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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 602A
A63F5/04 661
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019107499
(22)【出願日】2019-06-07
(65)【公開番号】P2020199041
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-017747(JP,A)
【文献】特開2012-217741(JP,A)
【文献】特開2010-110434(JP,A)
【文献】特開2015-016190(JP,A)
【文献】特開2017-104394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による開始操作に基づきゲームを開始し、遊技者による停止操作に基づきゲームを終了してゲームを実行するようにした遊技機において、
前記ゲームの実行に基づき変動表示する変動表示手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段と、
前記特典付与決定手段の決定結果に関連した演出を実行する演出手段と、
前記演出手段の制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記演出手段は、各々別個に設けられる複数の演出手段を含み、
前記操作手段は、前記変動表示手段と、前記複数の演出手段のうちの所定の演出手段との間に配設され、かつ、操作態様の異なる操作手段を含む複数の操作手段からなり、
前記演出制御手段は、
前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて、前記複数の演出手段のうち前記演出を実行させる演出手段を選択するとともに、複数の演出態様のうちからいずれかの演出態様を決定する演出態様制御手段と、
前記演出態様制御手段により決定された演出態様により前記演出を実行する場合に、前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて、前記ゲームにおける前記演出の開始時期を決定する演出時期制御手段と、
を備え、
前記演出態様制御手段は、前記特典付与決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合に、前記複数の演出態様のうち特定の演出態様を決定するものとし、
前記特定の演出態様による演出は、前記複数の操作手段のうちいずれかの操作手段の操作を伴う演出であり、
前記演出時期制御手段は、
所定の演出を実行させる場合には、前記所定の演出が前記ゲームにおける所定の時期に開始された場合に前記特典が付与される確率が高くなるように、前記所定の演出の開始時期を決定するものとし、
前記特定の演出態様による演出を実行させる場合には、当該演出の開始時期を前記所定の時期とは異なる時期に決定する確率が高くなるように制御する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出時期制御手段は、前記特定の演出態様による演出の開始時期を、前記ゲームにおける前記所定の時期よりも早い時期に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記複数の演出手段は、第1表示手段と、第2表示手段とを含み、
前記演出制御手段は、第1表示手段と第2表示手段により前記特定の演出態様による演出を実行するものとし、前記第1表示手段により前記特典付与決定手段の決定結果に関わる不明確な情報を表示した後、前記第2表示手段により前記特典付与決定手段の決定結果に関わる明確な情報を表示することにより前記特定の演出態様による演出を実行する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に複数の情報を表示可能な表示装置を備えたものが増えている。
このような遊技機においては、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-154991公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者による開始操作に基づきゲームを開始し、遊技者による停止操作に基づきゲームを終了してゲームを実行するようにした遊技機において、前記ゲームの実行に基づき変動表示する変動表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段と、前記特典付与決定手段の決定結果に関連した演出を実行する演出手段と、前記演出手段の制御を行う演出制御手段と、を備え、前記演出手段は、各々別個に設けられる複数の演出手段を含み、前記操作手段は、前記変動表示手段と、前記複数の演出手段のうちの所定の演出手段との間に配設され、かつ、操作態様の異なる操作手段を含む複数の操作手段からなり、前記演出制御手段は、前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて、前記複数の演出手段のうち前記演出を実行させる演出手段を選択するとともに、複数の演出態様のうちからいずれかの演出態様を決定する演出態様制御手段と、前記演出態様制御手段により決定された演出態様により前記演出を実行する場合に、前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて、前記ゲームにおける前記演出の開始時期を決定する演出時期制御手段と、を備え、前記演出態様制御手段は、前記特典付与決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合に、前記複数の演出態様のうち特定の演出態様を決定するものとし、前記特定の演出態様による演出は、前記複数の操作手段のうちいずれかの操作手段の操作を伴う演出であり、前記演出時期制御手段は、所定の演出を実行させる場合には、前記所定の演出が前記ゲームにおける所定の時期に開始された場合に前記特典が付与される確率が高くなるように、前記所定の演出の開始時期を決定するものとし、前記特定の演出態様による演出を実行させる場合には、当該演出の開始時期を前記所定の時期とは異なる時期に決定する確率が高くなるように制御する構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
図4】ART状態が発生するまでの遊技状態、及び演出を説明するためのタイミングチャートである。
図5】レア役当選時のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図6】連続演出のパターンの選択率を示す図表である。
図7】連続演出の実行中のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図8】連続演出の実行中に移動するサブ表示器での表示を説明するための図である。
図9】連続演出中にボタン演出が実行された場合のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図10】連続演出中にタイマー演出が実行された場合のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図11】変形例1における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図12】変形例1におけるボタン演出の選択率を示す図表である。
図13】変形例1におけるボタン演出時の演出ボタンおよび上部演出ボタン使用時の演出選択率を示す図表である。
図14】変形例2における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図15】変形例2におけるボタン演出時のボタンの選択率を示す図表である。
図16】変形例3における当選演出の実行中のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図17】変形例3における当選演出の実行中のメイン表示器およびサブ表示器の表示を説明するための図である。
図18】変形例3におけるレア役当選時の演出を実行する表示器の選択率を示す図表である。
図19】変形例3における強チェリー役当選時およびボーナス役単独当選時の各表示器での演出開始タイミングの選択率を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第1表示手段)および演出手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側にはサブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第2表示手段)および演出手段を構成する。
【0014】
サブ表示器17は、モータ等の電気的駆動源(図示省略)と、駆動力を伝達する駆動機構(図示省略)により、図1に示すメイン表示器8の右側の常態位置である第1位置から、メイン表示器8方向(左方向)に移動可能となっている。サブ表示器17を移動させる電気的駆動源や駆動機構は後述する移動手段を構成する。
そして、サブ表示器17の左方向への最大移動点である第2位置は、サブ表示器17の右端部がメイン表示器8の右端部よりも左側になるところに設定されている。
【0015】
したがって、サブ表示器17が第1位置から移動して第2位置に到達すると、サブ表示器17の全体がメイン表示器8の前方位置となるように構成されている。
なお、長手方向が鉛直方向に向いた長方形状のサブ表示器17は、その移動態様が、その状態を維持したまま平行移動するものとなっているが、メイン表示器8方向に移動するものであれば、回転しながら移動したり、やや下方に向かって移動したりするものであってもよい。
【0016】
メイン表示器8の右側であってサブ表示器17の下方には、操作手段(特定操作手段)としての上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0017】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0018】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0019】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0020】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、ベットボタン2aが配設されている。また、操作手段(通常操作手段)としての演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0021】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0022】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2c及び停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0023】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0024】
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0025】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4d及び有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0026】
確率設定装置14は、ボーナス役の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、ボーナス役の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
なお、ボーナス役の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
【0027】
なお、ボーナス役の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。また、後述するCZ状態、ART状態の両方、或いは何れか一方の移行抽選確率を、確率設定装置14の設定値に応じて変更可能に構成してもよいし、確率設定装置14での設定には影響は受けずに、常に固定の確率値で移行抽選を行うように構成してもよい。
【0028】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0029】
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0030】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やボーナス役の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0031】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態やART状態の移行抽選処理、ART状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0032】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、賞やART状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段(特典付与決定手段)を備えている。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきCZ状態やART状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0033】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0034】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0035】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0036】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、画像演出データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す画像演出、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0037】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10及び副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、特典付与決定手段、演出制御手段、操作演出制御手段、演出態様制御手段、演出時期制御手段が構成される。
【0038】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0039】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0040】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選により第1抽選結果としてリプレイ役や、第2抽選結果としてベル役が導出される。
【0041】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0042】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0043】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
【0044】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0045】
小役、リプレイ役、ボーナス役等などの当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0046】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0047】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0048】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0049】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0050】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0051】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
【0052】
また、リプレイ役には、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順)として6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止する押し順リプレイ役が設けられている。押し順リプレイ役は、6通りある押し順それぞれに対応する押し順リプレイ役1~6を設けるとともに、各押し順リプレイ役1~6に当選したときのそれぞれに対応する押し順の報知は、ART状態中(AT状態中も含む)に行われる。
なお、リプレイ役として、押し順の設定のない共通リプレイ役を備えてもよい。
【0053】
また、主制御装置10は、リプレイ役に当選する当選確率を変更可能になっていて、リプレイ役の当選確率の低い状態である非RT(リプレイ当選低確率状態)と、リプレイ役の当選確率の高い状態であるRT(リプレイ当選高確率状態)と、に制御可能となっている。
すなわち、主制御装置10は、抽選手段の抽選結果がリプレイ役となる確率を高めた高確率遊技状態(RT)により特定遊技状態(ART状態)を制御可能としているのである。
【0054】
そして、リプレイ役(押し順リプレイ役)には、非RTからRTへの移行に係る図柄の組合せに対応する昇格リプレイ役、RTから非RTへの移行に係る図柄の組合せに対応する転落リプレイ役が設定されている。これらの当選役についても押し順が対応付けられ、例えば、昇格リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって非RTからRTへの移行に係る昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止し、転落リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの5通りの押し順によってRTから非RTへの移行に係る転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止する。
なお、RT中に押し順ベル役に当選した場合に、当選した押し順ベル役に対応する図柄の組合せを停止させる特定の押し順以外の押し順操作が行われた場合に、RTを非RTに移行させる図柄の組合せを停止させるようにしてもよい。
【0055】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役或いは押し順リプレイ役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)の状態を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役或いは押し順リプレイ役が当選した場合に、当選した押し順ベル役或いは押し順リプレイ役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、AT中に昇格リプレイ役の当選により、当選した昇格リプレイ役に対応する押し順が報知されて、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、RTに移行することとなるが、このRT中にもATの状態が継続することで、遊技状態がリプレイ当選高確率状態と押し順ナビが行われる状態が重複するART状態となる。
【0056】
また、ART状態中において、転落リプレイ役に当選した場合には、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止しないような押し順ナビが行われて、ART状態中にRTが非RTに移行してしまうことが防止される。
そして、ART状態の終了条件が成立した後において、ATの状態の終了により、転落リプレイ役の当選時に、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止しないような押し順ナビが行われなくなり、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、RTが非RTに移行することとなる。
【0057】
なお、ART状態の継続中において、転落リプレイ役に当選した場合に、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止しないような押し順ナビが行われたにもかかわらず、停止操作を誤って転落リプレイ役に対応する図柄の組合せを停止させてしまった場合には、RTが非RTに移行してしまうが、ART状態の終了条件が成立していない限り、ATの状態の継続により再度昇格リプレイ役に対する押し順ナビが行われ、再度の昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、RTに再移行することとなる。ただし、一時的に非RTに移行した場合でもART状態は継続しているので、その間に実行されたゲーム数もART状態の継続可能なゲーム数から減算される。
【0058】
ボーナス役は、対応する図柄の組合せ(特別態様)を「7・7・7」とするもので、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別役である。
ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役の当選状態は、対応する図柄の組合せが停止するまで持ち越される。
【0059】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0060】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するART状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0061】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0062】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
また、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、リプレイ役の当選確率が高められるRTに移行し、RT中に転落リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、非RTに移行する。
【0063】
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せ(特別態様)の停止表示により、遊技者に有利なボーナス状態に移行する。ボーナス役に対応する図柄の組合せ(特別態様)が停止表示した場合には、メダルの払い出しは行われない。
ボーナス状態中は、所定の小役(例えば、共通ベル役)に高確率で当選する状態となり、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル200枚)を超えると終了する。
【0064】
また、ボーナス役を除く各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。また、ボーナス役は、小役やリプレイ役よりも当選確率が低く設定される。なお、ボーナス役を除く各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよく、特にRT中には、リプレイ役>ベル役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性となるようにしてもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0065】
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0066】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、ボーナス状態、CZ状態、ART状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
通常遊技状態、ボーナス状態、CZ状態では、非RTに制御される。また、ART状態中はATに制御されるが、CZ状態中もATに制御するようにしてもよい。
【0067】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、ART状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態におけるART状態の通常確率状態において遊技可能な区間が含まれる。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0068】
有利区間は、ボーナス状態、CZ状態、CZ状態の前兆状態、ART状態の高確率状態、ART状態の前兆状態、ART状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、ART状態、ボーナス状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、ART状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0069】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0070】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0071】
次に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、ART状態、ボーナス状態)、遊技状態間の移行処理、及び移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0072】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。なお、RTに関する種別は、同じ遊技状態に滞在中であっても、昇格リプレイ等によって変化するが、基本的には、以下のように設定されている。
また、演出は、後述するART前兆演出(ARTガセ前兆演出)、連続演出、発生演出、当選演出等が例示され、メイン表示器8及びサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0073】
(通常遊技状態)
通常遊技状態のRTに関する種別は、基本的に非RTである。つまり、通常遊技状態は、非RTに滞在しやすい遊技状態である。このため、通常遊技状態の遊技は、遊技者にとっては不利である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、ART状態、ボーナス状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からART状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0074】
・通常遊技状態からART状態への移行処理(図3の矢印a)
通常遊技状態においては、特典付与決定手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別条件の成立として、特定の決定結果となったことに基づき、特典(特定の特典)として特定遊技状態(ART状態)を付与するものとなっている。
【0075】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいてART状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役当選時の所定の確率(例えば、20%)でART状態への移行処理を行う。ART状態への移行条件が成立した場合には、基本的な遊技状態がATに制御され、昇格リプレイ役に当選して、昇格リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが停止するとART状態に移行する。また、遊技者にART状態中の実行可能ゲーム数として初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)が付与される。
【0076】
なお、ART状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点でART状態への移行を決定してもよいし、前回のART状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、ART状態への移行を決定するようにしてもよい。
また、主制御装置10は、ART状態の移行により、付与されたゲーム数の有無により、ART状態の継続を管理するようにしているが、ART状態の移行時に所定数のゲームを実行可能なセット数を付与して、セット数の有無によりART状態の継続を管理するようにしてもよい。
また、本実施形態では、特定条件の成立として、ART状態の当選契機役を主に、チャンス役と強・弱スイカ役に設定しているが、その他の役の当選時にART状態を発生させるようにしてもよい。
【0077】
ART状態への移行抽選に当選した場合には、遊技者のART状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的にART状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)のART前兆演出がメイン表示器8において実行される。したがって、ART状態への移行抽選に当選しても、直ぐにはART状態へは移行せず、前兆ゲーム数分移行が遅延されることとなる。
【0078】
ART前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う画像演出が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、ART前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
【0079】
また、ART状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、ART状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、ART状態に当選したときと同様に、最終的にART状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)のARTガセ前兆演出がメイン表示器8において実行される。ART前兆演出とARTガセ前兆演出は、基本的には画像演出(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0080】
また、ART前兆演出及びARTガセ前兆演出においては、最終的にART状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームから数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0081】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す画像演出が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されているART状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、ART状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、後述するが、ボタン演出やタイマー演出が併行して実行される場合もある。
【0082】
そして、ART状態に当選していた場合(ART前兆演出の場合)には、ART状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、ART状態に当選していなかった場合(ARTガセ前兆演出の場合)には、ART状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、ART前兆演出及びARTガセ前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果によりART状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0083】
また、ART前兆演出及びARTガセ前兆演出は、ART状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよいし、所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の実行後に発生させるようにしてもよい。また、ARTガセ前兆演出は、ART状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。また、ART前兆演出及びARTガセ前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、25~35ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。
【0084】
また、通常遊技状態においては、ART状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。ART状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が低確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、及びハズレ時の5%の確率で、高確率状態から低確率状態へ移行する制御が行われる。
【0085】
ART状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14において、ボーナス役の当選確率を変更した場合や、主制御装置10のシステムリセットが行われた場合には、通常確率状態により遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で高確率状態により遊技を開始可能としてもよい。
【0086】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役や強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0087】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10及び副制御装置20により、CZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
【0088】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合には、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態の前兆状態が設定され、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出がメイン表示器8において実行される。したがって、CZ状態への移行抽選に当選しても、直ぐにはART状態へは移行せず、CZ連続演出を経てCZ状態へ移行することとなる。
【0089】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZガセ連続演出がメイン表示器8において実行される。CZ連続演出とCZガセ連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等は同様に設定されていて、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0090】
CZ連続演出(CZガセ連続演出)は、例えば、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような画像演出が実行される。CZ連続演出(CZガセ連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する画像演出が実行される。
すなわち、CZ連続演出(CZガセ連続演出)は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
なお、CZ連続演出(CZガセ連続演出)中は、複数のゲームに亘って(跨って)一連の演出が実行されるものであればいずれでもよく、前述したART状態の連続演出と同様に、キャラクタによる対戦演出でもよい。
【0091】
・通常遊技状態からボーナス状態への移行処理(図3の矢印f)
主制御装置10は、ボーナス状態を発生させるか否かを決定する機能も有していて、役の抽選結果が特別の決定結果となったことに基づき、特別の特典としてボーナス状態を付与するようになっている。
より具体的には、抽選手段が、ゲームの実行に基づき、ボーナス役の抽選を所定の確率で行い、抽選結果がボーナス役の当選(特別抽選結果)となった場合に、ボーナス状態を発生させるようにしている。
【0092】
ボーナス役の抽選確率値は、確率設定装置14で設定可能な設定1~6に応じた複数段階の確率値(例えば、設定1の1/250~設定6の1/200)で制御可能であり、確率設定装置14で設定されている確率値に基づく抽選により、ボーナス役に当選すると、リール4において当選したボーナス役に対応した図柄の組み合わせ(「7・7・7」)を停止可能となり、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、ボーナス状態への移行処理が行われる。
したがって、ボーナス役に当選した場合でも直ぐにボーナス状態へ移行するのではなく、ボーナス役に対応した図柄の組み合わせを停止可能なボーナス当選状態を経由してボーナス状態に移行することとなる。この移行態様は、通常遊技状態以外の遊技状態においてボーナス役に当選した場合でも同様である。
【0093】
また、ボーナス役に当選した場合、ボーナス役に当選したことをメイン表示器8において報知するようにしているが、当該報知は直ぐには行われず、最終的にボーナス役に当選したことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のボーナス発生演出がメイン表示器8において実行された後、ボーナス役の当選報知を行うことで、遊技者に対してボーナス役の当選に対する期待感を高めるようにしている。
【0094】
また、ボーナス役に当選していないゲームにおいて所定条件が成立した場合、最終的にボーナス役に当選していないことを報知する演出として、所定の確率でボーナス発生演出と同様のボーナスガセ発生演出がメイン表示器8において表示される。
ボーナスガセ発生演出は、適度に遊技者の期待感を高めるもので、例えば、ボーナス役に当選していないゲームにおいてボーナスガセ発生演出をボーナス役の当選確率と同等の確率で発生させるようにすれば、発生演出が表示された場合に、ボーナス役の当選に対する期待度が約50%にできるし、ボーナスガセ発生演出の発生確率を調整することで、遊技者の期待度を変化させることもできる。
【0095】
ボーナス発生演出及びボーナスガセ発生演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。したがって、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)は、前述したART状態における連続演出と同様の演出内容で実行される。
【0096】
すなわち、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
そして、ボーナス役に当選していた場合(ボーナス発生演出の場合)には、ボーナス役の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、ボーナス役に当選していなかった場合(ボーナスガセ発生演出の場合)には、ボーナス役の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0097】
なお、ボーナス役の当選は、ボーナス役に単独で当選する他、所定の小役(例えば、チャンス役や強チェリー役)に当選した場合の一部で、ボーナス役に重複当選するようにしてもよい。この場合、所定の小役に当選してもボーナス役には当選しなかった場合に、最終的にボーナス役に当選しなかったことを報知するボーナスのガセ発生演出を実行すれば、遊技の興趣性を高めることができるようになる。
また、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)中は、複数のゲームに亘って(跨って)一連の演出が実行されるものであれば何れでもよく、ART状態における連続演出とは異なる演出を実行するようにしてもよい。
また、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)と、ART状態における連続演出は、演出中の演出パターンを複数態様で実行可能となっているが、両者において全く同様の演出パターンで実行可能としてもよいし、一部或いは全部を異なる演出パターンで実行可能としてもよい。
【0098】
(CZ状態)
CZ状態のRT種別は、基本的に非RTである。CZ状態は、押し順ベル役や押し順リプレイ役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時のみ押し順ナビが実行されるATに制御してもよい。また、CZ状態滞在中は、各ゲームにおいてART移行抽選処理(後述する)が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、ART状態へ移行しやすい。このため、一連の遊技の流れにおいて、CZ状態は、通常遊技状態よりも有利に位置付けられている。
【0099】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、ART状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10回である。
なお、CZ状態では、昇格リプレイ役に当選した場合でも、押し順を報知しないので、基本的に非RTが維持される。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0100】
・CZ状態からART状態への移行処理(図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいてART移行抽選処理を行う。
ART移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。ART移行抽選処理の当選確率は、例えば、ボーナス役当選時が100%、レア役当選時が50%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。ART移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、ART状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームでART状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態がART状態へ移行することとなる。
なお、ART移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもART移行抽選は実行される。
【0101】
なお、各当選役の一部又は全部についてのART移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時にART移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいてART移行抽選処理を行うようにしてもよい。また、ボーナス役に当選した場合には、100%の確率で当該ボーナス状態の終了後にART状態へ移行するようにして遊技者の期待感を高めるようにしているが、確率設定装置14で当選確率が変更可能なボーナス役に関しては、ART移行抽選処理を行わないようにして遊技店と遊技者との利益バランスが大きく崩れないようにしてもよい。
【0102】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する画像演出が表示される。そして、ART移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利してART状態へ移行することが報知される。
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、ART状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0103】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d)
CZ状態において、ART移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北してART状態へ移行しないことが報知される。
【0104】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0105】
・CZ状態からボーナス状態への移行処理(図3の矢印h)
CZ状態においては、前述した通常遊技状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4において当選したボーナス役に対応した図柄の組み合わせ(「7・7・7」)を停止可能な状態となる。このとき、ART状態への移行が確定するので、CZ状態は終了し、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。
【0106】
なお、CZ状態中にボーナス役に当選した場合に、所定の確率でART状態に移行しないようにしてもよく、この場合、ボーナス状態の発生によりCZ状態を一旦中断し、一旦中断されたCZ状態を、ボーナス状態の終了後に復帰させるようにしてもよい(図3の矢印i)。
CZ状態中にボーナス役に当選した場合、通常遊技状態とは異なりボーナス発生演出は行われずに、ボーナス役に当選したゲームにおいてボーナス役に当選したことの報知がメイン表示器8において実行される。すなわち、ボーナス役に当選したゲームの次ゲームが開始される前にボーナス役に当選したことが報知される。
【0107】
(ART状態)
ART状態へ最初に移行した時点でのRT種別は、基本的に非RTであるが、ATの状態となっているので、昇格リプレイ役の入賞によってRTに昇格し易くなっている。RT状態は、獲得メダルの増加が見込めるため、ART状態は、遊技者にとっては、通常遊技状態、CZ状態よりも有利である。
ART状態中は、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順リプレイ役と押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、RTの維持とメダルの獲得が容易な状態となる。
なお、ART状態における押し順リプレイ役の当選確率は、基本的に、RTに対応した一定の確率となる。
【0108】
ART状態中は、ART状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、50ゲーム)を、ART状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理され、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでART状態は継続される。また、ART状態の残ゲーム数は、ART状態中における所定条件の成立により上乗せされて、その分ART状態の継続期間が延長されるようになっている。
そして、ART状態において残ゲーム数が無くなった場合、ART状態が終了することとなる。
【0109】
ART状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、ART状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、ART状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、ART状態中の、残ゲーム数、一連のART状態中に獲得したメダルの総数、ART状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0110】
また、ART状態中は、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、ART状態のゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数が残ゲーム数に上乗せ(加算)される。
また、所定のレア役に当選した場合には、ゲーム数の上乗せに対する期待感を高めるための上乗せ演出が、メイン表示器8において実行される。上乗せ演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ演出の最終ゲームで当否の報知が行われるとともに上乗せゲーム数が報知される。
例えば、上乗せ演出を複数ゲーム(3ゲーム)に亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出がメイン表示器8或いはサブ表示器17で実行される。
【0111】
また、ART状態中において、特定条件の成立として所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としている。
上乗せ特化ゾーンは、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役やボーナス役の他、リプレイ役以外の全ての役が上乗せの契機役となり、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められる。
【0112】
例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選し、強チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は50%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選するような制御が行われる。なお、ボーナス役に関しては、上乗せ特化ゾーンか否かに関わらず100%で上乗せに当選する。
【0113】
また、上乗せ特化ゾーン中以外は上乗せの可能性のないベル役(共通ベル役及び押し順ベル役)の当選時にも上乗せ抽選が行われ、ベル役の当選時は、80%で上乗せに当選するような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、ART状態の継続に関わる所定の特典として、複数の役の当選時に上乗せに当選する確率が高められるような制御が行われる。
なお、上乗せ特化ゾーン中はベル役に当選した場合にも100%の確率で上乗せに当選するようにしてもよい。
【0114】
また、上乗せ特化ゾーン中は、上乗せされるゲーム数も上乗せ特化ゾーン以外よりも大きいゲーム数が上乗せされ、例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は20ゲームのゲーム数が上乗せされ、強チェリー役及びボーナス役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は20ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は50ゲームのゲーム数が上乗せされるような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、ART状態の継続に関わる所定の特典として、上乗せに当選した場合に上乗せされるゲーム数が多くなるような制御が行われる。
【0115】
また、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーン中に転落リプレイ役に当選した際に、遊技者の誤操作等により、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せを停止させてしまった場合には、RTの状態が非RTの状態に移行させるが、上乗せ特化ゾーンはそのまま維持させ、規定のゲーム数(10ゲーム)が終了するまで継続させるようにしている。
【0116】
上乗せ特化ゾーン中は、主制御装置10からの信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8に主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙する画像が表示され、ゲーム毎に主人公キャラクタが一方的に攻撃するような演出が行われる。そして、ゲームの実行に応じて主人公キャラクタが攻撃し、上乗せされない場合には攻撃が失敗し、上乗せされる場合には攻撃が成功して、ゲームの抽選に応じて決定された上乗せゲーム数が報知される。
このように、上乗せ特化ゾーンが実行されている場合において、その実行中の間(例えば、10ゲーム間)を通して主人公キャラクタが攻撃を繰り返すような一連の演出が実行され、上乗せ特化ゾーンの終了により、一連の演出が終了して元のART状態中の画像に復帰することとなる。
【0117】
なお、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選した場合に、次ゲームから即座に上乗せ特化ゾーンを発生するようにしてもよいし、所定数のゲームの実行後に発生するようにしてもよい。
また、所定数のゲームの実行後に上乗せ特化ゾーンを発生させる場合には、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選後に、副制御装置20の制御により、上乗せ特化ゾーンの発生に対する期待感を高めるための上乗せ特化ゾーン発生演出を行うようにしてもよい。上乗せ特化ゾーン発生演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せ特化ゾーンに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ特化ゾーン発生演出の最終ゲームで当否の報知が行われるようにすることが好ましい。
【0118】
また、上乗せ特化ゾーン発生演出を複数ゲームに亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出により実行してもよい。
また、上乗せ特化ゾーン中の各役当選時の上乗せ当選確率や上乗せゲーム数は、上記以外でもよく、上乗せ特化ゾーン中以外よりも上乗せ特化ゾーン中の方が、遊技者に有利に上乗せに対する制御が行われるものであればいずれでもよい。
【0119】
ただし、上乗せ特化ゾーン中でのリプレイ役の当選時には、上乗せ抽選は行われないようにしている。これは、RTの状態中である上乗せ特化ゾーン中に、遊技者が誤って転落リプレイ役に対応する図柄の組合せを停止させるような停止操作を行ってしまった場合でも、遊技者が不利となることを防止するためである。すなわち、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せを停止させた場合には、上乗せ特化ゾーン中が非RTの状態となってしまい、リプレイ役の当選確率が低下してしまうが、仮にリプレイ役を上乗せの契機役に設定した場合には、非RTの状態への移行により上乗せ契機役であるリプレイ役の当選が減ることで、遊技者に極めて不利な状態となってしまうこととなる。本実施形態においては、このような事態を防止できるのである。
【0120】
したがって、本実施形態では、上乗せ特化ゾーン中の上乗せ契機役を、常に当選確率が一定である役(例えば、ベル役等)に設定していることから、上記したような事態が生じても特定の遊技者が極めて不利となってしまうことを防止でき、全ての遊技者に対して期待感や興趣性の高い上乗せ特化ゾーンを発生させることができるのである。
【0121】
・ART状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b)
ART状態において、ART状態を継続させる残ゲーム数が無くなるとART状態は終了し、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
ART状態から通常遊技状態へ移行した場合には、ART状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、ART状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0122】
・ART状態からボーナス状態への移行処理(図3の矢印k)
ART状態においては、前述した通常遊技状態、CZ状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態、CZ状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4において当選したボーナス役に対応した図柄の組み合わせ(「7・7・7」)を停止可能な状態となる。このとき、ART状態は一旦中断され、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。なお、一旦中断されたART状態は、ボーナス状態の終了後に復帰することとなる。
【0123】
また、ART状態中にボーナス役に当選した場合、最終的にボーナス役に当選したことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のボーナス発生演出がメイン表示器8において実行されて、遊技者のボーナス役の当選に対する期待感が高められる。
なお、ART状態中にボーナス役に当選した場合には、所定のゲーム数をART状態の残ゲーム数に加算(上乗せ)するようにしてもよい。
【0124】
(ボーナス状態)
ボーナス状態は、抽選手段の抽選に関わる制御が遊技者に有利となるような制御、具体的には、各ゲームにおいてベル役の抽選が高確率で行われ、遊技者が多数のメダルを獲得可能な状態となる。また、前述したようにCZ状態中のボーナス役の当選時は、ART状態の移行抽選は行われるが、通常遊技状態中のボーナス役の当選時も所定の確率でART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。ただし、ボーナス役の当選からボーナス状態が発生するまでの間(ボーナス当選状態中)のゲームにおいてはART状態の移行抽選は行われない。なお、ボーナス状態中に実行されるゲーム毎に、ART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。
また、主制御装置10から副制御装置20に対して、ボーナス状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、ボーナス状態中の各種演出、獲得枚数情報等の画像表示が行われる。
【0125】
・ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印g)
ボーナス状態中において、上記した抽選手段の抽選に関わる制御が遊技者に有利となるような制御が所定期間行われた結果、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態から通常遊技状態に移行される。
【0126】
また、ボーナス状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
【0127】
ボーナス状態から通常遊技状態へ移行した場合には、ART状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、ボーナス状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0128】
・ボーナス状態からART状態への移行処理(図3の矢印j)
ボーナス状態からART状態に移行する条件としては、CZ状態中にボーナス役に当選した場合と、ART状態中にボーナス役に当選した場合とがある。
CZ状態或いはART状態から移行したボーナス状態中において、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態からART状態に移行される。このとき、CZ状態からの移行の場合には、ART状態は初期状態から開始されるが、ART状態からの移行の場合には、ART状態は中断された時点の状態から再開されることとなる。したがって、ART状態の中断時のセット数中の残ゲーム数からART状態が再開することとなる。また、獲得メダル数は、ART状態とボーナス状態が一連して発生した場合には、それらの総数となるので、ART状態の再開時には、ボーナス状態中に獲得したメダル数が加算されて獲得メダル数が表示される。
【0129】
また、ART状態から移行したボーナス状態の終了時にも、所定期間のエンディング状態が設定され、エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、設定値を示唆可能な所定の画像がメイン表示器8により表示されるとともに、設定値を示唆可能な所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0130】
次に、メイン表示器8におけるステージの移行抽選について説明する。
スロットマシン1の主制御装置10においては、前述したように通常遊技状態中におけるART状態の抽選に関して、所定のレア役に当選した場合に、ART状態の移行確率が相対的に低い通常確率状態と、相対的に高い高確率状態との何れかの確率状態においてART状態の抽選制御が行われる。
【0131】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの通常確率状態と高確率状態を特定可能な情報に基づいて、メイン表示器8におけるステージの表示制御を行っている。
すなわち、通常確率状態と高確率状態の管理制御を行う主制御装置10からの制御情報に基づいて、副制御装置20がメイン表示器8におけるステージの画像を制御することで、ステージの表示制御が行われるのである。
メイン表示器8で表示されるステージは、背景画像、登場キャラクタ等からなる画像から構成され、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、背景画像や登場キャラクタの異なる複数のステージの何れかが表示可能とされ、遊技状態や確率状態に応じて表示するステージの選択が行われる。
【0132】
したがって、メイン表示器8に表示されるステージは、遊技状態の報知や確率状態の報知(示唆報知)を行う役目もある。
また、通常遊技状態中やART状態中には、予め複数のステージが設定され、通常遊技状態中においてはステージA~Cの何れかをメイン表示器8に表示するようになっている。
【0133】
副制御装置20は、ゲームの実行に基づいてステージA~ステージCの何れかを選択する制御を行うが、この際の選択制御は、その時点のART状態の移行抽選確率の状態、すなわち、通常確率状態か高確率状態かに応じて異なる選択制御が行われる。
したがって、メイン表示器8において表示されるステージの種類は、その時点の確率状態を反映したものとなる。ただし、ステージの選択は所定の確率に基づく抽選で行われることから、内部的な確率状態をそのまま反映したものではなく、遊技者がある程度推測できる範囲で行われることとなる。
【0134】
ステージの移行抽選、すなわち、現状のステージから他のステージに移行するか、あるいは現状のステージを維持するかの抽選は、ゲーム毎に実行され、高確率状態に移行していることに対する期待度が、ステージA<ステージB<ステージCの関係を形成するように実行される
例えば、通常確率状態においては、ステージAが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージCが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。一方、高確率状態においては、ステージCが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージAが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。
このようなステージの移行抽選が行われる結果、ステージAよりもステージBの方が高確率状態に移行している期待度が高くなり、同様に、ステージA及びステージBよりもステージCの方が高確率状態に移行している期待度が高くなるのである。
【0135】
各ステージでは、例えば、主人公キャラクタが所定の場所を歩いているような演出が実行され、ステージAでは草原、ステージBでは街中、ステージCでは森の中等、主人公キャラクタが歩く場所により、ステージの違いを報知するようにしている。
各ステージは、他のステージに移行しない限り、背景や主人公キャラクタの動作等は同様の内容となっていて、次ゲームが開始されても変化しないようになっているので、ステージ毎の演出についても複数ゲームに亘る一連の演出と捉えることもできる。
【0136】
次に、図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、ゲームの実行に応じた遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示について説明する。
図4は、確率状態が通常確率状態の通常遊技状態からゲームを開始する状態を例示している。また、メイン表示器8ではステージAを表示している。
【0137】
図4に例示すように、通常遊技状態中の所定のゲーム(図4の2ゲーム目)の実行により弱スイカ役に当選した場合(タイミングt0)、所定の確率で高確率状態への移行抽選が行われるが、移行抽選の結果、高確率状態への移行が決定されると、次ゲーム(3ゲーム目)の開始時(タイミングt1)に確率状態が高確率状態に変更される。なお、高確率状態への移行は、次ゲームではなく高確率状態への移行抽選が行われるゲームの開始時に行うようにしてもよい。
【0138】
また、3ゲーム目のゲーム実行時には、高確率状態中におけるステージの移行抽選が行われ、ステージの移行無しが決定されてステージの移行は行われていない。
そして、続く4ゲーム目のゲーム実行のステージ移行抽選でステージの移行が決定された結果、4ゲーム目の開始時(タイミングt2)でメイン表示器8に表示されるステージがステージAからステージCに移行される。また、ステージは、12ゲーム目までステージCを維持するような抽選結果となっている。
【0139】
また、図4に示すように、10ゲーム目のゲーム実行時にチャンス役に当選した場合(タイミングt3)、この時点の確率状態は高確率状態であるので、通常確率状態よりも高い当選確率でART状態の移行抽選が行われる。
チャンス役の当選により、メイン表示器8においてART前兆演出が行われるが、所定の遅延期間の設定により、ART前兆演出は、12ゲーム目の開始時(タイミングt4)から行われる。
なお、図4の例では、ART状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、ART状態の移行抽選に非当選であった場合でも、チャンス役の当選によりメイン表示器8においてはARTガセ前兆演出が実行される。
【0140】
ART前兆演出は、40ゲーム目のゲーム実行まで行われるが、最終ゲームの直前の3ゲームに亘っては、ART前兆演出中の連続演出が実行される。すなわち、38ゲーム目のゲーム開始からメイン表示器8において主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出により連続演出が実行される。
例えば、38ゲーム目から40ゲーム目のゲーム毎に、主人公キャラクタ或いは敵キャラクタの何れかが攻撃を行うような対戦画像を表示し、前兆演出の最終ゲームである40ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することによりART状態の当否を報知するような演出が実行される。
【0141】
また、連続演出中にゲーム毎に実行される攻防画像は、ART状態に当選している場合には、主人公キャラクタの攻撃が多かったり、より敵キャラクタに大きな打撃を与えたりする画像を表示することで、遊技者にART状態の発生に対する期待感を高められるようになっている。
【0142】
38ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt5)に実行された連続演出は、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後の時点(タイミングt6)で終了し、何れかのキャラクタが勝利する画像が表示されるが、図4に示す例では、ART状態に当選しているので、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間(タイミングt6~t7)においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、「勝利」の文字情報や、「ART確定」等の文字情報が表示される。
その後、41ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt7)から遊技状態がART状態に移行し、メイン表示器8においてはART状態中の画像が表示されることとなる。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0143】
次に、図5を参照して、副制御装置20の制御によりメイン表示器8およびサブ表示器17で実行されるカットイン演出について説明する。
前述したようにレア役当選時に、特典(ART状態、ボーナス状態等)を付与するか否かの決定(抽選)が行われるが、レア役に当選したゲームにおいては、副制御装置20の制御によりメイン表示器8およびサブ表示器17で当選演出が実行される。
当選演出は、前述した連続演出等とは異なり、基本的には役に当選した1のゲームで完結するような内容となっていて、当該ゲームにおいて主にメイン表示器8に所定の画像が表示されることで実行される。
【0144】
当選演出は、主にレア役に当選した旨や当選したレア役の種類を報知するものとなっている。ただし、所定の確率(ボーナス役重複当選時の所定の確率)でレア役当選したゲームで実行される当選演出の実行後に、即座に特典(例えば、ボーナス状態)を付与することが報知される場合もある。
したがって、当選演出により特典を付与することが報知される場合には、当選演出が開始されたゲームが終了するまでに(次ゲームが開始されるまでに)当該演出が終了して特典の付与が報知されることとなる。
【0145】
例えば、レア役当選時のゲームにおいて、メイン表示器8において所定のキャラクタを登場させる当選演出を実行する場合には、ゲームの開始時に所定のキャラクタの画像を表示し、当該ゲームの途中の時期あるいは終了時に、当選したレア役の種類を報知するアイテム画像をキャラクタが袋の中から取り出す等の演出が実行されるのである。
また、このとき当選演出でボーナス役の当選を報知する場合には、袋の中からボーナス役の当選を報知するアイテム画像が表示されるのである。
また、ART状態の当選契機役であるレア役に当選して当選演出が実行された場合には、その後、複数のゲームに跨る前兆演出や連続演出が実行され、それらの演出の実行後に特典が付与されるか否かが報知されることとなる。
【0146】
また、レア役当選時には、図5(a)に示すように、所定確率でカットイン演出が実行される。
カットイン演出は、レア役に当選したゲームのスタートレバー3の操作時に実行され、所定の画像からなるカットイン画像A50aがメイン表示器8とサブ表示器17に表示されることで実行される。
カットイン画像A50aは、所定のキャラクタの画像(例えば、顔の全体画像)と、その一部に配置されている所定の文字情報からなるカットイン文字画像A51aとから構成される。
カットイン画像A50aのうちの一部であるカットイン文字画像A51aは、特典が付与される否かをより明確に遊技者に伝達する情報であり、副制御装置20の制御により、複数の情報を選択的に表示可能となっている。
また、カットイン演出は、所定時間(例えば、2秒)経過後に終了され、当該ゲームが終了する前にカットイン画像A50aは消去されることとなる。
【0147】
したがって、レア役に当選した場合にカットイン演出が実行される場合には、カットイン演出の終了後に、当選演出が実行されることとなる。
なお、カットイン演出を当選演出と同時に実行させるようにしてもよく、この場合には、レア役の当選によりメイン表示器8およびサブ表示器17で実行される当選演出の画像と同時にカットイン画像A50aが表示されることとなるが、各表示器の画面全体で表示される当選演出の画像に対して、画面の面積よりも小さく設定されているカットイン画像A50aを当選演出の画像の前面側に表示させることで実行すればよい。
【0148】
また、レア役当選時にカットイン演出が実行された場合には、カットイン演出が実行されない場合よりも、特典が付与される確率が高くなるように、カットイン演出を実行する制御を行うことが好ましい。
【0149】
図5(a)に示すように、カットイン演出が実行された場合には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って、カットイン画像A50aが表示される。
カットイン画像A50aがメイン表示器8とサブ表示器17に表示される場合には、カットイン画像A50aの中心位置がメイン表示器8の画面中心よりもやや右側にずれた位置に設定されて表示される。したがって、カットイン画像A50aの半分以上がメイン表示器8に表示されるととともに、残りの部分がサブ表示器17に表示されることで所定のキャラクタの画像の全体像が形成される。
また、カットイン画像A50aにおけるサブ表示器17で表示される部分には、カットイン文字画像A51aが配置される。したがって、カットイン文字画像A51aは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨らずに、サブ表示器17のみで表示されることとなる。
【0150】
カットイン文字画像A51aは、所定の文字情報からなり、図5(a)に示す例では、「チャンス」の文字情報が、サブ表示器17の中央部よりやや左寄りの位置であって、サブ表示器17の長手方向に合わせて縦書きで表示されている。また、カットイン文字画像A51aは、サブ表示器17の画面からはみ出さずに画面内に収まるように表示される。したがって、カットイン文字画像A51aは、サブ表示器17のみで表示されることとなる。
このように、カットイン画像A50aを表示させる場合に、カットイン画像A50aの全体は、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示させることにより、カットイン画像A50aの全体像をより大きく表示させることで迫力ある演出を実行することが可能となるのである。
【0151】
また、カットイン画像A50aをメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で表示させる場合でも、カットイン画像A50aの一部に配置されているカットイン文字画像A51aは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨らずに、サブ表示器17のみで表示させることにより、カットイン文字画像A51aの視認性を向上させることが可能となるのである。
すなわち、迫力を出すことを目的とするキャラクタ等の画像はメイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示させても何ら問題はなく、むしろ効果的となるが、文字情報等をメイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示させてしまうと、メイン表示器8とサブ表示器17の間隙や、その間に配設されている部材(表示器の枠等)が影響して、例えば、文字の間隔がバラバラになり読みづらくなったり、途中の文字が消えてしまったり等の文字情報等の視認性に支障が生じる可能性があるが、本実施形態においては、そのような問題が生じず、カットイン文字画像A51aを視認性の高い状態で表示することができるのである。
【0152】
なお、副制御装置20では、カットイン画像A50aがメイン表示器8とサブ表示器17に跨って表示され、カットイン文字画像A51aがサブ表示器17のみで表示されるように、カットイン画像A50aおよびカットイン文字画像A51aを表示させるためのデータが予め記憶されていて、当該データに基づく表示制御を行うことによりカットイン演出が実行されることとなる。
また、カットイン画像A50aおよびカットイン文字画像A51aは、上記した以外でもよく、例えば、所定のキャラクタがアイテムとして札を持つ画像をカットイン演出時に表示させるとともに、札には「チャンス」等の文字情報を表示させる場合に、キャラクタ全体の画像をメイン表示器8とサブ表示器17の両方に跨るように表示させて、札の画像をサブ表示器17のみで表示させるようにしてもよい。
【0153】
すなわち、カットイン演出時に重要な情報(文字情報等)を含んだ何らかの画像を表示した場合に、その画像の全体像はメイン表示器8とサブ表示器17の両方に跨るように表示して、重要な情報はメイン表示器8とサブ表示器17に跨らずに、サブ表示器17のみで表示するものであれば何れでもよいのである。
また、重要な情報は、サブ表示器17ではなくメイン表示器8のみで表示するようにしてもよく、複数の表示器に跨らなければ何れの表示器に表示してもよい。
【0154】
次に、図5(b)は、図5(a)で説明したカットイン画像A50aとは異なる画像を表示した場合の例を示している。
本実施形態においては、カットイン演出時にメイン表示器8とサブ表示器17に表示される画像は、複数の画像があらかじめ用意されていて、何れかの画像を表示可能としている。そして、副制御装置20の制御により、予め決定されている特典を付与するか否かの決定結果に基づき何れかの画像が選択的に決定されて表示される。
【0155】
図5(b)に示す例では、メイン表示器8とサブ表示器17の両方に跨ってカットイン画像B50bを表示している。
カットイン画像B50bは、カットイン画像A50aとは異なる配色や模様が施されたキャラクタの画像からなり、カットイン画像A50aよりも面積が大きいものとなっている。
【0156】
また、カットイン画像B50bを表示する場合にも、カットイン画像A50aと同様に、カットイン演出が実行された場合には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って、カットイン画像B50bが表示される。そして、カットイン画像B50bの中心位置がメイン表示器8の画面中心よりもやや右側にずれた位置に設定されて、カットイン画像B50bの半分以上がメイン表示器8に表示されるととともに、残りの部分がサブ表示器17に表示されることで所定のキャラクタの画像の全体像が形成される。
また、カットイン画像B50bは、カットイン画像A50aよりも面積が大きいので、メイン表示器8およびサブ表示器17の各々の表示面におけるカットイン画像B50bの占める範囲が、カットイン画像A50aよりも大きくなっている。
【0157】
また、副制御装置20は、予め特典の付与が決定されている場合には、カットイン画像A50aよりもカットイン画像B50bを表示する確率が高くなるような画像の選択制御を行うようにしている。
したがって、カットイン画像B50bが表示された場合には、カットイン画像A50aが表示された場合よりも特典が付与される期待度が高くなるようになっている。
【0158】
また、カットイン画像B50bは、その一部である右端部にカットイン文字画像B51bが含まれて表示される。
カットイン文字画像B51bは、カットイン文字画像A51aと同様に、カットイン画像B50bにおけるサブ表示器17で表示される部分に配置される。したがって、カットイン文字画像B51bは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨らずに、サブ表示器17のみで表示されることとなる。
【0159】
カットイン文字画像B51bは、所定の文字情報からなり、図5(b)に示す例では、「大チャンス」の文字情報が、サブ表示器17の長手方向に合わせて縦書きで表示されている。また、カットイン文字画像B51bは、サブ表示器17の画面からはみ出さずに画面内に収まるようにカットイン文字画像A51aと同様の位置に表示される。したがって、カットイン文字画像B51bは、サブ表示器17のみで表示されることとなる。
【0160】
このように、カットイン画像B50bおよびカットイン文字画像B51bをメイン表示器8およびサブ表示器17に表示することにより、前述したカットイン画像A50aおよびカットイン文字画像A51aを表示する場合と同様の効果が得られることとなる。
また、カットインされる画像が、カットイン画像A50aではなく、大きさ、配色、模様の異なるカットイン画像B50bに変更された場合でも、カットイン文字画像B51bはサブ表示器17におけるカットイン文字画像A51aが表示される位置に表示されるので、遊技者は何ら戸惑い無く重要な情報であるカットイン文字画像B51bを確認することが可能となる。
【0161】
なお、図5に示す例では、カットイン画像A50aとカットイン文字画像A51aとが一対で、カットイン画像B50bとカットイン文字画像B51bとが一対となっているが、カットイン画像とカットイン文字画像の各々を独立して選択表示できるように副制御装置20が表示制御を行うようにしてもよい。
例えば、カットイン画像A50aが表示された場合に、カットイン文字画像B51bを表示してもよいし、カットイン画像B50bが表示された場合に、カットイン文字画像A51aを表示してもよい。この場合、副制御装置20は、予め特典の付与が決定されている場合には、カットイン文字画像A51aよりもカットイン文字画像B51bを表示する確率が高くなるような画像の選択制御を行うことが好ましい。
【0162】
カットイン画像とカットイン文字画像の各々を独立して表示する場合に、各々の画像の組合せが変化することとなるが、各カットイン文字画像は、必ずサブ表示器17の所定位置に表示されるので、重要な情報を遊技者が見落とす等の事態を防止することが可能となる。
また、カットイン演出時に、一度カットイン画像A50aを表示した後、所定時間経過後にカットイン画像B50bへの切り替え表示を行うようにしてもよい。この場合でも、カットイン文字画像は、必ずサブ表示器17の所定位置に表示されることとなる。
以上のように、カットイン演出が行われる。
【0163】
次に、図6を参照して、副制御装置20の制御により、ART前兆演出(ARTガセ前兆演出)中の終盤で実行される連続演出のパターンについて説明する。
連続演出は、所定数のゲーム(例えば、3ゲーム)に亘る一連の演出により実行され、各ゲームにおいて主人公キャラクタ或いは敵キャラクタの何れかが攻撃を行うような対戦画像が表示され、最後のゲームの終了後に、何れかのキャラクタが勝利することにより特典(ART状態等)が付与されるか否か報知するような対戦演出から構成される。
また、連続演出中にゲーム毎に実行される攻防画像は、特典としてのART状態を付与する場合には、主人公キャラクタの攻撃が多かったり、より敵キャラクタに大きな打撃を与えたりする画像を表示することで、遊技者に特典の付与に対する期待感を高められるようになっている。
【0164】
副制御装置20は、連続演出が3ゲーム継続する場合の演出パターンとして、予めゲーム毎に所定の画像演出(攻防画像)が設定されたパターンA、パターンB、パターンC、パターンDに関するデータを記憶手段に記憶しておき、連続演出を実行する場合に、特典を付与するか否かに応じて何れかの演出パターンを選択するようになっている。
連続演出の演出パターンは、特典の付与に関する遊技者の期待感に対して、パターンA<パターンB<パターンC<パターンDの関係性を形成するように各ゲーム後の画像演出が設定されている。例えば、パターンAよりもパターンDの方が主人公キャラクタが攻撃したり、敵キャラクタに大きな打撃を与えたりする画像演出が多くなるように設定されている。
なお、各パターンは、上記した攻防内容を異ならせる以外に、登場するキャラクタを異ならせたり、対戦するステージ(場所)を異ならせたりするようにしてもよく、特典の付与に対する期待度が変化するものであれば何れでもよい。
【0165】
また、パターンA~Dは、全て連続演出の主である3ゲーム継続する場合の演出パターンであるが、その他、2ゲームで終了するパターンEと、4ゲームで終了するパターンFを設けてもよい。また、パターンE及びFはART状態の当選時にのみ選択されるレアパターンとして設定してもよい。例えば、後述するように、ART状態の当選時のみ選択される比較的選択率の低いパターンDの選択率(5%)に対して、さらに低い選択率(例えば、2%)で各々のパターンを選択するようにしてもよい。
【0166】
図6は、例えば、連続演出が3ゲーム継続する際の演出パターンの選択率の表であり、ART状態の当選契機役に当選した場合の連続演出を、パターンA~Dの何れかにするかの選択率を示している。
まず、ART状態に非当選時には、パターンAが選択される確率が70%、パターンBが選択される確率が20%、パターンCが選択される確率が10%、パターンDが選択される確率が0%、に各々設定されている。
【0167】
次に、ART状態に当選時には、パターンAが選択される確率が30%、パターンBが選択される確率が40%、パターンCが選択される確率が25%、パターンDが選択される確率が5%、に各々設定されている。
【0168】
ART状態の当選契機役に当選した場合の連続演出(3ゲーム)の演出パターンが、図6の選択率で選択される結果、ART状態に当選していた場合には、当選していない場合よりも、パターンAやパターンBが選択される確率が低くなり、逆に、パターンCやパターンDが選択される確率が高くなるように選択制御が行われることとなる。また、パターンDは、ART状態に当選していない場合には選択されないので、パターンDが選択された場合には、ART状態の当選が確定することとなる。
【0169】
以上のような選択率で選択制御が行われるので、ART状態の期待度に対して、パターンA<パターンB<パターンC<パターンDの関係性を有するようになるのである。
なお、各パターンの選択率は図6に示した確率以外でもよく、ART状態の期待度に対して、パターンA<パターンB<パターンC<パターンDの関係性を形成ものであれば何れの確率にしてもよい。
また、連続演出中に対戦する敵キャラクタを複数設定し、ART状態の当否に応じて、登場する敵キャラクタを変化させることで、期待度を変化させるようにしてもよい。
【0170】
また、本実施形態においてはART状態、CZ状態、ボーナス状態等の特典が付与される旨を、複数のゲームに跨る演出(例えば、連続演出)後に報知するようにしているが、別の報知態様として、例えば、当選演出の実行後に特典の付与を報知するようにしてもよい。
【0171】
当選演出は、前述したように、基本的には役に当選した1のゲームで完結するような内容となっていて、当該ゲームにおいて主にメイン表示器8に所定の画像が表示されることで実行される。したがって、当選演出により特典の付与が報知される場合には、演出が開始されたゲームが終了するまでに(次ゲームが開始されるまでに)当該演出が終了して特典の付与が報知されることとなる。
以上のように連続演出におけるパターンの選択が行われる。
【0172】
次に、図7図10を参照して、主制御装置10からの制御信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8及びサブ表示器17で実行される連続演出について説明する。
図7は、メイン表示器8において、ART前兆演出(ARTガセ前兆演出)の最終段階で実行される連続演出として、前述したパターンA~Dのうちの何れかの連続演出が実行されている状態を示している。
なお、本実施形態においては、メイン表示器8とサブ表示器17の間に隙間が形成されているが、隙間が形成されないように構成してもよい。また、サブ表示器17の周囲に形成されるフレームにより隙間が形成されるように構成してもよい。
【0173】
図7(a)は、連続演出の1ゲーム目のゲーム実行中の演出画像を示している。
図7(a)に示すように、ART前兆演出(ARTガセ前兆演出)の最終段階に到達して、所定のパターン(例えば、パターンA)による連続演出が実行されると、メイン表示器8の画面の主要部、およびサブ表示器17の一部において連続演出画像A30aが表示される。
すなわち、連続演出画像A30aは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨った状態で表示され、メイン表示器8での画像とサブ表示器17での画像とが合わさって連続演出画像A30aの全体像が形成される。
なお、各図において図示する画像は、実際に表示される画像よりも簡略化したものにしているが、実際には、予め設定されているキャラクタや背景等の画像がメイン表示器8に動画表示される。
例えば、装飾画像としての背景画像上に、武器を持った主人公キャラクタや敵キャラクタの画像が表示され、これら背景画像や所定のキャラクタの画像がメイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示される。
【0174】
前述したように、連続演出は、キャラクタによる対戦演出で実行されることから、ART前兆演出(ARTガセ前兆演出)の1ゲーム目のゲーム実行中に表示される連続演出画像A30aは、例えば、主人公キャラクタが攻撃を開始する画像を表示した後、所定時間を空けて敵キャラクタが攻撃を開始する画像となっている。
したがって、連続演出の1ゲーム目のゲーム実行中に実行される連続演出画像A30aでは、まだどちらのキャラクタの攻撃が成功するか分からない画像となっている。
【0175】
次に、図7(b)は、連続演出の1ゲーム目のゲーム終了後の演出画像を示している。
図7(b)に示すように、連続演出の1ゲーム目のゲーム終了後には、図7(a)で示した連続演出の1ゲーム目のゲーム実行中と同様に、メイン表示器8とサブ表示器17に跨って連続演出画像B30bが表示される。
【0176】
連続演出の1ゲーム目のゲーム終了後に実行される演出では、ゲーム毎の対戦結果を報知する画像、すなわち、何れかのキャラクタの攻撃が成功するものとなっていて、図7(b)に示す連続演出画像B30bは、例えば、敵キャラクタの攻撃が成功する画像となっている。
したがって、連続演出の1ゲーム目のゲーム実行中に実行される連続演出画像A30aでは、まだどちらのキャラクタの攻撃が成功するか分からない画像となっていたが、その結果が連続演出画像B30bにより表示されるものとなっている。
【0177】
なお、連続演出中の各ゲームにおける攻撃が成功するキャラクタの種類は、ART状態に当選しているか否かに応じて何れかのパターンの画像が選択されるような選択制御が行われ、ART状態に当選している場合の方が、当選していない場合よりも主人公キャラクタの攻撃が成功するパターンが選択される確率が高くなるような選択制御が行われる。
【0178】
また、ゲーム終了後に敵キャラクタの攻撃画面が選択された場合でも、主人公キャラクタが敵キャラクタの攻撃を避けて、敵キャラクタの攻撃が成功せずに失敗に終わるような画像を設けてもよい。
また、ゲームの実行中に表示される主人公キャラクタの攻撃の開始画像が、敵キャラクタの攻撃の開始画像よりも先に表示された場合には、主人公キャラクタの攻撃が成功する確率が高くなるように攻撃開始パターンの選択制御を行うようにしてもよい。
【0179】
次に、図7(c)は、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中の演出画像を示している。
図7(c)に示すように、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中には、1ゲーム目のゲーム実行中と同様に、メイン表示器8とサブ表示器17に跨って連続演出画像A30aが再び表示される。
したがって、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中に実行される連続演出画像A30aでは、1ゲーム目のゲーム実行中と同様に、まだどちらのキャラクタの攻撃が成功するか分からない画像が表示される。
【0180】
次に、図7(d)は、連続演出の2ゲーム目のゲーム終了後の演出画像を示している。
図7(d)に示すように、連続演出の2ゲーム目のゲーム終了後には、2ゲーム目のゲーム実行中と同様に、メイン表示器8とサブ表示器17に跨って連続演出画像C30cが表示される。
【0181】
連続演出の2ゲーム目のゲーム終了後に実行される演出では、1ゲーム目のゲーム終了後に実行される演出と同様に、何れかのキャラクタの攻撃が成功するものとなっていて、連続演出画像C30cでは、例えば、主人公キャラクタの攻撃が成功する画像となっている。
【0182】
そして、連続演出の3ゲーム目、すなわち連続演出の最終ゲームが開始されると、サブ表示器17の移動を伴う演出が実行される。
連続演出の3ゲーム目のゲームが開始されると、副制御装置20の制御により、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って、連続演出画像D30dの表示(図7(e)参照)が開始されるとともに、図7(d)に示すサブ表示器17の第1位置からメイン表示器8側(左側)への所定速度の移動が開始される。
【0183】
このとき、移動中のサブ表示器17の画面内においては、連続演出画像D30dを形成する一部の表示が、左から右方向、すなわち、サブ表示器17の移動とは逆方向に同速度でスクロールすることにより、サブ表示器17が移動中でも連続演出画像D30dの一部がサブ表示器17の移動によりずれることなく、連続演出画像D30dの全体像がメイン表示器8およびサブ表示器17に跨ったままの表示が維持される。
【0184】
例えば、図8(a)に示すように、連続演出画像D30dを構成する装飾画像としての背景画像の一部(例えば、夜空に輝く星など)である構成画像30eをサブ表示器17に表示した場合には、サブ表示器17の右から左方向への移動に応じて、図8(b)に示すように、構成画像30eが、左から右方向にサブ表示器17の移動速度と同じ速度でスクロール表示される。
【0185】
また、図8(a)および(b)に示すように、サブ表示器17内においては、構成画像30eは左から右方向に移動しているが、俯瞰して見た場合には、図8(c)および(d)に示すように、サブ表示器17が左方向に移動しても、構成画像30eは左右方向で同じ位置を維持するように表示されるのである。
【0186】
より詳しくは、図8(c)に示す位置にサブ表示器17が存在している場合には、構成画像30eは、メイン表示器8の右外側の近傍位置に表示されるが、図8(d)に示す位置にサブ表示器17が移動しても、構成画像30eは、メイン表示器8の右外側の近傍位置、すなわち、図8(c)に示した位置と同じ位置に表示されるのである。
したがって、サブ表示器17が移動しても、構成画像30eは連続演出画像D30dの一部として停止した状態で表示されるのである。
【0187】
そして、サブ表示器17が図8(d)に示す位置よりもさらに左方向に移動した場合には、最終的に、構成画像30eがサブ表示器17の画面右端部から画面外に消去されることとなる。
なお、サブ表示器17が上下方向に移動する場合には、上記同様、サブ表示器17の上下方向への移動に対応して、構成画像30eを上下方向にスクロール表示すればよい。
【0188】
そして、サブ表示器17の移動が開始されてから所定時間(例えば、1秒)経過後に、サブ表示器17は、移動最終位置である第2位置への移動が完了する。
また、サブ表示器17の第1位置から第2位置への移動中においても、連続演出画像D30dの動画表示は継続して実行される。
【0189】
図7(e)は、サブ表示器17が第2位置への移動が完了した状態を示している。
サブ表示器17の第2位置への移動が完了すると、所定時間(例えば、1秒)第2位置で停止状態となり、その間に「最終決戦」の文字情報からなる特定情報としての途中経過画像31aがサブ表示器17の略中央に表示される。
【0190】
また、サブ表示器17が第2位置で停止状態となっている間においても、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨った連続演出画像D30dの表示は継続される。したがって、途中経過画像31aは、連続演出画像D30dの前方となるように連続演出画像D30dよりも表示優先順位が高い状態で表示される。
【0191】
また、連続演出の1ゲーム目のゲーム実行中に表示される連続演出画像A30aでは、主人公キャラクタが攻撃を開始する画像を表示した後、所定時間を空けて敵キャラクタが攻撃を開始する画像となっていたが、3ゲーム目のゲーム実行中には、両キャラクタの攻撃が同時に開始される画像、例えば、メイン表示器8の画面を左右に2分割して、左右の分割画面において同時に両キャラクタが攻撃を開始する画像が表示される。
【0192】
したがって、連続演出の3ゲーム目のゲーム実行中に実行される連続演出画像D30dでは、1ゲーム目および2ゲーム目のゲーム実行中と同様に、まだどちらのキャラクタの攻撃が成功するか分からない画像となっているが、両キャラクタの対戦が最終局面に到達している旨を報知するような画像に変更される。
【0193】
サブ表示器17の第2位置での停止状態が所定時間(例えば、1秒)経過すると、図7(f)に示すように、サブ表示器17は、第2位置から第1位置(右方向)へ移動復帰される。このときの移動復帰速度は、サブ表示器17が第1位置から第2位置へ移動するときと同じものとなっている。
また、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰が開始されると、サブ表示器17の途中経過画像31aは消去される。したがって、途中経過画像31aは、サブ表示器17が第2位置に停止している間のみ表示されることとなる。
【0194】
また、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰中においても、連続演出画像D30dはメイン表示器8およびサブ表示器17に跨った状態で表示される。
また、サブ表示器17が第2位置から第1位置へ移動復帰中においても、第1位置への移動中と同様に、連続演出画像D30dを形成する一部の表示が、右から左方向、すなわち、サブ表示器17の移動復帰方向とは逆方向に同速度でスクロールすることにより、サブ表示器17が移動復帰中でも連続演出画像D30dの一部がサブ表示器17の移動によりずれることなく、連続演出画像D30dの全体像がメイン表示器8およびサブ表示器17に跨ったままの表示が形成される。
【0195】
次に、図7(g)は、連続演出の3ゲーム目、すなわち連続演出の最終ゲームのゲーム終了後の演出画像を示している。
ART状態に当選しているか否かは、連続演出の最終ゲームで何れのキャラクタの攻撃が成功するか否かにより報知するようになっていて、最終ゲームの終了後に主人公キャラクタの攻撃が成功すればART状態に当選していることが報知されることとなる。したがって、連続演出の最終ゲームのゲーム終了後に表示される対戦結果は、ゲーム毎の対戦結果だけでなく、連続演出(ART状態の当否)の最終結果も表示するものとなっている。
図7の例では、ART状態に当選している場合を示しているので、図7(g)のように、連続演出の3ゲーム目のゲーム終了後には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って、連続演出の最終結果を示す画像として主人公キャラクタの攻撃が成功する画像である連続演出画像C30cが表示される。
【0196】
また、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰は、連続演出の3ゲーム目のゲームが終了する前に完了する。
したがって、図7(g)に示すように、連続演出の3ゲーム目のゲーム終了後に実行される演出において連続演出画像C30c、すなわち、主人公キャラクタの攻撃が成功する画像が表示された場合には、ART状態に当選していることが確定することとなり、特定情報として、例えば、「ART確定」等の文字情報からなる最終結果画像31bがサブ表示器17に表示され、遊技者に特典が付与されることが報知される。
【0197】
このとき、サブ表示器17の第1位置への移動復帰は完了しているので、サブ表示器17は常態位置(第1位置)で停止した状態で最終結果画像31bが表示されることとなる。また、最終結果画像31bは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨らずに、サブ表示器17のみで表示されることとなるが、最終結果画像31bとしての文字情報は、サブ表示器17の長手方向に沿って縦書きで表示される。
なお、最終結果画像31bも途中経過画像31aと同様、連続演出画像C30cの前方となるように連続演出画像C30cよりも表示優先順位が高い状態で表示される。
なお、サブ表示器17が第1位置から第2位置に移動して再び第1位置まで復帰する時間や、第2位置に停止する時間は上記した以外でもよいが、ゲームに要する最短実行時間よりも短い時間で復帰することが好ましい。ただし、サブ表示器17が第1位置に復帰する前にゲームを終了した場合でも、完全にサブ表示器17が第1位置に復帰してから最終結果画像31bを表示すればよい。
【0198】
以上のように、本実施形態においては、連続演出中に特典の付与に関わる重要な情報である途中経過画像31aや最終結果画像31bをサブ表示器17に表示する場合には、所定の制限下で当該画像を表示するようにしている。
具体的には、サブ表示器17の移動中には、途中経過画像31aや最終結果画像31bを表示せずに、移動中のサブ表示器17が所定位置に停止した状態で表示するようにしている。
【0199】
したがって、遊技者に重要な情報を的確な状態で伝達することが可能となるのである。
すなわち、サブ表示器17が移動中に途中経過画像31aや最終結果画像31bを表示してしまうと、情報を認識し辛くなってしまうが、このような事態を防止できるのである。特に、重要な情報を文字情報で伝達する場合には、文字の認識間違い等が生じる可能性があるので、より効果的となる。
【0200】
また、途中経過画像31aや最終結果画像31bは、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示されずに、サブ表示器17のみで表示されるので、当該画像が認識し辛くなってしまうことも防止できる。
さらに、本実施形態においては、途中経過画像31aや最終結果画像31bを文字情報で表示し、その文字情報をサブ表示器17の長手方向に沿って縦書きで表示するようにしているので、サブ表示器17の形状や向きを効率よく利用して、より見易い状態で文字情報を表示することが可能となる。
【0201】
次に、前述した図7における連続演出中にボタン演出が実行された場合について図9を参照して説明する。
最初に、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出について説明する。
ボタン演出は、例えば、連続演出中の所定のゲームの実行中に、先ず、所定の表示手段(メイン表示器8、サブ表示器17)に、何れかの演出ボタン(演出ボタン2d、上部演出ボタン2f)の操作を促す操作ボタンを模した操作画像や、操作を指示する文字情報等からなる操作促進画像(特定情報)を表示し、その後、表示された何れかの演出ボタンの操作が操作された場合に、表示手段に表示されている演出画像を変化(演出態様を変化)させるような演出となっている。
したがって、ボタン演出は、操作促進画像の表示と、ボタン操作によりその後行われる所定の画像の表示とからなる一連の表示から構成されることとなる。
【0202】
例えば、連続演出中の最終ゲームのゲーム終了後にボタン演出を実行する場合には、当該ゲームの終了後に操作促進画像を表示し、遊技者による演出ボタンの操作により対戦演出の最終結果画像を表示するようにしている。
したがって、通常では、最終ゲームの終了後に自動的に対戦演出の最終結果画像が表示されるところを、遊技者による演出ボタンの操作を契機に最終結果画像を表示するような演出を実行するのである。
これにより、遊技者自らが演出の結果に介入しているような状態を生じさせることができ、興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0203】
また、ボタン演出は、例えば、連続演出が実行される場合の所定の確率(例えば、10%)で実行されるように制御され、ボタン演出が実行された場合には、ボタン演出が実行されない場合よりも、連続演出に対する期待度(ART状態の当選に対する期待度)が高まるような制御が行われる。
【0204】
したがって、遊技者による演出ボタンの操作が行われた場合でも、特典の付与を報知する画像(主人公キャラクタの攻撃が成功する画像)が必ずしも表示されることとは限らないが、ボタン演出が実行された場合には実行されない場合よりも、特典の付与を報知する画像が表示される確率が高まるようになり、ボタン演出の実行に対する期待感を向上させることが可能となるのである。
【0205】
なお、前述した連続演出のパターンのうち、期待度が高いパターンほど、ボタン演出が実行される確率を高めるようにして、ボタン演出に対する期待感を向上させるようにしてもよい。
【0206】
また、ボタン演出は、連続演出中の最終ゲームのゲーム終了後以外の時期に実行するようにしてもよく、例えば、連続演出の所定のゲームの実行中(例えば、2ゲーム目のゲーム実行中)にボタン演出を実行するようにしてもよい。この場合には、ボタン演出の実行により対戦演出の最終結果画像を表示するのではなく、「チャンス」や「激アツ」等の文字情報からなる期待度アップ画像を表示することが好ましい。そして、この場合にも、ボタン演出が実行されない場合よりもされた場合の方が、さらに「チャンス」よりも「激アツ」が表示された場合の方が、特典の付与を報知する画像が表示される確率が高まるような制御を行うことが好ましい。
また、ボタン演出は、連続演出中のゲーム以外に、特典の付与を報知する画像を表示する時期であれば、何れのゲームにおいて実行するようにしてもよい。
【0207】
図9(a)に示すように、連続演出中にボタン演出が実行される場合には、連続演出の3ゲーム目のゲーム実行中におけるサブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰をしている間(図7(f)で説明した間)にボタン演出が開始されるようにしている。
【0208】
前述したように、サブ表示器17の第2位置での停止状態が所定時間(例えば、1秒)経過すると、図9(a)に示すように、サブ表示器17は、第2位置から第1位置(右方向)への移動復帰が行われ、サブ表示器17にそれまで表示されていた途中経過画像31aは消去される。
また、サブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰中においても、連続演出画像D30dはメイン表示器8およびサブ表示器17に跨った状態で表示される。
【0209】
そして、サブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰が開始されると、サブ表示器17の画面主要部に演出ボタン2dを模した操作画像32aが表示される。
ただし、副制御装置20はこの時点では未だ演出ボタン2dの操作を有効としていないので、遊技者が演出ボタン2dを操作しても画面表示に何ら影響は及ぼさない。
なお、この操作画像32aが表示されているが、未だ演出ボタン2dの操作を有効としていない間に、サブ表示器17に「ボタン操作待機中」や「最終結果表示待機中」等の文字情報を表示してもよい。また、演出ボタン2dの操作を有効とするまでの残り時間を表示し、時間経過とともに残り時間表示を減算するようにしてもよい。
【0210】
また、サブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰中において、操作画像32aが表示された場合に、その間において演出ボタン2dの操作を有効としてもよいが、この場合でも、その時点で演出ボタン2dを操作しても、当該操作に基づく画像表示の変化(例えば、連続演出の最終結果画像の表示)は即座に行わずに、「最終結果表示待機中」等の文字情報を表示して、サブ表示器17が第1位置に復帰してから画像表示の変化を行うようすることが好ましい。すなわち、演出ボタン2dが操作されたことは記憶するが、画像表示の変化は待機するのである。
これは、この時点でサブ表示器17に重要な情報を表示してしまうと、移動中のサブ表示器17に対する目線の移動に加え、遊技者は演出ボタン2dの操作にも集中しているので、サブ表示器17での表示を見逃したり、見誤ったりする可能性が高くなるが、このような事態を未然に防止するためである。
【0211】
したがって、操作画像32aの表示をボタン演出の開始と捉える場合には、操作画像32aの表示はボタン演出の初期演出となり、後述する演出ボタン2dが有効となった場合をボタン演出の開始と捉える場合には、操作画像32aの表示はボタン演出の予告演出(予告画像の表示)となるが、いずれにしても、操作画像32aはサブ表示器17が移動中に表示され、遊技者は、その操作画像32aの表示により以降に演出ボタン2dの操作を伴う演出が実行されることを認識することとなる。
【0212】
操作画像32aの表示は、サブ表示器17が第1位置までの移動復帰が完了するまで継続して行われる。
なお、操作画像32aの表示開始は、サブ表示器17が第1位置への移動復帰を開始した時点でもよいし、移動復帰中の所定の時点でもよい。
【0213】
また、操作画像32aは、連続演出画像D30dと同時に表示されるが、連続演出画像D30dの前方となるように連続演出画像D30dよりも表示優先順位が高い状態で表示される。
また、サブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰中においては、前述したように、連続演出画像D30dを形成する一部の画像が、右から左方向、すなわち、サブ表示器17の移動復帰とは逆方向にスクロールしているが、操作画像32aはサブ表示器17の所定位置に固定的に表示される。
【0214】
例えば、連続演出画像D30dを構成する装飾画像としての背景画像の一部の画像が、サブ表示器17に表示され、その一部の画像がサブ表示器17の左から右方向への移動復帰に応じて、右から左方向にサブ表示器17の移動速度と同じ速度でスクロール表示されるが、この間も操作画像32aはサブ表示器17の所定位置に固定的に表示される。
したがって、サブ表示器17の移動中においては、連続演出画像D30dの一部の画像のスクロール表示により、連続演出画像D30dの全体像が形成されたまま固定的に表示される状態となり、操作画像32aの固定表示により、操作画像32aが右方向に移動している状態となる。
【0215】
次に、図9(b)は、連続演出の3ゲーム目、すなわち連続演出の最終ゲームのゲーム終了後の演出画像を示している。
図9に示す例では、前述の図7とは異なり、連続演出の3ゲーム目のゲーム終了後においても、連続演出画像D30dはメイン表示器8およびサブ表示器17に跨った状態で継続して表示される。例えば、動画で表示されていた連続演出画像D30dの最終局面の静止画像がゲーム終了後に継続して表示される。
【0216】
また、サブ表示器17は、連続演出の最終ゲームの終了前には第1位置への移動復帰を完了することとなるが、当該ゲームが終了した時点で、第1位置に復帰しているサブ表示器17において、既に表示されている操作画像32aの内側に、「PUSH」の文字情報からなる指示画像32bが追加表示される。
副制御装置20は、サブ表示器17において操作画像32aおよび指示画像32bを表示された時点で、演出ボタン2dの入力を有効とするとともに、演出ボタン2d内部の発光手段(例えば、LED)を発光させて演出ボタン2dの操作が有効であることを報知させる。
【0217】
したがって、メイン表示器8およびサブ表示器17に連続演出画像D30dの最終局面の静止画像が表示され、サブ表示器17での静止画像の前面側に操作画像32aおよび指示画像32bが表示された状態で、遊技者の演出ボタン2dの操作を待機することとなる。
そして、遊技者による演出ボタン2dの操作が行われると、図9の例でも前述の図7と同様にART状態に当選している場合を示しているので、図9(c)に示すように、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って、連続演出の最終結果画像として主人公キャラクタの攻撃が成功する画像である連続演出画像C30cが表示される。
【0218】
一方、サブ表示器17においては、遊技者による演出ボタン2dの操作が行われると、それまで表示されていた操作画像32aおよび指示画像32bが消去されるとともに、替わりに、「ART確定」の文字情報からなる最終結果画像31bがサブ表示器17における画面主要部に表示される。
【0219】
以上のように、連続演出中にボタン演出が実行される場合には、サブ表示器17に操作画像32aに指示画像32bが追加表示された時点で、遊技者に演出ボタン2dの操作を促す操作促進画像が完成して、その後演出ボタン2dが有効となる。
すなわち、連続演出中に特典の付与に関わる重要な情報である操作促進画像をサブ表示器17に表示する場合には、サブ表示器17が移動中には表示が制限されて当該画像が表示されず、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰が完了した後で表示されるのである。
また、演出ボタン2dを操作した後の最終結果画像31bもサブ表示器17が第1位置で停止した状態で表示されることとなる。
【0220】
このように、遊技者にとって重要な情報である最終結果画像31bや、操作促進画像(操作画像32aおよび指示画像32b)は、サブ表示器17の移動中には表示させずに、サブ表示器17が停止した後に表示させるようにしているので、遊技者に重要な情報を的確な状態で遊技者に伝達することが可能となるのである。
【0221】
また、最終結果画像31bや操作促進画像は、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示されずに、サブ表示器17のみで表示されるので、当該画像が認識し辛くなってしまうことも防止できる。
【0222】
なお、サブ表示器17に操作画像32aおよび指示画像32bが表示されても、遊技者が演出ボタン2dの操作を行わずに、次のゲームの開始操作を行った場合には、連続演出画像C30cおよび最終結果画像31bの表示はキャンセル(表示無効)され、次ゲームの開始によりART状態の確定後の所定の画像に切り替わることとなる。
また、副制御装置20は、上部演出ボタン2fの操作を促すボタン演出を実行する場合には、演出ボタン2dのときと同様に、操作促進画像として上部演出ボタン2fを模した操作画像をサブ表示器17に表示させる。
【0223】
次に、図10を参照して、前述した連続演出中にタイマー演出が実行される場合について説明する。
最初に、タイマー演出について説明する。
タイマー演出は、メイン表示器8或いはサブ表示器17の表示面の所定領域にタイマー値を表示し、例えば、連続演出の進行に合わせてタイマー値を更新表示することで実行される。
【0224】
具体的には、連続演出の開始に合わせて予め決定されている初期タイマー値を表示画面に表示し、連続演出の実際の進行時間に合わせて初期タイマー値を減算表示(更新表示)することで行われる。
最初に表示される初期タイマー値は、予め決定されている連続演出の実行期間(実行ゲーム数)に関連付けて設定される。
【0225】
そして、タイマー値の減算表示(更新表示)により、連続演出の実行中の所定の時期、或いは連続演出の終了時に合わせてタイマー値がゼロ(タイムアップ)となり減算表示が終了した場合に、予め定められたタイマー結果演出として、例えば、ボタン演出や文字情報等を表示するようになっている。
【0226】
すなわち、副制御装置20は、所定の演出としての連続演出に関わる所定期間に対して、所定情報を更新表示することで所定期間の進行状況をメイン表示器8或いはサブ表示器17に表示させ、実行された連続演出の最終ゲーム中(例えば、最終ゲームの終了時点)に、タイマー値の更新表示を終了させるのである。
また、副制御装置20は、更新表示の終了により特定の情報として、タイマー結果演出に関わる情報をメイン表示器8或いはサブ表示器17に表示させるのである。
【0227】
また、副制御装置20は、上記初期タイマー値を、前述した単位時間当たりのゲーム数の制限制御の基準時間である1ゲームの最短実行時間(例えば、4.1秒)を基準に設定するようにしている。例えば、連続演出が2ゲーム継続するものである場合には、初期タイマー値を、1ゲームの最短実行時間(4.1秒)よりも大きく、2ゲームの最短実行時間(8.2秒)以下の何れかの値に設定し、連続演出が3ゲーム継続するものである場合には、初期タイマー値を、2ゲームの最短実行時間(8.2秒)よりも大きく、3ゲームの最短実行時間(12.3秒)以下の何れかの値に設定し、連続演出が4ゲーム継続するものである場合には、初期タイマー値を、3ゲームの最短実行時間(12.3秒)よりも大きく、4ゲームの最短実行時間(16.4秒)以下の何れかの値に設定する。
【0228】
すなわち、副制御装置20は、複数のゲームに跨る連続演出に対して、各ゲームが最短実行時間で実行された場合を基準にして、連続演出の実行時間である所定期間を設定し、その所定期間を示す初期タイマー値を設定するのである。
なお、ここでの所定期間は、連続演出の開始から終了するまでの期間でもよいし、連続演出の開始から、連続演出が終了する前の期間であって連続演出の最終ゲーム中の所定時期までの期間でもよい。
【0229】
このようにタイマー演出の初期タイマー値を設定することで、例えば、連続演出を3ゲームに設定して、その3ゲーム目のゲーム中、或いは4ゲーム目が開始されるまでにタイマー結果演出が実行されるように初期タイマー値を設定した場合に、遊技者がその3ゲームを素早く実行することにより、前述した単位時間当たりのゲーム数の制限制御が働いた場合でも、タイマー値のタイムアップが4ゲーム以降となることを防止して、確実に4ゲーム目のゲームが開始される前にタイマー結果演出を実行することが可能となるのである。
すなわち、副制御装置20は、連続演出の終了に対応して、タイマー値のタイムアップが行われるように、初期タイマー値の設定、及びタイマー値の更新表示を行うのである。
【0230】
一方、遊技者が連続演出中のゲームを十分な時間(例えば、4.1秒よりも長い時間)を掛けて実行した結果、ゲームの実行時間が1ゲームの最短実行時間(所定期間)を超えた場合には、その時点でタイマー値の更新表示を一時停止(中断)するようにしている。
例えば、初期タイマー値を10.0秒に設定して連続演出を開始して、タイマー値を更新表示した場合に、1ゲーム目のゲームが上記最短実行時間を超えた場合には、更新表示されていたタイマー値を最短実行時間分だけ更新表示された値である5.9秒の時点で一時停止するのである。
【0231】
すなわち、副制御装置20は、実際に行われているゲームの実行状況に応じて、所定情報としてのタイマー値を更新表示する更新態様を変更するのである。
このような制御を行うことで、遊技者がゲームの実行を素早く行っても、或いは十分な時間を掛けて行っても、連続演出の最終ゲームとタイマー演出のタイムアップの時期を合致させることが可能となるのである。
特に、遊技者が連続演出中の所定のゲームを、十分な時間を掛けてゆっくりと実行した場合には、タイマー値のタイムアップが連続演出の最終ゲームよりも前のゲームとなってしまう可能性が生じてしまうが、このような事態を防止することが可能となり、遊技者が最も注目する最終ゲームでタイムアップさせることが可能となるのである。
【0232】
なお、例えば、連続演出の最初のゲームが、直前のゲームから十分な時間(4.1秒よりも長い時間)経過後に実行された場合、すなわち、待機時間のない最初のゲームを短時間で実行して、以降のゲーム全てを最短実行時間以内に実行した場合には、タイマー値のタイムアップが、連続演出の最終ゲームの次ゲームのリール4の回転開始前にはなるが、次ゲームのスタート操作後になる可能性もあるので、連続演出の最終ゲーム開始時の残りタイマー値が比較的小さい値(例えば、1秒等)となるように初期タイマー値を設定することが好ましい。
また、連続演出の最終ゲームの実行中の所定時期や終了後にゲームの進行を所定期間(例えば、4.1秒)一時停止するフリーズ演出を実行するようにしてもよい。
【0233】
図10は、前述した図7で示した連続演出の実行中にタイマー演出が併行して実行される場合の演出画像を示している。なお、連続演出自体は前述と同様なので、メイン表示器8およびサブ表示器17で実行される連続演出の詳細な説明は簡略する。
【0234】
また、演出制御手段としての副制御装置20は、連続演出中にタイマー演出を実行するか否かを決定する場合に、その連続演出が特典(例えば、ART状態)の付与を報知する場合に行うものか否かに応じて制御するようにしている。
例えば、ART状態に当選している場合の連続演出の方が、当選していない場合の連続演出の方よりもタイマー演出を実行する確率が高くなるような決定制御を行うようにしている。これにより、連続演出中にタイマー演出が実行された場合には、ART状態に当選している確率が高まるようになるのである。
【0235】
図10(a)は、連続演出における1ゲーム目のゲーム実行中の演出画像を示している。
図10(a)に示すように、ART前兆演出(ARTガセ前兆演出)の最終段階に到達して、所定のパターン(例えば、パターンA)による連続演出が実行されると、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って連続演出画像A30aが表示される。
【0236】
また、メイン表示器8およびサブ表示器17での連続演出画像A30aの表示と併行して、サブ表示器17において特定演出としてのタイマー演出が実行され、サブ表示器17の画面の主要部にタイマー画像37aが表示される。
また、タイマー画像37aは、連続演出画像A30aと同時に表示されるが、連続演出画像A30aの前方となるように連続演出画像A30aよりも表示優先順位が高い状態で表示される。
図10(a)に示す例では、タイマー演出における初期タイマー値は、12.0秒に設定され、タイマー画像37aは初期タイマー値である「12:0」の数値情報で表示されている。
【0237】
この初期タイマー値は、予め決定されている3ゲーム継続する連続演出に対応して設定されている。また、3ゲーム全てのゲームを前述したゲーム数の制限制御における最短実行時間以内で実行した場合に対応して設定されている。したがって、初期タイマー値がゼロとなる時期は、3ゲーム全てを最短実行時間以内で実行した場合でも、連続演出の3ゲーム目(最終ゲーム)の実行中、或いはゲーム終了後から次ゲームのリール4の回転開始までの時点になることになる。
また、連続演出中にタイマー演出が実行される場合には、1ゲーム目のゲームが開始された時点で、サブ表示器17の第1位置から第2位置への移動が開始される。このときの移動速度は、前述の図7で示したサブ表示器17の移動速度よりも遅いものとなっている。
【0238】
また、サブ表示器17が第1位置から第2位置への移動中においては、前述同様、連続演出画像A30aを形成する一部の画像が、左から右方向、すなわち、サブ表示器17の移動とは逆方向にスクロールしているが、タイマー画像37aはサブ表示器17の所定位置に固定的に表示される。
【0239】
例えば、連続演出画像A30aを構成する装飾画像としての背景画像の一部の画像が、サブ表示器17に表示され、その一部の画像がサブ表示器17の右から左方向への移動に応じて、左から右方向にサブ表示器17の移動速度と同じ速度でスクロール表示されるが、この間もタイマー画像37aはサブ表示器17の所定位置に固定的に表示される。
【0240】
したがって、サブ表示器17の移動中においては、連続演出画像A30aの一部の画像のスクロール表示により、連続演出画像A30aの全体像が形成されたまま表示されるとともに、タイマー画像37aの固定表示により、タイマー画像37aが左方向に移動している状態となる。
なお、サブ表示器17の移動中における連続演出中の画像の一部のスクロール表示や、サブ表示器17における特定演出に対応する画像の固定表示は、サブ表示器17が第2位置から第1位置への移動復帰中もスクロール方向を逆にした形で同様に行われる。
【0241】
そして、連続演出の1ゲーム目のゲームが進行すると、メイン表示器8での連続演出画像A30aの表示(動画)の進行に対応して、タイマー画像37aにおける数値情報も実際の進行時間に合わせて減算表示されることとなる。
したがって、タイマー演出は、第2位置への移動中のサブ表示器17において実行されることとなる。
また、前述したように1ゲームの最短実行時間を上限にして減算表示されることから、1ゲーム目のゲームを最短実行時間よりも長い時間で進行させた場合には、最短実行時間が経過した時点でゲームが未だ実行中の場合でも、減算表示はその時点で一時停止することとなる。
【0242】
次に、図10(b)は、連続演出の1ゲーム目のゲーム終了後の演出画像を示している。
図10(b)に示すように、連続演出の1ゲーム目のゲーム終了後には、メイン表示器8およびサブ表示器17において連続演出画像B30bが表示される。
【0243】
また、サブ表示器17でのタイマー画像37aは、1ゲーム目のゲームを迅速に進めた場合には1ゲーム目のゲーム終了後も減算表示が継続して更新され、最短実行時間に到達した時点で一時停止することとなるが、最短実行時間の到達前に、2ゲーム目のゲームを待機時間(ウエイト時間)が挿入されるように迅速に開始した場合には、減算表示はそのまま2ゲーム目にかけて継続して行われる。一方、1ゲーム目のゲームを最短実行時間よりも長い時間で進行させた場合には、1ゲーム目のゲーム中に最短実行時間に到達するので、1ゲーム目のゲーム終了時点で既に減算表示は、最短実行時間に到達した時点の数値で一時停止していることとなる。
【0244】
また、サブ表示器17の第1位置から第2位置への移動は、タイマー画像37aの継続と一時停止に対応して実行される。
すなわち、サブ表示器17の第1位置から第2位置への移動は、1ゲーム目のゲームを迅速に進めた場合には1ゲーム目のゲーム終了後も継続して行われ、最短実行時間に到達した時点で一時停止することとなるが、最短実行時間の到達前に、2ゲーム目のゲームを待機時間(ウエイト時間)が挿入されるように迅速に開始した場合には、サブ表示器17の移動はそのまま2ゲーム目にかけて継続して行われる。一方、1ゲーム目のゲームを最短実行時間よりも長い時間で進行させた場合には、1ゲーム目のゲーム中に最短実行時間に到達するので、1ゲーム目のゲーム終了が終了した際には既に、最短実行時間に到達した時点でサブ表示器17の移動は一時停止していることとなる。
【0245】
図10(b)に示す例では、タイマー画像37aの減算が最短実行時間に到達して一時停止した場合の演出画像を示しているので、タイマー画像37aは「07:9」の数値情報で表示されている。
【0246】
なお、タイマー画像37aの減算表示が一時停止した場合のサブ表示器17の一時停止位置は、サブ表示器17が第1位置から第2位置へ約2/3の距離を進んだ経路上に設定されている。
タイマー画像37aの減算表示が一時停止した状態から2ゲーム目のゲームが開始されると、タイマー画像37aの減算表示が再開されるととともに、図10(b)の矢印の方向(左方向)へのサブ表示器17の移動が再開される。
【0247】
また、サブ表示器17でのタイマー画像37aは、1ゲーム目のゲームを、ゲームの最短実行時間以内で進めた場合には、タイマー画像37aの更新表示は一時停止せずに、2ゲーム目のゲーム開始時もそのまま更新表示は継続して行われる。
一方、1ゲーム目のゲームを、ゲームの最短実行時間よりも遅く進めた場合には、タイマー画像37aの更新表示は最短実行時間を経過した時点で一時停止しているので、2ゲーム目のゲーム開始時点で、一時停止した状態から再び更新表示が開始することとなる。
【0248】
次に、図10(c)は、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中の演出画像を示している。
図10(c)に示すように、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中には、1ゲーム目のゲーム実行中と同様に、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って連続演出画像A30aが再び表示される。
【0249】
図10(c)に示す例では、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中に、タイマー画像37aの数値情報が「05:9」を更新した時点の演出画像を示している。したがって、2ゲーム目のゲーム開始から2.0秒経過した時点を示している。
そして、2ゲーム目のゲーム実行中も、1ゲーム目のゲームと同様に、ゲームの進行状況に応じて、タイマー画像37aの更新表示、或いは一時停止が行われる。
【0250】
また、サブ表示器17は、連続演出の2ゲーム目のゲーム実行中に、第2位置に到達して、その位置で停止せずにそのまま折り返して第1位置への移動(移動復帰)を開始するようになっている。
したがって、連続演出の2ゲーム目のゲームの途中で、サブ表示器17の移動方向が左方向から右方向に変換するようになっている。
【0251】
また、サブ表示器17が折り返して、第2位置から第1位置への移動復帰中においては、前述同様、サブ表示器17における連続演出画像A30aを形成する一部の画像(例えば、背景画像の一部)が、右から左方向、すなわち、サブ表示器17の移動とは逆方向にスクロールすることとなるが、タイマー画像37aはサブ表示器17の所定位置に固定的に表示される。
すなわち、副制御装置20は、第2表示手段としてのサブ表示器17が第2位置から第1位置に移動復帰中においては、所定の装飾画像(背景画像)の一部をサブ表示器17において移動表示(スクロール表示)させた状態で、サブ表示器17における所定位置で特定演出を実行させるのである。
【0252】
また、サブ表示器17が第2位置に到達する際には、タイマー画像37aの数値情報が、2ゲーム目のゲーム開始からゲームの最短実行時間の約1/2(約2.0秒)を経過した時点となるように予め設定されている。
したがって、図10(c)に示すタイマー画像37aの数値情報が「05:9」を更新した時点は、サブ表示器17が第2位置で折り返した位置に近似した位置となっている。
【0253】
このようなタイマー画像37aの更新態様、およびサブ表示器17の移動態様を実行することにより、初期タイマー値が連続演出何ゲーム分の数値であるかをサブ表示器17の移動態様により遊技者に知らしめることが可能となる。
すなわち、サブ表示器17が2ゲーム目の途中で折り返しているということは、2ゲーム目の途中(1.5ゲーム辺り)が連続演出の中間点であることを遊技者は視覚的に認識することとなるため、そのときの連続演出が3ゲーム継続するものであることをサブ表示器17の移動態様によって報知することにもなるのである。
なお、連続演出が4ゲーム継続するものである場合には、サブ表示器17は2ゲームの終了時点(2ゲーム分の最短実行時間が経過した時点)で折り返したり、その時点で一時停止したりすることが好ましい。
【0254】
次に、図10(d)は、連続演出の2ゲーム目のゲーム終了後の演出画像を示している。
図10(d)に示すように、連続演出の2ゲーム目のゲーム終了後には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って連続演出画像C30cが表示される。
【0255】
また、サブ表示器17でのタイマー画像37aは、1ゲーム目と同様に、2ゲーム目のゲームを迅速に進めた場合には2ゲーム目のゲーム終了後も減算表示が継続して更新され、最短実行時間に到達した時点で一時停止することとなるが、最短実行時間の到達前に、3ゲーム目のゲームを待機時間(ウエイト時間)が挿入されるように迅速に開始した場合には、減算表示はそのまま3ゲーム目にかけて継続して行われる。一方、2ゲーム目のゲームを最短実行時間よりも長い時間で進行させた場合には、2ゲーム目のゲーム中に最短実行時間に到達するので、2ゲーム目のゲーム終了時点で既に減算表示は一時停止していることとなる。
図10(d)に示す例では、タイマー画像37aが2ゲーム目のゲームの実行時間が最短実行時間に到達した場合の演出画像を示しているので、タイマー画像37aは「03:8」の数値情報で表示されている。
【0256】
また、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰は、タイマー画像37aの継続と一時停止に対応して実行される。
すなわち、サブ表示器17の第2位置から第1位置への移動復帰は、2ゲーム目のゲームを迅速に進めた場合には2ゲーム目のゲーム終了後も継続して行われ、最短実行時間に到達した時点で一時停止することとなるが、最短実行時間の到達前に、3ゲーム目のゲームを待機時間(ウエイト時間)が挿入されるように迅速に開始した場合には、サブ表示器17の移動はそのまま3ゲーム目にかけて継続して行われる。一方、2ゲーム目のゲームを最短実行時間よりも長い時間で進行させた場合には、2ゲーム目のゲーム中に最短実行時間に到達するので、2ゲーム目のゲーム終了時点で既にサブ表示器17の移動は一時停止していることとなる。
【0257】
図10(d)に示す例では、タイマー画像37aの減算が最短実行時間に到達して一時停止した場合の演出画像を示しているので、タイマー画像37aは「03:8」の数値情報で表示されている。
【0258】
なお、連続演出の2ゲーム目においてタイマー画像37aの減算表示が一時停止した場合のサブ表示器17の一時停止位置は、1ゲーム目と同様に、サブ表示器17が第2位置から第1位置へ約1/3の距離を進んだ経路上に設定されている。
タイマー画像37aの減算表示が一時停止した状態から3ゲーム目のゲームが開始されると、タイマー画像37aの減算表示が再開されるととともに、図10(d)の矢印の方向(右方向)へのサブ表示器17の移動が再開される。
【0259】
次に、図10(e)は、連続演出の3ゲーム目、すなわち連続演出の最終ゲームのゲーム実行中の演出画像を示している。
図10(e)に示すように、連続演出の3ゲーム目のゲーム実行中には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って連続演出画像D30dが表示される。
【0260】
また、サブ表示器17でのタイマー画像37aは、連続演出の最終ゲームが開始されると、タイマー画像37aの減算表示は、一時停止していない状態で継続して行われるか、或いは、一時停止していた場合には、図10(d)に示した数値情報から再開される。
一方、サブ表示器17の移動も、タイマー画像37aの減算態様に対応して、連続演出の最終ゲームが開始されると、一時停止していない状態で継続して行われるか、或いは、一時停止していた場合には、図10(d)に示した位置から再開される。
【0261】
そして、連続演出の3ゲーム目のゲーム実行中においても、サブ表示器17は、タイマー画像37aが減算表示を継続した状態で、第2位置から第1位置への移動復帰を継続することとなるが、タイマー画像37aの減算態様とサブ表示器17の移動態様は、タイマー画像37aの減算表示がタイムアップして数値情報がゼロとなる時点で、サブ表示器17が第1位置に到達すように予め設定されている。
【0262】
なお、遊技者が連続演出の3ゲーム目のゲームをゆっくりと進めた場合には、当該ゲームの終了時点では、サブ表示器17は第1位置への復帰を完了するが、遊技者が3ゲーム目のゲームを迅速に進めた場合、すなわち、ゲームの最短実行時間以内に当該ゲームを終了した場合には、当該ゲームの終了後にサブ表示器17は第1位置への復帰を完了することとなる。
【0263】
図10(e)に示す例では、最終ゲームのゲーム実行中或いは終了後に、サブ表示器17が第1位置に復帰して、タイマー画像37aの数値情報がゼロ(タイムアップ)になった場合を示していて、図に示すように、タイマー画像37aは「00:0」の数値情報が表示される。
【0264】
そして、サブ表示器17が第1位置に復帰してタイマー画像37aの数値情報が「00:0」を表示した後、所定時間(例えば、0.5秒)経過後に、図10(f)に示すように、タイマー画像37aの表示は消去され、替わりに、「チャンス」の文字情報からなる期待度アップ画像31cが、第1位置に復帰した状態のサブ表示器17において表示される。
期待度アップ画像31cは、連続演出画像D30dと同時に表示されるが、特典の付与に関わる重要な情報であるので、連続演出画像D30dの前方となるように連続演出画像D30dよりも表示優先順位が高い状態で、かつサブ表示器17の長手方向に対応して縦書きで画面主要部に表示される。
【0265】
期待度アップ画像31cは、図示のように、特典の付与に対する遊技者の期待感を高めるための文字情報となっているが、連続演出が実行された場合に、その連続演出がタイマー演出を伴う場合には、伴わない場合よりも特典が付与される確率が高まるように演出態様の選択制御が副制御装置20により行われるので、上記文字情報の信憑性を担保することが可能となっている。
【0266】
また、期待度アップ画像31cは、複数の文字情報を表示可能に構成されていて、例えば、「チャンス」の他に、「激アツ」の文字情報も表示可能となっていて、何れかの文字情報を表示するようになっている。そして、特典が付与されるか否かに応じて何れかの文字情報を選択制御することで、表示された文字情報により遊技者の期待感に変化を出させるようになっている。
【0267】
なお、サブ表示器17が第1位置に復帰する時期は、連続演出の最終ゲームの実行中となるように、予めタイマー画像37aの初期タイマーを設定することが好ましいが、遊技者が最終ゲームを迅速に進めて当該ゲームを終了させた場合にでも、移動中のサブ表示器17では期待度アップ画像31cは表示されずに、最終ゲームの終了後にサブ表示器17が第1位置に復帰した位置でタイマー画像37aの数値情報はゼロ(タイムアップ)となり、その時点で期待度アップ画像31cが表示されることとなる。
【0268】
次に、図10(g)は、連続演出の3ゲーム目、すなわち連続演出の最終ゲームのゲーム終了後の演出画像を示している。
連続演出の最終ゲームのゲームが終了した後、所定時間(例えば、3秒)経過後には、連続演出画像D30dの表示は消去され、替わりに、図10(g)に示すように、連続演出画像C30cがメイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示される。
図10の例では、ART状態に当選している場合を示しているので、連続演出画像C30cとして主人公キャラクタの攻撃が成功する画像が表示される。
【0269】
また、サブ表示器17には、最終結果画像31bとして、例えば、「ART確定」の文字情報が第1位置に復帰しているサブ表示器17において表示される。
最終結果画像31bは、連続演出画像C30cと同時に表示されるが、特典の付与に関わる重要な情報であるので、連続演出画像C30cの前方となるように連続演出画像C30cよりも表示優先順位が高い状態で、かつサブ表示器17の長手方向に対応して縦書きで画面主要部に表示される。
【0270】
なお、遊技者が連続演出の最終ゲームを迅速に進めた場合には、最終ゲームの終了後に未だサブ表示器17が第1位置への復帰を完了していない可能性もあるが、最終ゲーム終了後に、連続演出画像D30dから連続演出画像C30cへ画像が切り替えられるまでには十分な時間(例えば、3秒)を要しているので、最終ゲームが迅速に進められた場合でも、サブ表示器17においては、期待度アップ画像31cを確実に表示した後、最終結果画像31bが表示されることとなる。
【0271】
以上のように、連続演出の実行中にタイマー演出が実行される場合には、タイマー演出はサブ表示器17において実行されることとなる。
また、タイマー演出の実行中においてサブ表示器17は、第1位置と第2位置の間を移動することとなるが、タイマー演出において表示される特典の付与に関連した重要情報(期待度アップ画像31c、最終結果画像31b)は、移動中のサブ表示器17が停止した状態で表示されることとなる。
【0272】
なお、上記実施形態では、3ゲーム継続する連続演出中にタイマー演出を実行するものを例示しているが、2ゲーム、或いは4ゲーム継続する連続演出中にタイマー演出を実行するようにしてもよい。この場合、継続ゲーム数が多い連続演出ほど特典の付与に対する期待度を高めるように設定して、さらに、継続ゲーム数が多い連続演出ほどタイマー演出が実行される確率が高くなるように選択制御を行うようにしてもよい。
また、サブ表示器17が第1位置から第2位置に移動し、さらに第2位置から第1位置まで復帰する期間は、連続演出が継続するゲーム数に応じて設定することが好ましい。
【0273】
以上説明したように、本実施形態においては、遊技者に特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段(主制御装置10)と、所定情報を表示することにより特典付与決定手段の決定結果に関連した演出を実行する表示手段(メイン表示器8、サブ表示器17)と、を備えた遊技機(スロットマシン1)において、表示手段は、第1表示手段(メイン表示器8)と、第1表示手段とは別個に設けられる第2表示手段(サブ表示器17)と、を含み、所定の演出(連続演出)の実行中において、第2表示手段を、第1位置から第1位置とは異なる第2位置に移動させる移動手段(電気的駆動源、駆動機構)と、表示手段および移動手段の制御を行う演出制御手段(副制御装置20)と、を備え、演出制御手段は、所定の演出(例えば、連続演出)の実行中に特典の付与に関連した特定情報(途中経過画像31a、期待度アップ画像31c、最終結果画像31b、操作促進画像)を第2表示手段に表示させる場合に、第2位置に移動していた第2表示手段が第1位置に移動復帰中においては特定情報の表示を制限し、移動復帰した後に特定情報を表示させる構成としている。
【0274】
したがって、遊技者に重要な情報を的確な状態で伝達することが可能となる。
すなわち、サブ表示器17が移動中に特定情報を表示してしまうと、情報を認識し辛くなってしまうが、このような事態を防止できるのである。
【0275】
また、特定情報は、所定の文字情報で表示する構成としている。
したがって、特定情報を文字情報で表示する場合には、第2表示手段の移動中に特定情報を表示してしまうと、文字の認識間違い等が生じる可能性があるが、第2表示手段が移動復帰した後で特定情報を表示することにより、特定情報の認識間違いを防止することが可能となる。
【0276】
また、特定情報は、特典が付与されることを報知する情報(最終結果画像31b)として構成している。
したがって、遊技者にとって重要な情報である特典が付与されることを報知する情報を、第2表示手段が移動復帰した後で表示することにより、当該情報を確実に遊技者に報知することが可能となる。
【0277】
また、演出制御手段(副制御装置20)は、所定の演出(連続演出)の実行中に所定の装飾画像(背景画像)を表示する場合には、第1表示手段と第2表示手段に跨って表示させるものとし、第2表示手段に所定の装飾画像の一部を表示した状態で、特定情報を第1表示手段と第2表示手段に跨って表示させずに第2表示手段のみで表示させる構成としている。
【0278】
したがって、装飾画像を第1表示手段と第2表示手段の両方で表示することにより、より大きい画像で迫力のある演出を実行することが可能となる。
一方、特定情報をメイン表示器8およびサブ表示器17に跨って表示させてしまうと、メイン表示器8とサブ表示器17の間隙や、その間に配設されている部材(表示器の枠等)が影響して、特定情報の視認性に支障が生じる可能性があるが、このような問題が生じることなく、特定情報を視認性の高い状態で表示することが可能となる。
【0279】
また、演出制御手段は、第2表示手段が第2位置から第1位置に移動復帰中においても所定の装飾画像を表示させる構成としている。
したがって、第2表示手段の復帰移動中においても、その移動により所定の演出に支障を来すことなく、所定の演出を何ら問題なく実行することが可能となる。
【0280】
また、演出制御手段は、第2位置から第1位置に移動復帰中の第2表示手段において特定演出を実行させるものとし、特定演出の結果として特定情報を表示させる構成としている。
したがって、特定演出が第2表示手段の移動復帰中に実行されるので、特定演出の興趣性を向上させることが可能となる。また、特定演出の結果として特定情報が移動復帰後の第1位置の第2表示手段で表示されるので、特定演出の興趣性を高めた上で、特定情報を確実に遊技者に報知することが可能となる。
【0281】
また、演出制御手段は、所定の演出の実行中に所定の装飾画像を表示する場合には、第1表示手段と第2表示手段に跨って表示させるものとし、第2表示手段が第2位置から第1位置に移動復帰中においては、所定の装飾画像の一部を第2表示手段において移動表示させた状態で、第2表示手段における所定位置で特定演出を実行させる構成としている。
【0282】
したがって、第2表示手段の移動中においては、所定の装飾画像の一部の画像の移動表示により、所定の装飾画像の全体像が形成されたまま表示することができ、その装飾画像全体像を形成した状態で、特定演出を第2表示手段とともに移動した状態で表示することが可能となり、迫力のある興趣性の高い演出を実行することが可能となる。特に、特定演出をより際立たせることが可能となる。
【0283】
また、特定演出は、所定の演出に関わる所定期間に対して、第2表示手段において所定情報を更新表示することで所定期間の進行状況を表示する演出である
したがって、所定情報の更新表示により演出に関わる所定期間の進行状況が表示されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、所定の演出の実行期間が、特典の付与に対する期待度に応じて変更するものである場合には、所定期間の進行状況の表示により、遊技者の期待感を変化させるようなより興趣性の高い演出を実行可能となる。
以上のように、連続演出中におけるメイン表示器8およびサブ表示器17での画像表示が行われる。
【0284】
<変形例1>
次に、本実施形態における変形例1について図11図13を参照して説明する。
変形例1においては、前述した実施形態のスロットマシン1における操作手段(特定操作手段)としての上部演出ボタン2fの配設位置が異なるのみであり、その他の部材の有無やその配設位置に関しては、前述した実施形態のスロットマシン1と同様となっている。
また、上部演出ボタン2fの構成も前述した実施形態のスロットマシン1同様に、前後方向に押圧して操作する構成となっている。
【0285】
図11に示すように、変形例1のスロットマシン1においては、上部演出ボタン2fは、演出手段(第1演出手段)としてのメイン表示器8の下方部のメイン表示器8に隣接した位置であって、リール4の上方部のリール4に隣接した位置に配設される。すなわち、メイン表示器8とリール4とに上下方向で挟まれた位置に配設される。
【0286】
また、変形例1における演出ボタン2dは、前述の実施形態のスロットマシン1と同様に、前面パネル19の下方に形成される前方に突出する段部の上面に配設される。
したがって、演出ボタン2dはリール4の下方に位置していることから、変形例1における上部演出ボタン2fは、演出ボタン2dよりも、停止ボタン5(図1参照)やスタートレバー3(図1参照)から離れた位置に配設されることとなる。
【0287】
変形例1のスロットマシン1においては、上記した上部演出ボタン2fの配設位置により、遊技者は、リール4の回転態様や停止態様、およびメイン表示器8の表示態様を間近で視認しながら上部演出ボタン2fを操作することが可能となっている。
【0288】
変形例1における演出ボタン2dおよび上部演出ボタン2fは、副制御装置20の制御により、前述した実施形態と同様に、連続演出中に実行されるボタン演出中に使用される。
また、副制御装置20の制御により、前述した実施形態と同様に、連続演出中にボタン演出が実行された場合には、特典(例えば、ART状態)が付与される確率が高まるように、ボタン演出の発生制御(選択制御)を行うようにしている。
【0289】
また、前述した実施形態(図9参照)においては、ボタン演出は連続演出の最終ゲームにおいて実行され、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの操作により、連続演出の最終的な結果を報知する画像や文字情報を表示するようにしているが、変形例1においては、例えば、連続演出の途中のゲーム(1あるいは2ゲーム目のゲーム)における所定の時期(例えば、ゲーム開始時)にボタン演出を実行するようにしている。
また、変形例1におけるボタン演出は、演出手段としてのメイン表示器8で実行するようにしている。したがって、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの操作を促す画像として、各ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報はメイン表示器8に表示される。
【0290】
そして、ボタン演出中に演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fが操作された場合には、予め定められている複数の文字情報の何れかの文字情報をメイン表示器8に表示するようにしている。
表示する文字情報としては、「チャンス」、「激アツ」、「確定」の3種類が設定されていて、ART状態の当選の有無に応じて所定の確率で各々の文字情報が選択されるようになっている。
また、各文字情報の表示に対応してスピーカ9から所定の効果音が出力される。
【0291】
なお、ボタン演出中に演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの何れかが操作された場合には、文字情報以外の情報を表示するようにしてもよく、遊技者の特典の付与に対する遊技者の期待感を高めるものや、特典が付与されることを遊技者が認識するもの等、特典の付与に関わる情報であれば何れの情報を表示してもよい。例えば、ボタン演出中の演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの操作により、所定のキャラクタからなる画像を所定期間(例えば、2秒)メイン表示器8に表示させるものでもよいし、メイン表示器8における発光態様を変化(消灯から点灯、点灯から消灯等)させるものでもよい。
【0292】
また、演出手段としてのメイン表示器8は、液晶表示器で構成されているが、発光態様を変化させることで特典の付与に関わる情報を遊技者に報知できるものであれば何れでもよく、例えば、発光源をLEDで構成される装置としてもよい。
また、演出手段としてのメイン表示器8は、リール4とともに操作手段としての上部演出ボタン2fを挟み込むように配設されていれば、スロットマシン1における何れの位置に配設してもよい。
【0293】
次に、図12を参照してボタン演出の選択率について説明する。
図12は、副制御装置20により連続演出が実行される場合に、連続演出においてボタン演出を実行するか否か、およびボタン演出を実行する場合に使用するボタンを何れにするかの選択率を示している。
前述したように、連続演出やボタン演出は副制御装置20により制御されて、連続演出中にボタン演出が行われるか否か、および実行されるボタン演出がどのボタンの操作を伴うものかにより、結果的に特典が付与される確率が変化するものとなっているが、このような関係を図12の各選択率で制御することで実現するようになっている。
【0294】
まず、ART状態に非当選時の連続演出の場合には、「ボタン演出なし」、すなわちボタン演出を実行しないパターンが選択される確率が70%、「演出ボタン使用」、すなわち演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出を実行するパターンが選択される確率が20%、「上部演出ボタン使用」、すなわち上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出を実行するパターンが選択される確率が10%、に各々設定されている。
【0295】
次に、ART状態に当選時の連続演出の場合には、「ボタン演出なし」が選択される確率が20%、「演出ボタン使用」が選択される確率が30%、「上部演出ボタン使用」が選択される確率が50%、に各々設定されている。
【0296】
ART状態の当選契機役に当選した場合の連続演出の演出パターンが、図12の選択率で選択される結果、連続演出中にボタン演出が実行された場合には、ボタン演出が実行されない場合よりも、結果的にART状態に当選している確率が高くなり、また、ボタン演出が演出ボタン2dの操作を伴うものよりも、上部演出ボタン2fの操作を伴うものの方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
そして、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの何れかが選択された場合には、選択されたボタンを模した画像や、選択されたボタンの操作を指示する文字情報がメイン表示器8に表示されることとなる。
【0297】
次に、図13は、副制御装置20の制御により、ボタン演出が実行され、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fが操作された場合に文字情報を表示する際において、表示する文字情報を選択する際の選択率を示している。
【0298】
図13(a)は、副制御装置20により連続演出中に演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行された場合に、演出ボタン2dが操作された際に表示される文字情報の選択率を示している。
ボタン演出中に表示される文字情報は副制御装置20により選択制御されて、表示される文字情報により、結果的に特典が付与される確率が変化するものとなっているが、このような関係を図13の各選択率で制御することで実現するようになっている。
【0299】
まず、ART状態に非当選時の連続演出中に演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行され、演出ボタン2dが操作された場合には、「チャンス」の文字情報が選択される確率が90%、「激アツ」の文字情報が選択される確率が10%、「確定」の文字情報が選択される確率が0%、に各々設定されている。
【0300】
また、ART状態に当選時の連続演出中に演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行され、演出ボタン2dが操作された場合には、「チャンス」の文字情報が選択される確率が50%、「激アツ」の文字情報が選択される確率が50%、「確定」の文字情報が選択される確率が0%、に各々設定されている。
【0301】
連続演出中に演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行されて、演出ボタン2dが操作された場合の文字情報が、図13(a)の選択率で選択される結果、「チャンス」の文字情報が表示される場合よりも、「激アツ」の文字情報が表示される場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
なお、演出ボタン2dの操作時には、「確定」の文字情報が表示されることはない。
【0302】
次に、図13(b)は、副制御装置20により連続演出中に上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出が実行された場合に、上部演出ボタン2fが操作された際に表示される文字情報の選択率を示している。
【0303】
まず、ART状態に非当選時の連続演出中に上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出が実行され、上部演出ボタン2fが操作された場合には、「チャンス」の文字情報が選択される確率が70%、「激アツ」の文字情報が選択される確率が30%、「確定」の文字情報が選択される確率が0%、に各々設定されている。
【0304】
また、ART状態に当選時の連続演出中に上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出が実行され、上部演出ボタン2fが操作された場合には、「チャンス」の文字情報が選択される確率が30%、「激アツ」の文字情報が選択される確率が60%、「確定」の文字情報が選択される確率が10%、に各々設定されている。
【0305】
連続演出中に上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出が実行されて、上部演出ボタン2fが操作された場合の文字情報が、図13(b)の選択率で選択される結果、「チャンス」の文字情報が表示される場合よりも、「激アツ」の文字情報が表示される場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなり、さらに、「激アツ」の文字情報が表示される場合よりも、「確定」の文字情報が表示される場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
また、上部演出ボタン2fの操作時には、「確定」の文字情報が表示される可能性があるが、「確定」の文字情報は、ART状態の非当選時には選択されることはないので、「確定」の文字情報が表示された場合には、ART状態に当選していることがその時点で確定的に報知されることとなる。
【0306】
また、演出ボタン2dの操作時よりも上部演出ボタン2fの操作時には、ART状態の非当選時でも期待度の高い「激アツ」の文字情報が選択される確率が高くなっているので、上部演出ボタン2fの操作時には、遊技者の期待感を高められるような文字情報が表示される確率が高くなるのである。
また、「確定」の文字情報は、ART状態の当選時において上部演出ボタン2fが選択された場合にのみ表示可能となっている。すなわち、演出ボタン2dの操作時には実行されず、上部演出ボタン2fが操作された場合のみ実行される、ART状態の当選が確定していることを報知するプレミア的な演出となっているので、上部演出ボタン2fを操作する場合の遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0307】
なお、ボタン演出時に、ART状態に当選していることを確定的に報知するものとして、「確定」の文字情報を表示するようにしているが、上部演出ボタン2fの操作時に、文字情報ではなく、その他の表示態様の変化により当該報知を実行するようにしてもよく、例えば、メイン表示器8の画面全体の表示態様を変化させたり、発光態様を変化(例えば、点灯から消灯)させたりするようにしてもよい。
【0308】
以上のようなことから、変形例1においては、連続演出中にボタン演出が実行された場合には、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、連続演出中にボタン演出が実行される場合には、操作対象となる操作手段の種類に応じて特典が付与される確率が変化するように操作演出が実行されることとなり、遊技者の期待感が変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0309】
さらに、演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行される場合よりも、上部演出ボタン2fの操作を伴うボタン演出が実行される場合の方が、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
特に、上部演出ボタン2fを操作する場合には、演出ボタン2dの操作時よりも操作する手を伸ばす必要があるので、特別な操作である感覚を遊技者に対して与えることができ、また、上部演出ボタン2fは、メイン表示器8とリール4の間に配設されていることから、操作した場合の演出画像の変化が、操作した手の間近で実行されることとなり、遊技者の期待感や遊技の興趣性を極めて高めることが可能となるのである。
【0310】
なお、メイン表示器8自体を振動可能に構成したり、メイン表示器8自体を上部演出ボタン2fの操作方向と同じ方向に移動可能に構成したりして、上部演出ボタン2fの操作時に、メイン表示器8での演出画像の変化に対応して、メイン表示器8を振動させたり、後方側に移動させたりしてもよく、このようにすれば、より臨場感のある演出が可能となる。
また、上部演出ボタン2fの近傍に状態変換可能な役物装置を備え、上部演出ボタン2fの操作時に、メイン表示器8での演出画像の変化に対応して、役物装置を状態変換するようにしてもよい。
【0311】
<変形例2>
次に、本実施形態における変形例2について図14および図15を参照して説明する。
変形例2においては、前述した変形例1のスロットマシン1における操作手段としての上部演出ボタン2fの構成が異なるのみであり、その他の部材の有無やその配設位置に関しては、前述した変形例1のスロットマシン1と同様となっている。
【0312】
変形例1のスロットマシン1においては、メイン表示器8とリール4の間に、特定操作手段としての1個の上部演出ボタン2fを配設するようにしていたが、変形例2のスロットマシン1においては、演出手段としてのメイン表示器8と、変動表示手段としてのリール4の間に、特定操作手段を複数配設するようにしている。
すなわち、変形例2におけるスロットマシン1においては、通常操作手段として、リール4の下方に演出ボタン2dを配設するとともに、演出手段としてのメイン表示器8と変動表示手段としてのリール4の間に、複数の特定操作手段として、図14に示すように、第1上部演出ボタン2gと、第2上部演出ボタン2hと、第3上部演出ボタン2iとを配設するようにしている。
【0313】
図14に示すように、第1上部演出ボタン2gと、第2上部演出ボタン2hと、第3上部演出ボタン2iは、メイン表示器8とリール4の間に、左右方向に均等間隔で各々配設されている。
より詳しくは、第2上部演出ボタン2hは、メイン表示器8の左右方向の略中央部の下方に対応する位置に配設され、第1上部演出ボタン2gは、メイン表示器8の左右方向の略左端部の下方に対応する位置に配設され、第3上部演出ボタン2iは、メイン表示器8の左右方向の略右端部の下方に対応する位置に配設されている。
【0314】
また、複数の特定操作手段は、その操作態様が各々異なっていて、第1上部演出ボタン2gは、変形例1における上部演出ボタン2fと同様に、押圧部が後方に押圧されたことを内部フォトセンサが検出することで遊技者の操作を検出するものとなっている。また、第2上部演出ボタン2h(上部演出タッチセンサ)は、表面に金属板を有し、当該金属板への遊技者の手の接触による静電容量の変化により遊技者の操作を検出するタッチ式のものとなっている。また、第3上部演出ボタン2i(上部演出ダイヤル)は、所定方向に回転可能なダイヤルを有し、当該ダイヤルの所定方向(例えば、右方向)への所定角度の回転を内部のフォトセンサが検出することで遊技者の操作を検出するダイヤル式のものとなっている。
【0315】
これら第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iは、演出制御手段(操作演出制御手段)としての副制御装置20に各々接続されて、各々からの検出信号を入力可能となっている。
なお、複数の特定操作手段は、遊技者の操作態様が異なるものであれば、上記以外に何れの形式の操作手段でもよく、また、2種類以上の操作態様の異なる操作手段を設けられていれば、いくつかの特定操作手段は同形式の操作手段であってもよい。
また、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iを主制御装置10に接続して、各々からの検出信号を入力可能にし、該入力に基づく制御を主制御装置10で行うようにしてもよい。
【0316】
そして、操作演出制御手段としての副制御装置20の制御により、演出ボタン2dを含む複数の操作手段のうちの何れかの操作手段の操作を伴うボタン演出(操作演出)が実行された場合には、各操作手段を模した画像や、操作を指示する文字情報からなる操作促進画像がメイン表示器8に表示されることとなるが、第1上部演出ボタン2gの操作を伴うボタン演出が実行された場合には、文字情報として、例えば、「押せ」が表示され、同様に、第2上部演出ボタン2hの場合には、例えば、「タッチしろ」が表示され、同様に、第3上部演出ボタン2iの場合には、例えば、「回せ」が表示される。
なお、操作促進画像をサブ表示器17に表示するようにしてもよい。
【0317】
また、副制御装置20は、ボタン演出が実行される場合に、演出ボタン2dを含む複数の操作手段のうちから操作対象となる操作手段を選択することとなり、通常操作手段としての演出ボタン2dが選択された場合には、メイン表示器8において通常操作演出として、演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行され、特定操作手段としての第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかが選択された場合には、メイン表示器8において特定操作演出として、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかの操作を伴うボタン演出が実行されることとなる。
【0318】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dを含む複数の操作手段のうちから操作対象となる操作手段を選択する際に、ART状態の当選の有無に応じて何れかの操作手段を選択するような制御を行うようにしている。
したがって、操作対象として選択された操作手段の種類に応じて、ART状態の当選に対する期待度が変化するようにボタン演出が実行されることとなる。
【0319】
図15は、連続演出が実行される場合に、ボタン演出を実行するか否か、および、ボタン演出を実行する場合に、どの操作手段を操作対象とするかを決定する際の選択率を示す図表である。
【0320】
まず、ART状態に非当選時の連続演出においては、ボタン演出を実行しない確率が70%、演出ボタン2dを操作対象とするボタン演出を実行する確率が20%、第1上部演出ボタン2gを操作対象とするボタン演出を実行する確率が20%、第2上部演出ボタン2h(上部演出タッチセンサ)を操作対象とするボタン演出を実行する確率が4%、第3上部演出ボタン2i(上部演出ダイヤル)を操作対象とするボタン演出を実行する確率が0%、に各々設定されている。
【0321】
一方、ART状態に当選時の連続演出においては、ボタン演出を実行しない確率が20%、演出ボタン2dを操作対象とするボタン演出を実行する確率が30%、第1上部演出ボタン2gを操作対象とするボタン演出を実行する確率が25%、第2上部演出ボタン2h(上部演出タッチセンサ)を操作対象とするボタン演出を実行する確率が15%、第3上部演出ボタン2i(上部演出ダイヤル)を操作対象とするボタン演出を実行する確率が10%、に各々設定されている。
【0322】
変形例2の連続演出中の演出態様が、図15の選択率で選択される結果、ボタン演出が実行されない場合よりも、ボタン演出が実行される場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
また、ART状態の非当選時には、演出ボタン2dが20%で選択され、メイン表示器8とリール4の間に配設される何れかの特定操作手段(各特定操作手段の確率値の総数)が10%で選択され、一方、ART状態の当選時には、演出ボタン2dが30%で選択され、特定操作手段(各特定操作手段の確率値の総数)が50%で選択されるので、ボタン演出が実行された場合には、演出ボタン2dが操作対象とされる場合よりも、メイン表示器8とリール4の間に配設される何れかの特定操作手段が操作対象とされる場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
【0323】
また、メイン表示器8とリール4の間に配設される何れかの特定操作手段が操作対象とされる場合においては、第1上部演出ボタン2gが操作対象とされる場合よりも、第2上部演出ボタン2hが操作対象とされる場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなり、さらに、第2上部演出ボタン2hが操作対象とされる場合よりも、第3上部演出ボタン2iが操作対象とされる場合の方が、結果的にART状態に当選している確率が高くなるのである。
また、第3上部演出ボタン2iは、ART状態の非当選時には選択されないようになっているので、第3上部演出ボタン2iが操作対象となれた場合には、ART状態に当選していることがその時点で確定することとなる。
【0324】
副制御装置20は、上記選択率によりボタン演出の操作対象となる操作手段の選択により、選択した操作手段の操作を伴う操作演出を実行することとなるが、当該操作演出を実行する場合には、操作対象の操作手段を有効とするとともに、各操作手段の内部の発光手段を発光させて当該操作手段が有効であることを報知することとなる。また、メイン表示器8において、各操作手段を模した画像や、操作を指示する文字情報を表示することとなる。
【0325】
そして、ボタン演出中に、演出ボタン2d、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかが操作された場合には、変形例1と同様に、予め定められている複数の文字情報として、「チャンス」、「激アツ」、「確定」の何れかの文字情報がメイン表示器8に表示されることとなる。
また、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iは、変形例1における上部演出ボタン2fに対応しているので、「確定」の文字情報は、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかが操作された場合のみ選択される。
【0326】
また、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの操作時の、文字情報の選択は、第1上部演出ボタン2gよりも第2上部演出ボタン2hが操作された場合の方がより期待度の高い文字情報(例えば、「チャンス」より「激アツ」)が選択され、第2上部演出ボタン2hよりも第3上部演出ボタン2iが操作された場合の方がより期待度の高い文字情報(例えば、「激アツ」より「確定」)が選択される確率が高くなるように選択制御が行われる。
したがって、より期待度の高い文字情報が表示される確率が、第1上部演出ボタン2g<第2上部演出ボタン2h<第3上部演出ボタン2iの関係性を形成するように文字情報の選択制御が行われる。
なお、特典が付与されることを確定的に報知する「確定」の文字情報は、所定のボタン(例えば、第3上部演出ボタン2i)が操作された場合のみ選択されるようにしてもよい。
【0327】
以上のようなことから、変形例2においては、連続演出中にボタン演出が実行された場合には、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、連続演出中にボタン演出が実行される場合には、操作対象となる操作手段の種類に応じて特典が付与される確率が変化するように操作演出が実行されることとなり、遊技者の期待感が変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0328】
また、同様に、特定操作手段が操作対象となる場合にも、操作対象となる特定操作手段の種類に応じて特典が付与される確率が変化するように特定操作演出が実行されることとなり、遊技者の期待感が変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
さらに、演出ボタン2dの操作を伴うボタン演出が実行される場合よりも、メイン表示器8とリール4の間に配設される何れかの特定操作手段の操作を伴うボタン演出が実行される場合の方が、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0329】
なお、副制御装置20は、ボタン演出を実行する場合には、予め操作手段のうちの1つを選択して、選択した操作手段のみを操作対象として有効にしているが、ボタン演出を実行する場合に、まず、通常操作手段を操作対象とするか、特定操作手段を操作対象とするかを決定し、特定操作手段を操作対象として決定した場合には、複数の特定操作手段の何れかを操作対象とするかを選択的に決定するようにしてもよい。
【0330】
さらに、上記同様、特定操作手段を操作対象とする場合に、ボタン演出時に複数の特定操作手段の全てを有効にするとともに、所定の特定操作手段が操作されたことを条件に、文字情報をメイン表示器8に表示するようにしてもよい。
例えば、ボタン演出時に複数の特定操作手段の全てが有効とされ、第1上部演出ボタン2gの操作後に第2上部演出ボタン2hを操作し、第2上部演出ボタン2hの操作後に第3上部演出ボタン2iを操作した場合に、最後の第3上部演出ボタン2iを操作した際に文字情報をメイン表示器8に表示するのである。
【0331】
同様に、例えば、ボタン演出時に複数の特定操作手段の全てが有効とされ、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iのうち最初に操作された特定操作手段の操作時に文字情報をメイン表示器8に表示してもよい。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、複数の特定操作手段のうち最初に所定の特定操作手段が操作されたことに基づき、特定操作演出を実行するのである。
【0332】
また、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの操作順序を予め決定し、最初に第1上部演出ボタン2gの操作を有効とし、その後、第2上部演出ボタン2hの操作を有効にして、この2番目に操作された第2上部演出ボタン2hの操作に基づき文字情報をメイン表示器8に表示してもよい。同様に、最初に第1上部演出ボタン2gの操作を有効とし、その後、第2上部演出ボタン2hの操作を有効にして、その後、第3上部演出ボタン2iの操作を有効にして、この3番目に操作された第3上部演出ボタン2iの操作に基づき文字情報をメイン表示器8に表示してもよい。
【0333】
また、上記特定操作演出の実行契機となる特定操作手段をランダムに決定して、特定操作演出の実行時期が変化するようにしてもよい。
また、上記特定操作演出の実行契機となる特定操作手段は報知しないことが好ましく、このようにすれば、遊技者はいつ特定操作演出が実行されるか分からなくなり、遊技者に対してハラハラ感やドキドキ感を与え、遊技の興趣性や意外性を極めて高めることが可能となる。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、複数の特定操作手段のうち所定の特定操作手段が所定の順番で操作された場合に、特定操作演出を実行するのである。
【0334】
また、副制御装置20は、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかの特定操作手段の操作を伴う特定操作演出が実行された場合に、当該特定操作演出が実行された後、複数の特定操作手段のうち当該特定操作演出の実行契機となった特定操作手段(例えば、第3上部演出ボタン2i)とは異なる特定操作手段(例えば、第1上部演出ボタン2g)が操作されたことに基づき、特定操作演出を終了するようにしてもよい。
【0335】
例えば、ボタン演出実行中に第3上部演出ボタン2iの操作が促された場合には、第3上部演出ボタン2iの操作により所定の文字情報がメイン表示器8に表示されることとなるが、その後、文字情報の表示の契機となった第3上部演出ボタン2iとは異なる第1上部演出ボタン2gが操作された場合に、メイン表示器8に表示されている所定の文字情報を消去するのである。
【0336】
また、変形例1と同様に変形例2においても、通常操作手段や特定操作手段の何れかが操作された場合に、文字情報の表示に替えて、メイン表示器8での画像表示を変化させたり、新たな画像を表示させたりしてもよい。
また、通常操作手段が操作された場合には、文字情報の表示を表示させ、特定操作手段の何れかが操作された場合にのみ、文字情報の表示に替えて、メイン表示器8での画像表示を変化させたり、新たな画像を表示させたりしてもよい。
また、特定操作手段の何れかが操作された場合に、メイン表示器8での画像の変化ではなく、発光態様を変化(例えば、点灯から消灯)させるようにしてもよい。
【0337】
また、特定操作演出が実行され、複数の特定操作手段の何れかが操作された場合に、所定の文字情報をサブ表示器17に表示させるとともに、メイン表示器8での画像を変化させたり、あるいは発光態様を変化させたりするようにしてもよい。
また、メイン表示器8での画像の変化や発光態様の変化に対応して、ゲームの進行を一時的に停止(所謂フリーズ演出)させたり、リール4の回転を一時的に停止させたり、リール4の回転を一時的に通常とは逆方向に回転させたりするようにしてもよい。
【0338】
また、複数の特定操作手段の何れかの操作を伴う特定操作演出時に、所定の特定操作手段の操作を促す操作促進画像を表示せずに、所定の特定操作手段の内部の発光源を発光させて当該特定操作手段の操作が有効であること報知するようにしてもよい。
【0339】
また、特定操作手段としての第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iは、上下の位置関係がメイン表示器8とリール4の間に配設されていれば、所定の特定操作手段(例えば、第1上部演出ボタン2g)の左右方向の位置が、メイン表示器8あるいはリール4の側端部よりも左右方向外側にずれていてもよい。
【0340】
以上説明したように、変形例2においては、遊技者による開始操作に基づき変動表示手段(リール4)の変動表示を伴うゲームを開始し、遊技者による停止操作に基づきゲームを終了してゲームを実行するとともに、ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、演出を実行する演出手段(メイン表示器8)と、演出手段の制御を行う演出制御手段(副制御装置20)と、遊技者が操作する操作手段(演出ボタン2d、第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2i)と、を備え、演出制御手段は、演出として、操作手段の操作を伴う所定の操作演出(ボタン演出)を演出手段に実行させる操作演出制御手段(副制御装置20)を含み、操作手段は、通常操作手段(演出ボタン2d)と、通常操作手段とは別個に設けられる複数の特定操作手段(第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2i)と、を含み、複数の特定操作手段を変動表示手段と演出手段との間に配設し、操作演出制御手段は、通常操作手段の操作を伴う通常操作演出を実行する場合よりも、複数の特定操作手段のうちの何れかの特定操作手段の操作を伴う特定操作演出を実行する場合の方が、遊技者に特典が付与される確率が高くなるように所定の操作演出を制御する構成としている。
【0341】
したがって、通常操作手段の操作を伴う通常操作演出と、複数の特定操作手段のうちの何れかの特定操作手段の操作を伴う特定操作演出との実行により、より多彩な操作演出が実行可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、特定操作手段は、演出手段と変動表示手段の間に複数配設されているので、特定操作演出時の操作態様をより多彩化でき、操作演出の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0342】
また、通常操作手段の操作を伴う通常操作演出よりも、複数の特定操作手段のうちの何れかの特定操作手段の操作を伴う特定操作演出、すなわち、ゲームにおいて重要な役割となる変動表示手段や演出手段に近い位置に配設される特定操作手段の操作を伴う特定操作演出が実行される場合の方が、遊技者に特典が付与される確率が高くなるように所定の操作演出を制御されるので、遊技者に対して、ゲームの進行にマッチしたよりインパクトのある操作を行わせることが可能となり、特定操作演出が期待度の高い演出であることを印象付けることが可能となるのである。
さらに、特定操作手段が操作された場合には、その近くに配設される演出手段で特定操作演出が実行されることとなるので、演出効果をより向上させることが可能となるのである。
【0343】
なお、特定操作演出の全ての場合で、通常操作演出よりも遊技者に特典が付与される確率が高くなるように制御してもよいし、特定操作演出の一部の場合で、通常操作演出よりも遊技者に特典が付与される確率が高くなるように制御してもよい。
例えば、操作演出が実行される所定の演出(例えば、連続演出)においては、特定操作演出が実行される場合の方が遊技者に特典が付与される確率が高くなるように制御されるが、別の演出においては、通常操作演出と特定操作演出で遊技者に特典が付与される確率が同じになるように制御してもよい。
【0344】
また、複数の特定操作手段(第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2i)のうち所定の特定操作手段(例えば、第1上部演出ボタン2g)の操作態様を他の特定操作手段の操作態様と異ならせた構成としている。
したがって、遊技者は操作態様の異なる操作を行うこととなり、それら操作態様の異なる操作を契機に特定操作演出が実行されるので、より多彩な特定操作演出が実行可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0345】
また、操作演出制御手段(副制御装置20)は、複数の特定操作手段のうち所定の特定操作手段(例えば、第3上部演出ボタン2i)が所定の順番で操作された場合に、特定操作演出を実行する構成としている。
したがって、より斬新な特定操作演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0346】
特に、複数の特定操作手段を順に操作していく段階で、いつ特定操作演出が実行されるか分からないので、遊技者に対してハラハラ感やドキドキ感を与えることが可能となり、遊技の興趣性や意外性を極めて高めることが可能となるのである。
また、特定操作演出の実行契機となる所定の特定操作手段の順番を変化させれば、特定操作演出の実行時期がバリエーションの富んだものとなり、遊技のマンネリ化を防止可能となるのである。
また、一つの操作手段を操作するよりも、複数の操作手段を操作する必要があるので、結果的に操作演出自体の期間が長くなり、興趣性や期待感を向上させる操作演出を遊技者が十二分に楽しめることとなるのである。
【0347】
また、操作演出制御手段は、前記複数の特定操作手段のうち最初に所定の特定操作手段(例えば、第1上部演出ボタン2g)が操作されたことに基づき、特定操作演出を実行する構成としている。
したがって、より斬新な特定操作演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0348】
特に、熟練した遊技者には、効率よく遊技を進行したいために、特定操作演出を早く味わいたい場合も少なくなく、このような遊技者に対して満足のいくような演出を提供可能となる。
また、熟練者に限らず、複数の特定操作手段のうち最初に所定の特定操作手段が操作された場合に、いきなり特定操作演出が実行されることとなるので、遊技者に驚愕感を与えるような意外性のある演出が可能となり、全ての遊技者が満足のいくような遊技が実行可能となる。
【0349】
また、操作演出制御手段(副制御装置20)は、複数の特定操作手段のうち特定操作演出の実行契機となった特定操作手段の種類に応じて、遊技者に特典が付与される確率が異なるものとなるように特定操作演出を制御する構成としている。
遊技者の期待感が様々に変化するような特定操作演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0350】
また、操作演出制御手段(副制御装置20)は、特定操作演出が実行された後、複数の特定操作手段のうち特定操作演出の実行契機となった特定操作手段とは異なる特定操作手段が操作されたことに基づき、特定操作演出を終了する構成とした。
したがって、特定操作演出を遊技者の意思により終了させることが可能となり、延々と特定操作演出が継続してしまうことを防止できるのである。
以上のように変形例2におけるスロットマシン1が構成される。
【0351】
<変形例3>
次に、本実施形態における変形例3について図16図19を参照して説明する。
前述した実施形態におけるスロットマシン1においては、レア役当選時には、レア役に当選したゲームで完結する当選演出を実行するようにしていて、この当選演出を実行する場合に、主としてメイン表示器8において実行するようにしているが、変形例3のスロットマシン1においては、当選演出の実行態様を異ならせている。
以下、変形例3のスロットマシン1における当選演出について説明する。
【0352】
変形例3におけるスロットマシン1においては、演出制御手段としての副制御装置20の制御により、当選演出を実行する演出手段としての表示器を、メイン表示器8、サブ表示器17、あるいはメイン表示器8とサブ表示器17の両方、の何れかに選択することで当選演出の実行箇所を変更可能としている。
したがって、変形例3におけるスロットマシン1においては、当選演出が実行される場合に、メイン表示器8のみで実行される実行態様と、サブ表示器17のみで実行される実行態様と、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行される実行態様との何れかの実行態様により当選演出を実行するようにしている。
また、各々の当選演出の実行により、各当選演出に対応した効果音がスピーカ9から出力される。
【0353】
図16は、所定のゲームにおいて所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選して、当該ゲームにおいて当選演出が実行された場合の実行態様を示している。
先ず、図16(a)は、当選演出を実行する表示器としてメイン表示器8が選択された場合を示している。
【0354】
図16(a)に示すように、当選演出をメイン表示器8で実行することが選択された場合には、メイン表示器8の主要部において当選演出画像A33aが表示される。
当選演出画像A33aは、前述したように、所定のキャラクタや、当選内容を報知する所定のアイテム等の画像を含んだ動画で実行され、所定のキャラクタが、当選した役を報知するアイテムを取り出すような演出表示が行われる。
【0355】
また、このときサブ表示器17には、当選演出に関わる画像は表示されずに、通常遊技状態中に表示されている画像がそのまま表示される。なお、このときサブ表示器17に何も表示しなくてもよいし、当選演出に直接関わらないが、他の演出で共通的に用いられる所定の装飾画像を表示するようにしてもよい。
【0356】
次に、図16(b)は、当選演出を実行する表示器としてサブ表示器17が選択された場合を示している。
図16(b)に示すように、当選演出をサブ表示器17で実行することが選択された場合には、サブ表示器17の主要部において当選演出画像B33bが表示される。
当選演出画像B33bは、所定のキャラクタや、当選内容を報知する所定のアイテム等からなる当選演出画像A33aと同内容を示す動画表示となっている。
【0357】
また、このときメイン表示器8には、当選演出に関わる画像は表示されずに、通常遊技状態中に表示されている画像がそのまま表示される。なお、このときメイン表示器8に何も表示しなくてもよいし、当選演出に直接関わらないが、他の演出で共通的に用いられる所定の装飾画像を表示するようにしてもよい。
【0358】
次に、図16(c)は、当選演出を実行する表示器としてメイン表示器8およびサブ表示器17の両方が選択された場合を示している。
図16(c)に示すように、当選演出をメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行することが選択された場合には、メイン表示器8およびサブ表示器17に跨って当選演出画像C33cが表示される。
当選演出画像C33cは、所定のキャラクタや、当選内容を報知する所定のアイテム等からなる当選演出画像A33aと同内容を示す動画表示となっている。
【0359】
このような表示器の選択は、後述するように副制御装置20により行われるが、特典付与決定手段として主制御装置10が役の抽選結果を特定する情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20がこの情報を受信することで実行される。
したがって、演出態様制御手段としての副制御装置20の制御により、当選演出を実行する表示器が複数態様で選択され、これら選択された表示器において、各々表示器が異なる複数態様の当選演出が実行されるのである。
【0360】
次に、特定の演出態様による演出として、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で当選演出が実行される場合に、当選演出においてボーナス状態の当選を報知する演出画像について説明する。
【0361】
変形例3におけるスロットマシン1においては、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の当選時の所定の割合(例えば、10%)でボーナス役にも当選(重複当選)することとなるが、図17は、所定のレア役に当選せずにボーナス役に単独当選した場合の特定の演出態様による演出の一例を示している。
なお、ボーナス役に単独当選した場合には、当選演出の実行後に連続演出が実行されて、連続演出の実行後にボーナス役に当選したことを報知する場合もあるが、図17は、ボーナス役に単独当選したゲーム、すなわち、当選演出の実行後においてボーナス役に当選したことが報知される演出画像を例示している。
【0362】
図17(a)に示すように、ボーナス役の単独当選時の特定の演出態様による当選演出が実行されると、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で当選演出画像C33cが表示される。
また、この当選演出のゲーム中における所定の時期(例えば、ゲーム開始時あるいは第3リール停止時)に、「チャンスかも」の文字情報からなる期待度示唆画像31dがメイン表示器8に表示される。
なお、期待度示唆画像31dは、前述したカットイン文字画像A51a(図5参照)と同様に、当選演出画像C33cの一部に含まれた状態で表示してもよいし、当選演出画像C33cとは別に当選演出画像C33cの前面側に表示してもよい。
【0363】
期待度示唆画像31dは、当選演出時に常に表示されるものではなく、副制御装置20の制御により、当該ゲームにおいてボーナス役の当選を報知する当選演出時の所定の確率(例えば、50%)で表示される。
一方、ボーナス役に重複当選していない所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した当選演出時、すなわち、当該ゲームで当選したレア役の種類を報知する当選演出時にも所定の確率(例えば、10%)で表示される。
【0364】
したがって、期待度示唆画像31dは、ボーナス役に当選していることを明確に報知するものではなく、ボーナス役に当選している可能性が高いことを報知するものとなっている。すなわち、ボーナス役の当選を明確には報知していないといった意味で、不明確に報知する画像(情報)となっている。
【0365】
次に、図17(b)は、特定の演出態様による当選演出におけるゲーム終了時の演出画像を示している。この当選演出時には当該ゲーム終了時にボーナス役の当選が報知されることとなる。
図17(b)に示すように、特定の演出態様による当選演出のゲーム終了時には、「ボーナス確定」の文字情報からなるボーナス確定画像31eがサブ表示器17に表示される。
すなわち、ゲームにおいて期待度示唆画像31dが早期に表示され、その後ボーナス確定画像31eが表示されるのである。
【0366】
なお、ボーナス確定画像31eは、期待度示唆画像31dと同様に、当選演出画像C33cの一部に含まれた状態で表示してもよいし、当選演出画像C33cとは別に当選演出画像C33cの前面側に表示してもよい。
ボーナス確定画像31eは、ボーナス役に当選していることが遊技者は明確に認識できる画像であるので、ボーナス役に当選していることを明確に報知する画像(情報)となる。
【0367】
以上、図17に示すように、当該ゲームにおいてボーナス役の当選を報知する当選演出が特定の演出態様である、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で行われる当選演出画像C33cでの演出で実行された場合には、第1表示手段としてのメイン表示器8により特典付与決定手段(主制御装置10)の決定結果に関わる不明確な情報として、期待度示唆画像31dが表示された後、第2表示手段としてのサブ表示器17により特典付与決定手段の決定結果に関わる明確な情報として、ボーナス確定画像31eが表示されることにより、特定の演出態様による演出が実行されるのである。
【0368】
なお、当選演出画像C33cは、遊技者に明確にボーナス役に当選していることを報知するので、文字情報を表示することが好ましいが、それ以外に、ボーナス役やART状態に当選していない場合には決して表示されないレインボー柄の画像等を表示してもよい。
また、期待度示唆画像31dは、ボーナス役に当選していることに対する遊技者の期待感を高めるものであれば何れでもよく、例えば、メイン表示器8に文字情報やレインボー柄の画像とは異なる所定の画像を表示させたり、メイン表示器8の発光態様を変更(例えば、点灯から消灯)させたりするものであってもよい。
【0369】
次に、図18は、ボーナス役当選時、および所定のレア役(例えば、強チェリー役)当選時の当選演出を実行する場合に、当選演出を実行する表示器を選択する際の選択率を示す図表である。
当選演出を実行する場合には、当選演出をメイン表示器8のみで実行するか、サブ表示器17のみで実行するか、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行するかを選択して演出態様を決定するものとなっているが、副制御装置20はその表示器の選択制御を以下に示す確率で実行するようになっている。
【0370】
まず、図18に示すように、強チェリー役当選時でボーナス役の非当選時においては、当選演出をメイン表示器8のみで実行する確率が20%、サブ表示器17のみで実行する確率が50%、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行する確率が30%、に各々設定されている。
【0371】
また、強チェリー役当選時でボーナス役の当選時においては、当選演出をメイン表示器8のみで実行する確率が50%、サブ表示器17のみで実行する確率が20%、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行する確率が30%、に各々設定されている。
【0372】
また、ボーナス役の単独当選時においては、当選演出をメイン表示器8のみで実行する確率が10%、サブ表示器17のみで実行する確率が20%、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行する確率が70%、に各々設定されている。
【0373】
当選演出を実行する場合に、当選演出を実行する表示器が、図18の選択率で選択される結果、強チェリー役当選時には、当選演出がメイン表示器8のみで実行される場合が、結果的にボーナス役に当選している確率が最も高くなり、メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される場合が、結果的にボーナス役に当選している確率が次に高くなり、サブ表示器17のみで実行される場合が、結果的にボーナス役に当選している確率が最も低くなるのである。
また、ボーナス役の単独当選時には、当選演出がメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される確率が高くなり、サブ表示器17のみで実行される確率が次に高くなり、メイン表示器8のみで実行される確率が最も低くなるのである。
【0374】
次に、図19を参照して、当選演出が実行される場合の開始タイミングについて説明する。
当選演出は、所定のレア役(例えば、強チェリー役)やボーナス役に当選したゲームにおいて実行されるが、副制御装置20は、当選演出の実行契機役の種類や、実行される表示器の種類に応じて、ゲームにおける当選演出の開始タイミングを変更可能としている。すなわち、演出時期制御手段としての副制御装置20は、主制御装置10における役の抽選結果に基づいてゲームにおける当選演出の開始時期を決定するのである。
【0375】
なお、当選演出は、副制御装置20で決定された開始タイミングで開始され、次のゲームが開始されるまで継続されることとなるが、当選演出の開始タイミングが変更されても、当選演出の内容は変更されずに、その実行期間のみが変更(例えば、キャラクタの出現からアイテム出現の間隔が変更)されるものとなっている。
したがって、所定のキャラクタやアイテム等の画像は当選演出がどのタイミングで開始されても同内容を示す画像が表示されることとなる。
【0376】
図19(a)は、強チェリー役の当選時でボーナス役の非当選時の演出開始タイミングの選択率を示している。
図19(a)に示すように、強チェリー役の当選時でボーナス役の非当選時において、当選演出がメイン表示器8のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が40%、第1リール停止時、すなわち、左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cのうちの何れかが最初に操作された時に開始する確率が30%、第2リール停止時、すなわち、左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cのうちの何れかが2番目に操作された時に開始する確率が20%、第3リール停止時、すなわち、左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cのうちの何れかが最後に操作された時に開始する確率が10%、の各々に設定されている。
【0377】
また、強チェリー役の当選時でボーナス役の非当選時において、当選演出がサブ表示器17のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が45%、第1リール停止時に開始する確率が35%、第2リール停止時に開始する確率が15%、第3リール停止時に開始する確率が5%、の各々に設定されている。
【0378】
また、強チェリー役の当選時でボーナス役の非当選時において、当選演出がメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が35%、第1リール停止時に開始する確率が30%、第2リール停止時に開始する確率が25%、第3リール停止時に開始する確率が10%、の各々に設定されている。
【0379】
次に、図19(b)は、強チェリー役の当選時でボーナス役の当選時(ボーナス役重複当選時)の演出開始タイミングの選択率を示している。
図19(b)に示すように、強チェリー役の当選時でボーナス役の当選時において、当選演出がメイン表示器8のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が10%、第1リール停止時に開始する確率が20%、第2リール停止時に開始する確率が30%、第3リール停止時に開始する確率が40%、の各々に設定されている。
【0380】
また、強チェリー役の当選時でボーナス役の当選時において、当選演出がサブ表示器17のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が15%、第1リール停止時に開始する確率が20%、第2リール停止時に開始する確率が30%、第3リール停止時に開始する確率が35%、の各々に設定されている。
【0381】
また、強チェリー役の当選時でボーナス役の当選時において、当選演出がメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が5%、第1リール停止時に開始する確率が15%、第2リール停止時に開始する確率が35%、第3リール停止時に開始する確率が45%、の各々に設定されている。
【0382】
次に、図19(c)は、ボーナス役の単独当選時の演出開始タイミングの選択率を示している。
図19(c)に示すように、ボーナス役の単独当選時において、当選演出がメイン表示器8のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が10%、第1リール停止時に開始する確率が20%、第2リール停止時に開始する確率が30%、第3リール停止時に開始する確率が40%、の各々に設定されている。
【0383】
また、ボーナス役の単独当選時において、当選演出がサブ表示器17のみで実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が15%、第1リール停止時に開始する確率が20%、第2リール停止時に開始する確率が30%、第3リール停止時に開始する確率が35%、の各々に設定されている。
【0384】
また、ボーナス役の単独当選時において、当選演出がメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される場合には、当選演出をゲーム開始時に開始する確率が60%、第1リール停止時に開始する確率が30%、第2リール停止時に開始する確率が7%、第3リール停止時に開始する確率が3%、の各々に設定されている。
【0385】
当選演出の開始タイミングが図19に示した各々の確率で決定される結果、強チェリー役当選時には、当選演出が何れの表示器で実行される場合でも、ゲーム開始時から第3リール停止時に亘って当選演出の開始が遅くなるほど結果的にボーナス役に当選している確率が高くなることとなる。
また、ボーナス役の単独当選時には、当選演出がメイン表示器8のみで実行される場合、サブ表示器17のみで実行される場合、の各々では、ゲームにおいて当選演出の開始時期が遅くなる確率が高くなり、一方、当選演出がメイン表示器8およびサブ表示器17の両方で実行される場合では、ゲームにおいて当選演出の開始時期が早くなる確率が高くなるような選択制御が行われる。
【0386】
すなわち、所定の演出としての強チェリー役当選時の当選演出が、ゲームにおける所定の時期として第3リール停止時に開始された場合には、特典としてのボーナス役に当選している確率が高くなるように所定の演出の開始時期が決定されるのである。なお、この場合の当選演出は、どの表示器で実行されるものでもよい。
一方、特定の演出態様による演出として、ボーナス役単独当選時にメイン表示器8およびサブ表示器17の両方による当選演出は、第3リール停止時に開始される確率が最も低いので、当該当選演出の開始時期は第3リール停止時とは異なる時期(例えば、ゲーム開始時)に決定される確率が高くなるように決定されるのである。
【0387】
なお、変形例3においては、当選演出自体の開始タイミングを変更するようにしているが、当選演出自体の開始タイミングはゲーム開始時で共通にして、当選演出中において所定のキャラクタがアイテムを袋から取り出す演出を所定の演出として、この所定の演出の開始タイミングを、当選演出の実行契機役の種類や、実行される表示器の種類に応じて変更するようにしてもよい。
また、強チェリー役当選時の当選演出の演出態様とボーナス役単独当選時の当選演出の演出態様を異なるものにしてもよい。
【0388】
また、変形例3における当選演出と、変形例1および変形例2におけるボタン演出の全て、あるいは一部を組み合わせるようにしてもよい。
例えば、変形例3のように、特定の演出態様による演出としてのボーナス役単独当選時にメイン表示器8およびサブ表示器17の両方による当選演出を行う場合に、変形例1のように、メイン表示器8とリール4の間に配設される上部演出ボタン2fの操作を契機に実行してもよい。
より具体的には、特定の演出態様による演出を実行する場合に、まず、ゲーム開始時にメイン表示器8(或いは、サブ表示器17)に上部演出ボタン2fの操作を促す画像を表示した後、遊技者が上部演出ボタン2fを操作した場合に、当選演出を実行するのである。
【0389】
すなわち、ゲームの実行に基づき変動表示する変動表示手段(リール4)と、変動表示手段と、複数の演出手段のうちの所定の演出手段(メイン表示器8)との間に配設され、遊技者が操作する操作手段(上部演出ボタン2f)と、を備え、特定の演出態様による演出は、操作手段の操作を伴う演出とするのである。
【0390】
さらに、上記変形例1における上部演出ボタン2fを、変形例2における第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iのように複数配設するものとしてもよい。
例えば、変形例3のように、特定の演出態様による演出としてのボーナス役単独当選時にメイン表示器8およびサブ表示器17の両方による当選演出を行う場合に、変形例2のように、メイン表示器8とリール4の間に配設される第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかの操作を契機に実行するのである。
【0391】
より具体的には、特定の演出態様による演出を実行する場合に、まず、ゲーム開始時にメイン表示器8(或いは、サブ表示器17)に第1上部演出ボタン2g、第2上部演出ボタン2h、第3上部演出ボタン2iの何れかの操作を促す画像を表示した後、遊技者がそれらのボタンの何れかを操作した場合に、当選演出を実行するのである。
すなわち、操作手段は、各々操作態様の異なる複数の操作手段を含み、特定の演出態様による演出は、複数の操作手段のうちいずれかの操作手段の操作を伴う演出(特定操作演出)とするのである。
【0392】
また、変形例3における特定の演出態様による当選演出を、変形例2のように特定操作演出とした場合に、変形例2と同様に、複数の特定操作手段のうち最初に所定の特定操作手段が操作されたことに基づき、特定操作演出を実行してもよい。
【0393】
また、変形例3における特定の演出態様による当選演出を、変形例2のように特定操作演出とした場合に、変形例2と同様に、複数の特定操作手段のうち所定の特定操作手段が所定の順番で操作された場合に、特定操作演出を実行してもよい。
【0394】
また、変形例3における特定の演出態様による当選演出を、変形例2のように特定操作演出とした場合に、変形例2と同様に、複数の特定操作手段のうちの何れかの操作を伴う特定操作演出が実行された場合に、当該特定操作演出が実行された後、複数の特定操作手段のうち当該特定操作演出の実行契機となった特定操作手段とは異なる特定操作手段が操作されたことに基づき、特定操作演出を終了するようにしてもよい。
【0395】
また、特定の演出態様による当選演出を所定の操作手段の操作により開始するのではなく、特定の演出態様による当選演出の実行中において、変形例1や変形例2のように、所定の操作手段(例えば、第1上部演出ボタン2g)の操作に基づき、当選演出中に所定の文字情報を表示するようにしてもよい。
【0396】
また、変形例3においては、特定の演出態様による当選演出として、所定のキャラクタやアイテムの画像を表示するようにしているが、メイン表示器8およびサブ表示器17における表示態様や発光態様を変化させるものであれば、上記以外の表示態様により当選演出を実行するようにしてもよい。
また、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像の変化や発光態様の変化に対応して、ゲームの進行を一時的に停止(所謂フリーズ演出)させたり、リール4の回転を一時的に停止させたり、リール4の回転を一時的に通常とは逆方向に回転させたりするようにしてもよい。
【0397】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による開始操作に基づきゲームを開始し、遊技者による停止操作に基づきゲームを終了してゲームを実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、遊技者に特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段(主制御装置10)と、特典付与決定手段の決定結果に関連した演出を実行する演出手段(メイン表示器8、サブ表示器17)と、演出手段の制御を行う演出制御手段(副制御装置20)と、を備え、演出手段は、各々別個に設けられる複数の演出手段を含み、演出制御手段は、特典付与決定手段の決定結果に基づいて、複数の演出手段のうち演出を実行させる演出手段を選択するとともに、複数の演出態様のうちからいずれかの演出態様を決定する演出態様制御手段(副制御装置20)と、演出態様制御手段により決定された演出態様により演出を実行する場合に、特典付与決定手段の決定結果に基づいて、ゲームにおける演出の開始時期を決定する演出時期制御手段(副制御装置20)と、を備え、演出態様制御手段は、特典付与決定手段の決定結果が特定の決定結果(ボーナス役の単独当選)となった場合に、複数の演出態様のうち特定の演出態様(メイン表示器8およびサブ表示器17の両方で演出が実行される態様)を決定するものとし、演出時期制御手段は、所定の演出(強チェリー役当選時の演出)を実行させる場合には、ゲームにおける所定の時期(第3リール停止時)に所定の演出が開始された場合に特典が付与される確率が高くなるように、所定の演出の開始時期を決定するものとし、特定の演出態様による演出を実行させる場合には、当該演出の開始時期を所定の時期とは異なる時期(例えば、ゲーム開始時)に決定する確率が高くなるように制御する構成とした。
【0398】
ここで、特典付与決定手段、演出制御手段、演出態様制御手段、演出時期制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、特典としては、ART状態、ボーナス状態、CZ状態等の遊技者が有利となるものであれば何れでもよい。
【0399】
また、演出手段は、表示手段、音声出力手段、発光手段等が例示される。また表示手段は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示するものであれば何れでもよい。
また、演出は、特典の付与に関わる役に当選した場合に、遊技者の期待感を高めるために表示手段、音声出力手段、発光手段等で実行されるもので、画像表示の変化、音声の変化、発光態様の変化により遊技者の期待感を高めるものであれば何れでもよい。
また、所定の演出は、演出の全てでもよいし、演出のうちの一部でもよい。
【0400】
したがって、演出態様制御手段により、多彩な演出態様により演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、演出時期制御手段により、演出の開始時期が様々に変化するような演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、特定の演出態様による演出が実行される場合には、通常では期待度の高い時期とは異なる時期で実行される可能性が高くなるので、意外性のある遊技を実現できるとともに、どのタイミングでも特典の付与に対して期待できるような期待感の高い遊技を実現することが可能となる。
【0401】
また、演出時期制御手段は、特定の演出態様による演出の開始時期を、ゲームにおける所定の時期よりも早い時期(ゲーム開始時)に決定する構成とした。
したがって、意外性の高い遊技を実行することが可能となる。また、特定の演出態様による演出の実行期間を長くすることも可能となるので、より遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0402】
また、通常では期待度の高い時期よりも早い時期で特定の演出態様による演出が実行される可能性が生じるので、ゲームの全般において遊技者の期待感を向上させるような興趣性の高い演出を提供可能となる。
また、特定の演出態様による演出が実行されなかった場合でも、その後に期待度の高い所定の演出が実行される可能性があるので、遊技者の落胆感を防止することも可能となる。
さらに、ゲームの開始早々で、いきなり特定の演出態様による演出が実行されることもあるので、遊技者に驚愕感を与えるような意外性のある演出が可能となり、遊技の興趣性を極めて向上させることが可能となる。
【0403】
また、複数の演出手段は、第1表示手段(メイン表示器8)と、第2表示手段(サブ表示器17)とを含み、演出制御手段は、第1表示手段と第2表示手段により特定の演出態様による演出を実行するものとし、第1表示手段により特典付与決定手段の決定結果に関わる不明確な情報(期待度示唆画像31d)を表示した後、第2表示手段により特典付与決定手段の決定結果に関わる明確な情報(ボーナス確定画像31e)を表示することにより特定の演出態様による演出を実行する構成とした。
【0404】
したがって、ゲームの進行に応じて、特典の付与に関わる情報が徐々に明確になるような従来にない斬新な演出が可能となり、遊技の興趣性や期待感を向上させることが可能となる。また、それらの情報が各々異なる表示手段で表示されるので、さらに演出を多彩化することが可能となる。
【0405】
また、ゲームの実行に基づき変動表示する変動表示手段と、複数の演出手段のうちの所定の演出手段との間に配設され、遊技者が操作する操作手段(上部演出ボタン2f)と、を備え、特定の演出態様による演出は、操作手段の操作を伴う演出(ボタン演出)である構成とした。
ここで、変動表示手段は、リール式の表示器、画像表示器等が例示される。
したがって、特定の演出態様による演出が、操作手段の操作を伴うより興趣性の高い演出で実行されることとなり、遊技者が遊技に介入できるようなより興趣性の高い遊技を実現することが可能となる。
【0406】
また、操作手段は、操作態様の異なる操作手段を含む複数の操作手段からなり、特定の演出態様による演出は、複数の操作手段のうちいずれかの操作手段の操作を伴う演出である構成とした。
ここで、複数の操作手段は、その全てが各々操作態様の異なるものであってもよいし、一部のみが他の操作手段と操作態様の異なるものであってもよい。
したがって、特定の演出態様による演出が、操作手段の操作を伴うより興趣性の高い演出で実行されることとなり、さらに、その操作態様が多彩化することとなるので、より興趣性の高い遊技を実現することが可能となる。
【0407】
一方、特許文献1には、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の演出を実行するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、単に複数の表示装置において種々の演出を表示させるだけであり、単調な遊技性になってしまい興趣性を高めるものではなかった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0408】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてART状態(ART)を付与するものとしたが、AT又はRTを付与するようにしてもよい。
【0409】
また、本実施形態では、ART状態のタイプとして、ART状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしているが、所定のゲーム数単位で実行されるART状態を複数回継続可能なタイプにしてもよい。
【0410】
また、本実施形態では、操作手段の操作を促す画像(操作画像32a、指示画像32b)を常に同じ大きさで表示するようにしているが、異なる大きさの操作画像を表示するようにしてもよい。また、連続演出や当選演出の期待度に応じて操作画像の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0411】
また、特定演出としてタイマー演出を実行するようにしているが、特定演出はタイマー演出以外の演出でもよい。
例えば、砂時計を模した画像を表示して、落下する砂の分量によりアナログ的に演出の進行状況を報知することで特定演出を実行するようにしてもよい。
【0412】
また、本実施形態では、遊技者が操作を行う操作手段として演出ボタン2d、および上部演出ボタン2fを備えているが、メイン表示器8或いはサブ表示器17の表示面に、遊技者の接触を検出可能なタッチセンサを設けるとともに、メイン表示器8或いはサブ表示器17にタッチする位置を促すタッチ画像(操作画像)を表示可能にし、副制御装置20は、タッチ画像への遊技者の接触に応じて操作(タッチ操作)を受け付けて、メイン表示器8或いはサブ表示器17に所定の画像演出を表示するようにしてもよい。
【0413】
また、演出ボタン2d、あるいは上部演出ボタン2fにモータ等の作動により振動する振動手段を内蔵して、遊技者が操作する際に振動手段を作動させるようにしてもよい。この際、例えば、相対的に期待度の高い演出(例えば、当選演出)が表示された場合に、振動手段を作動させることが好ましい。このようにすれば、さらに遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0414】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合として、サブ表示器17が移動している場合、特定操作演出が実行されている場合、特定の演出態様による演出が実行されている場合に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合として、サブ表示器17が移動している場合、特定操作演出が実行されている場合、特定の演出態様による演出が実行されている場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0415】
また、遊技者の手が演出ボタン2d、上部演出ボタン2fに近づいたことを検出可能な検出センサ(例えば、赤外線センサ)を設け、ボタン演出が実行されている状態おいて、検出センサの検出信号に基づき、操作画像を通常の形状のものから大きい形状のものに変更するようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを押圧操作する直前に、操作画像が変化するので、従来にない斬新な演出が可能となる。
【0416】
また、表示手段として、メイン表示器8及びサブ表示器17以外の表示器を別個設けるようにしてもよく、連続演出や当選演出等の実行箇所として、各々の表示手段を選択可能としてもよい。
【0417】
また、本実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0418】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0419】
1:スロットマシン
2d:演出ボタン
2f:上部演出ボタン
2g:第1上部演出ボタン
2h:第2上部演出ボタン
3i:第3上部演出ボタン
4:リール
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
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