(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】屋外構造物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/00 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
E04B1/00 501Q
E04B1/00 501L
E04B1/00 501G
(21)【出願番号】P 2018220347
(22)【出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 明日美
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-098102(JP,U)
【文献】実開昭55-173508(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造材と、前記構造材の上面に設けられた開口部装置と、を備え、建物の外面から張り出すように設けられた屋外構造物であって、
前記開口部装置の屋外側に設けられ、上笠木と下笠木との間にフェンス材を設けた手摺部と、
前記構造材に対して前記下笠木を支持したブラケットと、
を備え、
前記開口部装置は、前記構造材の上面に取り付けられ、その外面に孔部が形成された枠材を有し、
前記ブラケットは、前記孔部に対して屋外側から挿入され、前記枠材の内側で前記構造材の上面に取り付けられた取付部と、前記孔部から屋外側へと突出し、前記下笠木が上から挿入された凹状の支持部とを有することを特徴とする屋外構造物。
【請求項2】
請求項1に記載の屋外構造物であって、
前記孔部は、水抜き穴であることを特徴とする屋外構造物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の屋外構造物であって、
前記枠材は、前記取付部の上方位置にヒレ部を有
し、
前記ヒレ部は、前記孔部を支点として前記支持部が脱落方向に回動した場合に、前記取付部と当接可能な位置にあることを特徴とする屋外構造物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の屋外構造物であって、
前記支持部の底面には、ブラケット側水抜き穴が形成されていることを特徴とする屋外構造物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の屋外構造物であって、
前記開口部装置は、障子を開閉可能に支持した開口枠を有し、
前記枠材は、前記開口枠の下枠と前記構造材の上面との間を連結する下地枠であることを特徴とする屋外構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外面から張り出すように設けられた屋外構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や店舗等の建物は、バルコニーのような屋外構造物が外面から張り出した状態で設けられることがある。例えば特許文献1には、障子を開閉可能に設けた開口部装置をバルコニーの周囲に設けた構成の屋外構造物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような屋外構造物では、格子材やパネル材を有する手摺部を開口部装置の屋外側に設けることで、転落防止や目隠しの機能を付加することがある。ところが、屋外構造物は、例えば建物の2階に設けられることもあるため、手摺部の設置作業の作業性が問題となる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、手摺部を容易に設置することができる屋外構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る屋外構造物は、構造材と、前記構造材の上面に設けられた開口部装置と、を備え、建物の外面から張り出すように設けられた屋外構造物であって、前記開口部装置の屋外側に設けられ、上笠木と下笠木との間にフェンス材を設けた手摺部と、前記構造材に対して前記下笠木を支持したブラケットと、を備え、前記開口部装置は、前記構造材の上面に取り付けられ、その外面に孔部が形成された枠材を有し、前記ブラケットは、前記孔部に対して屋外側から挿入され、前記枠材の内側で前記構造材の上面に取り付けられた取付部と、前記孔部から屋外側へと突出し、前記下笠木が上から挿入された凹状の支持部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屋外構造物の手摺部を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る屋外構造物の斜視図である。
【
図3A】
図1に示す屋外構造物の要部拡大正面図である。
【
図3B】
図3A中のIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【
図4】手摺部の下部及びその周辺部を拡大した側面断面図である。
【
図7】設置作業時にブラケットが仮置きされた状態を示す要部拡大側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る屋外構造物について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の屋外構造物10は、住宅や店舗等の建物の外面11から張り出すように設置されたテラス或いはバルコニーを囲むサンルームであり、テラス囲い或いはバルコニー囲いと呼ばれるものである。屋外構造物10は、外面11の開口部に設置された窓や扉を通って建物内から内部空間Sへと出入りできる。屋外構造物10は、さらに、開閉可能な前面窓12を利用して内部空間Sから屋外へと物品等を出し入れし、或いは出入りすることができる。
【0011】
以下、屋外から外面11に向かって屋外構造物10を見た方向を正面とし、正面から見て屋外構造物10の手前側を前、奥側を後、上方を上、下方を下、左方を左、右方を右、と呼んで説明する。また各図においては、左右方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
【0012】
図1及び
図2に示すように、屋外構造物10は、囲い部14と、手摺部16とを備える。
【0013】
囲い部14は、テラスやバルコニーを囲んで内部空間Sを形成した部分である。囲い部14は、その骨格となる複数の構造材によって前面窓12、左右の側面窓18、屋根材20、及び床部22を支持している。内部空間Sは、屋根材20と、前面窓12及び側面窓18と、床部22とによって屋外から仕切られている。屋外構造物10の骨格となる構造材は、左右の縦枠24と、垂木掛け26と、根太掛け28と、左右の柱30と、前枠32と、桁34と、左右の妻垂木36と、左右の腕木38と、左右の妻梁40とを有する。これら構造材は、例えばアルミニウムやスチール等で形成された形材である。
【0014】
前面窓12は、左右の障子12a,12bをスライドさせることで開口枠42の内側開口部を開閉可能な引違い窓の開口部装置である。前面窓12は、片引き窓、上げ下げ窓等、他の構成の開口部装置であってもよい。本実施形態の場合、側面窓18として開閉不能な嵌め殺し窓を例示しているが、側面窓18についても前面窓12のような開閉可能な構成としてもよい。
【0015】
縦枠24は、上下方向に沿って延在した形材である。縦枠24は、建物の外面11に当接配置された状態で建物の躯体にねじ止め固定されている。柱30は、前枠32の左右端部から垂下され、地面或いは建物の屋根等に支持された角柱状部材である。左右の柱30は、L字ブラケット44を介して手摺部16の上部を支持している。桁34は、左右方向に沿って延在した形材である。桁34は、柱30の下部間、妻梁40の前端部間を連結している。桁34は、床部22の前端部を支持すると共に、複数のブラケット46を介して手摺部16の下部を支持している。妻梁40は、前後方向に沿って延在した形材である。妻梁40は、縦枠24の下端部から前方に向かって突出し、床部22の側端部を支持している。
【0016】
手摺部16は、転落防止や防犯のための柵状の格子ユニットであり、前面窓12の屋外側の略下半分を覆うように設置されている。手摺部16は、上笠木48と、下笠木50と、複数のフェンス材52とを備える。
【0017】
上笠木48及び下笠木50は、例えばアルミニウムやスチール等で形成された形材であり、それぞれ左右方向に沿って延在している。上笠木48及び下笠木50は、左右の柱30,30間と略同一の長さ寸法となっている。上笠木48は、左右両端面がL字ブラケット44を介して左右の柱30の前面に固定されている。下笠木50は、上笠木48の下方でこれと平行に配置され、左右両端部よりも多少中央寄りの位置がそれぞれブラケット46を介して桁34に支持されている。
【0018】
フェンス材52は、例えばアルミニウムやスチール等で形成された形材であり、上下方向に沿って延在すると共に、左右方向に複数本が立設された縦格子である。各フェンス材52は、上端部が左右方向に延在した断面略H字状の上支持枠54で一体に支持され、下端部が左右方向に延在した断面略H字状の下支持枠56で一体に支持されている。上支持枠54は、上笠木48の下面に対してねじ止め固定され、下支持枠56は、下笠木50の上面に対してねじ止め固定されている。これにより手摺部16は、各フェンス材52で上笠木48と下笠木50とを連結したユニット構造となっている。フェンス材52は、横格子やパネル、網目材等で構成されてもよい。
【0019】
次に、手摺部16の囲い部14に対する具体的な取付構造を説明する。上記したように、手摺部16は、上笠木48がL字ブラケット44で柱30に取り付けられ、下笠木50がブラケット46で桁34に取り付けられている。
【0020】
図1及び
図3Aに示すように、L字ブラケット44は、スチールやステンレス、アルミニウム等で形成された金属板であり、側面視L字形状である。L字ブラケット44は、柱30の前面にねじ止め固定される柱固定部44aと、上笠木48の小口端面にねじ止め固定される笠木固定部44bとを有する。上笠木48は、L字ブラケット44を介して両端の小口端面が左右の柱30に固定されている。このため、上笠木48の上面には、L字ブラケット44やその取付用のねじ等が配置されず、ここに手を置いたり、荷物をかけたりし易い構成となっている。
【0021】
図3A~
図6Bに示すように、ブラケット46は、スチールやステンレス、アルミニウム等で形成された金属板であり、側面視略クランク形状である。ブラケット46は、取付部58と、支持部60とを有する。
【0022】
取付部58は、前後方向に沿って延在した水平板であり、桁34の上面34aにねじ61を用いて固定される。取付部58は、左右一対の取付孔58a,58aを後端側に有し、左右一対のねじ孔58b,58bを前端側に有する。各取付孔58aは、ねじ61が挿通される。各ねじ孔58bは、後述する連結板62の固定用である。
【0023】
桁34の上面34aには、下地枠(枠材)64を介して下枠42aが取り付けられている。下枠42aは、開口枠42の下枠であり、障子12a,12bをスライド可能に支持するレール66a,66bを有する(
図4参照)。下地枠64は、桁34と下枠42aとの間を連結する部材であり、捨て枠とも呼ばれる。下地枠64は、例えばアルミニウムやスチール等で形成された形材である。下地枠64は、桁34の上面34aに締結される下板部64aと、下地枠64の前面64bを形成した前板部64cと、下板部64aの後端部から上方に起立した後板部64dとを有する。後板部64dは、後板部64dよりも上方となる位置で水平方向のねじ65によって下枠42aと固定されている。後板部64dは、下板部64aよりも上方となる位置に、ヒレ部64eが設けられている。ヒレ部64eは、前板部64cの後方屈曲部の先端に対向するように前方へと突出している。ヒレ部64eと下板部64aとの間には、上下方向の中間板部64fが設けられている。ヒレ部64eの先端(前端)は、中間板部64fよりも前方に突出している。なお、
図3Bでは下枠42aの図示を省略している。
【0024】
下地枠64の前面64bには、左右両端部から多少中央寄りの位置にそれぞれ水抜き穴(孔部)64gが形成されている(
図4及び
図5参照)。取付部58は、この水抜き穴64gに対して屋外側から挿入され、下地枠64の内側で桁34の上面34aに固定されている。なお、下地枠64は、下板部64aが取付部58と上面34aとの間でねじ61によって共締めされ、これにより桁34に固定されている。水抜き穴64gは、取付部58を挿入した状態でも十分な排水性能を確保するため、取付部58が挿入された状態で十分な隙間を有する大きさに設定されている(
図5参照)。
【0025】
支持部60は、側面視略U字状の凹状部60aを有する。具体的には、支持部60は、取付部58の前端から下方に屈曲して延びた後板部60bと、後板部60bの下端から前方へと屈曲して延びた底板部60cと、底板部60cの先端から上方へと屈曲して延びた前板部60dとを有し、これら各板部60b~60dで凹状部60aを形成している。凹状部60aは、下笠木50を上から挿入して保持する部分である。前板部60dの高さは、後板部60bよりも低く構成され、これにより下笠木50を凹状部60aに挿入し易くなっている。凹状部60aの深さは、下笠木50を挿入した状態で下笠木50の上面50aと、取付部58の上面58cとが面一又は略面一となるように設定されている。後板部60bと取付部58との角部には、その中央部を押し潰した押し溝46aが形成されている。押し溝46aを設けたことにより、手摺部16の荷重がかかる支持部60と取付部58との折曲部の強度が向上している。
【0026】
支持部60は、凹状部60aの底面60eの前端部及び後端部にそれぞれ水抜き穴(ブラケット側水抜き穴)66,67が形成されている。水抜き穴66は、底板部60cと前板部60dの角部に形成されている。水抜き穴67は、底板部60cと後板部60bの角部に形成されている。水抜き穴66,67は、凹状部60a内に浸入した雨水等を排出するためのものである。
【0027】
ブラケット46は、取付部58が水抜き穴64gを通して桁34の上面34aに固定され、支持部60の凹状部60aに下笠木50が挿入された状態で、取付部58の上面58cと下笠木50の上面50aの間が連結板62によって連結される。これにより下笠木50がブラケット46に確実に固定される。連結板62は、例えばブラケット46と同一の左右幅寸法を有する矩形の金属板である。
図4に示すように、連結板62は、取付部58の水抜き穴64gから屋外側に突出した部分と、下笠木50とを連結する。連結板62は、後端側に設けられた左右の孔部にねじ68が挿通され、各ねじ68が取付部58の各ねじ孔58bに締結される。さらに連結板62は、前端側に設けられた左右の孔部にねじ69が挿通され、各ねじ69が下笠木50の上面50aに形成されたねじ孔に締結される。
【0028】
次に、手摺部16の設置手順の一例を説明する。なお、手摺部16は、上笠木48、下笠木50及びフェンス材52を組み付けて予めユニット化されている。
【0029】
先ず、ブラケット46を桁34に取り付ける。ブラケット46は、桁34の上面34aに載置した下地枠64の水抜き穴64gに対して取付部58を挿入し、その先端部(後端部)を中間板部64fに突き当てる。そして、下地枠64の前板部64cとヒレ部64eの間に形成された開口を利用してねじ61を取り付け、取付部58及び下板部64aを桁34に共締めする。これによりブラケット46は、支持部60が水抜き穴64gから屋外側に張り出した状態で桁34に固定される。
【0030】
なお、取付部58を水抜き穴64gに挿入した後、ねじ61が締結されるまでの間は、ブラケット46は固定されていない。このため、作業者がブラケット46から手を離した場合、ブラケット46が水抜き穴64gから屋外側に脱落する懸念がある。この点、本実施形態の下地枠64は、水抜き穴64gに挿入された取付部58の上方位置にヒレ部64eを有する。このため、
図7に示すように、仮にブラケット46が水抜き穴64gを支点として支持部60が脱落方向に回動した場合、取付部58がヒレ部64eに当接し、それ以上の回動が規制される。その結果、ブラケット46が水抜き穴64gから脱落することが防止されており、作業性が高い。
【0031】
次いで、下笠木50を支持部60の凹状部60aに対して上から挿入する。これにより、手摺部16は、下笠木50が凹状部60aで仮保持されるため、作業者は重量物である手摺部16を容易に支えておくことができる。そこで、L字ブラケット44を介して上笠木48を柱30に連結し、さらに連結板62を用いてブラケット46と下笠木50とを連結する。以上より、手摺部16の囲い部14に対する取付作業が完了する。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る屋外構造物10は、手摺部16の取付用のブラケット46が、下地枠64の水抜き穴64gに対して屋外側から挿入され、下地枠64の内側で桁34の上面34aに取り付けられた取付部58と、水抜き穴64gから屋外側へと突出し、手摺部16の下笠木50が上から挿入された凹状の支持部60と有する。
【0033】
従って、当該屋外構造物10は、手摺部16を設置する際、下笠木50を支持部60に挿入して仮保持しつつ取付作業を行うことができるため、手摺部16の設置作業が容易である。このため、例えば屋外構造物10が建物の2階に設置される場合でも手摺部16を容易に設置することができる。しかもブラケット46の取付部58は、下地枠64の水抜き穴64gに挿入した状態で用いられる。なお、ブラケット46は、水抜き穴64gではなく、下地枠64の前面64bに形成された専用の孔部を通して設置されてもよい。但し、前面窓12のような開口部装置を設けた構成の場合、その下部の下地枠64には水抜き穴64gが必要であるため、これを利用することが効率的である。
【0034】
本発明に係る屋外構造物は、構造材と、前記構造材の上面に設けられた開口部装置と、を備え、建物の外面から張り出すように設けられた屋外構造物であって、前記開口部装置の屋外側に設けられ、上笠木と下笠木との間にフェンス材を設けた手摺部と、前記構造材に対して前記下笠木を支持したブラケットと、を備え、前記開口部装置は、前記構造材の上面に取り付けられ、その外面に孔部が形成された枠材を有し、前記ブラケットは、前記孔部に対して屋外側から挿入され、前記枠材の内側で前記構造材の上面に取り付けられた取付部と、前記孔部から屋外側へと突出し、前記下笠木が上から挿入された凹状の支持部とを有することを特徴とする。このような構成によれば、手摺部を設置する際、下笠木をブラケットの支持部に挿入して仮保持しつつ取付作業を行うことができるため、手摺部の設置作業が容易である。しかもブラケットの取付部は、枠材の孔部に挿入した状態で用いられる。このため、ブラケットの固定時、仮に作業者がブラケットから手を離したとしてもブラケットが孔部の縁に引っ掛かって脱落することが回避され、作業効率が一層向上する。
【0035】
前記孔部は、水抜き穴であってもよい。そうすると、枠材の外面に別途ブラケット取付用の孔部を設けることなくブラケットを取り付けることができるため、効率的である。また、水抜き穴の一部がブラケットで塞がれることで、水抜き穴が外観上で目立つことがない。
【0036】
前記枠材は、前記取付部の上方位置にヒレ部を有する構成としてもよい。そうすると、ブラケットの取付時に作業者がブラケットから手を離した際、取付部がヒレ部に係止され、その脱落がより確実に防止される。
【0037】
前記支持部の底面には、ブラケット側水抜き穴が形成されていてもよい。そうすると、支持部に浸入した雨水等が外部に排水されるため、支持部に水が溜まることを防止できる。
【0038】
前記開口部装置は、障子を開閉可能に支持した開口枠を有し、前記枠材は、前記開口枠の下枠と前記構造材の上面との間を連結する下地枠であってもよい。そうすると、下枠を直接的に構造材に固定しないため、下枠の下面にねじ止め用の貫通孔が形成されることがなく、この貫通孔からの浸水を防止しつつ、下地枠を利用してブラケットを設置することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0040】
上記では、開口枠42の下枠42aを支持した下地枠64の外面に形成された孔部(水抜き穴64g)を通してブラケット46を構造材である桁34に取り付けた構成を例示した。しかしながら、例えば開口部装置である前面窓12の下枠42aが、下地枠64を用いずに直接的に桁34に取り付けられた構成等の場合、ブラケット46はこの下枠42aの水抜き穴等を通して設置されればよい。
【0041】
上記では、屋外構造物10の前面窓12に対面する位置に手摺部16を設けた構成を例示した。しかしながら、手摺部16は、側面窓18に対面する位置に設けてもよい。この場合、ブラケット46は、側面窓18の下枠或いはこの下枠を支持した下地枠の外面に形成された孔部を通して妻梁40の上面に取り付けられるとよい。
【符号の説明】
【0042】
10 屋外構造物、11 外面、12 前面窓、14 囲い部、16 手摺部、34 桁、34a,50a,58c 上面、42 開口枠、42a 下枠、44 L字ブラケット、46 ブラケット、48 上笠木、50 下笠木、52 フェンス材、58 取付部、60 支持部、60a 凹状部、60e 底面、62 連結板、64 下地枠、64b 前面、64e ヒレ部、64g,66,67 水抜き穴