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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/06 20060101AFI20221102BHJP
   B25J 19/04 20060101ALI20221102BHJP
   H04N 13/239 20180101ALI20221102BHJP
   H04N 13/341 20180101ALI20221102BHJP
   H04N 13/337 20180101ALI20221102BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221102BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221102BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20221102BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20221102BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20221102BHJP
   H04N 13/128 20180101ALI20221102BHJP
【FI】
B25J13/06
B25J19/04
H04N13/239
H04N13/341
H04N13/337
H04N7/18 D
H04N7/18 E
H04N5/232 290
H04N5/232 930
G03B35/08
G03B35/18
B25J3/00 Z
H04N13/128
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018164779
(22)【出願日】2018-09-03
(65)【公開番号】P2020037145
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕和
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-009423(JP,A)
【文献】特開2011-114547(JP,A)
【文献】特開2002-354505(JP,A)
【文献】特開2001-039398(JP,A)
【文献】特開2011-205358(JP,A)
【文献】特表2015-521913(JP,A)
【文献】特開2013-105183(JP,A)
【文献】特開平08-336166(JP,A)
【文献】特開平05-318361(JP,A)
【文献】特開平04-021105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/06
B25J 19/04
H04N 13/239
H04N 13/341
H04N 13/337
H04N 7/18
H04N 5/232
G03B 35/08
G03B 35/18
B25J 3/00
H04N 13/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を行う作業部を有するロボット本体と、
操作者が前記ロボット本体を操作するためのロボット操作器と、
前記ロボット本体の前記作業部が作業する作業エリアの左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像をそれぞれ撮像する左眼視カメラ及び右眼視カメラと、
前記操作者が両眼によって立体視するための視差画像を表示する立体表示器と、
前記操作者が、前記立体表示器に表示される視差画像よって立体視しようとする、前記左眼視カメラ及び右眼視カメラの共通の視野における絶対空間上の立体視対象エリアを特定するよう操作するエリア操作器と、
前記ロボット操作器の操作に応じて前記ロボット本体の動作を制御するロボット制御部と、
前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが撮像する前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から前記エリア操作器の操作によって特定された前記立体視対象エリアに対応する画像をそれぞれ抽出し、この抽出した画像を、前記立体表示器に前記視差画像として表示させる立体表示制御部と、を備え、
前記立体表示制御部は、前記エリア操作器が操作されていない場合に、前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが撮像する前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から前記ロボット本体の前記作業部の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリアの画像をそれぞれ抽出し、この抽出した画像を、初期設定の前記視差画像として前記立体表示器に表示させる、ロボットシステム。
【請求項2】
前記エリア操作器は、前記立体視対象エリアの大きさ、前記立体視対象エリアの位置、前記視差画像の視差、及び前記視差画像の拡大・縮小の少なくともいずれかを調整するよう操作することが可能であり、
前記立体表示制御部は、前記エリア操作器の操作に応じて前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像の画像処理又は前記左眼視カメラ及び右眼視カメラの動作制御を行い、前記立体視対象エリアの大きさ、前記立体視対象エリアの位置、前記視差画像の視差、及び前記視差画像の拡大・縮小の少なくともいずれかが調整された前記視差画像を前記立体表示器に表示させる、請求項に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記左眼視カメラ及び右眼視カメラの画角が150度以上且つ360度以下である、請求項1又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記立体表示制御部は、前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から抽出した画像を、広角レンズに起因する画像歪み除去するよう補正し、この補正した画像を前記立体表示器に前記視差画像として表示させる、請求項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
複数対の前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが、前記ロボット本体の前記作業部が作業する作業エリアを取り囲むように配置されており、
前記立体表示制御部は、選択された対の前記左眼視カメラ及び右眼視カメラに対応する前記視差画像を前記立体表示器に表示する、請求項1乃至のいずれかに記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
立体表示装置に表示された作業対象の物体を見ながらマニピュレータを遠隔操作する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-292240号公報(特に、図1-3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術によれば、操作者が物体を立体的に捉えることができるので、マニピュレータの操作性が向上する。しかし、ロボット(マニピュレータ)を遠隔操作して作業する場合、操作者が、作業対象の物体、ロボットの作業部、及びそれらの周囲(以下、作業エリアという)の一部を詳しく立体視したい場合がある。しかし、上記従来技術では、固定された立体カメラの視野全体の画像しか表示されないので、操作者は作業エリアの一部を詳しく立体視することができなかった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、作業エリアの一部を詳しく立体視しながらロボット本体を操作することが可能なロボットシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る、ロボットシステムは、作業を行う作業部を有するロボット本体と、操作者が前記ロボット本体を操作するためのロボット操作器と、前記ロボット本体の作業部が作業する作業エリアの左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像をそれぞれ撮像する左眼視カメラ及び右眼視カメラと、前記操作者が両眼によって立体視するための視差画像を表示する立体表示器と、前記操作者が、前記立体表示器に表示される視差画像よって立体視しようとする、前記左眼視カメラ及び右眼視カメラの共通の視野における絶対空間上の立体視対象エリアを特定するよう操作するエリア操作器と、前記ロボット操作器の操作に応じて前記ロボット本体の動作を制御するロボット制御部と、前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが撮像する前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から前記エリア操作器の操作によって特定された前記立体視対象エリアに対応する画像をそれぞれ抽出し、この抽出した画像を、前記立体表示器に前記視差画像として表示させる立体表示制御部と、を備える。ここで、「絶対空間」とは、左眼視カメラ及び右眼視カメラが存在する空間を意味し、「絶対空間上の位置」は、所定の座標系、例えば、ロボット本体の基準座標系によって特定される。「左眼視カメラ及び右眼視カメラ」とは、互いに平行で所定の間隔を有する一対の光軸を有する一対のカメラを意味する。「左眼視カメラ及び右眼視カメラの視野」とは、左眼視カメラ及び右眼視カメラの画角内の空間を意味する。
【0007】
この構成によれば、操作者がエリア操作器を操作して、立体表示器に表示される視差画像よって立体視しようとする立体視対象エリアを特定すると、立体表示制御部が、左眼視カメラ及び右眼視カメラが撮像する左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像からエリア操作器の操作によって特定された立体視対象エリアに対応する画像をそれぞれ抽出し、この抽出した画像を、立体表示器に視差画像として表示させるので、操作者は、ロボット本体の作業部が作業する作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0008】
前記立体表示制御部は、前記エリア操作器が操作されていない場合に、前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが撮像する前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から前記ロボット本体の前記作業部の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリアの画像をそれぞれ抽出し、この抽出した画像を、初期設定の前記視差画像として前記立体表示器に表示させてもよい。
【0009】
この構成によれば、例えば、作業の開始時に、ロボット本体の作業部の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリアの画像を初期設定の視差画像として表示することにより、ロボット本体の動作に追従して、ロボット本体の作業部の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリアの画像が表示されるので、ロボット操作器によってロボット本体を操作しながらエリア操作器を操作して、速やかにロボット本体の作業部が作業する作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0010】
また、立体表示器には作業エリアのうちのごく狭い立体視対象エリアの視差画像が表示されるので、現在表示されている立体視対象エリアから遠く離れたエリアを立体視対象エリアとして表示させたい場合に、立体視対象エリアを移動させるべき方向が判らなくなる場合がある。この構成によれば、そのような理由でエリア操作器が操作されないと、ロボット本体の作業部の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリアの画像が初期設定の視差画像として立体表示器に表示されるので、そこを出発点として、立体視対象エリアを移動させることによって、現在表示されている立体視対象エリアから遠く離れたエリアを容易に立体視対象エリアとして表示させることができる。
【0011】
また、前記エリア操作器は、前記立体視対象エリアの大きさ、前記立体視対象エリアの位置、前記視差画像の視差、及び前記視差画像の拡大・縮小の少なくともいずれかを調整するよう操作することが可能であり、前記立体表示制御部は、前記エリア操作器の操作に応じて前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像の画像処理を行い、前記立体視対象エリアの大きさ、前記立体視対象エリアの位置、前記視差画像の視差、及び前記視差画像の拡大・縮小の少なくともいずれかが調整された前記視差画像を前記立体表示器に表示させてもよい。
【0012】
この構成によれば、ロボット本体の作業部が作業する作業エリアの所望の一部を、所望の態様で詳しく立体視することができる。
【0013】
前記左眼視カメラ及び右眼視カメラの画角が150度以上且つ360度以下であってもよい。
【0014】
この構成によれば、ロボット本体の作業部が作業する作業エリアが広い場合でも、操作者は、当該作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0015】
前記立体表示制御部は、前記前記左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像から抽出した画像を、広角レンズに起因する画像歪み除去するよう補正し、この補正した画像を前記立体表示器に前記視差画像として表示させてもよい。
【0016】
この構成によれば、標準レンズで撮像した画像と同程度の歪みレベルの視差画像によって、広い作業エリアの一部を詳しく立体視することができる。
【0017】
複数対の前記左眼視カメラ及び右眼視カメラが、前記ロボット本体1の作業部が作業する作業エリアを取り囲むように配置されており、前記立体表示制御部は、選択された対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4に対応する視差画像を立体表示器に表示してもよい。
【0018】
この構成によれば、操作者は、あたかも作業エリアの周囲を周回するようにして、当該作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、作業エリアの一部を詳しく立体視しながらロボット本体を操作することが可能なロボットシステムを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態1に係るロボットシステムのハードウェアの構成及び当該ロボットシステムの作業環境の一例を示す斜視図である。
図2図2は、操作者によるロボット本体の操作及び詳しく立体視しようとする立体視対象エリアの特定操作の様子を示す斜視図である。
図3図3は、図1のロボットシステムの制御系統の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4(a)~(d)は、詳しく立体視しようとする立体視対象エリアの調整の態様を模式的に示す模式図である。
図5図5は、左眼視カメラ及び右眼視カメラの視野と操作者が詳しく立体視しようする立体視対象エリアとの関係を示す模式図である。
図6図6は、操作者が詳しく立体視しようとする立体視対象エリアに対応する画像を抽出する画像処理を模式的に示す模式図である。
図7図7は、本発明の実施形態3における複数対の左眼視カメラ及び右眼視カメラ操作者が詳しく立体視しようする立体視対象エリアとの関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、以下の図は、本発明を説明するための図であるので、本発明と無関係な要素が省略される場合、誇張及び簡略化のため寸法が不正確である場合、複数の図が互いに一致しない場合等がある。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0022】
(実施形態1)
[構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るロボットシステムのハードウェアの構成及び当該ロボットシステムの作業環境を示す斜視図である。図2は、操作者によるロボット本体の操作及び詳しく立体視しようとする立体視対象エリアの特定操作の様子を示す斜視図である。図3は、図1のロボットシステムの制御系統の構成を示す機能ブロック図である。図4(a)~(d)は、詳しく立体視しようとする立体視対象エリアの調整の態様を模式的に示す模式図である。図5は、左眼視カメラ及び右眼視カメラの視野と操作者が詳しく立体視しようする立体視対象エリアとの関係を示す模式図である。
【0023】
図1乃至図3及び図5を参照すると、本実施形態に係るロボットシステム100は、作業を行う作業部11を有するロボット本体1と、操作者31がロボット本体1を操作するためのロボット操作器2と、ロボット本体1の作業部11が作業する作業エリアの左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像をそれぞれ撮像する左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4と、操作者31が両眼によって立体視するための視差画像43を表示する立体表示器5と、操作者31が、立体表示器5に表示される視差画像43よって立体視しようとする、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の共通の視野23における絶対空間上の立体視対象エリア50を特定するよう操作するエリア操作器6と、ロボット操作器2の操作に応じてロボット本体1の動作を制御するロボット制御部9と、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が撮像する左眼視撮像画像及び右眼視撮像画像からエリア操作器6の操作によって特定された立体視対象エリア50に対応する画像51,52をそれぞれ抽出し、この抽出した画像51,52を、立体表示器5に視差画像43として表示させる立体表示制御部10と、を備える。以下、ロボットシステム100の構成を具体的に説明する。
【0024】
<ハードウェアの構成>
図1及び図2を参照すると、ロボットシステム100は、ロボット本体1と、ロボット操作器2と、左眼視カメラ3と、右眼視カメラ4と、立体表示器5と、エリア操作器6と、立体視メガネ7と、を備える。図3を参照すると、ロボットシステム100は、さらに、制御器8を備える。制御器8は、ロボット制御部9と立体表示制御部10とを含む。つまり、1台のロボット本体1に対応して、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が設けられる。以下、これらの要素を順に詳しく説明する。
【0025】
{ロボット本体1}
ロボット本体1は、作業部11を備える。作業部11は、所定の作業を行うよう構成されていればよい。作業部11として、エンドフェクタが例示される。エンドエフェクタとして、ハンド、塗装ガン、溶接ガン、ナットランナー等が例示される。ここでは、作業部11は、塗装ガンである。ロボット本体1とロボット制御部9とがロボットを構成する。ロボットは、例えば、「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義される(「総務省平成27年版情報通信白書のポイント」参照)。具体的には、ロボット本体1は、例えば、垂直多関節型ロボット、水平多関節型ロボット、パラレルリンク型ロボット、極座標ロボット、円筒座標型ロボット、直角座標型ロボット等の産業用ロボットで構成される。以下では、ロボット本体1が、垂直多関節型ロボットのロボットアームで構成される場合が例示される。
【0026】
{操作器2}
操作器2は、その操作によって、ロボット本体1(作業部11を含む)を操作できるものであればよい。例えば、操作器2をロボット本体1と相似のマスターロボットで構成し、ロボット本体1をスレーブロボットとして制御するように構成してもよい。また、操作器2がジョイスティックであってもよい。また、操作器2が、特定の用途にカスタマイズされた専用の操作器であってもよい。ここでは、操作器2は、図2に示すようにカスタマイズされた専用の操作器で構成される。
【0027】
{左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4}
図1及び図5を参照すると、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、デジタルカメラ又はアナログカメラで構成される。左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、各々の光軸3b,4bが互いに平行で所定の間隔を有するように配置される。また、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、ロボット本体1の作業部11が作業対象21に対して作業する作業エリアを撮像することが可能なように配置される。左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、所定の画角3a,4a(視野)を有する。左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の画角3a,4aは、例えば、150度以上360度以下とされる。画角3a,4aが大きくなる程撮像可能な絶対空間上のエリア(視野)が広くなる一方、撮像画像の歪(撮像画像の周辺に近い部分程画像が彎曲する)が大きくなる。
【0028】
{立体表示器5}
図1及び図2を参照すると、立体表示器5は、例えば、パネルディスプレイで構成される。パネルディスプレイとして公知のものを使用することができる。立体表示器5は、操作者が見易いようにロボット操作器2の近傍に設置される。
【0029】
{エリア操作器6}
図2及び図5を参照すると、エリア操作器6は、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の共通の視野23における絶対空間上の立体視対象エリア50を特定するよう操作できるように構成されておればよい。なお、立体視対象エリア50の形状は任意である。具体的には、エリア操作器6は、操作者31が操作すると、その操作に応じて、絶対空間上の立体視対象エリア50の位置(例えば、代表位置)を含むエリア特定情報をエリア操作信号として出力する。エリア操作器6は、例えば、ジョイスティックで構成される。このジョイスティックで構成されるエリア操作器6は、任意の方向に傾けることができる。ジョイスティックの先端部には、前進ボタン(図示せず)及び後退ボタン(図示せず)が設けられている。さらに、ジョイスィックの先端部には、立体視対象エリアの態様を操作するための複数のボタン(以下、エリア態様操作ボタンという(図示せず))が設けられている。前進ボタン、後退ボタン、及びエリア態様操作ボタンは、エリア操作器6を手で握った状態において親指で操作するように構成され、押圧力に応じて押し込まれるように構成される。なお、図2には、エリア操作器6が、前進ボタン、後退ボタン、及びエリア態様操作ボタンを省略して簡略化された態様で示されている。
【0030】
ロボット制御部9は、ロボット本体1の基準座標系(以下、単に基準座標系という)を持っている。立体表示制御部10は、この基準座標系を共有しており、絶対空間上の位置を、この基準座標系によって特定する。以下、「絶対空間上の位置」とは、基準座標系によって規定される空間上の位置を意味する。エリア操作器6が直立姿勢をとるとき、エリア操作器6が絶対空間上に特定する立体視対象エリア50の位置は移動しない。そして、エリア操作器6を傾けるように操作すると、この立体視対象エリア50は、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4のそれぞれの光軸の延伸方向がエリア操作器6の先端から基端に向かう方向であると仮定した場合における当該エリア操作器6の傾いた方向に傾き量に応じて、絶対空間上を移動する。また、エリア操作器6の前進ボタン又は後退ボタンを押し込むと、立体視対象エリア50は、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4のそれぞれの光軸の延伸方向が前進ボタンの押し込み方向であると仮定した場合における前進ボタンの押し込み量又は後退ボタンの押し込み量に応じて、絶対空間上を前進又は後退する。
【0031】
立体視対象エリア50には、初期設定位置が設定される。この初期設定位置は、ロボット本体1の作業部11の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリア50の基準位置とされる。この初期設定位置に位置する立体視対象エリア50の画像が、ロボット本体1の作業部11の位置に対応する初期設定の視差画像43として立体表示器5に表示される。この初期設定位置は、作業内容に応じて、適宜設定される。ここでは、例えば、塗装ガン11の塗料噴射方向に所定距離だけ離れた位置に設定される。この「所定距離」は、例えば、作業対象21を塗装するのに適した距離とされる。
【0032】
エリア態様操作ボタンは、操作者31が操作すると、立体視対象エリア50の位置以外のエリア特定情報をエリア操作信号として出力する。立体視対象エリア50の位置以外のエリア特定情報については、後で詳しく説明する。
【0033】
{立体視メガネ7}
図2を参照すると、立体視メガネ7は、市販のものを用いることができる。立体視メガネ7は、フレームに、通常のメガネのレンズに代えて光学フィルタが取り付けられて構成される。光学フィルタとして、偏光フィルタ(偏光子)、液晶シャッタ等が用いられる。偏光フィルタが用いられる場合、立体表示器5の表示画面に走査線毎に回転方向が逆の円偏光を与える波長板が張り付けられ、奇数と偶数との走査線によって左眼視画像41及び右眼視画像42が表示される。立体視メガネ7には、この左眼視画像41及び右眼視画像42にそれぞれ対応する円偏光のみを通過させる左右の偏光フィルタが取り付けられる。
【0034】
液晶シャッタが用いられる場合、立体表示器5が高速駆動されて、左眼視画像41及び右眼視画像42が時分割で交互に表示される。この時分割表示に同期して、左右の液晶シャッタがそれぞれ開閉される。
【0035】
{制御器8}
制御器8は、例えば、プロセッサとメモリとを備える。制御器8は、メモリに格納された所定の動作プログラムをプロセッサが読み出して実行することにより、ロボット本体1の動作を制御し、且つ、立体表示器5の立体表示を制御する。制御器8は、具体的には、例えば、マイクロコントローラ、MPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等で構成される。
【0036】
制御器8は、ロボット制御部9及び立体表示制御部10を含む。ロボット制御部9及び立体表示制御部10は、上述のように、メモリに格納された所定の動作プログラムをプロセッサが読み出して実行することにより実現される機能ブロックである。
【0037】
制御器8は、集中制御を行う単独の制御器又は分散制御をする複数の制御器で構成される。制御器8は、ここでは、単独の制御器で構成されるが、例えば、制御器8を2つの制御器で構成し、これら2つの制御器によって、それぞれ、ロボット制御部9及び立体表示制御部10を実現してもよい。
【0038】
制御器8は、任意の場所に配置することができる。制御器8は、例えば、ロボット本体1を支持する基台12の内部に配置される。
【0039】
<制御系統の構成>
図3を参照すると、ロボット操作器2は、操作者31が操作すると、ロボット操作信号をロボット制御部9に出力する。ロボット制御部9は、入力されるロボット操作信号に従って、ロボット本体1の動作を制御する。これにより、操作者31が操作器2を操作すると、その操作に従って、ロボット本体1が動作する。ロボット制御部9は、上述のように基準座標系を持っており、基準座標系上でロボット本体1の位置を特定して、ロボット本体1の動作を制御する。
【0040】
立体表示制御部10は、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4のオンオフ、合焦等の動作を制御する。一方、左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、それぞれ、ロボット本体1の作業部11が作業対象21に対して作業する作業エリアを撮像し、撮像した左眼視撮像画像61及び右眼視撮像画像62(図6参照)を立体表示制御部10に出力する。また、エリア操作器6は、操作者31が操作すると、エリア操作信号を立体表示制御部10に出力する。立体表示制御部10は、入力される左眼視撮像画像61及び右眼視撮像画像63を、入力されるエリア操作信号に従って画像処理し、視差画像43を生成する。そして、この生成した視差画像を表示するための画像表示信号を立体表示器5に出力する。
【0041】
立体表示器5は、入力される画像表示信号に従って視差画像43を表示する。視差画像43を構成する左眼視画像41及び右眼視画像42は、ここでは、表示画面上に並べて表示される。なお、左眼視画像41及び右眼視画像42は、表示画面上に重ねて表示されてもよい。
【0042】
さらに、立体表示制御部10は、エリア操作器6が操作されていない場合には、ロボット本体1の作業部11の位置に対応する初期設定の視差画像43を、立体表示器5に表示させる。これにより、ロボット本体1の動作に追従するように視差画像43を表示することができる。但し、操作者31のエリア操作器6の操作による立体視対象エリア50の選択を邪魔しないように、エリア操作器6が操作されていないことに加えて所定の条件を満たす場合にのみ、ロボット本体1の作業部(塗装ガン)11の位置に対応する初期設定の視差画像43が表示される。
【0043】
ここでは、第1の所定条件として、作業の開始時であることが規定される。この構成によれば、作業の開始時に、ロボット本体1の作業部11の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリア50の画像が初期設定の視差画像43として表示されることにより、ロボット本体1の動作に追従して、ロボット本体1の作業部(塗装ガン)11の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリア50の画像が表示されるので、操作者31が、ロボット操作器2によってロボット本体1を操作しながらエリア操作器6を操作して、速やかにロボット本体1の作業部11が作業する作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0044】
また、第2の所定の条件として、所定時間、エリア操作器6が操作されていないことが規定される。「所定時間」は、計算、実験、シミュレーション等により適宜決定される。この構成により、以下のような作用効果が奏される。
【0045】
立体表示器5にはロボット本体1の作業エリアのうちのごく狭い立体視対象エリア50の視差画像43が表示されるので、現在表示されている立体視対象エリア50から遠く離れたエリアを立体視対象エリアとして表示させたい場合に、立体視対象エリアを移動させるべき方向が判らなくなる場合がある。この構成によれば、そのような理由でエリア操作器6が所定時間操作されないと、ロボット本体1の作業部11(塗装ガン)の位置に対応する絶対空間上の立体視対象エリア50の画像が初期設定の視差画像として立体表示器5に表示されるので、そこを出発点として、立体視対象エリア50を移動させることによって、現在表示されている立体視対象エリア50から遠く離れたエリアを容易に立体視対象エリア50として表示させることができる。
【0046】
[作業環境]
図1を参照すると、ロボットシステム100は、例えば、作業室14内に配置される。図1は、便宜上、作業室14を透視するように描かれている。この作業室14の上部を通過するように、作業対象21を吊り下げて搬送するリフト22が設けられている。作業対象21は、例えば、多関節ロボットのロボットアームを構成するリンク部材である。このリフト22に沿って、例えば、2つのロボットシステム100が配置されている。各ロボットシステム100のロボット本体1は垂直多関節型ロボットで構成されていて、先端部に作業部11としての塗装ガンが装着されている。つまり、この作業室14においては、リフト22によって搬送される作業対象21としてのリンク部材が、ロボット本体1によって塗装される。そして、ロボット本体1による塗装作業が完了する時間内に移動する作業対象21と、その周囲と、ロボット本体1の作業部11とを含むエリアが作業エリアである。ロボット本体1は、基台12の上に設けられている。
【0047】
ロボット本体1の横に一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が配置されている。一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、置台の上に、それぞれの光軸が、リフト22に吊り下げられた作業対象21が通過する領域を通るように配置されている。換言すると、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、ロボット本体1の作業部(塗装ガン)11が作業する作業エリアが視野(画角)内に収まるように配置されている。一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4と置台は、塗料が付着しないように、透明なケース13内に収容されている。
【0048】
作業室14の隣の部屋に操作机16及び操作椅子15が配置されている。これらの操作机16及び操作椅子15は、ロボットシステム100毎に配置されているが、図1には、1つのロボットシステム100のみに対応する操作机16及び操作椅子15が示されている。
【0049】
図1及び図2を参照すると、例えば、操作椅子15の右側部には、ロボット操作器2が設けられている。また、操作椅子15の左側部にはエリア操作器6が設けられている。そして、操作椅子15の前方に操作机16が配置されている。操作机16の上には、パネルディスプレイで構成される立体表示器5が配置されている。操作者31は、操作椅子15に座り、右手でロボット操作器2を把持し、左手でエリア操作器6を把持する。操作者31は、立体視メガネ7を装着し、立体表示器5に表示される視差画像43を立体視メガネ7を通して立体視しながら、ロボット操作器2及びエリア操作器6をそれぞれ右手及び左手で操作する。すると、ロボット操作器2の操作に応じてロボット本体1が動作し、エリア操作器6の操作に応じて、立体表示器5に視差画像43が表示される。
【0050】
[動作]
次に、以上のように構成されたロボットシステム100の動作を図1乃至図6を参照しながら説明する。図6は、操作者が詳しく立体視しようとする立体視対象エリアに対応する画像を抽出する画像処理を模式的に示す模式図である。
【0051】
作業が開始されると、立体表示器5に、初期設定位置に位置する立体視対象エリア50の視差画像43が初期設定画像として表示される。
【0052】
操作者31は、右手でロボット操作器2を操作しながら、左手でエリア操作器6を操作する。
【0053】
操作者31は、まず、立体視対象エリア50を所望の位置に位置させるよう、エリア操作器6(及び前進ボタン又は後退ボタン)を操作する。すると、この位置情報がエリア操作信号として立体表示制御部10に出力される。
【0054】
図6を参照すると、立体表示制御部10は、左眼視カメラ3及び右眼視カメラからそれぞれ入力される左眼視撮像画像61及び右眼視撮像画像62から、この位置情報によって特定される立体視対象エリア50の位置にそれぞれ対応する画像51及び画像52を抽出する。そして、この抽出した画像51及び画像52を、例えば、広角レンズに起因する画像の歪を除去するよう補正する。これにより、この抽出した画像51及び画像52の画像歪が、標準レンズで撮像した画像と同程度の歪みレベルになる。但し、補正によってどの程度画像歪を除去するかは、任意である。操作者31が、立体視する対象を正確に視認できる程度に画像歪を補正すればよい。
【0055】
立体表示制御部10は、補正した一対の画像を、それぞれ、所定の大きさに拡大して左眼視画像41及び右眼視画像42を生成し、これらを視差画像43として、立体表示器5に表示させる。この視差画像43を操作者31が、立体視メガネ7を通して、立体視する。
【0056】
操作者31が、図4(a)に示すように、所望の方向にエリア操作器6を傾けると、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の共通の視野内のロボット本体1の作業エリアにおいて、所望の方向を立体視することができる。これにより、操作者31は、エリア操作器6を操作するだけで、あたかも、操作者31が一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の位置に頭部を位置させて顔を上下左右に振り向けて作業エリアを見回すように、作業エリアを見回すことができる。しかも、その作業エリアのうちの所望の一部のエリアを詳しく立体視することができる。特に、例えば、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の画角(視野)が360度である場合、操作者31は、あたかも、自分を取り巻く作業エリアをぐるりと見回すようにして、その作業エリアのうちの所望の一部のエリアを詳しく立体視することができる。このため、ロボット本体1の操作性が、従来に比べて、向上する。
【0057】
次に、操作者31は、エリア操作器6の複数のエリア態様操作ボタンを操作する。
【0058】
例えば、操作者31が、図4(b)に示すように、立体視対象エリア変更用のエリア態様操作ボタンを操作すると、立体表示制御部10は、この立体視対象エリア50の大きさを変更するエリア特定情報に従って、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の光軸方向から見た立体視対象エリア50(具体的には立体視対象エリア50に対応する画像51,52)の大きさを変更し、この変更を反映した視差画像43を立体表示器に表示させる。
【0059】
また、例えば、操作者31が、図4(c)に示すように、視差変更用のエリア態様操作ボタンを操作すると、立体表示制御部10は、この視差を変更するエリア特定情報に従って画像51と画像52との視差を変更し、この変更した視差を反映した左眼視画像41及び右眼視画像42を立体表示器5に表示させる。
【0060】
また、例えば、操作者31が、図4(d)に示すように、ズーム用のエリア態様操作ボタンを操作すると、立体表示制御部10は、このズームを特定するエリア特定情報に従って画像51及び画像52のズームを特定し、この特定したズームに応じて拡大又は縮小した左眼視画像41及び右眼視画像42を立体表示器5に表示させる。このズームは、疑似ズームであり、図6に示す画像51及び画像52の拡大率を調整することによって行われる。
【0061】
これにより、ロボット本体1の作業部11が作業する作業エリアの所望の一部を、所望の態様で詳しく立体視することができる。
【0062】
以上に説明したように、本実施形態によれば、操作者31は、ロボット本体1の作業部11が作業する作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0063】
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、実施の形態1のロボットシステム100において、一対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が、それぞれ、光軸の方向を変更することが可能なように設けられたものである。この光軸方向変更装置(図示せず)は周知の姿勢変更装置で構成することができる。姿勢変更装置として、小型の多関節ロボット、パラボラアンテナの駆動装置等が例示される。
【0064】
このような本実施形態によれば、操作者31が、より広範囲なロボット本体1の作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。
【0065】
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、以下の点で実施形態1と相違し、その他の点は実施形態1と同様である。以下、この相違点を説明する。
【0066】
図7は、実施形態3における複数対の左眼視カメラ及び右眼視カメラ操作者が詳しく立体視しようする立体視対象エリアとの関係を示す模式図である。
【0067】
図1及び図7を参照すると、本実施形態3のロボットシステム100では、複数対(ここでは4対)の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が配置されている。この複数対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、ロボット本体1の作業部(塗装ガン)11が作業する作業エリア(図7に図示せず)を取り囲むように配置されている。これらの複数対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4は、各対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の共通の視野23が、隣接する対の間で互いに重なるように配置されている。
【0068】
図2及び図3を参照すると、エリア操作器6には、複数対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4のうちの1つの対を選択するカメラ選択ボタンが設けられている。操作者31が、カメラ選択ボタンを操作して対を選択すると、立体表示制御部10は、選択された対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4が撮像した視差画像43を立体表示器5に表示する。
【0069】
なお、立体表示制御部10が、立体視対象エリア50の位置に応じて、自動的に左眼視カメラ3及び右眼視カメラ4の対を切り替えて、それらの視差画像43を立体表示器5に表示してもよい。この場合、例えば、立体表示制御部10は、立体視対象エリア50に最も距離が近く且つ最も光軸が近い対の左眼視カメラ3及び右眼視カメラを選択する。
【0070】
このような本実施形態によれば、操作者31は、あたかも作業エリアの周囲を周回するようにして、当該作業エリアの所望の一部を詳しく立体視することができる。よって、よりロボット本体1の操作性が向上する。
【0071】
(その他の実施形態)
実施形態1乃至3のいずれかにおいて、立体表示器5が、操作者31の頭部に装着されるHMD(Head Mounted Display)でもよい。
【0072】
上記説明から、当業者にとっては、多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のロボットシステムは、作業エリアの一部を詳しく立体視しながらロボット本体を操作することが可能なロボットシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 ロボット本体
2 ロボット操作器
3 左眼視カメラ
3a 画角
3b 光軸
4 右眼視カメラ
4a 画角
4b 光軸
5 立体表示器
6 エリア操作器
7 立体視メガネ
8 制御器
9 ロボット制御部
10 立体表示制御部
11 作業部
12 基台
13 ケース
14 作業室
15 操作椅子
16 操作机
21 作業対象
22 リフト
23 視野
31 操作者
41 左眼視画像
42 右眼視画像
43 視差画像
50 立体視対象エリア
51,52 画像
61 左眼視撮像画像
62 右眼視撮像画像
100 ロボットシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7