(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】X形継手および製造の方法
(51)【国際特許分類】
F16D 3/16 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
F16D3/16 E
(21)【出願番号】P 2020503251
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018024365
(87)【国際公開番号】W WO2018183202
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-22
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519351347
【氏名又は名称】エンジェル・エックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・アンソニー・ロック
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/048562(WO,A1)
【文献】米国特許第01368607(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0229255(US,A1)
【文献】特開2012-154413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシャフトから第2のシャフトへ回転運動を伝えるための機械継手であって、
外側ケーシング、中央空洞、第1の端部、および第2の端部を備えるハウジングと、
第1の直線の切削接触面を備える第1の溝および第2の直線の切削
接触面を備える第2の溝であって、前記中央空洞の両側
上で前記外側ケーシングに凹状に形成された、第1の溝および第2の溝と、
前記ハウジングの前記第1の端部において第3の接触面を備える第1のリップであって、前記第1の溝と位置合わせされる、第1のリップと、
前記ハウジングの前記第1の端部において第4の接触面を備える第2のリップであって、前記第2の溝と位置合わせされる、第2のリップと、
円形の外周部、外側接触面、および内側スロットを備える駆動パックと、
第1の端部および第2の端部を備える駆動シャフトであって、前記第1の端部はピンによって前記駆動パックと枢動可能に連結され、前記第2の端部は前記第1のシャフトと連結するように構成される、駆動シャフトと
を備え、
前記駆動パックは前記第1の溝および前記第2の溝内に配置され、前記外側接触面は、前記第1の溝の前記第1の直線の切削接触面および前記第2の溝の前記第2の直線の切削接触面とそれぞれ滑動可能に係合され、前記駆動パックは、前記第1のリップの前記第3の接触面および前記第2のリップの前記第4の接触面によって、前記ハウジングの前記第1の端部において前記第1の溝および前記第2の溝内で維持され、
前記駆動パックは、第1の平面において前記第1の溝および前記第2の溝内で回転し、前記駆動シャフトは、第2の平面において前記ピンの周りで回転し、前記第1の平面は前記第2の平面に対して直交する、回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項2】
前記ハウジングは、第2のハウジング構成要素と連結される第1のハウジング構成要素を備え、
前記第1のハウジング構成要素は、外端と、内端と、前記第1の溝と、前記第2の溝と、前記ハウジングの前記第1の端部とを備え、
前記第2のハウジング構成要素は、外端と、内端と、前記ハウジングの前記第2の端部と、前記外端において前記第2のシャフトと連結するための開口とを備え、
前記第1のハウジング構成要素の前記内端と前記第2のハウジング構成要素の前記内端とは、前記駆動パックが前記第1の溝および前記第2の溝内に配置された状態で前記ハウジングを形成するために共に溶接される、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項3】
前記第2のハウジング構成要素の前記内端の面における凹部と、
前記凹部内に配置される挿入体と
をさらに備え、
前記挿入体は、前記第1の溝および前記第2の溝内での前記駆動パックの移動を低減させるために前記駆動パックと係合する、請求項2に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項4】
前記駆動シャフトの前記第2の端部
はソケットドライバであり、前記ハウジングの前記第2の端部は標準的なソケット開口を備える、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項5】
前記駆動パックの前記内側スロットは、第1の羽根部における第1の平坦側と、第2の羽根部における第2の平坦側とを備え、前記第1の平坦側は前記第2の平坦側と実質的に平行であり、第1の開口が前記第1の平坦側と前記第2の平坦側とを通じて延び、
前記駆動シャフトの前記第1の端部は第1の平面部分と第2の平面部分とを備え、前記第1の平面部分および前記第2の平面部分は、前記駆動シャフトの前記第1の端部の両側に配置され、第2の開口が前記第1の平面部分と前記第2の平面部分とを通じて延び、
前記第1の平面部分および前記第2の平面部分は、前記内側スロットの前記第1の平坦側および前記第2の平坦側とそれぞれ滑動可能に係合される、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項6】
前記駆動パックの前記内側スロットの
開口端に形成された第1のオーバーハング部分であって、前記駆動パックの前記第1の羽根部の前記外側接触面が前記第1のオーバーハング部分上に延びる、第1のオーバーハング部分と、
前記駆動パックの前記内側スロットの
前記開口端に形成された第2のオーバーハング部分であって、前記駆動パックの前記第2の羽根部の前記外側接触面が前記第2のオーバーハング部分上に延びる、第2のオーバーハング部分と、
前記駆動シャフトの前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する前記駆動シャフトの中央部分と
をさらに備え、
前記中央部分は、前記内側スロットの前記
開口端において前記第1のオーバーハング部分と前記第2のオーバーハング部分との間で通過可能である、請求項5に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項7】
前記ハウジングは、第2のハウジング構成要素と連結される第1のハウジング構成要素を備え、前記第1のハウジング構成要素は、外端と、内端と、前記第1の溝と、前記第2の溝と、前記ハウジングの前記第1の端部とを備え、
前記第2のハウジング構成要素は、第5の接触面を有する第3の溝と、第6の接触面を有する第4の溝とを備え、前記第3の溝および前記第4の溝は、前記中央空洞の両側に配置され、
第3のリップが前記ハウジングの前記第2の端部において第7の接触面を備え、前記第3のリップは前記第3の溝と位置合わせされ、
第4のリップが前記ハウジングの前記第2の端部において第8の接触面を備え、前記第4のリップは前記第4の溝と位置合わせされ、
第2の駆動パックが、円形の外周部と、外側接触面と、内側スロットとを備え、
第2の駆動シャフトが第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の端部は第2のピンによって前記第2の駆動パックと枢動可能に連結し、前記第2の端部は前記第2のシャフトと連結するように構成され、
前記第2の駆動パックは、前記第3の溝および前記第4の溝内に配置され、そこで前記第3のリップおよび前記第4のリップによって維持され、
前記第1のハウジング構成要素の前記内端は前記第2のハウジング構成要素の前記内端に溶接される、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項8】
前記ハウジングの周りに配置され、前記ハウジングの長手方向軸の周りで回転できるように前記ハウジングの円筒形の外側ケーシングと滑動可能に係合される回転スリーブをさらに備え、
使用者が、前記回転スリーブを掴みながら前記ハウジングを回転させることができ、前記駆動シャフトの前記第2の端部はソケットドライバであり、前記第2の駆動シャフトの前記第2の端部はソケット開口を備える、請求項7に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項9】
前記第1のハウジング構成要素の前記外端から前記中央空洞を通って前記第2のハウジング構成要素の前記外端まで延びる潤滑剤空間を定める貫通経路をさらに備え、
潤滑剤が、前記中央空洞を通じて流れ、前記駆動パックおよび前記溝を潤滑できる、請求項7に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項10】
前記駆動パックは第1の平面において回転し、前記第2の駆動パックは第2の平面において回転し、前記第1の平面と前記第2の平面とは直交する、請求項7に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項11】
前記駆動パックの前記外側接触面はトロイダルであり、前記第1のリップおよび前記第2のリップはトロイダル接触面を各々備える、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項12】
前記第1の溝の第1の接触面と前記第2の溝の第2の接触面とは、それぞれ円筒形と凸状とである、請求項1に記載の回転運動を伝えるための機械継手。
【請求項13】
第1のシャフトから第2のシャフトへ回転運動を伝えるための機械継手であって、
第1の開放端および第2の端部を有するハウジングと、
前記第1の開放端に配置される第1の駆動パックであって、第1の羽根部、第2の羽根部、内側スロット、および、外側接触面を有する円形の外周部を備える、第1の駆動パックと、
前記第1の駆動パックと連結される第1の駆動シャフトであって、前記第1の駆動シャフトは第1の端部および第2の端部を備え、前記第1の端部は、第1のピンによって前記第1の駆動パックの前記内側スロット内で枢動可能に連結され、前記第2の端部は前記第1のシャフトと連結するように構成される、第1の駆動シャフトと
を備え、
前記第1の駆動パックの前記第1の羽根部および前記第2の羽根部は、前記内側スロットを形成する内側平面を各々備え、第1の駆動シャフトの第1の端部は、前記内側平面と滑動可能に係合される第1および第2の相対する平面をそれぞれ備え、
前記第1の駆動シャフトは、第1の平面において、前記第1のピンの周りで前記ハウジングに対して回転し、第2の平面において、前記第1の駆動パックにおいて前記ハウジングに対して回転し、
中央空洞の両側において前記ハウジングの前記第1の開放端に
前記ハウジングに凹状に形成される第1の直線の切削溝および第2の直線の切削溝と、
前記第1の開放端における第1のリップおよび第2のリップであって、前記第1の直線の切削溝および前記第2の直線の切削溝とそれぞれ位置合わせされる、第1のリップおよび第2のリップと
をさらに備え、
前記第1の駆動パックは、前記第1の直線の切削溝および前記第2の直線の切削溝内で滑動可能に係合され、前記第1のリップおよび前記第2のリップによって、前記ハウジングの前記第1の開放端において前記第1の直線の切削溝および前記第2の直線の切削溝内で維持される、機械継手。
【請求項14】
前記中央空洞の両側において前記ハウジングの前記第2の端部に
前記ハウジングに凹状に形成される第3の直線の切削溝および第4の直線の切削溝と、
前記ハウジングの前記第2の端部における第3のリップおよび第4のリップであって、前記第3の直線の切削溝および前記第4の直線の切削溝とそれぞれ位置合わせされる、第3のリップおよび第4のリップと
をさらに備え、
第2の駆動パックが、前記第3の直線の切削溝および前記第4の直線の切削溝内で滑動可能に係合され、前記第3のリップおよび前記第4のリップによって、前記ハウジングの前記第2の端部において前記第3の直線の切削溝および前記第4の直線の切削
溝内で維持される、請求項13に記載の機械継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月29日に出願された「UNIVERSAL JOINT AND METHOD OF MANUFACTURE」という名称の米国特許仮出願第62/478,489号の便益を主張し、さらに、2017年11月17日に出願された「X-JOINTS AND METHODS OF MANUFACTURE」という名称の米国特許仮出願第62/588,226号の便益を主張する。上記の項目の各々の全体の開示が、あたかも本明細書において完全に述べられ、すべての目的について、それが含むすべてについて、参照により組み込まれているかのように、本明細書によって、本明細書の一部とされている。
【0002】
本出願とともに提出された出願データシートにおいて外国または国内の優先権の主張が特定される任意およびすべての出願は、すべての目的について、および、それらが含むすべてについて、本明細書によって、米国特許法施行規則1.57条の下で参照により組み込まれている。
【0003】
本開示は、X形継手と、X形継手を製造する向上した方法とに関する。
【背景技術】
【0004】
自在継手が、互いに対して斜めの角度で方向付けられる回転連結シャフトのためにしばしば使用される。既存の自在継手の1つの制約は、動的な荷重条件の下での失陥である。自在継手の動的な荷重は、自在継手にわたって第2のシャフトへ伝達される第1のシャフトにおけるトルクの変化からと、継手が斜めの角度を維持するために回転するときに自在継手の個々の構成要素に加えられる力における変化からとの両方で起こる。動的な荷重は、構造的に単純な自在継手の使用を、最小の慣性のモーメントを有する自在継手から便益を得る特定の工業的作業に制約する。これらは、駆動系、航空機制御、自動車制御、製造、工作機械、および他の分野における使用を含む。したがって、向上した製造技術および向上した構造を通じて既存の自在継手の動的な荷重能力を向上させることが必要になっている。
【0005】
自在継手の設計は、シャフトからの大きな軸方向の荷重(引っ張りと圧縮との両方)を受容するために滑動する構成要素を利用できる。概して、潤滑剤が自在継手の滑動構成要素間の摩擦を低減するために使用され、それによって、摩耗を低減し、摩擦および摩擦損失を最小限にし、継手の様々な構成要素および継手全体の耐用期間を引き延ばしている。しかしながら、開放した構成および/または小さい公差を有する一部の自在継手では、自在継手内で、および、自在継手の滑動構成要素間で、適切な量の潤滑剤を維持することは、困難であり得る、および/または、潤滑剤の頻繁な再適用を必要とし得る。この困難は、自在継手についての動作条件が、大きな荷重条件、1分間あたりの大きな回転数(RPM)、継手の信頼できない保守または間欠的な保守、汚い動作条件もしくは屑で満たされた動作条件、または過度に乾燥した動作条件、過度に湿潤な動作条件、過度に高い温度の動作条件、もしくは過度に低い温度の動作条件を含む場合にも存在する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
機械継手は、向上された動的な荷重能力を含み得る。このような向上は、熱処理、継手の特定の表面への蒸着被覆の適用、継手の特定の滑動構成要素の差のある硬化、および、継手の特定の滑動構成要素の低温硬化を含む、本明細書に記載されている製造の方法のいずれか、または、製造の方法の任意の組み合わせの適用を通じて得ることができる。
【0007】
機械継手は、特定の滑動構成要素よりも素早く容易に摩耗するように設計され得る滑動構成要素を備えることができる。例えば、特定の滑動構成要素は、継手の他の滑動構成要素よりも安価で容易に製造され得る。したがって、継手の製造の1つの方法は、滑動構成要素の差のある硬化を通じて、継手の滑動構成要素における摩耗を制御することを含む。例えば、継手の一部の実施形態では、第1のハウジングが第1の鋼から作られる。第1のハウジングは、第1の内側円筒面を伴う第1の切欠きを有する。第2のハウジングが第2の鋼から作られる。第2のハウジングは、第2の内側円筒面を伴う第2の切欠きを有する。従動子または駆動パックは第3の鋼から作られる。従動子は、第1の内側円筒面および第2の内側円筒面と合わさって滑動可能に係合するように構成される外側円筒面を有する。継手は、従動子の外側円筒面を第1のハウジングの第1の切欠き内に挿入し、従動子の外側円筒面を第2のハウジングの第2の切欠き内に挿入し、従動子が第1のハウジングと第2のハウジングとの間にある状態で第1のハウジングと第2のハウジングとを共に固定することで組み立てられる。第1のハウジングの第1または第2の内側円筒面の硬度は、従動子の外側円筒面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ大きい。したがって、より容易および/またはより安価に製造される滑動構成要素が、継手の他の滑動構成要素より早く摩耗するように設計できる。
【0008】
別の態様では、第1のハウジングは第1の内側球面を有し、第2のハウジングは第2の内側球面を有する。第4の鋼の枢動部材が、第1の内側球面および第2の内側球面と合わさって滑動可能に係合する外側球面を有する。外側球面の硬度は、第1の内側球面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ大きい。
【0009】
別の態様では、第1、第2、第3、および/または第4の鋼は、SAE 4000系の鋼またはオーステナイトステンレス鋼から作られる。
【0010】
別の態様では、第1の蒸着が従動子の外側円筒面を被覆する、および/または、第2の蒸着が第1のハウジングの第1の内側円筒面を被覆する。
【0011】
別の態様では、第1の蒸着が枢動部材の外側球面を被覆する、および/または、第2の蒸着が第1のハウジングの第1の内側球面を被覆する。
【0012】
第1のハウジング、第2のハウジング、従動子を伴う機械継手を製造する別の方法は、第1のハウジングを第1の鋼の第1の臨界温度よりも高く加熱することであり、第1のハウジングは第1の鋼を含む。第1のハウジングを第1の臨界温度以上において第1のオーステナイト化時間にわたって維持する。第1のオーステナイト化時間は、第1の鋼の微細構造を少なくとも95%のオーステナイトまで変態させるのに十分である。第1のハウジングを第1の鋼のマルテンサイト開始温度未満において第1の焼入れ速度で焼入れする。第1の焼入れ速度は、第1の鋼の微細構造の少なくとも83%をマルテンサイトへ変態させるのに十分である。第1のハウジングの第1の内側円筒面の硬度が従動子の外側円筒面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ大きくなるように、第1のハウジングを、第1の鋼の第1の臨界温度未満の第1の焼戻し温度において、第1の焼戻し時間にわたって焼戻しする。外側円筒面は、第1の内側円筒面と合わさって滑動可能に係合するように構成される。
【0013】
別の態様では、第2のハウジングを第2の鋼の第2の臨界温度より高く加熱し、第2のハウジングは第2の鋼を備える。第2のハウジングを第2の臨界温度以上において第2のオーステナイト化時間にわたって維持する。第2のオーステナイト化時間は、第2の鋼の微細構造を少なくとも95%のオーステナイトまで変態させるのに十分である。第2のハウジングを第2の鋼のマルテンサイト開始温度未満において第2の焼入れ速度で焼入れする。第2の焼入れ速度は、第2の鋼の微細構造の少なくとも83%をマルテンサイトへ変態させるのに十分である。第2のハウジングの第2の内側円筒面の硬度が従動子の外側円筒面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ大きくなるように、第2のハウジングを、第2の鋼の第2の臨界温度未満の第2の焼戻し温度において、第2の焼戻し時間にわたって焼戻しする。
【0014】
方法の別の態様では、従動子を第3の鋼の第3の臨界温度より高く加熱し、従動子は第3の鋼を備える。従動子を第3の臨界温度以上において第3のオーステナイト化時間にわたって維持する。第3のオーステナイト化時間は、第3の鋼の微細構造を少なくとも95%のオーステナイトまで変態させるのに十分である。従動子を第3の鋼のマルテンサイト開始温度未満において第3の焼入れ速度で焼入れする。第3の焼入れ速度は、第3の鋼の微細構造の少なくとも83%をマルテンサイトへ変態させるのに十分である。従動子の外側円筒面の硬度が第1のハウジングの第1の内側円筒面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ小さくなるように、従動子を、第3の鋼の第3の臨界温度未満の第3の焼戻し温度において、第3の焼戻し時間にわたって焼戻しする。
【0015】
方法の別の態様では、機械継手は枢動部材を含み、枢動部材を第4の鋼の第4の臨界温度より高く加熱し、枢動部材は第4の鋼を備える。枢動部材を第4の臨界温度以上において第4のオーステナイト化時間にわたって維持する。第4のオーステナイト化時間は、第4の鋼の微細構造を少なくとも95%のオーステナイトまで変態させるのに十分である。枢動部材を第4の鋼のマルテンサイト開始温度未満において第4の焼入れ速度で焼入れする。第4の焼入れ速度は、第4の鋼の微細構造の少なくとも83%をマルテンサイトへ変態させるのに十分である。枢動部材の外側球面の硬度が第1のハウジングの第1の内側球面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ大きくなるように、枢動部材を、第4の鋼の第4の臨界温度未満の第4の焼戻し温度において、第4の焼戻し時間にわたって焼戻しする。外側球面は、第1の内側球面と合わさって滑動可能に係合するように構成される。
【0016】
方法の別の態様では、鋼のうちのいずれもSAE 4000系の鋼である。
【0017】
方法の別の態様では、第1のハウジング、第2のハウジング、従動子、または枢動部材を、-115℃未満において少なくとも24時間にわたって、または、-184℃未満において少なくとも12時間にわたって、低温で硬化される。
【0018】
方法の別の態様では、第1の蒸着被覆を、従動子の外側円筒面、第1のハウジングの第1の内側円筒面、第1のハウジングの第1の内側球面、または枢動部材の外側球面の少なくとも1つに適用する。
【0019】
方法の別の態様では、第1のハウジングの第1の内側円筒面、従動子の外側円筒面、第1のハウジングの第1の内側球面、または枢動部材の外側球面の少なくとも1つを表面硬化される。
【0020】
方法の別の態様では、第1のハウジングの第1の内側円筒面、従動子の外側円筒面、第1のハウジングの第1の内側球面、または枢動部材の外側球面の少なくとも1つをショットピーニングする。
【0021】
第1のハウジング、第2のハウジング、従動子を伴う機械継手を製造する別の方法では、第1の構成要素を第1のオーステナイト化温度まで加熱し、第1のオーステナイト化温度は第1の鋼の第1の臨界温度より高く、かつ600℃より高く、第1の構成要素は第1の鋼を含む。第1の構成要素を第1のオーステナイト化温度以上において第1のオーステナイト化時間にわたって維持する。第1のオーステナイト化時間は、第1の鋼の微細構造を少なくとも95%のオーステナイトまで変態させるのに十分である。第1の構成要素を16℃から27℃の間まで第1の焼入れ速度で焼入れし、焼入れは、第1の鋼の微細構造の3%超を残留オーステナイトとして残す。第1の構成要素を-115℃未満で低温処理する。第1の構成要素は、第1のハウジング、第2のハウジング、従動、またはボール枢動のいずれかである。
【0022】
方法の別の態様では、第1の構成要素を16℃から27℃の間まで焼入れし、17%から5%の間で残留オーステナイトを残し、第1の構成要素を低温処理することで1%未満の残留オーステナイトを残す。
【0023】
方法の別の態様では、第1の鋼はSAE 4000系の鋼である。
【0024】
方法の別の態様では、第1の蒸着被覆を、従動子の外側円筒面、第1のハウジングの第1の内側円筒面、第1のハウジングの第1の内側球面、または枢動部材の外側球面の少なくとも1つに適用する。
【0025】
方法の別の態様では、従動子の外側円筒面、第1のハウジングの第1の内側円筒面、第1のハウジングの第1の内側球面、または枢動部材の外側球面を表面硬化される。
【0026】
第1のハウジング、第2のハウジング、枢動部材、および従動子を伴う機械継手を製造する別の方法では、第1の蒸着被覆を従動子の外側円筒面に適用し、第2の蒸着被覆を枢動部材の外側球面に適用し、第3の蒸着被覆を第1のハウジングの第1の内側円筒面および第1の内側球面に適用し、第4の蒸着被覆を第1のハウジングの第2の内側円筒面および第2の内側球面に適用し、従動子の外側円筒面が第1の内側円筒面と滑動可能に係合されている状態で従動子を第1のハウジングの第1の切欠き内に備え付け、従動子の外側円筒面が第2の内側円筒面と滑動可能に係合されている状態で従動子を第2のハウジングの第2の切欠き内に備え付け、外側球面が第1の内側球面と滑動可能に係合されている状態で枢動部材を第1のハウジング内に備え付け、外側球面が第2の内側球面と滑動可能に係合されている状態で枢動部材を第2のハウジング内に備え付け、第1のハウジングと第2のハウジングとが一緒に固定的に係合され、従動子が第1のハウジングと第2のハウジングとの間で固定されるように、第1のハウジングと第2のハウジングとを組み立てる。
【0027】
方法の別の態様では、第1の蒸着被覆は、窒化チタンを含む物理蒸着被覆または窒化チタンを含む化学蒸着被覆の一方である。
【0028】
方法の別の態様では、物理蒸着被覆は、少なくとも2つの層で2ミクロンから5ミクロンの間の深さまで適用される。
【0029】
方法の別の態様では、物理蒸着被覆は、少なくとも2つの層で5ミクロンから10ミクロンの間の深さまで適用される。
【0030】
方法の別の態様では、枢動部材を、-115℃未満において少なくとも24時間の浴時間にわたって、または、-184℃未満において少なくとも12時間の浴時間にわたって、低温で処理する。
【0031】
方法の別の態様では、枢動部材は第1のオーステナイト鋼から作られる。
【0032】
第1のハウジング、第2のハウジング、枢動部材、および従動子を伴う機械継手を製造する別の方法では、第1の物理蒸着被覆を従動子の外側円筒面に適用する。
【0033】
方法の別の態様では、第2の物理蒸着被覆を枢動部材の外側球面に適用する。
【0034】
方法の別の態様では、第3の物理蒸着被覆を第1のハウジングの第1の内側円筒面および第1の内側球面に適用する。
【0035】
方法の別の態様では、第4の物理蒸着被覆を第1のハウジングの第2の内側円筒面および第2の内側球面に適用する。
【0036】
方法の別の態様では、第1、第2、第3、および第4の被覆が同時に適用される。
【0037】
方法の別の態様では、第1の蒸着被覆は、窒化チタンを含む物理蒸着被覆である。
【0038】
方法の別の態様では、物理蒸着被覆は、少なくとも2つの層で2ミクロンから5ミクロンの間の深さまで適用される。
【0039】
方法の別の態様では、第1の物理蒸着被覆の硬度は60HRCから68HRCまでの間である。
【0040】
方法の別の態様では、枢動部材を、-115℃未満において少なくとも24時間にわたって、または、-184℃未満において少なくとも12時間にわたって、低温で処理する。
【0041】
方法の別の態様では、枢動部材は第1のオーステナイト鋼から作られる。
【0042】
方法の別の態様では、枢動部材を、-115℃未満において少なくとも24時間にわたって低温で処理し、枢動部材は第1のオーステナイト鋼から作られる。
【0043】
第1のハウジング、第2のハウジング、および枢動部材を伴う機械継手を製造する別の方法では、第1のオーステナイト鋼から作られる第1のハウジングを、-115℃未満において少なくとも24時間にわたって、または、-184℃未満において少なくとも12時間にわたって、低温で処理する。
【0044】
機械継手の1つの態様は、第1のハウジングの向上された溝構造を含む。第1の溝は、第1のハウジングの中央空洞の第1の側において外側ケーシングの内面に配置される第1の円筒接触面を含み得る。第2の溝は、第1のハウジングの中央空洞の第2の側において外側ケーシングの内面に配置される第2の円筒接触面を含み得る。第1の側は第2の側と相対してもよい。第1のリップが第1のトロイダル接触面を含み得る。第1のリップは、第1の開放端において第1のハウジングの中央空洞に向けて内向きに延び得る。第1のリップは第1の溝と位置合わせされ得る。第2のリップが第2のトロイダル接触面を含み得る。第2のリップは、第1のハウジングの第1の開放端において中央空洞に向けて内向きに延び得る。第2のリップは第2の溝と位置合わせされ得る。駆動パックが、第1の羽根部と、第2の羽根部と、円形の外周部と、外側トロイダル接触面と、第1の羽根部と第2の羽根部との間に配置される内側スロットとを備え得る。外側トロイダル接触面は、第1の羽根部および第2の羽根部に沿って延びることができ、第1の溝および第2の溝内で滑動可能に係合できる。
【0045】
継手の別の態様は、ハウジング区域の第1の開放端において駆動シャフトの第1の端部と中央空洞の内壁との間で延びる潤滑剤空間を定める貫通経路を含む。貫通経路は、中央空洞における構成要素に潤滑を提供するために、潤滑剤を第1のハウジングの第1の開放端において中央空洞に対して流入または流出させることができる。
【0046】
別の機械継手は、90°~100°の継手を含む。継手は、第1および第2の端部を伴うハウジングと、第1および第2の駆動パックまたは駆動パックと、第1および第2の駆動ボールとを備え得る。第1および第2の駆動ボールは、ハウジングの相対する端において第1および第2の駆動パックまたはパックとそれぞれ回転可能に連結され得る。第1のシャフトおよび第2のシャフトは、第1の駆動ボールおよび第2の駆動ボールと連結され得る。この手法では、継手は、第1のシャフトと第2のシャフトとの間で約90°~100°までの角度で回転を伝えることができる。
【0047】
別の機械継手はレンチ取付具である。レンチ取付具は、第1の端部および第2の端部を伴うハウジングと、ハウジングと回転可能に連結される回転スリーブとを備え得る。レンチ取付具は、第1および第2の駆動パックまたはパックと、ドライバと、受入ソケットとを備え得る。ドライバおよび受入ソケットは、ハウジングの相対する端において第1および第2の駆動パックまたはパックとそれぞれ回転可能に連結され得る。レンチは受入ソケットと連結でき、ソケット取付具がドライバと連結され得る。使用者は、回転スリーブ内のレンチ取付具を回転させるために、および、ソケット取付具を使用するために、回転スリーブを把持し、レンチを使用することができる。
【0048】
レンチ取付具、2つの保持リング、および2つの保持スロットの別の態様では、保持スロットはハウジングの相対する端に配置され、保持リングは保持スロット内に嵌まるように構成される。回転スリーブは、2つの保持リングの間でハウジングにおいて保持される。回転スリーブは、輪郭形成された把持面を含み得る。
【0049】
第1のシャフトから第2のシャフトへ回転運動を伝えるための別の機械継手が、外側ケーシングと、中央空洞と、第1の端部と、第2の端部とを伴うハウジングを備える。第1の溝が第1の接触面を含み、第2の溝が第2の接触面を含む。第1の溝と第2の溝とは中央空洞の両側に配置される。第1のリップが、ハウジングの第1の端部において第3の接触面を含み、第1のリップは第1の溝と並ぶ。第2のリップがハウジングの第1の端部において第4の接触面を含む。第2のリップは第2の溝と並ぶ。駆動パックは、円形の外周部、外側接触面、および内側スロットを含む。駆動シャフトは第1の端部および第2の端部を備え、第1の端部はピンによって駆動パックと枢動可能に連結され、第2の端部は第1のシャフトと連結するように構成される。駆動パックは第1の溝および第2の溝内に配置され、外側接触面は、第1の溝の第1の接触面および第2の溝の第2の接触面とそれぞれ滑動可能に係合される。駆動パックは、第1のリップの第3の接触面と第2のリップの第4の接触面とによって、ハウジングの第1の端部において第1の溝および第2の溝内で維持される。駆動パックは、第1の平面において第1の溝および第2の溝内で回転し、駆動シャフトは、第2の平面においてピンの周りで回転する。第1の平面は第2の平面に対して直交する。
【0050】
機械継手の別の態様では、ハウジングは、第2のハウジング構成要素と連結される第1のハウジング構成要素を含む。第1のハウジング構成要素は、外端と、内端と、第1の溝と、第2の溝と、ハウジングの第1の端部とを含む。第2のハウジング構成要素は、外端と、内端と、ハウジングの第2の端部と、外端において第2のシャフトと連結するための開口とを含む。第1のハウジング構成要素の内端と第2のハウジング構成要素の内端とは、駆動パックが第1の溝および第2の溝内に配置された状態でハウジングを形成するために共に溶接される。
【0051】
機械継手の別の態様では、駆動シャフトの第2の端部は標準的なソケットドライバであり、ハウジングの第2の端部は標準的なソケット開口を含む。
【0052】
機械継手の別の態様では、駆動パックの内側スロットは、第1の羽根部における第1の平坦側を含み、第2の羽根部における第2の平坦側を含む。第1の平坦側は第2の平坦側と実質的に平行である。第1の開口は第1の平坦側と第2の平坦側とを通じて延びる。駆動シャフトの第1の端部は第1の平面部分と第2の平面部分とを含む。第1の平面部分および第2の平面部分は駆動シャフトの第1の端部の両側に配置される。第2の開口は第1の平面部分と第2の平面部分とを通じて延びる。第1の平面部分および第2の平面部分は、内側スロットの第1の平坦側および第2の平坦側とそれぞれ滑動可能に係合される。
【0053】
機械継手の別の態様では、ハウジングは、第2のハウジング構成要素と連結される第1のハウジング構成要素を含む。第1のハウジング構成要素は、外端と、内端と、第1の溝と、第2の溝と、ハウジングの第1の端部とを含む。第2のハウジング構成要素は、第5の接触面を有する第3の溝と、第6の接触面を有する第4の溝とを備える。第3の溝と第4の溝とは中央空洞の両側に配置される。第3のリップがハウジングの第2の端部において第7の接触面を含む。第3のリップは第3の溝と位置合わせされる。第4のリップがハウジングの第2の端部において第8の接触面を含む。第4のリップは第4の溝と位置合わせされる。第2の駆動パックが、円形の外周部、外側接触面、および内側スロットを含む。第2の駆動シャフトが第1の端部および第2の端部を含む。第1の端部は、第2のピンによって第2の駆動パックと枢動可能に連結する。第2の端部は第2のシャフトと連結するように構成される。第2の駆動パックは、第3の溝および第4の溝内に配置され、そこで第3のリップおよび第4のリップによって維持される。第1のハウジング構成要素の内端は第2のハウジング構成要素の内端に溶接される。
【0054】
機械継手の別の態様では、駆動パックは第1の平面において回転し、第2の駆動パックは第2の平面において回転する。第1の平面と第2の平面とは直交する。
【0055】
機械継手の別の態様では、駆動パックの外側接触面はトロイダルであり、第1のリップおよび第2のリップはトロイダル接触面を各々備える。
【0056】
機械継手の別の態様では、駆動パックの外側接触面は円筒形であり、第1のリップおよび第2のリップは円筒接触面を各々備える。
【0057】
機械継手の別の態様では、第1の溝の第1の接触面と第2の溝の第2の接触面とは、それぞれ円筒形と凸状とである。
【0058】
第1のシャフトから第2のシャフトへ回転運動を伝えるための別の機械継手はハウジングを含む。ハウジングは第1の端部および第2の端部を有する。第1の通路が第1の端部にある。第1の駆動パックが第1の通路にある。第1の駆動パックは、第1の羽根部、第2の羽根部、内側スロット、および、外側接触面を有する円形の外周部を備える。第1の駆動シャフトが第1の駆動パックと連結する。第1の駆動シャフトは第1の端部および第2の端部を含む。第1の端部は、第1のピンによって第1の駆動パックの内側スロット内で枢動可能に連結する。第2の端部は第1のシャフトと連結するように構成される。第1のキャップリングは、中心開口、第1の通路区間、および第2の通路区間を備える。第1のキャップリングは、第1の駆動パックが第1の通路、第1の通路区間、および第2の通路区間内に配置された状態でハウジングの第1の端部と溶接される。第1の駆動パックの外側接触面は第1の通路の底面と滑動可能に係合し、第1の駆動シャフトの第2の端部は第1のキャップリングの中心開口を通じて延びる。第1の駆動シャフトは、第1の平面において、第1のピンの周りでハウジングに対して回転し、第2の平面において、第1のパックにおいてハウジングに対して回転する。
【0059】
機械継手の別の態様では、ハウジングの第1の端部は第1の凹状球面を含む。第1のキャップリングは第1の凹状球区間と第2の凹状球区間とを含み、第1の駆動シャフトの第1の端部は第1の凸状球面を含む。第1の駆動シャフトの第1の端部は、第1の凹状球面、第1の凹状球区間、および第2の凹状球区間と滑動可能に係合される。
【0060】
機械継手の別の態様では、第1の駆動パックの第1の羽根部および第2の羽根部は、内側スロットを形成する内側平面を各々備え、第1の駆動ボールの第1の端部は、内側平面と滑動可能に係合される第1および第2の相対する平面をそれぞれ備える。第1のピンは、第1および第2の相対する平面と内側平面とを通じて延びる。
【0061】
機械継手の別の態様では、第1のキャップリングはハウジングの第1の端部と電子ビーム溶接される。
【0062】
機械継手の別の態様では、第2のシャフトはハウジングの第2の端部と連結される。
【0063】
機械継手の別の態様では、ハウジングの第2の端部は第2の凹状球面を含む。第2のキャップリングは第1の凹状球区間と第2の凹状球区間とを含み、第2の駆動シャフトの第1の端部は第2の凸状球面を含む。第2の駆動シャフトの第1の端部は、第2の凹状球面、ならびに、第2のキャップリングの第1の凹状球区間および第2の凹状球区間と滑動可能に係合される。
【0064】
機械継手の別の態様では、第2の駆動シャフトは、第1の平面において第2のピンの周りで回転し、第2の駆動シャフトは、第2の平面において第2の駆動パックの周りで回転する。第1の平面と第2の平面とは直交する。
【0065】
機械継手の別の態様では、潤滑剤空間を定める貫通経路が、潤滑剤を中央空洞に対して流入または流出させることができるようにハウジングを通じて延びる。
【0066】
第1のシャフトから第2のシャフトへ回転運動を伝えるための別の機械継手はハウジングを含む。ハウジングは第1の開放端および第2の端部を有する。第1の駆動パックが第1の開放端にある。第1の駆動パックは、第1の羽根部、第2の羽根部、内側スロット、および、外側接触面を有する円形の外周部を備える。第1の駆動シャフトが第1の駆動パックと連結する。第1の駆動シャフトは第1の端部および第2の端部を含む。第1の端部は、第1のピンによって第1の駆動パックの内側スロット内で枢動可能に連結する。第2の端部は第1のシャフトと連結するように構成される。第1の駆動パックの第1の羽根部および第2の羽根部は、内側スロットを形成する内側平面を各々備え、第1の駆動ボールの第1の端部は、内側平面と滑動可能に係合される第1および第2の相対する平面をそれぞれ備える。第1の駆動シャフトは、第1の平面において、第1のピンの周りでハウジングに対して回転し、第2の平面において、第1のパックにおいてハウジングに対して回転する。
【0067】
機械継手の別の態様では、通路の底面の硬度が、駆動パックの外側接触面の硬度より少なくとも2HRC、3HRC、または5HRCだけ高い。
【0068】
機械継手の別の態様では、ハウジングは、-115℃未満において少なくとも24時間にわたって、または、-184℃未満において少なくとも12時間にわたって、低温で硬化される。
【0069】
機械継手の別の態様では、物理蒸着被覆が駆動パックの外側接触面に適用される。
【0070】
機械継手の別の態様では、第1のキャップリングはハウジングの第1の端部と電子ビーム溶接される。
【0071】
機械継手の別の態様では、ハウジングは、鋼から作られる第1のハウジング構成要素と、アルミニウムから作られる第2のハウジング構成要素とを含む。キャップリングと第1のハウジング構成要素とは、第2のハウジング構成要素と機械的に連結される。第2のハウジング構成要素は通路を含む。
【0072】
機械継手の別の態様では、第1の溝および第2の溝は、中央空洞の両側においてハウジングの第1の開放端に配置される。第1リップおよび第2のリップは第1の開放端にある。第1リップおよび第2のリップは第1の溝および第2の溝とそれぞれ並ぶ。駆動パックは、第1の溝および第2の溝内で滑動可能に係合され、第1のリップおよび第2のリップによって、ハウジングの第1の開放端において第1の溝および第2の溝内で維持される。
【0073】
機械継手の別の態様では、第3の溝および第4の溝は、中央空洞の両側においてハウジングの第2の端部にある。第3のリップおよび第4のリップはハウジングの第2の端部にある。第3のリップおよび第4のリップは第3の溝および第4の溝とそれぞれ並ぶ。第2の駆動パックは、第3の溝および第4の溝内で滑動可能に係合され、第3のリップおよび第4のリップによって、ハウジングの第2の端部において第3の溝および第4の溝内で維持される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図3】回転の間の第2の位置における、
図2で示された継手を示す図である。
【
図4】回転の間の第3の位置における、
図2で示された継手を示す図である。
【
図5】回転の間の第4の位置における、
図2で示された継手を示す図である。
【
図7】回転の間の第1の位置における、
図6における継手の組立図である。
【
図8】回転の間の第2の位置における、
図7で示された継手を示す図である。
【
図9】回転の間の第3の位置における、
図7で示された継手を示す図である。
【
図10】回転の間の第4の位置における、
図7で示された継手を示す図である。
【
図11】回転の間の第5の位置における、
図7で示された継手を示す図である。
【
図12】炭素鋼から作られるときに継手の滑動構成要素を熱処理および低温処理する工程を示す図である。
【
図13】オーステナイトステンレス鋼から作られるときに継手の滑動構成要素を低温処理する工程を示す図である。
【
図14】合金でない鉄-セメンタイト系の二元状態図である。
【
図15】炭素鋼の連続冷却変態(CCT: Continuous Cooling Transformation)図である。
【
図16】2.0wt.%までの炭素の、炭素鋼についてのマルテンサイト開始(MS: Martensitic Start)温度およびマルテンサイト終了(MF: Martensite Final)温度の図である。
【
図53】ソケットレンチとしての継手の第7の実施形態の図である。
【
図56】
図55における線56-56に沿っての断面図である。
【
図61】キャリア軸受内における
図44の継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本開示の態様は、軸方向に並ばない軸同士を介しての回転力の伝達を効果的および効率的に可能にする装置および方法に向けられている。本技術は、本明細書では、自在継手の状況で記載されており、その状況における実用性を有する。しかしながら、開示されている技術は、他の状況においても使用できる。一部の実施形態は、装置の動作と干渉することなく容易に受け入れられる、押す、引っ張り、懸架などによって適用されるなどの軸方向の荷重も可能にする。
【0076】
以下に述べられている詳細な記載は、本開示の継手の特定の構造的な実施形態および製造の方法の記載として意図されており、本開示の技術が構築または利用され得る唯一の形態を表すように意図されているのではない。この記載は、継手を構築することと動作させることとのためのステップの機能および順序を述べている。しかしながら、同じまたは等価の機能および順序が異なる実施形態によって達成され得ることと、それらも本開示の範囲内において網羅されるように意図されていることとは、理解されるものである。
【0077】
X形継手の第1および第2の実施形態
図1~
図5は、継手10の第1の実施形態の構造を示している。継手10は、第1のシャフト12から第2のシャフト14へ、またはその逆で、回転移動を伝えるように構成されている。継手10は、第1のシャフト12と第2のシャフト14とが斜めの角度にある場合であっても第1のシャフト12からの回転の単位量が第2のシャフト14における回転の単位量に対応するように、1:1の割合で回転移動を伝える。例として、限定ではなく、第1のシャフト12の1°の回動は第2のシャフト14の1°の回動に対応する。第1のシャフト12と第2のシャフト14とは回転を通じて同じ速度で回転する。したがって、回転移動の間に第1のシャフト12と第2のシャフト14との間には拘束はない。第2のシャフト14は第1のシャフト12と同じ速さで回る。
【0078】
図1~
図5を引き続き参照すると、第1のシャフト12と第2のシャフト14とは角度17で斜めにされ得る。例として、限定ではなく、このような角度17はおおよそ0°から45°の間であり得る。継手10は、ハウジング20内で滑動し、枢動部材22に回転可能にピン留めされる一対の従動子(または軸受)16、18によって、第1のシャフト12から第2のシャフト14へ回転移動を伝えることができる。一部の実施形態では、枢動部材22は外側球面52を有する。従動子16、18は、第1のシャフト12と第2のシャフト14との間で可能な角度を増大させるのを助ける。また、継手10は軸方向の荷重を保持する。例として、限定ではなく、反対の力(例えば、重みによる力または引っ張る力)が第1のシャフト12と第2のシャフト14とに加えられ得る。
【0079】
一実施形態によれば、ハウジング20は第1の半体24と第2の半体26とを有する。第1の半体24および第2の半体26は、枢動部材22が係止されるハウジング20内の球形の空洞の一部分(つまり、第1の半体24と第2の半体26との間)を形成する内側球面28、30をそれぞれ有する。内側球面28は、ハウジング20の第1の半体24の内側32において途切れ得る。同様に、ハウジング20の第2の半体26の内側球面30は、ハウジング20の第2の半体26の内側34において途切れ得る。第1の半体24の内側球面28と第2の半体26の内側球面30との間のこの接合部分は、枢動部材22を保持する球形の空洞の赤道を定める。第1の半体24の厚さ36と第2の半体26の厚さ38とは、枢動部材22をハウジング20内空洞の中で保持するのに十分であり得る。別の言い方をすれば、枢動部材22は、軸方向の荷重が第1のシャフト12と第2のシャフト14とに加えられ得るように、第1の半体24と第2の半体26との間に挟まれる。軸方向の荷重は、引っ張りおよび圧縮を含む任意の方向性であり得る。
【0080】
第1の半体24および第2の半体26は内部の切欠き40、42、44、および46も有し得る。切欠き40~46の内面は軸47の周りに円筒形の構成を有し得る。軸47は、ハウジング20の第1の半体24の内側32および第2の半体26の内側34と平行である。さらに、軸47は、切欠き40、42および44、46が位置する平面に対して横断している。切欠き40~46は、従動子16、18を所定位置で保持し、第1のシャフト12および第2のシャフト14の回転移動の間、従動子16、18を軸47の周りで回転させることができる。
【0081】
従動子16、18は、切欠き40、42、44、46の内面40A、42A、44A、および46Aとそれぞれ合わさる外面16A、18Aを有し得る。従動子16、18の外面16A、18Aも円または円筒形を定め得る。好ましくは、従動子16、18の外面16A、18Aは、切欠き40~46の内面40A~46Aの円筒形の構成に合うために円筒形であり得る。従動子16、18の外面16A、18Aは切欠き40~46の内面40A~46Aにおいて滑動し、切欠き40~46の内面40A~46Aに対して過度に擦れることがなく、これは、第1のシャフト12と第2のシャフト14との間で移動の回転を伝えることを非効率的にさせる可能性がある。
【0082】
継手の他の実施形態において後でさらに記載されているように、従動子16、18は、一体のユニットとして形成でき、概してC字形の構成を定めるように作用できる。このような実施形態では、図示されているような2つの相対する従動子16、18を有することと対照的に、従動子16、18は、シャフト14がスプライン加工された凹部23と係合できるように通る開口を残す連続したC字形を形成するために相互接続され得る。
【0083】
従動子16、18の内面48、50は、継手10が組み立てられるときに球形を部分的に定めることができる。内面48、50は枢動部材22の外側球面52と合わさる。シャフト12、14の回転の間、従動子16、18は枢動軸54の周りで枢動できる。代替で、従動子16、18の内面48、50は、平坦面を備え得る、および/または、ピン56、58の周りで枢動部材の両側に位置する枢動部材の外面において平坦な領域と滑動可能に係合され得る。
【0084】
枢動軸54は、枢動部材22から側方に延び出すピン56、58によって定められ得る。ピン56、58は、枢動部材22への単一構造として製作され得る。代替で、ピン56、58は、枢動部材22とは別とされてもよく、枢動部材22に形成された凹部60、62内に位置してもよい。この実施形態では、ピン56、58は、枢動部材22内の単一の凹部60を通って延びるピン56であり得る。ピン56、58は、第1および第2の従動子16、18の対応する凹部60、62内に配置されてもよい。さらなる代替として、ピン56、58は従動子16、18への単一の構造として形成されてもよく、ピン56、58は内向きに突出し、枢動部材22に形成された合致する凹部内に受け入れられてもよい。したがって、第1および第2の従動子16、18が枢動軸54に対する軸方向の登録でどのように維持され得るかに関して、様々な機構のいずれかが利用できることと、その維持が、前述の機構のいずれかに加えて、従動子16、18、枢動部材22、または両方のどれに形成される機構を通じてであっても、従動子16、18を枢動軸54の周りで枢動部材22の外側球面52と解除可能に相互接続させることができる任意の追加の機構によって達成できることとは、当業者によって容易に理解および認識され得る。
【0085】
継手10は、ハウジング20の第1の半体24と第2の半体26との間に位置決めされるOリング64も有し得る。Oリング64は、第1の半体24の内側32および第2の半体26の内側34の中に形成された溝内に位置できる。Oリング64は、使用中にグリスまたは潤滑剤をハウジング20において保持するように供し得る。一部の実施形態では、柔軟なスリーブが継手10にわたって延在でき、第1のシャフト12および第2のシャフト14の周りで固定され得る。この柔軟なスリーブはグリスまたは他の潤滑剤を含んでもよい。
【0086】
シャフト12、14はハウジング20および枢動部材22にそれぞれ固定される。シャフト12、14の一方はハウジング20に固定され得る。シャフト12、14の他方は枢動部材22に固定され得る。
図2では、シャフト12はハウジング20に固定的に固定されるとして示されており、一方、シャフト14は枢動部材22に固定的に固定されるとして示されている。シャフト12はハウジング備付部66に固定され得る。ハウジング備付部66は、技術的に知られている任意の手段、または、将来において開発される任意の手段によって、ハウジング20の第1の半体に取り付けられ得る。例として、限定ではなく、ハウジング備付部66は、ハウジング20の第1の半体24にボルト留め、接着、または溶接され得る。さらに、第1のシャフト12はハウジング備付部66に対して固定の関係を有し得る。第2のシャフト14は、枢動部材22に対して固定した関係を有するために、枢動部材22に固定され得る。第2のシャフト14はスプライン加工されてもよく、枢動部材22のスプライン加工された凹部23と滑動可能または固定的に係合してもよい。
【0087】
ハウジング20の第2の半体26の横側は円錐状面76を定め得る。円錐状面76は、円錐状面76なしで第2の半体26を形成する場合と比較して第1のシャフト12と第2のシャフト14との間の角度17をより大きい角度まで増大させることができる。第2のシャフト14は、第1のシャフト12と第2のシャフト14との間の角度17がその最大角度にあるとき、継手10の回転移動の間に円錐状面76のより近くに隣接することになる。
【0088】
ここで
図2~
図5を参照すると、継手10の動作が示されている。シャフト12、14は角度17に設定される。シャフト12が
図2における回転矢印によって示されているように回転するとき、シャフト12はハウジング備付部66を回転させる。ハウジング備付部66がハウジング20に固定されるため、シャフト12の回転は結果的にハウジング20も回転させる。回転運動が、ハウジング20から、ハウジングの切欠き40~46内に配置される従動子16、18へ伝えられる。回転の間、従動子16、18は切欠き40~46内で滑動する。従動子16はハウジング20からある程度まで外へ移動し、一方、従動子18はハウジング20へ後退する。回転運動はピン56、58を経由して枢動部材22へも伝えられる。ピン56、58は凹部60、62内で回転可能に配置される。ピン56、58は枢動部材22へ接続される。枢動部材22は、枢動部材22が第2のシャフト14に固定的に取り付けられるため、回転運動を第2のシャフト14へ伝える。
【0089】
従動子16、18と枢動部材22との間では、枢動部材22は従動子16、18に対して枢動軸54の周りで枢動する。ハウジング20と従動子16、18との間では、従動子16、18は、ハウジング20に形成される切欠き40~46内において軸47の周りで回転可能に滑動する。第1のシャフト12の回転移動を通じて、(1)従動子16、18は切欠き40~46内で滑動でき、(2)枢動部材22は従動子16、18に対して枢動する。これは、
図2~
図5に示された回転の順番によって示されている。
【0090】
図1~
図5に示された実施形態では、継手10は、ハウジング20の第1の半体24および第2の半体26の切欠き40~46内で滑動する従動子16、18を有する。従動子16、18は、ピン56、58が切欠き40~46の内面に負わせる可能性のある応力集中を軽減するために、ピン56、58によって負わされる荷重を分配する。さらに、従動子16、18は、第1のシャフト12および第2のシャフト14をより大きい角度17で設定させることができる。しかしながら、継手10が従動子16、18なしでも機能できることも企図されている。シャフト12、14の回転移動の間、ピン56、58は切欠き40~46の内面において滑動および回転できる。角度17は、ピン56、58が切欠き40~46から出る位置までに制限される。この点において、従動子16、18は、第1のシャフト12と第2のシャフト14とをより大きな角度に設定させながらも、第1のシャフトと第2のシャフトとの間で回転運動を伝達させることができる。
【0091】
2つ以上の継手10が直列で互いに固定され得ることも企図されている。第1の継手10の第2のシャフトが第2の継手10の第1のシャフトと同軸に位置合わせされて取り付けられ得る。第2の継手10の第2のシャフトが第3の継手10の第1のシャフトと同軸に位置合わせされて取り付けられ得る。第1の継手10の第1のシャフトの回転は、第3の継手10の第2のシャフトを回転させるように作用できる。この例では、3つの継手10が回転運動を伝達するために互いに接続された。継手10の第1のシャフトおよび第2のシャフトの各々は斜めの角度であり得る。
【0092】
先に記載されているように、一部の実施形態の態様は、一部の滑動構成要素の表面における摩耗が最小限にされ得る、および/または、制御され、それによって、継手の有効な耐用期間が延長され得る、および/または、継手の動的な荷重能力が増加され得ることの実現である。このような構成は、滑動構成要素の所望の摩耗特性に応じて、継手10において実施され得る。例えば、一部の実施形態では、従動子16、18(単独で、または、一体のC字形のユニットとしてのいずれか)は、ハウジング半体24、26より、より安価に製造され得る、ならびに/または、点検および交換するのがより容易であり得る。したがって、ハウジング半体24、26の一方または両方の内面40A~46Aにおける摩耗を最小限にすることが、継手10の目的であり得る。そのために、継手10の一部の実施形態では、ハウジング半体24の内面40A、42Aおよび/またはハウジング半体24の内面44A、46Aは、従動子16、18の外面16A、18Aの硬度より大きい硬度を有し得る。これらの実施形態では、ハウジング半体24の内面40A、42Aおよび/またはハウジング半体24の内面44A、46Aは、ロックウェル硬度スケール(HRC)において測定されるとき、従動子16、18の外面16A、18Aより、少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント硬い。例えば、ハウジング20および従動子16、18が鋼から作られる一部の実施形態では、内面44A、46Aの硬度は44HRCであり、外面16A、18Aは、43HRC、42HRC、または39HRCの硬度を有する。
【0093】
継手10の他の実施形態では、ハウジング半体24、26は、従動子16、18より、安価に製造され得る、ならびに/または、点検および交換するのが容易である。したがって、一方または両方の従動子16、18の外面における摩耗を最小限にすることが、継手10の目的であり得る。そのために、ハウジング半体24の内面40A、42Aおよび/またはハウジング半体24の内面44A、46Aは、従動子16、18の外面16A、18Aの硬度より小さい硬度を有し得る。これらの実施形態では、ハウジング半体24の内面40A、42Aおよび/またはハウジング半体24の内面44A、46Aは、ロックウェル硬度スケールにおいて測定されるとき、従動子16、18の外面16A、18Aより、少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント柔らかい。例えば、ハウジング20および従動子16、18が鋼から作られる一部の実施形態では、内面44A、46Aの硬度は40HRCであり、外面16A、18Aは、42HRC、43HRC、または45HRCの硬度を有する。
【0094】
他の実施形態では、外側球面52における摩耗を最小限にすることが継手10の目的であり得る。例えば、一部の実施形態では、ハウジング半体24、26は、枢動部材22より、安価に製造され得る、ならびに/または、点検および交換するのが容易である。そのために、外側球面52は、第1の半体24の内側球面28の硬度および/または第2の半体26の内側球面30の硬度より大きい硬度をそれぞれ有し得る。これらの実施形態では、外側球面52は、ロックウェル硬度スケールにおいて測定されるときに関して、第1の半体24の内側球面28の硬度および/または第2の半体26の内側球面30の硬度より、少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント大きい硬度を有し得る。例えば、ハウジング20および従動子16、18が鋼から作られる一部の実施形態では、外側球面52の硬度は48HRCとでき、内側球面28および/または内側球面30は、46HRC、45HRC、または40HRCの硬度を有し得る。
【0095】
他の実施形態では、内側球面28および/または内側球面30における摩耗を最小限にすることが継手10の目的であり得る。例えば、一部の実施形態では、ハウジング半体24、26は、枢動部材22より、安価に製造され得る、および/または、点検および交換するのが困難である。そのために、外側球面52は、第1のハウジング半体24の内側球面28の硬度および/または第2のハウジング半体26の内側球面30の硬度より小さい硬度をそれぞれ有し得る。これらの実施形態では、外側球面52は、ロックウェル硬度スケールにおいて測定されるときに関して、第1の半体24の内側球面28の硬度および/または第2の半体26の内側球面30の硬度より、少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント小さい硬度を有し得る。例えば、ハウジング20および従動子16、18が鋼から作られる一部の実施形態では、外側球面52の硬度は40RCとでき、内側球面28および/または30は、42HRC、43HRC、または45HRCの硬度を有し得る。
【0096】
図6~
図11は、継手10aがソケットレンチ78に適用される本開示の別の態様を描写している。継手10aの一端において、ハウジング82の第1の半体80は、ソケット駆動機構84に備え付けるような大きさおよび構成とされ得る。ソケット駆動機構84は、継手10aの第1の半体80をソケットレンチ78へ保持するバネ戻り止めを有し得る。
【0097】
ソケットレンチ78は、ハウジング82と、ソケット88に取り外し可能に固定され得るソケットコネクタ86とを駆動する。継手10aによって、機械工または使用者は、到達しにくい場所におけるねじ、ナット、またはボルトを、それにアクセスできず、ソケットレンチ78への視線を得られない場合であっても、回転させることができる。
【0098】
継手10aは、
図1~
図5に示されているような継手10に関して記載されたことと同様の手法で動作する。その考えに倣って、継手10aは、第1の半体80と第2の半体85とを含む2つの部品のハウジング82を有し得る。2つの半体80、85は、内面90、92を用いて球形の空洞の少なくとも一部分を集合的に形成する。内面90、92は、第1の半体の内側面94と第2の半体85の内側面96とにおいて結合される。この結合は、内面90、92によって定められる球形の空洞の赤道を定める。さらに、継手10aは、内面90、92によって定められる球形の空洞内で第1の半体80と第2の半体85との間で捉えられる内部球形部材98を有する。
【0099】
継手10aは、ピン95を用いて内部部材98にピン留めされる従動子16、18を追加的に有する。ピン95は、内部球形部材98を通じて延び、内部部材98から外面の外へ突出する。従動子16、18は、ピン95を受け入れる貫通孔または凹部97、99を各々含み、従動子16、18を内部部材98に対して枢動させることができる。ハウジング82の第1の半体80および第2の半体85は、ねじ87を用いて共に保持され得る。
【0100】
第1の半体80および第2の半体85は、従動子16、18を受け入れる切欠き70、71、72、および73も有する。従動子16、18の外面16A、18Aは、切欠き70、71、72、73内面に対して形において概して相補的である構成を定める。従動子16、18の外面16A、18Aは、切欠き70、71、72、および73内で滑動する。従動子16、18内面は、内部部材98の球形の外面と合わされる球形の構成を少なくとも部分的に定め得る。
【0101】
継手10aは、第1のシャフト(つまり、ソケット駆動機構84)と第2のシャフト(つまり、ソケットコネクタ86)との間の角度81を一時的に保持するために、位置決めねじ53を有し得る。位置決めねじ53の遠位先端はテフロン被覆され得る。位置決めねじ53はタップ孔55へ捩じ込まれ得る。タップ孔55は、位置決めねじが内部部材98の外部面を押さえ付けるように位置合わせされ得る。しかしながら、位置決めねじが従動子16、18のいずれか1つの外面16A、18Aを押さえ付けるように、タップ孔55がハウジングに形成され得ることも企図されている。使用者は、ソケットコネクタ86をソケット駆動機構84への相対的な位置において保持し、内部部材98の外部面を押さえ付ける位置決めねじ53を締め付けることによって、第1のシャフトと第2のシャフトとの間の角度を設定できる。位置決めねじ53は、内部部材98の外部面への損傷を防止するために、テフロンの先端を有してもよい。
【0102】
継手10aは、ボルト79を回すために回転され得る。ソケットレンチ78は、継手10aのハウジング82の第1の半体80に接続される。ソケット88はソケットコネクタ86に取り付けられる(
図7参照)。ボルト79とソケット駆動機構84との間の角度は、位置決めされ、内部部材98を押さえ付ける位置決めねじ53を締め付けることで所定位置において設定され得る。この手法では、ソケットレンチ78、継手10a、ソケット88、およびボルト79が角度81で設定され得る。使用者は、ソケットレンチ78の取っ手の使用だけで、ボルト79を所定位置へ操作できる。
【0103】
X形継手の製造方法
本明細書に記載されている一部の実施形態の態様は、本明細書に記載されている継手(継手10および10aと、以下に記載されている他の継手とを含む)のいずれかの滑動構成要素への熱処理の適用によって、継手の有効な耐用期間が延長され得る、および/または、継手の動的な荷重能力が増加され得ることの実現を含む。継手10の滑動構成要素(ハウジング20と、従動子16、18と、枢動部材22とを含む)の意味において本明細書で記載されているが、本明細書に記載されている他の継手の実施形態での対応する構成要素は、同じ方法に従って処理され得る。
図12~
図16に関連して記載された製造ステップの適用を通じて、切欠き40~46の内面40A~46A、内側球面28、30、従動子16、18の外面16A、18A、および/または枢動部材22の外側球面52はより大きな耐摩耗性とされ得る、ならびに/または、継手10の耐用期間およびトルク能力は高められ得る。
【0104】
図12は、炭素鋼から作られるときに継手10の滑動構成要素を熱処理するための工程100による製造ステップを示している。ステップ102は、従来の製造方法および機械加工方法を用いて、継手10の構成要素を先に記載されているように製造することを含む。本開示の一部の実施形態では、先に記載された継手の滑動構成要素が、従来のよく知られている機械加工方法および製作方法を用いて、炭素鋼から製造される。これらの方法は、限定されることはないが、フライス加工技術、旋削技術、ブローチ削り、鍛造、粉末冶金、放電加工(EDM)、および他の従来の技術を用いる鋼からの機械加工の任意の組み合わせを含み得る。滑動構成要素の各々は炭素鋼から製造でき、各々の滑動構成要素についての炭素鋼は、同じであり得る、または、他の滑動構成要素のうちのいずれかと異なる炭素鋼であり得る。熱処理工程のための適切な炭素鋼の特性は以下において詳述されているが、本明細書において列記される鋼の種類に決して限定されない。適切な炭素鋼には、4140、4340、および300MなどのSAE 4000の鋼がある。
【0105】
ステップ104および106は、マルテンサイトを形成するために、滑動構成要素の熱処理と、それに続く焼入れとを含む。方法の一部の実施形態では、ステップ102はステップ104および106の後に実施され得る。滑動構成要素を熱処理することは、滑動表面または係合表面を含め、滑動構成要素の形状の若干の変形を引き起こす可能性がある。厳しい公差を有する継手の実施形態では、これらの若干の変形が継手の組立および動作と干渉する可能性がある。したがって、ステップ102の機械加工の前にステップ104および106を実施することは、これらの変形を排除することによって有利となり得る。このような実施形態では、ステップ108および110(低温硬化方法を伴って以下に記載されている)がステップ102の後に実施されてもよい。一部の実施形態では、ステップ112の焼戻しは、ステップ102の機械加工の間の滑動構成要素の所望の硬度に応じて、ステップの102の前または後のいずれかに実施されてもよい。
【0106】
ステップ104は、構成要素の温度を鋼の臨界温度まで上昇させることを含み、臨界温度は鋼の共析温度より高く、共析温度において、固溶の鉄-炭素系が平衡状態の下でオーステナイト(ガンマ(γ)相の鉄としても知られている)へ変換する。
【0107】
図14は、合金でない鉄-セメンタイト系の平衡同素体を示す二元状態図を示している。
図14に示された合金でない鉄-セメンタイト相系は、本方法の本質的な概念を図示および説明するために本明細書で使用されている。
図14における点Aは、鉄-セメンタイトの摂氏727度の共析点を示している。オーステナイト線DおよびEの下方および臨界温度の上方では、鋼の微細構造の一部がオーステナイトへ変換される(他の材料はフェライトおよびセメンタイトである)。オーステナイト線DおよびEは、完全にオーステナイトの領域Bの最も下の下部を定める。
【0108】
ステップ104および106に記載されている熱処理ステップについての適切な鋼は、
図14と同様の状態図を有する。鋼における追加の合金化元素の存在に依存して(Cr、V、Bo、およびNiなど)、臨界温度(および鋼の他の物理的特性)は、
図14に示されているような合金でない鉄-炭素の臨界温度より高いかまたは低くなることができ、異なる炭素含有量において起こり得る。
図14に記載されている方法に適した鋼には、他の硬化性炭素鋼(工程100の一部として記載されているオーステナイトからマルテンサイトへの変態が可能である)がある。
【0109】
ここでの製造の方法の一部の実施形態では、すべての量の鋼がオーステナイトへ変換され、平衡に近い条件が満足されるだけの長さで臨界温度より上で保持されるときなどに起こることになる。
図14は、領域Bにおいて完全にオーステナイトの相を示している。点Cは、オーステナイト相内での炭素および鉄の最大溶解度を表している(2.03wt.%)。したがって、オーステナイトへの鋼の完全または実質的に完全な変換について、鋼は最大の炭素含有量を越えて含むことはできない(この最大の溶解度レベルは、炭素鋼における他の合金化の金属の存在に基づいて変化し得る)。
【0110】
ステップ104は、滑動構成要素の鋼の温度を高くすることと、その温度を、臨界温度よりも高い温度において、セメンタイト(Fe3C)および/またはフェライトアルファ相の鉄(α)からオーステナイトへの鋼の変態を実質的に完了させるためにオーステナイト化時間にわたって保持することとを含み得る。方法の一部の実施形態では、構成要素は、鋼の95%がオーステナイトへ変換されるように臨界温度より上で保持される。構成要素の質量および形状に依存して、オーステナイト変換時間は、より長くされ得るか、または、より短くされ得る。典型的には、オーステナイト化時間は1時間である。継手10の滑動構成要素部品についての以下の表は、鋼の95%が1時間以内にオーステナイトへ変換される例示の臨界温度を示している。
【0111】
【0112】
オーステナイトは、面心立方(FCC)結晶構造を有し、FCC構造において作り出された格子間の空孔内に炭素原子を含む。オーステナイトを臨界温度未満で冷却することで、オーステナイトをフェライトおよび/またはセメンタイトへ変換させ、体心立方(BCC)結晶構造へ変換させることができるが、オーステナイトにおける炭素がオーステナイトから拡散して鉄原子および他の炭素原子と結合するほどに冷却が遅い場合、フェライトまたはセメンタイトを形成する。このような場合、フェライトおよびセメンタイトは、ベイナイトまたはパーライトとして知られる交互のラメラ層で形成する。
【0113】
一方で、ステップ106は、形成されたオーステナイトを、炭素原子がオーステナイトからフェライトまたはセメンタイトのいずれかへ拡散できるよりも素早く冷却することを含む。素早い焼入れの結果として、オーステナイトはマルテンサイトへ変換し、マルテンサイト結晶構造における微小空洞内の過剰な炭素原子がオーステナイトから拡散してセメンタイトまたはフェライトのいずれかを形成する前にそれらを捕捉する非平衡相の鉄合金へ変換する。
【0114】
図15は、炭素鋼についての例示のCCT(連続冷却変態)図を示している。このようなCCT図は、鋼の所望の微細構造に基づくオーステナイト化温度において保持される特定の鋼についての焼入れ速度を選択するために使用される。
図15に示されているように、オーステナイト相における鋼をおおよそ50℃/secより遅い速度で冷却することは、バイナイト微細構造の相当の形成をもたらす。このような結果は、油焼入れ、空気焼入れ、または炉冷却を通じて典型的には得られる。オーステナイト相における鋼をおおよそ50℃/secより速い速度で冷却することは、バイナイト微細構造の形成を実質的に回避し、マルテンサイト微細構造となる。このような結果は、水焼入れまたは同様の素早い焼入れ材料を通じて典型的は得られる。継手10の製造において使用される各々の炭素鋼は、マルテンサイトを形成するためにオーステナイト相において鋼を焼入れするための適切な冷却速度が導き出せ得る固有のCCT図を有している。
【0115】
引き続き
図15を参照すると、ステップ106の一部として、滑動構成要素はマルテンサイト開始(MS)温度未満へ素早く冷却され、そのマルテンサイト開始温度(MS)において、オーステナイトはマルテンサイトへ変換し始め、マルテンサイト開始(MS)温度未満では、マルテンサイト終了(MF)温度に到達されるまで、追加のオーステナイトがマルテンサイトへ変換される。
図16は、2.0wt.%までの、合金でない鉄-セメンタイト系についてのマルテンサイト開始(MS)温度およびマルテンサイト終了(MF)温度の図を示している。
【0116】
理想的には、MS温度(および、続くMF温度)は、
図16に示されているように、オーステナイトの粒界に沿って形成されるパーライトまたはバイナイトの量を制限するために、できるだけ素早く到達される。オーステナイトからマルテンサイトへの変換は、ほとんどが完全には行われず、完全な変態より実質的に低くなり得る。ステップ106の一部の実施形態では、鋼の微細構造の少なくとも95%がマルテンサイトへ変換される(本明細書で使用されるとき、%の記号は体積%に言及しているだけである)。
【0117】
MS温度およびMF温度も、鋼の種類の合金特性(炭素含有量を含む)に応じて大きく変化する。例えば、鋼の一部の炭素含有量について、
図16に示されているように、MF温度は室温より低い(おおよそ20℃)。したがって、マルテンサイトへのオーステナイトの完全な変態は、室温への冷却によっては完全となることができない。さらに、MF温度が時間までに到達されない場合であっても、鋼は室温まで焼入れされ、マルテンサイト微細構造内の機械的応力のため、鋼は残留オーステナイトをなおも含み得る。鋼の結果生じるマルテンサイト構造は、大きくて17%から少なくて3%以下までの残留オーステナイトを含み得る。マルテンサイト変換の完了は、低温処理に向けられたステップ110に関連して後でさらに対処されている。
【0118】
ステップ108は、選択された構成要素を臨界温度未満で焼戻しすることを含む。臨界温度未満で焼戻しすることで、先のステップによって鋼内に作り出されたマルテンサイト微細構造は、オーステナイトへ戻すように変換させることができない。しかしながら、マルテンサイトを作り出すことから内応力が焼戻しを通じて軽減され得る。また、析出したエータカーバイド(eta-carbide)が、マルテンサイト構造における欠陥内において成長される可能性があり、任意の残っているオーステナイトは焼戻しを通じてセメンタイトへ分解され得る。この焼戻しは、同じマルテンサイト構造を維持しつつ、選択された構成要素の脆性を低減し、その延性および靱性を増加させる。滑動構成要素の所望の硬度に応じて、焼戻し温度および焼戻し時間が、その所望の硬度の維持を達成するために選択され得る。例えば、水における焼入れの後、4340鋼は、おおよそ60HRCの最大の硬度を有し得る。1時間にわたる550℃での焼戻しの後、硬度はおおよそ40HRCまで低下され得る。
【0119】
概して、より高い焼戻し温度およびより長い焼戻し時間を選択することは、より大きい靱性とより小さい硬度とを有し、そのためより小さい耐摩耗性を有する構成要素を作り出す。本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数の従動子16、18は、ハウジング半体24、26と比べて、より高い温度で焼戻しされる、および/または、より長く焼戻しされる。したがって、より複雑なハウジング半体の構成要素の耐摩耗性が、より容易に製造される1つまたは複数の従動子16、18の耐摩耗性に対して制御され得る。一部の実施形態では、焼戻しされたハウジング半体24、26のいずれかの硬度は、従動子16、18の外面16A、18Aの硬度より大きい。一部の実施形態では、焼戻しされたハウジング半体24、26のいずれかの硬度は、従動子16、18の外面16A、18Aの硬度より、ロックウェル硬度スケールにおいて少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント大きい。
【0120】
本開示の一部の実施形態では、ハウジング半体24、26は、枢動部材22の外側球面52と比べて、より高い温度で焼戻しされる、および/または、より長く焼戻しされる。したがって、枢動部材22の耐摩耗性が、より素早く摩耗することのないハウジング半体24、26の耐摩耗性に対して制御され得る。一部の実施形態では、焼戻しされた外側球面52の硬度は、ハウジング半体24、26の内側球面28、30の硬度より大きい。一部の実施形態では、外側球面52の硬度は、内側球面28、30の硬度より、ロックウェル硬度スケールにおいて少なくとも2ポイント、3ポイント、または5ポイント大きい。
【0121】
一部の実施形態では、熱処理する方法は、ステップ108の後に終わる可能性がある。例えば、室温より高いMF温度を有する鋼は、室温へ冷却することで、マルテンサイト変態を表向きには完了することになる。そのようにして、滑動構成要素の所望の硬度が達成されると、さらなる処理は不必要であり得る。しかしながら、一部の実施形態では、低温方法を用いるさらなる処理は、後で記載されているように、追加の利点を結果生じる滑動構成要素(室温より高いMF温度でのそれらの鋼を含む)に付与できる。このようにして、一部の実施形態では、ステップ108は、ステップ110および112の前または後に実施され得る。
【0122】
工程100の熱処理ステップは、継手10の状況において先に記載されているように、滑動表面同士での差のある硬度を作り出すために用いられ得る。また、工程100のステップは、継手10aおよび本明細書に記載されている他の継手について、滑動表面同士での差のある硬度を作り出すために用いられ得る。
【0123】
本開示の別の態様は、継手10の滑動構成要素(ハウジング半体24、26、1つまたは複数の従動子16、18、および枢動部材22)への低温処理の適用によって、継手の有効な耐用期間が延長され得る、および/または、継手の動的な荷重能力が増加され得ることの実現である。以下において、および、
図12との関連において記載されている製造ステップの適用を通じて、内面40A~46A、内側球面28、30、および/または枢動部材22の外側球面52は、残留オーステナイトの量を低減することによって、および、より均一なマルテンサイト粒子構造を達成することによって、より大きな耐摩耗性とされ得る。
図12は、低温処理を継手10の滑動構成要素に適用するための製造ステップをさらに示している。これらのステップは、回転コネクタ10のいずれかまたはすべての滑動摩耗構成要素、つまり、第1のハウジング半体24、第2のハウジング半体26、および枢動部材22に様々に適用され得る。したがって、一部の実施形態では、後で詳述されている滑動構成要素は、第1のハウジング半体24および/または第2のハウジング半体26と、枢動部材22とを含み得る。低温処理のための滑動構成要素は、継手の構成要素として本明細書では言及されている。
【0124】
ステップ110は、室温未満の構成要素を低温温度までさらに冷却することを含む。効果的な低温温度は、-115℃または-184℃もの低さであり得る。構成要素を低温温度範囲内で冷却することは、マルテンサイトへの残留オーステナイトの変換を継続させて、より完全なマルテンサイトの母材を形成する。残留オーステナイトは、マルテンサイトの母材内で弱い所として作用し、圧縮荷重への材料の全体の抵抗を低減させ、材料をより亀裂させやすくしてしまう。残留オーステナイトを最小限または除去することは、より均一なマルテンサイト構造を作り出し、母材内に存在し得る、他の合金元素の溶解度を低下させることで母材内にこれらの元素を分散させることで、表面における摩耗特性を向上させる。これらの変化の正味の効果は、より安定した材料を作り出し、そのためより耐久性のある材料を作り出すことである。
【0125】
室温未満は、
図16に示されているように、一部の鋼については、MF温度未満までの鋼の焼入れを完了するために必要とは限らない。おおよそ0.5wt.%より多くの炭素では、室温は、マルテンサイト変態の完了を指し示す鋼のMF温度未満である。したがって、低温処理が、これらの鋼について、MF温度に到達するために必要とされる。しかしながら、低温処理は、マルテンサイト変態を完了するために低温温度を必要としないこれらの鋼についても便益を有する。鋼が、MF温度に到達したにも拘らず、マルテンサイトへ変換されない残留オーステナイトを含む可能性がある。低温処理は、この残留オーステナイトを完全に変換または最小限にするために使用でき、その便益は正に先に詳述されている。さらに、低温処理は、マルテンサイト構造の微小空洞内に超微粒エータカーバイドを析出させ、粒子構造を閉じ、圧縮強度および密度を鋼に加え、鋼の耐摩耗性を向上させる。
【0126】
ステップ112は、選択された構成要素を低温温度未満において効果的な浴時間にわたって維持することを含む。低温温度におけるマルテンサイトへの残留オーステナイトの遅い変態速度のため、浴時間は12時間から24時間以上の間にわたる可能性があり、最短でおおよそ8時間である。さらに、構成要素を低温温度へ冷却することは、構成要素に亀裂を作り出す危険のある構成要素の温度における素早い変化を回避するために、制御された温度低下を必要とする。低温硬化のための例示の温度プロファイルは、構成要素の温度を、室温から-184℃未満まで工程の最初の6時間にわたって徐々に低下させ、その温度をおおよそ12時間にわたって保持してから、次の6時間にわたって温度を室温まで戻すように徐々に上昇させる。別の例では、構成要素の温度は、-115℃未満まで徐々に低下され、8時間から24時間の間で保持されてから、室温まで徐々に戻される。
【0127】
低温処理工程の一部の実施形態では、オーステナイトステンレス鋼が、オーステナイトステンレス鋼を硬化させるためのオーステナイトステンレス鋼工程200を示す
図13において要点が述べられているように使用される。オーステナイトステンレス鋼は大量のニッケルとクロムとを含む。例えば、SAE 304は、いくつかの合金元素の中でも、17.5%のクロムと8~11%のニッケルとを含む。オーステナイトステンレス鋼は、室温においてそれらの主要相としてオーステナイトを呈し、したがって熱処理によって硬化可能ではない。それにも拘らず、オーステナイト鋼から作られる構成要素の低温処理は、処理されていないオーステナイト鋼と比較して、向上した摩耗能力および荷重能力を呈する。低温処理工程は、例えば、オーステナイト微細構造内にカーバイドを析出し、それによって硬度を失うことなく靱性を向上させる。
【0128】
ステップ202は、継手の構成要素を、従来の製造および機械加工の方法(例えば、ステップ102に関して記載されているように)を用いて、および、滑動構成要素のうちの少なくとも1つについてオーステナイトステンレス鋼を用いて、本明細書に記載されているように製造することを含む。適切なオーステナイト鋼には、限定されることはないが、Nitronic 50、SAE 304 SS、およびSAE 316 SSがある。
【0129】
ステップ204は、室温未満の構成要素を低温温度までさらに冷却することを含む。効果的な低温温度は、先に記載されているように、-115℃または-184℃もの低さであり得る。
【0130】
ステップ206は、選択された構成要素を低温温度未満において効果的な浴時間にわたって維持することを含む。浴時間はおおよそ12時間から24時間以上の間にわたる可能性がある。さらに、構成要素を低温温度へ冷却することは、構成要素に亀裂を作り出す危険のある構成要素の温度における素早い変化を回避するために、制御された温度低下を必要とする。低温硬化のための例示の温度プロファイルは、構成要素の温度を、室温から-184℃未満まで工程の最初の6時間にわたって徐々に低下させ、その温度をおおよそ12時間にわたって保持してから、次の6時間にわたって温度を室温まで戻すように徐々に上昇させる。別の例では、構成要素の温度は、-115℃未満まで徐々に低下され、8時間から24時間の間で保持されてから、室温まで徐々に戻される。
【0131】
低温硬化を含む上記の方法およびステップは、継手10の滑動構成要素に注目すべき有益な特性を付与する。例えば、低温硬化は、耐摩耗性を増加させる効果を有し、硬度と靱性とを増加させ、および/または、滑動構成要素の表面の摩擦係数を低下させる。例えば、工程100および200の低温硬化ステップは、継手10の状況において先に記載されているように、滑動表面同士での差のある硬度を作り出すために用いられ得る。また、オーステナイトステンレス鋼の工程200は、継手10aおよび本明細書に記載されている他の継手について、滑動表面同士での差のある硬度を作り出すために用いられ得る。
【0132】
蒸着被覆には、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、ならびに、低圧化学蒸着およびプラズマ支援化学蒸着などの同様の加工があり得る。さらに、PVDは、真空またはほぼ真空内で起こり、正に帯電されたイオンでの基材の照射を概して伴う多くの異なる被覆加工を言い表している。様々な反応ガスも、化合物被覆を作り出すために真空室へ導入され得る。このようにして、被覆深さ、組成、および結合が、特定の用途のために高度に調整される。PVD工業被覆には、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化クロム、窒化アルミニウムがあり、それらのすべてが鋼に適している。
【0133】
CVDは、特定の雰囲気の種類において、高い温度(おおよそ1000℃)で、CVD反応路内で実施される。CVDでは、基材の表面が加熱され、薄い膜の被覆が、表面とCVD反応路内の様々な気相との間の反応の結果として、表面に形成される。耐摩耗性のためのCVD工業被覆には、炭化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムチタン、炭化クロム、窒化クロム、二硫化モリブデン、炭化ニオブ、窒化チタンアルミニウム、窒化チタン炭素、および窒化ジルコニウムの被覆がある。
【0134】
本明細書に記載されている継手の製造の方法の一部の態様によれば、PVDおよびCVDを含む蒸着被覆は、従動子16、18の外面16A、18Aのいずれか、および/または、ハウジング半体24、26の切欠き40~46の内面40A~46Aの任意の組み合わせに適用され得る。したがって、継手の滑動構成要素間の摩耗は低減され、継手の耐用期間および信頼性を向上させ得る。また、枢動部材22の外面52、および/または、ハウジング半体24、26の内側球面28、30は、被覆され得る。したがって、滑動構成要素を製作するためにより複雑またはより高価である耐摩耗性は、滑動構成要素を製作するためにより高価でないまたはより安い耐摩耗性に対して制御され得る。
【0135】
本明細書において記載されている継手の製造の方法の一部の実施形態では、滑動構成要素の被覆硬度は64HRCであり得る。他の実施形態では、滑動構成要素の被覆硬度は、以下の表における範囲内で見出され得る。
【0136】
【0137】
先に記載されている熱処理、低温、および蒸着の方法(および、これらの方法の組み合わせ)に加えて、製造の方法の一部の実施形態は、滑動構成要素の表面硬化および/またはショットピーニングの方法をさらに含み得る。これらの方法の各々は、滑動構成要素の滑動表面の耐摩耗性および硬度を高める。
【0138】
表面硬化は、滑動構成要素の外面を硬化することと、その下の金属をより柔らかくより延性のあるままにすることとを含む。表面硬化は、追加の炭素を外面層へ注入することもでき、外面層を、低炭素含有量の鋼について可能な他の部分より大きい硬度に到達させることができる。表面硬化は、限定されることはないが、炎焼入れまたは高周波焼入れ、浸炭(低炭素含有量の鋼について)、および窒化を用いるなど、様々な方法を通じて実施できる。表面硬化によって引き起こされる最小限の歪みのおかげで、継手の滑動構成要素は、機械加工された後に表面硬化され得る。
図12と、先に要点が述べられた炭素鋼を熱処理する工程とを参照すると、表面硬化は、機械加工するステップ102の後に実施でき、部品はその最終的な形態へ成形されている。例えば、継手10または10aの構成要素のいずれかまたはすべては、その摩耗特性を向上させるために窒化され得る(例えば、滑動構成要素の表面)。窒化の1つの例示の工程では、構成要素は482~621℃(華氏900~1,150度)の間まで加熱され(鋼部品について)、アンモニア(NH3)の形態での窒素の濃いガスに露出される。アンモニアが加熱された構成要素に接触するとき、アンモニアは窒素および水素へ解離し、窒素層の形態で表面へ拡散する。表面硬化は、構成要素が焼入れ、焼戻し、および/または機械加工されたされた後に行われ得るが、これは表面硬化が歪みをほとんどからまったく引き起こさないためである。
【0139】
ショットピーニングは、構成要素の表面に圧縮残留応力層を生成し、表面の硬度を増加させる。方法は、小規模の塑性変形を作り出すために十分な力を伴うショット(金属、ガラス、またはセラミックの粒子)で表面に衝突することを含み、冷間加工工程と見なされる。ショットピーニングの方法は、限定されることはないが、遠心式ブラストホイールおよびエアジェットを用いてショットを推進することを含む。ショットピーニングによって引き起こされる最小限の歪みのおかげで、継手の滑動構成要素は、機械加工された後にショットピーニングされ得る。
図12と、先に要点が述べられた炭素鋼を熱処理する工程とを参照すると、ショットピーニングは、機械加工するステップ102の後に実施でき、部品はその最終的な形態へ成形されている。
【0140】
X形継手の第3の実施形態
図17~
図25は、継手300の別の実施形態を示している。継手300は、以下に記載されているような様々な締結具に加えて、ハウジング330と、駆動パック370と、駆動ボール350と、ピン380と、キャップリング390とを備え得る。継手10および10aと同様に、継手300は、第1のシャフトと第2のシャフトとを(図示せず)、第1のシャフトの長手方向軸の周りでの回転が第2のシャフトの長手方向軸の周りでの回転と一致するように共に連結できる。例えば、第1のシャフトの回転は第2のシャフトの回転と1:1の割合で一致できる。
【0141】
第1のシャフトはハウジング330と連結され得る。第2のシャフトは駆動ボール350と連結され得る。駆動ボール350は、駆動パック370およびピン380によってハウジング330と連結され得る。駆動パック370はハウジング330と連結でき、第1の平面においてハウジング330に対して回転できる。駆動ボール350は駆動パック370と連結され、それによって第1の平面においてハウジング330に対して回転できる。駆動ボール350は、ピン380によって駆動パック370と連結され、第2の平面において駆動パック370に対してピン380の周りで回転可能であり得る。この手法では、駆動ボール350は、第1の平面と第2の平面との両方において、ハウジング330に対して回転可能であり得る。一部の実施形態では、第1の平面と第2の平面とは互いに対して実質的に直交である。
【0142】
駆動ボール350の長手方向軸は、
図18に示されているように、ハウジング330の長手方向軸に対して角度317で設定され得る。角度317は、駆動パック370および/またはピン380のいずれかの周りでの継手300の回転によって作り出され得る。この手法では、第1のシャフトは、第1のシャフトと第2のシャフトとが一緒に回転するとき、第2のシャフトに対して角度が付けられ得る。一部の実施形態では、角度317は、おおよそ0℃からおおよそ45°~50°の最大との間で調節され得る。継手300の一部の実施形態では(例えば、第1のシャフトと第2のシャフトとが支えられる場合)、第1のシャフトからの回転が継手300を越えて第2のシャフトへ伝えられるときに角度317は維持される。ピン380の周りでの駆動ボール350の対応する回転によって、および、ハウジング330に対する駆動パック370の回転によって、継手300が回転するとき、角度317は維持され得る。
【0143】
図20~
図21において詳細に示されているように、ハウジング330は、第1の端部331および第2の端部332を伴うハウジング本体333を備え得る。ハウジング本体333は本質的に管状とでき、ハウジング本体333の内壁337は内部空間334を定め得る。一部の実施形態では、内部空間334は第1の端部331と第2の端部332との間で(例えば、ハウジング本体333を通じて)延びる。第2の端部332は、内部空間334への開口を備え得る。開口は、円形、正方形、長方形、六角形、または任意の他の適切な形であり得る。第2の端部332は、継手300の第1のシャフトと連結されるように構成され得る。例えば、第2の端部332におけるハウジングの内壁337は、第1のシャフトの端部としっかりと連結できるスプラインを含み得る。一部の実施形態では、第2の端部332は、第2の端部332内に入力シャフトの端部を固定するために位置決めねじが挿入され得るテーパー孔338を備え得る。
【0144】
ハウジング330の第1の端部331は通路335を含み得る。通路335は、ハウジング本体333の内面337に形成され得る。通路335は円筒形の底面を備え得る。円筒形の底面は単一の回転の軸の周りで方向付けられ得る。単一の回転の軸は、ハウジング330の第1の端部331に位置し得る。円筒形の底面は、第1の通路面335aと第2の通路面335bとに分割され得る。第1の通路面335aと第2の通路面335bとは内部空間334によって分離され得る。第1の側壁面335cおよび第2の側壁面335dが、通路335をさらに定めるために円筒形の底面から延び得る。側壁面335c、335dは、円筒形の底面に対しておおよそ直角に設定され得る。第1の通路面335aおよび第2の通路面335bは、円筒形の底面の赤道線(円筒形の底面を半分に分割する)においてハウジング330の第1の端部331と各々接合することができる。
【0145】
ハウジング330の第1の端部331は凹状球面336をさらに含み得る。球面は、第1の端部331の開口に隣接してハウジング壁333内に配置され得る。球面336は、球の1つまたは複数の部分的な表面区間を含み得る。球は、通路335を定める単一の回転の軸と同じ位置において中心付けられ得る。球面336は第1の球面336aと第2の球面336bとを含み得る。第1の球面336aと第2の球面336bとは内部空間334によって分割され得る。第1の球面336aおよび第2の球面336bは、球面336の赤道線においてハウジング330の第1の端部331と各々接合することができる。
【0146】
ハウジング330の第1の端部331は境界面331aを含み得る。キャップリング390は境界面331aにおいてハウジング330と連結できる。第1の端部331は1つまたは複数のタップ孔339aを含み得る。キャップリング390は、1つまたは複数のねじがキャップリング390をハウジング330の第1の端部331と連結するために挿入され得る1つまたは複数の対応する貫通孔398(
図22A~
図22Cにおいて詳細に示されている)を含み得る。一部の実施形態では、ハウジング330の第1の端部331は、正方形の構成において設定される4つのタップ孔339aを含み得る。正方形の構成は、キャップリング390の4つの4つの側との安定した接続を可能にする。
【0147】
位置合わせの目的のために、境界面331aおよびキャップリング390は、1つまたは複数の杭部または凹部339bを含み得る。境界面331aにおける1つまたは複数の杭部または凹部339bは、キャップリング390における1つまたは複数の対応する杭部または凹部393a、393bに対応できる。杭部または凹部393a、393bは、キャップリング390の第1の端部331とのキャップリング390の組み立てのために、ハウジング330の第1の端部331をキャップリング390と位置合わせするように機能できる。
【0148】
キャップリング390は第1の面391aと第2の面391bとを含み得る。第2の面391bは本質的に平面状であり得る。キャップリング390は、受入ねじがキャップリング390をハウジング330に取り付けるために、1つまたは複数の貫通孔398を含み得る。一部の実施形態では、ねじ孔398は、ねじがキャップリング390の第1の面391aと面一となり得るように、相対する陥凹部分を含む。
【0149】
キャップリング390は第1の通路区間397aと第2の通路区間397bとを含み得る。通路区間397a、397bは形が円筒形であり得る。一部の実施形態では、通路区間397a、397bはキャップリング390の互いと両側に配置されている。通路区間397a、397bは、赤道線において第2の面391bと接合することができる。
【0150】
キャップリング390は凹状球面394をさらに含み得る。凹状球面394は、凹状球面394の赤道線において第2の面391bと接合することができる。キャップリング390に1つまたは複数の凹状球部分394があり得る。例えば、キャップリング390は第1の凹状球面394aと第2の凹状球面394bとを備え得る。一部の実施形態では、これらの面は、通路区間397a、397bによって分割されるキャップリング390の両側に配置される。
【0151】
キャップリング390は中心開口392を含み得る。中心開口392は概して本質的に円形であり得る。通路区間397a、397bは中心開口392の周りに(例えば、中心開口392の両側に)配置でき、キャップリング390の一部の実施形態は、第1の面391aと中心開口392との間に面取り395を含み得る。
【0152】
図23A~
図23Bにおいて詳細に示されている駆動パック370は外面372を含み得る。外面372は、
図23Bにあるように、上部から見られるとき、円形のプロファイルを有し得る。外面372は、中心軸の周りに配置される円筒面であり得る。駆動パック370は第1の羽根部375aと第2の羽根部375bとをさらに含み得る。駆動パック370は内側スロット373をさらに含み得る。第1の羽根部375aと第2の羽根部375bとは、内側スロット373の両側に配置され得る。内側スロット373は第1の側壁374aと第2の側壁374bとを含み得る。第1の側壁374aと第2の側壁374bとは、内側スロット373内で互いと相対して配置され得る。
【0153】
一部の実施形態では、側壁374a、374bの一方または両方は平面部分を備える。第1の側壁374aおよび第2の側壁374bの平面部分は、実質的に互いと平行であり得る。シャフト377が、第1の羽根部375aと第2の羽根部375bとの一方または両方のいずれかを通じて延び得る。シャフト377は、一部の実施形態では、第1の羽根部375aおよび第2の羽根部375bを通じて、または、第1の羽根部375aおよび第2の羽根部375bの平面部分を通じて延び得る。駆動パック370の上面376aが実質的に平面状であり得る。駆動パックの下面376bも、実質的に平面状とでき、上面376aと実質的に平行であり得る。一部の実施形態では、第1の側壁374aおよび第2の側壁374bの一方または両方は、上面376aおよび下面376bの一方または両方のいずれかと直角に設定される。
【0154】
駆動パック370は、ハウジング330の通路335内で滑動可能に係合され得る。駆動パック370の外面372は第1の通路面335aおよび第2の通路面335bに対応できる。例えば、駆動パック370は通路335内に配置でき、第1の通路面335aおよび第2の通路面335bに当たって滑動することによって回転するように構成され得る。それによって、駆動パック370は、実質的に通路335内の単一の運動の平面において回転できる。
【0155】
図24A~
図24Cにおいて詳細に示されている駆動ボール350はボール端351とソケット端353と含み得る。ボール端351とソケット端353とは首部分355によって共に連結され得る。ボール端351は凸状球面351aを含み得る。ボール端351は、ボール端351を通じて配置されるシャフト357をさらに含み得る。ボール端351は1つまたは複数の平面領域358a、358bを含み得る。例えば、ボール端351は第1および第2の平面領域358a、358bを含み得る。平面領域358a、358bは、ボール端351の両側に配置でき、互いに対して実質的に平行であり得る。一部の実施形態では、シャフト357は平面領域358a、358bを通じて延びる。
【0156】
ソケット端353はソケット353aを備え得る。一部の実施形態では、ソケット353aは、継手300の第2のシャフトと連結されるように構成され得る。例えば、ソケット353aは、出力シャフトをソケット353a内に保持するためのスプラインとタップねじとを含み得る。ソケット353aは、円形、正方形、長方形、六角形、または任意の他の適切な形であり得る。他の実施形態では、ソケット端353は、駆動ボール350を第2のシャフトと連結するためオスコネクタまたは任意の他の種類のコネクタである。ソケット端353の外面は、円筒または任意の他の適切な形であり得る。
【0157】
ピン380は、
図25A~
図25Cにおいて詳細に示されているように、概して形が円筒であり得る。ピン380は、第1の端部381aおよび第2の端部382aをそれぞれ伴う第1の側381および第2の側382を備え得る。第1の側381および第2の側382は、一部の実施形態では、凹部383によって分離され得る。
【0158】
継手300は、ボール端351を駆動パック370の内側スロット373内に挿入することで組み立てられ得る。駆動パック370は、ピン380によって、駆動ボール350のボール端351と枢動可能に連結され得る。ピン380はシャフト377を通じて、およびシャフト357を通じて挿入され得る。一部の実施形態では、ボール端351は、ピン380をシャフト357内に固定するための位置決めねじをさらに備え得る。位置決めねじは、駆動ボール350のボール端351におけるテーパー孔359を通じて挿入される。位置決めねじの先端は、ピン380の凹部383へ挿入でき、それによってピン380をシャフト357内で維持できる。代替で、位置決めねじはピン380の外面に接触してもよい。
【0159】
ピン380は、駆動パック370を駆動ボール350と連結するために、駆動パック370のシャフト377へ挿入されてもよい。駆動ボール350のボール端351の第1の側358aおよび第2の側358bは、駆動パック370の内側スロット373内の側壁374aおよび374bと位置合わせされ、滑動可能に係合され得る。側壁と第1の面358aおよび第2の面358bとの滑動の境界面は、駆動パック370に対する駆動ボール350の回転に安定性を提供することができる。さらに、内側スロット373は、内側スロット373内へのボール端351の簡単な挿入と、駆動パック370をボール端351の周りに配置することとを可能にする。
【0160】
したがって、内側スロット373内の側壁374aおよび374bは、製造の観点から、枢動部材22の外側球面52と合わさる先に記載された継手10の従動子16、18内球面48、50に対して向上している。内側スロット373内の側壁374aおよび374b(または、駆動ボール350の第1の面358aおよび第2の面358b)を機械加工することは、内面48、50よりはるかに短い機械加工時間を取る。駆動パック370は、従動子16、18と比べてより特殊でない機器および工程で製造できる。例えば、内側スロット373内の側壁374aおよび374bは、平坦な面を形成するために、エンドミルを使用して材料を除去することで製造され得る。
【0161】
凹状球面336は、駆動ボール350の凸状球面351aと滑動可能に係合され得る。共に組み立てられるとき、凸状球面351aを伴うボール端351の継手300の構成要素は、ハウジング330の凹状球面336と滑動可能に係合され得る。それによって、ハウジング330と駆動ボール350との間からの圧縮の荷重は、凹状球面336と凸状球面351aとを通じて少なくとも部分的に分配され得る。
【0162】
駆動パック370は、ハウジング330の第1の端部331内に挿入でき、通路335内に挿入できる。外面372は、通路335と滑動可能に係合され得る。駆動パック370の第1の面376aおよび第2の面376bは、通路335の側壁と対応でき、それら側壁と滑動可能に係合できる。この構成は、駆動パック370が通路335内で単一の平面において回転するとき、安定性を駆動パック370に提供できる。通路335内の駆動パック370の回転は、実質的に第1の平面にあり得る。駆動パック370内でのピン380の周りでの駆動ボール350の回転は、実質的に第2の平面にあり得る。第1の平面と第2の平面とは互いと直交に設定され得る。
【0163】
キャップリング390は、駆動ボール350を覆って、ハウジング330の第1の端部331に当たって嵌まる。キャップリング390の第1の凹状球面394aおよび第2の凹状球面394bは、駆動ボール350のボール端351の凸状球面351aと滑動可能に係合できる。キャップリング390の通路区間397a、397bは、駆動パック370の外面372と並び、外面372と滑動可能に係合できる。第2の面391bは境界面331aに配置され得る。これは、ハウジング330の杭部または受け入れるスロット373の、キャップリング390の対応するスロットまたは受け入れる杭部との位置合わせを含み得る。キャップリング390は、1つまたは複数のねじをキャップリング390のねじ孔398を通じて、ハウジング330の対応するタップ孔339aへ挿入することで、ハウジング330の第1の端部331と連結され得る。
【0164】
組み立てられると、駆動ボール350のソケット端353は、ハウジング330に対して、第1の平面および第2の平面において枢動される。一部の実施形態では、ハウジング330に対するソケット端353の回転は、キャップリング390の面取り395との干渉によって制限されるだけである。
【0165】
先に記載されている製造工程は、継手300の滑動構成要素および表面と併せて適用されてもよい。例えば、継手300の滑動構成要素(任意選択で、ハウジング330、キャップリング390、駆動パック370、および/または駆動ボール350を含む)には、熱処理(行程100および200を含む)、蒸着被覆、ショットピーニング、および/または表面硬化が行われ得る。先に記載されている製造ステップの適用を通じて、凸状球面351aおよび凹状球面394/凹状球面336はより大きな耐摩耗性とされ得る、および/または、継手10の耐用期間およびトルク能力は高められ得る。同様に、通路335(任意選択で、円筒形の底面ならびに/または第1の側壁面335cおよび第2の側壁面335dを含む)と、通路区間397a、397bと、外面372とはより大きな耐摩耗性とされ得る、および/または、継手10の耐用期間およびトルク能力は高められ得る。
【0166】
X形継手の第4の実施形態
図26~
図30は、継手組立体400の別の実施形態を示している。継手400は、第1の端部430aおよび第2の端部430bを伴うハウジング430を備え得る。第1の端部430aおよび第2の端部430bの各々は、先に記載されているハウジング330、駆動パック370、および駆動ボール350と同様の構造を備え得る。先に記載されている製造工程(工程100および200を含む)は、継手400の滑動構成要素および表面と併せて適用されてもよい。
【0167】
継手400は、様々な締結具に加えて、第1の駆動パック470aおよび第2の駆動パック470bと、第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bと、第1のキャップリング490aおよび第2のキャップリング490bとを備え得る。継手10、10a、および300と同様に、継手400は、第1のシャフトと第2のシャフトとを(図示せず)、第1のシャフトの長手方向軸の周りでの回転が第2のシャフトの長手方向軸の周りでの回転に伝わるように共に連結できる。例えば、第1のシャフトの回転は第2のシャフトの回転と一致できる。
【0168】
第1のシャフトは第1の駆動ボール450aと連結され得る。第2のシャフトは第2の駆動ボール450bと連結され得る。第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bは、第1の駆動パック470aおよび第2の駆動パック470bによって、ハウジング430の第1の端部430aおよび第2の端部430bとそれぞれ連結され得る。第1の駆動パック470aは第1の端部430aと連結され、第1の平面401においてハウジング430に対して回転できる。第1の駆動ボール450aは第1の駆動パック470aと連結され、それによって第1の平面401においてハウジング430に対して回転できる。第1の駆動ボール450aは、第1のピン480aによって第1の駆動パック470aと連結され得る。第1の駆動ボール450aは、第2の平面402において、第1の駆動パック470aに対して第1のピン480aの周りで回転可能であり得る。この手法では、第1の駆動ボール450aは、第1の平面401と第2の平面402との両方において、ハウジング430に対して回転可能であり得る。一部の実施形態では、第1の平面401と第2の平面402とは互いに対して実質的に直交である。
【0169】
ハウジング430の第1の端部430aと同様に、第2の端部430bは第2の駆動パック470bと連結できる。第2の駆動パック470bは、第3の平面403においてハウジング430に対して回転可能であり得る。第2の駆動ボール450bは第2の駆動パック470bと連結され、それによって第3の平面403においてハウジング430に対して回転できる。第2の駆動ボール450bは、第2のピン480bによって第2の駆動パック470bと連結され得る。第2の駆動ボール450bは、第4の平面404において、第2の駆動パック470bに対して第2のピン480bの周りで回転可能であり得る。この手法では、第2の駆動ボール450bは、第3の平面403と第4の平面404との両方において、ハウジング430に対して回転可能であり得る。一部の実施形態では、第3の平面403と第4の平面404とは互いに対して実質的に直交である。
【0170】
第1の駆動ボール450aは、ハウジング430の長手方向軸に対して角度417まで回転され得る。角度417は、第1の平面401内および/または第2の平面402内でのそれぞれの第1の駆動ボール450aおよび/または第1の駆動パック470aの回転による第1のシャフトおよび継手400の回転の間に維持される。第2の駆動ボール450bは、ハウジング430の長手方向軸に対して角度418まで回転され得る。角度418は、第3の平面403内および/または第4の平面404内でのそれぞれの第2の駆動ボール450bおよび/または第2の駆動パック470bの回転による第2のシャフトおよび継手400の回転の間に維持される。
【0171】
第1のシャフトと第2のシャフトとの間の角度419は、おおよそ0°からおおよそ90°~100°の最大の間で調整され得る。継手400の一部の実施形態では、おおよそ90°の最大角度を作り出すことは有利であり得る。角度419は、第1の平面401内および第3の平面403内での第1の駆動パック470aおよび第2の駆動パック470bの対応する回転によって、および、第2の平面402内および第4の平面404内での第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bの回転によって継手400が回転するとき、維持され得る。
【0172】
1つだけの回転角度を伴う継手(例えば、継手10、10a、300)では、継手と連結された第1のシャフトの回転速度は、継手と連結された第2のシャフトの回転速度と常に一致するわけではない。第1のシャフトと第2のシャフトとの間の角度(例えば、先に記載されている角度17、117)が実質的にゼロである場合、第1のシャフトの回転速度と第2のシャフトの回転速度とは一致する。しかしながら、ゼロでない角度では、振動(例えば、回転速度における正弦波変化)が継手にわたって起こる。例えば、第1のシャフトは、第2のシャフトと45°の角度とされ、一定の回転速度を有し得る。ここで、第2のシャフトの回転速度は、第1のシャフトの一定速度に対して正弦波パターンで変動する。角度がより大きくなると、変動する回転速度の最大がより大きくなる。この変動する回転速度は、回転の間の継手の振動として典型的には感じられ得る。
【0173】
第1のシャフトと第2のシャフトとの間で一定の速度を得るためには、第1の角度において入力される振動を徐々に消すために、第2の角度が継手に加えられ得る。継手400の一部の実施形態では、第1の平面401および第3の平面403と、第2の平面402および第4の平面404とは、互いに対して実質的に直交であり得る。これは、角度417、418の各々によって入力される振動を、徐々に実質的に互いと反対とさせる。さらに、角度417および418は、両方の角度417および418において入力される振動の大きさがおおよそ等しくなり、そのため各々を打ち消すことになるように、実質的に互いと等しく保たれる。このような構成では、継手400は、第1の継手の回転が第2の継手の回転と一致する一定の速度の継手として使用できる。他の実施形態では、第1の平面401と第3の平面403とは(および/または、第2の平面402と第4の平面404とは)、実質的に互いと平行とできるが、これは、典型的には一定の速度の継手をもたらさない。一部の実施形態では、第1の平面の第3の平面との位置合わせは反対であり、これはダブルカルダンジョイントにおいて従来から知られている。ダブルカルダンジョイントでは、2つの自在継手が中間シャフトの両端において90°で位相がずれており、この構成は公知の一定速継手である。対照的に、本明細書に記載されている継手の一部の実施形態は、ハウジング430の両端において90°で位相がずれておらず、先に記載されているように、実質的に同相である。
【0174】
第1の駆動パック470aと第2の駆動パック470bは、駆動パック370に関して先に記載されているのと同じ構造を有し得る。第1の駆動ボール450aと第2の駆動ボール450bとは、駆動ボール350に関して先に記載されているのと同じ構造を有し得る。第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bは、凸状球面452a、452bと、第1の端部451a、451bと、第2の端部453a、453bをそれぞれ備え得る。継手400は第1のピン480aと第2のピン480bとを備え得る。第1のピン480aと第2のピン480bとは、ピン380に関して先に記載されているものと同じ構造を有し得る。
【0175】
図27A~
図27Bに示されているように、ハウジング430は、第1の端部430aおよび第2の端部430bを伴うハウジング本体433を備え得る。ハウジング本体433は本質的に管状とでき、ハウジング本体433の内壁437は内部空間434を定め得る。一部の実施形態では、内部空間434はハウジング本体433を通じて延びる。一部の実施形態では、第2の端部430bは、第1の端部430aと別に機械加工され、第1の端部430aと(例えば、溶接または機械的締結具によって)連結されるように構成され得る。一部の実施形態では、ハウジング本体433は一体の材料から機械加工される。
【0176】
第1の端部430aおよび第2の端部430bの各々は、ハウジング330の第1の端部331と実質的に同じ構造的な構成要素を有し得る。第2の端部430bは、内部空間434への開口を備え得る。ハウジング330の開口と同様に、第2の端部430bの開口は、円形、正方形、長方形、六角形、または任意の他の適切な形であり得る。
【0177】
ハウジング430の第1の端部430aおよび第2の端部430bは通路435a、435bをそれぞれ備え得る。通路435a、435bは、ハウジング本体433の内面437に形成され得る。通路435a、435bは、継手300における通路335と同じ構造を有し得る。通路435a、435bは、通路435a、435bの赤道線(通路435a、435bの円筒形の底面を半分に分割する)において第1の端部430aおよび第2の端部430bとそれぞれ接合できる。第1の端部430aおよび第2の端部430bは凹状球面436a、436bをさらに備え得る。凹状球面436a、436bは、第1の端部430aおよび第2の端部430bが赤道線にあり、凹状球面336と同じ構造を有し得る。
【0178】
ハウジング430の第1の端部430aおよび第2の端部430bは第1のキャップリング490aおよび第2のキャップリング490bと接合できる。キャップリング490a、490bは、先に記載されているキャップリング390と同じ構造を有し得る。キャップリング490a、490bは、1つまたは複数の杭部496a、496bと、ハウジング430における対応する凹部とを備え得る。キャップリング490a、490bはねじ孔とねじ495a、495bとを備え得る。キャップリング490a、490bは、先に記載されているキャップリング390と同様に、通路区間、球面、および中心開口を各々備え得る。
【0179】
継手400は、第1の駆動ボール450aの第1の端部451aを第1の駆動パック470aの内側スロット内に挿入することで組み立てられ得る。第1の駆動パック470aは、第1のピン480aによって第1の端部451aと枢動可能に連結され得る。一部の実施形態では、位置決めねじ組立体459aが第1のピン480aを所定位置で固定することができる。第1の駆動パック470aは通路435a内に挿入され得る。第1の駆動パック470aの外面は、通路435aの円筒形の底面と滑動可能に係合され得る。凹状球面436aは、第1の駆動ボール450aの凸状球面452aと滑動可能に係合され得る。第1のキャップリング490aは、1つまたは複数のピン496aによって第1の端部430aと位置合わせされ、締結具495aによって第1の端部430aに連結され得る。
【0180】
第1の駆動パック470aは、通路435a内および第1の平面401内において、第1の中心軸の周りで回転できる。第1の駆動ボール450aは、第1のピン480aの周りで、第2の平面402内において回転できる。第1の中心軸は第1のピン480aの長手方向軸と交差できる。
【0181】
第2の駆動ボール450bは、第2の駆動パックの内側スロットと組み立てられ、第2のピン480bによって第2の駆動パックと組み立てられ得る。第2の駆動パック470bは第2の通路435b内で組み立てられ得る。第2の駆動パック470bは、第2の通路435b内および第3の平面403内において、第2の中心軸の周りで回転できる。第2の駆動ボール450bは、第2のピン480bの周りで、第4の平面404内において回転できる。第2の中心軸は第2のピン480bの長手方向軸と交差できる。
【0182】
第2のキャップリング490bは第2の駆動ボール450bを覆って嵌まり、第2の駆動ボール450bをハウジング430内に固定するためにハウジング430の第2の端部430bと連結する。第2の駆動パック470bは、キャップリング490bの通路区間および通路435aの内部に滑動可能に係合できる。凸状球面452bは、凹状球面436bおよびキャップリング490bの凹状球面と滑動可能に係合できる。第2のキャップリング490bは、1つまたは複数のピン496bによって第2の端部430bと位置合わせされ、締結具495bによって第2の端部430bに連結され得る。
【0183】
組み立てられると、第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bは、ハウジング430に対して、角度417、418へそれぞれ枢動され得る。一部の実施形態では、第1の駆動ボール450aおよび第2の駆動ボール450bの回転は、それぞれ第1のキャップリング490aおよび第2のキャップリング490bとの干渉によって制限されるだけである。
【0184】
X形継手の第5の実施形態
図31~
図43は、継手組立体500の別の実施形態を示している。特定の態様において、先に記載されている継手10、10a、および300の機能と同様に、継手500は、後でさらに記載されているように、製造性、構造、および機能に特定の向上を提供する。
【0185】
継手500は、ハウジング530、駆動パック570、および駆動ボール550に加えて、様々な締結具を備え得る。駆動ボール550の第1の端部551が駆動パック570と回転可能に連結され得る。駆動ボール550の第2の端部553が第1のシャフトと連結されるように構成され得る。例えば、第2の端部553は、第1のシャフトの端部を受け入れるための開口553aを備え得る。駆動パック570はハウジング530と回転可能に連結され得る。明確には、駆動パック570はハウジング530の第1の端部531において連結され得る。ハウジング530の第2の端部532が第2のシャフトと連結されるように構成され得る。例えば、一部の実施形態では、ハウジング530の第2の端部532は、第2のシャフト(例えば、出力シャフト)の端部を受け入れるための凹部532aを含む。
【0186】
この手法において、第1のシャフトと第2のシャフトとは、第1のシャフトからの回転が継手500を通じて第2のシャフトの回転へ伝えられ得るように共に連結され得る。また、角度517が、第1のシャフトと第2のシャフトとの間であり、第1のシャフト、第2のシャフト、および継手500の回転の間に維持され得る。
図32Aは、ハウジング530に対して角度517に回転された駆動ボール550を示している。角度517は、0℃からおおよそ45°~50°の間で調節され得る。駆動ボール550は、ハウジング530に対して第1の平面501内で回転可能であり得る。駆動パック570は、ハウジング530に対して第2の平面502内で回転可能であり得る。第1の平面501と第2の平面502とは実質的に直交であり得る。この構成は、角度517を維持しつつ、継手500の回転を可能にすることができる。
【0187】
ハウジング530は、
図33A~
図35Dにおいて示されているように、第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとを備えることができる。第1のハウジング区域530aは外側ケーシング533を備えることができる。外側ケーシング533は内面537を備えることができる。内面537は、外側ケーシング533の中央空洞534の周りに配置され得る、または、その中央空洞534を定めて配置され得る。一部の実施形態では、外側ケーシング533は、その外部面において実質的に円筒形であり得る。他の実施形態では、外側ケーシング533は任意の所望の形または外側輪郭を有し得る。一部の実施形態では、中央空洞534は本質的には実質的に円筒形である。内面537も円筒形の表面を備え得る。他の実施形態では、内面537および/または中央空洞534の形は、後でさらに記載されているような継手500の移動可能な構成要素のうちのいずれにも接触しない。
【0188】
第1のハウジング区域530aは第1の溝535aと第2の溝535bとを備え得る。第1の溝535aと第2の溝535bとは中央空洞534の両側に配置され得る。第1の溝535aおよび第2の溝535bは形が円筒形であり得る。第1の溝535aおよび第2の溝535bは外側ケーシング533の内面537内に配置され得る。第1の溝535aは第1の凹状滑動面536aを含み得る。同様に、第2の溝535bは第2の凹状滑動面536bを含み得る。第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bは、第1のハウジング区域530aの第1の端部533aから第2の端部533bへ延び得る。ハウジング区域530aの第1の端部533aは、後で記載されているように、ハウジング530の第2のハウジング区域530bと接合および連結され得る平坦面を含み得る。第1のハウジング区域530aの第2の端部533bは、第1のハウジング区域530aの上面531aにあり得る。一部の実施形態では、上面531aは丸められ得る。
【0189】
第1のハウジング区域530aは第1のリップ538aと第2のリップ538bとを備え得る。一部の実施形態では、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bは、ハウジング区域530aの第2の端部533bにある。一部の実施形態では、第1の溝535aと第2の溝535bとは中央空洞534の両側に配置される。一部の実施形態では、第1の溝535aと第2の溝535bとは互いを向き、互いの鏡像となる。第1のリップ538aおよび第2のリップ538bは、第1のハウジング区域530aの中心長手方向軸などの中心へ内向きに延び得る。第1のリップ538aは第1の溝535aと位置合わせされ得る。第2のリップ538bは第2の溝535bと位置合わせされ得る。
【0190】
第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bは、それぞれのリップ538a、538bにわたって少なくとも一部延び得る。一部の実施形態では、第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bは、第1のハウジング区域530aの第1の端部533aから第1のハウジング区域530aの上面531aへ延びる。第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bは直線部分536c、536dをそれぞれ含み得る。直線部分536c、536dは第1の端部533aにおいて始まり得る。直線部分536c、536dは形が円筒形であり得る。第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bはトロイダル面部分536e、536fをそれぞれ含み得る。トロイダル面部分536e、536fは、直線部分536c、536dと連結でき、リップ538a、538bにわたって延び得る。トロイダル面部分536e、536fは、直線部分536c、536dの径方向内側に配置され得る。第1の凹状滑動面536aの直線部分536cの中心線536gは直線状とでき、第2の凹状滑動面536bの直線部分536dの中心線536hと平行であり得る。中心線536gと536hとの間の溝距離535cは、直線部分536c、536dを通じて一定であり得る。リップ538a、538bの間のより狭小リップ距離538cが、トロイダル面部分536e、536fの相対する表面の間の最も短い距離を表すことができる。
【0191】
トロイダル面部分536e、536fは、後で記載されている駆動パック570の凸状滑動面またはトロイダル外面572に対応できる。トロイダル面部分536e、536fの曲率半径のうちの少なくとも一方は、第2の凹状滑動面536a、536bの直線部分間の溝距離535cのおよそ半分に等しくできる、および/または、駆動パック570の外径に等しくできる。
【0192】
第1のハウジング区域530aは、例えば、一片の棒材から旋盤機械またはねじ切り盤を用いて製造され得る。棒材は、先に列記されたものを含め、鋼およびアルミニウムを含む任意の適切な材料から作られ得る。旋盤機械またはねじ切り盤が回転でき、棒材をダイスまたは切削ヘッドとの接触へ送ることができ、外側ケーシング533を成形することができ、および/または、中央空洞534を切り抜くことができる。上面531aも成形され得る(例えば、駆動ボール550の回転を可能にするために円錐状の様態で丸められるかまたは切削される)。
図34B~
図34Cに示されているように、第1の溝535aを切削するために、第1の切削工具(例えば、丸められたエンドミル505、ドリルビット、または他のもの)は、ケーシング533の第1の端部533aへ切削でき(中央空洞534を機械加工する前または後のいずれかに)、第2の端部533bに向けて切削できる。直線での第1の切削工具の移動は直線部分536cを形成できる。トロイダル面536eは、第1の切削工具の丸められた端によって形成できる。切削工具は、コンピュータ化または手作業でのフライス盤によって制御され得る。この加工は、第2の溝535bを切削するために繰り返され得る。
【0193】
別の選択肢では、
図34D~
図34Eに示されているように、第1の切削機器は、外側がトロイダル形状とされた切削面または研削面506を有し得る。この第1の切削機器は、第1の溝535aと第2の溝535bとの両方を切削できる。この第1の切削機器は、直線の切削部分536c、536dへ直線的に移動され得る。切削面または研削面の他の湾曲は、第1のトロイダル面536eと第2のトロイダル面536fとを形成できる。
【0194】
継手500では、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bはケーシング533へ機械加工され得る。一部の実施形態では、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bは、第1の溝535aおよび第2の溝535bを切削するための同じ切削工具を用いて機械加工され得る。この構成は、効率的な手法でのハウジング区域530aの機械加工を容易にすることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の溝535aおよび第2の溝535bは、第1の端部533aにおいてまたはその近くで切削工具によってビレットから切削され得る。材料は、第1の溝535aおよび第2の溝535bの直線部分を形成するために、実質的に直線の経路において第1の切削工具によって除去される。切削工具は、第2の端部533bに隣接するまで進み続けることができる。一部の実施形態では、第1の切削工具の端部における湾曲は、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bの曲率半径を形成してもよい。代替で、第1の溝535aおよび第2の溝535bは第1の切削工具で切削でき、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bは第2の切削工具または仕上げ工具を用いて切削できる。他の実施形態では、第1のリップ538aおよび第2のリップ538bは、第2の端部533bをハウジング区域530aの中心線に向けて冷間圧延することで形成され得る。
【0195】
第1の溝535aおよび第2の溝535bのこの構成は、他の継手と比較して高度に製造可能である。継手300では、例えば、円筒形の通路335を切削し、ハウジング330の第1の端部331で赤道線を形成することは、時間を費やし、困難である可能性がある。通路335を切削する工程は、小さい公差が隣接する表面の滑らかな滑動のために必要とされる場合、さらにより困難となり得る。第1の溝535aおよび第2の溝535bの一部の実施形態では、第1の通路面335aおよび第2の通路面335bと継手300の駆動パック370との間より、凹状滑動面536aおよび536bと駆動パック570との間での表面接触がより小さいため、公差は厳しく維持される必要がない。
【0196】
ハウジング530の第2のハウジング区域530bは第1の端部539aと第2の端部539bとを備え得る。第1の端部539aは、第1のハウジング区域530aの第1の端部533aと接合するように構成され得る。第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとの間の境界部530cが、第1の構成要素と第2の構成要素とを共に連結できる。境界部530cは面539cを含み得る。面539cは、第1の端部533aの第1のハウジング区域530aと接合できるように平面状または任意の他の形であり得る。
【0197】
一部の実施形態では、境界部530cは溶接され得る(例えば、従来の溶接技術、レーザービーム溶接、磁気パルス溶接、または摩擦攪拌溶接)。他の実施形態では、境界部は機械的連結(例えば、ねじ、実継ぎ、または締まり嵌め)であり得る。一部の実施形態では、境界部530cは電子ビーム溶接である。電子溶接は、第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとを共に連結することにおいて小さい熱を発生させるため、有利であり得る。これは、ハウジング530の熱膨張または熱歪みが凹状滑動面536a、536bの公差に影響を与え得る場合、特に有利であり得る。例えば、凹状滑動面536a、536bの公差は、1インチの数千分の1のオーダーであり得る。公差内からの著しい逸脱(つまり、従来の溶接からの熱歪み)は、駆動パック570が第1の溝535aおよび第2の溝535b内で自由に回転するのを防止することができる。
【0198】
第2のハウジング区域530bは第2の開口532aを含み得る。第2の開口532aは第2のハウジング区域530bの第2の端部539bに配置され得る。第2の開口532aは、第2のシャフトを受け入れるために構成され得る。例えば、受け入れることは、第2のシャフトを第2の開口532a内に固定するために第2のハウジング区域530bに配置されるスプラインまたは位置決めねじをさらに含み得る。
【0199】
一部の実施形態では、中央空洞534は、第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとの両方を通じてずっと延び得る。この構成は、潤滑剤をハウジング530のいずれかの端部から中央空洞534内に挿入させ、継手500の滑動面を被覆させることができる。一部の実施形態では、中央空洞534は、潤滑剤を連続的または間欠的な手法でハウジング530を通じて流すことができる。したがって、一部の実施形態では、中央空洞534は、継手500の構成要素を分解する必要なく、継手500の潤滑および/または洗浄を容易にするという利点を提供できる。
【0200】
図36A~
図36Dにおいて詳細に示されている駆動パック570は、第1の羽根部571aと、第2の羽根部571bと、内側スロット573とを備え得る。駆動パック570の外周部572aは、上から見られるとき(
図27Bにあるように)中心軸572bの周りで円形であり得る。接続領域574は第1の羽根部571aと第2の羽根部571bとを接続できる。
【0201】
駆動パック570は凸状滑動面572を含み得る。凸状滑動面572は、駆動パック570の外周部572aの周りに配置され得る。凸状滑動面572は第1の羽根部571aと第2の羽根部571bとにわたって配置され得る。一部の実施形態では、外周部572aの最も外側の部分は、円形である曲率半径を有する。凸状滑動面572は、第1の溝535aおよび第2の溝535bの凹状滑動面536aおよび536bの形に対応できる。例えば、凸状滑動面572は形がトロイダルであり得る。これは、駆動パックを第1の溝535aおよび第2の溝535b内で滑動可能に係合させることができる。外周部572aの半径は、溝距離535cの半径より小さく、リップ距離538cの半径より大きくてもよい。これは、リップ538a、538bが駆動パック570を溝535a、535b内およびハウジング530内に保持することを確実にする。これは、駆動パック570を溝535aおよび535b内で回転可能および挿入可能にさせることもできる。
【0202】
内側スロット573は第1の内側573aと第2の内側573bとを備え得る。第1の内側573aおよび第2の内側573bは実質的に平面状の部分を含み得る。実質的に平面状の部分は、内側スロット573の両側に配置され得る。実質的に平面状の部分は、互いと実質的に平行であり得る。
【0203】
オーバーハング部578aが、スロット573の外端において内側スロット573の中心に向けて延び得る。同様に、第2のオーバーハング部分578bが、第2の内側573bから内側スロット573の中心線に向けて延び得る。凸状滑動面572は、第1のオーバーハング部分578aと第2のオーバーハング部分578bとの一方または両方にわたって延び得る。これらの第1のオーバーハング部分578aおよび第2のオーバーハング部分578bは、溝535a、535bのリップ538a、538bを越えて出て行くことなく、ハウジング530内での駆動パック570の追加的な回転を可能にする。第1のオーバーハング部分578aおよび第2のオーバーハング部分578bは、スロット573の第1の内側573aおよび第2の内側573bの実質的に平面状の部分から延び出してもよい。第1のオーバーハング部分578aおよび第2のオーバーハング部分578bは、平面部分間の距離より小さいスロット573の外端において開口を形成できる。
【0204】
開口577が、第1の羽根部571aと第2の羽根部571bとの一方または両方を通じて配置され得る。開口577は、
図36Cに示されているように、駆動パック570の中心軸572bを通じて延び得る。開口577は内側573a、573bの平面部分を通じて延び得る。
【0205】
図37A~
図37Cにおいて詳細に示されている駆動ボール550はボール端551とソケット端553と含み得る。ボール端551とソケット端553とは首部分555によって共に連結され得る。ボール端551は外面551aを含み得る。後でさらに説明されているように、ボール端551は球形である必要はなく、任意の所望の形とできる。ボール端551は、ボール端551を通じて配置される開口557をさらに含み得る。ボール端551は1つまたは複数の平面状領域558a、558bを含み得る。例えば、ボール端551は第1の平面領域558aおよび第2の平面領域558bを含み得る。平面領域558a、558bは、ボール端551の両側に配置でき、互いに対して実質的に平行であり得る。一部の実施形態では、開口557は平面領域558a、558bを通じて延びる。ボール端551は、位置決めねじのためのタップ孔559をさらに備え得る。
【0206】
ソケット端553はソケット553aを備え得る。一部の実施形態では、ソケット553aは、継手500の第1のシャフトと連結されるように構成され得る。例えば、ソケット553aは、出力シャフトをソケット553a内に保持するためのスプラインとタップねじとを含み得る。ソケット553aは、円形、正方形、長方形、六角形、または任意の他の適切な形であり得る。他の実施形態では、ソケット端553は、駆動ボール550を第2のシャフトと連結するためオスコネクタまたは任意の他の種類のコネクタである。ソケット端553の外面は、円筒または任意の他の適切な形であり得る。
【0207】
図38A~
図38Cにおいて詳細に示されているピン580が第1の端部581と第2の端部582とを有する。ピン580は、第1の端部581と第2の端部582との間に円筒形のシャフトを有し得る。第1の端部581と第2の端部582との間には平坦部分583があり得る。平坦部分583は、位置決めねじ590が駆動ボール550のタップ孔559へ挿入され、ピン580を開口557内で保持するためにピン580に押し付けられ得る場所として使用され得る。
【0208】
継手500を組み立てるために、駆動パック570はハウジング530の第1のハウジング区域530a内に挿入され得る。駆動パック570は第1の溝535aおよび第2の溝535bへ挿入され得る。第1の凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bは、駆動パック570の凸状滑動面572と滑動可能に係合され得る。駆動パック570は第1の溝535aおよび第2の溝535b内で回転可能であり得る。
【0209】
駆動ボール550は、ピン580によって駆動パック570と連結され得る。ピン580は、駆動ボール550の開口557および駆動パック570の開口577へそれぞれ延び入ることができる。ピンは位置決めねじ590によって開口557および577内で固定される。駆動ボール550のボール端551は、第1のハウジング区域530aの中央空洞534へ挿入され得る。ボール端551の直径は、ハウジング530の第1の端部531において中央空洞534の開口より小さくなければならない。
【0210】
第2のハウジング区域530bは第1のハウジング区域530aと組み立てられ得る。第1のハウジング区域530aは、駆動ボール550において滑動され、第2のハウジング区域530bと接合される。例えば、第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとは、境界部530cにおいて共に溶接され得るか、または他の方法で組み立てられ得る。一部の実施形態では、これは、駆動パック570が第1のハウジング区域530a内に既に挿入されて駆動ボール550と連結されている状態で行われ得る。
【0211】
境界部530cにおける溶接530dが、
図41および
図42において示されているように、外側ケーシング533へ延び得る。望ましくは、溶接530dおよび/または溶接工程は、溝535a、535bの寸法を変更することを回避できる。それにも拘らず、第1のハウジング区域530aの第1の端部533aにおける溝535a、535bの変更は、駆動パック570の回転と干渉しない場合に許容可能であり得る。先に記載されているように、電子ビーム溶接は、熱をほとんど発生させず、第1のハウジング区域530aと第2のハウジング区域530bとのしっかりとした連結を提供するために、材料への深い溶接を作り出すことができる。
【0212】
一部の実施形態では、リップ538a、538bは、駆動パック570が溝535a、535bから取り外されるのを防止するために、鋭い角または角ばった角を備え得る。他の実施形態では、凹状滑動面536a、536bのトロイダル面部分536e、536fは、駆動パック570の外周部572aのプロファイルと一致する。これは、駆動パック570と溝535a、535bとの間の高い圧力での接触領域を最小限にすることで、駆動パックおよびハウジング530の摩擦を低減でき、それらの耐用期間を長くすることができる。
【0213】
一部の実施形態では、中央空洞534は引っ張り機構520を備え得る。例えば、引っ張り機構520は、
図41に示されているように、バネ荷重の掛けられた鋼玉軸受を備え得る。玉軸受は駆動パック570の外周部572aに接触できる。一部の実施形態では、玉軸受は、駆動パック570をリップ538a、538bに対して付勢するために、圧力を外周部572aに加えることができる。これは、組立体の回転の間、継手500における振動および遊びを低減または最小限にすることができる。他の引っ張り機構520は、限定されることはないが、ハウジング区域530aの中央空洞534と平面状表面539cの被覆とを伴うプラスチックまたは金属の挿入体を含み得る。
【0214】
一部の実施形態では、ボール端551の外面551aは、
図42~
図43に示されているように、外側ケーシング533の内面537に接触しない。貫通空間534aが外面551aと内面537との間に配置され得る。この構成は、中央空洞534への潤滑剤の適用を容易にすることができる。中央空洞534がハウジング530を通じてずっと延びる実施形態では、貫通空間534aは、駆動パック570と駆動ボール550とを越えての潤滑剤の流れを容易にする。一部の実施形態では、潤滑剤の流れは、駆動パック570を通じて、および/または、駆動ボール550のボール端551を通じてずっと延びる複数の穿孔によって、さらに容易にされ得る。複数の穿孔は、潤滑剤の流れを容易にするために任意の方向または様々な方向において延びることができる。
【0215】
先に記載されている製造工程100および200は、継手500の構成要素にも適用され得る。例えば、第1凹状滑動面536aおよび第2の凹状滑動面536bならびに/または駆動パック570を含むハウジング530は、継手500の耐用期間を引き延ばすために、硬化され得る、または、特異的に硬化され得る。継手500の一部の実施形態では、先に記載されている蒸着、低温硬化、表面硬化、および/またはショットピーニングが駆動パック570および/または凹状滑動面536a、536bに適用され得る。
【0216】
X形継手の第6の実施形態
図44~
図52は、継手組立体600の別の実施形態を示している。継手400と同様に、継手600は、第1のシャフトと第2のシャフトとを(図示せず)、第1のシャフトの長手方向軸の周りでの回転が第2のシャフトの長手方向軸の周りでの回転に伝わるように共に連結できる。例えば、第1のシャフトの回転は第2のシャフトの回転と一致できる。継手600は、第1のハウジング区域630aおよび第2のハウジング区域630bを伴うハウジング630を備え得る。第1のハウジング区域630aおよび第2のハウジング区域630bの各々は、先に記載されているハウジング630と同様の構造を備えてもよい。先に記載されている製造工程(工程100および200を含む)は、継手600の滑動構成要素および表面と併せて適用されてもよい。
【0217】
継手600は、様々な締結具に加えて、第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bと、第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bと、第1のピン680aおよび第2のピン680bとを備え得る。第1のシャフトは第1の駆動ボール650aと連結され得る。第2のシャフトは第2の駆動ボール650bと連結され得る。第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bはそれぞれ、第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bによって、ハウジング630の第1のハウジング区域630aおよび第2のハウジング区域630bと連結され得る。第1の駆動パック670aは第1のハウジング区域630aと連結され、第1の平面601においてハウジング630に対して回転できる。第1の駆動ボール650aは第1のピン680aによって第1の駆動パック670aと連結され、それによって第2の平面602においてハウジング630に対して回転できる。この手法では、第1の駆動ボール650aは、第1の平面601と第2の平面602との両方において、ハウジング630に対して回転可能であり得る。一部の実施形態では、第1の平面601と第2の平面602とは互いに対して実質的に直交である。
【0218】
第2のハウジング区域630bは第2の駆動パック670bと連結できる。第2の駆動パック670bは、第3の平面603においてハウジング630に対して回転可能であり得る。第2の駆動ボール650bは第2のピン680bによって第2の駆動パック670bと連結され、それによって第4の平面604においてハウジング630に対して回転できる。一部の実施形態では、第3の平面603と第4の平面604とは互いに対して実質的に直交である。
【0219】
第1の駆動ボール650aは、ハウジング630の長手方向軸に対して角度617まで回転され得る。角度617は、第1の平面601内および/または第2の平面602内でのそれぞれの第1の駆動ボール650aおよび/または第1の駆動パック670aのハウジング630に対する滑動による第1のシャフトおよび継手600の回転の間に維持され得る。第2の駆動ボール650bは、ハウジング630の長手方向軸に対して角度618まで回転され得る。角度618は、第3の平面603内および/または第4の平面604内でのそれぞれの第2の駆動ボール650bおよび/または第2の駆動パック670bの回転による第2のシャフトおよび継手600の回転の間に、ハウジング630の長手方向軸に対して維持され得る。
【0220】
第1のシャフトと第2のシャフトとの間の角度619は、おおよそ0°からおおよそ90°~100°の最大の間で調整され得る。継手600の一部の実施形態では、90°の最大角度を作り出すことは有利であり得る。継手600にわたる角度619は、第1の平面601内および第3の平面603内での第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bの対応する回転によって、ならびに、第2の平面602内および第4の平面604内での第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bの回転によって継手600が回転するとき、維持され得る。
【0221】
継手400に関して先に説明されているように、1つだけの回転角度を伴う継手(例えば、継手500)では、継手と連結された第1のシャフトの回転速度は、角度517に依存して、継手と連結された第2のシャフトの回転速度と常に一致するわけではない。継手600は、角度617と角度618とがおおよそ等しく、第1の平面601および第3の平面603と、第2の平面602および第4の平面604とが互いと実質的に直交である場合、一定の速度の継手として使用できる。この構成は、回転の間に継手600の振動を実質的に低減するという利点を提供する。
【0222】
第1の駆動パック670aと第2の駆動パック670bとは、駆動パック570に関して先に記載されているのと同じ構造を有し得る。第1の駆動ボール650aと第2の駆動ボール650bとは、駆動ボール550に関して先に記載されているのと同じ構造を有し得る。第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bは、第1の端部651a、651bと、第2の端部653a、653bとをそれぞれ備え得る。第1のピン680aと第2のピン680bとは、ピン580に関して先に記載されているものと同じ構造を有し得る。
【0223】
図47A~
図47Cに示されているように、ハウジング630は、第1のハウジング区域630aおよび第2のハウジング区域630bを伴うハウジングケーシング633を備え得る。ハウジングケーシング633は本質的に管状とでき、ハウジングケーシング633の内壁637は中央空洞634を定め得る。一部の実施形態では、中央空洞634はハウジングケーシング633を通じて延びる。一部の実施形態では、第2のハウジング区域630bは、ハウジング530に関連して先に記載されているように、別に機械加工され、溶接または機械的な締結具などによって、境界部630cにおいて第1のハウジング区域630aと連結されるように構成され得る。
【0224】
第1の端部630aおよび第2の端部630bの各々は、継手500の第1のハウジング区域530aと実質的に同じ構造的な構成要素を有し得る。一部の実施形態では、第1のハウジング区域630aは、継手500の一部として第2のハウジング区域630bと連結され得る、または、継手600の一部を形成するための別のモジュール式ハウジング区域(例えば、ハウジング区域630b)と連結され得るモジュール式構成要素として製造され得る。第1のハウジング区域630aのモジュール式の性質は、製造者が手元に必要とする必要在庫を低減するという利点を提供し、継手500および600の各々についての構築部品のコストおよび複雑性を低減する。
【0225】
第1のハウジング区域630aは第1の溝635aと第2の溝635bとを備え得る。第1の溝635aと第2の溝635bとは中央空洞634の両側に配置され得る。第1の溝635aおよび第2の溝635bはハウジングケーシング633の内面637内に配置され得る。第1の溝635aおよび第2の溝635bは第1の凹状滑動面636aおよび第2の凹状滑動面636bをそれぞれ備え得る。第1の凹状滑動面636aおよび第2の凹状滑動面636bは、第1のハウジング区域630aの内端633cから外端633aへ延び得る。
【0226】
第1のハウジング区域630aは第1のリップ638aと第2のリップ638bとを備え得る。一部の実施形態では、第1のリップ638aおよび第2のリップ638bは、ハウジング区域630aの外端633aにある。第1の凹状滑動面636aおよび第2の凹状滑動面636bは、それぞれのリップ638a、638bにわたって少なくとも一部延び得る。凹状滑動面636a、636bがリップ638a、638bと交差する場合、凹状滑動面636a、636bは、円形もしくは実質的に円形である、および/または、駆動パック670aの形に一致する円の曲率半径を各々備え得る。第2のハウジング区域630bは第1のハウジング区域630aと同じ構造を有し得る。
【0227】
継手600は、第1の駆動ボール650aの内端651aを第1の駆動パック670aの内側スロット673a内に挿入することで組み立てられ得る。第1の駆動パック670aは、第1のピン680aによって内端651aと枢動可能に連結され得る。一部の実施形態では、位置決めねじ690が、第1のピン680aを、孔659aを通じて所定位置で固定することができる。第1の駆動パック670aは溝635a、635b内に挿入され得る。第1の駆動パック670aの外面672aは凹状滑動面636a、636bと滑動可能に係合され得る。第1の駆動パック670aは、溝635a、635b内で、第1の平面601内において回転できる。第1の駆動ボール650aは、第1のピン680aの周りで、第2の平面602内において回転できる。
【0228】
第2の駆動ボール650bは、第2の駆動パック670bの内側スロットと組み立てられ、第2のピン680bによって第2の駆動パック670bと組み立てられ得る。第2の駆動パック670bは第3の溝635c内および第4の溝635d内において組み立てられ、第3の平面603内で回転できる。第2の駆動ボール650bは、第2のピン680bの周りで、第4の平面604内において回転できる。組み立てられると、第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bは、ハウジング630に対して、角度617、618へそれぞれ枢動され得る。
【0229】
一部の実施形態では、中央空洞634は引っ張り機構(図示せず)を備え得る。例えば、引っ張り機構は、中央空洞634内にプラスチックまたは金属の挿入体を備え得る。挿入体として、引っ張り機構は、第1の駆動パック670aの外面および第2の駆動パック670bの外面と接触する挿入体の両側に2つの溝を備え得る(第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bの方向付けに依存して、互いと平行に、または、互いとある角度で斜めにのいずれか)。一部の実施形態では、挿入体は、第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bを、第1のハウジング区域630aおよび第2のハウジング区域630bのそれぞれのリップ638a、638bおよび638c、638dに付勢するために、圧力を外面に加えることができる。例えば、挿入体は、圧力を第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bに加えるために1つまたは複数のバネを備え得る。これは、組立体の回転および/または移動の間、継手600における振動および遊びを低減または最小限にすることができる。
【0230】
一部の実施形態では、中央空洞634は、第1のハウジング区域630aと第2のハウジング区域630bとの両方を通じてずっと延び得る。この構成は、潤滑剤をハウジング630のいずれかの端部から中央空洞634内に挿入させ、継手600の滑動面を被覆させることができる。一部の実施形態では、潤滑剤は継手600の構成要素を冷却できる。したがって、一部の実施形態では、中央空洞634は、継手600の構成要素を分解する必要なく、継手600の潤滑および/または洗浄を容易にするという利点を提供できる。
【0231】
一部の実施形態では、中央空洞634は、潤滑剤を連続的または間欠的な手法でハウジング630を通じて流すことができる。貫通空間は、貫通空間534aと同様に、駆動ボール650a、650bと内面637との間に配置され得る。この構成は、中央空洞634へ入って通過する潤滑剤の適用を容易にすることができる。一部の実施形態では、潤滑剤の流れは、第1の駆動パック670aおよび第2の駆動パック670bならびに/または第1の駆動ボール650aおよび第2の駆動ボール650bのいずれかかまたは両方を通じてずっと延びる複数の穿孔によって、さらに容易にされ得る。複数の穿孔は、潤滑剤の流れを容易にするために任意の方向または様々な方向において延びることができる。
【0232】
X形継手の第7の実施形態
継手400または600のいずれかの構造は、継手のソケットレンチ取付具700を形成するために使用され得る。取付具700は、ある角度での様々な締結具(例えば、ボルトおよびナット)の取り外しおよび/または設置を可能にするために、標準的または特別なソケットレンチ取っ手との組み合わせで使用できる。これは、以前はソケットレンチにとってアクセスできなかった場所および領域へのアクセスを提供できる、および/または、これらの場所へのより直接的な手法での容易なアクセスを促進できる。例えば、取付具700は、自動車エンジンにおいて、周囲の構成要素の分解を必要とすることなく、ボルトの設置または締め付けを容易にすることができる。
【0233】
図53~
図56において示され、本明細書において記載されているように、取付具700は、ハウジング730と、第1のコネクタ750aと、第2のコネクタ750bと、第1の駆動パック770aと、第2の駆動パック770bと、第1のピン780aと、第2のピン780bとを備え得る。第1のコネクタ750aおよび第2のコネクタ750bはそれぞれ、第1のピン780aおよび第2のピン780bによって第1の駆動パック770aおよび第2の駆動パック770bと連結され得る。第1の駆動パック770aおよび第2の駆動パック770bはそれぞれ、溝735a、735b内で第1のハウジング半体730aおよび第2のハウジング半体730bと連結され得る。第1のピン780aおよび第2のピン780bはそれぞれ、第1の位置決めねじ791aおよび第2の位置決めねじ791bによって第1のコネクタ750aおよび第2のコネクタ750bの開口内で保持され得る。第1のコネクタ750aは、溝735a内で第1の駆動パック770aの周りで、および、ピン780aの周りで回転できる。第2のコネクタ750bは、溝735b内で第2の駆動パック770bの周りで、および、ピン780bの周りで回転できる。
【0234】
ハウジング730はスリーブ741をさらに含み得る。スリーブ741はハウジング730の少なくとも一部分において配置され得る。スリーブ741は、薄い壁とされた円筒形であり得る、または、プラスチック、金属、もしくは任意の適切な材料であり得る。スリーブ741はハウジング730のおおよそ長手方向軸の周りで回転可能であり得る。一部の実施形態では、スリーブ741は、ハウジング730の外側円筒面731と滑動可能に係合される。一部の実施形態では、スリーブ741は把持面を含み得る。
【0235】
スリーブ741は、第1の保持リング742および第2の保持リング743によって、ハウジング730における所定位置で維持され得る。保持リング742、743は、ハウジング730における対応するスロット744a、744b内に各々配置され得る。スリーブ741は、保守または交換のためになど、保持リング742、743のうちの1つまたは複数を取り外すことで、ハウジング730から取り外すことができる。
【0236】
第1のコネクタ750aはソケット開口753aを含むことができる。ソケット開口753aは、標準的なソケットドライバと連結するような大きさとされ得る。例えば、ソケット開口753aは、以下の大きさ、すなわち、1/4インチ、3/8インチ、5/8インチ、1/2インチ、3/4インチ、1インチ、1-1/2インチ、2-1/2インチ、および3-1/2インチにおける正方形またはスプラインのドライバ、または標準的なメートル法のドライバを含む、ソケットレンチのための任意の標準的または特別なドライバと連結する大きさとされ得る。第2のコネクタ750bはソケットドライバまたは駆動端753bを備え得る。駆動端753bは、先に列記されているものを含め、標準的または特別な大きさでのドライバを含み得る。一部の実施形態では、駆動端753bは、駆動端753bをソケット、延長部、または他のレンチ付属品と固定するために、摩擦ボールまたは固定ピンを備え得る。
【0237】
取付具700は、従来の手法でソケット開口753aをレンチ取っ手と連結することで使用者によって動作され得る。所望の大きさでのソケットがドライバ753bにおいて連結され得る。使用者は、取付具700の第1のコネクタ750aおよび第2のコネクタ750bと第1の駆動パック770aおよび第2の駆動パック770bと回転させることで、ソケットを所望の位置へ(例えば、ボルトのヘッドまたはナットへ)操作することができる。所望の位置において、使用者は、ある程度の安定性を取付具700に提供するためにスリーブ741を片手で保持できる。この安定性は、取付具700を所望の角度で保持するのを助けることができ、および/または、使用者にソケットをボルトのヘッドにおいて維持させることができる。使用者の他方の手は、レンチ取っ手を所望の方向で回転させるために使用できる。取付具700は、回転をレンチ取っ手からソケットおよびヘッドへ所望の角度で伝達することができる。取付具700のハウジング730は、スリーブ741内において使用者の手に対して回転できる。
【0238】
一部の実施形態では、挿入体(図示せず)は、ハウジング730内に配置でき、第1の駆動パック770aおよび第2の駆動パック770bの外面ならびに/または第1のコネクタ750aおよび第2のコネクタ750bの内端に接触できる。挿入体は、プラスチックから作られ、ハウジング730内での第1の駆動パック770aおよび第2の駆動パック770bの回転ならびに第1のコネクタ750aおよび第2のコネクタ750bの回転に抗して摩擦を提供できる。この手法では、取付具700は位置決め可能とされ得る。これは、取付具700の使用を容易にすることができる一方で、望ましくない運動を取付具700の構成要素から回避することができる。
【0239】
X形継手の追加の実施形態
図57~
図58は、先に記載されている継手と同様の継手800の別の実施形態を示している。継手800は、ハウジング830と、駆動パック870と、駆動ボール850と、ピン880と、キャップリング890とを備え得る。ハウジング830は第1の端部831と第2の端部832とを備え得る。一部の実施形態では、ハウジング830は、境界部830cにおいて共に連結される第1のハウジング構成要素830aおよび第2のハウジング構成要素830bを備え得る。第1のハウジング構成要素830aと第2のハウジング構成要素830bとは、溶接または他の機械的手段(例えば、電子ビーム溶接、機械的締結具、または他のもの)によって共に連結され得る。一部の実施(図示せず)では、第1のハウジング構成要素830aは、継手400と同様の90度の継手を形成するために、第2のハウジング構成要素803bと同一であり得る。
【0240】
ハウジング830は、内部空洞834と、内部空洞834の内壁837内の第1の通路835aおよび第2の通路835bとを備え得る。第1の通路835aおよび第2の通路835bはトロイダル面であり得る。一部の実施形態では、第1の通路835aおよび第2の通路835bは単一の通路であり得る。代替で、ハウジング830は、第1の溝535aおよび第2の溝535bと同様の第1の溝および第2の溝を備え得る。
【0241】
キャップリング890は第1の接触面895aと第2の接触面895bとを備え得る。第1の接触面895aおよび第2の接触面895bは、第1の溝535aおよび第2の溝535bのトロイダル面部分536e、536fと同様にトロイダル面と同様であり得る。キャップリング890はハウジング830の第1の端部831と連結できる。一部の実施形態では、第1の端部831およびキャップリング830は、キャップリング890を第1の端部831と位置合わせするために対応する杭部/凹部898を備え得る。一部の実施形態では、第1の端部831はキャップリング890と溶接される(例えば、電子ビーム溶接、摩擦攪拌溶接、または他の溶接)。一部の実施形態では、第1の端部831およびキャップリング890は、ハウジング830(例えば、内壁837、第1の通路835a、または第2の通路835b)またはキャップリング890を変形させる溶接によって引き起こされる過剰な熱および/または変形なしで溶接を受け入れるための拡大した外側縁を備え、その変形は、継手800を動作不可能にさせる可能性がある。
【0242】
継手800は、駆動ボール850の第1の端部851をピン880で駆動パック870と連結することで組み立てられ得る。駆動パック870は、ハウジング830の第1の通路835a内および第2の通路835b内に挿入でき、そこで回転可能とされ得る。キャップリング890は駆動パック870をハウジング830内に固定するために第1の端部831と連結できる。キャップリング890は任意の適切な手法で第1の端部831と機械的に連結され得る。一部の実施形態では、駆動ボール850の第1の端部851の外面851aがハウジング830の内壁837と接触せず、貫通空間がそれらの間に配置され得る。
【0243】
駆動ボールの第2の端部853が、駆動パック870の周りで、および、駆動ボール850の第1の端部851の周りで、ハウジング830に対して回転可能とできる。第1のシャフトがハウジング830の第2の端部832と連結され得、第2のシャフトが駆動ボール850の第2の端部853と連結され得る。
【0244】
図59~
図60は、先に記載されている継手と同様の継手900の別の実施形態を示している。継手900は、ハウジング930と、駆動パック970と、駆動ボール950と、ピン980と、キャップリング990とを備え得る。ハウジングは第1の端部931と第2の端部932とを備え得る。ハウジング930は、内部空洞934と、内部空洞934の内壁937内の第1の通路935aおよび第2の通路935bとを備え得る。第1の通路935aおよび第2の通路935bは第1の通路335aおよび第2の通路335bと同様であり得る。内壁937は、第1の球面336aおよび第2の球面336bと同様の第1の凹状球面936aおよび第2の凹状球面936bも備え得る。代替で、ハウジング830は、第1の通路935aおよび第2の通路935bの代わりに、第1の溝535aおよび第2の溝535bと同様の第1の溝および第2の溝を備えてもよい。
【0245】
キャップリング990は第3の通路995aと第4の通路995bとを備え得る。キャップリング990はハウジング930の第1の端部931と連結できる。キャップリングは第3の凹状球面996aと第4の凹状球面996bとを備え得る。一部の実施形態では、第1の端部931およびキャップリング990は、キャップリング990を第1の端部931と位置合わせするために対応する杭部/凹部998を備え得る。
【0246】
第1の通路935aおよび第2の通路935bは、中央円筒部分935cと、外側の丸められた部分935e、935fとを各々備え得る。同様に、駆動パック970の外側接触面972が、中央円筒部分975cと、外側の丸められた部分975e、975fとを対応するように備え得る。外側接触面972は、第1の通路935a内および第2の通路935b内で滑動可能に係合できる。キャップリング990の第3の通路995aおよび第4の通路995bも、中央円筒部分995cと、外側の丸められた部分995e、995fとを各々備え得る。駆動ボール950の外側球面951aが、第1から第4の凹状球面936a、936b、996a、996bと滑動可能に係合できる。
【0247】
継手900は、駆動ボール950の第1の端部951をピン980で駆動パック970と連結することで組み立てられ得る。駆動パック970は、ハウジング930の第1の通路935a内および第2の通路935b内に挿入でき、そこで回転可能とされ得る。キャップリング990は駆動パック970をハウジング930内に固定するために第1の端部931と連結できる。キャップリング990は任意の適切な手法で第1の端部931と機械的に連結され得る。一部の実施形態では、第1の端部931はキャップリング990と溶接される(例えば、電子ビーム溶接、摩擦攪拌溶接、または他の溶接)。一部の実施形態では、第1の端部931およびキャップリング990は、ハウジング930(例えば、第1の通路935aおよび第2の通路935bならびに/または第1の凹状球面936aおよび第2の凹状球面936b)またはキャップリング990を変形させる溶接によって引き起こされる過剰な熱および/または変形なしで溶接を受け入れるための拡大した外側縁を備える。
【0248】
一部の実施では、第1の端部931におけるハウジング930の外側縁の厚さは少なくとも16mmである。厚さは10mmから25mm以上までの範囲内にあり得る。一部の実施では、第1の端部931は、通路935a、935b、995a、995b(例えば、
図60に示されているような杭部/凹部998において)を含まない第1の端部931の側部およびキャップリング990の側部だけが溶接される側方の溶接パターンで溶接される。同様に、継手組立体10、10a、300、および400のキャップリングは、拡大した外側縁(および/または、側方の溶接パターン)を含むことができ、45度の継手と90度の継手との両方を形成するために溶接され得る。一部の実施では、継手組立体10、10a、300、および400、500、600、700、800、または900のいずれも機械的な締結具を含まず、代わりに、任意の適切な溶接技術を用いて組み立てられる。
【0249】
駆動ボールの第2の端部953が、駆動パック970の周りで、および、駆動ボール950の第1の端部951の周りで、ハウジング930に対して回転可能とできる。第1のシャフトがハウジング930の第2の端部932と連結され、第2のシャフトが駆動ボール950の第2の端部953と連結され得る。
【0250】
図61は、キャリア軸受組立体1000内で連結される継手600を示しているキャリア軸受組立体1000は外側ケーシング1002と軸受1004とを備え得る。軸受1004は、いずれかの種類の軸受(例えば、玉軸受、ニードル軸受、または他の種類)とでき、ハウジング630に直接的または間接的のいずれかで接触できる。キャリア軸受組立体1000は、ハウジング630におけるスロット内で連結する1つまたは複数の保持リング1006によってハウジング630と連結できる。継手600は外側ケーシング1002内で回転可能であり得る。外側ケーシング1002は任意の構造体としっかりと連結され得る。例えば、外側ケーシングは、自動車のフレーム部材としっかりと連結され得る。キャリア軸受組立体1000は、第1のシャフト1010の回転が継手600を通じて第2のシャフト1012へ伝達される状態で、継手600を第1のシャフト1010および第2のシャフト1012と連結させることができる。第1のシャフト1010と第2のシャフト1012とは角度1014において維持され得る。角度1014はおおよそ90~100°までであり得る。一部の実施形態では、角度1014は維持され得るか、または、継手600は外側ケーシング1002内で軸受1004の周りで回転する。
【0251】
図62は、継手の別の実施形態の分解図を示している。継手1100は、
図31~
図43に示されているような継手500と同様の構造である。同様の構成要素は、同様の要素を招集して1100番台に改定されている。継手1100はハウジング基部1130bとハウジング1130aとを備え得る。ハウジング1130aは、先に記載されている溝535と同様内溝を含み得る。ハウジング構成要素1138は基部構成要素1130bと連結され得る。一部の実施では、1つまたは複数のピン1131aおよび1131bが、基部構成要素1130bとハウジング1130aとが共に連結される前に2つの部品に位置合わせを提供するために基部構成要素1130bとハウジング1130aとの間で使用され得る。基部構成要素1130bとハウジング1130aとは、例えば、電子ビーム溶接、他の溶接、または適切な手段を用いて、永久的な様態で連結され得る。駆動パック1170が第1のハウジング構成要素1130a内の溝の中に受け入れられ得る。駆動シャフト1150が、ピン1180によって駆動パック1170と枢動可能に連結され得る。駆動シャフト1150の外端は、
図53~
図56に示されているソケットレンチ取付具に関連して先に記載されているように、オスソケット取付具であり得る。基部構成要素1130bは、メスソケット取付具である凹部をその中に有し得る。この手法では、継手1100は、ソケットシステムまたはソケットレンチとの組み合わせで使用され得る。レンチまたはインパクトドリルと連結されるなどのオスソケット取付具が基部1130とその凹部において連結でき、ソケット工具取付具(例えば、ソケット)が駆動シャフト1150の外端と連結され得る。継手1100の機能は、継手500および本明細書に記載されている他の継手の機能と同様であり得る。
【0252】
継手1100は挿入体1120も備え得る。一部の実施では、挿入体1120は、ドーナツ形とされ得る、および/または、基部構成要素1130b内の凹状部分1121内に受け入れられ得る。挿入体1120は、駆動シャフト1150のボール端と基部構成要素1130bとの間の空間を埋めるために使用される。特定の実施では、挿入体1120は、ハウジング1130a内での駆動シャフト1150および/もしくは駆動パック1170の移動ならびに/または遊びを低下させる。挿入体1120は、駆動パック1170および駆動シャフト1150の組立体を、先に記載されているようなハウジング1130内のリップ(例えば、
図41)に向けて押すことができる。挿入体1120のための材料は、プラスチックおよびポリマ、炭素繊維織物、ナイロン繊維織物、または他の繊維もしくはセラミックの研磨材料を含み得る。特定の実施では、挿入体1120は継手1100の騒音(つまり、継手の回転からの騒音)を低減できる。ドーナツ形で示されているが、挿入体1120は、ハウジング1130a内の空間を埋めるための任意の適切な形状因子を有し得る。
【0253】
図63を参照すると、継手1210は、先に記載されている継手10および継手300と同様に構築される。継手1210の要素の招集が、同じ符号を有する同様の構成要素で改定されており、1200番台に改定されている。継手1210は、第1のハウジング1212と、第2のハウジング1224と、キャップリング1226とを備え得る。第1のハウジング1212と第2のハウジング1224とは、これらの構成要素のうちの3つすべてが共に連結され得るように、機械的な締結具で共に連結され得る。例えば、1つまたは複数のボルトが構成要素の外周部の周りに挿入され得る。第2のハウジング1224は、円筒形の通路と、駆動パック1270および駆動ボール1222を受け入れるための1つまたは複数の球形の半球体とを備え得る。駆動パック1270は第2のハウジング1224の通路内で回転できる。駆動ボール1222は、駆動パック1270の開口を通じて挿入され、駆動ボール1222と連結され得る第1のピン1256および第2のピン1258によって、駆動パック1270と枢動可能に連結され得る。別の実施では、ピンは駆動パック1270および駆動ボール1222を通じて受け入れられ得る。シャフト1214の内端1214aが駆動ボール1222の凹部122a内に受け入れられ得る。継手1210の機能は、継手10、300、および本明細書に記載されている他の継手の機能と同様であり得る。
【0254】
任意の適切な材料が継手1210の構成要素を構築するために使用できるが(例えば、鋼、アルミニウム、または他の金属)、一実施では、継手1210は、第1のハウジング1212およびキャップリング1226の構造のために鋼を使用する。一部の実施では、第2のハウジング1224は鋼と異なる材料から構築され得る。例えば、第2のハウジング1224のためにアルミニウム材料を使用することで、アルミニウムの有利な熱特性が継手1210において利用され得る。アルミニウムは、鋼の熱伝導率(おおよそ50.2W/MA)の最高で4倍の熱伝導率(おおよそ205W/MA)を有し得る。したがって、継手1210の高速の動作の間、第2のハウジング1224内でのパックおよび駆動ボールの移動によって発生する熱が、第1のハウジング1212またはキャップリング1226において発生する熱と比較して(または、鋼の第2のハウジング1224と比較して)、非常に素早く消散され得る。同じ熱伝導率または異なる熱伝導率のいずれかを有する材料の任意の組み合わせが、第1のハウジング1212、第2のハウジング1224、およびキャップリング1226において様々に使用される鋼およびアルミニウムの構成要素に代用されてもよい。例えば、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄、真鍮、タングステン、工具鋼、および/または同様のものなどの他の材料が、第2のハウジング1224、第1のハウジング1212、および/またはキャップリング1226のために使用できる。
【0255】
特定の実施形態が先に記載されてきたが、上記の実施形態は、1つだけの実施形態が具体的な特徴に関して記載されている場合であっても、本開示の範囲を限定するように意図されていない。本開示で提供された特徴の例は、他に述べられていない場合、限定的になると言うよりも例示となるように意図されている。先の記載は、本開示の便益を有する技術における当業者に明らかとなるように、このような代替、変更、および均等を網羅するように意図されている。
【0256】
本開示の範囲は、本明細書で対処された問題のいずれかまたはすべてを軽減するかどうかに拘わらず、(明示的または黙示的のいずれかで)本明細書で開示されている任意の特徴もしくは特徴の組み合わせ、または、それらの任意の一般化を含んでいる。したがって、新規の請求項が、本出願(または、本出願への優先権を主張する出願)の手続きの間に、特徴の任意のこのような組み合わせに策定されてもよい。具体的には、添付の請求項に関連して、従属請求項からの特徴が独立請求項の特徴と組み合わされてもよく、それぞれの独立請求項からの特徴は、任意の適切な手法で、添付の請求項において列挙された特定の組み合わせでだけでなく、組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0257】
10 継手、第1の継手、第2の継手、第3の継手、回転コネクタ、継手組立体
10a 継手、継手組立体
12 第1のシャフト
14 第2のシャフト
16、18 従動子、軸受
16A、18A 外面
17 角度
20 ハウジング
22 枢動部材
23 凹部
24 第1の半体、ハウジング半体
26 第2の半体、ハウジング半体
28、30 内側球面
32、34 内側
36 第1の半体24の厚さ
38 第2の半体26の厚さ
40、42、44、46 切欠き
40A、42A、44A、46A 内面
47 軸
48、50 内面
52 外側球面
53 位置決めねじ
54 枢動軸
55 タップ孔
56、58 ピン
60、62 凹部
64 Oリング
66 ハウジング備付部
70、71、72、73 切欠き
76 円錐状面
78 ソケットレンチ
79 ボルト
80 第1の半体
81 角度
82 ハウジング
84 ソケット駆動機構
85 第2の半体
86 ソケットコネクタ
87 ねじ
88 ソケット
90、92 内面
94、96 内側面
95 ピン
97、99 貫通孔、凹部
98 内部球形部材、内部部材
100 工程、炭素鋼工程
200 オーステナイトステンレス鋼工程
300 継手、継手組立体
317 角度
330 ハウジング
331 第1の端部
331a 境界面
332 第2の端部
333 ハウジング本体
334 内部空間
335 通路
335a 第1の通路面
335b 第2の通路面
335c 第1の側壁面
335d 第2の側壁面
336 凹状球面
336a 第1の球面
336b 第2の球面
337 内壁、内面、ハウジング壁
338 テーパー孔
339a タップ孔、杭部、凹部
339b 杭部、凹部
350 駆動ボール
351 ボール端
351a 凸状球面
353 ソケット端
353a ソケット
355 首部分
357 シャフト
358a 平面領域、第1の側、第1の面
358b 平面領域、第2の側、第2の面
359 テーパー孔
370 駆動パック
372 外面
373 内側スロット
374a 第1の側壁
374b 第2の側壁
375a 第1の羽根部
375b 第2の羽根部
376a 上面
376b 下面
377 シャフト
380 ピン
381 第1の側
381a 第1の端部
382 第2の側
382a 第2の端部
383 凹部
390 キャップリング
391a 第1の面
391b 第2の面
392 中心開口
393a、393b 杭部、凹部
394 凹状球面、凹状球部分
394a 第1の凹状球面
394b 第2の凹状球面
395 面取り
397a 第1の通路区間
397b 第2の通路区間
398 貫通孔、ねじ孔
400 継手組立体
401 第1の平面
402 第2の平面
403 第3の平面
404 第4の平面
417、418、419 角度
430 ハウジング
430a 第1の端部
430b 第2の端部
433 ハウジング本体
434 内部空間
435a、435b 通路
436a、436b 凹状球面
437 内壁、内面
450a 第1の駆動ボール
450b 第2の駆動ボール
451a、451b 第1の端部
452a、452b 凸状球面
453a、453b 第2の端部
459a 位置決めねじ組立体
470a 第1の駆動パック
470b 第2の駆動パック
480a 第1のピン
480b 第2のピン
490a 第1のキャップリング
490b 第2のキャップリング
495a、495b ねじ、締結具
496a、496b 杭部、ピン
500 継手組立体
501 第1の平面
502 第2の平面
505 エンドミル
506 切削面、研削面
517 角度
520 引っ張り機構
530 ハウジング
530a 第1のハウジング区域
530b 第2のハウジング区域
530c 境界部
530d 溶接
531 第1の端部
531a 上面
532 第2の端部
532a 凹部、第2の開口
533 外側ケーシング
533a 第1の端部
533b 第2の端部
534 中央空洞
534a 貫通空間
535a 第1の溝
535b 第2の溝
535c 溝距離
536a 第1の凹状滑動面
536b 第2の凹状滑動面
536c、536d 直線部分、直線の切削部分
536e 第1のトロイダル面部分、トロイダル面
536f 第2のトロイダル面部分、トロイダル面
536g、536h 中心線
537 内面
538a 第1のリップ
538b 第2のリップ
538c リップ距離
539a 第1の端部
539b 第2の端部
539c 面、平面状表面
550 駆動ボール
551 第1の端部、ボール端
551a 外面
553 第2の端部、ソケット端
553a 開口、ソケット
555 首部分
557 開口
558a 第1の平面領域
558b 第2の平面領域
559 タップ孔
570 駆動パック
571a 第1の羽根部
571b 第2の羽根部
572 凸状滑動面、トロイダル外面
572a 外周部
572b 中心軸
573 内側スロット
573a 第1の内側
573b 第2の内側
577 開口
578a 第1のオーバーハング部分
578b 第2のオーバーハング部分
580 ピン
581 第1の端部
582 第2の端部
583 平坦部分
590 位置決めねじ
600 継手組立体
601 第1の平面
602 第2の平面
603 第3の平面
604 第4の平面
617、618、619 角度
630 ハウジング
630a 第1の端部、第1のハウジング区域
630b 第2の端部、第2のハウジング区域
633 ハウジングケーシング
633c 内端
633a 外端
634 中央空洞
635a 第1の溝
635b 第2の溝
635c 第3の溝
635d 第4の溝
636a 第1の凹状滑動面
636b 第2の凹状滑動面
637 内面、内壁
638a 第1のリップ
638b 第2のリップ
638c、638d リップ
650a 第1の駆動ボール
650b 第2の駆動ボール
651a 第1の端部、内端
651b 第1の端部
653a、653b 第2の端部
659a 孔
670a 第1の駆動パック
670b 第2の駆動パック
672a 外面
673a 内側スロット
680a 第1のピン
680b 第2のピン
690 位置決めねじ
700 継手のソケットレンチ取付具、継手組立体
730 ハウジング
730a 第1のハウジング半体
730b 第2のハウジング半体
735a、735b 溝
741 スリーブ
742 第1の保持リング
743 第2の保持リング
750a 第1のコネクタ
750b 第2のコネクタ
753a ソケット開口
753b 駆動端、ドライバ
770a 第1の駆動パック
770b 第2の駆動パック
780a 第1のピン
780b 第2のピン
791a 第1の位置決めねじ
791b 第2の位置決めねじ
800 継手、継手組立体
803b 第2のハウジング構成要素
830 ハウジング
830a 第1のハウジング構成要素
830b 第2のハウジング構成要素
830c 境界部
831 第1の端部
832 第2の端部
834 内部空洞
835a 第1の通路
835b 第2の通路
837 内壁
850 駆動ボール
851 第1の端部
851a 外面
853 第2の端部
870 駆動パック
880 ピン
890 キャップリング
895a 第1の接触面
895b 第2の接触面
898 杭部/凹部
900 継手、継手組立体
930 ハウジング
931 第1の端部
932 第2の端部
934 内部空洞
935a 第1の通路
935b 第2の通路
935c 中央円筒部分
935e、935f 外側の丸められた部分
936a 第1の凹状球面
936b 第2の凹状球面
937 内壁
950 駆動ボール
951 第1の端部
953 第2の端部
970 駆動パック
972 外側接触面
975c 中央円筒部分
975e、975f 外側の丸められた部分
980 ピン
990 キャップリング
995a 第3の通路
995b 第4の通路
995c 中央円筒部分
995e、995f 外側の丸められた部分
996a 第3の凹状球面
996b 第4の凹状球面
998 杭部/凹部
1000 キャリア軸受組立体
1002 外側ケーシング
1004 軸受
1006 保持リング
1010 第1のシャフト
1012 第2のシャフト
1014 角度
1100 継手
1120 挿入体
1121 凹状部分
1130 ハウジング、基部
1130a 第1のハウジング構成要素、ハウジング
1130b ハウジング基部、基部構成要素
1131a、1131b ピン
1150 駆動シャフト
1170 駆動パック
1180 ピン
1210 継手
1212 第1のハウジング
1214 シャフト
1214a 内端
1222 駆動ボール
1224 第2のハウジング
1226 キャップリング
1256 第1のピン
1258 第2のピン
1270 駆動パック