(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/50 20060101AFI20221101BHJP
H01R 13/11 20060101ALN20221101BHJP
【FI】
H01R4/50 B
H01R13/11 A
(21)【出願番号】P 2019109705
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 竣哉
(72)【発明者】
【氏名】田端 正明
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩
(72)【発明者】
【氏名】天川 武史
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-223656(JP,A)
【文献】特開2017-22110(JP,A)
【文献】特開2018-147828(JP,A)
【文献】特開2009-152111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/28 - 4/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板材を加工して形成され、電線の延び方向の前方端部に接続され電線を挟持する端子本体と、
前記電線の延び方向に沿って前記端子本体に対してスライド移動が可能なスライド部材と、を備え、
前記端子本体は、前記電線に接触可能な接触面を備え
て片持ち状に設けられた接続片部
と、係止突起と、を有し、
前記スライド部材は、前記スライド移動により前記接続片部を押圧して前記接触面が前記電線に接触するように変形させる加圧部
と、前記スライド移動により前記端子本体の前記係止突起と係止することで前記加圧部が前記接続片部を押圧した状態に保持される本係止受け部と、を有し、
前記接続片部は前記金属板材の加工によって生じたバリが前記接触面において前記電線側に突出する形態で配置されている端子。
【請求項2】
前記接続片部は、前記各接触面が互いに対面するよう対をなして形成され、前記スライド部材は、一対の前記接続片部の各々を外側から覆う筒状に形成されている請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記接続片部には前記金属板材を折り重ねてなる折り重ね部が形成され、前記折り重ね部の前記電線に対する前記接触面に前記バリが前記電線側に突出するよう配置されている請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記接続片部は互いに平行しかつ前記各接触面が互いに対面するよう対をなして形成され、前記各折り重ね部は前記両接続片部の対面する前記接触面に、前記電線が前記端子本体に挿入される挿入方向について前後にずれた位置に形成されている請求項3に記載の端子。
【請求項5】
前記バリは、前記各接続片部のうち、前後にずれた位置にある前記両折り重ね部の互いに対向する端縁に位置している請求項4
に記載の端子。
【請求項6】
前記加圧部は前記スライド部材の内方に突出しており、
前記スライド部材は、前記加圧部が前記接続片部を加圧する加圧方向について、前記スライド部材の内形状が狭い幅狭部と、前記加圧部よりも前記電線が前記端子本体に挿入される挿入方向について先方側に、前記加圧方向について、前記スライド部材の内形状が前記幅狭部よりも広い幅広部と、を有する請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の端末から露出する芯線に端子が接続された端子付き電線が知られている。このような端子として、例えば、電線の端末から露出する芯線に外側から圧着する圧着部を備えるものがある。この端子は、金属板材をプレス機械によって剪断加工及び曲げ加工を施すことにより所要の形状のものとして製造される。
【0003】
上記の端子を電線に圧着するには、例えば以下のようにする。まず、上下方向に相対移動可能な一対の金型のうち下側に位置する下型の載置部に、端子を載置する。続いて、電線の端末から露出された芯線を、端子の圧着部に重ねて載置する。その後、一対の金型の一方又は双方を互いに接近する方向に移動させ、上型の圧着部と、下型の載置部との間で圧着部を挟み付けることにより、圧着部を塑性変形させて電線の芯線に圧着する。以上により、電線の端末に端子が接続される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記の技術によれば、電線の芯線に端子の圧着部を圧着するための金型や治具等、比較的に大規模な設備が必要なので、その設備投資の分だけ製造コストが上昇するという問題がある。
【0006】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、比較的に大規模な治具を用いることなく、端子と電線とを接続することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、金属板材を加工して形成され、電線の延び方向の前方端部に接続され電線を挟持する端子本体と、前記電線の延び方向に沿って前記端子本体に対してスライド移動が可能なスライド部材と、を備え、記端子本体は片持ち状に設けられ、前記電線に接触可能な接触面を備える接続片部を有し、前記スライド部材は、前記スライド移動により前記接続片部を押圧して前記接触面が前記電線に接触するように変形させる加圧部を有し、記接続片部は前記金属板材の加工によって生じたバリが前記接触面において前記電線側に突出する形態で配置されている端子である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示された技術によれば、比較的に大規模な治具を用いることなく、端子と電線とを接続することができ、しかも金属板材に形成されてしまうバリを利用して確実な接続状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、スライド部材と端子本体とが第1状態にあるときの雌端子を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、スライド部材と端子本体とが第1状態にあるときの雌端子を示す側面図である。
【
図5】
図5は、スライド部材と端子本体とが第1状態にあるときの雌端子を示す一部破断平面図である。
【
図6】
図6は、スライド部材と端子本体とが第1状態にあるときの雌端子を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、スライド部材と端子本体とが第2状態にあるときの雌端子を示す側面図である。
【
図10】
図10は、セレーションを示す一部拡大断面図である。
【
図11】
図11は、セレーションのバリエーションを示す一部拡大断面図である。
【
図12】
図12は、セレーションのバリエーションを示す一部拡大断面図である。
【
図18】
図18は、当接部の突出高さが変更されたスライド部材を示す正面図である。
【
図20】
図20は、コネクタハウジングに雌端子が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図21】
図21は、コネクタハウジングに雌端子が取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図22】
図22は、コネクタハウジングにリアホルダが仮係止位置に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図23】
図23は、コネクタハウジングにリアホルダが仮係止位置に取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図24】
図24は、電線が挿通された状態を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、電線が挿通された状態を示す断面図である。
【
図26】
図26は、スライド部材が第1状態から第2状態に推移する途中の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様が列挙されて説明される。
【0011】
(1)本開示は、金属板材を加工して形成され、電線の延び方向の前方端部に接続され電線を挟持する端子本体と、前記電線の延び方向に沿って前記端子本体に対してスライド移動が可能なスライド部材と、を備え、記端子本体は片持ち状に設けられ、前記電線に接触可能な接触面を備える接続片部を有し、前記スライド部材は、前記スライド移動により前記接続片部を押圧して前記接触面が前記電線に接触するように変形させる加圧部を有し、前記接続片部は前記金属板材の加工によって生じたバリが前記接触面において前記電線側に突出する形態で配置されている端子である。
【0012】
上記の構成によれば、スライド部材を電線の挿入方向に沿って移動させることにより、接続片部を電線に押圧することができる。これにより、接続片部と電線とが電気的に接続されるので、比較的に大規模な治具を用いることなく、電線と端子とを電気的に接続することができる。しかも、電線と電気的な接続を確保するための接続片部は、剪断加工によって生じたバリの少なくとも一部が電線との接触面において電線側に突出するよう配置されているから、バリが電線に食い込んで確実な接続状態を得ることができる。
【0013】
(2)前記接続片部は、前記各接触面が互いに対面するよう対をなして形成され、前記スライド部材は、一対の前記接続片部の各々を外側から覆う筒状に形成されていることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、一対の接続片部によって電線を挟み付け、その際の反力を筒形のスライド部材によって受けて確実な接続状態を得ることができる。
【0015】
(3)接続片部には金属板材を折り重ねてなる折り重ね部が形成され、その折り重ね部の電線に対する接触面にバリが電線側に突出するよう配置されていることが好ましい。
【0016】
接続片部に折り重ね部が形成されていると、その厚さが部分的に厚くなり、その結果、電線に強い圧力で接触するようになるから、その箇所にバリが配置されると、バリがより強く電線に食い込むようになる。
【0017】
(4)接続片部は互いに平行しかつ各接触面が互いに対面するよう対をなして形成され、そこに形成された各折り重ね部が電線が前記端子本体に挿入される挿入方向について前後にずれた位置に配置されていることが好ましい。この構成により、接続片部対に挟まれた電線が屈曲状態になって、より強く電線が保持されるからである。
【0018】
(5)上記の構成の場合、さらに、バリは、各接続片部のうち、前後にずれた位置にある前記両折り重ね部の互いに対向する端縁に位置していることが好ましい。その端縁部分で電線が屈曲されて強く折り重ね部に押し付けられるから、その部分にバリがあるとより強く電線に食い込むことが期待されるからである。
【0019】
(6)前記加圧部は前記スライド部材の内方に突出しており、前記スライド部材は、前記加圧部が前記接続片部を加圧する加圧方向について、前記スライド部材の内形状が狭い幅狭部と、前記加圧部よりも前記電線が前記端子本体に挿入される挿入方向について先方側に、前記加圧方向について、前記スライド部材の内形状が前記幅狭部よりも広い幅広部と、を有することが好ましい。
上記の構成によれば、スライド部材をスライドさせることにより幅狭部が接続片部に対応する位置にまで移動することにより、幅狭部に形成された加圧部によって接続片部が加圧方向に押圧される。
【0020】
(7)端子本体及びスライド部材のうちの一方及び他方に、幅広部が端子本体に接して保持されるが接続片部が電線に接触していない第1状態にスライド部材を保持する第1状態係止機構と、接続片部が加圧部の押圧により変形して電線に接触している第2状態にスライド部材を保持する第2状態係止機構を設けることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、第1状態係止機構によって端子本体とスライド部材とを第1状態にしておいて電線を挿入し、その後、スライド部材を移動させて第2状態係止機構により端子本体とスライド部材とを第2状態に保持することができる。この結果、第2状態で端子本体の接続片部が電線に接触した状態を安定的に保持することができる。
【0022】
(8)スライド部材のうち幅広部とは反対側の端部に、加圧部側に向かうに従って突出量を増やして端子本体内に挿入される電線の先端を所要の姿勢に案内する誘い込み斜面部を有する構成とすることが好ましい。この構成によると、電線の先端が所要の姿勢からずれた形で挿入されても、これを正規の位置に案内することができる。
【0023】
(9)スライド部材には外部から治具を当てて押すことにより重なり部にあるスライド部材を第1状態から第2状態に向けて移動可能にする治具当接部が設けられていることが好ましい。これにより、治具によってスライド部材を外部から移動させることができる。
【0024】
(10)前記接触面には、前記接続片部が前記電線に加圧された状態で前記電線の表面に食い込むセレーションが形成されていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、セレーションが電線の表面に食い込むことにより、電線と端子との保持力が向上する。また、電線の表面に形成されている絶縁性の酸化被膜をセレーションによって剥がすことができるので、端子と電線との電気抵抗値を小さくすることができる。
【0026】
(11)前記セレーションは、前記挿入方向と直交する方向に延びる溝状に形成されると共に、前記挿入方向に間隔を空けて並んで形成されていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、電線の挿入方向の複数箇所において、セレーションによって電線を保持することができるので、電線と端子との保持力を向上させることができる。また、電線の挿入方向の複数箇所において、セレーションによって電線と端子とを電気的に接続することができるので、端子と電線との電気抵抗値を小さくすることができる。
【0028】
(12)前記接触面には、前記挿入方向に沿って延びる電線ガイド凹部が形成されていることが好ましい。電線ガイド溝に電線を添わせることにより、電線を容易に接触面に配置することができるからである。
【0029】
(13)端子本体には、接続片部に電線が配された状態において電線の端縁が所定位置に配されていることを検知可能な端子窓部が開口されていることが好ましい。この構成によれば、端子窓部から電線の端縁を検知することにより、電線と端子とが接続されたか否かを容易に確認することができる。
【0030】
(14)本開示にかかる端子付き電線は、上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の端子と、端子に接続される電線と、を備える。
【0031】
(15)本開示に係るコネクタは、端子を収容するキャビティを有するコネクタハウジングと、キャビティ内に収容された端子の挿入方向についてコネクタハウジングの後端部に取り付けられるリアホルダと、を備えたコネクタであって、リアホルダには、キャビティに連通する挿通孔が開口されている。
【0032】
上記の構成によれば、リアホルダにより端子をコネクタハウジング内に抜け止め状態で保持することができる。
【0033】
(16)リアホルダは挿入方向に沿って移動可能としてあり、リアホルダにはリアホルダが挿入方向について後方から前方に移動する際にスライド部材に挿入方向の後方から当接してスライド部材を挿入方向の前方に押圧することにより、スライド部材を第1状態から第2状態に移動させるスライド部材押圧部を有する構成とすることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、リアホルダを移動させることにより、リアホルダのスライド部材押圧部によってスライド部材を押圧することができる。これにより、リアホルダを移動させると同時に、電線と端子とを電気的に接続させることができる。
【0035】
(17)前記端子本体には、前記接続片部に前記電線が配された状態において、前記電線の端縁が所定位置に配されていることを検知可能な端子窓部が開口されており、前記コネクタハウジングには、前記端子の前記端子窓部と外部とを連通するコネクタ窓部が設けられていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、コネクタ窓部を介して端子窓部から電線の端縁が所定位置に配されているか否かを検知することができる。
【0037】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態が説明される。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0038】
本明細書に開示された技術の一実施形態を
図1から
図26を参照しつつ説明する。本実施形態に係るコネクタ10は、電線11の端末に接続された雌端子12(端子の一例)を収容する。本実施形態に係る端子付き電線60は、雌端子12と、雌端子12に接続された電線11と、を備える。以下の説明においては、図面に示したZ方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方として説明する。複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0039】
(電線11)
図2に示すように、電線11は芯線13の外周面を絶縁性の合成樹脂からなる絶縁被覆14で包囲してなる。電線11の端末部分は絶縁被覆14が皮剥ぎされて、芯線13が露出している。本実施形態に係る芯線13は、1本の金属線からなる、いわゆる単芯線である。なお、芯線13は、複数の金属細線を撚り合わせてなる撚線であってもよい。芯線13を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。本実施形態に係る芯線13は銅、又は銅合金からなる。
【0040】
(端子本体15)
図2~
図4に示すように、雌端子12は、金属製の端子本体15と、端子本体15に対して相対的にスライド移動可能なスライド部材16と、を備える。本実施形態に係る端子本体15及びスライド部材16は、金属板材をプレス機械によって剪断加工及び曲げ加工を施して所要の形状となるように製造したものである。端子本体15及びスライド部材16を構成する金属板材は、銅等の他、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。本実施形態にかかる端子本体15は銅または銅合金からなる。また、端子本体15の表面にはめっき層が形成されていてもよい。めっき層を構成する金属は、スズ、ニッケル、銀等必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。本実施形態に係る端子本体15には、スズめっきが施されている。
【0041】
図8及び
図9に示すように、端子本体15は、相手側の雄端子(図示せず)が挿入される接続筒部17と、接続筒部17から後方に延出された接続片部である上側接続片部18A及び下側接続片部18Bと、を備える。接続筒部17は前後方向に延びる角筒状をなしている。接続筒部17の前端は相手側の雄端子が挿入可能に開口されている。
【0042】
接続筒部17の内部には、接続筒部17の後部から前方に延びると共に弾性変形可能な弾性接続片部19が配されている(
図2参照)。接続筒部17内に挿入された雄端子は、この弾性接続片部19と接触可能である。
【0043】
接続筒部17の後方には角筒状をなす基部20が設けられている。基部20の上壁の後端部には上側接続片部18A(接続片部の一例)が後方に延びて設けられており、基部20の下壁の後端部には下側接続片部18B(接続片部の一例)が後方に延びて設けられている。上側接続片部18Aと下側接続片部18Bは前後方向に延びた細長い形状をなしており、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの間に先端側から後端側に向かって、すなわちY方向(電線の挿入方向)に電線11を基部20内に挿入可能である。上側接続片部18Aと下側接続片部18Bの前後方向の長さ寸法は略同じに形成されている。
【0044】
上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは、ともに基部20の後端部を支点にして、先端側が上下方向に弾性変形可能となった片持ち状である。上側接続片部18Aの下面の全域は芯線13と接触する接触面21Aであり、下側接続片部18Bの上面の全域は芯線13と接触可能な接触面21Bである。
【0045】
詳細には
図8及び
図10に示すように、下側接続片部18Bの後端(先端)には金属板材を前方に折り返して部分的に二枚重ねとして板厚を前方よりも厚くした下側折り重ね部23Bが形成されている。接触面21Bのうちこの厚肉の下側折り重ね部23Bの上面には、挿入方向と直交する方向、すなわち左右方向に延びると共に溝状をなす複数本のセレーション22Bが、前後方向に間隔を空けて平行に形成されている。
【0046】
また、上側接続片部18Aの先端側は金属板材の1枚分の肉厚であって、その下面に下側接続片部18Bと同様に複数本の溝状をなすセレーション22Aが前後方向に間隔を空けて平行に形成されている(
図10参照)。なお、セレーション22Aと22Bとは、前後方向において位相をずらせて互いに重ならない位置に形成されている。
【0047】
上側接続片部18Aのうち下側接続片部18Bの下側折り重ね部23Bから前方にずれた位置には上側折り重ね部23Aが形成されている。これは上側接続片部18Aを構成する金属板材の右側縁(
図10における奥側)から延出した舌片を手前側に折り返して上側接続片部18Aの下面に折り重ねて形成したものである。
図10に示されるように、上側折り重ね部23Aと下側折り重ね部23Bとは形成位置が前後方向にずれており、電線11の芯線13の直径よりもやや大きな寸法だけ離れている。
【0048】
また、
図13にも現れているように、下側接続片部18Bの接触面21Bの左右方向の中央部は傾斜状に陥没しており、電線11の挿入方向に沿って延びる電線ガイド凹部48が形成されている。
【0049】
さて、端子本体15は前述した通り金属板材に剪断加工及び曲げ加工を施して製造されているから、金属板材の剪断端縁部には剪断方向の先方に向かって突出する微小な突起、すなわちバリが発生し、逆に剪断方向の後方側はわずかに曲面状となった、いわゆるダレが不可避的に発生する。バリの先端は
図10に符号50を付して模式的に示すように鋭く尖った形態となる。これに鑑みて本実施形態では、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの各接触面21A、23Bにおけるバリ50が電線11側に突出する形態となるように設定している。その理由は、芯線13の表面に形成されている酸化被膜にバリ50が食い込んで芯線13の金属表面に接触できるようにするためである。バリ50は、この実施形態では
図10に示されるように、各接触面21A,21Bのうち上側折り重ね部23Aの前後の端縁部と、下側折り重ね部23Bの後縁部に形成され、従って前後にずれた位置にある両折り重ね部23A,23Bの互いに対向する端縁に位置していることになる。
【0050】
なお、上側接続片部18Aに設けられたセレーション22A及び下側接続片部18Bに設けられたセレーション22Bも、芯線13表面の酸化被膜を局部的に剥がすことにより、各接触面21A,21Bが芯線13の金属表面に接触できるようにするためのものである。
【0051】
図10から
図12に示すように、セレーション22A、及びセレーション22Bの形状は、必要に応じて適宜に選択することができる。本実施形態においては、
図10に示すように、セレーション22A、22Bは、断面形状がV字状をなす、いわゆるV字溝形状となっている。また、
図11に示すように、セレーション22A、22Bは、前後方向について緩やかに波打つ曲面状に形成されてもよい。また、
図12に示すように、溝状をなすセレーション22A、22Bのうち、後壁が切り立って形成されると共に、前壁が後方に向かうに従って拡開する傾斜面を有する構成としてもよい。この場合には、セレーション22A,22Bの後壁が芯線13の表面に食い込むことにより、電線11と雌端子12との保持力を向上させることができる。
【0052】
セレーション22A、22Bの形状は、上記のほかに、任意の形状とすることができる。例えば、いわゆるU字溝としてもよいし、溝状をなすセレーション22A、22Bの底壁と両側壁とが直交する形状としてもよい。
【0053】
端子本体15には、接続筒部17の後方であって、且つ、基部20の前方の位置に、上方に開口した端子窓部24が設けられている。端子窓部24からは、電線11が所定位置すなわち上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとの間の空間内を貫通して端子窓部24の近傍まで挿入された状態で、芯線13の前端部が外部から検知可能になっている。外部から検知可能とは、外部から作業員によって視覚による確認が可能であることを含むと共に、外部からカメラ(図示せず)によって検知可能であることも含み、また、外部からプローブ(図示せず)を挿入して電気的に芯線13の前端部を検知することも含む。
【0054】
(スライド部材16)
図14から
図18に示すように、スライド部材16は、前後方向に延びる角筒状をなしている。スライド部材16は、切削加工、鋳造、プレス加工等、必要に応じて公知の手法により形成される。スライド部材16を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。本実施形態に係るスライド部材16は、ステンレス鋼製の板材をプレス加工して形成したものである。スライド部材16の表面にはめっき層が形成されていてもよい。めっき層を構成する金属は、スズ、ニッケル、銀等必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。
【0055】
Y方向と直交する面における、スライド部材16の内形状の断面形状は、端子本体15のうち、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bが設けられた領域の外形状の断面形状と同じか、やや大きく形成されている。これにより、スライド部材16は、端子本体15のうち、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bからなる一対の接続片部18A,18Bの各々を外側から覆うことができる角筒状になっている。
【0056】
図21に示すように、スライド部材16の上壁のうち後方寄りの部位には、加圧部として下方に突出する上側加圧部25Aが設けられている。一方、スライド部材16の下壁には、上記の上側加圧部25Aと対向する位置に上方に突出する下側加圧部25Bが設けられている。これらの上側加圧部25Aと下側加圧部25Bとが設けられている部分については、スライド部材16の上下方向の内寸がその前方部分よりも狭くなっている。
【0057】
上側加圧部25A及び下側加圧部25Bが設けられている部分よりも前方の部分の断面形状は、前述した通り、端子本体15の上側接続片部18Aと下側接続片部18Bが設けられた領域の断面形状と同じ又はやや大きく形成されているから、その部分を端子本体15の後端部の外側に重なる位置、すなわち外嵌する位置にセットすることができ、その位置で上側加圧部25A及び下側加圧部25Bは上側接続片部18A及び下側接続片部18Bには接触せず、これらの接続片部18A,18Bを内側に変形させない(
図21参照)。スライド部材16のうち上側加圧部25A及び下側加圧部25Bの前方部分を以後、幅広部16Aと呼ぶ。一方、スライド部材16のうち上側加圧部25A及び下側加圧部25Bが設けられている部分は、上側加圧部25A及び下側加圧部25Bが、それぞれ、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bを押圧する加圧方向(上下方向)について狭い幅狭部16Bと呼ぶ。
【0058】
幅広部16Aが端子本体15の後方部分のみに嵌合した重なり位置では、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは変形しておらず、この状態においては、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとの間の間隔は芯線13の直径よりも大きくなるように設定されているから、電線11を端子本体15内に自由に挿入することができる。
【0059】
スライド部材16の左右の両側壁には、前後方向の前端部寄りの位置に仮係止受け部26が開口され、仮係止受け部26よりも後方の位置に本係止受け部27が開口されている。仮係止受け部26と、本係止受け部27は、端子本体15の左右両側壁に設けられた係止突起28と弾性的に係止可能になっている。
【0060】
端子本体15の係止突起28とスライド部材16の仮係止受け部26とが係止した状態では、スライド部材16の上側加圧部25A及び下側加圧部25Bは、端子本体15の上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの後端縁から後方に離間しており、これらの接続片部18A,18Bを変形させていない。この状態を本明細書では第1状態と呼び、スライド部材16の仮係止受け部26と係止突起28とからなる係止機構を第1状態係止機構26A(
図4参照)と呼ぶことにする。
【0061】
上記の第1状態からスライド部材16を前方に押し込むと、端子本体15の係止突起28はスライド部材16の仮係止受け部26から抜け出て、前方にある本係止受け部27に係止される状態となる。この状態では、幅狭部16Bが上側接続片部18A及び下側接続片部18Bに対応する位置にまで移動している。スライド部材16の上側加圧部25A及び下側加圧部25Bが端子本体15の上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの中央に乗り上げた状態になり、その結果、これらの接続片部18A,18Bを電線11に圧接させるように変形させる(
図2参照)。この状態を本明細書では第2状態と呼び、スライド部材16の本係止受け部27と係止突起28とからなる係止機構を第2状態係止機構26B(
図6参照)と呼ぶことにする。
【0062】
なお、
図17及び
図18に示すように、上側加圧部25Aの高さ寸法、及び下側加圧部25Bの高さ寸法を適宜変更することにより、同一形状の端子本体15を用いた場合であっても、芯線13の直径が異なる電線11を雌端子12と接続することができる。例えば、
図18には、上側加圧部25Aの高さ寸法、及び下側加圧部25Bの高さ寸法が、
図17に記載されたものよりも低い場合を示している。このようにすれば、同一形状の端子本体15を用いて、芯線13の直径が、
図17に記載されたものよりも大きな電線11を雌端子12と接続することができる。
【0063】
スライド部材16が端子本体15に対して第2状態(
図2及び
図7)にあるときは、上側接続片部18Aの上側折り重ね部23Aが芯線13を上方から押圧する。下側接続片部18Bのうち上側折り重ね部23Aに上下に対向する前方側部分においては肉厚が薄いから、電線11は上側折り重ね部23Aによって芯線13が
図2に示すように屈曲した状態で挟み付けられる。
【0064】
スライド部材16の前端部には、上壁から上方に突出する治具当接部46が設けられている。これは角形の門形形状をなして内部を中空にしたカバー形状である。治具当接部46には後方から治具45が当接して、この治具45によってスライド部材16を前方に押すことにより、スライド部材16を前方に移動させることができる(
図26参照)。治具45は細長い板状又は棒状をなしている。治具45は、金属、合成樹脂等、公知の材料からなる。なお、上記の治具45は、金型や、この金型を稼働させるための設備に比べて、比較的に小規模なものとなっている。このため、治具45に起因するコストの増大が抑制されるようになっている。
【0065】
スライド部材16の後端部寄りの位置には、左右両側壁に、スライド部材16の内方に突出する一対の誘い込み部47が設けられている。誘い込み部47は、後方から前方に向かうに従って幅狭に形成されている。誘い込み部47の内面に芯線13が摺接することにより、芯線13はスライド部材16の内部中央へと案内される。
【0066】
(コネクタ10)
図1に示すように、コネクタ10は、雌端子12を収容する複数のキャビティ29を有するコネクタハウジング30と、コネクタハウジング30の後端部に組み付けられるリアホルダ31と、を備える。
【0067】
(コネクタハウジング30)
図19に示すように、コネクタハウジング30は、上下方向に扁平であって左右方向に延びた略直方体形状をなしている。コネクタハウジング30は絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより形成される。コネクタハウジング30には、雌端子12を収容する前後方向に延びた複数のキャビティ29が、左右方向に間隔を空けて並列されると共に、上下に2段に重ねられている。上段に形成された各キャビティ29と、下段に形成された各キャビティ29とは、上下にずれた位置に配されている。なお、キャビティ29の個数は任意であり、また、上下に重ねられる場合の段数も任意である。
【0068】
キャビティ29の前端は前方に開口しており、雄端子が挿入可能になっている。キャビティ29の後端は後方に開口しており、雌端子12を後方から収容可能になっている。
【0069】
図2に示すように、雌端子12がキャビティ29内に収容された状態で、雌端子12の端子窓部24に対応する位置に、キャビティ29を構成する壁を貫通するコネクタ窓部33が形成されている。このコネクタ窓部33によって、端子窓部24が外部と連通するようになっている。コネクタ窓部33からは、雌端子12の端子窓部24が外部から検知可能になっている。これにより、コネクタ窓部33、及び端子窓部24を通して、芯線13の前端部が外部から検知可能になっている。
【0070】
コネクタハウジング30は、上段に形成されたキャビティ29と、下段に形成されたキャビティ29との間を仕切る隔壁34を有する。隔壁34は、キャビティ29の後端部から後方に延出されている。隔壁34の上面及び下面には、それぞれ、前後方向に延びると共に上下に突出した仕切り壁35が設けられている。この仕切り壁35によって、各キャビティ29に収容された雌端子12が左右方向に隣り合う雌端子12と電気的に絶縁されるようになっている。
【0071】
コネクタハウジング30の左右両側壁の後端部寄りの位置には、外方に突出する仮係止ロック部36が設けられており、この仮係止ロック部36よりも前方の位置には、本係止ロック部37が外方に突出して設けられている。
【0072】
(リアホルダ31)
リアホルダ31は、前方に開口する箱状をなしている。リアホルダ31は、絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより形成される。リアホルダ31は、コネクタハウジング30の後半部分に外嵌されるようになっている。リアホルダ31の左右両側壁の前端部寄りの位置には、コネクタハウジング30の仮係止ロック部36、及び本係止ロック部37に弾性的に係止可能なロック受け部38が設けられている。ロック受け部38は、概ね門形状をなしている。
【0073】
コネクタハウジング30の仮係止ロック部36と、リアホルダ31のロック受け部38とが係止することにより、リアホルダ31はコネクタハウジング30に対して仮係止位置に保持される。また、コネクタハウジング30の本係止ロック部37と、リアホルダ31のロック受け部38とが係止することにより、リアホルダ31はコネクタハウジング30に対して本係止位置に保持される。
【0074】
リアホルダ31には、電線11が挿通される複数の挿通孔39が、左右方向に並列すると共に、上下に2段に並んで設けられている。挿通孔39は、コネクタハウジング30のキャビティ29に対応する位置に設けられている。挿通孔39の内径寸法は、電線11の絶縁被覆14の外径寸法と同じか、やや大きく設定されている。
【0075】
リアホルダ31には、コネクタハウジング30が嵌入されるフード部41が、前方に開口している。フード部41の後端部には、上下方向の中央付近に、フード部41内に前方に突出すると共に、上下に間隔を空けて並ぶ一対の突出壁42A,42Bが設けられている。この一対の突出壁42A,42Bの上下方向の間隔は、コネクタハウジング30の隔壁34の上下方向の厚さ寸法を同じか、やや大きく設定されている。
【0076】
リアホルダ31がコネクタハウジング30に対して仮係止位置に保持された状態では、リアホルダ31の一対の突出壁42A,42Bは、コネクタハウジング30の隔壁34の後端縁よりも後方に位置している。リアホルダ31がコネクタハウジング30に対して本係止位置に保持された状態では、リアホルダ31の一対の突出壁42A,42Bの間に、コネクタハウジング30の隔壁34が嵌り込むようになっている。これにより、リアホルダ31がコネクタハウジング30に対して上下方向に位置ずれすることが抑制されるようになっている。
【0077】
フード部41の内壁は、前端縁からやや後方の領域が、他の領域に比べて薄く形成されている。これにより、フード部41の内壁には、前端部寄りの位置と後部との間に、段差が形成されている。この段差は、リアホルダ31がコネクタハウジング30に対して仮係止位置から本係止位置に移動する際に、スライド部材16の後端部44に後方から当接するスライド部材押圧部43とされる。このスライド部材押圧部43が、スライド部材16の後端部44に後方から当接して第1状態にあるスライド部材16を前方に押圧することにより、スライド部材16が第2状態に移動するようになっている。
【0078】
(コネクタ10の組み立て工程の第1例)
続いて、本実施形態に係るコネクタ10の組み立て工程の第1例について説明する。コネクタ10の組み立て工程は以下の記述に限定されない。
【0079】
公知の手法により、端子本体15と、スライド部材16とを形成する。端子本体15に対して、後方からスライド部材16を幅広部16Aを先方にした姿勢で組み付ける。
幅広部16Aの上下方向の内寸は、端子本体15の上側接続片部18Aの上面と下側接続片部18Bの下面との間の寸法と同じ又はやや大きく形成されているから、端子本体15は幅広部16Aの内部に進入し、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの先端が上側加圧部25A及び下側加圧部25Bの前縁に当接するまで挿入可能である(
図21参照)。
【0080】
そして、最終的に上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの先端が上側加圧部25A及び下側加圧部25Bの前縁に当接するまで挿入される直前で、端子本体15の係止突起28に後方からスライド部材16の前端縁が当接し、スライド部材16の側壁が拡開変形する。更にスライド部材16を前方に押し込むと、スライド部材16の側壁が復帰変形し、端子本体15の係止突起28に、スライド部材16の仮係止受け部26が係止する。これにより、端子本体15に対してスライド部材16が第1状態に保持される。これにより雌端子12が得られる(
図3参照)。
【0081】
一方、コネクタハウジング30とリアホルダ31とは合成樹脂の射出成形により形成される。コネクタハウジング30は
図19に示す形状に、コネクタハウジング30とリアホルダ31とを組み合わせた形状は
図22に示してある。まず、コネクタハウジング30にリアホルダ31を装着していない状態で、コネクタハウジング30のキャビティ29内に、後方から雌端子12を挿入する(
図20及び
図21参照)。
【0082】
次に、
図22及び
図23に示すように、コネクタハウジング30の後端部に、後方からリアホルダ31を組み付ける。すると、コネクタハウジング30の仮係止ロック部36に、リアホルダ31の前端部が後方から当接し、リアホルダ31の前端部が拡開変形する。更にリアホルダ31を前方に押し込むと、リアホルダ31の前端部が復帰変形し、コネクタハウジング30の仮係止ロック部36に、リアホルダ31のロック受け部38が弾性的に係止する。これにより、リアホルダ31が、コネクタハウジング30に対して仮係止位置に保持される。この状態では、リアホルダ31のスライド部材押圧部43は、スライド部材16の後端縁に接するか、これから後方に僅かに離間した位置に配されている。
【0083】
一方、電線11の端部において絶縁被覆14を皮剥ぎすることにより、所定の長さ寸法の芯線13を露出させる。リアホルダ31の後端部に設けられた挿通孔39内に、芯線13の前端部を後方から挿入する。
【0084】
電線11を更に前方(挿入方向の一例)に押し込むと、芯線13の前端部はリアホルダ31の挿通孔39から前方に突出し、スライド部材16の後端部44からスライド部材16の内部へと導入される。芯線13はスライド部材16の誘い込み部47と当接することにより、スライド部材16の中心へと案内される。更に電線11を前方に押し込むと、芯線13の前端部は端子本体15の内部へと進入して上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとの間の空間内に至る。
【0085】
更に電線11を前方に押し込むと、芯線13の前端部は端子本体15の端子窓部24の下方の位置へと到達する(
図25参照)。すると、コネクタ窓部33から視認可能な端子窓部24内において、芯線13の前端部を、目視、プローブ等により検知することができる。この状態で、リアホルダ31の挿通孔39内には電線11の絶縁被覆14が位置している。
【0086】
端子本体15に対してスライド部材16が第1状態に保持された状態であって、且つ、リアホルダ31が、コネクタハウジング30に対して仮係止位置に保持された状態では、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとの間隔は、芯線13の外径寸法よりも大きく設定されているので、芯線13をコネクタ10内に挿入する際に、芯線13は上側接続片部18A及び下側接続片部18Bから大きな摩擦力を受けないようになっている。このため、電線11をコネクタ10に挿入する際の挿入力は大きくならない。
【0087】
次に、リアホルダ31を前方に押圧すると、リアホルダ31の前端部がコネクタハウジング30の本係止ロック部37に乗り上げて拡開変形する。更にリアホルダ31を前方に押圧すると、リアホルダ31のスライド部材押圧部43がスライド部材16の後端部44に後方から当接する。更にリアホルダ31を前方に押圧すると、スライド部材押圧部43によってスライド部材16は端子本体15に対して相対的に前方に移動する。このとき、端子本体15の係止突起28と、スライド部材16の仮係止受け部26との係止が外れ、スライド部材16の側壁が係止突起28に乗り上げて拡開変形する。
【0088】
更にリアホルダ31を前方に押圧すると、スライド部材16の側壁が復帰変形して端子本体15の係止突起28と、スライド部材16の本係止受け部27とが弾性的に係止する。これによりスライド部材16が端子本体15に対して第2状態となって保持される。このとき、コネクタハウジング30の本係止ロック部37と、リアホルダ31のロック受け部38とが係止する。これにより、リアホルダ31がコネクタハウジング30に対して本係止位置に保持される(
図1及び
図2参照)。
【0089】
スライド部材16が端子本体15に対して第2状態となると、スライド部材16の上側加圧部25Aが端子本体15の上側接続片部18Aを上方から下方へと押圧する。また、スライド部材16の下側加圧部25Bが、端子本体15の下側接続片部18Bを下方から上方へと押圧する。これにより、芯線13が、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとの間に上下から挟持される。
【0090】
上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは、剪断加工時に金属板材の端縁部に生じてしまうバリ50が
図10に示すように各接触面21A,21Bのうち上側折り重ね部23A及び下側折り重ね部23Bの端縁において電線11側に突出する形態とされているから、そのバリ50が電線11の芯線13の表面に形成された酸化被膜に食い込み、この酸化被膜を破って芯線13の金属部分に到達し、両接続片部18A,18Bと芯線13との電気的接続が確保される。
【0091】
しかも、バリ50は各接続片部18A,18Bの折り重ね部23A,23Bに形成されている。折り重ね部23A,23Bでは厚さが局部的に厚くなって芯線13に強い圧力で接触するようになるから、その箇所にバリ50が配置されていることにより、バリ50がより強く芯線13に食い込むようになって接触抵抗の軽減に寄与する。
【0092】
また、各折り重ね部23A,23Bは芯線13の挿入方向について互いに前後にずれた位置に配置されているため、接続片部18A,18Bに挟まれた芯線13を屈曲状態にして電線11の保持力を高くできる。その上、芯線13のうち屈曲部分にバリ50が押し付けられる形態になるため、バリ50の食い込みが一層強くなり、接触抵抗の軽減に効果的である。
【0093】
また、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの接触面21A,21Bにはセレーション22Aとセレーション22Bとが形成されているため、芯線13の表面への食い込み性がより高められ、これも電線11と雌端子12との接触抵抗の低減に寄与する。
【0094】
(コネクタ10の組み立て工程の第2例)
続いて、本実施形態に係るコネクタ10の組み立て工程の第2例について説明する。本製造工程においては、
図26に示すように、治具45を後方から治具当接部46に当接させて、スライド部材16を前方にスライド移動させた後に、リアホルダ31を前方に移動させるようになっている。
【0095】
スライド部材16を第2状態にまで移動させる過程で、
図26に示すように、スライド部材16が、第1状態と第2状態との間に停止する場合がある。この状態では、芯線13と、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bとの電気的な接続状態は、十分ではない。芯線13に対する上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの接圧が十分ではないからである。この状態で、リアホルダ31を第1状態から第2状態へと移動させようとすると、リアホルダ31のスライド部材押圧部43はスライド部材16の後端部に当接することにより、リアホルダ31が本係止位置に移動できない状態になる。これにより、スライド部材16が第2状態にまで移動したか否か、すなわち電線11と端子本体15とが確実な電気的接続状態を確立したか否かを判定することができる。
【0096】
上記以外の組み立て工程については、第1例と略同様なので、重複する説明を省略する。
【0097】
(実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係る雌端子12は、金属板材を加工して形成され、電線11の延び方向の前方端部に接続され電線11を挟持する端子本体15と、電線11の延び方向に沿って端子本体15に対してスライド移動が可能なスライド部材16と、を備え、端子本体15は片持ち状に設けられ、電線11に接触可能な接触面21A,21Bを備える上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bを有し、スライド部材16は、スライド移動により上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bを押圧して接触面21A,21Bが電線11に接触するように変形させる上側加圧部25A、及び下側加圧部25Bを有し、上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bは金属板材の加工によって生じたバリ50が接触面21A,21Bにおいて電線11側に突出する形態で配置されている。
【0098】
本実施形態に係る端子付き電線60は、雌端子12と、雌端子12に接続された電線11と、を備える。
【0099】
上記の構成によれば、スライド部材16を挿入方向に沿って移動させることにより、上側接続片部18A、及び下側接続片部18Bを芯線13に押圧することができる。これにより、上側接続片部18A、及び下側接続片部18Bと芯線13とが電気的に接続されるので、金型のような比較的に大規模な治具を用いることなく、電線11と雌端子12とを電気的に接続することができる。
【0100】
そして、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは、剪断加工時にそれらの先端に生じてしまうバリ50が
図10に示すように電線11側に突出する姿勢となるよう設けられているから、そのバリ50が電線11の芯線13の表面に形成された酸化被膜に食い込み、両接続片部18A,18Bと芯線13との電気的接続が確保される。
【0101】
上側加圧部25Aおよび下側加圧部25Bはスライド部材16の内方に突出しており、スライド部材16は、上側加圧部25Aおよび下側加圧部25Bがそれぞれ上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bを加圧する加圧方向(上下方向)について、スライド部材16の内形状が狭い幅狭部16Bと、上側加圧部25Aおよび下側加圧部25Bよりも挿入方向について先方側に、加圧方向について、スライド部材16の内形状が幅狭部16Bよりも広い幅広部16Aと、を有する。
【0102】
上記の構成によれば、スライド部材16をスライドさせることにより幅狭部16Bが上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bに対応する位置にまで移動することにより、幅狭部16Bに形成された上側加圧部25Aおよび下側加圧部25Bによって上側接続片部18Aおよび下側接続片部18Bが、それぞれ、下方及び上方に押圧される。
【0103】
また、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bの接触面21A,21Bにはセレーション22Aとセレーション22Bとが形成されているため、芯線13の表面への食い込み性がより高められ、電線11と雌端子12との接触抵抗を低減することができる。
【0104】
本実施形態によれば、スライド部材16は挿入方向に延びる筒状に形成されており、スライド部材16の挿入方向の後端部寄りの位置には、挿入方向について前方に向かうに従って幅狭になると共に、電線11の芯線13と摺接することにより電線11をスライド部材16の内部へと案内する誘い込み部47を有する。
【0105】
上記の構成によれば、芯線13を誘い込み部47に摺接させることにより、筒状をなすスライド部材16の内部に芯線13を容易に挿入することができる。
【0106】
本実施形態によれば、スライド部材16には外方に突出する治具当接部46が設けられており、治具当接部46が治具45により挿入方向について後方から押圧されることにより、スライド部材16が挿入方向について前方にスライドするようになっている。
【0107】
上記の構成によれば、治具45を治具当接部46に当接させてスライド部材16を挿入方向について前方に押圧することにより、電線11と雌端子12とを電気的に接続させることができる。
【0108】
本実施形態によれば、上側接続片部18Aは接触面21Aから突出する上側折り重ね部23Aを有し、下側接続片部18Bは接触面21Bから突出する下側折り重ね部23Bを有する。上側折り重ね部23A及び下側折り重ね部23Bは、電線11の芯線13に当接することにより、芯線13を挿入方向と交差する方向に屈曲した状態に保持する。
【0109】
上記の構成によれば、上側折り重ね部23A及び下側折り重ね部23Bによって芯線13が挿入方向と交差する方向に屈曲した状態に保持されるので、電線11に対して引っ張り力が作用した場合でも、上側折り重ね部23A及び下側折り重ね部23Bによって引っ張り力を受けることができる。これにより、電線11と雌端子12とが強固に保持されるようになっている。
【0110】
各接触面21A,21Bには、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bが芯線13に加圧された状態で芯線13の表面に食い込むセレーション22A,22Bが形成されている。
【0111】
上記の構成によれば、セレーション22A,22Bが芯線13の表面に食い込むことにより、芯線13と雌端子12との保持力が向上する。また、芯線13の表面に形成された絶縁性の被膜をセレーション22A,22Bによって剥がすことができるので、芯線13と雌端子12との間の電気抵抗値を小さくすることができる。
【0112】
セレーション22A,22Bは、挿入方向と直交する方向に延びる溝状に形成されると共に、挿入方向に間隔を空けて並んで形成する構成によれば、電線11の挿入方向の複数箇所において、セレーション22A,22Bによって芯線13を保持することができるので、芯線13と雌端子12との保持力を向上させることができる。また、電線11の挿入方向の複数箇所において、セレーション22A,22Bによって芯線13と雌端子12とを電気的に接続することができるので、芯線13と雌端子12との間の電気抵抗値を小さくすることができる。
【0113】
本実施形態によれば、接触面21Bには、挿入方向に沿って延びる電線ガイド凹部48が形成されているから、電線ガイド凹部48に芯線13を添わせることにより、芯線13を容易に接触面21Bに配置することができる。
【0114】
端子本体15に、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bに芯線13が配された状態において、芯線13の端縁が所定位置に配されていることを検知可能な端子窓部24が開口されているから、端子窓部24から芯線13の端縁を検知することにより、芯線13が所定の位置に配され、芯線13と雌端子12とが接続されたか否かを容易に確認することができる。
【0115】
本実施形態によれば、端子本体15には係止突起28が設けられ、スライド部材16には、仮係止受け部26と本係止受け部27とが設けられている。これにより、係止突起28と仮係止受け部26とを係止させることによりスライド部材16を第1状態に保持し、係止突起28と本係止受け部とを係止させることにより、スライド部材16を第2状態に保持することができる。
【0116】
本実施形態に係るコネクタ10は、雌端子12を収容するキャビティ29を有するコネクタハウジング30と、コネクタハウジング30の後端部に取り付けられるリアホルダ31と、を備えたコネクタ10であって、リアホルダ31の後端部には、キャビティ29に連通する挿通孔39が開口されている。
【0117】
上記の構成によれば、リアホルダ31により、雌端子12をコネクタハウジング30内に抜け止め状態で保持することができる。
【0118】
本実施形態によれば、スライド部材16は、接触面21Aと反対側から上側接続片部18Aに当接する上側加圧部25Aと、接触面21Bと反対側から下側接続片部18Bに当接する下側加圧部25Bと、を有する。スライド部材16は、上側加圧部25A及び下側加圧部25Bがそれぞれ上側接続片部18A及び下側接続片部18Bと当接する第2状態と、上側加圧部25A及び下側加圧部25Bがそれぞれ上側接続片部18A及び下側接続片部18Bと離間する第1状態との間を移動可能となっている。リアホルダ31は、挿入方向に沿って移動可能であり、リアホルダ31の挿入方向の前端部には、リアホルダ31が挿入方向について後方から前方に移動する際に、スライド部材16に挿入方向の後方から当接してスライド部材16を挿入方向の前方に押圧することにより、スライド部材16を当接位置に移動させるスライド部材押圧部43を有する。
【0119】
上記の構成によれば、リアホルダ31を移動させることにより、リアホルダ31のスライド部材押圧部43によってスライド部材16を押圧することができる。これにより、リアホルダ31を移動させると同時に、電線11と雌端子12とを電気的に接続させることができる。
【0120】
本実施形態によれば、リアホルダ31は、前後方向に沿って移動可能であって、リアホルダ31の前端部には、リアホルダ31が後方から前方に移動する際に、スライド部材16に後方から当接してスライド部材16を前方に押圧することにより、スライド部材16を本係止位置に移動させるスライド部材押圧部43を有する。
【0121】
上記の構成によれば、リアホルダ31を後方から前方に移動させることにより、リアホルダ31のスライド部材押圧部43によってスライド部材16が押圧される。これによりスライド部材16を第2状態まで移動させることができる。すると、スライド部材16の上側加圧部25A及び下側加圧部25Bがそれぞれ、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bに当接して、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bを芯線13に向かって押圧し、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bを芯線13側に変形して芯線13と接触するので、電線11と雌端子12とが電気的に接続される。本構成によれば、リアホルダ31を挿入方向について後方から前方へと移動させるという1つの動作により、電線11と雌端子12とを電気的に接続することができる。
【0122】
また、本実施形態によれば、リアホルダ31の挿入方向の前端部は、スライド部材16が第2状態に至っていない場合には、スライド部材16の治具当接部46に当接するようになっている。
【0123】
上記の構成によれば、スライド部材16が第2状態に至っていない場合、すなわち芯線13と雌端子12とが不完全に接続されている状態を、リアホルダ31の前端部がスライド部材16の治具当接部46に当接することにより検知することができる。
【0124】
本実施形態によれば、端子本体15には、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bに芯線13が配された状態において、芯線13の端縁を外部から視認可能な端子窓部24が形成されている。
【0125】
上記の構成によれば、雌端子12に配された芯線13の端縁を端子窓部24から確認することができるので、芯線13が上側接続片部18A及び下側接続片部18Bに対して所定の位置に配されていることを容易に検査することができる。
【0126】
更に本実施形態によれば、コネクタハウジング30には、雌端子12の端子窓部24を外部から視認可能なコネクタ窓部33が設けられている。
【0127】
上記の構成によれば、雌端子12に配された芯線13の端縁をコネクタ窓部33から確認することができるので、芯線13が接続片部18に対して所定の位置に配されていることを容易に検査することができる。
【0128】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0129】
(1)本実施形態においては、1個の端子本体15に、上側接続片部18Aと下側接続片部18Bとが設けられる構成としたが、これに限られず、1個の端子本体15に1個の接続片部が設けられてもよく、また、3個以上の接続片部が設けられてもよい。
【0130】
(2)本実施形態においては、端子は、雌端子12としたが、これに限られず、雄端子でもよく、また、円板形状の接続部分にボルト挿通孔を有する、いわゆる丸端子でもよい。
【0131】
(3)本実施形態においては、端子本体15に端子窓部24を設け、コネクタハウジング30にコネクタ窓部33を設ける構成としたが、端子窓部24は省略してもよく、また、コネクタ窓部33は省略してもよい。
【0132】
(4)本実施形態においては、リアホルダ31の挿通孔39の開口縁には誘い込み部47を設けたが、誘い込み部47は省略してもよい。
【0133】
(5)本実施形態においては、リアホルダ31にはスライド部材16を押圧するスライド部材押圧部43を設けたが、スライド部材押圧部43は省略してもよい。
【0134】
(6)本実施形態においては、キャビティ29は2段としたが、1段でもよく、3段以上でもよい。
【0135】
(7)本実施形態においては、スライド部材16は金属製としたが、これに限られず、スライド部材16は、合成樹脂製、セラミック製等、任意の材料により形成することができる。
【0136】
(8)本実施形態においては、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは弾性変形する構成としたが、上側接続片部18A及び下側接続片部18Bは塑性変形してもよい。
【0137】
(9)本実施形態においては、電線11は、芯線13の外周が絶縁被覆14で包囲された被覆電線としたが、電線11は裸電線でもよい。
【0138】
(10)本実施形態においては、スライド部材16は角筒状とされていたが、これに限られず、スライド部材16は、円筒形状でもよく、三角筒形状、五角筒形状、六角筒形状等の多角筒形状でもよく、必ずしも筒形でなくてもよい。
【0139】
(11)本実施形態において、スライド部材16には仮係止受け部26が設けられる構成としたが、仮係止受け部26は省略してもよい。
【符号の説明】
【0140】
10: コネクタ
11: 電線
12: 雌端子(端子の一例)
13: 芯線
14: 絶縁被覆
15: 端子本体
16: スライド部材
16A: 幅広部
16B: 幅狭部
17: 接続筒部
18: 接続片部
18A: 上側接続片部(接続片部の一例)
18B: 下側接続片部(接続片部の一例)
19: 弾性接続片部
20: 基部
21A: 接触面
21B: 接触面
22A、22B: セレーション
22A,22B: セレーション
22A: セレーション
22B: セレーション
23A: 上側折り重ね部(折り重ね部の一例)
23B: 下側折り重ね部(折り重ね部の一例)
24: 端子窓部
25A: 上側加圧部(加圧部の一例)
25B: 下側加圧部(加圧部の一例)
26: 仮係止受け部
26A: 第1状態係止機構
26B: 第2状態係止機構
27: 本係止受け部
28: 係止突起
29: キャビティ
30: コネクタハウジング
31: リアホルダ
33: コネクタ窓部
34: 隔壁
35: 仕切り壁
36: 仮係止ロック部
37: 本係止ロック部
38: ロック受け部
39: 挿通孔
41: フード部
42A,42B: 突出壁
43: スライド部材押圧部
44: 後端部
45: 治具
46: 治具当接部
47: 誘い込み部
48: 電線ガイド凹部
50: バリ
60: 端子付き電線