(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】地図データの処理方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20221101BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20221101BHJP
G06F 16/29 20190101ALI20221101BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20221101BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G01C21/26 C
G06F16/29
G06F16/909
(21)【出願番号】P 2021086117
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】202010522396.1
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ウェイ
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-145432(JP,A)
【文献】特開2011-058843(JP,A)
【文献】特開2017-166980(JP,A)
【文献】特開2018-072894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G01C 21/26
G06F 16/29
G06F 16/909
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインディングデータ決定モジュールが、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディン
グPOIデータを決定するステップと、
ターゲットデータスクリーニングモジュールが、ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするステップと、
地図レンダリング表示モジュールが、前記ラベリング対象道路の道路情報及び前記ターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示するステップと、
を含
み、
ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするステップが、
前記ターゲットデータスクリーニングモジュールが、ユーザが位置するシーンに応じて、前記シーンの表示対象データタイプを決定するステップと、
前記ターゲットデータスクリーニングモジュールが、ターゲットPOIデータを決定するように、前記データタイプに基づいて、前記バインディングPOIデータをスクリーニングするステップと、
を含む、地図データの処理方法。
【請求項2】
道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定するステップが、
ラベリング道路決定ユニットが、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定するステップと、
バインディングデータ決定ユニットが、道路とPOIとの関連付けに基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
道路とPOIとの関連付けに基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定するステップが、
前記バインディングデータ決定ユニットが、前記道路とPOIとの間のバインディング関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIのコンテンツ情報を決定するステップ、及び/又は、
前記バインディングデータ決定ユニットが、前記道路とPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIの方位情報を決定するステップ、
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
関係構築モジュールが、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するステップを含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
地図における道路とPOIとの関連付けを構築するステップが、
シーンエリア決定ユニットが、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定するステップと、
道路データ決定ユニットが、前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定するステップと、
関連構築ユニットが、前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するステップと、
を含む請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定するステップが、
前記シーンエリア決定ユニットが、地図エリアを予め設定されたサイズのグリッドネットワークに分割し、地図アプリケーションプログラムの履歴開始時の測位情報を前記グリッドネットワークにマッピングするステップと、
前記シーンエリア決定ユニットが、前記グリッドネットワーク内の各グリッドのマッピング回数に基づいて、前記グリッドネットワーク内のヒットグリッドを決定するステップと、
前記シーンエリア決定ユニットが、前記ヒットグリッドに含まれるヒットPOI、及び前記ヒットPOI周辺の所定範囲内の選択可能な道路を取得するステップと、
前記シーンエリア決定ユニットが、前記ヒットPOI及び前記選択可能な道路に基づいて、前記ヒットグリッドに対応する候補シーンのシーンエリアを決定するステップと、
を含む請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定するステップが、
前記バインディングデータ決定ユニットが、前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリアの検索POIを決定するステップと、
前記バインディングデータ決定ユニットが、前記検索POIのうち、前記シーンエリア内の選択可能な道路との距離が距離閾値未満である検索POIのデータを、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータとするステップと、
を含む請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記検索POIのうち、前記シーンエリア内の選択可能な道路との距離が距離閾値未満である検索POIのデータを、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータとするステップの後、
前記関係構築モジュールが、前記シーンエリアに対応する候補シーンに応じて、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータをスクリーニングするステップを含む請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するステップが、
前記関連構築ユニットが、前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの間のバインディング関係及び/又はトポロジー関係を構築するステップを含む請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディン
グPOIデータを決定するように構成されるバインディングデータ決定モジュールと、
ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするように構成されるターゲットデータスクリーニングモジュールと、
前記ラベリング対象道路の道路情報及び前記ターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示するように構成される地図レンダリング表示モジュールと、
を備え
、
前記ターゲットデータスクリーニングモジュールが、
ユーザが位置するシーンに応じて、前記シーンの表示対象データタイプを決定し、
ターゲットPOIデータを決定するように、前記データタイプに基づいて、前記バインディングPOIデータをスクリーニングするように構成される、地図データの処理装置。
【請求項11】
前記バインディングデータ決定モジュールが、
道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定するように構成されるラベリング道路決定ユニットと、
道路とPOIとの関連付けに基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定するように構成されるバインディングデータ決定ユニットと、
を備える請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記バインディングデータ決定ユニットが、
前記道路とPOIとの間のバインディング関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIのコンテンツ情報を決定するように構成され、及び/又は、
前記道路とPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIの方位情報を決定するように構成される請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
地図における道路とPOIとの関連付けを構築するように構成される関係構築モジュールを備える請求項
11に記載の装置。
【請求項14】
前記関係構築モジュールが、
地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定するように構成されるシーンエリア決定ユニットと、
前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定するように構成される道路データ決定ユニットと、
前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するように構成される関連構築ユニットと、
を備える請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
前記シーンエリア決定ユニットが、
地図エリアを予め設定されたサイズのグリッドネットワークに分割し、地図アプリケーションプログラムの履歴開始時の測位情報を前記グリッドネットワークにマッピングし、
前記グリッドネットワーク内の各グリッドのマッピング回数に基づいて、前記グリッドネットワークのうちのヒットグリッドを決定し、
前記ヒットグリッドに含まれるヒットPOI、及び前記ヒットPOI周辺の所定範囲内の選択可能な道路を取得し、
前記ヒットPOI及び前記選択可能な道路に基づいて、前記ヒットグリッドに対応する候補シーンのシーンエリアを決定するように構成される請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
前記バインディングデータ決定ユニットが、
前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリアの検索POIを決定し、
前記検索POIのうち、前記シーンエリア内の選択可能な道路との距離が距離閾値未満である検索POIのデータを、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータとするように構成される請求項
14に記載の装置。
【請求項17】
前記関係構築モジュールが、
前記シーンエリアに対応する候補シーンに応じて、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータをスクリーニングするように構成されるデータスクリーニングユニットを備える請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
前記関
連構築ユニットが、
前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの間のバインディング関係及び/又はトポロジー関係を構築するように構成される請求項
14に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、
を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から
9のいずれか一項に記載の地図データの処理方法を実行できる電子機器。
【請求項20】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令が、コンピュータに請求項1から
9のいずれか一項に記載の地図データの処理方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータに請求項1から
9のいずれか一項に記載の地図データの処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、データ処理分野に関し、特に、インテリジェント検索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の発展に伴い、電子地図を通して現在位置を見たり、ナビゲーションルートをクエリしたり、道路周辺の関心点POIなどを検索したりすることができるなど、人々は外出する時に電子地図にますます依存するようになっている。しかしながら、現在の電子地図では道路周辺のPOIデータはいずれも静的にラベリングされ、すなわち各道路周辺に表示されたPOIはいずれも固定的であり、ユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0003】
本出願の実施例は、電子地図のデータ表示スキームを最適化することができる地図データの処理方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0004】
第1の態様では、本出願の実施例は、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディング関心点POIデータを決定するステップと、ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするステップと、前記ラベリング対象道路の道路情報及び前記ターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示するステップと、を含む地図データの処理方法を提供する。
【0005】
第2の態様では、本出願の実施例は、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディング関心点POIデータを決定するように構成されるバインディングデータ決定モジュールと、ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするように構成されるターゲットデータスクリーニングモジュールと、前記ラベリング対象道路の道路情報及び前記ターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示するように構成される地図レンダリング表示モジュールと、を備える地図データの処理装置を提供する。
【0006】
第3の態様では、本出願の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが本出願のいずれかの実施例に記載の地図データの処理方法を実行できる電子機器を提供する。
【0007】
第4の態様では、本出願の実施例は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに本出願のいずれかの実施例に記載の地図データの処理方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
第5の態様では、本出願の実施例は、コンピュータに本出願のいずれかの実施例に記載の地図データの処理方法を実行させるコンピュータプログラムを提供する
【0008】
本出願の技術により、従来の電子地図ではユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができないという問題を解決し、電子地図のデータ表示スキームを最適化することができる。
【0009】
なお、この概要部分に記載されている内容は、本出願の実施例の肝心な又は重要な特徴を特定することを意図しておらず、本出願の範囲を限定するものでもない。本出願の他の特徴は、以下の説明を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本出願を限定するものではない。
【
図1】本出願の実施例に係る地図データの処理方法のフローチャートである。
【
図2A】本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。
【
図2B】本出願の実施例に係る道路A周辺のPOIデータの概略図である。
【
図3】本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。
【
図4】本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。
【
図5A】本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。
【
図5B】本出願の実施例に係るグリッドネットワークの局所的効果概略図である。
【
図6】本出願の実施例に係る地図データの処理装置の概略構成図である。
【
図7】本出願の実施例に係る地図データの処理方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を組み合わせて本出願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするためにその中には本出願の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本出願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造の説明を省略する。
【0012】
図1は、本出願の実施例に係る地図データの処理方法のフローチャートである。本出願の実施例は、ユーザがトリガした道路ラベリング命令に基づいて、地図データの処理を行う状況に適用する。当該実施例は、電子機器に配置された地図データの処理装置によって実行されてもよく、当該装置はソフトウェア及び/又はハードウェアを介して実現されることができる。任意選択的に、当該電子機器は地図アプリケーションプログラムのクライアントデバイスであってもよく、また地図アプリケーションプログラムのサーバなどであってもよい。
図1に示すように、当該方法は、S101と、S102と、S103と、を含む。
【0013】
S101において、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディング関心点POIデータを決定する。
【0014】
ここで、本出願の実施例における道路ラベリング命令は、地図における道路の周辺POIラベリングを行うように電子機器に指示するための命令であってもよい。任意選択的に、当該道路ラベリング命令は、ユーザが地図におけるある道路周辺のPOIをチェックしようとする場合、当該道路の道路線又は道路名などをクリックすることによりトリガしたものであってもよく、またユーザが地図アプリケーションプログラムのインターフェース上のPOIラベリングキーをクリックしてトリガしたものであってもよく、さらに地図アプリケーションプログラムの起動を検出した後、システムが自動的にトリガしたものであってもよいなど、本出願の実施例はこれを限定しない。説明すべきものとして、当該道路ラベリング命令は通常地図アプリケーションプログラムのクライアントでトリガし生成されたものであり、本出願の実施例の実行主体が地図アプリケーションプログラムのクライアントデバイスであれば、当該クライアントデバイスはローカルで生成された道路ラベリング命令に直接応答することができ、本出願の実施例の実行本体が地図アプリケーションプログラムのサーバであれば、この時にクライアントデバイスは道路ラベリング命令をトリガし生成した後、サーバに送信し、サーバにより当該道路ラベリング命令に応答する。
【0015】
本出願の実施例において、いわゆるラベリング対象道路とは、道路ラベリング命令に指示される今回周辺POIをラベリングする必要がある道路のことである。任意選択的に、道路ラベリング命令がトリガし生成される場合、ユーザがラベリングしようとする道路を選択すれば、この時にユーザが選択した道路をラベリング対象道路とすることができ、例えば、ユーザが道路Aの道路名をクリックして道路ラベリング命令をトリガし生成すると、ユーザが選択した道路Aをラベリング対象道路とすることができる。道路ラベリング命令をトリガし生成する場合、ユーザがラベリングしようとする道路を選択しなかった時に、ユーザの現在位置に最も近い道路をラベリング対象道路とすることができる。例えば、道路ラベリング命令はアプリケーションプログラムの履歴開始後に自動的にトリガしたものであり、又はユーザが道路を選択しなかった場合、POIラベリングキーを直接クリックしてトリガしたものであれば、ユーザの現在位置に最も近い道路をラベリング対象道路とすることができる。ラベリング対象道路のバインディングPOIデータは、ラベリング対象道路のためにバインディングし、当該ラベリング対象道路周辺にラベリングされ得るPOIデータであってもよい。任意選択的に、バインディングPOIデータは、POIの名称、アイコン、アドレス、プロファイル及びラベリング対象道路からの方位などを含むことができる。
【0016】
任意選択的に、本出願の実施例において、地図アプリケーションプログラムのクライアントデバイス又はサーバが取得した道路ラベリング命令に応答して、まず当該道路ラベリング命令に基づいて今回のラベリング対象道路を決定し、具体的には、ユーザが選択した道路をラベリング対象道路とすることができ、さらにユーザの現在位置に最も近い道路をラベリング対象道路とすることができる。ラベリング対象道路を決定した後、さらに当該ラベリング対象道路に対応するバインディングPOIデータを決定することができる。具体的には、各道路とそれに対応するバインディングPOIとの関連付けを予め設定することができ、この時に当該関連関係においてラベリング対象道路を検索し、かつそれに対応するバインディングPOIデータを取得することができる。さらにPOIデータベースにおいて当該ラベリング対象道路近傍の一定範囲内にある全てのPOIデータを検索して当該ラベリング対象道路に対応するバインディングPOIデータとしてもよい。他の形態を採用してラベリング対象道路のバインディングPOIデータを取得することができ、本出願の実施例はこれを限定しない。
【0017】
S102において、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする。
【0018】
ここで、本出願の実施例において、ユーザが位置するシーンは外出シーンと地域シーンとを含むことができる。前記外出シーンは、通勤外出シーン及び運転外出シーンを含むことができるが、これらに限定されない。地域シーンは、観光地の地域シーン(公園、観光地、歩行者天国、遊園地など)、ビジネスゾーンの地域シーン(ショッピング、金融及びビジネスセンタなど)、交通の地域シーン(地下鉄、バス乗り場、バス停及び空港など)を含むことができるが、これらに限定されない。ターゲットPOIデータは、バインディングPOIデータからスクリーニングされた、今回ラベリング対象道路の周辺にラベリングされるためのPOIデータであってもよい。
【0019】
任意選択的に、本出願の実施例では、ユーザが位置するシーンを決定する形態が多く、これについて限定せず、例えば、複数の候補シーンの判定条件を予め設定し、現在のシーンが候補シーンの判定条件を満たすか否かを判定することにより、ユーザが現在位置するシーンを決定することであってもよい。例えば、候補地域シーンについて、その判定条件は、ユーザの現在位置が当該候補地域シーンに対応するエリアであるか否かを判定することであってもよく、対応するエリアである場合、ユーザが現在位置するシーンが当該候補地域シーンであることを示す。候補外出シーンにおける通勤外出シーンについて、その判定条件は、現在時刻が通勤時のラッシュアワーであるか否かを判定することであってもよく、通勤時のラッシュアワーである場合、ユーザが現在位置するシーンが通勤外出シーンであることを示す。候補外出シーンにおける運転外出シーンについて、その判定条件は、現在運転ナビゲーション機能を開始させているか否かを判定することであってもよく、開始させている場合、ユーザが現在位置するシーンが運転外出シーンであることを示す。任意選択的に、ユーザが位置するシーンを決定する精度を向上させるために、本出願の実施例では、予め、ユーザが地図アプリケーションプログラムを使用する動作データに基づいて、ユーザごとにそのユーザ画像を構築し、当該ユーザ画像、ユーザの現在位置、現在の時刻及び現在の地図アプリケーションプログラムの使用状態などに基づいて、ユーザが現在位置するシーンを正確に予測することであってもよい。例えば、ユーザ画像において、ユーザが一般的に夜8時に退勤すると記述され、現在の時刻が夜8時ごろであれば、この時にユーザが位置するシーンが退勤外出シーンであると決定する。
【0020】
任意選択的に、本出願の実施例では、全てのバインディングPOIをラベリング対象道路の周辺に静的にラベリングするのではなく、ユーザが位置するシーンに応じて、当該シーンでユーザが最も注目しているターゲットPOIを選択してラベリングする。具体的には、本出願の実施例では、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする形態が多く、これについて限定しない。実施可能な形態1において、ターゲットPOIデータを決定するように、ユーザが位置するシーン及び各バインディングPOIのシーンラベルに基づいて、バインディングPOIデータをスクリーニングする。具体的には、各バインディングPOIデータに対応するシーンラベルを予め設定し、この時に各バインディングPOIのシーンラベルをチェックし、シーンラベルがユーザが位置するシーンに合致する各バインディングPOIデータをスクリーニングされたターゲットPOIデータとしてもよい。例えば、ある道路のバインディングPOIデータは、POI1~POI5を含み、そのうち、POI1とPOI3のシーンラベルはビジネスゾーンの地域シーンであり、ユーザが現在位置するシーンもビジネスゾーンの地域シーンであるとすれば、この時にスクリーニングされたターゲットPOIデータは、POI1データ及びPOI3データである。
【0021】
実施可能な形態2において、ターゲットPOIデータを決定するように、ユーザが位置するシーンに応じて、前記シーンの表示対象データタイプを決定し、当該データタイプに基づいて、バインディングPOIデータをスクリーニングする。具体的には、複数の候補シーンを予め設定し、かつ各候補シーンに対応する表示対象データタイプ(すなわち表示対象ターゲットPOIデータのデータタイプ)を設定し、この時にユーザが位置するシーンに対応する表示対象データタイプを検索し、つづいて当該データタイプに属するバインディングPOIデータをターゲットPOIデータとしてもよい。任意選択的に、当該実施可能な形態において、予め設定された複数の候補シーンは、観光地の地域シーン、ビジネスゾーンの地域シーン、交通の地域シーン、通勤外出シーン及び運転外出シーンなどを含むことができるが、これらに限定されない。そのうち、観光地の地域シーンに対応する表示対象データタイプはリッチコンテンツデータタイプであり、それに対応して、ユーザが位置するシーンが観光地の地域シーンである場合、バインディングPOIデータからリッチコンテンツデータタイプのターゲットPOIデータをスクリーニングし、すなわちバインディングPOIデータから観光地の象徴的なPOIのプロファイルテキスト、画像及びビデオなどをスクリーニングしてターゲットPOIデータとする。ビジネスゾーンの地域シーンに対応する表示対象データタイプはランドマーク要素タイプであり、それに対応して、ユーザが位置するシーンがビジネスゾーンの地域シーンである場合、バインディングPOIデータからランドマーク要素タイプのターゲットPOIデータをスクリーニングし、すなわちバインディングPOIデータからビジネスゾーンのショッピングモール、ビル、シンボルビルなどの見やすいサイネージをスクリーニングしてターゲットPOIデータとする。交通の地域シーンに対応する表示対象データタイプは地理的要素タイプであり、それに対応して、ユーザが位置するシーンが交通の地域シーンである場合、バインディングPOIデータから地理的要素タイプのターゲットPOIデータをスクリーニングし、すなわちバインディングPOIデータから信号機、道路標識、地下鉄の出入口、バス停などをスクリーニングしてターゲットPOIデータとする。通勤外出シーン及び運転外出シーンに対応する表示対象データタイプは交通標識タイプであり、それに対応して、ユーザが位置するシーンが通勤外出シーン又は運転外出シーンである場合、バインディングPOIデータから交通標識タイプのターゲットPOIデータをスクリーニングし、すなわちバインディングPOIデータから信号機、カメラ、速度制限サイネージなどをスクリーニングしてターゲットPOIデータとする。本出願の実施例は、ユーザが位置するシーンの表示対象データタイプに基づいて、ターゲットPOIをスクリーニングし、スクリーニングされたターゲットPOIは、ユーザが現在のシーンでパーソナライズされたPOIを見るニーズをよりよく満たすことができ、地図アプリケーションプログラムのPOIラベリング機能がよりインテリジェントになる。
【0022】
S103において、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示する。
【0023】
ここで、ラベリング対象道路の道路情報は、道路名、道路線、車線、道路状況情報などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0024】
任意選択的に、本出願の実施例において、ラベリング対象道路にターゲットPOIデータをラベリングする時に、地図インターフェースのレンダリングテンプレートを呼び出し、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行ってもよく、すなわち当該レンダリング処理プロセスはターゲットPOIをラベリングするプロセスである。レンダリング処理を完了した後、レンダリングされた地図インターフェースをユーザに表示することができ、この時にユーザが見る地図インターフェースにおいて、ラベリング対象道路の周辺にターゲットPOIデータがすでにラベリングされている。具体的には、本出願の実施例の実行本体は、地図アプリケーションプログラムのクライアントデバイスであれば、この時にクライアントデバイスはラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行った後、クライアントデバイスのスクリーンを介してユーザにレンダリングされた地図インターフェースを表示することができ、本出願の実施例の実行本体は、地図アプリケーションプログラムのサーバであれば、この時にサーバはレンダリングされた地図インターフェースを取得した後、当該レンダリングされた地図インターフェースをクライアントデバイスにフィードバックすることができ、それによりクライアントデバイスはユーザにレンダリングされた地図インターフェースを表示する。任意選択的に、さらに、サーバはラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータをパッケージし、かつパッケージされたデータをクライアントデバイスにフィードバックしてもよく、それによりクライアントデバイスはパッケージデータのうちの道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて地図インターフェースをレンダリングし、かつユーザにレンダリングされた地図インターフェースを表示する。これについて、本出願の実施例は限定しない。
【0025】
本出願の実施例に係る技術的解決手段は、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定し、さらに、ユーザが現在位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータから今回ラベリングする必要のあるターゲットPOIデータをスクリーニングし、それからラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースをレンダリングしてからユーザに表示する。本出願の実施例に係る技術的解決手段は、固定されたPOIデータを道路に静的にラベリングするのではなく、ユーザが位置するシーンに応じて、道路に当該シーンに対応するPOIデータをラベリングし、異なるシーンにおけるユーザのニーズに応じて、ユーザのニーズに合致するPOIデータをラベリングすることができる。従来の電子地図のインテリジェント検索サービスが、ユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができないという問題を解決し、地図道路のPOIデータをラベリングする柔軟性及びインテリジェント性を向上させ、電子地図のデータ表示スキームを最適化することができる。
【0026】
図2Aは、本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。
図2Bは、本出願の実施例に係る道路A周辺のPOIデータの概略図である。本実施例は、上記実施例に基づいて、さらに最適化を行い、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定する詳細な説明を示す。
図2A~2Bに示すように、当該方法は、具体的には、ステップS201~S204を含む。
【0027】
S201において、道路ラベリング命令に応答し、ラベリング対象道路を決定する。
【0028】
任意選択的に、本出願の実施例において、道路ラベリング命令のトリガ形態が異なり、当該道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定する形態も異なる。具体的には、以下のとおりである。
【0029】
本出願の実施例において、道路ラベリング命令をトリガし生成する場合、ユーザがラベリングしようとする道路を選択し、その状況に対し、ユーザが選択した道路を直接ラベリング対象道路とすることができる。例示的に、
図2Bに示すように、ユーザが道路A周辺のPOIをチェックしようとする場合、道路Aの道路線又は道路名をクリックすることによって道路ラベリング命令をトリガし生成し、この時にユーザがクリックした道路Aをラベリング対象道路とすることができる。
【0030】
本出願の実施例において、道路ラベリング命令をトリガし生成する場合、ユーザがラベリングしようとする道路を選択せず、その状況に対し、ユーザの現在位置に最も近い道路をラベリング対象道路とすることができる。例えば、道路ラベリング命令は、ユーザが地図アプリケーションプログラムのインターフェース上のPOIラベリングキーをクリックしてトリガされ、又は電子機器が地図アプリケーションプログラムの起動を検出した後に自動的にトリガされる場合、ユーザがラベリングしようとする道路を選択しなかったため、
図2Bにおいてユーザの測位点に最も近い道路Aをラベリング対象道路とすることができる。
【0031】
S202において、道路とPOIとの関連付けに基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0032】
ここで、いわゆる道路とPOIとの関連付けは、予め設定された規則に従って地図における各道路とそのバインディングPOIデータとのために構築された対応関係であってもよい。当該関連関係の具体的な構築方式は後の実施例で詳細に説明する。任意選択的に、道路とPOIとの関連付けはバインディング関係及び/又はトポロジー関係を含むことができ、そのうち、バインディング関係は道路とそのバインディングPOIのコンテンツ情報との関連付けを記録する関係であってもよい。当該POIのコンテンツ情報は、POIの名称、アイコン、説明情報などを含むことができるが、これらに限定されない。例示的に、
図2Bに示すように、道路AとそのバインディングPOIとの間のバインディング関係は、道路A→(バス停A:コンテンツ情報、Aホテル:コンテンツ情報、地下鉄のA口:コンテンツ情報)であってもよく、トポロジー関係は、道路とそのバインディングPOIの方位情報との関連付けを記録する関係であってもよい。当該POIの方位情報は、道路に対する当該POIの方位、距離などの情報を含むことができるが、これらに限定されない。例示的に、
図2Bに示すように、道路AとそのバインディングPOIとの間のトポロジー関係は、道路A→(バス停A:北、500m未満、Aホテル:南、500m未満、地下鉄のA口:東北、1.2km)であってもよい。
【0033】
任意選択的に、本出願の実施例は、ラベリング対象道路を決定した後、道路とPOIとの関連付けにおいて、当該ラベリング対象道路を検索し、続いて関連関係におけるラベリング対象道路の対応するバインディングPOIデータを当該ラベリング対象道路のバインディングPOIデータとしてもよい。具体的には、道路とPOIとの関連付けにバインディング関係が含まれる場合、本ステップは道路とPOIとの間のバインディング関係に基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIのコンテンツ情報を決定してラベリング対象道路のバインディングPOIデータとするステップであってもよい。例示的に、
図2Bに示すように、ラベリング対象道路が道路Aである場合、道路AとそのバインディングPOIとの間のバインディング関係に基づいて、バス停Aのコンテンツ情報、Aホテルのコンテンツ情報、及び地下鉄のA口のコンテンツ情報を道路AのバインディングPOIのコンテンツ情報、すなわち道路AのバインディングPOIデータとすることができる。道路とPOIとの関連付けにトポロジー関係が含まれる場合、本ステップは道路とPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIの方位情報を決定してラベリング対象道路のバインディングPOIデータとするステップであってもよい。例示的に、
図2Bに示すように、ラベリング対象道路が道路Aである場合、道路AとそのバインディングPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、バス停A-北-500m未満、Aホテル-南-500m未満、及び地下鉄のA口-東北-1.2kmをバス停AのバインディングPOIの方位情報、すなわちバス停AのバインディングPOIデータとすることができる。道路とPOIとの関連付けにバインディング関係及びトポロジー関係が含まれる場合、本ステップは、道路とPOIとの間のバインディング関係に基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIのコンテンツ情報を決定するステップ、及び道路とPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIの方位情報を決定するステップであってもよい。かつバインディングPOIのコンテンツ情報及び方位情報を合わせてラベリング対象道路のバインディングPOIデータとする。本出願の実施例において、道路とPOIとの関連付けは、バインディング関係及び/又はトポロジー関係を含み、バインディングPOIデータのコンテンツ情報を取得するだけでなく、さらにその方位情報を取得することができ、実際のニーズに応じて選択することができ、決定されたバインディングPOIデータの精度を向上させる。
【0034】
S203において、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする。
【0035】
S204において、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示する。
【0036】
本出願の実施例に係る技術的解決手段は、道路ラベリング命令に応答して、今回のラベリング対象道路を決定し、道路とPOIとの関連付けに基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを直接取得することにより、バインディングPOIデータを決定する効率及び精度を大いに向上させることができる。また、本出願の実施例は、ユーザが現在位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングし、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースをレンダリングしてユーザに表示する。固定されたPOIデータを道路に静的にラベリングするのではなく、ユーザが位置するシーンに応じて、ユーザのニーズに合致するPOIデータをラベリングする。ユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができ、地図における道路POIデータのラベリング過程をよりインテリジェントにすることができる。
【0037】
図3は、本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートである。本実施例は、上記実施例に基づいて、さらに最適化を行い、地図における道路とPOIとの関連付けを構築する詳細な説明を示す。
図3に示すように、当該方法は、ステップS301~S305を含む。
【0038】
S301において、地図における道路とPOIとの関連付けを構築する。
【0039】
任意選択的に、本出願の実施例において、地図における道路とPOIとの関連付けを構築する形態が多く、これを限定しない。例えば、第1実施可能な形態は、地図における各道路に対して、POIデータベースにおいて当該道路の近傍の所定範囲内に位置する全てのPOIに係るデータを検索して当該道路のバインディングPOIデータとし、かつ当該道路とそのバインディングPOIデータとの間に関連関係を構築することであってもよい。任意選択的に、ユーザは特殊なシーン(例えば観光地の地域シーン、ビジネスゾーンの地域シーン、交通の地域シーン又は外出シーンなど)で、道路に対するラベリングニーズが比較的高い。示された本出願の実施例における道路とPOIとの関連付けを構築する第2実施可能な形態は、上記特殊なシーンに対し、大量のユーザの地図アプリケーションプログラムに対する履歴使用データに基づいて、ユーザの実際のニーズに応じて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築することであってもよい。具体的には、当該実施可能な形態の具体的な実施形態は、後の実施例で詳細に説明する。
【0040】
S302において、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定する。
【0041】
S303において、道路とPOIとの関連付けに基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0042】
S304において、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする。
【0043】
S305において、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示する。
【0044】
本出願の実施例は、上記各実施例を実行する前に、地図における道路とPOIとの関連付けを如何に構築し、さらに構築された道路とPOIとの関連付けに基づいて、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディング関心点POIデータを迅速かつ正確に決定することを示す。引き続きユーザが位置するシーンに応じて、地図においてユーザの現在のニーズに合致する道路周辺POIをラベリングするために保障を提供する。
【0045】
図4は、本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートであり、本実施例は上記実施例に基づいて、さらに最適化を行い、上記実施例に言及された道路とPOIとの関連付けを構築する第2実施可能な形態を具体的に説明する。
図4に示すように、当該方法は、具体的には、ステップS401~S407を含む。
【0046】
S401において、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定する。
【0047】
任意選択的に、本出願の実施例における地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報は、地図アプリケーションプログラムが毎回起動された時に、取得した測位情報であってもよい。
【0048】
具体的には、本実施例は、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンエリアを決定する形態は、地図アプリケーションプログラムの大量の履歴測位情報を介して、ビッグデータマイニングを行い、測位情報の出現頻度が相対的に高い1つ又は複数のエリアを決定し、候補シーンのシーンエリアとすることであってもよい。例えば、地図アプリケーションプログラムの大量の履歴測位情報に対して、クラスタリング処理を行い、一種類にクラスタリングされた測位情報に囲まれたエリアを1つの候補シーンのシーンエリアとしてもよい。また、地図アプリケーションプログラムの大量の履歴測位情報を投影処理し、投影点が密集しているエリアを候補シーンのシーンエリアとしてもよい。任意選択的に、上記測位情報の出現頻度が高いエリアを決定した後、エリア内のヒットPOI及びヒットPOI周辺の道路に基づいて、候補シーンのシーンエリアなどをさらに決定することができる。これについて、本出願の実施例は限定しない。
【0049】
S402において、シーンエリアにおける地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0050】
ここで、本出願の実施例において、シーンエリアにおける地図アプリケーションプログラムの履歴動作データは、ユーザが地図アプリケーションプログラムを介して、S401で決定されたシーンエリア内で、POIを検索し、クリックし、チェックした動作データであってもよい。シーンエリア内の選択可能な道路は、S401で決定されたシーンエリアに含まれる各道路であってもよい。
【0051】
任意選択的に、本ステップの一実施可能な形態は、シーンエリアにおける地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、ユーザが当該シーンエリア内に、検索、クリック又はチェックしたPOI(すなわち検索POI)を決定し、続いてこれらの検索POIの関連データを、当該シーンエリア内の各選択可能な道路のバインディングPOIデータとすることである。他の実施可能な形態は、シーンエリアにおける地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、シーンエリアの検索POIを決定し、検索POIのうち、シーンエリア内の選択可能な道路との距離が距離閾値未満である検索POIのデータを選択可能な道路のバインディングPOIデータとすることであってもよい。具体的には、第1実施可能な形態と同様の方法で当該シーンエリアにおけるユーザの検索POIを決定し、続いて各検索POIとシーンエリア内の各選択可能な道路との間の距離を分析し、選択可能な道路との間の距離が予め設定された距離(例えば500メートル)未満である検索POIの関連データを当該選択可能な道路のバインディングPOIデータとする。このような設定の利点は、シーンエリア内の各選択可能な道路のバインディングPOIデータをより正確に区別することができることである。
【0052】
任意選択的に、本出願の実施例は、上記2つの実施可能な形態に基づいて選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定した後、さらに、前記シーンエリアに対応する候補シーンに応じて、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータをスクリーニングすることを含む。具体的には、異なる候補シーンにおけるユーザの具体的なニーズに応じて、データの反復、評価などの形態によりスクリーニング規則を設定し、決定されたバインディングPOIデータに対してさらにスクリーニングを行い、そのうちの不合理的なデータを取り除き、最終的な各選択可能な道路のバインディングPOIデータを取得することができる。例えば、候補シーンが観光地の地域シーンである場合、ユーザのニーズは観光地において特徴があるPOIを知ることであるため、この時に当該シーンに対応するスクリーニング規則は信号機、カメラ及び速度制限標識などの現在のシーンにおいて重要ではないPOIデータを取り除くことであってもよい。本出願の実施例において、このような設定の利点は、異なるシーンにおけるユーザの実際のニーズに応じて、異なるシーンにおける選択可能な道路のバインディングPOIデータのスクリーニングを行い、各道路にバインディングされたPOIデータはより正確になり、ユーザのニーズにより合致する。
【0053】
S403において、選択可能な道路及び選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築する。
【0054】
任意選択的に、本出願の実施例は、各シーンエリアの選択可能な道路、及び各選択可能な道路のバインディングPOIデータを既知した後、各選択可能な道路及びそのバインディングPOIデータに関連関係(例えばマッピング関係)を構築することができ、それにより道路とPOIとの関連付けの構築を完了する。
【0055】
任意選択的に、本ステップは、選択可能な道路及び選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの間のバインディング関係及び/又はトポロジー関係を構築することができる。具体的には、選択可能な道路及び選択可能な道路のバインディングPOIデータのコンテンツ情報に基づいて、道路とPOIとの間のバインディング関係を構築することができ、例示的に、
図2Bに示すように、構築された道路AとそのバインディングPOIとの間のバインディング関係は、道路A→(バス停A:コンテンツ情報、Aホテル:コンテンツ情報、地下鉄のA口:コンテンツ情報)であってもよい。選択可能な道路及び選択可能な道路のバインディングPOIデータの方位情報に基づいて、道路とPOIとの間のトポロジー関係を構築することができ、例示的に、
図2Bに示すように、道路AとそのバインディングPOIとの間のトポロジー関係は、道路A→(バス停A:北、500m未満、Aホテル:南、500m未満、地下鉄のA口:東北1.2km)であってもよい。本出願の実施例で構築された道路とPOIとの関連付けは、バインディング関係及び/又はトポロジー関係を含み、当該関連関係によって道路のバインディングPOIデータのコンテンツ情報を取得することができるだけでなく、さらにその方位情報を取得することができ、バインディングPOIデータの決定に多次元の正確なデータを提供することができる。
【0056】
S404において、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定する。
【0057】
S405において、道路とPOIとの関連付けに基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0058】
S406において、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする。
【0059】
S407において、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示する。
【0060】
本出願の実施例に係る技術的解決手段は、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定し、シーンエリアにおける、ユーザが使用した地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、各シーンエリアにおける選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定し、さらに各選択可能な道路とPOIとの関連付けを構築する。本出願の実施例は、大量のユーザの地図アプリケーションプログラムの履歴使用データに基づいて、特殊な候補シーンにおけるユーザの実際の検索ニーズに応じて、道路とPOIとの関連付けを構築し、構築された道路とPOIとの関連付けの精度を向上させることができる。本実施例で構築された道路とPOIとの関連付けに基づいて決定されたラベリング対象道路のバインディングPOIデータも、ユーザの実際の検索ニーズにより合致し、この後、ユーザが位置するシーンに応じて、地図においてユーザの現在のニーズに合致する道路周辺POIをラベリングするための保障を提供する。
【0061】
任意選択的に、本出願の実施例において、ラベリング対象道路がS401で決定された候補シーンのシーンエリアにおける道路に属すれば、この時に使用される道路とPOIとの関連付けは、上記実施例におけるS401~S403で説明された第2実施可能な形態に基づいて構築された関係であってもよい。ラベリング対象道路がS401で決定された候補シーンのシーンエリアにおける道路に属しなければ、この時に使用される道路とPOIとの関連付けは、上記実施例におけるS301で説明された第1実施可能な形態によって構築された関係であってもよい。
【0062】
図5Aは、本出願の実施例に係る別の地図データの処理方法のフローチャートであり、
図5Bは、本出願の実施例に係るグリッドネットワークの局所的効果概略図である。本実施例は、上記実施例に基づいて、さらに最適化を行い、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定する具体的な状況説明を示す。
図5A~5Bに示すように、当該方法は、具体的には、ステップS501~S510を含む。
【0063】
S501において、地図エリアを予め設定されたサイズのグリッドネットワークに分割し、地図アプリケーションプログラムの履歴開始時の測位情報をグリッドネットワークにマッピングする。
【0064】
任意選択的に、本出願の実施例は、予め設定された仕様(例えば1km*1kmの仕様)に従い、地図データを複数の予め設定されたサイズ(例えば1km*1km)のグリッドネットワークに分割してもよい。例示的に、
図5Bは、グリッドネットワークにおける局所的なグリッドエリアの効果概略図を示す。さらに大量のユーザが地図アプリケーションプログラムを起動した時の測位情報を取得する。例えば、大量のユーザが予め設定された時間帯(例えば、100日)の間に地図アプリケーションプログラムを毎回起動する際の測位情報を取得することであってもよい。続いて取得された大量の測位情報をグリッドネットワークに対応するグリッドエリアにマッピングし、具体的には、各測位情報に対し、グリッドネットワーク内の各グリッドのサイズに従い、当該測位情報のx座標値とy座標値を測り、当該測位情報に対応するグリッドを判定し、かつそれを対応するグリッドにマッピングする。例えば、グリッドのサイズが1km*1kmであり、ある測位情報が(3020,2015)であるとすれば、この時、当該測位情報におけるx座標値3020とy座標値2015をいずれも1000で割ってその整数を取り、(3,2)を得て、続いて当該測位情報(3020,2015)をグリッドネットワークにおける3行目2つ目のグリッド内にマッピングしてもよい。
【0065】
S502において、グリッドネットワーク内の各グリッドのマッピング回数に基づいて、グリッドネットワークのうちのヒットグリッドを決定する。
【0066】
任意選択的に、本出願の実施例は、全ての測位情報をグリッドネットワークにマッピングした後、グリッドネットワーク内の各グリッドのマッピング回数、すなわち各グリッドにマッピングされた測位情報の個数を統計する。1つのグリッドにとって、そのマッピング回数が多いほど、ユーザが地図アプリケーションプログラムを起動する時に、当該グリッドが位置するシーンに存在する頻度が高く、すなわち当該グリッドの人気度が高いことを示す。したがって、本ステップは、マッピング回数に応じて、マッピング回数のランキングが上にある予め設定された数のグリッドを選択してヒットグリッドとすることであってもよく、さらに1つのマッピング回数の閾値を予め設定し、マッピング回数が当該マッピング回数の閾値より大きいグリッドをヒットグリッドとすることであってもよい。
【0067】
S503において、ヒットグリッドに含まれるヒットPOI、及びヒットPOI周辺の所定範囲内の選択可能な道路を取得する。
【0068】
任意選択的に、本出願の実施例は、ヒットグリッドを決定した後、各ヒットグリッドに対し、その中に含まれるPOIを取得して当該グリッドのヒットPOIとし、続いてヒットPOI周辺の所定範囲(例えば2km)内の道路を抽出して当該ヒットグリッドにおける選択可能な道路としてもよい。例示的に、
図5Bに示すように、グリッド(3,2)がヒットグリッドであるとすれば、この時に、当該グリッドにおける空港の地下鉄のA口、空港、空港のバス停、空港の地下鉄のB口、Aホテル、会社A及び会社Bを取得して当該グリッド(3,2)のヒットPOIとする。各ヒットPOI周辺の2km内の道路S1~S7を抽出して当該グリッド(3,2)内の選択可能な道路とする。
【0069】
S504において、ヒットPOI及び選択可能な道路に基づいて、ヒットグリッドに対応する候補シーンのシーンエリアを決定する。
【0070】
任意選択的に、本ステップでは、ヒットPOIを分析し、ヒットグリッドに対応する候補シーンを決定するステップであってもよく、具体的には、ヒットPOIを分析し、ヒットグリッドが予め設定されたある候補シーンに属するか否かを判定するステップであってもよい。例示的に、
図5Bのグリッド(3,2)におけるヒットPOIは、空港に関連するものが多いため、当該ヒットグリッドは空港の地域シーンに対応することを確認することができる。本ステップは、ヒットグリッドにおける選択可能な道路を分析し、当該候補シーンのシーンエリアを決定するステップであってもよい。具体的には、各選択可能な道路に囲まれた最大エリアを当該候補シーンのシーンエリアとするステップであってもよい。例示的に、
図5Bにおけるグリッド(3,2)の選択可能な道路S1~S7で囲まれた最大エリア(すなわちS1~S4で囲まれたエリア)を、空港の地域シーンのシーンエリアとする。
【0071】
S505において、シーンエリアにおける地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0072】
S506において、選択可能な道路及び選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築する。
【0073】
S507において、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定する。
【0074】
S508において、道路とPOIとの関連付けに基づいて、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定する。
【0075】
S509において、ユーザが位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングする。
【0076】
S510において、ラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示する。
【0077】
本出願の実施例に係る技術的解決手段は、候補シーンのシーンエリアを決定する時、地図エリアをグリッドネットワークに予め分割し、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報をグリッドネットワークにマッピングし、各グリッドのマッピング回数に基づいて、ヒットネットワークを選択し、さらに各ヒットネットワークにおけるヒットPOI及びその周辺の選択可能な道路に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定する。単にヒットネットワークを1つの候補シーンのシーンエリアとするわけではない。本出願の実施例の解決手段によって決定された候補シーンのシーンエリアはより正確である。道路とPOIとの関連付け候補的に構築しユーザが位置するシーンに応じて、ユーザの現在のニーズに合致する道路周辺POIを地図にラベリングするための保障を提供した。
【0078】
図6は、本出願の実施例に係る地図データの処理装置の概略構成図である。本出願の実施例は、ユーザがトリガした道路ラベリング命令に基づいて、地図データ処理を行う場合に適用される。当該装置は、本出願のいずれかの実施例に記載の地図データの処理方法を実現することができる。当該装置は、電子機器に集積することができ、当該電子機器は、地図アプリケーションプログラムのクライアントデバイスであってもよいし、地図アプリケーションプログラムのサーバなどであってもよい。
【0079】
当該装置600は、具体的には、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディング関心点POIデータを決定するように構成されるバインディングデータ決定モジュール601と、ユーザが位置するシーンに応じて、前記バインディングPOIデータからターゲットPOIデータをスクリーニングするように構成されるターゲットデータスクリーニングモジュール602と、前記ラベリング対象道路の道路情報及び前記ターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースのレンダリング処理を行い、レンダリングされた地図インターフェースを表示するように構成される地図レンダリング表示モジュール603と、を備える。
【0080】
本出願の実施例に係る技術的解決手段は、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定し、さらに、ユーザが現在位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータから今回ラベリングする必要のあるターゲットPOIデータをスクリーニングし、それからラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースをレンダリングしてユーザに表示する。本出願の実施例に係る技術的解決手段は、固定されたPOIデータを道路に静的にラベリングするのではなく、ユーザが位置するシーンに応じて、道路に当該シーンに対応するPOIデータをラベリングし、異なるシーンにおけるユーザのニーズに応じて、ユーザのニーズに合致するPOIデータをラベリングすることができる。従来の電子地図のインテリジェント検索サービスが、ユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができないという問題を解決し、地図道路のPOIデータをラベリングする柔軟性及びインテリジェント性を向上させ、電子地図のデータ表示スキームを最適化することができる。
【0081】
さらに、前記バインディングデータ決定モジュール601は、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路を決定するように構成されるラベリング道路決定ユニットと、道路とPOIとの関連付けに基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定するように構成されるバインディングデータ決定ユニットと、を備える。
【0082】
さらに、前記バインディングデータ決定ユニットは、具体的には、前記道路とPOIとの間のバインディング関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIのコンテンツ情報を決定するように構成され、及び/又は、前記道路とPOIとの間のトポロジー関係に基づいて、前記ラベリング対象道路のバインディングPOIの方位情報を決定するように構成される。
【0083】
さらに、前記ターゲットデータスクリーニングモジュール602は、具体的には、ユーザが位置するシーンに応じて、前記シーンの表示対象データタイプを決定し、ターゲットPOIデータを決定するために、前記データタイプに基づいて、前記バインディングPOIデータをスクリーニングするように構成される。
【0084】
さらに、前記装置は、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するように構成される関係構築モジュール、をさらに備える。
【0085】
さらに、前記関係構築モジュールは、地図アプリケーションプログラムの履歴測位情報に基づいて、候補シーンのシーンエリアを決定するように構成されるシーンエリア決定ユニットと、前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリア内の選択可能な道路のバインディングPOIデータを決定するように構成される道路データ決定ユニットと、前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの関連付けを構築するように構成される関係構築ユニットと、を備える。
【0086】
さらに、前記シーンエリア決定ユニットは、具体的には、地図エリアを予め設定されたサイズのグリッドネットワークに分割し、地図アプリケーションプログラムの履歴開始時の測位情報を前記グリッドネットワークにマッピングし、前記グリッドネットワーク内の各グリッドのマッピング回数に基づいて、前記グリッドネットワークのうちのヒットグリッドを決定し、前記ヒットグリッドに含まれるヒットPOI、及び前記ヒットPOI周辺の所定範囲内の選択可能な道路を取得し、前記ヒットPOI及び前記選択可能な道路に基づいて、前記ヒットグリッドに対応する候補シーンのシーンエリアを決定するように構成される。
【0087】
さらに、前記バインディングデータ決定ユニットは、具体的には、前記シーンエリアにおける前記地図アプリケーションプログラムの履歴動作データに基づいて、前記シーンエリアの検索POIを決定し、前記検索POIのうち、前記シーンエリア内の選択可能な道路との距離が距離閾値未満である検索POIのデータを、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータとするように構成される。
【0088】
さらに、前記関係構築モジュールは、前記シーンエリアに対応する候補シーンに応じて、前記選択可能な道路のバインディングPOIデータをスクリーニングするように構成されるデータスクリーニングユニット、をさらに備える。
【0089】
さらに、前記関係構築ユニットは、具体的には、前記選択可能な道路及び前記選択可能な道路のバインディングPOIデータに基づいて、地図における道路とPOIとの間のバインディング関係及び/又はトポロジー関係を構築するように構成される。
【0090】
本出願の実施例によれば、本出願は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0091】
図7に示すように、本出願の実施例に係る地図データの処理方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッサ、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本出願の実現を制限することを意図したものではない。
【0092】
図7に示すように、当該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ701と、メモリ702と、高速インターフェース及び低速インターフェースを備える各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を備える。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、電子機器内で実行されるコマンドを処理することができ、当該コマンドは、外部入力/出力装置(例えば、インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリ内又はメモリに記憶されているコマンドを含む。他の実施方式では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと一緒に使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、一部の必要な動作(例えば、サーバアレイ、1グループのブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。
図7では、1つのプロセッサ701を例とする。
【0093】
メモリ702は、本出願により提供される非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが本出願により提供される地図データの処理方法を実行するようにする。本出願の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータに本出願に係る地図データの処理方法を実行させるためのコンピュータ命令が記憶されている。
【0094】
メモリ702は、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本出願の実施例における地図データの処理方法に対応するプログラムコマンド/モジュール(例えば、
図6に示すバインディングデータ決定モジュール601、ターゲットデータスクリーニングモジュール602及び地図レンダリング表示モジュール603)のような、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶する。プロセッサ701は、メモリ702に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、コマンド及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記の方法の実施例における地図データの処理方法を実現する。
【0095】
メモリ702は、ストレージプログラムエリアとストレージデータエリアとを備えることができ、その中で、ストレージプログラムエリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、ストレージデータエリアは、地図データの処理方法の電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ702は、高速ランダムアクセスメモリを備えることができ、非一時的メモリをさらに備えることができ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的ソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ702は、プロセッサ701に対して遠隔に設定されたメモリを選択的に備えることができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して地図データの処理方法の電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0096】
地図データの処理方法の電子機器は、入力装置703と出力装置704とをさらに備えることができる。プロセッサ701、メモリ702、入力装置703、及び出力装置704は、バス又は他の方式を介して接続することができ、
図7では、バスを介して接続することを例とする。
【0097】
入力装置703は、入力された数字又は文字情報を受信し、地図データの処理方法の電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置704は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(例えば、LED)、触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを備えることができる。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを備えることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態で、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0098】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施され、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを備えるプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及びコマンドを受信し、データ及びコマンドを当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0099】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械コマンドを含むことができ、高レベルのプロセス及び/又は対象指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書に使用されるような、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」の用語は、機械コマンド及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械コマンドを受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」の用語は、機械コマンド及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0100】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で、ここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形態(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0101】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションする)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを備えるコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットとを含む。
【0102】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを備えることができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。
【0103】
本出願の実施例の技術的解決手段によれば、道路ラベリング命令に応答して、ラベリング対象道路のバインディングPOIデータを決定し、さらに、ユーザが現在位置するシーンに応じて、バインディングPOIデータから今回ラベリングする必要のあるターゲットPOIデータをスクリーニングし、それからラベリング対象道路の道路情報及びターゲットPOIデータに基づいて、地図インターフェースをレンダリングしてユーザに表示する。本出願の実施例に係る技術的解決手段は、固定されたPOIデータを道路に静的にラベリングするのではなく、ユーザが位置するシーンに応じて、道路に当該シーンに対応するPOIデータをラベリングし、異なるシーンにおけるユーザのニーズに応じて、ユーザのニーズに合致するPOIデータをラベリングすることができる。従来の電子地図のインテリジェント検索サービスがユーザが異なるシーンでパーソナライズされた地図データを見るニーズを満たすことができないという問題を解決し、地図道路のPOIデータをラベリングする柔軟性及びインテリジェント性を向上させ、電子地図のデータ表示スキームを最適化することができる。
【0104】
上記に示される様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができる。例えば、本出願に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本出願で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定しない。
【0105】
上記の具体的な実施方式は、本出願の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。本出願の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。