(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】超音波診断装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2018199061
(22)【出願日】2018-10-23
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 英司
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526177(JP,A)
【文献】特開2002-272735(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198824(WO,A1)
【文献】特開平08-266540(JP,A)
【文献】米国特許第06464638(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元振動素子アレイを有する超音波プローブと、
前記二次元振動素子アレイの送信動作及び受信動作を制御する送受信制御部であって、送信ビーム方位ごとに、前記二次元振動素子アレイ上に互いに異なる形態を有する複数の送信開口を順次設定することにより、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、前記送信動作を制御する送受信制御部と、
前記送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータを合成し、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータを生成する合成部と、
前記複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、
を含
み、
前記複数の送信開口は、
第1方向に伸長した形態を有し、第1送信ビームを生じさせる第1送信開口と、
前記第1方向に交差する第2方向に伸長した形態を有し、第2送信ビームを生じさせる第2送信開口と、
を含む、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の超音波診断装置において、
前記第1送信開口の中心と前記第2送信開口の中心は一致している、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項
1記載の超音波診断装置において、
前記送受信制御部は、前記第1送信開口の設定に続いて第1受信開口を設定し、前記第2送信開口の設定に続いて前記第1受信開口と同じ第2受信開口を設定する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1記載の超音波診断装置において、
前記複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、
前記第1送信ビームの形成に続いて第1受信ビームが形成され、
前記第2送信ビームの形成に続いて第2受信ビームが形成され、
前記送受信制御部は、前記送信ビーム方位ごとに、前記第1送信ビーム及び前記第1受信ビームからなる第1ビームペア、並びに、前記第2送信ビーム及び前記第2受信ビームからなる第2ビームペアが連続的に形成されるように、前記二次元振動素子アレイの送信動作及び受信動作を制御する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項1記載の超音波診断装置において、
前記複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、
前記第1送信ビームの一次元走査及び前記第2送信ビームの一次元走査が交互に繰り返され、
前記合成部は、時間軸上において隣接する2つの一次元走査ごとに、前記第1送信ビームの一次元走査により得られる複数のビームデータからなる第1フレームデータと前記第2送信ビームの一次元走査により得られる複数のビームデータからなる第2フレームデータとを合成し、前記複数の合成ビームデータからなる合成フレームデータを生成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項1記載の超音波診断装置において、
前記複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、
前記第1送信ビームの二次元走査及び前記第2送信ビームの二次元走査が交互に繰り返され、
前記合成部は、時間軸上において隣接する2つの二次元走査ごとに、前記第1送信ビームの二次元走査により得られる複数のビームデータからなる第1ボリュームデータと前記第2送信ビームの二次元走査により得られる複数のビームデータからなる第2ボリュームデータとを合成し、前記複数の合成ビームデータからなる合成ボリュームデータを生成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項1記載の超音波診断装置において、
前記二次元振動素子アレイに対して複数の送信信号を並列的に供給する送信回路と、
前記二次元振動素子アレイと前記送信回路との間に設けられた配線切換回路と、
を含み、
前記送受信制御部は、前記配線切換回路の制御により、前記複数の送信開口の中から選択された送信開口に対して前記送信回路を接続する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
送信ビーム方位ごとに、
二次元振動素子アレイ上に互いに異なる形態を有する複数の送信開口を順次設定することにより、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、送信動作を制御する工程と、
前記複数の送信ビームの順次形成に伴って複数の受信ビームが順次形成されるように、受信動作を制御する工程と、
前記送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータを合成し、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータを生成する工程と、
前記複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像を形成する工程と、
を含み、
前記複数の送信開口は、
第1方向に伸長した形態を有し、第1送信ビームを生じさせる第1送信開口と、
前記第1方向に交差する第2方向に伸長した形態を有し、第2送信ビームを生じさせる第2送信開口と、
を含む、
ことを特徴とする超音波診断装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置及びその動作方法に関し、特に、送信ビームの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、超音波診断の分野において、二次元振動素子アレイを備えた超音波プローブが普及しつつある。二次元振動素子アレイによれば、二次元送信開口により、ビーム軸に直交する第1方向及び第2方向において電子的に絞り込まれた送信ビームを形成でき、また、二次元受信開口により、第1方向及び第2方向に電子的に絞り込まれた受信ビームを形成できる。
【0003】
特許文献1に開示された超音波診断装置においては、送信開口が固定的に設定されており、また、空間的に異なる複数の位置に複数の受信開口が順番に設定されている。複数の受信開口を利用して得られた複数のスキャンデータが合成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生体安全性をより向上させる観点から又は他の理由から、送信時において、生体内に放射される超音波の音響パワーを低減させることが求められることがある。その場合、個々の振動素子に印加する送信電圧を引き下げると、ペネトレーション(penetration)つまり深達度が悪化してしまい、生体中の深部を観察できなくなってしまう。送信電圧の引き下げではなく、送信開口を小さくして音響パワーを下げることが考えられるが、単に送信開口を小さくすると、空間分解能が低下してしまう。なお、特許文献1には、複数の送信開口を切り換えて使用することや互いに形態の異なる複数の送信ビームを利用することについては記載されていない。
【0006】
本発明の目的は、音響パワーを低減しても良好な空間分解能を確保できる超音波診断装置及びその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る超音波診断装置は、二次元振動素子アレイを有する超音波プローブと、前記二次元振動素子アレイの送信動作及び受信動作を制御する送受信制御部であって、送信ビーム方位ごとに、前記二次元振動素子アレイ上に互いに異なる形態を有する複数の送信開口を順次設定することにより、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、前記送信動作を制御する送受信制御部と、前記送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータを合成し、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータを生成する合成部と、前記複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、を含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る超音波診断装置の動作方法は、送信ビーム方位ごとに、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、送信動作を制御する工程と、前記複数の送信ビームの順次形成に伴って複数の受信ビームが順次形成されるように、受信動作を制御する工程と、前記送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータを合成し、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータを生成する工程と、前記複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音響パワーを低減しても良好な空間分解能を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る超音波診断装置を示すブロック図である。
【
図3】比較例に係る送受総合音圧特性を示す図である。
【
図4】実施形態に係る2つの開口ペアを示す図である。
【
図5】実施形態に係る2つの送受総合音圧特性及び合成音圧特性を示す図である。
【
図7】第1合成モードでのビームデータ合成処理を示す図である。
【
図8】第2合成モードでのフレームデータ合成処理を示す図である。
【
図9】第3合成モードでのボリュームデータ合成処理を示す図である。
【
図13】第1合成モードでの送受信動作を示すフローチャートである。
【
図14】第2合成モードでの送受信動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(1)実施形態の概要
実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブと、送受信制御部と、合成部と、画像形成部と、を含む。超音波プローブは、二次元振動素子アレイを有する。送受信制御部は、二次元振動素子アレイの送信動作及び受信動作を制御する送受信制御部であって、送信ビーム方位ごとに、二次元振動素子アレイ上に互いに異なる形態を有する複数の送信開口を順次設定することにより、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、送信動作を制御する。合成部は、送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータを合成し、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータを生成する。画像形成部は、複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像を形成する。
【0013】
上記構成によれば、複数の合成ビームデータが生成されるので、音響パワー低減のために個々の送信開口のサイズを小さくしても、良好な空間分解能を得ることが可能となる。すなわち、上記構成によれば、大きなサイズを有する送信開口を設定した場合に得られるビームデータに相当する又はそれに近い合成ビームデータを得られる。
【0014】
実施形態において、上記の複数の送信開口は、第1方向に伸長した形態を有し、第1送信ビームを生じさせる第1送信開口と、第1方向に交差する第2方向に伸長した形態を有し、第2送信ビームを生じさせる第2送信開口と、を含む。この構成によれば、第1方向及び第2方向の両方向において良好な空間分解能を得られる。
【0015】
実施形態において、送受信制御部は、第1送信開口の設定に続いて第1受信開口を設定し、第2送信開口の設定に続いて第1受信開口と同じ第2受信開口を設定する。受信時においては、音響パワーの問題は生じないので、一般に、できるだけ大きな受信開口が設定されるように構成するのが望ましい。
【0016】
実施形態において、複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、第1送信ビームの形成に続いて第1受信ビームが形成され、第2送信ビームの形成に続いて第2受信ビームが形成され、送受信制御部は、送信ビーム方位ごとに、第1送信ビーム及び第1受信ビームからなる第1ビームペア、並びに、第2送信ビーム及び第2受信ビームからなる第2ビームペアが連続的に形成されるように、二次元振動素子アレイの送信動作及び受信動作を制御する。この構成によると、フレームレート又はボリュームレートが送信ビーム方位ごとの送受信回数分だけ低下してしまうが、時間分解能を高められる。
【0017】
実施形態において、複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、第1送信ビームの一次元走査及び第2送信ビームの一次元走査が交互に繰り返され、合成部は、時間軸上において隣接する2つの一次元走査ごとに、第1送信ビームの一次元走査により得られる複数のビームデータからなる第1フレームデータと第2送信ビームの一次元走査により得られる複数のビームデータからなる第2フレームデータとを合成し、複数の合成ビームデータからなる合成フレームデータを生成する。この構成によると、フレームレートの低下を防止できる。時間分解能があまり問題とならない場合において、上記構成を採用するのが望ましい。
【0018】
実施形態において、複数の送信ビームは第1送信ビーム及び第2送信ビームにより構成され、第1送信ビームの二次元走査及び第2送信ビームの二次元走査が交互に繰り返され、合成部は、時間軸上において隣接する2つの二次元走査ごとに、第1送信ビームの二次元走査により得られる複数のビームデータからなる第1ボリュームデータと、第2送信ビームの二次元走査により得られる複数のビームデータからなる第2ボリュームデータと、を合成し、複数の合成ビームデータからなる合成ボリュームデータを生成する。この構成によると、ボリュームレートの低下を防止できる。時間分解能があまり問題とならない場合において、上記構成を採用するのが望ましい。
【0019】
実施形態に係る超音波診断装置は、二次元振動素子アレイに対して複数の送信信号を並列的に供給する送信回路と、二次元振動素子アレイと送信回路との間に設けられた配線切換回路と、を含み、送受信制御部は、配線切換回路の制御により、複数の送信開口の中から選択された送信開口に対して送信回路を接続する。送信チャンネル数が振動素子数よりも少ない場合に上記構成を採用するのが望ましい。配線切換回路を介して二次元振動素子アレイと受信回路とが接続されてもよい。
【0020】
実施形態に係る、超音波診断装置の動作方法は、送信制御工程、受信制御工程、合成工程、及び、画像形成工程を有する。送信制御工程は、送信ビーム方位ごとに、互いに同じ送信フォーカス深さを有し且つ互いに異なる形態を有する複数の送信ビームが順次形成されるように、送信動作が制御される。受信制御工程では、複数の送信ビームの形成に伴って複数の受信ビームが形成されるように、受信動作が制御される。合成工程では、送信ビーム方位ごとに得られる複数のビームデータが合成され、これにより複数の送信ビーム方位に対応した複数の合成ビームデータが生成される。画像形成工程では、複数の合成ビームデータに基づいて超音波画像が形成される。超音波画像の概念には、断層画像、三次元画像、血流画像等が含まれる。
【0021】
実施形態において、送信ビーム方位は送信ビームアドレスであり、送信ビームアドレスごとに、複数の送受信がシーケンシャルに実行される。個々の送受信においては、送信ビーム及び受信ビームが連続的に形成される。送信ビーム及び受信ビームはビームペアあるいは送受総合ビームとして観念される。ビームペアごとに音線データとしてのビームデータが得られる。互いに異なる形態を有する複数の送信ビームに対応した複数のビームデータを合成することにより、音線ごとに合成ビームデータが得られる。
【0022】
(2)実施形態の詳細
図1には、実施形態に係る超音波診断装置が示されている。超音波診断装置は、病院等の医療機関に設置され、生体に対する超音波の送受波により得られた受信データに基づいて超音波画像を形成する医療用の装置である。
【0023】
図1において、超音波プローブ10は、図示の例において、生体表面に当接した状態において超音波を送受波するものである。超音波プローブ10は、二次元振動素子アレイ12を有する。二次元振動素子アレイ12は、x方向及びy方向に整列した数百、数千、数万又はそれ以上の振動素子からなるものである。x方向及びy方向は、それぞれ、プローブ中心軸に相当するz方向に直交する方向であり、x方向及びy方向は互いに直交している。x方向及びy方向の一方又は両方が湾曲していてもよい。
【0024】
二次元振動素子アレイ12によって超音波ビームが形成される。超音波ビームは、送信ビーム及び受信ビームを総合した送受総合ビームとして観念される。実際には、送信過程において送信ビームが形成され、それに続く受信過程において受信ビームが形成される。もっとも、受信ビームは、実際には、複数の受信信号の整相加算処理により電子的に形成されるものである。受信ビームの形成に際しては受信ダイナミックフォーカスが適用される。
【0025】
実施形態においては、電子セクタ走査方式によって、超音波ビームが電子走査される。超音波ビームの一次元走査によれば二次元データ取込領域(ビーム走査面)に対応したフレームデータを得られる。超音波ビームの二次元走査によれば三次元データ取込領域に対応したボリュームデータを得られる。電子セクタ走査方式に代えて電子リニア走査方式等が採用されてもよい。二次元振動素子アレイ12として、C-MUT(Capacitive Micro-machined Ultrasound Transducer)が用いられてもよい。超音波プローブ10として、体腔内挿入型超音波プローブが用いられてもよい。
【0026】
実施形態に係る超音波診断装置は、第1合成モード、第2合成モード及び第3合成モードを有しており、いずれかの合成モードを選択的に実行させることが可能である。いずれの合成モードでも、送信ビーム方位(送信ビームアドレス)ごとに、2つの送信ビームが順番に形成され、これにより得られる2つのビームデータが合成される。もっとも、合成モードによって合成処理の対象及びタイミングが異なる。これについては後に詳述する。
【0027】
図1においては、送信ビーム方位がθで示されている。実施形態においては、上記のように、送信ビーム方位θごとに、第1送受信及び第2送受信が連続して実行され(第1合成モード)、あるいは、一定の時間間隔で第1送受信及び第2送受信が交互に実行される(第2合成モード及び第3合成モード)。第1送受信においては、第1送信ビームBT1が形成され、それに続いて、第1受信ビームが形成される。第2送受信においては、第2送信ビームBT2が形成され、それに続いて、第2受信ビームが形成される。
【0028】
第1送信ビームBT1は、二次元振動素子アレイ12上に設定された第1送信開口T1を利用して形成され、第2送信ビームBT2は、二次元振動素子アレイ12上に設定された第2送信開口T2により形成される。第1送信開口T1及び第2送信開口T2は、いずれも、二次元振動素子アレイ12における一部分に相当し、つまり部分的開口である。それらの中心(開口中心)は一致している。
【0029】
もっとも、第1送信開口T1及び第2送信開口T2は、互いに異なる形態を有する。例えば、第1送信開口T1はx方向に伸長した長方形、楕円形等の形態を有し、第2送信開口T2はy方向に伸長した長方形、楕円形等の形態を有する。よって、第1送信ビームBT1及び第2送信ビームBT2は互いに異なる三次元形態を有し、例えば、第1送信ビームBT1はx方向に絞られた形態を有し、第2送信ビームBT2はy方向に絞られた形態を有する。第1送信ビームBT1の中心軸及び第2送信ビームBT2の中心軸は、送信ビーム方位θ1に一致しており、それらの送信フォーカス点深さも一致している。第1送受信及び第2送受信の間において、送信周波数(送信中心周波数)は同一である。なお、第1受信開口及び第2受信開口は同一の形態を有し、これにより第1受信ビーム及び第2受信ビームは互いに同じ三次元形態を有する。
【0030】
以上のように、実施形態においては、送信ビーム方位ごとに、互いに三次元形態の異なる第1送信ビームBT1及び第2送信ビームBT2が形成される。換言すれば、送信ビーム方位θ1ごとに、互いに三次元形態の異なる第1送受総合ビーム及び第2送受総合ビームが形成される。但し、第1送信ビームBT1及び第2送信ビームBT2を形成する時間間隔は、合成モードによって相違する。
【0031】
送信部14は、送信時において、二次元振動素子アレイ12における送信開口を構成する複数の振動素子に対して複数の送信信号を並列的に供給する送信ビームフォーマーであり、それは電子回路として構成される。受信部16は、受信時において、二次元振動素子アレイ12における受信開口を構成する複数の振動素子から並列的に出力される複数の受信信号を整相加算(遅延加算)する受信ビームフォーマーであり、それは電子回路として構成される。受信部16は、複数のA/D変換器、検波回路等を備えている。受信部16での複数の受信信号の整相加算によりビームデータが生成される。
【0032】
なお、個々のフレームデータは、電子走査方向に並ぶ複数のビームデータにより構成される。個々のボリュームデータは、2つの電子走査方向に並ぶ複数のビームデータにより構成される。個々のビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。受信部16の後段には、ビームデータ処理部が設けられているが、その図示は省略されている。
【0033】
なお、送信用ディレーデータ及び受信用ディレーデータを事前に計算しておき、記憶部上に保存しておいてもよい。あるいは、送受信と並行して送信用ディレーデータ及び受信用ディレーデータを計算するようにしてもよい。
【0034】
合成部18は、送信ビーム方位θごとに得られる複数のビームデータを合成して合成ビームデータを生成するプロセッサにより構成される。第1合成モードでは、後に
図7に示すように、時間軸上において隣接する2つのビームデータが合成される。第2合成モードでは、後に
図8に示すように、時間軸上において隣接する2つのフレームデータからなるフレームデータペアを単位としてそれらが合成される。第3合成モードでは、後に
図9に示すように、時間軸上において隣接する2つのボリュームデータからなるボリュームデータペアを単位としてそれらが合成される。
【0035】
いずれにしても、生体内の個々の座標ごとに、ある時間間隔で得られた2つのエコーデータが合成されることになる。その際には、望ましくは、合成エコーデータとして最小値が選択される。合成エコーデータとして平均値、中央値等が演算されてもよい。送信ビーム方位θごとに、3つ以上のビームデータを得て、それらを合成するようにしてもよい。
【0036】
合成後のビームデータ又はフレームデータが断層画像形成部20に送られている。合成後のビームデータ、フレームデータ又はボリュームデータが、必要に応じて、メモリ24上に格納される。
【0037】
断層画像形成部20は、実施形態において、デジタルスキャンコンバータ(DSC)を備えたプロセッサ等によって構成される。DSCは、座標変換機能、画素補間機能、フレームレート変換機能等を有する。断層画像形成部20は、フレームデータ(複数のビームデータ)に基づいて、断層画像を形成する。断層画像のデータ(表示フレームデータ)が表示処理部に送られている。そのデータがメモリ24に格納されてもよい。
【0038】
メモリ24は、ボリュームデータを格納するためのメモリである。ボリュームデータは、一次元配列された複数のフレームデータにより構成され、あるいは、二次元配列された複数のビームデータにより構成される。
【0039】
レンダリング部26は、メモリ24内のボリュームデータに基づいて三次元超音波画像を形成するモジュールである。それは例えばプロセッサにより構成される。レンダリング法として、ボリュームレンダリング法、サーフェイスレンダリング法、等が知られている。三次元超音波画像のデータが表示処理部22へ送られている。なお、ボリュームデータに基づいて、指定された断面を表すMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像が形成されてもよい。
【0040】
表示処理部22は、表示画像生成機能、画像合成機能、カラー処理機能、グラフィック画像生成機能等を備えるプロセッサにより構成される。表示処理部22において生成された表示画像が表示部28に表示される。例えば、そこには合成フレームデータに基づく断層画像が表示され、あるいは、合成ボリュームデータに基づく三次元超音波画像が表示される。三次元超音波画像は、組織を立体的に表現した画像である。表示部28は、LCD、有機EL表示デバイス等によって構成される。
【0041】
制御部30は、CPU及び動作プログラムによって構成される。制御部30は、
図1に示されている各構成の動作を制御する。制御部30は送受信制御機能を備えており、それが
図1において送受信制御部32として表されている。送受信制御部32は、選択された合成モードに従って、超音波の送受信を制御し、また、合成部18での合成処理を制御する。制御部30に接続された操作パネル34は、入力デバイスであり、それは複数のスイッチ、複数のボタン、トラックボール、キーボード等を有する。
【0042】
実施形態に係る送受信制御の説明に先立って一般的な送受信制御を
図2及び
図3に基づいて説明する。
【0043】
図2には、二次元振動素子アレイ12に対して設定される送信開口T0及び受信開口R0が模式的に示されている。図示の例では、送信開口T0及び受信開口R0は二次元振動素子アレイ12の全部に及んでおり、それぞれは正方形の形態を有している。送信開口T0を利用して送信ビームが形成され、受信開口R0を利用して受信ビームが形成される。これにより、ビームデータ36が得られる。
【0044】
図3には、
図2に示した送信開口T0及び受信開口R0を前提とする、送受総合の音圧特性TR0が示されている。x方向及びy方向はそれぞれ振動素子の配列方向である。それらに直交する軸が音圧(音響パワー)の大小を示している。音圧特性TR0においては、図示の例では、二次元振動素子アレイの中央部において山状のピークが認められる。通常、二次元の重み付け関数が適用されて、そのような山状のピークが生じる。
図3に示された音圧特性TR0は、ある意味において、理想的な特性である。しかし、音響パワーを低減する必要から、個々の振動素子へ印加する送信電圧を引き下げると、ペネトレーションが悪化してしまう。それを回避するために、送信電圧を維持しつつ送信開口サイズを単に小さくすると、空間分解能が低下してしまう。
【0045】
図4において、横軸は深さdを示しており、縦軸は音圧Pを示している。そこには2つの音圧特性100,102が概念的に模式的に示されている。具体的には、音圧特性100は、広い送信開口により形成された送信ビームの音圧特性であり、音圧特性102は、狭い送信開口により形成された送信ビームの音圧特性である。送信フォーカス点F1の深さにおける音響パワーのリミットがP1で示されている。広い送信開口を用いた方が送信フォーカス点F1付近においてビーム幅がより狭くなる。狭い送信開口を用いると、送信フォーカス点F1付近においてビーム幅が広くなる。つまり、空間分解能が低下する。空間分解能の観点からは、やはり広い送信開口を用いた方が有利である。
【0046】
以上を踏まえたものが実施形態であり、その基本的な考え方が
図5に示されている。
図5の上段には第1送受信において二次元振動素子アレイ12に対して設定される第1送信開口T1及び第1受信開口R1が示されている。
図5の下段には第2送受信において二次元振動素子アレイ12に対して設定される第2送信開口T2及び第2受信開口R2が示されている。なお、第1受信開口R1及び第2受信開口R2は同一であり、二次元振動素子アレイ12の全体に及んでいる。送信重み付け関数及び受信重み付け関数については図示省略されている。また、受信時の受信開口サイズの可変についても図示省略されている。
【0047】
第1送信開口T1において、x方向が長手方向であり、y方向が短手方向である。第1送信開口T1は、x方向に伸長した長方形の形態を有している。第1送信開口T1のy方向両側には送信に寄与しない無効領域が存在している。一方、第2送信開口T2において、y方向が長手方向であり、x方向が短手方向である。第2送信開口T2は、y方向に伸長した長方形の形態を有している。第2送信開口T2のx方向両側には送信に寄与しない無効領域が存在している。第1送信開口T1と第2送信開口T2において、開口中心は一致しており、それらは互いに直交した関係を有する。
【0048】
実施形態においては、第1送受信で得られたビームデータ38と、第2送受信で得られたビームデータ40とが合成される(符号42を参照)。これにより合成ビームデータ44が得られている。2つのフレームデータ又は2つのボリュームデータが合成される場合においても、音線ごとに2つのビームデータが合成される。
【0049】
図6において、送受総合の音圧特性TR1は、
図5に示した第1送受信において生じるものである。その音圧特性TR1においては、x方向の幅に比べてy方向の幅が広がっており、y方向において空間分解能の低下が認められる。一方、
図6において、送受総合の音圧特性TR2は、
図5に示した第2送受信において生じるものである。その音圧特性TR2においては、y方向の幅に比べてx方向の幅が広がっており、x方向において空間分解能の低下が認められる。それらの音圧特性TR1,TR2を合成(符号46を参照)したものが送受総合の合成音圧特性TR3である。
【0050】
合成音圧特性TR3は、
図3に示した音圧特性に近い形態を有している。比較的に小さな2つの送信開口を利用して得られた2つのビームデータを合成すれば、大きな送信開口を利用して得られるビームデータに近いものを得ることが可能である。もちろん、送信ビーム方位ごとに3つ以上のビームデータを合成するようにしてもよい。実施形態によれば、瞬時的な音響パワーを制限しつつ、良好なペネトレーションを確保でき、しかも空間分解能を高めることが可能である。
【0051】
図7には、第1合成モードが示されている。第1合成モードでは、超音波ビームの一次元走査又は二次元走査に際して、送信ビーム方位ごとに、2つの送受信が連続して実行される。
図7において、符号48は時系列順で取得される複数のビームデータを示しており、符号50は時系列順で生成される複数の合成ビームデータを示している。タイミングt1において送信ビーム方位θiに対する第1送受信によりビームデータAが得られており、その直後のタイミングt2において同じ送信ビーム方位θiに対する第2送受信によりビームデータBが得られている。それらを合成することにより、合成ビームデータが得られている。同様に、タイミングt3において送信ビーム方位θi+1に対する第1送受信によりビームデータAが得られており、その直後のタイミングt4において同じ送信ビーム方位θi+1に対する第2送受信によりビームデータBが得られている。それらを合成することにより、合成ビームデータが得られている。第1合成モードによると、合成処理の過程でフレームレートが半分になってしまうが、その一方、時間分解能を高めることが可能である。
【0052】
図8には、第2合成モードが示されている。送受信条件の切替えは、フレーム単位で行われており、すなわち、フレーム単位で第1送受信条件と第2送受信条件とが交互に設定されている。個々の送信ビーム方位に着目すると、フレームレートの間隔で第1送受信と第2送受信とが交互に実行されることになる。
【0053】
図8において、符号52は時系列順で取得される複数のフレームデータを示しており、符号54は時系列順で生成される複数の合成フレームデータを示している。タイミングt1において第1送受信の繰り返しによりフレームデータAが得られており、その直後のタイミングt2において第2送受信の繰り返しによりフレームデータBが得られている。それらを合成することにより、合成フレームデータが得られている。続いて、タイミングt2で得られたフレームデータBとタイミングt3で得られたフレームデータAとが合成され、合成フレームデータが得られている。すなわち、第2合成モードによると、時間軸上における隣接フレームデータペアごとに合成フレームデータが得られ、換言すれば、個々のフレームデータを2回利用することが可能となる。この結果、合成処理の過程でフレームレートが低下することはなく、フレームレートを維持できる。この第2合成モードは時間分解能があまり問題にならないような場合において機能するモードである。
【0054】
図9には、第3合成モードが示されている。第3合成モードは、基本的に、第2合成モードに近いモードである。送受信条件の切替えがボリューム単位で行われており、すなわち、ボリューム単位で第1送受信条件と第2送受信条件とが交互に設定されている。個々の送信ビーム方位に着目すると、ボリュームレートの間隔で第1送受信と第2送受信とが交互に実行されることになる。
【0055】
図9において、符号56は時系列順で取得される複数のボリュームデータを示しており、符号58は時系列順で生成される複数の合成ボリュームデータを示している。タイミングt1において第1送受信の繰り返しによりボリュームデータAが得られており、その直後のタイミングt2において第2送受信の繰り返しによりボリュームデータBが得られている。それらを合成することにより、合成ボリュームデータが得られている。続いて、タイミングt2で得られたボリュームデータBとタイミングt3で得られたボリュームデータAとが合成され、合成ボリュームデータが得られている。すなわち、第3合成モードによると、時間軸上における隣接ボリュームデータペアごとに合成ボリュームデータが得られ、換言すれば、個々のボリュームデータを2回利用することが可能となる。この結果、合成処理の過程でボリュームレートが低下することはなく、ボリュームレートを維持できる。この第3合成モードは時間分解能があまり問題にならないような場合において機能するモードである。
【0056】
次に
図10~
図12を用いて送受信部の具体的な構成例について説明する。送受信部は
図1に示した送信部及び受信部に相当するものである。
【0057】
図10に示す第1構成例において、符号60は超音波プローブにおけるプローブヘッドを示しており、符号62は超音波プローブにおけるケーブルを示している。符号64は超音波診断装置本体を示している。プローブヘッド60内には二次元振動素子アレイ66が設けられている。二次元振動素子アレイ66は複数のサブアレイの集合体として構成されており、個々のサブアレイごとにサブビームフォーマー(SBF)70が設けられている。複数のサブアレイに対応してSBF列68が設けられている。各SBF70は、送信サブビームフォーマー及び受信サブビームフォーマーの内の一方又は両方である。複数のSBF70はメインビームフォーマー(MBF)72に対して接続されている。MBF72は、送信メインビームフォーマー及び受信メインビームフォーマーの内の一方又は両方である。個々のビームフォーマーは、ビーム形成のための遅延処理、信号分配処理又は信号加算処理、等を実行するものである。複数のSBF70の動作は制御信号74によって制御され、MBF72の動作は制御信号76によって制御される。
【0058】
図11に示す第2構成例では、SBF列68とMBF78との間に配線切換部80が設けられている。なお、
図10に示した構成と同一の構成には同一符号を付しその説明を省略する。MBF78は
図10に示したMBF72よりも少ないチャンネル数を有し、MBF78が有する複数のチャンネルが配線切換部80を介して送信開口(又は受信開口)を構成する複数のサブアレイに接続された複数のSBF70に接続される。送信開口(又は受信開口)が切り換えられた場合、配線切換部80は、切り替え後の送信開口を構成する複数のサブアレイに接続された複数のSBFに対してMBF78を接続する。MBF78の動作は制御信号84によって制御され、配線切換部80の動作は制御信号82によって制御される。
【0059】
図12に示す第3構成例では、超音波プローブ86内に二次元振動素子アレイ66が設けられ、超音波診断装置本体88内に配線切換部90が設けられている。配線切換部90は、送信開口を構成する複数の振動素子にビームフォーマー(BF)92を接続する機能を発揮する。BF92は制御信号96によって制御され、配線切換部90は制御信号94によって制御される。第3構成例によれば、送受信部の回路規模を縮小できる。
【0060】
図13には、第1合成モードでの動作例がフローチャートとして示されている。この動作例では超音波ビームが一次元走査されている。Nは送信ビームアドレスを示すカウンタである。S10でNが初期化される。S12では、N番目の送信ビームアドレスに対して第1送受信が実行される。すなわち、第1送信開口T1が設定されて、それを利用して第1送信ビームが形成され、その後、第1受信開口R1が設定されて、それを利用して第1受信ビームが形成される。これによりビームデータが取得される。
【0061】
S14では、同じN番目の送信ビームアドレスに対して第2送受信が実行される。すなわち、第2送信開口T2が設定されて、それを利用して第2送信ビームが形成され、その後、第2受信開口R2が設定されて、それを利用して第2受信ビームが形成される。これによりビームデータが取得される。S12及びS14で得られた2つのビームデータは合成される。但し、その処理は
図13中には記載されていない。
【0062】
S16では、Nが最大値Nmaxを越えたか否かが判定される。越えていなければS18においてNが1つインクリメントされた上で、S12からの各工程が繰り返し実行される。S16において、Nが最大値Nmaxを越えていた場合、S20において本処理を継続させるか否かが判断され、継続の場合にはS10でNがリセットされた上で、S12以降の各工程が実行される。
【0063】
図14には、第2合成モードでの動作例がフローチャートとして示されている。この動作例では超音波ビームが一次元走査される。Kはフレーム番号を示している。S30においてKが初期化される。S32では、Kが偶数か否かが判断される。Kが偶数であれば、S34において、第1送受信の繰り返し実行によりフレームデータが取得される。個々の第1送受信では、第1送信開口T1が設定され、それを用いて第1送信ビームが形成される。続いて、第1受信開口R1が設定され、それを用いて第1受信ビームが形成される。
【0064】
一方、S32においてKが偶数ではない、つまりKが奇数と判断された場合、S36において、第2送受信の繰り返し実行によりフレームデータが取得される。個々の第2送受信では、第2送信開口T2が設定され、それを用いて第2送信ビームが形成される。続いて、第2受信開口R2が設定され、それを用いて第2受信ビームが形成される。S34及びS36の交互の実行により、時間軸上において並ぶ複数のフレームデータが生成される。それらにおいて個々の隣接フレームデータペアが取り出され、隣接フレームデータペアが合成される。なお、第3合成モードでは、
図14に示した複数の工程と同様の複数の工程が実行される。但し、合成対象はボリュームデータとなる。
【0065】
上記各合成モードによれば、例えば、産科における胎児の超音波診断において音響パワーを低減しつつも、空間分解能を高められる。その上で、第1合成モードによれば、時間分解能を高められる。第2合成モード及び第3合成モードによれば、フレームレート又はボリュームレートの低下を回避できる。なお、上記実施形態においてパラレル受信が実行されてもよい。また、ドプラ情報が取得されてもよく、高調波イメージングが実行されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 超音波プローブ、12 二次元振動素子アレイ、14 送信部、16 受信部、18 合成部、20 画像形成部、22 表示処理部、30 制御部 32 送受信制御部。