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特許7168289回転式タブレットプレスのプレスされた物品のための出口デバイス及び出口デバイスを備えた回転式タブレットプレス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】回転式タブレットプレスのプレスされた物品のための出口デバイス及び出口デバイスを備えた回転式タブレットプレス
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20221101BHJP
   B30B 11/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B30B11/08 B
B30B11/08 C
B30B11/00 G
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020512101
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 IB2018053081
(87)【国際公開番号】W WO2018203276
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】202017102645.0
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519391790
【氏名又は名称】ロマコ キリアン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ツィートマン、ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】カルステンス、イェンス
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-095674(JP,A)
【文献】特開2012-006058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094449(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0128090(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
B30B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動可能なロータと、ダイプレートと、プレスされた物品を前記ダイプレートから離れるように出口装置に偏向させる偏向デバイスとを有する回転式タブレットプレスの前記プレスされた物品のための出口デバイスであって、前記出口デバイス(10)は、前記偏向デバイス(4)によって前記ダイプレートから離れるように偏向された前記プレスされた物品を受取り搬送するためのコンベヤベルト(13)を備え、前記コンベヤベルト(13)の搬送速度は、前記ロータの回転速度に応じて調整可能であり、前記偏向デバイスは、ガイド壁(7)を有する偏向レール(6)を備え、前記ガイド壁(7)は、前記ダイプレート(3)の周壁(3A)にわたって径方向に部分的に突出し、前記ガイド壁(7)は、前記偏向レールの動作領域で前記プレスされた物品の移動を遅延させて前記コンベヤベルト(13)の走行方向に平行に前記プレスされた物品をガイドするために、前記出口デバイスの前記コンベヤベルトにわたって部分的に突出する、ことを特徴とする、出口デバイス
【請求項2】
前記コンベヤベルトは、前記偏向デバイスによって偏向された前記プレスされた物品を水平に搬送し除去するための搬送区間(13A)を備え、前記出口デバイスは、前記コンベヤベルトのために、少なくとも1つの前方偏向ローラと、1つの後方偏向ローラとを備え、前記出口デバイスの動作位置にある前記前方偏向ローラは、前記ダイプレートの周に隣接して配置されることができ、前記前方偏向ローラが、前記ダイプレートまたは前記回転式タブレットプレスの上に部分的に径方向に突出する前記偏向デバイスの前記偏向レールの前記ガイド壁の下に配置されることができるか、または少なくとも部分的に配置されることができ、前記搬送区間(13A)は前記前方偏向ローラと前記後方偏向ローラとの間に形成される、ことを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項3】
イドトップレール(28)が、前記コンベヤベルトの搬送区間(13A)の上方に距離をおいて配置され、前記ガイドトップレールが、前記前方偏向ローラ(14)の上方に少なくとも部分的に延在することを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項4】
下保護プレート(35)が前記出口デバイスに装着され、前記落下保護プレートは、少なくとも部分的に前方偏向ローラ(14)と前記ダイプレート()の周との間の隙間内に延在し、前記ダイプレートの上面に対して下方に延在し、前記ダイプレートの周に面する前面上の落下保護プレート(35)は、斜めまたは湾曲して延在する前縁を有することを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項5】
記コンベヤベルトは、空気の通過のための凹部を備え、上方の前記搬送区間と下方の戻り区間との間に、吸引デバイスに接続可能、または接続される吸引チャンバ(20、21)が形成されることを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項6】
前記コンベヤベルトは、空気の通過のための凹部を備え、互いに分離された前記吸引チャンバ(20、21)が、分離された吸引ゾーンを生成するために、前方偏向ローラと後方偏向ローラとの間に形成され、前方偏向ローラに近接して配置された前記吸引ゾーンにエアブレード(30)が割り当てられ、そのエア出口方向が、前記コンベヤベルトの搬送方向とは反対に斜めに配向され、および/または前記コンベヤベルトの前記搬送区間のためのトンネル部分が、カバーによって各吸引チャンバの上方に形成されることを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項7】
調節可能な偏向器(31)が前記前方偏向ローラ(14)と前記後方偏向ローラ(15)との間に配置される、ことを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項8】
記前方偏向ローラ(14)と前記後方偏向ローラ(15)との間に、サンプルプレス物品のための分離デバイスを有するサンプル回収ユニットが配置され、圧縮エアノズルを有するブロワユニット(61)が、前記搬送区間に隣接する側に配置され、シュートプレート(63)によって形成される前記サンプル回収ユニットの出口チャネルが、前記搬送区間の反対側に配置されることを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項9】
記偏向器と前記ブロワユニットとの間に光バリア(63)が配置され、前記ブロワユニット(61)が、前記光バリアの検出信号に時系列的に関係付けられることによって作動されることを特徴とする、請求項に記載の出口デバイス
【請求項10】
イドプレート(26)が、前記コンベヤベルトの上の前面に突出し、前記ガイドプレートが、前記偏向デバイスと共に動作位置にあり、前記偏向デバイス(4)で偏向された前記プレスされた物品のための強制ガイドを形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の出口デバイス
【請求項11】
陥のあるプレスされた物品のための出口チャネル(40)が、前記コンベヤベルトに少なくとも部分的に平行に延在し、前記欠陥のあるプレスされた物品のための前記出口チャネルが、入口開口(41)を有し、前記ガイドプレートが、前記ダイプレートの回転方向に見て、その端部に形成される、または始まることを特徴とする、請求項10に記載の出口デバイス
【請求項12】
記出口デバイスが、フレーム(11)に配置され、かつ、前記コンベヤベルトの位置の高さが、前記フレームの調整可能な脚部、および/または持ち上げデバイスによって設定され得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の出口デバイス
【請求項13】
回転駆動可能なロータ(2)を備えた回転式タブレットプレスであって、プレスパンチ対によってプレスされた物品を生産するためのダイボアを有するダイプレート(3)と、前記ダイボア内で生産され、生産プロセスにおいて前記ダイプレート(3)の上面(3´)上に位置し、前記プレスされた物品を前記プレスされた物品のための出口デバイス(10)へ偏向させるための偏向デバイス(4)と、前記ロータの回転速度を制御するための制御デバイスと、請求項1に記載の前記出口デバイスと、を備え、前記コンベヤベルトの搬送速度は、前記ロータの前記回転速度に応じて調整可能、または前記ロータの前記回転速度に応じて前記制御デバイスによって調整され、前記偏向デバイスは、ガイド壁(7)を有する偏向レール(6)を備え、前記ガイド壁(7)は、前記ダイプレート(3)の前記周壁(3A)にわたって径方向に部分的に突出し、前記ガイド壁(7)は、前記偏向レールの前記動作領域で前記プレスされた物品の移動を遅延させて前記コンベヤベルト(13)の走行方向に平行に前記プレスされた物品をガイドするために、前記出口デバイスの前記コンベヤベルトにわたって部分的に突出することを特徴とする、回転式タブレットプレス。
【請求項14】
前記偏向レール(6)及び前記ガイド壁(7)は、前記偏向レール(6)の前記動作領域において数個の前記プレスされた物品を蓄積するための延在する長さを有することを特徴とする、請求項13に記載の回転式タブレットプレス。
【請求項15】
前記コンベヤベルト(13)の前記搬送速度が、前記ロータの前記回転速度に依存する前記プレスされた物品の生産速度よりも速く、前記プレスされた物品の前記生産速度に関する固定係数によってよりも速められることを特徴とする、請求項13に記載の回転式タブレットプレス。
【請求項16】
前記出口デバイスの動作位置にある前記コンベヤベルトのための前方偏向ローラ(14)上の前記コンベヤベルトの上方の搬送区間は、前記ダイプレートの前記上面(3´)よりも低く延在することを特徴とする、請求項13または14に記載の回転式タブレットプレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動可能なロータと、ダイプレートと、プレスされた物品を偏向させる偏向デバイスとを備えた回転式タブレットプレスで生産されるプレス物品の出口デバイスに関する。本発明はさらに、ダイボア内のプレスパンチ対によってプレスされた物品を生産するためのダイボアを有するダイプレートを有する回転式タブレットプレスに関する。回転式タブレットプレスは、ダイボア内で生産され、生産プロセスにおいてダイプレートの上面に配置されたプレスされた物品を、プレスされた物品のための出口デバイスに偏向させるための偏向デバイスを備え、ロータの回転速度を制御する制御デバイスを備える。
【背景技術】
【0002】
複数のパンチ対を有する回転式タブレットプレスでは、1時間当たり150万を超えるプレス成形品を有するプレス成形品の非常に高い生産量を達成することが可能である。ほとんど全てのタブレットプレスにおける生産プロセスは、ダイプレートのダイ開口部にキャビティを生産するために、パンチ対の下部パンチがロータの回転中に下方に駆動され、前記キャビティが、例えば粉末又は粒状物で所望の量まで充填ユニット内に充填され、その後、パンチ対の上部及び下部パンチが、両方のパンチが、その動きを制御する制御カムによって持ち上げられる前に、プレスステーションにおいて制御された方法で一緒にプレスされ、それによって、生産されたプレスされた物品をダイプレートの上面に移動させるように行われる。その後、ロータの回転を介して、プレスされた物品は、偏向デバイスによって偏向され、出口デバイスに供給されて、プレスされた物品を、例えばバリ取り、仕分け、及び包装のための更なる処理ステーションに供給する。この場合の生産量は、例えば、プレスされた物品のサイズおよびパンチ対の数のような多くの要因に依存する。回転式タブレットプレスでは、プレスされた物品は、非常に異なる産業分野および用途、例えば、洗剤産業のための洗剤タブレット、食品産業のためのストックキューブ、飲料産業のための発泡タブレット、または医薬産業のための医薬タブレットのために生産され得る。
【0003】
一般に、出口デバイスは、複数の出口チャネルを含み、ダイプレートの表面に対して斜めに延在するシュートプレートからなり、前記シュートプレートは、欠陥のあるプレスされた物品またはサンプルプレスされた物品を排出し、生産誤差を有さないすべての良好なタブレットのタブレット流を下流に配置された生産ステーションに案内するために、1つまたは複数の偏向器を備える。例として、ドイツ特許102011050290A1号公報を参照すると、シュートおよび追加の計量デバイスを備えた従来のタブレット出口が開示されている。ドイツ特許第1020070603351号公報は、クリーニングデバイスが付加的に設けられたタブレット出口のさらなる例示的な実施形態を開示している。
【0004】
下流に配置された処理ステーションでは、コンベヤベルトによってタブレットのさらなる移送を行うのが普通であり、従来は無秩序で収集されたタブレットは、一般に、個々の分離デバイスによって分離されなければならず、また、非対称のプレスされた物品の場合には整列されなければならない。生産プロセス中に既に部分的に充填されたダイ開口内に堆積された別個のコアを有するコアタブレットの生産中に、タブレットコアを回転プレートおよびコンベヤベルトを介してテーブルコアのための挿入デバイスに供給することが知られている(ドイツ実用新案202013103361U1号公報)。
【0005】
シュートプレートを備えた一般的なタブレット出口では、圧縮された物品は、ロータの回転速度に応じた高速で出口チャネルに入る。タブレットフォーマットが大きく、したがってプレスされた物品の重量が大きいほど、タブレット出口内のプレスされた物品に対する損傷の危険性が大きくなり、そのため、例えば15mmを超える直径または長さを有する大型のプレスされた物品では、著しく低減された回転速度、したがってロータの速度が設定されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、例えば15mmを超える直径又は縁部長さを有する大型のプレス成形品の場合でさえ、損傷の危険性を最小限に抑えて高い生産出力が可能である、回転式タブレットプレス及び回転式タブレットプレスで生産されるプレス成形品のための出口デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、出口デバイスが、偏向デバイスによって偏向されたプレス物品を受取り搬送するためのコンベヤベルトを備え、コンベヤベルトの搬送速度が、ロータの速度に応じて設定または調整されることができることが、出口デバイスに対して提案される。回転式タブレットプレスの場合、出口デバイスは、偏向デバイスによって偏向されたプレスされた物品を受取り搬送するためのコンベヤベルトを備え、凸状ベルトの搬送速度は、ロータの速度に応じて調整可能であり、かつ/またはロータの速度に応じて制御デバイスによって設定されることが提案される。驚くべきことに、シュートを備えた従来のタブレット出口の代わりに、コンベヤベルトを備えた出口デバイスを使用し、コンベヤベルトの搬送速度をダイプレートの生産速度および/または速度に適合させると、特に、回転式タブレットプレス上での大型プレス物品の生産中の生産出力を増大させることができることが分かった。プレスされた物品をコンベヤベルト上に移送することによって、従来のタブレット出口で頻繁に起こるような、プレスされた物品への損傷を排除し、かなりより穏やかな方法でプレスされた物品を除去することが可能であり、損傷を受けたプレスされた物品のその後の排出が回避されるという利点を既に有する。回転式タブレットプレスに直接隣接する出口デバイスに既にあるコンベヤベルトを使用することは、出口デバイスから排出されるプレスされた物品の量の生産速度および制御への適合が既に出口デバイスで行われるので、全ての下流の処理ステーションを回転式タブレットプレスの生産速度に結合することが可能であるというさらなる利点を有する。したがって、結果として、驚くべきことに、生産速度が全体的に増加し得ることが示された。
【0008】
回転式タブレットプレスの特に有利な実施形態によれば、偏向デバイスは、プレスされた物品のためのガイド壁を有する偏向レールを備え、偏向レールのガイド壁は、ダイプレートの周上に部分的に径方向に突出する。出口デバイスにコンベヤベルトを使用する場合、プレスされた物品の移動が偏向レールの領域で最初に遅延され、その結果、プレスされた物品がダイプレートの回転により両側で押し出され、続いて供給されるプレスされた物品がダイプレートおよび/または偏向デバイスの動作領域から径方向外向きに、すなわち、好ましくはコンベヤベルトの走行方向にできるだけ平行に押し出され、これは、偏向レールのガイド壁の適切に適合された湾曲および従来の偏向レールに対するガイド壁の延長によって容易に達成され得る場合、特に有利である。
【0009】
コンベヤベルトの搬送速度が、ロータの回転速度に依存する、すなわち、好ましくは常に固定された係数による、プレスされた物品の生産速度よりも速い場合、本発明による出口デバイスまたは回転式タブレットプレスでは特に有利である。この手段によって、特に、コンベヤベルト上の2つの連続するプレスされた物品の間に、生産速度に関係なく、間隔が常に形成され、好ましくは、隣接するプレスされた物品の間に均一な間隔が形成されることが達成され得る。出口デバイス内に既にあるプレス物品のこの間隔は、相互接触によるプレス物品へのさらなる長期損傷を防止し、同時に、後続の下流の処理ステーションだけでなく出口デバイス内に既にあるさらなる処理を単純化する。
【0010】
特に好ましい実施形態によれば、コンベヤベルトのための出口デバイスは、少なくとも1つの前方偏向ローラおよび1つの後方偏向ローラを備え、出口デバイスの動作位置における前方偏向ローラは、ダイプレートの周に隣接して配置されることができ、好ましくは、動作位置において、ダイプレート上に部分的に径方向に突出する偏向デバイスの偏向レールのガイド壁の下に少なくとも部分的に突出するように、配置されることができ、または配置される。また、ガイドトップレールがコンベヤベルトの搬送区間の上方にある距離をおいて配置され、前記ガイドレールが、好ましくは、前方偏向ローラの上方に少なくとも部分的に延在し、かつ/またはその下面に入口面取り部を有する場合にも有利である。
【0011】
偏向デバイスからコンベヤベルトへのプレス物品の移送を改善するために、前方偏向ローラ上のコンベヤベルトの上部搬送区間は、好ましくは、ダイプレートの上面に対して下方に延在し、および/または落下保護プレートが出口デバイス上に装着され、前記落下保護プレートは、前方偏向ローラとダイプレートの周との間のギャップ内に少なくとも部分的に延在し、ダイプレートの上面に対して下方に延在し、好ましくは、ダイプレートの周に面する前面上の落下保護プレートは、斜めまたは湾曲して延在する前縁を有する。この場合の落下保護プレートは、回転式タブレットプレスの始動中にのみ機能するが、これは、始動中、特に第1のプレス物品の場合、プレス物品と出口デバイスとの間に非常に低い移送速度が存在するためであり、したがって、これらのプレス物品は、ダイプレートの周壁と偏向ローラとの間の開放ギャップ内に落下することを防止しなければならず、そこで閉塞または動作中断をもたらす可能性があるからである。落下防止プレートの動作は、それがダイプレートの上面と同じ高さに配置される場合に保証されるが、移動経路における位置誤差または段差を回避するために、それが下方に配置される場合に有利である。
【0012】
動作中、プレスされた物品もダイプレートを離れ、比較的高速でコンベヤベルト上に押されるので、プレスされた物品が、搬送と実質的に同時にコンベヤベルト上で静止される場合、特に有利である。静止する手段は、コンベヤベルトが空気の通過のための凹部を備え、好ましくは穿孔されたベルトとして構成され、上側の搬送区間の下、好ましくは上側の搬送区間と下部戻り区間との間に、吸引デバイスに接続されることができるか、または接続される吸引チャンバが形成されることであってもよい。より早く、すなわち、より近くでは、吸引チャンバは、穿孔されたベルトによって前方偏向ローラに対して効果的であり、したがって、吸引は、プレスされた物品に及ぼされ、したがって、プレスされた物品は、固有の質量に加えて追加の力によってコンベヤベルトに対して引っ張られ、出口デバイスにおけるプレスされた物品のさらなる処理の信頼性がより高くなる。互いに分離された吸引チャンバが、分離された吸引ゾーンを生成するために、前方偏向ローラと後方偏向ローラとの間に形成され、好ましくは、前方偏向ローラのより近くに配置された吸引ゾーンに、エアブレードが割り当てられ、そのエア出口方向が、好ましくは、コンベヤベルトの搬送方向に対して斜めにかつ反対に配向され、かつ/または、コンベヤベルトの搬送区間のためのトンネル部分が、カバーによって各吸引チャンバの上方に形成される場合に。吸引デバイスによって、既に、プレスされた物品の、例えばほこり等からの事前の清掃が達成されてもよく、清掃作用は、エアブレードによってさらに増大されてもよい。同時に、吸引チャンバは、特に、トンネル部分を生成するためのカバーと組み合わせて、周囲の空間内の塵埃への露出、および回転式タブレットプレスの作業員の汚染を最小限に抑えることができる。
【0013】
出口デバイスが取り付けられたときに回転式タブレットプレスをセットアップできるようにするために、調整可能な偏向器を前方偏向ローラと後方偏向ローラとの間に配置することができ、好ましくは、偏向器の動作領域に吸引ゾーンが形成されない。偏向器を調整することによって、特に、コンベヤベルトに対して直角に延在する軸の周りで偏向器を旋回させることによって、セットアッププロセス中に、コンベヤベルト上で搬送されるプレスされた物品は、例えば、不良のプレスされた物品(拒絶タブレット)のための貯蔵容器につながる横方向のタブレット出口に偏向されてもよい。本発明による出口デバイスにおいてサンプルプレス物品を引き出すことができるようにするために、サンプルプレス物品のための分離デバイスが、前方偏向ローラと後方偏向ローラとの間に配置され、好ましくは、圧縮エアノズルを有するブロワユニットが、好ましくは、搬送区間に隣接する側に配置され、特にシュートプレートによって形成されるサンプルプレス物品のための出口チャネルが、搬送区間の反対側に配置される場合、特に有利である。便宜上、光バリアは、この目的のために、偏向器とブロワユニットとの間に配置され、ブロワユニットは、光バリアの検出信号に時系列的に結合されることによって作動される。
【0014】
ダイプレートからコンベヤベルトへのプレスされた物品の移送を改善するために、ガイドプレートがコンベヤベルト上の前面に突出してもよく、前記ガイドプレートは、偏向デバイスと共に動作位置にあり、偏向デバイス上で偏向されたプレスされた物品のための強制ガイドを形成する。
【0015】
例えば、偏向デバイス、特にブロワノズルに割り当てられた分離デバイスを備えたプレス内で依然として排出される不良プレス物品を回転式タブレットプレス内で排出できるようにするために、好ましくは出口シュートによって形成される不良プレス物品のための出口チャネルは、コンベヤベルトに少なくとも部分的に平行に延在することができ、不良プレス物品のための出口チャネルは、好ましくは入口開口を有し、ガイドプレートは、ダイプレートの回転方向に見て、その端部に形成される。
【0016】
コンベヤベルトおよび出口デバイスの異なる設置位置および/または異なる回転式タブレットプレスへの適合を単純化するために、便宜上、出口デバイスをフレーム上に配置することができ、コンベヤベルトの位置の高さは、フレームの調整可能な脚部によって、および/または持ち上げデバイスによって設定することができる。
【0017】
本発明による回転式タブレットプレスのさらなる利点および実施形態、ならびに回転式タブレットプレス上で生産されるプレス物品のための出口デバイスは、図面に概略的に示される例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による出口デバイスを、回転式タブレットプレスのダイプレート上での動作状態で概略的に示す側面図である。
図2図1による出口デバイスおよびダイプレートの平面図を概略的に示す。
図3図2によるダイプレートおよび出口デバイスの前方部分の詳細図を示す。
図4図3の詳細図によるダイプレートおよび出口デバイスの前方部分の側面図を示す。
【0019】
図1において、本発明による回転式タブレットプレスは、全体が参照番号1で示され、回転式タブレットプレス1上の本発明による出口デバイスは、参照番号10で示される。図1では、さらなる図と同様に、実質的に、回転式タブレットプレスの、他の点では図示されていないロータ3の主要構成要素としてのダイプレート2と、偏向デバイス4のみが示されている。回転式タブレットプレス1のハウジングは、プレスパンチ対、駆動デバイス、制御カム、またはこの場合には任意の既知の設計を有することができる回転式タブレットプレスの他の通常の構成要素と同じ限られた範囲で示されており、このため、回転式タブレットプレスの当業者の知識がさらに参照される。
【0020】
図面では、特に直径又は縁部長さが15mmを超える大型タブレットのようなプレス品は参照番号50で示され、プレスパンチ対(図示せず)による前記プレス品は、公知の方法でダイプレートのダイボアの内側に生産され、次に、個々のプレス品が偏向レール6に到達する前に、以下にさらに説明するように、ダイプレート3の回転方向Rの回転により、個々のプレス品の生産における欠陥がプロセス制御ユニットによって識別されず、プレス品50の分離プロセスが開始されていない場合に、受動的に固定された偏向レール6を備える偏向デバイスによってプレス品50用の出口デバイス10に偏向されるまで、それぞれのプレスパンチ対の下側パンチをダイプレート3の上面3´に持ち上げることによって生産される。
【0021】
回転式タブレットプレス1によって生産されたプレス物品50のための出口デバイス10は、図示の例示的な実施形態では、高さ調節可能な脚部12および間隔監視デバイス13を備えた下部フレーム11を有する。プレスされた物品50の輸送のために提供される出口デバイス10の構成要素は、下部フレーム11上に配置され、出口デバイス10は、従来のタブレット出口とは異なり、エンドレス循環コンベヤベルト13を備え、これは、図4でのみ識別される前方偏向ローラ14と、図1でのみ識別される後方偏向ローラ15との間で、搬送区間13Aを形成し、これによって、プレスされた物品50は、ダイプレート3から実質的に水平に除去される。コンベヤベルト13は、同時に、後方偏向ローラ15と前方偏向ローラ14との間に、複数の中間ローラ18により、搬送区間13Aと離れた19の間に、後方偏向ローラ15と前方偏向ローラ14との間に実質的に平行して戻る戻り区間13Bを形成する。コンベヤベルト13の戻り区間13Bは、部分的な区間で、モータ16によって駆動および/または駆動可能な駆動ローラ17の周りに巻き付けられ、コンベヤベルト13のプリテンションは、テンション・ローラ39によって設定される。
【0022】
図に明確に示されているように、コンベヤベルト13は、空気が通過できる複数の貫通孔を有する有孔ベルトから成る。この場合、有孔ベルトの孔は、出口デバイス10に一体化された2つの吸引チャンバ20、21と協働し、吸引チャンバ20は、前方偏向ローラ14に可能な限り近接して延びる。両吸引室20、21は、この場合、パイプライン22、23を介して中央吸引コネクタ24に接続される。図1および図4は、吸引チャンバ20および同様に吸引チャンバ21が、いずれの場合も、コンベヤベルト13の搬送区間13Aの区間長さにわたってのみ延在し、この点に関して、互いに分離された2つの吸引ゾーンが形成されることを明確に識別することを可能にする。吸引チャンバ20、21は、それぞれの吸引チャンバの真上に位置するコンベヤベルト13の搬送区間13Aの区間に下からのみ作用するが、動作中に恒久的に循環するコンベヤベルト13の戻り区間または他の区間には作用しない。
【0023】
コンベヤベルト13の搬送区間13Aは、生産プロセスの過程において、調整可能な速度で循環し、偏向レール6によってダイプレート3から離れるように偏向されたプレス品50を、互いに直線的に、かつ既に離間して、出口デバイス10の後面37まで搬送し、その上で、例えば、金属検出器、バリ取りデバイス等のようなさらなる処理ステーションへの搬送が行われる。例として図2に明確に示されているように、すべての隣接するプレスされた物品50は、コンベヤベルト13上で互いに均一な間隔を有しているが、排出レール6の動作領域において、それらは、一方が他方の後ろに位置し、互いに接触している。偏向レール6の領域における押圧された物品50の収集および蓄積は、ダイプレート3の回転方向Rに対向する偏向レール6の案内壁7の比較的大きな曲率によって達成される。偏向レール6の動作領域内のプレスされた物品50が、図3に特に明確に見られるように、直列に集められるように、ガイドプレート26が、前方偏向ローラを支持し、前方に突出する出口デバイス10の支持構造の一部に配置され、前記ガイドプレートは、前方偏向ローラを越えて突出し、したがって、コンベヤベルト13の前方偏向を越えて突出し、偏向レール6のガイド壁7にほぼ平行に延びる壁部分27を有し、それによって、そこに蓄積された個々のプレスされた物品50の強制ガイドが形成される。ガイドプレート26は、壁部27の一部がダイプレート3の周壁3Aを越えて内方に突出しており、ダイプレート3の上面3´を部分的に覆っている。次に、偏向レール6は、ダイプレート3の円周壁3A上に部分断面で径方向外向きに突出し、したがって、前方偏向ローラの領域においてコンベヤベルト13の部分断面を部分的に覆う。出口領域における偏向レール6の案内壁7の曲率は、プレスされた物品50がコンベヤベルト13の走行方向に実質的に平行に偏向レール6から離れるように整列される。図3からさらに分かるように、水平に配向されたガイドトップレール28が、コンベヤベルト13の上方に距離をおいて配置され、それによって、コンベヤベルト13の開始領域に入る押圧された物品が、任意選択で、コンベヤベルト13の方向に下方に押しやられる。入口領域では、ガイドトップレールは、下面に傾斜部分28A(図4)を設けて、押圧された物品を改善された方法で下方に押しやることができる。横方向ガイドレール29、38によって、コンベヤベルト13上の個々のプレスされた物品50の互いに対する均一な整列も、コンベヤベルト13の搬送区間13Aの搬送方向に対して横方向に達成され得る。
【0024】
ロータ2の、したがってダイプレート3の比較的高い回転速度のために、偏向デバイス4の偏向レール6の領域に複数のプレス物品が蓄積しているにもかかわらず、プレス物品50は、高い初期速度で偏向レール6およびガイドプレート26の動作領域を離れ、コンベヤベルト13の搬送区間13Aの走行長さの数センチメートル後にのみ、プレス物品50はコンベヤベルトの速度を採用し、短い初期長さの後に有効になる。前方吸引チャンバ20の吸引作用は、このプロセスを補助する。それぞれの吸引チャンバ20、21の吸引作用は、図示されていないカバーによって増大させることができ、カバーは、閉鎖状態では、吸引チャンバの延長領域にトンネルを形成し、従って、より大きな吸引圧力を保証するだけでなく、同時に、プレスされた物品と共に運ばれるプレスされた物品のためのほこり、粒状物又は非圧縮の初期材料の吸引を改善する。ほこり及び初期材料の除去は、図1及び図2に概略的に示されたコンベヤベルト13の上方に間隔をおいて配置されたエアブレード30によって改善され、そのエアスロットは、好ましくは、前方に斜めに配向されて延在し、従って、同時に、カバーによって前方吸引チャンバ20の上方に生成された前方トンネルからのほこりの流出を防止する。
【0025】
コンベヤベルト13の搬送区間13Aの走行長さに沿った2つの別個の吸引チャンバ20、21の配置は、さらに、図示の例示的な実施形態では、出口デバイス10のほぼ中央に配置することができる偏向器31を可能にし、前記偏向器は、図2に示す出口デバイス10の動作位置では機能を有さないが、回転式タブレットプレスのセットアッププロセス中に、出口デバイス10のコンベヤベルト13によって搬送されるすべてのプレスされた物品を、コンベヤベルト13の側部に配置され、不良のプレスされた物品のための収集容器34に管33を介して通じるシュート72に偏向させるために、搬送区間13Aの平面に対して直角に延びる軸32の周りに回転可能である。吸引チャンバ20、21は、偏向器31の領域では有効ではないので、偏向器31によって搬送区間13A上に配置された押圧された物品の偏向に影響を与えることなく、セットアッププロセスの開始前であっても、吸引をオンに切り替えることができる。
【0026】
図1図3にさらに示されているように、出口デバイス10は、生産工程の途中で、例えば、偏向デバイス4の領域内の、図示されていない分離デバイス、例えば、ブローノズルによって、プレスステーションから、まだ回転式タブレットプレス1内にある間に、欠陥信号のために排出され得る、欠陥プレスされた物品のための出口チャネル40も備えている。出口チャネル40の入口開口41は、回転方向から見て、ガイドプレート26の上流に位置し、出口チャネル40は、それ自体公知の方法で、さらなる管44を介して収集容器34内に開口するシュート等から構成されてもよい。図示の例示的な実施形態では、出口チャネル40は、コンベヤベルト13に対して少なくとも部分的にほぼ平行に延在するが、斜め下方に向けられる。
【0027】
本発明によるコンベヤベルト13を備える出口デバイス10は、図示の例示的な実施形態では、サンプル回収ユニット60を備えている。この場合、サンプル回収ユニット60によって、サンプルプレス物品は、コンベヤベルト13によって搬送されるプレス物品50から排出される。サンプル回収ユニット60は、後部吸引チャンバ21とコンベヤベルト用の後方偏向ローラ15との間に配置される。サンプル回収ユニット60は、コンベヤベルト13の走行方向に対して横方向に整列されたブロワノズル62を有するコンベヤベルトの一方の側に配置されたブロワユニット61を含む。ブロワユニット61に対向するコンベヤベルト13の側部には、側部ガイドは存在せず、代わりにシュートプレート63が設けられ、その動作領域には、ブロワユニットによって生成される空気圧のパルスによって移動させることができる個々のプレスされた物品が設けられる。特定の押圧された物品が正確に特定的に検出されるように、光バリア64がブロワユニット61から離れて配置され、これにより、サンプル回収ユニット内の押圧された物品の排出されるべき前方領域の現在位置が検出される。光バリア64はブロワユニット61から一定の距離にあるので、プロセス制御ユニットまたは出口デバイス10の制御ユニットによって、空気圧のパルスによって光バリア64によって特に検出された押圧された物品をシュートプレート63内に移動させるために、ブロワユニット61のための制御信号が発せられなければならないときに、時間が計算されてもよい。
【0028】
上記の説明から、出口デバイスの最適な動作モードのために、コンベヤベルト上の各プレス物品の別々の搬送が望まれることは既に明らかである。これは、コンベヤベルト13の走行速度、すなわち、搬送速度が回転式タブレットプレスのロータ2の回転速度に従って、すなわち、ロータ2の速度に従って設定されることによって達成され、特に、生産速度の任意に生じる変更にかかわらず、実質的に均一な距離が、隣接するプレスされた物品間に生成されるように調整される。好ましくは、回転式タブレットプレスのための制御デバイス(図示せず)が、この端部のために使用され、ここでは、一般に、プレス工程の監視だけでなく、ロータの回転速度の調節および調整が行われる。好ましくは、プレスされた物品を別々に移送するためのコンベヤベルト13は、回転式タブレットプレスの生産速度よりも、特定のファクタだけ、従って、ダイプレート3からコンベヤベルト13上に移送されるときの個々のプレスされた物品の初期速度よりも、より迅速に走行する。
【0029】
回転式タブレットプレスの始動中、低すぎるプレス物品の速度に起因する問題を回避するために、特に図4に見られるように、落下保護プレート35を前方偏向ローラ14の近傍に追加的に設けることができ、これは、前方偏向ローラ14上で偏向されたコンベヤベルト13の前面とダイプレート3の周壁3Aとの間の開口(ギャップ)を覆い、任意選択で、ギャップを可能な限り効果的に覆うために、ダイプレート3の周壁3Aに面する斜めまたは湾曲した態様で延在する前縁を有する。また、図4は、出口デバイス10の作動位置にある搬送区間13Aが、ダイプレート3の上面3´に対して僅かに下方に延びていることが好ましいことを示している。
【0030】
当業者にとって、添付の特許請求の範囲の保護された範囲内に入るように意図された多数の変更が、上記の説明から開示される。本発明は、図示の例示的な実施形態に限定されない。本発明による出口デバイスは、異なるプレス成形品フォーマットに有利に使用することができるので、特に他の偏向板、他のガイド板、および他の偏向レールを使用することによる、異なるダイプレート、タブレットプレス、およびプレス成形品フォーマットへの適合は、短い変換時間を有する壁の異なる湾曲によって実施することができる。コンベヤベルトはまた、押圧された物品をダイプレートから斜め上方又は下方に離れるように案内することができる。
図1
図2
図3
図4