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特許7168685統合型バイオエネルギー複合施設を提供して混合固形廃棄物を処理するための方法、装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】統合型バイオエネルギー複合施設を提供して混合固形廃棄物を処理するための方法、装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20221101BHJP
   B09B 3/30 20220101ALI20221101BHJP
   B09B 101/15 20220101ALN20221101BHJP
   B09B 101/65 20220101ALN20221101BHJP
   B09B 101/25 20220101ALN20221101BHJP
   B09B 101/70 20220101ALN20221101BHJP
【FI】
B09B3/40
B09B3/30 ZAB
B09B101:15
B09B101:65
B09B101:25
B09B101:70
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020564781
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019016653
(87)【国際公開番号】W WO2019156970
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】15/894,479
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520465194
【氏名又は名称】アイビーシー テックス インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100212509
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 知子
(72)【発明者】
【氏名】クラッブス レイ
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-052381(JP,A)
【文献】特表2008-508413(JP,A)
【文献】特表2012-531296(JP,A)
【文献】特開平09-024360(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101433904(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0166265(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00 - 5/00
B09C 1/00 - 1/10
F23G 5/00
F23G 5/027
F23G 5/24 - 5/28
F23G 7/00 - 7/02
F23G 7/10 - 7/12
F23J 1/00 - 1/08
F23J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機変換処理センターおよび無機変換処理センターを備える統合型バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を受け取るステップ;
混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するステップ;
有機廃棄物流を有機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物および有機残留物を生産するステップ;ならびに
有機残留物および無機廃棄物流を無機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力、および残留廃棄物を生産するステップ
を含む、混合固形廃棄物を処理するための方法であって、
電力は有機変換処理センターに部分的にまたは完全に動力を供給するために使用され、
残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の目標残留百分率未満である、
方法。
【請求項2】
混合固形廃棄物を処理して、目標水分百分率以下の配合含水量を達成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
目標水分百分率は10%であり、受け入れた混合固形廃棄物の目標残留百分率は3%以下である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
有機廃棄物流を有機変換処理センターに供給するステップおよび無機廃棄物流を無機変換処理センターに供給するステップの前に、リサイクル可能な材料の商業的価値が商業的価値の閾値よりも大きい場合、有機廃棄物流または無機廃棄物流からリサイクル可能な材料を抽出するステップ
をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
リサイクル可能な材料には、プラスチック、紙/厚紙、金属、砂、骨材、シルト、またはそれらの組合せが含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有機変換処理センターは、液体燃料プラントを備えて、有機廃棄物流から1つまたは複数の有機変換生成物を生産する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
有機残留物は、液体燃料プラントからもたらされる灰である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
無機廃棄物流を無機変換処理センターに供給するステップの前に、液体燃料プラントの熱プロセスを使用して、無機廃棄物流を滅菌するステップをさらに含む、請求項6および7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
無機変換処理センターは、インシュレーション/発電プラントを備えて、無機廃棄物流から、1つもしくは複数の無機変換生成物、電力、残留廃棄物、またはそれらの組合せを生産する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の有機変換生成物は、インシュレーション/発電プラント向けの燃料として無機変換処理センターに供給される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
有機変換処理センター、無機変換処理センター、またはそれらの組合せから収集したプロセス熱を使用して、混合固形廃棄物を乾燥し、その結果、目標水分百分率を達成するステップをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
有機変換処理センター、無機変換処理センター、またはそれらの組合せから収集したプロセス熱を使用して、蒸気発生器システムを作動させるステップをさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
1つまたは複数の有機変換生成物には、ディーゼル燃料、ジェット燃料、有機溶媒、ナフサ、ガソリン、エタノール、エチレン、フィッシャー・トロプシュワックス、またはそれらの組合せが含まれ、
1つまたは複数の無機変換生成物には、ロックウール、金属インゴット、グリーン電力、またはそれらの組合せが含まれる、
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
混合固形廃棄物には、建設および解体廃棄物、植物性廃棄物、農業廃棄物、一般固形廃棄物、電気電子機器廃棄物、医療系廃棄物、廃油、油汚染廃棄物、潤滑剤廃棄物、またはそれらの組合せが含まれる、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
混合固形廃棄物を処理して、10%以下の配合含水量を達成するように、かつ、混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するように、構成された統合型バイオエネルギー複合施設;
有機廃棄物流を受け取って、1つまたは複数の有機変換生成物および有機残留物を生産するように構成された、バイオエネルギー複合施設に設置されている有機変換処理センター;ならびに
有機残留物および無機廃棄物流を受け取って、1つまたは複数の無機変換生成物、電力、および残留廃棄物を生産するように構成された、バイオエネルギー複合施設に設置されている無機変換処理センター
を備える、混合固形廃棄物を処理するためのシステムであって、
電力は有機変換処理センターに部分的にまたは完全に動力を供給するために使用され、かつ
残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の3%未満である、
システム。
【請求項16】
有機変換処理センターは、熱分解プロセスを使用して、1つまたは複数の有機変換生成物および有機残留物を生成し、無機変換処理センターは、プラズマコンバーターを使用して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力、および残留廃棄物を生成する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
統合型バイオエネルギー複合施設は、リサイクル可能な材料の商業的価値が商業的価値の閾値よりも大きい場合、有機廃棄物流または無機廃棄物流からリサイクル可能な材料を抽出するように、さらに構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
有機変換処理センターおよび無機変換処理センターを備えるバイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を受け取るように;
混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するように;
有機廃棄物流を有機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物および有機残留物を生産するように;ならびに
有機残留物および無機廃棄物を無機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力、および残留廃棄物を生産するように、
構成された1つまたは複数の構成要素を備える、混合固形廃棄物を処理するための装置であって、
残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の3%未満である、
装置。
【請求項19】
1つまたは複数の構成要素は、混合固形廃棄物を処理して、10%以下の配合含水量を達成するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
有機変換処理センター、無機変換処理センター、またはそれらの組合せから収集したプロセス熱を使用して、混合固形廃棄物を10%未満の水分に乾燥するか、蒸気発生器システムを作動させるか、またはそれらの組合せである、請求項18および19のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、「METHOD, APPARATUS,AND SYSTEM FOR PROVIDING AN INTEGRATED BIOENERGY COMPLEX TO PROCESS MIXED SOLID WASTE(統合型バイオエネルギー複合施設を提供して混合固形廃棄物を処理するための方法、装置およびシステム)」と題する、2018年2月12日出願の通常の米国特許出願第15/894,479号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
混合固形廃棄物の組成は、様々なタイプの廃棄物流(例えば、商業および解体、一般固形廃棄物、電気電子機器廃棄物等)の間で、ならびに単一タイプの廃棄物流内で(例えば、一般固形廃棄物は、収集場所、収集時間等によって様々である)、非常に多様で有り得る。こういった高度の変動性により、固形廃棄物のリサイクルおよび処分施設で、例をあげると、リサイクルまたは回収するのには困難すぎるか高価すぎるかのいずれかである残留廃棄物を大量に残すことなく、混合固形廃棄物を処理することが、歴史的に困難となっている。残留廃棄物は、伝統的には、リサイクルまたは回収以外の手段(例えば、埋め立て、焼却等)によって廃棄する必要があり、これにより、環境や持続可能性の懸念が起こる可能性がある。その結果、廃棄物管理プロバイダーは、混合固形廃棄物の処理の結果生じる残留廃棄物を削減するという重大な技術上の難題に直面している。
【発明の概要】
【0003】
一部の例としての実施形態
したがって、混合固形廃棄物のリサイクル/回収の効率を高め、残留廃棄物を削減するためのアプローチが必要である。
一実施形態によれば、方法は、統合型バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を受け取るステップを含む。統合型バイオエネルギー複合施設は、例をあげると、有機変換処理センター(例えば、液体燃料プラント)および無機変換処理センター(例えば、インシュレーション/発電プラント)を備える。この方法はまた、混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するステップを含む。一部の実施形態では、リサイクル可能な物を、さらなる処理の前に、混合固形廃棄物、有機廃棄物流、および/または無機廃棄物流から抽出することができる。次いで、方法は、有機廃棄物流(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では有機廃棄物流の非リサイクル部分)を有機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物および無機残留物を生産するステップをさらに含む。方法は、無機残留物および無機廃棄物流(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では無機廃棄物流の非リサイクル部分)を無機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力(例えば、「グリーン」電力)、および残留廃棄物を生産するステップを、さらに含む。電力は、有機変換処理センターに部分的にまたは完全に動力を供給するために使用され、残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の目標百分率(例えば、3~5%)未満である。
【0004】
一実施形態によれば、システムは、混合固形廃棄物を処理して、目標水分百分率(例えば、10%)以下の配合含水量を達成するように、かつ、混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するように、構成された統合型バイオエネルギー複合施設、を備える。一部の実施形態では、リサイクル可能な物を、さらなる処理の前に、混合固形廃棄物、有機廃棄物流、および/または無機廃棄物流から抽出することができる。システムはまた、バイオエネルギー複合施設に設置されている(例えば、熱変換プロセスを用いる)有機変換処理センターを備え、上記有機変換処理センターは、有機廃棄物流(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では、有機廃棄物流の非リサイクル部分)を受け取って、1つまたは複数の有機変換生成物および無機残留物を生産するように構成されている。システムは、バイオエネルギー複合施設に設置されている(例えば、誘導型変換プロセス/プラズマコンバーターを用いる)無機変換処理センターをさらに備え、上記無機変換処理センターは、無機残留物および無機廃棄物流(または、リサイクル可能な物が抽出される実施形態では無機廃棄物流の非リサイクル部分)を受け取って、1つまたは複数の無機変換生成物、電力(例えば、「グリーン」電力)、および残留廃棄物を生産するように構成されている。電力は、有機変換処理センターに部分的にまたは完全に動力を供給するために使用され、残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の目標百分率(例えば、3%)未満である。
【0005】
別の実施形態によれば、装置は、バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を受け取るように構成された1つまたは複数の構成要素を備える。バイオエネルギー複合施設は、例をあげると、有機変換処理センターおよび無機変換処理センターを備える。装置はまた、混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するように構成されている。一部の実施形態では、リサイクル可能な物を、さらなる処理の前に、混合固形廃棄物、有機廃棄物流、および/または無機廃棄物流から抽出することができる。次いで、装置は、有機廃棄物流(または、リサイクル可能な物が抽出される実施形態では、有機廃棄物流の非リサイクル部分)を有機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物および無機残留物を生産するように、さらに構成されている。装置は、無機残留物および無機廃棄物(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では無機廃棄物流の非リサイクル部分)を無機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力(「グリーン」電力等)、および残留廃棄物を生産するように、さらに構成されている。残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の3%未満である。
【0006】
別の実施形態によれば、装置は、統合型バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を受け取るための手段を備える。統合型バイオエネルギー複合施設は、例をあげると、有機変換処理センターおよび無機変換処理センターを備える。装置はまた、混合固形廃棄物を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別するための手段を備える。一部の実施形態では、リサイクル可能な物を、さらなる処理の前に、混合固形廃棄物、有機廃棄物流、および/または無機廃棄物流から抽出することができる。装置は、有機廃棄物流(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では、有機廃棄物流の非リサイクル部分)を有機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物および有機残留物を生産するための手段を、さらに備える。装置は、無機残留物および無機廃棄物流(またはリサイクル可能な物が抽出される実施形態では無機廃棄物流の非リサイクル部分)を無機変換処理センターに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力(「グリーン」電力)、および残留廃棄物を生産するための手段を、さらに備える。電力は、有機変換処理センターに部分的にまたは完全に動力を供給するために使用され、残留廃棄物は、受け取った混合固形廃棄物の目標百分率(例えば、3%)未満である。
【0007】
本発明のさらにその他の態様、特徴、および利点は、本発明を実行するための考えられる最良の様式を含めて、いくつかの特定の実施形態および実装を単に例示することによって、以下の詳細な説明から容易に明らかである。本発明はまた、その他の異なる実施形態も可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明の精神および範囲からまったく逸脱することなく、種々の明白な点で変更できる。したがって、図面および説明は、事実上例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきである。
本発明の実施形態は、添付の図面の図において、限定としてではなく、例として例示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を提供して混合固形廃棄物を処理することができるシステムのダイアグラムである。
図2】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を処理するためのプロセスのフローチャートである。
図3】一実施形態による、混合固形廃棄物を処理するための統合型バイオエネルギー複合施設の構成要素を例示するダイアグラムである。
図4】一実施形態による、有機廃棄物流を処理するための液体燃料プラントを備える一例としての有機変換処理センターのダイアグラムである。
図5】一実施形態による、無機廃棄物流を処理するための誘導型変換プロセス/プラズマコンバーターを備える一例としての無機変換処理センターのダイアグラムである。
図6】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して建設および解体(「C&D」)混合固形廃棄物ならびに/または農業混合固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。
図7】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して一般固形廃棄物(MSW)を処理する一例を例示するダイアグラムである。
図8】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して電気電子機器固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。
図9】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して医療系または医療の固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。
図10】一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して油/潤滑剤固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。
図11】一実施形態による、有機廃棄物流から生成された例としての有機変換生成物を例示するダイアグラムである。
図12】一実施形態による、有機廃棄物流から生成された例としての有機変換生成物を例示するダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一部の実施形態の説明
統合型バイオエネルギー複合施設を提供して、混合固形廃棄物を処理するための方法、装置、およびシステムの例が開示されている。以下の記載では、説明の目的で、本発明の実施形態の理解の徹底を期すために、多くの具体的な詳細が記されている。しかし、本発明の実施形態はこれら具体的な詳細がなくてもまたは均等の構成で、実施され得ることが当業者にとって明らかである。他の例では、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを回避するために、良く知られた構造およびデバイスをブロックダイアグラムの形で示す。
【0010】
図1は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を提供して混合固形廃棄物を処理することができるシステムのダイアグラムである。混合固形廃棄物101は、多くのセクター全体にわたって絶えることのない増加率で生成されている(例えば、商業および解体(C&D)廃棄物103a、一般固形廃棄物(MSW)103b、電気電子機器廃棄物103c、医療系廃棄物103d、油/潤滑剤廃棄物103e、農業廃棄物103f、および/またはその他の任意のセクターからの廃棄物)。混合固形廃棄物という用語は、例をあげると、選り分けまたは分別されておらず、様々なタイプの廃棄物の複合体を含有する廃棄物を指し、限定されないが、それには、生分解性廃棄物(例えば、食品、紙、植物等)、リサイクル可能な廃棄物(例えば金属、ボトル、缶等)、不活性廃棄物(C&D廃棄物、泥、岩、瓦礫等)、電気電子機器廃棄物(例えば、コンピューター、電子デバイス、電気器具等)、複合体廃棄物(例えば、様々な多くの成分を含有するおもちゃ、古着等)、生物医療廃棄物(例えば、医薬品、使用済みの病院用品、医療用機器等)等、の任意の組合せがある。
【0011】
伝統的に、廃棄物管理施設は、リサイクル、堆肥化、処分、および廃棄物発電処理などのプロセスを使用することによって混合固形廃棄物101を管理してきた。しかし、上記のように、混合固形廃棄物101の組成には幅広い変動性があるので、廃棄物管理施設は、これらの伝統的なプロセスを使用して相当量の残留廃棄物や空中の汚染物を生みだすことなく混合固形廃棄物101を処理するという状態で、重大な技術上の難題に直面している。例をあげると、リサイクルに関しては、廃棄物管理施設は選り分けを使用して、廃棄物蒸気からリサイクル可能な材料を判別しえり抜くことが多い。しかし、材料や選り分け技法(例えば、手労働、自動選り分け等)に応じて、100%の選り分け効率を達成することが難しい場合もあり、これにより、かなりの量のリサイクル可能な材料が残留廃棄物に残る。加えて、より高いレベルのリサイクル可能な回収を達成するのに必要なコストと労力は、回収されたリサイクル可能な材料の商業的価値を超える場合もあり、その結果、廃棄物管理施設が残留廃棄物を削減するのに一手間を費やさないことになる可能性を高める。次いで、伝統的な廃棄物管理施設は通常、焼却またはその他の同等の手段により、埋め立て地に残留廃棄物を処分する。このタイプの処分は一般に、環境への影響やコストを高めてきた(例えば、埋め立てコスト、残留廃棄物の輸送および保管コスト、大気への埋立地ガスの排出等)。
【0012】
こういった難題に対処するために、図1のシステム100では、統合型廃棄物管理施設(例えば、統合型バイオエネルギー複合施設105)を導入するが、この施設では、一式の技術(例えば、廃棄物流のリサイクル、回収、処理技術)を共同設置して、省コストシステムにおいて入ってくる廃棄物流の高率のリサイクル/回収を達成する。一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、C&D廃棄物103a、MSW廃棄物103b、電気電子機器廃棄物103c、医療系廃棄物103d、および油/潤滑剤廃棄物103eの任意の組合せで構成された、入ってくる混合固形廃棄物101を受け取る。次いで、統合型バイオエネルギー複合施設105は、混合固形廃棄物101を有機廃棄物流および無機廃棄物流に分別し、それらは次いで有機変換処理センター107aおよび無機変換処理センター107bにそれぞれ供給される。一実施形態では、バイオエネルギー複合施設はまた、混合固体廃棄物101ならびに/または有機廃棄物流および無機廃棄物流から商業的に価値のあるリサイクル可能な材料109を抽出することができ、その後に、両流を有機変換処理センター107aまたは無機変換処理センター107aに供給する。
【0013】
一実施形態では、有機変換処理センター107aは、有機廃棄物流を、回収することができるおよび/またはリサイクルすることができる有機変換生成物111(例えば、燃料、工業用溶媒、フィッシャー・トロプシュ(F-T)ワックス等)に変換するための技術(例えば、熱変換もしくは接触分解を使用する液体燃料プラント、または均等物)を備える。同様に、無機変換処理センター107bは、無機廃棄物流を無機変換生成物113(例えば、ロックウール、金属インゴット等)に変換するための技術(例えば、誘導炉およびプラズマコンバーターを使用するインシュレーション/発電プラント、または均等物)を備える。有機変換処理センター107aおよび無機変換処理センター107bの両方が、統合型バイオエネルギー複合施設105に共同設置されている。
一実施形態では、バイオエネルギー複合施設105全体からの全体的な残留廃棄物115を削減するために、センター107aおよび107bのそれぞれからの中間残留廃棄物を、原料として他方のセンターに横送りすることができる。例えば、有機残留物117を無機変換処理センター107bに(またはその逆に)供給して、回収効率を有利に改善することができる。一実施形態では、目標残留廃棄物百分率(例えば、3~5%またはその他の具体的目標)が達成されるまで、原料としての残留物の横送りを再帰的に行うことができる。さらに別の実施形態では、変換生成物(例えば、有機変換生成物111および無機変換生成物113)をセンター107aと107bとの間で横送りして、それらのそれぞれの作動を支援することができる。例えば、無機変換処理センター107bによって生みだされた電力119(例えば、そのインシュレーション/発電プラントを通して)を、有機変換処理センター107aに送達して、その作動(例えば、液体燃料プラント)を支援することができる。一実施形態では、無機変換処理センター107bが、インパクトが最小限または低いという結果をもたらす最高クラスの発電技術(例えば、CO2均等物を変換生成物に隔離することにより、これによって、発電プロセス中に環境へのCO2および/またはその他の残留廃棄物の放出を最小限に抑える)を使用していることを示すために、電力119を「グリーン」電力と呼ぶことができる。
【0014】
図2は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設で混合固形廃棄物を処理するためのプロセスのフローチャートである。図2で、統合型バイオエネルギー複合施設105の作動に関する一般的な一実施形態について説明し、図3に例示する統合型バイオエネルギー複合施設105の例としての構成要素に関連して検討する。様々なタイプの混合固形廃棄物101(例えば、C&D廃棄物103a、MSW廃棄物103b、電気電子機器廃棄物103c、医療系廃棄物103d、および油/潤滑剤廃棄物103e)のそれぞれに対応する具体的実施形態を、それぞれ図6図10に関連してより詳細に説明する。
【0015】
一実施形態では、図3に示すように、統合型バイオエネルギー複合施設105は、図1に関連して説明した統合型バイオエネルギー複合施設105の構成要素(例えば、混合固形廃棄物101、有機変換処理センター107a、無機変換処理センター107b、有機変換生成物111、無機変換生成物113、残留廃棄物115、有機残留物117、および電力119)に加えて、混合固形廃棄物101を処理するための以下の構成要素を備える:廃棄物分別器301、廃棄物前処理器303(例えば、シュレッダー、グラインダー等)、ブレンダー/乾燥機309、蒸気発生器311。したがって、図1および図3に示した、統合型バイオエネルギー複合施設105および/またはその構成要素のいずれかによって、図2のプロセス200の種々の部分を達成するための手段、ならびに、本明細書に記載のその他のプロセスに関する実施形態を達成するための手段、を提供することができる。
一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、記載された構成要素のすべて、ならびに、混合固形廃棄物101を受け取るための、かつプロセス200からもたらされる生成物/リサイクル可能な物のいずれかを保管および/または輸送するための施設を共同設置するのに十分な地理的な地域を占める。加えて、統合型バイオエネルギー複合施設105は任意の手段を用いて、それらに限定されないが、コンベヤー、運搬車両、滑走台、パイプ、送電線等を含めて、統合型バイオエネルギー複合施設109の構成要素間で材料を輸送し得ることが企図されている。
【0016】
ステップ201において、統合型バイオエネルギー複合施設105は、処理のために混合固形廃棄物101を受け取る。例として、統合型バイオエネルギー複合施設105は、1つまたは複数の輸送モード(例えば、トラック、列車、船/船舶、飛行機等)の下で商業交通を支援することができる既存の輸送ハブの近くに設置してもよい。一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、有機変換処理センター107aおよび無機変換処理センター107bを備える。上で検討したように、センター107aおよび107bは、他方のセンターに由来する中間残留廃棄物を相乗的および/または再帰的に処理して、統合型バイオエネルギー複合施設105の運転からもたらされる総残留廃棄物115を削減することができる。
一実施形態では、有機変換処理センター107aは、有機廃棄物をリサイクルおよび回収向けの生成物に変換するための液体燃料プラントを備える。図4に、有機変換処理センター107aに備えることができる一例としての液体燃料プラント401を例示する。液体燃料プラント401およびそれが用いる熱変換プロセスは、例示として提供されるものであり、限定するものではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態によれば、非加熱プロセスを含めて、リサイクル可能または回収可能な生成物をもたらす任意の有機変換プロセスを使用してもよいことが企図されている。
【0017】
図4に示すように、一実施形態では、液体燃料プラント401は、熱分解プロセスを使用して、原料403(例えば、有機廃棄物または材料)を燃料または他の有機変換生成物111に変換する。熱分解プロセスは、分解炉405を使用して、高温下で原料403を加熱し、その結果、大きな炭素分子を、収集が可能で多様な有機変換生成物へと使用可能なより小さな炭素分子に破壊する。生みだされる具体的生成物を、標的分子の形成を促進するように温度を介してまたは特定の触媒を添加することによって制御することができる。例えば、触媒を使用して、石油系生成物の形成を促進することができる。この場合、沸点のより低い生成物がまず放出され、沸点のより高い分子が後で放出される。
次いで、こういった生成物は、例をあげると、それらが分解炉405から放出されるときに蒸留塔407を使用して捕捉することができる。このようにして、種々の生成物、例えば、それらに限定されないが、合成天然ガス409a、ガソリン409b、ディーゼル409c、ジェット燃料409d、溶媒/ナフサ409e、エタノール409f、エチレン409g、F-Tワックス409h、およびその他の類似の化合物409iを、原料から生産することができる。熱分解プロセスの終了後に分解炉403内に残っている残灰は、有機残留物117を構成する。一実施形態では、生成物409a~409iは、有機変換処理センター107aによって生産された有機変換生成物111の例である。
一実施形態では、無機変換処理センター107bは、無機廃棄物を種々の無機変換生成物に変換するインシュレーション/発電プラントを備える。図5に、有機変換処理センター107aに備えることができる一例としてのインシュレーション/発電プラント501を例示する。上の例と同じく、インシュレーション/発電プラント501およびそれが用いる誘導型変換/プラズマコンバータープロセスは、例示として提供されるものであり、限定するものではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態によれば、リサイクル可能または回収可能な生成物をもたらし電力を生みだす任意の無機変換プロセスを使用してもよいことが企図されている。
【0018】
図5に示すように、一実施形態では、インシュレーション/発電プラント501では、誘導型変換/プラズマコンバータープロセスを使用して、原料503(例えば、無機廃棄物または材料)を種々の無機変換生成物113に変換する。例えば、原料503を、プレガス化器(pregasifier)505に導入して、原料503中の任意の有機化合物をガスに変換する(例えば、これは、生成燃料として回収可能であり、またはインシュレーション/発電プラント501によって、その誘導型変換プロセス向けの燃料として使用可能である)。プレガス化器505を通流した後、原料503を誘導炉507に導入するが、この炉は、誘導ユニット509が無機材料を液化するのに十分な温度で、作動している。誘導炉からの強烈な熱により、残留している任意の有機化合物が熱分解によって分解されて、ガスと蒸気を生みだす。同時に、無機化合物をガラス状鉱物スラグおよび溶融金属に溶かす。次いで、蒸気および/またはガスを使用して、蒸気/ガスタービン507により電力119を生産することができる。プロセスの完了時に、ガラス状鉱物スラグを、遠心処理によってロックウール509aに紡糸することができる。加えて、インゴットに凝固した任意の溶融金属を、鉄金属509b、非鉄金属509c、および/または貴金属509dとして回収できる。他の任意の潜在的な生成物509eを取り出した後、誘導炉507内の残留材料は、残留廃棄物を表す。プロセス200で使用する場合、誘導炉507の残留廃棄物は、統合型バイオエネルギー複合施設105の残留廃棄物115を表す。
【0019】
図2のプロセス200に戻ると、ステップ203において、廃棄物分別器301は、混合固形廃棄物101を有機廃棄物流305および無機廃棄物流307に分別する。プラズマコンバーター(例えば、無機変換処理センター107bに備えてある場合)を使用して、有機廃棄物流または無機廃棄物流を分別することなく混合固体廃棄物101全体を処理することが伝統的にはできるが、プラズマコンバーターは有機変換処理センター107aが、混合固体廃棄物101のうちの有機成分から可能である品揃えすなわち有機変換生成物111を、生産できないであろう。したがって、混合固形廃棄物101を異なる廃棄物流305および307に分別することによって、廃棄物分別器301は、統合型バイオエネルギー複合施設105が潜在的により多様で商業的に価値のある生成物を作製することを有利には可能にする。
一実施形態では、廃棄物分別器301は、当技術分野で知られている任意の分別技術を使用して、混合固体廃棄物101を有機廃棄物流305および無機廃棄物流307に分別することができる。技術には、限定されないが、物理的スクリーン、比重分別器、磁気分別器、光学分別器、センサー系分別器、長尺物分別器(long parts separator)、風力分別器、および/または均等物が、含まれる。
【0020】
一実施形態では、リサイクル可能な材料の商業的価値が商業的価値の閾値よりも大きい場合、廃棄物分別器301によって、有機廃棄物流または無機廃棄物流からリサイクル可能な材料を抽出することができ、その後に、有機廃棄物流を有機変換処理センターに供給し、無機廃棄物流を無機変換処理センターに供給する。例として、リサイクル可能な材料には、プラスチック、紙/厚紙、金属、砂、骨材、シルト、またはそれらの組合せが含まれる。一実施形態では、商業的価値は、任意の閾値基準を使用して設定することができる。例えば、リサイクル可能な材料を抽出する商業的価値が、売物のリサイクル可能な材料を抽出する、処理する、輸送する等のコストを超える場合、リサイクル可能な材料を抽出することができる。さもなければ、材料を、処理向けに、すなわち処理センター107aおよび/または107b向けに、混合固形廃棄物101内に留めてもよい。例として別の基準には、統合型バイオエネルギー複合施設105の任意のプロセスにおいて、リサイクル可能な材料が原料または燃料として必要であるかどうかを判定することが含まれる。材料が必要である場合、抽出は行われない。
【0021】
一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、廃棄物前処理器303を備えて、後続の処理に向けて混合固体廃棄物101、有機廃棄物流305、および/または無機廃棄物流307を調製することができる。例えば、廃棄物前処理器303は、当技術分野で知られている任意の技術を用いて、細断、粉砕、収納、包装、梱包することができ、および/または統合型バイオエネルギー複合施設105の後続するプロセスで、廃棄物101または流れ305/307を搬送または使用するのに必要となるかもしれない他の任意のステップを行うことができる。
【0022】
一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、熱変換、誘導型変換、および/またはその他の熱ベースの技術を使用して、混合固形廃棄物101を処理する。したがって、混合固形廃棄物101、有機廃棄物流305、および/または無機廃棄物流307の含水量が高いと、そういった熱ベースの技術の性能に悪影響を及ぼす恐れがある。この問題に対処するために、ブレンダー/乾燥機309によって、混合固形廃棄物101、有機廃棄物流305、および/または無機廃棄物流307を処理して、目標水分百分率以下の配合含水量を達成できる。目標水分百分率は、10%、または処理技術に適した他の同様の範囲とすることができる。一実施形態では、ブレンダー/乾燥機309は、混合固形廃棄物または流れ305/307を乾燥機材料と配合して、全体の含水量を減らすことができる。そのような配合によって目標水分レベルを達成できない場合、ブレンダー/乾燥機309は、有機変換処理センター107a、無機変換処理センター107b、またはそれらの組合せから収集したプロセス熱313を使用して、混合固形廃棄物を乾燥し、その結果、目標水分百分率を達成することができる。加えてまたは代替的に、ブレンダー/乾燥機309では、他の任意の機械的手段を使用して、廃棄物101および/または流れ305/307を目標水分レベルへと乾燥することができる。
ステップ205において、統合型バイオエネルギー複合施設105は、有機廃棄物流305を有機変換処理センター107aに供給して、1つまたは複数の有機変換生成物111および無機残留物117を生産する。上記のように、一実施形態では、有機変換処理センター107aは、液体燃料プラント401を備えて、有機廃棄物流305から1つまたは複数の有機変換生成物111を生産する。この場合、1つまたは複数の有機変換生成物には、ディーゼル燃料、ジェット燃料、有機溶媒、ナフサ、ガソリン、エタノール、エチレン、フィッシャー・トロプシュワックス、およびその他の同様の化合物が含まれる。加えて、無機残留物117は、液体燃料プラントからもたらされる灰である。
【0023】
ステップ207において、統合型バイオエネルギー複合施設105は、無機残留物117および無機廃棄物流307を無機変換処理センター107bに供給して、1つまたは複数の無機変換生成物、電力、および残留廃棄物を生産する。無機変換処理センター107bを通して無機残留物117をさらに処理することにより、統合型バイオエネルギー複合施設105は、無機残留物117をさらに最小化することによって、全体的な残留廃棄物115を有利には削減することができる。上記のように、一実施形態では、無機変換処理センター107bは、インシュレーション/発電プラント501を備えて、無機廃棄物流305および無機残留物117から1つまたは複数の無機変換生成物113、電力119、残留廃棄物115、またはそれらの組合せを生産する。例として、1つまたは複数の無機変換生成物113には、ロックウール、金属インゴット、またはそれらの組合せが含まれる。
【0024】
一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、下記のステップのいずれかを行うことによって、その環境性能または作動性能をさらに最適化することができる。例えば、統合型バイオエネルギー複合施設105は、1つまたは複数の有機変換生成物を、インシュレーション/発電プラント501向けの燃料(例えば、天然ガス)として無機変換処理センター107bに供給することができる。この燃料は、プラント501のプレガス化器505、誘導炉507等の温度を維持する助けとなることができる。別の例では、統合型バイオエネルギー複合施設105では、有機変換処理センター103(例えば、液体燃料プラント401の分解炉405)の熱プロセスを使用して、無機廃棄物流307を滅菌することができ、その後に、無機廃棄物流307を無機変換処理センター107bに供給する。この方法では、廃棄物流307が生物学的に汚染されている疑いがある場合(例えば、医療系または医療の廃棄物)、廃棄物流307を滅菌することができ、その結果、廃棄物流307を扱う際に無機変換処理センター107bで汚染予防措置を講じる必要がない。さらに別の例では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、有機変換処理センター107a、無機変換処理センター107b、またはそれらの組合せから収集したプロセス熱313を使用して、蒸気発生器システム311を作動させ、その結果、電力を生産する。次いで、電力はオンサイトで使用しても、公共の電力網に売り戻してもよい。
【0025】
上の図2図5の記載では、全体としてすべての廃棄物流タイプに適用される統合型バイオエネルギー複合施設105の実施形態について説明する。図6図10で、特定の廃棄物流のタイプへの図2図5のプロセスの適用例を説明する。
図6は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設105を使用して建設および解体(「C&D」)の混合固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。図6に示すように、C&D廃棄物103aの有機廃棄物流601には、もっとも一般的に(しかし限定されるものではない):(1)プラスチック、ゴム、およびビニール603a(例えば、敷物地等);(2)処理木材603b;ならびに(3)未処理の木材/植物性材料603cが、含まれる。無機廃棄物流605には、一般的に(しかし限定されるものではない):(1)インシュレーション、レンガ、ブロック、およびコンクリート607a;(2)クリーンドライウォール607b;(3)骨材のグレード607c;(4)砂のグレード607d;(5)鉄金属607e;ならびに(6)非鉄金属607fが含まれる。一実施形態では、C&D廃棄物103aにはまた、(例えば、商業農場からの)農業廃棄物103fの下位カテゴリも含めることができる。農業廃棄物103fの一般的な例には、それらに限定されないが、作物を育てる際に雑草を増やさないために使用されるプラスチックフィルム、もはや焼き払い不可能な圃場のもみわら、腐敗果物/野菜、ブドウの木/木の伐採、および/またはそうでなければ埋め立てられるその他の廃棄物が含まれてもよい。一実施形態では、入ってくるC&D廃棄物103aすべては、上記のように、統合型バイオエネルギー複合施設105の一連の分別プロセスを通して処理され、利用される。一実施形態では、プロセスは:(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)米国の環境性能評価システム(Leadership in Energy and Environmental Design)(LEED)が認証したリサイクル/再使用または均等物として独立して公認されているとすることができる。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態でC&D廃棄物103aの含水量を最小限に抑えることができる。
一実施形態では、統合型バイオエネルギー複合施設105は、C&D廃棄物103aの有機材料601を一連の有用な生成物に変えることができる。
【0026】
有機材料を一連の有用な生成物に変える:
・リサイクルの商業価値があるプラスチックを、リサイクル向けに梱包する;
・リサイクルの商業価値が燃料を生産する上でこれらのプラスチックの価値を下回った場合、それらを再生可能燃料やその他の価値ある生成物の生産に経路付ける;
・紙/厚紙を、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に使用されるバランスと経済的な範囲でリサイクルする;
・カーペットやその他の有機敷物地を、細断し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に使用する;
・ゴムを細断し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当する;ならびに
・木性材料 - 圧力処理(PT)、未処理、植物性材料(veg) - を粉砕し、機械的に10%未満の水分に乾燥し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当する。
【0027】
同様に、無機材料605を、一連の有用な生成物に変える。
・上記の一連の分別、リサイクル、および回収の各技法により、以下の有用な材料を生産できる:

・鉄金属をリサイクル向けに分別する;
・非鉄金属をリサイクル向けに分別する;
・砂および骨材のいくつかのグレードを、建設業界で使用するために分別する;
・シルト残留物を、造園および農業の改良剤として使用するために分別する;
・微量の有機物がこのステップから現れることもあり、これを、10%未満の水分に乾燥し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当する;
・インシュレーション、レンガ、ブロックおよびコンクリートを、インシュレーションの生産で使用するために粉砕する;
・クリーンドライウォールを土壌改良剤向けにペレット化する;ならびに
・天井タイルを、発生源で収集することにより、その元々の使用に戻しリサイクルする。
【0028】
すべてのC&D廃棄物103を処理することから予想される総残留廃棄物は一般に、3%未満である。
図7は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して一般固形廃棄物(MSW)を処理する一例を例示するダイアグラムである。図7に示すように、MSW廃棄物103bの有機廃棄物流701には、もっとも一般的に(しかし限定されるものではない):(1)プラスチックおよびゴム703a;(2)紙および木材703b;ならびに(3)腐敗性の物および植物性材料703cが含まれる。無機廃棄物流705には、一般的に(しかし限定されるものではない):(1)レンガ、ブロック、およびコンクリート707a;(2)ガラス707b;(3)土壌改良剤707c;(4)鉄金属707d;ならびに(5)非鉄金属707eが含まれる。一実施形態では、入ってくるMSW廃棄物103bすべては、上記のように、統合型バイオエネルギー複合施設105の一連の分別プロセスを通して処理され、利用される。一実施形態では、プロセスは:(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態でMSW廃棄物103bの含水量を最小限に抑えることができる。
【0029】
有機材料701を、一連の有用な生成物に変える:
・リサイクルの商業価値があるプラスチックを、リサイクル向けに梱包する;
・リサイクルの商業価値が燃料を生産する上でこれらのプラスチックの価値を下回った場合、それらを再生可能燃料やその他の価値ある生成物の生産に経路付ける;
・他のすべての非腐敗性の有機物を、再生可能燃料やその他の価値ある生成物の生産に充当する;
・ゴムを細断し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当する;ならびに
・腐敗性の物(例えば、食品、おむつ等)および植物性廃棄物を粉砕し、機械的に10%未満の水分に乾燥し、インシュレーションおよび電力の生産に充当する。
【0030】
無機材料705を、一連の有用な生成物に変える。
・一連の分別技法により、以下の有用な材料を生産する:
・鉄金属をリサイクル向けに分別する;
・非鉄金属をリサイクル向けに分別する;
・砂のいくつかのグレードを、建設業界で使用するためにMSW中の任意の「あら砂」から分別する;
・土壌残留物を、造園および農業の改良剤として使用するために分別する;
・微量の有機物がこのステップから現れることもあり、これを、10%未満の水分に乾燥し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当する;
・今や商業的にリサイクル可能ではない、すべてのガラスを、インシュレーションの生産に充当する;ならびに
・インシュレーション、レンガ、ブロックおよびコンクリートを、インシュレーションの生産で使用するために処理する。
【0031】
すべてのMSW廃棄物103bを処理することから予想される総残留廃棄物は一般に、3%未満である。
図8は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して電気電子機器固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。図8に示すように、電気電子機器廃棄物103cの有機廃棄物流801には、もっとも一般的に(しかし限定されるものではない):(1)プラスチックおよびゴム803a;ならびに(2)紙および厚紙803bが含まれる。無機廃棄物流805には、一般的に(しかし限定されるものではない):(1)ガラス807a;(2)鉄金属807b;および(3)非鉄金属807cが含まれる。一実施形態では、入ってくる電気電子機器廃棄物103cすべては、上記のように、統合型バイオエネルギー複合施設105の一連の分別プロセスを通して処理され、利用される。一実施形態では、プロセスは:(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態で電気電子機器廃棄物103bの含水量を最小限に抑えることができる。
【0032】
有機材料801を、一連の有用な生成物に変えることができる:
・リサイクルの商業価値があるプラスチックを、リサイクル向けに梱包することができる;
・リサイクルの商業価値が燃料を生産する上でこれらのプラスチックの価値を下回った場合、それらを再生可能燃料やその他の価値ある生成物の生産に充当することができる;
・他のすべての非腐敗性の有機物(紙、プラスチック、木製パレット等)を、再生可能燃料、インシュレーション、電力およびその他の価値のある生成物を生産するのに充当することができる;
・プラスチックおよびゴムを細断し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当することができる。
【0033】
無機材料805を、一連の有用な生成物に変えることができる:
・以下の材料を、一連の分別方法によってリサイクルできる:
・鉄金属をリサイクル向けに分別することができる;
・経済的に分別できるすべての銅をリサイクル向けに収集することができる;
・経済的に分別できるその他のリサイクル可能な金属をリサイクル向けに収集することができる;
・一連の分別技法によって、以下の価値ある材料を生産することができる:
・非鉄金属(金、白金、銀、銅等)をインゴットに変えて、リサイクル向けに後で熱分別することができる;
・微量の有機物がこのステップから現れることもあり、これを、水分10%未満に乾燥し、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当することができる。
すべての電気電子機器廃棄物103aを処理することから予想される総残留廃棄物は一般に、3%未満である。
【0034】
図9は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して医療系または医療の固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。図9に示すように、医療系廃棄物103eの有機廃棄物流901には、もっとも一般的に(しかし限定されるものではない):(1)プラスチック、ラテックス、およびゴム903a;(2)紙および厚紙903b;(3)腐敗性の物903cが含まれる。無機廃棄物流805には、一般的に(しかし限定されるものではない):(1)ガラス907a;(2)鉄金属907b;(3)非鉄金属907cが含まれる。一実施形態では、入ってくる医療系廃棄物103dすべては、上記のように、統合型バイオエネルギー複合施設105の一連の分別プロセスを通して処理され、利用される。一実施形態では、プロセスは:(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態でMSW廃棄物103bの含水量を最小限に抑えることができる。
【0035】
有機材料901を、一連の有用な生成物に変える:
・プラスチックを密閉して取り扱い、燃料を生産するために1,400°F(+/-)の熱分解システムに送ることができ、燃料を再生可能燃料やその他の価値のある生成物を生産するのに充当することができる;
・他のすべての非腐敗性の有機物(紙、プラスチック、木製パレット等)を、再生可能燃料、インシュレーション、電力およびその他の価値のある生成物の生産へと同じタイプの熱分解へ充当することができる;ならびに
・プラスチックおよびゴムを、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産向けに熱分解プロセスへ充当する。
【0036】
一実施形態では、無機材料905を、滅菌のために、1,400°+/-Fの熱分解システムに最初に供することができる。その後、無機材料905を一連の有用な生成物に変えることができる:
・ガラスをガラス繊維の生産のために使用できる;
・以下の材料を、一連の分別方法によってリサイクルできる;
・鉄金属をリサイクル向けに分別することができる;ならびに
・経済的に分別できる他のリサイクル可能な金属をリサイクル向けに収集することができる。
すべての医療系廃棄物103dを処理することから予想される総残留廃棄物は一般に、3%未満である。
【0037】
図10は、一実施形態による、統合型バイオエネルギー複合施設を使用して油/潤滑剤固形廃棄物を処理する一例を例示するダイアグラムである。図10に示すように、油/潤滑剤廃棄物103eの有機廃棄物流1001には、もっとも一般的に(しかし限定されるものではない):(1)石油系の油および潤滑剤1003a;ならびに(2)植物系の油および潤滑剤1003bが含まれる。無機廃棄物流1005には、一般的に(しかし限定されるものではない);(2)油中の鉄金属1007a;および(3)油中の非鉄金属1007bが含まれる。一実施形態では、入ってくる油/潤滑剤廃棄物103eすべては、上記のように、統合型バイオエネルギー複合施設105の一連の分別プロセスを通して処理され、利用される。一実施形態では、プロセスは:(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。加えて、これらの材料での水による任意の汚染を最小限に抑えるように注意を払うことができる。
【0038】
一実施形態では、この有機材料および無機材料、1001および1005、(例えば、モーターオイル、潤滑剤、植物油、油汚染土壌、燃料汚染土壌等)はすべて、有機変換処理センター107aへ供給するために、上記の他の廃棄物タイプを処理することに由来の有機材料と配合して、液体燃料やその他の価値のある生成物を形成することができる。一般に、これらの油および潤滑剤内には、いくつかの無機材料1005が存在する(例えば、エンジンのやすりくず(filings)、エンジンの摩耗アイテム等)。これらの無機材料は、有機変換処理センター107aから生じる灰(すなわち、有機残留物117)中に常在し、無機変換処理センター107bによってインゴットに形成される。
すべての油/潤滑剤廃棄物103eを処理することから予想される総残留廃棄物は一般に、1%未満である。
【0039】
図11は、一実施形態による、有機廃棄物流から生成された例としての有機変換生成物を例示するダイアグラムである。より具体的には、図11に、熱変換プロセス1101(例えば、有機変換処理センター107aによる)を使用して、横断的に様々な廃棄物タイプの有機廃棄物流を処理することからもたらされる、生成物をまとめる。これらの廃棄物タイプには、例をあげると、(1)例えば、カーペット/プラスチック/紙/ゴム1105a、処理済み木材1105b、および未処理の木材/veg1105cからなるC&D有機流1103a;(2)例えば、プラスチック/紙/ゴム1105dからなるMSW有機流1103b;(3)例えば、プラスチック1105eからなる電気電子機器有機流1103c;(4)例えば、混合紙1105fからなる医療系有機流1103d;(5)例えば、使用済み油1105gからなる油/潤滑剤有機流1103e;ならびに、(6)例えば、プラスチック1105hおよび未処理のveg1105iからなる、農業有機流1103fが含まれる。一実施形態では、熱変換プロセス1101は;(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。例えば、本明細書で記載の実施形態によれば、処理した混合固形廃棄物101の1トン毎に、概1トンのCO2均等物を隔離し得る熱変換プロセス1101を使用することができ、これにより、統合型バイオエネルギー複合施設105のカーボンフットプリントを削減する。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態でMSW廃棄物103bの含水量を最小限に抑えることができる。
【0040】
有機材料を、一連の有用な生成物1107に変えることができる:
・汚染物質および硫黄の両レベルが極端に低い高級(ASTM品質)ディーゼル燃料;
・汚染物質のレベルが極端に低い高級(ASTM品質)ジェット燃料;
・汚染物質のレベルが極端に低い、高級(ASTM品質)の溶媒およびナフサ;
・汚染物質のレベルが極端に低い高級(ASTM品質)ガソリン;
・汚染物質のレベルが極端に低い高級(ASTM品質)エタノール;
・汚染物質のレベルが極端に低い高級エチレン;
・汚染物質のレベルが極端に低いフィッシャー・トロプシュワックス;ならびに
・汚染物質のレベルが極端に低く、商業用途での価値が高いその他の中間化学物質および液体。
熱分解されたこれら有機物すべてから予想される総残留廃棄物は、3%未満であると推定される。
【0041】
図12は、一実施形態による、無機廃棄物流から生みだされた例としての無機変換生成物を例示するダイアグラムである。より具体的には、図12に、誘導型変換プロセス1201(例えば、無機変換処理センター107bによる)を使用して、横断的に様々な廃棄物タイプの無機廃棄物流を処理することからもたらされる、生成物をまとめる。これらの廃棄物タイプには、例をあげると:(1)例えば、レンガ/ブロック/コンクリート/ガラス1205aからなるC&D無機流1203a;(2)例えば、ガラス1205bからなるMSW無機流1203b;(3)例えば、金/白金/銀/その他1205cからなる電気電子機器無機流1203c;(4)例えば、ステンレス鋼1205dからなる医療系無機流1203d;(5)例えば、金属片1205eからなる油/潤滑剤無機流1203e;ならびに(6)例えば、有機変換処理センター107a由来の灰中の灰分/金属1205fからなる有機残留物117が含まれる。一実施形態では、誘導型変換プロセス1201は;(1)環境上クラス最高であると(例えば、業界グループによって承認され、高レベルの性能を有することが実証されている等)することができ、かつ、(2)リサイクルおよび/または再利用を最適化するように設計することができる。加えて、プロセスデザインにより、配合水分目標10%以下の状態でMSW廃棄物103bの含水量を最小限に抑えることができる。
【0042】
無機材料を一連の有用な生成物に変える:
・C&D無機流1203aおよびMSW無機1203bを使用して、無機変換処理センター107bの誘導型変換1201を使用してインシュレーションおよび電力1207を生みだすことできる;
・電気電子機器無機流1203c、医療系無機流1203d、および油/潤滑剤無機流1203eを、無機変換処理センター107bの誘導型変換1201を使用して金属回収1209向けに処理することができる;
・有機残留物117は、有機変換処理センター107a由来の残留無機物、例えば、熱分解装置の底部にある残灰であり、処理されて、以下のように、インシュレーション/電力1207および/または金属回収1209を生みだす:
・微量の鉄金属および非鉄金属が熱分解装置の灰に存在し得る;
・微量のガラスが熱分解装置の灰に存在し得る;
・消費された有機材料のすべてからの灰分は灰に残り得る;ならびに
・一実施形態では、熱誘導/プラズマコンバーター処理が攻撃的であるので、無機変換処理センター107bを通して処理した後に有機残留物がまったく残っていないことが企図されている。しかし、このステップから微量の有機物が現れる場合、残っている任意の有機残留物を水分10%未満に乾燥し、次いで、再生可能燃料やその他の価値のある生成物の生産に充当することができる。
【0043】
本発明をいくつかの実施形態および実装に関連付けて説明したが、本発明はそのように限定されるものではなく、添付の特許請求の趣旨の範囲内に含まれる、種々の明白な修正および同等の配置をカバーするものである。本発明の特徴は、特許請求の範囲の内のある特定の組合せで表すが、これらの特徴は、任意の組合せおよび順序で配置および/または再配置し得ることが企図されている。
図1
図2
図3
図4
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図10
図11
図12