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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】モジュール型限流抵抗器
(51)【国際特許分類】
   H01C 13/02 20060101AFI20221101BHJP
   H01C 3/10 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H01C13/02 B
H01C3/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021507741
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2019010292
(87)【国際公開番号】W WO2020036409
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0096083
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン-ジ
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-156701(JP,A)
【文献】特表2014-504001(JP,A)
【文献】実公昭32-012759(JP,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第02284860(EP,A2)
【文献】特開平06-112005(JP,A)
【文献】実開昭57-140703(JP,U)
【文献】米国特許第01418834(US,A)
【文献】実開平05-076005(JP,U)
【文献】実公昭32-000554(JP,Y1)
【文献】実公昭31-014641(JP,Y1)
【文献】実開昭59-061502(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0141576(KR,A)
【文献】特開昭54-069755(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0123072(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 13/02
H01C 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の結合片と、前記結合片に一体に形成されるものの、前記結合片の間に配置される通電線路を備えて、複数個が積層される抵抗体;
前記積層された抵抗体を積層方向の両側でそれぞれ支持する一対のサポートフレーム;
前記サポートフレームのうち一つを貫通し、前記結合片を貫通した後、前記サポートフレームのうち、他の一つを貫通して挿入されて、前記抵抗体を固定する複数の結合部材;
複数の前記抵抗体の間に配置されるものの、前記結合部材に貫通して挿入され、前記各抵抗体の前記通電線路を電気的に連結する複数の導体リング;
及び、
複数の前記抵抗体の間に配置されるものの、前記結合部材に貫通して挿入され、前記各抵抗体の間を絶縁する複数の絶縁リング;とを備える単位モジュールを含み、
前記単位モジュールは、少なくとも一つが備えられ、
前記絶縁リングは、前記各抵抗体の間に挿入されるものの、互いに対角線をなす、他の一対の前記結合部材と、互いに対角線をなす、ある一対の前記結合部材のうち、前記導体リングが挿入されていない前記抵抗体の間にそれぞれ挿入され、
一対の前記サポートフレームを横切って配置され、一面に複数の前記抵抗体の間にそれぞれ挿入される複数のリブが突出形成された複数のスペーサをさらに含むことを特徴とする、
モジュール型限流抵抗器。
【請求項2】
前記通電線路は、
一対の前記結合片の間でジグザグ状を有するように配置される、
請求項1に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項3】
一対の前記結合片は、
一端部が互いに反対方向に配置され、前記結合部材が貫通して挿入される一対の結合孔が、板面に貫通して形成され、前記結合孔は、相互離隔して配置される、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項4】
前記導体リングは、
前記各抵抗体の間に挿入されて、互いに対角線をなす、ある一対の前記結合部材に配置される、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項5】
前記結合部材は、第1~第4の結合部材を含み、
前記第1の結合部材においては、n番目及びn+1番目の抵抗体の間に前記導体リングが挿入され、前記第4の結合部材においては、n+1番目及びn+2番目の抵抗体の間に前記導体リングが挿入されることにより、前記導体リングは、複数の前記抵抗体に形成された前記通電線路が一つの通電回路をなすように配置される、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項6】
前記スペーサは、
複数の前記抵抗体の前記通電線路のうち曲線区間にそれぞれ配置される、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項7】
前記導体リング及び前記絶縁リングは、
前記結合片に面接触する、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項8】
前記結合部材は、
前記結合孔に接触する外周面は、絶縁素材で絶縁され、両端部にそれぞれ固定ナットが結合する、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項9】
前記複数の単位モジュールが離隔して支持されるフレーム;及び、
前記単位モジュールを順次に通電させる複数のバスバー;
をさらに含む、
請求項1に記載のモジュール型限流抵抗器。
【請求項10】
前記抵抗体は、
前記フレームの設置される設置面に水平な方向に積層される、
請求項に記載のモジュール型限流抵抗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接の品質及び抵抗の設計が容易なモジュール型限流抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、限流抵抗器(CLR,Current Limiting Registor)は、故障電流(Fault Current)を限流させる機能を果たす。限流抵抗器を電力系統に適用して、電力系統で発生する故障電流を制限する。限流抵抗器を使用すれば、故障電流が発生しても、電力機器の破損や停電などを防止することができる。
【0003】
適用される系統によって必要な抵抗の大きさが異なるため、抵抗の大きさによって限流抵抗器の設計が異なってくる。以下では、図面を参照して、従来の限流抵抗器について説明する。
【0004】
図1は、従来の限流抵抗器を示した斜視図である。
【0005】
図1に示したように、従来の限流抵抗器1は、適用される系統に必要な抵抗の大きさだけ、抵抗片3を垂直方向に積層して溶接する構造である。抵抗片3は、蛇行(meander)構造に積層され、隣り合う抵抗片3の間の一定間隔を維持するように積層される。複数の抵抗片3は、点接触溶接によって相互溶接され、各抵抗片3の間には絶縁体5が挿入される。
【0006】
限流抵抗器1が動作すれば、抵抗片3等が抵抗として作用するため、限流抵抗器1の温度が上昇することになる。温度の上昇に伴い、点接触部位でアークが発生するリスクがあり、溶接部位の破損リスクがある。また、溶接作業者の熟練度によって溶接の品質が異なるため、均一な溶接の品質管理が難しい問題がある。
【0007】
限流抵抗器1は、適用される系統によって必要な抵抗の大きさだけ、抵抗片3を積層して溶接するため、必要な抵抗の大きさが大きくなれば、積層される抵抗片3の数も増える。抵抗片3の数が増えると、溶接量も多くなり、溶接時間も長くなる。ところが、このような溶接作業は、作業者がいちいち手作業しなければならないので、量産性の低下が避けられない。
【0008】
また、前述した限流抵抗器1は、抵抗片3の間に絶縁体5を挿入して、垂直積層時、抵抗片3の間の接触を防止する構造である。限流抵抗器1の冷却は、空気の流動による自然冷却に依存する。垂直積層される抵抗片3の数が多くなると、絶縁体5の数も増える。したがって、限流抵抗器1の動作によって温度が上昇した後に冷却されるとき、絶縁体5は、抵抗片3の冷却を妨げる要素となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、限流抵抗の設計が容易なモジュール型限流抵抗器を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、溶接の品質管理が容易なモジュール型限流抵抗器を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、限流抵抗器の冷却効率を向上させたモジュール型限流抵抗器を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、モジュール型限流抵抗器に関するものであって、一対の結合片と、前記結合片に一体に形成されるものの、前記結合片の間に配置される通電線路を備え、複数個が積層される抵抗体;前記積層された抵抗体を積層方向の両側でそれぞれ支持する一対のサポートフレーム;前記サポートフレームのうち一つを貫通し、前記結合片を貫通した後、前記サポートフレームのうち、他の一つを貫通して挿入され、前記抵抗体を固定する複数の結合部材;及び複数の前記抵抗体の間に配置されるものの、前記結合部材に貫通して挿入され、前記各抵抗体の前記通電線路を電気的に連結する複数の導体リング;とを備える単位モジュールを含み、前記単位モジュールは、少なくとも一つが備えられることを特徴とする。
【0014】
前記単位モジュールは、複数の前記抵抗体の間に配置されるものの、前記結合部材に貫通して挿入され、前記各抵抗体の間を絶縁する複数の絶縁リングをさらに含む。
【0015】
前記通電線路は、一対の前記結合片の間でジグザグ状を有するように配置されることが特徴である。
【0016】
一対の前記結合片は、一端部が互いに反対方向に配置され、前記結合部材が貫通して挿入される一対の結合孔が、板面に貫通して形成され、前記結合孔は、相互離隔して配置される。
【0017】
前記導体リングは、前記各抵抗体の間に挿入されるものの、互いに対角線をなす、ある一対の前記結合部材に配置される。
【0018】
前記結合部材は、第1~第4の結合部材を含み、前記第1の結合部材においては、n番目及びn+1番目の抵抗体の間に前記導体リングが挿入され、前記第4の結合部材においては、n+1番目及びn+2番目の抵抗体の間に前記導体リングが挿入されることにより、前記導体リングは、複数の前記抵抗体に形成された前記通電線路が一つの通電回路をなすように配置される。
【0019】
前記絶縁リングは、前記各抵抗体の間に挿入されるものの、互いに対角線をなす、他の一対の前記結合部材と、互いに対角線をなす、ある一対の前記結合部材のうち、前記導体リングが挿入されていない前記抵抗体の間にそれぞれ挿入される。
【0020】
一対の前記サポートフレームを横切って配置され、一面に複数の前記抵抗体の間にそれぞれ挿入される複数のリブが突出形成された複数のスペーサをさらに含む。
【0021】
前記スペーサは、複数の前記抵抗体の前記通電線路のうち、曲線区間にそれぞれ配置される。
【0022】
前記導体リング及び前記絶縁リングは、前記結合片に面接触する。
【0023】
前記結合部材は、前記結合孔に接触する外周面が絶縁素材で絶縁されて、両端部にそれぞれ固定ナットが結合する。
【0024】
前記複数の単位モジュールが離隔して支持されるフレーム;及び前記単位モジュールを順次に通電させる複数のバスバー;をさらに含む。
【0025】
前記抵抗体は、前記フレームの設置される設置面に水平な方向に積層されることが特徴である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、1Ω単位で限流抵抗の単位モジュールを設計することにより、適用される系統に適した限流抵抗の設計が容易である長所がある。
【0027】
本発明は、溶接することなく、抵抗体を積層して単位モジュールを構成するため、製品量産性が向上する効果がある。
【0028】
本発明は、単位モジュールを必要なだけ積層して、限流抵抗器を構成するため、適用される系統に適した限流抵抗の設計が容易である長所がある。
【0029】
また、本発明は、抵抗片が冷却空気の流動方向と垂直に積層されるため、限流抵抗器の冷却効率が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来の限流抵抗器を示した斜視図。
図2】本発明の一実施形態によるモジュール型限流抵抗器を示した斜視図。
図3】本発明の一実施形態によるモジュール型単位モジュールの斜視図。
図4図2によるモジュール型限流抵抗器の単位モジュールを示した分解斜視図。
図5図3のA-A線による単位モジュールの断面図。
図6図3のB-B線による単位モジュールの断面図。
図7図3のC-C線による単位モジュールの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を称するものに使われる。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態によるモジュール型限流抵抗器を示した斜視図である。
【0033】
モジュール型限流抵抗器は、複数の単位モジュール100と、単位モジュール100を支持するフレーム30とを含む。
【0034】
フレーム30は、垂直型、水平型などに形成することができ、複数個の単位モジュール100を支持する。垂直型フレーム30は、複数の単位モジュール100が垂直に積層される形態である。水平型フレーム(未図示)は、複数の単位モジュール100が水平に配列される形態である。フレーム30は、モジュール型限流抵抗器の設置場所によってその形態が異なってくる。図2では、単位モジュール100が1列に積層されたことを例に挙げた。しかし、単位モジュール100は、2列又は3列などに配置されてもよい。各単位モジュール100は、フレーム30上に設置された状態で、バスバー50によって電気的に相互連結される。
【0035】
以下では、モジュール型限流抵抗器を構成する単位モジュールについて詳説する。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態によるモジュール型単位モジュールの斜視図である。図4は、図2によるモジュール型限流抵抗器の単位モジュールを示した分解斜視図である。図5は、図3のA-A線による単位モジュールの断面図である。図6は、図3のB-B線による単位モジュールの断面図である。図7は、図3のC-C線による単位モジュールの断面図である。
【0037】
図3図7に示したように、単位モジュール100は、蛇行(meander)構造を有する複数の抵抗体110と、抵抗体110を積層して固定する結合部材130と、積層された抵抗体110を支持する一対のサポートフレーム120とを含む。また、単位モジュール100は、各抵抗体110の間に挿入される導体リング140及び絶縁リング150と、各抵抗体110の端部が互いに接触しないようにするスペーサ160とをさらに含む。
【0038】
図3図5に示したように、抵抗体110は、その両端に、結合部材130が挿入される結合片112を備えて、一対の結合片112の間をジグザグ(meander構造)状に通電線路114を形成した構造を有する。抵抗体110は、板面の方向がフレーム30の長さ方向に対応する方向となるように積層される。モジュール型限流抵抗器の温度上昇時、垂直方向(図2を基準に、フレームの長さ方向)に自然対流が起こる。したがって、抵抗体110は、自然対流によって、モジュール型限流抵抗器の冷却が容易であるように積層されるものが好ましい。図2を基準とすれば、抵抗体110の積層方向は、フレーム30が設置される設置面に水平な方向となる。
【0039】
結合片112は、所定の面積を有する板状であり、板面に一対の結合孔112aが貫通して形成される。結合孔112aは、図7を基準に、結合片112の上側及び下側にそれぞれ貫通するように形成される。抵抗体110が積層された状態で、結合孔112aに結合部材130が挿入される。複数の抵抗体110は、導体リング140及び絶縁リング150によって一定間隔を有するように配置されてもよい。結合片112は、結合部材130を挿入するために、通電線路114の直線区間の幅よりも広い幅を有するように形成することができる。また、一対の結合片112の最初の部位(端部)は、互いに反対方向に配置される。すなわち、図5を基準に、左側の結合片112は、端部が上側に向かい、右側の結合片112は、端部が下側に向かうように配置されてもよい。かかる結合片112の配置は、単位モジュール100内で積層された抵抗体110が、一つの通電線路114を形成するためである。
【0040】
通電線路114は、一端が、一側結合片112に一体に形成され、他端は、他側結合片112に一体に形成される。通電線路114は、一定間隔で形成された複数のスリット116を介してジグザグに形成される。
【0041】
抵抗体110は、複数個が積層されて、サポートフレーム120に支持される。抵抗体110は、結合部材130の挿入時、一定間隔が維持されるように、1次に間隔が調節される。また、抵抗体110は、導体リング140と絶縁リング150、スペーサ160によってさらに隣接した抵抗体110と接触しないように、2次に間隔が調節される。
【0042】
抵抗体110は、ジグザグ構造であるため、直線区間と曲線区間とが交互に形成される。導体リング140、絶縁リング150及びスペーサ160は、抵抗体110の曲線区間側に配置されてもよい。
【0043】
図3及び図4に示したように、サポートフレーム120は、抵抗体110を支持する板(plate)状のフレームで形成することができる。サポートフレーム120は、所定の厚さを有し、抵抗体110の大きさに対応する大きさを有し得る。サポートフレーム120は、通電可能な材質で作られて、抵抗体110と接触し、抵抗体110へ電流が流れるようにする。
【0044】
サポートフレーム120は、抵抗体110の積層方向に対応する方向の両側で抵抗体110を支持する。すなわち、図3を基準に、サポートフレーム120は、左右方向における抵抗体110を支持する。他に説明すれば、サポートフレーム120は、結合片112と面接触する方向に結合して、抵抗体110を支持する。
【0045】
サポートフレーム120は、結合片112の結合孔112aの位置に対応する位置に貫通して形成された複数の挿入孔122を有する。挿入孔122を貫通するように、結合部材130が挿入されて、結合孔112aに挿入される。結合部材130の固定時に用いられる固定ナット134が外部に突き出ないように、サポートフレーム120は、外側板面の一部を凹込むことができる。凹込んだ部分に、前述した挿入孔122が貫通するように形成される。
【0046】
固定ナット134は、外部に露出しないほどの溝を形成しなければならないので、サポートフレーム120は、固定ナット134の大きさよりも大きい厚さを有するものが好ましい。また、サポートフレーム120は、結合部材130の固定時、結合部材130に加わる締め付け力(トルク)にも捻れるか変形してはならない。したがって、サポートフレーム120は、結合部材130の締め付け力に抵抗することができるほどの剛性及び厚さを有するものが好ましい。
【0047】
サポートフレーム120には、スペーサ160の位置に対応して、ボルト166の挿入される孔124が複数個形成されてもよい。この孔の内部には、ボルト166のネジ山にネジ結合するネジ溝が形成される。
【0048】
結合部材130は、サポートフレーム120の挿入孔122と抵抗体110の結合孔112aを貫通するように挿入される。結合部材130は、一種の大型ボルトである。結合部材130は、抵抗体110に挿入された状態で、固定ナット134によって、サポートフレーム120に固定されて、複数の抵抗体110を固定する役割を果たす。結合部材130が抵抗体110に結合しても、通電線路114のみに電流が流れなければならない。したがって、結合部材130は、外周面に絶縁物質がコーティングされうる。又は、結合部材130は、別途形成された絶縁パイプ132の内部に挿入された形態で作られてもよい。
【0049】
固定ナット134は、各結合部材130がサポートフレーム120から離脱しないように固定する役割を果たす。固定ナット134は、抵抗の大きさ管理及び離隔間隔を維持するために、一定したトルクで結合部材130に結合しなければならない。各々の固定ナット134は、互いに異なるトルクで結合部材130に結合すると、互いに隣り合う抵抗体110が一部接触する問題が発生し得る。互いに隣り合う抵抗体110が接触すると、抵抗体として役割できないため、固定ナット134は、一定したトルクで結合部材130と結合する。固定ナット134とサポートフレーム120との間には、絶縁のための別途絶縁体136を挿入することができる。
【0050】
一方、図4及び図6に示したように、各抵抗体110の間には、導体リング140及び絶縁リング150が挿入される。
【0051】
導体リング140は、複数の抵抗体110を電気的に連結して、単位モジュール100上の抵抗体110が一つの通電線路114を形成するようにする。導体リング140は、抵抗体110の間に配置されるものの、結合部材130に挿入される。したがって、導体リング140は、通電材質で作られて、中空の形成されたリング状を有する。導体リング140は、抵抗体110の結合片112に面接触して、複数の抵抗体110を電気的に連結する。各抵抗体110は、導体リング140のみによって通電される。積層された抵抗体110は、ジグザグ構造を有するため、単位モジュール100が一つの通電線路114を構成するためには、導体リング140の挿入位置が重要である。
【0052】
図6に示したように、導体リング140の位置について詳説すれば、次のとおりである(図6における前方の上側及び下側の結合部材を順次に第1の結合部材、第2の結合部材と、後方の上側及び下側の結合部材を順次に第3の結合部材、第4の結合部材と定義して説明する)。
【0053】
図6において、サポートフレーム120に最も隣接した一番目の抵抗体110は、通電線路114の最初の位置が結合片112の端部である。したがって、一番目の抵抗体110は、通電線路114の最初の位置が第1の結合部材130a側となる。一番目の抵抗体110の通電線路114の最後の位置は、第4の結合部材130d側の結合片112の端部である。サポートフレーム120に最も隣接した一番目の抵抗体110と、それに隣接した二番目の抵抗体110は、導体リング140のみによって通電されなければならない。したがって、導体リング140は、一番目の抵抗体110と二番目の抵抗体110との間に配置されるものの、第4の結合部材130d側に配置されてもよい。一番目の抵抗体110と二番目の抵抗体110は、第4の結合部材130d側に配置された導体リング140によって通電されて、一つの通電線路114を形成する。
【0054】
同様の原理で、二番目の抵抗体110は、通電線路114の最初が第4の結合部材130d側の結合片112の端部であり、通電線路114の最後の位置は、第1の結合部材130a側の結合片112の端部である。したがって、導体リング140は、二番目の抵抗体110と三番目の抵抗体110との間に配置されるものの、第1の結合部材130a側に配置されてもよい。
【0055】
同様の原理で、複数の抵抗体110を積層すれば、第1の結合部材130aと第4の結合部材130d側のみに導体リング140が挿入される。すなわち、第1の結合部材130aには、n番目及びn+1番目の抵抗体110の間に導体リング140が挿入され、第4の結合部材130dには、n+1番目及びn+2番目の抵抗体110の間に導体リング140が挿入される。これによって、単位モジュール100内で一番目の抵抗体110からn番目の抵抗体110までジグザグ状に一つの通電線路114を形成することになる。通電線路114の最初及び最後の部分は、別途バスバー(未図示)などによって、単位モジュール100の外部と電気的に連結されうる。導体リング140の挿入されていない部分には、絶縁リング150が挿入される。
【0056】
絶縁リング150は、絶縁素材で作られて、各抵抗体110の間に挿入される。絶縁リング150は、各抵抗体110が導体リング140と接触しない部分へ電流が流れないように絶縁する機能を果たす。絶縁リング150は、抵抗体110の間に配置されて、結合部材130に挿入される。したがって、絶縁リング150は、中空に形成されたリング状を有する。
【0057】
また、絶縁リング150は、導体リング140が挿入されて発生する抵抗体110の一側間隔と同じ間隔を有するように、抵抗体110の他側間隔を維持する。このために、絶縁リング150は、導体リング140と同じ大きさと厚さ、形状を有するものが好ましい。
【0058】
絶縁リング150は、導体リング140が挿入される第1の結合部材130aの一側及び第4の結合部材130dの一側に挿入され、第2の結合部材130bの一側及び第4の結合部材130dの一側にも挿入される。
【0059】
導体リング140を介して配置された抵抗体110が1、2番目の抵抗体110であれば、2、3番目の抵抗体110の間には絶縁リング150が挿入される。すなわち、導体リング140が挿入されていない抵抗体110の間に絶縁リング150が全て挿入される。導体リング140と絶縁リング150が、第1の結合部材130aの一側及び第4の結合部材130dの一側に挿入されると、第2の結合部材130bの一側及び第3の結合部材130cの一側の結合片112は、隣り合う結合片112と接触し得る。これを防止するために、第2の結合部材130bの一側及び第3の結合部材130cの一側は、あらゆる抵抗体110の間に絶縁リング150がそれぞれ挿入される。導体リング140と絶縁リング150によって、抵抗体110の結合片112側は、同じ間隔を有するように維持することができる。しかし、抵抗体110の長さが長くなれば、通電線路114は、自重や外力によって傾くか動いて、接触する部分が発生し得る。抵抗体110の各曲線区間は、隣り合う抵抗体110の各曲線区間と接触しないようにスペーサ160が装着されてもよい。
【0060】
図3図7に示したように、スペーサ160は、所定の厚さを有するバー(bar)状である。スペーサ160は、両端が互いに向かい合うサポートフレーム120の一側にそれぞれ結合する。スペーサ160は、図7を基準に、サポートフレーム120の上側及び下側にそれぞれ結合する。したがって、スペーサ160は、サポートフレーム120の間隔だけの長さを有する。スペーサ160の両端には、ボルト166が挿入される締結孔164が貫通して形成される。ボルト166によって、スペーサ160は、サポートフレーム120に結合する。
【0061】
また、スペーサ160は、複数個が備えられて、積層された抵抗体110の曲線区間毎に一つずつ配置される。スペーサ160は、抵抗体110の間の間隔を維持するために使用されるため、絶縁素材で作られる。
【0062】
スペーサ160は、サポートフレーム120に結合するとき、抵抗体110に向かう面から突出形成された複数のリブ162を備える。リブ162は、一定間隔で離隔して配置される。リブ162は、抵抗体110等の間に挿入されて、通電線路114の曲線区間が相互接触しないようにする。すなわち、リブ162は、抵抗体110等が互いに一定間隔で離隔して維持する役割を果たす。
【0063】
前述したように、本発明の一実施形態によるモジュール型限流抵抗器は、単位モジュール100を構成するために、抵抗体110を積層するとき、溶接なく積層が可能である。抵抗体110の通電は、導体リング140のみによって行われ、導体リング140と抵抗体110が面接触するため、溶接による連結よりも安定した結合が可能である。積層された複数の抵抗体110は、通電線路114の長さ方向の両端部を、導体リング140及び絶縁リング150によって一定間隔に維持することができる。また、積層された複数の抵抗体110は、通電線路114の曲線区間毎に挿入されるスペーサ160によって、隣り合う抵抗体110同士に接触することなく、一定間隔を維持することができる。したがって、抵抗体110は、単位モジュール100内における一つの通電線路114をなして、安定した抵抗役割が可能である。
【0064】
本発明の一実施形態によるモジュール型限流抵抗器は、単位モジュール100の個数を異にして、必要な抵抗の大きさに合わせて構成することができる。適用される系統によって必要な抵抗の大きさが異なってくることを考慮して、単位モジュール100を構成することにより、モジュール型限流抵抗器を容易に構成することができる。
【0065】
例えば、単位モジュール100は、抵抗の大きさが1Ωとなるように構成することができる。したがって、8Ωの抵抗が必要な電力系統に本発明のモジュール型限流抵抗器を適用する場合、図2と同様、8個の単位モジュール100を用いて限流抵抗器10を構成することができる。
【0066】
図2と同様、8個の単位モジュール100を用いて限流抵抗器10を構成し、限流抵抗器10が作動すれば、各単位モジュール100は、温度が上昇することになる。単位モジュール100の温度が上昇しながら、周りの空気が加熱されると、加熱された空気は、上昇することになる。これによって、フレーム30の下側から上側へ空気の流動が行われ、フレーム30の下側の冷たい空気が流入しながら、自然対流が発生する。自然対流によって、空気は、フレーム30の下側から上側へ流動しながら、各単位モジュール100が冷却される。
【0067】
各単位モジュール100は、抵抗体110の板面が自然対流の起こる垂直方向と同じ方向に配置されている。すなわち、抵抗体110の積層方向は、自然対流の起こる上下方向と垂直をなす。また、各単位モジュール100は、積層された抵抗体110の間に離隔間隔を有する。したがって、自然対流によって上昇する空気は、抵抗体110の間を通りやすいため、図1による従来の限流抵抗器1に比べて、冷却効果が上昇する。
【0068】
前述した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術思想から外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7