(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】調理用レンジ
(51)【国際特許分類】
F24C 15/20 20060101AFI20221101BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20221101BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
F24C15/20 D
F24F13/28
F24F7/06 101A
F24C15/20 F
F24C15/20 G
(21)【出願番号】P 2020511181
(86)(22)【出願日】2018-08-13
(86)【国際出願番号】 IB2018056085
(87)【国際公開番号】W WO2019038632
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102017000095549
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515295636
【氏名又は名称】エリカ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ ブッソット
(72)【発明者】
【氏名】アントネッロ ガルジュロ
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0150965(US,A1)
【文献】米国特許第06455818(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第102013007722(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0048057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00- 3/14
F24C 7/00- 7/10
F24C 15/00-15/36
A47J 37/00-37/12
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 吸引開口部(4);上面(2a)、底面(2b)および上面(2a)と底面(2b)の間の連結縁部(23);を有する支持体(2)であって、前記連結縁部が前面(23a)および前記前面(23a)と反対側の後面(23b)を有している支持体(2)と;
- 前記上面(2a)の近傍で前記支持体(2)上に配設された1つ以上の加熱要素(3)と;
- 前記吸引開口部(4)と流体連通状態で連結されかつ前記加熱要素(3)の近傍で調理の煙を吸込むように構成されている吸引手段(5)であって、第1のフィルタ(11)および第2のフィルタ(12)を含む吸引手段(5);
とを含む調理用レンジ(1)において、
- 前記第1のフィルタ(11)が第1の座部(13)を有し、前記第1の座部(13)の中に第1のフィルタ要素(14)を含み、前記第1の座部(13)は前記第1のフィルタ要素(14)の抜取りおよび/または挿入を可能にするために前記吸引開口部(4)を通してアクセス可能であり;
- 前記第1のフィルタ(11)の下流側に位置設定された前記第2のフィルタ(12)が、前記第1の座部(13)とは別個の第2の座部(15)を有し、前記第2の座部(15)内に挿入され前記第1のフィルタ要素(14)と比べて異なるタイプのものである複数の第2のフィルタ要素(16)を含んでいる;
調理用レンジであって;
- 前記第2の座部(15)が前記縁部(23)の前記後面(23b)に位置設定され、前記第1の座部(13)が前記吸引開口部と前記第2の座部(15)の間に挿入されていること;
- 前記第2の座部(15)が、前記第1の座部(13)を通過して前記吸引開口部(4)を通る前記第2のフィルタ要素(16)の抜取りおよび/または挿入を可能にするために前記第1の座部13を通ってアクセス可能であること;
- 前記後面(23b)において前記吸引手段(5)の下流側に位置設定された排気ダクト(10)を含み、前記第2の座部(15)が前記排気ダクト(10)内に形成され、前記排気ダクトが、前記第1の座部(13)を前記第2の座部(15)から分離する周壁(20)を有すること;
を特徴とする調理用レンジ
(1)。
【請求項2】
前記第2の座部(15)が前記第1の座部(13)に面する引出し開口部(17)を有し、前記引出し開口部(17)が前記周壁(20)上に画定されている、
請求項1に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項3】
前記引出し開口部(17)と結び付けられ、かつ、前記支持体(2)から離れるかまたは前記支持体(2)に向かって摺動して前記引出し開口部(17)を開放および/または閉鎖する、扉(19)を含むこと、を特徴とする
請求項2に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項4】
前記第1の座部(13)が、前記第2のフィルタ要素(16)の通過を可能にするため前記引出し開口部(17)に面する通路開口部(18)を有する、
請求項2に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項5】
前記吸引開口部(4)を通って外部環境と流体連通状態にある吸引ダクト(6)を含み、前記座部(13)が前記吸引ダクト(6)によって少なくとも部分的に画定されており、前記吸引ダクト(6)が、前記第1の座部(13)に位置設定され前記支持体(2)の底面(2b)から突出する側壁(7)を含み、前記通路開口部(18)が前記側壁(7)の中に形成されていること、を特徴とする
請求項4に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項6】
前記第1の座部(13)が、前記通路開口部(18)を開閉するために、前記通路開口部と結び付けられたカバー要素(21)を含む、
請求項4に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項7】
前記吸引開口部(4)を通って外部環境と流体連通状態にある吸引ダクト(6)を含み、かつ、前記吸引ダクト(6)が、前記第1の座部(13)に位置設定された側壁(7)を含み、
前記カバー要素(21)が、前記第1の座部(13)の内部に向かって開放するために、前記通路開口部(18)において前記側壁(7)に対してヒンジ留めされている、
請求項6に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項8】
ユーザが引出せるようにするための前記引出し開口部(17)の前の部域内の前記第2の座部(15)の中に前記第2のフィルタ要素(16)を押込むように構成された前記第2のフィルタ要素(16)を抜取るための抜取り手段を含むこと、を特徴とする
請求項2に記載の調理用レンジ(1)。
【請求項9】
前記抜取り手段が前記第2の座部(15)の中に少なくとも部分的に挿入されている、
請求項8に記載の調理用レンジ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理用レンジ(cooktop)に関する。
【0002】
詳細には、非限定的に、本発明は、請求項1の前段の中で定義されている通り、「ダウンドラフトフード」(downdraft hood)という名称で市販されているフード(hood)を組込んだ調理用レンジに関する。
【背景技術】
【0003】
家庭用フードは、料理ガスすなわち調理中に発生する蒸気を抽出する上で有用であることを誰もが認めていることから、住宅用キッチンにおける一般的な機能となっている。料理中に発生する調理蒸気を効果的に除去することのできる家庭用フードを提供することの重要性は増々高まっている。
【0004】
この目的のため、吸気区分を用いて家の中から空気を抽出しかつ抽出された空気を排気すると共にこのような空気を濾過し家庭内環境へと再循環させることのできるフードが開発されてきた。
【0005】
ダウンドラフトフードは、市販されている様々なフードの1つであり、多くの場合調理用レンジ内または厨房用家具の調理台内に組込まれている。すなわち、ダウンドラフトフードは、調理スチームの上昇流速よりも速い交差流を生成し、このようなスチームが調理用レンジに向かって垂直下向き方向に抽出されるように構成されている。
【0006】
特に調理用レンジ内に組込まれているこれらのダウンドラフトフードの一例は、本明細書の出願人によって、特許文献1(伊国特許出願第102016000034820号)の中で示されている。
【0007】
この文書では、支持体を含む調理用レンジが開示されている。このような支持体は、上面と底面とを有する。調理部域は、上面上に画定され、加熱要素を収容することを目的としている。
【0008】
支持体は、調理の煙を吸込むための吸引開口部を有する。調理用レンジはさらに、吸引開口部と流体連通状態にある吸引ダクトを含む。遠心ファンが吸引開口部と流体連通状態にあり、詳細には、吸引ダクトと流体連通状態にある入口ポートを有する。ファンは出口スクロールを通して煙を駆出する。モータが遠心ファンと結び付けられてファンを回転させ始める。
【0009】
調理の煙を処理するために、先行技術のダウンドラフトフードは、調理の煙の中の脂肪などの懸濁した液体または半液体微粒子を容易に凝縮させるように適応されている金属グリッドで通常構成される第1のフィルタを有する。
【0010】
フードは同様に、調理の煙からの臭気を吸収するように適応された第2のフィルタも含んでいる。このフィルタは1つ以上の活性炭フィルタ要素を含む。
【0011】
両方のフィルタ共、定期メンテナンスを必要とする。第1のフィルタは、清浄のためにグリッドを取外す必要がある。第2のフィルタは、フィルタ要素がひとたび飽和した時点でフィルタ要素を交換する必要がある。
【0012】
先行技術のダウンドラフトフードでは、グリッドは概してフードの吸引開口部を通って取外し可能である。フィルタ要素へのアクセスを提供しその交換を可能にするため、第2のフィルタと同じ高さで支持体の外側表面上に追加の開口部が形成される。このような追加の開口部は、好ましくは支持体または下部表面の一部分の後方部域内に形成されているため、ダウンドラフトフードの露出された部分の美観に影響が及ぶことはない。
【0013】
特許文献2(独国特許出願公開第102013007722号明細書)、特許文献3(独国特許出願公開第102016113867号明細書)および特許文献4(米国特許出願公開第2007/062513号明細書)は、吸引開口部に直接面している1つのフィルタのみにアクセスできる例示的ダウンドラフト吸引フードを記載している。
【0014】
1つの欠点は、第2のフィルタのメンテナンス用の追加開口部が中に形成されている支持体部域が、多くの場合フードのアクセスしにくい部域の中に設置されている、ということにある。したがって、時として、第2のフィルタにアクセスし活性炭フィルタ要素を交換するために、フードを移動させるかまたは少なくとも部分的に分解する必要がでてくる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】伊国特許出願第102016000034820号
【文献】独国特許出願公開第102013007722号明細書
【文献】独国特許出願公開第102016113867号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/062513号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の技術的目標は、上述の先行技術の欠点を取り除くことのできる調理用レンジを提供することにある。
【0017】
詳細には、本発明の目的は、フードフィルタの容易なメンテナンスを可能にするダウンドラフトフードを有する調理用レンジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の技術的目標および目的は、添付の請求項の1つ以上の中で開示されている技術的特徴を含む調理用レンジによって実質的に達成される。
【0019】
詳細には、本発明の調理用レンジは、吸引開口部を有する支持体を含む。1つ以上の加熱要素が支持体上、詳細には開口部の近傍に設置される。
【0020】
調理用レンジは同様に、吸引開口部と流体連通状態で連結された吸引手段も含んでいる。これらの吸引手段は、加熱要素の近傍で調理の煙を吸込むように構成されている。吸引手段は第1および第2のフィルタを含む。
【0021】
第1のフィルタは、第1の座部を有し、第1の座部の中に第1のフィルタ要素を含む。第1のフィルタ要素は、調理の煙中の液体または半液体粒子の凝縮を容易にするように構成されている。第1の座部は、第1のフィルタ要素の抜取りおよび/または挿入を可能にするために、吸引開口部を通してアクセス可能となるように設計されている。
【0022】
第2のフィルタは、第1のフィルタの下流側に設置されており、複数の第2のフィルタ要素を格納するように設計された第2の座部を有する。これらの第2のフィルタ要素は好ましくは活性炭タイプのものである。第2の座部は、第1の座部を通してアクセス可能であり、これにより吸引開口部を通る第2のフィルタ要素の抜取りおよび/または挿入が可能になる。
【発明の効果】
【0023】
該調理用レンジは、前述の技術的課題を解決する。実際、第1のフィルタの座部と第2のフィルタの座部が連通していることによって、吸引開口部を通して、両方のフィルタのフィルタ要素を引出すことができる。吸引開口部は支持体の容易にアクセス可能な領域内に設置されていることから、こうして調理用レンジフィルタのメンテナンスが簡略化される。このことで調理用レンジを分解するかまたは移動する必要性は回避される。
【0024】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に示されている調理用レンジの好ましい非排他的な実施形態についての例示的かつ非限定的説明からより明確になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の調理用レンジの部分的に分解された斜視図である。
【
図3】
図1および2の調理用レンジの底面断面図である。
【
図4】フィルタ要素が引出されている間の
図1および
図2の調理用レンジの斜視底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付図の器具は、必ずしも原寸に比例して描かれておらずその部品の実際の割合を必ずしも表わしておらず、概略的に例示されているとみなされるものとする。
【0027】
このことは明示的に示されていないものの、各々の実施形態に関して説明されている個別の特徴は、他の実施形態に関して説明されている他の特徴と互換的でありかつ/または補助的であるように意図されているものとする。
【0028】
添付図面を参照すると、数字1は概して、本発明の調理用レンジを呼称する。
【0029】
調理用レンジ1は支持体2を含む。
【0030】
支持体2は、実質的に矩形の形状を有し、動作中実質的に水平方向の配向を有する。
【0031】
この配向で、支持体2は上面2aおよび底面2bを有する。
【0032】
さらに、支持体2は、上面2aと底面2bの間に連結縁部23を有し、このような縁部23は、前面23aとこの前面23aと反対側の後面23bを画定する。
【0033】
調理用レンジ1は、支持体2上、詳細には上面2a上に配設された1つ以上の加熱要素を含む。これらの加熱要素3は、例えばガスバーナー、電気抵抗器、または誘導回路などの当業者にとってはすでに公知の任意のタイプのものであってよい。
【0034】
調理用レンジ1は、支持体2上、詳細には上面2a上に形成された吸引開口部1を有する。
【0035】
例示された実施形態において、吸引開口部4は、円形形状を有する。一部の変形実施形態では、吸引開口部4は任意の形状を有し得る。
【0036】
上述の加熱要素3は、加熱要素3の上部に設置された容器から調理の煙を容易に吸込むことができるように、吸引開口部4の近傍に位置設定される、という点が指摘されるものとする。
【0037】
開口部4は、例えばグリッドにより画定される閉鎖部材22を有する。閉鎖部材22は詳細には、開口部4と同じ形状およびサイズを有する。閉鎖部材22は、液体および気体の通過を可能にし、大きな固体物体を阻止するように設計されている。
【0038】
調理用レンジは同様に、吸引開口部4と流体連通状態にある吸引手段5をも含んでいる。これらの吸引手段5は、加熱要素の近辺の調理の煙を吸込むように構成されている。好ましくは、吸引手段5はファン(図示せず)、より好ましくは遠心タイプのファンを含む。
【0039】
より詳細には、調理用レンジ1は吸引ダクト6を含む。この吸引ダクト6は、上述の吸引開口部4を介して外部環境と流体連通状態にある。吸引ダクト6は、支持体2の底面2bの一部分、側壁7および底壁によって境界画定されている。例えば
図4に示されているように、側壁7は支持体2の底面2bから突出している。
図4には示されていない吸引ダクト6の底壁は、支持体2の底面2bに向い合っており、支持体2に向い合った側壁7の縁部に連結されている。
【0040】
上述の実施形態において、調理用レンジ1は、吸引ダクト6の一部を画定する収集用トレー(図示せず)を含む。この収集用トレーは、支持体2の上述の底壁を包含し、動作中、側壁7に連結される。収集用トレーは、吸引開口部4を通って吸引ダクト6内に浸透するあらゆる液体または固体を保持し収容する。収集用トレーは有利にも、当該技術分野において実質的に公知であるように、空にするかまたは清浄するために、取外し可能である。
【0041】
特に
図2および4を参照すると、ファンはケーシング9内に封じ込められ、ケーシング9上に形成された2つのグリッド8a、8bを通して、吸引ダクト6と流体連通状態にある。すなわち、第1のグリッド8aは、ケーシング9の外周ゾーン上に設置され、ケーシング9と支持体2の底面2bとの間の間隙を通ってファンの中央部域と吸引ダクト6を連結する。これに反して、第2のグリッド8bは、ファンの中央部域と実質的に同じ高さに位置設定される。
【0042】
調理用レンジ1は同様に、吸引手段5の下流側に位置設定された排気ダクト10を含む。
【0043】
排気ダクト10は、吸引ダクト6の近傍に位置設定された周壁20を有する。すなわち、周壁20は側壁7の一部分に面している。
【0044】
上述の実施形態において、排気ダクト10が、ファンに直接連結された発散ダクト10aを含むということが指摘されるものとする。このような発散ダクト10aの下流側に追加のダクト(これは調理用レンジ1の一部を成すものではないことから、図示されていない)が連結される。このような追加のダクトの形状およびサイズは、調理用レンジ1の特定の設置に応じて変動し得る。
【0045】
特に
図2を参照すると、吸引手段5は、第1のフィルタ11および第2のフィルタ12を含む。
【0046】
1つの態様において、第1のフィルタ11とは別個で直接開口部4に面していない第2のフィルタ12は、第1のフィルタ11の第1の座部13を通してアクセス可能である。
【0047】
詳細には、第1のフィルタ11は、吸引ダクト6の側壁7によって少なくとも部分的に画定された第1の座部13を有する。第1のフィルタ要素14は第1の座部13の内部に設置されている。この第1のフィルタ要素14は、調理の煙中の液体または半液体粒子の凝縮を容易にするという目的を有する。
【0048】
例えば、第1のフィルタ要素14は、当業者にとって公知である任意のタイプの脂肪フィルタまたは金属グリッドによって画定され得る。
【0049】
第1の座部13は、第1のフィルタ要素14の挿入および/または抜取りを可能にするため吸引開口部4を介してアクセス可能となるように設計されている。すなわち、第1の座部13は吸引開口部4に直接面している。
【0050】
吸引開口部4を通して第1のフィルタ要素14を取外すことによって、ユーザは、第1の座部13および吸引ダクト6の両方に自由にアクセスできかつこれらの両方を見ることができる。
【0051】
第1の座部13は、本明細書中で説明され例示されている実施形態における吸引ダクト6と実質的に一致しているものの、図示はされていないが、吸引ダクト6が第1の座部を超えて延在している変形実施形態も提供され得る。
【0052】
特に
図2~4を参照すると、第1のフィルタ要素14が第1の座部13の中に挿入されている場合、それは支持体2の上面2aと実質的に連続した平面を形成するということが指摘されるものとする。
【0053】
閉鎖要素22および第1のフィルタ要素14がひとたび取外されたならば、第1の座部13は、支持体2の上面2aおよび底面2b上に不連続性を創出する。換言すると、第1の座部13は、吸引開口部4から導管6の底壁まで実質的に延在するキャビティとして出現する。この配設によって、ユーザは、第1の座部13を見ることができると共に、吸引開口部4を通して手で検査することができる。
【0054】
例えば
図3に示されているように、上述の第2のフィルタ12は、第1のフィルタ11の下流側に設置される。詳細には、第2のフィルタ12は、排気ダクト10内に形成された第2の座部15を有する。
【0055】
このような第2の座部15は、調理の煙から臭気を除去するために適応された複数の第2のフィルタ要素16を格納するように設計されている。
【0056】
例えば、第2のフィルタ要素16は、当業者にとって既知である活性炭フィルタであってよい。
【0057】
例えば
図4に示されているように、第2の座部15は、第1の座部を通してアクセス可能となり、それにより吸引開口部4を通した第2のフィルタ要素16の挿入および/または抜取りが可能となるように設計されている。
【0058】
この目的で、第2の座部15は第1の座部13に面する引出し開口部17を有する。このような引出し開口部17は、詳細には、排気ダクト10の周壁20に形成される。扉19が引出し開口部17と結び付けられ、引出し開口部17を開放および/または閉鎖するため支持体2に向かってまたはこれから離れるように摺動することができる。
【0059】
さらに詳細には、第2の座部15は縁部23の後面23bに位置し、第1の座部13は、前記吸引開口部と前記第2の座部15の間に挿入される。添付図面に示されているように、第2の座部15は、
図4に明確に見える通り、支持体2の後方部域内の底面2bと排気ダクト10の底部壁24の間に実質的に延在している。
【0060】
さらに、第2の座部15は、後面23bにおいて底面2aから突出する排気ダクト10の底部壁25および周壁20によって、実質的に境界画定されている。
【0061】
したがって、第2の座部15を、後面23bでかつ排気ダクト10内に位置付けることで、吸引開口部4からユーザが座部自体を見られないようになるだけでなく、第1の座部13およびそれぞれの第1のフィルタ要素14との分離も明確に画定されることになる。
【0062】
第2のフィルタ要素16の通過を可能にするために、第1の座部13は、第2の座部15の引出し開口部17に面する通路開口部18を有する。詳細には、通路開口部18は吸引ダクト6の側壁7内に形成される。
【0063】
このような第2の座部15およびそのフィルタ要素16は:
- 閉鎖要素22;
- 第1のフィルタ要素14;
- 周壁20の少なくとも一部;
- 引出し開口部17において、側壁7の少なくとも一部;
を取外した後第1の座部13を通してアクセス可能である。
【0064】
したがって、閉鎖要素22および第1のフィルタ要素14、周壁20および側壁7を取外した後でも、ユーザは、吸引開口部4から第2の座部15を見ることができない。
【0065】
さらに、第1の座部13は、カバー要素21を含む。このカバー要素21は、通路開口部18と結び付けられて、それを開放および/または閉鎖する。例えば
図4に示されているように、カバー要素21は、通路開口部18において側壁7にヒンジ留めされ、第1の座部13の内部に向かって側壁7との関係において枢動することによって開放される。一部の変形実施形態において、カバー要素21の開閉メカニズムは、第2の座部15の扉19のものと類似であってよい。
【0066】
したがって、閉鎖要素22および第1のフィルタ要素14を取外した後そしてカバー要素21および扉19を開放した後でさえ、第2の座部15は、吸引開口部4に直接面しておらずかつ/またはそれに近接していないことから、ユーザの視界からなおも隠されている。
【0067】
さらに詳細には、第1の座部13を第2の座部15から、またはその逆に分離するさまざまな要素を取外した後、吸引開口部4からは、第2のフィルタ要素16を第2の座部15から引出すことができるように構成された引出し開口部17だけが実質的に見える。
【0068】
換言すると、好ましい実施形態によると、第1の座部13は、吸引開口部4との関係におけるその位置に起因して、ユーザが見ることができ、手で検査することができる。しかしながら、第2の座部15はユーザによって検査可能であるがユーザには見えない。
【0069】
有利にも、調理用レンジ1は、吸引開口部に直接面していないことからユーザの視界から隠されている座部に対する便利で迅速なアクセスを、逆にユーザが手で検査し見ることのできる座部を通して提供する。
【0070】
第2のフィルタ要素16をより容易に引出すことができるように、調理用レンジ1は同様に、このような第2のフィルタ要素16のための抜取り手段も含んでいる。抜取り手段は、引出し開口部17の前の部域に向かって第2の座部15の中に第2のフィルタ要素16を移動させて、ユーザがこれらの要素を抜取るように構成されている。詳細には、抜取り手段は、第2の座部15内に少なくとも部分的に挿入される。これらの抜取り手段は、当業者にとって公知のタイプのものであり、例えば第2のフィルタ要素16を少なくとも部分的に包囲するテープを含む。このテープを引っ張ることにより、自分の手で保持できるまで第2の座部15内の第2のフィルタ要素16を引上げることができる。
【0071】
調理用レンジ1内のフィルタは、以下のように変換可能である。まずユーザは、第1の座部4から第1のフィルタ要素14を引出す。詳細には、ユーザは吸引開口部4上の閉鎖要素22を取外し、その後第1のフィルタ要素14を取外す。
【0072】
その後のステップにおいて、ユーザは第2のフィルタ要素16を第2の座部15から引出す。この目的で、ユーザは扉19およびカバー要素21を開放して、引出し開口部17および通路開口部18を解放する。必要な場合には、収集用トレーはこのステップにおいて取外される。その後、第2のフィルタ要素16は、第2の座部15から一度に1つずつ取外される。引出し開口部17と直接同じ高さに位置設定された第2のフィルタ要素16がひとたび取外された時点で、ユーザは、残りの第2のフィルタ要素16の各々のための抜取り手段に作用してそれらを引出し開口部17の前の部域内に移動させる。この第2のフィルタ要素16を取外した後、ユーザは、全ての要素が取外されるまで、次の要素へと進む。
【0073】
当業者であれば、以下の請求項に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、特定の要件を満たすために上述の通りの多くの変更および変形形態を加えることができるということを明らかに認識するものである。