(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】半導体搬送容器の乾燥方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221102BHJP
F26B 3/28 20060101ALI20221102BHJP
F26B 5/04 20060101ALI20221102BHJP
F26B 5/08 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01L21/304 648E
F26B3/28
F26B5/04
F26B5/08
(21)【出願番号】P 2019049707
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500296147
【氏名又は名称】大日商事株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511167962
【氏名又は名称】大村技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直哉
(72)【発明者】
【氏名】大村 一彦
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-536185(JP,A)
【文献】特開2006-212563(JP,A)
【文献】特開2016-223636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
F26B 3/28
F26B 5/04
F26B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内に載置した
水滴の付着した半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、前記チャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力に維持
して前記水滴を蒸発させる減圧維持工程、
前記チャンバー内を80000Pa以上大気圧以下に戻す復圧工程、
を有
し、
前記減圧維持工程と前記復圧工程を、2サイクル以上繰り返すことを特徴とする半導体搬送容器の乾燥方法。
【請求項2】
前記減圧維持工程において、ポンプによる減圧と気体の供給とを同時に行うことにより前記設定圧力を維持することを特徴とする請求項
1に記載の乾燥方法。
【請求項3】
前記減圧維持工程より前に、前記半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することを特徴とする請求項1
または2に記載の乾燥方法。
【請求項4】
前記半導体搬送容器が、FOUPであることを特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載の乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ等の半導体基板を収納し搬送するための半導体搬送容器の乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の技術分野において、ウェハ等の半導体基板を搬送するために、FOUP(Front Opening Unified Pod)、RSP(Reticle SMIF Pod)、FOSB(Front Opening Shipping Box)等の半導体搬送容器が用いられている。これらの半導体搬送容器は、収容する半導体基板を汚染しないように、定期的に洗浄される。
【0003】
例えば、特許文献1には、超音波洗浄と高圧シャワー洗浄とを有する洗浄工程と、熱風加熱と減圧乾燥とを有する乾燥工程とを備えた洗浄方法が提案されている。ここで、特許文献1には、熱風加熱と減圧乾燥とを交互に繰り返し行うので、10分程度で乾燥できると記載されているが、乾燥工程の具体的な条件は記載されていない。そして、本発明者らが、水滴の付着したFOUPを、特許文献1に記載されている乾燥工程である、80℃の熱風による熱風加熱と20Paの減圧乾燥とを、計10分となるように2サイクル実施したところ、FOUP本体のドアを取り付ける部分、ドアのパッキン部分等の複雑な形状を有する箇所において、水滴が残る場合があった。また、高真空で減圧を行ったため、付着している水滴の急激な沸騰が観察されたが、沸騰により浮遊した水滴に雰囲気中のパーティクルが付着し、この水滴が再付着して汚染の原因となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体搬送容器を、短時間で乾燥する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.チャンバー内に載置した半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、前記チャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力に維持する減圧維持工程、
前記チャンバー内を80000Pa以上大気圧以下に戻す復圧工程、
を有することを特徴とする半導体搬送容器の乾燥方法。
2.前記減圧維持工程と前記復圧工程を、2サイクル以上繰り返すことを特徴とする1.に記載の乾燥方法。
3.前記減圧維持工程において、ポンプによる減圧と気体の供給とを同時に行うことにより前記設定圧力を維持することを特徴とする1.または2.に記載の乾燥方法。
4.前記減圧維持工程より前に、前記半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の乾燥方法。
5.前記半導体搬送容器が、FOUPであることを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の乾燥方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の乾燥方法は、低真空である600Pa以上2500Pa以下で減圧乾燥を行うため、真空引きに要する時間が短く、総所要時間が短い。本発明の乾燥方法は、低真空での減圧乾燥であり沸騰が起こらないため、浮遊した水滴による再汚染を防ぐことができる。本発明の乾燥方法は、半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら減圧乾燥を行うため、水滴を効率的に蒸発させることができ、10分以下の時間で半導体搬送容器を乾燥できる。また、減圧維持工程と開放工程とを2サイクル以上繰り返すことにより、より効率的に乾燥させることができる。減圧維持工程において、ポンプによる吸引と気体の供給を同時に行い、吸引量と供給量とを調整することにより、設定圧力の調整と維持とを容易に行うことができる。真空引き工程前に、予めスピン乾燥を行い、半導体搬送容器に付着した水滴の大きさを小さくすることにより、より確実に水滴を乾燥させることができる。本発明の乾燥方法は、複雑な部分に付着した水滴も乾燥することができるため、FOUPの乾燥に好適である。
【0008】
本発明の乾燥方法により、乾燥中で使用できない半導体搬送容器の割合を減らすことができる。そのため、半導体製造工場において、製造装置間での半導体基板の運搬を複数の半導体搬送容器を用いて行う場合、工場の運営に必要な半導体搬送容器の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(A)実施例1の乾燥後のチップトレーカバー、(B)比較例1の乾燥後のチップトレーカバー、(C)チャンバーに入れる前のチップトレーカバーの様子を示す図。
【
図2】(A)実施例6の乾燥後のチップトレーカバー、(B)実施例7の乾燥後のチップトレーカバー、(C)実施例8の乾燥後のチップトレーカバー、(D)チャンバーに入れる前のチップトレーカバーの様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、半導体搬送容器の乾燥方法に関し、チャンバー内に載置した半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、このチャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力を維持する減圧維持工程、このチャンバー内を80000Pa以上大気圧以下に戻す復圧工程、を有することを特徴とする。
なお、本発明の乾燥工程は、他の工程を有することもでき、例えば、真空引き工程の前に予熱工程を有することもできる。
【0011】
以下、本発明の乾燥方法を工程に沿って具体的に説明する。
「減圧維持工程」
減圧維持工程では、チャンバー内に載置された半導体搬送容器を輻射熱で加熱しながら、チャンバー内を600Pa以上2500Pa以下の低真空状態に維持する。
減圧維持工程は、所定の設定圧力に到達した時点から開始する。そのため、本発明の乾燥工程は、減圧維持工程の前に、所定の設定圧力まで減圧する真空引き工程を有する。減圧維持工程の秒数は特に制限されず、液滴の付着量や大きさに応じて調整することができる。
【0012】
本発明の乾燥方法において乾燥する半導体搬送容器は特に制限されず、カセット、カートリッジ、キャリア等と称されるウェハ、半導体装置等の半導体基板を収納することのできる容器、具体的には、FOUP、RSP、FOSB、マスクケース等を挙げることができる。本発明の乾燥方法は、乾燥性に優れており、複雑な形状部に付着した水滴も乾燥させることができるため、本体とドアとに分割可能なため複雑な形状を有するFOUPの乾燥に好適に利用することができる。
【0013】
本発明の乾燥方法は、減圧維持工程において、チャンバー内を低真空である600Pa以上2500Pa以下の設定圧力に維持する。なお、標準大気圧は、101,325Paである。減圧維持工程における設定圧力は、2000Pa以下であることが好ましく、1500Pa以下であることがより好ましく、1000Pa以下であることがさらに好ましい。設定圧力を600Paより小さい高真空とすることは、水滴が沸騰しやすくなるため好ましくない。また、600Pa未満の高真空は、高真空状態に到達するまでにかかる時間が長くなるため、乾燥にかかる総所要時間が長くなる場合がある。
【0014】
本発明の乾燥方法において、低真空である設定圧力を維持する方法は特に制限されず、圧力センサーと接続した制御装置によりポンプのオン/オフ、バルブの開/閉を制御する方法、低真空状態までしか減圧できないポンプを用いる方法、ポンプによる吸引と気体の供給を同時に行う方法等が挙げられる。これらの中で、ポンプによる吸引と気体の供給を同時に行う方法が、600Pa以上2500Pa以下である所望の設定圧力の調整、維持が容易であるため好ましい。この場合、チャンバー内に供給する気体は、クリーン化された気体であれば特に制限されないが、例えば、窒素、アルゴンガス、空気(CDA及びX-CDA)、及びこれらを調温、調湿した気体等が挙げられる。
なお、減圧維持工程において、設定圧力を維持することが好ましいが、実際には、水滴の蒸発量等に応じて圧力は変動してしまう。減圧維持工程における圧力は、設定圧力を中心として±300Pa以内であることが好ましく、±100Pa以内であることがより好ましく、±50Pa以内であることがさらに好ましい。
【0015】
本発明の乾燥方法は、減圧維持工程における半導体搬送容器の加熱に輻射熱を用いる。輻射熱は、電磁波として真空状態でも伝わることができる。本発明の乾燥方法は、輻射熱を用いることにより、低真空下の半導体搬送容器に付着した水滴を加熱することができる。輻射熱による加熱温度は、半導体搬送容器に使用されている材質の耐熱性次第であるが、半導体搬送容器の表面温度が40℃以上60℃以下となるように加熱することが好ましく、50℃以上60℃以下となるように加熱することがより好ましい。半導体搬送容器の表面温度が40℃未満だと、乾燥にかかる時間が長くなる場合がある。半導体搬送容器の表面温度が60℃を超えると、パッキン等の劣化が早く進む場合があり、また、加熱のためのエネルギーコストが大きくなりすぎる場合がある。
【0016】
本発明の乾燥方法は、減圧維持工程において、低真空である600Pa以上2500Pa以下を設定圧力とすることにより、水滴を100℃より低い温度で蒸発させることができる。さらに、水滴は、蒸発に伴い蒸発熱を奪われて温度が低下するが、本発明の乾燥方法は、輻射熱により水滴を加熱し続けることができるため、減圧維持工程中の水滴の温度低下を防ぎ、より効率的に水滴を蒸発させることができる。
【0017】
「復圧工程」
復圧工程では、減圧維持工程で減圧されたチャンバー内の気圧を、80000Pa以上大気圧以下に戻す。
復圧する気圧は、80000Pa以上大気圧以下であればよいが、気圧が低いほど、低真空状態から復圧するのにかかる時間が短くなり、また、減圧維持工程と復圧工程とを複数サイクルを繰り返す場合に、復圧工程後の真空引き工程の所要時間を短くすることができ、乾燥にかかる総所要時間を短くすることができる。復圧するためにチャンバー内にパージする気体としては、クリーン化された気体であれば特に制限されないが、例えば、窒素、アルゴンガス、空気(CDA及びX-CDA)、及びこれらを調温、調湿した気体等が挙げられる。
【0018】
本発明の乾燥方法において、減圧維持工程と復圧工程を、2サイクル以上繰り返すことが好ましい。減圧維持工程の総秒数が同一の場合、サイクル数が多いほうが水滴の乾燥性に優れている。具体的には、減圧維持工程が、60秒×1サイクルよりも30秒×2サイクルの方が、水滴が蒸発しやすい。
【0019】
「スピン乾燥工程」
本発明の乾燥方法は、真空引き工程より前に、半導体搬送容器を回転させるスピン乾燥工程を有することが好ましい。スピン乾燥では、大きな水滴ほど飛散しやすいため、スピン乾燥工程後の半導体搬送容器に付着している水滴は小さくなる。スピン乾燥工程後に半導体搬送容器に付着している水滴が小さい方が、短い時間で乾燥させることができるため好ましい。具体的には、スピン乾燥工程後に半導体搬送容器に付着している水滴の重さは、50mg以下であることが好ましく、30mg以下であることがより好ましく、10mg以下であることがさらに好ましく、5mg以下であることが最も好ましい。なお、本明細書における水滴の重さは、任意の30以上の水滴の重さの平均値であり、例えば、マイクロピペット等を用いて30以上の水滴を採取し、採取した水の総重量を採取した水滴の数で除することにより算出することができる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例に沿って説明するが、本発明は、実施例の態様に何ら限定されない。
以下の実施例、比較例では、真空乾燥機(大村技研株式会社製、排気速度3000L/min、到達圧力20Pa)を用いた。この真空乾燥機は、チャンバー内に復圧に使用する窒素ガスを供給せずに真空引きすると、約2分で20Paまで到達する。以下の実施例、比較例では、窒素ガスの供給の有無とその供給量により、減圧維持工程におけるチャンバー内の圧力を調整した。また、この真空乾燥機は、チャンバー開口部を前面として、チャンバーの左右側面と奥面と上面に加熱部を内蔵しており、チャンバー内壁面からの輻射熱により内部を加熱することができる。
【0021】
「実施例1」
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社製、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05gの水滴を各2滴(合計0.3g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程5秒、600Paを維持する減圧維持工程10秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程63秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
【0022】
「比較例1」
減圧維持工程の圧力を20Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、20Paに到達する真空引き工程は111秒、復圧工程は90秒であった。
「比較例2」
減圧維持工程の圧力を3000Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、3000Paに到達する真空引き工程は49秒、復圧工程は90秒であった。
「比較例3」
減圧維持工程の圧力を5000Paとした以外は、実施例1と同様にした。なお、5000Paに到達する真空引き工程は45秒、復圧工程は90秒であった。
【0023】
実施例1、比較例1~3の結果を、表1に示す。また、
図1に、(A)実施例1の乾燥後のチップトレーカバー、(B)比較例1の乾燥後のチップトレーカバー、(C)チャンバーに入れる前のチップトレーカバーの様子を示す。
【表1】
【0024】
目視結果から、実施例1、比較例2、3は、全ての液滴が元の位置に留まっており、沸騰が起こっていないことが確認できた。比較例1は、液滴の位置が大きく変わっており、沸騰が起きていた。
本発明である実施例1は、減圧維持工程の圧力がそれぞれ3000Pa、5000Paである比較例2、3よりも乾燥性に優れていた。減圧維持工程の圧力が20Paである比較例1は、重量減少量は大きかったが、これは、沸騰によりチップカバートレー外に液滴の一部が噴き出したことも考えられる。
【0025】
「実施例2」
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01gの水滴を10滴(合計0.1g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程360秒、600Paを維持する減圧維持工程60秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程64秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
【0026】
「実施例3」
減圧維持工程を30秒とし、復圧工程後に真空引き工程、30秒の減圧維持工程、復圧工程を再度繰り返し、サイクル数を2とした以外は、実施例2と同様にした。
【0027】
「実施例4」
予熱工程60秒、600Paを維持する減圧維持工程360秒とした以外は、実施例2と同様にした。600Paに到達するまでの真空引き工程65秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。
【0028】
「実施例5」
減圧維持工程を180秒とし、復圧工程後に真空引き工程、180秒の減圧維持工程、復圧工程を再度繰り返し、サイクル数を2とした以外は、実施例4と同様にした。
【0029】
【0030】
実施例2、4は、10個の水滴の殆どが蒸発し、実施例3、5は、10個の水滴の全てが完全に蒸発した。このことから、サイクル数が増えるほど、乾燥性が向上することが確かめられた。ただし、いずれも水滴跡が残っていた。
【0031】
「実施例6」
事前に重量を精秤した新品のチップトレーカバー(大日商事株式会社、CT50、材質:ポリカーボネート)に、純水0.01gの水滴を10滴(合計0.1g)滴下し、滴下後の重量を精秤した。
設定温度100度として事前に3時間以上稼働させた真空乾燥機のチャンバー中央に、上記チップトレーカバーを載置した。予熱工程5秒、600Paを維持する減圧維持工程60秒で乾燥を行ったところ、600Paに到達するまでの真空引き工程65秒、600Paから大気圧まで戻す復圧工程90秒であった。復圧工程後、すぐにチップトレーカバーを取り出して重量の精秤を行うとともに、水滴の状態を目視で確認した。
【0032】
「実施例7」
サイクル数を2とした以外は、実施例6と同様にした。
「実施例8」
サイクル数を3とした以外は、実施例6と同様にした。
【0033】
実施例6~8の結果を、表3に示す。また、
図2に、(A)実施例6の乾燥後のチップトレーカバー、(B)実施例7の乾燥後のチップトレーカバー、(C)実施例8の乾燥後のチップトレーカバー、(D)チャンバーに入れる前のチップトレーカバーの様子を示す。
【0034】
【0035】
実施例6~8において、乾燥後に残っていた水滴の数は、それぞれ10、7、0であり、サイクル数を増やすごとに乾燥が進んだ。サイクル数が2の実施例7は、蒸発した水滴の跡が残っていたが、サイクル数が3の実施例8は、水滴の跡が残っていなかった。