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特許7168811アレイアンテナモジュール及びアレイアンテナ評価装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】アレイアンテナモジュール及びアレイアンテナ評価装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/06 20060101AFI20221101BHJP
   G01R 29/10 20060101ALI20221101BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H01Q21/06
G01R29/10 A
H05K13/04 M
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022094263
(22)【出願日】2022-06-10
【審査請求日】2022-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】藤乘 優治郎
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/186226(WO,A1)
【文献】特開2002-243412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/06
G01R 29/10
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ基板と、
前記アンテナ基板にアレイ状に形成された複数のアンテナ素子と、を備え、
前記アンテナ基板の外縁部には、前記複数のアンテナ素子の中心位置を指し示す複数のマークが形成されている、
アレイアンテナモジュール。
【請求項2】
前記アンテナ基板の外縁は、平面視で四角形状を有し、
前記複数のマークは、前記アンテナ基板の外縁の4つの辺に対応して4つ形成され、
前記アンテナ基板の外縁の2組の対辺に位置するマーク同士を結んだ2本の線が、前記複数のアンテナ素子の中心位置で交差する、
請求項1に記載のアレイアンテナモジュール。
【請求項3】
前記2本の線がそれぞれ前記複数のアンテナ素子が並ぶ行方向及び列方向に延びる、
請求項2に記載のアレイアンテナモジュール。
【請求項4】
前記アンテナ基板は、導体層と誘電体層の積層構造を有し、
前記マークは、前記誘電体層に形成された前記導体層であり、外部に露出している、
請求項1に記載のアレイアンテナモジュール。
【請求項5】
前記アンテナ基板が取り付けられたベース基板を備え、
前記ベース基板には、前記複数のマークに連続する複数の連続マークが形成されている、
請求項1に記載のアレイアンテナモジュール。
【請求項6】
複数の前記アンテナ基板が互いに隣接した状態で取り付けられたベース基板を備え、
前記ベース基板には、複数の前記アンテナ基板全体の中心位置を指し示す複数のベースマークが形成されている、
請求項1に記載のアレイアンテナモジュール。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のアレイアンテナモジュールと、
前記アレイアンテナモジュールに対向して配置される基準アンテナを備える、
アレイアンテナ評価装置。
【請求項8】
前記複数のアンテナ素子が形成された前記アンテナ基板の表面を、前記基準アンテナに対して相対的に傾ける傾動装置を備える、
請求項7に記載のアレイアンテナ評価装置。
【請求項9】
前記複数のアンテナ素子の中心位置にレーザーを照射するレーザー照射装置を備える、請求項7に記載のアレイアンテナ評価装置。
【請求項10】
前記レーザーの幅は、前記マークの幅と等しい、
請求項9に記載のアレイアンテナ評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイアンテナモジュール及びアレイアンテナ評価装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレイアンテナモジュールとして、下記特許文献1には、4×4個の放射素子(アンテナ素子)を備えた多層構造のモジュール(アンテナ基板)を、基板(ベース基板)となる分配層の同一平面上に3×3個配置することで、12×12個の放射素子を備えたフェーズドアレイアンテナを構成するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-7628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アレイアンテナの性能を評価する場合、ホーンアンテナ等の基準アンテナ(受信アンテナ)に対して、アレイアンテナを傾けてビームパターンを測定することがある。このような場合、基準アンテナの中心位置に対してアレイアンテナとの中心位置がずれていると、正確なビームパターンが得られないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものでありアレイアンテナの中心位置の特定を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るアレイアンテナモジュールは、アンテナ基板と、前記アンテナ基板にアレイ状に形成された複数のアンテナ素子と、を備え、前記アンテナ基板の外縁部には、前記複数のアンテナ素子の中心位置を指し示す複数のマークが形成されている。
この構成によれば、アンテナ基板の外縁部に形成された複数のマークから、複数のアンテナ素子の中心位置を特定できる。これにより、アレイアンテナモジュールのビームパターンを正確に測定することができる。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様のアレイアンテナモジュールにおいて、前記アンテナ基板の外縁は、平面視で四角形状を有し、前記複数のマークは、前記アンテナ基板の外縁の4つの辺に対応して4つ形成され、前記アンテナ基板の外縁の2組の対辺に位置するマーク同士を結んだ2本の線が、前記複数のアンテナ素子の中心位置で交差してもよい。
【0008】
本発明の第3の態様は、第2の態様のアレイアンテナモジュールにおいて、前記2本の線がそれぞれ前記複数のアンテナ素子が並ぶ行方向及び列方向に延びてもよい。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1から第3いずれか1つの態様のアレイアンテナモジュールにおいて、前記アンテナ基板は、導体層と誘電体層の積層構造を有し、前記マークは、前記誘電体層に形成された前記導体層であり、外部に露出していてもよい。
【0010】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか一つのアレイアンテナモジュールにおいて、前記アンテナ基板が取り付けられたベース基板を備え、前記ベース基板には、前記複数のマークに連続する複数の連続マークが形成されていてもよい。
【0011】
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれか一つのアレイアンテナモジュールにおいて、複数の前記アンテナ基板が互いに隣接した状態で取り付けられたベース基板を備え、前記ベース基板には、複数の前記アンテナ基板全体の中心位置を指し示す複数のベースマークが形成されていてもよい。
【0012】
本発明の第7の態様に係るアレイアンテナ評価装置は、第1から第6の態様のいずれか一つのアレイアンテナモジュールと、前記アレイアンテナモジュールに対向して配置される基準アンテナを備える。
この構成によれば、基準アンテナにアレイアンテナモジュールの中心位置を合わせる作業時間が短縮され、評価プロセスの効率を向上できる。
【0013】
本発明の第8の態様は、第7の態様のアレイアンテナ評価装置において、前記複数のアンテナ素子が形成された前記アンテナ基板の表面を、前記基準アンテナに対して相対的に傾ける傾動装置を備えてもよい。
【0014】
本発明の第9の態様は、第7または第8の態様のアレイアンテナ評価装置において、前記複数のアンテナ素子の中心位置にレーザーを照射するレーザー照射装置を備えてもよい。
【0015】
本発明の第10の態様は、第9の態様のアレイアンテナ評価装置において、前記レーザーの幅は、前記マークの幅と等しくてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明の一態様によれば、アレイアンテナモジュールの中心位置の特定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態にかかるアンテナモジュールの平面図である。
図2】第1実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置の構成図である。
図3】第1実施形態にかかるベース基板を含むアレイアンテナモジュールの平面図である。
図4】第1実施形態にかかる取付基板の平面図である。
図5】第1実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置の機能ブロック図である。
図6】比較例にかかるアレイアンテナモジュールのビームパターン(E面)を示すグラフである。
図7】第1実施形態にかかるアレイアンテナモジュールのビームパターン(E面)を示すグラフである。
図8】第2実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置の構成図である。
図9】第3実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置の構成図である。
図10】第3実施形態にかかるベース基板を含むアレイアンテナモジュールの平面図である。
図11】第3実施形態にかかるアレイアンテナモジュールのビームパターン(H面)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるアレイアンテナモジュール1の平面図である。図2は、第1実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置100の構成図である。
図2に示すように、アレイアンテナ評価装置100は、評価対象のアレイアンテナモジュール1と、アレイアンテナモジュール1に対向して配置された基準アンテナ101と、アレイアンテナモジュール1を基準アンテナ101に対して位置合わせする際に、アレイアンテナモジュール1の中心位置CにレーザーLを照射するレーザー照射装置102と、を備えている。
【0020】
アレイアンテナモジュール1は、アンテナ基板10と、アンテナ基板10が取り付けられたベース基板20(本実施形態では評価基板)と、を備えている。以下では、アンテナ基板10の主面の法線方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交しかつ互いに直交する2軸方向をX軸方向、Y軸方向という。図2では、Z軸方向が鉛直方向を向いており、X軸方向、Y軸方向が水平方向を向いている。
【0021】
図1に示すように、アンテナ基板10には、Z軸方向を向く表面10A(主面)に沿ってアレイ状に複数のアンテナ素子13が形成されている。本実施形態では、複数のアンテナ素子13が、X軸方向及びY軸方向に並ぶ4×4の正方格子状に16個配列されている。図1においては、Y軸方向が複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向であり、X軸方向が複数のアンテナ素子13が並ぶ列方向である。
【0022】
なお、アンテナ素子13の個数、配列は一例であってこの構成に限定されない。また、アンテナ素子13は、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ延びる辺を有する方形状に形成されているが、この形状も一例であってこの構成に限定されない。さらに、それぞれのアンテナ素子13に図示しない寄生素子を形成してもよい。これにより、比帯域を増加させることができる。
【0023】
アンテナ基板10は、導体層と誘電体層とがZ軸方向に複数積層された積層構造を有する。アンテナ基板10の表面10Aは、レジスト層11によって形成されている。複数のアンテナ素子13は、レジスト層11を使用したエッチング等で誘電体層上にパターン形成された導体層である。なお、アンテナ基板10の表面10Aは、さらに透明な樹脂層等で覆われていてもよく、この場合、複数のアンテナ素子13は、外部に露出しなくてもよい。
【0024】
複数のアンテナ素子13は、例えば、複数の導体層の1つである、図示しない給電層からの電磁結合によって給電される。ただし、電磁結合による給電に限定されない。ビア等により物理的に接続して給電してもよい。アレイアンテナモジュール1は、フェーズドアレイアンテナであってもよく、複数のアンテナ素子13に、任意の位相差を与えて給電することで、ビーム方向を可変とすることができる。
【0025】
図1に示すように、アンテナ基板10は、Z軸方向から視た平面視で、四角形状を呈している。アンテナ基板10の外縁12は、第1辺12aと、第2辺12bと、第3辺12cと、第4辺12dと、を有する。第1辺12aと第3辺12cは、Y軸方向に対向する対辺である。第2辺12bと第4辺12dは、X軸方向に対向する対辺である。
【0026】
アンテナ基板10の外縁部には、複数のアンテナ素子13の中心位置Cを指し示す複数のマーク14が形成されている。ここで、アンテナ基板10の外縁部とは、外縁12及びその周辺部を含む領域を言う。また、複数のアンテナ素子13の中心位置Cとは、X軸方向の両端に位置するアンテナ素子13の中間位置、且つ、Y軸方向の両端に位置するアンテナ素子13の中間位置を言う。また、複数のアンテナ素子13の中心位置Cとは、複数のアンテナ素子13の形成領域の中心位置(中心座標)とも言う。
【0027】
複数のマーク14は、第1辺12aに形成された第1マーク14aと、第2辺12bに形成された第2マーク14bと、第3辺12cに形成された第3マーク14cと、第4辺12dに形成された第4マーク14dと、を有する。このように、複数のマーク14は、アンテナ基板10の外縁12の4つの辺に対応して4つ形成されている。
【0028】
アンテナ基板10の外縁12の2組の対辺(第1辺12aと第3辺12c、及び、第2辺12bと第4辺12dとの2組)に位置するマーク14同士(第1マーク14aと第3マーク14c、及び、第2マーク14bと第4マーク14dとの2組)を結んだ2本の線は、複数のアンテナ素子13の中心位置Cで交差している。
また、第1マーク14aと第3マーク14cとを結んだ線はY軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向)であり、第2マーク14bと第4マーク14dとを結んだ線はX軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ列方向)である。
【0029】
図2に示すレーザー照射装置102は、アンテナ基板10に向かって十字に交差したレーザーLを照射する。このレーザーLに対して、アンテナ基板10の4つのマーク14を合わせることで、アンテナ基板10の中心位置Cを特定し、アンテナ基板10(アレイアンテナモジュール1)の基準アンテナ101に対する位置決めをすることができる。また、複数のアンテナ素子13の行方向と列方向を、Y軸方向とX軸方向に一致させることができるため、フェーズドアレイアンテナのビーム方向の測定に好適である。
【0030】
マーク14は、レジスト層11の開口パターンによって形成され、外部に露出した導体層(例えば銅層)である。レーザーLの幅W2は、マーク14の幅W1と等しいとよい。これにより、レーザーLとマーク14を合わせやすくなる。また、マーク14の開口中心位置は、アンテナ基板10の中心位置Cから、±0.5mm以下になるように形成するとよい。具体的には、第1マーク14a及び第3マーク14cの開口中心位置は、アンテナ基板10の中心位置Cから、X方向において±0.5mm以下になるように形成するとよい。また、第2マーク14b及び第4マーク14dの開口中心位置は、アンテナ基板10の中心位置Cから、Y方向において±0.5mm以下になるように形成するとよい。
【0031】
また、マーク14の幅W1は、2mm以下且つ1mm以上であるとよい。マーク14の幅W1が1mmより小さいと視認し難くなる。また、マーク14の幅W1が2mmより大きいと、レーザーLの幅W2に対してマーク14の幅W1が過度に大きくなり、基準アンテナ101の中心とアンテナ基板10の中心位置Cの位置合わせ精度が低下する。また、マーク14の長さDは、1mm以上であるとよい。これにより、マーク14を視認し易くなる。また、マーク14の長さDは、マーク14の幅W1より大きいとよい。
【0032】
図3は、第1実施形態にかかるベース基板20を含むアレイアンテナモジュール1の平面図である。
図3に示すように、ベース基板20の表面20Aには、アンテナ基板10が取り付けられている。このようにベース基板20の中心位置とアンテナ基板10の中心位置Cは、一致していなくてもよいし、一致していてもよい。
【0033】
ベース基板20は、Z軸方向から視た平面視で、四角形状を呈している。ベース基板20の外縁22は、第1辺22aと、第2辺22bと、第3辺22cと、第4辺22dと、を有する。第1辺22aと第3辺22cは、Y軸方向に対向する対辺である。第2辺22bと第4辺22dは、X軸方向に対向する対辺である。ベース基板20の4つの角部には、図2に示す傾動装置130への取付孔23が形成されている。
【0034】
ベース基板20の外縁22には、アンテナ基板10の複数のマーク14に連続する複数の連続マーク24が形成されている。連続マーク24は、マーク14からベース基板20の外縁22まで直線状に延在している。
【0035】
複数の連続マーク24は、第1マーク14aから第1辺22aまで延在する第1マーク24aと、第2マーク14bから第2辺22bまで延在する第2マーク24bと、第3マーク14cから第3辺22cまで延在する第3マーク24cと、第4マーク14dから第4辺22dまで延在する第4マーク24dと、を有する。このように、複数の連続マーク24は、ベース基板20の外縁22の4つの辺に対応して4つ形成されている。
【0036】
ベース基板20の外縁22の2組の対辺(第1辺22aと第3辺22c、及び、第2辺22bと第4辺22dとの2組)に位置する連続マーク24同士(第1マーク24aと第3マーク24c、及び、第2マーク24bと第4マーク24dとの2組)を結んだ2本の線は、複数のアンテナ素子13の中心位置Cで交差している。
また、第1マーク24a及び第3マーク24cはY軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向)であり、第2マーク24b及び第4マーク24dはX軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ列方向)である。
【0037】
連続マーク24は、ベース基板20の表面20Aにシルク印刷により形成されたシルク線である。なお、連続マーク24は、シルク線に限定されるものではなく、アンテナ基板10のマーク14と同様に、開口パターンやその他の印であってもよい。ちなみに、アンテナ基板10のマーク14も、シルク線やその他の印であってもよい。連続マーク24の幅W3も、レーザーLの幅W2(図1参照)と等しいとよい。
【0038】
図2に戻り、アレイアンテナ評価装置100は、基準アンテナ101及びレーザー照射装置102を支持する支持装置120と、アレイアンテナモジュール1を支持する傾動装置130と、アレイアンテナモジュール1のビームパターンを測定する測定装置140(後述する図5参照)と、を備えている。
【0039】
支持装置120は、複数の支柱部121と、複数の支柱部121に支持された天板部122と、複数の支柱部121に沿ってZ軸方向に移動可能な可動板部123と、を備えている。レーザー照射装置102は、天板部122に下向きに取り付けられている。基準アンテナ101は、例えば、ホーンアンテナ等であって、可動板部123に下向きに取り付けられている。
【0040】
可動板部123の中心位置には、開口部123aが形成されている。開口部123aは、レーザー照射装置102とZ軸方向で対向する位置に形成されている。基準アンテナ101は、取付基板110を介して、可動板部123の開口部123aを塞ぐように取り付けられている。
【0041】
可動板部123には、支柱部121をレールとしてスライドするガイド機構124が設けられている。ガイド機構124は、任意の高さで可動板部123を固定する図示しないロック機構を備えている。アレイアンテナモジュール1から基準アンテナ101までの距離は、例えば、0.3m~10mの距離で変更できるとよい。
【0042】
傾動装置130は、レーザー照射装置102と、可動板部123の開口部123aを介してZ軸方向で対向している。傾動装置130は、水平方向(例えばX軸方向)に延びる回転軸O回りに回転可能なアーム装置であり、アレイアンテナモジュール1を支持している。アレイアンテナモジュール1の法線方向がZ軸方向と平行となるとき、すなわちアレイアンテナモジュール1が基準アンテナ101と正対したとき、傾動角度が0deg.となり、アレイアンテナモジュール1は水平となる。
【0043】
上記構成のアレイアンテナ評価装置100に、アレイアンテナモジュール1をセットする場合、以下の手順を踏む。先ず、取付基板110を含む基準アンテナ101を可動板部123から取り外す。次に、レーザー照射装置102から、可動板部123の開口部123aを介して、傾動装置130に向かって十字のレーザーLを照射する。
【0044】
次に、傾動装置130上でアレイアンテナモジュール1を移動させ、アンテナ基板10の4つのマーク14(及びベース基板20の4つの連続マーク24)を十字のレーザーLに合わせる。そして、その状態で、アレイアンテナモジュール1を傾動装置130に固定する。最後に、可動板部123の開口部123aを塞ぐように、取付基板110を含む基準アンテナ101を取り付ける。以上により、アレイアンテナモジュール1の中心位置Cと基準アンテナ101の中心位置を合わせることができる。
【0045】
なお、後述する図4に示すように、基準アンテナ101の取付基板110の裏面110Bに、基準アンテナ側マーク114を形成することで、アレイアンテナモジュール1と基準アンテナ101の位置決め精度をより高めることができる。
【0046】
図4は、第1実施形態にかかる取付基板110の平面図である。
図4に示すように、取付基板110には、基準アンテナ101を取り付ける第1の取付孔115が形成されている。取付基板110の中心位置と基準アンテナ101の中心位置は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0047】
取付基板110は、Z軸方向から視た平面視で、四角形状を呈している。取付基板110の外縁112は、第1辺112aと、第2辺112bと、第3辺112cと、第4辺112dと、を有する。第1辺112aと第3辺112cは、Y軸方向に対向する対辺である。第2辺112bと第4辺112dは、X軸方向に対向する対辺である。取付基板110の4つの角部には、図2に示す可動板部123への第2の取付孔113が形成されている。
【0048】
取付基板110の裏面110Bには、複数の基準アンテナ側マーク114が形成されている。基準アンテナ側マーク114は、基準アンテナ101の中心位置Cで十字に交差し、且つ、取付基板110の外縁112まで直線状に延在している。
【0049】
複数の基準アンテナ側マーク114は、中心位置Cから第1辺112aまで延在する第1マーク114aと、中心位置Cから第2辺112bまで延在する第2マーク114bと、中心位置Cから第3辺112cまで延在する第3マーク114cと、中心位置Cから第4辺112dまで延在する第4マーク114dと、を有する。このように、複数の基準アンテナ側マーク114は、取付基板110の外縁112の4つの辺に対応して4つ形成されている。
また、第1マーク114a及び第3マーク114cはY軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向)であり、第2マーク114b及び第4マーク114dはX軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ列方向)である。
【0050】
基準アンテナ側マーク114は、例えば、取付基板110の裏面110Bにシルク印刷により形成されたシルク線である。なお、基準アンテナ側マーク114も、シルク線に限定されるものではない。基準アンテナ側マーク114の幅W4は、レーザーLの幅W2(図1参照)と等しいとよい。これにより、取付基板110を含む基準アンテナ101の位置決め精度を高めることができる。
【0051】
図5は、第1実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置100の機能ブロック図である。
図5に示すように、アレイアンテナ評価装置100は、アレイアンテナモジュール1のビームパターンを測定する測定装置140を備えている。測定装置140は、PC(パーソナルコンピューター)等の演算装置141と、モータ制御装置142と、電源装置143と、信号生成部144と、信号受信部145と、を備えている。
【0052】
モータ制御装置142は、演算装置141からのコマンド指令に基づき、上述した傾動装置130の動作を制御する。これにより、アレイアンテナモジュール1を基準アンテナ101に対して回転軸O回りに傾動させることができる。電源装置143は、アレイアンテナモジュール1に電力を供給する。
【0053】
信号生成部144及び信号受信部145は、ハブ146を介して演算装置141と接続されている。信号生成部144は、演算装置141からのコマンド指令に基づき、例えば、数十GHzのLO信号を発生する信号発生器151を備えている。信号発生器151は、コネクタ152を介してアレイアンテナモジュール1に接続されている。
【0054】
また、信号生成部144は、演算装置141からのコマンド指令に基づき、例えば、数GHzのIF信号を発生するベクトル信号発生器153を備えている。ベクトル信号発生器153は、コネクタ154を介してアレイアンテナモジュール1に接続されている。アレイアンテナモジュール1は、LO信号、IF信号をミキサで混合してRF信号を生成し、電波を放射させる。
【0055】
信号受信部145は、基準アンテナ101が受信した電波の信号を、適切な信号レベル(例えば数十dB)に減衰させる減衰器を備えている。信号受信部145は、スペクトラムアナライザ162を介してハブ146に接続されている。スペクトラムアナライザ162は、信号受信部145を通過した信号の周波数及び電力または電圧を、ハブ146を介して演算装置141に出力する。
なお、図5に示す構成とは逆に、基準アンテナ101側から評価用の電波を放射し、アレイアンテナモジュール1側で受けた信号を演算装置141で評価しても構わない。
【0056】
図6は、比較例にかかるアレイアンテナモジュール1のビームパターン(E面)を示すグラフである。図7は、第1実施形態にかかるアレイアンテナモジュール1のビームパターン(E面)を示すグラフである。図6及び図7において、横軸はアレイアンテナモジュール1の傾動角度(deg.)、縦軸は送信電力(dBm)である。なお、図6及び図7では、XZ面である電気面(E面)で比較しているが、YZ面である磁気面(H面)で比較してもよい。
【0057】
図6に示す比較例では、基準アンテナ101とアレイアンテナモジュール1の中心位置Cが一致していない場合(中心位置CがY軸方向に5mmずれている場合)を示す。この場合、傾動角度が50deg.と-50deg.におけるビームパターンに対称性が無く、ピーク差d1が大きいことが分かる。一方、図7に示すように、基準アンテナ101とアレイアンテナモジュール1の中心位置Cが一致している場合、傾動角度が50deg.と-50deg.におけるビームパターンに対称性があり、ピーク差d2が小さいことが分かる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係るアレイアンテナモジュール1は、アンテナ基板10と、アンテナ基板10の表面10Aにアレイ状に形成された複数のアンテナ素子13と、を備え、アンテナ基板10の外縁部には、複数のアンテナ素子13の中心位置Cを指し示す複数のマーク14が形成されている。この構成によれば、アンテナ基板10の外縁部に形成された複数のマーク14から、複数のアンテナ素子13の中心位置Cを特定できる。これにより、アレイアンテナモジュール1のビームパターンを正確に測定することができる。
【0059】
また、本実施形態のアレイアンテナモジュール1において、アンテナ基板10の外縁12は、平面視で四角形状を有し、複数のマーク14は、アンテナ基板10の外縁12の4つの辺に対応して4つ形成され、アンテナ基板10の外縁12の2組の対辺に位置するマーク14同士を結んだ2本の線が、複数のアンテナ素子13の中心位置Cで交差している。この構成によれば、複数のアンテナ素子13の中心位置Cを特定し易くなる。
また、2本の線がそれぞれ複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向(Y軸方向)及び列方向(X軸方向)に延びている。これにより、複数のアンテナ素子13の行方向と列方向を、Y軸方向とX軸方向に一致させることができるため、フェーズドアレイアンテナのビーム方向の測定に好適である。
【0060】
また、本実施形態のアレイアンテナモジュール1において、アンテナ基板10は、導体層と誘電体層の積層構造を有し、マーク14は、誘電体層に形成された導体層であり、外部に露出している。この構成によれば、アンテナ基板10の製造過程で、簡単にマーク14を形成することができる。
【0061】
また、本実施形態のアレイアンテナモジュール1において、アンテナ基板10が取り付けられたベース基板20を備え、ベース基板20には、複数のマーク14に連続する複数の連続マーク24が形成されている。この構成によれば、マーク14が延長されて視認し易くなるため、複数のアンテナ素子13の中心位置Cをより特定し易くなる。
【0062】
また、本実施形態のアレイアンテナ評価装置100は、上述したアレイアンテナモジュール1と、アレイアンテナモジュール1に対向して配置される基準アンテナ101を備える。この構成によれば、基準アンテナ101にアレイアンテナモジュール1の中心位置Cを合わせる作業時間が短縮され、評価プロセスの効率を向上できる。
【0063】
また、本実施形態のアレイアンテナ評価装置100において、複数のアンテナ素子13が形成されたアンテナ基板10の表面10Aを、基準アンテナ101に対して相対的に傾ける傾動装置130を備える。この構成によれば、アレイアンテナモジュール1の傾動によるビームパターンの変化を測定できる。
【0064】
また、本実施形態のアレイアンテナ評価装置100において、複数のアンテナ素子13の中心位置CにレーザーLを照射するレーザー照射装置102を備える。この構成によれば、アレイアンテナ評価装置100に据え付けられたレーザー照射装置102によって、アレイアンテナモジュール1のセットが容易になる。
【0065】
また、本実施形態のアレイアンテナ評価装置100において、レーザーLの幅W2は、マーク14の幅W1と等しい。この構成によれば、レーザーLとマーク14を合わせやすくなる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0067】
図8は、第2実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置100Aの構成図である。
図8に示すように、第2実施形態では、アレイアンテナモジュール1が固定で、基準アンテナ101が移動する点で、上記実施形態と異なる。
アレイアンテナ評価装置100Aは、基準アンテナ101を支持する傾動装置120Aと、アレイアンテナモジュール1を支持する支持装置130Aと、を備えている。
【0068】
傾動装置120Aは、一対の側壁部121Aと、一対の側壁部121Aの間に架設されたレール122Aと、レール122Aに沿って移動する可動ブロック123Aと、を備えている。一対の側壁部121Aは、支持装置130Aを挟んで水平方向に対向して配置されている。
【0069】
レール122Aは、一対の側壁部121Aの間に架設され、アレイアンテナモジュール1を通る回転軸O回りに、上方に凸状に湾曲している。可動ブロック123Aは、レール122Aの任意の位置で固定できる図示しないロック機構を備えている。可動ブロック123Aには、下向きに取付基板110を含む基準アンテナ101が取り付けられている。
【0070】
支持装置130Aは、その天板部にアレイアンテナモジュール1を固定している。支持装置130Aの内部には、レーザー照射装置102が上向きに配置されている。
上記構成のアレイアンテナ評価装置100Aにおいて、支持装置130Aの天板部には図示しない開口部が形成され、アレイアンテナモジュール1の裏面(ベース基板20の裏面)に、図4示す基準アンテナ側マーク114と同じようなマークを形成することで、アレイアンテナモジュール1の中心位置Cを容易に特定することができる。なお、可動ブロック123A側にレーザー照射装置102を取り付けて、第1実施形態と同じようにアレイアンテナモジュール1の中心位置Cを特定しても構わない。
【0071】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0072】
図9は、第3実施形態にかかるアレイアンテナ評価装置100Bの構成図である。
図9に示すように、第3実施形態では、アレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101が水平方向で対向している点で、上記実施形態と異なる。
アレイアンテナ評価装置100Bは、基準アンテナ101を支持する支持装置120Bと、アレイアンテナモジュール1Aを支持する支持装置130Bと、を備えている。
【0073】
支持装置120Bは、三脚121Bと、三脚121Bに支持された取付板122Bと、を備えている。取付板122Bには、アレイアンテナモジュール1Aと対向する向きに取付基板110を含む基準アンテナ101が取り付けられている。
【0074】
支持装置130Bは、三脚131Bと、三脚131Bに支持された取付板132Bと、を備えている。取付板132Bには、基準アンテナ101と対向する向きにアレイアンテナモジュール1Aが取り付けられている。
【0075】
図10は、第3実施形態にかかるベース基板20を含むアレイアンテナモジュール1Aの平面図である。
図10に示すように、ベース基板20の表面20Aには、複数のアンテナ基板10が互いに隣接した状態で取り付けられている。図10に示す例では、4×4個のアンテナ素子を備えたアンテナ基板10が、ベース基板20の表面20A上に2×2個配置される(タイル貼りされる)ことで、8×8個のアンテナ素子を備えたフェーズドアレイアンテナを構成している。
【0076】
ベース基板20には、複数のアンテナ基板10の中心位置Cを指し示す複数のベースマーク25が形成されている。ベースマーク25は、4つのアンテナ基板10の4つの継ぎ目15から、ベース基板20の外縁22まで直線状に延在している。
【0077】
複数のベースマーク25は、第1継ぎ目15aから第1辺22aまで延在する第1マーク25aと、第2継ぎ目15bから第2辺22bまで延在する第2マーク25bと、第3継ぎ目15cから第3辺22cまで延在する第3マーク25cと、第4継ぎ目15dから第4辺22dまで延在する第4マーク25dと、を有する。このように、複数のベースマーク25は、4つのアンテナ基板10の4つの継ぎ目15に対応して4つ形成されている。
【0078】
ベース基板20の外縁22の2組の対辺(第1辺22aと第3辺22c、及び、第2辺22bと第4辺22dとの2組)に位置するベースマーク25同士(第1マーク25aと第3マーク25c、及び、第2マーク25bと第4マーク25dとの2組)を結んだ2本の線は、複数のアンテナ基板10の中心位置Cで交差している。
また、第1マーク25aと第3マーク25cとを結んだ線はY軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ行方向)であり、第2マーク25bと第4マーク25dとを結んだ線はX軸方向(複数のアンテナ素子13が並ぶ列方向)である。
【0079】
ベースマーク25は、ベース基板20の表面20Aにシルク印刷により形成されたシルク線である。なお、ベースマーク25は、シルク線に限定されるものではなく、アンテナ基板10のマーク14と同様に、開口パターンやその他の印であってもよい。ベースマーク25の幅W5は、レーザーLの幅W2(図1参照)と等しいとよい。
【0080】
図9に戻り、レーザー照射装置102は、アレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101との間に配置され、アレイアンテナモジュール1A及び基準アンテナ101の両方に十字のレーザーLを照射する。これにより、アレイアンテナモジュール1Aの中心位置Cと基準アンテナ101の中心位置Cを合わせることができる。なおその後、レーザー照射装置102は、アレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101の間から撤去される。ちなみに、基準アンテナ101の取付基板110の表面側にも、図4示す基準アンテナ側マーク114と同じようなマークを形成するとよい。
【0081】
このような第3実施形態によれば、アンテナ基板10を複数タイリングした場合において、アレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101との距離Sを、適正な距離に離すことができる。つまり、アレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101とを水平方向で対向させることで、第1実施形態や第2実施形態のようにアレイアンテナモジュール1Aと基準アンテナ101とを鉛直方向で対向させる構成よりも、距離を大きく確保し易くなる。
【0082】
図11は、第3実施形態にかかるアレイアンテナモジュール1Aのビームパターン(H面)を示すグラフである。図11において、横軸はアレイアンテナモジュール1Aの傾動角度(deg.)、縦軸はEIRP(出力電力)(dBm)である。また、なお、図11では、YZ面である磁気面(H面)で比較しているが、XZ面である電気面(E面)で比較してもよい。
【0083】
図11において点線で示す比較例は、基準アンテナ101とアレイアンテナモジュール1Aの中心位置C(複数のアンテナ基板10の中心位置C)が一致していない場合(中心位置CがY軸方向に5mmずれている場合)を示す。また、図11において実線で示す実施例は、基準アンテナ101とアレイアンテナモジュール1Aの中心位置C(複数のアンテナ基板10の中心位置C)が一致している場合を示す。これら実施例と比較例との比較から、基準アンテナ101とアレイアンテナモジュール1Aの中心位置C(複数のアンテナ基板10の中心位置C)が一致していないと、ビームパターンのピークが下がり、また、0deg.を中心に左右対称になっていない等、正確にビームパターンを測定できないことが分かる。
【0084】
以上のように、第3実施形態のアレイアンテナモジュール1Aは、複数のアンテナ基板10が互いに隣接した状態で取り付けられたベース基板20を備え、ベース基板20には、複数のアンテナ基板10全体の中心位置Cを指し示す複数のベースマーク25が形成されている。この構成によれば、複数のアンテナ基板10全体の中心位置Cを特定し、ビームパターンを正確に測定することができる。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、及びその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【符号の説明】
【0086】
1…アレイアンテナモジュール、1A…アレイアンテナモジュール、10…アンテナ基板、10A…表面、11…レジスト層、12…外縁、13…アンテナ素子、14…マーク、15…継ぎ目、20…ベース基板、20A…表面、22…外縁、23…取付孔、24…連続マーク、25…ベースマーク、100…アレイアンテナ評価装置、100A…アレイアンテナ評価装置、100B…アレイアンテナ評価装置、101…基準アンテナ、102…レーザー照射装置、110…取付基板、110B…裏面、112…外縁、113…第2の取付孔、114…基準アンテナ側マーク、115…第1の取付孔、120…支持装置、120A…傾動装置、120B…支持装置、121…支柱部、121A…側壁部、121B…三脚、122…天板部、122A…レール、122B…取付板、123…可動板部、123a…開口部、123A…可動ブロック、124…ガイド機構、130…傾動装置、130A…支持装置、130B…支持装置、131B…三脚、132B…取付板、140…測定装置、141…演算装置、142…モータ制御装置、143…電源装置、144…信号生成部、145…信号受信部、146…ハブ、151…信号発生器、152…コネクタ、153…ベクトル信号発生器、154…コネクタ、162…スペクトラムアナライザ、C…中心位置、d1…ピーク差、d2…ピーク差、L…レーザー、O…回転軸、S…距離、W1…幅、W2…幅、W3…幅、W4…幅、W5…幅、θ…ビーム指向角度
【要約】
【課題】アレイアンテナモジュールの中心位置の特定を容易にすることを目的とする。
【解決手段】アレイアンテナモジュール1は、アンテナ基板10と、アンテナ基板10にアレイ状に形成された複数のアンテナ素子13と、を備え、アンテナ基板10の外縁部には、複数のアンテナ素子13の中心位置Cを指し示す複数のマーク14が形成されている。
【選択図】図1
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図6
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図10
図11