(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】用紙の着脱が容易な手帳やノート、バインダー等
(51)【国際特許分類】
B42F 13/22 20060101AFI20221102BHJP
B42F 7/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B42F13/22
B42F7/00 A
(21)【出願番号】P 2019012610
(22)【出願日】2019-01-28
【審査請求日】2021-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】518353348
【氏名又は名称】竹内 常雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 常雄
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-041319(JP,U)
【文献】実開昭61-102580(JP,U)
【文献】特開2001-018572(JP,A)
【文献】実開昭62-189176(JP,U)
【文献】実開昭50-073527(JP,U)
【文献】米国特許第05160208(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手帳やノート、バインダーにおいて、ルーズリーフバインダーのように用紙(14)をリング形状のとじ具にてとじているものにつき、リング(5)の一部を切り取ってリング(5)を2つに分離し2つのリング(5)の間には間隔ができ、さらにリング(5)の内部を中空とし、リング(5)の切り取った部分を塞ぐ栓(11)となる部品が頭についた円弧状の部品であり、復元力のあるばね部品(9)を内部に通してリング(5)の根元で接着、そのばね部品(9)を通しているリング(5)の中間の内側のみを切り欠き(10)、中に入っているばね部品(9)を横から押すことができる様にしておくことで、ばね部品(9)の栓(11)がリング(5)内部に入ることが可能となり、ここをリング(5)にもともと入っている用紙(14)や指等で押すことにより、ばね部品(9)が曲がり、栓(11)がリング(5)の内部に引っ込み、そのためリング(5)の一部が開き、その間そこに挟んでいる用紙(14)等を出したり、新たな用紙(14)等を入れたりでき、ばね部品(9)を押したものを離すことにより、栓(11)が戻り、再びリング(5)が閉じることを特徴とする手帳やノート、バインダー。
【請求項2】
手帳やノート、バインダーにおいて、ルーズリーフバインダーのように用紙(14)をリング形状のとじ具にてとじているものにつき、リング(5)の一部を切り取ってリング(5)を2つに分離し2つのリング(5)の間には間隔ができ、さらにリング(5)の内部を中空とし、リング(5)の切り取った部分を塞ぐ栓(20)となる部品が頭についた円弧状の部品であり、復元力があり、さらに円弧の途中に用紙保持切込み(21)があるばね部品(18)を内部に通してリング(5)の根元で接着、そのばね部品(18)を通しているリング(5)の中間の内側のみを切り欠き(10)、中に入っているばね部品(18)の用紙保持切込み(21)に用紙(14)を差し込み、これをリングの根元方向にスライドすることができる様にしておくことで、ばね部品(18)の栓(20)がリング(5)内部に入ることが可能となり、ここをリング(5)にもともと入っている用紙(14)を用紙保持切込み(21)に差し込み、これをリングの根元方向にスライドするか、指でこの部分を触ってスライドすると、ばね部品(18)が曲がり、栓(20)がリング(5)の内部に引っ込み、そのためリング(5)の一部が開き、その間そこに挟んでいる用紙(14)等を出したり、新たな用紙(14)等を入れたりでき、ばね部品(18)のスライドを戻すことにより、栓(20)が戻り、再びリング(5)が閉じることを特徴とする手帳やノート、バインダー。
【請求項3】
手帳やノート、バインダーにおいて、ルーズリーフバインダーのように用紙(14)をリング形状のとじ具にてとじているものにつき、リング(5)を2つに切断し、一方のリング(5)の一部を外側方向に可動するように可動手段を持たせ、可動手段やリング(5)の切り取り部分(34)にはスムーズに可動するよう遊びを持たせ、可動手段に板バネ(28)を装着することにより、リング(5)を外側方向に可動しても自動的に閉じた状態に復元する様にしておき、リング(5)の可動手段の先をリング(5)にもともと入っている用紙(14)や指等で内側から外側に押すことにより、リング(5)が可動して開き、その間そこに挟んでいる用紙(14)等を出したり、新たな用紙(14)等を入れたりでき、押したものを離すことにより、再びリング(5)が閉じることを特徴とする手帳やノート、バインダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、手帳やノート、バインダー等のうち、ルーズリーフバインダーのようにとじ具にリングを使用して用紙をとじこむものにつき、できるだけ容易に中の用紙を追加したり、外したり、前後に移動することができて、用紙のとじ込み部分が丈夫で不意に用紙が外れてしまうことが無く、その構造が簡単で経済的な手帳やノート、バインダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手帳やノート、バインダー等は、ルーズリーフバインダー等のとじ具としてリングを使用するものも多く使われている。これはとじ込み部分にあるとじ具(リング)によって用紙をとじているものであって、リングが開閉する機能を持つ。これを開け閉めすることにより用紙を追加したり、外したり、前後に移動することが容易であった。
また、ルーズリーフバインダーやリングファイル(ツインリングを含む)等に簡便に着脱することができる丈夫なファイル用紙として特許文献1がある。ファイル用紙のとじ孔部分に、とじ孔の周縁部から紙端に亘るように補強片を設け、この補強片を有するとじ孔部分にとじ孔から紙端に至るスリットを設けてファイル用紙のバインダーとじ具への着脱を容易にし、かつとじ孔部分のへたりや損傷等を防止するようにしたものであり、これによれば、とじ具(リング)に開閉する機能がなくとも用紙を着脱できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ルーズリーフバインダー等のとじ具に開閉可能なリングを使用しているノート、手帳、バインダー等では、用紙を移動するためには一旦手帳やノート、バインダー等のとじ込み部分にあるとじ具(リング)の開閉機能を使用して開け、該当の用紙を取り出し、再びとじ具(リング)の開閉機能を使用して閉め、差し込みたいページを開いてからとじ具(リング)の開閉機能を使用して開け、再度その用紙を挟み、とじ具(リング)の開閉機能を使用して閉める必要がある。この一連の手順では、手を用紙から離しとじ具(リング)まで持っていき、開閉機能を使って開閉するという部分において手間が掛かるという課題がある。また、特許文献1では、用紙のとじ孔部分に補強片を設ける必要があり、用紙自体の製造原価が上がってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の手帳やノート、バインダーを使用すると、既にとじ具(リング)内にとじている用紙を外側に引っ張ることにより、リングの一部が開き用紙の着脱が可能となるので、とじ具(リング)を開け閉めするために手をとじ具(リング)まで動かし、開閉機能を使用する必要がない。用紙着脱に際して従来に比べて手間が減少するため、前記の課題が解決できる。また本願発明では市販のルーズリーフ用紙を使用することができるので、特許文献1のように特別な用紙の製造が不必要で製造原価が上がることがない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】2リングタイプバインダーの例および、リングと基板を横から見た図
【
図2】実施例1のリングと基板の構成部品を横から見た図と断面図
【
図3】実施例1のリングと基板の組み立て後を横から見た図と断面図
【
図4】実施例1のリングと基板の使用例を横から見た図と断面
図1
【
図5】実施例1のリングと基板の使用例を横から見た図と断面
図2
【
図6】実施例2のリングと基板の構成部品を横から見た図と断面図
【
図7】実施例2のリングと基板の組み立て後を横から見た図と断面図
【
図8】実施例2のリングと基板の使用例を横から見た図と断面
図1
【
図9】実施例2のリングと基板の使用例を横から見た図と断面
図2
【
図11】実施例3のリング部品2とリング部品3のはめ込み部分の断面図
【
図15】実施例4のリングと基板の構成部品の図およびリング部品1とリング部品2を上から見た図
【
図16】実施例4のリング部品2とリング部品3のはめ込み部分の断面図
【
図17】リング部品2に設けられた「用紙とじ孔引っ張り操作部分」の断面図およびリング部品2を「用紙とじ孔引っ張り操作部分」を中心として上から見た断面図
【
図19】実施例4のリングと基板の使用例の横から見た図およびリング部品1とリング部品2を「用紙とじ孔引っ張り操作部分」を中心として上から見た断面
図1
【
図20】実施例4のリングと基板の使用例の横から見た図およびリング部品1とリング部品2を「用紙とじ孔引っ張り操作部分」を中心として上から見た断面
図2
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願発明は手帳やノート、バインダー等のリング(5)を使用して用紙(14)をとじこむものにつき、用紙(14)を外側方向に引っ張ることによりリング(5)の一部が開閉され用紙(14)の着脱を可能にすることを特徴とする。実施例として用いるバインダー(1)は
図1に示す通りであり、2リングタイプのものを例として使用するが、リング数が増えてもリング(5)の内部構造や可動方法は同じである。実施例の構成は
図1に示すように2リングバインダー(1)として、背表紙(2)、基板(3)ハトメ(4)リング(5)から成る。リング(5)は基板(3)に接着されており、基板(3)はハトメ(4)により背表紙(2)に装着されている。どのような方法でも、リング(5)にとじている用紙(14)を持ち、リング(5)の外側に引っ張り、リング(5)の内側を押すことにより、リング(5)の中に入っているばねが動作する等の様々な手段により、リング(5)の一部が開き用紙(14)の着脱が可能となることを特徴とし、手段はどのような手段でも良い。リング(5)の一部を開閉するための仕掛けはリング(5)だけでなく、基板(3)、背表紙(2)にあっても良い。
【実施例1】
【0008】
実施例1の手帳やノート、バインダーの基板(3)、リング(5)の構造について説明する。
図2のとおり、構成部品の図で説明する。基板(3)およびリング部品1(7)、リング部品2(8)、ばね部品(9)から成る。リング部品1(7)、リング部品2(8)の内部は断面図のとおり中空となっている。そして、リング部品2(8)には、内側のカーブの途中に切り欠き(10)が入っている。ばね部品(9)はリングのカーブに合わせた形であり、その先には栓(11)が装着されている。この栓(11)が2つのリングをとじたり開いたりする役割を果たす。基板(3)およびリング部品1(7)、リング部品2(8)の材質については、用紙(14)全体の重さや引っ張りに耐えられるような強度がなければならない。硬くて壊れにくく、十分な強度のある金属や樹脂、合成樹脂、プラスチック等の丈夫な材料が好ましい。またばね部品(9)については、用紙(14)に引っ張られて曲がるほどの、ある程度の柔軟性を持ち、かつ元の形に戻る復元力がなければならない。薄い金属の板ばねや、柔軟性のある合成樹脂等が好ましい。
【0009】
組み立ては
図3のとおり、リング部品2(8)の中にばね部品(9)を挿入し、接着部分(12)にてリング部品2(8)とばね部品(9)を接着する。リング部品1(7)およびリング部品2(8)を基板(3)のリング基板接着部分(13)に接着する。接着方法については、接着部分の強度を確保するため、ロウ付け、溶接等の接合部分に強度のある方法が好ましい。
【0010】
使用方法は、
図4のように既にリングの中にとじている用紙(14)を何枚か持ち上げ、リング部品2(8)の切り欠き(10)部分でリングの外側方向に引っ張る。この方向に引っ張ることで、
図5のように用紙(14)のとじ孔部分がリングのばね部品(9)をリング外側に寄せる。ばね部品(9)が栓(11)をリング内側に引っ張り込み、リングの用紙着脱口(15)が開く。ここから他の用紙(14)の着脱が可能となる。他の用紙(14)の着脱を終えたら引っ張っている用紙(14)を元にもどすことにより、ばね部品(9)の復元力で栓(11)が元の位置に戻り、用紙着脱口(15)が閉まり、リングにて用紙(14)を保持できる状態に戻る。なお、リング部品1(7)、リング部品2(8)の中に用紙(14)が一枚もとじられていない状態で、用紙(14)をリング部品1(7)、リング部品2(8)の中にとじる場合および、リング部品1(7)、リング部品2(8)の中にとじている用紙(14)を全て取り出す場合、栓(11)を手で動かして用紙着脱口(15)を開け、用紙(14)を着脱する。
【実施例2】
【0011】
実施例2の手帳やノート、バインダーの基板(3)、リング(5)の構造について説明する。
図6のとおり、構成部品の図で説明する。基板(3)およびリング部品1(16)、リング部品2(17)、ばね部品(18)から成る。リング部品1(16)、リング部品2(17)の内部は断面図のとおり中空となっている。そして、リング部品2(17)には、内側のカーブの途中に切り欠き(19)が入っている。ばね部品(18)はリングのカーブに合わせた形であり、その先には栓(20)が装着されている。この栓(20)が2つのリングをとじたり開いたりする役割を果たす。また、ばね部品(18)の内側には用紙保持切込み(21)が入っている。これは用紙(14)を保持するための切り込みである。基板(3)およびリング部品1(16)、リング部品2(17)の材質については、用紙(14)全体の重さや引っ張りに耐えられるような強度がなければならない。硬くて壊れにくく、十分な強度のある金属や樹脂、合成樹脂、プラスチック等の丈夫な材料が好ましい。またばね部品(18)については、用紙(14)に引っ張られて曲がるほどの、ある程度の柔軟性を持ち、かつ元の形に戻る復元力がなければならない。薄い金属の板ばねや、柔軟性のある合成樹脂等が好ましい。
【0012】
組み立ては
図7のとおり、リング部品2(17)の中にばね部品(18)を挿入し、接着部分(22)にてリング部品2(17)とばね部品(18)を接着する。リング部品1(16)およびリング部品2(17)およびリング部品2(17)に接着したばね部品(18)の下側の端の部分を基板(3)のリング基板接着部分(23)に接着する。接着方法については、接着部分の強度を確保するため、ロウ付け、溶接等の接合部分に強度のある方法が好ましい。
【0013】
使用方法は、
図8のように既にリングの中にとじている用紙(14)を何枚か持ち上げ、リング部品2(17)の切り欠き(19)部分でリングの外側方向に引っ張る。そして用紙(14)のとじ孔をばね部品(18)の用紙保持切込み(21)に差し込む。その後、
図9のように用紙(14)を外側へ引っ張る力を保持したまま、下方向にさらに引っ張る。この方向に引っ張ることで、ばね部品(18)が栓(20)をリング内側に引っ張り込み、リングの用紙着脱口(24)が開く。ここから他の用紙(14)の着脱が可能となる。他の用紙(14)の着脱を終えたら引っ張っている用紙(14)を元にもどすことにより、ばね部品(18)の復元力で栓(20)が元の位置に戻り、用紙着脱口(24)が閉まり、リングにて用紙(14)を保持できる状態に戻る。なお、リング部品1(16)、リング部品2(17)の中に用紙(14)が一枚もとじられていない状態で、用紙(14)をリング部品1(16)、リング部品2(17)の中にとじる場合および、リング部品1(16)、リング部品2(17)の中にとじている用紙(14)を全て取り出す場合、栓(20)を手で動かして用紙着脱口(24)を開け、用紙(14)を着脱する。
【実施例3】
【0014】
実施例3の手帳やノート、バインダーの基板(3)、リング(5)の構造について説明する。
図10のとおり、構成部品の図で説明する。基板(3)およびリング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)、板ばね部品(28)から成る。リング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)は実施例1、実施例2とは異なり、中空ではない。リング部品2(26)およびリング部品3(27)には板ばね部品(28)をはめ込むための穴、板ばね部品挿入穴(29)(30)がそれぞれ設けられている。この板ばね部品(28)により、リング部品2(26)が上方向に可動しても、元の位置に復元する力を得ることができる。
図11はリング部品2(26)とリング部品3(27)の装着面を横から見た断面図である。リング部品2(26)のはめ込み可動部分凸(31)の中心にある棒をリング部品3(27)のはめ込み可動部分凹(32)の中心の穴にはめ込むことでリング部品2(26)の上方向の可動を実現する。基板(3)およびリング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)の材質については、用紙(14)全体の重さや引っ張りに耐えられるような強度がなければならない。硬くて壊れにくく、十分な強度のある金属や樹脂、合成樹脂、プラスチック等の丈夫な材料が好ましい。また板ばね部品(28)については、用紙(14)による引っ張りにより曲がる必要があるが、かといって容易に曲がるようでは、とじている用紙(14)も容易に外れてしまうので、曲げに対するある程度の抵抗・強さは必要である。板ばね部品(28)の曲げの抵抗・強さについては、これらを踏まえて調整することが好ましい。そしてある程度の柔軟性を持ち、元の形に戻る復元力がなければならない。薄い金属の板ばねや、柔軟性のある合成樹脂等が好ましい。
【0015】
組み立ては
図12のとおり、リング部品1(25)およびリング部品3(27)を基板(3)のリング基板接着部分(33)に接着する。接着方法については、接着部分の強度を確保するため、ロウ付け、溶接等の接合部分に強度のある方法が好ましい。その後、リング部品2(26)のはめ込み可動部分凸(31)をリング部品3(27)のはめ込み可動部分凹(32)に
図11にて説明したとおりにはめ込み、板ばね部品(28)の片方の端をリング部品2(26)の板ばね部品挿入穴(29)に挿入し、もう片方の端をリング部品3(27)の板ばね部品挿入穴(30)に挿入する。
【0016】
使用方法は、用紙(14)を何枚か持ち上げ、
図13のようにリング部品2(26)の外側方向に引っ張る。この方向に引っ張ることで、
図14のようにリング部品2(26)が上方に可動し、リング部品1(25)とリング部品2(26)の間に用紙着脱口(34)ができる。そこから他の用紙(14)の着脱が可能となる。他の用紙(14)の着脱を終えたら引っ張っている用紙(14)を元にもどすことにより、板ばね部品(28)の復元力でリング部品2(26)が元の位置に戻り、用紙着脱口(34)が閉まり、リングにて用紙(14)を保持できる状態に戻る。なお、リング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)の中に用紙(14)が一枚もとじられていない状態で、用紙(14)をリング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)の中にとじる場合および、リング部品1(25)、リング部品2(26)、リング部品3(27)の中にとじている用紙(14)を全て取り出す場合、リング部品2(26)を手で上方に可動して用紙着脱口(34)を開け、用紙(14)を着脱する。
【実施例4】
【0017】
実施例4の手帳やノート、バインダーの基板(3)、リング(5)の構造について説明する。
図15のとおり、構成部品の図で説明する。基板(3)およびリング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)から成る。リング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)は実施例1、実施例2とは異なり、中空ではない。リング部品2(36)の端にははめ込み可動部分凸(38)が設けられている。リング部品3(37)の端にはめ込み可動部分凹(39)が設けられている。
図16はリング部品2(36)とリング部品3(37)の装着面を横から見た断面図である。リング部品2(36)のはめ込み可動部分凸(38)の中心にある棒をリング部品3(37)のはめ込み可動部分凹(39)の中心の穴にはめ込むことでリング部品2(36)の横方向の可動を実現する。そして、リング部品1(35)の端には磁石(40)が、リング部品2(36)のはめ込み可動部分凸(38)の反対側の端には磁石にくっ付く部品(41)がそれぞれ設けられている。この磁石(40)と磁石にくっ付く部品(41)により、リング部品1(35)とリング部品2(36)はくっ付く方向への復元力を有する。
図17は、リング部品2(36)のはめ込み可動部分凸(38)側に設けられた用紙とじ孔引っ張り操作部分(42)の断面図とこの部分を中心として、リング部品2(36)を上から見た断面図である。リングの他の部分の断面は完全な丸であるが、この用紙とじ孔引っ張り操作部分(42)のみ削られており、断面図のように一部斜めに成型されている。ここに用紙(14)のとじ孔(43)を押し付けることによって、リング部品2(36)の横方向の可動を実現する。基板(3)およびリング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)の材質については、用紙(14)全体の重さや引っ張りに耐えられるような強度がなければならない。硬くて壊れにくく、十分な強度のある金属や樹脂、合成樹脂、プラスチック等の丈夫な材料が好ましい。
【0018】
組み立ては
図18のとおり、リング部品1(35)およびリング部品3(37)を基板(3)のリング基板接着部分(44)に接着する。接着方法については、接着部分の強度を確保するため、ロウ付け、溶接等の接合部分に強度のある方法が好ましい。その後、リング部品2(36)のはめ込み可動部分凸(38)をリング部品3(37)のはめ込み可動部分凹(39)に
図16にて説明したとおりにはめ込む。リング部品2(36)を可動し、リング部品1(35)の磁石(40)をリング部品2(36)の磁石にくっ付く部品(41)にくっ付ける。
【0019】
使用方法は、用紙(14)を何枚か持ち上げ、
図19のようにリング部品2(36)の用紙とじ孔引っ張り操作部分(42)にてリングの外側方向に引っ張る。
図19の下図には、リングを上から見た断面図として用紙とじ孔引っ張り操作部分(42)がどの方向に向いているか表している。用紙(14)を引っ張ることで、
図20のようにリング部品2(36)が横方向に可動する。
図20の下図の用紙とじ孔引っ張り操作部分(42)の断面図にて分かる通り、斜めになっている側面を用紙(14)のとじ孔(43)で押すことにより、リング部品2(36)の可動を実現している。結果、リング部品1(35)とリング部品2(36)の間に用紙着脱口(45)ができる。そこから他の用紙(14)の着脱が可能となる。他の用紙(14)の着脱を終えたら引っ張っている用紙(14)を元にもどすことにより、リング部品1(35)の磁石(40)がリング部品2(36)の磁石にくっ付く部品(41)を引き寄せることにより、リング部品2(36)が元の位置に戻り、用紙着脱口(45)が閉じて、リングにて用紙(14)を保持できる状態に戻る。なお、リング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)の中に用紙(14)が一枚もとじられていない状態で、用紙(14)をリング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)の中にとじる場合および、リング部品1(35)、リング部品2(36)、リング部品3(37)の中にとじている用紙(14)を全て取り出す場合、リング部品2(36)を手で横方向に可動して用紙着脱口(45)を開け、用紙(14)を着脱する。
【符号の説明】
【0020】
1…2リングタイプバインダー
2…背表紙
3…基板
4…ハトメ
5…リング
6…リングと基板の断面図
7…実施例1のリング部品1
8…実施例1のリング部品2
9…実施例1のばね部品
10…実施例1のリング部品2(8)の切り欠き部分
11…実施例1のばね部品(9)の先端の栓
12…実施例1のリング部品2(8)とばね部品(9)の接着部分
13…実施例1のリング部品1(7)およびリング部品2(8)と基板(3)のリング基板接着部分
14…用紙
15…実施例1の用紙着脱口
16…実施例2のリング部品1
17…実施例2のリング部品2
18…実施例2のばね部品
19…実施例2のリング部品2(17)の切り欠き部分
20…実施例2のばね部品(18)の先端の栓
21…実施例2のばね部品(18)の用紙保持切込み
22…実施例2のリング部品2(17)とばね部品(18)の接着部分
23…実施例2のリング部品1(16)およびリング部品2(17)と基板(3)のリング基板接着部分
24…実施例2の用紙着脱口
25…実施例3のリング部品1
26…実施例3のリング部品2
27…実施例3のリング部品3
28…実施例3の板ばね部品
29…実施例3のリング部品2(26)の板ばね部品挿入穴
30…実施例3のリング部品3(27)の板ばね部品挿入穴
31…実施例3のリング部品2(26)のはめ込み可動部分凸
32…実施例3のリング部品3(27)のはめ込み可動部分凹
33…実施例3のリング部品1(25)およびリング部品3(27)と基板(3)のリング基板接着部分
34…実施例3の用紙着脱口
35…実施例4のリング部品1
36…実施例4のリング部品2
37…実施例4のリング部品3
38…実施例4のリング部品2(36)のはめ込み可動部分凸
39…実施例4のリング部品3(37)のはめ込み可動部分凹
40…実施例4のリング部品1(35)の磁石(40)
41…実施例4のリング部品2(36)の磁石にくっ付く部品
42…実施例4のリング部品2(36)の用紙とじ孔引っ張り操作部分
43…実施例4で使用する用紙(14)のとじ孔
44…実施例4のリング部品1(35)およびリング部品3(37)と基板(3)のリング基板接着部分
45…実施例4の用紙着脱口