(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】二酸化炭素を削減する方法
(51)【国際特許分類】
A01G 9/18 20060101AFI20221102BHJP
A01G 7/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
A01G9/18
A01G7/02
(21)【出願番号】P 2022033907
(22)【出願日】2022-02-15
【審査請求日】2022-03-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522085622
【氏名又は名称】高橋 睦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 睦
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特許第6007619(JP,B2)
【文献】特開平4-40833(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0390868(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/18
A01G 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
夜間も稼働する前記特定建築物においては前記温室ハウスの給気口に切り替えダンパーを設けて
給気箇所を切り替え可能としておくことで夜間に排気空気は前記間隙から大気放出され、前記温室ハウスには排気空気は入らずその代わりに切り替えダンパーから前記温室ハウスの給気口に外気を取り入れ可能としたことを特徴とする請求項2に記載の二酸化炭素を削減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物環境衛生管理基準に従って管理されている特定建築物から排出される二酸化炭素を900ppm程度含む排気空気と、植物の光合成が最大となる二酸化炭素濃度がほぼ同じであることを組み合わせることにより、排出する二酸化炭素量を低減させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定建築物は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(略称「建築物衛生法」)により「建築物環境衛生管理基準」に従って維持管理されている。その中の空気環境基準の一項目として「二酸化炭素の含有率は1000ppm以下」と定められ、これによりビル内の空気は適切に換気されることになる。ただ空調の省エネルギーを考える場合換気量は少ない方が良く、基準値を超えない範囲で換気量を少なく運用されている為、多くの特定建築物において二酸化炭素濃度が900ppm前後となった空気を排出することになる。
【0003】
温室ハウスは外気温が低い場合でも中の温度を維持するために閉空間となっている。従って太陽光を受け植物の光合成により内部の二酸化炭素が消費されると外気よりも濃度が低下し二酸化炭素欠乏が生じる場合がある。従って二酸化炭素発生装置によって前記温室ハウス内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素施肥が行われている。
【0004】
二酸化炭素施肥の一般的な方法として▲1▼化石燃料の燃焼ガスとしての供給(二酸化炭素発生装置の発生方法である)▲2▼液化炭酸ガスボンベからの供給、の二つの方法が主であるが▲1▼は二酸化炭素の供給と共に燃焼ガスであるためガス温度も高く温室ハウス内の温度を植物の生育環境に適さなくなるほど上昇させてしまう。従って二酸化炭素施肥は午前中の短時間に限られている。▲2▼は供給に伴う温度上昇は無いがコスト的に割高であるという面がある。
【0005】
その他火力発電所等から発生する排ガスから二酸化炭素を分離して植物の育成に役立てるCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:二酸化炭素の有効利用技術)という手段もあるが、大型の設備が必要であることや発電と施設栽培といった異部門の連携が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1においては、施設で発生した二酸化炭素を栽培ハウス内の販売対象植物に吸収させることで二酸化炭素を削減する方法が示されており、その実施としては施設から排出される排ガスから二酸化炭素を回収し、回収された二酸化炭素を栽培ハウスへ供給するシステムとなっている。その構成上二酸化炭素回収装置が必要となるが二酸化炭素の回収方法については具体的に示されてはいない。どのような方法であるにしても前記二酸化炭素回収装置の設備費用が発生するという課題がある。
【0009】
非特許文献1においては、多くの施設栽培で使用されている灯油の燃焼による二酸化炭素発生装置であり、且つ燃焼ガスの温度を下げる工夫が盛り込まれているが、施設栽培で二酸化炭素を消費するとはいえ、あえて温室効果ガスである二酸化炭素を作り出しているという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明の二酸化炭素削減方法は、建築物環境衛生管理基準に従って管理されている特定建築物から排出される排気空気中の二酸化炭素を削減する方法であって、前記排気空気に含まれる900ppm程度の二酸化炭素濃度と、植物の光合成が最大となる二酸化炭素濃度が一致することを利用し、前記排気空気を温室ハウスへ導き、そのまま施設栽培として使用することで収穫物の増収と品質向上を実現することを特徴とする。
【0011】
第2の本発明の二酸化炭素削減方法は、前記特定建築物の屋上部に設置した植物を栽培する温室ハウスと、前記特定建築物の排気口のダクトと前記温室ハウスの給気口のダクトとの間に間隙を設けておき、排気空気を取り込むために給気口へ常時運転する給気用のファンを設けた前記温室ハウス内で栽培する植物の光合成により二酸化炭素を削減する方法である。間隙があることにより昼間は前記特定建築物の排気空気は前記温室ハウス内に供給され、夜間に前記特
定建築物の排気が停止した場合は何らの操作無く常時運転している給気ファンにより前記間隙から外気を前記温室ハウスに供給するようにしたことを特徴とする。
【0012】
第3の本発明の二酸化炭素削減方法は、夜間も稼働する前記特定建築物においては前記温室ハウスの給気口に切り替えダンパーを設けて給気箇所を切り替え可能としておくことで夜間に排気空気は前記間隙から大気放出され、前記温室ハウスには排気空気は入らずその代わりに切り替えダンパーから前記温室ハウスの給気口に外気を取り入れ可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の本発明によれば特定建築物から換気として排出される排気空気中の二酸化炭素の削減が可能であり、特定建築物の排気空気中の二酸化炭素濃度を900ppmから500ppm程度までに連続的に低減させることが可能である。但し温室ハウスの大きさや植物の栽培量によって二酸化炭素濃度の低減値は変化する。
【0015】
前記温室ハウスへ供給する排気空気の温度は夏期28~32度、冬期18~20度程度であり夏の異常昇温、冬の低温防止に効果が有り温室ハウスの加温・冷房用設備が不要であるとともに排気空気は前記の温度を保つことから温室ハウス内の温度を二酸化炭素施肥により上昇させることはないため、今まで短時間に限られていた二酸化炭素施肥を日照時間中連続して実施可能である。よって従来以上に光合成を活発にさせる環境を長く保ちながら、且つ今まで使用せざるを得なかった二酸化炭素発生装置は不要となり、それに費やされていた燃料や電気代も不要となる。
【0016】
請求項2の本発明によれば前記特定建築物の排気口のダクトと前記温室ハウスの給気口の間に間隙を設けた構成とすることにより、昼間のワーキングタイム中は排気空気を前記温室ハウス内に供給し、夜間は前記特定建築物の排気が停止して排気空気が供給されなくなると、その代わりに前記間隙から外気を吸い込み前記温室ハウスに供給することが出来る。夜間は稼働しない特定建築物では前記間隙を設けておくだけで排気空気と外気との切り替え装置を設ける必要は無い。
【0017】
請求項3の本発明によれば夜間も稼働する前記特定建築物においては前記温室ハウスの給気口に切り替えダンパーを設けて夜間は切り替え操作により排気空気を前記間隙から大気放出し、切り替えダンパーから前記温室ハウスの給気口に外気を取り入れ可能とし、夜間に植物が呼吸する際の適切な環境を保つことが出来る。
【0019】
その他次のような効果がある。環境に配慮している優良企業としてのイメージアップに貢献すること、グリーンが有る事により建物のユーザーにとってのバイオフィリアとしてのリフレッシュ効果や、特定建築物は都市部に多く農産物の消費地へも近いため前記温室ハウス内で生産された農産物は建物内での消費や近隣での販売に提供すれば輸送エネルギーはほぼゼロとなり究極の「地産地消」となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
対象とする建物は「建築物衛生法」による特定建築物とする。これは「建築物環境衛生管理基準」に基づいて管理されている建物であることから排気空気中の二酸化炭素濃度が前述の理由からほぼ900ppmとなる事が前提である。
【0022】
[第1実施形態]
昼間がワーキングアワーで夜間は人のいない建物の場合について示す。
図1は本発明のシステム概要図であり、特定建築物からの排気空気は全熱交換機11を経て排出される。排気空気は人の呼気として排出された二酸化炭素により濃度が900ppm程度となった空気であり、直前まで人が活動しているエリアからの空気であるためクリーンでありそのまま温室ハウス3へ供給される。
【0023】
温室ハウス3内部にはトマトやいちご等の果菜類もしくはその他の葉物野菜類(二酸化炭素の濃度の増加と共に光合成が活発となる植物の中から販売に適した植物を選択する)を養液栽培する。そのための設備として必要な給水や肥料の供給設備等、設備一式を設置する。
【0024】
多くの植物において光が一定であれば1000ppm程度までは二酸化炭素の濃度に比例して光合成が活発に行われるがそれ以上に濃度を高くしても光合成はあまり変化しないという特徴がある。従って前記排気空気の二酸化炭素の濃度とほぼ一致し二酸化炭素施肥として有効である。
【0025】
一般的に建物の換気設備は屋上部2へ設置されるため空気搬送のためのダクトをなるべく短くし、設備コストを小さくするためにも屋上部等の換気設備の近傍に温室ハウス3を設置することが望ましい。強風で破壊されない様に適切な耐風強度を持つ温室ハウスとする。
【0026】
温室ハウス3の空気取り入れ口には給気ファン4を設けておき通常連続運転とする。給気ファン4の吸い込み口近傍まで導かれた前記特定建築物の排気口のダクトから排気空気が排出され間隙7を隔てた状態で給気ファン4により吸い込まれ温室ハウス3へ供給される。ここで、前記排気口ダクトの寸法形状と前記給気ファン4の吸込み口の寸法形状は一致させ、向かい合わせでダクトの通り芯を合わせておく。排出される排気空気の風量と給気ファン4の風量は同等とすることで排気空気のほとんどが温室ハウス3へ導かれる。たとえ排気空気の量が変化し給気ファン4との風量が異なった場合でも間隙7により外気との空気の出入りが可能となりバッファの役目を果たす。又、夜間に建物の排気ファンが停止した場合には間隙7から外気を吸い込む為の外気取入口になる。よって、前記排気口ダクトのダクト周長と間隙7による開放面積は前記排気口ダクトの断面積と同等となる寸法で有ることが望ましい。例えば前記排気口ダクトの1辺が1mの正方形とした場合ダクト周長は4mであるため間隙7は0.25m程度とする。間隙7には虫やゴミなどを吸い込まないように金網を設けることが適切である。
【0027】
給気ファン4により温室ハウス3へ取り込まれた排気空気は温室内の植物9へなるべく均等に接触するようにするために温室ハウス3の内部にダクトを設け均一に分散させる。給気ファン4とは反対側へ温室ハウス3の空気出口としての排出ガラリ8を設けておく。二酸化炭素の削減量の把握のために二酸化炭素濃度を測定する場合は給気ファン4通過後の濃度と排出ガラリ8通過後の濃度を測定する事により実施する。
【0028】
建物内の空気は空調10により冷暖房されており、全熱交換機11を経て排気される。建物内は夏期25~28℃、冬期は20~22℃程度に維持されるため排気空気は全熱交換機で外気と熱交換されて夏期は28~32℃、冬期は18~20℃程度の温度となって温室ハウス3へ供給されるため夏期の異常高温、冬期の低温を避けることが出来る。従来の温室ハウスで二酸化炭素発生装置を使用した場合には温室ハウスの内部温度が高温になり過ぎるために外気を導入せざるを得ず、これにより温室ハウスは解放状態となり二酸化炭素濃度を高く維持することが出来なかった。温室ハウス内が高温にならず二酸化炭素濃度の高い排気空気を連続して供給することにより外気と同等以上の二酸化炭素濃度の状態を長時間にわたり維持することが出来る。
【0029】
建物の排気は通常のワーキングアワー(日中9:00~17:00)に合わせて運転される。この時間が日照時間とほぼ同じであるために植物が光合成をする時間帯は二酸化炭素濃度の高い排気空気を供給することが出来ることで光合成の促進が適切に行われるわけである。
【0030】
植物は夜間には呼吸をするために二酸化炭素濃度が高い環境は適切ではない。冬期に日照時間が短くなりワーキングタイム中に日没した場合にも切り替えダンパー5を切り替え操作することにより日没からワーキングアワーの終了時刻まで二酸化炭素濃度の高い排気空気を大気放出し、外気を温室ハウス3へ供給することで植物の生育環境を適切に保つことが出来る。ただ日没後からワーキングタイム終了時刻までは短時間であることから第1実施形態の場合は切り替えダンパー5を省略することも可能である。
【0031】
[第2実施形態]
24時間稼働している建物や深夜まで稼働している建物の場合について示す。この場合夜間の排気も二酸化炭素濃度が高い状態が継続する事になるが前記の理由により切り替えダンパー5の操作により夜間は排気空気を温室ハウス内に供給せずに大気放出し、その代わりに外気を温室ハウスに供給する。
【0032】
図2は切り替えダンパー5の動作を示す。昼間の日照時間中ダンパー5の仕切り板6の位置はa部にあり排気空気を吸い込み、日没後は仕切り板6をb位置へ切り替える事により排気空気を遮り外気を導入出来る構成とする。これにより排気空気は大気へ放出され、温室ハウス3へは外気が導入される。夜明けと共に仕切り板6をa位置へ戻し、排気空気を導入できる構成とする。本操作は日の出と日没に合わせて自動切り替えとしておくのが適切である。
【0033】
[その他の実施形態]
切り替えダンパー5での切り替え方法は仕切り板6の切り替え動作で説明されているが、他の方法として排気空気、外気の取入口各々に開閉ダンパーを設け、一方が開の場合は他方を閉とする事で同様に吸い込む空気を切り替えることが出来る。導入空気の切り替えについての方法は問わない。
【0034】
前述の実施形態説明では温室ハウス3は屋上設置で示しているが、これは換気設備の排気部と温室ハウス3までの排気空気の搬送距離を短くし設備コストを小さくするためであるので建物の敷地内で適切に設置可能な場所が屋上以外にもあれば温室ハウス3はどこに設置しても構わない。
【0035】
特定建築物では建築物環境衛生管理基準に従った空気環境が維持されており、ほとんどの特定建築物から排出される排気空気の二酸化炭素濃度は同程度といえるが、たとえ特定建築物ではない建物であっても人が集合しそこからの排気空気が発生する構築物であればどの様な場所でも本発明の活用は可能であり、二酸化炭素濃度が900ppm程度に満たない場合であったとしても外気より二酸化炭素濃度の高い排気空気を供給することが出来れば農産物の収量増と二酸化炭素削減を期待できる。
【0036】
屋上部等への温室ハウス3の設置が不可能な場合でも特定建築物の隣地で施設栽培農家の温室ハウスが有り、そこへ前記排気空気を供給することが出来れば特定建築物を二酸化炭素供給ステーションとしての機能を持たせ同様に活用することが出来る。
【符号の説明】
【0037】
1 特定建築物
2 屋上部
3 温室ハウス
4 給気用ファン
5 切り替えダンパー
6 仕切り板
7 一定の間隙
8 排出ガラリ
9 温室内の植物
10 建物内の空調
11 全熱交換機
【産業上の利用可能性】
【0038】
多くのオフィスビルが建ち並ぶ都市の特定建築物に適用し施設野菜の収量増加及び品質向上というメリットを得るとともに今まで大気放出していた二酸化炭素を削減可能である。
【0039】
本発明による二酸化炭素量の削減の一例として特定建築物の規模が最も小さい床面積3,000m2のオフィスビルにおける一年間の二酸化炭素削減量を試算する。
<設定条件>
・床面積:3,000m2のオフィスビル
・事務所(一般)の必要換気量:7.2m3/m2・h(空調・衛生工学規格より)
・20℃時の二酸化炭素の重量:1.8kg/m3
・1日の換気時間:8時間
・排気空気の二酸化炭素濃度:900ppm
・温室通過後の二酸化炭素濃度(仮定):600ppm
・年間のビル稼働日数:220日/年
<試算数値>
・1日の換気量
7.2m3/m2・h×3,000m2×8h/日=172,800m3/日
・1日の換気量中の排気二酸化炭素の削減量
1.8kg/m3×172,800m3/日×(900-600)/1,000,000=93.3kg/日
・1年間の二酸化炭素の削減量
93.3kg/日×220日/年=20,526kg/年
となり規模的に最も小さい特定建築物1棟において1年間で約20tonの二酸化炭素を削減する事が出来ると共に従来なら施設栽培で二酸化炭素発生装置を運転する際に使用していた燃料及び電気代も不要である。
【0040】
奈良県農業試験場の「施設栽培におけるCO2施用の現状と課題」によれば終日750ppmの濃度で二酸化炭素施肥を行い栽培したいちごの一例として二酸化炭素施肥をしない場合に比べて収穫量は70%増加し色艶の向上と糖度上昇等の品質向上が報告されている。二酸化炭素施肥は日照中の長時間の実施に効果があるために本発明のように二酸化炭素施肥時間も長く二酸化炭素濃度も900ppm程度と高い濃度で供給されることでそれ以上の収量増加と品質向上が見込まれる。それと同時に今までの二酸化炭素発生装置の稼働は不要である。
【0041】
特に商業施設(例えばスーパーマーケット等)で実施する場合では温室ハウスと販売場所は同じ場所であるために収穫した直後に売り場での販売が可能となるため新鮮さや品質の高さでは他の産地から輸送された物とは大きく異なり究極の地産地消として差別化出来る。
【0042】
人の呼気からの二酸化炭素を有効活用して栽培された野菜ということで新規性のある新しいブランドとして差別化し付加価値を付けて販売出来ると共に、商業施設の屋上で栽培している場合では、来客者に栽培の様子を見て頂く等の販売促進に貢献することも可能である。
【要約】
【課題】特定建築物からの二酸化炭素濃度が高い排気空気を光合成が最大化する濃度として使用し二酸化炭素を削減する方法を提供する。
【解決手段】特定建築物の換気設備から排出される排気空気の二酸化炭素濃度は900ppm程度でありそのまま大気へ放出されている。一方で施設栽培の温室ハウスは閉空間であり植物の光合成により二酸化炭素が消費されるため二酸化炭素発生装置を使用する必要があった。特定建築物の屋上部等へ温室ハウスを設置し建物からの排気空気をそのまま温室ハウスへ導くことにより植物の光合成を最大まで高め、且つ二酸化炭素を消費し二酸化炭素濃度を500~600ppm程度まで減少した後に大気へ放出する方法である。生産される農産物は光合成が盛んになることにより従来に比べ高収量、高品質となり収益増加に貢献し、且つ今まで施設栽培で使用せざるを得なかった二酸化炭素発生装置の運転自体が不要となる。
【選択図】
図1