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特許7169035点検対象画像送信システム、点検対象画像送信方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】点検対象画像送信システム、点検対象画像送信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221102BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 E
H04N5/232 060
H04N5/232 300
H04N5/232 411
H04N5/232 290
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022514834
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 JP2021043028
【審査請求日】2022-03-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517305148
【氏名又は名称】LiLz株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 敬吾
(72)【発明者】
【氏名】大塚 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ コロジェッツク
(72)【発明者】
【氏名】西銘 大喜
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-283484(JP,A)
【文献】特開2018-191051(JP,A)
【文献】国際公開第2013/072980(WO,A1)
【文献】特開2017-163300(JP,A)
【文献】国際公開第2019/049455(WO,A1)
【文献】特開2009-200702(JP,A)
【文献】特開2013-062696(JP,A)
【文献】特開2016-144154(JP,A)
【文献】特開2021-158561(JP,A)
【文献】特開2019-004383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/222
G08B 13/00 -31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで撮影した点検対象の画像を送信する点検対象画像送信システムであって、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させる確認部と、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させる撮影部と、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるトリミング部と、
前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて選択する選択手段と、
前記カメラに、前記待機用通信方式から前記送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信部と、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させる待機部と、
を備える点検対象画像送信システム。
【請求項2】
前記確認部は、前記カメラに、前記置き場に録音条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、
前記撮影部は、確認させた前記録音条件指示に基づいて、前記カメラに録音条件を変更させて前記点検対象の周辺の音声を録音させ、
前記送信部は、録音させた前記点検対象の周辺の音声を送信させる、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項3】
前記待機用通信方式は、1時間当たりの平均消費電流が、1mA以下の通信方式である、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項4】
前記撮影部は、前記点検対象の画像の解像度を設定し、
前記トリミング部は、前記点検対象の画像を、設定した前記解像度でトリミングさせる、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項5】
前記確認部は、再度、前記撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを確認させ、
前記撮影部は、それ以前に使用していた前記撮影条件に、新しく確認させた前記撮影条件を上書きさせて前記点検対象の画像を撮影させ、
前記トリミング部は、それ以前に使用していた前記トリミング条件に、新しく確認させた前記トリミング条件を上書きさせて、前記点検対象の画像をトリミングさせる、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項6】
前記撮影条件指示に、定期的な撮影スケジュールが含まれる場合、前記撮影条件を、前記定期的な撮影スケジュールに変更する撮影スケジュール変更部と、
を更に備え、
前記撮影部は、変更した前記定期的な撮影スケジュールに基づいて、前記カメラに前記点検対象の画像を撮影させる、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項7】
前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラの設定を変更させるカメラ設定変更部と、
を更に備える請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項8】
選択した前記組み合わせを変更する組み合わせ変更部と、
を更に備える請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項9】
前記送信部は、前記カメラの設定情報と状態情報とを併せて送信する、
請求項1に記載の点検対象画像送信システム。
【請求項10】
カメラで撮影した点検対象の画像を送信するコンピュータが実行する点検対象画像送信方法であって、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させるステップと、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させるステップと、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるステップと、
前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて選択するステップと、
前記カメラに、前記待機用通信方式から前記送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させるステップと、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させるステップと、
を備える点検対象画像送信方法。
【請求項11】
カメラで撮影した点検対象の画像を送信するコンピュータに、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させるステップ、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させるステップ、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるステップ、
前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて選択するステップ、
前記カメラに、前記待機用通信方式から前記送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させるステップ、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させるステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔点検をする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、点検現場の点検効率を向上させる技術が提供されている。
例えば、特許文献1では、設備点検管理の利便性をより向上させるために、設備点検を行う各施設の施設名を、設備点検を行う日に対応するカレンダーの日付欄に配置して、カメラ機能付携帯端末からの画像を受信して、カレンダー上に表示した各施設名についての設備点検画像を受信したか否かを判断して、受信したと判断された施設名のモニタ上での表示色を変更する技術が提供されている。
また、他には、特許文献2では、建屋内における構造物の建設工事や点検に際し、建屋内における構造物を立体的にイメージすることや壁面内の埋設物の位置確認をすること等を容易に行うことが可能な技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-63378号公報
【文献】特開2007-228315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点検現場では、計器がいくつを指しているか、コンテナが満タンになったかどうか、街灯が切れているかどうか、動物を捕獲する罠に動物がかかっているか、河川の水位がどの程度になったか等の点検対象の状況を把握するために、点検作業員が点検現場に移動し、目視点検を行っている。そのため、点検効率が悪いことが問題となっており、カメラ等を用いた遠隔点検の需要が高まっている。しかし、点検現場まで行かずに遠隔点検をする場合、このような点検現場では、電源が無い所が多いため、カメラ等が省電力であることが重要となる。
【0005】
そこで、点検対象を撮影するカメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、確認させた撮影条件指示に基づいて、撮影条件を変更させて点検対象の画像を撮影させ、確認させたトリミング条件指示に基づいて、トリミング条件を変更させてカメラに撮影させた点検対象の画像をトリミングさせ、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした点検対象の画像を送信させ、画像の送信が終わった後、カメラに送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えさせて待機させることにより、省電力で遠隔点検を行うことを可能にし、点検効率を向上させる技術が求められている。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術では、点検対象を撮影するカメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、確認させた撮影条件指示に基づいて、撮影条件を変更させて点検対象の画像を撮影させ、確認させたトリミング条件指示に基づいて、トリミング条件を変更させてカメラに撮影させた点検対象の画像をトリミングさせ、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした点検対象の画像を送信させ、画像の送信が終わった後、カメラに送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えさせて待機させることができないため、省電力で遠隔点検を行うことを可能にし、点検効率を向上させることで省電力を達成することが出来なかった。
【0007】
そこで、本発明は、検対象を撮影するカメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、確認させた撮影条件指示に基づいて、撮影条件を変更させて点検対象の画像を撮影させ、確認させたトリミング条件指示に基づいて、トリミング条件を変更させてカメラに撮影させた点検対象の画像をトリミングさせ、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした点検対象の画像を送信させ、画像の送信が終わった後、カメラに送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えさせて待機させることにより、省電力で遠隔点検を行うことを可能にし、点検効率を向上させることで省電力を達成することが可能な点検対象画像送信システム、点検対象画像送信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カメラで撮影した点検対象の画像を送信する点検対象画像送信システムであって、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させる確認部と、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させる撮影部と、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるトリミング部と、
前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて選択する選択手段と、
前記カメラに、前記待機用通信方式から前記送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信部と、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させる待機部と、
を備える点検対象画像送信システムを提供する。
【0009】
本発明によれば、カメラで撮影した点検対象の画像を送信する点検対象画像送信システムは、前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させ、確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせ、前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて選択し、前記カメラに、前記待機用通信方式から前記送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させ、送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させる。
【0010】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、省電力で遠隔点検を行うことを可能にし、点検効率を向上させることで省電力を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】点検対象画像送信システム1の概要を説明する図である。
図2】点検対象画像送信システム1の機能構成を示す図である。
図3】点検対象画像送信システム1が実行するカメラ設定処理である。
図4】点検用端末10が設定する設定内容の一例を模式的に示した図である。
図5】点検対象3の画像の一例を模式的に示した図である。
図6】点検対象画像送信システム1が実行する第一の指示作成処理である。
図7】点検対象画像送信システム1が実行する第二の指示作成処理である。
図8】点検対象画像送信システム1が実行する撮影処理である。
図9】点検対象画像送信システム1が実行する録音処理である。
図10】点検対象画像送信システム1が実行する点検用データ送信処理のフローチャートを示す図である。
図11】カメラ20が撮影した画像40をトリミングする一例を模式的に示した図である。
図12】カメラ20が点検用端末10に送信するトリミング後の画像42の一例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0014】
[基本概念/基本構成]
図1は、点検対象画像送信システム1の概要を説明するための図である。点検対象画像送信システム1は、点検作業を行う点検作業員が所持する点検用端末10、点検対象3の画像の撮影や点検対象3の周辺の音声の録音を行い、撮影した画像や録音した音声を点検用端末10に送信するカメラ20を含むシステムである。点検用端末10と、カメラ20とは、データ通信可能に接続される。カメラ20は、可視光カメラ、X線カメラ、磁気共鳴カメラ、など画像を撮影できる装置である。画像は、静止画や動画である。
【0015】
本実施形態では、前提として、点検対象3が計器のメータ(例えば、円型、矩形型、ナナセグ型、カウンタ型、棒型、ランプ型)であり、カメラ20は、この計器の画像を撮影可能な位置に設置されたものである。また、点検用端末10が実行する各処理は、所定のアプリケーションにより実行されるものである。
【0016】
カメラ20は、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認する(ステップS1)。
撮影条件は、例えば、撮影スケジュール、撮影タイミング、撮影頻度、撮影時間、撮影範囲等の撮影に関する条件や、解像度、フラッシュの有無、フラッシュの強度、自動発光の有無、EV(Exposure Value)値、シャッタースピード等のカメラ20自身の設定に関する条件である。撮影条件指示は、これらの撮影条件を、カメラ20に指示するものである。
また、トリミング条件は、例えば、カメラ20が撮影した点検対象3の画像をトリミングする領域に関する条件である。本発明のトリミングとは、指定した領域のみを切り出し、それ以外の領域を不要な領域として削除し、指定した領域のみの画像を生成することを意味する。トリミング条件指示は、このトリミング条件を、カメラ20に指示するものである。
また、置き場は、例えば、クラウドコンピュータ上やカメラ20自身であり、撮影条件指示及びトリミング条件指示が置かれる物理的又は仮想的な場所である。
点検用端末10は、撮影条件及びトリミング条件の入力を受け付け、受け付けた撮影条件及びトリミング条件に基づいて、撮影条件指示及びトリミング条件指示を作成する。点検用端末10は、この撮影条件指示及びトリミング条件指示を、クラウドコンピュータの置き場に送信する。クラウドコンピュータは、この撮影条件指示及びトリミング条件指示を受信し、自身に設定された置き場に置いておく。
あるいは、カメラ20は、自身に取り付けられた圧力センサや赤外線センサ等のセンシング結果(例えば、撮影ボタンの押下を検知、動体を検知)から、撮影条件指示及びトリミング条件指示を作成し、作成した撮影条件指示及びトリミング条件指示を、自身に設定された置き場に置いておく。
カメラ20は、このクラウドコンピュータ又は自身に設定された置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認する。
【0017】
カメラ20は、確認した撮影条件指示に基づいて、撮影条件を変更し、点検対象3の画像を撮影する(ステップS2)。
カメラ20は、確認した撮影条件指示における撮影条件を、それまでの撮影条件に全部又は一部を上書きすることにより、撮影条件を変更する。カメラ20は、変更後の撮影条件に基づいて、点検対象3の画像を撮影する。
【0018】
カメラ20は、確認したトリミング条件指示に基づいて、撮影した点検対象3の画像をトリミングする(ステップS3)。
カメラ20は、確認したトリミング条件指示におけるトリミング条件を、それまでのトリミング条件に全部又は一部を上書きすることにより、トリミング条件を変更する。カメラ20は、変更後のトリミング条件に基づいて、点検対象3の画像をトリミングする。カメラ20は、トリミング条件において指定された領域のみを切り出し、それ以外の領域を不要な領域として削除する。すなわち、カメラ20は、このトリミング条件指示により指定された領域のみの画像を生成する。
【0019】
カメラ20は、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えてから、トリミングした点検対象3の画像を送信する(ステップS4)。
カメラ20は、待機中(画像の送信を行っていない状態)の通信方式である待機用通信方式から、送信用(画像の送信を行う状態)の通信方式である送信用通信方式に切り替え、トリミングした点検対象3の画像を、点検用端末10に送信する。
【0020】
そして、カメラ20は、画像の送信が終わった後、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えてから待機する(ステップS5)。この通信方式は、待機用通信方式が、例えば、1時間当たりの平均消費電流が、1mA以下であり、送信用通信方式が、1時間当たりの平均消費電流が、1mAよりも大きいものである。
【0021】
点検用端末10は、カメラ20が送信したトリミングした点検対象3の画像を受信する。点検作業員は、この画像を閲覧することにより、点検対象3の遠隔点検を行う。
【0022】
なお、上述した点検対象画像送信システム1は、点検用端末10と、カメラ20とによりシステムが構成されているが、点検用端末10と、コンピュータ(例えば、サーバ機能を有するコンピュータ又はクラウドコンピュータ)と、カメラ20とによりシステムが構成されていても良い。この場合、上述した点検用端末10が実行する撮影条件指示及びトリミング条件指示の作成処理、撮影条件指示及びトリミング条件指示の送信処理及び画像の受信処理を、コンピュータを介して行う。具体的には、コンピュータは、点検用端末10から各種の入力を受け付け、受け付けた入力内容に必要な処理をコンピュータが実行するとともに、カメラ20から画像を受信し、点検用端末10にこの画像を表示させる。
【0023】
このような点検対象画像送信システム1によれば、省電力で遠隔点検を行うことを可能にし、点検効率を向上させることで省電力を達成することが可能となる。
【0024】
[機能構成]
図2に基づいて、点検対象画像送信システム1の機能構成について説明する。
点検対象画像送信システム1は、点検用端末10と、点検対象3周辺の所定の位置に設置されたカメラ20とからなり、公衆回線網等のネットワーク9を介して、データ通信可能に接続されるシステムである。
点検対象画像送信システム1は、その他の端末や装置類等が含まれていても良い。この場合、点検対象画像送信システム1は、後述する処理を、点検用端末10、カメラ20、その他の端末や装置類等の何れか又は複数の組み合わせにより実行する。
以下の説明において、点検対象3は、上述した通り、計器のメータである。
【0025】
なお、点検対象画像送信システム1は、点検用端末10と、カメラ20とに加えて、サーバ機能を有するパーソナルコンピュータやコンピュータ、複数のコンピュータからなるクラウドコンピュータを有するシステムであっても良い。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
この場合、点検対象画像送信システム1は、後述する点検用端末10が実行する各処理を、このコンピュータが実行し、処理の結果を、点検用端末10やカメラ20に出力するものや、点検用端末10が実行した処理の結果を、このコンピュータ上に保管し、カメラ20からの要求に応じて、カメラ20に出力するものとなる。
【0026】
点検用端末10は、点検作業員が所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ、スマートグラス等のHMD(Head Mounted Display)等である。
点検用端末10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
また、点検用端末10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0027】
点検用端末10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、テスト用画像取得モジュール、カメラ設定内容送信モジュール、撮影条件指示送信モジュール、録音条件指示送信モジュール、トリミング条件指示送信モジュール、点検用データ受信モジュールを実現する。
また点検用端末10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、撮影スケジュール設定モジュール、録音スケジュール設定モジュール、解像度設定モジュール、カメラ設定モジュール、通信方式設定モジュール、トリミング設定モジュール、撮影条件入力受付モジュール、撮影条件指示作成モジュール、録音条件入力受付モジュール、録音条件指示作成モジュール、トリミング条件入力受付モジュール、トリミング条件指示作成モジュールを実現する。
【0028】
カメラ20は、点検対象3周辺の所定の位置に設置され、画像の撮影や音声の録音や画像の送信等を行う装置である。
カメラ20は、点検用端末10と同様に、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、撮影条件指示及びトリミング条件指示が置き場に有るかどうかを定期的に確認する確認部21、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした画像を点検用端末10に送信する送信部22等を備える。
また、カメラ20は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
また、カメラ20は、処理部として、各種処理を実行するデバイス、点検対象3の画像を撮影する撮影部23、撮影した画像をトリミングするトリミング部24、画像の送信が終わった後、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えてから待機する待機部25等を備える。
【0029】
カメラ20において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、カメラ設定内容受信モジュール、センシング結果取得モジュール、点検用データ送信モジュールを実現する。
また、カメラ20において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、カメラ設定内容記憶モジュール、撮影条件指示記憶モジュール、録音条件指示記憶モジュール、トリミング条件指示記憶モジュールを実現する。
また、カメラ20において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、撮影条件指示作成モジュール、録音条件指示作成モジュール、トリミング条件指示作成モジュール、確認モジュール、条件指示有無判断モジュール、撮影条件変更モジュール、撮影モジュール、録音条件変更モジュール、録音モジュール、トリミング条件変更モジュール、トリミングモジュール、通信方式切替モジュールを実現する。
【0030】
[点検用端末10が実行するカメラ設定処理]
図3に基づいて、点検用端末10が実行するカメラ設定処理について説明する。図3は、点検用端末10が実行するカメラ設定処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本カメラ設定処理は、所定のアプリケーションが、各モジュールに処理を実行させることにより、実現される処理である。
【0031】
撮影スケジュール設定モジュールは、点検対象3の画像を撮影させる撮影スケジュールを設定する(ステップS10)。撮影スケジュールは、カメラ20が点検対象3の画像を撮影するタイミングを意味する。撮影スケジュールは、一日に撮影する回数及び時間である。撮影スケジュールは、上述した通り、一日一回・所定の時間、一日複数回・複数の所定の時間、毎時間等である。
撮影スケジュール設定モジュールは、回数及び時間の入力を受け付ける。入力の受付方法としては、複数の撮影スケジュールの中から、点検作業員が所望するものを選択する、点検作業員が所望する回数及び時間を直接入力する等が挙げられる。
撮影スケジュール設定モジュールは、受け付けた回数及び時間に基づいて、撮影スケジュールを設定する。
【0032】
録音スケジュール設定モジュールは、点検対象3の周辺の音声を録音させる録音スケジュールを設定する(ステップS11)。録音スケジュールは、カメラ20が、点検対象3の周辺(カメラ20の周辺)の音声を録音するタイミングを意味する。録音スケジュールは、撮影スケジュールのタイミング、すなわち、カメラ20が画像を撮影する前後の所定の時間間隔である。カメラ20が画像を撮影する指定時間前から、撮影後の指定時間後までの時間間隔である。録音スケジュールは、撮影の前後1秒、前後5秒、前後10秒等である。例えば、撮影の前後1秒の場合、カメラ20が画像を撮影する1秒前から、画像を撮影後の1秒後までの時間間隔である。例えば、撮影前20秒から撮影前5秒など、撮影前だけの時間間隔でも良いし、その逆に、撮影後だけの時間間隔でもよい。つまり、撮影前後、撮影前、または撮影後の時間間隔の録音スケジュールを設定してもよい。
録音スケジュール設定モジュールは、時間の入力を受け付ける。入力の受付方法としては、複数の録音スケジュールの中から、点検作業員が所望するものを選択する、点検作業員が所望する時間を直接入力する等が挙げられる。
録音スケジュール設定モジュールは、受け付けた時間に基づいて、録音スケジュールを設定する。
点検対象3の周辺の音声を併せて録音させることにより、点検作業員が画像だけで判断できない場合であっても、判断することが容易となる。
【0033】
解像度設定モジュールは、点検対象3の画像の解像度を設定する(ステップS12)。解像度は、例えば、低画質、高画質、標準画質等の画質を指定するものである。
解像度設定モジュールは、解像度の入力を受け付ける。入力の受付方法としては、複数の解像度の中から、点検作業員が所望する解像度を選択する、点検作業員が所望する解像度を直接入力する等が挙げられる。
解像度設定モジュールは、受け付けた解像度に基づいて、解像度を設定する。
【0034】
カメラ設定モジュールは、点検対象3の画像を撮影するカメラ20の設定を設定する(ステップS13)。カメラ20の設定とは、例えば、フラッシュの有無、フラッシュの強度、自動発光の有無、通常のEV値、照度が暗い時のEV値、シャッタースピードである。
カメラ設定モジュールは、カメラ20の設定の入力を受け付ける。入力の受付方法としては、予め設定された初期値をそのまま用いる、ある設定における複数のもの中から、点検作業員が所望するものを選択する、点検作業員が所望する設定を直接入力する等が挙げられる。
カメラ設定モジュールは、受け付けたカメラ20の設定に基づいて、カメラ20の設定を設定する。
【0035】
通信方式設定モジュールは、待機用通信方式及び送信用通信方式を設定する(ステップS14)。待機用通信方式とは、画像を送信していない状態の通信方式を意味する。送信用通信方式とは、画像を送信する状態の通信方式を意味する。待機用通信方式は、送信用通信方式よりも、消費電流が少ない通信方式であり、1時間当たりの平均消費電流が1mA以下の通信方式である。送信用通信方式は、1時間当たりの平均消費電流が1mAよりも大きく、カメラ20がトリミングした後の画像を送信するのに必要な消費電流を少なくとも有する通信方式である。
通信方式設定モジュールは、待機用通信方式及び送信用通信方式の入力を其々受け付ける。入力の受付方法としては、予め設定された初期値の消費電流を用いる、予め設定された消費電流の待機用通信方式及び送信用通信方式の組み合わせの中から、点検作業員が所望するものを選択する、複数の消費電流の中から、点検作業員が所望するものを選択する、点検作業員が所望する消費電流を直接入力する等が挙げられる。選択した組み合わせは変更できる。
通信方式設定モジュールは、受け付けた待機用通信方式及び送信用通信方式に基づいて、待機用通信方式及び送信用通信方式を設定する。
普段の待機用通信方式の消費電流を1mA以下にすることにより、省電力の効果がより高くなる。
【0036】
[設定画面]
図4に基づいて、上述したステップS10-14の処理により設定される設定内容について説明する。同図は、点検用端末10が設定する設定内容の一例を模式的に示した図である。同図では、画質、フラッシュの有無、フラッシュの自動発光の有無、フラッシュの強度、撮影スケジュール、録音スケジュールの設定内容を示す。他に設定された設定内容についての記載は省略する。
同図において、点検用端末10は、上述したステップS10-S14の処理の結果、画質が高画質、フラッシュが有り、フラッシュの自動発光が有り、フラッシュの強度が標準であり、撮影スケジュールが一日に24回(1時間毎)撮影、録音スケジュールが撮影時の±5秒を設定している。
【0037】
図3に戻り、カメラ設定処理の続きを説明する。
トリミング設定モジュールは、点検対象3の画像をトリミングする領域を設定する(ステップS15)。本発明のトリミングとは、指定した領域のみを切り出し、それ以外の領域を不要な領域として削除し、指定した領域のみの画像を生成することを意味する。
テスト用画像取得モジュールは、予めカメラ20が撮影した点検対象3の画像を取得する。このときテスト用画像取得モジュールが取得する画像は、カメラ20を設置する際に撮影したものや、他のタイミング等において、カメラ20が撮影したものである。
トリミング設定モジュールは、取得した図5に示す点検対象3の画像30に対して、トリミングする領域31を設定する。トリミング設定モジュールは、自身の表示部等に表示したこの画像30に対するタップ操作等の入力を受け付ける。トリミング設定モジュールは、点検作業員が所望する点検対象3の箇所を矩形や円形等で囲う、点検対象3の箇所を指定する等の入力を受け付けることにより、このトリミングする領域31の入力を受け付ける。トリミング設定モジュールは、この入力を受け付けたトリミングする領域31を、画像30をトリミングする領域31として設定する。ここで設定するトリミングする領域31は、画像30における座標や画像30における位置として設定されるものである。後述する点検用データ送信処理においてカメラ20が撮影する画像40(後述する図11参照)と、今回トリミングする領域31を設定した画像30とは、カメラ20の位置が固定されている場合、其々の画像30,40内の点検対象3の位置は固定されていると考えられ、其々の画像30,40で点検対象3が同一の場所に撮影されるためである。
なお、本実施形態では、一つのトリミングする領域31のみを設定しているが、複数のトリミングする領域を設定しても良い。複数のトリミングする領域を設定する場合、設定した各トリミングする領域を切り出し、指定した各領域の画像を其々生成することになる。
【0038】
カメラ設定内容送信モジュールは、カメラ設定内容をカメラ20に送信する(ステップS16)。
カメラ設定内容送信モジュールは、上述したステップS10-15の処理により設定された撮影スケジュール、録音スケジュール、解像度、カメラ20の設定、待機用通信方式、送信用通信方式及びトリミングする領域を、カメラ設定内容として、カメラ20に送信する。カメラ設定内容受信モジュールは、このカメラ設定内容を受信する。カメラ設定内容記憶モジュールは、このカメラ設定内容を記憶する。カメラ20は、このカメラ設定内容を記憶することにより、自身の設定が行われることになる。
カメラ20は、記憶したカメラ設定内容と、後述する撮影条件指示(録音条件指示が存在する場合、撮影条件指示及び録音条件指示)及びトリミング条件指示とに基づいて、後述する撮影処理(録音条件指示が存在する場合、撮影処理及び録音処理)、点検用データ送信処理を実行する。
そして、カメラ20は、送信が終わった後、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えてから待機する。待機用通信方式の方が、送信用通信方式よりも消費電流が低下するため、送信用通信方式のまま待機するよりも省電力となる。
【0039】
以上が、カメラ設定処理である。
【0040】
[点検用端末10が実行する第一の指示作成処理]
図6に基づいて、点検用端末10が実行する第一の指示作成処理について説明する。図6は、点検用端末10が実行する第一の指示作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
本第一の指示作成処理は、上述した撮影条件指示の有無の定期的な確認処理(ステップS1)に関連する処理であり、上述したカメラ設定処理の後に行われる処理である。
【0041】
撮影条件入力受付モジュールは、カメラ20の撮影条件の入力を受け付ける(ステップS20)。
撮影条件は、上述した通り、撮影スケジュール、撮影タイミング、撮影頻度、撮影時間、撮影範囲等の撮影に関する条件や、解像度、フラッシュの有無、フラッシュの強度、自動発光の有無、EV値、シャッタースピード等のカメラ20の設定に関する条件である。
撮影条件入力受付モジュールは、撮影条件の入力を受け付ける。この時、撮影条件入力受付モジュールは、上述した撮影条件の内、全ての項目の入力を受け付けても良いし、一部の項目の入力を受け付けても良い。入力の受付方法としては、点検作業員が所望する撮影条件を選択する、点検作業員が所望する撮影条件を直接入力する等が挙げられる。
なお、撮影条件は、上述した例に限らず、その他の項目が含まれていても良い。
【0042】
撮影条件指示作成モジュールは、受け付けたカメラ20の撮影条件に基づいて、撮影条件指示を作成する(ステップS21)
撮影条件指示は、撮影条件をカメラ20に指示するものである。
撮影条件指示作成モジュールは、この撮影条件に基づいて、所定の形式の撮影条件指示を作成する。
【0043】
撮影条件指示送信モジュールは、作成した撮影条件指示を、クラウドコンピュータに送信する(ステップS22)。
撮影条件指示送信モジュールは、この撮影条件指示を、クラウドコンピュータに送信し、クラウドコンピュータは、この撮影条件指示を受信する。
クラウドコンピュータは、受信した撮影条件指示を、予め設定された置き場に置いておく。置き場は、上述した通り、物理的又は仮想的な場所である。クラウドコンピュータは、記憶部等に受信した撮影条件指示を記憶する等を行うことにより、撮影条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0044】
録音条件入力受付モジュールは、カメラ20の録音条件の入力を受け付ける(ステップS23)。
録音条件は、例えば、録音スケジュール、録音時間、録音タイミング等の録音に関する条件である。
録音条件入力受付モジュールは、録音条件の入力を受け付ける。この時、録音条件入力受付モジュールは、上述した録音条件の内、全ての項目の入力を受け付けても良いし、一部の項目の入力を受け付けても良い。入力の受付方法としては、点検作業員が所望する録音条件を選択する、点検作業員が所望する録音条件を直接入力する等が挙げられる。
なお、録音条件は、上述した例に限らず、その他の項目が含まれていても良い。
【0045】
録音条件指示作成モジュールは、受け付けたカメラ20の録音条件に基づいて、録音条件指示を作成する(ステップS24)
録音条件指示は、録音条件をカメラ20に指示するものである。
録音条件指示作成モジュールは、この録音条件に基づいて、所定の形式の録音条件指示を作成する。
【0046】
録音条件指示送信モジュールは、作成した録音条件指示を、クラウドコンピュータに送信する(ステップS25)。
録音条件指示送信モジュールは、この録音条件指示を、クラウドコンピュータに送信し、クラウドコンピュータは、この録音条件指示を受信する。
クラウドコンピュータは、受信した録音条件指示を、予め設定された置き場に置いておく。置き場は、上述した通り、物理的又は仮想的な場所である。クラウドコンピュータは、記憶部等に受信した録音条件指示を記憶する等を行うことにより、録音条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0047】
トリミング条件入力受付モジュールは、カメラ20のトリミング条件の入力を受け付ける(ステップS26)。
トリミング条件は、上述した通り、カメラ20が撮影した点検対象3の画像をトリミングする領域に関する条件である。
トリミング条件入力受付モジュールは、トリミング条件の入力を受け付ける。入力の受付方法としては、上述したステップS15の処理におけるトリミング設定モジュールが入力を受け付けるトリミングする領域31の入力方法と同様であれば良い。
【0048】
トリミング条件指示作成モジュールは、受け付けたカメラ20のトリミング条件に基づいて、トリミング条件指示を作成する(ステップS27)。
トリミング条件指示は、トリミング条件をカメラ20に指示するものである。
トリミング条件指示作成モジュールは、このトリミング条件に基づいて、所定の形式のトリミング条件指示を作成する。
【0049】
トリミング条件指示送信モジュールは、作成したトリミング条件指示を、クラウドコンピュータに送信する(ステップS28)。
トリミング条件指示送信モジュールは、このトリミング条件指示を、クラウドコンピュータに送信し、クラウドコンピュータは、このトリミング条件指示を受信する。
クラウドコンピュータは、受信したトリミング条件指示を、予め設定された置き場に置いておく。置き場は、上述した通り、物理的又は仮想的な場所である。クラウドコンピュータは、記憶部等に受信したトリミング条件指示を記憶する等を行うことにより、トリミング条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0050】
なお、点検用端末10は、上述したステップS20-28の処理を、必ずしも全て行う必要ななく、少なくとも、撮影条件に関する処理(ステップS20-S22)及びトリミング条件に関する処理(ステップS26-S28)を行う構成であれば良い。また、点検用端末10は、撮影条件の入力の受付と、録音条件の入力の受付と、トリミング条件の入力の受付とを同時に行う構成であっても良い。この場合、点検用端末10は、作成する撮影条件指示と、録音条件指示と、トリミング条件指示とを併せて、クラウドコンピュータに送信すれば良い。
【0051】
以上が、第一の指示作成処理である。
【0052】
図7に基づいて、カメラ20が実行する第二の指示作成処理について説明する。図7は、カメラ20が実行する第二の指示作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
本第二の指示作成処理は、上述した撮影条件指示の有無の定期的な確認処理(ステップS1)に関連する処理であり、上述したカメラ設定処理の後に行われる処理である。また、上述した第一の指示作成処理と、本第二の指示作成処理とは、何れかの処理のみが行われるものであっても良いし、双方の処理が行われるものであっても良い。
【0053】
センシング結果取得モジュールは、カメラ20に取り付けられたセンサのセンシング結果を取得する(ステップS30)。
カメラ20に取り付けられたセンサは、上述した通り、圧力センサや赤外線センサ等である。センシング結果は、上述した通り、撮影ボタンの押下の検知、動体の検知等である。
センサは、自身が検知したセンシング結果を、カメラ20に送信する。センシング結果取得モジュールは、このセンシング結果を受信することにより、センシング結果を取得する。
なお、センサの種類及びセンシング結果は、上述した例に限らず、適宜変更可能である。
【0054】
撮影条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、撮影条件指示を作成する(ステップS31)。
撮影条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、所定の形式の撮影条件指示を作成する。
【0055】
撮影条件指示記憶モジュールは、作成した撮影条件指示を、自身に予め設定された置き場に置いておく(ステップS32)。
置き場は、上述したクラウドコンピュータにおける置き場と同様に、物理的又は仮想的な場所である。
撮影条件指示記憶モジュールは、作成した撮影条件指示を、記憶部等に記憶する等を行うことにより、撮影条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0056】
録音条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、録音条件指示を作成する(ステップS33)。
録音条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、所定の形式の録音条件指示を作成する。
【0057】
録音条件指示記憶モジュールは、作成した録音条件指示を、自身に予め設定された置き場に置いておく(ステップS34)。
置き場は、上述したクラウドコンピュータにおける置き場と同様に、物理的又は仮想的な場所である。
録音条件指示記憶モジュールは、記憶部等に作成した録音条件指示を記憶する等を行うことにより、録音条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0058】
トリミング条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、トリミング条件指示を作成する(ステップS35)。
トリミング条件指示作成モジュールは、取得したセンシング結果に基づいて、所定の形式のトリミング条件指示を作成する。
【0059】
トリミング条件指示記憶モジュールは、作成したトリミング条件指示を、自身に予め設定された置き場に置いておく(ステップS36)。
置き場は、上述したクラウドコンピュータにおける置き場と同様に、物理的又は仮想的な場所である。
トリミング条件指示記憶モジュールは、作成したトリミング条件指示を、記憶部等に記憶する等を行うことにより、撮影条件指示を置き場に置いておくことになる。
【0060】
なお、カメラ20は、上述したステップS30-36の処理を、必ずしも全て行う必要ななく、少なくとも、センシング結果の取得処理(ステップS30)、撮影条件に関する処理(ステップS31、S32)及びトリミング条件に関する処理(ステップS35、S36)を行う構成であれば良い。また、カメラ20は、撮影条件指示の作成と、録音条件指示の作成と、トリミング条件指示の作成とを同時に行う構成であっても良い。この場合、カメラ20は、作成した撮影条件指示と、録音条件指示と、トリミング条件指示とを併せて、置き場に置けば良い。
【0061】
以上が、第二の指示作成処理である。
【0062】
[カメラ20が実行する撮影処理]
図8に基づいて、カメラ20が実行する撮影処理について説明する。図8は、カメラ20が実行する撮影処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本撮影処理は、上述した撮影条件指示の有無の確認処理(ステップS1)、点検対象3の画像の撮影処理(ステップS2)の詳細であり、上述した第一の指示作成処理及び第二の指示作成処理の後に行われる処理である。
【0063】
確認モジュールは、撮影条件指示の置き場に、撮影条件指示が有るかどうか及びトリミング条件指示の置き場に、トリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認する(ステップS40)。
確認モジュールは、上述した第一の指示作成処理によりクラウドコンピュータの置き場に置かれた撮影条件指示又は上述第二の指示作成処理によりカメラ20の置き場に置かれた撮影条件指示を定期的に確認する。
併せて、確認モジュールは、上述した第一の指示作成処理によりクラウドコンピュータの置き場に置かれたトリミング条件指示又は第二の指示作成処理によりカメラ20の置き場に置かれたトリミング条件指示を定期的に確認する。
確認モジュールは、クラウドコンピュータにアクセスし、このクラウドコンピュータの置き場に置かれた撮影条件指示及びトリミング条件指示を確認する。又は、確認モジュールは、カメラ20の置き場に置かれた撮影条件指示を確認する。
【0064】
条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを判断する(ステップS41)。
条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が無かった場合(ステップS41 NO)、撮影条件確認モジュールは、再度、上述した撮影条件指示の確認処理(ステップS40)を実行する。
【0065】
一方、条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有った場合(ステップS41 YES)、撮影条件変更モジュールは、確認した撮影条件指示に基づいて、カメラ20の撮影条件を変更する(ステップS42)。
例えば、撮影条件変更モジュールは、解像度を変更する場合、画像を撮影する際の解像度(画質)を変更する。なお、撮影条件変更モジュールは、撮影した画像の解像度を変更する構成であっても良い。この場合、撮影条件変更モジュールは、画像の拡大・縮小、dpi(dots per inch)の変更、画像の圧縮等を行い、解像度を変更する。
撮影条件変更モジュールは、その他の撮影条件においても同様に、画像撮影する際の撮影条件や、画像撮影後の撮影条件を変更する。
撮影条件変更モジュールは、撮影条件指示に含まれる撮影に関する条件やカメラ20の設定に関する条件に基づいて、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を変更する。このとき、撮影条件変更モジュールは、撮影条件指示に含まれない条件については、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を維持する。
【0066】
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更後のカメラ設定内容を記憶する(ステップS43)。
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更前の撮影条件に、確認した撮影条件を上書きする。
【0067】
撮影モジュールは、点検対象3の画像を撮影する(ステップS44)。
撮影モジュールは、変更後のカメラ設定内容における条件に基づいて、この画像を撮影する。
撮影モジュールが撮影を行う構成は、一般的な撮影機能を有する装置が、画像を撮影する構成であれば良い。
【0068】
以上が、撮影処理である。
なお、コンピュータ10は、再度、撮影条件指示を確認し、撮影条件の変更が行われた場合、それ以前に使用していた撮影条件に、新しく確認した撮影条件を上書きし、カメラ設定内容を変更する。
【0069】
また、撮影条件変更モジュールは、撮影条件指示において、定期的な撮影スケジュールが含まれる場合には、カメラ設定内容における撮影条件を、この定期的な撮影スケジュールに変更し、撮影モジュールは、この定期的な撮影スケジュールに基づいて、点検対象3の画像を撮影する構成も可能である。この時、コンピュータ10は、撮影スケジュールの日時やタイミングにおいて、上述した撮影条件指示の有無判断処理(ステップS41)に関わらず、変更後のカメラ設定内容に基づいて、点検対象3の画像を撮影する。このとき、カメラ20は、この定期的な撮影スケジュールに併せて、カメラ設定内容における録音スケジュールに基づいて、点検対象3の周辺の音声を録音する構成も可能である。
【0070】
[カメラ20が実行する録音処理]
図9に基づいて、カメラ20が実行する録音処理について説明する。図9は、カメラ20が実行する録音処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本録音処理は、上述した撮影処理に関連する処理であり、上述した撮影処理と同時又はその後に行われる処理である。
【0071】
確認モジュールは、録音条件指示の置き場に、録音条件指示が有るかどうかを、確認する(ステップS50)。
確認モジュールは、上述した第一の指示作成処理によりクラウドコンピュータの置き場に置かれた録音条件指示又は上述第二の指示作成処理によりカメラ20の置き場に置かれた録音条件指示を、確認する。
確認モジュールは、クラウドコンピュータにアクセスし、このクラウドコンピュータの置き場に置かれた録音条件指示を確認する。又は、確認モジュールは、カメラ20の置き場に置かれた録音条件指示を確認する。
【0072】
条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、録音条件指示が有るかどうかを判断する(ステップS51)。
条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、録音条件指示が無かった場合(ステップS51 NO)、コンピュータ10は、本録音処理を終了する。
【0073】
一方、条件指示有無判断モジュールは、確認した置き場に、録音条件指示が有った場合(ステップS51 YES)、録音条件変更モジュールは、確認した録音条件指示に基づいて、カメラ20の録音条件を変更する(ステップS52)。
録音条件変更モジュールは、録音条件指示に含まれる録音に関する条件に基づいて、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を変更する。このとき、録音条件変更モジュールは、録音条件指示に含まれない条件については、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を維持する。
【0074】
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更後のカメラ設定内容を記憶する(ステップS53)。
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更前の録音条件に、確認した録音条件を上書きする。
【0075】
録音モジュールは、点検対象3の周辺における音声を録音する(ステップS54)。
録音モジュールは、変更後のカメラ設定内容における条件に基づいて、この音声を録音する。
録音モジュールが録音を行う構成は、一般的な録音機能を有する装置が、音声を録音する構成であれば良い。
【0076】
以上が、録音処理である。
なお、コンピュータ10は、再度、録音条件指示を確認し、録音条件の変更が行われた場合、それ以前に使用していた録音条件に、新しく確認した録音条件を上書きし、カメラ設定内容を変更する。
【0077】
上述した撮影処理及び録音処理は、一連の処理であり、コンピュータ10は、撮影処理を実行中又は実行後に、録音処理を実行するものである。コンピュータ10は、上述した録音処理における録音条件指示の有無判断処理(ステップS51)において、録音条件指示が確認できなかった場合(ステップS51 NO)、後述する点検用データ送信処理において、点検対象3の周辺における音声を除外した構成の処理を行い、録音条件指示が確認できた場合(ステップS51 YES)、この音声を含む構成の処理を行うものである。
【0078】
なお、録音条件変更モジュールは、録音条件指示において、定期的な録音スケジュールが含まれる場合には、カメラ設定内容における録音条件を、この定期的な録音スケジュールに変更し、録音モジュールは、この定期的な録音スケジュールに基づいて、点検対象3の周辺の音声を録音する構成も可能である。この時、コンピュータ10は、録音スケジュールのタイミングにおいて、上述した録音条件指示の有無判断処理(ステップS51)に関わらず、変更後のカメラ設定内容に基づいて、点検対象3の周辺の音声を録音する。すなわち、カメラ20は、上述した撮影処理において、撮影条件を定期的な撮影スケジュールに変更し、更に、本録音処理において、録音条件を定期的な録音スケジュールに変更した場合、これらに基づいて、点検対象3の画像の撮影と、点検対象3の周辺の音声の録音を行う。
【0079】
[カメラ20が実行する点検用データ送信処理]
図10に基づいて、カメラ20が実行する点検用データ送信処理について説明する。図10は、カメラ20が実行する点検用データ送信処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本点検用データ送信処理は、画像のトリミング処理(ステップS3)、画像の送信処理(ステップS4)、待機処理(ステップS5)の詳細であり、上述した撮影処理及び録音処理の後に行われる処理である。
なお、本点検用データ送信処理は、撮影処理により撮影した画像と、録音処理により録音した音声との双方を用いる場合を例として説明する。
【0080】
トリミング条件変更モジュールは、確認したトリミング条件指示に基づいて、カメラ20のトリミング条件を変更する(ステップS60)。
例えば、トリミング条件変更モジュールは、トリミング条件の変更が、トリミングする領域を拡大する場合、撮影した画像のトリミングする領域を拡大する。また、トリミングする領域の縮小、変更、追加等の他のトリミング条件の変更も同様に、トリミングする領域の縮小、変更、追加等する。
トリミング条件変更モジュールは、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を変更する。このとき、トリミング条件変更モジュールは、トリミング条件指示に含まれない条件については、上述したカメラ設定処理によりカメラ20に設定したカメラ設定内容を維持する。
【0081】
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更後のカメラ設定内容を記憶する(ステップS61)。
カメラ設定内容記憶モジュールは、変更前のトリミング条件に、確認したトリミング条件を上書きする。
【0082】
トリミングモジュールは、確認したトリミング条件指示に基づいて、撮影した画像をトリミングする(ステップS62)。
トリミングモジュールは、確認したトリミング条件指示に基づいて、図11に示す、撮影した画像40におけるトリミングする領域41を決定する。トリミングモジュールは、確認したトリミング条件指示と同じ場所を、撮影した画像40におけるトリミングする領域41に決定する。トリミングモジュールは、決定したトリミングする領域41をトリミングする。トリミングモジュールは、この画像40のトリミングする領域41以外を不要な領域として、削除する。トリミングモジュールは、この画像40をトリミングすることにより、トリミングする領域41のみのトリミング後の画像42(図12参照)を生成する。
なお、トリミングモジュールは、トリミングする領域が複数設定されている場合、其々のトリミング領域をトリミングする。トリミングモジュールは、トリミングする各領域以外を画像の不要な領域として、削除する。トリミングモジュールは、トリミングした各領域の画像を其々生成する。すなわち、トリミングモジュールは、トリミングする領域が複数設定されている場合、設定されているトリミングする領域の数に応じた画像を生成する。
【0083】
通信方式切替モジュールは、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替える(ステップS63)。
待機用通信方式は、例えば、1時間当たりの平均消費電流が1mA以下の通信方式である。また、送信用通信方式が、1時間当たりの平均消費電流が、1mAよりも大きい通信方式である。
通信方式切替モジュールは、カメラ設定内容により設定された通信方式に基づいて、通信方式を、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替える。カメラ20は、通信方式が切り替わることにより、消費電流が上昇するため、トリミング後の画像42を点検用端末10に送信することが可能となる。
そして、送信が終わった後、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えてから待機する。待機用通信方式の方が、送信用通信方式よりも消費電流が低下するため、送信用通信方式のまま待機するよりも省電力となる。
【0084】
点検用データ送信モジュールは、トリミング後の画像42、録音した音声、設定情報及び状態情報を点検用データとして点検用端末10に送信する(ステップS64)。
設定情報は、トリミングする領域、ファームウェアバージョン、露出調整値、フラッシュ強度、解像度等のカメラの設定に関する情報である。また、状態情報は、電池残量、電波強度、エラーログ等のカメラ20自身の状態に関する情報である。
点検用データ送信モジュールは、トリミング後の画像42、録音した音声、設定情報及び状態情報を関連付けた点検用データを、点検用端末10に送信する。
点検用データ受信モジュールは、この点検用データを受信する。点検用データ表示モジュールは、この点検用データを表示する。点検作業員は、この点検用データを閲覧することにより、遠隔点検を行うことが可能となる。
【0085】
通信方式切替モジュールは、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替える(ステップS65)。
通信方式切替モジュールは、カメラ設定内容により設定された通信法式に基づいて、通信方式を、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替える。カメラ20は、通信方式が切り替わることにより、消費電流が低下するため、省電力化が可能となる。
そして、送信が終わった後は、送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えてから待機する。待機用通信方式の方が、送信用通信方式よりも消費電流が低下するため、送信用通信方式のまま待機するよりも省電力となる。
【0086】
以上が、点検用データ送信処理である。
なお、コンピュータ10は、再度、トリミング条件指示を確認し、トリミング条件の変更が行われた場合、それ以前に使用していたトリミング条件に、新しく確認したトリミング条件を上書きし、カメラ設定内容を変更する。
【0087】
点検対象画像送信システム1は、上述した点検用データ送信処理の結果に基づいて、上述したカメラ設定処理により設定されたカメラ設定内容を変更することも可能である。点検用端末10は、上述したカメラ設定処理を再度実行することにより、前回設定したカメラ設定内容を変更する。点検用端末10は、点検作業員から、設定の変更の入力を受け付けることにより、カメラ設定内容を変更する。
なお、上述した点検用データ送信処理の結果に関わらず、設定されたカメラ設定内容を変更することも可能である。
【0088】
例えば、点検用端末10は、設定した撮影スケジュールを変更する場合、上述した撮影スケジュールの設定処理(ステップS10)を再度実行する事により、撮影スケジュールを変更する。省電力を強める場合、撮影スケジュールのスケジュール間隔を広げるように変更したり、点検対象3の状態把握の頻度を上げる場合、撮影スケジュールのスケジュール間隔を狭めるように変更したりする。また点検対象3の状態把握の頻度を下げる場合、撮影スケジュールのスケジュール間隔を広めるように変更する。
また、点検用端末10は、設定した録音スケジュールを変更する場合、上述した録音スケジュールの設定処理(ステップS11)を再度実行する事により、録音スケジュールを変更する。省電力を強める場合は、録音スケジュールのスケジュール間隔を狭めるように変更する。
また、点検用端末10は、設定した解像度を変更する場合、上述した画像の解像度の設定処理(ステップS12)を再度実行することにより、解像度を変更する。画質を向上させる必要がある場合、解像度が高くなるように変更したり、画質を低下させても問題ない場合や省電力を強める場合、解像度が低くなるように変更したりする。
また、点検用端末10は、設定したカメラ20の設定を変更する場合、上述したカメラ20の設定の設定処理(ステップS13)を再度実行することにより、設定を変更する。送信された画像の状態に応じて、フラッシュの有無、フラッシュ強度、フラッシュの自動発光のオンオフ、通常のEV値、照度が暗い時のEV値、シャッタースピード等を変更する。
また、点検用端末10は、設定した通信方式を変更する場合、上述した待機用通信方式及び送信用通信方式の設定処理(ステップS14)を再度実行することにより、通信方式を変更する。このとき、待機用通信方式と、送信用通信方式との其々を変更しても良いし、これらの組み合わせを変更しても良い。省電力を強める場合、各通信方式の電流が、最も少ない組み合わせに変更したり、送信する画像をより鮮明にする場合、送信用通信方式の電流を大きくするように変更したりする。
また、点検用端末10は、設定したトリミングする領域を変更する場合、上述したトリミングする領域の設定処理(ステップS15)を再度実行することにより、設定を変更する。省電力を強める場合、トリミングする領域を小さくして、画像容量を小さくするように変更したり、点検対象3の周辺の状況まで把握したい場合、トリミングする領域を大きくするように変更したりする。
【0089】
上述した実施形態において、点検対象3を計器のメータとして説明しているが、本発明は、点検対象3が、コンテナ、街灯、河川、動物の捕獲用の罠等であっても適用可能である。
点検対象画像送信システム1は、上述した点検用データ送信処理を実行し、点検対象3の画像を送信することにより、この画像に基づいて、点検作業員が、点検対象3の状態を把握する。点検対象3がコンテナである場合、点検作業員が、コンテナが満タンであるかどうかを把握する。点検対象3が街灯である場合、点検作業員が、街灯が切れているかどうかを把握する。点検対象3が河川である場合、点検作業員が、河川の水位がどの程度になっているかを把握する。点検対象3が罠である場合、点検作業員が、罠に動物が捕獲されているかどうかを把握する。点検対象3がその他の場合も同様に、点検作業員が、点検対象3に異常が有るかどうかを把握する。
【0090】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、撮影スケジュール設定モジュール、録音スケジュール設定モジュール、トリミング設定部11、解像度設定モジュール、カメラ設定モジュール、通信方式設定モジュール、トリミング設定モジュールは、点検用端末10ではなく、カメラ20が備えていてもよい。
【0092】
(1)カメラ(例えば、カメラ20)で撮影した点検対象(例えば、計器のメータ、コンテナ、街灯、河川、動物の捕獲用の罠)の画像を送信する点検対象画像送信システムであって、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させる確認部(例えば、確認部21、確認モジュール)と、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件(例えば、撮影スケジュール、撮影タイミング、撮影頻度、撮影時間、撮影範囲、解像度、フラッシュの有無、フラッシュの強度、自動発光の有無、EV値、シャッタースピード)を変更させて前記点検対象の画像を撮影させる撮影部(例えば、撮影部23、撮影条件変更モジュール、撮影モジュール)と、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるトリミング部(例えば、トリミング部24、トリミング条件変更モジュール、トリミングモジュール)と、
前記カメラに、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信部(例えば、送信部22、通信方式切替モジュール、点検用データ送信モジュール、)と、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させる待機部(例えば、待機部25、通信方式切替モジュール)と、
を備える点検対象画像送信システム。
【0093】
(1)の発明によれば、省電力で遠隔点検をすることを可能にし、点検効率を向上させることで省電力を達成する。
【0094】
(2)前記確認部は、前記カメラに、前記置き場に録音条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、
前記撮影部は、確認させた前記録音条件指示に基づいて、前記カメラに録音条件を変更させて前記点検対象の周辺の音声を録音させ、
前記送信部は、録音させた前記点検対象の周辺の音声を送信させる、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0095】
(2)の発明によれば、点検時、画像だけでなく周辺の音による点検が可能となる。点検作業員や管理者は、画像だけで点検対象の状態が判断できない場合であっても、周辺の音声により、点検対象の状態を判断しやすくなる。
【0096】
(3)前記待機用通信方式は、1時間当たりの平均消費電流が、1mA以下の通信方式である、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0097】
(3)の発明によれば、普段の待機用通信方式の消費電流を1mA以下にすることにより、省電力の効果がより高くなる。
【0098】
(4)前記トリミング設定部は、前記点検対象の画像の解像度を設定し、
前記トリミング部は、前記点検対象の画像を、設定した前記解像度でトリミングさせる、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0099】
(4)の発明によれば、必要な解像度に設定することにより、送信時の消費電力を低下させることが可能となる。
【0100】
(5)前記確認部は、再度、前記撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを確認させ、
前記撮影部は、それ以前に使用していた前記撮影条件に、新しく確認させた前記撮影条件を上書きさせて前記点検対象の画像を撮影させ、
前記トリミング部は、それ以前に使用していた前記トリミング条件に、新しく確認させた前記トリミング条件を上書きさせて、前記点検対象の画像をトリミングさせる、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0101】
(5)の発明によれば、最適な撮影条件及びトリミング条件に基づいた画像を送信させることが可能となる。
【0102】
(6)前記撮影条件指示に、定期的な撮影スケジュールが含まれる場合、前記撮影条件を、前記定期的な撮影スケジュールに変更する撮影スケジュール変更部と、
を更に備え、
前記撮影部は、変更した前記定期的な撮影スケジュールに基づいて、前記カメラに前記点検対象の画像を撮影させる、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0103】
(6)の発明によれば、定期的に点検対象の状態を把握することが可能となる。
【0104】
(7)前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラの設定を変更させるカメラ設定変更部(例えば、撮影条件変更モジュール)と、
を更に備える(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0105】
(7)の発明によれば、カメラの設定を変更することで、点検効率を向上させることが可能となる。
【0106】
(8)前記カメラを待機させる時の待機用通信方式と、トリミングした前記点検対象の画像を送信させる送信用通信方式と、の組み合わせを選択する選択手段(例えば、通信方式設定モジュール)と、
を更に備える(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0107】
(8)の発明によれば、待機用通信方式と送信用通信方式との組み合わせを選択することで、点検効率を向上させることが可能となる。
【0108】
(9)選択した前記組み合わせを変更する組み合わせ変更部と、
を更に備える(8)に記載の点検対象画像送信システム。
【0109】
(9)の発明によれば、待機用通信方式と送信用通信方式との組み合わせを変更することで、点検効率を向上させることが可能となる。
【0110】
(10)前記送信部は、前記カメラの設定情報(例えば、トリミングする領域、ファームウェアバージョン、露出調整値、フラッシュ強度、解像度)と状態情報(例えば、電池残量、電波強度、エラーログ)とを併せて送信する、
(1)に記載の点検対象画像送信システム。
【0111】
(10)の発明によれば、カメラの設定情報および状態情報を送信することで、点検効率を向上させることが可能となる。
【0112】
(11)カメラで撮影した点検対象の画像を送信するコンピュータが実行する点検対象画像送信方法であって、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させるステップ(例えば、ステップS40)と、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させるステップ(例えば、ステップS42、S44)と、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるステップ(例えば、ステップS60、S62)と、
前記カメラに、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させるステップ(例えば、ステップS63、S64)と、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させるステップ(例えば、ステップS65)と、
を備える点検対象画像送信方法。
【0113】
(12)カメラで撮影した点検対象の画像を送信するコンピュータに、
前記カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させるステップ(例えば、ステップS40)、
確認させた前記撮影条件指示に基づいて、前記カメラに撮影条件を変更させて前記点検対象の画像を撮影させるステップ(例えば、ステップSS42、S44)、
確認させた前記トリミング条件指示に基づいて、前記カメラにトリミング条件を変更させて前記カメラに撮影させた前記点検対象の画像をトリミングさせるステップ(例えば、ステップS60、S62)、
前記カメラに、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした前記点検対象の画像を送信させるステップ(例えば、ステップS63、S64)、
送信が終わった後、前記カメラに前記送信用通信方式から前記待機用通信方式に切り替えさせて待機させるステップ(例えば、ステップS65)、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0114】
1 点検対象画像送信システム
3 点検対象
9 ネットワーク
10 点検用端末
20 カメラ
21 確認部
22 送信部
23 撮影部
24 トリミング部
25 待機部
30,40 点検対象の画像
31,41 トリミングする領域
42 トリミング後の画像

【要約】
【課題】省電力で遠隔点検をすることを可能にし、省電力を達成する。
【解決手段】カメラで撮影した点検対象の画像を送信する点検対象画像送信システムは、カメラに、撮影条件指示及びトリミング条件指示の置き場に、撮影条件指示及びトリミング条件指示が有るかどうかを、定期的に確認させ、確認させた撮影条件指示に基づいて、カメラに撮影条件を変更させて点検対象の画像を撮影させ、確認させたトリミング条件指示に基づいて、カメラにトリミング条件を変更させてカメラに撮影させた点検対象の画像をトリミングさせ、カメラに、待機用通信方式から送信用通信方式に切り替えさせてから、トリミングした点検対象の画像を送信させ、送信が終わった後、カメラに送信用通信方式から待機用通信方式に切り替えさせて待機させる。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12