(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】有機発光表示装置及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 33/04 20060101AFI20221101BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221101BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20221101BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221101BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20221101BHJP
H05B 33/28 20060101ALI20221101BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221101BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221101BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221101BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H05B33/04
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/28
H05B33/10
H01L27/32
G09F9/30 365
G09F9/30 308Z
G09F9/30 309
G09F9/30 310
G09F9/00 338
(21)【出願番号】P 2018121193
(22)【出願日】2018-06-26
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0116131
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成 宇 ヨン
(72)【発明者】
【氏名】尹 昇 好
(72)【発明者】
【氏名】趙 原 濟
(72)【発明者】
【氏名】崔 原 ウ
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0148856(US,A1)
【文献】特開2015-023023(JP,A)
【文献】特開2006-004917(JP,A)
【文献】特開2013-134813(JP,A)
【文献】特開2011-124228(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346473(US,A1)
【文献】特開2014-021498(JP,A)
【文献】国際公開第2019/030858(WO,A1)
【文献】特開2010-014475(JP,A)
【文献】国際公開第2013/046545(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212303(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/04
H01L 51/50 - 51/56
H05B 33/02
H05B 33/12
H05B 33/22
H05B 33/28
H05B 33/10
H01L 27/32
G09F 9/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンダカットされた溝が形成され
たフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に配置され、有機発光層を含み、前記溝によって断絶され
た共通層と、
前記共通層上に配置され、前記共通層を覆う封止部材
とを含
み、
前記フレキシブル基板は、第1のプラスチック層と、前記第1のプラスチック層上に配置された第1のバリア層とを含み、
前記溝における前記第1のプラスチック層は、前記第1のバリア層に対してアンダカットされていることを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記溝は、前記第1のバリア層の厚さ、及び前記第1のプラスチック層の厚さの一部に対応するように形成され
ていることを特徴とする請求項
1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
更に、前記フレキシブル基板は、前記第1のバリア層上に配置され
た第2のプラスチック層と、前記第2のプラスチック層上に配置され
た第2のバリア層と
を含み、
前記溝における前記第2のプラスチック層は、前記第2のバリア層に対してアンダカットされ
ていることを特徴とする請求項
1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第2のバリア層における前記溝の幅は、前記第1のバリア層における前記溝の幅より
も大きいことを特徴とする請求項
3に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記共通層は、前記溝の外部に配置され
た第1の部分と、前記溝の内部に配置され
た第2の部分とを含み、
前記第1の部分と前記第2の部分は、互いに断絶され
ていることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記封止部材は、前記共通層の前記第1の部分、前記共通層の前記第2の部分、及び前記溝によって露出され
た前記フレキシブル基板の表面を覆うことを特徴とする請求項
5に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記封止部材は、少なくとも1つの無機膜、及び少なくとも1つの有機膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの無機膜は、前記溝によって露出され
た前記フレキシブル基板の表面を覆うことを特徴とする請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの有機膜は、前記溝の外部に配置され
ていることを特徴とする請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
表示領域、貫通領域、及び周辺領域を含み、前記周辺領域にアンダカットされた溝が形成され
た基板と、
前記基板の前記表示領域上に配置され
た有機発光素子と、
前記基板の前記周辺領域上に配置され、前記溝により断絶され
た共通層と、
前記有機発光素子及び前記共通層上に配置され
た封止部材
とを含
み、
前記基板は、第1のプラスチック層と、前記第1のプラスチック層上に配置された第1のバリア層とを含み、
前記溝における前記第1のプラスチック層は、前記第1のバリア層に対してアンダカットされていることを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項11】
前記周辺領域は、前記表示領域と前記貫通領域
との間に位置することを特徴とする請求項
10に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記周辺領域は、前記貫通領域を取り囲み、
前記表示領域は、前記周辺領域を取り囲むことを特徴とする請求項
11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記有機発光素子は、
画素電極と、
前記画素電極上に配置され
た第1の有機機能層と、
前記第1の有機機能層上に配置され
た有機発光層と、
前記有機発光層上に配置され
た第2の有機機能層と、
前記第2の有機機能層上に配置され
た共通電極を含むことを特徴とする請求項
10に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記共通層は、前記第1の有機機能層、前記第2の有機機能層、及び前記共通電極の少なくとも1つが延在して形成され
ていることを特徴とする請求項
13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
更に、前記有機発光素子と前記封止部材
との間に配置され
たキャッピング層を含み、
前記共通層は、前記第1の有機機能層、前記第2の有機機能層、前記共通電極、及び前記キャッピング層の少なくとも1つが延在して形成され
ていることを特徴とする請求項
13に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
キャリア基板を準備するステップと、
前記キャリア基板上に、フレキシブル基板を形成するステップと、
前記フレキシブル基板に、アンダカットされた溝を形成するステップと、
前記フレキシブル基板上に有機発光層を含み、前記溝によって断絶される共通層を形成するステップと、
前記共通層上に、前記共通層を覆う封止部材を形成するステップとを含
み、
前記フレキシブル基板を形成するステップは、
前記キャリア基板上に、第1のプラスチック層を形成するステップと、
前記第1のプラスチック層上に、第1のバリア層を形成するステップとを含み、
前記溝は、前記第1のプラスチック層、及び前記第1のバリア層に一体に形成されることを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記溝は、前記フレキシブル基板にレーザを照射して形成されることを特徴とする請求項
16に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第1のバリア層のレーザ吸収率よりも大きいことを特徴とする請求項
16に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項19】
更に、前記フレキシブル基板を形成するステップは、
前記第1のバリア層上に、第2のプラスチック層を形成するステップと、
前記第2のプラスチック層上に、第2のバリア層を形成するステップとを含み、
前記溝は、前記第1のプラスチック層、前記第1のバリア層、前記第2のプラスチック層、及び前記第2のバリア層に一体に形成されることを特徴とする請求項
16に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記溝は、前記フレキシブル基板にレーザを照射して形成されることを特徴とする請求項
19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記第2のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第2のバリア層のレーザ吸収率よりも大きいことを特徴とする請求項
19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項22】
更に、前記フレキシブル基板から前記キャリア基板を分離するステップと、
前記キャリア基板が分離された前記フレキシブル基板の一面に、下部保護フィルムを取り付けるステップと、
前記封止部材上に偏光部材を形成するステップと
、を含むことを特徴とする請求項
16に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項23】
更に、前記下部保護フィルム、前記フレキシブル基板、前記共通層、前記封止部材、及び前記偏光部材を貫通する貫通孔を形成するステップを含むことを特徴とする請求項
22に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記貫通孔により、前記溝の少なくとも一部が露出されることを特徴とする請求項
23に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。より詳しくは、本発明は、有機発光表示装置、及び有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、映像を表示する装置であって、近年、有機発光表示(organic light-emitting display)装置が注目されている。このような有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示(liquid crystal display)装置とは異なり、別の光源が不要であるので、装置としての厚さと重さを削減できる。また、有機発光表示装置は、低消費電力、高輝度及び高反応速度などの高品位特性を有する。
【0003】
有機発光表示装置の性能及び寿命を向上させ、外部からの水分及び酸素の影響を最小化するためには、気密なシールが求められる。しかし、通常の有機発光表示装置においては、有機発光表示装置内の有機発光素子が、外部から前記有機発光表示装置内に流入する酸素及び水分と反応して、劣化するという不都合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、透湿(外部からの湿気の流入)が遮断される有機発光表示装置を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、透湿を遮断する有機発光表示装置の製造方法を提供することである。
【0006】
しかし、本発明の目的は、これらの目的に限定されず、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で様々に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した本発明の目的を達成するためになされた、一様態による有機発光表示装置は、アンダカットされた溝が形成されるフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に配置され、有機発光層を含み、前記溝によって断絶される共通層と、前記共通層上に配置され、前記共通層を覆う封止部材を含む。
【0008】
前記フレキシブル基板は、第1のプラスチック層と、前記第1のプラスチック層上に配置される第1のバリア層とを含み、前記溝における前記第1のプラスチック層は、前記第1のバリア層に対してアンダカットされ得る。
【0009】
好ましくは、前記第1のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第1のバリア層のレーザ吸収率よりも大きい。
【0010】
前記溝は、前記第1のバリア層の厚さ、及び前記第1のプラスチック層の厚さの一部に対応するように形成され得る。
【0011】
前記フレキシブル基板は、前記第1のバリア層上に配置される第2のプラスチック層と、前記第2のプラスチック層上に配置される第2のバリア層とを更に含み、前記溝における前記第2のプラスチック層は、前記第2のバリア層に対してアンダカットされ得る。
【0012】
好ましくは、前記第2のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第2のバリア層のレーザ吸収率よりも大きい。
【0013】
好ましくは、前記第2のバリア層における前記溝の幅は、前記第1のバリア層における前記溝の幅より大きい。
【0014】
前記第1のプラスチック層及び前記第2のプラスチック層はそれぞれ、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリエーテルスルホン(PES)の少なくとも一つを含み得る。
【0015】
前記第1のバリア層及び前記第2のバリア層はそれぞれ、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又は非晶質シリコンの少なくとも1つを含み得る。
【0016】
前記共通層は、前記溝の外部に配置される第1の部分と、前記溝の内部に配置される第2の部分とを含む。前記第1の部分と前記第2の部分は、互いに断絶され得る。
【0017】
前記封止部材は、前記共通層の前記第1の部分、前記共通層の前記第2の部分、及び前記溝によって露出される前記フレキシブル基板の表面を覆い得る。
【0018】
前記封止部材は、少なくとも1つの無機膜、及び少なくとも1つの有機膜を含み得る。
【0019】
前記少なくとも1つの無機膜は、前記溝によって露出される前記フレキシブル基板の表面を覆い得る。
【0020】
前記少なくとも1つの有機膜は、前記溝の外部に配置され得る。
【0021】
前記封止部材は、前記共通層上に配置される第1の無機膜、前記第1の無機膜上に配置される第2の無機膜、及び前記第1の無機器膜と前記第2の無機膜の間に配置される有機膜を含み得る。
【0022】
前述した本発明の目的を達成するためになされた、一様態による有機発光表示装置は、表示領域、貫通領域、及び周辺領域を含み、前記周辺領域にアンダカットされた溝が形成される基板と、前記基板の前記表示領域上に配置される有機発光素子と、前記基板の前記周辺領域上に配置され、前記溝によって断絶される共通層と、前記有機発光素子及び前記共通層上に配置される封止部材を含む。
【0023】
前記周辺領域は、前記表示領域と前記貫通領域の間に位置し得る。
【0024】
前記周辺領域は、前記貫通領域を取り囲む。前記表示領域は、前記周辺領域を取り囲み得る。
【0025】
前記有機発光素子は、画素電極と、前記画素電極上に配置される第1の有機機能層と、
前記第1の有機機能層上に配置される有機発光層と、前記有機発光層上に配置される第2の有機機能層と、前記第2の有機機能層上に配置される共通電極を含み得る。
【0026】
前記共通層は、前記第1の有機機能層、前記第2の有機機能層、及び前記共通電極の少なくとも1つが延在して形成され得る。
【0027】
更に、前記有機発光素子と前記封止部材の間に配置されるキャッピング層を含む。前記共通層は、前記第1の有機機能層、前記第2の有機機能層、前記共通電極、及び前記キャッピング層の少なくとも1つが延在して形成され得る。
【0028】
前述した本発明の目的を達成するためになされた、一様態による有機発光表示装置の製造方法において、キャリア基板を用意し、前記キャリア基板上に、フレキシブル基板を形成する。前記フレキシブル基板に、アンダカットされた溝を形成し、前記フレキシブル基板上に有機発光層を含み、前記溝によって断絶される共通層を形成する。前記共通層上に、前記共通層を覆う封止部材を形成する。
【0029】
前記キャリア基板上に、第1のプラスチック層を形成し、前記第1のプラスチック層上に、第1のバリア層を形成して、前記フレキシブル基板を形成し得る。
【0030】
前記溝は、前記第1のプラスチック層、及び前記第1のバリア層に一体に形成され得る。
【0031】
前記溝は、前記フレキシブル基板にレーザを照射して形成され得る。
【0032】
好ましくは、前記第1のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第1のバリア層のレーザ吸収率よりも大きい。
【0033】
更に、前記第1のバリア層上に、第2のプラスチック層を形成し、前記第2のプラスチック層上に、第2のバリア層を形成して、前記フレキシブル基板を形成し、その際、前記溝は、前記第1のプラスチック層、前記第1のバリア層、前記第2のプラスチック層、及び前記第2のバリア層に一体に形成され得る。
【0034】
前記溝は、前記フレキシブル基板にレーザを照射して形成され得る。
【0035】
好ましくは、前記第2のプラスチック層のレーザ吸収率は、前記第2のバリア層のレーザ吸収率よりも大きい。
【0036】
更に、前記フレキシブル基板から前記キャリア基板を分離し、前記キャリア基板が分離された前記フレキシブル基板の一面に、下部保護フィルムを取り付け、前記封止部材上に偏光部材を形成し得る。
【0037】
前記キャリア基板を分離する前に、前記封止部材上に、上部保護フィルムを取り付け、前記偏光部材を形成する前に、前記上部保護フィルムを除去し得る。
【0038】
前記下部保護フィルム、前記フレキシブル基板、前記共通層、前記封止部材、及び前記偏光部材を貫通する貫通孔を形成し得る。
【0039】
前記貫通孔により、前記溝の少なくとも一部が露出され得る。
【発明の効果】
【0040】
本発明の一実施例による有機発光表示装置は、アンダカットされた溝が形成される基板を含み、共通層を溝によって断絶することにより、透湿を遮断できる。
【0041】
本発明の一実施例による有機発光表示装置の製造方法によると、レーザを照射して、透湿を遮断するためのアンダカットされた溝を基板に容易且つ正確に形成できる。
【0042】
但し、本発明の効果は、前記効果に限定されず、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で様々に拡張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置100を概略的に示す平面図である。
【
図2】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図4】は、
図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図5】は、
図4におけるB領域の詳細を示す断面図である。
【
図6】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置200の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【
図7】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置300の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【
図8】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置400の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【
図9】は、
図8におけるC領域の詳細を示す断面図である。
【
図10】は、
図8におけるD領域の詳細を示す断面図である。
【
図11】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第1段階を示す断面図である。
【
図12】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第2段階を示す断面図である。
【
図13】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第3段階を示す断面図である。
【
図14】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第4段階を示す断面図である。
【
図15】は、
図8に示した有機発光表示装置製造方法の第5段階を示す断面図である。
【
図16】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第6段階を示す断面図である。
【
図17】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第7段階を示す断面図である。
【
図18】は、
図8に示した有機発光表示装置の製造方法の第8段階を示す断面図である。
【
図19】は、本発明の一実施例による有機発光表示装置500の、
図4におけるPA-TA-PA領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【
図20】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第1段階を示す断面図である。
【
図21】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第2段階を示す断面図である。
【
図22】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第3段階を示す断面図である。
【
図23】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第4段階を示す断面図である。
【
図24】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第5段階を示す断面図である。
【
図25】は、
図19に示した有機発光表示装置の製造方法の第6段階を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付の図面を参照して、本発明の例示的な実施例による有機発光表示装置、及び有機発光表示装置の製造方法をより詳細に説明する。添付の図面上の同一の構成要素に対しては、同一・類似の参照符号を付する。
【0045】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置の概略的な平面視構造を、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0046】
図1及び
図2は、本発明の一実施例による有機発光表示装置100を概略的に示す平面図である。
【0047】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置100は、表示領域(DA)、貫通領域(TA)、及び周辺領域(PA)を含む。表示領域(DA)では、映像が表示される。表示領域(DA)には各々、光を放出する複数の画素が配置され、映像が表示される。
【0048】
貫通領域(TA)は、有機発光表示装置100に含まれるカメラ、センサ、スピーカなどが配置される領域である。貫通領域(TA)は、基板上に、絶縁膜、導電膜、有機膜などを形成した後に、貫通領域(TA)に相応する貫通孔を形成する方法で提供される。このような貫通孔を形成する方法については、後述する。
【0049】
図1及び
図2には、貫通領域(TA)が実質的な円形状を有する場合が示されているが、本実施例は、これに限定されない。貫通領域(TA)は、四角形、三角形などを含む多角形の形状を有し得る。
【0050】
周辺領域(PA)は、表示領域(DA)と貫通領域(TA)の間に位置する。周辺領域(PA)は、貫通領域(TA)を取り囲み、表示領域(DA)は、周辺領域(PA)を取り囲む。周辺領域(PA)には、前記画素に駆動信号(例えば、データ信号、ゲート信号など)を供給するための駆動回路などが配置される。
【0051】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置に形成される貫通孔及び溝の詳細を、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0052】
図3は、
図1のA領域を示す平面図である。
図4は、
図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【0053】
図3及び
図4を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置100には、貫通孔(TH)及び溝(GR)が形成される。貫通孔(TH)により、貫通領域(TA)が定義される。溝(GR)は、周辺領域(PA)に形成される。
【0054】
溝(GR)は、表示領域(DA)と貫通領域(TA)の間に位置する。溝(GR)は、貫通孔(TH)を取り囲む形状を有する。貫通孔(TH)は、有機発光表示装置100の厚み全体に対応する形態を有する。溝(GR)は、有機発光表示装置100の厚みの一部に対応する形態を有する。
【0055】
図3及び
図4には、周辺領域(PA)に、1つの溝(GR)が配置されることが示されているが、本実施例は、これに限定されない。周辺領域(PA)には選択的に、貫通孔(TH)を取囲む複数の溝(GR)が形成され得る。
【0056】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置100の断面構造を、
図5を参照して詳細に説明する。
【0057】
図5は、
図4におけるB領域の詳細を示す断面図である。
【0058】
図5を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置100は、フレキシブル基板110と、共通層140と、封止部材150とを含む。
【0059】
フレキシブル基板110は、第1のプラスチック層111と、第1バリア層112とを含む。第1のプラスチック層111は、ポリイミド(polyimide: PI)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate: PEN)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate: PET)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリカーボネート(polycarbonate: PC)、ポリエーテルイミド(polyetherimide: PEI)、又はポリエーテルスルホン(polyethersulfone: PES)などのように、耐熱性及び耐久性に優れたプラスチック素材で形成される。
【0060】
第1のプラスチック層111のようなプラスチック素材は、ガラス基板と比較して、水分や酸素などを容易に透過させるので、水分や酸素に脆弱な有機発光層を劣化させて、有機発光素子の寿命が低下する。これを防止するために、第1のプラスチック層111上には、第1バリア層112が配置される。
【0061】
第1バリア層112は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又は非晶質シリコンなどのような無機材料で形成される。第1バリア層112の透湿率は、10-5 g/(m2*day)以下であるのが望ましい。
【0062】
フレキシブル基板110には、溝(GR)が形成される。溝(GR)は、周辺領域(PA)に形成される。溝(GR)は、フレキシブル基板(100)の厚みの一部に対応する形状を有する。例えば、溝(GR)は、第1のバリア層112の厚み全体、及び第1のプラスチック層111の厚みの一部に対応する形状を有する。
【0063】
溝(GR)は、アンダカットされた形状を有する。例えば、溝(GR)における第1のプラスチック層111は、第1のバリア層112に対してアンダカットされる。言い換えれば、溝(GR)における第1のバリア層112は、第1のプラスチック層111と比較して突出する。これによって、第1のプラスチック層111における溝(GR)の幅は、第1のバリア層112における溝(GR)の幅よりも大きい。
【0064】
フレキシブル基板110上には、共通層140が配置される。共通層140は、有機発光層を含む。
【0065】
共通層140は、溝(GR)によって断絶される。共通層140は、溝(GR)の外部に配置される第1の部分140aと、溝(GR)の内部に配置される第2の部分140bとを含む。例えば、第1の部分140aは、溝(GR)の外部の第1のバリア層112上に配置される。また、第2の部分140bは、溝(GR)の内部の第1のプラスチック層111上に配置される。
【0066】
共通層140の第1の部分140a及び第2の部分140bは、互いに断絶される。共通層140の第1の部分140a及び第2の部分140bは、溝(GR)のアンダカットされた形状、及び溝(GR)の深さによって、互いに断絶される。
【0067】
共通層140上には、共通層140を覆う封止部材150が配置される。封止部材150は、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物などのような無機物で形成される。
【0068】
封止部材150は、共通層140の第1の部分140a、共通層140の第2の部分140b、及び溝(GR)によって露出されるフレキシブル基板110の表面を覆う。具体的に、封止部材150は、共通層140の第1の部分140aの上面及び側面、共通層140の第2の部分140bの上面及び側面、そして、溝(GR)によって露出される第1のプラスチック層111の上面及び側面、第1のバリア層112の底面及び側面を覆う。
【0069】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置の断面構造を、
図6を参照して詳細に説明する。
【0070】
図6は、本発明の一実施例による有機発光表示装置200の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【0071】
図6における一実施例は、
図5における一実施例と比較して、フレキシブル基板の構成を除き、実質的に同一であるので、繰返し説明は、省略する。
【0072】
図6を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置200は、フレキシブル基板210と、共通層240と、封止部材250とを含む。
【0073】
フレキシブル基板210は、第1のプラスチック層211と、第1のバリア層212と、第2のプラスチック層213と、第2のバリア層214とを含む。第2のプラスチック層213は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、又はポリエーテルスルホン(PES)などのように、耐熱性及び耐久性に優れたプラスチック素材で形成される。
【0074】
第2のプラスチック層213上には、第2のバリア層214が配置される。第2のバリア層214は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又は非晶質シリコンなどのような無機材料で形成される。第2のバリア層214の透湿率は、10-5g/(m2*day)以下であるのが望ましい。
【0075】
フレキシブル基板210には、溝(GR)が形成される。溝(GR)は、第2のバリア層214の厚さ全体、第2のプラスチック層213の厚さ全体、第1のバリア層212の厚さ全体、及び第1のプラスチック層211の厚さの一部に対応する形状を有する。
【0076】
溝(GR)は、アンダカットされた形状を有する。例えば、溝(GR)における第2のプラスチック層213は、第2のバリア層214に対してアンダカットされる。言い換えれば、溝(GR)における第2のバリア層214は、第2のプラスチック層213と比較して、突出する。これによって、第2のプラスチック層213における溝(GR)の幅は、第2のバリア層214における溝(GR)の幅よりも大きい。
【0077】
溝(GR)の幅は、フレキシブル基板210の上部から下部方向に全体として減少する。例えば、第2のバリア層214における溝(GR)の幅(W2)は、第1のバリア層212における溝(GR)の幅(W1)よりも大きい。また、第2のプラスチック層213における溝(GR)の幅は、第1のプラスチック層211における溝(GR)の幅よりも大きい。
【0078】
共通層240は、溝(GR)の外部に配置される第1の部分240aと、溝(GR)の内部に配置される第2の部分240bとを含む。例えば、第1の部分240aは、溝(GR)の外部の第2のバリア層214上に配置される。また、第2の部分240bの一部は、溝(GR)の内部の第1のバリア層212上に配置され、第2の部分240bの残りは、第1のプラスチック層211上に配置される。
【0079】
封止部材250は、共通層240の第1の部分240aの上面及び側面、共通層240の第2の部分240bの上面及び側面、そして、溝(GR)によって露出する第1のプラスチック層211の上面及び側面、第1のバリア層212の底面、側面及び上面、第2のプラスチック層213の側面、第2のバリア層214の底面及び側面を覆う。
【0080】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置の断面構造を、
図7を参照して詳細に説明する。
【0081】
図7は、本発明の一実施例による有機発光表示装置300の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【0082】
図7における一実施例は、
図6における一実施例と比較して、下部構造を更に含むことを除き、実質的に同一であるので、繰返し説明は、省略する。
【0083】
図7を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置300は、フレキシブル基板310と、下部構造320と、共通層340と、封止部材350とを含む。
【0084】
フレキシブル基板310と共通層340の間には、下部構造320が配置される。下部構造320及びフレキシブル基板310には、溝(GR)が形成される。溝(GR)は、下部構造320の厚さ全体、第2のバリア層314の厚さ全体、第2のプラスチック層313の厚さ全体、第1のバリア層312の厚さ全体、及び第1のプラスチック層311の厚さの一部に対応する形状を有する。
【0085】
下部構造320は、複数の無機膜を含む。下部構造320の具体的な構成に対しては、後述する
図9及び
図10を参照して、詳しく説明する。
【0086】
共通層340は、溝(GR)の外部に配置される第1の部分340aと、溝(GR)の内部に配置される第2の部分340bとを含む。例えば、第1の部分340aは、溝(GR)の外部の下部構造320上に配置される。また、第2の部分340bの一部は、溝(GR)の内部の第2のバリア層314上に配置され、第2の部分340bの他の一部は、溝(GR)の内部の第1のバリア層312上に配置され、第2の部分340bの残りは、第1のプラスチック層311上に配置される。
【0087】
封止部材350は、共通層340の第1の部分340aの上面及び側面、共通層340の第2の部分340bの上面及び側面、そして、溝(GR)によって露出される第1のプラスチック層311の上面及び側面、第1のバリア層312の底面、側面及び上面、第2のプラスチック層313の側面、第2のバリア層314の底面及び側面、下部構造320の側面を覆う。
【0088】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置の断面構造を、
図8を参照して詳細に説明する。
【0089】
図8は、本発明の一実施例による有機発光表示装置400の、
図4におけるB領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【0090】
図8における一実施例は、
図7における一実施例と比較して、封止部材の構成を除き、実質的に同一であるので、繰返し説明は、省略する。
【0091】
図8を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置400は、フレキシブル基板410と、下部構造420と、共通層440と、封止部材450とを含む。
【0092】
封止部材450は、少なくとも1つの無機膜、及び少なくとも1つの有機膜を含む。例えば、封止部材450は、第1の無機膜451と、有機膜452と、第2の無機膜453とを含む。
【0093】
第1の無機膜451は、共通層440上に配置される。第2の無機膜453は、第1の無機膜451上に配置される。第1の無機膜451と第2の無機膜453は各々、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物などのような無機物で形成される。
【0094】
有機膜452は、第1の無機膜451と第2の無機膜453の間に配置される。有機膜452は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(polyethylene: PE)、ポリアクリレート(poly acrylate)などのような有機物で形成される。
【0095】
封止部材450の少なくとも1つの無機膜は、溝(GR)によって露出されるフレキシブル基板410の表面を覆う。例えば、第1の無機膜451と第2の無機膜453は、溝(GR)の外部から溝(GR)の内部に、溝(GR)の形状に沿って延在する。この場合、第1の無機膜451は、溝(GR)の形状に沿って、溝(GR)により露出される第1のプラスチック層411、第1のバリア層412、第2プラスチック層413、第2バリア層414の表面、共通層440の第2の部分440b、そして、下部構造420の表面を覆う。また、第2の無機膜453は、このような第1の無機膜451の形状に沿って、第1の無機膜451を覆う。
【0096】
封止部材450の少なくとも1つの有機膜は、溝(GR)の外部にのみ配置される。言い換えれば、少なくとも1つの有機膜は、溝(GR)の内部には配置されない。例えば、有機膜452は、溝(GR)の外部にのみ、選択して配置される。
【0097】
以下、
図9及び
図10を参照して、表示領域(DA)及び周辺領域(PA)の下部構造420及び共通層440について詳細に説明する。
【0098】
図9は、
図8におけるC領域の詳細を示す断面図である。
図10は、
図8におけるD領域の詳細を示す断面図である。 ここで、
図9は、有機発光表示装置の1つの画素を示す。
【0099】
図9及び
図10を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置400は、
図8に係って上述したフレキシブル基板410と、下部構造420と、共通層440と、封止部材450とに加えて、薄膜トランジスタ430を含む。
【0100】
下部構造420は、バッファ膜421と、ゲート絶縁膜422と、層間絶縁膜423と、平坦化膜424と、画素電極425と、前記画素電極425の大部分を露出する開口部を備える画素定義膜426とを含む。また、薄膜トランジスタ430は、アクティブパターン431と、ゲート電極432と、ソース電極433と、ドレイン電極434とを含む。
【0101】
バッファ膜421は、フレキシブル基板410上に配置される。バッファ膜421は、フレキシブル基板410の下部からの異物、湿気、又は外気の浸透を実質的に遮断又は削減する。また、バッファ膜421は、フレキシブル基板410上に平坦面を供する。
【0102】
バッファ膜421上には、アクティブパターン431が配置される。アクティブパターン431は、非晶質シリコン、多結晶シリコンのような半導体物質を含む。しかし、本実施例は、これに限られず、アクティブパターン431は、様々な物質を含み得る。例えばアクティブパターン431は選択的に、酸化物半導体物質、有機半導体物質などを含み得る。
【0103】
バッファ膜421上には、アクティブパターン431を覆うゲート絶縁膜422が配置される。ゲート絶縁膜422は、アクティブパターン431からゲート電極432を絶縁させる。
【0104】
ゲート絶縁膜422上には、ゲート電極432が配置される。ゲート電極432は、アクティブパターン431の一部と重ね合わせる。ゲート電極432は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などの導電物質を含む。
【0105】
ゲート絶縁膜422上には、ゲート電極432を覆う層間絶縁膜423が配置される。層間絶縁膜423は、ゲート電極432から、ソース電極433及びドレイン電極434を絶縁させる。
【0106】
バッファ膜421、ゲート絶縁膜422、及び層間絶縁膜423は各々、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物などのような無機物で形成される。バッファ膜421、ゲート絶縁膜422、及び層間絶縁膜423は、表示領域(DA)から周辺領域(PA)まで延在する。バッファ膜421、ゲート絶縁膜422、及び層間絶縁膜423の縁は、溝(GR)に隣接する。
【0107】
一実施例において、
図10に示すように、バッファ膜421、ゲート絶縁膜422、及び層間絶縁膜423の縁は、フレキシブル基板410の第2バリア層414の縁から離隔される。言い換えれば、溝(GR)における第2バリア層414が、バッファ膜421、ゲート絶縁膜422、及び層間絶縁膜423よりも突設される。
【0108】
層間絶縁膜423上には、ソース電極433及びドレイン電極434が配置される。ソース電極433及びドレイン電極434は、アクティブパターン431と電気的に連結される。例えば、ゲート絶縁膜422と層間絶縁膜423には、アクティブパターン431の第1領域を露出させる第1のコンタクトホールと、アクティブパターン431の第2領域を露出させる第2のコンタクトホールが形成され、ソース電極433及びドレイン電極434は各々、前記第1のコンタクトホール及び前記第2のコンタクトホールを介して、アクティブパターン431と接触する。ソース電極433及びドレイン電極434は、様々な導電物質で形成される。
【0109】
層間絶縁膜423上には、ソース電極433及びドレイン電極434を覆う平坦化膜424が配置される。平坦化膜424は、薄膜トランジスタ430に起因する段差を解消して、薄膜トランジスタ430の上方に平坦面を供する。また、平坦化膜424は、ソース電極433及びドレイン電極434を保護する。
【0110】
平坦化膜424上には、有機発光素子が配置される。前記有機発光素子は、画素電極425と、有機発光層442及び共通電極444を含む共通層440からなる。共通層440は、有機発光層442及び共通電極444に加えて、第1の有機機能層441、第2の有機機能層443、キャッピング層445を含む。但し共通層440は、画素電極425又は画素定義膜426により定義される画素領域以外では有機発光層442を含まない。
【0111】
平坦化膜424上には、画素電極425が配置される。画素電極425は、ドレイン電極434と電気的に連結される。例えば、平坦化膜424には、ドレイン電極434を露出させる第3のコンタクトホールが形成され、画素電極425は、前記第3のコンタクトホールを介して、ドレイン電極434に接触する。画素電極425は、様々な導電物質で形成される。画素電極425は、様々な形状を有する。例えば、画素電極425は、画素毎にパターニングされて、島状をなす。
【0112】
平坦化膜424上には、画素電極425を覆う画素定義膜426が配置される。画素定義膜426は、画素電極425の一部を露出させる開口を含む。
【0113】
平坦化膜424及び画素定義膜426は各々、有機物で形成される。平坦化膜424及び画素定義膜426は、表示領域(DA)に選択的に配置され、周辺領域(PA)まで延在しない。
【0114】
画素電極425上には、有機発光層442が配置される。有機発光層442は、低分子有機物、又はPEDOT(Poly 3,4-ethylenedioxythiophene)などの高分子有機物で形成される。有機発光層442は、画素毎に個別的に形成される。
【0115】
有機発光層442上には、共通電極444が配置される。共通電極444は、画素定義膜426上にも配置され、複数の画素に亘って形成される。
【0116】
前記有機発光素子は、第1の有機機能層441と、第2の有機機能層443とを更に含む。第1の有機機能層441は、画素電極425と有機発光層442の間に配置され、第2の有機機能層443は、有機発光層442と共通電極444の間に配置される。
【0117】
第1の有機機能層441は、正孔注入層(hole injection layer: HIL)、及び/又は正孔輸送層(hole transporting layer: HTL)を含む。第2の有機機能層443は、電子輸送層(electron transporting layer: ETL)、及び/又は電子注入層(electron injection layer: EIL)を含む。第1の有機機能層441と第2の有機機能層443は、複数の画素に亘って形成される。
【0118】
共通電極444上には、キャッピング層445が配置される。キャッピング層445は、共通電極444を保護し、有機発光層442から放出される可視光線の屈折量を制御して、光効率を向上させる。
【0119】
第1の機能層441、第2の機能層443、共通電極444、及びキャッピング層445は、表示領域(DA)から周辺領域(PA)まで延在する。第1の機能層441、第2の機能層443、共通電極444、及びキャッピング層445の少なくとも1つは、周辺領域(PA)内の溝(GR)の外部及び内部に亘って配置される。
図10には、第1の機能層441、第2の機能層443、共通電極444、及びキャッピング層445を含むが、共通層440(但し、有機発光層442を含まない)が、溝(GR)の外部及び内部に亘って配置されることが示されているが、本実施例は、これに限定されない。
【0120】
キャッピング層445上には、封止部材450が配置される。
【0121】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置400の製造方法を、
図11乃至
図18を参照して詳細に説明する。
【0122】
図11乃至
図18は、本発明の一実施例による有機発光表示装置400の製造方法を示す断面図である。
【0123】
具体的に、
図8に示した有機発光表示装置400を製造する方法の第1乃至第8段階を示す。本実施例は、例示的に、有機発光表示装置400を製造する方法を説明する。そこで、本実施例は、他の実施例の有機発光表示装置100、200、300にも、そのまま、又は変形して適用できる。
【0124】
図11を参照すると、キャリア基板470を用意し、キャリア基板470上に、フレキシブル基板410を形成する。
【0125】
プラスチック素材を含むフレキシブル基板410は、熱を加える場合、撓むか延伸する性質があり、その上に電極や導電配線などの薄膜パターンを、精度よく形成し難い場合がある。この、加熱による撓み乃至延伸を抑止するため、フレキシブル基板410をキャリア基板470に接着した状態で、複数の薄膜パターンを形成する工程を行う。
【0126】
まず、キャリア基板470上に、第1のプラスチック層411を形成する。第1のプラスチック層は、プラスチック高分子溶液をキャリア基板470にコーティングした後に、硬化するか、又は高分子フィルムをキャリア基板470にラミネートする方式で形成する。硬化方法としては、熱硬化、紫外線硬化、電子ビーム硬化などが用いられる。
【0127】
次いで、第1のプラスチック層411上に、第1のバリア層412を形成する。第1のバリア層412は、無機材料を、化学気相蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、原子層蒸着法などを用いて、形成する。
【0128】
その後、第1のバリア層412上に、第2のプラスチック層413を形成し、第2のプラスチック層413上に、第2バリア層414を形成する。第2のプラスチック層413は、前述した第1のプラスチック層411と同一の材料及び方法で形成する。第2バリア層414は、前記第1のバリア層412と同一の材料及び方法で形成する。
【0129】
次いで、フレキシブル基板410上に、下部構造420及び薄膜トランジスタ430を形成する。
その際、アクティブパターン(431、
図9参照)は、材料によって様々な方法により形成できる。例えば、アクティブパターン)が、非晶質シリコン、酸化物半導体などから形成される場合は、プラズマ化学気相蒸着法、常圧化学気相蒸着法、低圧化学気相蒸着法などを用いる。一方、アクティブパターンが多結晶シリコンから形成される場合は、非晶質シリコンを、急速加熱アニーリング法、固相結晶化法、エキシマレーザアニーリング法、金属誘導アニーリング法などの結晶化方法により結晶化して形成する。
【0130】
また、ゲート電極(432、
図9参照)、ソース電極(433、
図9参照)、ドレイン電極(434、
図9参照)、画素電極(425、
図9参照)などは、化学気相蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、原子層蒸着法などの方法で蒸着した後に、フォトエッチング工程などによりパターニングして形成される。
下部構造に属する各膜(421乃至426)の形成については周知の方法が使えるので、画素電極425を除き、説明を省略する。
【0131】
図12を参照すると、下部構造420を貫通する予備溝(GR’)を形成する。
【0132】
予備溝(GR’)は、後述する溝(GR)に対応するように、周辺領域(PA)に形成される。
図11における第1のエッチングソース(ES1)を用いて、予備溝(GR’)を形成する。第1のエッチングソース(ES1)は、様々な種類から選択され得、例えばレーザを含む。
【0133】
図13を参照すると、フレキシブル基板410に、アンダカットされた溝(GR)を形成する。
【0134】
予備溝(GR’)によって露出したフレキシブル基板410に、
図12における第2のエッチングソース(ES2)を用いて、溝(GR)を形成する。第2のエッチングソース(ES2)は、様々な種類から選択され得、例えばレーザを含む。
【0135】
溝(GR)は、第1のプラスチック層411、第1のバリア層412、第2のプラスチック層413、及び第2バリア層414に形成される。例えば、溝(GR)は、第1のプラスチック層411の厚さ全体、第1のバリア層412の厚さ全体、第2のプラスチック層413の厚さ全体、及び第2バリア層414の厚さの一部に対応する。この場合、溝(GR)によって、第1のプラスチック層411の側面、第1のバリア層412の側面、第2のプラスチック層413の側面、及び第2バリア層414の側面と上面が露出される。
【0136】
溝(GR)は、第1のプラスチック層411、第1のバリア層412、第2のプラスチック層413、及び第2バリア層414に一体で形成される。例えば、フレキシブル基板410の上部からレーザを照射して、第1のプラスチック層411、第1のバリア層412、第2のプラスチック層413、及び第2バリア層414に形成される溝(GR)を、1つの工程で形成できる。但し、第1及び第2のプラスチック層411、413と、第1及び第2のバリア層412、414の材料が異なり、これにより、レーザ吸収率が異なるので、溝(GR)の幅が変動する。
【0137】
具体的には、第1のプラスチック層411のレーザ吸収率を、第1のバリア層412のレーザ吸収率よりも大きくする。これによって、溝(GR)における第1のプラスチック層411は、第1のバリア層412に対して、アンダカットされる。言い換えれば、溝(GR)における第1のバリア層412は、第1のプラスチック層411よりも突設される。また、第2のプラスチック層413のレーザ吸収率を、第2のバリア層414のレーザ吸収率よりも大きくする。これによって、溝(GR)における第2のプラスチック層413は、第2のバリア層414に対してアンダカットされる。言い換えれば、溝(GR)における第2のバリア層414は、第2のプラスチック層413よりも突設される。
【0138】
レーザを数回にかけて照射する場合、フレキシブル基板410の上部から下部に向かって溝(GR)が形成されるので、フレキシブル基板410の上部が下部に比べて、レーザにより多く露出される。これにより、溝(GR)の幅は、フレキシブル基板410の上部から下部方向に減少する。例えば、第2のバリア層414における溝(GR)の幅は、第1のバリア層412における溝の幅よりも大きい。また、第2のプラスチック層413における溝(GR)の幅は、第1のプラスチック層411における溝の幅よりも大きい。
【0139】
図14を参照すると、下部構造420が画素の上に形成されたフレキシブル基板410上に、溝(GR)によって断絶される共通層440を形成する。
【0140】
上述したように、共通層440は、第1の機能層(441、
図9参照)、第2の機能層(443、
図9参照)、共通電極(444、
図9参照)、キャッピング層(445、
図9参照)の少なくとも1つを含む。共通層440は、表示領域(DA)及び周辺領域(PA)に亘って、フレキシブル基板410上に全体として形成される。共通層440は、蒸着法、コーティング法、印刷法、光-熱転写法など、様々な方法で形成することができる。
【0141】
仮に、共通層440が表示領域(DA)から周辺領域(PA)まで延在する場合、外部から、共通層440の縁に水分及び/又は酸素が流入し、このような水分及び/又は酸素が共通層440を介して、周辺領域(PA)を経て表示領域(DA)に流入して、画素が劣化する場合がある。そこで、水分及び/又は酸素が流入する経路を遮断する必要がある。
【0142】
上述したように、周辺領域(PA)には、溝(GR)が形成され、溝(GR)は、アンダカットされた形状を有する。これにより、溝(GR)の外部に形成される共通層440の第1の部分440aと、溝(GR)の内部に形成される共通層440の第2の部分440bとは、互いに断絶される。この場合、共通層440を断絶させるための別の工程がなくても、共通層440が断絶され、水分及び/又は酸素が流入する経路を遮断できる。
【0143】
図15、
図16、及び
図17を参照すると、共通層440上に、共通層440を覆う封止部材450を形成する。
【0144】
まず、
図15に示すように、共通層440上に、第1の無機膜451を形成する。第1の無機膜451は、溝(GR)の外部及び内部に亘って形成される。具体的に、第1の無機膜451は、溝(GR)の外部の共通層440の第1の部分440aを覆い、溝(GR)の内部の共通層440の第2の部分440b、及び溝(GR)によって露出されるフレキシブル基板410の表面、及び下部構造420の表面を覆う。第1の無機膜451は、無機物を、化学気相蒸着法、原子層蒸着法、スパッタ法など、様々な蒸着方法を用いて形成できる。
【0145】
その後、
図16に示すように、第1の無機膜451上に有機膜452を形成する。有機膜452は、溝(GR)の外部に選択的に形成される。言い換えれば、有機膜452は、溝(GR)の内部には形成されない。有機膜452は有機物を、インクジェットプリント法、スロットダイコート(slot die coating)法などを用いて、形成できる。
【0146】
次いで、
図17に示すように、第1の無機膜451上に、有機膜452を覆う第2の無機膜453を形成する。第2の無機膜453は、溝(GR)の外部及び内部に亘って形成される。具体的に、第2の無機膜453は、溝(GR)の内部で、第1の無機膜451のプロファイルに沿って形成される。第2の無機膜453は、前述した第1の無機膜451と同一の材料及び方法で形成される。
【0147】
溝(GR)の内部に形成される屈曲に沿って、封止部材450が形成されるので、溝(GR)が形成されない場合と比較して、フレキシブル基板410と封止部材450の間のコンタクト面積が増加する。これによって、フレキシブル基板410と封止部材450の間の接着力が増加する。
【0148】
図18を参照すると、フレキシブル基板410から、キャリア基板470を分離する。
【0149】
キャリア基板470をフレキシブル基板410から分離するために、キャリア基板470の、フレキシブル基板410が形成された面の反対面にレーザを照射する。第1のプラスチック層411及び第2のプラスチック層413は、レーザを吸収し、これにより、フレキシブル基板410とキャリア基板470の間の結合力が弱くなる。その後、機械的な応力を用いて、キャリア基板470を、フレキシブル基板410から分離できる。
【0150】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置の断面構造を、
図19を参照して詳細に説明する。
【0151】
図19は、本発明の一実施例による有機発光表示装置500の、
図4におけるPA-TA-PA領域に相当する部分の詳細を示す断面図である。
【0152】
図19における一実施例は、
図8における一実施例と比較して、下部保護フィルム、偏光部材、及び貫通孔を除き、実質的に同一であるので、繰返し説明は、省略する。
【0153】
図19を参照すると、本発明の一実施例による有機発光表示装置500は、フレキシブル基板510と、共通層540と、封止部材550と、下部保護フィルム582と、偏光部材590とを含む。
【0154】
下部保護フィルム582は、フレキシブル基板510の底面に配置される。下部保護フィルム582は、外部からの衝撃を吸収し、衝撃による有機発光表示装置500の損傷を防止する。下部保護フィルム582は、クッション、スポンジなどのように空気を含有して、衝撃を吸収可能な材質で形成される。
【0155】
偏光部材590は、封止部材550の上に配置される。偏光部材590は、外部から流入する光を打ち消して消滅する。言い換えれば、偏光部材590は、外光反射を抑制する役割を果たす。
【0156】
有機発光表示装置500は、貫通孔(TH)を含む。貫通孔(TH)は、有機発光表示装置500の厚さ全体に対応する。具体的に、貫通孔(TH)は、下部保護フィルム582、フレキシブル基板510、共通層540、封止部材550、及び偏光部材590を貫通する。貫通孔(TH)により、有機発光表示装置500の貫通領域(TA)が定義される。
【0157】
貫通孔(TH)によって露出される周辺領域(PA)の少なくとも一部は、封止部材550によって覆われる。例えば、
図19に示すように、フレキシブル基板510の側部、下部構造520の側部、及び共通層540の側部は、封止部材550の第1の無機膜551及び第2の無機膜553によって覆われる。これにより、封止部材550が貫通孔(TH)によって露出される周辺領域(PA)の縁に、水分及び/又は酸素が流入することを実質的に遮断又は抑制できる。
【0158】
以下、本発明の一実施例による有機発光表示装置500の製造方法を、
図20乃至
図25を参照して詳細に説明する。
【0159】
図20乃至
図25は、本発明の一実施例による有機発光表示装置500の製造方法を示す断面図である。
【0160】
具体的に、
図19に示した有機発光表示装置500を製造する方法の第1乃至第6段階を示す。
図20乃至
図25における本発明の一実施例による有機発光表示装置500の製造方法において、
図11乃至
図18における本発明の一実施例による有機発光表示装置400の製造方法と実質的に同一又は類似の構成に関する説明は、省略する。
【0161】
有機発光表示装置500の製造方法の説明は、上記有機発光表示装置400の製造方法の最後の段階、即ち、
図18(=
図8)に対応する状態である
図20から始まる。
図20を参照すると、封止部材550上に、上部保護フィルム581を取り付ける。
【0162】
下部にキャリア基板570が取り付けられ、複数の溝(GR、G”)が形成された有機発光表示装置500の封止部材550上に、上部保護フィルム581を取り付ける。
図20に示しているように、有機発光表示装置500には、
図19における溝(GR)に相応する溝(GR)だけでなく、仮溝(GR”)を更に形成する。溝(GR)は、仮溝(GR”)を取り囲む。仮溝(GR”)は、後述する貫通孔(TH)の形成時に、貫通孔(TH)によって少なくとも一部が露出される。
【0163】
上部保護フィルム581は、封止部材550を保護する。有機発光表示装置500の製造工程中に、封止部材550は、外部のスクラッチや異物などによって容易に損傷する場合がある。このような封止部材550の損傷を防止するために、上部保護フィルム581が配置されると、工程進行上の制約を実質的に除去又は削減できる。
【0164】
図21及び
図22を参照すると、フレキシブル基板510からキャリア基板570を分離し、キャリア基板570が分離されたフレキシブル基板510の一面に、下部保護フィルム582を取り付ける。下部保護フィルム582は、工程進行中における、フレキシブル基板510の表面の損傷を防止する。
【0165】
図23を参照すると、上部保護フィルム581を除去する。上部保護フィルム581は、工程進行中における、封止部材550のスクラッチや異物などによる損傷を防止するために形成され、封止部材550上に機能性部材(例えば、偏光部材)を形成する前に除去する。
【0166】
図24を参照すると、封止部材550上に、偏光部材590を形成する。
【0167】
図25を参照すると、有機発光表示装置500に、貫通孔(TH)を形成する。
【0168】
図24における第3のエッチングソース(ES3)を用いて、貫通孔(TH)を形成する。第3エッチングソース(ES3)は、様々な種類から選択され得、例えばレーザを含む。
【0169】
貫通孔(TH)は、下部保護フィルム582、フレキシブル基板510、共通層540、封止部材550、及び偏光部材590を貫通する。言い換えれば、貫通孔(TH)は、有機発光表示装置500の厚さ全体に対応する。
【0170】
貫通孔(TH)によって、仮溝(GR”)の少なくとも一部が露出される。これにより、仮溝(GR”)は、貫通孔(TH)を形成する基準を提供する。例えば、仮溝(GR”)によって有機発光表示装置500を切り出して、貫通孔(TH)を形成することができる。仮溝(GR”)を基準に、貫通孔(TH)が形成されるので、貫通孔(TH)によって露出される周辺領域(PA)の少なくとも一部は、封止部材550によって覆われる。これにより、封止部材550が貫通孔(TH)によって露出される周辺領域(PA)の縁への、水分及び/又は酸素の流入を実質的に遮断又は削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明の例示的な実施例による有機発光表示装置は、コンピュータ、ノート型コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、スマートパッド、PMP、PDA、MP3プレーヤーなどに含まれる表示装置に適用できる。
【0172】
以上、本発明の例示的な実施例による有機発光表示装置、及び有機発光表示装置の製造方法について図面を参照して説明したが、前記実施例は、例示に過ぎず、下記の請求範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、当該技術の分野における通常の知識を有する者によって、修正及び変更が可能であろう。
【符号の説明】
【0173】
100、 200、 300、 400、 500 有機発光表示装置
110、 210、 310、 410、 510 フレキシブル基板
111、 211、 311、 411、 511 第1のプラスチック層
112、 212、 312、 412、 512 第1のバリア層
213、 313、 413、 513 第2のプラスチック層
214、 314、 414、 514 第2のバリア層
140a、 240a、 340a、 440a、540a 共通層の第1部分
140b、 240b、 340b、 440b、540b 共通層の第2部分
320、 420 下部構造
421 バッファ膜
422 ゲート絶縁膜
423 層間絶縁膜
424 平坦化膜
425 画素電極
426 画素定義膜
430 薄膜トランジスタ
431 アクティブパターン
432 ゲート電極
433 ソース電極
434 ドレイン電極
140、240、340、440、540 共通層
441 第1の有機機能層
442 有機発光層
443 第2の有機機能層
444 共通電極
445 キャッピング層
150、250、350、450、550 封止部材
451、551 第1の無機膜
452、552 有機膜
453、553 第2の無機膜
470、570 キャリア基板
581 上部保護フィルム
582 下部保護フィルム
590 偏光部材
DA 表示領域
ES1、ES2、ES3 第1、第2、第3エッチングソース
GR、GR’、GR” 溝、予備溝、仮溝
TA 貫通領域
PA 周辺領域
TH 貫通孔