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特許7168708マップデータの更新方法、装置、機器及び可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】マップデータの更新方法、装置、機器及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20221101BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221101BHJP
   G06N 3/08 20060101ALI20221101BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20221101BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/00 A
G06N3/08
G06N20/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021026517
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2021101186
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】202010922958.1
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】シア、 デグオ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、 リウフイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン、 ジーチョウ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、 フイ
(72)【発明者】
【氏名】ル、 チェン
(72)【発明者】
【氏名】ベイ、 ホンシア
(72)【発明者】
【氏名】リウ、 ユティン
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-212186(JP,A)
【文献】特開2016-161456(JP,A)
【文献】特開2004-205344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G06N 3/08
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが、電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットRSUにより前記電子機器にブロードキャストされる道路情報であるステップと、
前記サーバが、前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び道路イベントが発生した発生位置が同じであるステップと、
前記サーバが、前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報はの道路情報であると判定するステップと、
前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、前記サーバが、マップデータを前記シーケンスに属する道路情報を利用して更新するステップと、を含
前記シーケンスは、前記サーバにより、道路情報の種類、道路イベントが発生した発生地点及び前記道路情報の車載ユニットOBUによって受信された時刻の少なくとも1つに従い、複数の道路情報を分類し、並べ替えて得られる道路情報のセットである、マップデータの更新方法。
【請求項2】
前記サーバが、少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得る前記ステップの前に、また、
前記サーバが、サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルがポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、前記ポジティブサンプルがの道路情報であり、前記ネガティブサンプルが偽りの道路情報であるステップと、
前記サーバが、前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおいて同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び道路イベントが発生した発生位置が同じであるステップと、
前記サーバが、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るステップと、を含む、請求項1に記載のマップデータの更新方法。
【請求項3】
前記サーバが、少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る前記ステップは、
i番目のサンプルシーケンスに対して、前記サーバが、前記初期モデルの埋め込み層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定し、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものであるステップと、
前記サーバが、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを前記初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習して、複数のコンテキストベクトルを得、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとは、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものであるステップと、
前記サーバが、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得、
前記サーバが、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る前記ステップは、
前記サーバが、前記初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得るステップと、
前記サーバが、前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得るステップと、を含む請求項2に記載のマップデータの更新方法。
【請求項4】
前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、
または、
前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである、請求項3に記載のマップデータの更新方法。
【請求項5】
i番目のサンプルシーケンスに対して、前記サーバが、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定する前記ステップは、
前記サーバが、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニット特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記電子機器特徴は前記サーバに前記サンプルの各々を報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルの各々を前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は前記サンプルの各々を表徴するためのものであるステップと、
前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに、前記サーバが、前記サンプルごとに対応する前記電子機器特徴、前記RSU特徴及び前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを生成するステップと、を含む、請求項3に記載のマップデータの更新方法。
【請求項6】
前記電子機器特徴は、前記電子機器の識別子、前記サンプルごとの前記電子機器による報告の回数又は有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を含み、前記マップデータの更新方法は、また、
前記サーバが、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するステップと、
前記サーバが、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するステップと、を含み、
前記RSU特徴は、前記RSUの識別子、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数を含み、前記マップデータの更新方法は、さらに、
前記サーバが、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、前記サンプルごとの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引くステップと、
前記サーバが、前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引くステップと、を含み、
前記道路情報特徴は、サンプルの種類、サンプルの位置、サンプルの開始時点、サンプルの終了時点、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点の少なくとも1つの特徴を含み、前記サンプルの位置は前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである、請求項5に記載のマップデータの更新方法。
【請求項7】
電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットRSUにより前記電子機器にブロードキャストされる道路情報である、受信モジュールと、
前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び道路イベントが発生した発生位置が同じである、確定モジュールと、
前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得て、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報がの道路情報であると判定する、認識モジュールと、
前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、マップデータを前記対応するシーケンスに属する道路情報を利用して更新することに用いられ、更新モジュールと、を含み、
前記シーケンスは、前記サーバにより、道路情報の種類、道路イベントが発生した発生地点及び前記道路情報の車載ユニットOBUによって受信された時刻の少なくとも1つに従い、複数の道路情報を分類し、並べ替えて得られる道路情報のセットである、マップデータの更新装置。
【請求項8】
前記認識モジュールが前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得る前に、サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルはポジティブサンプルとネガティブサンプルを含み、前記ポジティブサンプルはの道路情報であり、前記ネガティブサンプルは偽りの道路情報であり、前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおける同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び道路イベントが発生した発生位置が同じであり、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るために使用される訓練モジュール、をさらに含む、請求項7に記載のマップデータの更新装置。
【請求項9】
i番目のサンプルシーケンスに対して、前記訓練モジュールは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの埋め込み層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定し、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものであり、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを前記初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習し、複数のコンテキストベクトルを得、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとは、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものであり、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得、
前記訓練モジュールは、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得、前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得る、請求項8に記載のマップデータの更新装置。
【請求項10】
前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、
または、
前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである、請求項9に記載のマップデータの更新装置。
【請求項11】
前記訓練モジュールは、前記i番目のサンプルシーケンスに対して、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを確定するとき、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニット特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに、前記サンプルごとに対応する前記電子機器特徴、前記RSU特徴及び前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを生成し、前記電子機器特徴は前記サーバに前記サンプルの各々を報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルの各々を前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は前記サンプルの各々を表徴するためのものである、請求項9に記載のマップデータの更新装置。
【請求項12】
前記電子機器特徴は、前記電子機器の識別子、前記サンプルごとの前記電子機器による報告の回数又は有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を含み、前記訓練モジュールは、また、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定し、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するために使用され、
前記RSU特徴は、前記RSUの識別子、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数を含み、前記訓練モジュールは、さらに、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、前記サンプルごとの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引くために使用され、
前記道路情報特徴は、サンプルの種類、サンプルの位置、サンプルの開始時点、サンプルの終了時点、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点の少なくとも1つの特徴を含み、前記サンプルの位置は前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである、請求項11に記載のマップデータの更新装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサ、および
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するように接続されるメモリを含み、そのうち、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のマップデータの更新方法を実行することができるようになる、電子機器。
【請求項14】
電子機器によって実行されるとき、電子機器に請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のマップデータの更新方法を実現させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のマップデータの更新方法を実行させるためのものである、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、スマートシティ技術分野に関し、特に、電子マップ、知能交通、自動運転、人工知能技術における深層学習技術分野に関し、特に、マップデータの更新方法、装置、機器及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
シティの迅速な発展や道路の複雑さの高まりに伴い、電子マップに対するユーザの需要が増々強くなっている。マップデータは、電子マップの基礎であり、主に、道路情報などを含んでいる。道路情報としては、道路工事、道路閉鎖、交通事故の発生などが挙げられる。
【0003】
一般的に、道路情報はいつまでも変わらないものではないため、マップデータを更新し、ユーザが間違ったマップデータに対応する電子マップを使用してナビゲーションしてユーザの外出コストを増やすようなことを回避する必要がある。マップデータの更新プロセスでは、通常、道路情報を多種多様なロードサイドユニット(Roadside Unit、RSU)により認識した後に、車載機器にブロードキャストする。車載機器は、道路情報を受信した後に、道路情報をサーバにアップロードする。サーバは、これらの道路情報を利用してマップデータを更新するようになっている。
【0004】
上記マップデータの更新において、意図的に破壊された車載機器の場合が考慮に入っていない。しかしながら、遮断、偽造、改ざんなどの手で、意図的に破壊された車載機器により、無効な道路情報が報告され、マップデータの更新に間違いが出る恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、マップデータの更新方法、装置、機器及び可読記憶媒体を提供し、有効な道路情報を認識し、マップデータを有効な道路情報を利用して更新することにより、マップデータを正確に更新する目的を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、マップデータの更新方法を提供し、
電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットにより前記電子機器にブロードキャストされた道路情報であるステップと、
前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じであるステップと、
前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報は実の道路情報であるステップと、
前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、マップデータを前記対応するシーケンスに属する道路情報を利用して更新するステップと、を含む。
【0007】
一実現可能な設計において、前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得る前記ステップの前に、また、
サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルがポジティブサンプルとネガティブサンプルを含み、前記ポジティブサンプルは実の道路情報であり、前記ネガティブサンプルは偽りの道路情報であるステップと、
前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおける同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び発生位置が同じであるステップと、
前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るステップと、を含む。
【0008】
一実現可能な設計において、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る前記ステップは、
i番目のサンプルシーケンスに対して、前記初期モデルの埋め込み層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとの特徴ベクトルを確定し、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものであるステップと、
前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとの特徴ベクトルを前記初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習し、複数のコンテキストベクトルを得、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとは、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものであるステップと、
前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層や、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るステップと、を含む。
【0009】
一実現可能な設計において、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層や、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る前記ステップは、
前記初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得るステップと、
前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得るステップと、を含む。
【0010】
一実現可能な設計において、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、または、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである。
【0011】
一実現可能な設計において、i番目のサンプルシーケンスに対して、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定する前記ステップは、
前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニットRSU特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記電子機器特徴は前記サンプルごとを報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルごとを前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は前記サンプルごとを表徴するためのものであるステップと、
前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに、前記サンプルごとに対応する前記電子機器特徴、前記RSU特徴及び前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを生成するステップと、を含む。
【0012】
一実現可能な設計において、前記電子機器特徴は、前記電子機器の識別子、前記サンプルごとの前記電子機器による報告の回数又は有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を含み、前記方法は、また、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するステップと、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するステップと、を含む。
【0013】
一実現可能な設計において、前記RSU特徴は、前記RSUの識別子、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数を含み、前記方法は、さらに、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、前記サンプルごとの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引く。
【0014】
一実現可能な設計において、前記道路情報特徴は、サンプルの種類、サンプルの位置、サンプルの開始時点、サンプルの終了時点、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点の少なくとも1つの特徴を含み、前記サンプルの位置は前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである。
【0015】
第2の態様では、本願の実施例は、マップデータの更新装置を提供し、
電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットにより前記電子機器にブロードキャストされる道路情報である受信モジュールと、
前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じである確定モジュールと、
前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報は実の道路情報である認識モジュールと、
前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、マップデータを前記対応するシーケンスに属する道路情報を利用して更新する更新モジュールと、を含む。
【0016】
一実現可能な設計において、上記した装置は、また、
訓練モジュールは、前記認識モジュールが前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得る前に、サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルはポジティブサンプルとネガティブサンプルを含み、前記ポジティブサンプルは実の道路情報であり、前記ネガティブサンプルは偽りの道路情報であり、前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおいて同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び発生位置が同じであり、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0017】
一実現可能な設計において、i番目のサンプルシーケンスに対して、前記訓練モジュールは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの埋め込み層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定し、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものであり、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを前記初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習し、複数のコンテキストベクトルを得、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとは、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものであり、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0018】
一実現可能な設計において、前記訓練モジュールは、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得、前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0019】
一実現可能な設計において、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、または、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである。
【0020】
一実現可能な設計において、前記訓練モジュールは、前記i番目のサンプルシーケンスに対して、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを確定するとき、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニット特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに、前記サンプルごとに対応する前記電子機器特徴、前記RSU特徴及び前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを生成し、前記電子機器特徴は前記サンプルごとを報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルごとを前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は前記サンプルごとを表徴するためのものである。
【0021】
一実現可能な設計において、前記電子機器特徴は、前記電子機器の識別子、前記サンプルごとの前記電子機器による報告の回数又は有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を含み、前記訓練モジュールは、また、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定し、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するために使用される。
【0022】
一実現可能な設計において、前記RSU特徴は、前記RSUの識別子、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数を含み、前記訓練モジュールは、さらに、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、サンプルごとの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引くために使用される。
【0023】
一実現可能な設計において、前記道路情報特徴は、サンプルの種類、サンプルの位置、サンプルの開始時点、サンプルの終了時点、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点の少なくとも1つの特徴を含み、前記サンプルの位置は前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである。
【0024】
第3の態様では、本願の実施例は、電子機器を提供し、
少なくとも1つのプロセッサ、および
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するように接続されるメモリを含み、そのうち、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、第1の態様又は第1の態様の任意の実現可能な方法を実行することができるようになる。
【0025】
第4の態様では、本願の実施例は、命令が含まれたコンピュータプログラム製品を提供し、電子機器で実行されるとき、電子機器に、上記第1の態様又は第1の態様の様々な可能な実現形態における方法を実行させるようになる。
【0026】
第5の態様では、本願の実施例は、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに上記第1の態様又は第1の態様の様々な可能な実現形態における方法を実行させるためのものである。
【0027】
第6の態様では、本願の実施例は、マップデータの更新方法を提供し、電子機器によって報告される道路情報を受信するステップと、前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じであるステップと、前記少なくとも1つのシーケンスに基づき、マップデータを更新するステップとを含む。
【発明の効果】
【0028】
上記出願における一実施例によると、サーバシーケンスに含まれた個々の道路情報をニューラルネットワークモデルに入力し、シーケンスにおける各道路情報のコンテキストをニューラルネットワーク技術と合わせ、有効な道路情報を認識してマップデータを更新することにより、マップデータを正確に更新する目的を実現するような利点又は有益な効果がある。
【0029】
この部分に記述した内容は、本願の実施例の肝心又は重要な特徴をマークすることを主旨としているわけではなく、本願の範囲を制限するためにも使用されないと理解するべきである。本願の他の特徴は、以下の明細書によって理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図面は、本解決手段をよりよく理解するために使用されるものであり、本願に対する限定を構成しない。そのうち、
図1A】本願の実施例に係るマップデータの更新方法の一ネットワークアーキテクチャの概略図である。
図1B】本願の実施例に係るマップデータの更新方法の他のネットワークアーキテクチャの概略図である。
図2】本願の実施例に係るマップデータの更新方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例に係るマップデータの更新方法においてモデル訓練の概略図である。
図4】本願の実施例に係るマップデータの更新方法のプロセスの概略図である。
図5】本願の実施例に係るマップデータの更新装置の一構造概略図である。
図6】本願の実施例に係るマップデータの更新装置の他の構造概略図である。
図7】本願の実施例のマップデータの更新方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願の例示的な実施例を図面に合わせて説明する。理解に寄与するための本願の実施例の様々な詳細が含まれるが、これらは、例示的なものにすぎないと考えるべきである。よって、当業者は、ここに記述した実施例に対する様々な変更や修正が可能であり、本願の範囲や趣旨から逸脱されないと認識するべきである。同様に、明確や簡潔のため、以下の記述では、周知の機能や構造に関するものを省略するようにしている。
【0032】
車両対すべて(vehicle to X、V2X)通信は、車両のインターネットの極めて重要な技術的方向である。V2X通信により、車両と交通システムで様々な要素との情報交換を安全且つ高効率的に実現すると同時に、シティの迅速な発展や道路の複雑さの高まりに伴い、電子マップに対するユーザの需要が増々強くなっている。マップデータは、電子マップの基礎であり、主に、道路情報などを含んでいる。道路情報としては、道路工事、道路閉鎖、交通事故の発生などが挙げられる。道路情報はいつまでも変わらないものではないため、マップデータ更新は、道路情報に基づいて行われる必要がある。
【0033】
マップデータの更新方法は、通常、V2X、第五世代(5th generation、5G)又はエッジ技術に基づくマップデータの更新方法を含み、該方法は、道路情報を全面的で正確的且つ快速的に認識してマップデータを更新する。具体的に、多種多様なロードサイドユニット(Roadside Unit、RSU)は、道路情報を認識した後、または、コントロールセンターにより道路情報を認識が認識され、RSUに送信された後に、RSUは、道路情報を車載ユニット(On board Unit、OBU)にブロードキャストする。OBU接は、道路情報を受信した後に、道路情報をサーバにアップロードする。サーバは、これらの道路情報を利用してマップデータを更新する。
【0034】
道路情報をV2X技術を利用して取得し、サーバに報告し、サーバにより、道路情報に基づいてマップデータを更新する。
【0035】
上記マップデータの更新方法では、意図的に破壊されたOBUなどの車載機器の場合が考慮に入っていない。車載機器が意図的に破壊された後に、遮断、偽造、改ざんなどの手で、破壊されたOBUにより、無効な道路情報が報告される恐れがある。該無効な道路情報がサーバによって即時的に検出されなかった場合、マップデータの更新に間違いが発生する恐れがあり、間違ったマップデータに基づいて問題のある電子マップを生成するようになる。ユーザがこのような問題のある電子マップを利用してナビゲーションしたりすると、ナビゲーションによる経路に間違いが出る恐れがあり、ユーザの外出コストを増やすようなことにもつながる。
【0036】
よって、無効な道路情報の検出は、すでに、マップデータ更新の重要な課題となっている。
【0037】
本願の実施例は、マップデータの更新方法、装置、機器及び可読記憶媒体を提供し、有効な道路情報を認識し、マップデータを有効な道路情報を利用して更新することにより、マップデータを正確に更新する目的を実現する。
【0038】
まず、本願の実施例に関する名詞について説明する。
【0039】
V2X:V2Xとは、車用無線通信技術のことを指し、該技術により、車両と交通システムで各要素との情報交換を安全且つ高効率的に実現することができる。そのうち、Vは車両、Xは車両と情報イントラクションができるすべての対象を代表し、主に、車、人、RSUやネットワークなどの交通道路試験インフラを含む。
【0040】
RSUとは、道路の横に設置された道路脇の機器を指し、ロードサイドユニットとも呼ばれている。RSUは、道路、交通および天気情報などを収集し、これらの情報は、RSU自体によって処理されるか、または、RSUによってコントロールセンターに伝送し、コントロールセンターによって処理される。処理された情報は、該RSUにアクセスしたOBUなどにブロードキャストし、これにより、道路と車、道路と人、道路とクラウドプラットフォームとの全方位的接続を実現する。そのうち、クラウドプラットフォームは、クラウドサーバ、サーバ、V2Xプラットフォームなどとも呼ばれている。
【0041】
OBU:OBUは、V2X無線通信を実現する車載機器のことである。OBUは、V2X通信技術を利用し、RSU、V2Xプラットフォームおよび他のOBUなどとイントラクションを行い、運転手が現在の走行環境を把握できるように協力し、運転手が様々な複雑な状況下で安定して安全的に運転するように指示する。
【0042】
シーケンスは、V2Xシーケンスとも呼ばれており、サーバがOBUなどの電子機器によってアップロードした道路情報に基づいて生成されるものである。シーケンス生成のプロセスでは、サーバは、道路情報の種類、発生地点及び該道路情報のOBUによって受信された時刻などの少なくとも1つに従い、複数の道路情報を分類し、並べ替え、シーケンスを得る。そのうち、道路情報は、通常、道路工事、道路閉鎖又は交通事故などを含んでいる。
【0043】
次に、本願の実施例が適用するネットワークアーキテクチャについて詳細に説明する。
【0044】
図1Aは、本願の実施例に係るマップデータの更新方法の一ネットワークアーキテクチャの概略図である。図1Aを参照されたい。該ネットワークアーキテクチャは、サーバ1、電子機器2、ロードサイドユニット3及びカメラ4を含む。そのうち、サーバ1にマップデータが記憶されており、電子機器2としては、OBU、携帯電話、ノートパソコン、タブレットなどが挙げられ、図1Aでは、OBUを例としている。カメラ4としては、道脇に架設された、路上の車両や通行人などを撮影する機器などが挙げられる。道路に、車両衝突事故が起きたと仮設すると、図における丸数字1に示したように、衝突した車両のOBUにより、衝突情報をRSUに報告する。または、図における丸数字2に示したように、ロードサイドユニット3に接続されたカメラ4により、道路を撮影し、衝突情報をロードサイドユニット3に送信する。ロードサイドユニット3は、衝突情報を受信した後に、該衝突情報を認識して道路情報を得る。該道路情報は、道路上の車両衝突、道路渋滞を指示する。
【0045】
図における丸数字3に示したように、ロードサイドユニット3により、道路情報を認識した後に、該道路情報をブロードキャストし、自体にアクセスした電子機器2が該道路情報を受信できるようになる。図における丸数字4に示したように、電子機器2は、受信した道路情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した道路情報に基づいてシーケンスを生成し、シーケンスに含まれた道路情報を予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、シーケンスによって指示される道路情報が有効なものであるかどうかを認識するようになる。道路情報が有効なものである場合、マップデータを有効な道路情報を利用して更新する。
【0046】
図1Bは、本願の実施例に係るマップデータの更新方法の他のネットワークアーキテクチャの概略図である。図1Aに示すアーキテクチャと比較すると、該ネットワークアーキテクチャは、また、コントロールセンター5を含み、コントロールセンター5は、RSU3を制御するためのものである。RSUは、図における丸数字5に示したように、電子機器2によって送信された衝突情報又はカメラ4によって送信された衝突情報を受信した後に、該衝突情報をコントロールセンター5に送信する。コントロールセンターは、衝突情報受信した後に、該衝突情報を認識して道路情報を得る。該道路情報は、道路上の車両衝突、道路渋滞を指示する。その後、コントロールセンター5は、道路情報をロードサイドユニット3に送信し、該道路情報はロードサイドユニット3によりブロードキャストされる。
【0047】
以下、本願の実施例に記載のマップデータの更新方法について、上記した名詞の解釈及び図1A図1Bに示すネットワークアーキテクチャに基づき、詳細に説明する。例示的に、図2を参照されたい。
【0048】
図2は、本願の実施例に係るマップデータの更新方法のフローチャートであり、本実施例の実行主体は電子機器であり、該電子機器としては、上記図1A及び図1Bにおけるサーバがある。本実施例は、以下のステップを含む。
【0049】
101、電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットにより前記電子機器にブロードキャストされる道路情報である。
【0050】
図1A及び図1Bを参照されたい。電子機器としては、RSUからのブロードキャスト情報を受信する電子機器であってもよい。電子機器は、図1A及び図1Bにおける丸数字4に示したように、受信した道路情報をサーバに送信する。
【0051】
102、前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じである。
【0052】
サーバは、道路情報を受信した後に、個々の道路情報の種類、位置などに基づき、少なくとも1つのシーケンスを得るようになる。例えば、サーバが受信した道路情報は、道路情報aから道路情報eまでの情報を含む。そのうち、道路情報aは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT1であり、道路情報bは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT2であり、道路情報cは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT3であり、道路情報dは、種類が閉鎖渋滞で、位置が地点Bで、時刻がT4であり、道路情報eは、種類が閉鎖渋滞で、位置が地点Bで、時刻がT5であると、サーバは、これらの道路情報に基づき、2つのシーケンス、即ち、[道路情報a、道路情報b、道路情報c]というシーケンス1と、[道路情報d、道路情報e]というシーケンス2を生成する。
【0053】
103、前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得て、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報は実の道路情報である。
【0054】
例示的に、サーバに、訓練されたニューラルネットワークモデルを予め配置する。サーバは、順次にシーケンスごとに含まれた道路情報をニューラルネットワークモデルに入力し、ニューラルネットワークモデルにより、該シーケンスに含まれた道路情報を学習して出力結果を得る。出力結果は、該シーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものである。例えば、サーバは、[道路情報a、道路情報b、道路情報c]というシーケンス1をニューラルネットワークモデルに入力し、ニューラルネットワークモデルにより、シーケンス1における道路情報ごとに特徴ベクトルを抽出し、これらの特徴ベクトルを学習して出力結果を得る。該出力結果が0であるとき、道路情報a、道路情報b及び道路情報cが無効なものであることを意味し、出力結果が1であるとき、道路情報aや、道路情報b、道路情報cが有効なものであることを意味する。
【0055】
104、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、マップデータを前記対応するシーケンスに属する道路情報を利用して更新する。
【0056】
例示的に、サーバは、有効な道路情報を確定した後に、該有効な道路情報をマップデータに更新する。ユーザが電子マップを使用するとき、サーバは、更新されたマップデータをユーザの電子機器に送信し、ユーザの電子機器が更新されたマップデータに基づいてマップをディスプレイし、ユーザにナビゲーションなどをするようになる。
【0057】
本願は、実施例に係るマップデータの更新方法に関し、サーバは、電子機器によって報告される道路情報を受信した後に、道路情報に基づいて数のシーケンスを得、同一シーケンスに属する各道路情報は、種類、位置が同じである。その後、サーバは、シーケンスに含まれた個々の道路情報を予め訓練されたニューラルネットワークモデルへ入力し、ニューラルネットワークモデルは、シーケンスに基づいて認識結果を出力するようになる。認識結果は、前記シーケンスに属する道路情報が有効なものであると指示する場合、サーバは、マップデータを該有効な道路情報を利用して更新する。このような解決手段により、サーバは、シーケンスに含まれた個々の道路情報をニューラルネットワークモデルに入力し、シーケンスにおけて各道路情報のコンテキストをニューラルネットワーク技術と合わせ、有効な道路情報を認識してマップデータを更新することにより、マップデータを正確に更新する目的を実現する。
【0058】
本願の実施例は、大体、モデル事前訓練段階、モデルの利用によるオンライン予測段階、マップデータ更新段階という3つの段階に分けられる。以下、これらの段階について、それぞれ詳細に説明する。
【0059】
まず、モデル事前訓練段階について説明する。
【0060】
上記実施例において、前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力して、対応するシーケンスの認識結果を得る前に、また、ニューラルネットワークモデルを訓練する。
【0061】
ニューラルネットワークモデルの訓練プロセスでは、サーバは、まず、サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルがポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、前記ポジティブサンプルは実の道路情報であり、前記ネガティブサンプルは偽りの道路情報である。そして、サーバは、前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおいて同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び発生位置が同じである。最後に、サーバは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0062】
例示的に、人によるマークなどの方式で、複数のサンプルからポジティブサンプル及びネガティブサンプルを予めマークする。その後、これらのサンプルを分割する。分割プロセスでは、サーバは、種類も位置も同じなサンプルを一組に分割する。続いては、サーバは、同一組に属するサンプルに対し、サンプルごとに受信時点に基づいてこれらのサンプルを並べ替え、シーケンスを得る。例えば、一組に分割された道路情報で、道路情報aは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT1であり、道路情報bは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT2であり、道路情報cは、種類が衝突で、位置が地点Aで、時刻がT3であるなどの情報が含まれる。この3つの道路情報は、種類や地点が同じであるが、道路情報の電子機器による受信時刻が異なっている。そのうち、T1、T2及びT3は、道路情報の同一電子機器又は異なる電子機器による受信時刻であり、T2、T1、T3のような順となっている。よって、シーケンスは、[道路情報b、道路情報a、道路情報c]である。
【0063】
最後に、サーバは、少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づいて初期モデルを訓練し、初期モデルのパラメータなどを、初期モデルが最良状態に達するまで継続的に最適化し、最良状態下のモデルを訓練されたニューラルネットワークモデルとして使用する。
【0064】
このような解決手段により、サーバは、電子機器によって報告されるサンプルを取得した後に、各サンプルの種類、サンプルごとの発生地点およびサンプルごとの電子機器による受信時刻に基づき、サンプルを並べ替え、サンプルシーケンスを取得する目的を実現する。
【0065】
図3は、本願の実施例に係るマップデータの更新方法においてモデル訓練の概略図である。図3を参照されたい。初期モデルは、埋め込み(Embedding)層、双方向長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク(Bi-directional Long Short-Term Memory、BiLSTM)層、接続(Concatenate)層、完全接続(Fully connected layer、FC)層及び損失関数層という5つ層を含み、損失関数としては、softmaxなどであってもよい。
【0066】
図3を参照されたい。サーバは、サンプルを並べ替え、少なくとも1つのシーケンスを得、該少なくとも1つのシーケンスによってシーケンスセットSを形成する。その後、シーケンスセットSのいずれか1つのサンプルシーケンスSi、以下、i番目のサンプルシーケンスと呼ばれるようにする。i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものである。例えば、i番目のサンプルシーケンスは、少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、また例えば、i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである。i番目のサンプルシーケンスSiには、
【0067】
【数1】
個のサンプルが含有し、
【0068】
【数2】
で整数であると仮設する。サーバは、連続的な複数のサンプルを抽出してサブシーケンスを形成し、該サブシーケンスに含まれたサンプルはサンプルs0、サンプルs1、サンプルs2、サンプルs3であると仮設すると、該サブシーケンスは、{s0,s1,s2,s3}のように表す。
【0069】
このような解決手段により、比較的に少なめのサンプルの数であるとき、サブシーケンスを抽出する方式でシーケンスの個数を増加し、モデルの訓練精度を向上する。
【0070】
サーバは、シーケンスセットSを得た後に、i番目のサンプルシーケンスに含まれた道路情報を初期モデルのEmbedding層に入力し、Embedding層で、i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを抽出し、抽出された特徴ベクトルをBiLSTM層に入力する。例えば、i番目のサンプルシーケンスSiが{s0,s1,s2,s3}であると、Embedding層で、サンプルs0、サンプルs1、サンプルs2、サンプルs3それぞれの特徴ベクトルを抽出する。抽出された特徴ベクトルをBiLSTM層に入力する。
【0071】
サーバは、BiLSTM層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習し、複数のコンテキストベクトルを得て、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとは、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものである。
【0072】
例示的に、BiLSTMは、前向きLSTMと後ろ向きLSTMによって構成され、通常、コンテキスト情報のモデリングに利用されている。i番目のサンプルシーケンスSiの個々のサンプルの特徴ベクトルをBiLSTM層入力した後に、BiLSTM層で、i番目のサンプルシーケンスSiの各サンプルのコンテキストを利用し、複数のコンテキストベクトルを得る。これらのコンテキストベクトルにおいて、コンテキストベクトルごとに、サンプル間の関係が携帯されている。サーバは、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0073】
例示的に、損失関数層に対応する損失関数としては、softmaxであってもよく、サーバは、複数のコンテキストベクトルに基づいて初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層のパラメータを継続的に調整し、初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層のパラメータを最良にし、最良の初期モデルをニューラルネットワークモデルとして使用する。
【0074】
このような解決手段により、サーバは、シーケンスセットSにおいてi番目のサンプルシーケンスSiにおけるサンプルを入力とし、初期モデルを継続的に訓練して最適化に、ニューラルネットワークモデルを得る目的を実現するようになる。
【0075】
サーバは、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、まず、初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得、そして、前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得る。
【0076】
例示的に、また、図3を参照されたい。BiLSTM層で、複数のコンテキストベクトルを出力し、これらのベクトルがConcatenate層に入力される。Concatenate層で、BiLSTM層で出力されたすべてのコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得る。該スプライスベクトルがFC層に入力される。スプライスベクトルはFC層とsoftmax層によって処理された後に、初期モデルの層ごとにパラメータの調節が完了される。
【0077】
このような解決手段により、初期モデルのConcatenate層や、FC層及びsoftmax層のパラメータを調節する目的を実現する。
【0078】
次に、モデルの利用によるオンライン予測段階について説明する。
【0079】
ニューラルネットワークモデルが訓練された後に、道路情報が有効なものであるかどうかを予測するプロセスでは、サーバは、OBUなどの電子機器によって報告される道路情報を受信した後に、道路情報の種類、位置などに基づいて受信した道路情報を並べ替え、複数のシーケンスを得る。その後、シーケンスに含まれた道路情報を予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、該シーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを判断する。
【0080】
判断プロセスでは、ニューラルネットワークモデルのEmbedding層で、シーケンスにおける道路情報ごとに特徴を抽出し、道路情報ごとに特徴ベクトルを得て、これらの特徴ベクトルがBiLSTM層に入力される。その後、BiLSTM層で、特徴ベクトルを学習し、複数のコンテキスト情報が含まれたコンテキストベクトルを得る。Concatenate層で、これらのコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得る。最後に、該スプライスベクトルがFC層及びSoftmax層で処理された後に、認識結果を得ることができる。該認識結果は、ある種類、ある位置で発生の道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものである。
【0081】
最後に、マップデータ更新段階について説明する。
【0082】
該段階では、サーバは、有効な道路情報を取得した後に、該道路情報の全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)位置、種類などの情報を抽出し、マップデータを抽出された情報に基づいて更新する。
【0083】
上記モデルの利用によるオンライン予測段階及びマップデータ更新段階は、図4で表すことができる。図4は、本願の実施例に係るマップデータの更新方法のプロセスの概略図である。
【0084】
図4を参照されたい。サーバには、シーケンス抽出モジュールや、有効な道路情報認識モジュール及びマップデータ更新モジュールが設置されている。そのうち、シーケンス抽出モジュールはシーケンスを抽出するためのものであり、例えば、個々の道路情報の種類、発生地点及びOBUによる受信時点に基づき、道路情を報並べ替え、シーケンスを得る。
【0085】
有効な道路情報認識モジュールは、有効な道路情報をマイニングするためものである。マイニングするプロセスでは、シーケンスごとにおける道路情報ごとに、OBU特徴、RSU特徴、道路情報特徴などを抽出し、特徴ベクトルを生成する。そして、特徴ベクトルをモデルに入力し、道路路情報が有効なものであるかどうかを判断する。
【0086】
マップデータ更新モジュールは、マップデータを更新するためのものである。例えば、有効な道路情報から、GPS位置、種類などの情報を抽出し、マップデータを更新する。
【0087】
以下、上記実施例において、サーバは、しかにして前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定するかについて、詳細に説明する。
【0088】
シーケンスセットSにおいてi番目のサンプルシーケンスSiのサンプルごとに、サーバは、サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニットRSU特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記電子機器特徴は前記サンプルごとを報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルごとを前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は前記サンプルごとを表徴するためのものである。そして、サーバは、前記サンプルごとの電子機器特徴、前記RSU特徴又は前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとの前記に特徴ベクトルを生成する。
【0089】
例示的に、サンプルごとに、サーバは、電子機器特徴(OBU特徴など)、RSU特徴、道路情報特徴などを抽出し、該サンプルの特徴ベクトルを生成する。以下、電子機器特徴、RSU特徴及び道路情報特徴について、それぞれ詳細に説明する。
【0090】
まず、電子機器特徴について説明する。
【0091】
電子機器特徴は、前記サンプルごとを報告する電子機器を表徴するためのものであり、電子機器の識別子oid、前記サンプルごとの電子機器による報告の回数No、有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0092】
【数3】
を含む。
【0093】
A:電子機器の識別子oid。
【0094】
電子機器ごとに、サーバは、k次元のベクトル
【0095】
【数4】
をランダムに生成し、該ベクトル
【0096】
【数5】
が正規分布N(0,1)に従い、kが32などであってもよい。該ベクトル
【0097】
【数6】
が電子機器の識別子oidを表すためのものである。
【0098】
B:前記サンプルごとの電子機器による報告の回数No及び前記有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0099】
【数7】
【0100】
サーバは、履歴的道路情報が電子機器によって報告される回数をオフラインで統計し、該回数が前記サンプルごとの電子機器による報告の回数Noであるようになる。サーバは、また、有効な道路情報の電子機器による報告の回数をオフラインで統計し、該回数が有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0101】
【数8】
であるようになる。
【0102】
サーバは、前記サンプルごとの電子機器による報告の回数No、有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0103】
【数9】
を統計した後に、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定し、また、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定する。
【0104】
例示的に、電子機器が異なるRSUから道路情報を受信することが可能であるが、異なるRSUによってブロードキャストされる道路情報が同じである可能性がある。よって、同様な道路情報に対して重複を排除し、複数の重複道路情報の1つのみ保留し、残りを削除する必要がある。同時に、削除されたサンプルの数に基づいて前記サンプルごとの電子機器による報告の回数Noを調整し、削除された有効なサンプルの数に基づいて前記有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0105】
【数10】
を調整する。
【0106】
重複を排除した後に、サーバは、前記サンプルごとの電子機器による報告の回数NoをZ-scoreを利用して標準化し、前記サンプルごとの電子機器による報告の回数Noが正規分布N(0,1)に従うようにさせる。
【0107】
サーバは、前記有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0108】
【数11】
をZ-scoreを利用して標準化し、前記有効なサンプルの電子機器による報告の回数
【0109】
【数12】
が正規分布N(0,1)に従うようにさせる。
【0110】
このような解決手段により、電子機器によって報告されるサンプル及び有効なサンプルに対して重複を排除することにより、サンプルの単一性が確保され、ひいては、モデルの精度が向上する。
【0111】
次に、RSU特徴について説明する。
【0112】
RSU特徴は、前記サンプルごとを前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、RSUの識別子rid、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数Nr及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数
【0113】
【数13】
の少なくとも1つを含む。
【0114】
C:RSUの識別子rid。
【0115】
サーバは、RSUごとに、k次元のベクトル
【0116】
【数14】
をランダムに生成し、該ベクトル
【0117】
【数15】
が正規分布N(0,1)に従い、kが32などであってもよい。該ベクトル
【0118】
【数16】
がRSUの識別子ridを表すためのものである。
【0119】
D: 前記サンプルごとのRSUによるブロードキャストの総回数Nr及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数
【0120】
【数17】
【0121】
サーバは、道路情報をRSUによりOBUなどの電子機器へ伝送する回数をオフラインで統計し、該回数が前記サンプルごとのRSUによる送信の総回数Nrであるようになる。サーバは、また、有効な道路情報をRSUによりOBUへ送信される回数をオフラインで統計し、該回数が有効なサンプルのRSUによるブロードキャストの回数
【0122】
【数18】
であるようになる。
【0123】
サーバは、前記サンプルごとのRSUによるブロードキャストの総回数Nr及び有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数
【0124】
【数19】
を確定した後に、また、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、前記サンプルごとの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引く。
【0125】
例示的に、RSUが同一道路情報を複数回ブロードキャストする可能性があるため、総回数Nrから、同一サンプルの重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルのRSUによるブロードキャストの有効な回数
【0126】
【数20】
から、同一有効なサンプルの重複ブロードキャストの回数を差し引く必要がある。
【0127】
重複を排除した後に、サーバは、前記サンプルごとのRSUによるブロードキャストの総回数NrをZ-scoreを利用して標準化し、前記サンプルごとのRSUによるブロードキャストの総回数Nrが正規分布N(0,1)に従うようにさせる。
【0128】
サーバは、前記有効なサンプルのRSUによるブロードキャストの回数
【0129】
【数21】
をZ-scoreを利用して標準化し、前記有効なサンプルのRSUによるブロードキャストの回数
【0130】
【数22】
が正規分布N(0,1)に従うようにさせる。
【0131】
このような解決手段により、前記サンプルごとのRSUによるブロードキャストの総回数Nr及び前記有効なサンプルのブロードキャストの回数
【0132】
【数23】
に対して重複を排除することにより、サンプルの単一性が確保され、ひいては、モデルの精度が向上する。
【0133】
最後に、道路情報特徴について説明する。
【0134】
本願の実施例において、道路情報特徴は、道路情報を表徴するためのものであり、前記道路情報特徴は、サンプルの種類Ti、サンプルの位置ls、サンプルの開始時点ts、サンプルの終了時点te、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点trという特徴の少なくとも1つを含み、前記サンプルの位置lsが前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである。
【0135】
E:サンプルの種類Ti
【0136】
サーバは、道路情報ごとに、k次元のベクトル
【0137】
【数24】
をランダムに生成に、該ベクトル
【0138】
【数25】
が正規分布N(0,1)に従い、kが32などであってもよい。該ベクトル
【0139】
【数26】
がサンプルの種類Tiを表すためのものである。
【0140】
F:サンプルの開始時点ts
【0141】
サンプルの開始時点tsが道路情報発生の時刻を表徴するためのものである。時点の連続性を確保するために、サンプルの開始時点tsは、正弦及び余弦回転後という2つの特徴を使用して表す。即ち、サンプルの開始時点tsは、
【0142】
【数27】
及び
【0143】
【数28】
のように表している。
【0144】
G:サンプルの終了時点te
【0145】
サンプルの終了時点teが道路情報終了の時刻を表徴するためのものである。時点の連続性を確保するために、サンプルの終了時点teがサンプルの開始時点tsに一致するようにしており、同様に、正弦及び余弦回転後という2つの特徴を使用して表す。即ち、サンプルの終了時点teは、
【0146】
【数29】
及び
【0147】
【数30】
のように表している。
【0148】
H:前記サンプルごとの電子機器によって受信された時点tr
【0149】
前記サンプルの電子機器によって受信された時点tは、RSUによってブロードキャストされた道路情報がOBUなどの電子機器によって受信された時刻を表徴するためのものである。時点の連続性を確保するために、電子機器によって受信された前記サンプルごとの時点trがサンプルの終了時点te、サンプルの開始時点tsに一致するようにしており、同様に、正弦及び余弦回転後という2つの特徴を使用して表す。即ち、前記サンプルごとの電子機器によって受信されたtrは、
【0150】
【数31】
及び
【0151】
【数32】
のように表している。
【0152】
I:サンプルの位置ls
【0153】
サンプルの位置lsが前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである。位置特徴の一般化能力を向上させるために、全国マップを、一辺の長さが100メートルの正方形メッシュセットLに分割し、単調に増加する整数を使用し、メッシュを上から下に、左から右に識別する。その後、Z-scoreを利用して標準化し、正規分布N(0,1)に従うようにさせる。
【0154】
サーバは、道路情報のメッシュ位置、即ち、サンプルの位置lsを確定したとき、情報発生地点のGPS情報に基づき、道路情報のメッシュを確定し、ひいては、該メッシュに対応する値を取得する。
【0155】
上記には、本願の実施例で言及したマップデータの更新方法の具体的な実現を紹介したが、下記は、本願の装置の実施例であり、本願の方法の実施例を実行するために使用されることができる。本願の装置の実施例において披露しなかった詳細は、本願の方法の実施例を参照されたい。
【0156】
図5は、本願の実施例に係るマップデータの更新装置の一構造概略図である。該装置は、サーバに集積されるか、又はサーバによって実現されてもよい。図5に示したように、本実施例において、該マップデータの更新装置100は、受信モジュール11、確定モジュール12、認識モジュール13及び更新モジュール14を含むことができる。
受信モジュール11は、電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報はロードサイドユニットにより前記電子機器にブロードキャストされる道路情報である。
確定モジュール12は、前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じである。
認識モジュール13は、前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得、前記認識結果は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであるかどうかを指示するためのものであり、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものであると、前記対応するシーケンスに属する道路情報が実の道路情報である。
更新モジュール14は、前記対応するシーケンスに属する道路情報が有効なものである場合、マップデータを前記対応するシーケンスに属する道路情報を利用して更新する。
【0157】
図6は、本願の実施例に係るマップデータの更新装置の他の構造概略図である。図6のように、本実施例に係るマップデータの更新装置100は、上記図5に基づき、さらに、
前記認識モジュール13が前記少なくとも1つのシーケンスにおけるシーケンスごとに含まれた道路情報を、予め訓練されたニューラルネットワークモデルに入力し、対応するシーケンスの認識結果を得る前に、サンプルセットを取得し、前記サンプルセットにおけるサンプルがポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、前記ポジティブサンプルは実の道路情報であり、前記ネガティブサンプルは偽りの道路情報であり、前記サンプルセットにおけるサンプルを分割し、少なくとも1つのサンプルシーケンスを得、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスにおいて同一サンプルシーケンスに属するサンプルは、種類及び発生位置が同じであり、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るために使用される訓練モジュール15を含む。
【0158】
一実現可能な設計において、i番目のサンプルシーケンスに対して、前記訓練モジュール15は、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスに基づき、初期モデルを訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの埋め込み層で、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを確定し、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスに基づいて得られるものであり、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプルごとに特徴ベクトルを前記初期モデルの長期短期記憶リカレントニューラルネットワーク層を利用して学習し、複数のコンテキストベクトルを得て、前記複数のコンテキストベクトルにおけるコンテキストベクトルごとに、前記i番目のサンプルシーケンスにおけるサンプル間の関係を指示するためのものであり、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るために使用される。
【0159】
一実現可能な設計において、前記訓練モジュール15は、前記複数のコンテキストベクトルに基づいて前記初期モデルの接続層、完全接続層及び損失関数層を訓練し、前記ニューラルネットワークモデルを得るとき、前記初期モデルの接続層で、前記複数のコンテキストベクトルをスプライスし、スプライスベクトルを得、前記初期モデルの完全接続層及び損失関数層を前記スプライスベクトルを利用して学習し、前記ニューラルネットワークモデルを得るために使用される。
【0160】
一実現可能な設計において、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスであるか、または、前記i番目のサンプルシーケンスは、前記少なくとも1つのサンプルシーケンスのいずれか1つのサンプルシーケンスのサブシーケンスである。
【0161】
一実現可能な設計において、前記訓練モジュール15は、前記i番目のサンプルシーケンスに対して、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを確定したとき、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに対応する電子機器特徴、ロードサイドユニット特徴及び道路情報特徴の少なくとも1つを抽出し、前記i番目のサンプルシーケンスにおける前記サンプルごとに、前記サンプルごとに対応する前記電子機器特徴、前記RSU特徴及び前記道路情報特徴の少なくとも1つに基づき、前記サンプルごとに前記特徴ベクトルを生成し、前記電子機器特徴は前記サンプルごとを報告する電子機器を表徴するためのものであり、前記RSU特徴は前記サンプルごとを前記電子機器へブロードキャストするRSUを表徴するためのものであり、前記道路情報特徴が前記サンプルごとを表徴するためのものであるために使用されるものである。
【0162】
一実現可能な設計において、前記電子機器特徴は、前記電子機器の識別子、前記サンプルごとの前記電子機器による報告の回数又は有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を含み、前記訓練モジュール15は、また、前記電子機器によって報告される前記サンプルごとの重複を排除し、重複なしサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定し、前記電子機器によって報告される前記有効なサンプルの重複を排除し、重複なしで有効なサンプルの前記電子機器による報告の回数を確定するために使用される。
【0163】
一実現可能な設計において、前記RSU特徴は、前記RSUの識別子、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数及び前記有効なサンプルの前記RSUによるブロードキャストの回数を含み、前記訓練モジュール15は、さらに、前記サンプルごとの前記RSUによるブロードキャストの総回数から、前記サンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引き、前記有効なサンプルのRSUによるブロードキャストの回数から、前記有効なサンプルの前記RSUによる重複ブロードキャストの回数を差し引くために使用されるものでもある。
【0164】
一実現可能な設計において、前記道路情報特徴は、サンプルの種類、サンプルの位置、サンプルの開始時点、サンプルの終了時点、前記サンプルごとの前記電子機器によって受信された時点の少なくとも1つの特徴を含み、前記サンプルの位置は前記サンプルごとに発生の地理的位置を表徴するためのものである。
【0165】
本願の実施例に係るマップデータの更新装置は、上記実施例においてサーバによって実行される方法のために使用されることができ、その実現原理や技術的効果が類似しているため、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0166】
本願の実施例により、本願は、さらに、電子機器及び可読記憶媒体を提供する。
【0167】
本願の実施例では、本願は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムにおける命令は、プロセッサ実行されるとき、上記のいずれか1つの実施例の手段を実現する。
【0168】
図7は、本願の実施例のマップデータの更新方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、作業台、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及びその他の適切なコンピュータなどのような、様々な形のデジタルコンピュータを表すことを主旨とする。電子機器はまた、パーソナルデジタルアシスタント、セルラーテレフォン、スマートフォーン、ウェアラブルデバイス及びその他の類似するコンピューティングデバイスなどのような、様々な形のモバイル装置を表すこともできる。本明細書に示したコンポーネント、それらの連結や関係、及び、それらの機能は、あくまで例示的なものにすぎず、本明細書に記載の及び/又は本文が求める本願の実現を制限することを意図しない。
【0169】
図7に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ21、メモリ22、及び各コンポーネントを連結するためのインタフェースを含み、該インタフェースは、高速インタフェースと低速インタフェースとを含む。個々のコンポーネントは、異なるバスを使用して互いに接続され、パブリックメインボードにインストールされるか、又は、必要に応じて他の方式でインストールされることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、外部の入力/出力装置(インタフェースにカップリングされたディスプレイデバイスなど)でグラフィカル・ユーザー・インターフェース(Graphical User Interface、GUI)のグラフィクス情報がディスプレイされるための、メモリ内又はメモリ上に記憶されている命令まで含まれている。他の実施形態において、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のメモリを複数のメモリと一緒に使用してもよい。同様に、複数の電子機器に接続し、個々の機器により、必要な操作を一部提供(例えば、サーバアレイ、一揃いのブレードサーバ、または、マルチプロセッサシステムとする)してもよい。図7には、1つのプロセッサ21を例としている。
【0170】
メモリ22は、本願に係る非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。そのうち、前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の実施例に係るマップデータの更新方法を実行するようになる。本願の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶しており、該コンピュータ命令は、コンピュータが本願に係るマップデータの更新方法を実行するようにさせるために使用されるものである。
【0171】
メモリ22は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として、本願の実施例におけるマップデータの更新方法に対応するプログラム命令/モジュール(図5に示した受信モジュール11や、確定モジュール12、認識モジュール13及び更新モジュール14、および、図6に示した訓練モジュール15)などの非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータによる実行可能なプログラムおよびモジュールを記憶するために使用されるものであってもよい。プロセッサ21は、メモリ22に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、命令およびモジュールを実行に移すことにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、即ち、上記の方法の実施例におけるマップデータの更新方法を実現するようになる。
【0172】
メモリ22は、プログラム記憶エリアとデータ記憶エリアとを含むことができ、そのうち、プログラム記憶エリアは、操作システム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶エリアは、マップデータの更新方法を実行する電子機器の使用によって新規されるデータなどを記憶することができる。また、メモリ22は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はその他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスなどの非一時的なメモリを含むこともできる。いくつかの実施例において、メモリ22は、プロセッサ21に対して遠隔に設置されているメモリを選択的に含むことができ、それらの遠隔メモリは、ネットワークを介し、マップデータの更新方法を実行する電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0173】
マップデータの更新方法の電子機器は、さらに、入力装置23及び出力装置24を含むことができる。プロセッサ21や、メモリ22、入力装置23及び出力装置24は、バス又はその他の方式によって接続されてもよく、図7では、バスによって接続される方式を例としている。
【0174】
入力装置23は、入力される数字又はキャラクタ情報を受信し、マップデータの更新電子機器のユーザ設定、および機能制御に関連する鍵信号の入力を発生することができ、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、インディケータロッド、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、操縦ハンドルなどの入力装置が挙げられる。出力装置24は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(LEDなど)や触感フィードバック装置(振動モータなど)などを含むことができる。該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイやプラズマディスプレイを含むことができるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスはタッチスクリーンであってもよい。
【0175】
ここに記載のシステムや技術的様々な実施形態は、デジタル電子回路、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現されてよい。それらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実施される形態を含むことができ、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行及び/又は解釈されることができ、該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け、または、汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、や少なくとも1つの出力装置から、データや命令を受信し、そして、データや命令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置や、該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0176】
これらコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、これらのコンピュータプログラムをアドバンスプロセス及び/又はオブジェクト指向型プログラミング言語、及び/又はアセンブリ言語/機械言語を利用して実施することができる。例えば、本明細書に使用される用語「機械可読媒体」や「コンピュータ可読媒体」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、及び/又は装置(磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD)など)のことを指し、機械可読信号としての機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号のことを指す。
【0177】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここに記載のシステムや技術をコンピュータで実施することができ、該コンピュータは、ユーザへ情報をディスプレイするためのディスプレイ装置(CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニターなど)、及びキーボードやポインティングデバイス(マウス又はトラックボールなど)があり、ユーザは、該キーボードや該ポインティングデバイスを通じ、入力をコンピュータに提供することができる。その他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために使用されることができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形の感覚フィードバック(視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触感フィードバックなど)であってもよく、ユーザからの入力を任意の形(音入力、音声入力又は触感入力を含む)で受信することができる。
【0178】
ここに記載のシステムや技術は、バックグランドコンポーネントを含むコンピュータシステム(データサーバとして作用するなど)に、または、ミドルウェアコンポーネントを含むコンピュータシステム(アプリケーションサーバなど)に、または、フロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム(図形式のユーザインタフェース、またはネットワークブラウザを備えるユーザコンピュータなど、ユーザは、該図形式のユーザインタフェース、または該ネットワークブラウザを通じてここに記載のシステムや技術に係る実施形態とイントラクションをすることができる)に、またはこのようなバックグランドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピュータシステムに実施されてもよい。システムのコンポーネントは、任意の形、または媒体のデジタルデータ通信(通信ネットワークなど)を通じて相互に接続することができる。通信ネットワークは、例示的に、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、ワイドエリアネットワーク(WAN)及びインターネットを含む。
【0179】
コンピューティングシステムは、クライアント端末やサーバを含むことができる。クライアント端末やサーバは、一般的に、互いに遠く離れており、通信ネットワークを通じてイントラクションをしている。対応するコンピュータでの実行、および、互いにクライアント端末・サーバという関係を有するコンピュータプログラムにより、クライアント端末とサーバとの関係を築き上げる。
【0180】
本願の実施例は、さらに、マップデータの更新方法を提供し、電子機器によって報告される道路情報を受信し、前記道路情報に基づき、少なくとも1つのシーケンスを確定し、前記少なくとも1つのシーケンスにおいて同一シーケンスに属する道路情報は、種類及び発生位置が同じであり、前記少なくとも1つのシーケンスに基づき、マップデータを更新する。
【0181】
該実施例の具体的な実現原理は、上記の実施例の記述を参照することができ、ここでは繰り返して説明しないようにする。
【0182】
本願の実施例の技術的解決手段により、サーバは、シーケンスに含まれた個々の道路情報をニューラルネットワークモデルに入力し、シーケンスにおいて各道路情報のコンテキストをニューラルネットワーク技術と合わせ、有効な道路情報を認識してマップデータを更新することにより、マップデータを正確的に更新する目的を実現する。
【0183】
上記に示した様々な形のフローを使用し、ステップを改めて並べ替えたり、増加したり、又は削除したりすることができると理解するべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、本願に開示された技術的解決手段による所期結果さえ実現されれば、並行して実行されてもよく、順に沿って実行されてもよく、又は順番を乱して実行されてもよいから、本文では、ここで限定されない。
【0184】
上記の具体的な実施形態は、本願の保護範囲に対する制限を構成しない。当業者であれば、設計要件やその他の要素に基づいた様々な修正、組み合わせ、下位組み合わせや代替が可能であると理解するべきである。本願の精神や原則の範囲内に行われるすべての修正、等価置換や改善は、いずれも本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7