(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】交換可能なフィルタ体を備えたフィルタ装置およびフィルタ交換方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/88 20220101AFI20221101BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B01D46/88
B01D46/24 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017082731
(22)【出願日】2017-04-19
【審査請求日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】20 2016 002 433.8
(32)【優先日】2016-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504183229
【氏名又は名称】フォルクマン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム マース
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー テーゲルカンプ
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-038184(JP,A)
【文献】米国特許第06364923(US,B1)
【文献】英国特許出願公開第01541802(GB,A)
【文献】登録実用新案第3140157(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00-46/90
B01D24/00-37/04
G21F9/02-9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ体対称軸を含み、かつ粒子含有流体から粒子を除去するように形成された少なくとも1つの粒子フィルタ(2)が組み込まれた、1つのフィルタ位置に配置された1つの交換可能なフィルタ体(7)を備えるフィルタ装置(1)であって、
上記フィルタ体(7)は少なくとも1つの流体透過フィルタ体開口、および、開口のない少なくとも1つの非透過性フィルタ体ウォール部を有し、
当該フィルタ装置(1)は、1つのハウジング(6)を含み、当該ハウジングは上記流体が内部を通過できる一方、上記フィルタ体(7)を、上記流体が上記粒子フィルタ(2)を透過可能となるように配置できる流路(8)を有した非透過性であり、
上記ハウジング(6)内において、上記粒子含有流体を流入させるための少なくとも1つのフロー・インレット(3)および粒子除去流体を流出させるための少なくとも1つのフロー・アウトレット(4)をもつ上記流路(8)が、当該流路(8)におけるフロー・インレット(3)およびフロー・アウトレット(4)間の上記流体流れが上記フィルタ体(7’)の上記粒子フィルタ(2)を通るように配置されているものにおいて、
上記流路(8)は、上記フィルタ体対称軸(x)と共軸状または平行に延びる流路対称軸(x)を含み、
フロー・インレット(3)およびフロー・アウトレット(4)は、上記流路対称軸(x)に関して互いにオフセットして配置されており、
上記流路(8)および上記ハウジング(6)は、フィルタ挿入開口(9)およびフィルタ排出開口(10)を含み、上記フィルタ挿入開口(9)および上記フィルタ排出開口(10)は幾何学的配列において上記流路対称軸xに沿って配置されており、
上記フィルタ体(7)の交換を介した上記粒子フィルタ(2)の交換が交換フィルタ(2”)をもつ交換フィルタ体(7”)に当接して行われ、
これにより上記交換フィルタ体(7”)を上記流路(8)における上記フィルタ挿入開口(9)を通って押し込むことができ、
交換されるべき上記フィルタ体(7)を上記交換フィルタ体(7”)の上記挿入により上記フィルタ排出開口(10)を通って上記流路(8)の外部へ押し出すことができ、かつ、
上記フィルタ体(7)の挿入/押し出しに際して、少なくとも上記フロー・インレット(3)および/または上記フロー・アウトレット(4)は、上記交換フィルタ体(7”)がフィルタ位置に到達するまでの間に上記非透過性フィルタ体ウォール部により閉鎖される、ことを特徴とする、フィルタ装置。
【請求項2】
交換可能なフィルタ体(7,7')を備えるフィルタ装置(1)であって、
上記フィルタ体(7,7')
は共通の寸法および/または長手方向を向くフィルタ体対称軸(x)を含み、
すべてのフィルタ体(7,7')には粒子含有流体から粒子を除去するための粒子フィルタ(2,2')がそれぞれ組み込まれており、
すべてのフィルタ体(7,7')は少なくとも1つの流体透過性のフィルタ体開口、および、開口のない少なくとも1つの流体非透過性のフィルタ体ウォール部を有しており、
当該フィルタ装置(1)は、流路(8)を有して上記流体が移動可能な1つのハウジング(6)を含み、上記流路には第1の粒子フィルタ(2)をもつ第1のフィルタ体(7)、および、上記第1の粒子フィルタ(2)と同一の第2のフィルタ体(7')をもち、構造において上記第1のフィルタ体(7)と同一の第2のフィルタ体(7')が、上記第1の粒子フィルタ(2)および/または上記第2の粒子フィルタ(2')に上記流体が通過可能となるように配置されており、
上記ハウジング(6)において、粒子含有流体を流入させるための少なくとも1つのフロー・インレット(3)および粒子除去流体を流出させるための少なくとも1つのフロー・アウトレット(4)が、上記流路(8)におけるフロー・インレット(3)およびフロー・アウトレット(4)間の上記流体流れが上記第2のフィルタ体(2')の上記第2の粒子フィルタ(2')を通るように配置されているものにおいて、
上記流路(8)は、上記フィルタ体対称軸(x)と共軸状または平行に延びる流路対称軸(x)を含み、
上記フロー・インレット(3)および上記フロー・アウトレット(4)は、上記流路対称軸(x)に関して互いにオフセットして配置されており、
上記流路(8)および上記ハウジング(6)は上記インレット側の領域においてフィルタ挿入開口(9)を含み、上記アウトレット側の領域においてフィルタ排出開口(10)を含み、これにより上記フィルタ挿入開口(9)および上記フィルタ排出開口(10)は幾何学的配列において上記流路対称軸(x)に沿って配置されており、
交換フィルタ(2")をもつ交換フィルタ体(7")を上記流路(8)に押し込むことにより粒子フィルタ交換が行われ、
上記交換フィルタ体(7")は上記フィルタ挿入開口(9)を通って上記流路(8)に押し込まれ、
上記第1のフィルタ体(7)は上記交換フィルタ体(7")の挿入により上記第2のフィルタ体(7')の原始位置へと押され、
上記第1のフィルタ体(7)のスライドにより、交換されるべき上記粒子フィルタ(2')をもつ上記第2のフィルタ体(7')もまたスライドし、
上記交換フィルタ体(7")の上記挿入および上記第1のフィルタ体(7)の上記スライドにより、交換されるべき上記粒子フィルタ(2')をもつ上記第2のフィルタ体(7')は上記フィルタ排出開口(10)を通って上記流路(8)の外部へと押し出され、かつ、
上記フィルタ交換後の上記第1のフィルタ体(7)は、上記流路(8)における上記第2のフィルタ体(7')の位置をとることとなり、
上記フィルタ体(7)の挿入/押し出しに際して、上記フロー・インレット(3)および/または上記フロー・アウトレット(4)は、上記第1のフィルタ体(7)が上記第2のフィルタ体(7’)の原始フィルタ位置をとるまでの間に上記非透過性フィルタ体ウォール部により閉鎖されるとともに、上記交換フィルタ体(7")は上記第1のフィルタ体(7')の原始位置をとる、ことを特徴とする、フィルタ装置。
【請求項3】
上記流路(8)と上記フィルタ体(7,7',7")との間に、1またはそれ以上のシー
ル部が配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
上記フィルタ排出開口(10)の領域において上記ハウジング(6)の外部に配置されたチューブ備蓄により特徴づけられ、交換されるべき粒子フィルタ(2')を有する上記フィルタ体(7')を上記ハウジング(6)に設けられた上記チューブ備蓄から取られた取り外し可能な1つのチューブ部(12)内に入れることができ、それによりチューブ状フィルムが上記チューブ備蓄に配置されている、請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項5】
上記チューブ部(12)は、上記押し出されたフィルタ体(7')を内部に封止するこ
とができることを特徴とする、請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
上記フィルタ挿入開口(9)および/または上記フィルタ排出開口(10)を封止するための少なくとも1つのシール装置(14)により特徴づけられる、請求項1ないし5のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項7】
流体流れに挿入された粒子フィルタの交換方法であって、
上記粒子フィルタはフィルタ体内に配置されるとともに、上記フィルタ体は上記流体が流れる流路内に配置され、
上記フィルタの交換のために、交換フィルタをもつ交換フィルタ体が上記流路におけるフィルタ挿入開口を通って押し込まれ、
上記交換フィルタ体を上記流路に押し込むことにより、交換されるべきフィルタ体がフィルタ排出開口を通って上記流路から押し出され、
上記交換されるべきフィルタ体がスライドする間に、上記流路におけるフロー・インレットおよびフロー・アウトレットが、上記フィルタ体の開口のない非透過性ウォール部により閉鎖されるようにした、粒子フィルタの交換方法。
【請求項8】
流体流れに配置された粒子フィルタの交換方法であって、
第1のフィルタ体内の第1の粒子フィルタおよび上記第1のフィルタ体が、上記流体が流れる流路内に、第2の粒子フィルタをもつ少なくとも1つの追加の第2のフィルタ体とともに隣接して配置され、
フィルタ交換のために、1つの交換フィルタをもつ1つの
交換フィルタ体がフィルタ挿入開口を介して上記流路内に押し込まれ、
上記交換フィルタ体を上記流路内に押し込むために、上記
第1のフィルタ体、および交換されるべき上記第2のフィルタ体がフィルタ排出開口の方向に向けて上記流路内に押し込まれ、
上記
押し込みの結果として上記第2のフィルタ体は上記フィルタ排出開口を通って上記流路から押し出され、
これにより、上記第1および第2のフィルタ体がスライドする間に、上記流路におけるフロー・インレットおよびフロー・アウトレットが、上記フィルタ体の開口のない非透過性ウォール部により閉鎖されるようにした、粒子フィルタの交換方法。
【請求項9】
上記押し出されたフィルタ体は、フィルム状チューブ内に梱包され、これにより上記フィルム状チューブはフィルム状チューブ備蓄から切り離される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
上記フィルム状チューブは、上記押し出されたフィルタ体を梱包の後、しっかりとシールされ、かつシール後分離される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子フィルタをもつ交換可能なフィルタ体を備えたフィルタ装置を含み、一つには請求項1の前文の特徴にしたがう特徴をもち、他方、請求項2の前文の特徴にしたがう特徴をもつ。上記フィルタ体は、所定の作動フィルタ位置において、上記操作および交換装置内に配置される。上記フィルタ体は好ましくはフィルタ体対称軸を含む。(フィルタ体)対称軸は、ここでは線または点のセットを与える参照物または方向である。そしてこの対称軸は、例えばーしかし必須ではなくー少なくとも部分において幾何学軸の特徴を有する。粒子含有流体から粒子を取り除くために形成された少なくとも1つの粒子フィルタが上記フィルタ体に組み込まれる。上記粒子フィルタはHEPAフィルタ(HEPA:High Particulate Arrestance、「高性能粒子分離」と同意)、例えばクラス14HEPAフィルタとすることができる。あるいは、EPAフィルタまたはULPAフィルタを設けることができる(EPA:Efficient Particulate Air、ULPA:Ultra Low Particulate Air)。上記流体の流れは、(大気圧を超える圧力をもつ)圧縮空気流れ、または(大気圧以下の圧力での)吸引流れとして構成することができる。上記粒子は、例えばダストである。上記フィルタ体は、(例えばジャケット部の前または当該ジャケット部内の)少なくとも1つの流体透過性フィルタ体開口、および(例えば隣接するジャケット部の前または当該ジャケット部内の)少なくとも1つの流体非透過性フィルタ体ウォール部を有する。
【0002】
上記フィルタ装置は、ハウジング(汚染)を含み、これは、上記流体に対して透過性であり、流路をもつ他の流体に対しては非透過性である。上記流路は、上記ハウジングによりそれぞれ規制され、または自己の流路抵抗をもって上記ハウジング内に配置される。上記流路は、角張った、矩形の、直角の、円形の、または楕円の外形を有することができる。上記フィルタ体は、上記流路内に配置されるので、上記粒子フィルタは上記流体に対して透過性である。(特に並列作動時)いくつかの流路をも上記ハウジング内に配置することができる。上記フィルタ体の外形は上記流路の外形のほとんど一致するので、上記フィルタ体は、当該フィルタ体と上記流路との間にギャップがないかほんのわずかなギャップしか生じないようにして上記流路にフィットする。
【0003】
上記ハウジング内において、上記流路には、粒子含有流体が流入する少なくとも1つのフロー・インレット、および、粒子除去流体が流出する少なくとも1つのフロー・アウトレットが設けられ、これにより、上記流路におけるフロー・インレットとフロー・アウトレットとの間の流体流れは上記フィルタ体の粒子フィルタを通過するようになる。流れの方向が逆転すると、上記流体は上記フロー・アウトレットから流入し、上記フロー・インレットから流出する。
【0004】
上記流路内に2つのフィルタ体を、2重フィルタとして互いに隣接して設けることもできる。慣習的に、上記2つのフィルタの一方は、他方が不具合となった場合のバックアップとしての役割をはたす。上記フィルタ体は共通の寸法、および/または、長手方向におけるフィルタ体対称軸を有する。「長手方向」は格納容器の長手軸の大部分を意味し、少なくとも部分において上記流れは当該長手方向に沿って流れる。粒子フィルタはすでに各フィルタ体に組み込まれている。加えて、上記フィルタ装置は、ハウジングを含み、このハウジングは、上記流体が通って流れる流路を有し、当該流路には第1の粒子フィルタをもつ第1のフィルタ体、および好ましくは上記第1のフィルタ体と構造的に同一で、好ましくは上記第1の粒子フィルタと同一の第2の粒子フィルタをもつ第2のフィルタ体を、例えば最初に上記第1の粒子フィルタおよび/または上記第2の粒子フィルタを上記流体が透過できるようにして配置することができる。上記フロー・インレットと上記フロー・アウトレットとの間において、上記流体は、上記第1のフィルタ体の上記第1の粒子フィルタおよび(そこから)上記第2のフィルタ体の上記第2の粒子フィルタを通って上記流路内を流れる。構造的に同一でないフィルタでフィルタ交換をする必要がある場合には、当該交換フィルタは、交換されるべきフィルタより長いか、短いか、あるいは軽いか、あるいはより安定している可能性がある。フィルタ交換により包含されるフィルタが同一ではなくなる場合、フィルタのクラスもまた、例えばHEPAクラス14からHEPAクラス12へと、またはその逆に変更されうる。上記交換フィルタの粒子フィルタは、例えば、交換されるべきフィルタ体のフィルタのフィルタ・クラスよりも高い、あるいは低いフィルタ・クラスを含むことができる。
【0005】
上記構造は少なくとも2つのハウジング部をもつハウジングを有することができ、これにより、すべてのハウジング部は上記した特徴を含む。第1のハウジング部に適用される流路は、第2のハウジング部の流路に対して流体力学的に直列とすることも並列とすることもできる。
【0006】
本発明はまた、粒子含有流体から粒子を除去するための粒子フィルタをもつ、あるいは粒子フィルタからなるフィルタ体に関する。
【0007】
本発明はまた、(ほぼ)一定流れを維持しつつ、流体流れ中に挿入された粒子フィルタを交換する方法を含む。
【0008】
(削除)
【背景技術】
【0009】
特にガス状の搬送流体によりダストを含む製品を輸送または搬送するために、上記搬送流体のクリーニング/フィルタリングにかかる出費はしばしば問題となる。本発明は、流体のクリーニング/フィルタリングにかかる出費の低減を企図してきた。
【発明の概要】
【0010】
流体のクリーニングは通常、EPA、HEPA、またはULPAフィルタにより行われるが、これらのフィルタは定期的に交換する必要がある。フィルタ交換にかかる出費は、請求項1にしたがうフィルタ体の操作および交換装置により著しく低減することができ、これにより流体のクリーニング/フィルタリングにかかるトータルな出費が低減される。本発明の構成は、従属請求項に表われている。
【0011】
上記流路は、好ましくは流路対称軸を含み、この対称軸は、フィルタ体対称軸に対して平行に、かつ実際には共線状に延びる。上記流路対称軸は、-上記フィルタ体対称軸にしたがい-ここでは、例えばラインやポイントのセットを与えるリファレンスまたは方向であり-しかし必ずしも必須ではなく-少なくとも部分的に幾何学軸の特徴を有する。例えば、かつ上記流路対称軸に関して、上記流路のフロー・インレットおよびフロー・アウトレットは、互いにオフセットし、および/または、互いに離間して配置される。シリンダ形状、またはシリンダと近似した格納形態が設けられる場合、上記フロー・インレトと上記フロー・アウトレットとの間に、単に半径方向のオフセットを形成することができ、その結果フロー・インレットとフロー・アウトレットは相対配置される。
【0012】
上記流路、特に上記流路および上記ハウジングは、フィルタ挿入開口およびフィルタ排出開口を含む。上記フィルタ排出開口を通じて、例えば落下、押し出し、引き出し、あるいは通常の外方移動により、上記フィルタを上記装置から取り出すことができる。上記フィルタ排出開口またはフィルタ除去開口に隣接して、例えばチューブ、チャンバまたはバッグのような廃棄フィルタ用の貯蔵部を配置することができ、上記(廃棄)フィルタを少なくとも一時的に貯蔵することができる。上記フィルタ挿入開口および上記フィルタ排出開口は、幾何学的配列において、例えば上記流路対称軸に沿って配置することができる。上記粒子フィルタの交換は、交換フィルタをもつ交換フィルタ体として、フィルタ体を取り換えることにより行う。上記交換フィルタ体はそれにより、上記挿入開口を通じて上記流路へとスライドする。取り除かれるフィルタ体は、このような上記交換フィルタ体の挿入により上記排出開口から押し出される。上記フィルタ体の押し込みおよび押し出しの間、上記フロー・インレットおよび/または上記フロー・アウトレットは、交換フィルタ体がフィルタ位置に到達するまで流体封止フィルタ体ウォール部により流体工学的にシールされ、その結果、粒子フィルタの交換の間上記流路が開かれず、かつ、流れをほとんど中断することなく上記粒子フィルタの交換が行われるようになる。
【0013】
配置されたフィルタ体がハウジング内で適切に作動するために、上記フィルタ体開口あるいは複数のフィルタ体開口は、フロー・インレットとフロー・アウトレットとの間において上記流路内に配置される。フィルタ交換の間上記フィルタ体が押動されまたはスライドするために、少なくとも1つのフィルタ体ウォール部がフロー・インレットとフロー・アウトレットとの間に形成され、その結果として上記流路は流体工学的にしっかりと閉じられる。好ましくは、少なくともフィルタ押動の間、フィルタ体ウォール部が上記フロー・インレットの前にシールを設けつつ形成され、さらなるフィルタ体ウォール部が上記フロー・アウトレットの前にシールを設けつつ形成される。
【0014】
上記流路は、フィルタ交換の間、特定の種類のスルースゲートを形成する。上記流路内での上記フィルタ交換の間の空気停止の期間は、10秒未満であり、特には1/10秒よりも短い。上記流路、さらに上記ハウジングは、複数のフロー・インレットおよび複数のフロー・アウトレットを組み込むことができる。例えば、3つの流路開口を想定することができ、この場合、2つをインレット側に、1つを(反対側の)アウトレット側とするか、または1つをインレット側、2つをアウトレット側とする。
【0015】
上記フィルタ交換にかかる出費は、請求項2にしたがう複数のフィルタ体をもつ操作および交換装置によりさらに低減することができる。これにしたがい、上記流路は、好ましくは、フィルタ体対称軸と平行に延びる、実際には共軸状に延びる流路対称軸を有する。上記流路対称軸に関し、上記フロー・インレットと上記フロー・アウトレットは相互にオフセットするか、または互いに離間して配置される。上記流路、特に上記流路および上記ハウジングは、フィルタ挿入開口およびフィルタ排出開口を一体に有し、これにより、好ましくは、上記フィルタ挿入開口および上記フィルタ排出開口は幾何学配列において上記流路対称軸に沿って例えば上記ハウジングの前部に配置される。上記ハウジングの底面視が曲がりまたはカーブを含む場合、上記フィルタ体は重ねて配置される。粒子フィルタの交換は、交換フィルタをもつ交換フィルタ体を上記流路に挿入することによって行われる。上記交換フィルタ体は、上記挿入開口を介して上記流路に押し込むことができる。第1のフィルタ体は、上記交換フィルタ体を第2のフィルタ体の原始位置に押し込むことによってシフトさせられる。第1のフィルタ体をシフトすることにより、第2のフィルタ体はまた、粒子フィルタを交換することによって粒子を伴いシフトさせられる。上記交換フィルタ体の挿入および第1のフィルタ体のシフトにより、交換粒子フィルタをもつ第2のフィルタ体は、上記排出開口を通って上記流路から押し出される。上記第1のフィルタ体は、上記フィルタ交換後、流路において上記第2のフィルタ体の位置をとる。少なくとも上記フィルタ体の挿入/押し出しの間、フロー・インレットおよび/またはフロー・アウトレットは、流体封止フィルタ体ウォール部により、上記第2のフィルタ体が上記第1のフィルタ体の位置をとり、かつ交換フィルタ体が上記第2のフィルタ体の原始フィルタ位置をとると想定できるまでの十分長い期間流体工学的にブロックされ、その結果、粒子フィルタの交換の間上記流路は開かれず、流れを中断することなく上記粒子フィルタの交換がほぼ完全に行われるようになる。このようなフィルタ(体)配置のために、上記流路内において、2以上の、例えば3、4、5またはそれ以上の直列配置されたフィルタ体を想定することができる。常に、フィルタ体の列における第1および最後のフィルタ体がフィルタ交換に関与する。最後のフィルタ体は、その背後から押すフィルタ体により押し出され、第1のフィルタ体は第2のフィルタ体となり、第2のフィルタ体は第3のフィルタ体となる。
【0016】
形状に依存して、上記流路と上記フィルタ体との間に1またはそれ以上のシール部、とりわけ、シールを適用することを想定することができる。フロー・インレットまたはどちらかといえば複数のフロー・インレット、および、フロー・アウトレットまたはどちらかといえば複数のフロー・アウトレットは、流れ方向またはどちらかといえば互いの対称オフセットの方向に依存する。不整列により、フィルタ体のシフト時、インレット側、アウトレット側またはそれら両側において、特に1またはそれ以上のフィルタ体を介して、開口のロックまたは狭小化が発生する。流れの中断またはどちらかといえば空気の停止は、フィルタ体がシフトする間、流れがただフィルタ全体(例えば第1のフィルタ)の交換の間流路に留まる特定のフィルタを通って流れる場合に特に効果的に回避される。上記交換およびフィルタがスライドする間、上記流路に留まるフィルタ(第1のフィルタ)は、当該装置のフィルタリング機能をそれ自体でわずかの期間引き継ぐ。第1のフィルタをシフトする間、少なくとも1つのフロー・インレットおよび/または少なくとも1つのフロー・アウトレットは、上記第1および/または第2のフィルタ体によって流体工学的にブロックされる。加えて、上記対称軸および/または流れの方向に依存して、少なくとも1つのインレットの少なくとも1つのアウトレットに対する空間的な不整列が望まれる。不整列の幅は、使用されるフィルタ体の形状により決定することができる。例えば、フィルタ挿入開口の領域またはフィルタ排出開口の領域における流出側の流れ開口を配置することができ、一方、流入側の流れ開口を、特にフィルタ挿入開口およびフィルタ排出開口間において中心またはほぼ中心に位置するように配置することができる。
【0017】
取り除かれたフィルタ体を梱包するため、フィルタ排出開口の領域において、上記ハウジングの外部に配置されたチューブの備蓄を設けることができる。上記の梱包は、取り除かれているフィルタが交換のほとんどの場合において流体からの粒子に富み、かつ、「満杯」になっていることが適切である。上記粒子は通常、健康リスク(製薬業において物質を含むダスト;工業において少なくとも部分的に有害な微小ダスト粒子を含むダスト)を形成するので、交換の直後にフィルタ/フィルタ体を梱包することにより、フィルタ交換にかかる出費は著しく低減される。これを行うため、取り除かれたフィルタを含むフィルタ体は、即座に、ハウジングに付属するチューブ備蓄から引き出されうるチューブ部に位置させられるべきである。上記チューブ備蓄は、ハウジングの側部取付け部の周囲を包み込んでおり、この側部取り付け部は、ハウジングをチューブ・ディスペンサに変える。
【0018】
上記チューブ備蓄に、またはそれよりもむしろ上記ハウジングの部分に、好ましくは特別なチューブ備蓄を形成するチューブ状フィルムが配置される。取り除かれたフィルタ体を包み込む上記チューブは、上記フィルタ体を、例えばクランプ、紐または(熱)シールで封止することができる。
【0019】
2つのフィルタ交換手順の間に封じ込められた内容物がより保護され、これによりフィルタの耐久性および交換コストを低減できるように、フィルタ挿入開口および/またはフィルタ排出開口を閉じるための少なくとも1つのロック装置を設ける必要がある。この装置は、上記チューブ備蓄からのチューブをシールすることができ、特に、シールおよび解除が可能なチューブ・シール手段を含むことができる。
【0020】
本発明により規定された上記フィルタ装置は、少なくとも安全装置を含むことができる。この安全装置の結果として、当該操作および交換装置の操作中のエラーが回避される。可能性のある操作エラーは、例えば、上記フィルタまたは上記したようなフィルタを介したフィルタの押動に代えてフィルタ(第1のフィルタ)を引き出すことである。このような操作エラーは、上記流路またはそれよりもむしろ内容物の開放を伴うことがあり、これは、上記流路および/または当該交換装置の周囲の汚染につながり、同時に当該装置に接続された装置の過負荷/損傷につながる。このようなことを防止するために、例えば、上記ハウジングにおいて(外部)管理装置が計画され、これにおいて、意図された(交換)フィルタを配置可能であり、かつ、最小限の支援においてフィルタ体を挿入し、かつ、ハウジング内での(交換)フィルタ体の正確な配置を確実にする。上記管理装置は、少なくとも、(交換)フィルタ体を上記ハウジング内へ押圧することができる、フィルタ体用のトラックのようなガイドを含むことができる。フィルタ体を押し込む際の曲がりまたは傾斜がこれにより回避され、オペレータが上記した以外の何らかの方法でフィルタ交換を実行する有効なアイディアを得る必要がなくなるという更なる利点につながる。選択的に、または加えて、ハウジング内での動きに対するガイド障壁は、フィルタ体に最初の(意図された)方向における動きをさせ、かつ、フィルタ体が反対方向(誤った方向)へ動くことを防止することが期待される。これを行うために、上記フィルタ装置のハウジングにおいて、特別なバネ力駆動のフックまたはフラップ機構は、上記フィルタ体の動きを規制し、かつフィルタ体の適正な方向への動きを許容し、かつ、フィルタ体が適正な方向と反対方向へ移動した場合に当該フィルタ体をオープン状態にブロックすることが期待される。
【0021】
フィルタ交換にかかる出費は、粒子含有流体から粒子を除去するための粒子フィルタをもつフィルタ体によって低減することができる。このようにして、上記フィルタ体は、本明細書に記載したフィルタ装置において上記フィルタ体を用いるに適したフィルタ体形状をもつ。フィルタ体について好ましい方法は、通例、ほぼ円筒形状をもつこと、すなわち、フィルタ体の前部がラウンド(または円形)していることである。選択的には、立方体形状が考えられ、前部が矩形または方形のようになる。上記形状はまた、所望であれば三角形であってもよく、上記フィルタ体はプリズム形状をとるようになる。本明細書で「対象軸」として説明している参照ラインは、横断面の(幾何学的)重心としての特徴点を通って延び、かつ、本質的にフィルタ体の線形拡張方向に対して平行である。
【0022】
フィルタ交換にかかる出費は、選択的にまたは付加的に、粒子含有流体から粒子を除去するための粒子フィルタをもつフィルタ体により低減することができる。上記フィルタ体/粒子フィルタは、少なくともシール部、特にシールを含む。上記シール部または上記シールは、粒子フィルタの一部/部分に設けることができるか、または、上記フィルタ体の一部/部分により設けることができる。上記シール部またはシールは、上記流路と上記ハウジング間の流体工学的な封止を提供する。上記フィルタは、上記粒子フィルタの特徴および上記フィルタ・ハウジングに関するシール特性を含む一部材として設けることができる。この場合、上記粒子フィルタは、(ダスト)フィルタ特性だけではなく、ハウジング内の(流体工学的)シール機能をも有する。
【0023】
フィルタ交換にかかるコストは、請求項7に記載された手法によって、さらに低減することができる。この手法は、流体流れ中に挿入された粒子フィルタの交換をほぼ一定流れを維持しつつ達成することができる。上記粒子フィルタは、フィルタ体内に配置され、かつ、上記フィルタ体は、流体が通過する流路内に配置される。フィルタを交換するために、交換フィルタをもつ交換フィルタ体がフィルタ挿入開口を通って流路内に挿入される。交換フィルタ体を上記流路内に押し込む結果として、交換されるべきフィルタ体がフィルタ排出開口を通って上記流路から押し出される。交換されるべきフィルタ体がスライドする間、上記流路はフィルタ体の流体封止ウォール部により閉じられ、上記流路またはそれよりもむしろ上記内容物がフィルタ交換の結果として開放されることがないようになる。
【0024】
フィルタ交換にかかる出費は、請求項8に記載された手法により、さらに低減することができる。第1の粒子フィルタが第1のフィルタ体内に配置され、かつ、上記第1のフィルタは、流体が通過する上記流路内に、少なくとも1つの追加的な、第2の粒子フィルタをもつ第2のフィルタ体とともに順次配置され、これらのフィルタ体は、互いに隣接して配置される。フィルタを交換するために、交換フィルタをもつ交換フィルタ体がフィルタ挿入開口を介して押し込まれる。上記交換フィルタ体が上記流路内に押し込まれる結果、上記第1のフィルタ体および上記第2のフィルタ体は、交換のために上記流路内へフィルタ排出開口の方向にスライドさせられる。このスライドにより、上記第2のフィルタ体はフィルタ排出開口を通って上記流路から押し出される。
【0025】
好ましくは、押し出されたフィルタ体は、フィルム状のチューブ内に包み込まれ、これによって、上記フィルム状チューブは、特別なエンドレス状のフィルム状チューブ供給部から得ることができる。この文脈において「エンドレス状」は、チューブ備蓄を意味し、これは、かなりの数(約50、あるいはそれより多く、200またはそれ以上)のチューブ部分を当該チューブ備蓄が使い尽くされるまでに供給する。したがって、チューブ部分は、フィルタ体の長さの約2倍の長さを有し、上記長さの単に1.5倍とする可能性もある。押し出されたフィルタの包み込みの後、上記フィルム状チューブを特に強固にシールすることができ、好ましくはシールの後、切り離される。
【0026】
(削除)
【0027】
上記で名づけられた構造構成物、同様に実施例において説明するように使用される構成物は、サイズ、形状、構造の材質および技術的設計に関するいかなる特別な例外とはならず、その結果、どのような適用分野、周知な選択基準をも例外なく適用することができる。
【0028】
本発明の目的のさらなる詳細、特徴および利点は、従属請求項および添付図面から理解される。それらにおいて、例えば、操作および交換装置の実施例が示されている。また、請求項または実施例の個別の特徴は、他の請求項および実施例の他の特徴と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図3-6】
図2に示す
フィルタ装置を断面図で示し、それぞれ
状態が変更されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、(HEPA)フィルタ2
を含むフィルタ装置1の斜視図である。上記フィルタ2は、EPA、HEPA、またはULPAフィルタとすることができる。ガス吸引流のような流体が上記装置1を通って流れる。選択的には、陽圧ガス流を上記装置1に供給することができる。上記流体は、以下において吸引流れとしての意味を有する。
図1は、装置1のハウジング6を示す。上記ハウジング6は、これを通って上記吸引流れを供給することができる流路8を形成する。
【0031】
ガス吸引流れは、図示しないコンベア内で製品または製品粒子を前進させることができる。上記装置1は、上記吸引流れが生成される領域または吸引流れが調整される領域においてコンベアに接続することができる。上記吸引流れは上記装置1を通って流れ、これにより上記吸引流れは、上記装置1の内部に配置されたHEPAフィルタ2によって(ダスト)粒子が除去される。
【0032】
上記装置1の側面図が
図2に示されており、同図においてフロー・インレット3およびフロー・アウトレット4が確認できる。フロー・インレット3およびフロー・アウトレット4は、それぞれ、上記吸引流れに通じる(図示しない)パイプまたはチャンネルをもつ接続開口3,4用のフランジを含む。
図2によれば、装置1の上記インレット側が上部に位置し、アウトレット側が装置1の下部5に位置する。装置1をベースまたはポンプ・ハウジングに固定するためのファスナが上記下部に設けられる。
【0033】
図3-6は、
図1、2と同じ装置1の横断面である。
図3-6はそれぞれ、互いに隣に配置された2つのHEPAフィルタ2,2’を示す。上記フィルタ2,2’は、それぞれ1つのフィルタ体7,7’内に配置されている。フィルタ2およびフィルタ2’は、同一であり、フィルタ体7およびフィルタ体7’も同一である。上記フィルタ2,2’をもつ上記フィルタ体7,7’は、上記装置1の上記ハウジング6の対称軸x(
図2参照)を向いて、前後に並んだ配列において配置されている。上記フィルタ体7,7’は、流れの方向について隣接して配置されている。
【0034】
上記フィルタ体7,7’は、上記ハウジング6を貫通して形成される流路8内に配置される。流路8およびフィルタ体7,7’は、ほとんど同じ形状を有しており、その結果、上記フィルタ体7,7’は流路8内に配置されかつ密閉されうる。上記吸引流れはしたがって、HEPAフィルタ2,2’のみを通って移動し、上記フィルタ材料の周囲および上記フィルタ体7,7’の周囲を移動することはない。上記流れは
図3において矢印で示されている。
【0035】
上記の流れは、上記フロー・インレット3を通って上記フィルタ体7’の上記粒子フィルタ2’へと流れる。ここから、上記の流れは、フィルタ体7とフィルタ体7’との間の領域において、上記フィルタ体7’の前部のフィルタ体開口を横断して進む。上記の流れはその後、フロー・アウトレット4に進む。ここで、上記フィルタ体7およびこれによりフィルタ体7’が(
図3において左方へ)押圧されると、フロー・アウトレット4およびフロー・インレット3は、上記フィルタ体7’のウォール部により非透過状に閉じられる。このことは、スライドにより-換言すると、上記フィルタ体7,7’の交換の間-上記装置のハウジング6における流路は開かれないことを意味する。したがって、フィルタ体交換が行われている間、すなわち、上記ハウジングが端部において開いている間、流体の粒子含有流れは上記交換がおこなわれている環境に入り込まない。加えて、フィルタ交換が実行される間、周囲空気は全くまたはほとんど入り込まない。
【0036】
図3に記号で表される流れはまた、反対方向へ、すなわちフロー・アウトレット4からフィルタ2’を通ってフロー・インレット3へ流れることができる。バイパスを設けることもでき、その結果、フィルタ交換の間、上記ハウジングに配置された(停止させられた)第1のフィルタ(フィルタ2)がわずかに当該バイパスを介して流れ、やがて当該第1のフィルタが上記フィルタ交換によりなされる意図された位置に着座するようになる。上記バイパスは、部分的に上記ハウジング内に、および/または、部分的に上記ハウジング外に配置することができる。上記バイパスは、少なくとも上記ハウジングの流れ開口の一つをそれ自身のものとして取り囲むことができる。
【0037】
図4において、フィルタ体7"の交換が示されている。フィルタ体7"の交換は、挿入されていたフィルタ(7,7’)の一つを交換するためである。これを行うため、以下の手順行う。最初に、ハウジング6のフィルタ挿入開口9がロック装置14を外すことにより開けられる。このように開けられた状態が
図4に示されており、閉じられた状態が
図3に示されている。未使用のHEPAフィルタをもつ交換フィルタ体7"が
図4に示すように装置1のハウジング6の内に側部から押し込まれる。これは、交換フィルタ(7"および2")および挿入されていたフィルタ(7,2;7’,2’)が、特に幾何学的寸法に関して構造的に同一であることにより可能である。
【0038】
上記対称軸xに沿って(
図3,4,5および6において「左」方向)上記交換フィルタ7"が押し込まれる結果、上記ハウジング6内に挿入されていたフィルタ7,7’は、上記対称軸xの方向に沿って(同様に左方へ)スライドさせられる。上記フィルタ排出開口10に最も近いいずれかのフィルタ(フィルタ7’)は、上記ハウジング6から押し出され、そこから上記チューブ11の部分12内に収容される。
【0039】
この状態は
図5に示されている。フィルタ2’をもつフィルタ体7’は、上記ハウジング6から押し出される。フィルタ2をもつフィルタ体7は、上記フィルタ2’をもつフィルタ体7’の原始位置をとる。このときフィルタ2"をもつ交換フィルタ体7"は、上記フィルタ2をもつフィルタ体7の原始位置をとる。交換された、というよりはむしろ取り除かれたフィルタ7',2'は、チューブ部12内に梱包される。上記チューブ11は、チューブ備蓄が上記ハウジングの外部に位置するようにして上記ハウジング6上に備蓄される。上記チューブ部12は、フィルタの交換の度ごとに上記チューブ備蓄から取り外すことができる。
【0040】
チューブ部12をひもで括り、またはふさぐことにより、
図6から除去することができる。上記チューブ部12は、適当な分離仲介手段(ナイフ、はさみ、ホット・ワイヤ)により上記チューブ11から分離することができる。取り除かれ、かつ通常は汚れた上記フィルタ体7’内のフィルタ2’は、このようにして、上記フィルタ2’,7’内に集められた粒子が装置1の周囲に出ることなく安全に廃棄することができる。
【0041】
HEPAフィルタ(2,2’,2")のフィルタ・クラスを変更する必要がある場合には(例えば、クラス14に代えてクラス12)、新しいHEPAクラスの2つの交換フィルタ2"をすぐに使える状態で保持しておき、上記した手順を2回、各回新しいフィルタ・クラスで実行する必要がある。
【符号の説明】
【0042】
1 フィルタ装置
2,2’,2" HEPAフィルタ
3 フロー・インレット
4 フロー・アウトレット
5 下部
6 ハウジング
7,7’,7" フィルタ体
8 流路
9 フィルタ挿入開口
10 フィルタ排出開口
12 チューブ部
13 チューブ備蓄
14 ロック機構
x 対称軸