(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ピースの高さを調整するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20221101BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20221101BHJP
B62D 25/12 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
E05F5/02 B
B60J5/10 D
B62D25/12 M
E05F5/02 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019067513
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2021-12-15
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505003193
【氏名又は名称】アー レイモンド エ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シリル デ マルコ
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第3002574(FR,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011101393(DE,A1)
【文献】特表2002-516962(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024353(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0245008(US,A1)
【文献】独国実用新案第29716111(DE,U1)
【文献】国際公開第2018/063847(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 5/02
B60J 5/10
B62D 25/10-25/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピース(6)の高さを調整するためのデバイス(1)であって、前記デバイスは、
- 支持体に固定されるように意図される本体(2)であって、雌螺子山が備わっておりおよび第1の開口(4a)を有する中央円筒を画定する、本体(2)、
- 雄螺子山、前記ピース(6)を軸受けするための第1の端部(5a) 、および第2の端部(5b)を有するピン(5)、
を含み、
前記ピン(5)および前記本体(
2)は、それらのそれぞれの螺子山を介して互いに接続され、ならびに前記ピン(5)は、回転させられたときに、長手方向に移動してその第1の端部(5a)の高さを調整することができ、
- 前記ピン(5)には、少なくとも2つの長手方向の貫通スロット(11)がその第2の端部(5b)上に備わっていて、少なくとも2つの可撓性の脚(7)を画定し、
- 前記本体(2)は、その内部表面上に、ハンドル(10)の長手方向のアーム(10a、10b)上にそれぞれ配置され、前記可撓性の脚(7)を屈曲させるように、および前記ピン(5)の前記回転の動きの間に前記スロット(11)内に収容されおよびしたがって前記ピース(6)の前記高さ位置をインデックス付けするように、構成される、2つのボス(9)を有することを特徴とする、調整デバイス。
【請求項2】
前記可撓性の脚(7)には、前記本体(2)の周辺縁に当接するための肩(8)が備わっていることを特徴とする請求項1に記載の調整デバイス(1)。
【請求項3】
前記ピース(6)は止め具(6)であり、および前記止め具(6)は、前記ピン(5)の前記第1の端部において組み立てられることを特徴とする請求項1または2に記載の調整デバイス(1)。
【請求項4】
前記ピン(5)には、4つのスロット(11)が備わっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の調整デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドピースの高さ(elevation)を調整するためのデバイスに関する。ピースは、例えば、ボンネット(hood)、トランクドア、後尾扉(tailgate)のような自動車の開口部のための止め具(stop)であり得る。ピースの高さを調整することによって、開口部は、本体の残りの部分と共に閉位置に正確に位置決めされ得る。
【背景技術】
【0002】
そのようなデバイスは、文献FR3002574(特許文献1)から知られている。それは、車両に固定されるように意図されるスリーブ、および止め具を所定高さ(a given height)に配置するためにスリーブ内にスライド可能である、止め具を軸受けする(bearing)調整要素(adjusting element)を含む。デバイスは、次いで、調整要素に動き(movement)を与えて、保持ラグを係止溝(locking grooves)内に配置しならびに調整要素上およびスリーブ上にそれぞれ配置された歯および溝を合わせることによって、調整要素の任意の動きを係止しおよび止め具の高さ(height)を固定するように、係止される。
【0003】
この文献において提案される解決策は、決定された高さに止め具を位置決めすることを効果的に可能にする。しかしながら、この高さを、特にデバイスが係止位置(locking position)に配置された後に、簡単に調整することを可能にしない。
【0004】
文献DE29716111(特許文献2)は、止め具を決定された高さに配置するためのデバイスを開示する。この文献において、高さは、スリーブ上に配置される可撓性要素軸受ラグ(flexible elements bearing lugs)によってインデックス付けされ、それらは、それら自身を調整要素の溝においてインデントする。
【0005】
この文献において提案される解決策は、特に脆く、および、調整要素がスリーブ内にねじ込まれるときに、可撓性要素は破損する可能性があることを暗示する。加えて、このデバイスは、可撓性要素が変形できるために、その環境内に十分な空間を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】仏国特許第3002574号
【文献】独国実用新案第29716111号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の欠点を有さない代替的な解決策を提供することである。それは、特に、例えばピースの高さのインデックス付けによって、簡単な調整を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも部分的に本目的を達成するために、本発明の主題は、ピースの高さを調整するためのデバイスであって、
- 支持体に固定されることが意図される本体であって、雌螺子山が備わっておりおよび第1の開口を有する中央円筒(central cylinder)を画定する、本体、
- 雄螺子山、ピースを軸受けするための第1の端部、および第2の端部を備えるピン、
を含むデバイスを提案する。
【0009】
ピンおよび本体は、それらのそれぞれの螺子山を介して互いに接続され、およびピンは、回転させられたときに、長手方向に移動して、その第1の端部の高さを調整する。
【0010】
本発明によると、ピンには、少なくとも2つの長手方向の貫通スロット(through slot)がその第2の端部に備わっていて、少なくとも2つの可撓性の脚を画定する。本体は、その内部表面上に、ハンドルの長手方向のアーム上にそれぞれ配置された2つのボスを有する。ボスは、可撓性の脚を屈曲させるように、ならびにピンの回転の動きの間にスロット内に適合しおよびしたがってピースの高さ位置をインデックス付けするように、構成される。
【0011】
別個にまたは任意の技術的に実行可能な組み合わせにおいてのいずれかで得られる本発明の他の有利なおよび非限定的な特徴によると、
- 可撓性の脚には、本体の周辺縁(peripheral edge)において停止するための肩が備わっており、
- ボスは、ハンドルの長手方向のアームによって担持され、
- 止め具は、ピンの第1の端部において組み立てられ、
- ピンには、4つのスロットが備わっている。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照してなされた本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明によるデバイスの分解図を示す図である。
【
図2】本発明によるデバイスの別のビューを示す図である。
【
図3】本発明によるデバイスのピンの1つの端部における断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および
図2を参照して、本発明によるエンドピースの高さを調整するためのデバイス1は、支持体に固定されるように意図される本体2を含む。「高さ(Elevation)」は、本出願において、エンドピースと本体2上の基準点との間の距離をいうために使用される。デバイス1が自動車開口部の止め具である場合において、支持体は、本体要素または車両シャーシから構成されていてもよい。
【0015】
支持体の性質(nature)がどんなものであったとしても、それには、調整デバイス1の本体2がその中に挿入されて保持され得る開口が備わっている。本目的のために、本体2には、本体2が支持体に弾性的にインターロックされることを可能にする可撓性の脚のような保持デバイス、または本体2を支持体に固定するための係止手段3、が備わっていてもよい。
【0016】
有利には、本体2には、それを支持体上に置くための支持体フランジが備わっていてもよい。フランジには、本体2がその中に挿入されている開口をシールするために、例えばエラストマー製のシーリングワッシャが取り付けられてもよい。
【0017】
本体2は、 長手方向に延び、ならびに円形ベースおよび雌螺子山を備える中央円筒を画定する。円筒は、本体2の両側(either side)に、第1の開口4aおよび第2の開口4bを有する。
【0018】
ここに記載されるような調整デバイス1は、また、形状において同様に円筒状の、雄螺子山を備える、ピン5を有する。このピン5は、例えばインターロック手段または他の固定手段によって、その高さが調整されるべきエンドピース6を受け入れるように構成された第1の端部5aを有する。図に示される実施例において、このエンドピース6は、エラストマー材料製の止め具から構成される。
【0019】
ピン5および本体2の中央円筒の寸法は、2つの部品が、同一のものをそれらのそれぞれの螺子山を用いて螺合することによって互いに接続され得るように、選択される。ピン5は、回転して駆動されたときに(when driven in rotation)、次いで長手方向に移動することができ、これは、エンドピース、この場合においてエラストマー止め具6、の高さを調整可能にする。
【0020】
それ自体が良く知られているように、本体の中央円筒の雌螺子山およびピンの雄螺子山のピッチは、本体2内におけるピン5の各完全回転に関するエンドピース6の高さの変動を決定するように選択される。例えば、4mmピッチを選択することによって、エンドピース6の高さは、いずれかの方向にピン5の半回転の回転を課すことによって、公称高さから+または-2mmずつ変動することとなる。
【0021】
図1および
図2の説明を継続して、ピン5の第2の端部5bには、少なくとも2つの長手方向の貫通スロット11が備わっている。これらの2つのスロット11は、 ピン5の第2の端部5b上の2つの可撓性の脚7を画定する。本説明において後に明らかにされるように、2つを超えるスロット11およびしたがって2つを超える可撓性の脚7が提供され得る。
【0022】
図に示される有利な実施例において、可撓性の脚7は、各々、肩8を有する。ピン5の第2の端部5bが、中央円筒内にねじ込まれるように本体2の開口4a内に挿入されるときに、可撓性の脚7は、引っ込んで、駆動方向におけるピン5の長手方向の動きを可能にする。可撓性の脚7をこの本体2の第2の開口の側面上に見えるようにさせるのに十分なほど、ピン5が本体2内に行ってしまうと、可撓性の脚7は、それらの位置に戻り、および肩8を本体2の周辺縁と当接して配置する。この機構は、ピン5がねじって外されるのを防止し、および本体2に関するエンドピース6の最大高さを決定することを可能にする。これは、また、ピン5をねじって回す前の、本体2に対するピン5の事前貫通(pre-piercing)および事前保持(pre-holding)を可能にすることによって、組み立てを容易にする。
【0023】
図1に、および
図3に示される本体2の断面に示されるように、本体2は、また、その内部表面上に少なくとも1つのボス9を有し、すなわち、該1つはピン5に面する。これらの図に示される実施例において、本体2は、ハンドル10の長手方向のアーム10a、10b上にそれぞれ形成される、互いに面する2つのボス9を有する。
【0024】
ボス9は、それらがピン5の可撓性の脚7を、それがボス9と対向して可撓性の脚7を配置する本体2内の角度位置に配置されたときに、変形しやすいように、本体2の内側円筒の直径の制約を与える。ボス9は、また、ピン5がボス9と対向していくつかのスロット11を配置する本体2内の角度位置に配置されたときに、スロット11のうちのいくつかの中に適合するように、構成される。この構成において、可撓性の脚7は、それらの自然のレイアウトに戻る。この目的のために、ボス9は、スロット11の幅と同様のまたはそれよりも小さいサイズを有する。
【0025】
一般的に言って、ボス9は、ピン5上に配置されたスロット11内において同時に全てと係合するように、本体2の中央円筒の周りに角度をなして(angularly)配置される。示される実施例において、2つのボス9は、互いに直径方向に対向して本体2上に配置されており、およびピン5の4つのスロット11は、互いから90°の角度で分離されている。
【0026】
ハンドル10の頂部(top)は、各長手方向のアーム10a、10bを接続し、および同一のものを、可撓性の脚7がボス9を強制的に圧迫する(forcedly bear on)ときに、しっかりと所定の位置に保持する。
【0027】
エンドピース6の高さを調整するためにピン5が挿入の方向に本体2内にねじ込まれるときに、スロット11は、可撓性の脚7を引っ込ませることによって、回転させられる。ボス9は、これらのスロット11のうちのいくつかの中で係合されて、ピン5の回転をインデックス付けし、および係止位置における、エンドピースの高さの、固定された位置決め(stationary positioning)を保証する。
【0028】
示される実施例において、ピンの各4分の1回転は、エンドピースを位置決めするためのノッチを形成する。雌螺子山および雄螺子山の選択されたピッチによって、各4分の1回転、すなわち、2つの係止位置間は、エンドピース6の高さを特定の量ずつ調整する。
【0029】
今提示されたデバイス1の部品は、プラスチック材料製であってもよく、および射出によってまたは三次元構築(additive construction)によって製造されるデバイスであってもよい。
【0030】
もちろん、本発明は、記載された実地形態に限定されず、および代替的な解決策を、特許請求の範囲に定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、使用することができる。