(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
H02S 20/32 20140101AFI20221102BHJP
【FI】
H02S20/32
(21)【出願番号】P 2019018083
(22)【出願日】2019-02-04
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】313000070
【氏名又は名称】株式会社キャリースルー
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】西山 和宏
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153055(JP,A)
【文献】特開2015-181324(JP,A)
【文献】特開2017-34837(JP,A)
【文献】特表2015-508634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0041834(US,A1)
【文献】米国特許第5600124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/32
H02S 20/10
F24S 30/452
F24S 30/422
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設けられる支持部材と、
該支持部材の上方に鉛直軸回りに回動可能に設けられる回転部材と、
該回転部材に取り付けられる受光面を有する太陽電池パネルと、
前記回転部材にシリンダケース側が固定され鉛直方向にロッドが伸縮する電動シリンダと、
該電動シリンダの駆動を太陽の位置に基づいて制御する制御部と、
該電動シリンダのロッドの伸縮運動を前記回転部材の回動運動に変換すべく該ロッドと前記支持部材との間に設けられる変換機構と、
を備えていることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項2】
前記支持部材が、円筒状又は円柱状に構成され、前記変換機構が、前記支持部材の外面に螺旋状に突出する突出部と、該突出部に沿って移動すべく該突出部の幅方向両側から係合するとともに前記電動シリンダのロッドの先端部に連結される少なくとも一対のカムフォロアと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記回転部材に回動可能に設けられる水平軸に前記太陽電池パネルが固定され、前記太陽電池パネルを水平軸回りに回動させるための駆動源となる第2の電動シリンダと、該第2の電動シリンダのロッドの先端部と前記太陽電池パネルとを連結するリンク機構と、を備え、
前記制御部は、前記電動シリンダ及び前記第2の電動シリンダの駆動を太陽の位置に基づいて制御するように構成され、
前記第2の電動シリンダのシリンダケース側及び前記制御部が、前記回転部材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受光面を有する太陽電池パネルを備えた太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池パネルを備えた太陽光発電装置が知られている(特許文献1)。この太陽光発電装置は、太陽光発電の発電効率を高めるために、太陽の位置に基づいて太陽電池パネルを回動させるための装置を備えている。この装置として、クランク軸、偏心カム、外歯歯車、内歯歯車等を有する減速装置を用いている。この減速装置からの駆動力を利用して太陽電池パネルを鉛直軸回りに回動させることにより、太陽光の位置(方位方向)に太陽電池パネルの受光面を追従させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記太陽光発電装置の場合には、クランク軸、偏心カム、外歯歯車、内歯歯車等を有する減速装置を備えているため、装置全体が複雑で大型化を招く不都合があり、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、簡素で小型化が実現できる太陽光発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の太陽光発電装置は、設置面に設けられる支持部材と、該支持部材の上方に鉛直軸回りに回動可能に設けられる回転部材と、該回転部材に取り付けられる受光面を有する太陽電池パネルと、前記回転部材にシリンダケース側が固定され鉛直方向にロッドが伸縮する電動シリンダと、該電動シリンダの駆動を太陽の位置に基づいて制御する制御部と、該電動シリンダのロッドの伸縮運動を前記回転部材の回動運動に変換すべく該ロッドと前記支持部材との間に設けられる変換機構と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
かかる構成によれば、電動シリンダの駆動を制御部により制御することにより、変換機構により電動シリンダの伸縮運動が回転部材の回動運動に変換される。これにより、回転部材が鉛直軸回りに回動して、太陽の位置に基づいて太陽電池パネルの受光面の向き(方位角)を調整することができる。
【0008】
また、本発明の太陽光発電装置は、前記支持部材が、円筒状又は円柱状に構成され、前記変換機構が、前記支持部材の外面に螺旋状に突出する突出部と、該突出部に沿って移動すべく該突出部の幅方向両側から係合するとともに前記電動シリンダのロッドの先端部に連結される少なくとも一対のカムフォロアと、を備えていてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、電動シリンダのロッドを鉛直方向に伸縮作動させることにより、カムフォロアが螺旋状の突出部に沿ってカムフォロアが移動する。この移動により、カムフォロアにロッドの先端部が連結されている電動シリンダが回動するとともにシリンダケース側が固定されている回転部材も回動して、太陽電池パネルが鉛直軸回りに回動する。
【0010】
また、本発明の太陽光発電装置は、前記回転部材に回動可能に設けられる水平軸に前記太陽電池パネルが固定され、前記太陽電池パネルを水平軸回りに回動させるための駆動源となる第2の電動シリンダと、該第2の電動シリンダのロッドの先端部と前記太陽電池パネルとを連結するリンク機構と、を備え、前記制御部は、前記電動シリンダ及び前記第2の電動シリンダの駆動を太陽の位置に基づいて制御するように構成され、前記第2の電動シリンダのシリンダケース側及び前記制御部が、前記回転部材に固定されていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、制御部が太陽の位置に基づいて第2の電動シリンダを伸縮作動することにより、太陽電池パネルを水平軸回りに回動させる。これにより、太陽電池パネルの受光面の向き(仰角)を調整することができる。また、回転部材に、電動シリンダ、第2の電動シリンダ、制御部が固定されることによって、それら3つの構成要素をユニット化できるだけでなく、回転部材が回転しても、制御部から電動シリンダまでの距離及び制御部から第2の電動シリンダまでの距離が常に一定であるため、配線の取り回しを考慮する必要がない。
【発明の効果】
【0012】
以上により、電動シリンダ及び電動シリンダのロッドの伸縮運動を回転部材の回動運動に変換する変換機構を備えるだけで、回転部材を鉛直軸回りに回動させることができるので、簡素で小型化が実現できる太陽光発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る太陽光発電装置の正面図である。
【
図5】同太陽光発電装置の内部構造を分かり易くするために一部の部材を省略した側面図である。
【
図6】
図5の太陽光発電装置の太陽光パネルの仰角を45度にしたときの側面図である。
【
図7】
図5の太陽光発電装置の太陽光パネルの仰角を90度にしたときの側面図である。
【
図8】第2の電動シリンダを1/2だけ伸長させたときの棒状部材に対する第2の電動シリンダの回動位置を示す要部の斜視図である。
【
図9】第2の電動シリンダを最も短縮したときの棒状部材に対する第2の電動シリンダの回動位置を示す要部の斜視図である。
【
図10】第2の電動シリンダを最も伸長したときの棒状部材に対する第2の電動シリンダの回動位置を示す要部の斜視図である。
【
図11】
図8~
図10までの棒状部材に対する第2の電動シリンダの3つの回動位置を示す要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図4を参照しつつ説明する。
【0015】
本実施形態に係る太陽光発電装置1は、設置面2に設けられる支持部材3と、支持部材3の上方に鉛直(上下)軸回りに回動可能に設けられる回転部材4と、回転部材4の上面に設けられる水平軸5の軸回りに回動可能に取り付けられる複数枚(ここでは2枚)の太陽電池パネル6,6と、複数枚の太陽電池パネル6,6の方位角を変更するための第1の電動シリンダ7と、太陽電池パネル6,6の仰角を変更するための第2の電動シリンダ8と、第1の電動シリンダ7の駆動及び第2の電動シリンダ8の駆動を太陽の位置に基づいて制御する制御部9が収容される制御ボックス10と、を備えている。
【0016】
支持部材3は、金属製で内部が中空の円筒状(内部が詰まった円柱状でもよい)に構成され、下端部が脚部11に取り付けられて設置面2に上下姿勢に保持されている。脚部11は、支持部材3の下端部が差し込まれる金属製の円筒部11Aと、円筒部11Aの側部から放射状に取り付けられた4個の金属製のH型鋼11Bと、を備えている。ここでは、支持部材3を別体の脚部11に取り付けることで、支持部材3を設置面2に自立させるようにしているが、支持部材3に脚部を一体形成により備えたものであってもよい。
【0017】
回転部材4は、
図7、
図8及び
図9に示すように、支持部材3の上端にベアリング(図示せず)を介して回転自在に複数(ここでは8個)のボルト12により取り付けられる上板部41と、上板部41の周方向に間隔をおいて下方に延びる複数(ここでは4枚)の側板部42,43,44,45と、それら複数の側板部42,43,44,45の下端部を周方向で連結する環状の連結板部46と、連結板部46の周方向に下方に突出し、かつ、支持部材3の外面に当接する複数(ここでは3個)のローラ47(
図5に1個のローラを図示)と、を備えている。前記ローラ47を設けることによって、回転部材4の回転時に連結板部46の内側が支持部材3の外面に当接することを防止することができるとともに、回転部材4を安定良く回転させることができる。回転部材4の上板部41の上面には、水平方向に延びる前記水平軸5を支持する左右一対のブラケット13,13が固定されている。
【0018】
複数枚の太陽電池パネル6,6は、
図1の正面図において、上下方向に長い長方形状に構成され、光を内部へ取り込むための隙間を空けて左右に併設されている。そして、各太陽電池パネル6は、表側に位置する第1受光面6Aと、裏側に位置する第2受光面6B(
図4参照)と、を備える両面タイプのもので構成されている。なお、前記隙間から内部に入り込んだ光を左右の太陽電池パネル6,6の第2受光面6B,6Bに反射させるための反射板14(
図1、
図4参照)を設けている。この反射板14は、
図4の平面視においてV字型になっており、2つの反射面14A,14Bを備えている。また、反射板14は、太陽電池パネル6,6の上下寸法と略等しい上下寸法を備えている。そして、
図1及び
図4において、左側の反射面14Aに反射した光が左側の太陽電池パネル6の第2受光面6Bに入射し、右側の反射面14Bに反射した光が右側の太陽電池パネル6の第2受光面6Bに入射する。また、反射板14は、後述する縦フレーム20,20(
図1、
図3参照)に多数の帯板部材21(
図2参照)を介して連結されている。なお、反射面14A,14Bには、太陽光の反射率が高い塗料である高日射反射性塗料(他の塗料であってもよい)が塗布されている。
【0019】
複数枚の太陽電池パネル6,6は、横長で長方形状の第1支持フレーム15(
図2、
図4参照)に取り付けられている。この第1支持フレーム15は、後方に位置し、かつ、第1支持フレーム15よりも一回り大きな外形寸法を有する略8角形状の第2支持フレーム16(
図1参照)に複数の連結フレーム17を介して連結されている。また、
図3に示すように、第2支持フレーム16の後方に太陽電池パネル6,6よりも少し小さな開口18Kを形成する2つの縦長で長方形状の左右一対の第3支持フレーム18,18を配置し、第2支持フレーム16と第3支持フレーム18,18とが内面に太陽光の反射率が高い塗料である高日射反射性塗料(他の塗料であってもよい)が塗布された多数の反射板にて連結されている。また、第2支持フレーム16の左右中央部には、上側フレーム部16Aと下側フレーム部16Bとを連結するための2本の補強用の縦フレーム20,20(
図1参照)が所定間隔を空けて配置されている。第3支持フレーム18,18は、後述する縦フレーム20,20それぞれの上下方向中間部から後方に延びる上下一対の補助フレーム36,36の後端に連結されている。
【0020】
反射板は、
図3の後方から見て、4つの角部に配置され2か所で折り曲げられたコーナー反射板19Aと、コーナー反射板19Aのうちの上下方向で対向する2つのコーナー反射板19A,19A間に位置する4枚の第1反射板19Bと、左右方向で対向する2つのコーナー反射板19A,19A間に位置する4枚の第2反射板19Cと、を備えている。なお、第2反射板19C,19C同士の間は、所定距離だけ離して配置されている。これら反射板19A,19B,19Cは、第1支持フレーム15と第2支持フレーム16の隙間や後方の開口18K,18Kから入射してくる光を太陽電池パネル6,6の第2受光面6B,6Bに入射させる。
【0021】
図5~
図7に示すように、縦フレーム20,20の上下方向中央部に後側から当接する板状の取付部材22が固定されている。取付部材22は、下部に後方に延びる左右一対の縦板部22A,22A(図では一方側のみ図示している)を備えている。左右一対の縦板部22A,22Aのそれぞれは、前記左右一対のブラケット13,13(
図8参照)を貫通した水平軸5の両端に嵌合するベアリング23を貫通支持している。また、取付部材22の上端部には、後方に延びるように取付用アーム24の前端部が取り付けられている。この取付用アーム24の後端部と第2の電動シリンダ8のロッド8Aとが、リンク機構25を介して連結されている。
【0022】
第2の電動シリンダ8は、ロッド8Aと、ロッド8Aを摺動可能に支持するシリンダケース8Bと、ロッド8Aを伸縮させるためのモータ部8Cと、ロッド8Aの伸縮量を検出するセンサ(図示せず)と、を備えている。第2の電動シリンダ8のロッド8A側の先端側とは反対側の基端側が前記複数の側板部のうちの1つの第4側板部45に回転可能に連結されている。
【0023】
リンク機構25は、前記取付用アーム24に一端部が回転自在に連結される直線状で板状の第1リンク26と、第1リンク26の他端部に回転可能に一端部が連結される略への字状に屈曲した第2リンク27と、を備えている。第2リンク27の他端部が第2の電動シリンダ8のロッド8Aの先端部に回転可能に連結されている。また、第2リンク27の屈曲部分が、第2の電動シリンダ8の基端側が連結された第4側板部45の上部から斜め後方に延びる第3リンク28の先端部に連結されている。したがって、第2の電動シリンダ8の伸縮作動によりリンク機構25を押し引きすることにより、太陽電池パネル6,6を水平軸5回りに回動させて、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの向き(仰角)を調整することができる。第2リンク27は、屈曲部を挟んで第2の電動シリンダ8の部分を第1リンク26側の部分に対して短くすることによって、第2の電動シリンダ8の伸縮量の割には太陽電池パネル6,6の仰角の調整量が大きくなるようにしている。
【0024】
第1の電動シリンダ7は、第2の電動シリンダ8と同様に、ロッド7Aと、ロッド7Aを摺動可能に支持するシリンダケース7Bと、ロッド7Aを伸縮させるためのモータ部7Cと、ロッド7Aの伸縮量を検出するセンサ(図示せず)と、を備えている。そして、第1の電動シリンダ7のロッド7Aの伸縮運動を回転部材4の回動運動に変換すべくロッド7Aと支持部材3との間に変換機構29を備えている。
【0025】
変換機構29は、
図8~
図10に示すように、支持部材3の上端部の外面に螺旋状に巻き付けられて溶接により固定される金属製で断面形状が円形の棒状部材30と、棒状部材30に沿って移動すべく棒状部材30の幅方向両側から係合するとともに第1の電動シリンダ7のロッド7Aの先端部に連結される金属製の一対のカムフォロア31,31と、を備えている。カムフォロア31,31は、軸付きベアリングのことである。なお、棒状部材30が支持部材3の外面に螺旋状に巻き付けられることにより、支持部材3の外面に螺旋状に突出する突出部を構成する。
【0026】
一対のカムフォロア31,31は、平面視においてコの字状の取付部材32に取り付けられている。具体的には、取付部材32は、3枚の側面板を備え、相対向するように配置された2枚の第1側面板32A,32Bと、2枚の側面板32A,32Bの一端同士を連結する第2側面板32Cと、を備えている。この取付部材32は、第2側板部43の内側に一方の第1側面板32Aが位置し、かつ、第2側板部43の外側に他方の第1側面板32Bが位置するように配置され、支持部材3側に位置する一方の第1側面板32Aに内側(支持部材3側)に突出するようにカムフォロア31,31が取り付けられている。他方の第1側面板32Bの外面には、金属製の断面形状が円形で直線状の棒状体33の上端部が溶接により固定され、棒状体33の下端部が第1の電動シリンダ7のロッド7Aの先端部が連結されている。なお、一対のカムフォロア31,31は、棒状部材30に直交する方向から互いに係合するように取付部材32に取り付けられ、棒状部材30の傾き度合い(傾斜角度)に応じて取付部材32に対する取り付け位置が変更(調整)される。
【0027】
また、第1の電動シリンダ7のロッド7Aの伸縮動作によりカムフォロア31,31が上下動することを安定させるための案内機構を備えている。案内機構は、第2側板部43に形成の縦長状の開口43Kに臨むように第2側板部43に取り付けられた円筒状のガイド部材34と、このガイド部材34の外面(円弧面)に摺接する円弧面を有し、かつ、取付部材32に取り付けられる摺動部材35と、を備えている。したがって、第1の電動シリンダ7のロッド7Aの伸縮動作によりカムフォロア31,31が上下動する際に、ガイド部材34に沿って摺動部材35が摺接しながら移動することによって、カムフォロア31,31を支持する取付部材32の上下動を安定させることができる。そして、カムフォロア31,31が螺旋状の棒状部材30に沿って移動することにより、カムフォロア31,31にロッド7Aの先端部が連結されている第1の電動シリンダ7が回動するとともにシリンダケース7B側が固定されている回転部材4も回動して、太陽電池パネル6,6が鉛直軸X回りに回動する。
【0028】
第2の電動シリンダ8を伸縮させて太陽電池パネル6,6の仰角を変更(調整)する場合を、
図5~
図7に示している。
図5では、第2の電動シリンダ8を最大短縮状態にして、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの仰角を0度にした場合であり、
図6では、第2の電動シリンダ8を1/2伸長状態にして、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの仰角を45度にした場合であり、
図7では、第2の電動シリンダ8を最大伸長状態にして、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの仰角を90度にした場合である。この第2の電動シリンダ8の伸縮動作量は、制御ボックス10に備えている制御部9からの信号に基づいて行われる。
【0029】
また、第1の電動シリンダ7を伸縮させて太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの方位角を変更(調整)する場合を、
図8~
図10に示している。
図8では、第1の電動シリンダ7を1/2伸長状態にして、
図11に実線で示すように、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの方位角を0度にした場合であり、
図9では、第1の電動シリンダ7を最大短縮状態して、
図11に2点鎖線で示すように、太陽電池パネル6,6を時計回りに135度回転させた場合であり、
図10では、第1の電動シリンダ7を最大伸長状態にして、
図11に2点鎖線で示すように、太陽電池パネル6,6を反時計回りに135度回転させた場合である。この第1の電動シリンダ7の伸縮動作量は、制御ボックス10に備えている制御部9からの信号に基づいて行われる。なお、第1の電動シリンダ7及び第2の電動シリンダ8を駆動するための電力は、別に設けたバッテリから供給してもよいし、太陽電池パネル6,6が発電した電力を利用してもよい。
【0030】
前記のように構成された太陽光発電装置1は、制御部9からの信号により第1の電動シリンダ7及び第2の電動シリンダ8の駆動を制御することにより、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの方位角方向を太陽光の方位角方向に一致させるとともに、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6Aの仰角方向が太陽光の仰角方向に一致させるようにしている。また、太陽電池パネル6,6の第1受光面6A,6A及び第2受光面6B,6Bで得られる電力の総和が最大になるように、第1の電動シリンダ7及び第2の電動シリンダ8の駆動を制御する構成であってもよい。なお、制御部9は、現在時刻に関する情報、太陽光発電装置1の設置場所のパラメータ(例えば、この設置場所の緯度、経度、高度の情報)、所定の処理を前回行った時刻、太陽電池パネル6,6の実際の方位角や仰角と目標とする方位角や仰角との偏差の上限設定値等を取得して制御を行う。
【0031】
尚、本発明の太陽光発電装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
例えば、上記実施形態では、表裏両面に受光面を備えた太陽電池パネルを示したが、表面にのみ受光面を備えた太陽電池パネルであってもよい。また、太陽電池パネルは、2個の他、1個又は3個以上の任意の個数であってもよい。また、太陽電池パネルを複数設ける場合に、同一の大きさの太陽電池パネルであってもよいし、少なくとも一部の大きさが異なる太陽電池パネルであってもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、棒状部材30を支持部材3の外面に巻き付けることにより、支持部材3の外面から径方向外側に突出する螺旋状の突出部を構成したが、支持部材3の外面から径方向外側に突出す螺旋状の突出部を支持部材3に一体形成してもよい。また、変換機構29を、支持部材3に形成した螺旋状の凹部(溝部)又は螺旋状の切欠き部と、凹部(溝部)又は切欠き部に入り込んで係合する少なくとも1個のカムフォロアと、を備える構成であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、カムフォロア31,31が上下動することを安定させるための案内機構を備えたが、案内機構を省略して実施してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、第1の電動シリンダ7のロッド7Aの先端部(下端部)を上方に延びる棒状体33の下端部に連結し、棒状体33の上端部をカムフォロア31,31の取付部材32に固定したが、螺旋状の棒状部材30を支持部材3の下部の外面に備え、第1の電動シリンダ7のロッド7Aの先端部(下端部)にカムフォロア31,31の取付部材32を直接連結し、棒状部材30にカムフォロア31,31を係合させた構成であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、太陽電池パネル6,6を鉛直軸X回りに270度回動させる構成を示したが、270度を超える角度まで回動させる構成であってもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、第1の電動シリンダ7と第2の電動シリンダ8と、を備えたが、第1の電動シリンダ7のみを設けて、太陽電池パネルの向き(方位角)のみを調整する構成であってもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、第1の電動シリンダ7のロッド7Aが下方に伸長するように取り付けたが、第1の電動シリンダ7のロッド7Aが上方に伸長するように取り付けて実施してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…太陽光発電装置、2…設置面、3…支持部材、4…回転部材、5…水平軸、6…太陽電池パネル、6A…第1受光面、6B…第2受光面、7…第1の電動シリンダ、7A…ロッド、7B…シリンダケース、7C…モータ部、8…第2の電動シリンダ、8A…ロッド、8B…シリンダケース、8C…モータ部、9…制御部、10…制御ボックス、11…脚部、11A…円筒部、11B…H型鋼、12…ボルト、13…ブラケット、14…反射板、14A,14B…反射面、15第1支持フレーム、16…第2支持フレーム、16A…上側フレーム部、16B…下側フレーム部、17…連結フレーム、18…第3支持フレーム、18K…開口、19A…コーナー反射板、19B…第1反射板、19C…第2反射板、20…縦フレーム、21…帯板部材、22…取付部材、22A…縦板部、23…ベアリング、24…取付用アーム、25…リンク機構、26…第1リンク、27…第2リンク、28…第3リンク、29…変換機構、30…棒状部材、31…カムフォロア、32…取付部材、32A,32B,32C…側面板、33…棒状体、34…ガイド部材、35…摺動部材、36…補助フレーム、41…上板部、42,43,44,45…側板部、43K…開口、46…連結板部、47…ローラ、X…鉛直軸