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特許7168456インドリン誘導体およびそれらを使用するならびに生産する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】インドリン誘導体およびそれらを使用するならびに生産する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/08 20060101AFI20221101BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20221101BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20221101BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221101BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20221101BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20221101BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221101BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
C07D209/08 CSP
A61K31/4045
A61K31/454
C07D405/12
C07D401/12
A61K31/4439
C07D417/14
C07D417/12
A61K31/427
C07D403/12
A61K31/506
A61P43/00 105
A61P43/00 111
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018569146
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 US2017041179
(87)【国際公開番号】W WO2018009854
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】62/360,293
(32)【優先日】2016-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519000504
【氏名又は名称】アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ザ ユニバーシティ オブ アリゾナ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー,ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゴケール,ビジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャウラ,リーナ
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-523491(JP,A)
【文献】特表2003-500350(JP,A)
【文献】国際公開第2012/160392(WO,A1)
【文献】米国特許第02528940(US,A)
【文献】米国特許第02909523(US,A)
【文献】米国特許第05342851(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02761068(FR,A1)
【文献】中国特許出願公開第101870696(CN,A)
【文献】REGISTRY(STN)[on line],2002年01月07日,[検索日 2021.05.20], CAS登録番号 380542-78-9
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,1975年,Vol.18, No.11,pp.1130-1134
【文献】Journal of Organic Chemistry,1970年,Vol.35, No.2,pp.547-548
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia):
【化1】
[式中、
nは、1であり、
1は、3-メトキシフェニルであり、
は、-NR、-NRC(O)R、-NRSONRまたは-NRSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、エチルであり、
は、水素またはアルキルであり、かつ
は、置換されてもよいフェニル、または置換されてもよいピロリジニルである]、化合物。
【請求項2】
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-N,N-ジエチル-1-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミ
-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(メトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
またはこれらの薬学的に許容される塩から選択される、化合物。
【請求項3】
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミ
たはこれらの薬学的に許容される塩である、請求項に記載の化合物。
【請求項4】
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
またはこれらの薬学的に許容される塩である、請求項に記載の化合物。
【請求項5】
N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-N,N-ジエチル-1-スルホンアミド
またはこの薬学的に許容される塩である、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
またはこの薬学的に許容される塩である、請求項に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
線維性疾患にともなう病態を治療する用の、請求項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下式の化合物:
【化1】
(式中、n、RおよびRは本明細書で定義されるものである)に関する。本発明は、線維性疾患にともなう病態を治療するための式Iの化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
線維性疾患は、心臓、血管、腎臓、肝臓および肺を含む多くの臓器系を冒す。米国内の死亡の45%が、さまざまな程度の線維症を特徴とする疾患に起因すると推定されている。この憂慮すべき統計は、多くの場合で臓器不全の原因が進行性の線維症であるにもかかわらず、「死因」がしばしば末期の臓器不全であることから、過小評価されている。
【0003】
最も重篤かつ致死的な線維性肺疾患は、進行性の瘢痕組織の形成および不可逆的な肺実質の破壊を特徴とする特発性肺線維症(IPF)であり、ガス交換の異常および最終的には呼吸不全を引き起こす。IPFは、高齢者人口に偏って影響し診断時の平均年齢が66歳であることから、広く加齢の疾患としてみなされている。IPFは罹患率および死亡率が高く、生存率の中央値は3年未満である。更に、IPF患者の生存率は、年齢とともに顕著に低下する。
【0004】
2種類の薬剤が近年、IPFに対するFDAの承認を得ているが、IPF患者のクオリティ・オブ・ライフまたは生存率を明らかに改善することが示された薬剤治療は存在しない。現在の薬剤は、肺機能の低下の進行をある程度遅らせるだけである。線維症を「逆転」させることが可能な治療法は存在しない。
【0005】
したがって、患者体験および転帰を改善するためのIPDおよび他の線維性疾患に対するより効果的な治療に対する明確なニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの態様は、活性酸素種(ROS)生成酵素であるNADPHオキシダーゼ(Nox4)が、筋線維芽細胞の機能の重要な調節因子であるという本発明者らによる発見、および肺線維症の動物モデルにおけるその役割の検証に基づく。Nox4の発現は、IPFを有する患者の肺においておよびIPF肺線維芽細胞において上昇している。
【0007】
本発明者らによるこの発見以来、Nox4は腎臓、肝臓、皮膚、および心臓を含むさまざまな線維性疾患との関連が示されている。より最近、本発明者らは、難治性肺線維症の新たな加齢動物モデルを開発した。このモデルは、IPFの難治性の性質をより正確に再現しかつより臨床的に関連性のある有効性試験プロトコールを提供し、これにより確立された線維症の逆転を評価できる。このモデルを用い、本発明者らは、加齢に関連して、肺傷害が、線維症の解消を妨げる、老化およびアポトーシス抵抗性の筋線維芽細胞表現型の獲得をもたらすことを証明した。何らの理論によっても束縛されずに言うならば、この筋線維芽細胞表現型は、Nox4の持続的な活性化にともなう酸化還元の不均衡によって媒介されると考えられる。更に、Nox4の遺伝子/薬学的なターゲティングは、加齢にともなう難治性線維症の逆転および生存率の上昇をもたらした。
現在のところ、臨床的に使用可能な選択的Nox4阻害剤は存在しない。本発明の1つの特定の態様は、高度に選択的なNox4阻害化合物を提供する。本発明の別の態様は、線維性疾患にともなう病態を有する対象を治療するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)Amplex Redアッセイにより評価した、Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトされたHEK細胞における化合物によるH阻害、および(B)Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトされたHEK細胞におけるUANox048について評価したIC50を示すグラフである。
図2】UANox048で処理した、Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトされたHEK細胞における、(A)Amplex Redアッセイ、(B)ROS-Gloアッセイ、および(C)細胞生存率によって評価したHに対するUANox048のスカベンジャー活性を示すグラフである。
図3】(A)Amplex RedアッセイによるNox1選択性、(B)Amplex RedアッセイによるNox2選択性、および(C)Amplex Redアッセイによるキサンチンオキシダーゼ選択性について評価したUANox048を示すグラフである。
図4】UANox034、UANox008、UANox019およびUANox048で処理したヒト肺線維芽細胞(IMR90細胞)のAmplex RedアッセイによるH阻害を示すグラフである。
図5】UANox048で処理したヒト肺線維芽細胞(IMR90細胞)におけるSMAのウェスタンイムノブロッティング(A)および濃度測定分析(B)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語の定義
本明細書で使用するところの「置換されてもよい」なる用語は、1以上の置換基があってもなくてもよいことを意味する。更に、当業者には周知であるように、「置換基」なる用語は、水素以外の基を指す。例えば、「置換されてもよい」なる用語は、参照される化学構造が、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルケニル、C1~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、-O-1~6アルキル、-O-C1~6アルケニル、-O-C1~6アルキニル、-O-C1~6ハロアルキル、フェニル、-フェニル-OMe、-フェニル-CF、C1~6アルキル-フルオロフェニル、ピリジル、-O-フェニル、-C1~6アルキル-フェニル、-O-C1~6アルキル-フェニル、-O-ピリジル-CF、ハロアルキル-置換-O-ピリジル、ピリミジニル、-OH、-OMe、-NH、-N(H)Me、-NHC(O)Me、-C(O)NEt、-SH、-S(O)-ピペリジニル、-S(O)-フェニル-CF、-S(O)-フェニル-OCF、-S(O)-フルオロフェニル、-S(O)NMe、-S(O)NEtおよび-SMeからなるリストから選択される少なくとも1つの置換基を有することを意味する。
【0010】
「アルキル」は、1~12個、通常は1~6個の炭素原子からなる飽和直鎖状の1価の炭化水素部分、又は3~12個、通常は3~6個の炭素原子からなる飽和分枝鎖状の1価の炭化水素部分を指す。例示的なアルキル基としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、tert-ブチル、ペンチルなどが挙げられる。
【0011】
「アルキレン」は、1~12個、通常は1~6個の炭素原子からなる飽和直鎖状の2価の炭化水素部分、又は3~12個、通常は3~6個の炭素原子からなる分枝鎖状飽和2価の炭化水素部分を指す。例示的なアルキレン基としては、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンなどが挙げられる。
【0012】
「アリール」は、1個以上の置換基で置換されてもよい6~15個の環原子からなる1価の単環式、二環式、または三環式の芳香族炭化水素部分を指す。置換される場合、アリール基は、通常、環構造内で1、2、または3個の置換基により置換される。アリール基中に2個以上の置換基が存在する場合、各置換基は独立して選択される。置換される場合、アリール基の一般的な置換基としては、これらに限定されないが、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、置換されてもよいフェニル、置換されてもよいヘテロアリール、置換されてもよいヘテロシクロアルキル、または置換されてもよいアリールが挙げられる。より詳細には、アリールなる用語は、これらに限定されるではないが、置換されてもよいフェニル、置換されてもよい1-ナフチル、および置換されてもよい2-ナフチルなどを含む。
【0013】
「アラルキル」は、式-Ra1a2の部分(式中、Ra1はアルキレン基であり、Ra2は、本明細書で定義される置換されてもよいアリール基である)を指す。例示的なアラルキル基としては、これらに限定されないが、ベンジル、フェニルエチル、 3-(3-クロロフェニル)-2-メチルペンチルなどが挙げられる。
【0014】
「シクロアルキル」は、3~10個の環炭素からなる非芳香族性の1価の単環式または二環式の炭化水素部分を指す。シクロアルキルは、1個以上の置換基で置換されてもよい。置換される場合、シクロアルキルは、通常、環構造内に1、2、または3個の置換基を有し、各置換基は独立して選択される。シクロアルキルは、環構造内に1つ以上の非芳香族性不飽和二重結合を有してもよい。しかしながら、「飽和」なる用語が接頭辞として用いられる場合、シクロアルキル環構造内に多重(例えば二重または三重)結合は存在しない。シクロアルキルの適当な置換基としては、これらに限定されないが、アリール基について上に列記した例示的な置換基が挙げられる。
「シクロアルキルアルキル」は、式-Rb1b2の部分(式中、Rb1はアルキレン基であり、Rb2は、本明細書で定義される置換されてもよいシクロアルキル基である)を指す。例示的なシクロアルキルアルキル基としては、これらに限定されないが、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルプロピル、3-シクロヘキシル-2-メチルプロピルなどが挙げられる。
【0015】
「ハロ」、「ハロゲン」、および「ハライド」なる用語は本明細書で互換可能に用いられ、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0016】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子が同じかまたは異なるハロ原子で置き換えられた、本明細書で定義されるアルキル基を指す。「ハロアルキル」なる用語は、すべてのアルキル水素原子がハロゲン原子で置き換えられたパーハロゲン化アルキル基も含む。例示的なハロアルキル基としては、これらに限定されないが、-CHCl、-CF、-CHCF、-CHCClなどが挙げられる。
【0017】
「ヘテロアリール」なる用語は、N、O、またはSから選択される1、2、3、または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである5~12個の環原子からなる1価の単環式または二環式芳香族部分を意味する。ヘテロアリール環は、1個以上の置換基で置換されてもよい。置換される場合、通常、ヘテロアリールは、それぞれが独立して選択される1、2、または3個の置換基を有する。ヘテロアリールの例示的な置換基としては、アリール基について上に列記したものが挙げられる。例示的なヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、ピリジル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾフラン、ベンゾジアゼピン-2-オン-5-イルなどが挙げられる。
【0018】
「ヘテロシクリル」および「ヘテロシクロアルキル」なる用語は本明細書で互換可能に用いられ、1または2個の環原子が、N、O、またはS(O)(nは0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCであり、1または2個のC原子がカルボニル基であってもよい、3~8個の環原子からなる非芳香族性単環式部分を指す。ヘテロシクリル環は、1個以上の置換基で独立して置換されてもよい。置換される場合、ヘテロシクロアルキルは通常、それぞれが独立して選択される1、2、または3個の置換基を有する。ヘテロシクロアルキルは、環構造内に1つ以上の非芳香族性二重結合を有してもよい。しかしながら、「飽和」なる用語が接頭辞として用いられる場合、ヘテロシクロアルキル環構造内に多重(例えば二重または三重)結合は存在しない。ヘテロシクロアルキルの適当な置換基としては、これらに限定されないが、アリール基について上に列記した例示的な置換基が挙げられる。
「脱離基」は、合成有機化学において従来よりこの語に関連付けられた意味を有する。すなわち、求核剤によって置き換えられうる原子又は基であり、ハロ(クロロ、ブロモ、およびヨードなど)、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4-ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシアミノなどである。
【0019】
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般的に安全、無毒性でありかつ生物学的にも他の意味でも有害でない、医薬組成物の調製に有用な賦形剤を指し、獣医学的使用およびヒトの医薬としての使用に許容される賦形剤を含む。
【0020】
ある化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。かかる塩は、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される、もしくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンソイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシ酸エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成される、酸付加塩、または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンで置き換えられるか、または、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位する際に形成される塩を含む。
【0021】
「プロドラッグ」(pro-drug)および「プロドラッグ」(prodrug)なる用語は本明細書で互換可能に用いられ、かかるプロドラッグが哺乳動物の対象に投与される際にインビボで式Iの活性親薬剤を放出する任意の化合物を指す。式Iの化合物のプロドラッグは、式Iの化合物中に存在する1つ以上の官能基を、その修飾がインビボで切断されて親化合物を放出できるような形で修飾することによって調製される。プロドラッグは、式Iの化合物中のヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、インビボで切断されることでそれぞれ遊離ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基を再生成できる任意の基に結合される、式Iの化合物を含む。プロドラッグの例としては、これらに限定されないが、式Iの化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル、および安息香酸エステル誘導体)、カルバミン酸塩(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)などが挙げられる。
【0022】
「保護基」は、分子中の反応性基に結合されると、その反応性を遮断、低減または防止する、アルキル基以外の部分を指す。保護基の例は、いずれも本明細書にその全容を参照により援用する、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons,New York,1999、およびHarrison and Harrison et al.,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1-8(John Wiley and Sons,1971-1996)に見ることができる。代表的なヒドロキシ保護基としては、アシル基、ベンジルおよびトリチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルエーテルおよびアリルエーテルが挙げられる。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)などが挙げられる。
【0023】
「対応する保護基」は、保護基が結合されるヘテロ原子(すなわちN、O、PまたはS)に対応する適当な保護基を意味する。
【0024】
「治療有効量」は、疾患を治療するために哺乳動物に投与される際に、疾患に対するそのような治療を行うために充分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患、およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて異なる。
【0025】
疾患を「治療すること」または「治療」は、(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患に曝露されるかまたはその素因を有する可能性があるが、疾患をまだ発症していないまたはその症状を呈していない哺乳動物において疾患の臨床症状を発症させないこと、(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の発症を阻止または低減すること、または(3)疾患を緩和すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の軽減をもたらすこと、を含む。
【0026】
本明細書で使用する「治療する」、「接触させる」または「反応させる」なる用語は、化学反応について言う場合、2種類以上の試薬を適当な条件下で添加するまたは混合して指定のかつ/または所望の生成物を生成することを意味する。指定のかつ/または所望の生成物を生成する反応は、最初に加えられる2種類の試薬の組み合わせから必ずしも直接生じるとはかぎらない(すなわち、最終的に指定のかつ/または所望の生成物の生成をもたらす、混合物中で生成される1種類以上の中間体が存在する場合もある)点は認識されよう。
【0027】
本明細書で使用する「上記で定義されるもの」および「本明細書で定義されるもの」なる用語は、変量について言う場合、その変量の広義の定義ならびに存在する場合にはより狭い定義のいずれかおよびすべてを参照により包含する。
【0028】
本発明の化合物
本発明の一態様は、下式の化合物:
【化2】
[式中、
nは、0~4の整数であり、
各Rは、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換されてもよいヘテロアリール、置換されてもよいアリール、および-ORからなる群から独立して選択され、ここで各Rは、水素、アルキル、ヘテロアリール、アリールおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択される、または、
2個の隣り合うRが、それらが結合される炭素原子とともにヘテロシクロアルキルを形成し、
が、
(a)式:
【化3】
の部分、
(b)式:
【化4】
の部分、
(c)置換されてもよいアリール、および
(d)置換されてもよいヘテロシクロアルキル
からなる群から選択され、
式中、
mは、1または2であり、
は、置換されてもよいヘテロシクロアルキル、-NR、-NRSO、-NRC(O)R、-NRSONR、または-NRCONRであり、
は、O、NRまたはSであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはアルキルであり、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルである、またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいヘテロシクロアルキルを形成し、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルであり、
は、-N(R、置換されてもよいアリール、置換されてもよいヘテロアリール、または置換されてもよいヘテロシクリルである]であって、
ただし、
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン)、
1,1-ジエチル-3-(2-(インドリン-1-イル)エチル)尿素、
(N-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン)、
4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)モルホリン、
1-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)インドリン、
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)モルホリン-4-スルホンアミド、
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピペリジン-1-スルホンアミド、
4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド、
4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド、
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド、
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド、
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-スルホンアミド、
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-スルホンアミド、
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-スルホンアミド、
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)ピペラジン-1-スルホンアミド、
1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(モルホリノスルホニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン、
1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン、
4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)-N,N-ジメチルピペラジン-1-スルホンアミド、
N,N-ジエチル-4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)ピペラジン-1-スルホンアミド、
1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(モルホリノスルホニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン、
1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン、
2-(シクロヘプチルアミノ)-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン、または
3-(シクロヘプチルアミノ)-1-(インドリン-1-イル)プロパン-1-オンではない、化合物を提供する。
【0029】
本発明の一態様は、下式の化合物:
【化5】
[式中、
nは、0~4の整数であり、
各Rは、アルキル、ハロゲン、ニトロ、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換されてもよいヘテロアリール、置換されてもよいアリール、および-ORからなる群から独立して選択され、ここで各Rは、水素、アルキル、ヘテロアリール、アリールおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択される、
または2個の隣り合うRが、それらが結合される炭素原子とともにヘテロシクロアルキルを形成し、
が、
(a)式:
【化6】
の部分、
(b)式:
【化7】
の部分、
(c)置換されてもよいアリール、または
(d)置換されてもよいヘテロシクロアルキル
であり、
式中、
mは、1または2であり、
は、置換されてもよいヘテロシクロアルキル、-NR、-NRSO、-NRC(O)R、-NRSONR、または-NRCONRであり、
は、O、NR、またはSであり、
は、水素またはアルキルであり、一般的にRは、水素またはメチルであり、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルであり、
あるいは、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいヘテロシクロアルキルを形成し、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルであり、
は、置換されてもよいアリール、置換されてもよいヘテロアリールである]を提供する。
【0030】
式Iの化合物において、Rが式:
【化8-1】
の部分であり、かつmが1であり、かつRが-CHであり、かつXが-NHSONRである場合、RおよびRはいずれもエチルではない。
【0031】
一実施形態では、mは1である。更に別の一実施形態では、mは2である。
【0032】
更に別の実施形態では、R2は式:
【化8-2】
の部分であり、式中、m、XおよびRは本明細書で定義されるものである。
【0033】
更に他の実施形態では、RおよびRは、メチルおよびエチルからなる群から独立して選択される。更に他の実施形態では、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに式:
【化9】
のヘテロシクロアルキルを形成し、
式中、
は、Oまたは-NRであり、
R7は、アルキル、ヘテロアリール、または-SONRであり、
式中、
およびRのそれぞれは、アルキルから独立して選択される、またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいヘテロアリールまたは置換されてもよいヘテロシクロアルキルを形成する。
【0034】
これらの実施形態では、場合によりXは、-NRであり、ここでRは本明細書で定義される。いくつかの特定の場合では、Rは、メチル、エチル、置換されてもよいピラミジン-2-イル、置換されてもよいモルホリン-4-イルまたは置換されてもよいピペリジン-1-イルである。
【0035】
更に他の実施形態では、XはOである。
【0036】
他の実施形態では、Rは、置換されてもよいアリールである。いくつかの特定の実施形態では、R2は、アルキル、ハロアルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されてもよいアリール、置換されてもよいヘテロアリール、-NR、-NRSO、-NRC(O)R、-NRSONR、または-NRCONR(ここでR、R、RおよびRは本明細書で定義されるものである)で置換されてもよいフェニルである。
【0037】
更に他の実施形態では、Rは、置換されてもよいヘテロシクロアルキルである。いくつかの場合では、R2、置換されてもよいピペリジン-3-イルである。更なる他の場合では、ピペリジン-3-イルは、アルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されてもよいアリール、置換されてもよいアラルキル、置換されてもよいヘテロアリール、置換されてもよいヘテロアリールアルキルで置換されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、nは1である。
【0039】
更に他の実施形態では、Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、置換されてもよいフェニル、置換されてもよいピラゾリル、置換されてもよいピリジニル、もしくは置換されてもよいピリミジニルである、または、互いに隣り合った2個のR基がそれらが結合される炭素原子とともにヘテロシクロアルキルを形成する。Rの具体例のいくつかとして、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、4-フルオロフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-ニトロフェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、およびベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルからなる群から選択されるものが挙げられる。更に他の例では、nが2であり、互いに隣り合った2個のR基がともに式-O[CHO-(式中、kは1または2である)の部分を形成する。
【0040】
いくつかの実施形態では、
nは、0または1であり、
は、置換されてもよいアリールであり、
は、-NR、-NRC(O)R、-NRSONRまたは-NRSOであり、
は、水素またはアルキルであり、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいヘテロシクロアルキルを形成し、
は、水素またはアルキルであり、
は、置換されてもよいアリールまたは置換されてもよいヘテロシクリルである。
【0041】
いくつかの実施形態では、
X1は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
は、水素またはメチルであり、
およびRは、アルキルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいピペラジン環を形成し、
は、置換されてもよいフェニルまたは置換されてもよいピロリジニルである。
【0042】
いくつかの実施形態では、
は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
は、水素またはメチルであり、
およびRは、エチルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいピペラジン環を形成し、
は、置換されてもよいフェニルまたは置換されてもよいピロリジニルである。
【0043】
いくつかの実施形態では、
nは、1であり、
は、3-メトキシフェニルであり、
およびRは、エチルである。
【0044】
いくつかの実施形態では、
nは、0であり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにRで置換されたピペラジン環を形成し、式中、Rは、アルキル-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、
12は、置換されてもよいアリールであり、
は、フェニルまたはピロリジニルであり、ここでフェニルは、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニル、シアノ、-4-メトキシフェニルの1つ以上で置換される。
【0045】
いくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0046】
いくつかの実施形態では、Rは、アルキルである。
【0047】
いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0048】
本発明の代表的な化合物のいくつかを、下記表1~4に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【表7】
である。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明は式:
【化10】
[式中、
nは、0または1であり、
1は、置換されてもよいアリールであり、
は、-NR、-NRC(O)R、-NRSONRまたは-NRSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはアルキルであり、
およびRのそれぞれは、独立して水素またはアルキルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいヘテロシクロアルキルを形成し、
は、水素またはアルキルであり、かつ
は、置換されてもよいアリールまたは置換されてもよいヘテロシクリルである]を提供する。
【0057】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、
は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、アルキルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいピペラジン環を形成し、かつ
は、置換されてもよいフェニルまたは置換されてもよいピロリジニルである、化合物である。
【0058】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、
は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、エチルである、
またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子とともに置換されてもよいピペラジン環を形成し、かつ
は、置換されてもよいフェニルまたは置換されてもよいピロリジニルである、化合物である。
【0059】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、
nは、1であり、
は、3-メトキシフェニルであり、かつ
およびRは、エチルである、化合物である。
【0060】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、
nは、0であり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにRで置換されたピペラジン環を形成し、式中、Rは、アルキル-SO12、または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、
12は、置換されてもよいアリールであり、
は、フェニルまたはピロリジニルであり、ここでフェニルは、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニル、シアノ、-4-メトキシフェニルの1つ以上で置換される、化合物である。
【0061】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、RおよびR3’は水素である、化合物である。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、Rは水素でありかつR3’はメチルである、化合物である。
【0063】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物であって、RおよびR3’はメチルである、化合物である。
【0064】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物:
【化11】
[式中、
は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルであり、
が-NHC(O)Rである場合、Rは、ピロリジニルであり、
が-NHSONRである場合、RおよびRは、アルキルであり、
が-NHSOである場合、Rは、-O-アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-O-アルキルで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
c)Rが2個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルであり、
d)Xが-NHSONRである場合、RおよびRは、アルキルであり、RおよびR3’の両方は、メチルである]である。
【0065】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NR、-NHC(O)R、-NHSONRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、かつ
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルであり、
が-NHC(O)Rである場合、Rは、ピロリジニルであり、
が-NHSONRである場合、RおよびRは、エチルであり、かつ
が-NHSOである場合、Rは、-O-Me、-CF、-O-CF、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-OMeで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
c)Rが2個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルであり、かつ
d)Xが-NHSONRである場合、RおよびRは、エチルであり、RおよびR3’の両方は、メチルである]である、化合物である。
【0066】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、かつ
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルであり、かつ
は、-O-アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-O-アルキルで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、かつ
c)Rが2個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0067】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRまたは-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、かつ
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルであり、
は、-O-Me、フルオロ、-CF、-O-CF、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-OMeで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
c)Rが2個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0068】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、かつ
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-O-アルキルで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、かつ
c)Rが2個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0069】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、かつ
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルである、化合物である。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
は、-O-アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-O-アルキルで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、かつ
c)Rが2個のハロゲンで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0071】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
は、-O-Me、フルオロ、-CF、-O-CF、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルであり、
ただし、
a)Rが-OMeで置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
b)Rが1個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルであり、
c)Rが2個のフルオロ基で置換されたフェニルである場合、RおよびR3’の両方は、水素である、またはRおよびR3’の両方はメチルである、化合物である。
【0072】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHC(O)Rまたは-NHSONRであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
は、ピロリジニルであり、かつ
が-NHSONRである場合、RおよびRは、アルキルであり、
ただし、
a)RおよびRがアルキルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0073】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHC(O)Rまたは-NHSONRであり、
およびR3’は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、
は、ピロリジニルであり、かつ
が-NHSONRである場合、RおよびRは、エチルであり、
ただし、
a)RおよびRがエチルである場合、RおよびR3’の両方は、メチルである、化合物である。
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NR、-NHC(O)Rまたは-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、かつ
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルであり、
が-NHC(O)Rである場合、Rは、ピロリジニルであり、
が-NHSOである場合、Rは、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0075】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NR、-NHC(O)Rまたは-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、かつ
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルであり、
が-NHC(O)Rである場合、Rは、ピロリジニルであり、
が-NHSOである場合、Rは、-CF、-O-CF、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0076】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRまたは-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、かつ
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルであり、
が-NHSOである場合、Rは、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0077】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRまたは-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
が-NRである場合、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルであり、
が-NHSOである場合、Rは、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0078】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
およびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、アルキルであり、かつ
12は、ハロゲンまたは-O-ハロアルキルで置換されたフェニルである、化合物である。
【0079】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NRであり、
は、水素であり、かつR3’は水素またはメチルであり、
NR、RおよびRは、それらが結合される窒素原子とともにピペラジン環を形成し、ピペラジン環は、Rで置換され、Rは、-SO12または-SONRであり、式中、
およびRは、エチルであり、かつ
12は、フルオロまたは-O-CFで置換されたフェニルである、化合物である。
【0080】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
は、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0081】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
は、水素であり、かつR3’は、水素またはメチルであり、
は、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノで置換されたフェニルである、化合物である。
【0082】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
およびR3’は、メチルであり、
は、-O-アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、-O-ハロアルキル、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルである、化合物である。
【0083】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib)の化合物であって、
は、-NHSOであり、
およびR3’は、メチルであり、
は、-OMe、フルオロ、-CF、-O-CF、-O-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)、-O-フェニルまたはシアノの1つ以上で置換されたフェニルである、化合物である。
【0084】
いくつかの実施形態では、化合物は、
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-スルホンアミド
1,1-ジエチル-3-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)尿素
N-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)モルホリン-4-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペリジン-1-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン
1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン
4-(2-(インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)-N,N-ジメチルピペラジン-1-スルホンアミド
1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(ピリジン-4-イル)チアゾール-4-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-N,N-ジエチル-1-スルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-スルホンアミド
N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-スルホンアミド
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-4-(インドリン-1-イル)-フェニル-1-アミン
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(4-メトキシフェニル)チアゾール-4-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-フェニルチアゾール-4-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール-4-カルボキサミド
1-(2-(4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-スルホンアミド
1-(2-(4-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-カルボキサミド
1-(2-(4-(2-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-アミン
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(メトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
またはこれらの薬学的に許容される塩である。
【0085】
いくつかの実施形態では、化合物は、
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-スルホンアミド
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)-プロパン-1-アミン
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-アミン
1-(2-(4-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
1-(2-(4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-スルホンアミド
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-カルボキサミド
またはこれらの薬学的に許容される塩である。
【0086】
いくつかの実施形態では、化合物は、
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-アミン
1-(2-(4-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
1-(2-(4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-スルホンアミド
またはこれらの薬学的に許容される塩である。
【0087】
いくつかの実施形態では、化合物は、
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド
3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
またはこれらの薬学的に許容される塩である。
【0088】
いくつかの実施形態では、化合物は、
1-(2-(4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-スルホンアミド
1-(2-(4-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン
またはこれらの薬学的に許容される塩である。
【0089】
本発明の化合物上の異なる置換基は、出発化合物中に存在してよく、周知の置換の方法もしくは変換反応により中間体のいずれか1つに付加されまたは最終生成物の生成後に付加されてよい点は理解されよう。置換基自体が反応性である場合、置換基はそれ自体、当該技術分野で周知の方法によって保護されてよい。広範な保護基が当該技術分野で周知であり、使用できる。可能な基の多くの例は、T.W.Greenによる“Protective Groups in Organic Synthesis”John Wiley and Sons,1981に見られる。例えば、ニトロ基をニトロ化により付加でき、かつこのニトロ基を他の基に変換でき、例えば、還元によりアミノ基に、およびこのアミノ基のジアゾ化およびこのジアゾ基のハロゲンでの置換によりハロゲンに変換できる。アシル基は、フリーデル・クラフツアシル化により付加できる。このアシル基を次いで、ウォルフ・キシュナー還元およびクレメンソン還元を含む、さまざまな方法により対応するアルキル基に変換できる。アミノ基はアルキル化されてモノおよびジアルキルアミノ基を形成でき、メルカプトおよびヒドロキシ基はアルキル化されて対応するエーテルを形成できる。第一級アルコールは当該技術分野で周知の酸化剤により酸化されてカルボン酸またはアルデヒドを形成でき、第二級アルコールは酸化されてケトンを形成できる。したがって、置換または変換反応を用いて、単離生成物を含む、出発物質、中間体、または最終生成物の分子にわたりさまざまな置換基を与えることができる。
【0090】
なお更に、本明細書に記載される異なる可変基の組み合わせは他の実施形態をなす。これにより、さまざまな化合物が本発明の範囲内で実現される。
【0091】
別の態様では、本発明は医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される化合物と薬学的に許容される担体とを含んでよい。
【0092】
別の態様では、本発明の化合物は、Nox4の選択的阻害剤であり、したがって特に線維性疾患にともなう病態を治療するために治療的に使用できる。
【0093】
いくつかの実施形態では、線維性疾患にともなう病態を治療するための方法であって、線維性疾患にともなう病態を治療するために、かかる治療を要する対象に治療有効量の本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、または本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0094】
いくつかの実施形態では、線維性疾患にともなう病態は、腎臓、肝臓、皮膚、肺または心臓の線維性疾患を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、線維性疾患にともなう病態は、特発性肺線維症を含む。
【0096】
本発明の化合物を患者に投与して所望の生理学的効果を達成できる。化合物は、選択された投与経路(すなわち、経口または非経口)に適合されるさまざまな形態で投与できる。これに関して非経口投与は以下の経路:静脈内;筋肉内;皮下;眼内;関節滑液嚢内;経皮、点眼、舌下および頬側を含む経上皮;点眼、皮膚、眼内、直腸ならびに吹送およびエアロゾールによる経鼻吸入を含む局所;腹腔内;ならびに直腸全身投与による投与を含む。いくつかの実施形態では、投与は、例えば経口吸入器の使用を介する、経口吸入によって行われる。
【0097】
活性化合物は、例えば不活性希釈剤とともに、もしくは吸収可能な可食担体とともに経口投与されるか、またはハードもしくはソフトシェルゼラチンカプセル中に封入されるか、または錠剤へと押し固められるか、または食事の食べ物とともに直接摂取されてよい。経口治療薬投与のために、活性化合物を賦形剤に取り込むことができ、経口摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウェーハなどの形態で用いることができる。かかる組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含んでよい。組成物および製剤の割合(%)が異なりうることはいうまでもなく、都合に合わせて単位の重量の約1~約10%であってよい。かかる治療的において有用な組成物中の活性化合物の量は、適当な用量が得られるような量である。本発明に基づく好ましい組成物または製剤は、経口単位剤形が約1~約1000mgの活性化合物を含むように調製される。
【0098】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、以下のもの:トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;およびスクロース、ラクトースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、ウインターグリーン油、もしくはチェリー香料などの着香剤をさらに含んでもよい。単位剤形がカプセルである場合、それは上記の種類の材料に加えて、液体担体を含んでよい。各種の他の材料がコーティングとして、または用量単位の物理形態を改変するために存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤をセラック、糖衣、またはその両方でコーティングできる。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、チェリーまたはオレンジフレーバーなどの色素および着香剤を含んでよい。言うまでもなく、いずれの単位剤形を調製するうえで使用されるいずれの材料も、医薬的に純粋であり、かつ使用される量で実質的に無毒性でなければならない。更に、活性化合物は徐放性製剤および配合物中に取り込まれてよい。
【0099】
活性化合物は非経口投与されてもよい。遊離塩基または薬学的に許容される塩として活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適宜混合した水中で調製できる。分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物中で、および油中で調製してもよい。通常の保存および使用の条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するための防腐剤を含む。
【0100】
注射用途に適した医薬形態としては、滅菌注射溶液または分散液の即時調製のための滅菌水溶液または分散液および滅菌粉末が挙げられる。いずれの場合も、かかる形態は滅菌状態でなければならず、かつ容易に注射可能な程度の流動性を有しなければならない。それは、製造および保存の条件下で安定であってよく、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、および植物油を含む分散媒の溶媒であってよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合に必要とされる粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持できる。微生物の活動は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど、さまざまな抗細菌および抗真菌剤によって防止できる。多くの場合、等張剤、例えば、糖類または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。吸収を遅らせる剤の注射組成物の持続的吸収、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン。
【0101】
滅菌注射液は、必要な量の活性化合物を適切な溶媒中に、必要に応じて、上に列挙した各種の他の成分とともに加えた後、滅菌濾過を行うことによって調製される。一般的に、分散液は、塩基性分散媒および上に列挙したものからの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中に各種の滅菌有効成分を添加することによって調製される。滅菌注射液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥およびフリーズドライ法であり、予め滅菌濾過したその溶液から有効成分および任意の更なる所望の成分の粉末が得られる。
【0102】
本発明の治療化合物は、単独で、または上で述べたような薬学的に許容される担体とともに哺乳動物に投与でき、その割合は、化合物の溶解度および化学的性質、選択される投与経路ならびに標準的な薬務によって決められる。
【0103】
本発明の治療化合物は、特発性肺線維症(IPF)を治療するための1種類以上の薬剤、および/または酸化防止剤と組み合わせて投与できる。例えば、本発明の化合物は、ピルフェニドン、N-アセチルシステイン、3剤併用療法(すなわち、プレドニゾンおよびアザチオプリンと併用されるN-アセチルシステイン)、ニンテダニブまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与できる。
【0104】
医師は、予防または治療に最も適した本発明の治療剤の用量を決定し、用量は投与の形態および選択される特定の化合物によって異なり、また、治療される特定の患者によっても異なる。医師は一般的に、少ない用量で治療を開始し、その状況下で最適な効果が得られるまで漸増させていくことを望む。治療用量は一般的に、約0.1~約1000mg/日、好ましくは約10~約100mg/日、または1日につき体重1kg当たり約0.1~約50mg、好ましくは1日につき体重1kg当たり約0.1~約20mgであってよく、複数の異なる用量単位で投与できる。経口投与では、約2倍~約4倍のオーダーのより高量の用量が必要とされる場合もある。
【0105】
本発明の更なる目的、効果、および新規な特徴は、限定を目的としない以下の本発明の実施例を検討することで当業者には明らかとなろう。実施例では、実施するために構成的に単純化された手順を現在形で説明し、実験室で行われた手順については過去形で記載する。
【0106】
実施例
以下の略語を使用する。HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);DCM(ジクロロメタン);EtOAc(酢酸エチル);MeOH(メタノール);HBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸);DIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);Pd(dba)(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0));Boc(t-ブトキシカルボニル);(Boc)O(Di-tert-ブチルジカーボネート);AcOH(酢酸);EtOH(エタノール);EtN(トリエチルアミン);TLC(薄層クロマトグラフィー);およびNMR(核磁気共鳴法)。
【0107】
一般的手順:化学物質はすべて商業的供給業者より購入した。すべての溶媒は、Fischer Scientific社より入手した。フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲルを用いて行った(230/400メッシュ、Fisher Scientific社)。すべての無水反応は、窒素の陽圧下で行った。HPLC-MS分析は、Zorbax C18逆相カラムを用いるAgilent 1100シリーズの機器で行った。勾配は、10mL/分で20分間にわたり、水中90~95のACNであった。キラルHPLC分析は、Chiralcel OD-RH,5μm,4.6×150mmカラムを用いるAgilent1100シリーズの機器で行った。キラル化合物のHPLCによる精製は、Phenomenex Lux Amylose-2,Axia Packed,5μm,21.20×250 mmで行った。使用した溶媒系は、1mL/分のイソクラティック(無勾配)の水相中、60%ACNであった。HRMSの結果はapex-Qe機器で得た。すべてのH-NMRおよび13C-NMRスペクトルは、重水素化溶媒を使用してBRUKER AVANCE-III 400 MHz NMR機器で記録した。スペクトルはppmで記録し、重水素化DMSO(Hでは2.49ppm、13Cでは39.5ppm)または重水素化クロロホルム(Hでは7.26ppm、13Cでは77ppm)を基準とした。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、Bruker9.4T Apex-Qh FTICR質量分析計で得た。すべてのマイクロウェーブ支援反応は、Biotage Initiator機器を用いて行った。すべての化合物は、MSまたはUV吸光度検出器のいずれかを用いるHPLCにより純度について分析した。
【0108】
スキーム1:2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン(i)の合成
【化12】
窒素導入口、マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた丸底フラスコに、30mLのDMF中のインドリンの溶液(4.52g,35.68 mmol,4mL)をを加えた。上記の溶液にKCO (14g,101mmol)を加えた次いで混合物を30分間攪拌した。ヨウ化カリウム(0.58g,3.57mmol,0.1当量)および2-クロロエチルアミン塩酸塩(4.64g,39.25mmol)を次いで混合物に加えた。混合物を次いで110℃にて一晩加熱した。反応液を次いで200mLの水で希釈し、EtOAc(100mL x3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し、8.35gの粗生成物を得た。粗生成物を次いでジエチルエーテルで希釈してから2N HClを加えた。各相を次いで分離し、水相を次いで2.5N NaOHで塩基性化した。水相を次いでEtOHで抽出し、加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し、6.32gの粗生成物を得た。生成物を1:1のEtOAc:ヘキサンを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して過剰なインドリンを分離し、所望の生成物をCHCl中の10%MeOHで溶出した。加え合わせた画分を濃縮してから真空下で乾燥して2.38g(41%)の褐色油状化合物を所望の生成物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.10(t,J=6.8Hz,1H),7.07(t,J=8Hz,1H),6.71(t,J=8Hz,1H),6.52(d,J=8Hz,1H),3.56(q,J=8Hz,2H),3.38(t,J=8Hz,2H),3.23(t,J=8Hz,2H),3.30(t,J=8Hz,2H)。
【0109】
化合物UANOX001(N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン)
【化13】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、5mLのCHCl中の0.21g(1.22mmol)のN,N-ジエチルスルファモイルクロリドの溶液を加えた。上記の溶液に0.235g(1mmol)の2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン二塩酸塩(i・2HCl)および0.40mL(2.87mmol)のトリエチルアミンを加えた。反応液を室温で18時間激しく攪拌した後、20mLの水により反応停止した。水相を次いでCHCl(15mLx3)で抽出した。加え合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し、0.40gの粗生成物を得た。粗生成物を次いでヘキサン中の30%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。各画分を濃縮してから真空下で乾燥し170mg(57%)の所望の生成物を淡黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.11(t,J=8Hz,1H),6.74(t,J=8Hz,1H),6.57(d,J=8Hz,1H),4.63(s,2H),3.38(t,J=8Hz,2H),3.32(q,J=8Hz,4H),3.28-3.23(m,4H),3.02(t,J=8Hz,2H),1.23(t,J=8Hz,6H).HPLC-MS:予測値:298(MH);実測値:298。
【0110】
UANOX002(1,1-ジエチル-3-(2-(インドリン-1-イル)エチル)尿素)
【化14】
化合物UANOX002を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.28-7.09(m,2H),6.74(t,J=8Hz,1H),6.55(d,J=8Hz,1H),4.63(bs,1H),3.38(t,J=8Hz,2H),3.32(カルテット,J=8Hz,4H),3.28-3.23(m,4H),3.02(t,J=8Hz,2H),1.23(t,J=8Hz,6H).HPLC-MS:予測値:262(MH);実測値:262。
【0111】
UANOX003(N-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)エタン-1-アミン)
【化15】
UANOX003を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.10(t,J=8Hz,1H),6.74(t,J=8Hz,1H),6.56(d,J=8Hz,1H),4.69(s,1H),3.39(t,J=8Hz,2H),3.34-3.25(m,4H),3.02(t,J=8Hz,2H),2.85(s,6H).HPLC-MS:予測値:270(MH);実測値:270。
【0112】
UANOX004(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-スルホンアミド)
【化16】
UANOX004を、化合物UANPX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.10(t,J=8Hz,1H),6.74(t,J=8Hz,1H),6.56(d,J=8Hz,1H),4.70(s,1H),3.39(t,J=8Hz,2H),3.36-3.26(m,8H),3.02(t,J=8Hz,2H),1.95(s,4H).HPLC-MS:予測値:296(MH);実測値:296。
【0113】
UANOX011(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド)
【化17】
UANOX011を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.11(d,J=8Hz,1H),7.08(t,J=8Hz,1H),6.70(t,J=8Hz,1H),6.58(d,J=8Hz,1H),4.65(bs,1H),3.53(q,4Hz,2H),3.43(t,J=8Hz,2H),3.39-3.30(m,6H),3.26(t,J=8Hz,2H),2.85(s,3H),1.9-1.88(m,2H),1.86-1.82(m,2H).HPLC-MS:予測値:310(M+Na);実測値:310。
【0114】
UANOX012(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)モルホリン-4-スルホンアミド)
【化18】
UANOX012を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.17-7.07(m,2H),6.75(t,J=8Hz,1H),6.58(d,J=8Hz,1H),4.70(bs,1H),3.78-3.75(m,6H),3.39(t,J=8Hz,2H),3.26-3.23(m,6H),3.03(t,J=8Hz,2H).HPLC-MS:予測値:312(MH);実測値:312。
【0115】
UANOX021(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキサミド)
【化19】
UANOX021を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.12-7.06(m,2H),6.70(t,J=8Hz,1H),6.57(d,J=8Hz,1H),4.61(bs,1H),3.52(カルテット,J=8Hz,2H),3.42(t,J=8Hz,2H),3.32(t,J=8Hz,4H),3.25(t,J=8Hz,2H),3.01(t,J=8Hz,2H),1.90(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:260(MH);実測値:260。
【0116】
UANOX013(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペリジン-1-スルホンアミド)
【化20】
UANOX013を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.23-6.99(m,2H),6.76(td,J=7.4,0.9Hz,1H),6.59(d,J=7.8Hz,1H),4.60(bs,1H),3.40(t,J=8.2Hz,2H),3.36-3.26(m,4H),3.25-3.20(m,4H),3.02(t,J=8.2Hz,2H),1.77-1.46(m,6H).HPLC-MS:予測値:311(M+2);実測値:311。
【0117】
UANOX051(4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化21】
UANOX051を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)1HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.92(dd,J=9.0,5.1Hz,2H),7.21(t,J=9.2,2H),7.11(d,J=7.2Hz,1H),7.07(t,J=7.7Hz,1H),6.73(t,J=7.8Hz,1H),6.39(d,J=7.2Hz,1H),3.44-3.07(m,6H),2.95(t,J=8.2Hz,2H).HPLC-MS:予測値:321(MH);実測値:321。
【0118】
UANOX050(4-メトキシ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化22】
UANOX050を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.84(d,J=9.1Hz,2H),7.10(d,J=7.9Hz,1H),7.06(d,J=8Hz,1H),7.00(d,J=9.1Hz,2H),6.72(t,J=8Hz,1H),6.38(d,J=8.1Hz,1H),3.90(s,3H),3.24-3.12(m,6H),2.94(t,J=8.3Hz,2H).HPLC-MS:予測値:333(MH);実測値:333。
【0119】
UANOX075(4-トリフルオロメチル-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化23】
UANOX075を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0120】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.96(d,J=8.7Hz,2H),7.73(d,J=8.2Hz,2H),7.04(d,J=7.2Hz,1H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),6.67(t,J=7.4Hz,1H),6.29(d,J=7.9Hz,1H),5.08(bs,1H),3.26-3.06(m,6H),2.87(t,J=8.3Hz,2H).HPLC-MS:予測値:371(MH);実測値:371。
【0121】
UANOX076(4-トリフルオロメトキシ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化24】
UANOX076を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0122】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.90(d,J=9.7Hz,2H),7.31(d,J=8.7Hz,2H),7.05(d,J=7.2Hz,1H),7.01(t,J=7.7Hz,1H),6.68(t,J=7.4Hz,1H),6.32(d,J=7.2Hz,1H),4.94(bs,1H),3.25-3.04(m,6H),2.89(t,J=7.7Hz,2H).HPLC-MS:予測値:387(MH);実測値:387。
【0123】
UANOX077(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-スルホンアミド)
【化25】
UANOX077を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0124】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.41(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),7.23(dd,J=7.2,1.3Hz,1H),7.04(d,J=7.2Hz,1H),7.01(t,J=7.7Hz,1H),6.84(d,J=8.2Hz,1H),6.66(t,J=7.4Hz,1H),6.34(d,J=7.9Hz,1H),6.04(s,2H),4.83(bs,1H),3.24-3.02(m,6H),2.89(t,J=8.2Hz,2H).HPLC-MS:予測値:347(MH);実測値:347。
【0125】
UANOX078(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-スルホンアミド)
【化26】
UANOX078を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0126】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.37(dd,J=2.2,1.2Hz,1H),7.32(ddd,J=8.5,2.2,1.3Hz,1H),7.04(d,J=7.0Hz,1H),7.01(t,J=7.7Hz,1H),6.92(dd,J=8.5,0.9Hz,1H),6.66(t,J=7.4Hz,1H),6.34(d,J=7.9Hz,1H),4.77(bs,1H),4.35-4.12(m,4H),3.22-3.00(m,6H),2.89(t,J=8.2Hz,2H).HPLC-MS:予測値:361(MH);実測値:361。
【0127】
UANNOX079(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド)
【化27】
UANOX079を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0128】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.79(d,J=8.8Hz,2H),7.39(t,J=8.0Hz,2H),7.20(t,J=7.4Hz,1H),7.08-6.85(m,6H),6.67(t,J=7.3Hz,1H),6.34(d,J=7.9Hz,1H),4.86(t,J=5.6Hz,1H),3.21-3.06(m,6H),2.90(t,J=8.2Hz,2H).HPLC-MS:予測値:395(MH);実測値:395。
【0129】
UANOX080(N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド)
【化28】
UANOX080を、化合物UANOX080について述べた手順にしたがって合成した。
【0130】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.41(s,1H),7.95(dd,J=8.6,2.5Hz,1H),7.91(d,J=8.9Hz,2H),7.27(d,J=8.5Hz,2H),7.09(d,J=9.2Hz,1H),7.05(d,J=7.2Hz,1H),7.01(t,J=8.0Hz,1H),6.67(t,J=7.4Hz,1H),6.37(d,J=7.8Hz,1H),4.90(t,J=5.7Hz,1H),3.29-3.07(m,6H),2.91(t,J=8.1Hz,2H).HPLC-MS:予測値:464(MH);実測値:464。
【0131】
UANOX082(4-シアノ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化29】
UANOX082を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0132】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.92(d,J=7.7Hz,2H),7.71(d,J=7.4Hz,2H),7.04(d,J=7.2Hz,1H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),6.68(t,J=7.4Hz,1H),6.29(d,J=7.9Hz,1H),5.11(bs,1H),3.27-3.03(m,6H),2.87(t,J=8.2Hz,2H).13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ151.68,144.25,132.85,129.77,127.52,127.32,124.70,118.87,117.21,116.26,107.08,53.57,49.57,41.25,28.49.HPLC-MS:予測値:328(MH);実測値:328。
【0133】
UANOX081(3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化30】
UANNOX081を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。
【0134】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.67(t,J=8.1Hz,1H),7.61(d,J=8.4Hz,1H),7.30-7.22(m,1H),7.05-6.99(m,2H),6.67(t,J=7.3Hz,1H),6.34(d,J=7.8Hz,1H),4.94(bs,1H),3.27-3.03(m,6H),2.89(t,J=8.1Hz,2H).HPLC-MS:予測値:339(MH);実測値:339。
【0135】
UANOX017(4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)モルホリン)の合成
【化31】
スキーム2:
窒素導入口、マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた丸底フラスコに、2mLのDMF中のインドリン(0.2mL,0.213g,1.78mmol)の溶液を加えた。上記の溶液にKCO(0.707g,5.11mmol)を加えた後、混合物を30分間攪拌した。ヨウ化カリウム(0.03g,0.19mmol)および4-(2-ブロモエチル)モルホリン塩酸塩(0.34g,1.78mmol)を次いで加えた。反応混合物を次いで110℃にて6時間加熱した。混合物を次いで水(20mL)で希釈し、次いでEtOAc(15mL x3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーを用いて、最初にヘキサン中の30%EtOAcで(インドリンを溶出するため)、次いでCHCl中の10%MeOHを用いて精製して、0.246g(59%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.04-7.00(m,2H),6.60(t,J=8Hz,1H),6.45(d,J=8Hz,1H),3.70(t,J=4Hz,4H),3.37(t,J=8Hz,2H),3.20(t,J=4Hz,2H),2.93(t,J=8Hz,2H),2.58(t,J=8Hz,2H),2.51(m,4H).HPLC-MS:予測値:233(MH);実測値:233。
【0136】
UANOX018(1-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)インドリン)
【化32】
UANOX018を、化合物UANOX017の合成について述べた手順にしたがってインドリンと1-(2-ブロモエチル)ピペリジンとから合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.10-7.06(m,2H),6.66(t,J=8Hz,1H),6.52(d,J=8Hz,1H),3.42(t,J=8Hz,2H),3.28(t,J=8Hz,2H),3.01-2.97(m,2H),2.62(t,J=8Hz,2H),2.53(t,J=8Hz,4H),1.66(クインテット,J=4Hz,4H),1.52-1.47(m,2H).HPLC-MS:予測値:231(MH+);実測値:231。
【0137】
【化33】
スキーム3
2-(インドリン-1-イル)プロパンアミド(iia)の合成:窒素導入口、マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた丸底フラスコに、42mLのDMF中のインドリン(5.315 g,44.6mmol,5mL)の溶液を加えた。上記の溶液にKCO(18g,130mmol)を加えた後、混合物を30分間攪拌した。ヨウ化カリウム(0.8g,4.91mmol,0.1当量)および2-ブロモプロピオンアミド(7.46g,49.06mmol)を次いで混合物に加えた。混合物を次いで110℃にて2時間加熱した。混合物を次いで水(200mL)で希釈し、CHCl(70mL x3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し、13.45gの粗生成物を得た。結晶は、48時間静置した粗生成物から析出した。上清の油状物を除去し、結晶を最小量の無水ジエチルエーテルで洗った。生成物を無水ジエチルエーテルで再結晶化させて1.65g(19%)の純粋な生成物(NOESYによりエナンチオマーの一方であることが判明した)を得た。上清のワイン色の油状粗生成物(11.5g)をCHCl中の5%MeOHを用いるカラムクロマトグラフィーにかけて2つの画分を得た。H NMRを用いて2つの画分が同じ化合物であることを確認した。所望の生成物を含む2つの画分の加え合わせた有機層を別々に濃縮し、次いで真空下で乾燥して所望の生成物を褐色油状物として得た。この油状生成物は更に乾燥により固体となった。次いでこの固体をヘキサンで洗って余分なDMFを除去し、真空下で乾燥し6.85g(79%)の所望の生成物を褐色固体として得た。全体の収率は98%である。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.14(d,J=8.0Hz,1H),7.09(t,J=8Hz,1H),6.76(t,J=8Hz,1H),6.49(d,J=8Hz,1H),3.95(q,J=8Hz,1H),3.49(q,J=8Hz,1H),3.42(q,J=8Hz,1H),3.02(t,J=8Hz,2H),1.43(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:191(MH);実測値:191。
【0138】
2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパンアミド(iib)を、化合物iiaの合成について述べた手順にしたがってインドリンと2-ブロモ-2-メチルプロパンアミドとから合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.27(d,J=7.3Hz,1H),7.18(t,J=7.7Hz,1H),6.90(t,J=7.4Hz,1H),6.62(d,J=7.9Hz,1H),5.67(bs,1H),3.56(td,J=8.2,1.4Hz,2H),3.11(t,J=8.1Hz,2H),2.13(t,J=1.1Hz,3H),1.57(t,J=1.1Hz,3H).LCMS:予測値:205(MH);実測値:205。
【0139】
2-(インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン(iiia)の合成:窒素導入口および還流冷却器を備えた丸底フラスコに、1M BH・THF(25mL)に溶かした2-(インドリン-1-イル)プロパンアミド(8.04mmol,1.53 g)を加えた。反応混合物を次いで加熱して18時間、還流した。反応混合物を室温に冷却した後、MeOHでゆっくりと反応停止させた。溶液を濃縮し、MeOHに溶かし、再び濃縮した。得られた油状物を、ジエチルエーテルで希釈し、1N HClで2回抽出した。水相を2.5N NaOHで処理してpHを>10に調整し、次いでEtOAcで抽出した。加え合わせたEtOAc抽出物をNaSOで乾燥し、濃縮して0.97gの黄色油状物を粗生成物として得た。粗生成物をCHCl中の10~20%のMeOHを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。加え合わせた画分を蒸発させ、真空下で乾燥し0.78g(55%)の純粋な生成物を2つのエナンチオマーの混合物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.09-7.05(m,2H),6.64(t,J=8Hz,1H),6.49(d,J=8Hz,1H),3.73-3.64(m,1H),3.37(カルテット,J=8Hz,1H),3.29(カルテット,J=8Hz,1H),2.99(dd,J=8Hz,7Hz,2H),2.82(ddd,J=36Hz,8Hz,12Hz,2H),1.07(d,J=8Hz,3H)。
【0140】
2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-アミン(iiib)を、化合物iiiaの合成について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.31(d,J=7.6Hz,1H),7.24(t,J=8.1Hz,1H),7.00(d,J=7.9Hz,1H),6.88(t,J=7.3Hz,1H),3.68(t,J=8.6Hz,2H),3.20(s,2H),3.14(t,J=8.6Hz,2H),1.85-1.64(bs,1H),1.63(d,J=30.5Hz,3H),1.55(s,3H).LCMS:予測値:191(MH);実測値:191。
【0141】
UANOX006(1,1-ジエチル-3-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)尿素)
【化34】
UANOX006を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.09-7.05(m,2H),6.65(t,J=8Hz,1H),6.52(d,J=8Hz,1H),4.73(bs,1H),3.93-3.81(m,1H),3.60-3.54(ddd,J=20,12,8Hz,1H),3.34-3.29(m,2H),3.33-3.31(m,5H),3.24-3.91(m,2H),1.14(d,J=8Hz,3H),1.06(t,J=8Hz,6H).微量のコンフォーマーもプロトンNMRで観察された。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.62(dq,J=8,0.8Hz),7.42(dq,J=8,0.8Hz),7.21(d,J=3.6Hz),7.19(dt,J=8,1.2Hz),7.13(dd,J=20,1.2Hz),6.58(d,J=3.6Hz),1.60(d,J=8Hz),0.87(t,J=8Hz).HPLC-MS:予測値:276(MH);実測値:276。
【0142】
UANOX007(N-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン)
【化35】
UANOX007を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.12-7.07(m,2H),6.71(t,J=8Hz,1H),6.52(d,J=8Hz,1H),4.80(bs,1H),3.93-3.84(m,1H),3.40-3.26(m,2H),3.19(t,J=8Hz,2H),3.02-2.98(m,2H),2.82(s,6H),1.11(d,J=6.8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:284(MH);実測値:284。
【0143】
UANOX008(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-スルホンアミド)
【化36】
UANOX008を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。7.14-7.07(m,2H),6.70(t,J=8Hz,1H),6.51(d,J=8Hz,1H),4.79-4.74(m,1H),3.87(sextet,J=7Hz,1H),3.39-3.25(m,6H),3.22-3.18(m,2H),3.14(t,J=8Hz,1H),3.02-2.97(m,2H),1.97-1.91(m,4H),1.11(d,J=6.4Hz,3H).HPLC-MS:予測値:310(MH);実測値:310。
【0144】
UANOX019(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド)
【化37】
UANOX019を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.09-7.04(m,2H),6.65(t,J=8Hz,1H),6.51(d,J=8Hz,1H),3.89-3.81(m,1H),3.58-3.52(ddd,J=20,12,8Hz,1H),3.36-3.19(m,7H),3.00-2.96(m,2H),2.34(t,J=5Hz,4H),2.29(s,3H),1.12(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:304(M+2);実測値:304。
【0145】
UANOX010(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)モルホリン-4-スルホンアミド)
【化38】
UANOX010を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.12(d,J=8Hz,1H),7.09(t,J=8Hz,1H),6.71(t,J=8Hz,1H),6.51(d,J=8Hz,1H),4.78(t,J=8Hz,1H),3.91-3.83(m,1H),3.77(t,J=8Hz,4H),3.38-3.25(m,2H),3.23-3.20(m,6H),3.02-2.98(m,2H),1.12(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:326(MH);実測値:326および予測値:348(M+Na);実測値:348。
【0146】
UANOX020(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピロリジン-1-カルボキサミド)
【化39】
UANOX020を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.10-7.05(m,2H),6.66(t,J=8Hz,1H),6.53(d,J=8Hz,1H),4.56(bs,1H),3.92-3.84(m,1H),3.62-3.56(ddd,J=20,12,8Hz,1H),3.42-3.31(m,2H),3.27-3.19(m,5H),3.02-2.97(m,2H),1.89-1.83(m,4H),1.14(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:274(MH);実測値:274。
【0147】
UANOX009(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピペリジン-1-スルホンアミド)
【化40】
UANOX009を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.12-7.07(m,2H),6.71(t,J=8Hz,1H),6.52(d,J=8Hz,1H),4.76(t,J=8Hz,1H),3.91-3.82(m,1H),3.40-3.26(m,2H),3.21-3.16(m,6H),3.02-2.98(m,2H),1.69-1.62(m,4H),1.61-1.53(m,2H),1.11(d,J=6.8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:324(MH);実測値:324。
【0148】
UANOX033(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(ピリジン-4-イル)チアゾール-4-カルボキサミド)
【化41】
マグネチックスターラーバーおよび窒素導入口を備えた丸底フラスコに、6mLのDMF中の2-(インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン(iii)(0.15g,0.60mmol)、2-(ピリジン-4-イル)チアゾール-4-カルボン酸(0.149g,0.72mmol)およびHOBT-水和物(0.11g,0.72mmol)の混合物を加えた。上記の溶液に、HBTU(0.27g,0.72mmol)およびジイソプロピルアミン(0.28mL,1.60mmol)も加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。この反応混合物に飽和KCO水溶液を加え、次いでCHClで抽出した。加え合わせた有機層を次いで水、食塩水で洗い、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗生成物をCHCl中の0~2%のMeOHを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物をHPLCにより更に精製して20mg(9%)の純粋な所望の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.71(d,J=6Hz,2H),8.22(s,1H),7.71(d,J=6Hz,2H),7.68(bs,NH),7.11(d,J=7Hz,1H),7.07(t,J=7Hz,1H),6.66(t,J=7Hz,1H),6.56(d,J=7Hz,1H),4.06-3.97(m,1H),3.79(ddd,J=13.8,7.0,5.3Hz,1H),3.62-3.31(m,3H),3.04(t,J=9Hz,2H),1.24(d,J=9Hz,3H).HPLC-MS:予測値:365(MH);実測値:365。
【0149】
UANOX034(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド)
【化42】
UANOX034を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.82(d,J=8Hz,2H),7.09-7.04(m,2H),7.01(d,J=8Hz,2H),6.69(t,J=8Hz,1H),6.31(d,J=8Hz,1H),4.94-4.91(m,1H),3.92(s,3H),3.73-3.64(m,1H),3.20-3.11(m,2H),3.06-2.96(m,2H),2.94-2.84(m,2H),1.01(dJ=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:347(MH);実測値:347。
【0150】
UANOX035(4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド)
【化43】
UANOX035を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.93-7.89(m,2H),7.22(t,J=8Hz,2H),7.09(d,J=8Hz,1H),7.05(t,J=8Hz,1H),6.71(t,J=8Hz,1H),6.32(d,J=8Hz,1H),4.98(d,J=8Hz,1H),3.75-3.66(m,1H),3.23-3.13(m,2H),3.08-2.86(m,4H),1.03(dJ=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:335(MH);実測値:335.ラセミ混合物を分取キラルHPLCにより分離した。
【0151】
エナンチオマーA:H NMR(400MHz,CDCl)δ7.92-7.89(m,2H),7.21(t,J=8Hz,2H),7.09(d,J=8Hz,1H),7.07(t,J=8Hz,1H),6.69(t,J=8Hz,1H),6.32(d,J=8Hz,1H),5.07(bs,1H),3.74-3.66(m,1H),3.21-3.13(m,2H),3.09-2.85(m,4H),1.04(dJ=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:335(MH);実測値:335。
【0152】
エナンチオマーB:H NMR(400MHz,CDCl)δ7.92-7.89(m,2H),7.21(t,J=8Hz,2H),7.09(d,J=8Hz,1H),7.07(t,J=8Hz,1H),6.69(t,J=8Hz,1H),6.32(d,J=8Hz,1H),5.07(bs,1H),3.74-3.66(m,1H),3.21-3.13(m,2H),3.09-2.85(m,4H),1.04(dJ=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:335(MH);実測値:335。
【0153】
UANOX037(4-ヒドロキシ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ピペラジン-1-スルホンアミド)
【化44】
UANOX037を、化合物UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.11-7.07(m,2H),6.70(t,J=8Hz,1H),6.51(d,J=8Hz,1H),5.14(bs,1H),3.92-3.84(m,1H),3.74(bs,4H),3.40-3.34(m,2H),3.19(t,J=8Hz,2H),2.99(t,J=8Hz,2H),2.75(bs,4H),2.49(bs,3H),1.11(d,J=6.8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:339(MH);実測値:339。
【0154】
UANOX049(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド)
【化45】
UANOX049を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.93(d,J=12Hz,2H),7.35(d,J=8Hz,2H),7.08(d,J=8Hz,1H),7.04(t,J=8Hz,1H),6.70(t,J=8Hz,1H),6.30(d,J=8Hz,1H),5.17(dd,J=8.4,2.3Hz,1H),3.74-3.66(m,1H),3.32-3.13(m,2H),3.09-3.00(m,2H),2.97-2.84(m,2H),1.05(d,J=6.8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:401(MH);実測値:401。
【0155】
UANOX048(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化46】
UANOX048を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.01(d,J=7.6Hz,2H),7.78(d,J=8.2Hz,2H),7.08(d,J=8.3Hz,1H),7.04(t,J=7.1Hz,1H),6.70(t,J=7.8Hz,1H),6.28(d,J=7.9Hz,1H),5.32-5.26(m,1H),3.77-3.64(m,1H),3.29-2.77(m,6H),1.05(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:385(MH);実測値:385。
【0156】
UANOX055(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-フェニルチアゾール-4-カルボキサミド)
【化47】
UANOX055を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.10(s,1H),7.90-7.87(m,2H),7.71(s,NH),7.4-7.44(m,3H),7.12-7.06(m,2H),6.67(t,J=8Hz,1H),6.57(d,J=8Hz,1H),4.01(dp,J=9.4,6.6Hz,1H),),3.78(ddd,J=13.7,7.0,5.6Hz,1H),3.59-3.39(m,3H),3.04(t,J=8Hz,2H),3.03(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:364(MH);実測値:364。
【0157】
UANOX073(4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド)
【化48】
UANOX073を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.98(d,J=8.7Hz,1H),7.80(d,J=8.7Hz,1H),7.11-7.00(m,2H),6.72(t,J=7.8Hz,1H),6.30(d,J=7.9Hz,1H),5.15(d,J=6.9Hz,1H),3.80-3.52(m,1H),3.31-3.13(m,2H),3.13-3.00(m,2H),2.98-2.83(m,2H),1.06(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:342(MH);実測値:342。
【0158】
UANOX056(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール-4-カルボキサミド)
【化49】
UANOX056を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.53(s,1H),8.34(d,J=8Hz,2H),8.06(d,J=12Hz,2H+1NH),7.48(d,J=8Hz,1H),7.44(t,J=8Hz,1H),7.03(t,J=8Hz,1H),6.92(d,J=8Hz,1H),4.40-4.34(m,1H),4.18-4.12(m,1H),3.93-3.75(m,3H),3.39(d,J=8Hz,2H),1.59(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:432(MH);実測値:432。
【0159】
UANOX054(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2-(4-(メトキシ)フェニル)チアゾール-4-カルボキサミド)
【化50】
UANOX05を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.02(s,1H),7.82(d,J=8Hz,2H),7.71(s,NH),7.11(d,J=8Hz,1H),7.09(t,J=8Hz,1H),6.96(d,J=8Hz,2H),6.66(t,J=8Hz,1H),6.57(d,J=8Hz,1H),4.03-3.97(m,1H),3.89(s,3H),3.81-3.74(m,1H),3.58-3.39(m,3H),3.04(t,J=8Hz,2H),1.23(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:394(MH);実測値:394。
【0160】
UANOX069(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-スルホンアミド)
【化51】
UANOX069を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.42(d,J=2.2Hz,1H),7.37(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.13-7.02(m,2H),6.98(d,J=8.7Hz,1H),6.69(td,J=7.4,0.9Hz,1H),6.34(d,J=7.9Hz,2H),4.89(d,J=8.8Hz,1H,NH),4.41-4.20(m,4H),3.76-3.66(m,1H),3.21-3.10(m,2H),3.06(td,J=8.4,4.4Hz,1H),2.99(ddd,J=12.7,10.5,2.4Hz,1H),2.95-2.89(m,2H),1.04(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:375(MH);実測値:375。
【0161】
UANOX071(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド)
【化52】
UANOX071を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.84(d,J=8.9Hz,2H),7.45(dd,J=8.5,7.5Hz,2H),7.28-7.21(m,1H),7.13-7.01(m,6H),6.70(t,J=7.4Hz,1H),6.33(d,J=7.9Hz,1H),4.97(d,J=9.6Hz,1H,NH),3.80-3.51(m,1H),3.24-3.12(m,2H),3.07(dt,J=8.6,4.0Hz,1H),3.01(dt,J=12.6,10.4,1H),2.98-2.83(m,2H),1.05(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:409(MH);実測値:409。
【0162】
UANOX070(N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド)
【化53】
UANOX070を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.47(dt,J=2.6,0.9Hz,1H),8.01(ddd,J=8.6,2.5,0.6Hz,1H),7.95(d,J=8.6Hz,2H),7.33(d,J=9.0Hz,2H),7.15(dp,J=8.6,0.6Hz,1H),7.09(d,J=7.1Hz,1H),7.04(t,J=7.7Hz,1H),6.71(dd,J=7.4,0.8Hz,1H),6.37(d,J=7.9Hz,1H),5.02(d,J=9.7Hz,1H,NH),3.72(dt,J=11.1,6.8Hz,1H),3.33-3.14(m,2H),3.14-3.00(m,2H),2.99-2.87(m,2H),1.06(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:478(MH);実測値:478。
【0163】
UANOX072(3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド)
【化54】
UANOX072を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.73(ddd,J=9.3,7.2,2.2Hz,1H),7.70-7.63(m,1H),7.33(ddd,J=9.6,8.6,7.3Hz,1H),7.12-7.02(m,2H),6.71(t,J=7.4Hz,1H),6.35(d,J=7.9Hz,1H),5.07(d,J=9.8Hz,1H,NH),3.73(dt,J=11.0,6.8Hz,1H),3.28-3.14(m,2H),3.10(td,J=8.7,4.1Hz,1H),3.02(tdd,J=12.6,10.4,2.4Hz,1H),2.96-2.89(m,2H),1.06(d,J=6.7Hz,3H).HPLC-MS:予測値:353(MH);実測値:353。
【0164】
UANOX083(N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-アミン)
【化55】
UANOX083を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.69(d,J=7.5Hz,1H),6.61(t,J=8.1Hz,1H),6.45-6.02(m,2H),4.25(t,J=6.4Hz,1H),3.00(t,J=8.6Hz,2H),2.93-2.74(m,6H),2.49(t,J=8.3Hz,2H),0.95(s,6H),0.78(t,J=7.1Hz,6H).HPLC-MS:予測値:326(MH);実測値:326。
【0165】
UANOX084(N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド)
【化56】
UANOX084を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.62(d,J=8.4Hz,2H),6.95(d,J=7.1Hz,1H),6.63(t,J=7.7Hz,1H),6.56(d,J=7.7Hz,1H),6.06(d,J=7.9Hz,1H),5.02(t,J=5.4Hz,1H),3.24(t,J=8.3Hz,2H),3.12(d,J=5.4Hz,2H),2.76(t,J=8.3Hz,2H),1.19(s,6H).HPLC-MS:予測値:399(MH);実測値:399。
【0166】
UANOX085(N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド)
【化57】
UANOX085を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.98(d,J=8.9Hz,2H),7.67(t,J=7.9Hz,2H),7.52-7.43(m,1H),7.33(d,J=7.8Hz,2H),7.29(d,J=7.0Hz,1H),7.24(d,J=8.9Hz,2H),7.06(t,J=7.7Hz,1H),6.89(t,J=7.3Hz,1H),6.51(d,J=8.0Hz,1H),5.20(t,J=5.6Hz,1H),3.59(t,J=8.3Hz,2H),3.44(d,J=5.6Hz,2H),3.11(t,J=8.3Hz,2H),1.53(s,6H).HPLC-MS:予測値:423(MH);実測値:423。
【0167】
UANOX086(4-フルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド)
【化58】
UANOX086を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.85-7.81(m,2H),7.18(td,J=8.6,2.6Hz,2H),7.09(d,J=7.0Hz,1H),6.81(t,J=7.9Hz,1H),6.69(td,J=7.4,2.2Hz,1H),6.24(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),5.02(s,1H),3.37(td,J=8.3,2.5Hz,2H),3.22(dd,J=5.6,2.6Hz,2H),2.90(t,J=8.0Hz,2H),1.31(s,6H).HPLC-MS:予測値:349(MH);実測値:349。
【0168】
UANOX087(3,4-ジフルオロ-N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド)
【化59】
UANOX087を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。1HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.69(t,J=9.2Hz,1H),7.67-7.58(m,1H),7.31(q,J=8.0Hz,1H),7.13(d,J=7.2Hz,1H),6.86(d,J=7.8Hz,1H),6.73(t,J=7.3Hz,1H),6.30(d,J=8.0Hz,1H),5.13(s,1H),3.41(t,J=8.3Hz,2H),3.27(d,J=5.4Hz,2H),2.93(t,J=8.2Hz,2H),1.35(s,6H).LCMS:予測値(M+H):367(M+H)および389(M+Na);実測値:367および389。
【0169】
UANOX088(N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ベンゼンスルホンアミド)
【化60】
UANOX088を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.42(s,1H),7.94(dd,J=8.5,2.6Hz,1H),7.81(d,J=8.9Hz,2H),7.26-7.20(m,2H),7.08(d,J=8.1Hz,1H),7.02(d,J=7.9Hz,1H),6.81(t,J=7.7Hz,1H),6.61(t,J=7.3Hz,1H),6.23(d,J=8.0Hz,1H),4.94(t,J=5.8Hz,1H),3.32(t,J=8.4Hz,2H),3.20(d,J=5.5Hz,2H),2.84(t,J=8.4Hz,2H),1.26(s,6H).LCMS:予測値:492(MH);実測値:492。
【0170】
UANOX089(N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド)
【化61】
UANOX089を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.77(d,J=10.7Hz,2H),7.10(d,J=7.3Hz,1H),6.99(d,J=7.2Hz,2H),6.82(t,J=8.0Hz,1H),6.69(t,J=7.8Hz,1H),6.26(d,J=7.9Hz,1H),4.93(t,J=5.5Hz,1H),3.94(s,3H),3.39(t,J=8.7Hz,2H),3.21(d,J=7.1Hz,2H),2.91(t,J=8.3Hz,2H),1.33(s,6H).LCMS:予測値:361(MH);実測値:361。
【0171】
UANOX090(N-(2-(インドリン-1-イル)-2-メチルプロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド)
【化62】
UANOX090を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.84(d,J=8.5Hz,2H),7.30(d,J=8.3Hz,2H),7.06(d,J=7.1Hz,1H),6.75(d,J=7.8Hz,1H),6.67(d,J=7.3Hz,1H),6.20(d,J=8.0Hz,1H),5.09(s,1H),3.35(t,J=8.3Hz,2H),3.22(d,J=5.4Hz,2H),2.87(t,J=8.3Hz,2H),1.29(s,6H).LCMS:予測値:415(M+H)および437(M+Na);実測値:415および437。
【0172】
【化63】
スキーム4
tert-ブチル 5-ブロモインドリン-1-カルボキシラート (iv)の合成:窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、200mLのMeOH中の5-ブロモインドリン(5g,25.24mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、KCO(4.2g,30.89mmol)を加え、反応液を30分間攪拌した後、Boc無水物(7.0g,32.07mmol)を加えた。混合物を次いで室温で72時間攪拌した後、水(300mL)で希釈した。この水性混合物をCHCl(100mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮して7.25gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の化合物をヘキサン中の10~20%のEtOAcで溶出し5.65g(75%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.28(bs,3H),4.00(t,J=8Hz,2H),3.10(t,J=8Hz,2H),1.58(s,9H)。
【0173】
tert-ブチル 5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-カルボキシラート (v)の合成:マグネチックスターラーバーおよび窒素導入口を備えた丸底フラスコに、24mLのDMF/HO(1:1)中のtert-ブチル 5-ブロモインドリン-1-カルボキシラート(1.2g,4.04mmol)および(3-メトキシフェニル)ボロン酸(0.73g,4.80mmol)、NaCO(0.852g,8.04mmol)およびPd(PPh(0.464g,0.40mmol)の溶液を加えた。反応混合物を90℃にて18時間加熱した。反応混合物を次いで室温に冷却し、80mLの水を加えた。この水性混合物を次いでCHCl(50mLx4)で抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮して2.53 gの黒色油状物を得た。この粗生成物を次いでヘキサン中の10~20%のEtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーで精製して0.846g(64%)の所望の化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.44-7.38(m,3H),7.35(t,J=7.9Hz,1H),7.17(ddd,J=7.7,1.7,1.0Hz,1H),7.11(dd,J=2.4,1.7Hz,1H),6.88(ddd,J=8.2,2.6,0.9Hz,1H),4.07(t,J=8Hz,2H),3.89(s,3H),3.17(t,J=8Hz,2H),1.61(s,9H)。
【0174】
5-(3-メトキシフェニル)インドリン(vi)の合成:窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、40mLのCHCl中のtert-ブチル 5-(4-メトキシフェニル)インドリン-1-カルボキシラート(0.846g,2.6mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に11mLのCFCOOHを加え、混合物を室温で一晩攪拌した。反応をTLCにより監視した。反応の完了後に、溶媒を除去した。残渣を水に溶解し、次に飽和NaCO水溶液を加えてpH=11に調整した。水相を次いでCHCl(30mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を濃縮してから真空下で乾燥して0.60g(100%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.40(bs,1H),7.32(カルテット,J=8Hz,2H),7.15(dd,J=8Hz,2Hz,Jメタ=0.8Hz,1H),7.10-7.09(m,1H),6.68(dd,J=8Hz,2.6Hz,Jmeta=0.8Hz,1H),6.62(d,J=8Hz,1H),3.89(s,3H),3.65(t,J=8Hz,2H),3.13(t,J=8Hz,2H)。
【0175】
2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロパンアミド(vii)の合成:窒素導入口および還流冷却器を備えた丸底フラスコに、7mLのDMF中の5-(3-メトキシフェニル)インドリン(829mg,3.68mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、KCO(1.39g,10.1mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌した。ヨウ化カリウム(70mg,0.42mmol)および2-ブロモプロピオンアミド(616mg,1.71mmol)を次いで混合物に加え、次いで110℃にて2時間加熱した。反応液を室温に冷却した後、40mLの水で希釈した。この水性混合物をCHCl(20mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮して褐色油状物を粗生成物として得た。粗生成物を、溶離剤としてヘキサン中の70%EtOAcを用いて精製して、1.024g(94%)の明褐色の油状物を所望の生成物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39(bs,1H),7.34-7.31(m,2H),7.13(ddd,J=7.6,1.6,0.9Hz,1H),7.08-7.07(m,1H),6.84(ddd,J=8.2,2.5,0.8Hz,1H),6.55(d,J=8Hz,1H),4.02(カルテット,J=8Hz,1H),3.87(s,3H),3.56(カルテット,J=8Hz,1H),3.50(カルテット,J=8Hz,1H),3.09(t,J=8Hz,2H),1.47(d,J=8Hz,3H)。
【0176】
2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロパン-1-アミン(viii)の合成:窒素導入口および還流冷却器を備えた丸底フラスコに、1M BH・THF(20mL)中に溶かした2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロパンアミド(6.83mmol,2.024g)を加えた。反応混合物を還流下で24時間加熱した。反応をTLCで監視した。反応の完了後に、混合物を室温に冷却し、次いでMeOHでゆっくりを反応停止させた。溶液を濃縮し、MeOHに溶かし、再び濃縮した。得られた油状物を、エーテルで希釈し、1N HClで2回抽出した。水相を2.5N NaOHで処理してpH>10に調整し、クロロホルムで抽出した。加え合わせたクロロホルム抽出物をNaSOで乾燥し、濃縮して黄色油状物を粗生成物として得た。粗生成物をCHCl中の5%のMeOHを用いるカラムクロマトグラフィーにかけた。加え合わせた所望の生成物を含む画分を濃縮してから真空下で乾燥し820mg(43%)の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35-7.29(m,3H),7.13(dd,J=8Hz,2Hz,Jmeta=0.8Hz,1H),7.09-7.08(m,1H),6.84(dd,,J=8Hz,3.6Hz,Jmeta=1.2Hz,1H),6.55(d,J=8Hz,1H),3.88(s,3H),3.75-3.66(m,1H),3.48-3.36(m,2H),3.06(t,J=8Hz,2H),2.94-2.78(m,2H),1.12(d,J=8Hz,3H)。
【0177】
UANOX036(N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-N,N-ジエチル-1-スルホンアミド)
【化64】
UANOX036を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35-7.33(m,3H),7.14(d,J=8Hz,1H),7.08(t,J=2.4Hz,1H),6.84(dd,J=7Hz,2.4Hz,1H),6.56(d,J=8Hz,1H),4.60(bs,1H),3.96-3.87(m,1H),3.88(s,3H),3.45-3.36(m,2H),3.33(カルテット,J=6.8Hz,4H),3.18-3.11(m,2H),3.08-3.04(m,2H),1.23(t,J=8Hz,6H),1.15(d,J=6.8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:418(MH);実測値:418。
【0178】
UANOX0254(N-(2-(5-(3-メトキシフェニル)インドリン-1-イル)プロピル)-4-メチルピペラジン-1-スルホンアミド)
【化65】
UANOX0254を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.36-7.32(m,2H),7.30(bs,1H),7.14(dd,J=8Hz,2Hz,Jメタ=0.8Hz,1H),7.09-7.08(m,1H),6.82(dd,J=7Hz,2.4Hz,1H),3.91(t,J=8Hz,1H),3.88(s,3H),3.44-3.32(m,2H),3.29(t,J=5Hz,4H),3.22(t,J=6.8Hz,2H),3.08-3.04(m,2H),2.51(t,J=8Hz,4H),2.35(s,3H),1.15(d,J=8Hz,3H).HPLC-MS:予測値:445(MH);実測値:445。
【0179】
【化66】
【0180】
スキーム5
2-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン(中間体ix)の合成
【化67】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、10mLのCHCl中のインドリン(1.07g,8.9mmol,1mL)をの溶液を加えた。上記の溶液に、EtN(0.90g,1.24mmol)および2-ブロモアセチルブロミド(1.8g,0.78mL,8.9mmol)を続けて加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を次いで濃縮した。残渣を水、次いでEtOで洗い、真空下で乾燥し2.12g(99%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.10(d,J=8Hz,1H),7.27(d,J=8Hz,1H),7.19(カルテット,J=8Hz,1H),7.09(t,J=8Hz,Jメタ=1.2Hz,1H),4.25(t,J=8Hz,2H),4.15(s,2H),3.23(t,J=8Hz,2H).HPLC-MS:予測値:364(MH);実測値:364。
【0181】
3-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)プロパン-1-オン (中間体ix)の合成
【化68】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、10mLのCHCl中のインドリン(1.07g,8.9mmol,1mL)をの溶液を加えた。上記の溶液に、EtN(0.90g,1.24mmol)および3-ブロモプロパノイルクロリド(1.53g,0.9mL,8.9mmol)を続けて加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を次いで濃縮して2.92gの粗生成物を得た。残渣を水で洗い、次いでEt2Oで洗い、真空下で乾燥し2.4g(100%)の粗生成物を得て、これをそのまま次の工程で使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.13(d,J=8Hz,1H),7.25(d,J=8Hz,1H),7.18(t,J=8Hz,1H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.16(t,J=8Hz,2H),3.74(t,J=8Hz,2H),3.32(t,J=8Hz,2H),3.15(t,J=8Hz,2H).HPLC-MS:予測値:254(MH);実測値:254。
【0182】
tert-ブチル 4-(2-(インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)ピペラジン-1-カルボキシラートの合成(中間体x
【化69】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、5mLのCHCl中の2-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン(0.2g,0.83mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、KCO(0.29g,2.10mmol)およびtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシラート(0.31g,1.67mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した後、水(15mL)で洗った。水相を次いでCHCl(10mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。所望の生成物をCHCl中、2%MeOHで溶出して176mg(61%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.24(d,J=8Hz,1H),7.23-7.19(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.16(t,J=8Hz,2H),3.50(t,J=8Hz,4H),3.28(s,2H),3.21(t,J=8Hz,2H),2.58(t,J=8Hz,4H),1.61(s,9H).HPLC-MS:予測値:346(MH);実測値:346。
【0183】
tert-ブチル 4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)ピペラジン-1-カルボキシラート (中間体x)の合成
【化70】
化合物Xを、化合物Xについて述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.24(d,J=8Hz,1H),7.24-7.20(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.10(t,J=8Hz,2H),3.47(t,J=8Hz,4H),3.24(t,J=8Hz,2H),2.88(t,J=8Hz,2H),2.67(t,J=8Hz,2H),2.50(t,J=8Hz,4H),1.61(s,9H).HPLC-MS:予測値:360(MH);実測値:360。
【0184】
1-(インドリン-1-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン(中間体xi)の合成
【化71】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、25mLのCHCl中の3-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)プロパン-1-オン(1.1g,4.58mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、KCO(1.56g,11.30mmol)およびtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(1.70g,9.16mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した後、35mLの水に溶かした。水相を次いでCHCl(25mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を濃縮して1.86gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物をCHCl中、2%MeOHで溶出して1.46g(92%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.25(d,J=8Hz,1H),7.24-7.21(m,2H),7.06(t,J=8Hz,1H),4.19(t,J=8Hz,2H),3.52(t,J=8Hz,4H),3.30(s,2H),3.23(t,J=8Hz,2H),2.59(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:246(MH);実測値:246。
【0185】
1-(インドリン-1-イル)-3-(ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン(中間体xi)の合成
【化72】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、50mLのCHCl中のtert-ブチル 4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.2 g,3.34mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に12mLのCFCOOHを加え、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を次いで飽和NaCO水溶液でpH11に調整し、各層を分離した。水相を次いでCHCl(40mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を濃縮して0.78g(90%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.26(d,J=8.2Hz,1H),7.22(t,J=7.9Hz,2H),7.12-6.96(m,1H),4.21(t,J=8.5Hz,2H),3.23(t,J=8.5Hz,2H),3.02-2.93(m,4H),2.66-2.58(m,4H),1.86-1.75(m,4H).HPLC-MS:予測値:260(MH);実測値:260。
【0186】
UANOX028(4-(2-(インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)-N,N-ジメチルピペラジン-1-スルホンアミド)
【化73】
UANOX028を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.21(d,J=8Hz,1H),7.20-7.17(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.11(t,J=8Hz,2H),3.33(t,J=8Hz,4H),3.29(s,2H),3.20(t,J=8Hz,2H),2.83(s,6H),2.68(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:353(MH);実測値:353。
【0187】
UANOX025(N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)ピペラジン-1-スルホンアミド)
【化74】
UANOX025を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.21(d,J=8Hz,1H),7.21-7.17(m,2H),7.03(t,J=8Hz,1H),4.13(t,J=8Hz,2H),3.30-3.25(m,10H),3.20(t,J=8Hz,2H),2.68(t,J=8Hz,4H),1.16(t,J=7Hz,6H).HPLC-MS:予測値:381(MH);実測値:381。
【0188】
UANOX026(1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(モルホリノスルホニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン)
【化75】
UANOX026を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.24(d,J=8Hz,1H),7.24-7.21(m,2H),7.06(t,J=8Hz,1H),4.14(t,J=8Hz,2H),3.75(t,J=5Hz,4H),3.39(t,J=5Hz,4H),3.34(s,2H),3.26(t,J=8Hz,4H),3.24(t,J=8Hz,2H),,2.73(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:395(MH);実測値:395。
【0189】
UANOX027(1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン)
【化76】
UANOX027を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.23(d,J=8Hz,1H),7.22-7.18(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.13(t,J=8Hz,2H),3.34-3.30(m,6H),3.25-3.19(m,6H),2.69(t,J=8Hz,4H),1.65-1.60(m,4H),1.58-1.53(m,2H).HPLC-MS:予測値:393(MH);実測値:393。
【0190】
UANOX0192(1-(インドリン-1-イル)-2-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン)
【化77】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、5mLのCHCl中の2-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン(0.2g,0.83mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、KCO(0.29g,2.10mmol)および2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン(0.27g,1.64mmol)を更に加えた。混合物を室温で一晩攪拌した後、15mLの水で洗った。水相を次いでCHCl(10mLx3)で抽出した。加え合わせた有機層を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をCHCl中、2%MeOHを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて精製して120mg(45%)の所望の生成物を得た。得られた画分を同じ条件を用いて更に精製して106mgの純粋な所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.33(d,J=4Hz,2H),8.27(d,J=8Hz,1H),7.25-7.21(m,2H),7.05(t,J=8Hz,1H),6.50(t,J=4Hz,1H),4.21(t,J=4Hz,2H),3.92(t,J=8Hz,4H),3.33(s,2H),3.24(t,J=8Hz,2H),2.71(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:324(MH);実測値:324。
【0191】
UANOX032(4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)-N,N-ジメチルピペラジン-1-スルホンアミド)
【化78】
UANOX032を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.22(d,J=8Hz,1H),7.23-7.19(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.09(t,J=8Hz,2H),3.30(t,J=5Hz,4H),3.23(t,J=8Hz,2H),2.90(t,J=8Hz,2H),2.86(s,6H),2.65(t,J=5Hz,2H),2.60(t,J=5Hz,4H).HPLC-MS:予測値:367(MH);実測値:367。
【0192】
UANOX029(N,N-ジエチル-4-(3-(インドリン-1-イル)-3-オキソプロピル)ピペラジン-1-スルホンアミド)
【化79】
UANOX029を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=8Hz,1H),7.21-7.19(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.09(t,J=8Hz,2H),3.29(カルテット,J=8Hz,4H),3.35-3.21(m,6H),2.89(t,J=8Hz,2H),2.65(t,J=8Hz,2H),2.60(d,J=8Hz,4H),1.21(t,J=8Hz,6H).HPLC-MS:予測値:395(MH+);実測値:395。
【0193】
UANOX030(1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(モルホリノスルホニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン)
【化80】
UANOX030を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.23(d,J=8Hz,1H),7.24-7.20(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.10(t,J=8Hz,2H),3.76-3.74(m,4H),3.33(t,J=8Hz,4H),3.27-3.22(m,6H),2.91(t,J=8Hz,2H),2.66(t,J=8Hz,2H),2.61(t,J=5Hz,4H).HPLC-MS:予測値:409(MH);実測値:409。
【0194】
UANOX031(1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン)
【化81】
UANOX031を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.23(d,J=8Hz,1H),7.24-7.20(m,2H),7.04(t,J=8Hz,1H),4.10(t,J=8Hz,2H),3.30(t,J=5Hz,4H),3.26-3.22(m,6H),2.91(t,J=8Hz,2H),2.67(t,J=8Hz,2H),2.61(t,J=5Hz,4H),1.67-1.56(m,6H).HPLC-MS:予測値:407(MH);実測値:407。
【0195】
UANOX022(1-(インドリン-1-イル)-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン)
【化82】
UANOX022を、化合物50について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.32(d,J=4Hz,2H),8.24(d,J=8Hz,1H),7.25-7.21(m,2H),7.03(t,J=8Hz,1H),6.49(t,J=4Hz,1H),4.10(t,J=8Hz,2H),3.87(t,J=8Hz,4H),3.22(t,J=8Hz,2H),2.90(t,J=8Hz,2H),2.70(t,J=8Hz,2H),2.60(t,J=8Hz,4H).HPLC-MS:予測値:338(MH)および339(M+2);実測値:338および339。
【0196】
UANOX023(2-(シクロヘプチルアミノ)-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン)
【化83】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、4mLのCH3CN中のシクロヘプタンアミン(1.87mmol,0.22g,0.24mL)の溶液を加えた。上記の溶液に、2mLのCHCN中の2-ブロモ-1-(インドリン-1-イル)エタン-1-オン(0.15g,0.624mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した後、濃縮して粗生成物を得た。この生成物をCHCl中の2~5%のMeOHを用いるカラムクロマトグラフィーを用いて精製して110mg(65%)の所望の生成物を得た。化合物を上記と同じ方法を用いて再精製して68mg(40%)のHPLCにより示される純粋な化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.24(d,J=8Hz,1H),7.23-7.19(m,2H),7.02(t,J=8Hz,1H),4.04(t,J=8Hz,2H),3.52(s,2H),3.24(t,J=8Hz,2H),2.70(セプテット,4Hz,1H),1.94-1.86(m,2H),1.74-1.67(m,2H),1.62-1.53(m,4H),1.51-1.43(m,4H).HPLC-MS:予測値:274(M+2);実測値:274。
【0197】
UANOX024(3-(シクロヘプチルアミノ)-1-(インドリン-1-イル)プロパン-1-オン)
【化84】
UANOX024を、化合物UANOX023について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.10(d,J=8Hz,1H),7.23-7.19(m,2H),7.08(t,J=8Hz,1H),4.08(t,J=8Hz,2H),3.41(t,J=8Hz,2H),3.36-3.31(m,1H),3.30(カルテット,J=4Hz,2H),3.20(t,8Hz,2H),2.32-2.25(m,2H),1.97-1.90(m,2H),1.89-1.81(m,2H),1.64-1.61(m,4H),1.59-1.48(m,2H).HPLC-MS:予測値:228(M+2);実測値:228および339
【0198】
【化85】
スキーム6
1-(4-ニトロフェニル)インドリン(xii)の合成:マイクロウェーブバイアルに、4-ブロモニトロベンゼン(2.16g,10.69mmol)、インドリン(1.28g,10.70mmol)、ならびにPd(dba)(0.059mmol,53mg)、KCO(42.69mmol,5.9g)およびDMF(5mL)を入れた。混合物をBiotage Initiator中で中間の出力で140℃にて30分間加熱した。反応混合物を水に注ぎ入れ、水相をCHCl(x3)で抽出した。加え合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレータにかけてから真空下で乾燥した。粗生成物をフラッシュシリカゲルカラムにロードし、これをヘキサン/EtOAc(4:1)で溶出して2.27g(88%)の精製された生成物を橙赤色の固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.24(d,J=8Hz,2H),7.37(d,J=8Hz,1H),7.30-7.28(m,2H),7.24(d,J=8Hz,2H),6.96(t,J=7.4Hz,1H),4.10(t,J=8Hz,2H),3.24(t,J=8Hz,2H)。
【0199】
4-(インドリン-1-イル)アニリン(xiii)の合成:窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、15mLのEtOH中の1-(4-ニトロフェニル)インドリン(1.43g,9.44mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に、SnCl・2HO(3.35g,14.85mmol)を加え、混合物を70℃で一晩攪拌した。混合物に4N NaOHを加え、水相をEtOAc(x3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し褐橙色の油状物を粗生成物として得た。粗生成物をヘキサン中の20%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにかけ630mg(50%)の純粋な所望の化合物を紫色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.16(d,J=8Hz,1H),7.12(d,J=8Hz,2H),7.05(t,J=8Hz,1H),6.82(d,J=8Hz,1H),6.76-6.69(m,3H),3.99-3.77(m,2H),3.13(t,J=8Hz,2H).HPLC-MS:予測値:210(M);実測値:210。
【0200】
UANOX038(N-(N,N-ジエチルアミノスルホニル)-4-(インドリン-1-イル)アニリン)
【化86】
UANOX038を、UANOX001について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.20-7.18(m,5H),7.10-7.09(m,2H),6.80-6.76(m,1H),3.95(t,J=8Hz,2H),3.30(t,J=7Hz,2H),3.16(t,J=8Hz,2H),1.13(t,J=7Hz,2H).HPLC-MS:予測値:345(MH);実測値:345。
【0201】
【化87】
tert-ブチル 4-(2-ブロモエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(xvii)の合成
窒素導入口、マグネチックスターラーバーおよび追加の漏斗を備えた丸底フラスコに、N-Boc-4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン(xvi)(1g,4.34mmol)、PPh3(1.23g,4.7mmol)、CHCl(10mL)を加えた。上記の混合物に、10mLのCHCl中の四臭化炭素(1.58g,4.7mmol)の溶液を0℃で2時間かけて滴下した。混合物を室温で20時間攪拌した。有機相を蒸発させて油状物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8)により精製して所望の生成物を油状化合物として得、これは保管中に徐々に結晶化した(1.32,収率100%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.51-3.30(m,6H),2.82-2.67(m,2H),2.50-2.23(m,4H),1.43(s,9H).J.Med.Chem,2004,47,3,711-719および2013年5月10日出願の国際出願第2013064919号に報告される手順にしたがって合成した。
【0202】
tert-ブチル 4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(xviii)の合成
窒素導入口及び還流冷却器を備えた丸底フラスコに、5mLのDMF中のインドリン(0.55g,4.62mmol,0.52mL)の溶液を加えた。上記の溶液にKCO(1.25g,9.04mmol)を加えた後、混合物を30分間攪拌した。上記の混合物に、tert-ブチル 4-(2-ブロモエチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.35g,4.60mmol,1当量)を次いで加えた。混合物を次いで110℃にて2時間加熱した。混合物を次いでDI水で希釈し、CHCl(x3)で抽出した。加え合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮してから真空下で乾燥し17gの粗生成物を得た。油状粗生成物をヘキサン中の50~70%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにかけて1.3g(87%)の純粋な所望の化合物を得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.14-6.96(m,2H),6.64(d,J=8.2Hz,1H),6.46(d,J=7.6Hz,1H),3.43(t,J=4.9Hz,4H),3.38(t,J=8.3Hz,2H),3.22(t,J=8.3Hz,2H),2.94(t,J=6.6Hz,2H),2.60(t,J=7.0Hz,2H),2.46(t,J=5.0Hz,4H),1.44(s,9H).HPLC-MS:予測値:333(M+2);実測値:333。
【0203】
1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン(xix)の合成
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、60mLのCHCl中のtert-ブチル 4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.3g,3.92mmol)の溶液を加えた。上記の溶液に17mLのCFCOOHを加え、混合物を室温で一晩攪拌した。反応をTLCにより監視した。混合物をロータリーエバポレータにかけて蒸発させ、水に溶解してから、飽和NaCO水溶液でpH11に塩基性化し、分液漏斗に注ぎ各層を分離した。水層を次いでCHCl(x3)で抽出した。加え合わせた有機層をロータリーエバポレータにより濃縮してから真空下で乾燥し930mg(100%)の所望の生成物を得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.06-7.02(m,2H),6.62(t,J=7.4Hz,1H),6.47(d,J=8.0Hz,1H),3.38(t,J=8.3Hz,2H),3.22(t,J=7.8Hz,2H),3.00-2.83(m,6H),2.58(t,J=7.1Hz,2H),2.55-2.43(m,4H).HPLC-MS:予測値:232(MH);実測値:232。
【0204】
UANOX062(1-(2-(4-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン)
【化88】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた25mL丸底フラスコに、154mg(0.67mmol)の1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン、210mg(0.81mmol)の4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド、0.19mL(1.36mmol)のトリエチルアミンおよび5mLのCHClを加えた。混合物を室温で18時間激しく攪拌した。混合物にDI水を加えてから混合物を分液漏斗に移し各層を分離した。水層を次いでCHCl(x3)で抽出した。加え合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥し、乾燥剤を濾去し、濾液をロータリーエバポレータにより濃縮した。残渣を真空下で更に乾燥して淡黄色油状物を粗生成物として得た。粗生成物を次いでヘキサン中の60%の酢酸エチルを用いて分取TLCにより精製して185mg(61%)の純粋な所望の生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.84(d,J=9.0Hz,2H),7.41-7.37(m,2H),7.12-7.00(m,2H),6.66(td,J=7.5,1.0Hz,1H),6.45(d,J=7.8Hz,1H),3.36(t,J=8Hz,2H),3.19(t,J=8Hz,2H),3.10(t,J=8Hz,4H),2.97(t,J=8Hz,2H),2.71-2.60(m,6H).HPLC-MS:予測値:456(MH);実測値:456および454。
【0205】
UANOX063(N,N-ジエチル-4-(2-(インドリン-1-イル)エチル)ピペラジン-1-スルホンアミドの合成)
【化89】
UANOX063を、UANOX062について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.10-7.06(m,2H),6.67(td,J=7.5,1.0Hz,1H),6.50(d,J=7.6Hz,1H),3.42(t,J=8.4Hz,2H),3.30(q,J=7.0Hz,4H),3.27-3.22(m,6H),2.99(t,J=8.3Hz,2H),2.66(t,J=8.3Hz,2H),2.63-2.59(m,4H),1.21(t,J=7.1Hz,6H).HPLC-MS:予測値:367(MH);実測値:367。
【0206】
UANOX064(1-(2-(4-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン)
【化90】
UANOX064を、UANOX062について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.80(dd,J=9.0,5.1Hz,2H),7.24(dd,J=9.0,8.3Hz,2H),7.10-7.02(m,2H),6.66(td,J=7.4,1.0Hz,1H),6.45(d,J=7.8Hz,1H),3.36(t,J=8.4Hz,2H),3.19(t,J=8.4Hz,2H),3.12-3.06(m,4H),2.96(t,J=8.3Hz,2H),2.70-2.60(m,6H).HPLC-MS:予測値:390(MH);実測値:390。
【0207】
UANOX066(1-(2-(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルスルホニル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリンの合成)
【化91】
UANOX066を、UANOX062について述べた手順にしたがって合成した。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.11-7.04(m,2H),6.67(td,J=7.3,1.0Hz,1H),6.51(d,J=7.4Hz,1H),3.42(t,J=8.4Hz,2H),3.31-3.26(m,6H),3.23(q,J=7.1Hz,4H),2.99(t,J=8.4Hz,2H),2.66(t,J=8.4Hz,2H),2.60-2.53(m,4H),1.15(t,J=7.1Hz,6H).HPLC-MS:予測値:331(MH);実測値:331。
【0208】
UANOX067(1-(2-(4-(2-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル)エチル)インドリンの合成)
【化92】
窒素導入口およびマグネチックスターラーバーを備えた丸底フラスコに、2-フルオロベンズアルデヒド(83mg,0.67mmol)、1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)インドリン(154mg,0.67mmol)およびCH2Cl2(5mL)を加えた。上記の混合物に、AcOH(38μL,0.67mmol)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌した。混合物にNa(OAc)BH(426mg,2.01mmol)を、2時間かけて少しずつ加えた。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物をHOに注ぎ入れ、水相をCHCl(x3)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過してからロータリーエバポレータで蒸発させた。粗生成物をCHCl中の10%MeOHを用いる分取TLCにより精製して208mgの所望の生成物を得た。生成物を上記と同じ条件を用いて再精製して81mg(36%)の純粋な所望の化合物を琥珀色油状物として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.39(td,J=7.5,1.8Hz,1H),7.31-7.23(m,1H),7.13(td,J=7.5,1.2Hz,1H),7.10-7.02(m,3H),6.67(td,J=7.4,1.0Hz,1H),6.50(d,J=9.1Hz,1H),3.69(d,J=1.3Hz,2H),3.40(t,J=8.3Hz,2H),3.29(t,J=8.3Hz,2H),2.98(t,J=8.3Hz,2H),2.73(t,J=8.3Hz,4H),2.67-2.58(m,4H),2.10-2.06(m,2H).HPLC-MS:予測値:340(MH);実測値:340。
【0209】
Nox4は、肺傷害に対する線維症反応を媒介する
NADPHオキシダーゼ(Nox)酵素は、肺線維症を含む宿主防御機構に最も一貫して関連する、進化的に保存された遺伝子ファミリーである(Bernard K et al.,Antioxidants & redox signaling 20:2838-2853,2014;Thannickal VJ,Zhou Y,Gagger A,and Duncan SR,Fibrosis:ultimate and proximate causes.The Journal of clinical investigation 124:4673-4677,2014)。傷害誘発性の線維症におけるNox4の役割を、肺傷害のマウスモデルを用いて評価した。この動物モデルでは、化学療法剤であるブレオマイシンの気管内点滴注入が上皮傷害を誘発し、それは傷害の2~3週後にピークとなる線維症を引き起こす(Hecker L et al.,NADH oxidase-4 mediates myofibroblast activation and fibrogenic responses to lung injury.Nature medicine 15:1077-1081,2009;Izbicki G et al.,Time course of bleomycin-induced lung fibrosis.International journal of experimental pathology 83:111-119,2002)。Nox4は時間依存的に誘導され、7日目~28日目にかけて増加し、肺傷害後のNox4発現、筋線維芽細胞活性化、および線維症感の時間的関係を支持する(Nature medicine 15:1077-1081,2009)。これに対して、Nox2アイソフォーム(主として食細胞において発現される)は、7日目(炎症フェーズのピーク)に増加し、炎症応答が治まるその後の時点でベースラインレベルに戻る(Nature medicine 15:1077-1081,2009)。
【0210】
Nox4は、ヒトIPF患者の肺で発現上昇される
Noxファミリーの7種類のメンバーのうち、Nox4は現在、肝臓(Aoyama T et al.,Hepatology 56:2316-2327,2012;Bettaieb A et al.,Gastroenterology 149:468-480 e410, 2015,Sancho P et al.,PlosS one 7:e45285,2012)、皮膚(Spadoni T et al,Arthritis & rheumatology 67:1611-1622,2015)、腎臓(Barnes JL et al.,Kidney internatiional 79:944-956,2011;Sedeek M et al.,American journal of physiology Renal physiology 299;F1348-1358,2010)、心臓(Ago T et al.,Aging 2:1012-1016,2010;Kuroba J et al.,Proceedings of the National Acadeby of Sciences of the United States of America 107:15565-15570,2010)、および肺(Griffith B et al.,Antioxidasnts & redox signaling 11:2505-2516,2009;Harrison C et al.,Nat Rev Drug Discov8:773-773,2009;Hecker et al.,Science translational medicine 6:231ra247,2014;Nature medicine 15:1077-1081,2009)を含む各種の線維性疾患との関連が示されている。Nox4は、ヒトIPF患者の肺の筋線維芽細胞で発現上昇されることが示されている(Amara N et al.,Thorax 65:733-738,2010;Science translational medicine 6:231lra247,2014)。
【0211】
Nox4の治療的ターゲティングは線維症の発症を阻害し、マウスにおける確立された/難治性の線維症の逆転をもたらす。
【0212】
Nox4の遺伝子ターゲティングは若齢マウスにおける傷害誘発性肺線維症の発症を緩和することが示されている(Nature medicine 15:1077-1081,2009)が、難治性肺線維症の動物モデルにおけるNox4の遺伝子ノックダウン(傷害マウスの肺へのNox4-siRNAの気管内投与による)もまた、確立した線維症の逆転をもたらすことが示されている(Science translational medicine 6:231ra247,2014)。このことは、Nox4の遺伝子欠失を有するマウスを用いた同様の発見によって後に確認された(Carnesecchi S et al.,Antioxid Redox Signal 15:607-619,2011)。まとめると、これらの研究は、肺線維症の媒介におけるNox4の重要な役割を示している。Nox4が肺組織線維症を媒介するという最初の発見(Nature Medicine,2009)以来、Nox4は異なる臓器系(肝臓、皮膚、腎臓、および心臓)の線維性疾患との関連が示されている。Nox4は、現在では、線維性疾患の最も有望な治療ターゲットの1つと考えられている(Nat Rev Drug Discov 8:773-773,2009;Liepelt A et al.,Annals of translational medicine 3:S13,2015)。しかしながら、臨床的に使用可能な選択的Nox4阻害剤は存在しない。
【0213】
Nox4依存性Hの阻害に対するアナログの有効性
高濃度のHを生成する、Nox4を安定に過剰発現するHEK293細胞を用いて、Nox4阻害についての高スループットスクリーニング(HTS)アッセイを確立した(Cheng G et al.,Gene:2001,p.131-140)。30000種類以上の化合物がこれまでにスクリーニングされており、医薬品化学における努力の結果、多数のアナログが合成され、化学的に異なる一連の選択的Nox4阻害剤が同定されている。表1は、合成された異なるアナログの用量依存的活性を示す。図1Aは、溶媒およびDPI(ポジティブコントロール、DPIはすべてのNox活性を阻害するため)に対するこれらのアナログのサブセットを示す。UANox048またはUANox034による処理は、Amplex Redアッセイによって測定した場合に、HEK/Nox4細胞によるH生成の用量依存的低下をもたらした(図1A)。UANox048のIC50を評価した(図1B)。
【0214】
表1:Nox4依存性Hの阻害に対する有効性
Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトしたHEK細胞を、DMSO中の試験化合物および合成アナログで処理し、1時間インキュベートした。H生成量をAmplex Redアッセイにより評価した。値は、1、5、および10μM(最終濃度)の試験化合物および合成アナログによる処理後のH生成量の平均およびSDを示す。Hは、溶媒コントロール(n=3~10/群)に対して報告した。
【表8】
【0215】
Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトしたHEK細胞を異なる濃度の試験化合物、DPI(全Nox阻害剤であるポジティブコントロール)、またはDMSO(溶媒コントロール)で処理し、1時間インキュベートした(図1)。(図1A)Hの存在をAmplex Redアッセイにより評価した。(図1B)IC50をHEK/Nox4細胞中のUANox048について評価し、4.8μMであると決定した。値は、平均±SEM(n=4)を示す。p値を、スチューデント両側t検定により計算した。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
【0216】
化合物は偽陽性試験に合格する
偽陽性を除外するためにスクリーニングを行った。UANox048は、スカベンジャー活性を示さず(図2A)、アッセイ干渉(HRP活性の阻害による)を示さず(図2B)、かつ細胞生存率に影響しない(図2C)。
【0217】
UANox048、DMSO(溶媒コントロール)、またはカタラーゼ(既知のHスカベンジャーであるポジティブコントロール)を、外因性のH(5mM)を含む無細胞アッセイに加え、Hに対するスカベンジャー活性を(図2A)Amplex Redアッセイおよび(図2B)ROSーGloアッセイ(アッセイ干渉を除外するための無HRPアッセイシステム)により評価した。(図2C)Nox4を過剰発現するように安定にトランスフェクトしたHEK細胞を、UANox048、ジギトニン(細胞死の誘発物質)、またはDMSO(溶媒コントロール)で処理し、1時間インキュベートした。細胞生存率をCellTiter-Gloアッセイにより評価した。値は、平均±SEM(n=4)を示す。p値を、スチューデント両側t検定により計算した。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
【0218】
化合物は、Nox4依存性Hに対して高度に選択的である
臨床的に使用可能な選択的Nox4阻害剤は存在しない。近縁のNoxホモログに対する選択性が低い、Nox4の高度に選択的な阻害剤を同定するため、Nox1およびNox2に対する選択性を評価するためのスクリーニングアッセイを開発した。重要な点として、アナログは、Nox2およびNox1依存性Hの阻害を、ほとんど、あるいはまったく示さない(図3)。更に、アナログは、キサンチンオキシダーゼ(XO)依存性H生成に対する影響により測定されるように、H生成のNox非依存性機構を阻害しない。これらのデータは、Nox4の高度に選択的な小分子阻害剤の同定を支持する。
【0219】
Caco-2細胞を、カルシトリオール(1μM、18時間、Nox1依存性H生成を誘導するため)および試験化合物、DPI(全Nox阻害剤であるポジティブコントロール)、またはDMSO(溶媒コントロール)で共処理した。H生成量をAmplex Redアッセイにより評価した(図3A)。RAW264.7細胞を、PMA(20μM、2時間、Nox2依存性H生成を誘導するため)および試験化合物、DPI(全Nox阻害剤)、またはDMSO(溶媒)で共処理した。Nox2依存性HをAmplex Redアッセイにより評価した(図3B)。XO依存性H生成を、試験化合物または溶媒コントロール(DMSO)の存在下で開始させた。反応物を30分間インキュベートし、Hの存在をAmplex Redアッセイにより定量した(図3C)。値は、平均±SEM(n=3)を示す。p値を、スチューデント両側t検定により計算した。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
【0220】
化合物はヒト肺線維芽細胞において疾患関連細胞表現型の阻害を示す
TGF-β1(線維性疾患で高度に発現されることが知られているサイトカイン)は、分化、収縮、およびECM生成を含む、重要な線維症促進性の肺筋線維芽細胞表現型を媒介するNox4依存性Hの誘導をもたらすことが示されている(Nature medicine 15:1077-1081,2009)。ヒト肺線維芽細胞における全ゲノムのAffymetrix分析は、TGF-β1に応答して、Nox4がヒトゲノムで最も高度に誘導される遺伝子の1つであることを明らかにした(Nature medicine 15:1077-1081,2009)。TGF-β1によるNox4依存性Hの誘導性は、Nox4の高度に特異的で固有の機能であり、(Martyn KD et al.,Cellular signaling 18:69-82, 2006; Serrander L et al.,The Biochemical journal 406: 105-114,2007;von Lohneysen K et al.,The Journal of biological chemistry 287:8737-8745, 2012;von Lohneysen K et al.,The Journal of biological chemistry 283:35273-35282,2008;von Lohneysen K et al.,Molecular and cellular biology 30:961-975,2010)他のNoxファミリー遺伝子のメンバーはmRNAレベルで影響されない(Nature medicine 15:1077-1081,2009)。Nox4のこの固有の性質は、リード薬剤候補を検証するためのスクリーニング評価に利用されている。アナログは、ヒト肺線維芽細胞におけるTGF-βが誘導するNox4依存性Hの阻害に対し高い有効性を示した(図4)。
【0221】
アナログは、ヒト肺線維芽細胞においてTGF-βに誘導されるNox4依存性Hを阻害する
ヒト肺線維芽細胞(IMR90細胞)を16時間、血清枯渇させた後、TGF-β1(2ng/ml)の存在下/非存在下で12時間、刺激した。細胞を次いで、試験化合物、DPI(全Nox阻害剤であるポジティブコントロール)、またはDMSO(溶媒コントロール)で処理し、更に4時間インキュベートした。HをAmplex Redアッセイにより評価した(図4)。値は、平均±SEMを示す(n=3、スチューデント両側t検定を用い*p<0.05)。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
【0222】
TGF-β1により誘導されるNox4依存性Hは、α平滑筋アクチン(αSMA)の合成を特徴とする、線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化を媒介する。これらの主要なエフェクター細胞は、それらが細胞外マトリクス(ECM)成分の合成を担う収縮性細胞であることから、線維性の「瘢痕」生成に中心的な役割を担っている。αSMAを発現する筋線維芽細胞の蓄積は、線維性疾患の重要な病理学的特徴である(Desmourliere A et al.,The American journal of pathology 146:56-66,1995)。化合物を、線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化を阻害するそれらの能力について評価した。アナログは、ヒト肺線維芽細胞においてTGF-βが誘導するNox4依存性の筋線維芽細胞の分化を効果的に阻害する(図5)。以上をまとめると、これらのデータは、アナログが、ヒト肺線維芽細胞における主要な線維症促進性の細胞表現型を阻害する能力を示すことを示唆する。
【0223】
アナログはTGF-β1に誘導される線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化を阻害する
ヒト肺線維芽細胞(IMR90細胞)を16時間、血清枯渇させた後、TGF-β1(2ng/ml)の存在下/非存在下で刺激し、試験化合物、DPI(全Nox阻害剤であるポジティブコントロール)、またはDMSO(溶媒コントロール)で処理し、48時間インキュベートした。αSMAの存在をウェスタンイムノブロッティング(図5A)および濃度測定分析(図5B)により評価した。値は、平均±SEMを示す(n=4、スチューデント両側t検定を用い*p<0.05)。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
【0224】
アナログの生物物理特性評価および顕微鏡観察
合理的な配合設計を導き、かつスケールアップ、製造、および保管の間の化合物の完全性の再現性を確保すること(すなわち品質管理)を目的とした必須要件の実現可能性を実証するために、選択されたアナログの生物物理特性についての実験を行った。薬剤候補物質のサーモトロピック特性および相転移を定量化するために高感度の熱分析法である示差走査熱量測定法(DSC)を用いた。UANox048は極めて安定であることがわかり、比較的高い固液融解相転移点(T補外開始89.72 ± 0.22(℃)、Tピーク92.3 ± 0.05 (℃))を有し、固液相転移の間のエネルギー収支を測定するエンタルピーは64.87±21.39(J/g)であった(図6A)。このことは、これらのデータはUANOX048が室温および体温(32~37℃、薬剤の製造/プロセシングおよび投与温度)の両方で極めて安定であることを示すことから、製薬上の観点から重要である。X線粉末解析法(XRPD)は、粉末中の長範囲の分子秩序の度合いを測定するための非破壊的材料科学の「ゴールドスタンダード」である方法である。これは、薬剤候補物質が任意の特定の結晶相について固有のパターンを生じる、固体特性評価において重要であり、これは結晶性同定のための「分子フィンガープリント」を与える。UANox048のXRPDは固有の分子シグネチャを示し、それは異なる時間に異なる量で合成されたUANOX048の複数のバッチ間で一貫している(図6B)。減衰全反射フーリエ変換赤外(ATR-FTIR)分光法は、共有結合中の振動遷移による赤外光の吸収に基づく非破壊的分子同定ツールである。これは、化学的同定のための「分子フィンガープリント」を与える。ATR-FTIRは、類似した材料間の区別および/またはバッチ間の品質の検証を可能にし、医薬品有効成分(API)の同定に用いられる。ATR-FTIR分光法は、異なる時間に合成された、2つの異なるバッチからのUANox048の一貫した分子フィンガープリントを示す。以上をまとめると、XRPDおよびATR-FTIRの結果は、支障のない一貫したUANox048のスケールアップの概念実証および実現可能性を示す。エネルギー分散型X線(EDX)を用いる走査型電子顕微鏡法(SEM)は、合成された粒子をそれらの天然の固体状態で可視化し、表面構造、粒子の形態および粒径、ならびに粒度分布を含む、配合に直接影響する重要な粒子特性を定量化するために用いられる。UANox048のSEMは、結晶性を有する低分子量の薬剤に典型的な表面構造を示す。共焦点ラマン顕微分光法は、配合物内の化学成分の空間的分布を評価するために用いられる非破壊的分析ツールであり、これは配合物の均質度の特性評価および異物粒子状夾雑物の検出を可能にする。この重要な分子同定ツールは、特許侵害を判定する目的で一般的に使用される。UANox048の共焦点ラマン顕微分光法は、その化学的性質の固有の分子フィンガープリントを示す。
【0225】
アナログは経口製剤/投与用の好ましいインビトロADME特性を示す
選択したアナログについて、インビトロでの吸収、分布、代謝、および分泌(ADME)を行って、継続的な前臨床開発についてのそれらの可能性を評価した。UANox048は、低い分子量(384.4g/mol)、計算されたLogD値(4.07)、および極性表面積(57.8Å)を含む、好ましい薬物動態学的/薬物動力学的性質を有する。化合物を、細胞透過性およびP糖タンパク質排出感受性(P-gp排出性)について試験した。UANox048は、効果的なCaco-2透過性(高い)を示し、P-gp排出性は示さない。P-gp排出性を、管腔側から基底膜側へおよび基底膜側から管腔側への方向の両方でCaco-2の単層を介する透過性を比較することにより計算した。Caco-2細胞の透過性を、ルシファーイエロー単層完全性試験により測定した。Caco-2細胞細胞をUANox048とインキュベートし(5μM、2時間)、細胞単層を通過するルシファーイエローの流束を、エレクトロスプレーイオン化を用いるLC-MS/MSにより測定した。分子量、logD、および極性表面積の計算を、ChemDrawソフトウェアにより行った。これらのデータは、経口製剤/投与されるUANox048の好ましい特性を示し、更なる開発の可能性を示している。
【0226】
本発明の上記の考察は、例示および説明の目的で示された。上記の説明は、本発明を本明細書に開示される形態に限定することを意図しない。本発明の説明には1つ以上の実施形態ならびに特定の変形例および改変例が含まれるが、他の変形例および改変例も、例えば本開示を理解した後、当業者の技能および知識の範囲に包含されうるように、本発明の範囲に包含される。特許請求される構造、機能、範囲、または工程に対して代替的、互換的、かつ/または同等の構造、機能、範囲、または工程を含む代替的な実施形態を、かかる代替的、互換的、かつ/または同等の構造、機能、範囲、または工程が本明細書に開示されているか否かによらず、また、いずれの特許性を有する主題をも公に供することなく、許容される程度で含む権利を取得することがその意図するところである。本明細書に引用されるすべての参照文献は、それらの全容を参照により援用する。
図1
図2
図3
図4
図5