囲が大きなストラップと、そのストラップが取り付けられたバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、ひもと、枠体とその枠体の内側に配設された中軸とを備えた長さ調節用器具(以下、コキという。)と、環(かん)体(以下、コキカンという。)とからなる長さを調節できるストラップについて、ひもの一端または両端を、コキの中軸またはコキカンに取り外し可能に取り付けた。
【0011】
請求項2に係る発明では、ひもの一端または両端の端部に一対の羽状部を形成し、その羽状部に面ファスナーを取り付けた。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記請求項1と前記請求項2に係る発明であるストラップを、バッグに取り付けた。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、ひもの一端または両端をコキまたはコキカンに取り外し可能に取り付けたので、お客様でも簡単に、ひもをコキやコキカンから取り外したり取り付けたりすることができる。そして、標準的なストラップでは、肩ひもの端部がミシン掛けされているために肩ひもをコキから取り外せないところ、請求項1に係る発明では、簡単にひもをコキやコキカンから取り外したり取り付けたりできるので、標準的なストラップと同じようにひもが二重になる長さを変えてストラップの長さを調節することに加えて、ひもを取り外してストラップの長さを調節することができる。
【0014】
ここで、ひもを取り外してストラップの長さを調節することについて詳しく説明すると、請求項1に係る発明によれば、簡単にひもをコキやコキカンから取り外したり取り付けたりできるので、ひもをコキやコキカンから取り外し、取り外したひもを端部から折り畳み、折り畳んで短くしたひもをコキやコキカンに取り付け直すことで、標準的なストラップの長さを調節できる範囲を超えて、より短い範囲までストラップの長さを調節することができる。
【0015】
このように、請求項1に係る発明によれば、標準的なストラップの長さを調節できる範囲を超えて、より短い範囲までストラップの長さを調節することができるので、ひもの長さを標準的なストラップより、例えば二、三十cmほど長くしても、標準的なストラップの長さまで短くすることができる。そこで、請求項1に係る発明によれば、ひもの長さを標準的なストラップより、例えば二、三十cmほど長くしておくと、体格が一段と大きい方でもストラップをたすき掛けにすることができる。
【0016】
また、請求項1に係る発明によれば、ひもの一端または両端をコキまたはコキカンに取り外し可能に取り付けたので、言い換えると発明者による以前の発明と異なり、標準的なストラップと同じひもの通し方やわずかに違うひもの通し方なので、職人が手間取ることもない。
【0017】
さらに、請求項1に係る発明によれば、ひもの一端または両端をコキまたはコキカンに取り外し可能に取り付けたので、ひもをコキやコキカンに縫い止める箇所が減り、職人の手作業を楽にすることもできる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、ひもの一端または両端の端部に一対の羽状部を形成し、その羽状部に面ファスナーを取り付けたので、面ファスナーをはがしたり貼り付けたりするだけで、簡単にひもをコキやコキカンから取り外したり取り付けたりすることができる。そこで、請求項2に係る発明によれば、店頭や自宅で簡単にストラップの長さを調節することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、請求項1と請求項2のストラップをバッグに取り付けたので、体格が一段と大きい方でも、ストラップのサイズを気にしないでバッグをお求めいただくことができる。特に、ショルダーバッグに請求項1と請求項2のストラップを取り付けると、体格が一段と大きい方でもショルダーバッグをたすき掛けにしてお使いいただくことができる。
【0020】
また、請求項3に係る発明によれば、請求項1と請求項2のストラップが、標準的なストラップの長さを調節できる範囲を超えて、より大きな範囲でストラップの長さを調節することができるので、請求項1と請求項2のストラップをバッグに取り付けると、肩掛けのショルダーバッグとしても、腰巻きのウエストバッグやヒップバッグとしても使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係るストラップが取り付けられたショルダーバッグの斜視図である。
【
図3】(a)は実施形態に係るストラップの要部斜視図であり、(b)は標準的な長さを調節できるストラップの要部斜視図である。
【
図4】(a)は実施形態に係るストラップの長さを調節する仕組みを説明する斜視図のうち、調節前の状態を示す斜視図であり、(b)は調節途中の状態を示す斜視図であり、(c)は調節後の状態を示す斜視図である。
【
図5】他の実施形態に係るストラップの斜視図である。
【
図6】他の実施形態に係るストラップの斜視図である。
【
図7】他の実施形態に係るストラップが取り付けられたボディーバッグの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。出願人は1983年創業のバッグ製造メーカーであり、永きにわたり大手アパレルと物作りに取り組むことで培った、製品に対する徹底した品質管理、最新の手法を取り入れた生産技術のノウハウなどを生かし、製品の製造・開発に努めている。近年では、オリジナルブランド「FULLCLIP」(商標登録第5626030号)として、フィッシング関連のアイテムを中心にバッグ、ポーチ、革小物、アパレル、ヘッドウェアーなどを展開している。
【0023】
発明者は、主にフィッシング関連のアイテムの企画から製造、販売までを行っており、近年ではアウトドアバッグやカジュアルバッグも取り扱っている。そして、発明者は、バッグ職人として実用性を重視しており、「必要な物を収納しやすいこと。取り出しやすくて、そのあとにまた収納するときもスムーズなこと」にこだわってきた。
【0024】
このこだわりから、発明者は、先の発明によって、ストラップをたすき掛けにしたまま片手で長さを調節できるストラップ(特許第6055969号)と、標準的なストラップに比べて長さ調節機能を約2倍に向上させたストラップ(特開2015-77252号)を開発した。そして、出願人は、体への負担を軽減させるため、ショルダーバッグを背中に密着させて背負うことを勧めてきた。
【0025】
そこで、出願人は、体格の小さなお客様に合わせて標準的なストラップを短く直すサービス、例えばズボンの裾上げのようなサービスを無料で行っている。ここで、ストラップを短く直すには、商品を会社に持ち帰り、ミシン掛けされた肩ひもをほどき、肩ひもを切り詰めてから、肩ひもをミシン掛けし直す必要があった。
【0026】
このサービスについて、発明者は、購入した商品をその場でお持ち帰りいただけないことで、お客様にご迷惑をお掛けしているのではないかと考えるようになった。
【0027】
そうしたところ、発明者は、通信販売で商品を購入したお客様から、ストラップを長く直してほしいとのご依頼があることに注目した。また、発明者は、接客をしていたところ、体格が一段と大きいお客様が、ストラップが短いことを理由に購入を諦める場面に遭遇した。
【0028】
そこで、発明者は、日本人の体格が多様化、特に欧米の人に引けを取らないくらい大きな人が増えていることから、標準的なストラップの長さを調節できる範囲では、体格の多様化に対応できなくなっていることに気づいた。そして、発明者は、ズボンの裾上げのように、ストラップを長めに作っておいて、お客様でも簡単に長さを短くできれば、体格の多様化に対応できることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0029】
次に、この発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るストラップが取り付けられたショルダーバッグの斜視図である。
図1に示すように、ショルダーバッグ1は、ストラップ2とバッグ本体Bとを有して構成されている。ここでは、ストラップ2をバッグ本体Bから取り外せるように、ストラップ2をバッグ本体Bの両側面に設けられた係止具b,bに引っ掛けるように構成されている。
【0030】
図2は、実施形態に係るストラップ2の斜視図である。
図2に示すように、ストラップ2は、ひも3と、長さ調節用器具(以下、コキという。)4と、環体(以下、コキカンという。)5,6とを有して構成されている。
【0031】
ひも3は、ひも状の部材である。ひも3は、ショルダーバッグ1(
図1参照)の場合には、たすき掛け、より具体的には肩から脇に斜めに掛けて、バッグ本体B(
図1参照)を背負えるようにする部材である。
【0032】
コキ4は、枠状の部品であって、枠体4aと、枠体4aの内側に配設された中軸4bとからなる。コキ4は、ひも3をずれないように固定し、ひも3の長さを調節する部品である。
【0033】
コキカン5,6は、環状の部品であり、環にひも3をすり回るようにと、すり動くように保持する部品である。コキカン5,6は、ここでは
図1に示すように、ストラップ2をバッグ本体B(
図1参照)から取り外せるように鉤(かぎ)形のものが付いた、いわゆるナスカンである。
【0034】
図2に示すように、実施形態に係るストラップ2では、ひも3が二重になる長さを変えてストラップ2の長さを調節できるよう、コキ4に通されたひも3がコキカン6に通されてから、再びコキ4に通されている。ひも3の通し方をより詳しく説明すると、実施形態に係るストラップ2では、コキの中軸4bに通されたひもの一端3aが、コキカン5の環に通され、コキカン5の環に巻き付いた状態でひも3と一緒にミシン掛けされて、ひも3がコキカン5にすり回るよう取り付けられている。また、コキの中軸4bに通されたひもの他端3bが、コキカン6の環にすり動くように通されている。そして、コキカン6の環にすり動くように通されたひもの他端3bが、再びコキの中軸4bに通されてから、中軸4bに取り外し可能に取り付けられている。
【0035】
次に、実施形態に係るストラップ2について、標準的な長さを調節できるストラップと対比しながら詳細に説明する。
図3の(a)は、実施形態に係るストラップ2の要部斜視図であり、
図3の(b)は、標準的な長さを調節できるストラップの要部斜視図である。
【0036】
図3の(a)に示すように、実施形態に係るストラップ2では、ひもの他端3bがコキの中軸4bに取り外し可能に取り付けられている点で、標準的な長さを調節できるストラップと大きく異なる。
【0037】
ここで、
図3の(b)に示すように、標準的な長さを調節できるストラップS2は、図示しないコキカンに通されたひもの他端S3bが、コキの中軸4bに巻き付いた状態でひもS3と一緒にミシン掛けされて、中軸4bに取り付られている。そして、標準的な長さを調節できるストラップS2は、ひもの他端S3bがひもS3と一緒にミシン掛けされているため、ひもS3を中軸4bから取り外せないようになっている。
【0038】
図3の(a)に示すように、実施形態に係るストラップ2では、ひも3をコキの中軸4bの下から通している点で、一見するとひもの通し方が標準的な長さを調節できるストラップS2と異なるように思えるところ、ひも3を中軸4の下から通すか上から通すかのわずかな違いである。なお、実施形態に係るストラップ2では、ひもの他端3bを巻き取りやすいよう、他端3bが外側に向くようにひも3を中軸4bの下から通しているところ、他端3bが内側に向いても構わなければ、標準的な長さを調節できるストラップS2と同じようにひも3を中軸4の上から通しても構わない。
【0039】
図4は、実施形態に係るストラップ2の長さを調節する仕組みを説明する斜視図である。
図4の(a)は調節前の状態を示す斜視図であり、
図4の(b)は調節途中の状態を示す斜視図であり、
図4の(c)は調節後の状態を示す斜視図である。
【0040】
図4の(a)に示すように、実施形態に係るストラップ2は、ひもの他端3bに一対の羽状部7,7が形成され、その羽状部7,7に面ファスナー7a,7aが取り付けられている。
【0041】
図4の(b)に示すように、実施形態に係るストラップ2では、ストラップ2の長さをより短い範囲で調節、より詳しくはひも3が二重になる長さ(
図2参照)を変えてストラップ2の長さを調節できる範囲(以下、標準的な長さを調節できる範囲という。)を超えて、より短い範囲でストラップ2の長さを調節する場合には、ひもの他端3bを矢印で示すように、必要に応じて数回転ほど巻き取る。
【0042】
図4の(c)に示すように、実施形態に係るストラップ2では、ひもの他端3bを数回転ほど巻き取った状態で、直下のひも3を抱き込むように羽状部の面ファスナー7a,7aを係合させて、コキの中軸4bに取り付ける。
【0043】
ここでは、標準的な長さを調節できる範囲を超えてストラップ2の長さを短くする場合について説明したが、標準的な長さを調節できる範囲を超えて、長い範囲でストラップ2の長さを調節する場合には、ひもの他端3bの巻き取り回数を減らしたり、巻き取りをなくしたりする。
【0044】
このように、実施形態に係るストラップ2では、ひもの他端3bに面ファスナー7a,7aを有する一対の羽状部7,7が設けられているために、簡単にひも3をコキの中軸4bから取り外せ、取り付けられる。そして、実施形態に係るストラップ2では、標準的な長さを調節できるストラップと同じように、ひも3が二重になる長さを変えてストラップ2の長さを調節することに加えて、ひもの他端3bの巻き取り回数を変えてストラップ2の長さを調節するために、標準的なストラップよりも長さを調節できる範囲が大きくなる。
【0045】
図5は、他の実施形態に係るストラップの斜視図である。
図5に示すように、他の実施形態に係るストラップ21では、ひもの一端31aもコキカン5に取り外し可能に取り付けられている。このように、他の実施形態に係るストラップ21では、ひも31の両端(一端31a,他端31b)で巻き取り回数を変えてストラップ21の長さを調節できるために、実施形態に係るストラップ2よりも長さを調節できる範囲が大きい。
【0046】
図6は、他の実施形態に係るストラップの斜視図である。
図6に示すように、他の実施形態に係るストラップ22では、ひもの他端32bがクリップ8によってひも32と一緒に留められている。
【0047】
図7は、他の実施形態に係るストラップが取り付けられたボディーバッグの斜視図である。
図7に示すように、他の実施形態に係るストラップ23では、ひもの一端33aもコキ4に取り外し可能に取り付けられている。そして、他の実施形態に係るストラップ23では、ひも33の両端(一端33a,他端33b)で巻き取り回数を変えてストラップ23の長さを調節できるために、実施形態に係るストラップ2よりも長さを調節できる範囲が大きい。そこで、他の実施形態に係るストラップ23をボディーバッグ11に取り付けると、肩掛けのショルダーバッグとしても、腰巻きのウエストバッグやヒップバッグとしても使える。
【0048】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係るストラップ2では、ショルダーバッグ1に取り付けられる場合について、他の実施形態に係るストラップ23では、ボディーバッグ11に取り付けられる場合について説明したが、例えばトートバッグ、ウエストバッグ、バッグパックなどのバッグでも構わない。さらに、バッグ以外でも、例えばカメラのストラップ、抱っこひも、ギターのストラップでも構わない。
【0049】
また、実施形態に係るストラップ2では、バッグ本体Bから取り外せるように、コキカン5,6としてナスカンを用いたが、ストラップ2をバッグ本体Bに取り付ける場合にはコキカンで構わない。
【符号の説明】
【0050】
2 ストラップ
3 ひも
3a 一端
3b 他端
4 長さ調節用器具(コキ)
4a 枠体
4b 中軸
5 環体(コキカン)
6 環体(コキカン)
7 羽状部
7a 面ファスナー