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特許7168798走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を確認するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を確認するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20221101BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G02B21/00
G02B21/36
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021574222
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020066589
(87)【国際公開番号】W WO2020254303
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】102019116626.8
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516307622
【氏名又は名称】アッベリオー インストラメンツ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Abberior Instruments GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリッヒ マティアス
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-522479(JP,A)
【文献】特開2005-189290(JP,A)
【文献】特開平6-109958(JP,A)
【文献】特表2008-541144(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2333501(EP,A1)
【文献】米国特許第5751417(US,A)
【文献】特開2002-323660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)の共焦点性を確認する方法であって、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)が、
・照明光(23)を提供する光源(4)であって、前記照明光(23)が前記光源(4)の発光開口(65)から出射する、光源(4)と、
・前記照明光(23)を焦点面(6)内の焦点領域(7)に集光する光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの光を検出し、前記焦点領域(7)との共焦点に配置されるように検出開口(11)を有する検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にあるスキャナ(12)と、
を備え、
・補助検出開口(25)を有する補助検出器(24)及び補助光(22)出射する補助発光開口(21)を有する補助光源(20)の少なくとも1つが、前記焦点面(6)に配置され、前記補助検出器(24)と前記補助光源(20)の両方が前記焦点面(6)に配置される場合、前記補助検出開口(25)と前記補助発光開口(21)前記焦点面(6)において同心に配置され、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記照明光(23)の前記焦点領域(7)前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を走査し、前記補助検出器(24)によって示された前記照明光(23)の第一の強度分布を前記スキャナ(12)の異なる位置にわたって測定し、又は前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)前記光源(4)の前記発光開口(65)と同心に配置された独立補助検出器(24’)の補助検出開口(25’)を走査し、前記独立補助検出器(24’)によって示された前記照明光(23)の第一の強度分布を前記スキャナ(12)の異なる位置にわたって測定し、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)で前記検出器(8)の前記検出開口(11)を走査し、前記検出器(8)で示された前記補助光(22)の第二の強度分布を前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたって測定し、又は前記スキャナ(12)を操作することにより、前記検出開口(11)と同心に配置された独立補助光源(20’)の補助発光開口(21’)から出射する補助光(22’)前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を走査し、前記補助検出器(24)によって示された前記補助光(22)の第二の強度分布を、前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたって測定し、
・前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたる前記第一の強度分布と前記第二の強度分布との間の少なくとも1つの差が、共焦点誤差の指標として測定される、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの差、前記第一の強度分布と前記第二の強度分布の最大値又は中心値間の位置差であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの差は、前記光源(4)に対する前記検出器(8)の前記検出開口(11)の現実及び/又は仮想の相対変位によって補償されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
・前記焦点面に配置されている前記補助検出開口(25)及び/又は前記補助発光開口(21)が、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)と対物レンズ(2)を含むレーザ走査型顕微鏡の中間像面に配置されていること、又は
・前記焦点面に配置された前記補助検出開口(25)及び/又は前記補助発光開口(21)は、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)及び対物レンズ(2)を含むレーザ走査型顕微鏡(1)の主ビーム経路からの分岐部に配置され、オプションとして、
・前記分岐部(16)は、前記レーザ走査型顕微鏡(1)の前記主ビーム経路(17)にある前記スキャナ(12)のビームスプリッタ(18)、偏向ミラー(34)、又は回転ミラー(13)で分岐していること、及び/又は
・前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に前記照明光(23)を集束させる光学系(27)は、少なくとも部分的に前記分岐部(16)配置されていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)の共焦点性を確認するための請求項1~4のいずれか一項に記載の方法であって、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)が、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)と、
・前記照明光(23)を前記焦点面(6)の焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記光を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)と共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方では前記検出器(8)との間、他方では前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
を備え、
・前記照明光(23)は、前記スキャナ(12)を介して前記補助検出器(24)に導かれ、
・前記補助光(22)は、前記補助光源(20)から前記スキャナ(12)を介して前記検出器(8)上に導かれ、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記スキャナ(12)を前記照明光(23)の前記焦点領域(7)で前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を走査し、前記スキャナ(12)の異なる前記位置にわたって前記補助検出器(24)によって示された前記照明光(23)の前記第一の強度分布を検出することと、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)で前記補助検出開口(25)と同心に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)で前記検出器(8)の前記検出開口(11)を走査し、前記スキャナ(12)の前記位置の全体にわたって前記検出器(8)によって示された前記補助光(22)の前記第二の強度分布を測定することと、
を特徴とする、方法。
【請求項6】
前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)と前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)とが前記焦点面(6)において一致することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
同一の光電部品(19)が前記補助光源(20)及び前記補助検出器(24)として使用され、前記光電部品(19)はオプションで発光ダイオード(50)、スーパールミネッセントダイオード、レーザダイオード(43)、又はフォトダイオード(42)であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)と前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)は、前記焦点面(6)に配置されたライトガイド(40)の端部断面(39)で形成され、前記ライトガイド(40)は、オプションで、フリービームスプリッタ、ファイバビームスプリッタ又はサーキュレータ(41)を介して、前記補助光源(20)及び前記補助検出器(24)に分岐されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)の共焦点性を確認するための請求項1~4のいずれか一項に記載の方法であって、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)が、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)と、
前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)と共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
を備え、
・前記照明光(23)は、前記スキャナ(12)を介して前記補助検出器(24)に導かれ、
・前記スキャナ(12)を操作することにより、前記照明光(23)の前記焦点領域(7)前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を走査し、前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたって前記補助検出器(24)によって示された照明光(23)の前記第一の強度分布を検出することと、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記検出開口(11)と同心に配置された前記独立補助光源(20’)の前記補助発光開口(21’)から出射する前記補助光(22’)前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を走査し、前記補助検出器(24)によって示された前記補助光(22)の前記第二の強度分布を、前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたって検出することと、
を特徴とする、方法。
【請求項10】
前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)の共焦点性を確認するための請求項1~4のいずれか一項に記載の方法であって、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)が、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)であって、前記照明光(23)が前記光源(4)の前記発光開口(65)から出射する、前記光源(4)と、
・前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記光を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)と共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(10)と他方の側の前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
を備え、
・前記照明光(23)は、前記スキャナ(12)を介して前記補助検出器(24)に導かれ、
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)前記光源(4)の前記発光開口(65)と同心に配置された前記独立補助検出器(24’)の前記補助検出開口(25’)を走査し、前記補助検出器(24)によって示された前記照明光(23)の前記第一の強度分布を前記スキャナ(12)の前記異なる位置にわたって測定することと、
・前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)で前記検出器(8)の前記検出開口(11)を走査し、前記検出器(8)によって示された前記補助光(22)の前記第二の強度分布を前記スキャナ(12)の前記異なる位置の全体にわたって測定することと、
を特徴とする、方法。
【請求項11】
補助検出器(24)及び補助光源(20)を有し、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置(37)であって、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)、又は前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)及び対物レンズ(2)を有するレーザ走査型顕微鏡(1)のための標準化された接続部(36)が、相手側接続部(38)に合致して、前記相手側接続部(38)が前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)の前記焦点面(6)で前記接続部(36)に接続され、前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)及び前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)は、その位置が前記相手側接続部(38)に対して固定されて、配置されることを特徴とする、装置(37)。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実施するための、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)であって、
・照明光(23)を提供する光源(4)であって、前記照明光(23)が前記光源(4)の発光開口(65)から出射する、光源(4)と、
・前記照明光(23)を焦点面(6)内の焦点領域(7)に集光する光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの光を検出し、前記焦点領域(7)と共焦点に配置されるように検出開口(11)を有する検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にあるスキャナ(12)と、
・前記焦点面(6)に、補助検出開口(25)を有する補助検出器(24)及び補助光(22)を提供し、前記補助光(22)が出射する補助発光開口(21)を有する補助光源(20)の少なくとも1つであって、前記補助検出器(24)と前記補助光源(20)とが前記焦点面(6)に配置される場合、前記補助検出開口(25)と前記補助発光開口(21)とが前記焦点面(6)において同心に配置される、補助検出器(24)及び補助光源(20)の少なくとも1つと、
を備え、
・前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)の前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を前記照明光(23)の前記焦点領域(7)で走査でき、そして、前記光源(4)の前記発光開口(65)と同心に配置された独立補助検出器(24’)の補助検出開口(25’)を、前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)で走査でき、
・前記スキャナ(12)を操作することにより、前記検出器(8)の前記検出開口(11)を、前記焦点面(6)に配置された前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)から出射する前記補助光(22)で走査でき、又は、前記焦点面(6)に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を、前記検出開口(11)と同心に配置された独立補助光源(20’)の補助発光開口(21’)から出射する補助光(22’)で走査できる、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項13】
前記スキャナ(12)を操作することにより、前記焦点面(6)の前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を、前記照明光(23)の前記焦点領域(7)で走査するか、前記光源(4)の前記発光開口(65)と同心に配置された独立補助検出器(24’)の補助検出開口(25’)を、前記焦点面(6)にある前記補助光源(20)からの前記補助光(22)で走査し、前記補助検出器(24)により示された前記照明光(23)又は前記独立補助検出器(24’)により示された補助光(22)の第一の強度分布を、前記スキャナ(12)を異なる位置にわたって測定することと、
・前記スキャナ(12)を操作することにより、前記検出器(8)の前記検出開口(11)を、前記焦点面(6)内の前記補助光源(20)からの前記補助光(22)で走査するか、又は前記焦点面(6)内に配置された前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を、前記検出器(8)の前記検出開口(11)と同心に配置した前記独立補助光源(20’)の前記補助発光開口(21’)から出射する補助光(22’)で走査し、前記検出器(8)により示された前記補助光(22)又は前記補助検出器(24)により示された前記補助光(22’)の第二の強度分布を、前記スキャナ(12)を前記異なる位置にわたって測定することと、
・前記スキャナ(12)の異なる前記位置にわたる前記第一の強度分布と前記第二の強度分布との間の少なくとも1つの差を、共焦点誤差の指標として測定することと、を行なうように設計された確認装置(61)を備えることと、
を特徴とする、請求項12に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項14】
前記確認装置(61)は、前記少なくとも1つの差を前記光源(4)に対する前記検出器(8)の前記検出開口(11)の現実及び/又は仮想の相対変位によって自動的に補償するように設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項15】
存在する場合、前記補助検出器(24)及び前記独立補助検出器(24’)の前記補助検出開口(25、25’)と、前記補助光源(20)及び前記独立補助光源(20’)の前記補助発光開口(21,21’)と、オプションで、存在する場合、前記補助光源(20)及び前記独立補助光源(20’)ならびに前記補助検出器(24)及び前記独立補助検出器(24’)は、前記走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)のハウジング内に配置されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項16】
請求項5~8のいずれか一項に記載の方法を実施するための、請求項12~15のいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)であって、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)と、
-前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記光を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)に対して共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
・前記スキャナ(12)を介して前記照明光(23)を導くことができる前記補助検出器(24)と、
・前記補助光(22)を提供する前記補助光源(20)であって、その補助光(22)は前記スキャナ(12)を介して前記検出器(8)に導くことができる、前記補助光源(20)と、
を備え、
前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)と、前記補助光(22)が前記補助光源(20)から出射する前記補助発光開口(21)とが、前記焦点面(6)において同心であり、前記スキャナ(12)を操作することにより、前記照明光(23)の前記焦点領域(7)前記補助検出開口(25)を走査できるように配置され、前記検出器(8)の前記検出開口(11)は、前記スキャナ(12)を操作することにより、前記補助光(22)前記補助光源(20)を走査できることを特徴とする、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項17】
・前記補助光源(20)と前記補助検出器(24)が同じ光電部品(19)であり、前記光電部品(19)はオプションで発光ダイオード(50)、スーパールミネッセントダイオード、レーザダイオード(43)もしくはフォトダイオード(42)であること、又は
・前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)及び前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)が、前記焦点面(6)に配置されたライトガイド(40)の端部断面(39)で形成されており、前記ライトガイド(40)は、オプションでフリービームスプリッタ、ファイバビームスプリッタもしくはサーキュレータ(41)を介して前記補助光源(20)と前記補助検出器(24)とに分岐していること、
を特徴とする、請求項11に記載の装置又は請求項16に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項18】
請求項9に記載の方法を実施するための、請求項12~15のいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)であって、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)と、
・前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記光を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)に対して共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
・前記スキャナ(12)を介して前記照明光(23)を導くことができる前記補助検出器(24)と、を備え、
前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)がそのように前記焦点面(6)に配置され、前記補助光(22)を提供する前記独立補助光源(20’)の前記補助発光開口(21’)がそのように前記検出器(8)の前記検出開口(11)に対して同心に配置され、前記スキャナ(12)を操作することにより、前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)を、一方の側の前記照明光(23)の前記焦点領域(7)で、他方の側の前記独立補助光源(20’)の前記補助発光開口(21’)から出射する前記補助光(22’)で、走査することができることを特徴とする、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項19】
請求項10に記載の方法を実施するための、請求項12~15のいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)であって、
・前記照明光(23)を提供する前記光源(4)であって、前記照明光(23)が前記光源(4)の前記発光開口(65)から出射する、前記光源(4)と、
・前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)と、
・前記焦点領域(7)からの前記光を検出する前記検出器(8)であって、前記焦点領域(7)に対して共焦点に配置される前記検出開口(11)を有する、前記検出器(8)と、
・前記光源(4)と、一方の側の前記検出器(8)と他方の側の前記焦点面(6)との間にある前記スキャナ(12)と、
・前記補助光(22)を提供する前記補助光源(20)であって、その補助光(22)は前記スキャナ(12)を介して前記検出器(8)に導くことできる、前記補助光源(20)と、
を備え、
前記補助光(22)が出射する前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)がそのように前記焦点面(6)に配置され、前記独立補助検出器(24’)の前記補助検出開口(25’)がそのように前記光源(4)の前記発光開口(65)と同心に配置され、前記スキャナ(12)を操作することにより、前記補助光源(20)からの前記補助光(22)で一方の側の前記独立補助検出器(24’)の前記補助検出開口(25’)、他方の側の前記検出器(8)の前記検出開口(11)を走査できることを特徴とする、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)。
【請求項20】
対物レンズと、請求項12~19のいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)とを含む、レーザ走査型顕微鏡。
【請求項21】
・前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)及び前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)の少なくとも1つが、前記レーザ走査型顕微鏡(1)の中間像面(34)に配置されていること、又は、
・前記補助検出器(24)の前記補助検出開口(25)及び前記補助光源(20)の前記補助発光開口(21)の少なくとも1つが、前記レーザ走査型顕微鏡(1)の主ビーム経路(17)からの分岐部(16)に配置されており、オプションで、
・前記分岐部(16)が、前記レーザ走査型顕微鏡(1)の前記主ビーム経路にある前記スキャナ(12)のビームスプリッタ(18)、偏向ミラー(34)又は回転ミラー(13)で分岐すること、及び
・前記照明光(23)を前記焦点面(6)の前記焦点領域(7)に集光する前記光学系(27)は、少なくとも一部が前記分岐部(16)に配置されていることの少なくとも1つであること
を特徴とする、請求項20に記載のレーザ走査型顕微鏡。
【請求項22】
前記検出器(8)の前記検出開口(11)が、前記検出器(8)の前に配置されたピンホール(10)によって区画されていることを特徴とする、請求項12~19までのいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)又は請求項20~21のいずれか一項に記載のレーザ走査型顕微鏡。
【請求項23】
前記検出器(8)が点検出器又はアレイ検出器であることを特徴とする、請求項12~19及び22までのいずれか一項に記載の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ(3)、又は請求項20~22のいずれか一項に記載のレーザ走査型顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光を提供する光源と、焦点面の焦点領域に照明光を集光るする光学系と、焦点領域からの光を検出する検出器と、焦点領域に共焦点的に配置される検出開口と、光源と、一方では検出器との間、他方では焦点面との間にあるスキャナとを備えた走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を確認する方法に関する。さらに、本発明は、そのような方法を実行するための装置及び走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリと、そのような走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリを備えたレーザ走査型顕微鏡に関する。したがって、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、特にレーザ走査型顕微鏡用のものである。この場合、検出器の検出開口は、特に、検出器の前に配置され、次に焦点領域に対して共焦点的に配置されるピンホールダイアフラムによって制限することができる。しかしながら、検出開口は、検出器の1つ又は複数の感光領域によって定義することもできる。
【0002】
照明光を提供する光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域と共焦点に配置される検出開口を有する焦点領域からの光の検出器と、光源と検出器の間に、一方にピンホール、他方に焦点面を有するスキャナを備える走査及び脱走顕型微鏡アセンブリにおいて、スキャナは、一方では光源からの集束された照明光で走査し、他方ではピンホールで焦点領域から検出器への光を脱走査するように設計されており、照明光による光を最適に計測するために、検出開口の正確な共焦点配置が重要である。ここで、検出開口の正確な共焦点配置とは、照明光を焦点面に写し込む際に、照明光が集光する焦点領域と同心に配置されることを意味する。
【背景技術】
【0003】
レーザ走査型蛍光顕微鏡の調整方法と、それに対応する自動調整装置付きレーザ走査型蛍光顕微鏡が特許文献1から知られている。これは、励起光の強度極大と蛍光光検出器の前に配置されたピンホールの像が対物レンズの焦点で一致するように、レーザ走査型蛍光顕微鏡を正しく調整することである。公知の方法では、サンプル中の蛍光色素でマークされた構造物を励起光の強度最大で走査し、ピンホールの異なる開口部に対応する構造物の画像をサンプルに生成することができる。そして、生成された画像中の構造物の画像の位置の間にオフセットを計算する。レーザ走査型蛍光顕微鏡の正しいアライメントを調整するために、ピンホール開口の小さい方に対応するある画像の構造物の像が、ピンホール開口の大きい方に対応する別の画像の構造物の像に対して有するオフセット方向に、励起光の強度最大値をピンホール像に対してシフトさせる。公知のレーザ走査型蛍光顕微鏡の自動アライメント装置は、公知の手順を自動的に実行するように適合されている。公知の方法では、サンプルの画像と構造体の画像を生成するために、完全なレーザ走査型蛍光顕微鏡とサンプル中の蛍光色素でマークされた構造体の存在が必要である。また、ピンホールの開口を可変とするか、少なくともピンホールを着脱可能として、異なるピンホールの開口に対応する画像を生成する必要がある。
【0004】
レーザ走査型顕微鏡のピンホールの位置及び/又は大きさを調整する装置及び方法は、特許文献2で知られている。ピンホールは、別の光源又はレーザ走査型顕微鏡のレーザを介して照射され、ピンホールの背後に配置されたレーザ走査型顕微鏡の検出器で強度が最大となるまで、ピンホールが光軸に対して横方向にシフトされる。そして、ピンホールの開口は、別の光源又はレーザに対してレーザ走査型顕微鏡の光学系で規定され、再現性よく位置決めできる点に配置される。レーザ顕微鏡の共焦点性は、検証や調整ができない。レーザ走査型顕微鏡において、公知の装置では、レーザ走査型顕微鏡のレーザ及び検出器がスキャナと完全に同じ側に配置されている。
【0005】
特許文献3には、光源、ビームスプリッタ、光ファイバサーキュレータ、光コリメータ、比較検出器、及びマイクロプロセッサを含むオートフォーカス装置が記載されている。ビームスプリッタは、光源からの光を2つに分割する光ファイバサーキュレータは、ビームスプリッタに第一の接続部で、光コリメータに第二の接続部で、比較検出器に第三の接続部で接続されている。光コリメータは、光ファイバサーキュレータからの光の一部を、ダイクロイックミラーと顕微鏡対物レンズを介して、サンプルに照射する。比較検出器は、光源からの光のもう一方を基準として、サンプルを載せた基板からの光をアナログの電圧信号に変換するす。比較検出器からのアナログ電圧信号をもとに、マイクロプロセッサが顕微鏡ステージを制御する。光ファイバサーキュレータでは、光は第一の入力から第二の入力へ、第二の入力から第三の入力へと排他的に渡される。比較検出器は、基板からの反射信号を光源からの光の部分で分割し、光源からの光の強さのばらつきを補正する。マイクロプロセッサは、比較検出器からのアナログ電圧信号が最大になるように、あるいは最大で維持するなるように顕微鏡ステージを制御する。
【0006】
照明光を提供する光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出し、焦点領域に共焦点的に配置される検出開口を有する検出器と、光源と、一方では検出器との間、他方では焦点面との間にあるスキャナとを備えた共焦点レーザ走査型顕微鏡を校正する方法及び装置であって、照明光がスキャナを介して補助検出器に導かれ、補助光源からの補助光がスキャナを介して検出器に導かれるもので、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性に影響を与える校正を行わないものは、特許文献4で知られている。レーザ走査型顕微鏡は、光ビームで対象物を走査する。校正には、光ビームで走査可能な中間像の平面上に校正手段を配置する。校正手段は、検出手段として設計され、レーザパワー測定又はレーザ校正のために機能する測定手段であってもよい。検出手段には、フォトダイオードを用いてもよい。また、校正手段は、検出器を校正する役割を果たす照明手段であってもよい。照明手段は、発光ダイオードであってもよい。校正手段は、中間像の平面内の像域に旋回させることも、実際の像域外の中間像の端に固定することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2018/042056号
【文献】独国特許出願公開第102005020542号明細書
【文献】国際公開第2011/047365号
【文献】独国特許発明第19906763号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、顕微鏡アセンブリを構成する完全なレーザ走査型顕微鏡の存在を必要とせずに、あるいはそのようなレーザ走査型顕微鏡で測定されるサンプルを必要とせずに、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を確認することができる方法及び装置を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、独立請求項1の特徴を有する方法、請求項11の特徴を有する装置、請求項12の特徴を有する走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ、及び請求項20の特徴を有するレーザ走査型顕微鏡によって解決される。さらなる従属請求項は、方法、装置、顕微鏡アセンブリ、及びレーザ走査型顕微鏡の好ましい実施形態に関するものである。
【0010】
本発明による方法は、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を確認する方法に関し、この走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、照明光を提供する光源であって、その光源の発光開口から照明光を出射する、光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出し、焦点領域と共焦点に配置されるように検出開口を有する検出器と、光源と検出器の間で、ピンホールを一方の側に、すなわちスキャナの側に、焦点面を他方の側に、すなわちスキャナの側に配置したスキャナを有する。検出器によって検出される光は、考慮されている焦点面の焦点領域から放射される必要はなく、別の平面から発生することも可能であることに留意する必要がある。検出器の検出開口が焦点領域に対して共焦点に「配置」されることは、本発明による方法の必須のステップを定義するものではなく、検出開口が検出器の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの共焦点性を与えられた焦点領域に対して共焦点に配置されることのみを定義するものである。
【0011】
本発明による方法では、補助検出開口を有する補助検出器及び/又は補助光が出射する補助発光開口を有する補助光を提供する補助光源が、焦点面に配置される。少なくとも補助検出器又は補助光源は、焦点面に配置される。そこに補助検出器と補助光源を配置すれば、補助検出開口と補助発光開口は焦点面内で同心に配置される。本発明による方法のこの特徴を満たすために、補助検出器及び/又は補助光源が焦点面で作動するように配置することが必要なことがある。しかしながら、共焦点性を確認する走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリが、焦点面に補助検出器及び/又は補助光源を既に有している場合も満たされる。
【0012】
本発明による方法では、照明光の焦点領域でスキャナを調整することによって、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を走査し、それによって、補助検出器によって登録された照明光の第一の強度分布をスキャナの異なる位置にわたって捕捉する。あるいは、焦点面に配置された補助光源の補助発光開口から出射する補助光で、スキャナを調整して、光源の発光開口と同心に配置された独立補助検出器の補助検出開口を走査し、それによって、独立補助検出器で登録された照明光の第一の強度分布をスキャナの異なる位置にわたって捕捉するようにしてもよい。いずれの場合も、第一の強度分布は、焦点面に配置された補助装置、すなわち補助検出器又は補助光源に対する光源の発光開口の配置、したがって照明光の配置を記述するものである。
【0013】
さらに、焦点面に配置された補助光源の補助発光開口から出射する補助光で、スキャナを調整して、検出器の検出開口を走査し、これにより、検出器で登録された補助光の第二の強度分布をスキャナの位置全体で捕捉する。あるいは、検出開口と同心に配置された独立補助光源の補助発光開口を介して出射する補助光で、スキャナを調整して、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を走査し、それによって、補助検出器で登録された補助光の第二の強度分布をスキャナの位置全体で捕捉する。いずれの場合も、第二の強度分布は、焦点面に配置された補助装置、すなわち補助光源又は補助検出器に対する検出器の検出開口の配置を表す。
【0014】
こうして、スキャナの異なる位置にわたる第一の強度分布と第二の強度分布との間の少なくとも1つの差が、共焦点性の指標として捕捉される。
【0015】
差を捕捉するための2つの強度分布は、スキャナの比較可能な位置、典型的には同じ位置にわたって捕捉されることが理解される。そして、これらのスキャナの位置に対する2つの強度分布の最大値又は中心値の間の位置の差は、顕微鏡アセンブリ共焦点誤差、すなわち、焦点面における集光光学系で照明光を集光した焦点領域と、検出器の検出開口の像又は検出開口における集光光学系で照明光を集光した焦点領域の像との間のオフセット(Versatz)を直接示すものである。したがって、本発明による方法において好ましく捕捉される少なくとも1つの差は、2つの強度分布の最大値又は重心間の位置の差である。
【0016】
顕微鏡アセンブリの共焦点性を確立するために、少なくとも1つの差を補正する。これは、光源の発光開口に対する検出器の検出開口の実際の相対変位(検出器の前にピンホールを移動させるか、検出器に対して光源を移動させる)、又は仮想の相対変位によって実現することができる。仮想的な相対変位は、例えば、光源からの照明光又は焦点領域から検出器への光のビーム経路におけるミラーの旋回又は別の光学部品の移動によって引き起こされる。
【0017】
本発明による方法を、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリと対物レンズとを含むレーザ走査型顕微鏡で実施する場合、補助検出器の補助検出開口及び/又は補助光源の補助発光開口は、レーザ走査型顕微鏡の中間像面に配置されてもよい。この場合、それぞれの中間像面の領域において、レーザ走査型顕微鏡の対物レンズを通して照明光で対象物を走査する際に利用される領域の外側に配置されてもよい。あるいは、補助検出器の補助検出開口及び/又は補助光源の補助発光開口は、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリと対物レンズとからなるレーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路からの分岐部に配置してもよく、この分岐部も原則としてレーザ走査型顕微鏡で検査する対象物につながらない。この分岐部は、具体的には、レーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路にあるビームスプリッタ、主ビーム経路に静止して、又は静止せずに配置される偏向ミラー、又はスキャナの回転ミラーで分岐させることができる。レーザ顕微鏡のスキャナは、3つ又は4つの回転ミラーを有し、2つの回転ミラーが横方向の走査の一方又は両方に割り当てられている。この回転ミラーは、走査方向ごとに1つずつ使用し、基本的に、スキャナを補助検出開口及び/また補助発光開口と位置合わせすることができる。それぞれの他方のミラーを用いて、それぞれの補助検出器の補助検出開口又は検出器の検出開口を走査することができる。しかし、走査方向ごとに回転ミラーが1つしかないスキャナの多くを使用して、レーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路から分岐して補助検出器の補助検出開口を走査し、主ビーム経路の補助光源からの補助光で検出器の検出開口を走査することも可能である。したがって、適切なスキャナが利用可能であるとき、最も単純な場合、補助光源としても補助検出器としても使用できる光電部品があれば、本発明による方法を実施するのに十分である。
【0018】
また、レーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路から分岐して、焦点面内の焦点領域に照明光を集光する光学系の少なくとも一部を配置することも可能である。この文脈では、本発明による方法において、補助検出器の補助検出開口と補助光源の補助発光開口が焦点面内で同心に配置されている場合、これは補助光源と補助検出器とを実質的に同じ焦点面内に配置しなければならないことを必ずしも意味しないことに注意する必要がある。むしろ、補助光源及び/又は補助検出器は、焦点面に配置することも可能であるが、それは、補助検出開口及び/又は補助発光開口がそこに画像化されることによってである。さらに、補助検出開口及び/又は補助発光開口が配置される焦点面は、照明光が光源から対物レンズを通過して検査対象物に到達し、照明光によって引き起こされる光が検査対象物から対物レンズを通過して検出器に到達するレーザ走査型顕微鏡の中間像面と同一である必要はない。むしろ、補助検出開口及び/又は補助発光開口が配置される焦点面は、レーザ走査型顕微鏡の任意の中間像面に対してオフセット及び/又は傾斜していてもよい。本発明による方法の第一の実施形態では、補助検出器によって登録された照明光の第一の強度分布をスキャナの異なる位置にわたって捕捉するために、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口は、スキャナを調整することによって、照明光の焦点領域で走査される。さらに、焦点面の補助検出開口と同心に配置された補助光源の補助発光開口を通って出射する補助光源からの補助光でスキャナを調整することによって、検出器の検出開口を走査して、スキャナの位置の全体にわたって検出器によって登録された補助光の第二の強度分布を捕捉する。
【0019】
本発明による方法の第一の実施形態では、焦点面における補助検出開口及び補助発光開口は、同心であるだけでなく、合同でもあり得る。一致は、例えば、補助光源及び補助検出器と同じ光電部品を使用することによってもたらすことができる。具体的には、この光電部品は、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、レーザダイオード、又はフォトダイオードであってもよい。これらの光電部品が、一方では光源として、他方では光の検出器として使用できるように制御又は接続できるということは、原則として当業者に知られている。
【0020】
本発明による方法の第一の実施形態において、補助検出開口及び補助発光開口は、焦点面に配置されたライトガイドの端部断面を用いて形成することも可能である。このライトガイドは、原理的には、補助光源と補助検出器の両方に使用される光電部品にもつながる。しかしながら、ライトガイドは、フリービームスプリッタ、ファイバビームスプリッタ、サーキュレータなどを介して補助光源と補助検出器に分岐することも可能である。この場合、補助光源と補助検出器に別々の光電部品を問題なく使用することができる。サーキュレータを使用する場合、端部断面を介してライトガイドに入る照明光の一部のみが補助検出器に到達したり、補助光源からの補助光の一部のみが端部断面を介してライトガイドから出射したりすることは、追加的な努力なしに回避される。
【0021】
本発明による方法の第二の実施形態では、補助検出器によって登録された照明光の第一の強度分布をスキャナの異なる位置にわたって捕捉するために、照明光の焦点領域でスキャナを調整することによって、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を第一の実施形態と同様に走査する。しかしながら、第一の実施形態から逸脱して、検出開口と同心に配置された独立補助光源の補助発光開口から出射する補助光でスキャナを調整して、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を走査し、スキャナの位置の全体にわたって補助検出器が登録した補助光の第二の強度分布を捕捉するようにする。したがって、本発明による方法の第二の実施形態では、検出ビーム経路は、焦点面から検出器によって通常検出される光の方向と反対である方向に補助光によって照射される。それにもかかわらず、第二の強度分布は、また、(補助光源の発光補助開口を同心に配置した形態での)検出器の検出開口の配置を、(補助検出器の形態の)補助装置に対して、焦点面内で表すものである。
【0022】
本発明による方法の第三の実施形態では、第一の実施形態とは対照的に、焦点面に配置された補助光源の補助発光開口から出射する補助光で、スキャナを調整して、光源の発光開口と同心に配置された独立補助検出器の補助検出開口を走査し、スキャナの異なる位置にわたって補助検出器によって登録された照明光の第一の強度分布を捕捉する。一方、第一の実施形態と同様に、焦点面に配置された補助光源の補助発光開口から出射する補助光でスキャナを調整することによって、検出器の検出開口を走査し、スキャナの位置の全体にわたって検出器によって登録された補助光の第二の強度分布を捕捉する。ここでは、第一の強度分布は、(補助光検出器の補助検出開口の配置を同心に配置した形態での)光源の発光開口の配置を、(補助光源の形態である)補助装置に対して、焦点面内で表すものである。
【0023】
原則として、本発明による方法の第四の実施形態も可能であり、この場合、第一の実施形態から逸脱して、焦点面に配置された補助光源の補助発光開口から出射する照明光で、スキャナを調整することによって、光源の発光開口に同心に配置された独立補助検出器の補助検出開口を走査し、スキャナの異なる位置にわたって補助検出器に登録された照明光の第一の強度分布を捕捉し、同じく第一の実施形態から逸脱して、検出開口と同心に配置された独立補助光源の補助発光開口から出射する補助光で、スキャナを調整することによって、焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を走査し、スキャナの位置の全体にわたって補助検出器に登録された補助光の第二の強度分布を捕捉する。
【0024】
本発明による方法の第一の実施形態を実施するために、補助検出器及び補助光源を備えた装置を使用することができ、この装置は、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリのための標準化された接続部、又は走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ及び対物レンズを有するレーザ走査型顕微鏡のためのそのような標準化された接続部が、そのような合致する相手側接続部を有し、相手側接続部が走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリの焦点面で接続部に接続され、補助検出器の補助検出開口及び補助光源の補助発光開口は、その位置が相手側接続部に対して固定されて、配置される。この装置は、標準化された接続部により、それぞれの顕微鏡アセンブリ又はレーザ顕微鏡に接続され、顕微鏡アセンブリや、必要であれば、レーザ顕微鏡全体の共焦点性を確認することができる。
【0025】
極端な場合、本発明による装置は、相手側接続部と、その相対位置に固定配置され、補助検出器としても補助光源としても使用できる光電部品、及びこの部品を一方では補助検出器として、他方では補助光源として制御するための関連回路のみから構成されている。
【0026】
本発明による方法のすべての実施形態を実施する場合、補助検出器及び補助光源は、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリに統合することができる。本発明による方法を実施するための本発明による対応する走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、照明光を提供する光源であって、照明光が光源の発光開口から出射する、光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出し、焦点領域と共焦点に配置されるように検出開口を有する検出器と、光源と、一方では検出器との間、他方では焦点面との間にあるスキャナと、焦点面に、補助検出開口を有する補助検出器及び/又は補助光が出射する補助発光開口を有する補助光源と、を備える。この場合、補助検出器と補助光源とが焦点面に配置されると、補助検出開口と補助発光開口は同心に配置される。スキャナを調整することにより、焦点面内の補助検出器の補助検出開口を照明光の焦点領域で走査したり、光源の発光開口と同心の独立補助検出器の補助検出開口を焦点面内の補助光源の補助発光開口から出射する補助光で走査したりすることができる。さらに、スキャナを調整することにより、補助光源の補助発光開口から焦点面に出射する補助光で検出器の検出開口を走査したり、検出開口と同心に配置された独立補助光源の補助発光開口から出射する補助光で焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を走査したりすることができる。
【0027】
好ましくは、本発明による顕微鏡アセンブリは確認装置を備え、その確認装置は、スキャナを調整して、焦点面にある補助検出器の補助検出開口を、照明光の焦点領域で走査するか、光源の発光開口と同心に配置された独立補助検出器の補助検出開口を、焦点面にある補助光源からの補助光で走査し、補助検出器により登録された照明光又は独立補助検出器により登録された補助光の第一の強度分布を、スキャナを異なる位置にわたって捕捉するように設計され、スキャナを調整して、検出器の検出開口を、焦点面にある補助光源からの補助光で走査するか、又は焦点面に配置された補助検出器の補助検出開口を、検出器の検出開口と同心に配置された独立補助光源の補助発光開口から出射する補助光で走査し、検出器により登録された補助光又は補助検出器により登録された補助光の第二の強度分布を、スキャナを異なる位置にわたって捕捉するように設計され、スキャナの異なる位置にわたる第一の強度分布と第二の強度分布との間の少なくとも1つの差が、共焦点誤差の指標として捕捉される。
【0028】
本発明による方法の第一の実施形態を実施するための本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリにおいて、照明光を提供する光源と、照明光を焦点面の焦点領域に集光させる光学系と、焦点領域からの光を検出する検出器であって、焦点領域と共焦点に配置される検出開口を有する、前記検出器と、光源と、一方で検出器の間に、他方で焦点面との間にあるスキャナと、を備え、照明光を、スキャナを介して導くことができる補助検出器の補助検出開口と、補助光源から出射する補助光を、スキャナを介して検出器の検出開口へ導くことができる補助光源の補助発光開口とは 焦点面内に同心に配置されており、照明光の焦点距離でスキャナを調整することで補助検出開口を走査し、補助光源からの補助光でスキャナを調整することで検出器の検出開口を走査できる。このために、スキャナは、一方では光源と検出器の間に配置され、したがって、それらはスキャナの側に位置し、他方では補助検出器と補助光源との間に配置され、したがって、スキャナの反対側に位置するようにする。繰り返しになるが、この配置は、本発明による方法に関連して既に上で説明したように、そうでなければ、現実であっても仮想であってもよいことに留意する必要がある。
【0029】
本発明による方法の第二の実施形態を実施するための本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、照明光を提供する光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出する検出器であって、焦点領域に対して共焦点に配置される検出開口を有する検出器と、光源と、一方で検出器との間に、他方で焦点面との間に設けられるスキャナと、スキャナを介して照明光を導くことができる補助検出器と、を備える。補助検出器の補助検出開口は焦点面に配置され、補助光を提供する独立補助光源の補助発光開口は、検出器の検出開口に対して同心に配置されている。一方では照明光の焦点距離で、他方では補助光源の補助発光開口から出射する補助光でスキャナを調整することによって補助検出器の補助検出開口を走査できる。
【0030】
本発明による方法の第三の実施形態を実施するための本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、照明光を提供する光源であって、照明光が光源の発光開口から出射する、光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出し、焦点領域と共焦点に配置されるように検出開口を有する検出器と、光源と、一方では検出器との間、他方では焦点面との間にあるスキャナと、スキャナを介して検出器に導くことができる補助光を提供する補助光源と、を備える。補助光が出射する補助光源の補助発光開口は焦点面に配置され、独立補助検出器の補助検出開口は、光源の出射開口と同心に配置され、その結果、補助光源からの補助光でスキャナを調整して、一方では独立補助検出器の補助検出開口を、他方では検出器の検出開口を走査できる。
【0031】
本発明による方法の第四の実施形態を実施するための本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリは、照明光を提供する光源であって、照明光が光源の発光開口から出射する、光源と、照明光を焦点面内の焦点領域に集光する光学系と、焦点領域からの光を検出し、焦点領域と共焦点に配置されるように検出開口を有する検出器と、光源と、一方では検出器との間、他方では焦点面との間にあるスキャナと、スキャナを介して照明光を導くことができる補助検出器と、スキャナを介して検出器に導くことができる補助光を提供する補助光源と、を備える。この場合、補助検出器の補助検出開口と補助光源の補助発光開口は、このように焦点面内で同心に配置され、補助光を供給する独立補助光源の補助発光開口は、このように検出器の検出開口と同心に配置され、独立補助検出器の補助検出開口は、このように光源の発光開口と同心に配置されており、補助光源の補助発光開口から出射する補助光でスキャナを調整することにより補助検出器の補助検出開口を走査し、補助光源からの補助光でスキャナを調整することにより独立補助検出器の補助検出開口を走査することができる。本発明による顕微鏡アセンブリの好ましい実施形態は、本発明による方法と関連して既に説明した通りである。
【0032】
対物レンズ及び本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリを有する本発明によるレーザ走査型顕微鏡において、補助検出器の補助検出開口及び/又は補助光源の補助発光開口は、レーザ走査型顕微鏡の中間像面又はレーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路からの分岐部に配置されても良い。この分岐部は、オプションとして、レーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路のビームスプリッタ、偏向ミラー、スキャナの回転ミラーで分岐させることができる。代替又は追加として、焦点面において照明光を焦点領域に集光する光学系の少なくとも一部を分岐部に配置することができる。
【0033】
本発明による走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ及びレーザ走査型顕微鏡の任意の実施形態において、検出器の検出開口は、検出器の前面に、すなわちその感光領域に配置されたピンホールによって制限することができる。
【0034】
本発明の走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ及びレーザ走査型顕微鏡の任意の実施形態において、検出器は、点検出器であってもよいし、アレイ検出器であってもよい。この点、アレイ検出器は、2x2~10x10の小さな受光素子アレイを有していてもよいし、例えば13個の受光素子を六角形のグリッド上に配置して、焦点面の焦点領域から検出器に結像した光のエアリーディスクを空間的に分解された方法で登録する。検出器によって登録された補助光の第二の強度分布は、アレイ検出器の場合、スキャナの位置にわたって、その個々の要素の全部又は一部によって登録された個々の強度分布の合計であってもよく、あるいはこれらの個々の強度分布のうちの選択された単一のもののみであってもよい。また、個々の強度分布の差から、焦点面における補助光源の補助発光開口に対するアレイ検出器の個々の素子の相対位置を求めることも可能である。
【0035】
原則として、各補助検出器は、点検出器だけでなく、アレイ検出器であってもよい。
【0036】
本発明の有利なさらなる実施形態は、特許請求の範囲、明細書及び図面から得られる。本明細書で言及した特徴及び複数の特徴の組み合わせの利点は、単に例示的なものであり、代替的又は累積的な効果を有することができ、その利点が必ずしも本発明による実施形態によって達成されなければならないわけではない。添付の特許請求の範囲の主題を変更することなく、当初の出願明細書及び特許請求の範囲の開示内容に関して、以下のことが当てはまる。さらなる特徴は、図面、特に、示された幾何学的形状と複数の部品の互いに対する相対寸法とそれらの相対配置及び操作上の接続とから理解されるべきである。本発明の異なる実施形態の特徴又は異なる特許請求の範囲の特徴の組み合わせは、特許請求の範囲の選択された背後関係から逸脱しても、可能であり、ここに提案する。これは、別の図面に示されている、又はその説明で言及されている特徴にも適用される。また、これらの特徴は、異なる特許請求の範囲の特徴と組み合わせてもよい。同様に、特許請求の範囲に記載された特徴は、本発明のさらなる実施形態のために省略することができる。
【0037】
特許請求の範囲及び明細書に記載された特徴は、副詞「少なくとも」の明示的な使用を必要とせず、まさに、この数又は記載された数よりも多い数が存在するように、その数に関して理解される。したがって、例えば、1つの偏向ミラーと記載されている場合、これは、正確に1つの偏向ミラー、2つの偏向ミラー、又はより多くの偏向ミラーが存在することを意味すると理解されるものとする。特許請求の範囲に記載された特徴は、他の特徴によって補完されてもよいし、それぞれの方法又はそれぞれの製品が有する唯一の特徴であってもよい。
【0038】
特許請求の範囲に含まれる参照符号は、特許請求の範囲によって保護される対象の範囲を限定するものではない。参照符号は、特許請求の範囲を理解しやすくする目的に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明は、図面に示される好ましい例示的な実施形態を参照して、以下でさらに記述され、説明される。
【0040】
図1】本発明による方法のいくつかの実施形態のステップを実行するときの、本発明による顕微鏡アセンブリの第一の実施形態を備えた本発明によるレーザ走査型顕微鏡を示す。
図2】本発明による方法のいくつかの実施形態のさらなるステップを実行するときの、図1による本発明によるレーザ走査型顕微鏡を示す。
図3】本発明によるレーザ走査型顕微鏡のさらなる実施形態を、本発明による顕微鏡アセンブリの第二の実施形態とともに示す。
図4】本発明による装置を取り付けた走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリを示す。
図5】本発明によるレーザ走査型顕微鏡のさらなる実施形態を、本発明による顕微鏡アセンブリの第三の実施形態とともに示す。
図6】本発明による顕微鏡アセンブリの第四の実施形態の詳細を示す。
図7】本発明による顕微鏡アセンブリ及び本発明による装置の様々な実施形態において、補助検出器としても補助光源としても使用することができる発光ダイオードを駆動するための回路図である。
図8】本発明による方法の第一の実施形態を、それに適合する本発明による顕微鏡アセンブリ上で示すが、模式的に示したに過ぎない。
図9】本発明による方法の第二の実施形態を、それに適合する本発明による顕微鏡アセンブリ上で示すが、模式的に示したに過ぎない。
図10】本発明による方法の第三の実施形態を、それに適合する本発明による顕微鏡アセンブリ上で示すが、模式的に示したに過ぎない。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1に概略的に示されているレーザ走査型顕微鏡1は、対物レンズ2と顕微鏡アセンブリ3とを含み、それらの構成要素は破線で囲まれている。顕微鏡アセンブリ3は、照明光を提供するために、特にレーザ5の形態の光源4を含む。しかしながら、図1に示す本発明による方法のステップでは、光源4は作動しておらず、照明光を提供していない。さらに、顕微鏡アセンブリ3は、焦点面6の焦点領域7に照明光を集光する光学系を含む。図1では、焦点面6は破線で描かれ、焦点面6の焦点領域7は点で描かれている。集束光学系の構成要素は示されていない。さらに、顕微鏡アセンブリ3は、焦点領域7からの光9のための検出器8を含む。実際の検出器8の前に、すなわち、その感光領域に、ピンホール10がある。ピンホール10の開口部は、顕微鏡アセンブリ3が正しく調整されたときに焦点領域7に共焦点的に配置される検出器8の検出開口11を規定する。光源4と、一方ではピンホール10を有する検出器8との間、他方では焦点面6との間には、図1に模式的にのみ示す顕微鏡アセンブリ3のスキャナ12が配置されている。スキャナは、光源4からの照明光で対物レンズ2の前に配置されたサンプル15を走査するためにスキャナが提供される各横方向に対して少なくとも1つの傾斜ミラー13、14を備える。しかしながら、スキャナ12は、サンプル15を走査するためだけでなく、サンプル15内の照明光によって引き起こされる光9を脱走査するためにも使用され、この光は、検出器8によって選択的に捕捉される。それは、顕微鏡アセンブリ3の正確な共焦点であること、すなわち、サンプル15に集束された照明光の焦点領域7と、検出器8の検出開口11のサンプル15への開口部の像とが正確に一致することが重要である。本発明による方法では、この共焦点性は、図1に示される焦点面6で確認される。この焦点面6は、ここでは、レーザ走査型顕微鏡の主ビーム経路17からの分岐部16にある。分岐部16は、ビームスプリッタ18で主ビーム経路17から分岐する。光電部品19は、分岐部16に配置され、図1に示される本発明による方法のステップにおいて補助光源20として使用される。補助光源20は、焦点面6に補助発光開口21を有している。図1によるステップでは、スキャナ12を調整することにより、検出器8の検出開口11は、焦点面6の補助発光開口21を通って現れる補助光源20からの補助光22で走査される。これにより、検出器8によって登録された補助光22の強度分布が、スキャナ12の異なる位置にわたって捕捉され、すなわち、スキャナ12のこれらの異なる位置に割り当てられる。換言すれば、検出器8の検出開口11のスキャン画像が補助光源20を用いて記録される。
【0042】
図2に示す本発明の方法のステップでは、光源4が作動して、照明光23を提供し、光電部品19が補助検出器24として使用される。次に、焦点面6にあり、図1による補助発光開口21と同心に配置された補助検出器24の補助検出開口25を照明光23で走査し、それによって、補助検出器24で記録された照明光23の更なる強度分布をスキャナ12の異なる位置にわたって捕捉する。このステップでは、焦点面6内の補助検出器24の補助検出開口25の走査画像が記録される。この場合、ピンホール10の開口部が、照明光23が集束される焦点面6の焦点領域7に対して正確に共焦点的に配置されるとき、図1に従って記録された検出器8の検出開口11の走査画像と、図2に従って記録された補助検出開口25の走査画像とは、スキャナ12の関連する位置に関して同心となる。2つの走査画像の同心性は、特に、2つの強度分布及び/又はそれらの焦点の最大値が一致することを意味する。最大値又は焦点間の位置の検出可能な差は、顕微鏡アセンブリ3の共焦点誤差を示し、これは、顕微鏡アセンブリ3を正しく調整するために、検出器8又はその検出開口11に対する光源4の現実又は仮想の相対変位によって補償されなければならない。仮想的な相対変位は、例えば、スキャナ12の対物レンズ2から遠ざかる側のビームスプリッタ26を傾けることにより、光源4からの照明光23と検出器8への光9のビーム経路を合流又は分離させることにより生じさせることができる。
【0043】
本発明によるレーザ走査型顕微鏡1を図3に再現すると、照明光を焦点面6内の焦点領域7に集光する光学系27が示されている。この光学系27は、走査レンズ28として知られているものを含む。別の光学系29は、検出器8によって検出される脱走査光9をピンホール10の開口部に、すなわち、検出器8の検出開口11に集束させる。さらに別の光学系30は、光電部品19を焦点面6に結像し、補助検出開口25及び補助発光開口21を焦点面6に仮想的に配置するためのものである。あるいは、光学系30は光学系27の一部と見なすことができ、したがって、図3に描かれた焦点面6は中間焦点面として、そこに描かれた光電部品19が配置されたさらなる焦点面31を、次に補助光源20の補助発光開口21が補助検出器24の補助検出開口25と実質上同心に配置される焦点面としてみなすことができる。非常に一般的に、光学系27は、光源4と、一方ではピンホール10を備えた検出器8との間に、他方では光電部品19が配置された焦点面6との間に、1つ以上の中間焦点面を有していてもよい。図3に示す分岐部16における焦点面6は、走査型顕微鏡1の主ビーム経路17における中間像面32に対応する。この主ビーム経路17において、中間像面32と対物レンズ2との間には、チューブレンズ33が配置されている。最後に、図1及び図2によるビームスプリッタ18の代わりに、図3は、焦点面6に向かって分岐部16をアクティブにするために、本発明による方法を実施するための主ビーム経路17に一時的に導入される偏向ミラー34を示す。
【0044】
確認装置61は、図3に示されており、図1及び図2を参照して説明した本発明による方法のステップを、図3に示す本発明のレーザ走査型顕微鏡1の実施形態と基本的に同じ方法で自動的に実行し、このために、光電部品19、光源4及び別途図示しないビームスプリッタ26用の制御駆動装置を制御し、補助検出器24として動作する検出器8及び光電部品19によって登録された補助光22又は照明光23の強度で読み取るものである。確認装置61は、本発明による全ての顕微鏡アセンブリ3に対して設けてもよく、また、以下の図4を参照して説明するように、先行技術の顕微鏡アセンブリを本発明によるプロセスを実行するために本発明による装置と一時的に結合させる場合にも設けることができる。
【0045】
図4は、完全なレーザ走査型顕微鏡を示すものではなく、そのようなレーザ走査型顕微鏡のための走査及び脱走査アセンブリ60のみを示すものである。この図4による顕微鏡アセンブリ60は、このように技術水準に対応するものである。図1図3とは異なり、スキャナ12は、合計4つの回転ミラー13、14を有し、そのうち2つの回転ミラー13と2つの回転ミラー14は、スキャナ12の2つの偏向方向のそれぞれに割り当てられている。光学系27の走査レンズ28は、スキャナ12の光源4と検出器8とに面する側に配置されている。光源4及び検出器8とは反対側を向いているスキャナ12の側では、接続部36は、顕微鏡アセンブリ60のハウジング35又は別の支持構造上に形成され、対応する接続部の反対側の顕微鏡アセンブリ60の周り、特に、光学顕微鏡とレンズ2とのカメラ接続部は、図1図3に従って、対物レンズ2を位置合わせして支持する。本発明による装置37は、光学系27が照明光23を集光する焦点面6にライトガイド40の端部断面39を配置するように、接続部36に相手側接続部38を合致させて取り付けられている。しかしながら、図4によれば、ライトガイド40は、光ファイバサーキュレータ41を介して、補助検出器24として機能するフォトダイオード42につながる。レーザダイオード43は、同じサーキュレータ41を介して、補助光源20としてライトガイド40に接続される。サーキュレータ41は、ライトガイド40の端部断面39に入る照明光23を補助検出器24のみに導き、補助光22を補助光源20からライトガイド40の端部断面39のみに誘導する。ライトガイド40の端部断面39は、焦点面6において補助検出開口25及び補助発光開口21を形成する。図4によれば、この焦点面6は、主ビーム経路17に位置する。本発明による方法は、装置37を使用して、照明光23が焦点面6において集光される焦点領域7に対するピンホール10の開口部のダイヤフラムの共焦点配置に関して顕微鏡アセンブリ60を確認し、また共焦点誤差を決定し、次に光源4に対してピンホール10を変位させてそれらを補正するために、実行することができる。
【0046】
図4に示すように、補助検出器24が補助光源20とは別の部品である場合、図1及び図2で説明した本発明による手順の2つのステップを同時に行うこともでき、それによって、2つの強度分布(その差は顕微鏡アセンブリ60の共焦点誤差を示す)が検出器8と補助検出器24とで同時に記録される。そして、2つの強度分布は、スキャナ12の同じ位置に自動的に割り当てられる。
【0047】
図5に示すような本発明によるレーザ走査型顕微鏡1の実施形態において、顕微鏡アセンブリ3は、基本的には図4に示すものと同じである。しかしながら、補助光源20及び補助検出器24として使用する光電部品19を集積した本発明による顕微鏡アセンブリである。しかし、図1図3とは異なり、分岐部16に配置された補助検出器24に照明光23を偏向させたり、補助光源20からの補助光22を検出器8に導くために、主ビーム経路17には追加のビームスプリッタ18や偏向ミラー34は配置されておらず、ここではそのロータリードライブ44と共に示されている4つの回転ミラー13,14のうちの1つがこの目的のために使用されている。そして、他の回転ミラー13,14を用いて、補助検出器24の補助検出開口25と検出器8の検出開口11をそれぞれ走査することができる。光電部品19は、顕微鏡アセンブリ3の他の構成要素に対して、補助検出開口25及び補助発光開口21が焦点面6内にあり、かつ、スキャナ12を介して照明光23が光電部品19に到達可能な固定位置にある。
【0048】
図6に示す本発明による別の顕微鏡アセンブリの詳細では、分岐部16は、集光光学系27の走査レンズ28のエッジ領域45で分岐している。このエッジ領域45を通過した照明光23は、エッジミラー47の形態の偏向ミラー46によって光電部品19に向かって偏向され、集光光学系27のさらなるレンズ48を通過して、焦点面6に集光される。このようにして、補助光源20と補助検出器24の両方を形成する光電部品19の非常にコンパクトな配置が、顕微鏡アセンブリ3において実現される。さらに、図6は、補助発光開口21及び補助検出開口25が、補助光源20及び補助検出器24、すなわちここでは光電部品19によってのみならず、特に焦点面16に配置された追加のピンホール62によっても予め決定することができることを説明するものである。ピンホール62の開口部が、補助光源20の発光面又は補助検出器24の感光面よりも小さい場合、それは、補助発光開口21及び補助検出開口25を規定する。
【0049】
図7は、光電部品19として、すなわち、補助光源20としても補助検出器24としても使用するための発光ダイオード50のための可能なドライバ回路49を示す。2つのスイッチ51及び52の図示のスイッチング位置において、発光ダイオード50は、補助検出器24として使用するためにオペアンプ53に接続されている。2つの切り替えスイッチ51及び52が切り替えられると、発光ダイオード50は補助光源として動作し、補助光の強度は2つのトランジスタ54及び55を介して調整可能である。発光ダイオード50の動作モードは、信号入力56を介して選択される。LED50からの補助光の強度は、制御入力57及び58を介して選択され、補助検出器24として発光ダイオード50によって登録された照明光の強度は、信号出力59で出力される。
【0050】
図8は、走査及び脱走査型顕微鏡アセンブリ1の共焦点性を確認するための本発明による方法の第一の実施形態を示し、これは、ここに概略的にのみ示されている。ここでの顕微鏡アセンブリ1は、追加として、検出器8への検出ビーム経路を偏向させるための偏向ミラー64と、光源4とビームスプリッタ26との間の照明ビーム経路にある光学系63をさらに有する。さらに、照明光23が出る光源4の発光開口65が示され、光電部品19には、本発明による方法を実行するために焦点面6に配置される補助装置66のためのさらなる参照符号をさらに提供される。
【0051】
本発明による方法の第一の実施形態は、図1及び図2を参照して説明したようなステップからなる。すなわち、スキャナ12を調整することにより、光源4から出た照明光23で焦点面6内の補助検出器24の補助発光開口25を走査し、同様にスキャナ12を調整することにより、補助光源20の補助発光開口21から出た補助光22で検出器8の検出開口11を走査することができる。このようにしてスキャナ12の位置にわたって記録された、照明ビーム経路用の補助検出器24によって登録された照明光23と、検出ビーム経路用の検出器8によって登録された補助光22の2つの強度分布は、顕微鏡アセンブリ1の共焦点性が与えられると、全く同じ、すなわち、同じ最大値及び/又は焦点を有する。
【0052】
図9に示すような本発明による方法の第二の実施形態では、図2に示すようなステップが実際に実施されるが、すなわち、焦点面6内の補助光源4の補助検出開口25は、スキャナ12を調整することによって、光源4からの照明光23で走査され、照明ビーム経路の向きを捕捉する。しかし、焦点面6において補助検出開口25と同心に配置された補助発光開口21から出射する補助光22で検出器8の検出開口11を走査しても検出光路の向きは捕捉されない。むしろ、検出ビーム経路の透過方向は逆で、検出器8は、補助装置66からの独立補助光源20’に置き換えられ、その補助検出器開口21’は、それ以外の検出器8の検出開口11と同様にピンホール10の開口部で画定される。この補助検出開口21’から出射する補助光22’で、スキャナ12を調整して、焦点面6内の補助検出器24の補助検出開口25を走査する。そして、補助検出器24によって登録された補助光22’の強度分布は、それによって、スキャナの位置を介して含有され、検出ビーム経路の向きを表す第二の強度分布となり、顕微鏡アセンブリ1の共焦点性を確認する際に、照明ビーム経路の向きを表す第一の強度分布と比較される。
【0053】
図9による本発明による方法の第二の実施形態では、焦点面6内の補助装置66は補助検出器24のみであり、独立補助光源20’が検出器8の位置で使用され、図10による本発明による方法の第三の実施形態では、焦点面6内の補助装置66は、補助光源20のみである。補助光源20がその補助発光開口21から出射する補助光22を用いて、図1によるステップでスキャナ12を調整することにより、検出器8の検出開口11は、走査される。さらに、図2による手順から逸脱して、同じ補助光22を用いて、スキャナ12の同じ位置を介して、光源4の位置で、補助装置66からの独立補助検出器24’の補助検出開口25’を走査するようにする。光源4からの独立補助検出器24’の同一位置は、例えば、光源4の発光開口25と補助検出器24’の検出開口25’を、一方は光源4、他方は補助検出器24’にサーキュレータを介して分岐する光ファイバの同一領域によって形成することによって実現することが可能である。図10による第三の実施形態では、顕微鏡アセンブリ1の共焦点性を確認するための、光源4から焦点面6への照明ビーム経路の透過方向が逆になっている。しかしながら、独立補助検出器24’で登録された補助光22で、このように捕捉された第一の強度分布は、照明ビーム経路について図2に従って登録された第一の強度分布に対応し、顕微鏡アセンブリ1の共焦点性を確認するために、検出ビーム経路について捕捉された第二の強度分布と、同じように比較することもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 レーザ走査型顕微鏡
2 対物レンズ
3 顕微鏡アセンブリ
4 光源
5 レーザ
6 焦点面
7 焦点領域
8 検出器
9 光
10 ピンホール
11 検出器8の検出開口
12 スキャナ
13 回転ミラー
14 回転ミラー
15 サンプル
16 分岐部
17 主ビーム経路
18 ビームスプリッタ
19 光電部品
20 補助光源
20’ 独立補助光源
21 補助光源20の補助発光開口
21’ 独立補助光源20’の補助発光開口
22 補助光
23 照明光
24 補助検出器
24’ 独立補助検出器
25 補助検出器24の補助検出開口
25’ 独立補助検出器24’の補助検出開口
26 ビームスプリッタ
27 集束光学系
28 走査レンズ
29 さらなる光学系
30 さらなる光学系
31 焦点面
32 中間画像レベル
33 チューブレンズ
34 偏向ミラー
35 ハウジング
36 接続部
37 装置
38 相手側接続部
39 端部断面
40 ライトガイド
41 サーキュレータ
42 フォトダイオード
43 レーザダイオード
44 ロータリードライブ
45 エッジ領域
46 偏向ミラー
47 エッジミラー
48 レンズ
49 ドライバ回路
50 LED
51 スイッチ
52 スイッチ
53 オペアンプ
54 トランジスタ
55 トランジスタ
56 信号入力
57 制御入力
58 制御入力
59 信号出力
60 顕微鏡アセンブリ
61 確認装置
62 ピンホール
63 さらなる光学系
64 ミラー
65 光源4の発光開口
66 補助装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10