(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】タッチセンサーの取付構造及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B60J 10/21 20160101AFI20221101BHJP
B60J 10/18 20160101ALI20221101BHJP
B60J 10/273 20160101ALI20221101BHJP
B60J 10/86 20160101ALI20221101BHJP
【FI】
B60J10/21
B60J10/18
B60J10/273
B60J10/86
(21)【出願番号】P 2018216061
(22)【出願日】2018-11-17
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】松本 美智彦
(72)【発明者】
【氏名】田口 智大
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-075085(JP,A)
【文献】特開2011-194971(JP,A)
【文献】特開2009-269445(JP,A)
【文献】特開2015-231793(JP,A)
【文献】特開2009-149180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00-10/90
B60J 5/00- 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後方向に移動して開口部を開閉し、上下方向に延びるとともにベルトライン部では上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部が形成されたフランジが前縁部に形成され、前記ベルトライン部に沿って取付けられたベルトラインウェザーストリップの下端とインナーパネルとアウターパネルとの間に隙間が、前記ベルトライン部の前端部に露出されたスライドドアの、前記フランジに対して、
車内側側壁,車外側側壁,及び前記両側壁を連結する連結壁からなり内方に向けて複数の係止部が形成された断面略U字形状の取付基部と、前記連結壁に一体化され前記スライドドアと前記開口部との間に挟み込まれた異物に弾接する中空部と、前記中空部に組み込まれ前記中空部が押圧されて潰れるとそれに対応した電気信号を出力するセンサーと、前記車外側側壁の後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部と、を備えるタッチセンサーを取付ける構造であって、
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記湾曲部の形状に沿うように、前記タッチセンサーの傾斜壁部を車内側に向けて寄せた状態で成形するとともに、前記傾斜壁部と同一面上で車外側に拡張し前記隙間を前方から塞ぐ塞ぎ壁部を設けたことを特徴とするタッチセンサーの取付構造。
【請求項2】
前記傾斜壁部の後端部から車内側前方に傾斜して延び前記スライドドアの閉時に相対向する前記開口部周縁に弾接するシールリップ部を備え、
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記湾曲部の形状に沿うように、前記タッチセンサーのシールリップ部を車内側に向けて寄せた状態で成形したことを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項3】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記傾斜壁部に対する前記シールリップ部の付け根位置を、前記湾曲部の上方から頂点部にかけて、前記傾斜壁部の後端部から徐々に前記車外側側壁に寄せ、そして前記湾曲部の頂点部から下方にかけて、前記車外側側壁に寄せた位置から徐々に前記傾斜壁部の後端部になるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項4】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記インナーパネルの車外側に設けられた補強材の車内側面に当接して前記補強材からの反力を受けるように、前記傾斜壁部の後面から後側に延びる突出部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項5】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記傾斜壁部に板状の樹脂インサートが埋設されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項6】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記傾斜壁部に板状の樹脂インサートが埋設されているとともに、前記突出部にも棒状の樹脂インサートが埋設され、その棒状の樹脂インサートは、前記板状の樹脂インサートの後面から後側に延びるように一体化されていることを特徴とする請求項4に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項7】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記タッチセンサーの傾斜壁部とシールリップ部と塞ぎ壁部を型成形品とし、その他の部分を押出成形品としたことを特徴とする請求項2又は3に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項8】
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、前記タッチセンサーの車外側側壁の後端部と傾斜壁部とシールリップ部と塞ぎ壁部を型成形品とし、その他の部分を押出成形品としたことを特徴とする請求項2又は3に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項9】
前記突出部を型成形品としたことを特徴とする請求項4に記載のタッチセンサーの取付構造。
【請求項10】
車体の前後方向に移動して開口部を開閉し、上下方向に延びるとともにベルトライン部では上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部が形成されたフランジが前縁部に形成され、前記ベルトライン部に沿って取付けられたベルトラインウェザーストリップの下端とインナーパネルとアウターパネルとの間に大隙間が、前記ベルトライン部の前端部に露出されたスライドドアの、前記フランジに取付けられる、
車内側側壁,車外側側壁,及び前記両側壁を連結する連結壁からなり内方に向けて複数の係止部が形成された断面略U字形状の取付基部と、前記連結壁に一体化され前記スライドドアと前記開口部との間に挟み込まれた異物に弾接する中空部と、前記中空部に組み込まれ前記中空部が押圧されて潰れるとそれに対応した電気信号を出力するセンサーと、前記車外側側壁の後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部と、前記傾斜壁部の後端部から車内側前方に傾斜して延び前記スライドドアの閉時に相対向する前記開口部周縁に弾接するシールリップ部を備えるタッチセンサーの製造方法であって、
前記タッチセンサーを押出成形し、
前記フランジの湾曲部に取付けられる部分では、押出成形された前記傾斜壁部と前記シールリップ部を切り欠いて、型成形することによって、前記湾曲部の形状に沿った型成形傾斜壁部と型成形シールリップ部を成形したとともに、前記型成形傾斜壁部と同一面上で車外側に拡張し前記大隙間を前方から塞ぐ塞ぎ壁部を設けたことを特徴とするタッチセンサーの製造方法。
【請求項11】
前記型成形時に、前記インナーパネルの車外側に設けられた補強材の車内側面に当接して前記補強材からの反力を受けるように、前記型成形傾斜壁部の後面から後側に延びる突出部を設けたことを特徴とする請求項10に記載のタッチセンサーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン車やワンボックスカーなどのように車体の前後に移動するスライドドアと、開口部との間に指等の異物が挟み込まれると対応する信号を出力して異物の存在を検知するセンサーが組込まれたタッチセンサーの取付構造及びそのタッチセンサーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図12及び
図13に示すように、ワゴン車などのようにスライドドア1によって車体の前後方向に移動して車体の開口部を開閉する自動車においては、スライドドア1の前端面に車体前側に向けて突設され、車両上下に延びるタッチセンサー10が取付けられている。
【0003】
タッチセンサー10は、
図14に示すように、スライドドア1の前端部に形成されたヘムフランジ部Fに取付けられる、車内側側壁11a,車外側側壁11b及び連結壁11cからなる断面略U字形状の取付基部11と、連結壁11cに一体成形された中空部12と、車外側側壁11bの後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部14と、傾斜壁部14の後端部から車内側前方に傾斜して延びスライドドア1の閉時に相対向するフロントドア2の車内側面に弾接するシールリップ部15を備え、中空部12には、スライドドア1とボディ側開口部との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが挿入されている。
また、取付基部11の内方にはさらに内方に向けて延びヘム状のフランジFに弾接して保持する複数の係止部16が設けられ、また取付基部11には剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材17が埋設されている。
【0004】
ここで、スライドドア1にタッチセンサー10を固定する場合、特にベルトライン部BLでは、
図13に示すように、フランジFはスライドドア1の形状に対応して略S字状に形成されている、すなわち、ベルトライン部BLにおいて上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部1cが形成されている。
そのため、押出成形されてなるタッチセンサー10は、その湾曲部1cに追従することが困難で車外側に向けて押し出された状態で取付けられているので、タッチセンサー10はベルトライン部BLでは近周りしようと車内側に寄る力が作用している。
【0005】
こうした問題を解決するため、湾曲部1cではタッチセンザー10の取付基部11を潰したり、あるいは、ゴム板を取付基部11内方に接着したりすることで局所的にフランジFを強固に保持するようにして、タッチセンサー10が近周りすることを抑制していた。
しかし、取付基部11を潰す方法もゴム板を接着する方法も余分な工程が発生するため作業が煩雑である。特に取付基部11を潰す方法は、潰すための強度調整が困難でバラツキが生じやすいという問題があり、ゴム板を接着する方法は、接着時に接着材が流下したり、配置位置に誤差を生じやすいという問題がある。
【0006】
また、湾曲部1cにおいて、自動車の正面視における、フランジFの湾曲の度合い(曲率半径)が極端に小さい場合には、一般的に、自動車の構造上、ベルトライン部BLに取付けられるベルトウェザーストリップがフランジFに近寄る構造となる為、スライドドア1に取付けられるタッチセンサー10は、フロントドア2の閉時に、フロントドア2に取付けられるベルトウェザーストリップの後端部に対して干渉しないように設定する必要もあるという問題もある。
【0007】
一方、ベルトライン部BLに沿って取付けられたベルトラインウェザーストリップ20の前端の下端部とドアインナーパネル1aとドアアウターパネル1bとの間に隙間が形成され、しかもその隙間がベルトライン部BLの前端部に露出したタイプのスライドドア1があり、このようなスライドドア1では、隙間を塞いで見栄えをよくする必要がある。
【0008】
例えば、特許文献1に記載された発明のように、スライドドアのインナーパネルとアウターパネルとの接合部間に生じる隙間を遮蔽部材で覆うとともに、その遮蔽部材に上下フランジ部を接続する接続フランジ部が形成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、遮蔽部材をボルトによってボディ側に固定する必要があるので取付作業に手間がかかるといった問題がある。
また、上下フランジは接続フランジによって接続されることで上下方向に連続したフランが構成されるが、接続フランジは車外側に向けて凸状に湾曲したものであるので、それに取付けられるタッチセンサー(シール部材)は湾曲部に上手く追従することができないといった問題は依然として残っている。
【0011】
そこで、本発明の目的とするところは、フランジの湾曲部に対して見栄えよく安定した状態で取付けることができるタッチセンサーの取付構造及びタッチセンサーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明のタッチセンサーの取付構造は、車体の前後方向に移動して開口部を開閉し、上下方向に延びるとともにベルトライン部(BL)では上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部(1c)が形成されたフランジ(F)が前縁部に形成され、前記ベルトライン部(BL)に沿って取付けられたベルトラインウェザーストリップ(20)の下端とインナーパネル(1a)とアウターパネル(1b)との間に大隙間(H)が、前記ベルトライン部(BL)の前端部に露出されたスライドドア(1)の、前記フランジ(F)に対して、
車内側側壁(51a),車外側側壁(51b),及び前記両側壁(51a,51b)を連結する連結壁(51c)からなり内方に向けて複数の係止部(56)が形成された断面略U字形状の取付基部(51)と、前記連結壁(51c)に一体化され前記スライドドア(1)と前記開口部との間に挟み込まれた異物に弾接する中空部(52)と、前記中空部(52)に組み込まれ前記中空部(52)が押圧されて潰れるとそれに対応した電気信号を出力するセンサー(S)と、前記車外側側壁(51b)の後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部(54)を備えるタッチセンサー(50)を取付ける構造であって、
前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記湾曲部(1c)の形状に沿うように、前記タッチセンサー(50)の傾斜壁部(64)を車内側に向けて寄せた状態で成形するとともに、前記傾斜壁部(64)と同一面上で車外側に拡張し前記大隙間(H)を前方から塞ぐ塞ぎ壁部(70)を設けたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記傾斜壁部(54)の後端部から車内側前方に傾斜して延び前記スライドドア(1)の閉時に相対向する前記開口部周縁に弾接するシールリップ部(55)を備え、
前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記湾曲部(1c)の形状に沿うように、前記タッチセンサー(50)のシールリップ部(65)を車内側に向けて寄せた状態で成形したことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記傾斜壁部(64)に対する前記シールリップ部(65)の付け根位置を、前記湾曲部(1c)の上方から頂点部(P)にかけて、前記傾斜壁部(64)の後端部から徐々に前記車外側側壁(51b)に寄せ、そして前記湾曲部(1c)の頂点部(P)から下方にかけて、前記車外側側壁(51b)に寄せた位置から徐々に前記傾斜壁部(64)の後端部になるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記インナーパネル(1a)の車外側に設けられた補強材(3)の車内側面に当接して前記補強材(3)からの反力を受けるように、前記傾斜壁部(64)の後面から後側に延びる突出部(80)を設けたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記傾斜壁部(64)に板状の樹脂インサート(91)が埋設されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記傾斜壁部(64)に板状の樹脂インサート(91)が埋設されているとともに、前記突出部(80)にも棒状の樹脂インサート(92)が埋設され、その棒状の樹脂インサート(92)は、前記板状の樹脂インサート(91)の後面から後側に延びるように一体化されていることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記タッチセンサー(50)の傾斜壁部(64)とシールリップ部(65)と塞ぎ壁部(70)を型成形品とし、その他の部分を押出成形品としたことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、前記タッチセンサー(50)の車外側側壁(51b)の後端部と傾斜壁部(64)とシールリップ部(65)と塞ぎ壁部(70)を型成形品とし、その他の部分を押出成形品としたことを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記突出部(80)を型成形品としたことを特徴とする。
【0021】
また本発明のタッチセンサーの製造方法は、車体の前後方向に移動して開口部を開閉し、上下方向に延びるとともにベルトライン部(BL)では上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部(1c)が形成されたフランジ(F)が前縁部に形成され、前記ベルトライン部(BL)に沿って取付けられたベルトラインウェザーストリップ(20)の下端とインナーパネル(1a)とアウターパネル(1b)との間に大隙間(H)が、前記ベルトライン部(BL)の前端部に露出されたスライドドア(1)の、前記フランジ(F)に取付けられる、
車内側側壁(51a),車外側側壁(51b),及び前記両側壁(51a,51b)を連結する連結壁(51c)からなり内方に向けて複数の係止部(56)が形成された断面略U字形状の取付基部(51)と、前記連結壁(51c)に一体化され前記スライドドア(1)と前記開口部との間に挟み込まれた異物に弾接する中空部(52)と、前記中空部(52)に組み込まれ前記中空部(52)が押圧されて潰れるとそれに対応した電気信号を出力するセンサー(S)と、前記車外側側壁(51b)の後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部(54)と、前記傾斜壁部(54)の後端部から車内側前方に傾斜して延び前記スライドドア(1)の閉時に相対向する前記開口部周縁に弾接するシールリップ部(55)を備えるタッチセンサー(50)の製造方法であって、
前記タッチセンサー(50)を押出成形し、
前記フランジ(F)の湾曲部(1c)に取付けられる部分では、押出成形された前記傾斜壁部(54)と前記シールリップ部(55)を切り欠いて、型成形することによって、前記湾曲部(1c)の形状に沿った型成形傾斜壁部(64)と型成形シールリップ部(65)を成形したとともに、前記型成形傾斜壁部(64)と同一面上で車外側に拡張し前記大隙間(H)を前方から塞ぐ塞ぎ壁部(70)を設けたことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記型成形時に、前記インナーパネル(1a)の車外側に設けられた補強材(3)の車内側面に当接して前記補強材(3)からの反力を受けるように、前記型成形傾斜壁部(64)の後面から後側に延びる突出部(80)を設けたことを特徴とする。
【0023】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、スライドドアに取付けられるタッチセンサーにおいて、特にベルトライン部前端部において湾曲部が形成されたフランジに取付けられる部分では、湾曲部の形状に沿うように、タッチセンサーの傾斜壁部を車内側に向けて寄せた状態で成形したので、フランジの湾曲部に対してタッチセンサーは上手く追従し、従来例で示したように取付基部を局所的に潰したり、あるいはゴム板を接着して新たに設けたりすることなく、タッチセンサーが近周りしようとすることを抑制することできる。
これは、例えば、押出成形されたタッチセンサーの傾斜壁部を切り欠いてその部分を型成形することによって容易に成形することができる。
また、傾斜壁部には塞ぎ壁部が設けられ、ベルトライン部の前端部に露出した大隙間を前方から塞ぐようにしたので外観上見栄えを特に悪くすることはない。
そして、センサーが組み込まれた中空部はそのままで例えば切り欠くなどの加工を特に施したものではなく湾曲部に沿って湾曲されるものであるのでセンサー機能を特に悪化させることもない。
【0025】
また、本発明によれば、フロントドア後端とリヤドア前端の間である、いわゆる見切り部を、シールすることができ、これは、例えば、押出成形されたタッチセンサーがシールリップ部を備える場合、そのシールリップ部を切り欠いてその部分を型成形することによって容易に成形することができる。
【0026】
また、本発明によれば、フランジの湾曲部に取付けられる部分では、傾斜壁部に対するシールリップ部の付け根位置を、湾曲部の上方から頂点部にかけて、傾斜壁部の後端部から徐々に車外側側壁に寄せ、そして湾曲部の頂点部から下方にかけて、車外側側壁に寄せた位置から徐々に傾斜壁部の後端部になるようにしたので、デザイン上、見栄えがよく、傾斜壁部も目視することができる。また、フロントドア閉時に、フロントドアに取付けられたベルトウェザーストリップの後端部にも干渉しないようにすることができる。
【0027】
また、本発明によれば、傾斜壁部の後面からは後側に延びる突出部が設けられ、その突出部はインナーパネルの車外側に設けられた補強材の車内側面に当接してその補強材からの反力を受けるものであるので、タッチセンサーには突出部の付け根から全体が車外側に向けて寄るように力が作用し、一層近周りしようとすることが抑制される。そして、塞ぎ壁部を隙間に対して圧着させることが可能となるので、塞ぎ壁部の浮き上がりを防止することができる。
しかも、突出部の付け根が固定された傾斜壁部と塞ぎ壁部を同一平面状で見ることができるので、傾斜壁部の前側から傾斜壁部を後側に直接押して突出部にその押す力を真っ直ぐ伝えることができる。
【0028】
また、本発明によれば、フランジの湾曲部に取付けられる部分では、傾斜壁部に板状の樹脂インサートが埋設されているので剛性が向上し耐熱性も向上する。
【0029】
また、本発明によれば、さらに突出部にも棒状の樹脂インサートが埋設され、その棒状の樹脂インサートは、板状の樹脂インサートの後面から後側に延びるように一体化されているので突出部の剛性も強い。
【0030】
また、本発明によれば、タッチセンサーの中空に配置したセンサーの検知精度を低下させることがない。
【0031】
また、本発明によれば、タッチセンサーの車外側側壁の後端部と傾斜壁部とシールリップ部と塞ぎ壁部と突出部を型成形品とし、その他の部分を押出成形品とすることができるため、押出成形部での埋設芯材の一部分が除去されることにより、タッチセンサーの柔軟性が向上し、湾曲部が小さいR形状の際にも、車体Rにタッチセンサーが追従しやすくなるとともに、押出成形部と型成形部の接着面積が増加することから、接着強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の実施形態に係るタッチセンサーがスライドドアに取付けられた状態を示す斜視図である。
【
図6】スライドドアに形成されたフランジの湾曲部周りを示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るタッチセンサーの要部を前側からみた斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るタッチセンサーの要部を後側からみた斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るタッチセンサーに埋設された樹脂インサートの、スライドドアに対する配置位置を示した斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るタッチセンサーに設けられた埋設された塞ぎ壁部によって隙間を塞いだ状態を示す斜視図である。
【
図12】スライドドアによって開閉する自動車の側面図である。
【
図13】従来例に係るタッチセンサーがスライドドアに取付けられた状態を示す斜視図である。
【
図14】スライドドアに取付けられたタッチセンサーを示す
図13のA-A線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面を参照して、本発明の実施形態に係るタッチセンサーの取付構造及びタッチセンサーの製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係るタッチセンサー50は、
図1乃至
図5で示したように、車体の前後方向に移動して開口部を開閉するスライドドア1の前端部に形成されたフランジFに車体前側に向けて突出するように取付けられている。ここで、前後とは車体前後方向を示し、タッチセンサー50においては、中空部52側を車体前側、取付基部51側を車体後側としている。
【0034】
スライドドア1に形成されたフランジFは、
図1に示すように、上下方向に延びるとともにベルトライン部BLでは上方から下方に車内側に向けて凸状に湾曲した湾曲部1cが形成されている。また、
図6及び
図7に示すように、ベルトライン部BLに沿って水平にベルトラインウェザーストリップ20が取付けられ、そのベルトラインウェザーストリップ20の下端と、スライドドア1を構成するインナーパネル1aとアウターパネル1bとの間には大隙間Hが形成され、大隙間Hはベルトライン部BLの前端部に露出して特にカバーなどで覆わない場合には前側から視認することができる状態になっている。
【0035】
また、
図10に示すように、インナーパネル1aの車外側には補強材としてレインフォースメント3が上方からベルトライン部BLの下方まで設けられている。また、アウターパネル1bの上端はベルトライン部BLまで設けられていて、ベルトラインウェザーストリップ20はアウターパネル1bの上端に取付けられている。また、
図7に示すように、ベルトラインウェザーストリップ20の上方ではレインフォースメント3に対して装飾用のガーニッシュ4が取付けられている。
このようなタイプのスライドドア1では、インナーパネル1aは一枚の板金であるものの、インナーパネル1aの外側に配置する板金をベルトライン部BLで分割して製造することができるようになっている。また、レインフォースメント3にガーニッシュ4を取付けることで外観上見栄えのよい車両として仕上げることができる。
【0036】
また、
図2に示すように、タッチセンサー50は、スライドドア1と車体の開口部、ここではフロントドア2の後端との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられてなるものである。
【0037】
このタッチセンサー50は、押出成形されたものであり、フランジFの湾曲部1cを除いた部分、すなわち、湾曲部1cよりも上方及び湾曲部1cよりも下方では、
図14に示したものと同様に、フランジFに直接、取付けられる車内側側壁51a,車外側側壁51b及び、両側壁51a,51bを連結する連結壁51cからなる断面略U字形状の取付基部51と、その取付基部51の連結壁51cに一体成形された中空部52と、車外側側壁51bの後端部から車外側後方に傾斜して延びる傾斜壁部54と、傾斜壁部54の後端部から車内側前方に傾斜して延びスライドドア1の閉時に相対向する開口部周縁に弾接するシールリップ部55を備え、取付基部51の内方にはさらに内方に向けて延びヘムフランジFに弾接して保持する複数の係止部56が設けられ、取付基部51に沿って剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材57が埋設されている。中空部52内にセンサーSは組込まれている。
【0038】
タッチセンサー50の取付基部51が取付けられるフランジFは、
図6に示すように、ベルトライン部BLよりも上方ではインナーパネル1aの端部をレインフォースメント3のフランジ構成部3aで巻き込むようして形成されたヘム状のフランジF1であり(
図2,
図3)、ベルトライン部BLでは、インナーパネル1aの端部だけからなるフランジF2であり(
図4)、ベルトライン部BLよりも下方では、インナーパネル1aの端部をアウターパネル1bで巻き込むようして形成されたヘム状のフランジF3である(
図5)。
【0039】
中空部52は、スライドドア1の閉時にスライドドア1とフロントドア2の後端との間に挟み込まれた異物があるとその異物に弾接し、中空部52が押圧されて潰れるとそれに対応した電気信号をセンサーSが出力するようになっている。
センサーSは、例えば、車両上下方向(長手方向)に延びる2本の芯線(電極線)が、空間部を介して設けられた2つの導電性のゴム様弾性体(導電部)にそれぞれ埋設されるようにして中空部52内に配置されてなるもので、スライドドア1の閉時にスライドドア1とフロントドア2の後端との間に異物が挟み込まれると中空部52が部分的に押圧されて潰れ、2つの離間したゴム様弾性体が接触して2本の芯線が短絡するようになっている。そして、この電気信号の変化が、タッチセンサー50の下側端末部分で2本の芯線に結線されたリード線に接続された制御装置に伝えられることによって異物の存在が検知されるようになっている。
なお、センサーSは中空部52内に納まり、異物を検知できるものであればその構造について限定されるものではない。
【0040】
そして、フランジFの湾曲部1cに取付けられる部分では、
図1および
図8に示すように、湾曲部1cの形状に沿うように、タッチセンサー50の傾斜壁部64とシールリップ部65を車内側に向けて寄せた状態で成形している。
ここでは、押出成形されたタッチセンサー50を部分的に切り欠いて型成形することによって傾斜壁部(型成形傾斜壁部と呼ぶ)64とシールリップ部(型成形シールリップ部と呼ぶ)65を成形している。なお、
図8では型成形した部分を便宜上斜線で示した。
【0041】
すなわち、フランジFの湾曲部1cの上方から下方にかけての所定区間、においては、
図3に示すように、押出成形された取付基部51の車外側側壁51bの後端部と、傾斜壁部54と、シールリップ部55を切り欠き、残った部分を金型(図示しない)に湾曲部1cに沿った状態でセットした後、金型のキャビティ内に型成形材料を注入して型成形部を形成すると同時に加熱癖付けして、湾曲部1cの形状に沿った型成形傾斜壁部64と型成形シールリップ部65を成形する。型成形材料としては、例えば、EPDMなどの合成ゴムがあげられるがこれに限定されるものではない。
【0042】
これにより、型成形傾斜壁部64はその上下で押出成形されたタッチセンサー50の傾斜壁部54に一連一体的に形成され、型成形部シールリップ部65もその上下で押出成形されたタッチセンサー50のシールリップ部55に一連一体的に形成される。
なお、中空部52と取付基部51の車内側側壁51aと連結壁51cについては特に切り欠きといった加工は施されてはおらず中空部52に組み込まれたセンサーSの機能に何らかの影響を及ぼすものではない。
【0043】
このとき、
図1及び
図8に示すように、型成形傾斜壁部64に対する型成形シールリップ部65の付け根位置を、曲線状に、つまり、湾曲部1cの上方から湾曲部1cの頂点部Pにかけて、型成形傾斜壁部64の後端部から型成形傾斜壁部64の表面(前側面)上において徐々に車外側側壁51bに寄せ(
図3及び
図4参照)、そして湾曲部1cの頂点部Pから下方にかけて、車外側側壁51bに寄せた位置から徐々に型成形傾斜壁部64の後端部になるようにしている。
これにより、型成形傾斜壁部64の表面(前側面)として型成形シールリップ部65で完全に覆われない露出した部分が生じる。
【0044】
また、型成形傾斜壁部64と型成形シールリップ部65を型成形するときに同時に、
図4と
図8及び
図9に示すような、塞ぎ壁部70と突出部80を一体成形している。
【0045】
塞ぎ壁部70は、
図3及び
図4に示すように、板状で型成形傾斜壁部64と同一面上で車外側に向かって拡張し大隙間Hを前方から塞ぐように設けられている。よって、塞ぎ壁部70の大きさ(面積)は大隙間Hの開口部の面積より大きく、また、
図9に示すような、塞ぎ壁部70と型成形シールリップ部65間の視認することのできる境界線Lは、
図8に示す前面からは視認することはできないようにしている。
また、
図3及び
図4に示すように、型成形傾斜壁部64と塞ぎ壁部70の境界線Lを破線で示す。
また、
図3及び
図4に示すように、湾曲部の頂点部P付近において、車外側側壁51bの車外側面と、型成形シールリップ部65の車内側面との間の小隙間Tに、型成形材料を流し込むことにより、両者を一体化する事により、フランジFに組み付けた際に、型成形シールリップ部65が車外側に口開きする事を防止するようにしてもよい。
【0046】
また、突出部80は、
図4び
図9に示すように、型成形傾斜壁部64の車内側後面から後側に延びる棒状で、
図4に示すように、その車外側面がインナーパネル1aの車外側に設けられたレインフォースメント3の前方・下端突出部3bの車内側面に当接してレインフォースメントの前方・下端突出部3bからの反力を受けるようにしている。
ここでは、
図4及び
図7に示すように、突出部80を、インナーパネル1aとレインフォースメント3の前方・下端突出部3bの間の中隙間Rから差し込み、レインフォースメント3の前方・下端突出部3bの車内側面にラップ設定させている。すなわち、突出部80は差し込まれる前の状態では、
図4において点線で示したように突出部80の端部側では車外側面が、前後に延びるレインフォースメント3の前方・下端突出部3bの下端部よりも車外側に入り込む位置になるようにしている。
ここで、
図10に示すように、レインフォースメント3のフランジ構成部3aと、レインフォースメント3の前方・下端突出部3bは、ベルトラインBLの上側部分で補強材3として一体化されており、また、
図7に示すように、レインフォースメント3の前方・下端突出部3bは、ベルトラインBLの下側部分でインナーパネル1aに重ね合わせされている。
【0047】
これによれば、突出部80が、インナーパネル1aとレインフォースメント3の前方・下端突出部3bの間Qから差し込まれると突出部80の端部側は、レインフォースメント3の前方・下端突出部3bから、
図4の矢印Xで示すように、車内側から前側に向かう反力を受ける。その力は、突出部80の付け根から型成形傾斜壁部64から車外側側壁51bに伝わり、
図4の矢印Yで示すように、取付基部50は全体的に車外側から後側に向かって回転するような力を受ける。このとき、車外側側壁51bの後端部には車内側に突出してフランジFを押える突起部66が型成形されているので、係止部56とともにフランジFを保持する力は向上する。
そして、塞ぎ壁部70には、型成形傾斜壁部64に対する突出部の付け根との接続点Qを支点として、
図4の矢印Zで示すように、後側に向かう力が作用するので塞ぎ壁部70を、ベルトラインウェザーストリップ20の前端に設けられたエンドキャップ21に圧着させることができ、塞ぎ壁部70が浮き上がったりあるいはスキが発生することを防止することができる。
【0048】
また、タッチセンサー50がフランジFの湾曲部1cに取付けられる部分では、
図10に示すような、略T字状をした樹脂インサート90が埋設された状態で型成形が行われる。この樹脂インサート90は、
図4に示すように、型成形傾斜壁部64に埋設された板状の樹脂インサート91とその樹脂インサート91の後面からさらに後側に延びるように一体化されて突出部80に埋設された棒状の樹脂インサート92からなる。
図10では、樹脂インサート90の形状と配置位置を示すためにタッチセンサー50自体とガーニッシュ4とベルトラインウェザーストリップ20は記載を省略している。
【0049】
また、型成形時には、
図9に示すように、型成形傾斜壁部64の車外側から後側に突出して上下方向に延びる縦壁部93と、その縦壁部93の上端部に一体化され車内外方向に延びる上壁部94と、突出部80の付け根の車外側を縦壁部93の車内側に接続する接続壁部95が同時に形成されていて、樹脂インサート90の保護を図り突出部80が折れ難くしている。
縦壁部93の下方にはアウターパネル1bに形成された穴1d(
図6)に嵌め込まれるクリップKが設けられている。
【0050】
なお、樹脂インサート90の材料については、タルクやガラス繊維などの補強材を含有させて高硬度化させたポリプロピレンとして、剛性と耐熱性を向上させるようにした。
これによると、型成形するときに樹脂インサート90の剛性が低下することもなく、また熱時変形もし難いものとすることができるが、特に材料がこれに限定されるものではない。
【0051】
このようにスライドドア1の前縁部に形成されたフランジFに取付けられるタッチセンサー50において、特にベルトライン部BLの前端部において湾曲部1cが形成されたフランジFに取付けられる部分では、湾曲部1cの形状に沿うように、型成形によってタッチセンサー50の型成形傾斜壁部64と型成形シールリップ部65を車外側に向けて寄せた状態で成形したので、フランジFの湾曲部1cに対してタッチセンサー50は上手く追従し、タッチセンサー50が車内側に寄るように近周りしようとすることを抑制することができる。
また、型成形傾斜壁部64には塞ぎ壁部70が設けられ、ベルトライン部BLの前端部に露出した大隙間Hを前方から塞ぐようにしたので外観上見栄えを特に悪くすることはない。
また、型成形傾斜壁部64の後面からは後側に延びる突出部80が設けられ、その突出部80はインナーパネル1aの車外側に設けられたレインフォースメント3の前方・下端突出部3bの車内側面にラップ設定された状態で当接してそのレインフォースメント3の前方・下端突出部3bからの反力を受けるものであるので、タッチセンサー50には突出部80の付け根から全体が車外側に向けて寄るように力が作用し、一層近周りしようとすることが抑制される。そして、
図4に示すように、塞ぎ壁部70を大隙間Hに対して強く圧着させることが可能となるので、塞ぎ壁部70の浮き上がりを防止することができることになり、
図11に示すように、タッチセンサー50を取付けた際に、エンドキャップ21に対してのスキ発生が防止される。
【0052】
しかも、突出部80の付け根が固定された型成形傾斜壁部64と塞ぎ壁部70を同一平面状で見ることができるので、取付作業者は、例えば、型成形傾斜壁部64の前側に親指を、後側に人差し指と中指をあてがって親指で型成形傾斜壁部64を後側に直接押して突出部80にその押す力を真っ直ぐ伝えることができ、しかも取付けも容易である。
【0053】
なお、本実施形態によれば、型成形する前段階で、押出成形されたタッチセンサー50の取付基部51の車外側側壁51bの後端部と、傾斜壁部54と、シールリップ部55を切り欠き、残った部分を金型(図示しない)に湾曲部1cに沿った状態でセットするようにしたが、傾斜壁部54とシールリップ部55だけを切り欠いて型成形するようにしてもよい。
【0054】
また、突出部80については特に型成形して設けることなく型成形した塞ぎ壁部70だけで大隙間Hを覆うようにすることも可能である(図示は省略)。
押出成形されたタッチセンサー50には、シールリップ部55を設けることなく、傾斜壁部54のみを設けるようにすることも可能である(図示は省略)。
また、押出成形されたタッチセンサー50シールリップ部55の代わりに、シールリップ部55の前端部を、車外側側壁51bと連結壁51cとの接続部に、接続した、シール中空部にすることも可能である(図示は省略)。
また、突出部80については、
図4に示すように、型成形材に棒状のインサート92を埋設したようなものの代わりに、
図7や
図10で示すように、棒状のインサート92が型成形材で覆われずに、露出するようにしてもよい。
また、棒状のインサート92の断面形状は、
図7で示すような三角形状の代わりに、四角形状としてもよい。
また、上壁部94は、樹脂インサートを埋設せずに、型成形材のみとしてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、タッチセンサー50は、スライドドア1と車体の開口部としてフロントドア2の後端との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知するものであるが、フロントドア2ではなく車体の開口部を構成するボディパネル5の周縁とスライドドア1との間に挟まった異物を検知するものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 スライドドア
1a インナーパネル
1b アウターパネル
1c 湾曲部
1d 穴
2 フロントドア
3 レインフォースメント(補強材)
3a レインフォースメントのフランジ構成部
3b レインフォースメントの前方・下端突出部
4 ガーニッシュ
5 ボディパネル
10 タッチセンサー
11 取付基部
11a 車内側側壁
11b 車外側側壁
11c 連結壁
12 中空部
14 傾斜壁部
15 シールリップ部
16 係止部
17 芯材
20 ベルトラインウェザーストリップ
21 エンドキャップ
50 タッチセンサー
51 取付基部
51a 車内側側壁
51b 車外側側壁
51c 連結壁
52 中空部
54 傾斜壁部
55 シールリップ部
56 係止部
57 芯材
64 型成形傾斜壁部
65 型成形シールリップ部
66 突起部
70 塞ぎ壁部
80 突出部
90 樹脂インサート
91 板状の樹脂インサート
92 棒状の樹脂インサート
93 縦壁部
94 上壁部
95 接続壁部
BL ベルトライン部
F(F1,F2,F3) フランジ
H 大隙間
K クリップ
L 境界線
P 湾曲部の頂点部
R 中隙間
Q 接続点(支点)
S センサー(感圧センサー)
T 小隙間