IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友重機械エンバイロメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-水処理装置 図1
  • 特許-水処理装置 図2
  • 特許-水処理装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/20 20060101AFI20221101BHJP
   C02F 1/52 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
C02F1/20 A
C02F1/52 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017063488
(22)【出願日】2017-03-28
(65)【公開番号】P2018164893
(43)【公開日】2018-10-25
【審査請求日】2019-07-19
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】507036050
【氏名又は名称】住友重機械エンバイロメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恭介
(72)【発明者】
【氏名】須田 祐一
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】土屋 知久
【審判官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-60288(JP,A)
【文献】特開2014-28342(JP,A)
【文献】特開2012-196614(JP,A)
【文献】特開2010-172885(JP,A)
【文献】特開昭55-13181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/20-1/26
C02F1/30-1/38
C02F1/52-1/56
C02F1/58-1/64
B01D21/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸イオン、金属イオン及び金属化合物の微粒子を含む工場排水に対して、
pHを測定し、pHを酸性側に調整するpH調整部と、
pH調整部の後段又は同一の槽で脱炭酸を行う炭酸除去部と、
を備えたことを特徴とする、水処理装置。
【請求項2】
前記炭酸除去部の後段に、凝集沈殿部を備え、凝集沈殿処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記炭酸除去部は、曝気により脱炭酸を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記排水は、懸濁物質濃度が100mg/L以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸イオンを含む排水を処理する水処理装置に関するものである。詳しくは、本発明は、炭酸イオンを含む排水に凝集剤を添加して処理する凝集沈殿部を備える水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種工場等から発生する排水の処理において、重金属及び懸濁物質(以下「SS」という。)を含む排水の処理方法として、凝集剤などの薬剤を添加して重金属及びSSを含むフロックとし、固液分離を行う方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、重金属及びSSを含む排水の処理方法として、親水性高分子物質と鉄塩を含む除去剤及びその他凝集剤を用い、重金属及びSSをフロック化して、固液分離により除去する方法が記載されている。また、特許文献1には、排水のpHが酸性領域の場合には特にpHを調節する必要はなく、排水のpHが中性ないしアルカリ性領域の場合であっても、除去剤の添加後に必要に応じてpHを調節することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-212573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排水に対して凝集剤などの薬剤の添加により重金属及びSSを固液分離するにあたっては、生成した重金属及びSSを含むフロックが水面に浮上してしまうと、固液分離ができなくなる。本発明者は、種々の排水に対して固液分離を試みたところ、一部の排水について、pHを酸性側に調整するとフロックが浮遊することがあった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、排水の固液分離処理におけるフロックの浮遊を抑制し、フロックの沈殿を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、排水中の炭酸がフロックを浮遊させる原因であることを見出した。つまりは、炭酸イオンを含む排水では、pHを酸性側に調整すると、炭酸イオンが炭酸となってガスを発生し、フロックを浮遊させることを見出した。
【0008】
そこで、本発明者は、炭酸イオンを含む排水の水処理装置において、pHを酸性側に調整するpH調整部の後段に炭酸除去部を設けることで、フロックの浮遊を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の水処理装置である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の水処理装置は、炭酸イオンを含む排水に対して、pHを測定し、pHを酸性側に調整するpH調整部と、pH調整部の後段で脱炭酸を行う炭酸除去部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この水処理装置によれば、pH調整部の後段に炭酸除去部を設けることで、pHを酸性側に調整した際に生じる炭酸が除去されるため、フロックの浮遊等、炭酸が発生することによって生じる水処理工程の不具合を改善することができる。
【0011】
更に、本発明の水処理装置の一実施態様としては、炭酸除去部の後段に、凝集沈殿部を備え、凝集沈殿処理を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、炭酸が除去された排水に対して凝集沈殿処理を行うことで、生成するフロックの浮遊を抑制することができるため、沈殿処理を促進するという効果を奏する。
【0012】
更に、本発明の水処理装置の一実施態様としては、排水は金属イオンを含むことを特徴とする。
金属イオンを金属化合物として析出させて除去するという排水処理では、金属化合物が微粒子として存在するため、炭酸によりフロックが浮遊するという問題が顕著となる。そのため、本発明の水処理装置は、金属イオンを含む排水の処理に好適に利用することができる。
【0013】
更に、本発明の水処理装置の一実施態様としては、炭酸除去部は、曝気により脱炭酸を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、減圧装置等の精密な装置等と比べて簡易的な装置で脱炭酸を行うことが可能となる。
【0014】
更に、本発明の水処理装置の一実施態様としては、排水は懸濁物質濃度が100mg/L以下であることを特徴とする。
懸濁物質濃度が低い場合には、炭酸によりフロックが浮遊するという問題が顕著となる。そのため、本発明の水処理装置は、懸濁物質濃度の低い排水の処理に好適に利用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、炭酸イオンを含む排水の水処理装置において、pHを酸性側に調整するpH調整部の後段に炭酸除去部を設けることで、フロックの浮遊等、炭酸が発生することによって生じる水処理工程の不具合を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態の水処理装置の構成を示す概略図である。
図2】本発明の第2の実施形態の水処理装置の構成を示す概略図である。
図3】本発明の水処理装置に基づく実施例1の水処理工程及び比較例1、2の水処理工程を示すフロー図と、実施例1及び比較例1、2により得られた処理水の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0018】
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、炭酸イオンを含む排水に対して、pHを測定し、pHを酸性側に調整するpH調整部と、pH調整部の後段で脱炭酸を行う炭酸除去部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
(排水)
本発明の水処理装置は、炭酸イオンを含む排水の処理に利用するための装置であり、例えば、各種工場等から発生する排水処理に利用される他、河川水、地下水のような自然水の処理等にも利用することができる。
【0020】
本発明の水処理装置により処理する排水の種類は、特に制限されないが、例えば、金属イオンを含む排水や、金属イオン及び懸濁物質を含むめっき工場やエッチング工場からの排水等が挙げられる。金属イオンを金属化合物として析出させて除去するという水処理では、金属化合物の微粒子が発生するため、特にフロックが浮遊しやすい。よって、金属イオンを含む排水は、本発明の水処理装置の処理対象として、好適に利用することができる。なお、金属イオンとしては、特に制限されないが、例えば、銅、亜鉛、カドミウム、パラジウム、クロム、鉛、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、銀などが挙げられる。
【0021】
排水の懸濁物質の濃度は、特に制限されないが、低濃度である場合には、炭酸によりフロックが浮遊するという問題が顕著となる。そのため、懸濁物質濃度の低い排水の処理では、本発明の水処理装置を好適に利用することができる。排水の懸濁物質の濃度は、好ましくは100mg/L以下である。なお、この「懸濁物質の濃度」における「懸濁物質」とは、金属イオンを金属化合物として析出させて生じた金属化合物微粒子の他、排水中に含まれるその他の懸濁物質も含む総懸濁物質である。
【0022】
また、金属イオンを金属化合物として析出させて除去するという水処理において、除去対象となる金属化合物微粒子の懸濁物質の濃度は、特に制限されないが、低濃度である場合には、炭酸によりフロックが浮遊し、金属化合物微粒子の除去効率が低下するという問題がある。そのため、除去対象となる金属化合物微粒子の懸濁物質濃度が低い排水の処理では、本発明の水処理装置を好適に利用することができる。析出により除去する金属化合物微粒子の懸濁物質の濃度は、好ましくは50mg/L以下であり、より好ましくは30mg/L以下である。
【0023】
排水のpHは、好ましくは中性又はアルカリ性であり、特に好ましくはアルカリ性である。排水のpHが中性ないしはアルカリ性側にある場合、水処理工程においてpHを酸性側にすると、炭酸の気泡が大量に発生するため、本発明の水処理装置を好適に利用することができる。
【0024】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態の水処理装置の構成を示す概略図である。
本実施形態の水処理装置1aは、例えばエッチング工場からの排水Wを処理するものであり、図1に示すように、pH調整部2と、炭酸除去部3と、凝集沈殿部4と、これらを接続するラインL1~L6とを備えている。
【0025】
(pH調整部)
pH調整部2は、pH調整槽21、排水WのpHを測定するpH計22と、pHの測定結果に応じて、排水WのpHを酸性側に調整するための酸添加部23を備える。排水WはラインL1を通じてpH調整槽21に供給され、酸添加部23には、塩酸、硫酸、硝酸等の酸性物質を貯留するタンク24と、酸性物質の添加量を調整するバルブ25とを備えるものである。また、pH計22の測定結果及びpH調整槽21内の水量に基づき、酸性物質の添加量を算出し、バルブ25の開閉を自動制御する制御装置(不図示)を備えるものであってもよい。
【0026】
pH調整部2において、排水WのpHは7.0以下とする。より好ましくは6.0以下とする。
ここで、pH調整部2において排水WのpHを酸性領域とするのは、後段に設けられた炭酸除去部3における炭酸除去効率を高めるためである。したがって、排水WのpHを強酸性化する必要はない。少なくともpHは7.0以下であればよく、酸性物質の消費量と炭酸除去効率とを勘案してpHを決定することが望ましい。
【0027】
(炭酸除去部)
炭酸除去部3は、排水W中の炭酸イオンを除去するものであり、炭酸除去槽31と、曝気装置32、ブロワー33を備える。pH調整部2からラインL2を通じて、排水Wが炭酸除去槽31に供給される。炭酸除去槽31において、曝気装置32からの曝気により、酸性化した排水Wから炭酸が放出される。
【0028】
炭酸除去部は、炭酸イオンから生じた炭酸ガスを除去できるもの、あるいは、炭酸イオンから炭酸ガスを発生させないものであれば、特に制限されない。
炭酸イオンから生じた炭酸ガスを除去する手段としては、例えば、第1の実施形態のように、曝気により炭酸ガスを空気中へ放出する手段のほか、減圧により炭酸ガスを脱気する手段等が挙げられる。曝気装置は、減圧装置等に比べて簡易的な装置であるため、曝気により炭酸ガスを空気中へ放出する手段を使用することが好ましい。
また、炭酸イオンから炭酸ガスを発生させない手段としては、例えば、炭酸イオンと反応する薬剤を添加する手段が挙げられる。薬剤としては、例えば塩化カルシウムのように、炭酸イオンと反応して沈殿物を形成するものが好ましい。
【0029】
(凝集沈殿部)
凝集沈殿部4は、凝集槽41と沈殿槽42からなる。凝集槽41は、炭酸除去部3からラインL3を通じて供給された排水Wに、凝集剤添加部43から凝集剤を添加して凝集物を形成するための構成である。沈殿槽42は、凝集槽41からラインL4を通じて供給された排水Wを、凝集物と処理水とに固液分離するための構成である。
【0030】
なお、凝集剤添加部43と炭酸除去部3の順は、特に制限されず、凝集剤添加部43により凝集物を形成したあとに、炭酸除去部3により炭酸を除去してもよい。但し、第1の実施形態のように、曝気装置により炭酸を除去する場合には、曝気によりフロックが破壊されるため、炭酸除去部3の後段に凝集剤添加部43を設けることが好ましい。
【0031】
凝集剤としては、特に制限されず、無機凝集剤、高分子凝集剤のいずれでもよい。無機凝集剤としては、例えば、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリシリカ鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等が挙げられ、高分子凝集剤としては、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素-ホルマリン樹脂等のカチオン性高分子凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2-アクリルアミド)-2-メチルプロパン硫酸塩等のアニオン性高分子凝集剤、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等のノニオン性高分子凝集剤、アクリルアミドとアミノアルキルメタクリレートとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の両性高分子凝集剤が挙げられる。凝集状態を良好に維持することができることから、無機凝集剤を使用することが好ましい。また、排水中の成分や凝集状態に応じて、無機凝集剤と高分子凝集剤を併用してもよい。
【0032】
なお、本発明の水処理装置では、排水のpHを低下する凝集剤(以下、「酸性凝集剤」という。)を使用する場合に、その効果をより発揮することができる。炭酸イオンを含む排水を酸性凝集剤で凝集処理すると、酸性凝集剤の作用によりpHが酸性側に移行して炭酸が発生するという問題が顕著となる。一方、凝集剤添加前に炭酸除去を行うことにより、酸性凝集剤の添加時に発生する炭酸の量が低減されるため、フロックの浮遊を抑制するという効果をより発揮することができる。
【0033】
凝集槽41において、使用する凝集剤に応じてpHを調節してもよい。特に高分子凝集体を使用する場合には、pHを中性付近である6~8とすることが好ましい。
また、凝集槽41において、炭酸除去部3からの排水Wに無機凝集剤を添加した後、pHを中性付近に調節し、高分子凝集剤を添加する構成としてもよい。
【0034】
沈殿槽42で固液分離された凝集物及び処理水は、それぞれラインL5、L6を通じて、系外へ排出される。
なお、ラインL6には、処理水を系外に排出するためにpHを調節する構成を設けてもよい。
【0035】
〔第2の実施形態〕
図2は本発明の第2の実施形態の水処理装置の構成を示す概略図である。
第2の実施形態の水処理装置1bは、図2に示すように、第1の実施形態におけるpH調整槽21と、炭酸除去槽31と、凝集槽41を、1つの反応槽5としたものである。したがって、反応槽5は、pH計22、酸添加部23、曝気装置32、ブロワー33、凝集剤添加部43を備える。この反応槽5内でpH調節、炭酸除去、凝集が行われる。
水処理装置1bでは、ラインL7を通じて排水Wが反応槽5に供給され、反応槽5で処理された排水Wは、ラインL8を通じて沈殿槽42に供給される。沈殿槽42では排水Wが凝集物と処理水に固液分離され、それぞれラインL9、L10を通じて系外に排出される。
【0036】
水処理装置1bは、pH調節、炭酸除去、凝集を1つの槽内で行うため、装置全体として省スペース化を図ることが可能となる。
【0037】
なお、上述した実施形態は水処理装置1の一例を示すものである。本発明に係る水処理装置1は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施形態に係る水処理装置1を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【実施例
【0038】
図3に示す実施例1、比較例1及び比較例2の水処理工程により、炭酸イオンを含む排水の水処理を実施した。
実施例1は、本発明の水処理装置1に基づく水処理工程である。すなわち、実施例1は、被処理水W0に酸を添加してpHを酸性側に調節するpH調整、曝気により炭酸を除去する炭酸除去、炭酸除去された処理液に凝集剤を添加する凝集工程を行うものである。
【0039】
被処理水W0としては、銅イオンを13mg/L、SSを22mg/Lを含むpH9の排水を用いた。水処理の具体的方法としては、被処理水W0に、pH調整として硫酸を用いてpHを7.0とし、炭酸除去として曝気を行い、凝集として無機凝集剤の塩化第二鉄(FeCl)を添加し、さらに水酸化ナトリウムを添加してpHを中性付近とし、高分子凝集剤(SA-272)を添加して、処理水W1を得た。
【0040】
図3に示すように、比較例1の水処理工程は、実施例1の水処理工程からpH調整及び炭酸除去を除いたものであり、比較例2の水処理工程は、実施例1の水処理工程から炭酸除去を除いたものである。その他の条件については、実施例1と同様に行い、比較例1の水処理工程で処理された処理水W2、比較例2の水処理工程で処理された処理水W3を得た。
【0041】
図3には、各処理水W1、W2、W3のフロックの沈降性を示す写真を示している。
図3を見ると、本発明の水処理装置1に基づく実施例1の水処理工程によって処理した処理水W1はフロックが沈降している。これに対して、比較例1及び比較例2の水処理工程で処理した処理水W2、W3では、フロックが水面に浮上している。すなわち、実施例1においてのみフロックの沈降が起こり、凝集沈殿処理における処理効率を向上することができるという効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の水処理装置は、炭酸イオンを含む排水の処理に利用することができる。例えば、各種工場等から発生する排水処理に利用される他、河川水、地下水のような自然水の処理等にも利用することができる。
本発明の水処理装置は、特に、金属イオン及びSSを含むめっき工場やエッチング工場からの排水処理に利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1a、1b…水処理装置、2…pH調整部、3…炭酸除去部、4…凝集沈殿部、21…pH調整槽、22…pH計、23…酸添加部、24…タンク、25…バルブ、31…炭酸除去槽、32…曝気装置、33…ブロワー、41…凝集槽、42…沈殿槽、43…凝集剤添加部、5…反応槽、L1~L10…ライン、W…排水、W0…被処理水、W1…実施例1の処理水、W2…比較例1の処理水、W3…比較例2の処理水
図1
図2
図3