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特許7168928一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー
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  • 特許-一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー 図1
  • 特許-一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー 図2
  • 特許-一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー 図3
  • 特許-一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム及びオーディオプレーヤー
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/04 20060101AFI20221102BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H04R3/04 102
H04R3/00 310
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018091995
(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2019140660
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】201810152033.6
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518010371
【氏名又は名称】ジルテック・テクノロジー(シャンハイ)・コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】518010382
【氏名又は名称】ジルテック・テクノロジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エ、ジンフア
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0014486(US,A1)
【文献】特開2012-065157(JP,A)
【文献】米国特許第06353670(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0304772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/08
1/12-1/14
1/20-3/14
9/00-9/10
9/18
31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラムと、前記ダイヤフラムに連接されるボイスコイルと、バックキャビティとを含み、前記ボイスコイルは駆動ユニットに連接され、前記バックキャビティには少なくとも一つのマイクロフォンが配置され、前記バックキャビティ内に存在する圧力の強さが前記マイクロフォンにより感知されるスピーカー本体と、
前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さにより前記ダイヤフラムの変位を推定する計算ユニットと、
推定された前記ダイヤフラムの前記変位を判定し、判定された前記変位と基準変位とを比較し、設定された閾値を超えたと判定する場合、事前補償信号が生成され、それを駆動ユニットに送る処理ユニットと、を含
前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さと前記ダイヤフラムの前記変位の間に、
P(s)=X(s)×S/Ca、ここで、
P(s)は前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さのラプラス変換であり、
X(s)は前記ダイヤフラムの等価変位のラプラス変換であり、
sはラプラス独立変数であり、
Sは前記ダイヤフラムの等価面積であり、
Caは前記バックキャビティのコンプライアンスであるという関係を有する一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項2】
前記スピーカー本体の等価回路は一次回路を備え、前記一次回路はコイルにより生成された力Fcoilと、回路内に存在するコイルと、前記ダイヤフラムの速度Vと、スピーカー質量Mmsの等価インダクタンスと、スピーカーの力抵抗Rmsの等価電気抵抗と、スピーカーコンプライアンスCmsの等価コンデンサーとを含み、
コンバータの一次等価力はF’=pSであり、F’は前記コンバータの前記一次等価力であり、pは前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さであり、Sは前記ダイヤフラムの等価面積である、請求項1の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項3】
前記スピーカー本体の前記等価回路はさらに二次回路を備え、前記二次回路は前記バックキャビティのコンプライアンスCaの等価コンデンサーを含み、二次体速度はU=vSであり、Uは二次体速度であり、vは前記ボイスコイルと前記ダイヤフラムの速度であり、Sは前記ダイヤフラムの等価面積であり、前記一次回路と前記二次回路との比はS:1である、請求項2の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項4】
前記スピーカー本体は磁気カラムの柱状体と、前記磁気カラムの前記柱状体の外側に配置される磁石と、前記磁石の上方に位置する磁気プレートとを含み、前記ボイスコイルは前記磁気プレートと前記柱状体との隙間に配置される、請求項1の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項5】
前記磁気プレートの上にダンパーが設けられ、前記ダンパーは波形の環状の折り板である、請求項4の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項6】
前記スピーカー本体は支えを含み、前記ダイヤフラムは前記支えの頂部に配置される、請求項1の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項7】
前記ダイヤフラムは円錐形で、前記ダイヤフラムの頂部に外向きエッジが設けられ、前記外向きエッジが締結装置により前記支えと連結される、請求項6の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項8】
前記計算ユニットと前記処理ユニットとは同一チップ上に集積される、請求項1の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうちのいずれか1項の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムを含むオーディオプレーヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ技術分野に関し、特に、サウンド増幅システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカーは電気信号を音声信号に変換する電気音響変換部品であり、サウンド増幅システムの主な一部である。現在使用されているほとんどのスピーカーは電動スピーカーであり、ボイスコイルが交流電流によって給電されると、磁界がボイスコイルに対して作用し、その作用により発生された力がボイスコイルを上下に動かして、ダイヤフラムの振動と音を駆動することができる。スピーカーの音響性能は、スピーカーの構造、材質、技術工程に関係するばかりでなく、スピーカーの制御にも関係するが、現在スピーカーの制御に対するリアルタイムの効果的な対策はなく、サウンド増幅システムの性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
上記の技術問題を解決するため、本発明は一種類の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムを提供し、具体的な方案は以下の通りであり、すなわち、
一種類の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムは、
ダイヤフラムと、ダイヤフラムに連接されるボイスコイルと、バックキャビティとを含み、ボイスコイルは駆動ユニットに連接され、バックキャビティには少なくとも一つのマイクロフォンが配置され、バックキャビティ内に存在する圧力の強さがマイクロフォンにより感知されるスピーカー本体と、
バックキャビティ内に存在する圧力の強さによりダイヤフラムの変位を推定する計算ユニットと、
推定されたダイヤフラムの変位を判定し、判定された変位と基準変位とを比較し、設定された閾値を超えたと判定する場合、事前補償信号が生成され、それを駆動ユニットに送る処理ユニットと、
を含む。
【0004】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、バックキャビティ内に存在する圧力の強さとダイヤフラムの変位の間に、以下の関係があり、すなわち、
P(s)=X(s)×S/Caであり、ここで、
P(s)はバックキャビティ内に存在する圧力の強さのラプラス変換であり、
X(s)はダイヤフラムの等価変位のラプラス変換であり、
sはラプラス独立変数であり、
Sはダイヤフラムの等価面積であり、
Caはバックキャビのコンプライアンスである。
【0005】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、スピーカー本体の等価回路は一次回路を備え、一次回路はコイルにより生成された力Fcoilと、回路内に存在するコイルと、ダイヤフラムの速度Vと、スピーカー質量Mmsの等価インダクタンスと、スピーカーの力抵抗Rmsの等価電気抵抗と、スピーカーコンプライアンスCmsの等価コンデンサーとを含み、
コンバータの一次等価力はF’=pSであり、F´はコンバータの一次等価の力であり、pはバックキャビティ内に存在する圧力の強さであり、Sはダイヤフラムの等価面積である。
【0006】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、スピーカー本体の等価回路はさらに二次回路を備え、二次回路はバックキャビティのコンプライアンスCaの等価コンデンサーを含み、二次体の速度はU=vSであり、Uは二次体速度であり、vはボイスコイルとダイヤフラムの速度であり、Sはダイヤフラムの等価面積であり、一次回路と二次回路との比はS:1である。
【0007】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、スピーカー本体は磁気カラムの柱状体と、磁気カラムの柱状部の外側に配置される磁石と、磁石の上方に位置する磁気プレートとを含み、ボイスコイルは磁気プレートと柱状部との隙間に配置される。
【0008】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、磁気プレートの上にダンパーが設けられ、ダンパーは波形の環状の折り板である。
【0009】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、スピーカー本体は支えを含み、ダイヤフラムは支えの頂部に配置される。
【0010】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、ダイヤフラムは円錐形で、そのダイヤフラムの頂部に外向きエッジが設けられ、外向きエッジが締結装置により支えと連結される。
【0011】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、計算ユニットと処理ユニットとは同一チップ上に集積される。
【0012】
本発明はさらに一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムを含むオーディオプレーヤーを提供する。
【0013】
本発明により、バックキャビティに配置されたマイクロフォンによりバックキャビティ内に存在する圧力の強さが感知され、バックキャビティ内に存在する圧力の強さによりダイヤフラムの変位量が推定され、ダイヤフラムの変位量により、スピーカーの歪み状況が正確に判断され事前補償され、歪みを軽減することができるようになり、よって、スピーカーを保護できるようになり、サウンド増幅システムの性能表現を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明のブロック図である。
図2図2は、本発明の機械的なモデルを示す図である。
図3図3は、本発明の等価回路を示す図である。
図4図4は、本発明のバックキャビティ内の音圧とダイヤフラムの変位との正の相関を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。明示されている実施形態は単に本発明の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて当業者が創造的な労働をすることなく取得した他の実施形態は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0016】
矛盾しない状態であれば、本発明の実施形態と他の実施形態の特徴とを組み合わせることができることに注意すべきである。
【0017】
以下で、図面と具体的な実施形態を参照しつつ本発明を詳細に説明するが、発明の範囲を限定することは意図していない。
【0018】
図1を参照して、一種類の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムは、
ダイヤフラムと、ダイヤフラムに連接されるボイスコイルと、バックキャビティとを含み、ボイスコイルは駆動ユニット14に連接され、バックキャビティには少なくとも一つのマイクロフォン11が配置され、バックキャビティ内に存在する圧力の強さがマイクロフォン11により感知されるスピーカー本体10と、
バックキャビティ内に存在する圧力の強さによりダイヤフラムの変位を推定する計算ユニット12と、
推定されたダイヤフラムの変位を判定し、判定された変位と基準変位とを比較し、設定された閾値を超えたと判定する場合、事前補償信号が生成され、それを駆動ユニットに送る処理ユニット13と、
を含む。
【0019】
本発明により、バックキャビティに配置されたマイクロフォンによりバックキャビティ内に存在する圧力の強さが感知され、バックキャビティ内に存在する圧力の強さによりダイヤフラムの変位量が推定され、ダイヤフラムの変位量により、スピーカーの歪み状況が正確に判断され事前補償され、歪みを軽減することができるようになり、よって、スピーカーを保護できるようになり、サウンド増幅システムの性能表現を確保することができるようになった。
【0020】
本発明の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、図2を参照して、スピーカー本体10は支え101と、ダイヤフラム102と、逆T字型の磁気カラム103と、磁石104と、磁気プレート105と、ボイスコイル106と、ダンパー107とを含み、ダイヤフラム102は支え101の頂部に配置され、磁石104は逆T字型の磁気カラム103の柱状体の外側に配置され、磁気プレート105は磁石104の上方に位置し、ボイスコイル106は磁気プレート105と柱状体との間に配置され、ダンパー107は磁気プレート105上に配置され、そのダンパー107は波形の折り板である。
【0021】
一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムにおいて、スピーカー本体10はダストカバー108を含み、そのダストカバー108はボイスコイル106の上方に設けられる。本発明のダイヤフラム102は円錐形で、そのダイヤフラム102の頂部に外向きエッジが設けられ、当該外向きエッジが支え101と締結装置により連結される。
【0022】
ダイヤフラム本体に、ダイヤフラム102と、ボイスコイル106と、ボイスコイル106が磁気カラムと磁石の間に正しい位置にあることを保証するダンパー107とは振動システムを構成し、逆T字型の磁気カラム103と、磁石104、磁気プレート105とは磁気回路システムを構成し、支え101と、ダストカバー108等は補助部品を構成している。
【0023】
本発明のスピーカー本体は上記のような構造を持つ。
【0024】
図3に示す等価回路を分析する。スピーカー本体の等価回路は一次回路を含み、一次回路はコイルにより生成された力Fcoilと、回路内に存在するコイルと、ダイヤフラムの速度Vと、スピーカー質量Mmsの等価インダクタンスとスピーカーの力抵抗Rmsの等価電気抵抗とスピーカーコンプライアンスCmsの等価コンデンサーなどのスピーカーの機械パラメータを含み、コンバータの一次等価力はF’=pSであり、F’はコンバータの一次等価の力であり、pはバックキャビティ内に存在する圧力の強さであり、Sはダイヤフラムの等価面積である。スピーカー本体の等価回路はまた二次回路を備え、二次回路はバックキャビティのコンプライアンスCaの等価コンデンサーを含み、二次体の速度はU=vSであり、Uは二次体速度であり、vはボイスコイルとダイヤフラムの速度であり、Sはダイヤフラムの等価面積であり、一次回路と二次回路との比はS:1である。
【0025】
コンバータの伝送に損失が内と仮定すると、次のようになり、すなわち、
F’*v=p*Uであり、ここで、F’はコンバータの一次等価の力であり、vはボイスコイルとダイヤフラムの速度であり、pはバックキャビティ内に存在する圧力の強さであり、Uは二次体速度であり、
二次圧力の強さ、つまりバックキャビティ内に存在する圧力の強さはP(s)=U(s)*(1/sCa)=V(s)*S/sCaであり、ここで、
P(s)はバックキャビティ内に存在する圧力の強さのラプラス変換であり、
U(s)は二次体速度のラプラス変換であり、
sはラプラス独自変量であり、
Caはバックキャビティのコンプライアンスであり、
V(s)はボイスコイルとダイヤフラム速度のラプラス変換であり、
Sはダイヤフラムの等価面積であり、
V(s)=s*X(s)から、X(s)はダイヤフラムの等価変位とし、
上記の公式はP(s)=X(s)*S/Caに変更することができる。すなわち、ダイヤフラムの有効面積とバックキャビティの構造とが一定の場合、バックキャビティの音圧はダイヤフラムの変位と正比例し且つ上記の関係を持つ。図4を参照して、実験データはさらに上記の関係を証明する。
【0026】
本発明では、密封されたバックキャビティ内に配置されたマイクロフォンによりバックキャビティ内に存在する圧力の強さが感知され、バックキャビティ内に存在する圧力の強さにより上記の関係に基づいてダイヤフラムの変位が推定され、一体化されたバックキャビティの圧力の感知及び問題を簡単化したことに基づいて、本発明の技術は現実が簡単で、且つ、サウンド増幅システムの音響性能を効果的に改善することができ、そして前記の基準変位、設定された閾値は実際状況に従って選択し設定して、メモリに記憶することができる。
【0027】
本発明のマイクロフォンは1以上でもよく、バックキャビティに配置され、テストの正確性を保証し事前補償を行う。本発明のマイクロフォンは、バックキャビティに存在する位置とマイクロフォンの間の距離を、実際のニーズ及び試験結果に応じて調整することができる。
【0028】
マイクロフォンは、デジタルマイクロフォンを用いてもよく、好ましくは、マイクロ電気機械式マイクロフォンを用いてもよい。
【0029】
駆動ボイスコイルに流れる電流の大きさを変換させるため、事前補償信号は一つの増量信号又は減量信号でもよい。また、駆動ユニットのゲインを変換するため、事前補償信号はゲイン調節信号でもよい。当業者は調節の目的によって、従来の技術に基づいて選択することができる。処理ユニット13と、計算ユニット12とは、複数の機能を集積したデジタル信号処理のチップなど同一のチップに集積されてもよい。
【0030】
また、本発明は一つの一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムを含むオーディオプレーヤーを提供する。当該オーディオプレーヤーは、知能スピーカー、インテリジェントなインタラクティブロボット、又は、他の家電のオーディオ再生部分でもよい。
【0031】
以上述べた実施形態は、単に本発明の例示であり、発明の実施方式及び保護範囲を限定する意図はない。当業者が本発明の説明書及び図面の内容により創作する均等の置換及び明らかな変更は、全て本発明の保護範囲内に含まれることを意識すべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ダイヤフラムと、前記ダイヤフラムに連接されるボイスコイルと、バックキャビティとを含み、前記ボイスコイルは駆動ユニットに連接され、前記バックキャビティには少なくとも一つのマイクロフォンが配置され、前記バックキャビティ内に存在する圧力の強さが前記マイクロフォンにより感知されるスピーカー本体と、
前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さにより前記ダイヤフラムの変位を推定する計算ユニットと、
推定された前記ダイヤフラムの前記変位を判定し、判定された前記変位と基準変位とを比較し、設定された閾値を超えたと判定する場合、事前補償信号が生成され、それを駆動ユニットに送る処理ユニットと、を含む、一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[2] 前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さと前記ダイヤフラムの前記変位の間に、
P(s)=X(s)×S/Ca、ここで、
P(s)は前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さのラプラス変換であり、
X(s)は前記ダイヤフラムの等価変位のラプラス変換であり、
sはラプラス独立変数であり、
Sは前記ダイヤフラムの等価面積であり、
Caは前記バックキャビティのコンプライアンスであるという関係を有する[1]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[3] 前記スピーカー本体の等価回路は一次回路を備え、前記一次回路はコイルにより生成された力Fcoilと、回路内に存在するコイルと、前記ダイヤフラムの速度Vと、スピーカー質量Mmsの等価インダクタンスと、スピーカーの力抵抗Rmsの等価電気抵抗と、スピーカーコンプライアンスCmsの等価コンデンサーとを含み、
コンバータの一次等価力はF’=pSであり、F’は前記コンバータの前記一次等価力であり、pは前記バックキャビティ内に存在する前記圧力の前記強さであり、Sは前記ダイヤフラムの等価面積である、[1]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[4] 前記スピーカー本体の前記等価回路はさらに二次回路を備え、前記二次回路は前記バックキャビティのコンプライアンスCaの等価コンデンサーを含み、二次体速度はU=vSであり、Uは二次体速度であり、vは前記ボイスコイルと前記ダイヤフラムの速度であり、Sは前記ダイヤフラムの等価面積であり、前記一次回路と前記二次回路との比はS:1である、[3]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[5] 前記スピーカー本体は磁気カラムの柱状体と、前記磁気カラムの前記柱状部の外側に配置される磁石と、前記磁石の上方に位置する磁気プレートとを含み、前記ボイスコイルは前記磁気プレートと前記柱状部との隙間に配置される、[1]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[6] 前記磁気プレートの上にダンパーが設けられ、前記ダンパーは波形の環状の折り板である、[4]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[7] 前記スピーカー本体は支えを含み、前記ダイヤフラムは前記支えの頂部に配置される、[1]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[8] 前記ダイヤフラムは円錐形で、前記ダイヤフラムの頂部に外向きエッジが設けられ、前記外向きエッジが締結装置により前記支えと連結される、[7]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[9] 前記計算ユニットと前記処理ユニットとは同一チップ上に集積される、[1]の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システム。
[10] [1]乃至[9]のうちのいずれか1項の一体化されたバックキャビティ内に存在する圧力を感知するサウンド増幅システムを含むオーディオプレーヤー。
図1
図2
図3
図4