(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A63F5/04 651
(21)【出願番号】P 2020157965
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 恭好
(72)【発明者】
【氏名】駒井 信之介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 貴
【審査官】馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-187705(JP,A)
【文献】特開2019-076387(JP,A)
【文献】特開2017-205306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段と、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、を備え、
前記特典には、第1分類の特典と、第2分類の特典と、があり、
前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、は、遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記第1分類の特典には、第1特典が含まれ、
前記第2分類の特典には、第2特典と、第3特典と、が含まれ、
前記第1特典と、前記第2特典と、前記第3特典と、は、それぞれ遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記演出には、第1演出と、第2演出と、が含まれ、
前記第1演出は、前記第1分類の特典又は前記第2分類の特典が付与される場合に実行され、
前記第1演出は、前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出であり、
前記第2演出は、前記第1演出において前記第2分類の特典が付与されることが報知された場合に実行され、
前記第2演出は、前記第2特典と、前記第3特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出であ
り、
前記特典付与手段は、前記第1演出が実行されてから前記第2演出が実行されるまでにおいて、前記第2特典と、前記第3特典と、のいずれを付与するかを決定可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段と、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、
前記演出を表示する表示装置と、を備え、
前記演出には、第1特典演出と、第2特典演出と、があり、
前記第1特典演出は、所定の特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記第2特典演出は、通常特典又は前記通常特典よりも有利な有利特典の付与が決定されている状態において、前記有利特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記演出制御手段は、前記第1特典演出において、前記所定の特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置を暗転させ、
前記演出制御手段は、前記第2特典演出において、前記有利特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置の暗転とは異なる内容の演出を実行
し、
前記特典付与手段は、前記通常特典又は前記有利特典の付与が決定された状態から前記第2特典演出が実行されるまでにおいて、前記通常特典と、前記有利特典と、のいずれを付与するかを決定可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する演出状態として、アシストタイム状態に移行することによって、役の入賞確率を変動させ、遊技媒体を獲得しやすくすることができる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、遊技機においては、多様な演出を用いて遊技者の演出に対する興趣を向上させることが求められている。このような遊技機においては、アシストタイム状態のような遊技者にとって有利な特典として、それぞれ遊技者にとって有利な度合いが異なる複数種類の特典を有するとともに、特典の開始に際し、複数種類の特典のいずれが遊技者に付与されるのかを演出によって報知されるが、該報知される演出において遊技者の演出に対する興趣を高めることで、遊技機の商品性を向上させることが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、特典の付与に関する演出によって遊技機の商品性を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段と、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、を備え、
前記特典には、第1分類の特典と、第2分類の特典と、があり、
前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、は、遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記第1分類の特典には、第1特典が含まれ、
前記第2分類の特典には、第2特典と、第3特典と、が含まれ、
前記第1特典と、前記第2特典と、前記第3特典と、は、それぞれ遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記演出には、第1演出と、第2演出と、が含まれ、
前記第1演出は、前記第1分類の特典又は前記第2分類の特典が付与される場合に実行され、
前記第1演出は、前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出であり、
前記第2演出は、前記第1演出において前記第2分類の特典が付与されることが報知された場合に実行され、
前記第2演出は、前記第2特典と、前記第3特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出であり、
前記特典付与手段は、前記第1演出が実行されてから前記第2演出が実行されるまでにおいて、前記第2特典と、前記第3特典と、のいずれを付与するかを決定可能である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特典の付与に関する演出によって遊技機の商品性を向上できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
【
図5】本発明の実施形態の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【
図6】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において演出制御手段が実行する第1演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、第1演出で第1分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図、(C)は、第1演出で第2分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図7】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において演出制御手段が実行する第2演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、第2演出で第2特典の付与が報知された場合の一例を示す図、(C)は、第2演出で第3特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図8】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する報知演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、報知演出で特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図9】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する第1演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、第1演出で第1分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図、(C)は、第1演出で第2分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図10】本発明の変形例の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図11】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【
図12】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する通常時カウンタ表示が第1の表示態様で表示される場合の一例を示す図、(B)は、第1通常時カウンタ表示の一例を示す図である。
【
図13】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行するカットイン演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、カットイン演出で表示装置に表示される内容が変化する様子の一例を示す図、(C)は、カットイン演出でカットイン画像の表示が維持される状態の一例を示す図である。
【
図14】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行するカットイン演出の表示が維持された状態の一例を示す図、(B)は、カットイン演出で表示装置に表示される内容が変化する様子の一例を示す図、(C)は、カットイン演出が終了し第2の表示態様で通常時カウンタ表示が表示される場合の一例を示す図である。
【
図15】本発明の変形例の遊技機の扉が解放された状態における外観構成を示す斜視図である。
【
図17】本発明の変形例の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図18】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する第1演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、第1演出で第1分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図、(C)は、第1演出で第2分類の特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図19】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する第2演出が開始された場合の一例を示す図、(B)は、第2演出で第2特典の付与が報知された場合の一例を示す図、(C)は、第2演出で第3特典の付与が報知された場合の一例を示す図である。
【
図20】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する保留表示を第1の表示態様で表示する場合の一例を示す図、(B)は、保留変化演出が開始され演出表示装置に表示される内容が変化する様子の一例を示す図、(C)は、保留変化演出で保留変化画像の表示が維持された状態の一例を示す図である。
【
図21】(A)は、本発明の変形例の遊技機において演出制御手段が実行する保留変化演出で保留変化画像の表示が維持された状態の一例を示す図、(B)は、保留変化演出において演出表示装置に表示される内容が変化する様子の一例を示す図、(C)は、保留変化演出が終了し第2の表示態様で保留表示が表示される場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールR1~右リールR3からなるリールユニット310(
図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す左リールR1~右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、左リールR1~右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。左リールR1~右リールR3の停止状態では、左リールR1~右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1~右リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールR1~右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(
図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0020】
また、前面上扉UDには、所定の契機で出力される信号(演出用信号)の受付が有効化され、押下操作されることで特定の演出が開始される演出用ボタンPUが設けられている。演出用ボタンPUは、略円形のボタンであり、内部に「PUSH」と記載されている。本実施形態のスロットマシン1では、演出用ボタンPUが押下操作されることで演出用スイッチ290から演出制御手段180(
図2参照)に向けて出力される演出用信号の受付が有効化された場合に、表示装置330に演出用ボタンPUを押下操作することを遊技者に報知する演出が実行される。なお、演出用スイッチ290から出力される演出用信号の受付は、受付が有効化される処理が実行される以前の初期状態において、無効化されている。
【0021】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、左リールR1~右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1~右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0022】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0023】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250、設定変更スイッチ260及び演出用スイッチ290の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0024】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム制御手段(AT制御手段)200を含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0025】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UDが開放された状態で設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0026】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0027】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(
図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0028】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1~右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0029】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0030】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0031】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0032】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0033】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0034】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0035】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1~右リールR3の回転駆動を開始し左リールR1~右リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する左リールR1~右リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0036】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下することについて、最初の押下を第1停止操作、2番目の押下を第2停止操作、3番目の押下を第3停止操作とも記載する。
【0037】
本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0038】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0039】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0040】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0041】
入賞判定手段140は、左リールR1~右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1~右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0042】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに遊技を実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0043】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0044】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0045】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0046】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0047】
演出制御手段180は、演出制御データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置としての表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で左リールR1~右リールR3の回転開始を遅延させる左リールR1~右リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0048】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出制御データ記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0049】
本実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0050】
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び非AT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されている。
【0051】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、演出制御手段180によって表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0052】
AT制御手段200は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始するとともに、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理としての終了処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始し、かつ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0053】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、第1有利区間カウンタ197aに初期値として値「1500」をセットし、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)から減算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0054】
本実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に減算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0055】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0056】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。
【0057】
AT制御手段200は、所定の終了処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0058】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、
図3~
図7を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0059】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、を示す図である。
【0060】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を有している。また、スロットマシン1では、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態として、RBBが成立状態に設定されておらず、かつRBBが作動していない一般中としての非RT状態と、RBBが成立状態に設定された場合に移行され、RBBが作動するまで内部でRBBの成立状態が維持されているボーナス内部中(内部中)としてRBB成立状態と、RBBが作動した場合に移行され、RBBが作動しているボーナス作動中(作動中)ボーナス状態と、を有している。
【0061】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号20番の番号がそれぞれ対応付けらえている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0062】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0063】
本実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の3つのストップボタンを押下する順序である打順は、打順1~打順6の6種類の打順から構成されている。打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0064】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号20番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0065】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルF、1枚役A~1枚役C、レア役を有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ
図3に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。
【0066】
また、
図3に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」が設定され、ボーナスのみを含み当選エリアとして、当選エリア「RBB」が設定されている。
【0067】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0068】
<内部抽選テーブル>
本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非RT状態(一般中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルAと記載)と、ボーナス成立状態(内部中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルBと記載)と、ボーナス状態(作動中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルCと記載)と、を内部抽選テーブル記憶手段192に記憶させている。内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCの各内部抽選テーブルにおいては、抽選の対象となる各当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0069】
<乱数判定処理>
本実施形態の内部抽選手段120は、乱数判定処理において、乱数生成手段110から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段192から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段120は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0070】
なお、本実施形態の乱数生成手段110は、内部抽選で用いる乱数として、0~65535の計65536個の乱数を生成可能に構成されている。また、内部抽選テーブルAにおいては、当選エリア「RBB」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっており、内部抽選テーブルBにおいては、当選エリア「RBB&レア役」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっているため、非RT状態又はボーナス成立状態における内部抽選においては、いずれかの役に当選し、不当選とならないように構成されている。
【0071】
<ボーナス当選判定処理>
上述した通り、本実施形態の内部抽選手段120は、ボーナス成立状態において、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にRBBが成立状態に設定されている状態で再度RBBが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したRBBを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
【0072】
内部抽選手段120は、ボーナス当選判定処理において、乱数判定処理でボーナスを含む当選エリアが当否を決定される対象となると判定した場合、ボーナスを含む当選エリアが当選し、かつ遊技状態がボーナス成立状態である場合に、ボーナスを成立状態に設定する処理をスキップする処理を実行する。このようにして、スロットマシン1は、既にRBBが成立状態に設定されている状態で、新たなRBBが成立状態に設定されてしまうことを防いでいる。
【0073】
<打順ベルの詳細>
本実施形態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」は、当選した場合にベルA~ベルFを入賞可能にする打順(正解打順)がそれぞれ設定されている。
【0074】
当選エリア「打順ベル1」、当選エリア「打順ベル7」は、ベルAを入賞可能にする正解打順が打順1に設定されており、打順2~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル2」、当選エリア「打順ベル8」は、ベルBを入賞可能にする正解打順が打順2に設定されており、打順1、打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル3」、当選エリア「打順ベル9」は、ベルCを入賞可能にする正解打順が打順3に設定されており、打順1、打順2、打順4~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順ベル10」は、ベルDを入賞可能にする正解打順が打順4に設定されており、打順1~打順3、打順5、打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル5」、当選エリア「打順ベル11」は、ベルEを入賞可能にする正解打順が打順5に設定されており、打順1~打順4、打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「打順ベル12」は、ベルFを入賞可能にする正解打順が打順6に設定されており、打順1~打順5でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、1/2の確率で1枚役A、1枚役Bが入賞する。
【0075】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0076】
<小役の配当>
ベルA~ベルFの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役C、レア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0077】
<遊技状態移行制御手段>
図4は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0078】
図4に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、リプレイの当選確率が8978/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0079】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、リプレイの当選確率が8982/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0080】
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、83枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。
【0081】
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA~ベルF、1枚役A~1枚役C、レア役のすべての小役に当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A~1枚役C、レア役の配当が1枚に設定されたすべての小役に当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0082】
図3を用いてボーナス状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりボーナス状態において小役に当選する確率が、ボーナス状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」のいずれか1つと、当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」のいずれか1つと、に当選する確率の合算と同じ確率に設定されている。
【0083】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態、ボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も同一又は上昇するように構成されている。
【0084】
また、スロットマシン1は、ボーナス状態において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0085】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の特定役(ベルA~ベルF)が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第1特定当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」)と、複数種類の特定小役が重複して当選する第2特定当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1特定当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第2特定当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第2当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0086】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0087】
ここで、ボーナス成立状態においては、より詳しくは後述するが、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、打順1~打順6から構成された正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下しないとベルA~ベルPを入賞させることができない構成であることから、ベルA~ベルPのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下できた場合に限定される。一方、後述するAT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順がAT制御手段200による入賞補助制御及び演出制御手段180による入賞補助演出によって報知されるため、ベルA~ベルFのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
【0088】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作し、かつ第1停止操作の押下タイミングが適切な場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA~ベルFの6種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/6に圧縮している。このように構成することで、ボーナス状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0089】
<AT制御手段>
図5は、本実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0090】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0091】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0092】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0093】
本実施形態のAT制御手段200は、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「RBB&レア役」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、に当選した場合に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0094】
有利区間において、AT制御手段200は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時におけるベルA~ベルFの入賞補助を実行しない通常状態(第1状態)と、チャンスゾーン(CZ)状態と、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時におけるベルA~ベルFの入賞補助を実行するAT状態(第2状態)として、AT準備状態と、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、を有している。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0095】
通常状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常の状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、演出状態が通常状態に移行した場合、通常状態における遊技回数をカウントする非ATゲーム数カウンタ(不図示)に、遊技が実行される都度、非ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「700」となった場合に、CZ状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常状態からCZ状態に移行する。
【0096】
また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、において、CZ状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ抽選を実行する。
【0097】
CZ状態は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した際にベルA~ベルFの入賞補助が実行されるAT状態に移行する確率が通常状態よりも高く、通常状態よりも有利な演出状態である。AT制御手段200は、CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のCZゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0098】
AT制御手段200は、CZ状態が開始された遊技において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ中AT抽選を実行するように構成されている。CZ中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に、演出状態をCZ状態からAT準備状態に移行する。一方、CZ中AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に、CZ状態を終了する。AT制御手段200は、AT移行条件が成立していない状態でCZ状態を終了した場合、CZ抽選で「CZ状態への移行」に当選したことに基づきCZ状態が開始されている場合には、演出状態をCZ状態から通常状態に移行し、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「700」になったことに基づきCZ状態が開始されている場合には、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0099】
CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、「AT状態への移行」に当選可能な抽選を実行する。また、CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアを参照して抽選テーブルを取得することで、内部抽選で当選した当選エリアによって「AT状態への移行」に当選する確率が変化するように構成されている。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に他の当選エリアに当選した場合よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能な抽選テーブルを取得する。
【0100】
このように、CZ状態は、AT状態に移行可能な演出状態として構成されており、AT状態への移行条件が設定されていない通常状態よりも、遊技者にとって有利な演出状態として構成されている。
【0101】
なお、AT制御手段200は、演出状態がCZ状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時において、入賞補助制御を実行しないように構成されているが、入賞補助制御を実行するように構成されていてもよく、1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数が約1.0枚となる頻度で入賞補助制御を実行するように構成されていてもよい。
【0102】
AT状態は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した際にベルA~ベルFの入賞補助が実行される補助遊技を実行可能な状態である。AT制御手段200は、AT状態における入賞補助として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時においては、正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。この、規定投入数(3枚)よりも多い配当(15枚)が設定されたベルA~ベルFの入賞補助が実行される補助遊技によってメダルの払い出しに関して通常状態よりも遊技者にとって有利なAT状態が、本実施形態における第2状態を構成し、通常区間、有利区間及び補助遊技に係る制御を行うAT制御手段200が、本実施形態における補助遊技制御手段を構成する。
【0103】
また、AT制御手段200は、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、にも、AT終了条件が成立したと判定し、AT状態を終了する。AT制御手段200は、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達したことに基づきAT状態を終了した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えたことに基づきAT状態を終了した場合と、において、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0104】
本実施形態のスロットマシン1では、AT状態として、AT準備状態と、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、を有しており、通常状態又はCZ状態からAT状態に移行する場合に、AT準備状態に演出状態を移行するように構成されている。
【0105】
AT準備状態は、CZ状態において「AT状態への移行」に当選したことに基づき移行される演出状態であり、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、のいずれかへの移行が確定されている演出状態である。AT制御手段200は、AT準備状態が開始された遊技において、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、のいずれの演出状態に移行するかを抽選する移行先決定抽選を実行するように構成されている。
【0106】
移行先決定抽選において「CZAT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、AT準備状態における1ゲーム目の遊技が実行された後に、演出状態をAT準備状態からCZAT状態に移行する。また、移行先決定抽選において「第1AT状態への移行」又は「第2AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、AT準備状態における2ゲーム目の遊技が実行された後に、演出状態を移行先決定抽選で決定した演出状態に移行する。
【0107】
つまり、本実施形態のスロットマシン1において、AT準備状態で付与が決定される特典のうち「CZAT状態への移行」は、AT準備状態で1ゲームの遊技が行われた後に付与される第1分類の特典として構成され、「第1AT状態への移行」及び「第2AT状態への移行」は、AT準備状態が2ゲームの遊技が行われた後に付与される第2分類の特典として構成されている。
【0108】
本実施形態の演出制御手段180は、AT準備状態において、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、いずれの演出状態に移行するのかを報知する移行先報知演出を実行する。移行先報知演出において、演出制御手段180は、AT準備状態における1ゲーム目では、CZAT状態と、第1AT状態又は第2AT状態と、のいずれの演出状態への移行が決定されているかを報知する演出である第1演出を実行する。また、演出制御手段180は、AT準備状態における2ゲーム目では、第1AT状態と、第2AT状態と、のいずれの演出状態への移行が決定されているかを報知する演出である第2演出を実行する。第1演出と第2演出との詳細については、後述する。
【0109】
CZAT状態は、AT準備状態における移行先決定抽選において「CZAT状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、CZAT状態において、CZAT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZATゲーム数カウンタに初期値として値「10」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0110】
AT制御手段200は、CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、CZAT状態を継続するか否かを決定するCZAT継続抽選を実行し、「CZAT状態の継続」に当選した場合に、CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、CZAT継続抽選によって継続すると決定した回数を計数する継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。
【0111】
AT制御手段200は、継続回数カウンタの記憶値が値「2」の状態で実行するCZAT継続抽選、つまり、一連のCZAT状態における3回目のCZAT継続抽選において「CZAT状態の継続」に当選した場合に、第1AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態をCZAT状態から第1AT状態に移行する。
【0112】
AT制御手段200は、CZAT継続抽選において「CZAT状態の終了」に決定した場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0113】
第1AT状態は、AT準備状態、CZAT状態及び第2AT状態から移行可能に構成された状態である。AT制御手段200は、第1AT状態において、第1AT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである第1ATゲーム数カウンタ(不図示)に初期値として値「50」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0114】
AT制御手段200は、当選エリア「RBB&レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、第1ATゲーム数カウンタに加算(上乗せ)する値を抽選により決定する上乗せ抽選を実行する。上乗せ抽選において、AT制御手段200は、値「5」~値「30」の範囲のいずれかの値を第1ATゲーム数カウンタに加算(上乗せ)すると決定し、決定した値を第1ATゲーム数カウンタに加算する。
【0115】
AT制御手段200は、第1ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」以下になった場合に、演出状態を第2AT状態に移行するか否かを抽選する第2AT移行抽選を実行する。AT制御手段200は、第2AT移行抽選において「第2AT状態への移行」に当選した場合に、第1AT状態を終了して第2AT状態に演出状態を移行する。一方、AT制御手段200は、第2AT移行抽選において「第2AT状態への移行」に当選しなかった場合に、AT状態の終了条件(AT終了条件)が成立したと判定し、AT状態を終了する。AT制御手段200は、第1ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づきAT状態を終了した場合において、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0116】
第2AT状態は、AT準備状態又は第1AT状態から移行可能な演出状態である。AT制御手段200は、第2AT状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の第2ATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(5ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、第2ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0117】
第2AT状態において、AT制御手段200は、毎回の遊技の都度、第1ATゲーム数カウンタに加算(上乗せ)する値を抽選により決定する上乗せ特化抽選を実行する。上乗せ特化抽選において、AT制御手段200は、当選エリア「RBB&レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」以外の当選エリアに当選した場合に、値「5」~値「30」の範囲のいずれかの値を第1ATゲーム数カウンタに加算すると決定し、決定した値を第1ATゲーム数カウンタに加算する。また、AT制御手段200は、当選エリア「RBB&レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、値「50」~値「100」の範囲のいずれかの値を第1ATゲーム数カウンタに加算すると決定し、決定した値を第1ATゲーム数カウンタに加算する。
【0118】
AT制御手段200は、第2ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合、以降の遊技における第2ATゲーム数カウンタの記憶値のデクリメント更新を終了するとともに、第2AT状態を継続するか否かを決定する継続抽選を実行する。AT制御手段200は、第2ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」の状態で遊技が実行される都度、継続抽選を実行し、継続抽選において「第2AT状態の終了」に当選するまで第2AT状態を継続する。一方、AT制御手段200は、継続抽選において「第2AT状態の終了」に当選した場合に、第2AT状態を終了し、演出状態を第1AT状態に移行する。
【0119】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、10~30ゲームの間継続するCZAT状態と、第1ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になるまで継続可能な第1AT状態と、少なくとも5ゲーム継続するとともに終了後に上乗せしたゲーム数分第1AT状態が継続する第2AT状態と、について、CZAT状態<第1AT状態<第2AT状態の順に、メダルの払い出しに関して遊技者にとって有利な状態となるように構成されている。
【0120】
また、本実施形態のスロットマシン1では、少なくとも50ゲーム継続する第1AT状態と、少なくとも5ゲーム継続するとともに終了後に上乗せしたゲーム数分第1AT状態が継続する第2AT状態と、が、最短で10ゲームで終了するCZAT状態よりも遊技者にとって有利な上位のAT状態として構成されている。
【0121】
3.AT準備状態における移行先報知演出の詳細
次に、本実施形態のスロットマシン1におけるAT準備状態において演出制御手段180が実行する移行先報知演出の詳細について、
図6、
図7を用いて説明する。
【0122】
<第1演出の詳細>
図6は、演出制御手段180が実行する第1演出の一例を示す説明図であり、
図6(A)は、スタートレバーSLへの開始操作が実行され第1演出が開始された状態の一例を示す図、
図6(B)は、AT準備状態における移行先抽選において「第1AT状態への移行」又は「第2AT状態への移行」に当選した場合に実行される第1演出の一例について示す図、
図6(C)は、AT準備状態における移行先抽選において「CZAT状態への移行」に当選した場合に実行される第1演出の一例について示す図である。
【0123】
図6(A)に示すように、演出制御手段180は、スタートレバーSLへの開始操作に基づき第1演出を開始した場合に、AT準備状態から移行する演出状態がCZAT状態と、第1AT状態又は第2AT状態と、のいずれであるかが今回の遊技の終了時に決定(ジャッジ)されると遊技者に報知する表示として、「CZAT? or 上位AT?」と表示する演出を表示装置330に表示する。
【0124】
図6(B)に示すように、AT準備状態から第1AT状態又は第2AT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、ストップボタンB1~ストップボタンB3への停止操作が実行され、左リールR1~右リールR3が停止したことに基づく第1演出として、移行する演出状態が第1AT状態又は第2AT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「上位AT!」と表示する演出を表示装置330に表示し、次ゲームにおいて第1AT状態と第2AT状態とのいずれの演出状態に移行するのかが決定されることを報知する。
【0125】
図6(C)に示すように、AT準備状態からCZAT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、ストップボタンB1~ストップボタンB3への停止操作が実行され、左リールR1~右リールR3が停止したことに基づく第1演出として、移行する演出状態がCZAT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「CZAT!」と表示する演出を表示装置330に表示し、次ゲームからCZAT状態が開始されることを報知する。
【0126】
<第2演出の詳細>
図7は、演出制御手段180が実行する第2演出の一例を示す説明図であり、
図7(A)は、スタートレバーSLへの開始操作が実行され第2演出が開始された状態の一例を示す図、
図7(B)は、AT準備状態における移行先抽選において「第2AT状態への移行」に当選した場合に実行される第1演出の一例について示す図、
図7(C)は、AT準備状態における移行先抽選において「第1AT状態への移行」に当選した場合に実行される第1演出の一例について示す図である。
【0127】
図7(A)に示すように、演出制御手段180は、スタートレバーSLへの開始操作に基づき第2演出を開始した場合に、AT準備状態から移行する演出状態が第1AT状態と、第2AT状態と、のいずれであるかが今回の遊技の終了時に決定(ジャッジ)されると遊技者に報知する表示として、「第1AT? or 第2AT?」と表示する演出を表示装置330に表示する。
【0128】
図7(B)に示すように、AT準備状態から第2AT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、ストップボタンB1~ストップボタンB3への停止操作が実行され、左リールR1~右リールR3が停止したことに基づく第2演出として、移行する演出状態が第2AT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「第2AT!」と表示する演出を表示装置330に表示し、次ゲームから第2AT状態が開始されることを報知する。
【0129】
図7(C)に示すように、AT準備状態から第1AT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、ストップボタンB1~ストップボタンB3への停止操作が実行され、左リールR1~右リールR3が停止したことに基づく第2演出として、移行する演出状態が第1AT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「第1AT!」と表示する演出を表示装置330に表示し、次ゲームから第1AT状態が開始されることを報知する。
【0130】
<移行先報知演出が実行される場合における遊技の流れ>
上述したように、本実施形態の演出制御手段180は、CZAT状態、第1AT状態、第2AT状態のいずれかの特典の付与が決定されているAT準備状態において、付与される特典を報知する演出として移行先報知演出を実行する。移行先報知演出において、演出制御手段180は、AT準備状態における1ゲーム目の遊技では、第1演出を実行し、第1演出において第1AT状態又は第2AT状態の付与が報知され、2ゲーム目のAT準備状態が実行される場合に、AT準備状態における2ゲーム目の遊技において第2演出を実行する。
【0131】
第1演出において、演出制御手段180は、付与される特典が「CZAT状態への移行」であり、今回の遊技において特典の付与がなされることを報知する演出(
図6(C)参照)と、付与される特典が「第1AT状態への移行」又は「第2AT状態への移行」であり、今回の遊技において特典の付与がなされず次ゲームにおいて第2演出が実行されることを報知する演出(
図6(B)参照)と、のいずれかの演出を、付与される特典の分類に応じて実行するように構成されている。
【0132】
第2演出において、演出制御手段180は、付与される特典が「第1AT状態への移行」であり、今回の遊技において特典の付与がなされることを報知する演出(
図7(C)参照)と、付与される特典が「第2AT状態への移行」であり、今回の遊技において特典の付与されることを報知する演出(
図7(B)参照)と、のいずれかの演出を、付与される特典に応じて実行するように構成されている。
【0133】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、第1演出によって付与される特典の分類が「CZAT状態への移行」と、「第1AT状態又は第2AT状態への移行」と、のいずれの分類であるかを報知し、第2演出によって付与される特典が「第1AT状態への移行」と、「第2AT状態への移行」と、のいずれであるかを報知することで、付与される特典として3種類の特典を有し、3種類の特典のいずれを付与するかについて2段階の演出によって報知することで、「CZAT状態への移行」と、「第1AT状態への移行」と、「第2AT状態への移行」と、のいずれの特典が付与されるのかが報知されていないAT準備状態の開始時において、特典の付与に関する演出として第1演出を実行し、第1演出の展開によっては第2演出に繋がっていくことで、遊技者の期待感を飛躍的に向上させることができ、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0134】
この、「CZAT状態への移行」が、本実施形態における第1分類の特典を構成し、「第1AT状態への移行」及び「第2AT状態への移行」が、本実施形態における第2分類の特典を構成する。また、「CZAT状態への移行」が、第1特典を構成し、「第1AT状態への移行」が第2特典を構成し、「第2AT状態への移行」が第3特典を構成する。
【0135】
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態の遊技価値を用いた遊技を行う遊技機(1)において、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段(200)と、
遊技に関する演出を行う演出制御手段(180)と、を備え、
前記特典には、第1分類の特典と、第2分類の特典と、があり、
前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、は、遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記第1分類の特典には、第1特典が含まれ、
前記第2分類の特典には、第2特典と、第3特典と、が含まれ、
前記第1特典と、前記第2特典と、前記第3特典と、は、それぞれ遊技者にとって有利な度合いが異なり、
前記演出には、第1演出と、第2演出と、が含まれ、
前記第1演出は、前記第1分類の特典又は前記第2分類の特典が付与される場合に実行され、
前記第1演出は、前記第1分類の特典と、前記第2分類の特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出であり、
前記第2演出は、前記第1演出において前記第2分類の特典が付与されることが報知された場合に実行され、
前記第2演出は、前記第2特典と、前記第3特典と、のいずれが付与されるのかが報知される演出である。
【0136】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、第1演出によって付与される特典の分類が「CZAT状態への移行」と、「第1AT状態又は第2AT状態への移行」と、のいずれの分類であるかを報知し、第2演出によって付与される特典が「第1AT状態への移行」と、「第2AT状態への移行」と、のいずれであるかを報知することで、付与される特典として3種類の特典を有し、3種類の特典のいずれを付与するかについて2段階の演出によって報知することで、「CZAT状態への移行」と、「第1AT状態への移行」と、「第2AT状態への移行」と、のいずれの特典が付与されるのかが報知されていないAT準備状態の開始時において、特典の付与に関する演出として第1演出を実行し、第1演出の展開によっては第2演出に繋がっていくことで、遊技者の期待感を飛躍的に向上させることができ、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0137】
5.変形例
なお、本実施形態において、演出制御手段180は、第1演出において、第1分類の特典と、第2分類の特典と、のいずれが付与される場合においても、付与される特典の分類を報知し、第2演出において、第2特典と、第3特典と、のいずれが付与される場合においても、付与される特典を報知するように構成されているが、特典の付与に関する演出によって遊技機の商品性を高める構成は、これに限定されない。
【0138】
演出制御手段180は、例えば、AT準備状態に移行する際に、CZAT状態への移行以上の特典(CZAT状態への移行、第1AT状態への移行、第2AT状態への移行)のいずれかが付与されることを報知する演出を行い、AT準備状態の1ゲーム目において、CZAT状態よりも有利な特典である第1AT状態への移行以上の特典(第1AT状態への移行、第2AT状態への移行)が付与されるか否かを報知する第1特典演出を実行し、AT準備状態の2ゲーム目において、第1AT状態よりも有利な特典である第2AT状態への移行が付与されるか否かを報知する第2特典演出を実行するように構成されていてもよい。
【0139】
このように構成される場合において、演出制御手段180は、CZAT状態への移行が決定されている場合における第1特典演出において、AT準備状態での1ゲーム目の遊技が終了した際に、表示装置330を暗転させることで、第1AT状態への移行以上の特典が付与されないことを遊技者に報知するように構成されていてもよい。また、このように構成される場合において、演出制御手段180は、第1AT状態への移行が決定されている場合における第2特典演出において、AT準備状態での2ゲーム目の遊技が終了した際に、表示装置330を暗転させずに、「残念!」等の直接的な内容の表示を表示装置330に表示することで、「第2AT状態への移行」の特典が付与されないことを遊技者に報知するように構成されていてもよい。
【0140】
また、このように構成される場合において、演出制御手段180は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役」、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、所定の特典として「CZ状態への移行」の有無を報知する第1特典演出を実行し、通常特典としての「CZAT状態への移行」又は有利特典としての第1AT状態への移行以上の特典(第1AT状態への移行、第2AT状態への移行)が付与されるか否かを報知する第2特典演出を実行し、第1特典演出において「CZ状態への移行」が付与されないことを報知する場合に、表示装置330を暗転させ、第2特典演出において第1AT状態への移行以上の特典が付与されないことを報知する場合には、表示装置330を暗転させないように構成されていてもよい。
【0141】
つまり、遊技機は、
前記演出を表示する表示装置を備え、
前記演出には、第1特典演出と、第2特典演出と、があり、
前記第1特典演出は、所定の特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記第2特典演出は、通常特典又は前記通常特典よりも有利な有利特典の付与が決定されている状態において、前記有利特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記演出制御手段は、前記第1特典演出において、前記所定の特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置を暗転させ、
前記演出制御手段は、前記第2特典演出において、前記有利特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置の暗転とは異なる内容の演出を実行する。
【0142】
このような構成により、スロットマシン1は、演出によって特典が付与されるか否かを報知する場合において、特典が付与されない場合には表示装置330を暗転させる演出を行い、演出によって付与される特典が通常特典ではなく上位の有利特典となるか否かが報知される場合には、有利特典が付与される場合と、通常特典が付与される場合と、のいずれの場合にも暗転とは異なる内容の演出を実行することで、特典の付与がなされない場合には表示装置330にいずれの内容も表示しない暗転を用い、いずれかの特典が付与される場合には第1演出、第2演出及び第2特典演出と多様な演出を実行することができ、各演出が実行される場合における遊技者の期待感を向上させることができ、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0143】
また、遊技価値を用いた遊技を行う遊技機(1)において、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典付与手段と(200)、
遊技に関する演出を行う演出制御手段(180)と、
前記演出を表示する表示装置(330)と、を備え、
前記演出には、第1特典演出と、第2特典演出と、があり、
前記第1特典演出は、所定の特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記第2特典演出は、通常特典又は前記通常特典よりも有利な有利特典の付与が決定されている状態において、前記有利特典の付与の有無を報知する演出であり、
前記演出制御手段は、前記第1特典演出において、前記所定の特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置を暗転させ、
前記演出制御手段は、前記第2特典演出において、前記有利特典を付与しないと報知する場合に、前記表示装置の暗転とは異なる内容の演出を実行する。
【0144】
このような構成により、スロットマシン1は、演出によって特典が付与されるか否かを報知する場合において、特典が付与されない場合には表示装置330を暗転させる演出を行い、演出によって付与される特典が通常特典ではなく上位の有利特典となるか否かが報知される場合には、有利特典が付与される場合と、通常特典が付与される場合と、のいずれの場合にも暗転とは異なる内容の演出(例えば、通常特典が付与される場合には「残念!」等の表示を行う)を実行することで、付与される特典に応じて演出内容にバリエーションを持たせることができるため、各演出が実行される場合における遊技者の期待感を向上させることができ、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0145】
このように構成される場合において、演出制御手段180は、第1特典演出として、例えば、所定の特典「第1AT状態の終了後に第2AT状態に移行」を有する構成とし、第1AT状態が継続する間、一連のストーリー性を有する連続演出を実行し、第1AT状態の最後の遊技において規定投入数のメダルが投入状態に設定されたことに基づき、演出用ボタンPUを押下することを遊技者に促す演出を行い、演出用ボタンPUが押下された場合に、所定の特典を付与するか否かを報知するように構成されていてもよく、所定の特典を付与すると報知する場合には、連続演出に対応した内容で報知(例えば、連続演出においてキャラクタAとキャラクタBとが対戦し、キャラクタAが勝利するとともに「WIN」と表示する等)するように構成され、所定の特典を付与しないと報知する場合に、表示装置330を暗転させるように構成されていてもよい。
【0146】
また、このように構成される場合において、演出制御手段180は、表示装置330の暗転について、表示装置330の画面を構成するLEDをすべてOFFにする場合に限らず、例えば、表示装置330の暗転として、表示装置330の全面に略黒色の画像を表示する演出を実行するように構成されていてもよく、また、第1特典演出の実行前に表示していた画像又は映像の彩度、明度の少なくとも一方を低下させることで、表示装置330内に表示されている画像を暗くする演出を実行するように構成されていてもよい。
【0147】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、第1演出を実行する場合と、第2演出を実行する場合と、に、回転している左リールR1~右リールR3が停止したことに基づき、付与される特典の分類又は付与される特典を報知するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、演出用ボタンPUの押下等、いずれかの操作手段への遊技者の操作を契機に付与される特典の分類又は付与される特典を報知するように構成されていてもよい。
【0148】
このように構成される場合の一例について、
図8、
図9を用いて説明する。
図8は、変形例の演出制御手段180が実行するAT準備状態の開始時の報知演出の一例を示す説明図であり、
図8(A)は、規定投入数のメダルが投入状態に設定され報知演出が開始された状態の一例を示す図、
図8(B)は、演出用ボタンPUが押下され表示装置330に付与される特典として「CZAT状態への移行」以上の特典となることが報知された状態の一例を示す図である。また、
図9は、変形例の演出制御手段180が実行する第1演出の一例を示す説明図であり、
図9(A)は、規定投入数のメダルが投入状態に設定され第1演出が開始された状態の一例を示す図、
図9(B)は、演出用ボタンPUが押下され表示装置330に付与される特典の分類として「第1AT状態又は第2AT状態への移行」が報知された状態の一例を示す図、
図9(C)は、演出用ボタンPUが押下され表示装置330に付与される特典の分類として「CZAT状態への移行」が報知された状態の一例を示す図である。
【0149】
図8(A)に示すように、演出制御手段180は、規定投入数のメダルが投入状態に設定されたことに基づき報知演出を開始した場合に、演出用ボタンPUを押下することを遊技者に促す表示として、表示装置330に演出用ボタンPUと類似した意匠性を有する操作指示表示330aを表示する演出を実行する。このとき、演出制御手段180は、演出用ボタンPUに内包されているLEDを点灯又は点滅させることで、遊技者の注意を演出用ボタンPUに向かせる演出も並行して行う。
【0150】
図8(B)に示すように、演出制御手段180は、演出用ボタンPUが押下された場合に、「CZAT状態への移行」以上の特典の付与が決定されていることから、移行する演出状態がCZAT状態、第1AT状態又は第2AT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「CZAT!」と表示し、遊技者を祝福する演出を表示装置330に表示し、次ゲームにおいて実行する演出によって「CZAT状態への移行」よりも上位の特典が付与されるか否かを報知することで、遊技者の期待感を向上させる。
【0151】
なお、演出制御手段180は、
図8(B)に示す演出において表示装置330の略中央に大きく「CZAT!」と表示し、表示を終了した後、表示装置330の図中左方に小さく「CZAT」と表示する獲得特典表示330b(
図9(A)参照)を表示する。また、スロットマシン1では、演出用ボタンPUが押下される前にスタートレバーSLへの開始操作が行われた場合、報知演出を実行せずに、報知演出で獲得が報知された特典を獲得特典表示330bによって表示装置330の図中左方に表示するように構成されている。
【0152】
図9(A)に示すように、演出制御手段180は、規定投入数のメダルが投入状態に設定されたことに基づき第1演出を開始した場合に、表示装置330に演出用ボタンPUと類似した意匠性を有する操作指示表示330aを表示する演出を実行する。このとき、演出制御手段180は、演出用ボタンPUに内包されているLEDを点灯又は点滅させることで、遊技者の注意を演出用ボタンPUに向かせる演出も並行して行う。また、演出制御手段180は、
図9(A)に示すように、CZAT状態への移行が獲得されていることを報知する獲得特典表示330bを、表示装置330の図中左方に表示する。
【0153】
図9(B)に示すように、AT準備状態から第1AT状態又は第2AT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、演出用ボタンPUが押下されたことに基づく第1演出として、付与される特典が「第1AT状態への移行」以上の特典であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「第1AT!」と表示し、遊技者を祝福する演出を表示装置330に表示し、次ゲームにおいて第1AT状態と第2AT状態とのいずれの演出状態に移行するのかが決定されることを報知する。
【0154】
図9(C)に示すように、AT準備状態からCZAT状態への移行がAT制御手段200によって決定されている場合、演出制御手段180は、演出用ボタンPUが押下されたことに基づく第1演出として、移行する演出状態がCZAT状態であると決定(ジャッジ)されたことを報知する表示として「CZAT!」と表示する演出を表示装置330に表示し、次ゲームからCZAT状態が開始されることを報知する。
【0155】
なお、演出制御手段180は、
図9(B)に示す演出において表示装置330の略中央に大きく「第1AT!」と表示し、表示を終了した後、表示装置330の図中左方に小さく「第1AT」と表示する獲得特典表示330bを表示する。
【0156】
また、スロットマシン1は、AT制御手段200が第1AT状態の終了後にCZAT状態を実行可能に構成される場合においては、第1演出の終了後の獲得特典表示330bについて、「第1AT」の表示の下方に「CZAT」の表示も行うように構成されていてもよい。
【0157】
このように構成されることで、スロットマシン1は、特典として「CZAT状態への移行」が決定されている状態で、第1演出が実行され、「第1AT状態への移行」以上の特典の付与がなされないと報知される場合において、報知演出で獲得が報知された特典が付与されることが再度表示されるため、付与が明らかになった特典からより遊技者にとって有利な特典に演出が発展しなかった場合にも、遊技者の演出に対する興趣が低下することを防ぐことができる。
【0158】
また、このように構成される場合において、スロットマシン1は、CZ状態において「AT状態へに移行」に当選しなかった場合に、AT状態への移行が決定されなかったことを報知する内容の演出として「残念!」等の表示を行う、つまり、いずれの特典も獲得されていないような場合には特典が付与されない旨の報知を行うように構成されていてもよい。
【0159】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、AT準備状態において、1ゲーム目の遊技で「CZAT状態への移行」と、「第1AT状態への移行」と、「第2AT状態への移行」と、のいずれの特典を付与するかを決定するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、1ゲーム目の遊技では、第1分類の特典と、第2分類の特典と、のいずれの分類の特典を付与するかを決定する第1抽選を行い、第2分類の特典を付与すると決定した場合に、AT準備状態の2ゲーム目において、第2特典と、第3特典と、のいずれを付与するかを決定する第2抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0160】
このように構成される場合、AT制御手段200は、第1抽選と、第2抽選と、について、抽選を行う遊技における内部抽選の結果を参照し、所定の当選エリア(例えば、当選エリア「RBB&レア役」)に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも遊技者にとって有利な分類、遊技者にとって有利な特典に当選しやすい抽選テーブルを用いて第1抽選、第2抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0161】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1特典として「CZAT状態への移行」を有し、第2特典として「第1AT状態への移行」を有し、第3特典として「第2AT状態への移行」を有することで、遊技者にとって有利な度合いが第1特典<第2特典<第3特典となるように構成されているが、これに限らず、遊技者にとって有利な度合いが第1特典>第2特典>第3特典となるように構成されていてもよい。
【0162】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1分類の特典として第1特典の1つだけの特典を含み、第2分類の特典として第2特典と第3特典との複数の特典を含むように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、第1分類の特典として、「CZAT状態への移行」と、「1セットの継続が確定されたCZAT状態への移行」と、の複数の特典を含むように構成されていてもよい。
【0163】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第2分類の特典として、第2特典としての「第1AT状態への移行」と、第3特典としての「第2AT状態への移行」と、を有し、第2演出において第2特典と第3特典とのいずれが付与されるかを報知するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、第2AT状態よりも遊技者にとって有利な演出状態(例えば、毎回の遊技において終了するか否かを抽選し、該抽選で終了と決定されるまでの間、第2AT状態が継続するゲーム数を加算(上乗せ)可能な上乗せ特化状態等)を有するように構成し、第2分類の特典に、第2特典としての「第1AT状態への移行」と、第3特典としての「第2AT状態への移行」と、第4特典としての「上乗せ特化状態への移行」と、を含み、第2演出において、第2特典と、第3特典と、第4特典と、のいずれかを付与すると報知するように構成されていてもよい。
【0164】
このように構成される場合において、演出制御手段180は、第2演出として、表示装置330に、第2特典が付与されることを報知するアイコン画像である「第1AT状態」と表示したアイコン画像と、第3特典が付与されることを報知するアイコン画像である「第2AT状態」と表示したアイコン画像と、第4特典が付与されることを報知するアイコン画像である「上乗せ特化状態」と表示したアイコン画像と、がルーレットによって回転する表示がなされ、ルーレットの回転が停止した時に選択されているアイコン画像に対応する特典が付与されるように構成されていてもよい。
【0165】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、レア役を含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&レア役」の1つを有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、RBBとレア役Aとが重複当選する当選エリア「RBB&レア役1」と、RBBとレア役Bとが重複当選する当選エリア「RBB&レア役2」と、RBBとレア役Cとが重複当選する当選エリア「RBB&レア役3」の複数種類のレア役と各レア役を含む複数の当選エリアと、を有するように構成されていてもよい。
【0166】
このように構成される場合、AT制御手段200は、通常状態について、当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」の当選に基づき、指示機能に係る制御をとして演出状態の移行に係る制御を実行するように構成されていてもよい。
【0167】
以下に、
図10、
図11を用いて変形例のAT制御手段200が制御する通常状態について説明する。なお、通常区間と、有利区間と、AT準備状態と、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、については、本実施形態における通常区間と、有利区間と、AT準備状態と、CZAT状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、と同一の構成であることから、説明を省略する。
【0168】
図10は、変形例のスロットマシン1の機能ブロック図、
図11は、変形例のAT制御手段200によって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。通常状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常の状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、演出状態が通常状態に移行した場合、通常状態における遊技回数をカウントする非ATゲーム数カウンタ(不図示)に、遊技が実行される都度、非ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「700」となった場合に、CZAT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常状態からCZAT状態に移行する。また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合において、CZAT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZAT抽選を実行し、「CZAT状態への移行」に当選した場合に、演出状態を通常状態からCZAT状態に移行する。
【0169】
AT制御手段200は、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」に当選した場合に、AT制御データ記憶手段197に設けられた第1通常時カウンタ197cに値「30」をセットし、当選エリア「RBB&レア役1」に当選した場合に、AT制御データ記憶手段197に設けられた第2通常時カウンタ197dに値「30」をセットし、当選エリア「第3レア役」に当選した場合に、AT制御データ記憶手段197に設けられた第3通常時カウンタ197eに値「30」をセットする。なお、以下の記載において、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eをまとめて「通常時カウンタ」とも記載する。
【0170】
AT制御手段200は、通常時カウンタのいずれかに値「30」をセットした場合、遊技が実行される都度、値がセットされているカウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、値がセットされているカウンタの記憶値が値「0」になった場合に、値「30」がセットされるまで該カウンタのデクリメント更新を終了する。
【0171】
AT制御手段200は、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのうち1つ又は2つに値をセットされている状態で、当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」のいずれかに当選した場合、当選した当選エリアに対応するカウンタに加え、既に値がセットされているカウンタにも値「30」をセットする。AT制御手段200は、例えば、第1通常時カウンタ197cに値「25」がセットされている状態で、当選エリア「RBB&レア役2」に当選した場合、第2通常時カウンタ197dに加え、第1通常時カウンタ197cにも値「30」をセットする。
【0172】
そして、AT制御手段200は、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのすべてに値「30」がセットされた場合に、通常状態からAT準備状態に演出状態を移行する。
【0173】
演出制御手段180は、演出状態が通常状態である場合、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのそれぞれに対応する第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333(
図12参照)を行う演出である通常時カウンタ演出を表示装置330の画像を表示する領域としての表示領域330a(
図12参照)内に表示する。
【0174】
通常時カウンタ演出において、演出制御手段180は、通常時カウンタに値がセットされていない場合には、第1の表示態様で第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333を行い、値「1」~値「30」のいずれかの値がセットされたカウンタについて、該カウンタ対応する第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333を第2の表示態様で表示する。
【0175】
また、演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」のいずれかに当選した場合に、当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」のいずれかに当選したことを示唆するレア役濃厚演出を実行可能に構成されている。レア役濃厚演出において、演出制御手段180は、当選した当選エリアに対応する通常時カウンタ表示の枠画像を発光させる演出を行う。
【0176】
そして、演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」のいずれかに当選した遊技が終了し、次ゲームの開始に向けてメダルがベットされたことに基づき、通常時カウンタのうち当選した当選エリアに対応するカウンタに値「30」をセットする場合に、値「30」がセットされるカウンタに対応する通常時カウンタ表示を変化させる演出として、現在実行している演出に割り込ませるカットイン演出を実行する。通常時カウンタ演出及びカットイン演出の詳細については、後述する。
【0177】
次に、変形例の演出制御手段180が通常状態において実行する通常時カウンタ演出の詳細について、
図12~
図14を用いて説明する。
【0178】
<カウンタの値がセットされていない状態における通常時カウンタ演出>
図12(A)は、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eに値がセットされていない状態」における通常時カウンタ演出の一例を示す図であり、
図12(B)は、第1通常時カウンタ表示の詳細を示す拡大図である。
【0179】
図12(A)に示すように、演出制御手段180は、表示装置330の表示領域330a内に、第1通常時カウンタ表示331と、第2通常時カウンタ表示332と、第3通常時カウンタ表示333と、を表示している。第1通常時カウンタ表示331は、第1通常時カウンタ197cに対応し、第2通常時カウンタ表示332は、第2通常時カウンタ197dに対応し、第3通常時カウンタ表示333は、第3通常時カウンタ197eに対応している。
【0180】
演出制御手段180は、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eに値「1」~値「30」がセットされておらず、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eの記憶値が初期値である値「0」である場合に、第1の表示態様として、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333に第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eの記憶値を表示しないとともに、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333のいずれもが表示領域330a内に表示され、かつ表示する位置が互いに重複しないように表示される。
【0181】
第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eの記憶値が値「0」である状態において、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333では、各通常時カウンタ表示の略中央に第1キャラクタ画像331a、第2キャラクタ画像332a、第3キャラクタ画像333aが表示され、第1キャラクタ画像331a~第3キャラクタ画像333aを囲うように第1枠画像331b、第2枠画像332b、第3枠画像333bが表示される。第1枠画像331b~第3枠画像333bは、それぞれ第1中心点331d、第2中心点332d、第3中心点333dを中心とする略円形の枠形状の画像となっている。また、第1枠画像331b~第3枠画像333bの内部には、第1回転エフェクト画像331c、第2回転エフェクト画像332c、第3回転エフェクト画像333c、が表示されている。
【0182】
図12(B)は、第1通常時カウンタ表示331の拡大図である。なお、第1通常時カウンタ表示331と、第2通常時カウンタ表示332と、第3通常時カウンタ表示333と、は、第1キャラクタ画像331a~第3キャラクタ画像333aで表示されるキャラクタの造形と、第1枠画像331b~第3枠画像333b及び第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの色と、対応する通常時カウンタと、が異なる以外は、実質的に同一に構成されることから、以下に第1通常時カウンタ表示331について説明し、第2通常時カウンタ表示332、第3通常時カウンタ表示333に関する重複した説明を省略する。
【0183】
図12(B)に示すように、第1通常時カウンタ表示331において、第1回転エフェクト画像331cは、第1通常時カウンタ表示331の略中央に位置し、略円形の第1枠画像331bの中心となる第1中心点331dを中心に、速度V1aで回転しており、第1枠画像331b内を周回するように構成されている。つまり、第1中心点331dは、第1枠画像331bに囲われる範囲内に位置している。
【0184】
図13は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」に当選した遊技において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され左リールR1~右リールR3が停止した場合に実行する割込み演出としてのカットイン演出のうち、カットイン演出で表示するカットイン画像の表示の変化を開始及び変化を一時的に終了して表示を維持する場合の一例について説明する図である。
【0185】
なお、演出制御手段180は、以下に示すカットイン演出について、メダルのベットを契機に開始するように構成されているが、カットイン演出中に遊技者がスタートレバーSLへの開始操作を実行した場合には、その時点でカットイン演出を終了してスタートレバーSLへの開始操作を契機とした演出を開始するように構成されている。
【0186】
図13(A)に示すように、演出制御手段180は、当選エリア「RBB&レア役1」に当選したことに対応するカットイン演出を開始する場合、第1通常時カウンタ表示331について、表示する画像を第1カットイン画像331eの表示に変更し、割込み演出を開始する。このとき、演出制御手段180は、第2通常時カウンタ表示332及び第3通常時カウンタ表示333について、表示装置330への表示を一時的に中断する。
【0187】
図13(B)は、カットイン演出で第1カットイン画像331eが変化している状態の一例を示す図である。
図13(B)に示すように、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eを
図13(A)に示した状態から徐々に変化させる演出として、表示装置330の図中上方に向けて拡大させていく演出を実行する。このとき、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eの表示サイズを連続的に変化させている、つまり表示する画像に動きを生じさせて、画像のサイズを変化させる演出を行っている。このため、スロットマシン1では、カットイン演出が実行され第1カットイン画像331eが変化している際において、カットイン画像の細部の視認性が一時的に低下する構成となっている。
【0188】
図13(C)は、カットイン演出において、第1カットイン画像331eの変化が終了し、第1カットイン画像331eが表示装置330に表示された状態の一例を示す図である。
図13(C)に示すように、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eの変化を終了し、第1カットイン画像331eの表示を維持する。このとき、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eとして、第1キャラクタ画像331aで表示していたキャラクタを拡大して表示するとともに、遊技者にとって有利な特典に係る情報として、第1通常時カウンタ197cに値「30」がセットされたことを報知する画像である第1報知画像331fとして、「カウンタセット!」と表示される画像を第1カットイン画像331e内に表示する。
【0189】
このように、演出制御手段180は、表示装置330内の表示内容が変化していたことで一時的に視認性が低下していた第1カットイン画像331eについて、表示装置330内の表示内容を変化させていた状態よりも視認性が高い状態で細部まで表示するとともに、第1報知画像331fも併せて表示することで、第1カットイン画像331eの表示を維持している。なお、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eの表示を維持している状態において、第1カットイン画像331eを構成する画像の一部について、表示装置330内の表示内容を変化させていた際における視認性よりも高い視認性が維持される程度であれば、動きを生じさせるように構成されていてもよい。
【0190】
図14は、カットイン画像の表示が維持された状態から、カットイン画像の表示の変化を再開し、カットイン画像の表示を終了する場合と、カットイン画像の表示を終了した後に表示される第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の一例を示す図である。
【0191】
図14(A)は、第1カットイン画像331eの表示が維持されている状態の一例を示す図であり、
図14(B)は、
図14(A)に示した状態から第1カットイン画像331eの表示の変化を再開し、第1カットイン画像331eの表示を徐々に変化させている状態の一例を示す図である。
【0192】
図14(B)に示すように、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eを
図14(A)に示した状態から徐々に変化させる演出として、表示装置330の表示領域330aの外に向けて拡大させていく演出を実行する。このとき、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eの表示サイズを連続的に変化させている、つまり表示する画像に動きを生じさせて、画像のサイズを変化させる演出を行っている。
【0193】
また、
図14(B)に示すように、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eを拡大させていくことで、第1カットイン画像331eとして表示していた画像を徐々に表示領域330aの外にはみ出すように拡大させていく。このため、スロットマシン1では、カットイン演出が実行され第1カットイン画像331eが変化している際において、カットイン画像の細部及の視認性が一時的に低下するとともに、外周から徐々に視認できなくなるように構成されている。そして、演出制御手段180は、第1カットイン画像331eが十分に拡大した後に、第1カットイン画像331eを徐々に透過させ、
図14(C)に示す状態に演出を移行する。
【0194】
図14(C)は、カットイン演出が終了し、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示が再開された状態を示す図である。
図14(C)に示すように、演出制御手段180は、値「30」がセットされた第1通常時カウンタ197cに対応する第1通常時カウンタ表示331について、
図12(A)に示した値がセットされていない状態における第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示する。
【0195】
値がセットされたカウンタに対応する通常時カウンタ表示の詳細について、
図14(C)を用いて説明する。
図14(C)に示すように、演出制御手段180は、第1通常時カウンタ表示331について、各画像の表示を拡大することで、第1キャラクタ画像331a及び第1枠画像331bが表示されている範囲について、第1の表示態様であった場合(
図12(A)参照)よりも拡大する。このとき、演出制御手段180は、第1キャラクタ画像331aについて、他の通常時カウンタ表示と表示される位置が重複しないように表示する。
【0196】
一方、演出制御手段180は、第1枠画像331bについて、表示領域330aの外に一部がはみ出す、つまり一部が表示領域330a内に表示されるように第1枠画像331bを拡大する。演出制御手段180は、第2の表示態様における第1枠画像331bについて、第1中心点331dを中心に拡大している。このため、スロットマシン1では、第1の表示態様で第1通常時カウンタ表示331が表示される場合と、第2の表示態様で第1通常時カウンタ表示331が表示される場合と、で第1中心点331dの位置が変化しない構成となっている。
【0197】
また、演出制御手段180は、拡大した第1キャラクタ画像331aが拡大した第1枠画像331bと重複する箇所について、第1キャラクタ画像331aを優先して表示し、第1枠画像331bが第1キャラクタ画像331aの背後に入り込むように表示するように構成されている。
【0198】
このため、スロットマシン1では、第2の表示態様で第1通常時カウンタ表示331が表示される場合において、第1枠画像331bが、第1キャラクタ画像331aの図中右方及び左方の一部を囲い、図中上方の一部を囲わない画像となる構成となっている。
【0199】
また、演出制御手段180は、第1枠画像331bを拡大させた際に、第1通常時カウンタ表示331の図中右隣に位置する第2通常時カウンタ表示332と表示する位置が重複する範囲について、第2通常時カウンタ表示332を優先して表示し、第1枠画像331bが第2通常時カウンタ表示332の背後に入り込むように表示するように構成されている。
【0200】
また、演出制御手段180は、第1回転エフェクト画像331cについて、第1中心点331dを中心に、速度V1a(
図12(B)参照)よりも速い速度V1bで回転表示する。変形例のスロットマシン1において、第1中心点331dは、第1の表示態様である場合と、第2の表示態様である場合と、で同一の位置となるように構成されている。
【0201】
そして、演出制御手段180は、第1通常時カウンタ表示331の第1枠画像331b内に、第1通常時カウンタ197cの記憶値に対応する第1カウンタ画像331hを表示する。演出制御手段180は、第1カウンタ画像331hについて、表示領域330a内にすべてを表示するとともに、第2通常時カウンタ表示332と表示する位置が重複しないように表示する。
【0202】
なお、演出制御手段180は、第2通常時カウンタ197dに値「30」がセットされた場合において、拡大した表示される第2枠画像332bのうち、第1通常時カウンタ表示331と表示する位置が重複する箇所について、第2枠画像332bを優先して表示するように構成されている。また、演出制御手段180は、第2通常時カウンタ197dに値「30」がセットされた場合において、拡大した表示される第2枠画像332bのうち、第3通常時カウンタ表示333と表示する位置が重複する箇所について、第3通常時カウンタ表示333を優先して表示するように構成されている。
【0203】
また、演出制御手段180は、第3通常時カウンタ197eに値「30」がセットされた場合において、拡大した表示される第3枠画像333bのうち、第2通常時カウンタ表示332と表示する位置が重複する箇所について、第3枠画像333bを優先して表示するように構成されている。
【0204】
つまり、変形例のスロットマシン1では、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333について、第2の表示態様となることで表示する位置が重複した場合には、図中右方に位置する通常時カウンタ表示を優先して表示するように構成されている。
【0205】
<カットイン演出でかかる時間>
変形例の演出制御手段180は、カットイン演出を所定の時間として約3.0秒かけて実行する。演出制御手段180は、約3.0秒のカットイン演出のうち、
図13(A)に示した第1カットイン画像331eの表示を開始した状態から、
図13(C)に示した第1カットイン画像331eの変化を終了した状態まで、つまり第1カットイン画像331eの表示を徐々に変化させることで表示装置330内に表示される内容を第1カットイン画像331eの表示が維持された状態になるまで変化させる演出を、第2の時間としての約0.5秒かけて実行する。
【0206】
また、演出制御手段180は、約3.0秒のカットイン演出のうち、
図13(C)に示した第1カットイン画像331eの変化を終了した状態から、
図14(A)に示した第1カットイン画像331eの変化を再開する状態まで、つまり第1カットイン画像331eの表示を維持する演出を、第1の時間としての約2.0秒かけて実行する。
【0207】
そして、演出制御手段180は、約3.0秒のカットイン演出のうち、
図14(A)に示した第1カットイン画像331eの表示の維持を終了して変化を開始する状態から、第1カットイン画像331eの表示を徐々に変化させることで、
図14(C)に示した第1カットイン画像331eの表示を終了した状態まで表示装置330内に表示される内容を変化させて第1カットイン画像331eの表示を終了する演出を、第3の時間としての約0.5秒かけて実行する。
【0208】
つまり、変形例の演出制御手段180は、カットイン演出において、第1カットイン画像331eを変化させずに表示領域330a内に表示する第1の時間が、第2の時間及び第3の時間よりも長い時間となるように演出しており、第1の時間よりも短い第2の時間をかけて第1カットイン画像331eの表示が維持された状態まで表示装置330に表示する内容を変化させ、第1カットイン画像331eの表示が維持された状態から第1カットイン画像331eの表示が終了された状態まで、第1の時間よりも短い第3の時間をかけて表示装置330に表示する内容を変化させるように構成されている。
【0209】
なお、このように構成される場合において、スロットマシン1では、第2通常時カウンタ197dに値「30」がセットされることに基づきカットイン演出を実行する場合について、第2カットイン画像を約0.5秒かけて徐々に拡大(変化)させ、約2.0秒かけて拡大した第2カットイン画像の表示を維持し、約0.5秒かけて徐々に拡大(変化)させて第2カットイン画像の表示を終了するように構成されている。また、このように構成される場合において、スロットマシン1では、第3通常時カウンタ197eに値「30」がセットされることに基づきカットイン演出を実行する場合について、第3カットイン画像を約0.5秒かけて徐々に拡大(変化)させ、約2.0秒かけて拡大した第3カットイン画像の表示を維持し、約0.5秒かけて徐々に拡大(変化)させて第3カットイン画像の表示を終了するように構成されている。
【0210】
このような構成により、変形例のスロットマシン1は、他の演出に割り込んで実行するカットイン演出において、第1カットイン画像331e、第2カットイン画像及び第3カットイン画像を含むカットイン画像を表示装置330に表示する際に、カットイン画像の表示を維持する第1の時間(約2.0秒)よりも短い第2の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を完了するため、カットイン画像を遊技者に十分に認識させることができ、カットイン画像を用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0211】
また、このような構成により、スロットマシン1は、カットイン演出を実行する場合において、他の演出に割り込んで表示していたカットイン画像の割込みを終了する際に、カットイン画像の表示を維持していた第1の時間(約2.0秒)よりも短い第3の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を終了するため、遊技者にカットイン画像を認識させた後に速やかにカットイン画像の割込みを終了し遊技の進行に対応する演出を再開することができ、カットイン画像を用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0212】
この、第1の時間をかけて特定の表示としてのカットイン画像の表示を維持する演出が、第1の割込み演出を構成し、カットイン画像の表示が維持された状態まで第2の時間をかけて表示装置330に表示する内容を変化させる演出が、第2の割込み演出を構成し、カットイン画像の表示が維持されている状態から、カットイン画像の表示が終了された状態まで、第3の時間をかけて表示装置330に表示する内容を変化させる演出が、第3の割込み演出を構成し、第1の時間、第2の時間、第3の時間を含むカットイン演出にかかる約3.0秒の時間が、所定の時間を構成する。
【0213】
<通常時カウンタ表示の表示態様>
上述したように、変形例の演出制御手段180は、
図12(A)に示したように、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eの記憶値が初期値としての値「0」である場合に、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示態様として、通常時カウンタの記憶値を表示しないとともに表示領域330a内に第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333のそれぞれの全体が表示される第1の表示態様で表示するように構成されている。
【0214】
また、演出制御手段180は、
図14(C)に示したように、第1通常時カウンタ197cに値「30」がセットされた場合に、第1通常時カウンタ表示331の表示態様として、第1通常時カウンタ表示331が表示される範囲を第1通常時カウンタ197cに値「30」がセットされる前よりも拡大して表示するとともに、第1通常時カウンタ197cの記憶値を第1カウンタ画像331hによって表示する第2の表示態様で表示するように構成されている。
【0215】
第2の表示態様で第1通常時カウンタ表示331を表示する場合において、演出制御手段180は、第1の表示態様である際に表示していた第1キャラクタ画像331aのすべてが表示領域330a内に表示されるように第1キャラクタ画像331aを拡大して表示する。また、第2の表示態様で第1通常時カウンタ表示331を表示する場合において、演出制御手段180は、第1の表示態様である際に表示していた第1枠画像331bの一部が表示領域330a内に表示され、
図14(C)中下方の一部が表示領域330aの外にはみ出したと視認できる態様で非表示となるように、第1枠画像331bを拡大して表示する。
【0216】
なお、このように構成される場合において、スロットマシン1では、第2通常時カウンタ197dに値「30」がセットされることに基づき第2の表示態様で第2通常時カウンタ表示332を表示する場合に、第1の表示態様である際に表示していた第2キャラクタ画像332aのすべてが表示領域330a内に表示されるように第2キャラクタ画像332aを拡大して表示するとともに、第1の表示態様である際に表示していた第2枠画像332bの一部が表示領域330a内に表示され、下方の一部が表示領域330aの外にはみ出したと視認できる態様で非表示となるように、第2枠画像332bを拡大して表示する。
【0217】
また、スロットマシン1では、第3通常時カウンタ197eに値「30」がセットされることに基づき第2の表示態様で第3通常時カウンタ表示333を表示する場合に、第1の表示態様である際に表示していた第3キャラクタ画像333aのすべてが表示領域330a内に表示されるように第3キャラクタ画像333aを拡大して表示するとともに、第1の表示態様である際に表示していた第3枠画像333bの一部が表示領域330a内に表示され、下方の一部が表示領域330aの外にはみ出したと視認できる態様で非表示となるように、第3枠画像333bを拡大して表示する。
【0218】
このような構成により、変形例のスロットマシン1は、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた場合に、第1枠画像331b~第3枠画像333bの一部が表示領域330a内に表示され、一部が表示領域330aに表示されない表示態様にすることで、表示態様が変化した第1枠画像331b~第3枠画像333bを含む第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333に対応する第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのいずれかに値がセットされたことを遊技者に報知することができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0219】
また、変形例の演出制御手段180は、第1の表示態様で第1通常時カウンタ表示331を表示する場合に、第1枠画像331bの内側に、第1中心点331dを中心に速度V1aで回転する第1回転エフェクト画像331cを回転表示するように構成されているとともに、第2の表示態様で第1通常時カウンタ表示331を表示する場合に、第1回転エフェクト画像331cの回転速度を、速度V1aよりも速い速度V1bに変更するように構成されている。
【0220】
スロットマシン1では、第1の表示態様で第2通常時カウンタ表示332を表示する場合に、第2枠画像332bの内側に、第2中心点332dを中心に第1の速度としての速度V2aで回転する第2回転エフェクト画像332cを回転表示するように構成されているとともに、第2の表示態様で第2通常時カウンタ表示332を表示する場合に、第2回転エフェクト画像332cの回転速度を、第1の速度よりも速い第2の速度に変更するように構成されている。
【0221】
また、スロットマシン1では、第1の表示態様で第3通常時カウンタ表示333を表示する場合に、第3枠画像333bの内側に、第3中心点333dを中心に第1の速度としての速度V3aで回転する第3回転エフェクト画像333cを回転表示するように構成されているとともに、第2の表示態様で第3通常時カウンタ表示333を表示する場合に、第3回転エフェクト画像333cの回転速度を、第1の速度よりも速い第2の速度に変更するように構成されている。
【0222】
このような構成により、変形例のスロットマシン1は、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた際に、第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの回転速度が速くなり、第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの回転に遊技者の関心が向きやすくなることで、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0223】
この、通常時カウンタ表示を表示する演出が、特定の演出を構成し、通常時カウンタに値「1」~値「30」がセットされていない場合に第1の表示態様で通常時カウンタ表示を表示する演出が、第1の演出を構成し、通常時カウンタに値「1」~値「30」がセットされている場合に第2の表示態様で通常時カウンタ表示を表示する演出が、第2の演出を構成し、第1キャラクタ画像331a~第3キャラクタ画像333aが、第1の表示を構成し、第1枠画像331b~第3枠画像333bが、第2の表示を構成し、第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cが、回転表示を構成し、第1中心点331d~第3中心点333dが、所定の点を構成する。
【0224】
<通常時カウンタ表示に係る演出のまとめ>
以上のように、変形例の遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、
前記演出を表示する表示装置と、を備え、
前記演出は、割込み演出を含み、
前記割込み演出は、他の演出に割り込む演出であり、
前記割込み演出は、所定の時間をかけて実行され、
前記割込み演出では、第1の割込み演出と、第2の割込み演出と、が実行され、
前記第1の割込み演出では、前記表示装置に特定の表示を維持し、
前記第2の割込み演出では、前記特定の表示が維持された状態まで、前記表示装置に表示する内容を変化させ、
前記第1の割込み演出は、第1の時間をかけて実行され、
前記第2の割込み演出は、第2の時間をかけて実行され、
前記第1の時間と、前記第2の時間と、は、前記所定の時間内に含まれ、
前記第2の時間は、前記第1の時間よりも短い。
【0225】
この構成により、変形例のスロットマシン1は、他の演出に割り込んで実行するカットイン演出において、カットイン画像を表示装置330に表示する際に、カットイン画像の表示を維持する第1の時間(約2.0秒)よりも短い第2の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を完了するため、カットイン画像を遊技者に十分に認識させることができ、カットイン画像を用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0226】
また、変形例の遊技機において、
前記割込み演出では、前記第1の割込み演出と、前記第2の割込み演出と、第3の割込み演出と、が実行され、
前記第3の割込み演出では、前記特定の表示が維持されている状態から、前記特定の表示が終了された状態まで、前記表示装置に表示する内容を変化させ、
前記第3の割込み演出は、第3の時間をかけて実行され、
前記第1の時間と、前記第2の時間と、前記第3の時間と、は、前記所定の時間内に含まれ、
前記第3の時間は、前記第1の時間よりも短い。
【0227】
この構成により、変形例のスロットマシン1は、カットイン演出を実行する場合において、カットイン画像を表示装置330に表示する際に、カットイン画像の表示を維持する第1の時間(約2.0秒)よりも短い第2の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を完了するため、カットイン画像を遊技者に十分に認識させることができるとともに、カットイン画像の割込みを終了する際に、カットイン画像の表示を維持していた第1の時間(約2.0秒)よりも短い第3の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を終了するため、遊技者にカットイン画像を認識させた後に速やかにカットイン画像の割込みを終了し遊技の進行に対応する演出を再開することができ、カットイン画像を用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0228】
また、変形例の遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、
前記演出を表示する表示装置と、を備え、
前記演出は、割込み演出を含み、
前記割込み演出は、他の演出に割り込む演出であり、
前記割込み演出は、所定の時間をかけて実行され、
前記割込み演出では、第1の割込み演出と、第3の割込み演出と、が実行され、
前記第1の割込み演出では、前記表示装置に特定の表示を維持し、
前記第3の割込み演出では、前記特定の表示が維持されている状態から、前記特定の表示が終了された状態まで、前記表示装置に表示する内容を変化させ、
前記第1の割込み演出は、第1の時間をかけて実行され、
前記第3の割込み演出は、第3の時間をかけて実行され、
前記第1の時間と、前記第3の時間と、は、前記所定の時間内に含まれ、
前記第3の時間は、前記第1の時間よりも短い。
【0229】
この構成により、変形例のスロットマシン1は、カットイン演出を実行する場合において、他の演出に割り込んで表示していたカットイン画像の割込みを終了する際に、カットイン画像の表示を維持していた第1の時間(約2.0秒)よりも短い第3の時間(約0.5秒)でカットイン画像の表示を終了するため、遊技者にカットイン画像を認識させた後に速やかにカットイン画像の割込みを終了し遊技の進行に対応する演出を再開することができ、カットイン画像を用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0230】
また、変形例の遊技価値を用いた遊技を行う遊技機において、
遊技に関する演出を行う演出制御手段と、
表示領域に前記演出を表示する表示装置と、を備え、
前記演出は、特定の演出を含み、
前記特定の演出では、第1の演出と、第2の演出と、が実行され、
前記第1の演出では、第1の表示と、第2の表示と、が第1の表示態様で前記表示領域に表示され、
前記第2の演出では、前記第1の表示と、前記第2の表示と、が第2の表示態様で前記表示領域に表示され、
前記第2の表示は、前記第1の表示の少なくとも一部を囲う表示であり、
前記第2の表示態様は、前記第1の表示態様である場合よりも前記第1の表示及び前記第2の表示が表示される範囲を拡大する表示態様であり、
前記第2の表示態様で表示される場合に、前記第2の表示の一部が前記表示領域に表示される。
【0231】
この構成により、変形例のスロットマシン1は、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた場合に、第1枠画像331b~第3枠画像333bの一部が表示領域330a内に表示され、一部が表示領域330aに表示されない表示態様にすることで、表示態様が変化した第1枠画像331b~第3枠画像333bを含む第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333に対応する第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのいずれかに値がセットされたことを遊技者に報知することができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0232】
また、変形例の遊技機において、
前記第2の表示の少なくとも一部には、回転表示が含まれ、
前記回転表示は、所定の点を中心に回転する表示であり、
前記所定の点は、前記第2の表示で囲われる範囲内に位置し、
前記回転表示は、前記第1の表示態様で表示される場合に、第1の速度で回転し、
前記回転表示は、前記第2の表示態様で表示される場合に、第2の速度で回転し、
前記第2の速度は、前記第1の速度よりも速い。
【0233】
この構成により、変形例のスロットマシン1は、第1通常時カウンタ表示331~第3通常時カウンタ表示333の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた際に、第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの回転速度が速くなり、第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの回転に遊技者の関心が向きやすくなることで、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0234】
なお、このように構成される場合において、演出制御手段180は、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され左リールR1~右リールR3が停止し、次ゲームの開始に向けてメダルがベットされた場合に、カットイン演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選した場合に、当選したことを契機として、カットイン演出を実行するように構成されていてもよい。また、演出制御手段180は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3への第1停止操作~第3停止操作のいずれかの停止操作が実行されたことを契機として、カットイン演出を実行するように構成されていてもよい。
【0235】
また、このように構成される場合において、スロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役が変化する当選態様として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、予め設定された設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に規定投入数よりも多い第3の配当(例えば15枚)に設定された小役(第3の小役)又は規定投入数よりも少ない第1の配当(例えば1枚)に設定された小役(第1の小役)が入賞可能となり、設定打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、第1の配当よりも多い配当(例えば14枚)に設定された小役(第2の小役)が入賞可能となる当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」を有するように構成されていてもよい。
【0236】
当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」を有するように構成される場合、スロットマシン1は、設定打順について、打順3~打順6の打順から構成されることで、設定打順が報知されない場合において、遊技者が第1停止操作をストップボタンB1に実行する頻度を高め、結果的に第2の小役の入賞確率が高まるように構成されることが好ましい。
【0237】
また、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」を有するように構成される場合、スロットマシン1は、第1の小役について、リール制御手段130が個数優先制御を実行することで、第3の小役に優先して有効ラインL1上に第1の小役の入賞図柄組合せを構成する図柄を停止可能に構成されることが好ましい。
【0238】
また、リール制御手段130は、第1停止操作が実行された際におけるリール停止制御について、リールの回転位置に応じて個数優先制御と枚数優先制御とを切り換え可能に構成されることで、例えば、所定のリールにおいて、20コマ中所定の2コマの図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで所定のリールに対応するストップボタンが第1停止操作された場合に、枚数優先制御が実行されることで第3の小役が入賞可能となり、所定のリールにおいて、20コマ中所定の2コマとは異なる18コマの図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングで所定のリールに対応するストップボタンが第1停止操作された場合に、個数優先制御が実行されることで第1の小役が入賞可能となるように構成されていてもよい。
【0239】
また、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」を有するように構成される場合、AT制御手段200は、演出状態が通常状態である場合に、設定打順を報知し、AT状態である場合には、設定打順を報知しないことで、遊技者が第1停止操作をストップボタンB1に実行する確率を高めるように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」に当選し、設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されて第1の小役が入賞した場合に、第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのうち少なくとも1つに値「30」をセット可能に構成されていてもよい。
【0240】
また、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」を有するように構成される場合、演出制御手段180は、通常状態において当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス10」に当選した場合に、設定打順を報知する設定打順報知演出を実行するとともに、AT制御手段200によって第1通常時カウンタ197c~第3通常時カウンタ197eのいずれかに値「30」がセットされる場合には、設定打順に沿った停止操作がストップボタンB1~ストップボタンB3に実行される都度、値「30」がセットされるカウンタに対応する通常時カウンタ表示の枠画像を第1の輝度での発光及び発光をフェードアウトさせ、設定打順に沿った打順で第3停止操作が実行された場合に、該枠画像を第1の輝度よりも強い第2の輝度で発光及び発光した枠画像を回転させ、次遊技の開始のためにメダルがベットされるまで発光及び枠画像の回転を維持するレア役濃厚演出を実行するように構成されていてもよい。
【0241】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選した場合に、内部抽選で当選したことを契機としてレア役発光演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選し、かつ第1停止操作が実行されたことを契機としてレア役濃厚演出を実行するように構成されていてもよい。また、演出制御手段180は、例えば、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB&レア役1」~当選エリア「RBB&レア役3」に当選し、かつ第2停止操作が実行されたことを契機としてレア役濃厚演出を実行するように構成されていてもよい。
【0242】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、他の演出に割り込んで実行する割込み演出として、カットイン画像をカットインさせるカットイン演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、他の演出に割り込んで画像をフェードインさせるフェードイン演出を実行するように構成されていてもよい。つまり、演出制御手段180は、他の演出に割り込んで実行する構成であれば、割込み方について、上述した構成に限定されるものではない。
【0243】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、カットイン演出において、カットイン画像の表示を開始してから変化を完了させるまでに第2の時間として約0.5秒かけて実行し、カットイン画像の表示を維持した状態から変化させて表示を終了するまでに第3の時間として、第2の時間と同じ約0.5秒かけて実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、第2の時間の方が第3の時間よりも短い時間となるように構成されていてもよい。また、演出制御手段180は、例えば、第3の時間の方が第2の時間よりも短い時間となるように構成されていてもよい。
【0244】
第2の時間の方が第3の時間よりも短い時間となるように構成された場合、スロットマシン1は、メダルのベットを契機としてカットイン演出の中で最も短い時間で実行されるカットイン画像の表示の変化が実行され、遊技者に爽快感や演出のインパクトを与えることができ、カットイン画像の表示を終了する際に、表示が開始された場合よりも長い時間をかけて表示が終了されることで、特典が付与されたことで高まった遊技者の気分の高揚に余韻を持たせることができる。
【0245】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、メダルのベットを契機に開始したカットイン演出中に遊技者がスタートレバーSLへの開始操作を実行した場合には、その時点でカットイン演出を終了してスタートレバーSLへの開始操作を契機とした演出を開始するように構成されているが、これに限らず、スタートレバーSLへの開始操作が実行された場合にもカットイン演出を継続し、カットイン演出が終了した後にスタートレバーSLへの開始操作を契機とした演出を開始するように構成されていてもよい。また、演出制御手段180は、例えば、カットイン演出のうち、第3の時間をかけて実行するカットイン画像の表示の終了に係る演出を、スタートレバーSLへの開始操作を契機として省略(キャンセル)可能に構成されていてもよい。
【0246】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、カットイン演出において、カットイン画像を徐々に変化させて、変化を完了した後にカットイン画像の表示を維持し、その後カットイン画像を徐々に変化させてカットイン画像の表示を終了するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、カットイン演出の開始に伴い、第2の画像を表示装置330に表示し、第2の時間をかけて第2の画像を変化させる演出をした後に、第1の画像を表示した状態を第1の時間が経過するまで維持し、その後、第1の画像の表示を終了するとともに第3の時間をかけて第3の画像を変化させる演出を行い、カットイン演出を終了するように構成されていてもよい。
【0247】
つまり、演出制御手段180は、カットイン演出について、特定の表示で表示する画像と、特定の表示を維持する状態に至るまでに表示装置330に表示する画像と、特定の表示を維持した状態から特定の表示が終了された状態に至るまでに表示装置330に表示する画像と、について、それぞれ異なる画像から構成されていてもよい。
【0248】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、通常時カウンタ表示について、第1の表示態様で表示する場合と、第2の表示態様で表示する場合と、のいずれの場合においても、第1中心点331d~第3中心点333dの位置が変化しない構成となっているが、これに限定されない。演出制御手段180は、第1の表示態様で表示する場合と、第2の表示態様で表示する場合と、で第1中心点331d~第3中心点333dの位置が変化するように構成されていてもよい。
【0249】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、通常時カウンタ表示について、第1の表示態様で表示する場合と、第2の表示態様で表示する場合と、で第1枠画像331b~第3枠画像333bの一部に含まれている第1回転エフェクト画像331c~第3回転エフェクト画像333cの回転速度を変化させるように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、第1の表示態様である場合に第1枠画像331b~第3枠画像333bを第1の速度で回転表示し、第2の表示態様である場合に第1枠画像331b~第3枠画像333bを第1の速度よりも速い第2の速度で回転表示するように構成されていてもよい。
【0250】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、通常時カウンタ表示を第2の表示態様で表示する場合において、表示する位置が重複する通常時カウンタ表示について、表示装置330の正面視右方に配置された通常時カウンタ表示を優先して表示するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、新たに値「30」がセットされた通常時カウンタに対応する通常時カウンタ表示を優先して表示するように構成されていてもよい。
【0251】
具体的には、演出制御手段180は、例えば、当選エリア「RBB&レア役2」に当選した遊技の10ゲーム後に当選エリア「RBB&レア役1」に当選した場合には、第1通常時カウンタ表示331と第2通常時カウンタ表示332とが重複する箇所について、第1通常時カウンタ表示331を優先して表示し、第2通常時カウンタ表示332と第3通常時カウンタ表示333とが重複する箇所について、第2通常時カウンタ表示332を優先して表示するように構成されていてもよい。
【0252】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、カットイン演出を開始する際に、カットイン演出で表示が変化する通常時カウンタ表示以外の通常時カウンタ表示(
図13に示す例では第2通常時カウンタ表示332、第3通常時カウンタ表示333)の表示を一時的に中断するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、第1通常時カウンタ表示331にカットイン演出を行う場合における第2通常時カウンタ表示332、第3通常時カウンタ表示333について、表示を継続し、カットイン画像と表示が重複する際に、カットイン画像を優先して表示することで一時的に非表示となるように構成されていてもよい。
【0253】
また、上述した通常時カウンタ表示に係る演出を実行する構成において、演出制御手段180は、通常時カウンタ表示を第2の表示態様で表示する場合に、第1の表示態様である場合に表示していたキャラクタ画像と枠画像とを拡大して表示するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、第2の表示態様である場合に、第1の表示態様である場合よりも、キャラクタ画像と枠画像とを表示する範囲を拡大して表示するように構成されていればよく、例えば、キャラクタ画像について、第1の表示態様である場合と、第2の表示態様である場合と、で、一定の類似性を有する程度の異なる画像(キャラクタの造形は略同一で第1の表示態様である場合と第2の表示態様である場合とで同一のキャラクタであると認識可能だが、当該キャラクタの表情やポーズが第1の表示態様である場合と第2の表示態様である場合とで異なる等)を表示するように構成されていてもよい。
【0254】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【0255】
また、本実施形態においては、遊技機として、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、を有するスロットマシン1を例示したが、これに限らず、例えば、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機や、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。以下、パチンコ機101について詳述する。
【0256】
<パチンコ機の機械的構成>
図15は、遊技価値(遊技球)を用いた遊技を行う遊技機であるパチンコ機101の斜視図である。
図15に示すように、パチンコ機101は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、中枠4にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0257】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機101では、中枠4の囲繞空間に遊技盤30(
図16参照)を保持している。また、前枠6には、ガラス製又は樹脂製の透過板11が保持されている。そして、パチンコ機101では、中枠4及び前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤30においてベースとなり、パチンコ機101を正面視した場合における中枠4の前面に設置される遊技板31(
図16参照)と透過板11とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機101の正面側から、透過板11を介して遊技盤30が視認可能となる。
【0258】
前枠6の下部には、パチンコ機101の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。操作ハンドル12には、遊技者によって回転操作可能な発射操作レバー12aが設けられており、遊技者が発射操作レバー12aを回転させて発射操作を行うと、発射操作レバー12aの回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技価値としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤30の遊技板31の表面である遊技盤面31a(
図16参照)に設けられたレール32,33(
図16参照)間を上昇して遊技領域40(
図16参照)に導かれることになる。
【0259】
図16は、遊技盤30の正面図である。
図16に示すように、遊技領域40は、遊技盤面31aと透過板11(
図15参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤30には、遊技盤面31aに多数の釘や風車が設けられており、遊技領域40に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0260】
遊技領域40は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域40L及び第2遊技領域40Rを備えている。第1遊技領域40Lは、パチンコ機101に正対した遊技者から見て遊技領域40の左側に位置し、第2遊技領域40Rは、パチンコ機101に正対した遊技者から見て遊技領域40の右側に位置している。パチンコ機101では、レール33が遊技領域40の左側の上部で途切れていることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域40Lに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域40Rに進入することになる。
【0261】
また、遊技領域40には、遊技球が入球可能な第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59、が設けられており、詳細には、第1遊技領域40Lに進入した遊技球は、第1始動口51、複数の第1一般入賞口58に入球可能であり、第2遊技領域40Rに進入した遊技球は、第2始動口52、第2一般入賞口59に入球可能であるように構成されている。第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれに遊技球が入球すると、それぞれに設定された所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機101において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機101では、第1始動口51に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口52に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0262】
パチンコ機101では、第1始動口51内に第1始動領域が設けられ、第2始動口52内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機101では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための内部抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の抽選の機会を獲得することとなる。
【0263】
また、第2始動口52には、可動片52aが開閉可能に設けられており、可動片52aの状態に応じて、第2始動口52への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片52aが閉状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となり、可動片52aが開き、遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が可能となっている。
【0264】
パチンコ機101では、第2遊技領域40Rに設けられたゲート53内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片52aが所定時間、開状態に制御される。可動片52aが開状態に制御されることで、パチンコ機101では、可動片52aが遊技球を第2始動口52に導く受け皿として機能し、第2始動口52への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機101は、可動片52aが閉状態にあるときに、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口52が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
【0265】
なお、第2遊技領域40Rの上部には、ワープ導入口56及びワープ排出口57が設けられており、第2遊技領域40Rに進入した遊技球のうち、右側を流下する遊技球はワープ導入口56から遊技盤30の背面側を通過してワープ排出口57に導かれ、再度、ゲート53の上部で第2遊技領域40Rに戻される。
【0266】
第2遊技領域40Rの下方側には、遊技球が入球可能な大入賞口65を有する大入賞口装置60が設けられている。大入賞口装置60には、開閉扉61が大入賞口65を開閉可能となるように設けられており、通常、開閉扉61が大入賞口65を閉鎖して、大入賞口65への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機101では、大当たり遊技が実行されると、開閉扉61が開放されて、大入賞口65への遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口装置60には、開閉扉61の開閉と連動して上下に回動する回動部材62が設けられており、開閉扉61が開放された際に回動部材62が上方に回動して、上方から流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口65に導き易くなる入賞補助を行うように構成されている。
【0267】
そして、大入賞口65に遊技球が入球すると、大入賞口検出センサ67により遊技球の通過が検出され、所定の賞球が遊技者に払い出される。そして、大入賞口65から入球した遊技球は、下方側に配置された排出口69を通過して大入賞口装置60の背面側から外部に排出される。なお、大入賞口検出センサ67を通過した遊技球は、遊技球検出センサである大入賞口排出検出センサ68により通過が検出され、所定時間以内に大入賞口装置60の排出口69から遊技盤30の背面に適切に排出されたか否かが検出される。
【0268】
また、第2始動口52及び大入賞口65に入球しなかった遊技球は、大入賞口装置60をそのまま通過して、第2一般入賞口59の上方に導かれ、第2一般入賞口59に入賞するか、或いはそのまま下方に流下する。なお、第2一般入賞口59は、例えば賞球を1個に設定し、第1遊技領域40Lを狙って遊技球を発射すべき状態で入賞を検出した際に、第1遊技領域40Lを狙うべき旨(つまり左打ちの推奨)を報知するように構成しておくことが可能である。
【0269】
そして、遊技領域40の最下部には、第1一般入賞口58、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口65、第2一般入賞口59、のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域40から遊技盤30の背面側に排出する排出口55が設けられている。
【0270】
また、
図15及び
図16に示すように、パチンコ機101には、遊技状態の変化や各入賞口への入球の有無、各種抽選結果等の遊技の進行に応じた演出を実行する演出装置として、液晶表示装置からなる画像を表示する表示装置(表示部)としての演出表示装置4000、演出役物装置4100、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置4200、スピーカからなる楽曲出力装置4300、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置4500が設けられている。
【0271】
演出表示装置4000は、遊技盤30の略中央部分において、パチンコ機101の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示装置としての画像表示部4000aを備えており、パチンコ機101を正面視した場合において中枠4の背面側に設置されることで遊技板31よりも奥側に設けられている。つまり、パチンコ機101では、画像表示部4000aよりも手前に遊技板31が位置している。
【0272】
演出表示装置4000は、
図16に示すように、画像表示部4000aに左側、中央、右側にそれぞれ配置された演出図柄401L、401C,401Rが変動表示され、演出図柄401L、401C,401Rの停止表示態様によって大当たり抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
【0273】
また、演出表示装置4000の表面には、表面に微細な半円筒型が並んだシートであるレンチキュラーレンズ4000bが配置されている。パチンコ機101では、レンチキュラーレンズ4000bを介して演出表示装置4000に表示される画像を遊技者に表示することで、演出表示装置4000に3次元画像を表示する際に、3次元画像を構成する左目用3次元画像と右目用3次元画像とに視差が生じ、遊技者の左目に左目用3次元画像が視認され、遊技者の右目に右目用3次元画像が視認されるため、遊技者に3次元の画像を視認させることができるように構成されている。
【0274】
演出役物装置4100は、演出表示装置4000の画像表示部4000aよりも前方に配置され、通常、画像表示部4000aの表示を邪魔しないように縮退しているが、演出図柄401L、401C,401Rの変動表示中等に、画像表示部4000aの前方に進出するように移動する等して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0275】
図15及び
図16に示すように、演出照明装置4200は、例えば光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置4100や遊技盤30等に設けられており、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0276】
図15に示すように、楽曲出力装置4300は、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置に設けられた、いわゆるスピーカであって、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて、パチンコ機101の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
【0277】
演出操作装置4500は、遊技者の押下操作を受け付ける演出押下ボタン4510と、遊技者の演出操作装置4500全体を回動させる回動操作を受け付ける演出回動レバー4520を有しており、パチンコ機101の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板11よりも下方位置に設けられている。演出操作装置4500は、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示装置4000や演出役物装置4100を用いたさまざまな演出が実行される。
【0278】
また、演出操作装置4500の後方には、パチンコ機101から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿22が設けられ、上皿22の下方に下皿24が設けられている。パチンコ機101では、上皿22が遊技球で一杯になると、上皿22に進入できない遊技球が下皿24に導かれることとなる。また、下皿24の底面には、下皿24から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン24aを押下操作することにより、上記開閉板がスライド移動する等して球抜き孔が開放され、球抜き孔から下皿24の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0279】
そして、
図16に示すように、遊技盤30には、遊技領域40の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76及び右打ち報知表示器77(
図17参照)を有する情報表示装置70が設けられている。
【0280】
<パチンコ機の制御的構成>
図17は、パチンコ機101の各部を示すブロック図である。主制御基板で構成される主制御部1000は、遊技の進行を制御し、メインCPU1000aと、メインROM1000bと、メインRAM1000cと、を備えている。メインCPU1000aは、各検出スイッチや払出・発射制御部3000からの入力信号に基づいて、メインROM1000bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部1000で生成したコマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM1000cは、メインCPU1000aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0281】
主制御部1000には、第1一般入賞口58に遊技球が入球したことを検出する第1一般入賞口検出スイッチ58sと、第2一般入賞口59に遊技球が入球したことを検出する第2一般入賞口検出スイッチ59sと、第1始動口51に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ51sと、第2始動口52に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ52sと、ゲート53を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ53sと、大入賞口65に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ67(
図16参照)に設けられた大入賞口検出スイッチ65sと、大入賞口65から遊技球が排出されたことを検出する大入賞口排出検出センサ68(
図16参照)に設けられた大入賞口排出検出スイッチ68sとが接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部1000に入力されるよう構成されている。
【0282】
また、主制御部1000には、第2始動口52の可動片52aを作動する普通電動役物ソレノイド52soと、大入賞口65を開閉する開閉扉61を作動する大入賞口ソレノイド61soと、回動部材62を作動する大入賞口補助ソレノイド62soとが接続されており、主制御部1000によって、第2始動口52及び大入賞口65の開閉制御、大入賞口65への入賞補助制御が実行されるよう構成されている。
【0283】
また、主制御部1000には、第1特別図柄表示器71と、第2特別図柄表示器72と、第1特別図柄保留表示器73と、第2特別図柄保留表示器74と、普通図柄表示器75と、普通図柄保留表示器76と、右打ち報知表示器77と、が接続されており、主制御部1000によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
【0284】
パチンコ機101では、主に第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート53を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部1000のメインROM1000bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0285】
メインCPU1000aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る内部抽選、普通電動役物ソレノイド52soに信号を出力し可動片52aを作動させる制御、大入賞口ソレノイド61soに信号を出力し開閉扉61を作動させる制御、大入賞口補助ソレノイド62soに信号を出力し回動部材を作動させる制御、内部抽選における特別図柄の当選確率を変更する制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU1000aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号をコマンド(主制御コマンド)に変換し、払出・発射制御部3000や副制御部2000に送信する。なお、特別図柄の当選確率を変更する制御とは、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、内部抽選における特別図柄の当選確率を、通常の確率とする通常状態と、通常の確率よりも上昇する確変状態と、のいずれかに決定する遊技状態決定制御のことを指している。
【0286】
パチンコ機101においては、メインROM1000bに格納されたプログラムに基づき、メインCPU1000aがメインROM1000bとメインRAM1000cと協働して、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御を実行する特典付与手段1001aとして機能するように構成されている。
【0287】
払出・発射制御部3000は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部3000も、主制御部1000と略同様に、図示を省略したCPU、ROM、RAMを備えており、主制御部1000に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部3000には、遊技情報出力端子板3110が接続されており、主制御部1000から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部3000及び遊技情報出力端子板3110を介して、外部カウンタや遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0288】
また、払出・発射制御部3000には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ3120が接続されている。払出・発射制御部3000は、主制御部1000から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ3120を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機101では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ3130sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
【0289】
また、払出・発射制御部3000には、下皿24の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ3140sが接続されている。皿満タン検出スイッチ3140sは、遊技球を上皿22から下皿24に導く通路に設けられており、皿満タン検出スイッチ3140sにおける遊技球の有無を遊技球検出信号として払出・発射制御部3000に出力するように構成されている。即ち、払出・発射制御部3000は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿24が満タン状態であると判断し、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断する。なお、下皿24が満タン状態であると判断される場合、例えば副制御部2000が演出表示装置4000や楽曲出力装置4300等を用いて遊技者に下皿24が満タン状態であることを報知する。
【0290】
また、払出・発射制御部3000には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路3010が設けられている。払出・発射制御部3000には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12sと、発射操作レバー12aの操作角度を検出する操作ボリューム12vと、が接続されている。そして、タッチセンサ12s及び操作ボリューム12vから信号が入力されると、払出・発射制御回路3010において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド12soを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
【0291】
副制御基板で構成され、遊技に関する演出を制御する演出制御部としての副制御部2000は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU2000aと、サブROM2000bと、サブRAM2000cと、を備えている。なお、パチンコ機101においては、主制御部1000に対して、不正防止の観点により、当該主制御部1000から副制御部2000への一方向にのみ通信可能に接続されている。
【0292】
サブCPU2000aは、主制御部1000から送信されたコマンド等に基づいて、サブROM2000bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置4000に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置4100を駆動させたり発光させたりする演出役物制御、演出照明装置4200を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置4300から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する演出制御手段2001aとして機能するように構成されている。サブRAM2000cは、サブCPU2000aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0293】
また、副制御部2000には、演出操作装置4500の演出押下ボタン4510への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ4510sと演出回動レバー4520への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ4520sとが接続されている。押下操作検出スイッチ4510sは、遊技者による演出押下ボタン4510の押下操作を検出すると、演出押下操作検出信号を副制御部2000に出力し、また、回動操作検出スイッチ4520sは、遊技者による演出回動レバー4520の回動操作を検出すると、演出回動操作検出信号を副制御部2000に出力する。そして、副制御部2000は、これら演出押下操作検出信号や演出回動操作検出信号等の副制御部2000に入力される信号や、遊技の進行等に基づき、演出表示装置4000、演出役物装置4100、演出照明装置4200、楽曲出力装置4300等を用いた演出を実行する。
【0294】
なお、パチンコ機101には、例えば1000Vの電圧からなる商用電源の電力を入力し、電源として機能する不図示の電源ユニットが備えられており、電源ユニットは、商用電源の1000Vの電圧を、例えば24V(或いは12Vでもよい)の電圧に降圧して各部に供給する第1降圧回路と、例えば5Vの電圧に降圧して各部に供給する第2降圧回路とを有している。なお、島設備に供給されている例えば24Vの電圧からなる電力をそのまま入力するものでもよく、その場合、第1降圧回路は不要である。
【0295】
第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力は、主制御部1000、副制御部2000、普通電動役物ソレノイド52so、大入賞口ソレノイド61so、大入賞口補助ソレノイド62so、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、右打ち報知表示器77、払出モータ3120、発射用ソレノイド12so、演出表示装置4000、演出役物装置4100、演出照明装置4200、楽曲出力装置4300等に送電され、それらの駆動電力や発光電力として用いられる。
【0296】
また、第2降圧回路からの例えば5Vの電圧の電力は、第1一般入賞口検出スイッチ58s、第2一般入賞口検出スイッチ59s、第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s、ゲート検出スイッチ53s、大入賞口検出スイッチ65s、大入賞口排出検出スイッチ68s、払出球計数スイッチ3130s、皿満タン検出スイッチ3140s、タッチセンサ12s、操作ボリューム12v、押下操作検出スイッチ4510s、回動操作検出スイッチ4520s等に送電され、それらのセンサやスイッチの駆動電力として用いられる。
【0297】
また、主制御部1000においては、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば5Vの電圧の電力に降圧し、この例えば5Vの電圧の電力は、メインCPU1000a、メインROM1000b、メインRAM1000c、払出・発射制御回路3010の駆動電力として用いられる。
【0298】
そして、副制御部2000においても、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば3.3V(或いは1.2Vでもよい)の電圧の電力に降圧し、この例えば3.3Vの電圧の電力は、サブCPU2000a、サブROM2000b、サブRAM2000cの駆動電力として用いられる。
【0299】
<パチンコ機の遊技の流れ>
特典付与手段1001aは、内部抽選において大当たり遊技の実行可否と、大当たり遊技を実行する場合には大当たり遊技以降の遊技状態として、第1特典~第3特典のいずれの特典を付与するかを決定するように構成されている。第1特典は、10ラウンド遊技及び確変状態から構成されており、第2特典は、4ラウンド遊技及び確変状態から構成されており、第3特典は、4ラウンド遊技及び時短状態から構成されている。ここで、時短状態とは、可動片52aが通常の状態である場合よりも開状態になりやすい状態である。
【0300】
図18は、パチンコ機101において、大当たり遊技が開始される際に実行される演出として、付与される特典の分類を報知する第1演出が実行される場合の一例を示す図であり、
図18(A)は、第1演出が開始された状態の一例を示す図、
図18(B)は、第1演出において第1分類の特典の付与が報知された状態の一例を示す図、
図18(C)は、第1演出において第2分類の特典の付与が報知された状態の一例を示す図である。
【0301】
図18(A)に示すように、演出制御手段2001aは、第1演出を開始する場合において、第1特典~第3特典のいずれかが付与されることを報知する演出として、演出図柄401L,401C,401Rに「3」及び「7」以外でかつ同じ数字を表示する演出(
図18(A)に示す例では演出図柄401L,401C,401Rに「2」を表示)を実行するとともに、演出表示装置4000に演出押下ボタン4510と類似した意匠性を有する操作指示表示4000cを表示する演出を実行する。このとき、サブCPU2000aは、演出押下ボタン4510に内包されているLEDを点灯又は点滅させることで、遊技者の注意を演出押下ボタン4510に向かせる演出も並行して行う。
【0302】
図18(B)に示すように、第1分類の特典である第1特典の付与が決定されている場合、演出制御手段2001aは、演出押下ボタン4510が押下されたことに基づき、演出図柄401L,401C,401Rに「3」又は「7」でかつ同じ数字を表示する演出(
図18(B)に示す例では演出図柄401L,401C,401Rに「7」を表示)を実行し、遊技者に第1分類の特典である第1特典が付与されることを報知する。
【0303】
図18(C)に示すように、第2分類の特典である第2特典又は第3特典の付与が決定されている場合、演出制御手段2001aは、演出押下ボタン4510が押下されたことに基づき、演出図柄401L,401C,401Rに、第1演出の開始時に表示していた数字を表示する演出(
図18(C)に示す例では演出図柄401L,401C,401Rに「2」を表示)を実行し、遊技者に第2分類の特典が付与されることを報知する。
【0304】
なお、演出制御手段2001aは、第1演出において操作指示表示4000cを表示し、一定時間が経過するまでに演出押下ボタン4510が押下されなかった場合に、一定時間が経過したことに基づき
図18(A)に示した演出から
図18(B)又は
図18(C)に示した演出に演出内容を変更するように構成されていてもよい。
【0305】
図19は、パチンコ機101において、第1演出において第2分類の特典が付与されると報知された場合に実行される演出として、付与される特典が第2特典と第3特典のいずれであるかを報知する第2演出が実行される場合の一例を示す図であり、
図19(A)は、第2演出が開始された状態の一例を示す図、
図19(B)は、第2演出において第2特典の付与が報知された状態の一例を示す図、
図19(C)は、第2演出において第3特典の付与が報知された状態の一例を示す図である。なお、パチンコ機101では、第2演出について、大当たり遊技が終了した際に実行するように構成されている。
【0306】
図19(A)に示すように、演出制御手段2001aは、第2演出を開始する場合において、演出表示装置4000に演出押下ボタン4510と類似した意匠性を有する操作指示表示4000cを表示する演出を実行する。このとき、演出制御手段2001aは、演出押下ボタン4510に内包されているLEDを点灯又は点滅させることで、遊技者の注意を演出押下ボタン4510に向かせる演出も並行して行う。
【0307】
図19(B)に示すように、第2特典の付与が決定されている場合、演出制御手段2001aは、演出押下ボタン4510が押下されたことに基づき、演出表示装置4000の略中央に「確変突入!」と表示し、遊技者に第2特典が付与されることを報知する。
【0308】
図19(C)に示すように、第3特典の付与が決定されている場合、演出制御手段2001aは、演出押下ボタン4510が押下されたことに基づき、演出表示装置4000の略中央に「時短突入!」と表示し、遊技者に第3特典が付与されることを報知する。
【0309】
このような構成により、パチンコ機101は、第1演出によって付与される特典の分類が「10ラウンド遊技及び確変状態」と、「4ラウンド遊技及び確変状態、4ラウンド遊技及び時短状態」と、のいずれの分類であるかを報知し、第2演出によって付与される特典が「4ラウンド遊技及び確変状態」と、「4ラウンド遊技及び時短状態」と、のいずれであるかを報知することで、付与される特典として3種類の特典を有し、3種類の特典のいずれを付与するかについて2段階の演出によって報知するとともに、第1演出において、第1特典~第3特典のうち遊技者にとって最も有利な特典である第1特典の付与が報知されない場合でも、第2演出において第3特典よりも有利な第2特典の付与が報知される可能性を有することで、第2演出の終了まで遊技者の期待感を継続させることができ、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0310】
このように構成される場合、10ラウンド遊技及び確変状態が、第1特典及び第1特典を含む第1分類の特典を構成し、4ラウンド遊技及び確変状態が、第2特典を構成し、4ラウンド遊技及び時短状態が、第3特典を構成し、第1演出によって報知される4ラウンド遊技及び確変状態又は4ラウンド遊技及び時短状態の付与が、第2分類の特典を構成する。また、このように構成される場合においては、遊技者にとって有利な度合いが第1特典>第2特典>第3特典となるように構成される。
【0311】
なお、パチンコ機101においては、内部抽選で大当たり遊技を付与するか否かを報知する第1特典演出と、大当たり遊技に当選した後において、通常特典としての4ラウンド遊技及び時短状態と、通常特典よりも有利な有利特典として4ラウンド遊技及び確変状態を付与するか否かを報知する第2特典演出と、を実行可能に構成されていてもよい。
【0312】
このように構成される場合、演出制御手段2001aは、第1特典演出を実行し、大当たり遊技を付与すると報知する場合には、演出図柄401L,401C,401Rに同一の数字を表示等、大当たり遊技が付与されることを報知する態様の演出を実行し、大当たり遊技を付与しないと報知する場合には、演出表示装置4000を暗転させるように構成されていてもよい。また、演出制御手段2001aは、第2特典演出を実行する場合に、
図19(A)~
図19(C)に示したように、通常特典を付与する場合と、有利特典を付与する場合と、のそれぞれにおいて、付与する特典を報知する演出を実行するように構成されていてもよい。
【0313】
<保留表示の変化に係る演出>
パチンコ機101では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球した場合に、内部抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これらの各乱数値がメインRAM100cの特図保留記憶領域に保留情報として記憶される。パチンコ機101では、所定の始動条件が成立した場合に、特図保留記憶領域に記憶されている保留情報を用いて内部抽選を行う。
【0314】
また、演出表示装置4000には、表示領域としての画像表示部4000aの下側に、保留情報を用いた内部抽選の結果に応じた保留表示を表示可能に構成されている。また、演出表示装置4000では、保留表示について、所定の契機で表示内容を変化させる保留変化演出を実行可能に構成されている。
【0315】
以下に、保留変化演出の詳細について、
図20、
図21を用いて説明する。
図20(A)は、保留表示として、今回の内部抽選の結果に対応する第1保留表示4801と、今回の内部抽選の契機となった第1始動口51への入球の次、つまり2個目の遊技球の入球に基づき実行された内部抽選の結果を示唆する第2保留表示4802と、第1始動口51への3個目の遊技球の入球に基づき実行された内部抽選の結果を示唆する第3保留表示4803と、第1始動口51への4個目の遊技球の入球に基づき実行された内部抽選の結果を示唆する第4保留表示4804と、第1始動口51への5個目の遊技球の入球に基づき実行された内部抽選の結果を示唆する第5保留表示4805と、の一例を示す図である。
【0316】
第1保留表示4801~第5保留表示4805では、各保留表示の略中央に、内部抽選の結果の期待度を色で示唆する第1保留色画像4801a、第2保留色画像4802a、第3保留色画像4803a、第4保留色画像4804a、第5保留色画像4805aを表示している。第1保留色画像4801a~第5保留色画像4805aでは、青色、緑色、紫色、赤色の画像を表示可能に構成されており、青色<緑色<紫色<赤色の順に、大当たり期待度が高くなるように構成されている。
【0317】
また、第1保留表示4801~第5保留表示4805では、第1保留色画像4801a~第5保留色画像4805aを囲うように、第1枠画像4801b、第2枠画像4802b、第3枠画像4803b、第4枠画像4804b、第5枠画像4805bが表示される。第1枠画像4801b~第5枠画像4805bは、それぞれ第1中心点4801d、第2中心点4802d、第3中心点4803d、第4中心点4804d、第5中心点4805dを中心とする略円形の枠形状の画像となっている。
【0318】
また、第1枠画像4801b~第5枠画像4805bの内部には、第1回転エフェクト画像4801c、第2回転エフェクト画像4802c、第3回転エフェクト画像4803c、第4回転エフェクト画像4804c、第5回転エフェクト画像4805cが表示されている。第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cは、それぞれ第1中心点4801d~第5中心点4805dを中心に第1の速度で回転表示され、第1枠画像4801b~第5枠画像4805b内を周回するように構成されている。
【0319】
図20(B)は、第3保留表示4803の表示内容を変化させる保留変化演出のうち、青色から赤色に第3保留色画像4803aを変化させる保留変化演出が開始された状態を示す図である。
図20(B)に示すように、演出制御手段2001aは、保留変化演出を開始する場合に、保留変化画像4803eを徐々に変化させる演出として、演出表示装置4000の図中中央に向けて拡大及び移動させていく演出を実行する。このとき、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eの表示サイズを連続的に変化させている、つまり表示する画像に動きを生じさせて、画像のサイズを変化させる演出を行っている。このため、スロットマシン1では、保留変化演出が実行され保留変化画像4803eが変化している際において、保留変化画像4803eの細部の視認性が一時的に低下する構成となっている。
【0320】
図20(C)は、保留変化演出において、保留変化画像4803eの変化が終了し、保留変化画像4803eが演出表示装置4000に表示された状態の一例を示す図である。
図20(C)に示すように、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eの変化を終了し、保留変化画像4803eの表示を維持する。このとき、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eを拡大して表示するとともに、遊技者にとって有利な特典に係る情報として、大当たり期待度が上昇したことを報知する画像である報知画像4803fとして、「激熱!」と表示される画像を保留変化画像4803e内に表示する。
【0321】
このように、演出制御手段2001aは、演出表示装置4000内の表示内容が変化していたことで一時的に視認性が低下していた保留変化画像4803eについて、演出表示装置4000内の表示内容を変化させていた状態よりも視認性が高い状態で細部まで表示するとともに、報知画像4803fも併せて表示することで、保留変化画像4803eの表示を維持している。なお、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eの表示を維持している状態において、保留変化画像4803eを構成する画像の一部について、演出表示装置4000内の表示内容を変化させていた際における視認性よりも高い視認性が維持される程度であれば、動きを生じさせるように構成されていてもよい。
【0322】
図21は、保留変化画像の表示が維持された状態から、保留変化画像の表示の変化を再開し、保留変化画像の表示を終了する場合と、保留変化画像の表示を終了した後に表示される第1保留表示4801~第5保留表示4805の一例を示す図である。
【0323】
図21(A)は、保留変化画像4803eの表示が維持されている状態の一例を示す図であり、
図21(B)は、
図21(A)に示した状態から保留変化画像4803eの表示の変化を再開し、保留変化画像4803eの表示を徐々に変化させている状態の一例を示す図である。
【0324】
図21(B)に示すように、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eを
図21(A)に示した状態から徐々に変化させる演出として、保留変化演出が開始される以前に第3保留表示4803を表示していた位置に向けて、保留変化画像4803eを縮小及び移動させる演出を実行する。このとき、演出制御手段2001aは、保留変化画像4803eの表示サイズを連続的に変化させている、つまり表示する画像に動きを生じさせて、画像のサイズを変化させる演出を行っている。
【0325】
図21(C)は、保留変化演出が終了し、第1保留表示4801~第5保留表示4805の表示が再開された状態を示す図である。
図21(C)に示すように、演出制御手段2001aは、保留変化演出が実行された第3保留表示4803について、
図20(A)に示した第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示する。
【0326】
図21(C)に示す例では、第3保留表示4803の第3保留色画像4803aについて、第1の表示態様である場合に表示されていた青色の画像から、第2の表示態様として赤色の画像に変化した画像が表示されている。
【0327】
演出制御手段2001aは、第3枠画像4803bについて、画像表示部4000aの外に一部がはみ出す、つまり一部が画像表示部4000a内に表示されるように第3枠画像4803bを拡大する。演出制御手段2001aは、第2の表示態様における第3枠画像4803bについて、第3中心点4803dを中心に拡大している。このため、パチンコ機101では、第1の表示態様で第3保留表示4803が表示される場合と、第2の表示態様で第3保留表示4803が表示される場合と、で第3中心点4803dの位置が変化しない構成となっている。
【0328】
また、演出制御手段2001aは、拡大した第3保留表示4803が第2保留表示4802と重複する箇所について、第3保留表示4803を優先して表示し、第2保留表示4802が第3保留表示4803の背後に入り込むように表示するように構成されている。また、演出制御手段2001aは、拡大した第3保留表示4803が第4保留表示4804と重複する箇所について、第3保留表示4803を優先して表示し、第4保留表示4804が第3保留表示4803の背後に入り込むように表示するように構成されている。
【0329】
また、演出制御手段2001aは、第3回転エフェクト画像4803cについて、第3中心点4803dを中心に、第1の速度よりも速い第2の速度で回転表示する。ここで、第3中心点4803dは、第1の表示態様である場合と、第2の表示態様である場合と、で同一の位置となるように構成されている。
【0330】
そして、演出制御手段2001aは、第3保留表示4803の第3枠画像4803b内に、保留変化演出によって大当たり期待度が高まったことを表示する期待度変化画像4803hを表示する。演出制御手段2001aは、期待度変化画像4803hについて、画像表示部4000a内にすべてを表示するとともに、第2保留表示4802及び第4保留表示4804と表示する位置が重複しないように表示する。
【0331】
<保留変化演出でかかる時間>
演出制御手段2001aは、保留変化演出を所定の時間として約4.0秒かけて実行する。演出制御手段2001aは、約4.0秒の保留変化演出のうち、
図20(B)に示した保留変化画像4803eの表示を開始した状態から、
図20(C)に示した保留変化画像4803eの変化を終了した状態まで、つまり保留変化画像4803eの表示を徐々に変化させることで演出表示装置4000内に表示される内容を保留変化画像4803eの表示が維持された状態になるまで変化させる演出を、第2の時間としての約0.5秒かけて実行する。
【0332】
また、演出制御手段2001aは、約4.0秒のカットイン演出のうち、
図20(C)に示した保留変化画像4803eの変化を終了した状態から、
図21(A)に示した保留変化画像4803eの変化を再開する状態まで、つまり保留変化画像4803eの表示を維持する演出を、第1の時間としての約3.0秒かけて実行する。
【0333】
そして、演出制御手段2001aは、約4.0秒のカットイン演出のうち、
図21(A)に示した保留変化画像4803eの表示の維持を終了して変化を開始する状態から、保留変化画像4803eの表示を徐々に変化させることで、
図21(C)に示した保留変化画像4803eの表示を終了した状態まで演出表示装置4000内に表示される内容を変化させて保留変化画像4803eの表示を終了する演出を、第3の時間としての約0.5秒かけて実行する。
【0334】
つまり、演出制御手段2001aは、保留変化演出において、保留変化画像4803eを変化させずに画像表示部4000a内に表示する第1の時間が、第2の時間及び第3の時間よりも長い時間となるように演出しており、第1の時間よりも短い第2の時間をかけて保留変化画像4803eを徐々に変化させて保留変化画像4803eを表示し、第1の時間よりも短い第3の時間をかけて保留変化画像4803eを徐々に変化させて第1のカットイン画像331eの表示を終了するように構成されており、保留変化画像4803eを遊技者に十分に認識させることができ、保留変化画像4803eを用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができるとともに、遊技者に保留変化画像4803eを認識させた後に速やかに保留変化画像4803eの割込みを終了し遊技の進行に対応する演出を再開することができ、保留変化画像4803eを用いた演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0335】
この、第1の時間をかけて特定の表示としての保留変化画像4803eの表示を維持する演出が、第1の割込み演出を構成し、保留変化画像4803eの表示が維持された状態まで第2の時間をかけて演出表示装置4000に表示する内容を変化させる演出が、第2の割込み演出を構成し、保留変化画像4803eの表示が維持されている状態から、保留変化画像4803eの表示が終了された状態まで、第3の時間をかけて演出表示装置4000に表示する内容を変化させる演出が、第3の割込み演出を構成し、第1の時間、第2の時間、第3の時間を含む保留変化演出にかかる約4.0秒の時間が、所定の時間を構成する。
【0336】
<保留表示の表示態様>
上述したように、演出制御手段2001aは、
図20(A)に示したように、保留変化表示が実行される前の第1保留表示4801~第5保留表示4805について、画像表示部4000a内に第1保留表示4801~第5保留表示4805のそれぞれの全体が表示される第1の表示態様で表示するように構成されている。
【0337】
また、演出制御手段2001aは、
図21(C)に示したように、第1保留表示4801~第5保留表示4805のうち第2の表示態様で表示する保留表示について、枠画像の一部が画像表示部4000a内に表示され、一部が画像表示部4000aの外にはみ出したと視認できる態様で非表示となるように、枠画像を拡大して表示する。
【0338】
このような構成により、パチンコ機101は、第1保留表示4801~第5保留表示4805の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた場合に、第1枠画像4801b~第5枠画像4805bの一部が画像表示部4000a内に表示され、一部が画像表示部4000aに表示されない表示態様にすることで、表示態様が変化した第1枠画像4801b~第5枠画像4805bを含む第1保留表示4801~第5保留表示4805について、保留表示が変化したことを遊技者に報知することができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0339】
また、演出制御手段2001aは、第1の表示態様で第1保留表示4801~第5保留表示4805を表示する場合に、第1枠画像4801b~第5枠画像4805bの内側に、第1中心点4801d~第5中心点4805dのそれぞれを中心に第1の速度で回転する第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cを回転表示するように構成されているとともに、第2の表示態様で第1保留表示4801~第5保留表示4805を表示する場合に、第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cの回転速度を、第1の速度よりも速い第2の速度に変更するように構成されている。
【0340】
このような構成により、パチンコ機101は、第1保留表示4801~第5保留表示4805の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変化させた際に、第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cの回転速度が速くなり、第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cの回転に遊技者の関心が向きやすくなることで、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0341】
この、第1保留表示4801~第5保留表示4805を表示する演出が、特定の演出を構成し、第1の表示態様で第1保留表示4801~第5保留表示4805を表示する演出が、第1の演出を構成し、保留変化演出が実行された後に第2の表示態様で第1保留表示4801~第5保留表示4805のうち保留変化演出が実行された保留表示を表示する演出が、第2の演出を構成し、第1保留色画像4801a~第5保留色画像4805aが、第1の表示を構成し、第1枠画像4801b~第5枠画像4805bが、第2の表示を構成し、第1回転エフェクト画像4801c~第5回転エフェクト画像4805cが、回転表示を構成し、第1中心点4801d~第5中心点4805dが、所定の点を構成する。
【符号の説明】
【0342】
1 スロットマシン(遊技機)
101 パチンコ機(遊技機)
180,2001a 演出制御手段
200 AT制御手段(特典付与手段)
330 表示装置
1001a 特典付与手段
4000 演出表示装置(表示装置)