(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】研削及び/又は侵食機械、ならびに機械の測定及び/又は基準化方法
(51)【国際特許分類】
B24B 49/10 20060101AFI20221102BHJP
B24B 47/22 20060101ALI20221102BHJP
B23Q 17/22 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B24B49/10
B24B47/22
B23Q17/22 Z
(21)【出願番号】P 2019561163
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 EP2018061579
(87)【国際公開番号】W WO2018206455
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】102017110198.5
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515048799
【氏名又は名称】ワルター マシーネンバオ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゲル、ジークフリート
(72)【発明者】
【氏名】シュナイブル、シュテファン
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-349388(JP,A)
【文献】特開2002-120129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 49/10
B24B 47/22
B23Q 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドル軸(S)の周りで駆動されることができ、研削又は
侵食工具(19)を収容するように構成された工具スピンドル(13)と、
工作物(20)を収容するように配置され
、回転機械軸(12c)に沿った回転軸(R)を中心とする旋回運動によって、前記工作物(20)の縦軸(L)とスピンドル軸(S)との間の角度を調節するように構成された工作物保持装置(14)と、
前記回転機械軸(12c)を含む少なくとも一つの機械軸(12)を備え、前記工具スピンドル(13)及び/又は前記工作物保持装置(14)の回転、並進運動又は位置決めのために構成された機械軸構成(11)と、
現在の機械軸(12)のそれぞれの位置を検出するように構成された位置検出装置(22)と、
前記工作物保持装置(14)に収容されるように構成され、特定の基準電位(M)に接続することができる導電性の第1の測定体(27)と、
前記工具スピンドル(13)に収容されるように構成され、供給電圧電位(UV)及び監視装置(31)に接続することができる導電性の第2の測定体(28)と、
前記監視装置(31)及び前記位置検出装置(22)に接続され、
前記工作物保持装置(14)を、前記回転軸(R)を中心とする所定の回転角度に当たる、前記回転機械軸(12c)の第1の位置に配置し、さらに前記工作物保持装置(14)を、前記回転軸(R)を中心とする前記回転機械軸(12c)の他の位置に配置することで、前記測定体(27、28)を互いに対して移動させて、
当該他の位置において、少なくとも一つの接触位置(K)で互いに接触させるために
前記少なくとも1つの機械軸(12)を駆動し、
前記監視装置(31)が、接触によって
前記測定体(27、28)間に測定電流(IM)が流れることを検出したときに、前記駆動された
前記少なくとも1つの機械軸(12)の実際の位置を記憶する、ことを含む測定及び/又は基準化のための方法を実行するように構成された制御装置(21)と、
を備えた研削及び/又は
侵食機
械。
【請求項2】
前記制御装置(21)は、前記監視装置(31)が前記測定体(27、28)間の接触により測定電流(IM)が流れることを検出したときに、前記駆動された
前記少なくとも1つの機械軸(12)の駆動を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項3】
前記制御装置(21)は、
前記回転機械軸(12
c)が、
前記少なくとも一つの接触位置(K)において前記測定体(27、28)間の接触時に所定の回転位置を表示するように、前記少なくとも1つの機械軸(12)を駆動するように構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項4】
前記第2の測定体は、
側面(55)と、当該側面(55)を囲むリング状
の周面(
54)を有する測定ディスク(28)として構成されて
いることを特徴とする請求項1記載の研磨及び/又は侵食機械。
【請求項5】
前記制御装置(21)は、前記測定ディスク(28)
が前記第1の測定体(27)
の生成面(56)又は側面(57)で接触するように前記少なくとも1つの機械軸(12)を駆動するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項6】
前記制御装置(21)は、
前記測定体(27、28)が、異なる
前記少なくとも一つの接触位置(K)の列に連続的に到達するように、前記少なくとも1つの機械軸(12)を駆動するように構成されることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項7】
前記制御装置(21)は、連続的に到達した
前記少なくとも一つの接触位置(K)の数が、前記測定体(27、28)間の相対位置を変更するように構成された前記機械軸(12)の数に対応するように、前記少なくとも1つの機械軸(12)を駆動するように構成されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項8】
前記監視装置(31)は、前記第2の測定体(28)が前記供給電圧電位(UV)に電気的に接続されているか否かを監視するように構成された監視ユニット(32)を備えることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項9】
前記監視ユニット(32)は、前記制御装置(21)の構成要素であるか、又は前記制御装置(21)に通信接続され、前記制御装置(21)は、前記監視ユニット(32)が前記第2の測定体(28)と供給電圧電位(UV)との間の電気的接続を特定したときに前記
機械軸構成(11)を安全動作モードで駆動するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項10】
前記第2の測定体(28)は、接続線(41)を介して電気
的接続
部(33)の第1の
接点(35)に接続されることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項11】
前記電気
的接続部(33)は、互いに短絡された第2の接点(36)及び第3の接点(37)を有することを特徴とする請求項10に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項12】
第1の対向接点(38)を有する電気的対向接続部(34)が存在し、前記
第1の対向接点が監視装置(31)の監視部(43)を介して第1の導体(42)によって供給電圧電位(UV)に接続されることを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項13】
前記
電気的対向接続部(34)は、第2の導体(49)によって前記供給電圧電位(UV)に接続される第2の対向接点(39)を有し、前記
電気的対向接続部(34)は、第3の導体(50)によって前記
監視装置(31)の監視ユニット(32)に接続される第3の対向接点(40)を備えることを特徴とする請求項12に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項14】
前記第2の測定体(28)は、接続線(41)を介して電気的接続部(33)の第1の接点(35)に接続され、
前記
電気的接続部(33)と前記
電気的対向接続部(34)との間の電気的接続が確立された状態で、前記第1の接点(35)が前記第1の対向接点(38)に電気的に接続されていることを特徴とす
る請求項12に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項15】
前記第2の測定体(28)は、接続線(41)を介して電気的接続部(33)の第1の接点(35)に接続され、前記電気的接続部(33)は、互いに短絡された第2の接点(36)及び第3の接点(37)を有し、
前記
電気的接続部(33)と前記
電気的対向接続部(34)との電気的な接続が確立された状態で、前記第2の接点(36)は前記第2の対向接点(39)に電気的に接続され、また前記第3の接点(37)は前記第3
の対向接点(40)に電気的に接続されていることを特徴とす
る請求項13に記載の研削及び/又は
侵食機械。
【請求項16】
スピンドル軸(S)の周りに駆動することができ、研削及び
侵食工具(19)を収容するように構成された工具スピンドル(13)と、
工作物(20)を収容するように構成され
、回転機械軸(12c)に沿った回転軸(R)を中心とする旋回運動によって、前記工作物(20)の縦軸(L)とスピンドル軸(S)との間の角度を調節するように構成された工作物保持装置(14)と、
前記回転機械軸(12c)を含むいくつかの機械軸(12)を含み、前記工具スピンドル(13)及び/又は前記工作物保持装置(14)の回転、並進運動又は位置決めのために構成された機械軸構成(11)と、
現在の機械軸(12)のそれぞれの位置を検出するように構成された位置検出装置(22)と、
導電性の第1の測定体(27)と、
導電性の第2の測定体(28)と、
制御装置(21)と、を具えた研削及び/又は
侵食機械(10)を測定及び/又は基準化する方法であって、
前記第1の測定体(27)を前記工作物保持装置(14)に挿入し、前記第1の測定体(27)を所定の基準電位(M)に電気的に接続し、
前記第2の測定体(28)を前記工具スピンドル(13)に挿入し、前記第2の測定体(28)を供給電圧電位(UV)及び監視装置(31)に電気的に接続し、
前記工作物保持装置(14)を、前記回転軸(R)を中心とする所定の回転角度に当たる前記回転機械軸(12c)の第1の位置に配置し、さらに前記工作物保持装置(14)を、前記回転軸(R)を中心とする前記回転機械軸(12c)の他の位置に配置することで、前記測定体(27、28)を互いに対して移動させて、
当該他の位置において、少なくとも一つの接触位置(K)で互いに接触させるために、少なくとも1つの機械軸(12)を駆動し、
接触により前記測定体(27、28)間に測定電流(IM)が流れることを監視装置(31)が検出したときに、前記駆動した少なくとも1つの機械軸(12)の実際の位置をメモリに記憶する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削及び/又は侵食機械、並びに、機械の測定及び基準化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研削及び/又は侵食機械は、工具に対して加工される工作物の移動及び位置決めを可能にするために、いくつかの機械軸を備える。精密な機械加工のためには、機械ベース又は機械フレームの静止座標系に対する機械軸の位置を知る必要がある。
【0003】
公開公報DE 10 2008 004 849 B4は、中断中に、工作物保持装置と工作物との間の相対位置が幾つかの次元で決定されるという点で、機械加工及び並進並びに回転軸のために使用される構成要素による基準化手順を実行するために、多軸基準センサ構成が提供されることを示唆している。そうするために、多軸基準センサ構成は、空間方向ごとにそれぞれ1つの基準センサを備え、その場合、該基準センサは、接触センサとして、又は近接センサとして構成されてもよい。
【0004】
接触センサ又は力センサを使用すると、工具又は工作物がそれぞれの基準センサに押し付けられる力を非常に正確に調整できるようにしなければならない。したがって、センサの精度及び一貫性の観点からの要求は非常に高い。近接センサを使用する場合は、近接する要素が検出される位置を設定するために、これらを高精度に調整する必要がある。すべてのセンサタイプは、最小限の許容誤差で高い検出精度を表示する必要がある。さらに、工作機械における接触、力又は近接センサの使用は、切粉、冷却流体などによる汚染にさらされるので、しばしば問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、研削及び/又は侵食機械、並びに機械を測定又は基準化するための方法を提供することであり、前記測定及び基準化は、単純な手段で高精度を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、特許請求項1の特徴を示す研削及び/又は侵食機械、ならびに特許請求項16の特徴を示す方法によって達成される。
【0007】
本発明によれば、研削及び/又は侵食機械は、研削又は侵食工具を配置することができるスピンドル軸を中心に駆動することができる工具スピンドルを含む。工作物には、工作物保持装置が設けられている。この機械は、複数の機械軸を有する機械軸構成を含む。各機械軸は、回転又は並進機械軸として構成されてもよい。最大6つの機械軸を設けることができ、それぞれが、工具スピンドルを位置決め又は移動させるように配置され、又はそこに設けられた工具が、工作物保持装置又はそこに配置された工作物に対して、所望のプロセスを実行できるようにする。既存の各機械軸の位置を位置検出装置で検出する。これを達成するために、位置検出装置は、それぞれの並進又は回転自由度内の位置を測定する位置センサを備えることができる。また、位置検出装置は、それぞれの位置の特徴である他のパラメータに基づいて、機械軸の位置を決定することも可能である。したがって、位置検出は、直接測定された実際の位置値に基づいて、又はこの実際の位置を記述する間接パラメータに基づいて行われることが可能である。
【0008】
導電性測定体、好ましくは導電性試験マンドレル、ならびに導電性測定ディスクが、測定又は基準化のために使用される。1つは、第1に、測定体、特に試験マンドレルを、それぞれ工作物保持装置内に配置してもよく、他方は、第2に、測定体、特に測定ディスクを、工具スピンドル内に配置してもよい。測定又は基準化のために、第2の測定体は、第2の測定体に電圧が印加されるように、供給電圧電位に接続され、前記電圧は、好ましくは、供給電圧電位に対応する。工作物保持装置内に配置される第1の測定体は、供給電圧電位よりも低い定義された基準電位に電気的に接続される。基準電位は、好ましくは、接地電位(0ボルト)として作用する。さらに、第2の測定体は、監視装置に接続される。
【0009】
制御装置を介して、測定体を互いに対して移動させたり、位置決めしたり、位置合わせしたりすることができる。機械の制御装置は、接触位置で互いに接触するように、測定体を相対的に互いに向かって移動させるために機械軸を制御する。この接触が接触位置で起こるとすぐに、測定電流が測定体間、好ましくは、より高い電位を有する第2の測定体から、より低い電位を有する第1の測定体に流れる。この測定電流は、第2の測定体に接続された監視装置によって検出される。測定電流が検出されると、少なくとも1つの駆動機械軸、又はすべての機械軸の実際の位置がメモリに保存される。したがって、2つの測定体間の接触により、接触位置で基準位置を決定することができる。この基準位置の決定は、非常に正確であり得る。測定電流は、測定体間の接触の直後に、非常に正確に検出できることが分かった。このとき、適切な実位置を検出し、それぞれを基準位置として記憶することができる。測定体間の接触圧力の変化による差異は生じない。
【0010】
機械及び方法は、それぞれ、高価な又は精巧なセンサシステムを必要としない。測定電流の検出は、機械の動作範囲外で発生する可能性がある。機械の動作範囲内では、高感度センサは不要である。したがって、基準化及び測定は、それぞれ、高精度と同時に、単純で、費用効果のある手段で行うことができる。
【0011】
好ましくは、駆動された少なくとも1つの機械軸の駆動は、測定体間の接触が検出されると直ちに停止される。その結果、測定物体間の高い接触圧力が回避される。
【0012】
測定及び基準化のために、それぞれ、一連の接触位置に連続的に接近すると有利である。例えば、特定の測定を実行したり、機械軸間の方向を互いに比較したりするために、シーケンスごとに少なくとも2つ、3つ、又はそれ以上の接触位置が存在してもよい。そうすることによって、少なくとも1つの接触位置に対して、1つ以上の回転機械軸の配向が指定されてもよい。測定体間の接触の直前及び接触までの進入運動は、好ましくは、単一の、特に並進の機械軸で行われる。
【0013】
好ましい例示的な実施形態では、第2の測定体は、リング状に閉じた円周面と側面とを有する測定ディスクとして構成されてもよく、円周面は、前記表面に隣接する側面を取り囲む。例えば、測定ディスクは、円形に輪郭形成されたディスクであってもよい。これに連動して、測定ディスクは、接触位置において円周面又は側面を有する他方の第1の測定体に接触することが可能である。これは、第1の測定体(例えば、試験マンドレル)の接触位置がどこに配置され、この接触位置に到達するまで、どの機械軸が相対運動に使用されるかに依存する。
【0014】
研削及び/又は侵食装置の全ての機械軸のそれぞれの測定及び基準化のために、連続的に接近される接触位置列の数は、測定体間の相対位置を変えるために配置される機械軸の数に対応することが好ましい。そうすることで、1つの機械軸、すなわち、その長手方向軸を中心とする第1の測定体の回転をもたらすことができる機械軸は考慮されない。
【0015】
好ましい例示的実施形態では、監視装置は監視ユニットを含む。監視ユニットは、制御装置の構成要素であってもよく、又は制御装置に通信接続されてもよい。
【0016】
好ましくは、監視ユニットは、第2の測定体が供給電圧電位に電気的に接続されているかどうかを監視するように配置される。対応する監視結果は、制御装置に送信することができ、又は別の適切な方法で制御装置に利用可能にすることができる。監視装置が、第2の測定体と供給電圧電位との間の電気接続が行われたと判断した場合、制御装置は、安全動作モードに切り替えることができる。この結果、いわば、工作物の加工は行わず、それぞれ測定と基準化が行われることが認識されている。続いて、安全動作モードが起動され、制御装置は、安全動作モードの少なくとも1つの制限を維持しながら、機械軸構成を制御する。
【0017】
安全動作モードでは、例えば、工具スピンドルの動作を防止して、第2の測定体がスピンドル軸を中心に回転しないようにすることができる。代替的又は追加的に、1つ又は複数の機械軸の駆動力又は駆動トルクは、最大力又は最大トルクに制限されてもよい。したがって、大きな接触圧力による測定体の損傷を回避することができる。そうするために、例えば、それぞれの機械軸に属し、その駆動を例えばモータ電流の適切な制限によってトルク制限に表す電気モータを受けることが可能である。それぞれの機械軸の力又はトルクを制限するために、例えば、モータ電流の測定及び制限を行うことが可能である。
【0018】
第2の測定体が、接続線を介して電気接続部の第1の接点に電気的に接続される場合に有利である。さらに、電気接続部は、互いに短絡され得る第2の接点及び第3の接点を含んでもよい。
【0019】
接続部への電気的接続のために、電気的対向接続部を設けることができる。対向接続部は、監視装置を介して第1の導体によって供給電圧電位に接続される第1の対向接点を備える。監視装置の監視部は、この第1の導体内に配置されてもよく、該装置は、スイッチング機能を提供する、例えば、トランジスタ、リレー、及び光カプラなどである。好ましくは、監視部は、測定回路からの第1の導体のガルバニック絶縁をさらに提供してもよい。
【0020】
さらに、対向接続部が、第2の導体によって供給電圧電位に接続される第2の対向接点を有する場合に有利である。さらに、第3の導体によって監視装置に、特に監視装置の監視ユニットに接続されるオプションの第3の対向接点を設けることができる。
【0021】
接続部と対向接続部との間に接続が確立されると、第1の接点と第1の対向接点との間に電気的接続がもたらされる。存在する場合、第2の接点と対向接点との間、及び/又は第3の接点と第3の対向接点との間の電気接続も行われる。第2の接点と第3の接点との間の短絡により、したがって、接続部と対向接続部との間の接続が確立されると、供給電圧電位と、監視装置と監視ユニットとの間の電気的接続がそれぞれもたらされる。このようにして、第2の測定体の供給電圧電位への接続を検出し、例えば、安全動作モードを作動させることができる。
【0022】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項、明細書、及び図面から推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】研削及び/又は
侵食機械の例示的な実施形態の概略的なブロック図である。
【
図2】
図1のブロック図による研削及び/又は
侵食機械の例示的実施形態の概略側面図である。
【
図3】供給電圧電位への測定ディスクの電気的接続、及び監視装置の電気的接続、ならびに基準電位への試験マンドレルの電気的接続の例示的実施形態の基本図である。
【
図4a】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した側面図である。
【
図4b】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した平面図である。
【
図5a】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した側面図である。
【
図5b】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した平面図である。
【
図6a】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した側面図である。
【
図6b】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した平面図である。
【
図7a】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した側面図である。
【
図7b】異なる接触位置を有する
図1~
図3の試験マンドレル及び測定ディスクの概略図を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1及び
図2は、研削及び/又は
侵食機械10の例示的な実施形態を、大幅に単純化された方法で示す。研削及び/又は
侵食機械10は、少なくとも1つ、好ましくはいくつかの並進及び/又は回転機械軸12を備える機械軸構成11を備える。ここに示される例示的な実施形態において、軸構成11は、3つの並進軸、すなわち、X軸12x、Y軸12y、及びZ軸12zを含む。さらに、機械軸構成11は、本実施例によれば、2つの回転機械軸、すなわちA軸12a及びC軸12cを含む。C軸12cを介して、y方向及びY軸12yにそれぞれ平行に延びる回転軸Rを中心とした回転を行うことができる。A軸によって、x方向及びX軸12xにそれぞれ平行に延びる軸を中心とした回転を実行することが可能である。任意に、回転軸の周りの回転が実行される回転軸が存在してもよく、前記軸は、それぞれ、z方向及びZ軸12zに平行に延びる。
図2によって示される例示的な実施形態を参照すると、5つの機械軸12、すなわち、3つの並進機械軸12x、12y、12z、ならびに2つの回転機械軸12a及び12cのみが提供される。
【0025】
機械軸構成11によって、工具スピンドル13及び/又は工具保持装置14を機械ベース15に対して移動させることができ、それによって工具スピンドル13と工作物保持装置14との間の相対移動も達成することができる。このようにすることで、異なる軸構成を使用することができる。工具スピンドル13を移動させるために、1つ又は複数の並進又は回転機械軸12を使用することができ、工作物保持装置14を移動させるために、したがって、可能であれば、他の並進又は回転機械軸12を移動させることができる。
図2に示される例示的な実施形態を参照すると、Y軸12y及びZ軸12zは、工具スピンドル13を移動させるために使用することができ、一方、X軸12x及びC軸12cは、工作物保持装置14を移動させるために使用することができる。A軸12aは、工作物保持装置14をその長手方向軸Lを中心に駆動するように配置されている。
【0026】
軸構成11の機械軸12は、
図1では象徴的にのみ示され、
図2ではそれらの概略的に示された回転軸又はスライドによってのみ示されており、工具スピンドル13は、第2のスライド16に対してY軸12yによって動かすことができる第1のスライド15上に着座している。第1のスライド15を支持する第2のスライド16は、機械ベース15に対してZ軸12zによって移動させることができる。第3のスライド17は、X軸12xを介して移動可能となるように機械ベース15上に配置され、C軸12cを担持する。C軸12cによって、キャリア18を回転軸Rを中心に回転させることができ、Z軸12a及び工作物保持装置14がキャリア18に着座し、この場合、A軸12aは、工作物保持装置14を長手方向軸Lを中心に駆動することができる。
【0027】
その結果、機械軸構成11によって、工具スピンドル13を工作物保持装置14に対してそれぞれ位置合わせ及び位置決めすることが可能になる。工具スピンドル13は、工具19、例えば研削工具及び/又は侵食工具を受け入れるために配置されている。工具スピンドル13によって、工具19、例えば研削ディスクを、スピンドル軸Sを中心に回転するように駆動することができ、工具スピンドル13又は関連するスピンドル駆動装置(図示せず)は、所望の回転速度を指定することができる制御装置21によって作動される。
【0028】
工作物保持装置14は、工作物20をそれぞれ受け入れてクランプするために配置されている。工作物20は、その縦軸Lを中心とするA軸12aによって、又は回転軸Rを中心とするC軸12cによって、回転又は旋回させることができ、C軸12cを中心とする回転軸Rを中心とする旋回運動によって、縦軸Lとスピンドル軸Sとの間の角度が調整される。この例によれば、この角度は、0°から180°の間で変化させることができる。
【0029】
制御装置21を介して、機械軸構成11も、各機械軸12が個別に駆動されるように作動される。各機械軸12の位置は、位置検出装置22によって検出される。そうすることによって、それぞれの機械軸12は、それぞれの位置値A
ist、C
ist、X
ist、Y
ist, Z
ist (「ist」[sic.] =実際)を検出し、それを制御装置21に送信するために、位置センサ23に関連付けられてもよい。追加の回転軸がある場合、対応する実際の値を、位置検出装置22によって制御装置21に送信することができ、これは、
図1に破線で示されている。
【0030】
提案された実施形態の代替として、位置検出は、それぞれの実際の位置に特徴的な他の値に基づいて、位置検出装置22によって達成されてもよい。したがって、実際の位置値を直接測定する必要はない。
【0031】
この例によれば、研削及び/又は侵食機械10は、機械軸12を測定又は基準化するための方法を実行するために配置される。これを行うために、工作物の代わりに、導電性の第1の測定体(例によれば、試験マンドレル27)を工作物保持装置14に挿入することができる。さらに、工具19の代わりに、導電性の第2の測定体(例によれば測定ディスク28)を工具スピンドル13に挿入することができる。試験マンドレル27は、固定された基準電位に電気的に接続されており、この例によれば、接地Mに電気的に接続されている。この接続は、配線を介して、試験マンドレル27上で直接的に、又は工作物保持装置14を介して間接的に達成することができる。
【0032】
測定ディスク27は、供給電圧電位UVに電気的に接続される。電気的絶縁29を介して、測定ディスク28に接続されたシャフトのシャフト部分30は、測定ディスク28に対して電気的に絶縁される。測定ディスク28は、軸部30を介して、工具スピンドル13に収容されている。したがって、測定ディスク28に印加される供給電圧の電位UVは、工具スピンドル13に印加されず、工具スピンドル13内又はそれを横切る電流の流れは、電気的絶縁29によって防止される。
【0033】
さらに、測定ディスク28は、監視装置31に電気的に接続されている。監視装置31は、監視ユニット32を備える。監視装置31又は少なくとも監視ユニット32は、制御装置21の構成要素であってもよく、又は制御装置21に通信接続されていてもよい。監視装置31と測定ディスク28との間の電気的接続は、接続部33と対向接続部34とを有する接続装置を介して行われる。接続部33は、好ましくは、プラグとして構成され、対向接続部34は、ソケットとして構成される。例えば、対向接続部34は、工具スピンドル13の領域において、例えば、第1のスライド15又は第1のスライド15のキャリアに接続された工具スピンドル13用のキャリアに、研削及び/又は侵食機械10に取り付けることができる。
【0034】
例示的な実施形態では、接続口33は、第1の電気接点35を有し、この例によれば、さらに、第2の電気接点36及び第3の電気接点37を有する。電気接点35、36、37は、プラグピンとして構成することができる。
図3から推測できるように、第2の接点36は接続部33によって電気的に短絡され、第3の接点37は、接続部33内に位置する。
【0035】
対向接続部34は、少なくとも1つの第1の電気的対向接点38を有する。例示的な実施形態では、さらに、第2の電気的対向接点39及び第3の電気的対向接点40が存在する。対向接点38、39、40は、それぞれ関連するプラグピンを受け入れるためのソケットとして構成することができる。
【0036】
接続線41を介して、第1の電気接点35は、測定ディスク28に電気的に接続される。接続線41は、フレキシブルな線路であり、例えば螺旋状のケーブルである。
【0037】
第1の対向接点38は、第1の導体42によって監視装置31に接続される。例示的な実施形態では、第1の導体42は、監視部43を介して供給電圧電位UVに電気的に接続される。監視部43は、電気的スイッチング機能を有し、測定電流IMが第1の導体42を流れるときに電気的スイッチング動作をトリガするように配置される。この電気的なスイッチング動作は、監視部43に電気的に接続された監視ユニット32によって検出される。
【0038】
本明細書に記載される例示的な実施形態では、監視部43は、さらに、ガルバニック絶縁を提供する。監視部43の一次側は、監視部43の二次側が二次回路44に配置されたときに第1の導体42で切り替えられる。
【0039】
例示的な実施形態では、監視部43は、光カプラ45である。光カプラ・ダイオードは、アノード側で供給電圧UVに電気的に接続され、カソード側で第1の対向接点38に電気的に接続される。光カプラ・トランジスタは、コレクタ側で二次電圧電位USに電気的に接続され、エミッタ側で第1の監視入力46に電気的に接続される。測定電流IMが第1の導体42、したがって光カプラ・ダイオードを通って流れると、光カプラ・トランジスタは導電性になり、第1の監視入力46を二次電圧電位USに電気的に接続する。しかし、測定電流IMが光カプラ・ダイオードを通って流れない場合、光カプラ・トランジスタは遮断され、二次電圧電位USは、第1の監視入力46から電気的に切断される。このように光カプラ・トランジスタのスイッチング動作により、第1の導体42に測定電流IMが存在することを検出することができる。
【0040】
二次回路44はまた、監視部43又は光カプラ45の助けを借りて、異なるように電気的に構成されてもよい。例えば、第1の監視入力46は、二次電圧電位US及び光カプラ・トランジスタのコレクタに直接接続されてもよい。光カプラ・トランジスタのエミッタは、抵抗を介して、二次電圧電位USと比較して低い電位、例えば二次接地電位に接続することができる。この場合、測定電流IMが第2の導体42を介して一次側に流れると、二次接地電位が第1の監視入力46に印加され、そうでない場合、光カプラ・トランジスタは遮断され、二次電圧電位USが第1の監視入力46に印加される。
【0041】
監視装置31及び二次回路44それぞれの追加の修正も可能である。光カプラ45の代わりに、リレー又はスイッチング動作を引き起こす別の監視部43を使用することができ、これは、電気的絶縁を備えているか、又は備えていない可能性がある。
【0042】
第2の対向接点39は、第2の導体49を介して供給電圧電位UVに電気的に接続され、好ましくは直接接続される。第3の対向接点40は、第3の導体50を介して、好ましくは直接に、第2の監視入力51に電気的に接続される。
【0043】
接続部33と対向接続部34との間に電気的、好ましくは機械的接続が確立される場合、第1の接点35と第1の対向接点38との間、第2の接点36と第2の対向接点39との間、及び第3の接点37と第3の対向接点40との間に、それぞれ1つの電気的接続が行われる。第2の接点36と第3の接点37との間の短絡接続により、第1の導体49は第3の導体50に電気的に接続され、その結果、供給電圧電位UVが第2の監視入力51に印加される。監視ユニット32の監視装置31は、第2の監視入力51を介して、接続部33と対向接続部34との間に電気的接続がなされたことを検出することができる。
【0044】
好ましくは、監視ユニット32は、接続部33と対向接続部34との間の電気接続が検出されたときに適切な信号を生成し、前記信号を制御装置21に供給するように配置される。次いで、後者は、研削及び/又は侵食機械10を安全運転モードで作動させる。安全操作モードでは、工具スピンドル13のスピンドル軸S回りの駆動及び/又は試験マンドレル27の長手方向軸L回りの回転が防止される。これにより、工具スピンドル13に挿入された測定ディスク28が回転するのを防止することができる。
【0045】
代替的又は追加的に、1つ以上の機械軸12は、力又はトルクが制限されている間、安全操作モードで操作されてもよい。この結果、これらの測定体27、28が互いに接触するとき、又は研削及び/又は侵食機械10の別の構成要素と接触するときに、過剰な力又はトルクが測定ディスク28又は試験マンドレル27に作用することが防止される。そうするために、例えば、モータ電流の適切な電流制限によって、それぞれの機械軸12の関与する電気モータの駆動トルクを制限することが可能である。
【0046】
測定ディスク28及び試験マンドレル27が機械軸構成11を介して互いに相対的に移動され、接触位置Kで互いに接触すると、測定ディスク28と試験マンドレル27との間に導電性接続が形成される。測定ディスク28に印加される供給電圧電位UVと、試験マンドレル28に印加される基準電位(接地M)との間の電位差により、測定電流IMが、例に従い、測定ディスク28から試験マンドレル27を横切って接地Mに流れ、この電流の流れによって、監視部43が切り替わり、その結果、監視装置31は、測定電流IMの電流の流れを検出することができる。このとき、位置検出装置22を介して検出された各機械軸の現在位置が記憶又は登録される。
【0047】
この構成は、研削及び/又は侵食機械10の作動範囲内で接触センサ又は近接センサを使用することなく、測定ディスク28と試験マンドレル27との間の接触を迅速かつ正確に検出することができる。特に、制御装置21は、指定された接触位置のシーケンス上で測定ディスク28を移動させて試験マンドレル27と接触させるように配置される。好ましくは、測定ディスク28は、測定ディスク28の縁を形成し、その輪郭を画定する円周面54を有する。円周面54は、軸部30から離れた方向を向いている側面55を包囲している。測定ディスク28は、その側面55又は円周面54のいずれかと、試験マンドレル27と接触させることができる。
【0048】
図4乃至
図7の各々は、長手方向軸Lとスピンドル軸Sとの間の特定の列における接触位置の接近を概略的に示している。研削及び/又は
侵食機械の測定又は基準化のために、試験マンドレル27上の一連の幾つかの接触位置Kに接近し、測定ディスク28をそこで試験マンドレル27と接触させることが可能である。そうするために、接触は、側面55又は測定ディスク28上の円周面54と達成されてもよい。接触位置Kは、試験マンドレル27の生成面56又は表面57上に提供されてもよい。
【0049】
接触位置Kの数は、試験マンドレル27に対して測定ディスク28を移動させるために配置される機械軸12の数に対応する。この例によれば、これらは4つの機械軸であるが、これは、A軸12aが、その長手方向軸Lを中心にして試験マンドレル27を回転させることができるためであり、しかし、これは、測定ディスク28と試験マンドレル27との間の相対位置を変化させないからである。その結果、3つの異なる接触位置K上の3つの並進軸12x、12y、12zに対応する試験マンドレル27に、回転軸Rを中心とする特定の回転角でC軸の第1の位置で接近する。さらに、少なくとも1つの接触位置Kは、回転軸Rを中心とするC軸12cの別の回転位置の下で接近する。例えば、回転軸Rを中心とする2つの回転位置は、互いに90°異なることがある。
【0050】
例示的な実施形態では、縦軸Lは、最初にx方向に整列されてもよい(
図4~
図6)。試験マンドレル27のこの位置合わせにおいて、測定ディスク28は、生成された表面56に対して側面55との第1の接触位置でY軸12yを使用して移動され、この第1の接触位置の位置が検出される(
図4a及び4b)。続いて、Z軸12zを使用して、測定ディスク28の円周面54が、少なくとも1つの追加の接触位置K上で、試験マンドレル27の生成面56に対して移動され、その位置が検出される(
図5a及び5b)。最後に、試験マンドレル27の面57上の別の接触位置Kに近づき、この場合、X軸12xが使用され、この場合の相対運動は、測定ディスク28に向かう試験マンドレル27の移動を介して行われる。これらの3つの接触位置の検出によって、長手方向軸L及びスピンドル軸Sに対する並進軸の相対的位置を決定することが可能である。回転C軸12cを基準化するために、回転軸Rを中心とする指定された回転角度、例えば90°だけC軸が回転し、その後、並進軸12x、12y、12zのうちの少なくとも1つを使用して、試験マンドレル27と測定ディスク28との間に接触が確立される。
図7a及び7bによって示される例示的な実施形態において、この相対運動は、X軸12xによって達成される。C軸のこの旋回位置において、さらなる追加の接触位置に近づき、対応する位置を決定することが可能である。
【0051】
上述した研削及び/又は侵食機械10の助けを借りて、多数の幾何学的測定を行うことが可能である。例えば、試験マンドレル27は、例えばY軸12yを使用して、測定ディスク28によって長手方向軸Lに沿って1つ以上の接触位置Kに移動させることができる。続いて、試験マンドレル27は、長手方向軸Lを中心に指定された回転角度だけ回転させることができ、測定ディスク28によって長手方向軸Lに沿った同じ位置に再び移動させることができる。このようにして、A軸12aの同心度を求めることができる。
【0052】
また、X軸12xに対するA軸12aの平行度を求めることもできる。X軸12xを使用すると、接触位置で試験マンドレル27と測定ディスク28とを接触させることができる。続いて、C軸を指定された回転角度、好ましくは180°だけ回転させ、再び、X軸12xを使用して、試験マンドレル27と測定ディスク28との間の接触位置に近づける。これに基づき、軸平行度を求めることができる。これと同様に、Z軸12zに対するA軸12aの平行度は、Z軸を用いて求めることができる。
【0053】
Y軸12yを用いて試験マンドレル27の面57上のいくつかの接触位置Kにわたって移動させることによって、例えば、Y軸12yに対するA軸12aの直角性を決定することができる。面57がこれに対して小さすぎる場合、第1の測定体として、試験マンドレル27の代わりに接地Mに電気的に接続されたディスクを使用することが可能である。
【0054】
A軸12aがX軸12xに平行に配向される場合、回転軸Rは、長手方向軸Lを二分するはずであり、回転軸Rの周りの異なる回転位置又は旋回位置において、軸又は回転と試験マンドレル27の生成面56との間の交点で接触位置Kに移動することによって、回転軸Rと長手方向軸Lとの間の中心オフセットを決定することが可能である。
【0055】
上述した研削及び/又は侵食機械によって、必要に応じて追加の測定及び基準化を行うことが可能である。これを行うために、接触位置Kの列にそれぞれ近づけることができる。各接触位置について、スピンドル軸Sに対する長手方向軸Lの所望の配向が指定されてもよい。例で説明したC軸12cに加えて、回転機械軸が追加されている場合には、接触位置Kの位置検出ごとにそれらの角度位置を指定することも可能である。
【0056】
記載された測定又は基準化操作は、他の軸構成と同様に実行されてもよい。研削スピンドル13が機械ベース15に対して移動するか、工作物保持装置14が機械ベース15に対して移動するかは、それぞれの特定の軸構成に依存する。
【0057】
本発明は、研削及び/又は侵食機械10、並びに、幾つかの機械軸12を含む軸構成11を測定し且つ基準化するための方法に関し、ここで、各々は、回転又は並進機械軸として構成することができる。これを行うために、第1の測定体(試験マンドレル27)が工作物保持装置14内に挿入され、第2の測定体(測定ディスク28)が工具スピンドル13内に挿入される。試験マンドレル27は、基準電位、好ましくは接地Mに電気的に接続され、測定ディスク28は、供給電圧電位UVに電気的に接続される。測定ディスク28と試験マンドレル27との間に接触を形成することにより、供給電圧電位UVと基準電位との間に測定電流IMが流れ、この例によれば、供給電圧電位UVから接地Mまで、この測定電流IMの流れを監視装置31で検出することができ、測定電流IMの電流の流れの開始時の機械軸12の実際の位置を決定することができる。軸構成11を介して、測定ディスク28と試験マンドレル27との間の1つ以上の接触位置Kに近づけることができ、その結果、軸構成11及び機械のそれぞれの基準化又は測定を行うことができる。
【符号の説明】
【0058】
10 研削・侵食機械
11 軸構成
12 機械軸
12a A軸
12c C軸
12x X軸
12y Y軸
12z Z軸
13 工具スピンドル
14 工作物保持装置
15 第1スライド
16 第2スライド
17 第3スライド
18 キャリア
19 工具
20 工作物
21 制御装置
22 位置検出装置
27 試験マンドレル
28 測定ディスク
29 絶縁
30 軸部
31 監視装置
32 監視ユニット
33 接続部
34 対向接続部
35 第1の接点
36 第2の接点
37 第3の接点
38 第1の対向接点
39 第2の対向接点
40 第3の対向接点
41 接続線
42 第1の導体
43 監視部
44 二次回路
45 光カプラ
46 最初の監視入力
49 第2の導体
50 第3の導体
51 第2監視入力
54 測定ディスクの周面
55 測定ディスクの側面
56 試験マンドレルの生成面
57 試験マンドレルの表面
IM 測定電流
K 接点位置
L 方向軸
M 接地
R 回転軸
S スピンドル軸
US 二次電圧電位
UV 供給電圧電位