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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】無線システムおよび無線装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/00 20060101AFI20221102BHJP
   H04B 5/00 20060101ALI20221102BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20221102BHJP
   H02J 50/70 20160101ALI20221102BHJP
【FI】
H01Q7/00
H04B5/00
H02J50/12
H02J50/70
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018217727
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2019097168
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/589,305
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/595,820
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201811352740.6
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505259022
【氏名又は名称】台湾東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 倉逢
(72)【発明者】
【氏名】李 昆穎
(72)【発明者】
【氏名】林 憶真
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/381239(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105932787(CN,A)
【文献】特表昭63-502394(JP,A)
【文献】特開2000-268138(JP,A)
【文献】特開2011-142724(JP,A)
【文献】特開2017-098415(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079718(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/119215(WO,A1)
【文献】特開2012-182740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/00
H04B 5/00
H02J 50/12
H02J 50/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコイル、
前記第1のコイルを感知するように構成される第2のコイル、および
前記第1のコイルに接続され、少なくとも1つの閉ループと接続線を含み、前記接続線は、前記第1のコイルと前記閉ループの間に接続された容量調整ユニットを含む無線システム。
【請求項2】
前記閉ループは、前記接続線に接続されるように構成された1つの接続端点のみを有する請求項1に記載の無線システム。
【請求項3】
前記第1のコイルは螺旋構造を含み、前記螺旋構造は中空領域を形成し、前記閉ループは前記中空領域に配置される請求項1に記載の無線システム。
【請求項4】
前記第1のコイルは螺旋構造を含み、前記螺旋構造は中空領域を形成し、前記閉ループは、前記中空領域の外側に配置される請求項1に記載の無線システム。
【請求項5】
前記閉ループの巻回数は少なくとも2ターンである請求項4に記載の無線システム。
【請求項6】
前記第1のコイルは、第1の面および第2の面にそれぞれ配置された第1の金属線および第2の金属線を含み、前記第1の金属線の巻回方向は、前記第2の金属線の巻回方向と反対である請求項1に記載の無線システム。
【請求項7】
前記第1の金属線は第1の端部を有し、前記第2の金属線は第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の金属線の前記第1の端部は前記第2の金属線の前記第1の端部に電気的に接続され、前記第1の金属線が前記第2の金属線に直列に接続される請求項6に記載の無線システム。
【請求項8】
前記閉ループは、前記接続線によって前記第2の金属線の前記第2の端部に接続される請求項7に記載の無線システム。
【請求項9】
前記第1のコイルは信号送信コイルを有する請求項1に記載の無線システム。
【請求項10】
前記第1のコイルは信号受信コイルを有する請求項1に記載の無線システム。
【請求項11】
前記閉ループは、第1の閉配線と第2の閉配線を含み、前記第2の閉配線は前記第1の閉配線に位置し、前記第1の閉配線に接続されない請求項1に記載の無線システム。
【請求項12】
第1の面に配置され、第1の螺旋構造を有する第1の金属線と、第2の面に配置され、第2の螺旋構造を有し、前記第1の金属線に電気的に接続された第2の金属線と、を含む第1のコイル、および
前記第1のコイルに接続され、少なくとも1つの閉ループと接続線を含み、前記接続線は、前記第1のコイルと前記閉ループの間に接続される容量調整ユニットを含む無線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月21日に出願された米国特許仮出願番号第62/589305号、2017年12月7日に出願された米国特許仮出願番号第62/595820号、および2018年11月14日に出願された中国特許出願番号第XXXXXXXXXXXX.X号からの優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、無線システムに関するものであり、特に、電磁干渉を低減することができる無線システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
技術の進歩に伴い、タブレットコンピュータおよびスマートフォンのような多くの種類の電子機器がワイヤレス充電の機能を含むようになり始めた。ユーザは、電子機器をワイヤレス充電送信端末に置いて、電子機器内のワイヤレス充電受信端末が電磁誘導または電磁共鳴によって電流を生成し、バッテリーを充電することができるようになる。ワイヤレス充電の便利さにより、ワイヤレス充電モジュールを備えた電子機器は次第に普及してきている。
【0004】
一般的に、ワイヤレス充電機器は、コイルを支持する磁性導電板(magnetic conductive plate)を含む。ワイヤレス充電モードまたはワイヤレス通信モードでコイルに電気が印加されたとき、磁性導電板は、より良いパフォーマンスのためにコイルから放出された磁力線を集中させることができる。しかしながら、既存の無線装置は動作中に電磁波を発生するため、無線装置の周囲の他の電子装置に電磁干渉が発生することになる。
【0005】
従って、電磁干渉を低減し、同じ動作性能を維持することができる無線装置をどのように設計するかが、今日議論されて解決される必要がある課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑みて、本開示の目的は、上記の問題を解決するための無線システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、無線システムが提供され、第1のコイル、第2のコイル、および容量調整ユニットを含む。第2のコイルは第1のコイルを感知するように構成される。容量調整ユニットは、第1のコイルに接続され、容量調整ユニットは、少なくとも1つの閉ループと接続線を含み、接続線は、第1のコイルと閉ループの間に接続される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、閉ループは、接続線に接続されるように構成された1つの接続端点のみを有する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、第1のコイルは螺旋構造を含み、螺旋構造は中空領域を形成する。閉ループは中空領域に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第1のコイルは螺旋構造を含み、螺旋構造は中空領域を形成する。閉ループは、中空領域の外側に配置される。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、閉ループの巻回数は少なくとも2ターンである。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第1のコイルは、第1の面および第2の面にそれぞれ配置された第1の金属線および第2の金属線を含み、第1の金属線の巻回方向は、第2の金属線の巻回方向と反対である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1の金属線は第1の端部を有し、第2の金属線は第1の端部および第2の端部を有し、第1の金属線の第1の端部は第2の金属線の第1の端部に電気的に接続され、第1の金属線が第2の金属線に直列に接続される。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、閉ループは、接続線によって第2の金属線の第2の端部に接続される。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、第1のコイルは信号送信コイルを有する。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1のコイルは信号受信コイルを有する。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、閉ループは、第1の閉配線(closed wiring)と第2の閉配線を含み、第2の閉配線は第1の閉配線に位置し、第1の閉配線に接続されない。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、無線システムが提供され、第1のコイル、第2のコイル、および容量調整ユニットを含む。第2のコイルは第1のコイルを感知するように構成される。容量調整ユニットは、第1のコイルに接続される。容量調整ユニットは、可変コンデンサおよび接続線を含む。接続線は、第1のコイルと可変コンデンサの間に接続され、可変コンデンサの一端は電気的に接地される。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、無線システムが提供され、第1のコイル、第2のコイル、および容量調整ユニットを含む。第2のコイルは第1のコイルを感知するように構成される。容量調整ユニットは、第1のコイルを囲む。容量調整ユニットは、少なくとも1つの閉ループを含み、第1のコイルと電気的に独立する。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、無線システムが提供され、第1のコイルと静電容量調整ユニットを含む。第1のコイルは、第1の金属線と第2の金属線を含む。第1の金属線は、第1の面に配置され、第1の螺旋構造を有する。第2の金属線は、第2の面に配置され、第2の螺旋構造を有する。第2の金属線は第1の金属線に電気的に接続される。容量調整ユニットは、第1のコイルに接続される。容量調整ユニットは、少なくとも1つの閉ループと接続線を含み、接続線は、第1のコイルと閉ループの間に接続される。
【0021】
本開示は、第1のコイルと第2のコイルを含む無線システムを提供する。第1のコイルに電力が供給されたとき、第2のコイルは第1のコイルを感知して電力を発生するように構成される。本開示の様々な実施形態では、無線システムは、第1のコイル(または第2のコイル)に電気的に接続されて第1のコイルの層間の容量値を変更するように構成された容量調整ユニットを含むことができるため、送信端末装置により発生された電磁波による他の電子装置への電磁干渉を低減することができる。
【0022】
また、容量調整ユニットの配置は、第1のコイルのインダクタンス値およびインピーダンス値を変えることがないため、無線充電中の送信端末装置の性能に影響を与えない。いくつかの実施形態では、容量調整ユニットは、閉ループおよび接続線を含むことができる。閉ループはワイヤによって形成され、閉ループは、接続線に接続された1つの接続端点のみを有する。
【0023】
本発明の特徴や長所は以下に記述されるとともに、一部は記述中から明らかにされる。または、ここで開示される原理により実践されて知ることができる。本発明の追加的な特徴と長所は、装置の方法、および、請求項中で示される特別な組み合わせにより理解され、獲得される。本発明のこれら、およびその他の特徴は、以下の記述と請求項によって十分に明らかになり、または、本開示中で記述される原理の実践により知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の態様は、添付の図面を参照することで、次の詳細な説明から良く理解される。工業における標準的な慣行に従って、種々の特徴は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、種々の特徴の寸法は、議論を明確化するために、任意に増加または減少されている。
図1図1は、本開示の一実施形態による無線システムの概略図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による第1のコイルモジュールの分解図である。
図3図3は、本開示の一実施形態によるコイルアセンブリの上面図である。
図4図4は、本開示の一実施形態による、第1の面のコイルアセンブリの構造の概略図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による、第3の面のコイルアセンブリの構造の概略図である。
図6図6は、本開示の一実施形態による、第2の面のコイルアセンブリの構造の概略図である。
図7図7は、本開示のもう1つの実施形態による、第2の面のコイルアセンブリの構造の概略図である。
図8図8は、本開示のもう1つの実施形態によるコイルアセンブリの上面図である。
図9図9は、本開示の一実施形態による第1の面のコイルアセンブリの上層構造の概略図である。
図10図10は、本開示の一実施形態による第2の面のコイルアセンブリの下層構造の概略図である。
図11図11は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルアセンブリの上面図である。
図12図12は、本開示の一実施形態による第1の面のコイルアセンブリの上層構造の概略図である。
図13図13は、本開示の一実施形態による第2の面のコイルアセンブリの下層構造の概略図である。
図14図14は、本開示のもう1つの実施形態による、第1の面のコイルアセンブリの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の発明を実施するための形態では、説明のために、多数の特定の詳細および実施形態が本開示の完全な理解を提供するために明記されている。以下の発明を実施するための形態で説明された特定の構成要素および構造は、本開示を明瞭に説明するために記述されている。しかしながら、本明細書で記述される例示的な実施形態は、単に説明のために用いられることは明らかであり、発明の概念は、これらの例示的な実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。また、異なる実施形態の図面では、本開示を明瞭に説明するために、類似の番号および/または対応の番号を用いて、類似の構成要素および/または対応の構成要素を示すことができる。しかしながら、異なる実施形態の図面では、類似の番号および/または対応の番号の使用は、異なる実施形態間の相関関係を示唆するものではない。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」または「後」などの方向の用語は、添付の図面のための参照方向である。従って、方向を表す用語の使用は、本開示を限定するものではなく説明のためのものである。
【0026】
特定の説明または特定の図のための構成要素は、当業者に知られている任意の形態で存在し得ることを理解されたい。また、ある層が他の層または基板の「上」にあるとき、それはその層または基板の「直接」上にあるか、あるいは他の層がその層と他の層の間にあることができる。
【0027】
この明細書では、関連する表現が用いられる。例えば、「より低い」、「底部」、「より高い」、または「上部」は、もう1つに対する1つの構成要素の位置を説明するのに用いられる。仮に装置が上下反転された場合、「より低い」側の構成要素は、「より高い」側の構成要素となる、ということが了解されるべきである。
【0028】
用語「約」および「大抵」は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。特定の説明がないとき、所定値は、「約」または「大抵」の意味を含む。
【0029】
図1は、本開示の一実施形態による無線システムの概略図である。この実施形態では、無線システム1は、2つの無線装置(送信端末装置10と受信端末装置20)を含み、受信端末装置20は、送信端末装置10の上に配置される。例えば、送信端末装置10は、第1のコイルモジュール100を含む無線充電パッドとすることができ、第1のコイルモジュール100は、第1のコイルを更に有することができる。例えば、受信端末装置20は、第2のコイルモジュール200を含むスマートフォンまたはタブレットコンピュータであることができ、第2のコイルモジュール200は第2のコイルを更に有することができる。
【0030】
この実施形態では、第1のコイルは信号送信コイルとして動作することができ、第2のコイルは信号受信コイルとして動作することができる。第1のコイルに電力が供給されたとき、それに応じて、隣接する第2のコイルが誘起されて電力を発生し、受信端末装置20のバッテリ(図示せず)を充電する。
【0031】
例えば、第1のコイル(または第2のコイル)は、アライアンスフォーワイヤレスパワー(Alliance fоr Wireless Pоwer; A4WP)の規格に基づく共鳴充電コイルとして動作することができるが、これに限定されるものではない。また、第1のコイル(または第2のコイル)もQi規格のようなワイヤレスパワーコンソーシアム(Wireless Power Consortium; WPC)の規格に基づく誘導充電コイルとして動作することができる。従って、この実施形態の送信端末装置10(または受信端末装置20)は、異なる形態の充電に応答し、応用範囲を拡大することができる。例えば、近距離(例えば1cm以下)の場合、誘導型の動作が用いられ、遠距離の場合は共振型の動作が用いられる。
【0032】
図2に示すように、図2は、本開示の一実施形態による第1のコイルモジュール100の分解図である。図2に示されるように、第1のコイルモジュール100は、コイルアセンブリ102、接着層104、および磁性導電板106を含むことができる。本実施形態では、コイルアセンブリ102が磁性導電板106に配置され、コイルアセンブリ102は、接着層104によって磁性導電板106と接続される。接着層104は、接続に使用されることができるテープまたは他の任意の材料であることができる。
【0033】
また、本実施形態では、磁性導電板106はフェライトであることができるが、これに限定されるものではない。例えば、他の実施形態では、磁性導電板106はナノ結晶材料も含み得る。磁性導電板106は、コイルアセンブリ102に対応する透磁率を有することができ、コイルアセンブリ102の電磁波をより集中させることができる。
【0034】
図2に示されるように、コイルアセンブリ102は、基板108とコイル構造110(第1のコイル)を含み、コイル構造110は基板108に形成される。この実施形態では、基板108はフレキシブル回路基板であるが、それに限定されるものではない。コイル構造110を形成するために用いることができる任意の基板であれば本開示の範囲内である。
【0035】
次に、図3図6に示すように、図3は、本開示の一実施形態によるコイルアセンブリ102の上面図である。図4は、本開示の一実施形態による、第1の面1021のコイルアセンブリ102の構造の概略図である。図5は、本開示の一実施形態による、第3の面1023のコイルアセンブリ102の構造の概略図である。図6は、本開示の一実施形態による、第2の面1022のコイルアセンブリ102の構造の概略図である。
【0036】
この実施形態では、コイルアセンブリ102の基板108は、第1の面1021、第2の面1022、および第3の面1023にそれぞれ位置する第1の層構造、第2の層構造、および第3の層構造を含み、第3の面1023は、第1の面1021と第2の面1022の間に位置する。図6のコイル構造110は第2の面1022の下方に配置されるべきであるが、明確にするために、図6のコイル構造110は依然として実線で示されていることに留意されたい。
【0037】
図4図6に示されるように、コイルアセンブリ102のコイル構造110(第1のコイル)は、第1の金属線111と第2の金属線112、および接続部材114を含むことができ、第1の金属線111は第1の面1021に配置され、第2の金属線112は第2の面1022に配置され、且つ接続部材114は第3の面1023に配置される。また、図3に示されるように、コイルアセンブリ102は、第1の端子接点103および第2の端子接点105を更に有し、制御チップなどの外部回路に電気的に接続されるように構成されることができる。
【0038】
次に、図4に示されるように、第1の金属線111は、第1の端部1111および第2の端部1112を有する第1の螺旋構造を形成し、第2の端部1112は第2の端子接点105に接続される。図5に示されるように、接続部材114の一端は第1の端子接点103に接続される。また、図6に示されるように、第2の金属線112は、第1の端部1121および第2の端部1122を有する第2の螺旋構造を形成する。
【0039】
また、コイルアセンブリ102は、基板108を貫通して第1の金属線111と第2の金属線112を接続するように構成された複数の金属コネクタ(ビアとも称される)を更に含むことができる。例えば、図3図6に示されるように、コイルアセンブリ102は、金属コネクタMC1および金属コネクタMC2を含む。金属コネクタMC1は、第1の金属線111の第1の端部1111、接続部材114、および第2の金属線112の第1の端部1121を接続するように構成される。また、第2の金属線112の第2の端部1122は、金属コネクタMC2によって第1の金属線111と電気的に接続される。
【0040】
図4および図5に示されるように、コイルアセンブリ102は、接続部材114と延伸線1031を接続するように構成された金属コネクタMC3を更に含む。また、コイルアセンブリ102は、接続部材114の周りに配置された複数の金属コネクタMC5および金属コネクタMC6を更に含む。図3図6に示されるように、複数の金属コネクタMC5および金属コネクタMC6は、接続部材114の両側にそれぞれ配置される。金属コネクタMC5と金属コネクタMC6は、第1の金属線111と第2の金属線112を電気的に接続するように構成され、これにより、第1の金属線111の第1の螺旋構造の一部と第2の金属線112の第2の螺旋の一部が並列に接続されることができる。従って、コイルアセンブリ102の全体のインピーダンスを下げる効果が得られ、コイルアセンブリ102のコイル構造110の巻数も増加されることができる。
【0041】
本実施形態では、第1のコイルモジュール100は、第1のコイルに接続された容量調整ユニット150を更に含む。例えば、図6に示されるように、容量調整ユニット150は、第2の面1022に配置され、容量調整ユニット150は、少なくとも1つの閉ループ152および接続線154を含むことができ、且つ接続線154は、第2の金属線112(第1のコイル)と閉ループ152の間に接続される。
【0042】
図6に示されるように、閉ループ152はワイヤで形成されてもよく、閉ループ152は、接続線154を接続するように構成された1つの接続端点1521のみを有し、容量調整ユニット150は1つの接続線154のみを含む。更に、第2の金属線112の第2の螺旋構造は中空領域1124を形成し、閉ループ152は中空領域1124内に配置される。
【0043】
本実施形態において容量調整ユニット150を配置することにより、第1のコイルの層間の容量値(または第1のコイルの隣接する2つのターン間の容量値)が変更されることができ、送信端末装置10により発生された電磁波による他の電子装置への電磁干渉(EMI)を低減することができる。また、容量調整ユニット150の配置は、第1のコイルのインダクタンス値およびインピーダンス値を変えない。即ち、無線充電中の送信端末装置10の性能に影響を与えない。
【0044】
図7に示すように、図7は、本開示のもう1つの実施形態による、第2の面1022のコイルアセンブリ102Aの構造の概略図である。この実施形態のコイルアセンブリ102Aは、コイルアセンブリ102と類似している。両者の違いは、本実施形態の容量調整ユニット150は、第2の金属線112(第1のコイル)を囲む閉ループ152のみを含み、且つ容量調整ユニット150は、第1のコイルと電気的に独立していることである。
【0045】
図8図10に示すように、図8は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルアセンブリ102Bの上面図であり、図9は、本開示の一実施形態による第1の面1021の上のコイルアセンブリ102Bの上層構造の概略図であり、且つ図10は、本開示の一実施形態による第2の面1022の上のコイルアセンブリ102Bの下層構造の概略図である。
【0046】
本実施形態では、図9および図10に示されるように、第1の金属線111の巻回方向は、第2の金属線112の巻回方向と反対であり、それらは、中空領域1124内に位置する金属コネクタMCによって互いに直列に接続される。第1の金属線111の第1の端部1111は、金属コネクタMCによって第2の金属線112の第1の端部1121に電気的に接続される。本実施形態では、第1の金属線111は第1の螺旋構造を有し、第2の金属線112は第2の螺旋構造を有する。
【0047】
また、図8および図10に示されるように、コイルアセンブリ102Bは延伸線1031を更に有し、第2の金属線112の第2の端部1122は金属コネクタMCによって延伸線1031および第1の端子接点103に電気的に接続される。また、図8および図9に示されるように、第1の金属線111の第2の端部1112は、第2の端子接点105に接続される。
【0048】
第2の金属線112によって形成された第2の螺旋構造は、中空領域1124を有し、且つ容量調整ユニット150は、中空領域1124の外側に配置されることに留意されたい。具体的には、閉ループ152は第1の端子接点103に隣接し、閉ループ152は接続線154によって第2の金属線112の第2の端部1122に接続される。閉ループ152の巻回数は2ターン以上であるが、これに限定されるものではない。閉ループ152の巻回数は、調整される容量値によって決まる。
【0049】
上述の実施形態から、第1の金属線111と第2の金属線112が直列または並列に接続されているかどうかを知ることができる。容量調整ユニット150は、第1のコイルの容量値を調整して、無線装置(例えば、送信端末装置10)による電磁干渉の問題を低減するように用いられることができる。
【0050】
図11図13に示されるように、図11は、本開示のもう1つの実施形態による無線装置のコイルアセンブリ302の上面図であり、図12は、本開示の一実施形態による第1の面3021の上のコイルアセンブリ302の上層構造の概略図であり、且つ図13は、本開示の一実施形態による第2の面3022の上のコイルアセンブリ302の下層構造の概略図である。
【0051】
図12に示されるように、第1の金属線304は、第1の端子接点103および第2の端子接点105にそれぞれ接続された第1の端部3041および第2の端部3043を有する。また、図13に示されるように、第2の金属線306は第1の端部3061および第2の端部3063を有する。第1の端部3061は金属コネクタMC1によって第1の金属線304に接続され、第2の端部3063は金属コネクタMC2によって第1の金属線304の第2の端部3043に接続される。
【0052】
本実施形態の容量調整ユニット150Aは、第1の面3021の上に配置され、接続線154によって第1の金属線304の第1の端部3041に接続される。閉ループ152は、第1の閉配線(closed wiring)1522と第2の閉配線1523を含む。第1の閉配線1522は接続線154に接続され、第2の閉配線1523は第1の閉配線1522内に位置し、第1の閉配線1522に接続されない。
【0053】
本実施形態では、容量調整ユニット150Aの構造設計によれば、容量調整ユニットによって第1のコイル(第1の金属線304および第2の金属線306からなる)の容量値を調整する効果が更に向上されることができる。
【0054】
図14に示すように、図14は、本開示のもう1つの実施形態による、第1の面3021のコイルアセンブリ302Aの構造の概略図である。この実施形態のコイルアセンブリ302Aは、コイルアセンブリ302と類似している。両者の違いは、本実施形態の容量調整ユニット150Bが可変コンデンサ153を含むことである。可変コンデンサ153の一端は接続線154に接続され、可変コンデンサ153のもう一端は電気的に接地される。
【0055】
本実施形態では、容量調整ユニット150Bの構成によれば、コイルアセンブリ302Aの第1のコイルの容量値は、直ちに調整され、コイルアセンブリ302Aによって生じる電磁干渉の影響を更に低減することができる。
【0056】
なお、上述の実施形態では、容量調整ユニット150は送信端末装置10に配置されるが、他の実施形態では受信端末装置20に配置されることもできる。容量調整ユニット150の位置は、実際の必要性によって決定することができる。例えば、容量調整ユニット150が送信端末装置10に配置されるとき、受信端末装置20を小型化するという目的を達成することができる。また、容量調整ユニット150が受信端末装置20に配置されたとき、受信端末装置20は、異なるタイプの送信端末装置(例えば、容量調整ユニットを有しない送信端末装置)と適合することができる。
【0057】
本開示は、第1のコイルと第2のコイルとを含む無線システムを提供する。第1のコイルに電力が供給されたとき、第2のコイルは第1のコイルを感知して電力を発生するように構成される。本開示の様々な実施形態では、無線システムは、第1のコイル(または第2のコイル)に電気的に接続されて第1のコイルの層間の容量値を変更するように構成された容量調整ユニット150を含むことができるため、送信端末装置10により発生された電磁波による他の電子装置への電磁干渉を低減することができる。
【0058】
また、容量調整ユニット150の配置は、第1のコイルのインダクタンス値およびインピーダンス値を変えることがないため、無線充電中の送信端末装置10の性能に影響を与えない。いくつかの実施形態では、容量調整ユニット150は、閉ループおよび接続線を含むことができる。閉ループはワイヤによって形成され、閉ループは、接続線に接続された1つの接続端点のみを有する。
【0059】
本開示及びそれらの利点の一部の実施形態が詳細に説明されてきたが、添付の請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本明細書において種々の変更、代替、および改変をすることができることを理解すべきである。また、本出願の範囲は、本明細書中に述べられたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示の開示から容易に理解するように、本明細書で述べられた対応する実施形態と、実質的に同様の機能を実行するか、または実質的に同様の結果を達成する、現存の、または後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップが本開示に従って利用され得る。よって、添付の特許請求の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを含むように意図される。また、各請求の範囲は、個別の実施形態を構成し、各請求の範囲及び実施形態の組み合わせは、本発明の保護範囲である。
【符号の説明】
【0060】
1 無線システム
10 送信端末装置
20 受信端末装置
100 第1のコイルモジュール
102 コイルアセンブリ
102A コイルアセンブリ
102B コイルアセンブリ
1021 第1の面
1022 第2の面
1023 第3の面
103 第1の端子接点
1031 延伸線
104 接着層
105 第2の端子接点
106 磁性導電板
108 基板
110 コイル構造
111 第1の金属線
1111 第1の端部
1112 第2の端部
112 第2の金属線
1121 第1の端部
1122 第2の端部
1124 中空領域
114 接続部材
150、150A、150B 容量調整ユニット
152 閉ループ
1521 接続端点
1522 第1の閉配線
1523 第2の閉配線
153 可変コンデンサ
154 接続線
200 第2のコイルモジュール
302 コイルアセンブリ
302A コイルアセンブリ
3021 第1の面
3022 第2の面
304 第1の金属線
3041 第1の端部
3043 第2の端部
306 第2の金属線
3061 第1の端部
3063 第2の端部
MC、MC1、MC2、MC3、MC5、MC6 金属コネクタ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14